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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025081209
(43)【公開日】2025-05-27
(54)【発明の名称】コネクタユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20250520BHJP
   H01R 13/405 20060101ALI20250520BHJP
   H01R 13/17 20060101ALI20250520BHJP
【FI】
H01R13/52 301Z
H01R13/405
H01R13/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107832
(22)【出願日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2023194506
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】松本 正和
(72)【発明者】
【氏名】浦野 哲
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE06
5E087FF04
5E087FF07
5E087FF13
5E087FF16
5E087FF17
5E087FF18
5E087GG02
5E087KK03
5E087LL02
5E087LL03
5E087LL04
5E087MM05
5E087RR04
5E087RR13
5E087RR25
5E087RR29
(57)【要約】
【課題】ピンコネクタとソケットコネクタとの接続状態で、ピン端子及びソケット端子の周辺の気密構造を少ない部品点数で実現可能なコネクタユニットを提供する。
【解決手段】本開示の一形態に係るコネクタユニット(1)は、ソケット端子(4)及びソケット端子(4)の外周面を気密に覆うソケット側保持部材(5)を有するソケットコネクタ(2)と、ピン端子(10)及びピン端子(10)の外周面を気密に覆うピン側保持部材(12)を有するピンコネクタ(3)と、を備える。ソケット側保持部材(5)は、ピン側保持部材(12)が挿入される凹部(5b)を有する。ピン側保持部材(12)は、弾性部材から成る。ソケット端子(4)の端面(4h)がピン側保持部材(12)に接触すると共に、ピン側保持部材(12)がソケット側保持部材(5)の凹部(5b)の底面(5c)に接触する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット端子と、前記ソケット端子の外周面を気密に覆うソケット側保持部材と、を有するソケットコネクタと、
前記ソケット端子と接続されるピン端子と、前記ピン端子の外周面を気密に覆うピン側保持部材と、を有するピンコネクタと、
を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面を囲むように形成され、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が挿入される凹部を有し、
前記ピン側保持部材は、弾性部材から成り、
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態での前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面が前記ピン側保持部材に接触すると共に、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が前記ソケット側保持部材の凹部の底面に接触する、コネクタユニット。
【請求項2】
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部の周面が前記ソケット側保持部材の凹部の周面に接触する、請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面と、前記ソケット側保持部材の凹部の底面と、は面一に配置されている、請求項1又は2に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
前記ピンコネクタは、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続されて、前記ピン側保持部材が前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に押し込まれた際に前記ピン側保持部材を前記ソケットコネクタとの接続側に付勢する付勢部材を備える、請求項1又は2に記載のコネクタユニット。
【請求項5】
前記ピン側保持部材は、前記付勢部材によって押し込まれるフランジ部を備える、請求項4に記載のコネクタユニット。
【請求項6】
前記ソケット側保持部材は、インサート成形によって前記ソケット端子と一体的に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタユニット。
【請求項7】
前記ソケット端子は、フランジ部を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子のフランジ部を覆うように形成されている、請求項6に記載のコネクタユニット。
【請求項8】
前記ピン側保持部材は、インサート成形によって前記ピン端子と一体的に形成されている、請求項1又は2に記載のコネクタユニット。
【請求項9】
ソケット端子と、前記ソケット端子の外周面を気密に覆うソケット側保持部材と、を有するソケットコネクタと、
前記ソケット端子と接続されるピン端子と、前記ピン端子の外周面を気密に覆う第1のピン側保持部材と、前記第1のピン側保持部材が前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に押し込まれた際に前記第1のピン側保持部材を前記ソケットコネクタとの接続側に付勢する付勢部材と、を有するピンコネクタと、
を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面を囲むように形成され、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が挿入される凹部を有し、
前記第1のピン側保持部材は、弾性部材から成り、
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態での前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面が前記第1のピン側保持部材に接触すると共に、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が前記ソケット側保持部材の凹部の底面に接触し、
前記第1のピン側保持部材は、前記付勢部材によって押し込まれるフランジ部と、前記フランジ部よりも前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に延びる延長部と、を有し、
前記付勢部材は、複数の分割片から成り、前記第1のピン側保持部材の延長部を囲むように配置されている、コネクタユニット。
【請求項10】
前記ピンコネクタは、
前記第1のピン側保持部材を保持する第2のピン側保持部材と、
前記第2のピン側保持部材が前記第1のピン側保持部材を保持した状態で挿入される貫通部を有するインシュレータと、
前記インシュレータの貫通部における前記第2のピン側保持部材に対して前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側の部分に充填される樹脂部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記第2のピン側保持部材と、前記インシュレータの貫通部に形成された段差部と、の間に配置されている、請求項9に記載のコネクタユニット。
【請求項11】
前記付勢部材の分割片は、係合部を有し、
前記第2のピン側保持部材は、前記付勢部材の係合部が係合される被係合部を有し、
前記付勢部材の分割片の係合部が前記第2のピン側保持部材の被係合部に係合された状態で、前記付勢部材の分割片が前記第1のピン側保持部材の延長部を囲むように固定されている、請求項10に記載のコネクタユニット。
【請求項12】
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部の周面が前記ソケット側保持部材の凹部の周面に接触する、請求項9又は10に記載のコネクタユニット。
【請求項13】
前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面と、前記ソケット側保持部材の凹部の底面と、は面一に配置されている、請求項9又は10に記載のコネクタユニット。
【請求項14】
前記ソケット側保持部材は、インサート成形によって前記ソケット端子と一体的に形成されている、請求項9又は10に記載のコネクタユニット。
【請求項15】
前記ソケット端子は、フランジ部を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子のフランジ部を覆うように形成されている、請求項14に記載のコネクタユニット。
【請求項16】
前記第1のピン側保持部材は、インサート成形によって前記ピン端子と一体的に形成されている、請求項9又は10に記載のコネクタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にコネクタユニットは、ピンコネクタとソケットコネクタとの接続状態で部分放電(コロナ放電)を抑制できる構成であることが好ましい。例えば、特許文献1のコネクタユニット100は、図27に示すように、基体101にピン端子102がインサート成形されたピンコネクタ103、及び基部104にソケット端子105がインサート成形されたソケットコネクタ106を備えている。
【0003】
そして、基体101の有底筒状部101aが軟質合成樹脂製のシールパッキン107で覆われており、基体101の有底筒状部101aと基部104の保持筒104aとを嵌合した状態で、ソケット端子105におけるピンコネクタ103の側の端部がシールパッキン107に接触すると共に、基部104の保持筒104aにおけるピンコネクタ103の側の端部がシールパッキン107に接触する。
【0004】
このような構成により、ピン端子102の外周面が基体101で気密に覆われ、ソケット端子105の外周面が基部104で気密に覆われている。それと共に、基体101の有底筒状部101aと基部104の保持筒104aとを嵌合した状態で、ソケット端子105におけるピンコネクタ103の側の端部がシールパッキン107に接触すると共に、基部104の保持筒104aにおけるピンコネクタ103の側の端部がシールパッキン107に接触する。
【0005】
