(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008040
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
A63F7/02 352C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109880
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】長沢 隆
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA30
2C088BC08
2C088BC58
(57)【要約】
【課題】遊技者に対して計数を促し、特定カウンタの記憶値が過大となるのが抑制された遊技機を提供する。
【解決手段】特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、計数警告表示を表示させる。特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の各種状態を制御する主制御手段と、
計数を実行可能な計数操作手段と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタと、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させる、遊技機。
【請求項2】
遊技機の各種状態を制御する主制御手段と、
計数を実行可能な計数操作手段と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタと、
演出の実行を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させる、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当りである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、遊技価値を付与する払出処理や、遊技価値を新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0004】
また、この種の遊技機には、計数ボタンの押下に基づき、管理遊技機が管理していた遊技球数が専用ユニットに送信されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、遊技者に対して計数を促し、特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制することが求められている。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者に対して計数を促し、特定カウンタの記憶値が過大となるのが抑制された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させる。
【0009】
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。電断に基づき前記計数警告表示が終了せず、電断からの復帰後に再び前記計数警告表示が表示される。このため、電断が発生した場合であっても、電断を跨いで遊技者に対し計数を促すことができる。換言すると、電断後に前記計数警告表示が表示されなくなることに基づき、遊技者が計数を実行しないという状況が発生するのを抑制できる。また、遊技者が計数を実行せず、前記特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
また、電断から復帰したことに基づき前記特定音が出力され、前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音は出力されないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音が出力される。このため、計数が実行されたことを遊技者等により認識されやすいものとすることができる。また、計数音が遊技の進行に係る演出音に埋もれてしまうのを抑制できる。
【0010】
また、本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させる。
【0011】
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。電断に基づき前記計数警告表示が終了せず、電断からの復帰後に再び前記計数警告表示が表示される。このため、電断が発生した場合であっても、電断を跨いで遊技者に対し計数を促すことができる。換言すると、電断後に前記計数警告表示が表示されなくなることに基づき、遊技者が計数を実行しないという状況が発生するのを抑制できる。また、遊技者が計数を実行せず、前記特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断が発生した場合、電断から復帰し、前記主制御手段が前記第3状態となるよりも前の前記第2状態から、前記計数警告表示が表示される。このため、電断復帰後、遊技者に対しより早く計数を促すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技者に対して計数を促し、特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その外観構成を示す斜視図である。
【
図4】同、状態表示部の外観構成を示す正面図である。
【
図5】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図9】同、演出図柄および保留図柄の表示について説明するための図である。
【
図10】同、加算可否判定の例を示すフローチャートである。
【
図11】同、コンプリート機能作動演出について説明するための図である。
【
図12】同、コンプリート機能作動予告演出について説明するための図である。
【
図13】同、遊技球数クリアを報知する演出について説明するための図である。
【
図14】同、計数警告演出について説明するための図である。
【
図15】同、コンプリート機能作動警告演出について説明するための図である。
【
図16】同、扉開放エラーを報知する演出について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0015】
本実施形態の遊技機1は、従来のパチンコ遊技機とは異なり、遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行可能となっている。遊技機1は、遊技機内部で一定数の遊技球(遊技媒体)が循環する封入循環式となっている。また、遊技機1は、電子的情報としての遊技価値が用いられ、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が払い出されたりする遊技機となっている。遊技機1において遊技価値の払い出しとは、遊技価値を電子的に払い出すこと(付与すること)を意味する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を保持する内枠7と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10と、を備えている。内枠7は、ヒンジ機構を介して外枠2に開閉可能に取り付けられている。また、前枠10は、ヒンジ機構を介して内枠7に開閉可能に取り付けられている。そして、内枠7(および前枠10)は、外枠2の開口部を塞ぐ閉位置(閉鎖状態)と外枠2の開口部を開放する開位置(開放状態)との間で開閉可能となっている。
【0017】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14(音出力手段)が設けられている。
【0018】
前枠10の下部右側には、グリップユニット20(ハンドル)が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0019】
前枠10には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化するようになっている。
【0020】
図2に示すように、遊技機1の側方(左側方)には、遊技価値を貸し出す装置としての専用ユニット400(遊技価値貸出装置、所定の装置)が設けられ、遊技機1と接続されている。専用ユニット400の前面には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口406、カード(遊技価値管理媒体)を挿入/排出可能なカード挿入/排出口402、貸出ボタン(貸出操作手段)403、再プレイボタン(貸出操作手段)404およびカード返却ボタン405等が設けられている。カードは、遊技者の所有する遊技価値数を管理するのに用いられる。換言すると、カードによって遊技者の所有する遊技価値数を把握可能となっている。また、カードは、プリペイド残高を記憶可能になっていてもよい。なお、カードによる遊技価値数の管理は、遊技価値数をカード自体に記憶することにより行われてもよく、遊技価値数は遊技場等に設置された所定の管理装置等に記憶しておき、当該管理装置等に記憶された遊技価値数とカードに記憶された識別情報(遊技者のIDや各カード固有の識別番号等)とを紐づけておくことなどにより行われてもよい。
【0021】
専用ユニット400では、貸出ボタン403に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機1に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。貸出ボタン403が押下されると、紙幣挿入口406に挿入された紙幣あるいはカードにプリペイド残高として記憶されている記憶値等を消費して、所定数(例えば125個)の遊技価値が遊技機1にクレジットされるようになっている。また、専用ユニット400では、再プレイボタン404に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機1に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。再プレイボタン404が押下されると、カードによって管理されている遊技者の所有する遊技価値(カードに紐づけられている遊技価値)を消費して、所定数(例えば125個)の遊技価値が遊技機1にクレジットされるようになっている。すなわち、本実施形態では、貸出操作手段としての貸出ボタン403または再プレイボタン404に対する操作が、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられ、貸出操作に基づいて、専用ユニット400から遊技機1に所定数の遊技価値が転送(貸出)されるようになっている。
【0022】
図1に示すように、前枠10における左側(専用ユニット400側)には、遊技価値数表示装置(遊技球数表示装置)211および計数ボタン(計数操作手段)212が設けられている。専用ユニット400での貸出操作に基づき、遊技機1では、所定数の遊技価値に相当する値が後述する枠制御基板201の遊技価値数記憶領域に記憶される。以下、遊技価値数記憶領域が示す値(記憶値)を「持玉数」(持ち球数)と呼ぶ。持玉数は、遊技に使用可能な遊技価値数ということができる。持玉数は、遊技価値数表示装置211に表示される。遊技価値数表示装置211は、6桁の7セグメント表示器を有しており、7セグメント表示器によって持玉数が表示されるようになっている。
【0023】
遊技機1は枠制御基板201(
図5参照)を備えており、枠制御基板201は、遊技価値数記憶領域に記憶される値(持玉数)に関する制御を行う。枠制御基板201は、遊技球の発射が検出されたことに基づき持玉数を減少させる。また、枠制御基板201は、賞球の払い出しに基づき持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、ファール球を検出したことに基づき、持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、専用ユニット400から遊技機1に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持玉数を増加させる。また、枠制御基板201は、遊技機1から専用ユニット400に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持玉数を減少させる。また、枠制御基板201は、持玉数を遊技価値数表示装置211に表示させる制御を行い、持玉数の増減に従って遊技価値数表示装置211の表示内容を変化させる。
【0024】
計数ボタン212は、持玉数(遊技価値数記憶領域に記憶された遊技価値)の全部または一部を専用ユニット400へ送信(返却、転送)する際に操作されるボタンである。計数ボタン212は押圧部(操作部)を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。遊技者は、遊技を終了する場合等に、計数操作(返却操作)としての計数ボタン212に対する操作(押下操作)を行う。計数ボタン212が操作されると、所定数の遊技価値が遊技機1から専用ユニット400へ転送される。遊技価値が専用ユニット400へ転送された後、専用ユニット400のカード返却ボタン405に対する操作(押下操作)が行われると、遊技者の所有する遊技価値数を把握可能とするカードが専用ユニット400(カード挿入/排出口402)から排出される。
【0025】
図3は、遊技盤6の外観構成を示す正面図である。遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0026】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ32(演出表示装置、表示手段)と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。液晶ディスプレイ32の中央上方には、演出ユニット36を構成し、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する照明装置38(照明手段)が設けられている。
【0027】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aまたは右側の遊技領域4bを落下するようになっている。また、遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0028】
また、ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4aを落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0029】
ステージ44の中央部の下方には、遊技球(ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球を含む)が進入可能な第1始動口46(第1領域)が設けられている。また、第1始動口46内には、第1始動口46に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100(
図5参照)が配設されている。第1始動口スイッチ100は、遊技球(第1始動口46への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第1特別図柄抽選(第1抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づいて、賞球(例えば1個)の払い出しを実行する。また、第1始動口46に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0030】
遊技領域4における第1始動口46の左方には、複数(3個)の一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47c)が設けられている。また、遊技盤6には、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ101(
図5参照)が配設されている。一般入賞口スイッチ101は、遊技球(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47cへの遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、一般入賞口スイッチ101からの検出信号の入力に基づいて、賞球(例えば3個)の払い出しを実行する。なお、一般入賞口スイッチ101は、左上一般入賞口47aと左中一般入賞口47bと左下一般入賞口47cとのそれぞれについて1個ずつ設けてもよく、複数(例えば3個)の一般入賞口47に対して1個だけ設けてもよい。また、左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bおよび左下一般入賞口47cの他にも一般入賞口47およびこの一般入賞口に対応する一般入賞口スイッチを設けてもよい。
【0031】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48内には、遊技球が通過したことを検知するゲートスイッチ102(
図5参照)が配設されている。ゲートスイッチ102は、遊技球(遊技球の通過ゲート48の通過)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、ゲートスイッチ102からの検出信号の入力に基づいて、普通当りの当否を決定する普通図柄抽選を実行する。
【0032】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、通過ゲート48の下方に、第2始動口49(第2領域)が設けられている。また、第2始動口49内には、第2始動口49に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ103(
図5参照)が配設されている。第2始動口スイッチ103は、遊技球(第2始動口49への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、特別図柄抽選としての第2特別図柄抽選(第2抽選)を実行する。また、主制御基板200は、第2始動口スイッチ103からの検出信号の入力に基づいて、賞球(例えば1個)の払い出しを実行する。また、第2始動口49に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0033】
第2始動口49には、第2始動口49に遊技球が進入しにくい縮小状態(閉状態)(第2始動口49への遊技球の進入が困難な状態)と、遊技球が進入しやすい拡大状態(開状態)(第2始動口49への遊技球の進入が容易な状態)と、の間で動作可能な普通役物54(第1可動物)が設けられている。普通役物54は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通図柄抽選で普通当りが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。
【0034】
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4bには、大入賞口50(第3領域、所定領域)が設けられている。また、大入賞口50内には、大入賞口50に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ104(
図5参照)が配設されている。カウントスイッチ104は、遊技球(大入賞口50への遊技球の入球)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、賞球(例えば15個)の払い出しを実行する。また、主制御基板200は、カウントスイッチ104からの検出信号の入力に基づいて、大入賞口50に入球した遊技球の数をカウントする。また、大入賞口50に進入した遊技球は、遊技機内部に回収される。
【0035】
大入賞口50には、大入賞口50に遊技球が進入不可能な閉状態(進入不可状態)と遊技球が進入可能な開状態(進入可能状態)との間で動作可能な特別役物56(第2可動物、特定可動物)が設けられている。特別役物56は、ソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)で大当りに当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。また、特別役物56は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で小当りに当選すると開始される小当り遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。
【0036】
大入賞口50内には、特定領域(図示せず)と、排出領域(図示せず)と、大入賞口50内に入球した遊技球を特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分ける振分手段(図示せず)と、が設けられている。特定領域には、特定領域スイッチ107(
