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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025080218
(43)【公開日】2025-05-23
(54)【発明の名称】回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250516BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20250516BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20250516BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/34 502D
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024160201
(22)【出願日】2024-09-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0156719
(32)【優先日】2023-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 泳 雄
【テーマコード(参考)】
5E316
5E319
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD22
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF12
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG18
5E316GG22
5E316GG23
5E316HH40
5E319AA03
5E319AC13
5E319BB04
5E319GG20
5E338AA02
5E338BB19
5E338BB63
5E338EE60
(57)【要約】
【課題】パッケージ間の連結を提供するソルダーボール接合部をアンダーフィル材のブリーディングから保護するように基板構造を改善してパッケージング組立性を確保した回路基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、互いに向き合う第1面と第2面とを有し、第1面から凹むように陥没したトレンチ部を有する絶縁層と、絶縁層内に埋め込まれ、第1面で、絶縁層から露出した第1接続パッドと、第1面で、絶縁層を覆い、第1接続パッドとトレンチ部を露出させるように開口される第1保護層と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向き合う第1面と第2面とを有し、前記第1面から凹むように陥没したトレンチ部を有する絶縁層と、
前記絶縁層内に埋め込まれ、前記第1面で、前記絶縁層から露出した第1接続パッドと、
前記第1面で、前記絶縁層を覆い、前記第1接続パッドと前記トレンチ部を露出させるように開口される第1保護層と、を有することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第1保護層は、前記第1接続パッドを露出させる第1開口部と、前記トレンチ部を露出させる第2開口部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1面に平行な第1方向に沿う幅において、前記第2開口部の幅は、前記トレンチ部の幅より大きいことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1面に平行な第1方向に沿う幅において、前記第1開口部の幅は、前記第1接続パッドの幅より小さいことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記トレンチ部の底面は、前記第1接続パッドの前記露出した面よりさらに後退した位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記トレンチ部の陥没した深さは、前記第1面に垂直な第2方向に沿う前記第1接続パッドの厚さより大きいことを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記トレンチ部の陥没した深さは、前記第1面に垂直な第2方向に沿う前記絶縁層の厚さより小さいことを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項8】
前記トレンチ部は、前記第1接続パッドと隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1接続パッドは、複数の第1接続パッドを含み、
前記トレンチ部は、互いに隣接する前記第1接続パッドの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第1接続パッドの前記露出した面は、前記第1面と同一面上に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項11】
前記第2面で、前記絶縁層から突出するように配置される第2接続パッドをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2面で、前記絶縁層と前記第2接続パッドを少なくとも部分的に覆う第2保護層をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
前記絶縁層は、プレプレグ(prepreg:PPG)を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項14】
前記保護層は、ソルダーレジスト(solder regist:SR)を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項15】
第1金属を含むシード層上に、第2金属を含む導電層を形成する段階と、
前記導電層を覆う第1メッキレジストをパターニングし、前記第2金属をメッキして前記導電層上に突出パターン層を形成する段階と、
