IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-配達ルート作成装置 図1
  • 特開-配達ルート作成装置 図2
  • 特開-配達ルート作成装置 図3
  • 特開-配達ルート作成装置 図4
  • 特開-配達ルート作成装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008117
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】配達ルート作成装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0835 20230101AFI20250109BHJP
   G06Q 10/047 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/0835
G06Q10/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110009
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】福村 俊治
(72)【発明者】
【氏名】ニコル エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊範
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佳明
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L010AA16
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配達途中で配送車の運転者に適切に休憩を取らせつつ、当該配送車を用いた荷物の配達を行わせることができるようにすること。
【解決手段】配達支援装置40は、休憩可能場所の位置情報が登録される第2データベース49と、制御装置43とを備えている。制御装置43は、複数の配達先の位置情報と、休憩可能場所の位置情報とに基づいて、複数の配達先に荷物を届けること、及び、所定時間毎に、又は予め設定された休憩時刻に配送車10が休憩可能場所に行くことができることの何れをも満たすルートを配達ルートとして作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送車によって複数の配達先に荷物を届けるための配達ルートを作成する配達ルート作成装置であって、
前記配送車を駐車できる駐車スペースを有するとともに当該配送車の運転者が休憩できる場所である休憩可能場所の位置情報が登録されるデータベースと、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記複数の配達先の位置情報と、前記休憩可能場所の位置情報と、に基づいて、
前記複数の配達先に荷物を届けること、及び、
所定時間毎に、又は予め設定された休憩時刻に前記配送車が前記休憩可能場所に行くことができること、
の何れをも満たすルートを前記配達ルートとして作成する
配達ルート作成装置。
【請求項2】
前記データベースには、複数の前記休憩可能場所における前記駐車スペースの広さに関する情報である駐車スペース情報がさらに登録されており、
前記制御装置は、
前記複数の配達先の位置情報と、前記複数の休憩可能場所の位置情報及び前記駐車スペース情報と、に基づいて、
前記複数の配達先に荷物を届けること、及び、
前記所定時間毎に、又は前記休憩時刻に、前記複数の休憩可能場所の中で、前記配送車が駐車できる前記駐車スペースを有する前記休憩可能場所に当該配送車が行くことができること、
の何れをも満たすルートを前記配達ルートとして作成する
請求項1に記載の配達ルート作成装置。
【請求項3】
前記データベースには、前記休憩可能場所に、前記運転者が利用可能なトイレが設置されているか否かに関する情報であるトイレ情報が登録されており、
前記制御装置は、
前記複数の配達先の位置情報と、前記休憩可能場所の位置情報及び前記トイレ情報と、に基づいて、
前記複数の配達先に荷物を届けること、及び、
所定時間毎に、前記トイレが設置されている前記休憩可能場所に前記配送車が行くことができること、
の何れをも満たすルートを前記配達ルートとして作成する
請求項1に記載の配達ルート作成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、天候に応じて前記所定時間の長さを調整する
請求項1に記載の配達ルート作成装置。
【請求項5】
前記配送車の前記運転者が所有する情報端末と通信する通信機を備え、
新たな前記休憩可能場所を前記運転者が発見した場合に、前記情報端末が、当該新たな休憩可能場所の位置情報を前記配達ルート作成装置に送信できるようになっており、
前記制御装置は、前記新たな休憩可能場所の位置情報を前記通信機が前記情報端末から受信した場合、当該新たな休憩可能場所の位置情報を前記データベースに追加する
