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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008116
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】配送ボックスの管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110008
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福村 俊治
(72)【発明者】
【氏名】ニコル エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊範
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佳明
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送ボックスの交換を適切に行うことができる配送ボックスの管理方法を提供する。
【解決手段】配送ボックス20は、荷物を収容可能な複数の収容部と、収容部の施錠及び解錠が可能な鍵部とを備える。所定の受取拠点PLに設置する配送ボックス20の管理方法は、以下の(a),(b)を含む。(a)受取拠点PLに設置されている配送ボックス20に収容されている荷物の数RNが、所定数N1以下になった交換条件が成立しているか否かを制御装置40に判定させること。(b)交換条件が成立している場合に、受取拠点PLに設置する配送ボックス20を、新しい配送ボックス20に置き換える交換を、作業者の端末12に対して制御装置40に指示させること。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の受取拠点に設置する配送ボックスの管理方法であって、
前記配送ボックスは、荷物を収容可能な複数の収容部と、前記収容部の施錠及び解錠が可能な鍵部とを備え、
前記受取拠点に設置されている前記配送ボックスに収容されている荷物の数が、所定数以下になった交換条件が成立しているか否かを制御装置に判定させることと、
前記交換条件が成立している場合に、前記受取拠点に設置する前記配送ボックスを、新しい配送ボックスに置き換える交換を、作業者の端末に対して前記制御装置に指示させることと、
を含む配送ボックスの管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配送ボックスの管理方法において、
新しい前記配送ボックスには、前記所定数と同数以上の空の前記収容部がある、
配送ボックスの管理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の配送ボックスの管理方法において、
前記鍵部は、鍵情報の認証により解錠される構成であり、
古い前記配送ボックスを新しい前記配送ボックスに交換する交換業者に対して、古い前記配送ボックスの鍵情報を前記制御装置が一時的に付与することをさらに含む、
配送ボックスの管理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の配送ボックスの管理方法において、
古い前記配送ボックスを前記受取拠点から配送拠点まで移動させることを作業者の前記端末に対して前記制御装置に指示させることと、
古い前記配送ボックスに未だ収容されている前記荷物の受取人に対し、前記配送拠点に前記荷物があることを前記制御装置が通知することと、をさらに含む、
配送ボックスの管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送ボックスの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、荷物を配送する配送拠点と荷物を受け取る受取拠点の間を自走可能な自走式の配送ボックスが開示されている。配送ボックスは、荷物を収容可能な収容部の扉を開放可能にする認証部を有する。顧客は、受取拠点まで行って配送ボックスの扉を開けて自分宛の荷物を受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-90551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の受取拠点を設定した場合、受取拠点に設置した配送ボックスを、適当なタイミングで別の配送ボックスに置き換えるサービスが考えられるが、この場合の配送ボックスの適切な管理方法の検討はまだなされていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
