(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008091
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】賞品交換システム、賞品管理装置及び賞品交換方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 352F
A63F7/02 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109959
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】畦浦 志歩
(72)【発明者】
【氏名】津田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】長治 有香
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB29
2C088BB30
2C088BB32
2C088BC80
2C088CA02
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことを課題とする。
【解決手段】セルフ賞品管理装置60は、交換結果画面において交換指示を受け付けたならば、賞品払出装置80に払出準備指示を通知する。賞品払出装置80は、払出準備指示を受信したならば、搬送部を移動して、この搬送部に対して賞品の繰出を行う。セルフ賞品管理装置60は、カードが取り出されたならば、賞品払出装置80に払出要求を通知する。賞品払出装置80は、払出要求を受信したならば、賞品の払出を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、
前記賞品管理装置は、
前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、
前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段と
を備えたことを特徴とする賞品交換システム。
【請求項2】
前記賞品払出装置は、
前記払出準備指示を受け付けたならば、該払出準備指示に含まれる賞品の種別ごとの払出枚数の賞品を所定の搬送位置まで繰り出すことを特徴とする請求項1に記載の賞品交換システム。
【請求項3】
前記賞品払出装置は、
前記払出指示を受け付けたならば、払出口に設けられたシャッターを開放し、前記所定の搬送位置まで繰り出された賞品を払出口に払い出すことを特徴とする請求項2に記載の賞品交換システム。
【請求項4】
前記賞品管理装置は、
前記交換操作を受け付ける前に、所定の表示部に対して前記遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、前記賞品払出装置に対して前記賞品の払出予定数を通知することを特徴とする請求項1に記載の賞品交換システム。
【請求項5】
前記賞品払出装置は、
前記賞品の払出予定数を受け付けたならば、賞品を搬送する搬送部を賞品の繰り出し位置まで移動するよう制御することを特徴とする請求項4に記載の賞品交換システム。
【請求項6】
前記受付手段は、
前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換ボタンの押下操作を受け付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の賞品交換システム。
【請求項7】
前記記憶媒体の更新処理は、
前記記憶媒体の識別情報に対応する遊技媒体数から前記賞品に対応する遊技媒体数を減算した値で更新する処理であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の賞品交換システム。
【請求項8】
遊技店に会員登録された会員に付与された会員用記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記会員用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、
前記賞品管理装置は、
所定の表示部に対して前記会員用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、賞品を搬送する搬送部を賞品の繰り出し位置まで移動させる搬送準備指示を行う搬送準備指示手段と、
前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、
前記会員用記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段と
を備えたことを特徴とする賞品交換システム。
【請求項9】
遊技店で遊技する遊技客が利用可能な一般用記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記一般用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、
前記賞品管理装置は、
所定の表示部に対して前記一般用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、賞品を搬送する搬送部の賞品の繰り出し位置への移動と、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数の繰り出しとを含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、
前記一般用記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段と
を備えたことを特徴とする賞品交換システム。
【請求項10】
記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、賞品の払出処理を行う賞品払出装置と通信可能に接続され、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置であって、
前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、
前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段と
を備えたことを特徴とする賞品管理装置。
【請求項11】
記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、
前記賞品管理装置が、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付工程と、
前記賞品管理装置が、前記受付工程により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示工程と、
前記賞品管理装置が、前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示工程と
を含むことを特徴とする賞品交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる賞品交換システム、賞品管理装置及び賞品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をカード等の記憶媒体に関連付け、この記憶媒体を賞品カウンタに持参する。遊技客が賞品カウンタに所在する従業員に対して記憶媒体を受け渡したならば、従業員の操作により記憶媒体に関連付けられた遊技媒体数が賞品に交換される。
【0003】
