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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008102
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】電池端子及び二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/564 20210101AFI20250109BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20250109BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/564
H01M50/557
H01M50/566
H01M50/562
H01M50/505
H01M50/55 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109980
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】トヨタバッテリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 崇志
(72)【発明者】
【氏名】中村 竣亮
(72)【発明者】
【氏名】町田 圭太郎
(72)【発明者】
【氏名】松本 繁
(72)【発明者】
【氏名】水本 将弘
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA02
5H043AA13
5H043AA14
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA05
5H043DA05
5H043DA09
5H043DA11
5H043DA13
5H043FA04
5H043HA08D
5H043HA17D
5H043JA02D
5H043KA08D
5H043KA09D
(57)【要約】
【課題】長期的な電気的信頼性の向上を実現できる電池端子を提供する。
【解決手段】金属製の第1部材26及び第2部材31を有する電池端子NSであって、第1部材26は、表面の少なくとも一部がバスバ接合部27cである第1板状部27と、軸部28a,29a及び傘部28b,29bで構成され、第1板状部27の裏面に形成された2つの加締め部28,29と、を有しており、第2部材31は、表裏に貫通する2つの孔33,34が形成された第2板状部32と、第2板状部32の裏面に繋がって設けられる集電部35と、を有しており、バスバ接合部27c及び集電部35の少なくともいずれか一方に、第1板状部27の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部28を近接加締め部とし、近接加締め部は、その傘部28aが第2板状部32の裏面に超音波接合されていない。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の第1部材及び第2部材を有する電池端子であって、
前記第1部材は、
表面の少なくとも一部がバスバ接合部である第1板状部と、
軸部及び傘部で構成され、前記第1板状部の裏面に形成された2つの加締め部と、を有しており、
前記第2部材は、
表裏に貫通する2つの孔が形成された第2板状部と、
前記第2板状部の裏面に繋がって設けられる集電部と、を有しており、
前記各加締め部は、前記各孔の内部に前記軸部が位置し、前記傘部が前記第2板状部の裏面上に広がるように形成されており、
前記バスバ接合部及び前記集電部の少なくともいずれか一方に、前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されておらず、
前記近接加締め部以外の他の加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されている電池端子。
【請求項2】
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面に直交する方向視において、中心が前記バスバ接合部と重複し、且つ、中心が前記集電部に近い加締め部である請求項1に記載の電池端子。
【請求項3】
前記近接加締め部は、前記バスバ接合部及び前記集電部のうち作用する外力が大きい方に前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部である請求項1に記載の電池端子。
【請求項4】
前記バスバ接合部は、前記集電部よりも作用する外力が大きく、
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面と直交する方向視において中心が前記バスバ接合部と重複する加締め部である請求項3に記載の電池端子。
【請求項5】
前記集電部は、前記バスバ接合部よりも作用する外力が大きく、
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面と直交する方向視において中心が前記集電部に近い加締め部である請求項3に記載の電池端子。