上記課題を解決する配送ボックスの管理方法は、所定の受取拠点に設置する配送ボックスの管理方法であって、前記配送ボックスは、荷物を収容可能な複数の収容部と、前記収容部の施錠及び解錠が可能な鍵部とを備え、前記受取拠点に設置されている前記配送ボックスに収容されている荷物の数が、所定数以下になった交換条件が成立しているか否かを制御装置に判定させることと、前記交換条件が成立している場合に、前記受取拠点に設置する前記配送ボックスを、新しい配送ボックスに置き換える交換を、作業者の端末に対して前記制御装置に指示させることと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、配送ボックスの交換を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態における配送管理システムを示す模式図である。
図2図2は、配送ボックスを示す模式側面図である。
図3図3は、収容部の構成を示す模式側面図である。
図4図4は、配送管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
図5図5は、配送ボックスの管理方法に係る処理を示す流れ図である。
図6図6は、第2実施形態における配送ボックスの管理方法に係る処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における配送ボックスの管理方法について、図面を参照して説明する。
【0009】
<配送管理システムの基本構成>
まず、図1を参照して、配送管理システムの構成について説明する。図1に示すように、配送管理システム10は、配送ボックス20と、配送管理サーバ11とを備える。配送管理サーバ11は、インターネット等のネットワークNWを通じてユーザ端末13と通信可能に接続されている。配送管理サーバ11は、ユーザ端末13から登録されたユーザのメールアドレスをメモリ43(図4参照)に記憶する。配送管理サーバ11は、ユーザ宛の荷物がある場合、該当するユーザ端末13に対して荷物がある旨の情報を含むメールを送信する。ユーザ端末13は、個人が所有する通信機器である。ユーザ端末13としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを挙げることができる。
【0010】
本実施形態の配送ボックスの管理方法では、荷物の受取人であるユーザUの自宅近くの受取拠点PLにユーザ宛の荷物が収容された配送ボックス20が設置される。ユーザUのユーザ端末13が、荷物がある旨の情報を含むメールを受け取ると、ユーザUは、自宅近くの受取拠点PLに設置された配送ボックス20に自分宛の荷物を取りに行く。
【0011】
この配送ボックス受取サービスを受けるユーザUは、予め住所、氏名、メールアドレス等の連絡先を登録する。配送管理サーバ11は、例えば、配送センターに設置され、ユーザ宛の荷物がある場合、該当するユーザの連絡先に荷物がある旨の情報を通知する。なお、顧客への連絡方法は、メールに限らず、電話、LINE(登録商標)、SMS(Short Message Service)などユーザ個人に情報を通知できる方法であればよい。
【0012】
配送センターは、配送拠点DBにある。配送拠点DBには、配送ボックス20を地域別の受取拠点PLに移動させるトラック等の運送車が配車されている。この配送拠点DBは、荷物が収集される拠点でもある。収集された荷物のうち配送ボックス受取サービスに登録しているユーザUの荷物は、受取拠点PL別に配送ボックス20に収容される。配送会社の従業員又は配送ボックス運送業務委託先の従業員である作業者は、例えば、配送ボックス20を運送車により配送拠点DBから受取拠点PLに移動させる。ユーザUは、自宅近くの所定の受取拠点PLに設置された配送ボックス20に自分宛の荷物を受取期間内に取りに行く。なお、荷物がある旨の情報には、受取期間の情報が含まれる。
【0013】