これにより、特許文献1のコネクタユニット100は、ピンコネクタ103とソケットコネクタ106との接続状態で、ピン端子102及びソケット端子105の周辺を気密構造とし、部分放電を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2517429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のコネクタユニット100は、ピンコネクタ103とソケットコネクタ106との接続状態で、ピン端子102及びソケット端子105の周辺の気密構造を実現するために、ピンコネクタ103の基体101及びソケットコネクタ106の基部104とは別にシールパッキン107が必要である。
【0008】
そのため、特許文献1のコネクタユニット100は、ピンコネクタ103とソケットコネクタ106との接続状態で、ピン端子102及びソケット端子105の周辺の気密構造を実現するための部品点数が多い課題を有する。
【0009】
本開示の目的は、ピンコネクタとソケットコネクタとの接続状態で、ピン端子及びソケット端子の周辺の気密構造を少ない部品点数で実現可能なコネクタユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係るコネクタユニットは、
ソケット端子と、前記ソケット端子の外周面を気密に覆うソケット側保持部材と、を有するソケットコネクタと、
前記ソケット端子と接続されるピン端子と、前記ピン端子の外周面を気密に覆うピン側保持部材と、を有するピンコネクタと、
を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面を囲むように形成され、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が挿入される凹部を有し、
前記ピン側保持部材は、弾性部材から成り、
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態での前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面が前記ピン側保持部材に接触すると共に、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が前記ソケット側保持部材の凹部の底面に接触する。
【0011】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記ピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部の周面が前記ソケット側保持部材の凹部の周面に接触することが好ましい。
【0012】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面と、前記ソケット側保持部材の凹部の底面と、は面一に配置されていることが好ましい。
【0013】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ピンコネクタは、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続されて、前記ピン側保持部材が前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に押し込まれた際に前記ピン側保持部材を前記ソケットコネクタとの接続側に付勢する付勢部材を備えることが好ましい。
【0014】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ピン側保持部材は、前記付勢部材によって押し込まれるフランジ部を備えることが好ましい。
【0015】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケット側保持部材は、インサート成形によって前記ソケット端子と一体的に形成されていることが好ましい。
【0016】
上述のコネクタユニットにおいて、
前記ソケット端子は、フランジ部を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子のフランジ部を覆うように形成されていることが好ましい。
【0017】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ピン側保持部材は、インサート成形によって前記ピン端子と一体的に形成されていることが好ましい。
【0018】
本開示の一態様に係るコネクタユニットは、
ソケット端子と、前記ソケット端子の外周面を気密に覆うソケット側保持部材と、を有するソケットコネクタと、
前記ソケット端子と接続されるピン端子と、前記ピン端子の外周面を気密に覆う第1のピン側保持部材と、前記第1のピン側保持部材が前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に押し込まれた際に前記第1のピン側保持部材を前記ソケットコネクタとの接続側に付勢する付勢部材と、を有するピンコネクタと、
を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面を囲むように形成され、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が挿入される凹部を有し、
前記第1のピン側保持部材は、弾性部材から成り、
前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態での前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面が前記第1のピン側保持部材に接触すると共に、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部が前記ソケット側保持部材の凹部の底面に接触し、
前記第1のピン側保持部材は、前記付勢部材によって押し込まれるフランジ部と、前記フランジ部よりも前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側に延びる延長部と、を有し、
前記付勢部材は、複数の分割片から成り、前記第1のピン側保持部材の延長部を囲むように配置されている。
【0019】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ピンコネクタは、
前記第1のピン側保持部材を保持する第2のピン側保持部材と、
前記第2のピン側保持部材が前記第1のピン側保持部材を保持した状態で挿入される貫通部を有するインシュレータと、
前記インシュレータの貫通部における前記第2のピン側保持部材に対して前記ソケットコネクタとの接続側に対して逆側の部分に充填される樹脂部材と、
を備え、
前記付勢部材は、前記第2のピン側保持部材と、前記インシュレータの貫通部に形成された段差部と、の間に配置されていることが好ましい。
【0020】
上述のコネクタユニットにおいて、
前記付勢部材の分割片は、係合部を有し、
前記第2のピン側保持部材は、前記付勢部材の係合部が係合される被係合部を有し、
前記付勢部材の分割片の係合部が前記第2のピン側保持部材の被係合部に係合された状態で、前記付勢部材の分割片が前記第1のピン側保持部材の延長部を囲むように固定されていることが好ましい。
【0021】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケットコネクタと前記ピンコネクタとが接続された状態で、前記第1のピン側保持部材における前記ソケットコネクタとの接続側の端部の周面が前記ソケット側保持部材の凹部の周面に接触することが好ましい。
【0022】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケット側保持部材の凹部の内部で、前記ソケット端子における前記ピンコネクタとの接続側の端面と、前記ソケット側保持部材の凹部の底面と、は面一に配置されていることが好ましい。
【0023】
上述のコネクタユニットにおいて、前記ソケット側保持部材は、インサート成形によって前記ソケット端子と一体的に形成されていることが好ましい。
【0024】
上述のコネクタユニットにおいて、
前記ソケット端子は、フランジ部を備え、
前記ソケット側保持部材は、前記ソケット端子のフランジ部を覆うように形成されていることが好ましい。
【0025】
上述のコネクタユニットにおいて、前記第1のピン側保持部材は、インサート成形によって前記ピン端子と一体的に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、ピンコネクタとソケットコネクタとの接続状態で、ピン端子及びソケット端子の周辺の気密構造を少ない部品点数で実現可能なコネクタユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。
図2】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を示す断面図である。
図3】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続されていない状態をY軸+側から見た斜視図である。
図4】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た透視斜視図である。
図5】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸-側から見た斜視図である。
図6】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタの断面図である。
図7】実施の形態1のコネクタユニットにおけるソケットコネクタのソケット端子をY軸+側から見た斜視図である。
図8】実施の形態1のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た斜視図である。
図9】実施の形態1のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸+側から見た分解図である。
図10】実施の形態1のコネクタユニットにおけるピンコネクタの断面図である。
図11】実施の形態1のコネクタユニットにおけるピンコネクタのピン端子が第2の配線に接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。
図12】実施の形態1のコネクタユニットにおけるピンコネクタの保持部材がピン端子と一体化された状態をY軸-側から見た斜視図である。
図13】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。
図14】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を示す断面図である。
図15】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を拡大して示す断面図である。
図16】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続されていない状態をY軸-側から見た斜視図である。
図17】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た斜視図である。
図18】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをX軸+側から見た図である。