【請求項6】
前記第1部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、
前記第2部材は、銅又は銅合金からなる請求項1~5のいずれか一項に記載の電池端子。
【請求項7】
開口を有する筐体と、
前記筐体の開口を封止する蓋体と、
前記筐体内に配設される電極体と、
前記電極体に電気的に接続される電池端子と、を備え、
前記電池端子は、金属製の第1部材及び第2部材を有し、
前記第1部材は、
表面の少なくとも一部がバスバ接合部である第1板状部と、
軸部及び傘部で構成され、前記第1板状部の裏面に形成された2つの加締め部と、を有しており、
前記第2部材は、
表裏に貫通する2つの孔が形成された第2板状部と、
前記第2板状部の裏面に繋がって設けられる集電部と、を有しており、
前記各加締め部は、前記各孔の内部に前記軸部が位置し、前記傘部が前記第2板状部の裏面上に広がるように形成されており、
前記バスバ接合部及び前記集電部の少なくともいずれか一方に、前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されておらず、
前記近接加締め部以外の他の加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されており、
前記第1板状部の表面が前記蓋体の外部に位置し、前記集電部が前記筐体の内部で前記電極体に電気的に接続されている二次電池。
【請求項8】
前記バスバ接合部にバスバが接合されている請求項7に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池端子及び二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両の電源として用いられる二次電池は、これらが複数電気的に接続され、充放電容量及び出力電力が高められた電池モジュールの形態で用いられる。そして、複数の二次電池は、例えば、隣接する二次電池の正負極端子を繋ぐように接合されるバスバに介して電気的に接続される。
【0003】
ここで、各端子にバスバを溶接によって接合する構造を採用する場合、バスバの溶接性を考慮すると、各端子のバスバが接続される部位(バスバ接合部)が同種の金属材料で構成されることが好ましい。
【0004】
そこで従来から、例えば特許文献1に記載されるような各端子のバスバ接合部が同種の金属材料で構成された二次電池が提案されている。
【0005】
特許文献1記載の二次電池は、発電体に接続される集電部材、ケースの外部に露出し、バスバ接合部にバスバが溶接接合される外部端子、及び集電部材と外部端子とを接続する接続部材で電池端子が構成されている。この二次電池では、接続部材の上端部は外部端子の加締め部に加締め固定されており、接続部の下端部は集電部材に加締め固定されている。また、この二次電池においては、正極側の集電部材、接続部材及び外部端子がアルミニウム製、負極側の集電部材及び接続部材が銅製、バスバがアルミニウム製である場合、例えば、負極外部端子をアルミニウム製の基材を主体として、加締め部の表面に銅製の平板を接合した部分クラッド材で作成している。
【0006】
そして、当該二次電池では、負極側における外部端子の加締め部において、接続部材と外部端子とを加締めにより一体化した後に、共に銅で構成される接続部材と銅製の平板とを溶接によって接合している。したがって、この二次電池は、電池端子を構成する部材間での導通が確保され、正負極外部端子のバスバ接合部が共にアルミニウム基材で構成されたものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-123946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1記載の二次電池においては、加締めによって接続端子の上端部を外部端子の加締め部の表面上に広がった傘形状とし、当該部位を加締め部表面に溶接接合することで、接続端子と外部端子との間の導通を確保している。
【0009】
しかしながら、製造時や使用時に、バスバ接合部や発電体との接続箇所を介して電池端子に外力が入力されると、当該外力によって接続端子の上端部の形状が変形し、接続部材と外部端子の加締め部表面との接触面積が減少する場合がある。そして、両者の接触面積が減少すると、電気抵抗が増加し、電池としての導通性能を満足に発揮できなくなる。つまり、特許文献1記載の二次電池は、電気的信頼性を長期にわたって維持することが難しいという問題がある。
【0010】
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであり、長期的な電気的信頼性の向上を実現できる電池端子及び二次電池の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る電池端子の特徴構成は、
金属製の第1部材及び第2部材を有する電池端子であって、
前記第1部材は、
表面の少なくとも一部がバスバ接合部である第1板状部と、
軸部及び傘部で構成され、前記第1板状部の裏面に形成された2つの加締め部と、を有しており、
前記第2部材は、