前記導電層と前記突出パターン層を覆う第2メッキレジストをパターニングし、前記第1金属をメッキして前記導電層上に接続パッドを形成する段階と、
前記突出パターン層と前記接続パターンとを覆うように絶縁層を形成する段階と、
前記突出パターン層をエッチングして除去し、前記絶縁層の一面に凹むように陥没したトレンチ部を形成する段階と、を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁層の一面に、前記接続パッドと前記トレンチ部が露出するように開口される保護層を形成する段階をさらに有することを特徴とする請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1金属は、銅(Cu)を含み、前記第2金属は、錫(Sn)を含むことを特徴とする請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【請求項18】
前記トレンチ部は、前記突出パターン層に対応する部分に形成されることを特徴とする請求項15に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板及びその製造方法に関し、特に、基板構造を改善してパッケージング組立性を確保した回路基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品は、増々小型化し、多機能化する傾向があり、そのためにパッケージング技術も進歩している。
特に、Package-on-Package(POP)構造は、電子製品の性能と機能を向上させるために重要な役割を果たしている。
POP構造は、多様な機能を統合して小型化を可能にし、多層パッケージで構成され、上位パッケージと下位パッケージ間の連結を行う。
この連結は、主にソルダーボールを用いて行われ、ソルダーボールは、パッケージ間の電気的及び機械的連結を提供するとともに、各パッケージの導電性を維持する。
【0003】
しかし、POP構造で、インターポーザ基板とメモリ基板などを上下に搭載してソルダーボールを用いた連結を行うとき、特定の問題が発生している。
下位パッケージで、ソルダーボールで上位パッケージと連結した後、アンダーフィルを注入するとき、アンダーフィル成分がソルダーボール接合部までブリーディングする現象が発見されている。
このようなブリーディング現象は、パッケージ間の信頼性を低下させ、電子製品の性能に影響を及ぼす可能性があるので、このような問題を解決するための改善されたパッケージング技術の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の回路基板における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、パッケージング工程で、パッケージ間の連結を提供するソルダーボール接合部をアンダーフィル材のブリーディングから保護するように、基板構造を改善してパッケージング組立性を確保した回路基板とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板は、互いに向き合う第1面と第2面とを有し、前記第1面から凹むように陥没したトレンチ部を有する絶縁層と、前記絶縁層内に埋め込まれ、前記第1面で、前記絶縁層から露出した第1接続パッドと、前記第1面で、前記絶縁層を覆い、前記第1接続パッドと前記トレンチ部を露出させるように開口される第1保護層と、を有することを特徴とする。
【0006】
前記第1保護層は、前記第1接続パッドを露出させる第1開口部と、前記トレンチ部を露出させる第2開口部と、を含むことが好ましい。
前記第1面に平行な第1方向に沿う幅において、前記第2開口部の幅は、前記トレンチ部の幅より大きいことが好ましい。
前記第1面に平行な第1方向に沿う幅において、前記第1開口部の幅は、前記第1接続パッドの幅より小さいことが好ましい。
前記トレンチ部の底面は、前記第1接続パッドの前記露出した面よりさらに後退した位置に位置することが好ましい。
前記トレンチ部の陥没した深さは、前記第1面に垂直な第2方向に沿う前記第1接続パッドの厚さより大きいことが好ましい。
前記トレンチ部の陥没した深さは、前記第1面に垂直な第2方向に沿う前記絶縁層の厚さより小さいことが好ましい。
前記トレンチ部は、前記第1接続パッドと隣接して配置されることが好ましい。
前記第1接続パッドは、複数の第1接続パッドを含み、前記トレンチ部は、互いに隣接する前記第1接続パッドの間に配置されることが好ましい。
前記第1接続パッドの前記露出した面は、前記第1面と同一面上に位置することが好ましい。
前記第2面で、前記絶縁層から突出するように配置される第2接続パッドをさらに有することが好ましい。
前記第2面で、前記絶縁層と前記第2接続パッドを少なくとも部分的に覆う第2保護層をさら有することが好ましい。
前記絶縁層は、プレプレグ(prepreg:PPG)を含むことが好ましい。
前記保護層は、ソルダーレジスト(solder regist:SR)を含むことが好ましい。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による回路基板の製造方法は、第1金属を含むシード層上に、第2金属を含む導電層を形成する段階と、前記導電層を覆う第1メッキレジストをパターニングし、前記第2金属をメッキして前記導電層上に突出パターン層を形成する段階と、前記導電層と前記突出パターン層を覆う第2メッキレジストをパターニングし、前記第1金属をメッキして前記導電層上に接続パッドを形成する段階と、前記突出パターン層と前記接続パターンとを覆うように絶縁層を形成する段階と、前記突出パターン層をエッチングして除去し、前記絶縁層の一面に凹むように陥没したトレンチ部を形成する段階と、を有することを特徴とする。
【0008】
前記絶縁層の一面に、前記接続パッドと前記トレンチ部が露出するように開口される保護層を形成する段階をさらに有することが好ましい。
前記第1金属は、銅(Cu)を含み、前記第2金属は、錫(Sn)を含むことが好ましい。