図19】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た図である。
図20】実施の形態2のコネクタユニットにおけるソケットコネクタの断面図である。
図21】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た斜視図である。
図22】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピンコネクタをX軸+側から見た図である。
図23】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た図である。
図24】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピンコネクタの断面図である。
図25】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピン端子、第1の保持部材及び第2の保持部材などをY軸-側から見た分解斜視図である。
図26】実施の形態2のコネクタユニットにおけるピンコネクタの第2の保持部材と付勢部材との係合構造を説明するための図である。
図27】特許文献1の図1を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。ここで、以下の説明では、説明を明確にするために三次元(XYZ)座標系を用いて説明する。
【0029】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。図2は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を示す断面図である。
【0030】
図3は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続されていない状態をY軸+側から見た斜視図である。本実施の形態のコネクタユニット1は、例えば、高電圧コネクタユニットであり、図1から図3に示すように、ソケットコネクタ2及びピンコネクタ3を備えている。
【0031】
図4は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た透視斜視図である。図5は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸-側から見た斜視図である。
【0032】
図6は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタの断面図である。図7は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタのソケット端子をY軸+側から見た斜視図である。
【0033】
ソケットコネクタ2は、図4から図6に示すように、ソケット端子4及び保持部材5を備えている。ソケット端子4は、導電性の金属部材から成り、図6及び図7に示すように、第1の筒状部4a、第2の筒状部4b、隔壁部4c及びフランジ部4dを備えている。
【0034】
第1の筒状部4aは、図7に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第1の筒状部4aの内部空間は、図2に示すように、ピンコネクタ3のピン端子10のY軸-側の端部が挿入される第1の被挿入部4eを成す。
【0035】
第2の筒状部4bは、図7に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第2の筒状部4bは、第1の筒状部4aに対してY軸-側に配置されており、第1の筒状部4aとY軸方向に連続している。
【0036】
第2の筒状部4bの中心軸AX1は、図6に示すように、第1の筒状部4aの中心軸AX2と略重なるように配置されているとよい。また、第2の筒状部4bの外径は、第1の筒状部4aの外径に対して小さく、第2の筒状部4bの内径は、第1の筒状部4aの内径に対して小さいとよい。
【0037】
第2の筒状部4bの内部空間は、図6に示すように、第1の配線6の導体6aが挿入される第2の被挿入部4fを成す。そして、第2の被挿入部4fに第1の配線6の導体6aが挿入された状態で、ソケット端子4と第1の配線6の導体6aとがろう付けなどによって接続されている。
【0038】
このとき、第2の筒状部4bのY軸-側の端部には、図6及び図7に示すように、第1の配線6の導体6aを第2の筒状部4bにろう付けして接続するための切り欠き部4gが形成されているとよい。
【0039】
切り欠き部4gは、例えば、図6及び図7に示すように、第2の筒状部4bのY軸-側の端部におけるZ軸+側の部分に配置されており、X軸方向から見て、Y軸-側に向かうのに従ってZ軸-側に向かう湾曲形状であるとよい。
【0040】
隔壁部4cは、図6に示すように、第1の筒状部4aの内部空間と第2の筒状部4bの内部空間とを分断するように、第1の筒状部4aと第2の筒状部4bとの間に配置されている。
【0041】
隔壁部4cのY軸+側の面は、図6に示すように、ピンコネクタ3のピン端子10が良好に挿入できるように、Y軸+側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。また、隔壁部4cのY軸-側の面は、第1の配線6の導体6aを良好に挿入できるように、Y軸-側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。
【0042】
フランジ部4dは、図7に示すように、第1の筒状部4aのY軸-側の端部から第1の筒状部4aの径方向外側に突出しており、Y軸方向から見て、略円環形状である。フランジ部4dは、例えば、図6に示すように、隔壁部4cに対して、若干、Y軸+側に配置されているとよい。
【0043】
保持部材(ソケット側保持部材)5は、絶縁性の樹脂部材から成り、図4及び図6に示すように、ソケット端子4の外周面を気密に覆う。保持部材5は、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。保持部材5の外周面のY軸+側の部分には、図5に示すように、雄ねじ部5aが形成されている。
【0044】
保持部材5は、例えば、図6に示すように、ソケット端子4の外周面における第2の筒状部4bのY軸+側の端部からY軸+側の部分を気密に覆うように、インサート成形によってソケット端子4と一体的に形成されているとよい。
【0045】
そのため、保持部材5の内周面は、図6に示すように、ソケット端子4の第2の筒状部4bのY軸+側の端部、フランジ部4d及び第1の筒状部4aの外周面と密着して気密構造を実現している。
【0046】
このように保持部材5は、ソケット端子4のフランジ部4dを覆うように形成されているので、ソケット端子4を保持部材5に強固に固定することができる。このとき、図4及び図5に示すように、ソケット端子4の第2の筒状部4bの切り欠き部4gが保持部材5からY軸-側に突出している。
【0047】
保持部材5の内部空間におけるソケット端子4に対してY軸+側の部分は、図2及び図6に示すように、ピンコネクタ3の保持部材12が挿入される被挿入部(即ち、凹部)5bを成す。そして、被挿入部5bのY軸-側の端面(即ち、被挿入部5bの底面)5cには、ソケット端子4のY軸+側の端面4hが露出している。
【0048】
このとき、被挿入部5bの直径は、図6に示すように、ソケット端子4の第1の筒状部4aの外径に対して、大きい。そして、被挿入部5bのY軸-側の端面5cは、XZ平面と略平行に配置されており、ソケット端子4のY軸+側の端面4hと略面一に配置されている。
【0049】
ここで、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3とを接続する際に作業者などがソケットコネクタ2を保持できるように、保持部材5のX軸+側の端部及びX軸-側の端部には、図4及び図5に示すように、YZ平面と略平行な平坦面5dが形成されているとよい。
【0050】
図8は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た斜視図である。図9は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸+側から見た分解図である。図10は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタの断面図である。
【0051】
図11は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタのピン端子が第2の配線に接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。図12は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタの保持部材がピン端子と一体化された状態をY軸-側から見た斜視図である。
【0052】
ピンコネクタ3は、図8から図10に示すように、ピン端子10、接触子11、保持部材12、キャップ13及び付勢部材14を備えている。ピン端子10は、導電性の金属部材から成り、柱状部10a、錐状部10b、筒状部10c及びフランジ部10dを備えている。
【0053】
柱状部10aは、図11に示すように、略円柱形状であり、Y軸方向に延びている。柱状部10aの直径は、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eの内径に対して小さい。
【0054】
錐状部10bは、図11に示すように、Y軸-側に向かうのに従って縮径する略円錐形状である。錐状部10bは、柱状部10aに対してY軸-側に配置されており、柱状部10aとY軸方向に連続している。
【0055】
錐状部10bの中心軸AX3は、図10に示すように、柱状部10aの中心軸AX4と略重なるように配置されているとよい。また、錐状部10bのY軸+側の端部の外径は、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eの内径と略等しいとよい。
【0056】
さらに、柱状部10aのY軸方向の長さに錐状部10bのY軸方向の長さを加えた長さは、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eのY軸方向の長さに対して、若干、短いとよい。
【0057】
筒状部10cは、図11に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。筒状部10cは、柱状部10aに対してY軸+側に配置されており、柱状部10aとY軸方向に連続している。
【0058】
筒状部10cの中心軸AX5は、図10に示すように、柱状部10aの中心軸AX4と略重なるように配置されているとよい。また、筒状部10cの外径は、柱状部10aの外径と略等しいとよい。
【0059】
筒状部10cの内部空間は、図10に示すように、第2の配線15の導体15aが挿入される被挿入部10eを成す。そして、被挿入部10eに第2の配線15の導体15aが挿入された状態で、筒状部10cをかしめることでピン端子10と第2の配線15の導体15aとが接続されている。
【0060】