表裏に貫通する2つの孔が形成された第2板状部と、
前記第2板状部の裏面に繋がって設けられる集電部と、を有しており、
前記各加締め部は、前記各孔の内部に前記軸部が位置し、前記傘部が前記第2板状部の裏面上に広がるように形成されており、
前記バスバ接合部及び前記集電部の少なくともいずれか一方に、前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されておらず、
前記近接加締め部以外の他の加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、外力が作用するバスバ接合部や集電部に近い加締め部(近接加締め部)において、第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面とが超音波接合されていない。これにより、近接加締め部で外力を吸収でき、他方の加締め部に外力がかかりにくくなる。その結果、他方の加締め部における超音波接合した箇所(第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面との界面)にかかる負荷が低減され、長期にわたって第1部材と第2部材との間の導通を確保できる。つまり、上記特徴構成を備えた電池端子によれば、長期的な電気的信頼性の向上を実現できる。
また、上記特徴構成によれば、2つの加締め部及び孔によって第1部材と第2部材とが固定されている。そのため、両部材の相対的な回転を防止できる。
更に、2つの加締め部の双方を超音波接合する場合、一方の加締め部を超音波接合した後、他方の加締め部を超音波接合することになるが、他方の加締め部を超音波接合する際に、超音波接合により最初に接合した箇所が破損する可能性がある。しかしながら、上記特徴構成によれば、2つの加締め部のうち一方のみにおいて、第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面とが超音波接合されている。そのため、2つの加締め部の双方が超音波接合されている場合と比較して、製造時の問題も生じにくい。
【0013】
本発明に係る電池端子の更なる特徴構成は、
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面に直交する方向視において、中心が前記バスバ接合部と重複し、且つ、中心が前記集電部に近い加締め部である点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、外力が作用するバスバ接合部及び集電部の両方に近い加締め部において、第1部材と第2部材とが超音波接合されていない。これにより、上記特徴構成を備えた電池端子によれば、近接加締め部で外力をより吸収でき、他の加締め部に外力がよりかかりにくくなり、結果的に、第1部材と第2部材との間の導通をより長期にわたって確保できる。
【0015】
本発明に係る電池端子の更なる特徴構成は、
前記近接加締め部は、前記バスバ接合部及び前記集電部のうち作用する外力が大きい方に前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部である点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、バスバ接合部及び集電部のうち作用する外力が大きい方に近い加締め部において、第1部材と第2部材とが超音波接合されていない。これにより、上記特徴構成を備えた電池端子によれば、電池端子に作用する外力のうち大きな外力を近接加締め部で優先的に吸収でき、他の加締め部に大きな外力がかかりにくくなる。そのため、第1部材と第2部材との間の導通を長期にわたって確保し易い。
【0017】
本発明に係る電池端子の更なる特徴構成は、
前記バスバ接合部は、前記集電部よりも作用する外力が大きく、
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面と直交する方向視において中心が前記バスバ接合部と重複する加締め部である点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、集電部よりも大きな外力が作用するバスバ接合部に近い加締め部において、第1部材と第2部材とが超音波接合されていないため、バスバ接合部に作用する大きな外力を加締め部で優先的に吸収できる。
【0019】
本発明に係る電池端子の更なる特徴構成は、
前記集電部は、前記バスバ接合部よりも作用する外力が大きく、
前記近接加締め部は、前記第1板状部の表面と直交する方向視において中心が前記集電部に近い加締め部である点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、バスバ接合部よりも大きな外力が作用する集電部に近い加締め部において、第1部材と第2部材とが超音波接合されていないため、集電部に作用する大きな外力を加締め部で優先的に吸収できる。
【0021】
本発明に係る電池端子の更なる特徴構成は、
前記第1部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、
