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特開2025-80931メタン発酵に際して発生する泡の処理方法及び処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025080931
(43)【公開日】2025-05-27
(54)【発明の名称】メタン発酵に際して発生する泡の処理方法及び処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/65 20220101AFI20250520BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20250520BHJP
【FI】
B09B3/65
B09B3/35 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194323
(22)【出願日】2023-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】507259213
【氏名又は名称】株式会社 ノサカテック
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】小林 直樹
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA01
4D004BA03
4D004CA04
4D004CA15
4D004CA18
4D004CB04
4D004CB27
4D004CB43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】有機性発酵液からメタンガスを発生する際に液面上に形成されるスポンジ状の泡(スカム)を処理する方法の提供。
【解決手段】有機性発酵液3の液面11に面して配置した泡切り攪拌羽根5を水平面内で回転し、泡切り攪拌羽根5の各羽根の回転によって大きなスポンジ状の泡(スカム)を切り裂いて小さな塊に分割し、この分割した泡の塊を排出口から排出することが出来る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物を細かく砕いて作った有機性発酵液を発酵槽に収容し、該有機性発酵液からメタンガスを発生するに際し、上記発酵槽の上部空間内の有機性発酵液の液面上に形成される大きなスポンジ状の泡(スカム)を排出することが出来る泡の処理方法において、有機性発酵液の液面に面して配置した泡切り攪拌羽根を水平面内で回転し、上記泡切り攪拌羽根の各羽根の回転によって大きなスポンジ状の泡(スカム)を切り裂いて小さな塊に分割し、この分割した泡の塊を発酵槽に設けている排出口から排出することを特徴とする泡の処理方法。
【請求項2】
上記泡切り攪拌羽根の羽根は、回転軸から放射状に外方向へ延びるアームに所定の間隔をおいて複数本設け、上記各羽根は泡切り攪拌羽根が回転する際にスポンジ状の泡(スカム)を斜め上方から押えながら切り裂く方向に傾斜している請求項1記載の泡の処理方法。
【請求項3】
有機性廃棄物を細かく砕いて作った有機性発酵液を収容する発酵槽を有し、該有機性発酵液からメタンガスを発生するに際し、上記発酵槽の上部空間内の有機性発酵液の液面上に形成される大きなスポンジ状の泡(スカム)を排出することが出来る泡の処理装置において、有機性発酵液の液面に面して水平面内で回転する泡切り攪拌羽根を回転軸に取付け、上記泡切り攪拌羽根は回転軸から放射状に外方向へ延びるアームに所定の間隔をおいて複数本の羽根を有し、各羽根は泡切り攪拌羽根が回転することで、大きなスポンジ状の泡(スカム)を斜め上方から押えながら切り裂いて小さな塊に分割出来る方向に傾斜していることを特徴とする泡の処理装置。
【請求項4】
上記回転軸に取付けた泡切り攪拌羽根は、上下方向に移動して高さの調整を可能とした請求項3記載の泡の処理装置。
【請求項5】
上記泡切り攪拌羽根が水平面内で回転する回転軸の下端には、発酵槽に収容されている有機性発酵液を攪拌する為の発酵液攪拌羽根を取付けた請求項3、又は請求項4記載の泡の処理装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小規模な構造にて構成して家畜の糞尿や生ごみなどの有機性廃棄物をメタン発酵する際に発生する泡を処理する方法及び処理装置、並びに該処理装置を備えたメタン発酵方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生ゴミ、家畜の排泄物、食品加工残渣、汚泥などの有機性廃棄物を原料としてメタンを発酵させることが出来、このメタンガスは化石燃料に代わるものとして環境に優しい再生可能なエネルギーである。
メタンガスは有機物の発酵などに伴って発生し、色も臭いもない可燃性のガスであり、メタン発酵技術を活用して大量に発生する廃棄物の処理が注目されている。