フランジ部10dは、図11に示すように、柱状部10aのY軸+側の端部から柱状部10aの径方向外側に突出しており、Y軸方向から見て、略円環形状である。フランジ部10dの外径は、例えば、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eの内径と略等しいとよい。
【0061】
接触子11は、導電性の金属部材から成り、図8及び図9に示すように、略樽型の板バネである。詳細には、接触子11は、第1の筒状部11a、第2の筒状部11b及び板バネ本体11cを備えている。第1の筒状部11aは、Y軸方向から見て、略C字形状に曲げられた板体であり、Y軸方向に延びている。
【0062】
第1の筒状部11aの内径は、図10に示すように、ピン端子10の柱状部10aの直径と略等しい。また、第1の筒状部11aの外径は、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eの内径に対して、若干、小さい。第2の筒状部11bは、図8及び図9に示すように、第1の筒状部11aと略等しい形状を有し、第1の筒状部11aに対してY軸+側に配置されている。
【0063】
板バネ本体11cは、図8及び図9に示すように、接触子11の径方向外側に凸状に曲げられた板体であり、Y軸方向に延びている。そして、板バネ本体11cは、接触子11の周方向に間隔を開けて配置され、第1の筒状部11aと第2の筒状部11bとを接続している。板バネ本体11cの屈曲部分には、接触子11の径方向外側に突出する接点11dが形成されている。
【0064】
このような接触子11は、図8及び図10に示すように、接触子11の内部にピン端子10の柱状部10aが配置された状態で、ピン端子10の錐状部10bとフランジ部10dとの間に配置されている。
【0065】
保持部材(ピン側保持部材)12は、シリコンなどの絶縁性の弾性部材から成り、図9図10及び図12に示すように、ピン端子10の外周面を気密に覆う。保持部材12は、例えば、ピン端子10のフランジ部10dのY軸+側の端部並びに筒状部10cの外周面、及びピン端子10と第2の配線15との接続部を気密に覆うように、インサート成形によってピン端子10と一体的に形成されているとよい。
【0066】
保持部材12は、図9図10及び図12に示すように、筒状部12a及びフランジ部12bを備えている。筒状部12aは、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。筒状部12aの内周面は、ピン端子10のフランジ部10dのY軸+側の端部並びに筒状部10cの外周面、及びピン端子10と第2の配線15との接続部と密着して気密構造を実現している。
【0067】
筒状部12aの外径は、図2に示すように、ソケットコネクタ2の保持部材5の被挿入部5bの直径と略等しい。そして、筒状部12aのY軸-側の端面(即ち、保持部材12のY軸-側の端面)12cは、図12に示すように、XZ平面と略平行に配置されている。
【0068】
フランジ部12bは、図9及び図12に示すように、筒状部12aのY軸+側の端部から筒状部12aの径方向外側に向かって突出している。筒状部12aにおけるフランジ部12bに対してY軸-側の部分の長さは、図2に示すように、ソケットコネクタ2の保持部材5の被挿入部5bのY軸方向の長さと略等しい。
【0069】
フランジ部12bは、図9及び図12に示すように、Y軸方向から見て略円環形状である。そして、フランジ部12bの外径は、図2に示すように、ソケットコネクタ2の保持部材5の外径に対して、小さい。
【0070】
このとき、フランジ部12bのY軸-側の端面は、図12に示すように、Y軸+側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。そして、フランジ部12bのY軸+側の端面は、図9に示すように、XZ平面と略平行に配置されているとよい。また、フランジ部12bのX軸+側の端部及びX軸-側の端部には、YZ平面と略平行な平坦面12dが形成されているとよい。
【0071】
キャップ13は、例えば、絶縁性の樹脂部材から成り、図9に示すように、筒状部13a及びフランジ部13bを備えている。筒状部13aの外形は、例えば、Y軸方向から見て略矩形状であり、筒状部13aの内形は、略円形である。
【0072】
筒状部13aの内部空間は、図2に示すように、ソケットコネクタ2の保持部材5のY軸+側の端部が挿入される被挿入部13cを成す。そして、筒状部13aの内径は、ソケットコネクタ2の保持部材5の外径と略等しい。
【0073】
筒状部13aの内周面には、図2に示すように、ソケットコネクタ2の保持部材5の雄ねじ部5aがねじ込まれる雌ねじ部13dが形成されている。このとき、キャップ13の雌ねじ部13dをソケットコネクタ2の保持部材5の雄ねじ部5aにねじ込む際に作業者の手が滑らないように、筒状部13aの外周面には、図8に示すように、Y軸方向に延びる凸部13eが形成されているとよい。
【0074】
フランジ部13bは、図9に示すように、筒状部13aのY軸+側の端部から筒状部13aの径方向内側に向かって突出している。そして、Y軸方向から見て、フランジ部13bの略中央には、Y軸方向に延びる貫通孔13fが形成されている。貫通孔13fの直径は、第2の配線15の直径に対して、大きい。
【0075】
このようなキャップ13は、図10に示すように、保持部材12のY軸+側の部分を覆うことができるように、第2の配線15に通されている。このとき、第2の配線15に通された収縮チューブ16が第2の配線15おけるY軸-側の部分に固定されている場合、キャップ13のY軸+側への移動を抑制することができる。
【0076】
付勢部材14は、絶縁性の樹脂部材から成り、例えば、図9に示すように、テフロン(登録商標)ワッシャーで構成することができる。付勢部材14は、図10に示すように、第2の配線15に通されてキャップ13の被挿入部13cに配置された状態で、保持部材12のフランジ部12bとキャップ13のフランジ部13bとの間に配置されている。
【0077】
ちなみに、図9などの図示例では、2枚の付勢部材14を備えているが、付勢部材14の枚数は、適宜、変更することができる。また、付勢部材14は、コイルバネなどで構成してもよく、要するに、保持部材12をY軸-側に付勢できる構成であればよい。
【0078】
次に、本実施の形態のコネクタユニット1のソケットコネクタ2を組み立てる流れの一例を説明する。ソケットコネクタ2は、ソケット端子4の第2の筒状部4bのY軸+側の端部からY軸+側の部分を保持部材5にインサート成形によって一体的に形成することで組み立てることができる。
【0079】
次に、本実施の形態のコネクタユニット1のピンコネクタ3を組み立てる流れの一例を説明する。先ず、収縮チューブ16を第2の配線15に通して固定する。そして、第2の配線15の導体15aをピン端子10の被挿入部10eに挿入して筒状部10cをかしめることでピン端子10と第2の配線15とを接続する。
【0080】
次に、ピン端子10を接触子11に挿入し、接触子11をピン端子10の錐状部10bとフランジ部10dとの間に配置する。そして、ピン端子10が接続された第2の配線15をY軸+側からY軸-側に向かってキャップ13のフランジ部13bの貫通孔13fに通し、さらに、付勢部材14に通す。
【0081】
次に、キャップ13及び付勢部材14を第2の配線15に沿ってY軸+側に配置し、ピン端子10のフランジ部10dのY軸+側の端部並びに筒状部10c、及びピン端子10と第2の配線15との接続部を保持部材12にインサート成形によって一体的に形成することでピンコネクタ3を組み立てることができる。なお、本実施の形態では、ピンコネクタ3が第2の配線15を備えているが、第2の配線15が接続されていない状態で構成してもよい。
【0082】
次に、本実施の形態のコネクタユニット1のソケットコネクタ2とピンコネクタ3とを接続する流れを説明する。例えば、ソケットコネクタ2のソケット端子4に第1の配線6の導体6aを接続し、ピンコネクタ3のキャップ13を第2の配線15に沿ってY軸+側に移動させた状態で、ピンコネクタ3におけるピン端子10のY軸-側の端部及び接触子11をソケットコネクタ2におけるソケット端子4の第1の被挿入部4eに挿入する。
【0083】
そして、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の部分をソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bに挿入し、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに接触させる。
【0084】
それと共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに接触させる。また、ピンコネクタ3の保持部材12の筒状部12aの外周面をソケットコネクタ2の保持部材5の被挿入部5bの周面に接触させる。
【0085】
このとき、ピンコネクタ3の保持部材12は、弾性部材で構成されているため、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに確実に密着して気密構造が実現される。
【0086】
それと共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに確実に密着して気密構造が実現される。また、ピンコネクタ3の保持部材12の筒状部12aの外周面がソケットコネクタ2の保持部材5の被挿入部5bの周面に確実に密着して気密構造が実現される。
【0087】
そして、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4の外周面は、保持部材5によって気密に覆われて気密構造が実現され、ピンコネクタ3におけるピン端子10の外周面は、保持部材12によって気密に覆われて気密構造が実現されている。
【0088】
次に、ピンコネクタ3のキャップ13を第2の配線15に沿ってY軸-側に移動させ、ピンコネクタ3の保持部材12のY軸+側の部分及びソケットコネクタ2の保持部材5のY軸+側の部分をキャップ13の被挿入部13cに挿入しつつ、キャップ13の雌ねじ部13dをソケットコネクタ2の保持部材5の雄ねじ部5aにねじ込むことで、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3とを接続することができる。
【0089】
このとき、付勢部材14がキャップ13のフランジ部13bに反力をとって保持部材12をY軸-側に付勢し、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに接触させると共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに接触させることができる。
【0090】
このように本実施の形態のコネクタユニット1は、上述の気密構造によって、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3との接続状態での部分放電を抑制することができる。このとき、本実施の形態のコネクタユニット1は、ピンコネクタ3のピン端子10を保持する保持部材12を弾性部材で構成している。
【0091】