前記第2部材は、銅又は銅合金からなる点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、電極体の負極に接合される集電部を構成する金属が銅又は銅合金で構成され、バスバ接合部がアルミニウム又はアルミニウム合金で構成された好適な負極端子を実現できる。
【0023】
また、上記目的を達成するための本発明に係る二次電池の特徴構成は、
開口を有する筐体と、
前記筐体の開口を封止する蓋体と、
前記筐体内に配設される電極体と、
前記電極体に電気的に接続される電池端子と、を備え、
前記電池端子は、金属製の第1部材及び第2部材を有し、
前記第1部材は、
表面の少なくとも一部がバスバ接合部である第1板状部と、
軸部及び傘部で構成され、前記第1板状部の裏面に形成された2つの加締め部と、を有しており、
前記第2部材は、
表裏に貫通する2つの孔が形成された第2板状部と、
前記第2板状部の裏面に繋がって設けられる集電部と、を有しており、
前記各加締め部は、前記各孔の内部に前記軸部が位置し、前記傘部が前記第2板状部の裏面上に広がるように形成されており、
前記バスバ接合部及び前記集電部の少なくともいずれか一方に、前記第1板状部の表面に直交する方向視において中心が近い加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されておらず、
前記近接加締め部以外の他の加締め部は、その傘部が前記第2板状部の裏面に超音波接合されており、
前記第1板状部の表面が前記蓋体の外部に位置し、前記集電部が前記筐体の内部で前記電極体に電気的に接続されている点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、外力が作用するバスバ接合部や集電部に近い加締め部たる近接加締め部において、第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面とが超音波接合されていない。これにより、近接加締め部で外力を吸収でき、他方の加締め部に外力がかかりにくくなる。その結果、他方の加締め部における超音波接合した箇所(第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面との界面)にかかる負荷が低減され、長期にわたって第1部材と第2部材との間の導通を確保できる。つまり、上記特徴構成を備えた二次電池によれば、長期的な電気的信頼性の向上を実現できる。
また、上記特徴構成によれば、2つの加締め部及び孔によって第1部材と第2部材とが固定されている。そのため、両部材の相対的な回転を防止できる。
さらに、上記特徴構成によれば、2つの加締め部のうち一方のみにおいて、第1部材の傘部と第2部材の第2板状部裏面とが超音波接合されている。そのため、2つの加締め部の双方が超音波接合されている場合と比較して、製造時における接合箇所の破損などの問題も生じにくい。
【0025】
本発明に係る二次電池の更なる特徴構成は、
前記バスバ接合部にバスバが接続されている点にある。
【0026】
上記特徴構成によれば、バスバによって複数の二次電池が繋がった電池モジュールの構築が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明に係る電池端子及び二次電池によれば、長期的な電気的信頼性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。
図2】一実施形態に係る二次電池の概略構成を示す断面図である。
図3図2のIII-III部分の断面図である。
図4】負極端子を示す斜視図である。
図5図4のV-V部分の断面図である。
図6】負極端子を示す下面図である。
図7】負極端子を示す下面図である。
図8】バスバによって二次電池を接続した状態を示す斜視図である。
図9】別実施形態に係る負極端子を示す下面図である。
図10】別実施形態に係る負極端子を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る電池端子及び当該電池端子を備えた二次電池について説明する。なお、以下においては、電池端子をリチウムイオン二次電池に用いる態様を例にとって説明する。また、以下では、説明を明確にするために、各記載や各図面を適宜簡略化している。
【0030】
〔二次電池1の概要〕
図1は、本実施形態に係る二次電池の分解斜視図である。また、図2は、本実施形態に係る二次電池1の概略構成を示す断面図である。なお、以下の説明において、二次電池1の高さ方向と平行な方向をZ軸方向とし、電極体20の長手方向と平行な方向をX軸方向、電極体20の厚さ方向と平行な方向をY軸方向とする。Z軸方向は、上下方向と平行な方向であり、X軸方向とY軸方向とは互いに直交し、水平方向と平行な方向である。
【0031】
図1及び図2に示すように、本実施形態の二次電池1は、ケース本体11及び封口板12からなる電池ケース10や、金属製の外部端子25,26及び集電端子30,31からなる電池端子PS,NS、電極体20などを備えている。本実施形態の二次電池1は、ケース本体11の内部に電極体20や集電端子30,31などを収容してケース本体11の開口を封口板12で封止した上で、ケース本体11の内部に電解液を注入した密閉型の二次電池である。