請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の配達ルート作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送車の配達ルートを作成する配達ルート作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、配送車による荷物の配送計画の策定を支援するシステムを開示している。当該システムは、複数の配送計画に対して配送シミュレーションを実施することにより、複数の配送計画の妥当性を評価するための指標を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-119392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送車の運転者は、設定された配送計画に従って荷物の配送業務を遂行する。この際に、所定時間毎に、又は所定の休憩時刻に運転者は休憩を取ることが望ましい。しかし、配送車を駐車できる場所でなければ、運転者は休憩を取れない。そして、配送計画に従って配送業務を遂行している場合に、適当なタイミングに、運転者が休憩できる場所に配送車が行けない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための配達ルート作成装置は、配送車によって複数の配達先に荷物を届けるための配達ルートを作成する装置である。当該配達ルート作成装置は、前記配送車を駐車できる駐車スペースを有するとともに当該配送車の運転者が休憩できる場所である休憩可能場所の位置情報が登録されるデータベースと、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記複数の配達先の位置情報と、前記休憩可能場所の位置情報と、に基づいて、前記複数の配達先に荷物を届けること、及び、所定時間毎に、又は予め設定された休憩時刻に前記配送車が前記休憩可能場所に行くことができること、の何れをも満たすルートを前記配達ルートとして作成する。
【発明の効果】
【0006】
上記配達ルート作成装置は、配達途中で配送車の運転者に適切に休憩を取らせつつ、当該配送車を用いた荷物の配達を行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、配達ルート作成装置の一実施形態である配達支援装置と、複数の配送車と、複数の情報端末とを示す概略構成図である。
図2図2は、図1の配達支援装置が備える第1データベースの登録情報を示す図である。
図3図3は、図1の配達支援装置が備える第2データベースの登録情報を示す図である。
図4図4は、図1の配達支援装置が備える制御装置が実行する一連の処理を示すフローチャートである。
図5図5は、図1の配達支援装置が備える第2データベースの登録情報を更新する処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、配達ルート作成装置の一実施形態を図1から図5に従って説明する。
図1は、配達支援装置40と、複数の配送車10と、複数の情報端末20とを図示している。本実施形態では、配達支援装置40が、「配達ルート作成装置」として機能する。
【0009】
<配送車及び情報端末>
配送車10は、荷物の受取先に荷物を届ける車両である。配送車10は荷台11を備えている。荷台11には複数の荷物を積載できる。また、配送車10は、自身の位置情報を取得する位置情報取得部12を備えている。
【0010】
情報端末20は、配送車10に搭乗する配達員が所有する通信機器である。本実施形態では、配達員が「配送車10の運転者」に対応している。情報端末20は、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40と通信できるように構成されている。情報端末20としては、例えば、スマートフォン及びタブレット端末を挙げることができる。
【0011】
例えば、情報端末20は、通信機21と、ユーザインタフェース23と、処理回路25とを有している。通信機21は、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40から受信した情報を処理回路25に出力する。通信機21は、処理回路25から出力された情報を通信ネットワーク100を介して配達支援装置40に送信する。
【0012】
ユーザインタフェース23は、表示画面と操作部とを有している。処理回路25の一例は電子制御装置である。配達員によって操作部が操作された場合、その操作に応じた処理を処理回路25が実行する。また、通信ネットワーク100を介して配達支援装置40から情報を通信機21が受信した場合、処理回路25は、通信機21が受信した情報をユーザインタフェース23の表示画面に表示させる。
【0013】
<配達支援装置>