図5参照)が配設されている。特定領域スイッチ107は、特定領域を通過する遊技球(遊技球による特定領域の通過)の検出に基づき、検出信号を主制御基板200に対して出力する。振分手段は、大入賞口50内に入球した遊技球を特定領域へ振り分ける特定領域通過状態と、大入賞口50内に入球した遊技球を排出領域へ振り分ける非特定領域通過状態と、に変位することが可能となっている。すなわち、振分手段が特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、特定領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による排出領域の通過が不可能となる。一方、振分手段が非特定領域通過状態に変位されている場合、大入賞口50内に入球した遊技球は、排出領域へ振り分けられる。これにより、大入賞口50内に入球した遊技球による特定領域の通過が不可能となる。振分手段は、特定領域ソレノイドによって変位される。大入賞口50内に入球した遊技球は、まず、カウントスイッチ104により検出され、その後、振分手段によって特定領域および排出領域のうちのいずれかの領域へ振り分けられ、当該領域を通過した後に、排出路へ排出される。この際、特定領域へ振り分けられた遊技球は、特定領域スイッチ107により検出される。
【0037】
遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口46,47,49,50にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。ここで、遊技機内部には、遊技領域4から回収(排出)された遊技球が通過する排出路(図示せず)が設けられている。本遊技機では、遊技領域4に打ち出された全ての遊技球(遊技領域4から回収された全ての遊技球)が、排出路を通過するように構成されている。すなわち、遊技領域4に打ち出された遊技球は、いずれかの入賞口46,47,49,50に入球またはアウト口62を通過することによって、遊技領域4から回収され排出路へ流入する。具体的には、各入賞口46,47,49,50に入球した遊技球は、入賞口内に配設されたスイッチ100,101,103,104により検出された後に、排出路に誘導される。また、アウト口62から回収された遊技球は、排出路に誘導される。また、排出路には、アウトスイッチ106(
図5参照)が配設されている。アウトスイッチ106は、排出路を通過する遊技球(遊技領域4からの遊技球の排出)を検出すると、検出信号を主制御基板200に対して出力する。また、主制御基板200は、アウトスイッチ106からの検出信号の入力に基づいて、遊技領域4から排出された遊技球の数をカウントする。
【0038】
遊技球の発射装置は、
図1で示したグリップユニット20(ハンドル)の回転量を調整することにより遊技球の発射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4a(第1遊技領域4a、左打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4b(第2遊技領域4b、右打ち領域)を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0039】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4aを落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4bを落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動口49に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口50に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。本実施形態では、左打ちを第1遊技方法と呼び、右打ちを第2遊技方法と呼ぶ場合がある。
【0040】
本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4aを落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動口49および大入賞口50に遊技球が入球(入賞)することがないようになっている。また、遊技球が右側の遊技領域4bを落下する場合には、第1始動口46および一般入賞口47に遊技球が入球することがないようになっている。
【0041】
図3に示すように、遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
【0042】
図4は、状態表示部70の外観構成を示す正面図である。状態表示部70には、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部81、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
【0043】
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通図柄抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通図柄抽選の結果を表示する。
【0044】
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、普通図柄抽選用乱数値を取得しても普通図柄抽選を行うことができないことにより普通図柄抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通図柄抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0045】
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入することにより第1特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、第1特別図柄抽選の結果を表示する。
【0046】
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値(抽選情報)を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示する。
【0047】
第2特別図柄表示部81は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入することにより第2特別図柄抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、第2特別図柄抽選の結果を表示する。
【0048】
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動口49に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中または停止表示中である場合など、特別図柄抽選用乱数値を取得しても特別図柄抽選を行うことができないことにより特別図柄抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示する。
【0049】
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。詳細は後述するが、本実施形態では、
図8に示すように、通常状態と、微時短状態と、時短状態と、特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態を設定可能となっている。時短状態は、通常状態および微時短状態と比較して、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が短縮され、特別図柄抽選の実行契機が頻繁に到来する遊技状態となっている。
【0050】
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御基板200(主制御手段)、副制御基板202(副制御手段)および枠制御基板201を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板200、副制御基板202および枠制御基板201の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0051】
主制御基板200は、ゲートスイッチ102、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103、一般入賞口スイッチ101、カウントスイッチ104、アウトスイッチ106、特定領域スイッチ107等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物54、特別役物56等の出力手段の動作制御を行う。
【0052】
副制御基板202は、主制御基板200から送られてくる信号や、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、前枠ランプ12、スピーカー14、液晶ディスプレイ32、照明装置38等の演出装置の動作制御を行う。
【0053】
枠制御基板201は、主制御基板200から送られてくる信号や、計数ボタン212からの入力信号を受けて、持玉(遊技球数)に関する制御を行い、遊技価値数表示装置211等の制御を行う。枠制御基板201は、主制御基板200と双方向に通信可能となっている。なお、枠制御基板201は、主制御基板200と一体的に形成されていてもよい。
【0054】
主制御基板200は、乱数発生手段210、普通図柄抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別図柄抽選手段230(抽選手段)、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250(状態制御手段)、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280およびメインメモリ290等を含んで構成されている。
【0055】
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0056】
普通図柄抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出するゲートスイッチ102から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通図柄抽選用乱数値について普通当りの当否などを決定する普通図柄抽選を行う。
【0057】
詳細には普通乱数記憶手段2912には、取得した普通図柄抽選用乱数値を格納する記憶領域として、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4の4つの普通保留記憶領域が設けられ、普通保留記憶領域1から読み出して普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を普通図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの当該普通保留記憶領域が設けられている。
そして、普通図柄抽選手段220は、乱数発生手段210から普通図柄抽選用乱数値を取得すると、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のいずれにも普通図柄抽選用乱数値が格納されていない状態では、取得した普通図柄抽選用乱数値をまずは普通保留記憶領域1に格納する。そして、普通保留記憶領域1に普通図柄抽選用乱数値が格納された時点で、普通図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されておらず、普通役物54を開状態にする制御の実行中でない場合には、直ちに普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。一方、普通図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち当該普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値が格納されているか、普通役物54を開状態にする制御の実行中である場合には、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値を保留する。
【0058】
そして、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている状態で更にゲートスイッチ102から検出信号が入力されて普通図柄抽選用乱数値が取得された場合には、普通図柄抽選手段220は、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において保留されている普通図柄抽選用乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち普通保留数が4個未満であることを条件に、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4のうち普通図柄抽選用乱数値が保留されていない普通保留記憶領域であって序数が最小である普通保留記憶領域に普通図柄抽選用乱数値を格納する。
【0059】
そして、普通図柄抽選手段220は、普通図柄の変動表示および停止表示が終了すると、当該普通保留記憶領域に格納されている普通図柄抽選用乱数値を消去し、普通保留記憶領域1において普通図柄抽選用乱数値が保留されている場合には、普通役物54を開状態にする制御の実行中でないことを条件に、普通保留記憶領域1から普通図柄抽選用乱数値を読み出して普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選を行った普通図柄抽選用乱数値を当該普通保留記憶領域に格納する。ここで、普通保留記憶領域2以降に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、残存している普通図柄抽選用乱数値を元の普通保留記憶領域から序数が1つ小さい普通保留記憶領域に移動させる。例えば、普通保留記憶領域2~普通保留記憶領域3に普通図柄抽選用乱数値が残存している場合には、普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域2に移動させる。
【0060】
こうして普通乱数記憶手段2912では、普通図柄抽選が行われた普通図柄抽選用乱数値が当該普通保留記憶領域において1個を上限として保留され、普通図柄抽選が行われていない普通図柄抽選用乱数値が普通保留記憶領域1~普通保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0061】
普通図柄抽選手段220は、普通図柄抽選として、普通当り決定処理などを行う。
【0062】
普通当り決定処理は、「普通当り」の当否を決定する処理である。普通当り決定処理では、普通図柄抽選手段220は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通図柄抽選テーブルのうち、いずれの普通図柄抽選テーブルを参照して乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて選択する。ここで、各普通図柄抽選テーブルは、0~99の100個の普通図柄抽選用乱数値のそれぞれに対して、「普通当り」または「ハズレ」が対応付けられたものである。そして、普通図柄抽選手段220は、選択した普通図柄抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1つの普通図柄抽選用乱数値が普通当りに対応づけられているか否かを判定することにより、「普通当り」が当選したか否かを判定する。
【0063】
遊技状態が時短状態(微時短状態を除く、以下同様)である場合に選択される普通図柄抽選テーブルは、遊技状態が時短状態でない場合に選択される普通図柄抽選テーブルに比べ、「普通当り」が当選する確率が高く設定されている。換言すると、遊技状態が時短状態である場合に行われる普通図柄抽選は、遊技状態が時短状態でない場合に行われる普通図柄抽選に比べ、「普通当り」が当選する確率が高くなっている。
【0064】
普通表示制御手段222は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて状態表示部70の表示を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
【0065】
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、所定の変動時間が経過するまで、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当り決定処理において「普通当り」が当選したか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させることにより、普通図柄表示部72に普通図柄抽選の結果を表示させる。
【0066】
本実施形態では、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を決定される。具体的には、遊技状態が時短状態である場合、遊技状態が時短状態でない場合よりも、普通図柄の変動時間が短く設定される。例えば、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態でない場合、普通図柄の変動時間が第1時間(例えば20秒)に設定され、普通図柄抽選が行われた時点の遊技状態が時短状態である場合、普通図柄の変動時間が第1時間よりも短い第2時間(例えば1秒)に設定される。よって、遊技状態が時短状態である場合の方が、普通図柄抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
【0067】
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通図柄抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の普通保留数を表示する。
【0068】
普通役物制御手段224は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて普通役物54を制御する手段である。普通役物制御手段224は、遊技状態が時短状態でない場合に、普通図柄が「普通当り」の当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、時間A(例えば0.1秒)が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。また、普通役物制御手段224は、遊技状態が時短状態である場合に、普通図柄が「普通当り」の当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、時間Aよりも長い時間B(例えば6秒)が経過するまで普通役物54が拡大状態となってから縮小状態に復帰するように普通役物54を動作させる制御を行う。
【0069】
したがって、普通図柄抽選において「普通当り」となった場合に、遊技状態が時短状態でなければ、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作するが、遊技状態が時短状態であれば、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。本実施形態では、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも第2始動口49への遊技球の進入が容易となるように普通役物54が動作制御される。よって、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0070】
なお、本実施形態では、通常状態と微時短状態とで、普通役物54の動作に関する制御が異なっている。微時短状態では、通常状態よりも僅かに普通役物54の開放時間(拡大状態となっている時間)が長く設定されている。なお、微時短状態は、普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間または普通役物54の開放時間のうちのいずれか1つ以上が、通常状態と異なっていればよい。例えば、微時短状態と通常状態とで、普通図柄抽選の当選確率および普通役物54の開放時間が同一であり、かつ普通図柄の変動時間が異なっていてもよく、その場合、普通図柄の変動時間は、微時短状態の方が通常状態よりも僅かに短い時間となっていてもよい。
【0071】