このように、従来は、従業員による賞品交換が行われてきたが、最近では、遊技客自身の操作により遊技媒体数を賞品に交換する運用(以下、「セルフ運用」と言う)が行われている。このセルフ運用においては、記憶媒体の読み取り、賞品の選択、賞品の受け取りの一連の処理を遊技客自らが行うことになる。
【0004】
例えば、特許文献1には、特殊賞品払出装置、管理装置及びカードリーダライタと通信可能にセルフ賞品管理装置を接続し、セルフ賞品管理装置において交換操作が行われたならば、更新結果をカードに関連付けた後に、セルフ賞品管理装置が特殊賞品払出装置に賞品払出指示を行い、特殊賞品払出装置から賞品を払い出すことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のものは、セルフ賞品管理装置において交換操作が行われたならば、セルフ賞品管理装置がカードリーダライタに対して更新指示を行った時点から、特殊賞品払出装置から賞品を払い出すまでに時間を要し(例えば、18秒)、遊技客一人一人の賞品交換の遅延を招くという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる賞品交換システム、賞品管理装置及び賞品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、前記賞品管理装置は、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品払出装置は、前記払出準備指示を受け付けたならば、該払出準備指示に含まれる賞品の種別ごとの払出枚数の賞品を所定の搬送位置まで繰り出すことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品払出装置は、前記払出指示を受け付けたならば、払出口に設けられたシャッターを開放し、前記所定の搬送位置まで繰り出された賞品を払出口に払い出すことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品管理装置は、前記交換操作を受け付ける前に、所定の表示部に対して前記遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、前記賞品払出装置に対して前記賞品の払出予定数を通知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品払出装置は、前記賞品の払出予定数を受け付けたならば、賞品を搬送する搬送部を賞品の繰り出し位置まで移動するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記受付手段は、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換ボタンの押下操作を受け付けることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶媒体の更新処理は、前記記憶媒体の識別情報に対応する遊技媒体数から前記賞品に対応する遊技媒体数を減算した値で更新する処理であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技店に会員登録された会員に付与された会員用記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記会員用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、前記賞品管理装置は、所定の表示部に対して前記会員用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、賞品を搬送する搬送部を賞品の繰り出し位置まで移動させる搬送準備指示を行う搬送準備指示手段と、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、前記会員用記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技店で遊技する遊技客が利用可能な一般用記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記一般用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムであって、前記賞品管理装置は、所定の表示部に対して前記一般用記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数により交換可能な賞品の交換可能数を含む交換結果画面を表示したならば、賞品を搬送する搬送部の賞品の繰り出し位置への移動と、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数の繰り出しとを含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、前記一般用記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、賞品の払出処理を行う賞品払出装置と通信可能に接続され、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置であって、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示手段と、前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、記憶媒体に記憶された情報の読み書きを行う記憶媒体処理装置と、前記記憶媒体の識別情報に関連付けられた遊技媒体数を賞品に交換処理する賞品管理装置と、前記遊技媒体数に対応する賞品の払出処理を行う賞品払出装置とを通信可能に接続した賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、前記賞品管理装置が、前記遊技媒体数を前記賞品に交換する交換操作を受け付ける受付工程と、前記賞品管理装置が、前記受付工程により前記交換操作を受け付けたならば、払出対象となる賞品の種別ごとの払出枚数を含む払出準備指示を前記賞品払出装置に対して行う払出準備指示工程と、前記賞品管理装置が、前記記憶媒体の識別情報に関連する情報の更新処理が完了したならば、前記賞品払出装置に対して払出指示を行う払出指示工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る賞品交換システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したセルフ賞品管理装置の外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示したセルフ賞品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した賞品在庫データ及び保有価値データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示した賞品払出装置の外観構成を示す図(その1)である。
【
図7】
図7は、
図2に示した賞品払出装置の外観構成を示す図(その2)である。
【
図8】
図8は、
図2に示した賞品払出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、
図8に示した賞品在庫データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係るセルフ賞品管理装置における表示の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例1に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、変形例2に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態2に係る賞品交換システムの概要の説明図(その1)である。