配達支援装置40は、通信機41と、制御装置43と、第1データベース47と、第2データベース49とを備えている。
【0014】
通信機41は、通信ネットワーク100を介して外部の通信機器と情報の送受信を行うための配達支援装置40のインターフェースである。例えば、通信機41は、通信ネットワーク100を介して受信した情報を制御装置43に出力する。また例えば、通信機41は、制御装置43が出力した情報を、情報端末20に対して通信ネットワーク100を介して送信する。
【0015】
制御装置43の一例は電子制御装置である。この場合、制御装置43は、CPU44とメモリ45とを有している。メモリ45は、CPU44によって実行される制御プログラムを記憶している。CPU44が当該制御プログラムを実行することにより、制御装置43は、配送車10によって複数の配達先に荷物を届けるための配達ルートの作成処理を実行する。当該作成処理の内容については後述する。
【0016】
第1データベース47及び第2データベース49には、制御装置43が配達ルートを作成するために必要な情報がそれぞれ登録されている。
図2を参照し、第1データベース47に登録されている情報について説明する。
【0017】
第1データベース47には、複数の配達先DLに関する情報が登録されている。具体的には、第1データベース47には、複数の配達先DLの配達先位置情報が登録されている。配達先位置情報は、配達先DLの住所を含んでいる。図2に示す例では、M個の配達先DL1、DL2、DL3、DL4、…、DLMの配達先位置情報が第1データベース47に登録されている。なお、「M」は5以上の整数である。
【0018】
図3を参照し、第2データベース49に登録されている情報について説明する。
第2データベース49には、複数の休憩可能場所PSの位置情報が登録されている。休憩可能場所PSとは、配送車10などの車両を駐車できる駐車スペースを有するとともに、車両の運転者が休憩できる場所である。休憩可能場所としては、例えば、駐車場を有する公園、及び、駐車場を有するコンビニエンスストアなどの商業施設を挙げることができる。図3に示す例では、N個の休憩可能場所は、第1場所PS1、第2場所PS2、第3場所PS3、…、及び第N場所PSNを含んでいる。なお、「N」は4以上の整数である。
【0019】
第2データベース49には、複数の休憩可能場所PSの駐車スペース情報が登録されている。駐車スペース情報は、休憩可能場所PSに用意されている駐車スペースの広さに関する情報である。駐車スペースの広さと配送車10の大きさとによっては、配送車10を駐車スペースに駐車させることができないことがある。そのため、休憩可能場所PS1~PSN毎の駐車スペース情報が第2データベース49に登録されている。図3に示す例では、第1場所PS1の駐車スペース情報は、駐車スペースが広いことを示している。そのため、第1場所PS1の駐車スペースには、比較的大きな配送車10でも駐車させることができる。第2場所PS2の駐車スペース情報は、駐車スペースが中程度であることを示している。そのため、第2場所PS2の駐車スペースには、比較的大きな配送車10では駐車させることができない一方で、比較的小さい配送車10では駐車させることができる。
【0020】
第2データベース49には、複数の休憩可能場所PSのトイレ情報が登録されている。トイレ情報は、休憩可能場所PSにトイレが設置されているか否かに関する情報である。図3に示す例では、第1場所PS1及び第2場所PS2のトイレ情報は、トイレが設置されていることをそれぞれ示している。一方、第3場所PS3及び第N場所PSNのトイレ情報は、トイレが設置されていないことをそれぞれ示している。
【0021】
<配達ルートの作成処理>
図4を参照し、上述した配達ルートの作成処理について説明する。当該作成処理を構成する複数の処理は、配達支援装置40の制御装置43によって実行される。
【0022】
ステップS11において、制御装置43は、複数の配送車10の中の、所定の配送車10が担当する複数の配達先DLの配達先位置情報を、第1データベース47から取得する。例えば、制御装置43は、所定の配達エリアに含まれる複数の配達先DLの配達先位置情報を取得する。
【0023】
次のステップS13において、制御装置43は、複数の休憩可能場所PSの位置情報を第2データベース49から取得する。例えば、制御装置43は、第2データベース49に登録されている複数の休憩可能場所PS1~PSNの中で、上記所定の配達エリア内の複数の休憩可能場所PSの位置情報を取得する。ステップS13で第2データベース49から取得した複数の休憩可能場所PSを、「候補場所PSA」という。
【0024】
続くステップS15において、制御装置43は、複数の候補場所PSAの駐車スペース情報を第2データベース49から取得する。さらにステップS17において、制御装置43は、複数の候補場所PSAのトイレ情報を第2データベース49から取得する。
【0025】