前記トレンチ部は、前記突出パターン層に対応する部分に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る回路基板及びその製造方法によれば、パッケージング工程でパッケージ間の連結を提供するソルダーボール接合部をアンダーフィル材のブリーディングから保護するように基板構造を改善してパッケージング組立性を確保することができる。
また、ETS(Embedded Trace Substrate)工法で製作された回路基板で接続パッドを形成し、埋め込まれた(embedded)銅パターンとPPG絶縁層の表面間に段差のない基板構造を製作し、パッケージング組立歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
図2図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図3図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図4図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図5図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図6図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図7図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図8図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図9図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図10図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図11図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図12図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図13図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図14図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図15図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図16図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図17図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る回路基板及びその製造方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0012】
図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付する。
また、添付の図面において、一部の構成要素は誇張又は省略されるか、又は概略的に示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを完全に反映するものではない。
添付の図面は、本明細書に開示した実施形態を容易に理解できるようにするためのものであるだけで、添付の図面によって本明細書に開示した技術的な思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0013】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用されることがあるが、構成要素は、用語によって限定されない。
用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけ使用される。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」又は「上に」あるというとき、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるというときには中間に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分「の上に」又は「上に」あるというのは、基準となる部分の上又は下に位置するのであり、必ず重力反対方向の方に「の上に」又は「上に」位置することを意味するのではない。
【0014】
明細書全体で、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたのが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
したがって、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに包含できるのを意味する。
また、明細書全体で、「平面上」とするとき、これは対象の部分を上から見たときを意味し、「断面上」とするとき、これは対象の部分を垂直に切断した断面を側から見たときを意味する。
また、明細書全体で、「連結される」というとき、これは二つ以上の構成要素が直接に連結することだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を介して間接に連結すること、物理的に連結することだけでなく電気的に連結すること、又は位置や機能によって異なる名称と称されているが一体であることを意味することもある。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による回路基板の概略構成を示す断面図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態による回路基板100は、絶縁層110と、この絶縁層110に埋め込まれた回路配線と、絶縁層110の少なくとも一面を覆う保護層(131、135)と、を含む。
【0016】
絶縁層110と回路配線とは、ETS(Embedded Trace Substrate)構造からなる。
回路基板100は、印刷回路基板であって、半導体パッケージ用に用いられ得る。
絶縁層110は、互いに向き合う第1面110aと第2面110bとを有し、樹脂絶縁層を含む。