特別図柄抽選手段230(抽選手段)は、第1始動口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2始動口49に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別図柄抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。特別図柄抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当りの当否などを決定する特別図柄抽選を行う。
【0072】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第1特別乱数値を格納する記憶領域として第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4の4つの第1特別保留記憶領域が設けられ、第1特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第1当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0073】
特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれにも第1特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値として格納する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第1特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第1当該特別保留記憶領域に第1特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値を保留する。
【0074】
そして、第1特別保留記憶領域1において第1特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動口スイッチ100から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において保留されている第1特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第1特別保留数が4個未満であることを条件に、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のうち第1特別乱数値が保留されていない保留記憶領域であって序数が最小である第1特別保留記憶領域に第1特別乱数値として格納する。
【0075】
特別乱数記憶手段2914には、取得した第2特別乱数値を格納する記憶領域として第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4の4つの第2特別保留記憶領域が設けられ、第2特別保留記憶領域1から読み出して特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了するまで格納する記憶領域として、1つの第2当該特別保留記憶領域が設けられている。
【0076】
特別図柄抽選手段230は、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて特別図柄抽選用乱数値を取得すると、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていない状態では、取得した特別図柄抽選用乱数値をまずは第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値として格納する。そして、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納された時点で、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中でなく、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されておらず、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でない場合には、直ちに第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納する。一方、第2特別図柄が変動表示中または停止表示中であるか、すなわち第2当該特別保留記憶領域に第2特別乱数値が格納されているか、または遊技状態が特別遊技状態であるか、小当り遊技の実行中である場合には、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値を保留する。
【0077】
そして、第2特別保留記憶領域1において第2特別乱数値が保留されている状態で更に第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されて特別図柄抽選用乱数値が取得された場合には、特別図柄抽選手段230は、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において保留されている第2特別乱数値の数が4個未満であることを条件に、すなわち第2特別保留数が4個未満であることを条件に、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のうち第2特別乱数値が保留されていない第2特別保留記憶領域であって序数が最小である第2特別保留記憶領域に第2特別乱数値として格納する。
【0078】
特別図柄抽選手段230は、第1特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第1当該特別保留記憶領域に格納されている第1特別乱数値を消去する。そして、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第1特別乱数値を第1当該特別保留記憶領域に格納する。また、特別図柄抽選手段230は、第2特別図柄の変動表示および停止表示が終了すると、第2当該特別保留記憶領域に格納されている第2特別乱数値を消去する。そして、第2特別保留記憶領域1に第2特別乱数値が格納されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でなく、小当り遊技の実行中でないことを条件に、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選を行った第2特別乱数値を第2当該特別保留記憶領域に格納する。本実施形態では、第1特別乱数値と第2特別乱数値を並行して消化するため、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示が開始されたり、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示が開始されたりすることがあるようになっている。
【0079】
なお、第1特別保留記憶領域1に第1特別乱数値が格納されている場合には、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれにも第2特別乱数値が格納されていないことを条件に、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行い、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4のいずれかに第2特別乱数値が格納されている場合には、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4のいずれかに第1特別乱数値が格納されていたとしても、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち、第1特別乱数値よりも第2特別乱数値を優先して消化するようにしてもよい。また、第1特別乱数値であるか第2特別乱数値であるかに関わらず、特別乱数記憶手段2914に格納された順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別図柄抽選を行うようにしてもよい。すなわち第1始動口46あるいは第2始動口49に遊技球が進入した順序で第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を消化するようにしてもよい。
【0080】
第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2以降に第1特別乱数値が残存している場合には、あるいは第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2以降に第2特別乱数値が残存している場合には、残存している第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を元の特別保留記憶領域から序数が1つ小さい特別保留記憶領域に移動させる。例えば、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値を読み出した時点で、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに第1特別乱数値が残存している場合には、第1特別保留記憶領域2~第1特別保留記憶領域4のそれぞれに格納されている第1特別乱数値を、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3のそれぞれに移動させ、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値を読み出した時点で、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに第2特別乱数値が残存している場合には、第2特別保留記憶領域2~第2特別保留記憶領域3のそれぞれに格納されている第2特別乱数値を、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2のそれぞれに移動させる。
【0081】
特別乱数記憶手段2914では、特別図柄抽選が行われていない第1特別乱数値が第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。また、特別図柄抽選が行われていない第2特別乱数値が第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4において4個を上限として保留される。
【0082】
次に、特別図柄抽選の詳細について説明する。特別図柄抽選手段230は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、特別図柄抽選用乱数値として、大当り決定乱数値、図柄決定乱数値などの複数種類の乱数値を取得し、これらの複数種類の乱数値を特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納する。そして、特別図柄抽選手段230は、特別図柄抽選として、大当り決定処理、図柄決定処理などを行う。
【0083】
大当り決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの大当り決定乱数値を読み出して、大当りなどの当否を決定する処理である。ここで1つの大当り決定乱数値は、第1始動口スイッチ100あるいは第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~65535の65536個の大当り決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0084】
大当り決定処理では、特別図柄抽選手段230は、メインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の大当り抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの大当り決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0085】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図6(a)に示す大当り抽選テーブルAと、
図6(b)に示す大当り抽選テーブルBと、が記憶されている。各大当り抽選テーブルでは、0~65535の65536個の大当り決定乱数値のそれぞれに対して、大当たりなどが対応付けられている。
【0086】
大当り抽選テーブルAは、第1特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が1/350(187/65536)の確率で当選し、「C時短」が349/350(65349/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルAを参照して、第1保留記憶領域1から読み出した大当り決定乱数値が、「大当り」または「C時短」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「C時短」が当選したか否かを決定する。本実施形態では、第1特別図柄抽選では、「大当り」または「C時短」のいずれかに必ず当選するようになっている。なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選において「大当り」または「C時短」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。第1特別図柄抽選では、当り(大当り)に当選する場合と、当りに当選しない場合と、があり、後者の場合(ハズレと称してもよい)に、C時短(後述するC時短1またはC時短2)に当選する場合が含まれる。なお、「当りに当選しない場合」には、時短にも当選しない場合(換言すると完全なハズレとなる場合)が含まれてもよい。
【0087】
大当り抽選テーブルBは、第2特別乱数値について大当り決定処理を行う場合に選択され、「大当り」が1/350(187/65536)の確率で当選し、「小当り」が1/139.8(469/65536)の確率で当選するように、各判定結果と大当り決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、大当り抽選テーブルBを参照して、第2保留記憶領域1から読み出した大当たり決定乱数値が、「大当り」または「小当り」に対応付けられているか否かを判定することにより、「大当り」または「小当り」が当選したか否かを決定する。なお、本実施形態では、第2特別図柄抽選において「大当り」または「小当り」に当選する確率は、遊技状態に応じて変化しないようになっている。第2特別図柄抽選では、当り(大当りまたは小当り)に当選する場合と、当りに当選しない場合と、がある。なお、後者の「当りに当選しない場合」には、当りに当選せずにC時短に当選する場合は含まれない。
【0088】
図柄決定処理は、大当り決定処理において、「大当り」、「C時短」、または「小当り」に当選した場合に行われる処理である。図柄決定処理は、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1あるいは第2特別保留記憶領域1に格納されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値に含まれる1つの図柄決定乱数値を読み出して、「大当り」に当選した場合には、大当り図柄(大当りの種別)を複数の大当り図柄のうちのいずれにするかを決定し、「C時短」に当選した場合には、時短図柄(C時短の種別)を複数の時短図柄のうちのいずれにするかを決定し、「小当り」に当選した場合には、小当り図柄(小当りの種別)を複数の小当り図柄のうちのいずれにするかを決定する処理である。ここで、1つの図柄決定乱数値は、第1始動口スイッチ100、第2始動口スイッチ103から検出信号が入力されたことに基づいて、0~199の200個の図柄決定乱数値から取得され、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として格納されたものである。
【0089】
図柄決定処理では、特別図柄抽選手段230は、抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の図柄抽選テーブルのうちいずれを参照して乱数判定処理を行うかを、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていたか第2特別乱数値として格納されていたかに応じて選択する。
【0090】
本実施形態では、抽選テーブル記憶手段2910に、
図7(a)に示す図柄抽選テーブルAと、
図7(b)に示す図柄抽選テーブルBと、
図7(c)に示す図柄抽選テーブルCと、
図7(d)に示す図柄抽選テーブルDと、が記憶されている。各図柄抽選テーブルでは、図柄決定乱数値のそれぞれに対して、所定の図柄が対応付けられている。
【0091】
図7(a)に示す図柄抽選テーブルAは、「大当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「大当り1」(10R時短10000)が0.005/100の確率で当選し、「大当り2」(7R時短110)が59.997/100の確率で当選し、「大当り3」(7R時短0)が39.998/100の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルAを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0092】
図7(b)に示す図柄抽選テーブルBは、「C時短」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第1特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「C時短1」(微時短1329)が80.5/100(約80%)の確率で当選し、「C時短2」(時短1329)が19.5/100(約20%)の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルBを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の時短図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の時短図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0093】
図7(c)に示す図柄抽選テーブルCは、「大当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「大当り4」(10R時短10000)が12.8/100の確率で当選し、「大当り5」(10R時短110)が87.2/100の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルCを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の大当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の大当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0094】
図7(d)に示す図柄抽選テーブルDは、「小当り」に当選した場合であって、読み出した1つの図柄決定乱数値が第2特別乱数値として格納されていた場合に選択され、「小当り1」(10R時短10000)が50/100の確率で当選し、「小当り2」が50/100(10R時短110)の確率で当選するように、各図柄と図柄決定乱数値との対応関係が設定されている。特別図柄抽選手段230は、図柄抽選テーブルDを参照して、読み出した1つの図柄決定乱数値が、複数種類の小当り図柄のいずれに対応付けられているかを判定することにより、複数種類の小当り図柄のいずれが当選したかを決定する。
【0095】
特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技の実行処理などを行う。また、特別遊技実行手段260は、特別図柄抽選において「小当り」に当選したことに基づいて小当り遊技を実行する手段であって、小当り遊技の実行処理などを行う。なお、特別遊技という場合、小当り遊技を含むものであってもよい。
【0096】
特別遊技状態は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選あるいは第2特別図柄抽選)において「大当り」に当選したことに基づき開始され、大当り図柄の種類(種別)に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。特別図柄抽選において、「大当り1」、「大当り4」または「大当り5」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第10ラウンドの10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。特別図柄抽選において、「大当り2」または「大当り3」が当選したことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド~第7ラウンドの7ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。詳細は後述するが、特別図柄抽選において「大当り」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に、大当り図柄に応じた所定の時短回数が設定されて時短状態が開始される、あるいは大当り図柄に応じた所定の微時短回数が設定されて微時短状態が開始される。