次のステップS19において、制御装置43は、配達日の天候に関する情報である天候情報を取得する。そしてステップS21において、制御装置43は、ステップS19で取得した天候情報に基づいて、第1所定時間TM1の長さを設定する。例えば雨が降っている中で配達員が配送車10を運転する場合、雨が降っていないときに配達員が配送車10を運転する場合と比較し、配送車10の運転に起因する配達員の負担が大きくなりやすい。配達員の負担が大きいほど、配達員の休憩頻度を高くすることが好ましい。そこで、制御装置43は、例えば、配達中に雨が降ると予測できる場合には、配達中に雨が降ると予測されていない場合よりも時間が短くなるように、第1所定時間TM1の長さを設定する。
【0026】
続くステップS23において、制御装置43は、複数の配達先DLの配達先位置情報、複数の候補場所の位置情報、複数の候補場所の駐車スペース情報、及び、複数の候補場所のトイレ情報に基づいて、所定の配送車10用の配達ルートRTを作成する。例えば、制御装置43は、以下に示す複数の条件(A1)から(A4)の何れをも満たすルートを配達ルートRTとして作成する。第2所定時間TM2の長さは、例えば、第1所定時間TM1の2倍である。
【0027】
(A1)ステップS11で取得した複数の配達先DLに荷物を届けること。
(A2)第1所定時間TM1毎に、所定の配送車10が休憩可能場所PSに行くことができること。
【0028】
(A3)予め設定された休憩時刻に、所定の配送車10が休憩可能場所PSに行くことができること。
(A4)第2所定時間TM2毎に、トイレが設置されている休憩可能場所PSに所定の配送車10が行くことができること。
【0029】
配達途中で配達員が休憩するためには、所定の配送車10を駐車する必要がある。すなわち、所定の配送車10が駐車できる広さの駐車スペースを有する休憩可能場所PSに、所定の配送車10が行くことにより、配達員が休憩できる。
【0030】
そこで、制御装置43は、複数の候補場所PSAの中から、所定の配送車10を駐車させることのできない場所を排除する。配達中で配達員に休憩させる時刻の直前に所定の配送車10が向かう配達先を直前配達先DLAとし、直前配達先DLAの次に所定の配送車10が向かう配達先を直後配達先DLBとする。このとき、制御装置43は、複数の候補場所PSAの中から、直前配達先DLA及び直後配達先DLBの双方の近くに位置する候補場所PSAを選択する。そして、制御装置43は、直前配達先DLAに荷物を届けた所定の配送車10が、選択した候補場所PSAに行った後に、所定の配送車10が直後配達先DLBに向かうように配達ルートRTを作成する。これにより、制御装置43は、上記条件(A1)、(A2)及び(A3)の何れをも満たす配達ルートRTを作成できる。
【0031】
なお、第2所定時間TM2毎に所定の配送車10が行く休憩可能場所PSとして、トイレが設置されている休憩可能場所PSを制御装置43が選択する。これにより、制御装置43は、上記条件(A4)をも満たす配達ルートRTを作成できる。
【0032】
<第2データベースの登録情報の更新>
図5を参照し、第2データベース49の登録情報を更新する処理の流れについて説明する。
【0033】
配達員は、配送車10を運転している最中に、新たな休憩可能場所PSを見つけたとする。新たな休憩可能場所PSとは、第2データベース49に登録されていない場所である。この際、配達員は、自身の情報端末20を操作して、新たな休憩可能場所PSに関する情報を第2データベース49に登録させようとする。
【0034】
すなわち、ステップS101において、情報端末20の処理回路25は、新たな休憩可能場所PSの位置情報を配達員に入力させるための入力画面を、ユーザインタフェース23の表示画面に表示させる。すると、配達員は、ユーザインタフェース23の操作部を操作することにより、新たな休憩可能場所PSの位置情報として、例えば新たな休憩可能場所PSの住所を入力する。処理回路25は、新たな休憩可能場所PSの位置情報が配達員によって入力されると、処理をステップS103に移行する。
【0035】
ステップS103において、処理回路25は、新たな休憩可能場所PSの駐車スペース情報を配達員に入力させるための入力画面を、ユーザインタフェース23の表示画面に表示させる。すると、配達員は、ユーザインタフェース23の操作部を操作することにより、新たな休憩可能場所PSの駐車スペース情報を入力する。処理回路25は、駐車スペース情報が配達員によって入力されると、処理をステップS105に移行する。
【0036】
ステップS105において、処理回路25は、新たな休憩可能場所PSのトイレ情報を配達員に入力させるための入力画面を、ユーザインタフェース23の表示画面に表示させる。すると、配達員は、ユーザインタフェース23の操作部を操作することにより、新たな休憩可能場所PSのトイレ情報を入力する。処理回路25は、トイレ情報が配達員によって入力されると、処理をステップS107に移行する。
【0037】
ステップS107において、情報端末20の通信機21は、配達員によって入力された情報、すなわち新たな休憩可能場所PSの位置情報、駐車スペース情報及びトイレ情報を、配達支援装置40に送信する。