ところで、配送ボックス20は定期的又は不定期に交換される。配送ボックス20を交換する理由は、新しい荷物15を受取拠点PLに配送するためでもよいし、受取期間内に荷物15を取りに来なかったユーザUの荷物15を配送センターに引き取るためでもよいし、配送ボックス20のメンテナンス等が理由であってもよい。例えば、当日又は次の日に配送されるべき荷物15の数が多い場合に、予め配送センター(配送拠点DB)で複数人の作業者が荷物15を配送ボックス20に収容してから、その配送ボックス20ごと受取拠点PLまで配送したい理由でもよい。配送ボックス20の交換は、新しい配送ボックス20を配送拠点DBから受取拠点PLに移動させるとともに、古い配送ボックス20を受取拠点PLから配送拠点DBへ移動させることで行われる。図1に示す例では、例えば、作業者RWが、配送ボックス20の配送と交換とを行う。
【0014】
<配送ボックス20の構成>
次に、図2を参照して配送ボックス20の構成について説明する。図2に示すように、配送ボックス20は、例えば、走行式であってもよい。走行式である配送ボックス20は、本体21と、車輪22とを有する。配送ボックス20は、本体21に、荷物を収容可能な複数の収容部23を備える。収容部23の一例はロッカーである。複数の収容部23は、収容可能な荷物のサイズに応じて収容容積の異なる複数サイズのものがある。複数の収容部23は、例えば、大型の荷物を収容可能な容積をもつ第1収容部231、中型の荷物を収容可能な容積をもつ第2収容部232、小型の荷物を収容可能な容積をもつ第3収容部233を含む。その他のサイズの荷物を収容する容積をもつ収容部があってもよい。また、複数の収容部23は、容積が異なるだけでなく、形状が異なってもよい。複数の収容部23は、細長い荷物を収容可能な収容部を含んでもよい。
【0015】
また、配送ボックス20は、図2に示す走行式である場合、自走式でもよいし、牽引式でもよい。牽引式の場合、配送ボックス20は、運送車に牽引されて移動する。一方、自走式の場合、配送ボックス20は、運転席を有してもよい。なお、配送ボックス20は、車輪22を備えない載置式であってもよい。載置式の配送ボックス20は、例えば、作業者が運送車の荷台に載せて移動させる。
【0016】
<収容部23の構成>
次に、図3を参照して収容部23の構成について説明する。
図3に示すように、収容部23は、荷物15を収容可能な収容室24と、収容室24を開閉可能な扉部25とを備える。扉部25はユーザUが把持可能なノブ26を有する。また、配送ボックス20は、収容部23の施錠及び解錠が可能な鍵部27を備える。鍵部27は、例えば、キー操作でパスワード又は暗証番号を入力する方式である。なお、パスワード又は暗証番号は、顧客であるユーザUがサービス登録時等に設定したものでもよいし、配送管理サーバ11から送られてくる荷物情報に含まれる情報の1つとして荷物ごとに個別に設定されたものでもよい。
【0017】
図3に示すように、扉部25には、ユーザUがパスワード又は暗証番号を入力する際に操作される入力操作部28と、入力されたパスワード又は暗証番号等を表示する表示部29とが設けられている。表示部29には、入力内容以外に操作方法など各種のメッセージが表示されてもよい。入力操作部28は、メカニカル式の複数の操作ボタンを有する構成でもよいし、タッチパネルに画像として表示され、ユーザUによるタッチ操作で入力可能なタッチパネル式の操作ボタンでもよい。
【0018】
また、図3に示す収容部23は、収容室24内の荷物15の有無を検知可能なセンサ30を備える。センサ30は、収容部23から荷物15が取り出されたか否かの判定に利用される。センサ30は、非接触式で収容部23内の荷物15の有無を検知する。センサ30の検知結果は、無線通信により配送拠点DB(配送センター)にある配送管理サーバ11に送信される。
【0019】
<配送管理システム10係る電気的構成>
次に、図4を参照して配送管理システム10の電気的構成について説明する。図4に示すように、配送ボックス20は、制御部32を備える。制御部32の一例は電子制御装置である。制御部32には、鍵部27、入力操作部28、表示部29、センサ30及び通信部31が電気的に接続されている。制御部32は、ユーザUが入力操作部28を操作して入力した鍵情報を表示部29に表示する。制御部32は、鍵情報を受け付けると、認証処理を行う。制御部32は、鍵情報が認証されると、電動式の鍵部27を解錠する。
【0020】
センサ30は、収容部23から荷物15が取り出されたか否かを判定する。センサ30の検知結果は、通信部31及びネットワークNWを介して配送管理サーバ11に送信される。配送管理サーバ11は、センサ30の検知結果情報を基に、配送ボックス20における荷物15の受取状況を把握可能である。
【0021】