【0097】
小当り遊技状態は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)において「小当り」に当選したことに基づき開始され、予め定められた回数(本実施形態では1回)の小当り遊技が実行されると終了する。小当り遊技では、特別役物56が、大入賞口50への遊技球の進入を可能とする開状態となり、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。具体的には、小当り遊技では、当該小当り遊技の実行中に大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となるように、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。これにより、第2特別図柄抽選において「小当り1」または「小当り2」のいずれかに当選した場合、小当り遊技状態において、遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となる。そして、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出された場合)、小当り遊技状態の終了に基づき、特別遊技状態が開始される。
【0098】
第2特別図柄抽選において「小当り1」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球の特定領域の通過が検出された場合、特別遊技(ラウンド遊技)の回数が9回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として10回のラウンドが実行されることになる。そして、10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。また、第2特別図柄抽選において「小当り2」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技(ラウンド遊技)の回数が9回に設定される。これにより、小当り遊技を1回目のラウンド遊技として10回のラウンドが実行されることになる。そして、10ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。詳細は後述するが、特別遊技状態の終了時に、小当り図柄に応じた所定の時短回数が設定され、時短状態が開始される。なお、小当り遊技状態において遊技球の特定領域の通過が検出されなかった場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出されなかった場合)には、特別遊技状態は開始されず、通常状態が開始される。
【0099】
本実施形態では、各ラウンドの特別遊技(小当り遊技を含む)において、特別役物56が開状態となってからメインメモリ290の開放タイマーが所定時間(29秒)をカウントするか、カウントスイッチ104が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば1)が加算されるメインメモリ290の大入賞数カウンタ(図示せず)の値が上限値(例えば10)に達すると、特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置の駆動制御が行われる。
【0100】
特別表示制御手段240は、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
【0101】
第1特別図柄表示制御処理は、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させた後に、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させる。
【0102】
本実施形態では、各大当り図柄、時短図柄、小当り図柄のそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められている。
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、「大当り」または「C時短」に当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において「大当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において「C時短」に当選した場合には図柄決定処理で決定された時短図柄に応じた態様で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0103】
第2特別図柄表示制御処理は、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて特別図柄抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、変動時間が経過するまで、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後に、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを所定の態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させる。
【0104】
特別表示制御手段240は、大当り決定処理において、「大当り」または「小当り」に当選したか否かに応じた態様で、そして大当り決定処理において「大当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で、また大当り決定処理において「小当り」に当選した場合には図柄決定処理で決定された小当り図柄に応じた態様で、第2特別図柄表示部81の7セグメントディスプレイを点灯させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部81に特別図柄抽選の結果を表示させる。
【0105】
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第1特別保留数を表示させる。
【0106】
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0~4個の第2特別保留数を表示させる。
【0107】
本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選)において「大当り」に当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。また、第2特別図柄抽選において「小当り」に当選すると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる小当り遊技状態が開始され、小当り遊技状態において大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が検出されると、大入賞口50への遊技球の入球が可能(容易)となる特別遊技状態が開始される。遊技者は、大入賞口50へ遊技球を入球させることによって、多くの賞球を獲得することが可能となる。本実施形態では、第2特別図柄抽選に基づき特別遊技状態へ移行する確率が、第1特別図柄抽選に基づき特別遊技状態へ移行する確率に比べて高くなっている。具体的には、第1特別図柄抽選では、抽選結果として「小当り」が設定されておらず、「大当り」に当選した場合にのみ特別遊技状態に移行する。一方、第2特別図柄抽選では、抽選結果として「大当り」と「小当り」とが設定されており、「大当り」に当選した場合に特別遊技状態に移行するとともに、「小当り」に当選し、かつ、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合に、特別遊技状態へ移行する。
【0108】
本実施形態では、第1特別図柄抽選の機会を獲得するよりも、第2特別図柄抽選の機会を獲得した方が、特別遊技状態への移行が決定する確率が高くなっている。なお、上述のとおり、第2特別図柄抽選の機会を獲得するためには、普通図柄抽選において「普通当り」に当選し、かつ、普通役物54(普通電動役物)が開状態(開放状態)となっているときに第2始動口49へ遊技球を入球(進入)させる必要がある。また、第2始動口49への遊技球の進入のしやすさ(入球のさせやすさ)は遊技状態に応じて異なっている。
【0109】
遊技状態移行制御手段250は、
図8に示すように、所定の条件(移行条件)の成立に基づき各遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
【0110】
(通常状態)
通常状態(通常遊技状態)は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態である。上述のとおり、通常状態は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が時短状態よりも低くなっている。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合であっても、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作する。このため、通常状態は、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。通常状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0111】
図8に示すように、通常状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り」に当選したことに基づき特別遊技状態へ移行する。
図7(a)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数(微時短回数)として1329回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、微時短状態へ移行する。
【0112】
また、
図7(b)に示すように、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合(第1特別図柄が確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、当該時短図柄に応じた時短回数(微時短回数1329回)が設定され、微時短状態へ移行する。また、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合(第1特別図柄が確定した場合)、その停止表示(確定)を契機として、当該時短図柄に応じた時短回数(時短回数1329回)が設定され、時短状態へ移行する。
【0113】
本実施形態では、通常状態での第1特別図柄抽選で「大当り」または「C時短」のいずれかに必ず当選し、通常状態において当該第1特別図柄抽選が実行されたことに基づき、微時短状態、時短状態または特別遊技状態のいずれかに移行するようになっている。
【0114】
時短図柄「C時短2」は、大入賞口50への遊技球の入球が容易となる遊技状態(特別遊技状態または小当り遊技状態)への移行が付与されず、特別遊技状態または小当り遊技状態を経由せずに時短状態へ移行可能な時短図柄となっている。なお、通常状態以外の遊技状態において、第1特別図柄抽選で「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が停止表示された場合、当該停止表示を契機として時短状態または微時短状態へは移行しないようになっている。当該「移行しない」には、すでにその遊技状態に滞在している場合に、所定の時短回数(微時短回数)が再設定されないことが含まれる。
【0115】
(微時短状態)
上述のとおり、微時短状態(第2特定遊技状態)は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が時短状態よりも低くなっている(または時短状態と同等となっている)。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合であっても、第2始動口49への遊技球の進入しやすさがほとんど増加しないように普通役物54が動作する。このため、微時短状態は、時短状態を構成する機能の少なくとも一部が作動しており、通常状態と比べるとわずかながら第2始動口49への入球は容易となっているが、遊技者が右打ちを行った場合であっても、遊技球を第2始動口49に入球させることが困難(不可能)となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが困難(不可能)となっている。微時短状態は、第1特別図柄抽選の機会を得るべく、第1始動口46に遊技球が入球するように左打ちを行う方が、右打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、微時短状態は、左打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0116】
図8に示すように、微時短状態における特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り」に当選したことに基づき特別遊技状態へ移行する。
図7(a)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り1」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り2」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り3」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数(微時短回数)として1329回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき、微時短状態へ移行する。
【0117】
遊技状態移行制御手段250は、微時短状態での第1特別図柄の変動表示回数が1329回に到達したことに基づき、微時短状態の終了条件が成立したものとし、微時短状態を終了させ、通常状態へ移行させる。本実施形態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り3」に当選したことに基づく特別遊技状態の終了時に、メインメモリ290の微時短カウンタ2916の記憶値に微時短回数が設定される。また、通常状態において特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短1」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」に応じた態様で停止表示された場合、当該停止表示を契機として微時短カウンタ2916の記憶値に微時短回数が設定される。微時短状態では、第1特別図柄の変動表示が行われるごとに、微時短カウンタ2916の記憶値から「1」が減算される。そして、微時短カウンタ2916の記憶値が「0」に達したことに基づき、微時短終了条件が成立して微時短状態が終了し、通常状態が開始される。なお、本実施形態では微時短カウンタ2916の記憶値が減算されて所定の値「0」に達した場合に微時短終了条件が成立するものとしたが、これに限らず、微時短カウンタ2916の記憶値が加算されて所定の値(例えば「1329」)に達した場合に微時短終了条件が成立するように構成されていてもよい。
【0118】
微時短状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短」(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として、微時短状態または時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、微時短状態において、第1特別図柄抽選の結果「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0119】
(時短状態)
上述のとおり、時短状態(第1特定遊技状態)は、普通図柄抽選において「普通当り」に当選する確率が通常状態や微時短状態よりも高くなっている。また、普通図柄抽選において「普通当り」に当選した場合、第2始動口49への遊技球の進入しやすさが増加するように普通役物54が動作する。このため、時短状態は、通常状態や微時短状態に比べて、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっている。換言すると、第2特別図柄抽選の機会を獲得することが容易となっている。時短状態は、第2特別図柄抽選の機会を得るべく、遊技球が通過ゲート48を通過するように右打ちを行う方が、左打ちを行うよりも遊技者に有利となっている。換言すると、時短状態は、右打ちを行うべき遊技状態となっている。
【0120】
図8に示すように、時短状態における特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で「大当り」または「小当り」に当選したことに基づき特別遊技状態(小当り遊技状態経由を含む)へ移行する。
図7(c)に示すように、当該特別図柄抽選で「大当り4」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「大当り5」に当選した場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「小当り1」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として10000回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。また、当該特別図柄抽選で「小当り2」に当選し、かつ小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態の終了時に時短回数として110回が設定され、特別遊技状態の終了に基づき時短状態へ移行する。
【0121】
遊技状態移行制御手段250は、時短状態での第2特別図柄の変動表示回数が110回(または10000回)に到達したことに基づき、時短状態の終了条件(所定の条件)が成立したものとし、時短状態を終了させ、通常状態へ移行させる。本実施形態では、特別遊技状態の終了時に、メインメモリ290の時短カウンタ2915の記憶値に、当選図柄の種別に応じた時短回数が設定され、時短状態において第2特別図柄の変動表示が行われるごとに、時短カウンタ2915の記憶値から「1」が減算される。そして、時短カウンタ2915の値が「0」に達したことに基づき時短終了条件が成立して時短状態が終了し、通常状態が開始される。なお、本実施形態では時短カウンタ2915の記憶値が減算されて所定の値「0」に達した場合に時短終了条件が成立するものとしたが、これに限らず、時短カウンタ2915の記憶値が加算されて所定の値「110」(または「10000」)に達した場合に時短終了条件が成立するように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、時短カウンタ2915と微時短カウンタ2916とがそれぞれ設けられているものとしたが、これに限らず、1つのカウンタで管理(制御)されていてもよい。
【0122】
時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短」(「C時短1」または「C時短2」)に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として、微時短状態または時短状態が開始(設定)されることはない(新たな時短回数が設定されない)。換言すると、当該当選時の遊技状態が継続される。なお、時短状態において、第1特別図柄抽選の結果「C時短1」または「C時短2」に当選し、第1特別図柄が「C時短1」または「C時短2」に応じた態様で停止表示された場合、その停止表示を契機として新たな時短回数が設定され得るように構成されていてもよい。
【0123】
図5に戻り説明する。払出制御手段270は、第1始動口スイッチ100からの検出信号、第2始動口スイッチ103からの検出信号、一般入賞口スイッチ101からの検出信号、カウントスイッチ104からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を(電子的に)払い出す制御を行う。
【0124】