【0032】
〔電池ケース10の構成〕
図1及び図2に示すように、本実施形態の電池ケース10は、上部が開口した略直方体形状のケース本体11と、ケース本体11の開口を封止する封口板12とから構成されている。本実施形態において、ケース本体11及び封口板12は、いずれもアルミニウム製であるが、これに限られるものではない。ケース本体11及び封口板12の材料には、各種金属や合金を用いることができる。本実施形態において、ケース本体11が「筐体」、封口板12が「蓋体」に相当する。
【0033】
封口板12は、ケース本体11の開口の形状に応じた形状を有している。本実施形態の封口板12は、Z軸方向視略矩形状の平板部材からなる。封口板12は、長手方向両端(X軸方向両端)に、後述する正極絶縁部材36と負極絶縁部材37とが嵌め込まれる取付穴12aが上下面に貫通して形成されている。詳細については後述するが、封口板12には、長手方向一端側(X軸方向一端側)に正極端子PSが配設され、長手方向他端側(X軸方向他端側)に負極端子NSが配設される。
【0034】
〔電極体20の構成〕
本実施形態において、電極体20は、長尺な帯状の正極材及び負極材を同じく帯状のセパレータを介して積層した状態で捲回して扁平形状に圧縮した捲回体で構成される。図1及び図2に示すように、本実施形態の電極体20は、厚み方向視(Y軸方向視)において略矩形状であり、厚み方向視における長手方向(X軸方向)の一方端側には、正極材が集箔された正極端子接合部21が形成され、他方端側には、負極材が集箔された負極端子接合部22が形成されている。なお、電極体20の構造は特に限定されるものではなく、一般的な密閉型二次電池に用いられる種々の構造を採用できる。また、正極材及び負極材に用いる材料は、特に限定されるものではないが、本実施形態において、正極材にはアルミニウム、負極材には銅を用いている。
【0035】
本実施形態において、電極体20は、絶縁性を有するフィルムに覆われた状態で、厚み方向及び長手方向が水平方向と平行になる姿勢でケース本体11の内部に収容されている。また、電極体20とケース本体11とは、絶縁性フィルム(図示せず)によって絶縁されている。
【0036】
〔正極側及び負極側の構成〕
本実施形態において、二次電池1は、外部端子としての正極外部端子25及び負極外部端子26を備え、集電端子としての正極集電端子30及び負極集電端子31を備えている。また、本実施形態の二次電池1は、正極絶縁部材36及び負極絶縁部材37を備えている。また、本実施形態において、正極外部端子25と正極集電端子30とで正極端子PSが構成され、負極外部端子26と負極集電端子31とで負極端子NSが構成される。なお、本実施形態において、負極端子NSが「電池端子」に相当する。
【0037】
本実施形態において、正極側と負極側とでは、両者はほぼ同等の構成を有しているが、外部端子及び集電端子の材料が相違する。具体的に、本実施形態において、正極端子PSを構成する正極外部端子25及び正極集電端子30には同じ金属材料が用いられている。一方で、負極端子NSを構成する負極外部端子26及び負極集電端子31には、異なる金属材料が用いられている。
【0038】
以下、負極側を例にとって、その構成について図3図6を参照しつつ説明する。なお、図3は、図2のIII-III部分の断面図である。また、図4は、負極端子NSを示す斜視図であり、図5は、図4のV-V部分の断面図であり、図6は、負極端子NSの下面図である。
【0039】
負極外部端子26は、外部接続用の端子である。負極外部端子26は、Z軸方向視略矩形状の板状部27と、当該板状部27の裏面27bから下方に向けて延設された第1加締め部28及び第2加締め部29とを有している。本実施形態において、第1加締め部28及び第2加締め部29は、X軸方向に沿って並んで設けられており、第1加締め部28がX軸方向他方側、第2加締め部29がX軸方向一方側に設けられている。より具体的には、板状部27をX軸方向において二等分したうちZ軸方向視においてX軸方向他方側に第1加締め部28が形成され、X軸方向一方側に第2加締め部29が設けられている。また、本実施形態の負極外部端子はアルミニウム製である。なお、本実施形態において、負極外部端子26が「第1部材」に相当し、負極外部端子26の板状部27が「第1板状部」に相当する。
【0040】
板状部27の表面27aには、アルミニウム製のバスバが溶接接続されるバスバ接合部27cが設定されている。本実施形態において、バスバ接合部27cは、板状部27の表面27aと直交する方向視(Z軸方向視)において、第1加締め部28の中心O1と重複する位置に設定されている。より具体的には、板状部27の表面をX軸方向において二等分したうちX軸方向他方側の領域がバスバ接合部27cとして設定されている。
【0041】
本実施形態において、各加締め部28,29は、板状部27の裏面27bから下方に向けて延設された円柱形状の軸部28a,29aと、各軸部28a,29aの下端に形成された傘部28b,29bとを有している。詳細については後述するが、これら2つの加締め部28,29と負極集電端子31の孔33,34との係合関係によって、負極外部端子26と負極集電端子31とが固定されている。
【0042】