また、ネットワークNWには、作業者の端末の一例としての業者端末12が通信可能な状態で接続されている。業者端末12は、配送ボックス20を配送及び交換する作業者が所持する、例えば、スマートフォン等のモバイル端末である。配送管理サーバ11は、作業者に対する配送ボックス20の移動及び交換の指示を、業者端末12を介して行う。
【0022】
図4に示すように、配送管理サーバ11は、制御装置40を備える。制御装置40は、コンピュータ41を備える。コンピュータ41は、CPU42(中央処理装置)及びメモリ43を備える。メモリ43には、配送管理用のプログラム(図示略)が記憶されている。コンピュータ41は、配送管理用のプログラムを実行することにより、配送ボックス20を受取拠点PL及び配送拠点DBに移動させるために必要な配送指示制御及び配送ボックス20内の荷物15の管理を行う。配送管理サーバ11は、通信部44を備える。配送管理サーバ11は、通信部44を介して配送ボックス20、業者端末12及びユーザ端末13とネットワークNWを介した通信を行う。
【0023】
制御装置40は、自身が実行する全ての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。たとえば、制御装置40は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(たとえば特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、制御装置40は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0024】
次に、制御装置40が、所定の受取拠点PLに設置する配送ボックス20を管理する管理方法について説明する。制御装置40が行う配送ボックス20の管理方法は、以下の(a),(b)を含む。
【0025】
(a)受取拠点PLに設置されている配送ボックス20に収容されている荷物15の数RNが、所定数N1以下になった交換条件が成立しているか否かを制御装置40に判定させること。
【0026】
(b)交換条件が成立している場合に、受取拠点PLに設置する配送ボックス20を、新しい配送ボックス20に置き換える交換を、作業者の端末(業者端末12)に対して制御装置40に指示させること。
【0027】
ここで、新しい配送ボックス20には、所定数N1と同数以上の空の収容部23がある。古い配送ボックス20に残っている荷物15を新しい配送ボックス20に詰め替えることができることを想定して、所定数N1の値は決められている。図2に示すように、本実施形態の配送ボックス20は、収容容積の異なる複数種(例えば、3種)の収容部23を備える。古い配送ボックス20に残っている荷物15を新しい配送ボックス20に積み替えるためには、未だ収容されている荷物15のサイズに応じて積み替えられる容積の収容部23が新しい配送ボックス20に確保される必要がある。そのため、図2に示す配送ボックス20の例では、制御装置40は、古い配送ボックス20に未だ収容されている荷物15のサイズ別に、残り個数RNが所定数N1以下であるか否かを判定する。例えば、新しい配送ボックス20に、空の収容部23として、大型の第1収容部231がN11個、中型の第2収容部232がN12個、小型の第3収容部233がN13個あるとする。制御装置40は、交換条件として、古い配送ボックス20における残りの荷物15の個数である残り個数について次のように判定する。制御装置40は、交換条件として、第1収容部231の残り個数RN1が所定数N11以下であり、且つ第2収容部232の残り個数RN2が所定数N12以下であり、且つ第3収容部233の残り個数RN3が所定数N13以下であるか否かを判定する。
【0028】
配送ボックス20は、鍵部27が鍵情報の認証により解錠される構成である。そのため、配送ボックスの管理方法は、以下の(c)をさらに含んでもよい。
(c)古い配送ボックス20を新しい配送ボックス20に交換する作業者に対して、古い配送ボックス20の鍵情報を制御装置40が一時的に付与すること。
【0029】
<第1実施形態の作用>
次に、図1図5を参照して、第1実施形態における配送ボックス20の管理方法の作用について説明する。
【0030】
第1実施形態では、配送ボックス20の交換時に、古い配送ボックス20内に残る荷物15を新しい配送ボックス20に詰め替える。そのため、制御装置40は、残りの荷物15をすべて詰め替えられるだけの空の収容部があるか否かを判定する判定処理を行う。
【0031】