通信制御手段280は、主制御基板200における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドを、副制御基板202や枠制御基板201に送信する制御を行っている。なお、本実施形態では、主制御基板200と副制御基板202との間では、主制御基板200から副制御基板202への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板202からは主制御基板200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【0125】
次に、副制御基板202について説明する。副制御基板202は、演出制御手段300と、サブメモリ302と、を含んで構成されている。
【0126】
演出制御手段300は、主制御基板200から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ302の演出データ記憶手段303に記憶されている演出データに基づいて演出装置を制御し、前枠ランプ12や照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、音響装置を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置を駆動して演出物を動作させたりするなど、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置に実行させる。
【0127】
演出データ記憶手段303には、液晶ディスプレイ32に画像を表示させるための多数の演出画像データが記憶されており、演出制御手段300は、これらの演出画像データに基づいて、1フレーム(1/30秒)ごとにサブメモリ302のフレームバッファに画像を描画して、描画した画像を液晶ディスプレイ32に表示させることにより、液晶ディスプレイ32に動画を再生表示させる。
【0128】
演出制御手段300は、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、あるいは第2特別図柄表示部81における第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて(対応させて)、演出図柄(デモ図柄)を液晶ディスプレイ32に表示させる演出を実行し、第1特別図柄抽選あるいは第2特別図柄抽選の結果を報知することが可能である。演出制御手段300は、微時短状態では、第1特別図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させ、時短状態では、第2特別図柄の変動表示および停止表示に対応する演出図柄を液晶ディスプレイ32に表示させる。
【0129】
微時短状態における演出図柄の表示について説明する。
図9(a)は、第1特別図柄が変動表示を開始する前の状態を示している。液晶ディスプレイ32の表示領域32aに、演出図柄としての、左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354が表示されている。左演出図柄350は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける左側部に表示され、中演出図柄352は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける中央部に表示され、右演出図柄354は、液晶ディスプレイ32の表示領域32aにおける右側部に表示される。左演出図柄350、中演出図柄352および右演出図柄354はそれぞれ、「1」~「9」の数字を表す9種類の演出図柄列を構成している。なお、「1」~「9」の数字を表す各演出図柄は、数字とともにキャラクタなどの装飾部を含んで構成されていてもよい。
【0130】
図9(b)に示すように、第1特別図柄の変動表示の開始に基づき、演出図柄の変動表示(変動表示演出)が開始される。図中下向きの矢印は、演出図柄が、縦方向に高速で変動表示中(スクロール中)であることを示している。
【0131】
図9(c)に示すように、第1特別図柄の停止表示に基づき、演出図柄は停止表示される。演出図柄は、第1特別図柄抽選の結果に応じた態様で停止表示される。例えば、第1特別図柄抽選で「大当り」に当選した場合、図柄決定処理で決定された大当り図柄に応じた態様で停止表示される。図示を省略するが、時短状態においても、微時短状態と同様に(
図9(a)、
図9(b)および
図9(c)に示すように)、第2特別図柄の変動表示および停止表示に応じて演出図柄を変動表示または停止表示させる。
【0132】
また、演出制御手段300は、主制御基板200における第1特別保留数(特別乱数記憶手段2914に格納(保留)されている第1特別乱数値)あるいは第2特別保留数(特別乱数記憶手段2914に格納(保留)されている第2特別乱数値)に基づき、第1特別保留数あるいは第2特別保留数を示す画像を、液晶ディスプレイ32に表示させる演出(保留演出)を実行する。
図9(a)などに示すように、液晶ディスプレイ32の表示領域の下部に、特別乱数記憶手段2914の第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域4あるいは第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域4に対応させて、第1保留表示領域411~第4保留表示領域414の4つの保留表示領域(表示領域)が設けられている。
【0133】
図9(a)は、微時短状態で実行された保留演出を示しており、第1特別保留記憶領域1~第1特別保留記憶領域3に第1特別乱数値が格納され、第1保留表示領域411~第3保留表示領域413に第1保留画像420(3個の第1保留画像420)が表示されている。
図9(d)は、時短状態で実行された保留演出を示しており、第2特別保留記憶領域1~第2特別保留記憶領域2に第2特別乱数値が格納され、第1保留表示領域411~第2保留表示領域412に第2保留画像422(2個の第2保留画像422)が表示されている。
【0134】
また、保留演出では、液晶ディスプレイ32の表示領域32aの下部における第1保留表示領域411の左側の領域に、特別乱数記憶手段2914の当該特別保留記憶領域に対応させて、1つの当該保留表示領域430が表示される。当該保留表示領域430には、第1特別保留記憶領域1から第1特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第1保留画像420が表示される(
図9(b))。また、第2特別保留記憶領域1から第2特別乱数値が読み出されて当該特別保留記憶領域に格納された場合には第2保留画像422が表示される。
【0135】
本実施形態では、通常状態において、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り1」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り2」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「C時短2」に当選した場合とに、時短状態へ移行する。これに対し、微時短状態では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り1」に当選した場合と、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)で「大当り2」に当選した場合とに、時短状態へ移行する。このため、通常状態は、微時短状態よりも時短状態(遊技者に有利な遊技状態)へ移行する確率が高く、遊技者に有利となっている。換言すると、通常状態は、微時短状態に比べて「C時短2」に当選した場合に時短状態へ移行可能となっている分、時短状態へ移行する確率が高く、遊技者に有利となっている。本実施形態の遊技機は、RAMクリア(メインメモリ290のRAMにおける少なくとも一部の領域を初期化する処理)が実行された場合、遊技状態が通常状態に設定される。通常状態は、いわゆる「モーニング状態」となっている。
【0136】
上述のとおり、通常状態および微時短状態(左打ち時短状態)は、右打ちよりも左打ちが有利な遊技状態となっており、時短状態(右打ち時短状態)は、左打ちよりも右打ちが有利な遊技状態となっている。時短状態は、通常状態および微時短状態よりも、遊技球を第2始動口49に入球させることが容易となっており、第2始動口49への遊技球の入球に基づく第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選よりも特別遊技状態への移行が決定する可能性が高くなっている。換言すると、時短状態は、通常状態および微時短状態よりも、特別遊技状態への移行が決定する確率が高くなっている。なお、本実施形態において、通常状態よりも第2始動口49への入球が容易となっている時短状態および微時短状態を高ベース状態と称し、通常状態を低ベース状態と称してもよい。
【0137】
主制御基板200は、押下操作が可能なRAMクリアスイッチ(図示せず)を備えており、RAMクリアスイッチが押下された状態で電源が投入されると(電断から復帰すると)RAMクリア(RAMクリア処理)が実行され、主制御基板200のメインメモリ290のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部が初期化(リセット)される。
【0138】
枠制御基板201は、枠制御メモリ203(
図5参照)を備え、枠制御メモリ203には第2カウンタ222(遊技球数カウンタ、持ち球数カウンタ、遊技価値数記憶領域)が設けられている。枠制御基板201は、押下操作が可能な遊技球数クリアスイッチ(図示せず)を備えており、遊技球数クリアスイッチが押下された状態で電源が投入されると(電断から復帰すると)遊技球数クリアが実行され、枠制御メモリ203のRAMに記憶されている遊技球数(第2カウンタ222の記憶値)が初期化(リセット)される。
なお、第2カウンタ222の記憶値は、上述のRAMクリアによっては初期化されないようになっている。
【0139】
枠制御基板201は、第2カウンタ222に記憶される値(遊技球数、持ち球数)に関する制御(管理)を行う。枠制御基板201は、遊技球の発射が検出されたことに基づき持ち球数を減少させ、賞球の払い出しに基づき持ち球数を増加させる。また、枠制御基板201は、ファール球を検出したことに基づき、持ち球数を増加させる。また、枠制御基板201は、貸出操作に基づき専用ユニット400から遊技機1に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持ち球数を増加させる。また、枠制御基板201は、計数ボタン212の操作に基づき遊技機1から専用ユニット400に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、持ち球数を減少させる。第2カウンタ222の記憶値は、遊技球数クリアが実行されると初期化(リセット)されて「0」となる。
【0140】
(持ち球数)
枠制御基板201は、持ち球数を遊技価値数表示装置211に表示させる制御を行い、持ち球数の増減に従って遊技価値数表示装置211の表示内容を変化させる。遊技価値数表示装置211は、6桁の7セグメント表示器を有しており、7セグメント表示器によって持ち球数が表示されるようになっている。本実施形態では、第2カウンタ222の記憶値の最大値は「990000」となっており、遊技価値数表示装置211に表示される持ち球数の最大値も「990000」となっている。換言すると、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値を最大で「990000」とすることができる。本実施形態では「990000」を「第2の値」と称する。
【0141】
枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値を増加させる所定の契機が発生した場合、例えば、賞球(例えば15個)の払い出しの決定やファール球(例えば1個)の検出が発生した場合、前記契機に応じた所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する際に、
図10のフローチャートに示す加算可否判定を実行する。
【0142】
(加算可否判定)
枠制御基板201は、所定値(例えば15)を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えるか否か判定する(ステップS1)。ステップS1において、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えないと判定した場合(ステップS1:NO)、枠制御基板201は、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算可能と判定し、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する(ステップS2)。
【0143】
一方、ステップS1において、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えると判定した場合(ステップS1:YES)、枠制御基板201は、次のステップS3の処理を行う。なお、「所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えると判定した場合」とは、当該判定を行う時点において第2カウンタ222の記憶値が第2の値「990000」となっている場合を含むものとする。
【0144】
ステップS3では、枠制御基板201は、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算不可能と判定し、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算しない。換言すると、持ち球数を増加させる契機が発生したが、当該契機に基づき持ち球数を増加させないことを決定する。本実施形態では、枠制御基板201は、当該契機が発生しなかったものとして処理する。例えば、賞球(15個)の払い出しの決定があった場合でも、当該決定がなかったものとし、所定値(15)を第2カウンタ222の記憶値に加算しない(換言すると賞球を破棄する)。
【0145】
ステップS1において、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えると判定した場合(ステップS1:YES)、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算しない(ステップS3)ように構成することで、枠制御基板201における処理を簡易(簡潔)なものとし、処理負荷を軽減することができる。換言すると、第2カウンタ222の記憶値が第2の値「990000」を超えるという状況が発生した場合に、最小限の処理負荷で対応することができる。また、処理が簡易であるため、当該状況が発生した場合に備えて複雑な処理を設ける場合に比べ、処理速度を上げることができ、かつ枠制御メモリ203に記憶させるプログラム容量を削減できる。
【0146】
本実施形態では、例えば、賞球(例えば15個)の払い出しの決定があった場合に、所定値(15)を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えると判定された場合、当該払い出しの決定がなかったものとされ、所定値(15)が第2カウンタ222の記憶値に加算されないようになっている。
【0147】
なお、本実施形態の遊技機は、第2カウンタ222の記憶値が第2の値「990000」に到達した状態でも遊技を行うことは可能となっており、第2カウンタ222の記憶値が第2の値「990000」に到達している状況で賞球の払い出しがあった場合、その賞球は破棄されることとなる。
【0148】
(変形例)
ステップS1において、所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が、第2の値「990000」を超えると判定した場合(ステップS1:YES)、枠制御基板201は、所定値の一部(第2の値を超えない分)を第2カウンタ222の記憶値に加算するとともに、第2の値「990000」を超える分については第2カウンタ222の記憶値に加算しないように構成されていてもよい。例えば、第2カウンタ222の記憶値が「989995」である状況で賞球(15個)の払い出しの決定があった場合、「5」(第2の値との差分)を第2カウンタ222の記憶値に加算するとともに、「10」(第2の値を超える分)を第2カウンタ222の記憶値に加算しない(破棄する)ように構成されていてもよい。
【0149】
(貸出の制限)
本実施形態では、専用ユニット400での貸出ボタン403または再プレイボタン404に対する操作を、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付け、貸出操作に基づき専用ユニット400から遊技機1に所定数(例えば125個)の遊技価値が転送(貸出)され、枠制御基板201は、転送される遊技価値数分、持ち球数を増加させる。枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上である場合、貸出を受け付けず、第2カウンタ222の記憶値を増加させないように制御する。なお、第3の値「100000」は、第2の値「990000」よりも小さい値となっている。
【0150】
枠制御基板201は、貸出操作に基づく貸出コマンドを専用ユニット400から受信した時点で第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であるか否か判定し、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上である場合、当該貸出コマンドに基づき所定数の遊技価値に相当する値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理を実行しない。換言すると、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御する(遊技価値の貸出禁止処理を実行する)。
【0151】
なお、枠制御基板201は、貸出操作に基づく貸出コマンドを専用ユニット400から受信した時点で第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」未満である場合(例えば「99999」である場合)には、当該貸出コマンドに基づき所定数の遊技価値に相当する値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理を行う。
【0152】
(コンプリート機能作動)
枠制御基板201の枠制御メモリ203には、第1カウンタ221(MYカウンタ)が設けられている。枠制御基板201は、第1カウンタ221の記憶値に係る情報を主制御基板200に送信可能となっている。主制御基板200は、コンプリート機能を作動させるか否かを(遊技停止に係る処理を実行するか否かを)、第1カウンタ221の記憶値に基づき管理している。主制御基板200は、第1カウンタ221の記憶値が特定値(第1の値)「95000」以上に達した場合(第1の値に到達すると)、コンプリート機能作動条件を満たしたものとしてコンプリート機能作動エラーを検出する(コンプリート機能作動エラーフラグをONに設定する)。なお、第1の値「95000」は、第2の値(990000)よりも小さく、かつ第3の値(100000)よりも小さい値となっている。
【0153】
主制御基板200は、コンプリート機能作動エラーを検出した時点で、遊技状態が特別遊技状態であるか否か(所定回数に亘る特別遊技が実行されているか否か)判定する。主制御基板200は、遊技状態が特別遊技状態ではないと判定した場合、コンプリート機能を作動させる。一方、主制御基板200は、遊技状態が特別遊技状態であると判定した場合、即時にコンプリート機能を作動させず、当該特別遊技状態の終了に基づきコンプリート機能を作動させる。
【0154】
コンプリート機能が作動すると、遊技機は遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)へ移行し、コンプリート機能の作動が報知される。演出制御手段300は、コンプリート機能の作動を示すコマンドを主制御基板200から受信したことに基づき、コンプリート機能が作動中であることを報知する演出(コンプリート機能作動演出)を実行可能である。当該演出では、例えば、
図11に示すように、黒色の背景と、「コンプリート機能作動中」という文字(白文字)と、「1日に払出可能な上限に達しました 本日は遊技終了です」という文字(白文字)と、が液晶ディスプレイ32に表示され、「1日に払出可能な上限に達しました 本日は遊技終了です」という音声がスピーカー14から出力される。
【0155】
枠制御基板201は、電源投入後、遊技価値の最大差球数(MY:電源投入後、遊技価値が最も減少したときを基準とし、当該基準からの遊技価値の増加数)に基づき第1カウンタ221の記憶値を更新する。第1カウンタ221の記憶値は、遊技価値の獲得(賞球)に係る値と遊技価値の使用に係る値とに基づき更新されるようになっている。
【0156】