【
図15】
図15は、実施形態2に係る賞品交換システムの概要の説明図(その2)である。
【
図16】
図16は、実施形態2に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る賞品交換システム、賞品管理装置及び賞品交換方法について詳細に説明する。
【0022】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技機管理玉数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。また、「賞品」とは、遊技客により獲得された遊技媒体数を交換する賞品である。
【0023】
<実施形態1に係る賞品交換システムの概要>
まず、本実施形態1に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る賞品交換システムの概要を説明するための説明図である。
【0024】
図1に示すように、セルフ賞品管理装置60は、交換結果画面において交換指示を受け付けたならば、賞品払出装置80に払出準備指示を通知する。賞品払出装置80は、払出準備指示を受信したならば、搬送部を移動して、この搬送部に対して賞品の繰出を行う。
【0025】
セルフ賞品管理装置60は、カードが取り出されたならば、賞品払出装置80に払出要求を通知する。賞品払出装置80は、払出要求を受信したならば、賞品の払出を行う。
【0026】
このように、本実施形態1に係る賞品交換システムでは、セルフ賞品管理装置60が交換指示を受け付けた時点で賞品を払い出す準備を行い、セルフ賞品管理装置60からカードが取り出された時点で賞品を払い出すことにより、賞品交換の処理に必要な時間を短縮するよう構成したので、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【0027】
<システム構成>
次に、本実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る賞品交換システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、セルフ賞品管理装置60、賞品払出装置80及び精算機90が接続される。なお、セルフ賞品管理装置60及び賞品払出装置80は、1対1で対応付けられている。
【0028】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0029】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技機管理玉数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技機管理玉数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0030】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードIDに関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0031】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0032】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを稼働情報として蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0033】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0034】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0035】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0036】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技機管理玉数を持玉数に加算する。
【0037】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0038】
台間カード処理機10は、遊技機20の状態に基づいて各種表示制御を行なうとともに、遊技機20の状態を管理装置50に送信する。台間カード処理機10は、遊技機20から通知された遊技機管理玉数を記憶し、定期的に遊技機管理玉数及び持玉数を管理装置50に通知する。
【0039】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0040】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0041】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0042】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0043】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0044】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0045】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0046】
セルフ賞品管理装置60は、セルフ運用における賞品交換の制御を行う装置である。セルフ賞品管理装置60は、賞品払出装置80から賞品在庫データを受信したならば、受信したデータを記憶する。
【0047】
また、セルフ賞品管理装置60は、カードIDを読み取ったならば、該カードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を管理装置50に要求する。セルフ賞品管理装置60は、管理装置50からカードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を受信したならば、この持玉及び貯玉の残高を保有価値データに記憶する。
【0048】
また、セルフ賞品管理装置60は、保有価値データに記憶された持玉の残高を用いて、賞品ごとに交換可能な賞品数を算出し、この賞品数を含む交換結果画面を表示する。セルフ賞品管理装置60は、表示した交換結果画面において、交換指示を受け付けたならば、賞品交換に必要な持玉数を含む持玉引落通知を管理装置50に通知する。そして、引落後の持玉数をカードに書き込むとともに、賞品名及び賞品数を印字したレシートを発行する。
【0049】
また、セルフ賞品管理装置60は、レシートの発行処理が終了したならば、賞品払出装置80に対して払出準備指示を通知し、カード取り外し依頼画面を表示する。セルフ賞品管理装置60は、カードが取り外され、賞品払出装置80から払出準備完了通知を受信したならば、賞品払出装置80に対して払出要求を通知する。
【0050】
賞品払出装置80は、賞品の払出を行う装置である。賞品払出装置80は、保管する賞品の在庫数が変化したならば、現在の賞品在庫数を賞品在庫データとしてセルフ賞品管理装置60に送信する。
【0051】
また、賞品払出装置80は、セルフ賞品管理装置60から払出準備指示を受信したならば、この払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する繰出位置まで搬送部を移動し、この搬送部に対して賞品の繰出を行う。賞品払出装置80は、払出準備指示に含まれる賞品コードの全ての賞品の繰出が完了するまで上記の処理を繰り返す。そして、全ての賞品の繰出が完了したならば、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置60に通知する。