そのため、特許文献1のコネクタユニット100に比べて、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3との接続状態で、ソケット端子4及びピン端子10の周辺の気密構造を実現するために、ソケットコネクタ2の保持部材5及びピンコネクタ3の保持部材12の他にシールパッキンを用意する必要が無く、少ない部品点数でソケット端子4及びピン端子10の周辺の気密構造を実現可能である。これにより、本実施の形態のコネクタユニット1は、特許文献1のコネクタユニット100に比べて、小型化できると共に、安価に、しかも、簡単に製造することができる。
【0092】
特に、本実施の形態のコネクタユニット1において、ピンコネクタ3の保持部材12が弾性部材で構成されているため、保持部材12などに製造誤差が生じていても、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに接触させると共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cをソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに良好に接触させることができる。
【0093】
また、本実施の形態のコネクタユニット1において、ピンコネクタ3の保持部材12の筒状部12aの外周面がソケットコネクタ2の保持部材5の被挿入部5bの周面に接触している。そのため、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに接触すると共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに接触した際に、ピンコネクタ3の保持部材12が保持部材12の径方向に変形することを抑制でき、上述の接触状態が破綻することを抑制することができる。
【0094】
しかも、本実施の形態のコネクタユニット1において、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hと保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cとが略面一に配置されている場合、ソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4h及び保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cをピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cに簡単に接触させることができる。
【0095】
また、本実施の形態のコネクタユニット1において、ソケット端子4と保持部材5とをインサート成形によって一体的に形成する場合、保持部材5がソケット端子4の外周面を気密に覆う構造を簡単に実現することができる。このとき、保持部材5がソケット端子4のフランジ部4dを覆うように形成されている場合、ソケット端子4を保持部材5に強固に固定することができる。
【0096】
同様に、本実施の形態のコネクタユニット1において、ピン端子10と保持部材12とをインサート成形によって一体的に形成する場合、保持部材12がピン端子10の外周面及びピン端子10と第2の配線15との接続部を気密に覆う構造を簡単に実現することができる。
【0097】
また、本実施の形態のコネクタユニット1において、保持部材12がフランジ部12bを備えている場合、付勢部材14が保持部材12に接触する面積を稼ぐことができ、保持部材12をY軸-側に良好に付勢することができる。
【0098】
なお、本実施の形態のソケットコネクタ2及びピンコネクタ3の構成は例示であり、少なくとも、ピンコネクタ3の保持部材12が弾性部材から成り、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3とを接続した状態で、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2におけるソケット端子4のY軸+側の端面4hに接触すると共に、ピンコネクタ3における保持部材12のY軸-側の端面12cがソケットコネクタ2における保持部材5の被挿入部5bのY軸-側の端面5cに接触する構成であればよい。
【0099】
また、本実施の形態のソケットコネクタ2及びピンコネクタ3を組み立てる流れは例示であり、組み立てる順番は限定されない。
【0100】
<実施の形態2>
図13は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態をY軸-側から見た斜視図である。図14は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を示す断面図である。
【0101】
図15は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続された状態を拡大して示す断面図である。図16は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタとピンコネクタとが接続されていない状態をY軸-側から見た斜視図である。本実施の形態のコネクタユニット21は、例えば、図13から図16に示すように、ソケットコネクタ22及びピンコネクタ23を備えている。
【0102】
図17は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た斜視図である。図18は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをX軸+側から見た図である。図19は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタをY軸+側から見た図である。図20は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるソケットコネクタの断面図である。
【0103】
ソケットコネクタ22は、図17から図20に示すように、ソケット端子24、第1の保持部材25、第2の保持部材26、インシュレータ27、樹脂部材28、及びシェル29を備えている。ソケット端子24は、導電性の金属部材から成り、第1の筒状部24a、第2の筒状部24b、隔壁部24c、及びフランジ部24dを備えている。
【0104】
第1の筒状部24aは、図14図15及び図20に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第1の筒状部24aの内部空間は、ピンコネクタ23のピン端子31のY軸-側の端部が挿入される第1の被挿入部24eを成す。
【0105】
第2の筒状部24bは、図20に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第2の筒状部24bは、第1の筒状部24aに対してY軸-側に配置されており、第1の筒状部24aとY軸方向に連続している。
【0106】
第2の筒状部24bの中心軸は、図20に示すように、第1の筒状部24aの中心軸と略重なるように配置されているとよい。第2の筒状部24bの内部空間は、芯線30のY軸+側の端部が挿入される第2の被挿入部24fを成す。そして、第2の被挿入部24fに芯線30のY軸+側の端部が挿入された状態で、ソケット端子24と芯線30とが電気的に接続されている。
【0107】
隔壁部24cは、図20に示すように、第1の筒状部24aの内部空間と第2の筒状部24bの内部空間とを分断するように、第1の筒状部24aと第2の筒状部24bとの間に配置されている。
【0108】
隔壁部24cのY軸+側の面は、図14図15及び図20に示すように、ピンコネクタ23のピン端子31が良好に挿入できるように、Y軸+側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。また、隔壁部24cのY軸-側の面は、芯線30を良好に挿入できるように、Y軸-側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。
【0109】
フランジ部24dは、図20に示すように、第1の筒状部24aのY軸-側の端部から第1の筒状部24aの径方向外側に突出しており、Y軸方向から見て、略円環形状である。フランジ部24dは、例えば、隔壁部24cに対して、若干、Y軸+側に配置されているとよい。
【0110】
第1の保持部材(ソケット側保持部材)25は、絶縁性の樹脂部材から成り、図20に示すように、ソケット端子24の外周面を気密に覆う。第1の保持部材25は、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第1の保持部材25のY軸+側の端部には、第1の保持部材25の外周面を切り欠いた切り欠き部25aが形成されているとよい。切り欠き部25aは、Y軸方向から見て、略円環形状である。
【0111】
第1の保持部材25は、例えば、図20に示すように、ソケット端子24の外周面における第1の筒状部24aのY軸-側の端部からY軸+側の端部までを気密に覆うように、インサート成形によってソケット端子24と一体的に形成されているとよい。
【0112】
そのため、第1の保持部材25の内周面は、例えば、図20に示すように、ソケット端子24の第1の筒状部24aの外周面及びフランジ部24dの外周面と密着して気密構造を実現している。このとき、第1の保持部材25は、ソケット端子24に対してY軸+側に突出している。
【0113】
第1の保持部材25におけるソケット端子24に対してY軸+側に突出する内部空間は、図14図15及び図20に示すように、ピンコネクタ23の第1の保持部材33のY軸-側の端部が挿入される被挿入部(即ち、凹部)25bを成す。そして、被挿入部25bのY軸-側の端面25cには、ソケット端子24のY軸+側の端面24gが露出している。
【0114】
被挿入部25bの直径は、図20に示すように、ソケット端子24の第1の筒状部24aの外径に対して、大きい。そして、被挿入部25bのY軸-側の端面25cは、XZ平面と略平行に配置されており、ソケット端子24のY軸+側の端面24gと略面一に配置されている。
【0115】
第2の保持部材26は、絶縁性の樹脂部材から成る。第2の保持部材26は、例えば、図20に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。そして、第2の保持部材26の内周面は、第1の保持部材25の外周面と対応する形状とされている。
【0116】
第2の保持部材26は、図20に示すように、第1の保持部材25を覆うように第1の保持部材25が第2の保持部材26の内部に挿入された状態で第1の保持部材25を保持している。このとき、第1の保持部材25のY軸-側の端部と第2の保持部材26のY軸-側の端部とは、Y軸方向において、略等しい位置に配置されているとよい。
【0117】
第2の保持部材26の外周面には、例えば、図20に示すように、雄ねじ部26aが形成されているとよい。また、第2の保持部材26のY軸+側の端部には、例えば、図17及び図19に示すように、第2の保持部材26をインシュレータ27の第1の貫通部27aにねじ込んで固定する際の工具を挿入するための被挿入部26bが形成されているとよい。
【0118】