電断(電源断)が発生し、電断から復帰した場合、第1カウンタ221の記憶値はリセットされて「0」となる。本実施形態では、電源投入後、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達すると、コンプリート機能作動エラーが検出されるようになっている。主制御基板200は、コンプリート機能作動エラーの復帰操作(解除操作)としてのRAMクリア(RAMクリアを伴う電断復帰)が実行されたことに基づき、コンプリート機能作動エラーを解除する処理を行う。
【0157】
上述のとおり、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達した時点で遊技状態が特別遊技状態である場合、その特別遊技状態の終了を待って、コンプリート機能が作動する。よって、第1カウンタ221の記憶値は第1の値「95000」よりも大きい所定の値となり得る。なお、特別遊技状態の終了を待つ場合、コンプリート機能の作動が、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達したタイミングよりも後のタイミングとなるが、主制御基板200は、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達すると、コンプリート機能を作動させるための(遊技を停止させるための)処理(少なくともコンプリート機能作動エラーの検出)を実行する。
【0158】
演出制御手段300は、コンプリート機能作動エラーが検出された時点で遊技状態が特別遊技状態である場合、コンプリート機能作動予告演出を実行する。当該演出では、例えば
図12に示すように、「当り終了後にコンプリート機能が作動し遊技を停止します」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、「当り終了後にコンプリート機能が作動し遊技を停止します」という音声がスピーカー14から出力される。これにより、遊技者は当りが中断されることなく、当りの終了後にコンプリート機能が作動することを把握できる。
【0159】
(特定状況)
第1カウンタ221(MYカウンタ)の記憶値は、電断復帰に伴いリセットされて「0」となる。一方、第2カウンタ222(遊技球数カウンタ)は電断復帰(遊技球数クリアを伴わない電断復帰)ではリセットされない。このことから、電断、電断復帰を繰り返した場合に、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」未満の所定の値であり、かつ第2カウンタ222の記憶値が第2の値「990000」未満の所定の値(あと僅かで第2の値に到達する値、例えば「989990」)であるという「特定状況」が発生する場合がある。本実施形態では、特定状況において賞球(例えば15個)の払い出しが決定され、当該払い出しに係る所定値(15)を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が第2の値「990000」を超える場合、当該払い出しに係る所定値(15)が第2カウンタ222の記憶値に加算されないようになっている。
【0160】
本実施形態では、特定状況において、当該払い出しに係る所定値(15)が第2カウンタ222の記憶値に加算されないことに伴い、当該払い出しに係る所定値(15)が第1カウンタ221の記憶値にも加算されないようになっている。なお、当該払い出しに係る所定値(15)が第2カウンタ222の記憶値に加算されないが、第1カウンタ221の記憶値に加算されるように構成されていてもよい。また、上述のとおり、当該払い出しに係る所定値(15)の一部(10)が第2カウンタ222の記憶値に加算され、第2の値「990000」を超える分(5)は第2カウンタ222の記憶値に加算されない場合に、当該払い出しに係る所定値の一部(10)が第1カウンタ221の記憶値に加算されるように構成されていてもよい。
【0161】
本実施形態の遊技機は、
第1カウンタ(MYカウンタ221)と、
第2カウンタ(遊技球数カウンタ222)と、
遊技価値に関する制御を行う遊技価値制御手段(主制御基板200、枠制御基板201)と、
遊技の停止に係る制御を行う遊技停止制御手段(主制御基板200)と、
遊技価値の貸出の受付に係る制御を行う貸出制御手段(枠制御基板201)と、を備え、
前記遊技価値制御手段は、遊技価値の払出に基づき前記第1カウンタの記憶値を更新可能であり、
前記遊技停止制御手段は、前記第1カウンタの記憶値が第1の値(「95000」)に到達すると、遊技を停止させるための処理を実行し、
前記遊技価値制御手段は、遊技価値の払出に基づき前記第2カウンタの記憶値を更新可能であり、前記第2カウンタの記憶値を前記第1の値よりも大きい第2の値(「990000」)とすることが可能であり、
前記貸出制御手段は、前記第2カウンタの記憶値が前記第2の値よりも小さい第3の値(「100000」)に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御し、
前記遊技価値制御手段は、前記第1カウンタの記憶値が前記第1の値未満であり、かつ前記第2カウンタの記憶値が前記第2の値未満である特定状況において、遊技価値の払出が発生し、当該払出に係る所定値を前記第2カウンタの記憶値に加算した値が前記第2の値よりも大きい値になる場合、当該払出に係る所定値を前記第2カウンタの記憶値に加算しない。
【0162】
このため、特殊な事態が発生した場合における処理を簡易なものとし、処理負荷を軽減できる。また、処理が簡易であるため、特殊な事態に備えて複雑な処理を設けた場合に比べて、処理速度を上げることができ、かつプログラム容量を削減できる。
【0163】
本実施形態では、上述のとおり、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)において「小当り」に当選したことに基づき小当り遊技状態へ移行し、小当り遊技状態は予め定められた回数(本実施形態では1回)の小当り遊技が実行されると終了する。また、小当り遊技では、特別役物56が、大入賞口50への遊技球の進入を可能とする開状態となり、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。具体的には、小当り遊技では、当該小当り遊技の実行中に大入賞口50へ入球した遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となるように、振分手段が、非特定領域通過状態から特定領域通過状態に変位される。これにより、第2特別図柄抽選において「小当り1」または「小当り2」のいずれかに当選した場合、小当り遊技状態において、遊技球による特定領域の通過が容易(可能)となる。そして、小当り遊技状態において遊技球による特定領域の通過が検出された場合(小当り遊技の実行中に大入賞口50に入球した遊技球による特定領域の通過が検出された場合)、小当り遊技状態の終了に基づき、特別遊技状態が開始される。
【0164】
主制御基板200は、小当り遊技中にコンプリート機能の作動条件を満たした(第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達した)と判定し、遊技球の特定領域の通過が検出された場合、特別遊技状態が終了するのを待ち、特別遊技状態の終了に基づきコンプリート機能を作動させる。なお、小当り遊技中にコンプリート機能の作動条件を満たしたと判定されたが、遊技球の特定領域の通過が検出されなかった場合、特別遊技状態が開始されない。この場合には、主制御基板200は、特別遊技状態の終了を待つことなくコンプリート機能を作動させる。
【0165】
主制御基板200は、賞球の払い出しの決定に基づき、賞球の払い出しを指示する賞球コマンド(払出コマンド)を枠制御基板201に送信する。また、専用ユニット400は、貸出操作が入力されたことに基づき、貸出コマンド(所定数の遊技価値の転送を指示するコマンド)を枠制御基板201に送信する。ここで、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」未満の値(「99999」とする)であり、枠制御基板201が、賞球コマンドを受信するタイミングと、貸出コマンドを受信するタイミングと、が同じタイミング(同一タイミング)となった状況を「特殊状況」とする。
【0166】
前記特殊状況において、賞球コマンドの受信に基づき所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理が先に行なわれ、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上となった場合、貸出コマンドの受信に基づき所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理は実行されない。
一方、前記特殊状況において、貸出コマンドの受信に基づき所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理が先に行われ、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上となった場合、賞球コマンドの受信に基づき所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算する処理が実行される。
【0167】
本実施形態では、上述のとおり、遊技球数クリアスイッチが押下された状態で電源が投入されると(電断から復帰すると)遊技球数クリアが実行される。演出制御手段300は、遊技球数クリアが実行されたことを示すコマンドを主制御基板200から受信したことに基づき、
図13に示す遊技球数クリアが実行されたことを報知する演出を実行可能である。当該演出では、黒色の背景と「遊技球をクリアしました」という文字(白文字)とが液晶ディスプレイ32に表示され、警告音とともに「遊技球をクリアしました」という音声がスピーカー14から出力される。なお、「遊技球をクリアしました」という文字に加え、遊技球数クリアに対応する所定のコードが表示されてもよい。
【0168】
本実施形態では、遊技球数クリアを伴う電断から復帰して、主制御基板200と枠制御基板201との間の通信が確立された後、主制御基板200においてエラー(設定変更を含む)が検出された場合や、遊技機(枠制御基板201)と専用ユニット400との通信ができていない(確立していない)こと(貸出装置未接続エラー)が検出された場合であっても、遊技球数クリアが実行されたことの報知が優先して実行されるようになっている。換言すると、遊技球数クリアに係る報知は、報知の優先度が高く設定されている。なお、「遊技球数クリアが実行されたことの報知が優先して実行される」とは、遊技球数クリアの実行のみが報知されるものに限らず、少なくとも遊技球数クリアの実行が報知されるものであればよく、遊技球数クリアの実行の報知に加え、他の報知(エラーの報知)が並行して実行されてもよい。
【0169】
(計数警告)
上述のとおり、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御する(遊技価値の貸出禁止処理を実行する)。また、主制御基板200は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達すると、計数警告コマンドを副制御基板202に送信する。演出制御手段300は、計数警告コマンドを受信したことに基づき、
図14に示す計数警告演出を実行可能である。当該演出では、「計数を実施してください」という文字が液晶ディスプレイ32に表示される。計数警告演出は、計数が実行され、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」未満となったことに基づき終了する。計数警告演出が実行されている間は、遊技価値の貸出禁止処理が実行され、遊技価値の貸出を行うことができないようになっている。
【0170】
演出制御手段300は、コンプリート機能の作動を示すコマンドを主制御基板200から受信したことに基づき、
図11で示した、コンプリート機能の作動を報知する演出(コンプリート機能作動演出)を実行可能である。ここで、計数警告演出の実行条件とコンプリート機能作動演出の実行条件が同時に(ともに)成立した場合(例えば、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達し、かつ第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」に到達した場合)、あるいは計数警告演出の実行中に、コンプリート機能作動演出の実行条件が成立した場合について説明する。
【0171】
本実施形態では、コンプリート機能の作動に係る報知(表示)の優先度が、計数警告に係る報知(表示)の優先度よりも高く設定されている。このため、コンプリート機能作動演出が実行されると、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となる。このとき、演出上は、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることに基づき、遊技価値の貸出禁止処理の実行を継続する。換言すると、「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、遊技価値の貸出を受け付けない状態は継続される。
なお、遊技価値の貸出は、コンプリート機能の作動中であっても、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」未満である場合には、受け付けられるようになっている。
また、初期化に係る報知(初期化報知画面)の優先度が、計数警告に係る報知(表示)の優先度よりも高く設定されていてもよい。
電源投入時に、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達しており、かつ設定変更等の初期化処理を実行した場合、初期化報知画面が優先して表示され、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となる。このとき、演出上は、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることに基づき、遊技価値の貸出禁止処理の実行を継続する。換言すると、「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、遊技価値の貸出を受け付けない状態は継続される。なお、貸出禁止処理が実行されているが、遊技価値の計数処理を実行することは可能である。
また、所定のエラー(例えば不正入賞エラーや磁気エラー等の不正に係るエラー)に係る報知(エラー報知画面)の優先度が、計数警告に係る報知(表示)の優先度よりも高く設定されていてもよい。
第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」に到達しており、かつ不正に係るエラーの発生を検知した場合、不正に係るエラー報知画面が優先して表示され、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となる。このとき、演出上は、計数警告演出に係る「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、枠制御基板201は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることに基づき、遊技価値の貸出禁止処理の実行を継続する。換言すると、「計数を実施してください」という文字は表示されない状態となるが、遊技価値の貸出を受け付けない状態は継続される。なお、貸出禁止処理が実行されているが、遊技価値の計数処理を実行することは可能である。
本実施形態では、第2カウンタ222の記憶値が所定値に到達したという第1の事象と、第1の事象とは異なる第2の事象(例えば、コンプリート機能の作動、設定変更処理、不正入賞エラー、磁気エラー等の発生)と、が同時に発生した場合、第2の事象に係る報知が、第1の事象に係る報知よりも優先して実行されるが、その場合であっても、貸出禁止処理は実行されるようになっている。
【0172】
演出制御手段300は、計数ボタン212が押下されたことに基づき(計数処理の実行に伴い)、計数音(例えば「ピロリン」という効果音)をスピーカー14から出力可能である。なお、計数音(計数に係る音)は、計数処理の実行中に出力されるものに限らず、計数処理の終了を契機として(持ち球が「0」となったことを契機として)、出力される音(セリフ)であってもよい。また、演出制御手段300は、演出音(遊技状態に応じたBGMや所定のSEなど)をスピーカー14から出力可能である。
演出制御手段300は、演出音の出力中に計数ボタン212が押下された場合、計数音を出力させ、かつ出力中の演出音の音量を低下させる。なお、「音量を低下させる」とは音量を「0」(消音)に設定することを含む。計数音の出力とともに、演出音の音量を低下させることで、計数音が遊技者に認識されやすい(聴こえやすい)ものとなる。
【0173】
(コンプリート機能作動警告)
主制御基板200は、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」よりも小さい所定の値「90000」に到達すると、作動警告コマンドを副制御基板202に送信する。演出制御手段300は、当該作動警告コマンドを受信したことに基づき、
図15に示すコンプリート機能作動警告演出を実行可能である。当該演出では、「コンプリート機能作動まで残り約5000発です」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、「コンプリート機能作動まで残り約5000発です」という音声(作動警告音声)がスピーカー14から出力される。本実施形態では、コンプリート機能作動警告演出が実行されている間であっても、計数ボタン212を押下し、計数を行うことが可能である。演出制御手段300は、作動警告音声の出力中に計数ボタン212が押下された場合、計数音を出力させ、かつ出力中の作動警告音声の音量を低下させない。作動警告音声は、遊技者に対してコンプリート機能の作動を事前に報知するものであり、報知の優先度が高いことから、演出音とは異なり、音量が低下しないようになっている。
【0174】
主制御基板200は、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」よりも小さい所定の値「91000」に到達すると、作動警告コマンドを副制御基板202に送信する。演出制御手段300は、当該作動警告コマンドを受信したことに基づき、コンプリート機能作動警告演出を実行可能であり、当該演出では、「コンプリート機能作動まで残り約4000発です」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、「コンプリート機能作動まで残り約4000発です」という音声(作動警告音声)がスピーカー14から出力される。また、主制御基板200は、第1カウンタ221の記憶値が第1の値「95000」よりも小さい所定の値「92000」に到達すると、作動警告コマンドを副制御基板202に送信する。演出制御手段300は、当該作動警告コマンドを受信したことに基づき、コンプリート機能作動警告演出を実行可能であり、当該演出では、「コンプリート機能作動まで残り約3000発です」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、「コンプリート機能作動まで残り約3000発です」という音声(作動警告音声)がスピーカー14から出力される。
【0175】
このように、第1カウンタ221の記憶値が「90000」を超えた後、当該記憶値の千の位が繰り上がるごとに、コンプリート機能作動警告演出が実行(更新)される。なお、第1カウンタ221の記憶値が「90000」以上である状態では、コンプリート機能作動警告演出に係る文字(
図15)が継続して表示されるようになっており、当該文字は第1カウンタ221の記憶値の千の位が繰り上がるごとに更新される。例えば、第1カウンタ221の記憶値が「91000」から「91999」までの間は、「コンプリート機能作動まで残り約4000発です」という文字が表示され、第1カウンタ221の記憶値が「92000」に達したことに基づき、「コンプリート機能作動まで残り約3000発です」という文字が表示される。
【0176】
(エラー)
主制御基板200(枠制御基板201)は、エラー検出条件の成立に基づきエラー(異常)を検出可能であり、エラーを検出すると、当該エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを副制御基板202に送信する。演出制御手段300は、エラーコマンドを受信したことに基づき、当該エラーの発生を報知する演出を実行可能である。
図16は、内枠7(前枠10)が開いた状態となり、扉開放エラーが検出されたことに基づき、扉開放エラーの発生を報知する演出が実行された場合を示している。当該演出では、単色(例えば黒色)の背景と「扉が開いています」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、警告音とともに「扉が開いています」という音声がスピーカー14から出力される。なお、図示を省略するが、「係員をお呼び下さい」という文字が液晶ディスプレイ32に表示され、「係員をお呼び下さい」という音声がスピーカー14から出力されてもよい。