メタン発酵技術は化石燃料をほとんど使用せず、カーボンニュートラルな有機性廃棄物をエネルギー原料として利用する点で、地球温暖化防止の観点からの温室効果ガス抑制に寄与するシステムである。
【0003】
従来においても、生ゴミ、家畜の排泄物、食品加工残渣などの有機性廃棄物を原料としてメタンを発酵させる装置は色々と知られている。ところで、従来のメタン発酵装置はその規模が大きく、また、メタンを発酵させる際に発酵槽の液面上部にはスカム(スポンジのような泡)が発生し、この泡がメタンガスを回収するに際して大きな障害に成っている。その為に、この泡を取り除く為の装置も知られている。
【0004】
特許第6184041号に係る「メタン発酵処理方法及び処理装置」は、廃棄物を投入する廃棄物投入槽、メタンガスが発生する発酵槽、該メタンガスを使って稼働する発電機、該発電機が稼働する際の廃熱を使って加熱された温水を循環して循環路を流れる有機性廃棄液を所定の温度に加熱する加熱器を有し、該発酵槽の下端部に設けた流出口から流れて発酵槽内の有機性廃棄液の液面より上方に流入口を有す循環路を設けている。
そこで、流入口から流れ落ちる有機性廃棄液が泡に落下することで、スポンジのような泡が消滅するようにしている。
【0005】
特開2022-109016号に係る「発泡ドレン装置、およびメタン発酵槽」は、簡易な構造で、発泡が激しい場合でもバイオガスの回収管などに泡が混入することを抑制することができる。
発泡ドレン装置は、メタン発酵槽の液面よりも高い位置に当該メタン発酵槽の内部に連通する吸込口が位置する発泡ドレン管と、発泡ドレン管の排出口側に設けられ、発泡ドレン管の排出口からガスが漏れることを防止するガスシール装置(液封タンク)とを備えている。
【0006】
特開2015-51390号に係る「メタン発酵処理装置」は、高粘性の高濃度汚泥を十分に攪拌することができるメタン発酵処理装置である。
すなわち、メタン発酵処理装置は、汚泥を貯留する消化槽と、消化槽内の汚泥から発生した消化ガスを回収し、回収した消化ガスを消化槽内に戻す消化ガス移送機構と、消化ガス移送機構に接続され、消化ガスを気泡として消化槽内に分散させるガス分散装置と、ガス分散装置よりも上方に配置され、消化ガスの気泡を含む汚泥を攪拌する攪拌翼とを備えており、ガス分散装置は、消化槽の底部に配置されている。
【0007】
特開2008-255209号に係る「メタンガスの濃縮方法および装置」は、メタンガスと二酸化炭素とを主成分とするバイオガス中のメタンガス濃度を大がかりな装置を必要とすることなく効果的に高めることが出来る。
そこで、有機性廃棄物の嫌気発酵により発生し、メタンおよび二酸化炭素を主成分とするバイオガスからメタンガスを濃縮する際に、前記バイオガスを気泡化させて液体中を通過させ、前記バイオガス中の主として二酸化炭素を前記液体に溶解させ、該液体に溶解することなく通過した前記メタンガスを含む前記バイオガスを回収する。濃縮装置として、バイオガスを微細気泡にして散気させる微細気泡発生装置と、前記微細気泡を散気させる液体を収納する液体槽(貯留タンク)と、前記液体を通過したバイオガスからメタンガスを回収する回収手段とを備えている。
【0008】
【特許文献1】特許第6184041号に係る「メタン発酵処理方法及び処理装置」
【特許文献2】特開2022-109016号に係る「発泡ドレン装置、およびメタン発酵槽」
【特許文献3】特開2015-51390号に係る「メタン発酵処理装置」
【特許文献4】特開2008-255209号に係る「メタンガスの濃縮方法および装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、有機性廃棄物からメタンガスを発生するに際して生じる泡を処理する機能を備えたメタン発酵処理装置は色々知られている。
本発明が解決しようとする課題は、従来の泡処理方法とは異なる方法であって、スポンジのような泡を効率よく処理して、有機性廃棄物からメタンガスを効率よく回収することが出来るように機能する泡処理装置及び該泡処理装置を備えたメタン発酵処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るメタン発酵処理装置は、有機性発酵液が収容されてメタンを発酵するメタン発酵槽を有し、上記メタン発酵槽には収容されている有機性発酵液が循環することが出来るように循環手段を備えている。循環手段の具体的な方法は限定しないが、メタン発酵槽の下側から流出して、収容されている有機性発酵液の液面上方から落下・流入するように循環ポンプを備えている。
また、本発明のメタン発酵処理装置には、循環する有機性発酵液を所定の温度に加熱する為の加熱器を備えている。
【0011】
そして、メタン発酵槽の有機性発酵液の液面上にはスポンジのような泡の層が形成されるが、本発明ではこの泡の層を処理してメタンガスを効率よく回収することが出来るように、液面上に形成される上記泡の層を切り裂くことが出来る攪拌羽根を設けている。