インシュレータ27は、例えば、図17から図20に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。インシュレータ27は、第1の貫通部27a、第2の貫通部27b、被挿入部27c、及び溝部27dを備えている。第1の貫通部27aは、インシュレータ27のY軸+側の部分に配置されている。第1の貫通部27aの直径は、第2の保持部材26の外径と略等しい。
【0119】
第1の貫通部27aの周面には、例えば、図20に示すように、雌ねじ部27eが形成されているとよい。そして、第2の保持部材26の雄ねじ部26aが第1の貫通部27aの雌ねじ部27eにねじ込まれ、第2の保持部材26が第1の貫通部27aの内部に挿入された状態でインシュレータ27に固定されているとよい。
【0120】
第2の貫通部27bは、図20に示すように、第1の貫通部27aと連続し、第1の貫通部27aに対してY軸-側に配置されている。第2の貫通部27bの中心軸は、第1の貫通部27aの中心軸と略重なっているとよい。
【0121】
第2の貫通部27bは、図20に示すように、第1の部分27f及び第2の部分27gを備えている。第1の部分27fは、第2の部分27gに対してY軸+側に配置されている。第1の部分27fの直径は、例えば、ソケット端子24のフランジ部24dの外径に対して、小さいとよい。
【0122】
第2の部分27gの直径は、例えば、図20に示すように、第1の部分27fの直径に対して、大きいとよい。そのため、第1の貫通部27aと第2の貫通部27bの第2の部分27gとの間には、第2の貫通部27bの径方向内側に突出するフランジ部27hが配置されている。
【0123】
これにより、図20に示すように、第1の保持部材25のY軸-側の端部及び第2の保持部材26のY軸-側の端部をフランジ部27hのY軸+側の端部に接触させた状態で、第1の保持部材25及び第2の保持部材26を位置決めすることができる。このような第2の貫通部27bには、芯線30が挿入されている。このとき、芯線30は、インシュレータ27からY軸-側に突出しているとよい。
【0124】
被挿入部27cは、図14図15及び図20に示すように、インシュレータ27のY軸+側の端部に形成されており、ピンコネクタ23のインシュレータ35のY軸-側の端部が挿入される。被挿入部27cは、図17に示すように、Y軸方向から見て、第1の貫通部27aを囲むように配置されており、略円環形状の凹部である。
【0125】
溝部27dは、図18及び図20に示すように、沿面距離を稼ぐために、インシュレータ27の外周面に形成されている。溝部27dは、図17に示すように、インシュレータ27の周方向に延びており、Y軸方向に略等しい間隔で配置されている。
【0126】
樹脂部材28は、図20に示すように、インシュレータ27の第2の貫通部27bの内部に充填されている。樹脂部材28は、ソケット端子24及び芯線30を固定する。シェル29は、筒状部29a及びフランジ部29bを備えている。
【0127】
筒状部29aは、図17から図20に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。筒状部29aは、例えば、雄ねじ部29c及び被挿入部29dを備えている。雄ねじ部29cは、筒状部29aの外周面のY軸+側の部分に形成されている。雄ねじ部29cは、例えば、多条ネジであるとよい。
【0128】
被挿入部29dは、図14図15及び図20に示すように、筒状部29aのY軸+側の端部に形成されており、ピンコネクタ23の第3のシェル41のY軸-側の端部が挿入される。被挿入部29dは、Y軸方向から見て略円環形状であり、被挿入部29dの内周面を切り欠いた切り欠き部である。このとき、被挿入部29dには、例えば、図17及び図19に示すように、Y軸方向に延びる凹部29eが形成されているとよい。
【0129】
フランジ部29bは、図20に示すように、筒状部29aから径方向外側に突出している。フランジ部29bは、例えば、ソケットコネクタ22を電子機器の筐体に固定する際に用いることができる。このようなシェル29は、例えば、シェル29の内部にインシュレータ27が挿入された状態でインシュレータ27のY軸+側の部分に固定されている。
【0130】
図21は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た斜視図である。図22は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタをX軸+側から見た図である。図23は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタをY軸-側から見た図である。
【0131】
図24は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタの断面図である。図25は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピン端子、第1の保持部材及び第2の保持部材などをY軸-側から見た分解斜視図である。
【0132】
ピンコネクタ23は、図21から図24に示すように、ピン端子31、接触子32、第1の保持部材33、第2の保持部材34、インシュレータ35、付勢部材36、樹脂部材37、第1のシェル38、第2のシェル39、絶縁部材40、第3のシェル41、及び第4のシェル42を備えている。
【0133】
ピン端子31は、導電性の金属部材から成り、図24に示すように、柱状部31a、錐状部31b、筒状部31c、及びフランジ部31dを備えている。柱状部31aは、略円柱形状であり、Y軸方向に延びている。柱状部31aの直径は、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるソケット端子24の第1の被挿入部24eの内径に対して、小さい。
【0134】
錐状部31bは、図24及び図25に示すように、Y軸-側に向かうのに従って縮径する略円錐形状である。錐状部31bは、柱状部31aに対してY軸-側に配置されており、柱状部31aとY軸方向に連続している。錐状部31bのY軸+側の端部の外径は、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるソケット端子24の第1の被挿入部24eの内径と略等しいとよい。
【0135】
筒状部31cは、図24及び図25に示すように、柱状部31aのY軸+側の端部に配置されている。筒状部31cは、略円筒形状であり、柱状部31aからY軸+側に突出している。このとき、柱状部31aの中心軸と、錐状部31bの中心軸と、筒状部31cの中心軸と、は略重なるように配置されているとよい。筒状部31cには、配線43の芯線43aのY軸-側の端部が挿入された状態で電気的に接続されている。
【0136】
フランジ部31dは、図24及び図25に示すように、錐状部31bに対してY軸+側に配置されている。フランジ部31dは、柱状部31aから柱状部31aの径方向外側に突出しており、Y軸方向から見て略円環形状である。フランジ部31dの外径は、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるソケット端子24の第1の被挿入部24eの内径と略等しいとよい。
【0137】
ピン端子31におけるフランジ部31dのY軸+側の端部に対してY軸-側の部分のY軸方向の長さは、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるソケット端子24の第1の被挿入部24eのY軸方向の長さと略等しいとよい。
【0138】
接触子32は、図25に示すように、実施の形態1の接触子11と略等しい形状とされており、接触子32の内部にピン端子31の柱状部31aのY軸-側の部分が挿入された状態で、ピン端子31の錐状部31bとフランジ部31dとの間に配置されている。
【0139】
第1の保持部材(第1のピン側保持部材)33は、シリコンなどの絶縁性の弾性部材から成り、図24及び図25に示すように、ピン端子31の外周面を気密に覆う。第1の保持部材33は、例えば、ピン端子31におけるフランジ部31dのY軸+側の端部を含むY軸+側の部分を気密に覆うように、インサート成形によってピン端子31と一体的に形成されているとよい。
【0140】
第1の保持部材33は、図24及び図25に示すように、筒状部33a、フランジ部33b、及び延長部33cを備えている。筒状部33aは、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。
【0141】
筒状部33aの外径は、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22の第1の保持部材25の被挿入部25bの直径と略等しい。そして、筒状部33aのY軸-側の端面(即ち、第1の保持部材33のY軸-側の端面)33dは、図24及び図25に示すように、XZ平面と略平行に配置されている。
【0142】
フランジ部33bは、図24及び図25に示すように、筒状部33aのY軸+側の端部から筒状部33aの径方向外側に突出している。フランジ部33bは、Y軸方向から見て略円環形状である。フランジ部33bのY軸-側の端面33eは、例えば、Y軸+側に向かうのに従って拡径する略円錐面に形成されているとよい。
【0143】
フランジ部33bのY軸+側の端面33fは、例えば、図24及び図25に示すように、XZ平面と略平行に配置されているとよい。また、フランジ部33bのX軸+側の端部及びX軸-側の端部には、例えば、YZ平面と略平行な平坦面33gが形成されているとよい。
【0144】
延長部33cは、図24及び図25に示すように、略円筒形状であり、筒状部33aからY軸+側に突出している。延長部33cの外径は、例えば、筒状部33aの外径に対して、小さいとよい。
【0145】
このような筒状部33aの内周面及び延長部33cの内周面は、図24及び図25に示すように、ピン端子31の外周面におけるフランジ部31dのY軸+側の端部と筒状部31cとの間の部分と密着して気密構造を実現している。そのため、ピン端子31におけるフランジ部31dのY軸+側の端部に対してY軸-側の部分及びピン端子31の筒状部31cは、第1の保持部材33から露出している。
【0146】
第2の保持部材(第2のピン側保持部材)34は、絶縁性の樹脂部材から成る。第2の保持部材34は、例えば、図24及び図25に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。そして、第2の保持部材34の内周面は、第1の保持部材33の外周面におけるフランジ部33bのY軸+側の端部を含むY軸-側の部分と対応する形状とされている。
【0147】
第2の保持部材34は、図24に示すように、第1の保持部材33におけるフランジ部33bのY軸+側の端部を含むY軸-側の部分を覆うように第1の保持部材33が第2の保持部材34の内部に挿入された状態で、第1の保持部材33を保持している。
【0148】
このとき、第1の保持部材33のフランジ部33bのY軸+側の端部(即ち、フランジ部33bのY軸+側の端面33f)と第2の保持部材34のY軸+側の端部とは、Y軸方向において、略等しい位置に配置されている。そして、第1の保持部材33は、第2の保持部材34からY軸-側に突出している。
【0149】