負極集電端子31は、電極体20から電力を出入力するための端子である。負極集電端子31は、封口板12の下面側、換言すれば、ケース本体11の内部に配設されている。本実施形態の負極集電端子31は銅製である。なお、本実施形態において、負極集電端子31が「第2部材」に相当する。
【0043】
本実施形態において、負極集電端子31は、Z軸方向視略矩形状の板状部32と、当該板状部32の裏面32bから下方に向けて延設された板状の集電部35とを有している。なお、本実施形態において、負極集電端子31の板状部32が「第2板状部」に相当する。
【0044】
板状部32には、表裏に貫通する第1貫通孔33及び第2貫通孔34が形成されている。本実施形態において、第1貫通孔33及び第2貫通孔34は、X軸方向に沿って並んで形成されており、第1貫通孔33がX軸方向他方側、第2貫通孔34がX軸方向一方側に形成されている。また、本実施形態では、板状部32の裏面32bに、Z軸方向視において各貫通孔33,34よりも大径且つ各貫通孔33,34と連通するように裏面32bの側に開口した凹部33a,34aが形成されている。本実施形態において、第1貫通孔33には第1加締め部28の軸部28aが挿通され、第2貫通孔34には第2加締め部29の軸部29aが挿通されるとともに、各加締め部28,29の傘部28b,29bが凹部33a,34a内に広がり、各傘部28b,29bが各軸部28a,29aよりもZ軸方向視において大径となるように形成されている。つまり、各加締め部28,29は、各軸部28a,29aが各貫通孔33,34の内部に位置し、各傘部28b,29bが板状部32の裏面32b上に広がるように形成されている。
【0045】
本実施形態において、集電部35は、板状部32の裏面32bの長手方向に沿った縁にから下方に向けて延設された基部35aと、当該基部35aにおけるX軸方向他方側から下方に延び、Z軸方向視において板状部32よりX軸方向他方側にはみ出した位置に形成された本体部35bとからなり、Y軸方向視において略L字形状の部材である。つまり、集電部35は、負極集電端子31の板状部32の裏面32bに繋がって設けられている。また、本体部35bの下端には、電極体20の負極端子接合部22が接合される電極接続部35cを有している。
【0046】
負極外部端子26と負極集電端子31とで構成される負極端子NSは、異なる金属材料からなる2つの部材で構成されている。負極端子NSは、加締め部28,29と貫通孔33,34との係合によって負極外部端子26と負極集電端子31とが固定されて構成されている。
【0047】
具体的には、負極端子NSにおいて、負極外部端子26における2つの加締め部28,29の軸部28a,29aを負極集電端子31における2つの貫通孔33,34に挿通して板状部27の裏面27bと板状部32の表面32aとを当接させた状態で、軸部28a,29aの先端をプレス加工によって変形させて傘部28b,29bを形成している。これにより、負極外部端子26と負極集電端子31とが固定される。
【0048】
このように、2つの加締め部28,29及び貫通孔33,34によって負極外部端子26と負極集電端子31とが固定されていることにより、両部材の相対的な回転が防止される。
【0049】
ここで、二次電池1の端子の各部には、製造時や使用時に振動などに起因する外力が作用する。例えば、負極端子NSのバスバ接合部27cには、バスバBを溶接接合する際や電池モジュールの形態で車両に搭載して使用した際の振動などに起因して、外力が作用し易い。また、集電部35にも、電極体20との接合時や車両搭載後の使用時における電極体の揺れなどに起因する外力が作用し易い。そして、バスバ接合部27cや集電部35に外力が作用した場合、2つの加締め部28,29のうちバスバ接合部27cや集電部35に近い加締め部28,29に負荷が掛かり易い。そのため、バスバ接合部27cや集電部35に近い加締め部28,29のみが接合されていると、負荷によって傘部28b,29bの形状が変形し、接触面積が減少して負極端子NSの導通性能が低下する虞がある。
【0050】
また、負極端子NSの導通性能を担保するために2つの加締め部28,29の双方を板状部32に超音波接合する場合、一方の加締め部を超音波接合した後、他方の加締め部を超音波接合することになる。そのため、他方の加締め部を超音波接合する際に、先に超音波接合した加締め部と板状部との接合箇所が破損し、結果的に、負極端子NSの導通を確保できなくなる可能性がある。
【0051】
そこで、本実施形態においては、2つの加締め部28,29のうち、Z軸方向視において中心O1がバスバ接合部27cと重複し、且つ、集電部35に近い第1加締め部28の傘部28bと板状部32の裏面32bとの界面が超音波接合されておらず、第2加締め部29の傘部29bと板状部32の裏面32bとの界面が超音波接合された構成を採用している。つまり、本実施形態においては、バスバ接合部27c及び集電部35の双方に、板状部27の表面27aに直交する方向視(Z軸方向視)において中心O1が近い第1加締め部28を近接加締め部とし、当該近接加締め部たる第1加締め部28は、その傘部28bが負極集電端子31における板状部32の裏面32bに超音波接合されておらず、第2加締め部29は、その傘部29bが板状部32の裏面32bに超音波接合されている。