【0038】
配達支援装置40の通信機41が、新たな休憩可能場所PSに関する情報を情報端末20から受信すると、配達支援装置40の制御装置43がステップS201の処理を実行する。
【0039】
ステップS201において、制御装置43は、新たな休憩可能場所PSに関する情報を、第2データベース49に追加することにより、第2データベース49の登録情報を更新する。
【0040】
<本実施形態の作用及び効果>
(1)制御装置43は、配送車10が担当する複数の配達先の配達先位置情報と、休憩可能場所PSの位置情報とに基づいて、配達ルートRTを作成する。詳しくは、制御装置43は、上記条件(A1)から(A3)の何れをも満たす配達ルートRTを作成できる。
【0041】
配送車10は、配達支援装置40で作成された配達ルートRTに従って配達業務を遂行する。これにより、配達途中で、配送車10は、定期的に休憩可能場所PSの近くを通るようになる。その結果、配送車10に搭乗する配達員は、休憩可能場所PSに配送車10を駐車させることにより、休憩を適宜取ることができる。
【0042】
したがって、上記配達支援装置40は、配達途中で配達員に適切に休憩を取らせつつ、配送車10を用いた荷物の配達を行わせることができる。
(2)制御装置43は、配送車10が駐車できる広さの駐車スペースを有する休憩可能場所PSの近くを定期的に配送車10が通るように、配達ルートRTを作成する。これにより、配達支援装置40は、配送車10を駐車スペースに駐車できないことに起因して、配達員が休憩を取れない事態の発生を抑制できる。
【0043】
(3)制御装置43は、第2所定時間TM2毎に、トイレが設置されている休憩可能場所PSに配送車10が行くことができるように配達ルートRTを作成する。こうした配達ルートRTに従って配達業務を配達員が遂行することにより、配達員は、適宜、トイレに行くことができる。
【0044】
(4)制御装置43は、天候に応じて第1所定時間TM1の長さを調整する。これにより、配達支援装置40は、天候に応じた配達員の負荷の変化にあわせ、配達員が休憩するタイミングを調整できる。
【0045】
(5)配達途中で新たな休憩可能場所PSを配達員が見つけた場合、第2データベース49の登録情報が更新される。このように第2データベース49の登録情報が更新されることにより、制御装置43は、今後に配達ルートRTを作成する際に、配達員に休憩をより取らせやすい配達ルートRTを作成できるようになる。
【0046】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0047】
・制御装置43は、天候に応じて第1所定時間TM1の長さを可変させなくてもよい。
・制御装置43は、トイレ情報を加味することなく、配達ルートRTを作成してもよい。この場合、第2データベース49には、休憩可能場所PSのトイレ情報を登録しなくてもよい。
【0048】
・制御装置43は、駐車スペース情報を加味することなく、配達ルートRTを作成してもよい。この場合、第2データベース49には、休憩可能場所PSの駐車スペース情報を登録しなくてもよい。
【0049】
・制御装置43は、上記の条件(A1)及び(A2)の何れをも満たすことができるのであれば、上記の条件A3を満たさないルートを配達ルートRTとして作成してもよい。
・制御装置43は、上記の条件(A1)及び(A3)の何れをも満たすことができるのであれば、上記の条件A2を満たさないルートを配達ルートRTとして作成してもよい。
【0050】
・情報端末20から配達支援装置40に送信された情報に基づいて、制御装置43が第2データベース49の登録情報を更新することは必須ではない。図5に示した手法とは異なる手法で、制御装置43は、第2データベース49の登録情報を更新するようにしてもよい。
【0051】
・制御装置43は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、制御装置43は、以下(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0052】
(a)制御装置43は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0053】
(b)制御装置43は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0054】
(c)制御装置43は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【符号の説明】
【0055】
10…配送車、20…情報端末、21…通信機、23…ユーザインタフェース、40…配達支援装置、41…通信機、43…制御装置、47…第1データベース、49…第2データベース、DL、DL1~DLM…配達先。PS、PS1~PSN…休憩可能場所、RT…配達ルート。
図1
図2
図3
図4
図5