【0052】
また、賞品払出装置80は、セルフ賞品管理装置60から払出要求を受信したならば、賞品を乗せた搬送部を払出口まで移動し、賞品の払出を行う。
【0053】
精算機90は、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高を精算する装置である。精算機90は、カードIDを受け付けたならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高要求を管理装置50に通知する。精算機90は、管理装置50からカードに関連付けられたプリペイド価値の残高を受け取ったならば、精算処理を行う。
【0054】
次に、本実施形態1に係る賞品交換システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行ったならば、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0055】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が100円である場合の500円分を示す5度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技機管理玉数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0056】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技機管理玉数を加算し、加算後の遊技機管理玉数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技機管理玉数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技機管理玉数と比較して、遊技機管理玉数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0057】
次に、本実施形態1に係る賞品交換システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0058】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0059】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技機管理玉数に加算させる。
【0060】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技機管理玉数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技機管理玉数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0061】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0062】
次に、本実施形態1に係る賞品交換システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0063】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0064】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0065】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0066】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0067】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0068】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技機管理玉数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0069】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0070】
<セルフ賞品管理装置60の構成>
次に、
図2に示したセルフ賞品管理装置60の構成について説明する。
図3は、
図2に示したセルフ賞品管理装置60の外観構成を示す図であり、
図4は、
図2に示したセルフ賞品管理装置60の構成を示す機能ブロック図である。
【0071】
図3に示すように、セルフ賞品管理装置60は、遊技客自身によって操作される小型のコンピュータであり、遊技店の所定の位置に設けられた賞品カウンタのテーブル上に配設される。かかる賞品カウンタには、特殊賞品を払い出す賞品払出装置80が配設され、セルフ賞品管理装置60と通信可能に接続される。
【0072】
セルフ賞品管理装置60には、カードリーダライタ61及びレシート発行部62が接続される。カードリーダライタ61は、遊技客のカードからカードIDを読み取るとともに、カードに持玉レート情報と持玉数を書き込む処理部である。レシート発行部62は、感熱式プリンタなどであり、選択した賞品を特定する情報を印字したレシートなど各種レシートを発行処理する。
【0073】
図4に示すように、セルフ賞品管理装置60は、表示操作部64、通信部65、記憶部66及び制御部67を有する。なお、ここでは図示省略したが、店員が所持する店員タグの識別コードを読み取る店員タグリーダを設けることもできる。かかる識別コードにより、セルフ賞品管理装置60を操作する従業員が特定される。また、会員登録された遊技客の携帯端末からIDを読み取る携帯端末リーダを設けることもできる。
【0074】
表示操作部64は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部65は、セルフ賞品管理装置60が通信回線を経由して管理装置50及び賞品払出装置80と通信するためのインタフェース部である。
【0075】
記憶部66は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、賞品在庫データ66a及び保有価値データ66bを記憶する。
【0076】
賞品在庫データ66aは、併設された賞品払出装置80の賞品の在庫を管理するためのデータである。保有価値データ66bは、カードリーダライタ61で読み取ったカードに関連付けられた価値を示すデータである。
【0077】
制御部67は、セルフ賞品管理装置60を全体制御する制御部であり、賞品在庫管理部67a、保有価値管理部67b、賞品交換制御部67c、レシート発行処理部67d及び賞品払出制御部67eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、賞品在庫管理部67a、保有価値管理部67b、賞品交換制御部67c、レシート発行処理部67d及び賞品払出制御部67eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0078】
賞品在庫管理部67aは、賞品在庫データ66aを管理する処理部である。賞品在庫管理部67aは、賞品払出装置80から賞品在庫データを受信したならば、受信したデータを賞品在庫データ66aに記憶する。
【0079】
保有価値管理部67bは、保有価値データ66bを管理する処理部である。保有価値管理部67bは、カードリーダライタ61によりカードIDを読み取ったならば、該カードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を管理装置50に要求する。