【0052】
より具体的に言うと、図7に示すように、各加締め部28,29について、Z軸方向視における中心O1,O2から集電部35の中心O3までの距離をそれぞれR1,R2としたとき、第1加締め部28は、距離R1が第2加締め部29の距離R2より短く、且つ、Z軸方向視において中心O1がバスバ接合部27cと重複する。したがって、本実施形態では、第1加締め部28を近接加締め部としている。なお、本実施形態において、集電部35の中心O3とは、Z軸方向視における集電部35の重心の位置と同義である。
【0053】
そして、第2加締め部29の傘部29bと板状部32の裏面32bとを超音波接合し、これにより、負極外部端子26と負極集電端子31との導通を確保している。
【0054】
一方で、近接加締め部たる第1加締め部28において、傘部28bと板状部32の裏面32bとの界面を超音波接合していない。したがって、バスバ接合部27cや集電部35に作用した外力が第1加締め部28で吸収され、板状部32の裏面32bに超音波接合された第2加締め部29に外力が作用しにくい。これにより、第2加締め部29における超音波接合した箇所(傘部29bと板状部32の裏面32bとの界面)にかかる負荷が低減され、長期にわたって負極外部端子26と負極集電端子31との間の導通が確保される。つまり、本実施形態の二次電池は、長期的な電気的信頼性の向上が実現されている。
【0055】
また、2つの加締め部28,29のうち、第2加締め部29と板状部32とが超音波接合されていることで、2つの加締め部28,29の双方が超音波接合されている場合と比較して、製造時における接合箇所の破損も生じ難く、負極端子NSの導通を確保できる。
【0056】
負極絶縁部材37は、絶縁性を有する材料からなる部材である。本実施形態の負極絶縁部材37は、負極端子NSと封口板12とを一体化し、当該負極端子NSと封口板12との間を絶縁するための部材である。
【0057】
本実施形態においては、負極端子NSを封口板12の取付穴12aに挿通した状態で、負極絶縁部材37をインサート成形して、封口板12に負極絶縁部材37を介して負極端子NSが一体化されている。なお、負極端子NSと封口板12とは負極絶縁部材37により絶縁されており、負極絶縁部材37によって負極端子NSと封口板12の取付穴12aとの気密が維持されている。また、負極集電端子31の電極接続部35cは、電極体20の負極端子接合部22に接合されている。
【0058】
本実施形態の正極側について、正極端子PSは、異材接合部材である負極端子NSとは異なり、同じ金属材料(本実施形態ではアルミニウム)で構成される正極外部端子25と正極集電端子30とが適宜接合されてなるものである。
【0059】
詳細については省略するが、本実施形態の正極側においては、正極端子PSを封口板12の取付穴に挿通した状態で、正極絶縁部材36をインサート成形して、封口板12に正極絶縁部材36を介して正極端子PSが一体化されている。正極側においても負極側と同様に、正極端子PSと封口板12とが正極絶縁部材36により絶縁されており、正極絶縁部材36によって正極端子PSと封口板12の取付穴との気密が維持されている。また、正極集電端子30の電極接続部30aは、電極体20の正極端子接合部21に接合されている。
【0060】
なお、本実施形態においては、正極側についても2つの加締め部のうち、Z軸方向視において中心がバスバ接合部と重複し、且つ、集電部に近い加締め部の傘部と板状部の裏面との界面が超音波接合されておらず、他方の加締め部の傘部と板状部の裏面との界面が超音波接合された構成を採用している。
【0061】
以上の構成を備えた二次電池1は、電動車両の電源として用いられる場合、充放電容量及び出力電力が高められた電池モジュールの形態で用いられる。この場合、図8に示すように、一の二次電池1の正極端子PSと隣接する二次電池1の負極端子NSとを各バスバ接合部27cにバスバBを溶接して二次電池1を電気的に接続する。
【0062】
〔別実施形態〕
〔1〕上記実施形態では、2つの加締め部28,29のうち、Z軸方向視において中心O1がバスバ接合部27cと重複し、且つ、集電部35に近い第1加締め部28の傘部28bと板状部32の裏面32bとの界面が接合されておらず、第2加締め部29の傘部29bと板状部32の裏面32bとの界面が超音波接合された構成を採用した態様について説明したが、このような態様に限られるものではない。板状部32と超音波接合する加締め部は、バスバ接合部27cの位置や当該バスバ接合部27c及び集電部35に作用する外力の大きさを考慮して適宜変更すればよい。
図9及び図10は、別実施形態に係る負極端子NSを示す下面図である。図9及び図10に示すように、板状部27の表面をX軸方向において二等分したうちX軸方向一方側の領域がバスバ接合部27cとして設定されている場合、集電部35に近い(換言すれば、中心O3までの距離R1,R2が短い)のは第1加締め部28であり、バスバ接合部27cとZ軸方向視において重複する(換言すれば、中心がバスバ接合部27cに近い)のは第2加締め部29である。