該攪拌羽根は液面に平行して水平面内で回転するように、回転軸に対して放射線方向に延びるアームには複数枚の羽根が取付けられ、これら羽根は斜め方向に傾斜している。
【0012】
攪拌羽根が回転軸を中心として回転することで、斜めに傾斜した羽根はスポンジのような泡の層を切り裂き、切り裂かれて小さくなった泡の層は発酵槽の外へ排出される。発酵槽の側面には切り裂かれて小さくなった泡の塊が排出される排出口を備えている。
有機物発酵液からはメタンガスが発生し、このメタンガスは発酵槽の回収口から回収される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るメタン発酵処理装置は、廃棄物投入槽に投入された有機性廃棄物を液状化して発酵槽へ送り、この発酵槽ではその下端部に設けた流出口から流出して循環路を循環し、発酵槽の上部である液面上方から流れ落ちる。したがって、有機性廃棄液は発酵槽内部の上下層間で循環し、しかも循環路の途中に設けている加熱器によって適度な温度に加熱されることで、有機性廃棄液から効率良くメタンガスを発生させることが出来る。
【0014】
そして、発酵液の上面にはスポンジ状の泡の層が形成されるが、発酵液の液面に面して攪拌羽根が回転することで、泡の層は回転する羽根に切り裂かれて小さな泡の塊に分離する。小さく分離した泡の塊は排出口から排出され、多量に発生する泡が排除されることで、効率よくメタンガスが回収される。
また、発酵槽の上部空間に配置している各種計測器が泡によって生じる誤作動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るメタン発酵処理装置の概略図を示す正面図。
図2】本発明に係るメタン発酵処理装置の概略図を示す平面図。
図3】本発明に係るメタン発酵処理装置の概略図を示す左側面図。
図4】本発明に係るメタン発酵処理装置の概略図を示す右側面図。
図5】回転軸の上部に取付けている泡切り攪拌羽根と下端に取付けている発酵液攪拌羽根を示す具体例。
図6図5のA-A矢視拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
有機性廃棄物からメタンガスが発生する一般的な工程は次の通りである。
(1)原料投入
原料となる有機性廃棄物を破砕機に投入する。
(2)調整槽移送
破砕した原料(有機性廃棄物)は移送ポンプで調整槽へ移送される。
調整槽では加水して固形分濃度を調整する。(固形分濃度は原料により異なるが、15~20%程度)。
(3)発酵槽移送
加水して固形分濃度を調整した原料は、移送ポンプで発酵槽へ移送される。
発酵槽には事前にメタン菌を投入してあり、発酵槽内は嫌気性(無酸素状態)である。
原料を発酵槽へ移送後、撹拌機等で攪拌し、発酵促進のため、二重管等の熱交換器で循環ポンプにて循環して加温する。加温される原料の具体的な温度は限定しないが、高温発酵では約55℃まで加温する。
そして、発酵槽では発酵が始まり、メタンガスが発生する。
ここまでの間に原料が腐敗することはなく、腐敗すると発酵できなくなる。
【0017】
本発明はメタン発酵処理装置を構成する発酵槽を対象としたものであり、原料となる有機性廃棄物を投入して破砕する投入槽、破砕した原料(有機性廃棄物)が移送されて固形分濃度を調整する調整槽の具体的な構造は限定しない。
図1図4は本発明に係るメタン発酵処理装置を構成する発酵槽を示す実施例であり、図1は正面図、図2は平面図、図3は左側面図、図4は右側面図をそれぞれ表している。
【0018】
同図の1は発酵槽であって、大きな空間を有す直方体を成し、この内部空間2に有機性発酵液3が収容される。
上記発酵槽1の近くには有機性廃棄物が投入される廃棄物投入槽(図示なし)が設置され、該廃棄物投入槽にはメタンガスを発生する原料となる生ゴミ、家畜の排泄物、食品加工残渣、汚泥などの有機性廃棄物が投入される。そして、一緒に混ざり合った固形物は破砕機能を備えたポンプにて細かく砕かれて調整槽へ送り出される。調整槽では加水して固形分濃度が調整されて15~20%程度とされる。
【0019】
加水して固形分濃度を調整した原料は、移送ポンプで発酵槽1へ移送される。
発酵槽1には事前にメタン菌を投入してあり、発酵槽内は嫌気性(無酸素状態)である。
発酵槽1へ送り出される有機性廃棄物は破砕機能を備えたポンプを通過することになる。また、廃棄物投入槽には攪拌機を取付けていて、投入された色々な廃棄物が混ざり合って、有機性廃棄物が均等になるように攪拌され、調整槽にて加水されて有機性廃棄物は有機性発酵液となる。そして有機性発酵液は上記ポンプにて押し出されることで搬送管を流れて該発酵槽1へ送られる。
【0020】
発酵槽1では上記調整槽から送られた有機性発酵液3は発酵してメタンガスが効率よく発生するように、所定の温度に加熱されると共に攪拌される。