図5は、配送ボックス20の管理方法において、配送管理サーバ11(制御装置40)と、配送ボックス20と、業者端末12と、ユーザ端末13との間における処理の流れを示す。なお、図5では、受取期間内に荷物15を受け取ったユーザUのユーザ端末13を「ユーザ端末13A」と表記し、受取期間内に荷物15を受け取らなかったユーザUのユーザ端末13を「ユーザ端末13B」と表記している。
【0032】
まず配送センター(配送拠点DB)において、荷物が配送ボックス用と自宅配達用とに仕分けされる。配送ボックス用の荷物15は受取拠点PLごとに仕分けされる。ユーザ宛の荷物15は受取拠点PLごとの配送ボックス20に収容される。
【0033】
図5に示すように、制御装置40は、ユーザ端末13に対して荷物受取依頼と必要に応じて鍵情報とを送信する(ステップS11)。荷物受取依頼は、ユーザ宛の荷物に関する荷物情報を含む。荷物情報には、受取拠点PL、受取期間、配送ボックス番号、収容部番号、荷物識別番号、荷物送り主情報、宛先情報等が含まれる。鍵情報が予めユーザUが登録したパスワード又は暗証番号である場合は、鍵情報の送信は不要である。例えば、荷物ごとに鍵情報が設定される場合、ユーザ宛に鍵情報が送信される。
【0034】
制御装置40は、業者端末12に配送指示を送る(ステップS12)。作業者RW(図1参照)は、業者端末12を介して配送指示を受信すると、配送ボックス20を受取拠点PLへ配送する(ステップS13)。つまり、作業者RWは、配送ボックス20を配送拠点DBから受取拠点PLへ移動させる。作業者RWは、例えば、運送車に配送ボックス20を載せて受取拠点PLまで運搬する。なお、配送ボックス20の配送は、運送車で走行式の配送ボックス20を牽引して行ってもよいし、作業者RWが走行式の配送ボックス20に備えられた運転席に乗って運転して行ってもよい。
【0035】
こうして受取期間の開始時刻までに配送ボックス20は受取拠点PLに設置される。ユーザUは自分宛の荷物15を受取期間中の都合のよい時に、最寄りの受取拠点PLに設置された配送ボックス20まで行って荷物15を受け取る(ステップS14)。ユーザUは、例えば、指定された収容部番号の収容部23で入力操作部28を操作して、鍵情報(パスワード又は暗証番号)を入力する。配送ボックス20の制御部32は、宛先のユーザUが荷物15を正しく受け取るために必要な受渡し処理を行う(ステップS15)。詳しくは、制御部32は、入力された鍵情報の認証処理を行う。制御部32は、鍵情報が認証されると、認証した収容部番号の収容部23が有する鍵部27を解錠する。ユーザUは、扉部25を開けて収容室24から荷物15を取り出す。その後、ユーザUは、扉部25が閉じる。制御部32は、扉部25が閉じられると、鍵部27を施錠する。センサ30は、収容室24内の荷物15が無くなると、検知状態から非検知状態に切り換わる。こうして、扉部25の開閉検知とセンサ30による荷物の有無検知とにより、宛先のユーザUが荷物15を受け取ったと判断される。制御部32は、配送管理サーバ11に対して荷物受取通知を送る(ステップS16)。
【0036】
配送管理サーバ11の制御装置40は、荷物受取通知を受信する度に、配送ボックス20に収容されている荷物15の残り個数RNが所定数N1以下になった交換条件が成立するか否かを判定する(ステップS17)。こうして、制御装置40は、ユーザUが自分宛の荷物15を配送ボックス20の収容部23から受け取った荷物受取通知を受信する度に交換条件が成立したか否かを判定する。そして、制御装置40は、交換条件(RN≦N1)が成立すると、業者端末12に対して配送ボックス交換指示を鍵情報と共に送る(ステップS18)。
【0037】
配送ボックス交換指示を業者端末12で受信した作業者RWは、配送ボックス20を交換する(ステップS19)。まず、作業者RWは、新しい配送ボックス20を配送拠点DBから受取拠点PLへ移動させる。次に、作業者RWは、古い配送ボックス20に収容されている残りの荷物15を、新しい配送ボックス20へ詰め替える。このとき、作業者RWは、入力操作部28を操作して鍵情報を入力することで、収容部23の鍵部27を解錠する。交換条件を決める所定数N1は、新しい配送ボックス20における空の収容部23の数以下の値に設定される。このため、古い配送ボックス20に残る全ての荷物15を、新しい配送ボックス20の収容部23に詰め替えることができる。作業者RWは、荷物15の詰め替えを終えると、古い配送ボックス20を受取拠点PLから配送拠点DBへ移動させる。こうして、作業者RWは、古い配送ボックス20と新しい配送ボックス20とを交換する。なお、作業者RWは、業者端末12から配送管理サーバ11へ、詰め替えた荷物15の宛先、詰め替え先の配送ボックス番号及び収容部番号を含む詰替え情報を送信する。