ここで、バスバ接合部27cが集電部35よりも作用する外力が大きい場合には、板状部32の表面32aと直交する方向視(Z軸方向視)において中心がバスバ接合部27cと重複する加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部の傘部と板状部の裏面との界面を超音波接合しない態様であると好ましい。具体的には、図9に示すように、集電部35よりも作用する外力が大きいバスバ接合部27cとZ軸方向視において重複する第2加締め部29を近接加締め部とし、当該第2加締め部29の傘部29bと板状部32の裏面32bとの界面を超音波接合せず、第1加締め部28の傘部28bと板状部32の裏面32bとの界面を超音波接合する態様であると好ましい。
このように、バスバ接合部27cと重複する第2加締め部29を近接加締め部とし、当該第2加締め部29と板状部32とを超音波接合しない構成を採用すれば、バスバ接合部27cに作用する大きな外力を第2加締め部29において優先的に吸収でき、第1加締め部28と板状部32との接合箇所の破損を抑えられる。
一方、集電部35がバスバ接合部27cよりも作用する外力が大きい場合には、板状部32の表面32aと直交する方向視(Z軸方向視)において中心が集電部35に近い加締め部を近接加締め部とし、当該近接加締め部の傘部と板状部の裏面との界面を超音波接合しない態様であると好ましい。具体的には、図10に示すように、バスバ接合部27cよりも作用する外力が大きい集電部35の中心O3に中心O1が近い第1加締め部28を近接加締め部とし、当該第1加締め部28の傘部28bと板状部32の裏面32bとの界面を超音波接合せず、第2加締め部29の傘部29bと板状部32の裏面32bとの界面を超音波接合する態様であると好ましい。
このように、集電部35に近い第1加締め部28を近接加締め部とし、当該第1加締め部28と板状部32とを超音波接合しない構成を採用すれば、集電部35に作用する大きな外力を第1加締め部28において優先的に吸収でき、第2加締め部29と板状部32との接合箇所の破損を抑えられる。
【0063】
〔2〕上記実施形態では、負極外部端子26がアルミニウムからなり、負極集電端子31が銅からなる態様について説明したが、このような態様に限られるものではない。負極外部端子26の材料としてアルミニウム合金、負極集電端子31の材料として銅合金を用いる態様であってもよい。また、負極外部端子26及び負極集電端子31の材料に、電極体20やバスバBの材質に応じて適宜導電性の良好な各種金属や合金を用いる態様であってもよい。
【0064】
〔3〕上記実施形態では、正極端子PSにおいて、2つの加締め部のうち、Z軸方向視において中心がバスバ接合部と重複し、且つ、集電部に近い加締め部の傘部と板状部の裏面との界面が超音波接合されておらず、他方の加締め部の傘部と板状部の裏面との界面が超音波接合された構成を採用した態様について説明したが、このような態様に限られるものではない。正極端子PSについては、正極外部端子25と正極集電端子30とが同じ金属材料で構成された部材である、換言すれば、異材接合部材でない。したがって、正極端子PSについては、超音波溶接に代えてレーザ溶接によって加締め部と板状部とを接合する態様であってもよい。
この場合、一方の加締め部と板状部とをレーザ溶接した後、他方の加締め部と板状部とをレーザ溶接しても超音波溶接によって接合する場合のような接合箇所の破損が生じない。よって、正極端子PSについては、加締め部と板状部とをレーザ溶接等により接合する場合には、2つの加締め部の双方を板状部に接合する態様であってもよい。
また、正極端子PSは、正極外部端子と正極集電端子とが一体的に成形された一つの部材で構成されていてもよい。
【0065】
〔4〕上記実施形態では、集電部35の中心O3がZ軸方向視における集電部35の重心の位置と同義であるとし、集電部35と各加締め部28,29との位置関係を集電部35の中心O3から各加締め部28,29の中心O1,O2まで距離で特定する態様について説明したが、このような態様に限られるものではない。集電部35と各加締め部28,29との位置関係は、例えば、Z軸方向視において集電部35の外形に外接する円の中心と各加締め部28,29の中心O1,O2の位置とで特定したり、Z軸方向視における集電部35の電極接続部35cと電極体20との接合箇所の位置と各加締め部28,29の中心O1,O2の位置とで特定してもよい。
【0066】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 :二次電池
11 :ケース本体(筐体)
12 :封口板(蓋体)
20 :電極体
25 :正極外部端子
26 :負極外部端子(第1部材)
27 :板状部(第1板状部)
27c :バスバ接合部
28 :第1加締め部(加締め部)
28a :軸部
28b :傘部
29 :第2加締め部(加締め部)
29a :軸部
29b :傘部
30 :正極集電端子
31 :負極集電端子(第2部材)
32 :板状部(第2板状部)
33 :第1貫通孔(孔)
34 :第2貫通孔(孔)
35 :集電部
PS :正極端子
NS :負極端子(電池端子)
B :バスバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10