【0177】
本実施形態では、所定のエラーの発生を報知する演出が実行されている間であっても、計数ボタン212を押下し、計数を行うことが可能となっている。演出制御手段300は、当該エラーの報知に係る音(エラー音)の出力中に計数ボタン212が押下された場合、計数音を出力させ、かつ出力中のエラー音の音量を低下させない。エラー音は、遊技機において異常が発生したことを遊技場のスタッフ等に知らせるものであり、報知の優先度が高いことから、演出音とは異なり、音量が低下しないようになっている。
【0178】
図1に示すように、前枠10には、光量調整ボタン213と、音量調整ボタン214と、十字キー215と、が設けられている。遊技者は、音量調整ボタン214を押下してスピーカー14から出力される音の大きさ(音量)を調整することが可能である。本実施形態の遊技機において、スピーカー14から出力される音には、音量調整ボタン214による設定に基づいた音量(ユーザー音量)で出力される音と、音量調整ボタン214による設定に基づかずに予め設定された音量(所定の音量以上の比較的大きい音量)で出力される音と、があり、計数音、作動警告音声(例えばコンプリート機能作動まで残り約5000発です)およびエラー音は、音量調整ボタン214による設定に基づかずに予め設定された音量で出力される音となっている。
【0179】
遊技者は遊技中に音量調整ボタン214(音量調整ボタン214が設けられていない場合には十字キー215)を押下することで、音量調整画面を液晶ディスプレイ32に表示させ、音量調整ボタン214(例えば上側または下側)を押下してスピーカー14から出力される音の音量を調整することが可能である。このとき、当該押下に対応する音(音声)が、(現在の)設定された音量(変更後の音量)で出力される。
【0180】
電断が発生し、電源が投入され、遊技機(主制御基板200、枠制御基板201および副制御基板202)において電断からの復帰処理が実行され(復帰状態)であり、かつ遊技機と専用ユニット400とが未接続であること(貸出装置未接続エラー)が検出された状態を所定状態とする。
前記所定状態では、液晶ディスプレイ32において、専用ユニット400が未接続状態であることを報知する(示唆する)表示(例えば黒色の背景と白い文字)が表示される。前記所定状態において、音量調整ボタン214を押下した場合であっても、音量調整画面は液晶ディスプレイ32に表示されない。ただし、前記所定状態において、音量調整ボタン214を押下した場合、その押下に基づきスピーカー14から出力される音の音量が変更されるようになっている。具体的には、当該押下に対応する音(音声)が、(現在の)設定された音量(変更後の音量)で出力される。本実施形態では、電断復帰後、専用ユニット400が未接続状態であることを報知する表示が表示され、音量調整画面が表示されない状態であっても、音量調整ボタン214の操作に基づき音量を変更することが可能となっている。
【0181】
演出制御手段300は、遊技者が遊技を行っていない状態が所定時間にわたって継続した場合に(すなわち遊技終了後の所定のタイミングで)、デモ演出を実行可能である。演出制御手段300は、例えば、一定時間(例えば1分)にわたって遊技機の所定の操作手段に対する操作等が行われなかった(遊技機の所定の操作手段に対する操作等が行われない状態で一定時間が経過した)と判定した場合に、デモ演出実行条件が成立したと判定し、デモ演出を実行する。デモ演出が実行されると、デモ演出に係るデモ画像が液晶ディスプレイ32に表示される。デモ画像は、例えば、遊技機で展開される話のストーリー説明やキャラクタの説明(紹介)等、その遊技機に関するムービー(動画)となっている。本実施形態では、デモ画像は約60秒のムービーとなっていて、キャラクタの紹介を含む映像となっている。なお、一連(一回)のデモ演出が終了すると、デモ演出は再び最初から実行される(ループされる)ようになっている。
【0182】
本実施形態では、デモ演出の実行中に(デモ演出として)、ロゴ表示、補足説明表示およびのめり込み防止表示が液晶ディスプレイ32に表示されるようになっている。ロゴ表示は、遊技機が管理遊技機であることを示すロゴ表示である。補足説明表示は、管理遊技機に関する注意喚起表示であり、例えば「計数(CREDIT精算)忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」という文字を含む表示である。のめり込み防止表示は、遊技者に対する注意喚起表示であり、例えば「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字を含む表示となっている。ロゴ表示、補足説明表示およびのめり込み防止表示は同じタイミングで同じ期間に亘って表示されるものであってもよく、順番に(同時に表示される期間がないように)表示されるものであってもよい。また、2つの表示(例えばロゴ表示と補足説明表示)が同じタイミングで同じ期間に亘って表示され、その表示の終了後に、のめり込み防止表示が表示されてもよい。
【0183】
上述のとおり、演出制御手段300は、所定のコマンド(作動警告コマンド)を受信したことに基づき、「コンプリート機能作動まで残り約5000発です」という文字を表示させるコンプリート機能作動警告演出(
図15)を実行するが、当該演出を実行している状況で、デモ演出実行条件が成立した場合、デモ演出を実行する。本実施形態では、デモ演出が開始された場合であっても、コンプリート機能作動警告演出に係る文字表示は、継続して表示されるようになっている。仮に、デモ演出の開始に伴い当該文字表示が表示されない状態となる場合、新たな遊技者がコンプリート機能の作動が近いことに気付かずに遊技を開始し、遊技開始後に不満を抱く可能性がある。本実施形態によれば、デモ演出の実行中であっても、当該文字表示が表示され、コンプリート機能の作動が近いことが報知されるため、遊技者が不満を抱く可能性を低減できる。
【0184】
本実施形態では、デモ演出の実行中に、ロゴ表示、補足説明表示およびのめり込み防止表示が表示されるが、コンプリート機能作動警告演出に係る文字表示(例えば「コンプリート機能作動まで残り約5000発です」)は、それらの表示と重複しない位置に表示されるようになっている。換言すると、ロゴ表示、補足説明表示またはのめり込み防止表示が表示されることに伴い、当該文字表示が隠れ、当該文字表示の視認性が低下しないようになっている。このため、当該文字表示を、遊技者に認識されやすいものとすることができる。なお、デモ演出の実行中に他の表示が表示されることに伴い、当該文字表示が一時的に表示されない状態となることがあってもよい。
【0185】
なお、本実施形態の遊技機は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を変更可能となっていてもよい。ここで、設定変更の手順について説明する。
(1)遊技機の電源をOFFにする。
(2)ドアキーをキーシリンダに差し込み、扉(内枠7および前枠10)を開放する。
(3)主制御基板200における設定キースイッチ(図示せず)に設定キーを挿入し、設定キーを時計回りに回転させる。
(4)主制御基板200におけるRAMクリアスイッチを押下しながら、遊技機の電源をONにする。これにより、遊技機は、設定値を変更可能な状態(設定変更状態)となる。なお、このとき、RAMクリア(RAMクリア処理)が実行され、主制御基板200のメインメモリ290のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部が初期化(リセット)される。
(5)設定変更状態において、RAMクリアスイッチを押下して設定値を変更する。設定値は、RAMクリアスイッチが押下されるごとに切り替わり、例えば、6段階のうちのいずれかの設定値が設定されるようになっている。
(6)設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す(設定値を確定させる)。
(7)設定キーを設定キースイッチから抜き、扉を閉める。
【0186】
上述のとおり、演出制御手段300は、第2カウンタ222(特定カウンタ)の記憶値が第3の値(特定値)「100000」以上である場合に、
図14に示す計数警告演出を実行可能である。当該演出では「計数を実施してください」という文字が液晶ディスプレイ32に表示される。また、当該演出では「計数を実施してください」という音声がスピーカー14から出力されてもよい。以下、「計数を実施してください」という文字を「計数警告表示」とし、「計数を実施してください」という音声を「計数警告音声」とする。計数警告演出は、遊技者に対して計数(計数ボタン212の操作)を促す演出となっている。計数警告演出は、計数が実行され、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」未満となったことに基づき終了する。計数警告演出が実行されている間は、遊技価値の貸出禁止処理が実行され、遊技価値の貸出を行うことはできないようになっている。
【0187】
ここで、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることに基づき計数警告演出が実行されている状態(状況)で、電源断(電断)が発生した場合について説明する。
【0188】
本実施形態の遊技機では、電源が投入されると(電断から復帰すると)、デバイスチェックが実行されるようになっている。デバイスチェックとは、各演出装置の動作確認である。演出制御手段300は、電断からの復帰に基づき、デバイスチェックを実行し、予め定められたパターンで各演出装置に演出を実行させる(各演出装置を動作させる)。ここで、スピーカー14に係るデバイスチェックについて説明する。本実施形態の遊技機がスピーカー14として4つのスピーカー、すなわち左上スピーカーと右上スピーカーと右下スピーカーと左下スピーカーとを備えているものとする。演出制御手段300は、デバイスチェックの開始に基づき、スピーカーごとに順番に所定の音声(特定音)を出力させる。例えば、まず、左上スピーカーから「左上」という音声を出力させ、次に右上スピーカーから「右上」という音声を出力させ、次に右下スピーカーから「右下」という音声を出力させ、次に左下スピーカーから「左下」という音声を出力させる。そして、左上の出力→右上の出力→右下の出力→左下の出力という周期(サイクル)を繰り返し実行させる。演出制御手段300は、例えば、デバイスチェックの開始から所定時間が経過したことに基づきデバイスチェックを終了する。
【0189】
なお、本実施形態では、電断から復帰した場合に、デバイスチェックに係る音声(特定音)が出力されるものとするが、電断からの復帰に基づき出力される特定音はこれに限らず、例えば、所定の楽曲(BGM)などであってもよい。
【0190】
電断からの復帰がRAMクリアを伴うものであっても、RAMクリアを伴わないものであっても、第2カウンタ222の記憶値はリセットされない。なお、上述のとおり、第2カウンタ222の記憶値は、遊技球数クリアが実行された場合に初期化される。
【0191】
電断からの復帰に基づき、演出制御手段300は、特定音を出力させる。また、演出制御手段300は、電断から復帰し、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることを示す情報を受信したことに基づき、計数警告演出の一部を実行する。具体的には、計数警告表示を表示させるが、計数警告音声は出力させない。すなわち、特定音が出力されている状況では、計数警告音声は出力されないようになっている。換言すると、特定音の出力が計数警告音声の出力よりも優先されるようになっている。
【0192】
枠制御基板201は、計数ボタン212が操作(押下)された場合、計数処理を実行し、遊技価値を専用ユニット400に転送(返却)する。演出制御手段300は、当該計数ボタン212の操作に基づき、計数処理の実行を報知する音(計数音:例えばピロリン)を出力させる。
【0193】
本実施形態では、電断復帰後の特定音の出力中に計数ボタン212が押下された場合、それに基づき計数が実行され、計数音が出力されるようになっている。特定音の出力中であっても計数音が出力されることで、計数ボタン212を押下したこと(計数を実行したこと)がより認識されやすいものとなる。演出制御手段300は、各トラックで再生される音を出力可能となっており、特定音と計数音はそれぞれ異なるトラックで再生されるようになっている。
【0194】
上述のとおり、主制御基板200は、第1始動口46への遊技球の進入が検出されたことに基づき(あるいは保留されていた第1特別乱数値に基づき)、第1特別図柄抽選を実行するとともに、賞球の払い出しを実行する。また、主制御基板200は、一般入賞口47(左上一般入賞口47a、左中一般入賞口47bまたは左下一般入賞口47c)への遊技球の進入に基づき、賞球の払い出しを実行する。演出制御手段300は、始動口(一般入賞口)へ遊技球が進入したことを示す情報を主制御基板200から受信したことに基づき、遊技の進行に係る演出音としての入賞音を出力させる。また、演出制御手段300は、第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始されたことを示す情報を主制御基板200から受信したことに基づき、液晶ディスプレイ32において、演出図柄の変動表示演出を実行するとともに、遊技の進行に係る演出音しての変動音を出力させる。
【0195】
演出制御手段300は、電断復帰後の特定音の出力中に、始動口(一般入賞口)へ遊技球が進入したことを示す情報や、第1特別図柄抽選に係る第1特別図柄の変動表示が開始されたことを示す情報を主制御基板200から受信した場合、それらの情報の受信に基づき、遊技の進行に係る演出音(入賞音、変動音)を出力させない。すなわち、特定音が出力されている状況では、遊技の進行に係る演出音は出力されないようになっている。換言すると、特定音の出力が、遊技の進行に係る演出音の出力よりも優先されるようになっている。なお、電断復帰後の特定音の出力中、第1特別図柄が変動可能な状態となり、第1特別図柄の変動表示が開始された場合、変動音は出力されないが、液晶ディスプレイ32において演出図柄の変動表示は実行されるようになっている。
【0196】
本実施形態の遊技機では、電断復帰時の状態として、次の第1状態、第2状態および第3状態の3つの状態がある。
【0197】
(第1状態:入賞不可能、変動未開始の状態)
本実施形態の遊技機は、
図4で示した状態表示部70(メイン表示器)を備えている。状態表示部70は、電断時に点灯していない(非点灯となっている)。電断から復帰すると、主制御基板200、副制御基板202および枠制御基板201では復帰処理が実行される。ここで、遊技機について、電源が投入されてから、非点灯であった状態表示部70が点灯するまでの間の状態を「第1状態」とする。第1状態では、状態表示部70は非点灯であるが、副制御基板202(演出制御手段300)は、復帰中であることを示す文字(例えば「Now Loading」)を液晶ディスプレイ32に表示させる。なお、第1状態は、主制御基板200が未復帰の状態ということができる。第1状態では、第1始動口46に進入した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100がOFF状態となっている。
【0198】
(第2状態:入賞可能、変動未開始の状態)
第1状態の後(次)の状態であって、状態表示部70が点灯しているが、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が実行(開始)されない状態を「第2状態」とする。第2状態は、主制御基板200が一部復帰している状態(復帰の途中の状態)ということができる。第2状態では、第1始動口46に進入した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100がON状態となっている。第2状態では、第1始動口46への遊技球の進入があった場合、当該進入に基づく第1特別乱数値が特別乱数記憶手段2914に格納(保留)されるようになっている。
【0199】
第2状態では、演出制御手段300は、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値が格納(保留)されている情報を受信したことに基づき、第1保留画像420を液晶ディスプレイ32に表示させる保留演出(
図9(a)など)を実行可能である。換言すると、電断復帰後の第2状態から、保留演出が実行されるようになっている。なお、第2状態では第1特別図柄の変動表示が実行されないため、液晶ディスプレイ32において演出図柄の変動表示演出は実行されない。
【0200】
第2状態では、演出制御手段300は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることを示す情報を受信したことに基づき、計数警告演出を実行し、計数警告表示(
図14)を液晶ディスプレイ32に表示させ、計数警告音声をスピーカー14から出力させる。換言すると、電断復帰後の第2状態から(第2状態となったことを契機として)、計数警告演出が実行されるようになっている。
【0201】
電断復帰後に扉開放エラーが検出されたものとすると、第2状態において、演出制御手段300は、当該エラーの検出を示す情報を受信したことに基づき、当該エラーの発生を報知する演出を実行可能である。換言すると、電断復帰後の第2状態から(第2状態となったことを契機として)、扉開放エラーの発生を報知する演出が実行され、扉開放警告音(例えば「扉が開いています」という音声)が出力されるようになっている。なお、計数警告音声と扉開放警告音とは、同時に出力され得るようになっている。
【0202】
(第3状態:入賞可能、変動開始の状態)
第2状態の後(次)の状態であって、状態表示部70が点灯し、特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が開始され得る状態(開始可能な状態)を「第3状態」とする。第3状態は、主制御基板200が完全復帰した状態(復帰が完了した状態)ということができる。第3状態では、第1始動口46に進入した遊技球を検出する第1始動口スイッチ100がON状態となっている。第3状態では、第1始動口スイッチ100からの検出信号の入力に基づき(あるいは保留された第1特別乱数値に基づき)、第1特別図柄抽選が実行される。第3状態では、演出制御手段300は、第1特別図柄の変動表示が実行されたことを示す情報を受信したことに基づき、演出図柄の変動表示演出を実行可能である。換言すると、電断復帰後の第3状態から(第3状態となったことを契機として)、演出図柄の変動表示演出が実行され得るようになっている。
【0203】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させる。
【0204】
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。電断に基づき前記計数警告表示が終了せず、電断からの復帰後に再び前記計数警告表示が表示される。このため、電断が発生した場合であっても、電断を跨いで遊技者に対し計数を促すことができる。換言すると、電断後に前記計数警告表示が表示されなくなることに基づき、遊技者が計数を実行しないという状況が発生するのを抑制できる。また、遊技者が計数を実行せず、前記特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
【0205】
また、電断から復帰したことに基づき前記特定音が出力され、前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音は出力されないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音が出力される。このため、計数が実行されたことを遊技者等により認識されやすいものとすることができる。また、計数に係る音が遊技の進行に係る演出音に埋もれてしまうのを抑制できる。
【0206】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させる。
【0207】
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示が表示される。電断に基づき前記計数警告表示が終了せず、電断からの復帰後に再び前記計数警告表示が表示される。このため、電断が発生した場合であっても、電断を跨いで遊技者に対し計数を促すことができる。換言すると、電断後に前記計数警告表示が表示されなくなることに基づき、遊技者が計数を実行しないという状況が発生するのを抑制できる。また、遊技者が計数を実行せず、前記特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
【0208】
また、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断が発生した場合、電断から復帰し、前記主制御手段が前記第3状態となるよりも前の前記第2状態から、前記計数警告表示が表示される。このため、電断復帰後、遊技者に対しより早く計数を促すことができる。
【0209】