第2の保持部材34の外周面には、例えば、図24に示すように、雄ねじ部34aが形成されているとよい。また、第2の保持部材34のY軸-側の端部には、図23に示すように、第2の保持部材34をインシュレータ35の第1の貫通部35aにねじ込んで固定する際の工具を挿入するための被挿入部34bが形成されているとよい。
【0150】
ここで、図26は、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタの第2の保持部材と付勢部材との係合構造を説明するための図である。第2の保持部材34のY軸+側の端部には、図26に示すように、第2の保持部材34のY軸-側の部分に比べて縮径された縮径部34cが形成されているとよい。
【0151】
縮径部34cには、図26に示すように、被係合部34dが形成されている。被係合部34dには、付勢部材36の係合部36cが係合されている。被係合部34dは、平坦部34e、被挿入部34f、及び凹部34gが形成されているとよい。
【0152】
平坦部34eは、図26に示すように、縮径部34cのX軸+側の端部及びX軸-側の端部を切り欠くように形成されている。平坦部34eは、YZ平面と略平行であり、X軸方向で対向している。
【0153】
被挿入部34fは、各々の平坦部34eに形成されており、図26に示すように、Z軸方向に延びる溝部である。被挿入部34fのZ軸+側の端部及びZ軸-側の端部は、開放されている。凹部34gは、被挿入部34fの底部に形成されており、各々の被挿入部34fにおいて、Z軸方向に間隔を開けて配置されている。凹部34gは、他方の被挿入部34fの側に凹んでいる。
【0154】
インシュレータ35は、絶縁性の樹脂部材から成る。インシュレータ35は、図24に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。インシュレータ35は、第1の貫通部35a、第2の貫通部35b、第1の被挿入部35c、及び第2の被挿入部35dを備えている。
【0155】
第1の貫通部35aの内部には、図24に示すように、ピン端子31並びに第1の保持部材33を保持する第2の保持部材34、及び配線43が挿入されている。第1の貫通部35aのY軸-側の部分の直径は、第2の保持部材34の外径と略等しい。
【0156】
第1の貫通部35aの周面のY軸-側の部分には、例えば、図24に示すように、雌ねじ部35eが形成されているとよい。そして、第2の保持部材34の雄ねじ部34aが第1の貫通部35aの雌ねじ部35eにねじ込まれ、第2の保持部材34が第1の貫通部35aの内部に挿入された状態でインシュレータ35に固定されているとよい。
【0157】
また、第1の貫通部35aには、図24に示すように、第1の段差部35f及び第2の段差部35gが形成されているとよい。第1の段差部35fは、第1の貫通部35aのY軸-側の部分に比べて直径が縮径する境界部分に配置されている。
【0158】
第2の段差部35gは、図24に示すように、第1の貫通部35aにおける第1の段差部35fを境に縮径された部分に比べて直径が拡径する境界部分に配置されている。第1の貫通部35aにおける第2の段差部35gに対してY軸+側の部分には、配線43における芯線43aを覆う誘電部材43bが配置されているとよい。
【0159】
第2の貫通部35bは、図24に示すように、第1の貫通部35aと連続し、第1の貫通部35aに対してY軸-側に配置されている。第2の貫通部35bの内部には、ピン端子31における第1の保持部材33と共に第2の保持部材34からY軸-側に突出する部分が配置されている。
【0160】
第2の貫通部35bには、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるインシュレータ27の被挿入部27cに対してインシュレータ27の径方向内側の部分が挿入される。このとき、インシュレータ35のY軸-側の端部は、ソケットコネクタ22のインシュレータ27の被挿入部27cに挿入される。
【0161】
第1の被挿入部35cは、図24に示すように、インシュレータ35のY軸-側に端部に配置されている。第1の被挿入部35cは、インシュレータ35の外周面におけるY軸-側の端部を切り欠いた切り欠き部であり、Y軸方向から見て略円環形状である。第1の被挿入部35cには、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22のインシュレータ27における被挿入部27cに対してインシュレータ27の径方向外側の部分が挿入される。
【0162】
第2の被挿入部35dは、図24に示すように、インシュレータ35のY軸+側の端部に配置されている。第2の被挿入部35dは、インシュレータ35の外周面におけるY軸+側の端部を切り欠いた切り欠き部であり、Y軸方向から見て略円環形状である。
【0163】
付勢部材36は、例えば、絶縁性の弾性部材から成る。付勢部材36は、例えば、図24に示すように、Y軸方向から見て略円環形状の板体であるとよい。付勢部材36は、インシュレータ35の第1の貫通部35aの内部に配置されている。
【0164】
そして、図24に示すように、第1の保持部材33の延長部33cが付勢部材36の内部に通された状態で、第1の保持部材33のフランジ部33b及び第2の保持部材34と、インシュレータ35の第1の貫通部35aの第1の段差部35fと、で挟み込まれている。
【0165】
このとき、付勢部材36と第2の保持部材34とは、第1の保持部材33のフランジ部33bを挟み込んでいる。これにより、ピン端子31及び第1の保持部材33のY軸方向の位置を拘束できると共に、第1の保持部材33がY軸+側に押し込まれた際に付勢部材36の弾性力によって第1の保持部材33をY軸-側に付勢することができる。
【0166】
付勢部材36は、詳細な機能は後述するが、複数の分割片に分割されているとよい。付勢部材36は、例えば、図26に示すように、第1の分割片36aと第2の分割片36bとに分割されているとよい。ここで、第1の分割片36aと第2の分割片36bとは、XY平面を対称面とする面対称の構成であるため、第1の分割片36aを代表して説明する。
【0167】
第1の分割片36aは、図26に示すように、Z軸方向において付勢部材36が半割りされて成り、係合部36cを備えている。係合部36cは、凹部36d、挿入部36e、及び凸部36fを備えている。凹部36dは、第1の分割片36aのY軸-側の端部に形成されており、Z軸方向に延びる溝部である。
【0168】
挿入部36eは、図26に示すように、X軸方向において、凹部36dのX軸+側の端部及びX軸-側の端部から夫々、凹部36dの内方の側に突出している。挿入部36eは、X軸方向で対向しており、Z軸方向に延びている。凸部36fは、X軸方向において、各々の挿入部36eから凹部36dの内方の側に突出している。
【0169】
このような第1の分割片36aは、Z軸+側から第1の分割片36aの凹部36dに第2の保持部材34の縮径部34cが挿入されると共に、第1の分割片36aの挿入部36eが第2の保持部材34の被挿入部34fに挿入された状態で、第1の分割片36aの凸部36fが第2の保持部材34の凹部34gに係合されることで、第2の保持部材34に固定されている。これにより、第1の分割片36aと第2の分割片36bとは、第1の保持部材33の延長部33cを囲んだ状態で固定されている。
【0170】
樹脂部材37は、図24に示すように、インシュレータ35の第1の貫通部35aの内部における付勢部材36に対してY軸+側の部分に充填されている。樹脂部材37は、ピン端子31、ピン端子31と配線43の芯線43aとの接続部、及び配線43におけるピン端子31との接続部に対してY軸+側の部分を固定する。
【0171】
第1のシェル38は、導電性の金属部材から成る。第1のシェル38は、図24に示すように、筒状部38a及びフランジ部38bを備えている。筒状部38aは、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。フランジ部38bは、筒状部38aのY軸+側の端部から筒状部38aの径方向内側に突出している。フランジ部38bは、Y軸方向から見て略円環形状である。
【0172】
第1のシェル38は、図24に示すように、インシュレータ35のY軸+側の部分を覆うように配置されている。このとき、第1のシェル38のフランジ部38bの内部に配線43が通されている。そして、第1のシェル38の筒状部38aは、インシュレータ35のY軸+側の部分を覆うように、インシュレータ35の第2の被挿入部35dに挿入されている。
【0173】
第2のシェル39は、導電性の金属部材から成る。第2のシェル39は、図24に示すように、筒状部39a及びフランジ部39bを備えている。筒状部39aは、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。フランジ部39bは、筒状部39aのY軸+側の端部から筒状部39aの径方向内側に突出している。フランジ部39bは、Y軸方向から見て略円環形状である。
【0174】
第2のシェル39は、図24に示すように、第1のシェル38を覆うように配置されている。このとき、第2のシェル39のフランジ部39bの内部に配線43が通されている。そして、第1のシェル38と第2のシェル39との間に配線43のグランドシールド43cが導電性のスペーサ44を介して挟み込まれ、グランド経路が形成されている。第2のシェル39の筒状部39aは、第1のシェル38からY軸-側に突出しており、例えば、突出する部分の内周面に雌ねじ部39cが形成されているとよい。
【0175】
絶縁部材40は、図14及び図24に示すように、配線43におけるグランドシールド43cを露出させるために絶縁部材43dを剥ぎ取った部分がピンコネクタ23から露出しないように、配線43の絶縁部材43dを剥ぎ取った部分を覆う。絶縁部材40は、絶縁部材40の内部に配線43が通された状態で、第2のシェル39のフランジ部39bの内部に通されている。
【0176】
ここで、例えば、図21及び図22に示すように、第2のシェル39のフランジ部39bからYZ平面と略平行な平坦部39dがY軸+側に突出しており、配線43を間にしてZ軸方向の両側に配置された平坦部39dに掛け渡された挟み込み部材45で絶縁部材40をX軸方向から挟み込んでいるとよい。これにより、配線43を第2のシェル39の強固に固定することができる。
【0177】
第3のシェル41は、導電性の金属部材から成る。第3のシェル41は、図24に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第3のシェル41は、インシュレータ35のY軸-側の部分を覆うように、インシュレータ35が第3のシェル41の内部に挿入された状態で、インシュレータ35にY軸回りに回転可能に保持されている。
【0178】
このとき、第3のシェル41のY軸-側の端部は、図24に示すように、Y軸方向において、インシュレータ35のY軸-側の端部と略等しい位置に配置されている。また、第3のシェル41のY軸+側の部分は、インシュレータ35と第2のシェル39の筒状部39aとの間に配置されている。
【0179】
ここで、第3のシェル41の外周面におけるY軸+側の部分には、例えば、図24に示すように、雄ねじ部41aが形成されているとよい。そして、第3のシェル41の雄ねじ部41aは、第2のシェル39の筒状部39aの雌ねじ部39cにねじ込まれているとよい。これにより、第3のシェル41を第2のシェル39に固定することができる。