【0080】
また、保有価値管理部67bは、管理装置50からカードIDに関連付けられた持玉及び貯玉の残高を受信したならば、この持玉及び貯玉の残高を保有価値データ66bに記憶する。
【0081】
賞品交換制御部67cは、賞品交換を制御する処理部である。賞品交換制御部67cは、保有価値データ66bに記憶された持玉の残高を用いて、賞品ごとに交換可能な賞品数を算出し、この賞品数を含む交換結果画面を表示操作部64に表示する。
【0082】
また、賞品交換制御部67cは、表示操作部64に表示した交換結果画面において、交換指示を受け付けたならば、賞品交換に必要な持玉数を含む持玉引落通知を管理装置50に通知する。そして、カードリーダライタ61において、引落後の持玉数をカードに書き込む。
【0083】
レシート発行処理部67dは、賞品交換に係るレシートを発行する処理部である。レシート発行処理部67dは、賞品交換制御部67cにより、引落後の持玉数のカードへの書き込みが終了したならば、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数を印字したレシートを発行する。
【0084】
賞品払出制御部67eは、賞品の払出の制御を行う処理部である。賞品払出制御部67eは、レシート発行処理部67dにおいて、レシートの発行処理が終了したならば、賞品払出装置80に対して払出準備指示を通知する。この払出準備指示は、賞品交換を行う賞品の賞品コード及び賞品数を含む。そして、賞品払出制御部67eは、表示操作部64にカード取り外し依頼画面を表示する。
【0085】
また、賞品払出制御部67eは、カードリーダライタ61からカードが取り外され、賞品払出装置80から払出準備完了通知を受信したならば、賞品払出装置80に対して払出要求を通知する。
【0086】
次に、
図4に示したセルフ賞品管理装置60の記憶部66が記憶するデータの一例について説明する。
図5は、
図4示した賞品在庫データ66a及び保有価値データ66bの一例を示す図である。
【0087】
図5(a)に示す賞品在庫データ66aは、賞品コード「0001」に対して、賞品名が「大賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「100」個であり、在庫数が「20」個である状態を対応付け、賞品コード「0002」に対して、賞品名が「中賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「300」個であり、在庫数が「150」個である状態を対応付け、賞品コード「0003」に対して、賞品名が「小賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「500」個であり、在庫数が「230」個である状態を対応付けている。
【0088】
図5(b)に示す保有価値データ66bは、玉1の持玉数が「1000」玉であり、玉2の持玉数が「0」玉であり、玉3の持玉数が「0」玉であり、玉1の貯玉数が「0」玉であり、玉2の貯玉数が「0」玉であり、玉3の貯玉数が「0」玉である状態を示している。
【0089】
<賞品払出装置80の外観構成>
次に、
図2に示した賞品払出装置80の外観構成について説明する。
図6及び
図7は、
図2に示した賞品払出装置80の外観構成を示す図である。
【0090】
図6に示すように、賞品払出装置80は、賞品を保管する筐体81及び賞品の補充等を行う際に開閉する扉82により構成される。賞品払出装置80には、払い出す賞品数等を表示する表示操作部86及び賞品の払出口となるシャッター84が設けられている。
【0091】
また、
図7に示すように、賞品払出装置80の内部には、賞品を種類ごとに保管する繰出ユニット83及び繰り出した賞品を搬送する搬送部85が設けられている。繰出ユニット83は賞品の種類ごとに保管するために複数のユニットに区分される。例えば、大賞品、中賞品、小賞品の3種類の賞品を保管する場合は、繰出ユニット83a、83b及び83cに区分する。
【0092】
<賞品払出装置80の構成>
次に、
図2に示した賞品払出装置80の構成の構成について説明する。
図8は、
図2に示した賞品払出装置80の構成を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、賞品払出装置80は、表示操作部86、通信部87、記憶部88及び制御部89を有する。
【0093】
表示操作部86は、払い出す賞品数等を表示するタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。通信部87は、セルフ賞品管理装置60との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0094】
記憶部88は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部88は、賞品在庫データ88aを記憶する。賞品在庫データ88aは、賞品払出装置80が保管する賞品の在庫数を示すデータである。
【0095】
制御部89は、賞品払出装置80を全体制御する制御部であり、賞品在庫管理部89a、賞品繰出部89b及び賞品搬送部89cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、賞品在庫管理部89a、賞品繰出部89b及び賞品搬送部89cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0096】
賞品在庫管理部89aは、賞品在庫データ88aを管理する処理部である。賞品在庫管理部89aは、賞品の払出又は補充が行われたならば、払出の場合は払い出した賞品数を賞品在庫データ88aから減算し、補充の場合は補充された賞品数を賞品在庫データ88aに加算して更新する。
【0097】
また、賞品在庫管理部89aは、賞品在庫データ88aを更新したならば、この賞品在庫データ88aをセルフ賞品管理装置60に送信する。
【0098】
賞品繰出部89bは、賞品の繰出の制御を行う処理部である。賞品繰出部89bは、賞品搬送部89cにより、搬送部85が繰出ユニット83の繰出位置に移動したならば、セルフ賞品管理装置60から受信した払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する賞品の賞品数を搬送部85に対して繰り出す。例えば、払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する賞品が大賞品である場合、大賞品を保管する繰出ユニット83aから大賞品を繰り出す。
【0099】
また、賞品繰出部89bは、払出準備指示に含まれる賞品コードが複数の場合に、この賞品コードの全ての賞品の繰出が完了していないならば、賞品搬送部89cに対して移動指示を受け渡す。
【0100】
また、賞品繰出部89bは、払出準備指示に含まれる賞品コードの全ての賞品の繰出が完了したならば、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置60に通知する。
【0101】
賞品搬送部89cは、賞品の搬送の制御を行う処理部である。賞品搬送部89cは、セルフ賞品管理装置60から払出準備指示を受信したならば、この払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動する。
【0102】
また、賞品搬送部89cは、賞品繰出部89bから移動指示を受け取ったならば、払出準備指示に含まれる次の賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動する。