そこで、発酵槽1は大きな内部空間2を有すタンクで構成され、発酵槽内の有機性発酵液3を循環する。
有機性発酵液3を発酵槽1内で循環させる方法は色々あり、本発明では具体的な方法に特定はしない。
例えば、発酵槽1の底部に流出口を設けて破砕機能を備えたポンプにて吸い込み、有機物発酵液3は循環路を流れて循環し、発酵槽1の上部に設けられ流入口から流れ落ちることが出来る。ここで、上記流入口は液面より上方に配置され、その為に有機物発酵液3は液面に流れ落ちるようにすることが出来る。
【0021】
そして、循環路の一部には加熱器を設置し、この加熱器によって循環路を流れる液状の有機性発酵液3を温めることが出来る。
発酵槽1の底部から流出して液面上方から流れ落ちることで、その落流荷重を利用して発酵槽内では上下方向に循環する流れが形成される。また、対を成す2基の攪拌機を発酵槽の両側で対角線上の位置に取付けて攪拌することで、水平面内で循環する流れが形成されて均等に混ざり合うことも出来る。
【0022】
ところで、発酵槽1の上部空間4には有機性発酵液3が発酵することで発生したメタンガスが充満し、このメタンガスは発酵槽1とは別に設けた容器(タンク)へ導いて収容し、該メタンガスは別途使用することが出来る。ただし、具体的な用途は自由であり、本発明は限定しない。
上記廃棄物投入槽及び発酵槽1に取付けている攪拌機の動力として、またポンプを駆動する動力としての電力をメタンガスを原料して駆動する発電機から供給することが出来る。すなわち、本発明のメタン発酵処理装置は外部からのエネルギーの供給を必要としないで、独立して稼動するように構成出来る。
【0023】
ところで、メタンガスを発酵させる際に発酵槽の液面上部にはスポンジのような泡(スカム)が発生し、この泡がメタンガスを回収するに際して大きな障害に成っている。本発明はこのスポンジのような泡(スカム)を効率よく除去して、メタンガスを効率よく回収することが出来るように、泡処理装置を備えている。
そこで、本発明では有機性発酵液の液面11に面して水平面内で回転する泡切り攪拌羽根5を設けている。該泡切り攪拌羽根5は放射状に外方向へ延びるアームに複数本の羽根を有すクシのような形状であって、各羽根は回転軸に対して斜めに傾斜している。
【0024】
図5は上記泡切り攪拌羽根5と発酵液攪拌羽根6を表している。これら泡切り攪拌羽根5及び発酵液攪拌羽根6は回転軸7に取付けられ、該回転軸7は発酵槽1の上方に取付けたモータ10にて回転駆動し、該回転軸7と共に泡切り攪拌羽根5と発酵液攪拌羽根6は回転することが出来る。
同図に示しているように、泡切り攪拌羽根5は回転軸7から放射状に外方向へアーム8を延ばし、該アーム8に対して複数本の羽根9,9・・・を形成したクシのような形状とている。
【0025】
図6図5のA-A矢視拡大図であり、泡切り攪拌羽根5は回転軸7に対して斜めに傾斜している。泡切り攪拌羽根5は水平面内で矢印方向に回転する場合、有機性発酵液面上に形成されるスポンジ状の泡(スカム)を斜め上方から押えながら切り裂くことが出来る。
切り裂かれて小さく成った泡の塊は、液面11より僅か上側に設けている排出口から排出される。すなわち、所定の間隔おいて延びている複数本の羽根9,9・・・が液面11の全体を覆っているスポンジ状の泡(スカム)を、小さな塊に切り裂いて分割することが出来る。
【0026】
ところで、各羽根9,9・・・の傾斜角度θは限定しないが、羽根9,9・・・が軸を中心に回転することで、スポンジ状の泡(スカム)は斜め上方から押えられながら切り裂かれる。
そして、図5では回転軸7から外方向へ延びる泡切り攪拌羽根5の本数は2本としているが、3本又は4本とすることもある。
【0027】
そして、同じ回転軸7の下端には4本の発酵液攪拌羽根6,6・・・を取付けていて、放射状に外方向へ延びている。該発酵液攪拌羽根6,6・・・には泡切り攪拌羽根5のような複数本の羽根9,9・・・はないが、所定の角度をもって斜めに傾斜している。
泡切り攪拌羽根5はスポンジのような泡(スカム)が形成される有機性発酵液3の液面付近に配置されるが、その位置を変えることが出来るように、回転軸7に対して取付け高さを調整可能としている。
【0028】
図1に示す発酵槽1では2本の回転軸7,7を有し、発酵液攪拌羽根6,6は両回転軸7,7の下端に取付けられているが、泡切り攪拌羽根5は小さく成った泡の塊が排出される排出口側となる一方の回転軸7の上部に取付けられている。
ところで、発酵液攪拌羽根6,6・・・は、発酵槽1に収容された有機性発酵液3を攪拌するものであり、その形状は図5に示す場合に限定はしない。
発酵槽1の対角線上の側面に攪拌羽根を取付けて有機性発酵液3を循環させることも出来る。
【符号の説明】
【0029】
1 発酵槽
2 内部空間
3 有機性発酵液
4 上部空間
5 泡切り攪拌羽根
6 発酵液攪拌羽根
7 回転軸
8 アーム
9 羽根
10 モータ
11 液面

図1
図2
図3
図4
図5
図6