【0038】
配送管理サーバ11の制御装置40は、荷物を受け取りに来なかったユーザUを宛先としてユーザ端末13Bに対して荷物受取依頼と鍵情報とを送信(再送)する(ステップS20)。該当するユーザUは、例えば、詰替え情報から特定される。鍵情報は、荷物15ごとに鍵情報が設定される場合に限り送られてもよい。この場合、鍵情報は、荷物15の詰め替え前後で変更されてもよい。荷物受取依頼をユーザ端末13Bで受信したユーザUは、受取拠点PLに行き配送ボックス20から自分宛の荷物15を受け取る(ステップS21)。配送管理サーバ11の制御装置40は、配送ボックス20の制御部32から荷物受取通知を受信することで、ユーザUが荷物15を受け取ったことを確認する。なお、制御装置40は、新しい配送ボックス20についても、同様に、交換条件が成立したか否かを判定する。
【0039】
<第1実施形態の効果>
以上、詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1-1)配送ボックス20は、荷物15を収容可能な複数の収容部23と、収容部23の施錠及び解錠が可能な鍵部27とを備える。所定の受取拠点PLに設置する配送ボックス20の管理方法は、以下の(a),(b)を含む。(a)受取拠点PLに設置されている配送ボックス20に収容されている荷物15の数が、所定数N1以下になった交換条件が成立しているか否かを制御装置40に判定させること。(b)交換条件が成立している場合に、受取拠点PLに設置する配送ボックス20を、新しい配送ボックス20に置き換える交換を、作業者の端末12に対して制御装置40に指示させること。よって、配送ボックス20の交換が適切に行われる。
【0040】
(1-2)配送ボックス20の管理方法において、新しい配送ボックス20には、所定数N1と同数以上の空の収容部23がある。よって、古い配送ボックス20に残っている荷物15を新しい配送ボックス20に積み替えることができる。
【0041】
(1-3)鍵部27は、鍵情報の認証により解錠される構成である。配送ボックス20の管理方法は、以下の(c)を含む。(c)古い配送ボックス20を新しい配送ボックス20に交換する交換業者に対して、古い配送ボックス20の鍵情報を制御装置40が一時的に付与すること。よって、古い配送ボックス20に残っている荷物15を、解錠して新しい配送ボックス20に積み替えることができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における配送ボックス20の管理方法について、図6を参照して説明する。前記第1実施形態では、残りの荷物15を新しい配送ボックス20に詰め替えたが、この第2実施形態では、古い配送ボックス20内に残る荷物15については詰め替えることなく、古い配送ボックス20とともに配送拠点DBに持ち帰る。なお、配送ボックス20の構成等については前記第1実施形態と同様であり、配送管理サーバ11による配送制御内容が前記第1実施形態と異なる。また、図6では、受取期間内に荷物15を受け取ったユーザUのユーザ端末13を「ユーザ端末13A」と表記し、受取期間内に荷物15を受け取らなかったユーザUのユーザ端末13を「ユーザ端末13C」と表記している。
【0043】
第2実施形態における配送ボックス20の管理方法は、以下の(d),(e)を含む。
(d)古い配送ボックス20を受取拠点PLから配送拠点DBまで移動させることを作業者の端末12に対して制御装置40に指示させること。
【0044】
(e)古い配送ボックス20に未だ収容されている荷物15の受取人に対し、配送拠点DBに荷物15があることを制御装置40が通知すること。
図6においてステップS31~ステップS37の処理は、図5におけるステップS11~ステップS17の処理と同様である。
【0045】
図6に示すように、ステップS37では、配送管理サーバ11の制御装置40は、荷物15の残り個数RNが所定数N1以下になった交換条件が成立しているか否かを判定する。交換条件(RN≦N1)が成立すると、制御装置40は、業者端末12に対して配送ボックス交換指示を送る(ステップS38)。このとき、鍵情報を一緒に送付してもよい。なお、第2実施形態では、荷物15の詰め替えは基本的に行わないので、鍵情報は送信しなくてもよい。また、所定数N1は、ユーザUが受け取っていない荷物15を受取拠点PLから配送拠点DBへ引き取る数に相当するので、なるべく小さな値が設定されることが好ましい。所定数N1は、例えば、配送ボックス20における収容部23の総数に対して30%以下の値が好ましく、総数の20%以下の値がさらに好ましい。