【0103】
また、賞品搬送部89cは、セルフ賞品管理装置60から払出要求を受信したならば、シャッター84を開放し、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動する。賞品搬送部89cは、搬送部85から賞品が取り出されたならば、シャッター84を閉鎖し、搬送部85を所定の位置まで移動する。
【0104】
次に、
図8に示した賞品払出装置80の記憶部88が記憶するデータの一例について説明する。
図9は、
図8示した賞品在庫データ88aの一例を示す図である。
【0105】
図9に示す賞品在庫データ88aは、賞品コード「0001」に対して、賞品名が「大賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「100」個であり、在庫数が「20」個である状態を対応付け、賞品コード「0002」に対して、賞品名が「中賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「300」個であり、在庫数が「150」個である状態を対応付け、賞品コード「0003」に対して、賞品名が「小賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「500」個であり、在庫数が「230」個である状態を対応付けている。
【0106】
<実施形態1に係るセルフ賞品管理装置60における表示の一例>
次に、本実施形態1に係るセルフ賞品管理装置60における表示の一例について説明する。
図10は、本実施形態1に係るセルフ賞品管理装置60における表示の一例を示す図である。ここでは、セルフ賞品管理装置60で表示する交換結果画面及びカード取り出し依頼画面の一例を説明する。
【0107】
図10(a)に示すように、交換結果画面では、賞品交換に使用できる持玉の残高と、この残高で交換可能な賞品を表示する。例えば、遊技種が「4円パチンコ」における持玉の残高の総数が「1000」玉であり、賞品に交換可能な交換玉数が「875」玉であり、端玉となる残りが「125」玉であることを表示する。また、交換玉数「1000」玉で交換可能な賞品は、大賞品が「0」個であり、中賞品が「1」個であり、小賞品が「1」個であることを表示する。
【0108】
また、交換処理の実施の指示を受け付けるための「交換」ボタン、交換処理を中止するための「取引中止」ボタン及び表示画面を一つ前の画面に戻すための「戻る」ボタンを表示する。
【0109】
図10(b)に示すように、カード取り出し依頼画面では、賞品交換の処理が終了し、カードの取り出しを依頼する内容及び賞品交換の内容を表示する。例えば、「カードとレシートをお取りください 続けて賞品が出ます お取り忘れにご注意ください」と表示する。そして、賞品交換の内容として、「大賞品0個 中賞品1個 小賞品1個 残額2000円 残玉数125玉 来店ポイント3pt」と表示する。
【0110】
<実施形態1に係る賞品払出に関する処理手順>
次に、本実施形態1に係る賞品払出に関する処理手順について説明する。
図11は、本実施形態1に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
図11に示すように、セルフ賞品管理装置60は、カードを受け付けたならば(ステップS101)、交換可能な賞品数を含む交換結果画面を表示する(ステップS102)。
【0112】
この交換結果画面において交換指示を受け付けたならば(ステップS103)、賞品交換に必要な持玉数を含む持玉引落通知を管理装置50に通知する(ステップS104)。管理装置50は、受信した持玉引落通知に基づいて持玉の引落を行う(ステップS105)。
【0113】
セルフ賞品管理装置60は、引落後の持玉数をカードに書き込み(ステップS106)、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数をレシートに印字して発行する(ステップS107)。そして、賞品払出装置80に対して払出準備指示を通知するとともに(ステップS108)、カード取り出し依頼画面表示する(ステップS109)。
【0114】
賞品払出装置80は、受信した払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動し(ステップS111)、払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する賞品の賞品数を搬送部85に対して繰り出す(ステップS112)。そして、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置60に通知する(ステップS113)。
【0115】
セルフ賞品管理装置60は、カードリーダライタ61からカードが取り外され(ステップS110)、賞品払出装置80から払出準備完了通知を受信したならば(ステップS113)、賞品払出装置80に対して払出要求を通知する(ステップS114)。
【0116】
賞品払出装置80は、シャッター84を開放し(ステップS115)、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動して賞品の払出を行い(ステップS116)、処理を終了する。
【0117】
上述してきたように、本実施形態1に係る賞品交換システムでは、セルフ賞品管理装置が交換指示を受け付けた時点で賞品を払い出す準備を行い、セルフ賞品管理装置からカードが取り出された時点で賞品を払い出すことにより、賞品交換の処理に必要な時間を短縮するよう構成したので、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【0118】
[変形例1]
ところで、上記の実施形態1では、セルフ賞品管理装置においてカードへの書込み及びレシートの印字が行われたならば、賞品払出装置において搬送部の移動及び賞品の繰出を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0119】
セルフ賞品管理装置におけるカードへの書込み及びレシートの印字の間に、賞品払出装置において搬送部の移動及び賞品の繰出を行うよう構成することもできる。本変形例1では、セルフ賞品管理装置におけるカードへの書込み及びレシートの印字の間に、賞品払出装置において搬送部の移動及び賞品の繰出を行う賞品交換システムについて説明する。
【0120】
<変形例1に係る賞品払出に関する処理手順>
本変形例1に係る賞品払出に関する処理手順について説明する。
図12は、本変形例1に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0121】
図12に示すように、セルフ賞品管理装置100は、カードを受け付けたならば(ステップS201)、交換可能な賞品数を含む交換結果画面を表示し(ステップS202)、賞品払出装置200に対して払出予定数を通知する(ステップS203)。
【0122】
賞品払出装置200は、受信した払出予定数に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動する(ステップS204)。なお、交換結果画面において交換指示を受け付ける前に搬送部85を移動するが、この時点で取引中止を受け付けたとしても、賞品の繰出は行っていないため、交換処理を支障なく中止することができる。
【0123】
セルフ賞品管理装置100は、交換結果画面において交換指示を受け付けたならば(ステップS205)、賞品交換に必要な持玉数を含む持玉引落通知を管理装置50に通知する(ステップS206)。
【0124】