上述のとおり、演出制御手段300は、所定時間(例えば1分)にわたって遊技機の所定の操作手段に対する操作等が行われなかった場合(所定時間にわたって遊技が行われなかった場合)、デモ演出実行条件(所定条件)が成立したものとしてデモ演出を実行し、デモ画像を液晶ディスプレイ32に表示させる。演出制御手段300は、第2カウンタ222の記憶値が第3の値「100000」以上であることに基づき計数警告表示を表示させている状態でデモ演出実行条件が成立した場合、計数警告表示の表示を継続させ(非表示とすることなく)、さらにデモ画像を表示させる。換言すると、計数警告表示の表示の優先度が、デモ画像の表示の優先度よりも高く設定されている(上位のレイヤに配置されている)。また、演出制御手段300は、所定の操作手段(例えば十字キー215)が操作されたことに基づきメニュー画像(メニュー画面)を表示させることが可能である。演出制御手段300は、計数警告表示を表示させている状態で、当該所定の操作手段が操作された場合、計数警告表示の表示を継続させ、かつメニュー画像を表示させる。換言すると、計数警告表示の表示の優先度が、メニュー画像の表示の優先度よりも高く設定されている(上位のレイヤに配置されている)。なお、メニュー画像の表示開始を契機として、計数警告表示は表示されない状態となってもよい。換言すると、計数警告表示の表示の優先度が、メニュー画像の表示の優先度よりも低く設定されていてもよい。
また、計数警告表示の表示を継続させ、さらにデモ画像を表示させる場合、デモ演出の実行中に、ロゴ表示、補足説明表示およびのめり込み防止表示が表示されるが、計数警告表示は、それらのすべての表示または少なくとも1つの表示と重複しない位置に表示されるようになっている。換言すると、ロゴ表示、補足説明表示またはのめり込み防止表示が表示されることに伴い、計数警告表示が隠れ、計数警告表示の視認性が低下しないようになっている。
【0210】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
所定時間にわたって遊技が行われなかったことに基づき所定条件が成立した場合、デモ画像を表示させ、
前記計数警告表示を表示させている状態で前記所定条件が成立した場合、前記計数警告表示の表示を継続させ、かつ前記デモ画像を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させる。
【0211】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、所定時間にわたって遊技が行われなかったことに基づき所定条件が成立した場合、デモ画像を表示させ、前記計数警告表示を表示させている状態で前記所定条件が成立した場合、前記計数警告表示の表示を継続させ、かつ前記デモ画像を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させる。
【0212】
前記所定条件の成立に基づきデモ画像の表示が開始された場合であっても、前記計数警告表示の表示が継続される。デモ画像の表示に伴い、計数警告表示が非表示とならないようになっている。このため、デモ画像の表示中であっても遊技者に対し計数を促すことができる。
【0213】
主制御基板200は、専用ユニット400との通信が未接続であることが検出されたことに基づき、遊技機を遊技不可能な状態(遊技不可能状態)へ移行させる。枠制御基板201は、遊技不可能状態であっても、持ち球数(第2カウンタ222の記憶値)を遊技価値数表示装置211に表示させることができる。
【0214】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出に係る制御を実行可能な特定ユニット(専用ユニット400)と通信可能な遊技機であって、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値に関する制御を行う遊技価値制御手段(枠制御基板201)と、
前記記憶値を表示し、遊技に使用可能な遊技価値数を報知可能な遊技価値数表示手段(遊技価値数表示装置211)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させ、
前記主制御手段は、前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出されたことに基づき、遊技不可能状態に移行させ、
前記遊技価値制御手段は、前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出された場合であっても、前記記憶値を前記遊技価値数表示手段に表示させる。
【0215】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出に係る制御を実行可能な特定ユニット(専用ユニット400)と通信可能な遊技機であって、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値に関する制御を行う遊技価値制御手段(枠制御基板201)と、
前記記憶値を表示し、遊技に使用可能な遊技価値数を報知可能な遊技価値数表示手段(遊技価値数表示装置211)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出されたことに基づき、遊技不可能状態に移行させ、
前記遊技価値制御手段は、前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出された場合であっても、前記記憶値を前記遊技価値数表示手段に表示させる。
【0216】
前記特定ユニットとの通信が未接続の場合、遊技不可能状態に移行するが、その場合であっても、前記記憶値が前記遊技価値数表示手段に表示される。このため、遊技者は、遊技不可能状態であっても、遊技に使用可能な遊技価値数を把握することができる。
【0217】
演出制御手段300は、所定時間にわたって遊技が行われなかったことに基づきデモ画像を表示させることが可能である。また、所定の操作手段(例えば十字キー215)が操作されたことに基づきメニュー画像を表示させることが可能である。デモ画像またはメニュー画像が表示されている状態で、遊技の進行に係る契機が発生した場合、例えば、遊技媒体を遊技領域に発射させる操作が行われた(グリップユニット20の回転が行われた)場合や遊技盤6の所定の領域(例えば第1始動口46)に遊技球が入球(入賞)した場合、デモ画像またはメニュー画像を表示されない状態となる。一方、デモ画像またはメニュー画像が表示されている状態で、計数操作手段(計数ボタン212)が操作された場合、デモ画像またはメニュー画像は表示されない状態とならない(表示が継続される)。
【0218】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させ、
所定時間にわたって遊技が行われなかったことに基づきデモ画像を表示させることが可能であり、
所定の操作手段が操作されたことに基づきメニュー画像を表示させることが可能であり、
前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させている状態で、遊技の進行に係る契機が発生した場合には、前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させない状態とし、
前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させている状態で、前記計数操作手段が操作された場合には、前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させない状態としない。
【0219】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させ、
所定時間にわたって遊技が行われなかったことに基づきデモ画像を表示させることが可能であり、
所定の操作手段が操作されたことに基づきメニュー画像を表示させることが可能であり、
前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させている状態で、遊技の進行に係る契機が発生した場合には、前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させない状態とし、
前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させている状態で、前記計数操作手段が操作された場合には、前記デモ画像または前記メニュー画像を表示させない状態としない。
【0220】
デモ画像またはメニュー画像は、遊技の進行に係る契機が発生した場合には表示されない状態となるが、計数操作手段が操作された場合には表示されない状態とならない。換言すると、遊技の終了時に操作される頻度の高い計数操作手段が操作された場合、デモ画像またはメニュー画像の表示は終了しない。このため、遊技者は、計数を実行した場合であっても、デモ画像またはメニュー画像を見続けることができる。
【0221】
演出制御手段300は、第2カウンタ222(特定カウンタ)の記憶値が第3の値(特定値、第1特定値)「100000」以上である場合に、
図14に示す計数警告演出を実行可能である。また、枠制御基板201(遊技価値制御手段)は、遊技価値の払出に基づき第2カウンタ222(特定カウンタ)の記憶値を更新可能であり、第2カウンタ222の記憶値を第2の値(第2特定値)(990000)とすることが可能であり、貸出制御手段(枠制御基板201)は、第2カウンタ222(特定カウンタ)の記憶値が第2の値よりも小さい第3の値(第3特定値)(100000)に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御する。また、枠制御基板201(遊技価値制御手段)は、第2カウンタ222の記憶値が第2の値未満である状況において、遊技価値の払出が発生し、当該払出に係る所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算した値が第2の値よりも大きい値になる場合、当該払出に係る所定値を第2カウンタ222の記憶値に加算しない。なお、本実施形態では、第1特定値と第3特定値が等しくなっているが、これに限らず、両者は異なる場合があってもよい。
【0222】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値に関する制御を行う遊技価値制御手段(枠制御基板201)と、
遊技価値の貸出の受付に係る制御を行う貸出制御手段(枠制御基板201)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が第1特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が前記第1特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が前記第1特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させ、
前記遊技価値制御手段は、遊技価値の払出に基づき前記特定カウンタの記憶値を更新可能であり、前記特定カウンタの記憶値を第2特定値とすることが可能であり、
前記貸出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記第2特定値よりも小さい第3特定値に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御し、
前記遊技価値制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記第2特定値未満である状況において、遊技価値の払出が発生し、当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算した値が前記第2特定値よりも大きい値になる場合、当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算しない。
【0223】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値に関する制御を行う遊技価値制御手段(枠制御基板201)と、
遊技価値の貸出の受付に係る制御を行う貸出制御手段(枠制御基板201)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が第1特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記第1特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が前記第1特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させ
前記遊技価値制御手段は、遊技価値の払出に基づき前記特定カウンタの記憶値を更新可能であり、前記特定カウンタの記憶値を第2特定値とすることが可能であり、
前記貸出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記第2特定値よりも小さい第3特定値に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないように制御し、
前記遊技価値制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記第2特定値未満である状況において、遊技価値の払出が発生し、当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算した値が前記第2特定値よりも大きい値になる場合、当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算しない。
【0224】
当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算した値が前記第2特定値よりも大きい値になる場合、当該払出に係る所定値を前記特定カウンタの記憶値に加算しないように構成することで、処理を簡易なものとし、処理負荷を軽減できる。また、処理が簡易であるため、複雑な処理を設けた場合に比べて、処理速度を上げることができ、かつプログラム容量を削減できる。
【0225】
演出制御手段300は、専用ユニット400との通信が未接続であることが検出されたことに基づき、専用ユニット400との通信が未接続であることを示す特定表示(貸出装置未接続エラー)を、液晶ディスプレイ32に表示させる。また、特定表示を表示させている状況で、音量調整ボタン214が操作された場合、音量調整に係る画像(音量調整画像)を表示させないが、当該操作に基づく音量の変更を実行する。なお、演出制御手段300は、第2カウンタ222(特定カウンタ)の記憶値が特定値(100000)以上であり、かつ専用ユニット400との通信が未接続である場合、計数警告表示とともに、特定表示(貸出装置未接続エラーの報知に係る表示)を表示させ得るように構成されていてもよい。
【0226】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出に係る制御を実行可能な特定ユニット(専用ユニット400)と通信可能な遊技機であって、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
音量を調整可能な音量調整手段(音量調整ボタン214)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させ、
前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出された場合、前記特定ユニットとの通信が未接続であることを示す特定表示を表示させ、
前記特定表示を表示させている状況で、前記音量調整手段が操作された場合、音量調整に係る画像を表示させないが、当該操作に基づく音量の変更を実行する。
【0227】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出に係る制御を実行可能な特定ユニット(専用ユニット400)と通信可能な遊技機であって、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
音量を調整可能な音量調整手段(音量調整ボタン214)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させ、
前記特定ユニットとの通信が未接続であることが検出された場合、前記特定ユニットとの通信が未接続であることを示す特定表示を表示させ、
前記特定表示を表示させている状況で、前記音量調整手段が操作された場合、音量調整に係る画像を表示させないが、当該操作に基づく音量の変更を実行する。
【0228】
前記特定表示が表示されている状況において、音量調整に係る画像は表示されないが、音量を変更することは可能となっている。特定表示の表示中に音量を変更できないことに基づき、遊技者が不満を抱く可能性を低減できる。
【0229】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値の貸出の受付に係る制御を行う貸出制御手段(枠制御基板201)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
電断から復帰したことに基づき特定音を出力し、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記計数警告表示を表示させ、
前記特定音の出力中は、遊技の進行に係る演出音を出力させないが、前記計数操作手段が操作された場合、計数に係る音を出力させ、
前記貸出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記特定値に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないようにする貸出禁止処理を実行し、
前記特定カウンタの記憶値が前記特定値に到達したという第1の事象と、前記第1の事象とは異なる第2の事象と、が同時に発生した場合、前記第2の事象に係る報知が前記第1の事象に係る前記計数警告表示よりも優先して実行されるが、前記貸出禁止処理は実行される。
【0230】
本実施形態の遊技機は、
遊技機の各種状態を制御する主制御手段(主制御基板200)と、
計数を実行可能な計数操作手段(計数ボタン212)と、
点灯可能に形成され、遊技機の各種状態を示す状態表示部(状態表示部70)と、
遊技価値の付与に基づき記憶値が更新される特定カウンタ(第2カウンタ222)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御手段300)と、
遊技価値の貸出の受付に係る制御を行う貸出制御手段(枠制御基板201)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上であることに基づき、遊技者に対し計数を促す計数警告表示を表示させ、
前記主制御手段は、電断から、第1状態、第2状態、第3状態の順に各状態を経て復帰し、
前記第1状態は、前記状態表示部が点灯していない状態であり、
前記第2状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始されない状態であり、
前記第3状態は、前記状態表示部が点灯し、特別図柄の変動表示が開始され得る状態であり、
前記演出制御手段は、
前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である状態で電断し、電断から復帰し、前記特定カウンタの記憶値が特定値以上である場合、前記主制御手段が前記第2状態となったことを契機として前記計数警告表示を表示させ、
前記貸出制御手段は、前記特定カウンタの記憶値が前記特定値に到達すると、遊技価値の貸出を受け付けないようにする貸出禁止処理を実行し、
前記特定カウンタの記憶値が前記特定値に到達したという第1の事象と、前記第1の事象とは異なる第2の事象と、が同時に発生した場合、前記第2の事象に係る報知が前記第1の事象に係る前記計数警告表示よりも優先して実行されるが、前記貸出禁止処理は実行される。
【0231】
前記計数警告表示が視認できない状態となったしても、前記貸出禁止処理の実行は継続されるため、前記特定カウンタの記憶値が過大となるのを抑制できる。
【0232】
本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、各種制御等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、本発明はその発明の範囲内において、自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の変形、もしくは構成要素の省略などが可能である。また、本発明は、従来のパチンコ遊技機、すなわち遊技者が物理的な遊技球に触れることができ、所定の入賞口への遊技球の進入に基づき遊技球が受皿に払い出される仕様のパチンコ遊技機にも適用し得る。
【符号の説明】
【0233】
70 状態表示部
200 主制御基板
212 計数ボタン
222 第2カウンタ
300 演出制御手段