絶縁層110は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強剤が含浸された樹脂、例えば、プレプレグ(prepreg)が用いられ得る。
また絶縁層110は、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂などを含み得るが、これに限定されない。
【0017】
回路配線は、絶縁層110内に埋め込まれ、第1面110aで絶縁層110から露出する第1接続パッド121と、絶縁層110の第2面110bから突出する第2接続パッド125を含む。
回路配線は、絶縁層110内で絶縁層110を貫通じて第1接続パッド121と第2接続パッド125とを互いに連結するビア123を含み、絶縁層110内で露出されず、延長される配線を含む。
回路配線は、銅(Cu)を含み得、絶縁層110から露出した第1接続パッド121と絶縁層110から突出した第2接続パッド125を通じて外部回路部品の端子と接続する。
このとき、第1接続パッド121の露出した面は、第1面110aと同一面上に位置して段差がない。
つまり、ETS構造からなっても絶縁層110に埋め込まれた第1接続パッド121の露出表面が絶縁層110の表面から陥没していない。
【0018】
保護層(131、135)は、絶縁層110の第1面110aを覆う第1保護層131と、第2面110bを覆う第2保護層135とを含む。
第1保護層131は、第1面110aで第1接続パッド121を露出させるように開口される。
第2保護層135は、第2面110bで絶縁層110とともに第2接続パッド125を覆い、また、第2接続パッド125の一部を露出させるように開口される。
保護層(131、135)は、ソルダーレジスト層を含み得る。
【0019】
絶縁層110は、第1面110aから凹むように陥没したトレンチ部115を有する。
絶縁層110を覆う第1保護層131は、トレンチ部115を露出させるように開口される。
したがって、第1保護層131は、第1接続パッド121を露出させる第1開口部131aと、トレンチ部115を露出させる第2開口部131bを有する。
絶縁層110の第1面110aに平行な第1方向に沿う幅において、第2開口部131bの幅は、トレンチ部115の幅より大きく形成される。
また、第1方向に沿う幅において、第1開口部131aの幅は、第1接続パッド121の幅より小さく形成される。
【0020】
トレンチ部115の底面は、第1接続パッド121の露出した面より絶縁層110の表面からさらに後退して位置する。
このとき、トレンチ部115の陥没した深さは、絶縁層110の第1面110aに垂直な第2方向に沿う第1接続パッド121の厚さより大きく形成される。
また、トレンチ部115の陥没した深さは、絶縁層110の第2方向に沿う厚さより小さく形成される。
第1接続パッド121は、複数個からなり、トレンチ部115は、第1接続パッド121と隣接して配置される。
また、トレンチ部115は、互いに隣接する第1接続パッド121間に配置される。
【0021】
パッケージング工程で、電子素子(図示せず)は、第1接続パッド121に配置されるソルダーボール(図示せず)を通じて回路基板100に実装される。
このとき、電子素子と回路基板100との間にアンダーフィル(under fill)材を注入する。
注入されたアンダーフィル材は、第1接続パッド121を露出した第1保護層131の第1開口部131aからあふれて周辺に流れるアンダーフィルブリーディング(underfill bleeding)が発生する可能性がある。
第1接続パッド121に隣接したトレンチ部115は、このようにあふれるアンダーフィル材を収容することによって周辺の他の第1接続パッド121に流れて汚染することを防止できる。
【0022】
図1に示した実施形態では、一つの絶縁層110と二つの接続パッド(121、125)及びこれを連結するビア123を含むものとして示したが、本発明はこれに限定されず、より多く数のビルドアップ(build-up)絶縁層とより多くのビルドアップ回路配線層を含んでもよく、これも本発明の範囲に属するものである。
【0023】
図2図17は、図1に示す回路基板を製造する方法を説明するための工程断面図である。
図2図5を参照すると、少なくとも一面に第1シード層71と導電層75とが配置されたキャリア基板60を準備し、突出パターン形成工程を通じて導電層75の上に突出パターン層78を形成する。
キャリア基板60は、絶縁材61の両面に銅箔層62が積層された基板であり、第1シード層71と銅箔層62とは互いに分離される。
絶縁材61は、DCF(Dual detach core)層であり得る。
【0024】
第1シード層71の上には導電層75をメッキして形成する(図2参照)。
導電層75は、第1金属を含み、第1シード層71は、第2金属を含む。
第1金属は、第2金属と互いに異なる金属であり、エッチング条件が互いに異なる。
例えば、第1金属は、錫(Sn)を含み、第2金属は、銅(Cu)を含む。
キャリア基板60上に、突出パターン層78が形成される部分だけ露光及び現像を通じて除去して第1メッキレジストパターン83を形成する(図3参照)。
【0025】
突出パターン層78は、パターニングされた第1メッキレジストパターン83の開口を通じて露出した導電層75の部分に導電性の第1金属がメッキされた突出部を有するように形成する(図4参照)。
突出パターン層78の形成後、第1メッキレジストパターン83を除去する(図5参照)。
本実施形態では、キャリア基板60の両面上に突出パターン層78を形成することを示したが、キャリア基板60の一面上にだけ突出パターン層78を形成することも可能であり、これも本発明の範囲に属するものである。
【0026】
図6図8を参照すると、回路形成工程を通じて、導電層75の上に第1接続パッド121を形成する。
導電層75上に第1接続パッド121が形成される部分だけ露光及び現像を通じて除去された第2メッキレジストパターン85を形成する(図6参照)。
第1接続パッド121は、パターニングされた第2メッキレジストパターン85の開口を通じて露出した導電層75の部分に、導電性の第2金属をメッキして形成する(図7参照)。