管理装置50は、受信した持玉引落通知に基づいて持玉の引落を行い(ステップS207)、引落完了通知をセルフ賞品管理装置100に通知する(ステップS208)。セルフ賞品管理装置100は、引落完了通知を受信したならば、賞品払出装置200に対して払出準備指示を通知する(ステップS209)。
【0125】
賞品払出装置200は、受信した払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する賞品の賞品数を搬送部85に対して繰り出す(ステップS210)。そして、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置100に通知する(ステップS215)。なお、管理装置50において持玉の引落処理が成功した時点で賞品交換の取引が成立するため、この引落処理後に賞品交換の取引中止は生起しない。
【0126】
セルフ賞品管理装置100は、引落後の持玉数をカードに書き込み(ステップS211)、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数をレシートに印字して発行する(ステップS212)。そして、カード取り出し依頼画面表示する(ステップS213)。
【0127】
セルフ賞品管理装置100は、カードリーダライタ61からカードが取り外され(ステップS214)、賞品払出装置200から払出準備完了通知を受信したならば(ステップS215)、賞品払出装置200に対して払出要求を通知する(ステップS216)。
【0128】
賞品払出装置200は、シャッター84を開放し(ステップS217)、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動して賞品の払出を行い(ステップS217)、処理を終了する。
【0129】
上述してきたように、本変形例1に係る賞品交換システムでは、セルフ賞品管理装置におけるカードへの書込み及びレシートの印字の間に、賞品払出装置において搬送部の移動及び賞品の繰出を行うことにより、賞品交換の処理に必要な時間を短縮するよう構成したので、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【0130】
[変形例2]
ところで、上記の実施形態1では、セルフ賞品管理装置においてカードへの書込み及びレシートの印字が行われたならば、賞品払出装置において搬送部の移動及び賞品の繰出を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0131】
セルフ賞品管理装置から賞品払出装置に対して段階的に通知される賞品交換に係る通知内容に齟齬が無いかを各通知内容を比較して確認するよう構成することもできる。本変形例2では、セルフ賞品管理装置から賞品払出装置に対して段階的に通知される賞品交換に係る通知内容に齟齬が無いかを各通知内容を比較して確認する賞品交換システムについて説明する。
【0132】
<変形例2に係る賞品払出に関する処理手順>
本変形例2に係る賞品払出に関する処理手順について説明する。
図13は、本変形例2に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0133】
図13に示すように、セルフ賞品管理装置300は、カードを受け付けたならば(ステップS301)、交換可能な賞品数を含む交換結果画面を表示し(ステップS302)、賞品払出装置400に対して払出予定数を通知する(ステップS303)。
【0134】
賞品払出装置400は、受信した払出予定数に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動する(ステップS304)。
【0135】
セルフ賞品管理装置300は、交換結果画面において交換指示を受け付けたならば(ステップS305)、賞品交換に必要な持玉数を含む持玉引落通知を管理装置50に通知するとともに(ステップS306)、賞品払出装置400に対して払出準備数を含む払出準備指示を通知する(ステップS307)。
【0136】
賞品払出装置400は、受信した払出準備指示に含まれる払出準備数と払出予定数を比較する(ステップS308)。払出準備数と払出予定数が等しくなかったならば(ステップS308;No)、エラーを表示し(ステップS319)、そのまま処理を終了する。
【0137】
払出準備数と払出予定数が等しいならば(ステップS308;Yes)、払出準備数分の賞品を搬送部85に対して繰り出す(ステップS309)。そして、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置300に通知する(ステップS314)。
【0138】
セルフ賞品管理装置300は、賞品交換を行う賞品の賞品コード及び賞品数をカードに書き込み(ステップS310)、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数をレシートに印字して発行する(ステップS311)。そして、カード取り出し依頼画面表示する(ステップS312)。
【0139】
セルフ賞品管理装置300は、カードリーダライタ61からカードが取り外され(ステップS313)、賞品払出装置400から払出準備完了通知を受信したならば(ステップS314)、賞品払出装置400に対して払出数を含む払出要求を通知する(ステップS315)。
【0140】
賞品払出装置400は、受信した払出要求に含まれる払出数と払出予定数を比較する(ステップS316)。払出数と払出予定数が等しくなかったならば(ステップS316;No)、エラーを表示し(ステップS319)、そのまま処理を終了する。
【0141】
払出数と払出予定数が等しいならば(ステップS316;Yes)、シャッター84を開放し(ステップS317)、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動して賞品の払出を行い(ステップS318)、処理を終了する。
【0142】
上述してきたように、本変形例2に係る賞品交換システムでは、セルフ賞品管理装置から賞品払出装置に対して段階的に通知される賞品交換に係る通知内容に齟齬が無いかを各通知内容を比較して確認するよう構成したので、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【0143】
なお、上記の変形例2では、払出予定数が固定されている場合の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。払出予定数が固定されていない場合には、払出予定数として許容範囲を指定して通知するよう構成することもできる。
【0144】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、セルフ賞品管理装置において受け付けたカードの種別に関係なく、賞品交換の処理に必要な時間を短縮する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0145】
セルフ賞品管理装置において受け付けたカードの種別に応じて、賞品交換の処理に必要な時間を短縮する手順を変更するよう構成することもできる。本実施形態2では、セルフ賞品管理装置において受け付けたカードの種別に応じて、賞品交換の処理に必要な時間を短縮する手順を変更する賞品交換システムについて説明する。
【0146】
<実施形態2に係る賞品交換システムの概要>
本実施形態2に係る賞品交換システムの概要について説明する。
図14及び
図15は、本実施形態2に係る賞品交換システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態2では、会員カード及び一般カードに応じて賞品交換の処理手順を変更するため、会員カードを受け付けた場合及び一般カードを受け付けた場合について説明する。
【0147】