【0046】
第2実施形態における交換条件は、期間の条件を含んでもよい。例えば、ユーザUが配送ボックス20から荷物15を受取可能な期間である受取期間内は交換条件が不成立で、受取期間を経過した時又は受取期間を経過した時から所定の猶予期間をさらに経過した時に、RN≦N1の条件が成立していることをもって交換条件が成立してもよい。こうすることで、受取期間内にも関わらず、荷物15が配送拠点DBに移動させられることを回避できる。
【0047】
配送ボックス交換指示を業者端末12で受信した作業者RWは、配送ボックス20を交換する(ステップS39)。つまり、作業者RWは、古い配送ボックス20と新しい配送ボックス20とを交換する。そして、作業者RWは、古い配送ボックス20を残りの荷物15ごと配送拠点DBに移動させる。なお、配送ボックス20に、受取期間内の荷物15と、受取期間を過ぎた荷物15とが混在する場合は、受取期間内の荷物15については新しい配送ボックス20に詰め替え、受取期間を過ぎた荷物15については古い配送ボックス20と共に配送拠点DBに移動させてもよい。
【0048】
配送管理サーバ11は、荷物15を配送ボックス20に受け取りに来なかったユーザUに対してユーザ端末13Cを介して、配送拠点DBへの荷物受取依頼を送信する(ステップS40)。ユーザ端末13Cで荷物受取依頼を受信したユーザUは、配送拠点DBまで行って自分宛の荷物15を受け取る(ステップS40)。荷物15の受け取りが完了すると、業者端末12から配送管理サーバ11に対して荷物受取通知が送られる。配送管理サーバ11は、業者端末12から荷物受取通知を受信することで、ユーザUが荷物15を受け取ったことを確認する。
【0049】
<第2実施形態の効果>
以上、第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果(1-1)と同等の効果に加え、以下に示す効果が得られる。
【0050】
(2-1)配送ボックス20の管理方法は、以下の(d),(e)を含む。(d)古い配送ボックス20を受取拠点PLから配送拠点DBまで移動させることを作業者の端末12に対して制御装置40に指示させること。(e)古い配送ボックス20に未だ収容されている荷物15の受取人に対し、配送拠点DBに荷物15があることを制御装置40が通知すること。よって、古い配送ボックス20に収容された荷物15の受取人は、配送拠点DBに行って荷物15を受け取ることができる。
【0051】
(変更例)
上記複数の実施形態は、上記に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・第1実施形態において、所定数N1は、新しい配送ボックス20における空きの収容部23の数に応じて変化させてもよいし、一定値であってもよい。
【0052】
・配送ボックス20の制御部32が、制御装置の一例として機能してもよい。例えば、制御部32は、配送管理サーバ11から所定数N1の情報を受信する。また、制御部32は、未だユーザUが受け取りに来ない荷物15の残り個数RNをセンサ30の検知結果に基づいて計数する。そして、制御部32が、交換条件RN≦N1が成立するか否かを判定する。交換条件が成立した場合、制御部32が、作業者の端末12に対して配送ボックス20の交換指示を送ってもよいし、制御部32から交換条件成立の旨の情報を受信した配送管理サーバ11の制御装置40が、作業者の端末12に対して配送ボックス20の交換指示を送ってもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…配送管理システム、11…配送管理サーバ、12…作業者の端末の一例としての業者端末、13…ユーザ端末、15…荷物、20…配送ボックス、21…本体、22…車輪、23…収容部、24…収容室、25…扉部、26…ノブ、27…鍵部、28…入力操作部、29…表示部、30…センサ、31…通信部、40…制御装置、41…コンピュータ、42…CPU、43…メモリ、44…通信部、231…第1収容部、232…第2収容部、233…第3収容部、NW…ネットワーク、PL…受取拠点、DB…配送拠点(配送センター)、U…ユーザ(受取人)、RW…作業者、RN…荷物の数(残り個数)、N1…所定数。
図1
図2
図3
図4
図5
図6