導電層75の一部と突出パターン層78とは、第2メッキレジストパターン85で覆われ、第1接続パッド121の形成後、第2メッキレジストパターン85は、除去する(図8参照)。
【0027】
図9を参照すると、第1接続パッド121が埋め込まれるように絶縁層110Aを積層し、絶縁層110Aの上部面に第2シード層125Aを形成する。
第2シード層125Aは、第2接続パッド125を形成するために形成され、導電性金属であれば制限されることなく使用可能であるが、銅(Cu)を用いることが一般的である。
絶縁層110Aは、樹脂絶縁層を含む。
絶縁層110Aは、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらにガラス繊維又は無機フィラーのような補強剤が含浸された樹脂、例えば、プレプレグが用いられてもよく、また、絶縁層110Aは、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂などを含んでもよいが、これに限定されない。
【0028】
図10図13を参照すると、絶縁層110Aの上に回路形成工程を通じて、第2接続パッド125を形成する。
第2接続パッド125は、第1接続パッド121を形成する方法と同様の方法で形成し、第2接続パッド125は、第1接続パッド121と同じ種類の物質を含み得る。
このとき、第1接続パッド121と第2接続パッド125とを互いに連結するビア123を形成するために絶縁層110Aを部分的にエッチングして第1接続パッド121の一部を露出させ(図10参照)、このように露出した第1接続パッド121の部分の上にメッキ工程を行う。
そして、第2シード層125A上に、第2接続パッド125が形成される部分だけ露光及び現像を通じて除去された第3メッキレジストパターン87を形成する(図11参照)。
【0029】
パターニングされた第3メッキレジストパターン87の開口を通じて露出した第2シード層125Aの部分に導電性の第2金属をメッキし、第2接続パッドパターン125Bを形成する(図12参照)。
第2接続パッド125の形成後、第3メッキレジストパターン87は、除去する(図13参照)。
これによって、キャリア基板60の両側に埋込パターン(Embedded Pattern)基板部が完成する。
図に示した実施形態では、それぞれの埋込パターン基板部は、一つの絶縁層110と二つの金属層の第1接続パッド121及び第2接続パッド125を含むものとして示したが、これに限定されず、より多く数のビルドアップ(build-up)絶縁層とより多くのビルドアップ配線パターン層を含んでもよく、これも本発明の範囲に属するものである。
【0030】
図14を参照すると、第1シード層71とキャリア基板60とを分離して埋込パターン基板を準備する。
キャリア基板60の両面上に形成された第1シード層71を銅箔層62から分離して一対の埋込パターン基板を得て、一対の埋込パターン基板のそれぞれに対して個別に工程を適用する。
【0031】
図15を参照すると、図14で得られた埋込パターン基板をアルカリエッチングして第1シード層71と第2シード層125Aを除去する。
第1シード層71と第2シード層125Aを除去すると、第1接続パッド121が埋め込まれた絶縁層110の一面には導電層75と突出パターン層78が位置し、この絶縁層110の他の一面には第2接続パッド125が突出する。
アルカリエッチングを行うとき、第1金属からなる第1シード層71と第2シード層125Aとはエッチングされて除去されるが、第2金属からなる導電層75と突出パターン層78とはエッチングされず、残っていることになる。
【0032】
図16を参照すると、図15で得られた埋込パターン基板をエッチングして導電層75と突出パターン層78を除去する。
このために導電層75と突出パターン層78を構成する第1金属は、エッチングされながら、接続パッド(121、125)を構成する第2金属は、エッチングされないエッチング液を用いてエッチング工程を行う。
例えば、錫(Sn)剥離剤を用いることによって、錫(Sn)は、除去され、銅(Cu)は、除去されないようにエッチングすることができる。
埋込パターン基板から導電層75と突出パターン層78を除去すると、絶縁層110の一面から第1接続パッド121が露出し、絶縁層110にトレンチ部115が形成される。
トレンチ部115は、突出パターン層78が除去されることによって、第1接続パッド121が露出した絶縁層110の一面から凹むように陥没して形成される。
第1金属からなる第1接続パッド121は、第2金属をエッチングするエッチング液によってエッチングされないので、第1接続パッド121の露出した面は、絶縁層110の一面と同一面上に位置する。
【0033】
図17を参照すると、図16で得られた埋込パターン基板の両面に絶縁層110と接続パッド(121、125)を覆うように第1及び第2保護層135を形成する。
第1及び第2保護層135は、ソルダーレジスト層を含む。
第1保護層131は、第1接続パッド121が露出した絶縁層110の一面で、第1接続パッド121を露出させるように開口された第1開口部131aと、トレンチ部115を露出させるように開口された第2開口部131bとを有するようにパターニングする。
絶縁層110の一面に平行な第1方向に沿う幅において、第2開口部131bの幅は、トレンチ部115の幅より大きく形成する。
また、第1方向に沿う幅において、第1開口部131aの幅は、第1接続パッド121の幅より小さく形成する。
第2保護層135は、第2接続パッド125が配置された絶縁層110の他の一面で、第2接続パッド125の少なくとも一部を露出させるように開口される。
【0034】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
100 回路基板
110 絶縁層
115 トレンチ部
121 第1接続パッド
123 ビア
125 第2接続パッド
131 第1保護層
131a 第1開口部
131b 第2開口部
135 第2保護層
図1
図2
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図5
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