図14に示すように、セルフ賞品管理装置500は、会員カードを受け付けて交換結果画面を表示したならば、賞品払出装置600に搬送準備指示を通知する。賞品払出装置600は、搬送準備指示を受信したならば、賞品の繰出位置まで搬送部を移動する。
【0148】
セルフ賞品管理装置500は、交換結果画面において交換指示を受け付けたならば、賞品払出装置600に払出準備指示を通知する。賞品払出装置600は、払出準備指示を受信したならば、搬送部に対して賞品の繰出を行う。
【0149】
セルフ賞品管理装置500は、会員カードが取り出されたならば、賞品払出装置600に払出要求を通知する。賞品払出装置600は、払出要求を受信したならば、賞品の払出を行う。
【0150】
また、
図15に示すように、セルフ賞品管理装置500は、一般カードを受け付けて交換結果画面を表示したならば、賞品払出装置600に払出準備指示を通知する。賞品払出装置600は、払出準備指示を受信したならば、搬送部を移動して、この搬送部に対して賞品の繰出を行う。
【0151】
セルフ賞品管理装置500は、一般カードが取り出されたならば、賞品払出装置600に払出要求を通知する。賞品払出装置600は、払出要求を受信したならば、賞品の払出を行う。
【0152】
<実施形態2に係る賞品払出に関する処理手順>
本実施形態2に係る賞品払出に関する処理手順について説明する。
図16及び
図17は、本実施形態2に係る賞品払出に関する処理手順を示すフローチャートである。本実施形態2では、会員カード及び一般カードに応じて賞品交換の処理手順を変更するため、会員カードを受け付けた場合及び一般カードを受け付けた場合の処理手順について説明する。
【0153】
図16に示すように、セルフ賞品管理装置500は、会員カードを受け付けたならば(ステップS401)、暗証番号を受け付ける(ステップS402)。複数レートが選択されたならば(ステップS403;Yes)、交換するレートの選択を受け付ける(ステップS404)。そして、賞品払出数を算出する(ステップS405)。この際、複数レートが選択されている場合は、そのレートごとに算出する。
【0154】
セルフ賞品管理装置500は、交換可能な賞品数を含む交換結果画面を表示し(ステップS406)、賞品払出装置600に対して搬送準備指示を通知する(ステップS407)。
【0155】
賞品払出装置600は、搬送準備指示に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動する(ステップS408)。
【0156】
セルフ賞品管理装置500は、交換する賞品数の変更が選択されたならば(ステップS409;Yes)、変更する賞品数を受け付ける(ステップS410)。そして、交換指示を受け付けたならば(ステップS411)、賞品払出装置600に対して払出準備指示を通知する(ステップS412)。
【0157】
賞品払出装置600は、払出準備指示に基づき、賞品を搬送部85に対して繰り出す(ステップS413)。そして、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置500に通知する(ステップS418)。
【0158】
セルフ賞品管理装置500は、賞品交換を行う賞品の賞品コード及び賞品数をカードに書き込み(ステップS414)、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数をレシートに印字して発行する(ステップS415)。そして、カード取り出し依頼画面表示する(ステップS416)。
【0159】
セルフ賞品管理装置500は、カードリーダライタ61からカードが取り外され(ステップS417)、賞品払出装置600から払出準備完了通知を受信したならば(ステップS418)、賞品払出装置600に対して払出要求を通知する(ステップS419)。
【0160】
賞品払出装置600は、シャッター84を開放し(ステップS420)、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動して賞品の払出を行い(ステップS421)、処理を終了する。
【0161】
また、
図17に示すように、セルフ賞品管理装置500は、一般カードを受け付け(ステップS501)、複数レートが選択されたならば(ステップS502;Yes)、交換するレートの選択を受け付ける(ステップS503)。そして、賞品払出数を算出する(ステップS504)。この際、複数レートが選択されている場合は、そのレートごとに算出する。
【0162】
セルフ賞品管理装置500は、交換可能な賞品数を含む交換結果画面を表示し(ステップS505)、賞品払出装置600に対して払出準備指示を通知する(ステップS506)。
【0163】
賞品払出装置600は、払出準備指示に含まれる賞品コードに対応する繰出ユニット83の繰出位置まで搬送部85を移動し(ステップS507)、賞品の繰出を行う(ステップS508)。そして、払出準備完了通知をセルフ賞品管理装置500に通知する(ステップS514)。
【0164】
セルフ賞品管理装置500は、交換指示を受け付けたならば(ステップS509)、賞品交換を行う賞品の賞品コード及び賞品数をカードに書き込み(ステップS510)、この賞品交換を行う賞品名及び賞品数をレシートに印字して発行する(ステップS511)。そして、カード取り出し依頼画面表示する(ステップS512)。
【0165】
セルフ賞品管理装置500は、カードリーダライタ61からカードが取り外され(ステップS513)、賞品払出装置600から払出準備完了通知を受信したならば(ステップS514)、賞品払出装置600に対して払出要求を通知する(ステップS515)。
【0166】
賞品払出装置600は、シャッター84を開放し(ステップS516)、このシャッター84の位置まで搬送部85を移動して賞品の払出を行い(ステップS517)、処理を終了する。
【0167】
上述してきたように、本実施形態2に係る賞品交換システムでは、セルフ賞品管理装置において受け付けたカードの種別に応じて、賞品交換の処理に必要な時間を短縮する手順を変更するよう構成したので、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行うことができる。
【0168】
なお、上記の各実施形態では、遊技媒体として遊技玉を用いるスマートパチンコにおいて、本発明を適用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを用いるスマートパチスロにも本発明を適用するよう構成することもできる。
【0169】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明に係る賞品交換システム、賞品管理装置及び賞品交換方法は、セルフ運用を行う賞品管理装置において迅速かつ効率的に賞品交換を行う場合に適している。
【符号の説明】
【0171】
10 台間カード処理機
20 遊技機
30 島コントローラ
50 管理装置
60 セルフ賞品管理装置
61 カードリーダライタ
62 レシート発行部
64 表示操作部
65 通信部
66 記憶部
66a 賞品在庫データ
66b 保有価値データ
67 制御部
67a 賞品在庫管理部
67b 保有価値管理部
67c 賞品交換制御部
67d レシート発行処理部
67e 賞品払出制御部
80 賞品払出装置
81 筐体
82 扉
83、83a、83b、83c 繰出ユニット
84 シャッター
85 搬送部
86 表示操作部
87 通信部
88 記憶部
88a 賞品在庫データ
89 制御部
89a 賞品在庫管理部
89b 賞品繰出部
89c 賞品搬送部
90 精算機
100 セルフ賞品管理装置
200 賞品払出装置
300 セルフ賞品管理装置
400 賞品払出装置
500 セルフ賞品管理装置
600 賞品払出装置