【0180】
また、第3のシェル41の外周面におけるY軸-側の部分には、例えば、図21及び図23に示すように、ソケットコネクタ22のシェル29の凹部29eに挿入される凸部41bが形成されているとよい。凸部41bは、Y軸方向に延びている。
【0181】
第4のシェル42は、導電性の金属部材から成る。第4のシェル42は、図21及び図24に示すように、略円筒形状であり、Y軸方向に延びている。第4のシェル42の内径は、第3のシェル41の外径に対して大きい。そして、第4のシェル42の内周面には、図15に示すように、ソケットコネクタ22のシェル29の雄ねじ部29cがねじ込まれる雌ねじ部42aが形成されている。
【0182】
第4のシェル42は、図24に示すように、第3のシェル41における第2のシェル39からY軸-側に突出する部分を覆うように、第3のシェル41が第4のシェル42の内部に挿入された状態で、第3のシェル41にY軸回りに回転可能に保持されている。
【0183】
次に、本実施の形態のコネクタユニット21におけるソケットコネクタ22を組み立てる流れの一例を説明する。先ず、ソケット端子24の第2の筒状部24bに芯線30のY軸+側の端部を電気的に接続する。そして、ソケット端子24を第1の保持部材25にインサート成形によって一体的に形成し、ソケット端子24を第1の保持部材25で覆う。
【0184】
次に、第1の保持部材25を第2の保持部材26の内部に挿入し、第1の保持部材25を第2の保持部材26で覆う。そして、Y軸+側から芯線30をインシュレータ27の第1の貫通部27a及び第2の貫通部27bに通すと共に、第2の保持部材26の雄ねじ部26aをインシュレータ27の雌ねじ部27eにねじ込む。
【0185】
これにより、ソケット端子24、第1の保持部材25及び第2の保持部材26をインシュレータ27の第1の貫通部27aに挿入し、第1の保持部材25のY軸-側の端部及び第2の保持部材26のY軸-側の端部をインシュレータ27のフランジ部27hに接触させる。
【0186】
その結果、ソケット端子24、第1の保持部材25、第2の保持部材26、及び芯線30がインシュレータ27に固定される。このとき、工具を第2の保持部材26の被挿入部26bに挿入して、第2の保持部材26をねじ込むとよい。これにより、第2の保持部材26をインシュレータ27の第1の貫通部27aに簡単にねじ込んで固定することができる。
【0187】
なお、インシュレータ27には、予めシェル29が固定されているとよい。その後、樹脂部材28をインシュレータ27の第2の貫通部27bに充填することで、ソケットコネクタ22を組み立てることができる。
【0188】
次に、本実施の形態のコネクタユニットにおけるピンコネクタを組み立てる流れの一例を説明する。先ず、接触子32をピン端子31に通して固定し、ピン端子31の筒状部31cに配線43の芯線43aのY軸-側の端部を電気的に接続する。そして、絶縁部材40を介してピン端子31及び配線43を第2のシェル39のフランジ部39bの内部に通し、配線43の絶縁部材43dを剥ぎ取ってグランドシールド43cを露出させる。
【0189】
次に、ピン端子31、及び配線43の芯線43a並びに誘電部材43bを第1のシェル38のフランジ部38bの内部に通す。このとき、配線43のグランドシールド43cは、第1のシェル38と第2のシェル39との間に配置する。
【0190】
そして、第1のシェル38を第2のシェル39の内部に挿入し、スペーサ44を介して第1のシェル38と第2のシェル39とで配線43のグランドシールド43cを挟み込む。このとき、配線43の芯線43a及び誘電部材43bは、第1のシェル38及び第2のシェル39に対して、後述する工程を実施できるようにY軸-側に引き込んでおく。
【0191】
次に、ピン端子31、及び配線43の芯線43a並びに誘電部材43bをインシュレータ35の第1の貫通部35a及び第2の貫通部35bに通し、配線43の芯線43a及び誘電部材43bをインシュレータ35からY軸-側に露出させる。このとき、インシュレータ35には、第3のシェル41及び第4のシェル42が取り付けられているとよい。
【0192】
次に、ピン端子31を第1の保持部材33にインサート成形によって一体的に形成し、ピン端子31を第1の保持部材33で覆う。そして、第1の保持部材33を第2の保持部材34の内部に挿入し、第1の保持部材33を第2の保持部材34で覆う。
【0193】
次に、付勢部材36の第1の分割片36aの凹部36dをZ軸+側から第2の保持部材34の縮径部34cに挿入しつつ、第1の分割片36aの挿入部36eを第2の保持部材34の被挿入部34fに挿入する。そして、第1の分割片36aの凸部36fを第2の保持部材34の凹部34gに係合させて、第1の分割片36aを第2の保持部材34に固定する。
【0194】
同様に、付勢部材36の第2の分割片36bの凹部36dをZ軸-側から第2の保持部材34の縮径部34cに挿入しつつ、第2の分割片36bの挿入部36eを第2の保持部材34の被挿入部34fに挿入する。そして、第2の分割片36bの凸部36fを第2の保持部材34の凹部34gに係合させて、第2の分割片36bを第2の保持部材34に固定する。
【0195】
このように付勢部材36を分割構造とすることで、配線43が第1のシェル38及び第2のシェル39の内部に通され、且つピン端子31が第1の保持部材33にインサート成形された後であっても、ピン端子31がインサート成形された第1の保持部材33を付勢部材36で簡単に囲むことができる。これにより、第1の分割片36aと第2の分割片36bとは、第1の保持部材33の延長部33cを囲んだ状態で第2の保持部材34に固定されている。
【0196】
次に、配線43をY軸+側に引き込む。それと共に、ピン端子31、第1の保持部材33、第2の保持部材34、及び付勢部材36をインシュレータ35の第1の貫通部35aの内部及び第2の貫通部35bの内部に引き込みつつ、第2の保持部材34の雄ねじ部34aをインシュレータ35の雌ねじ部35eにねじ込み、付勢部材36のY軸+側の端部をインシュレータ35の第1の段差部35fに接触させる。
【0197】
ここで、工具を第2の保持部材34の被挿入部34bに挿入して、第2の保持部材34をねじ込むとよい。これにより、第2の保持部材34をインシュレータ35の第1の貫通部35aに簡単にねじ込んで固定することができる。
【0198】
このとき、第1の保持部材33のフランジ部33bは、付勢部材36と第2の保持部材34とで挟み込まれている。そして、付勢部材36は、第2の保持部材34とインシュレータ35の第1の段差部35fとで挟み込まれている。また、ピン端子31は、第1の保持部材33に固定されている。そのため、ピン端子31及び第1の保持部材33は、インシュレータ35に対して固定されている。
【0199】
このような状態で、樹脂部材37をインシュレータ35の第1の貫通部35aに充填する。このとき、ピン端子31及び第1の保持部材33は、上述のように、インシュレータ35に固定されているので、例えば、樹脂部材37が硬化するまでの間、ピン端子31及び第1の保持部材33がY軸方向に移動しないように治具などによって配線43を固定する必要がなく、ピン端子31を簡単に精度良く配置することができる。
【0200】
次に、配線43、及びピン端子31などが固定されたインシュレータ35をY軸+側に引き込む。それと共に、インシュレータ35のY軸+側の部分を第1のシェル38の内部に挿入しつつ、第3のシェル41の雄ねじ部41aを第2のシェル39の雌ねじ部39cにねじ込んで、第3のシェル41のY軸+側の部分をインシュレータ35と第2のシェル39との間に挿入する。
【0201】
その後、第2のシェル39における配線43を間にしてZ軸方向の両側に配置された平坦部39dに掛け渡された挟み込み部材45で絶縁部材40をX軸方向から挟み込んで、配線43を第2のシェル39に固定することで、ピンコネクタ23を組み立てることができる。
【0202】
次に、本実施の形態のコネクタユニット21のソケットコネクタ22とピンコネクタ23とを接続する流れを説明する。例えば、図14及び図15に示すように、ソケットコネクタ22におけるインシュレータ27の被挿入部27cに対してインシュレータ27の径方向内側の部分をピンコネクタ23におけるインシュレータ35の第2の貫通部35bに挿入しつつ、ソケットコネクタ22におけるインシュレータ27のY軸+側の部分をピンコネクタ23におけるインシュレータ35の第1の被挿入部35cに挿入する。
【0203】
それと共に、図14及び図15に示すように、ピンコネクタ23におけるインシュレータ35のY軸-側の部分をソケットコネクタ22におけるインシュレータ27の被挿入部27cに挿入しつつ、第3のシェル41のY軸-側の部分をソケットコネクタ22におけるシェル29の被挿入部29dに挿入する。
【0204】
このとき、ピンコネクタ23における第3のシェル41の凸部41bをソケットコネクタ22のシェル29の凹部29eに挿入する。これにより、ソケットコネクタ22とピンコネクタ23との相対的なY軸回りの変位を抑制することができる。
【0205】
そして、図14及び図15に示すように、ピンコネクタ23におけるピン端子31のY軸-側の部分及び接触子32をソケットコネクタ22におけるソケット端子24の第1の被挿入部24eに挿入する。
【0206】
また、図14及び図15に示すように、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端部をソケットコネクタ22における第1の保持部材25の被挿入部25bに挿入し、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dをソケットコネクタ22におけるソケット端子24のY軸+側の端面24gに接触させる。
【0207】
それと共に、図14及び図15に示すように、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dをソケットコネクタ22における第1の保持部材25の被挿入部25bのY軸-側の端面25cに接触させる。また、ピンコネクタ23の第1の保持部材33の筒状部33aの外周面をソケットコネクタ22の第1の保持部材25の被挿入部25bの周面に接触させる。
【0208】
このとき、ピンコネクタ23の第1の保持部材33は、弾性部材で構成されているため、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dがソケットコネクタ22におけるソケット端子24のY軸+側の端面24gに確実に密着して気密構造が実現される。
【0209】
それと共に、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dがソケットコネクタ22における第1の保持部材25の被挿入部25bのY軸-側の端面25cに確実に密着して気密構造が実現される。また、ピンコネクタ23の第1の保持部材33の筒状部33aの外周面がソケットコネクタ22の第1の保持部材25の被挿入部25bの周面に確実に密着して気密構造が実現される。
【0210】
そして、ソケットコネクタ22におけるソケット端子24の外周面は、第1の保持部材25によって気密に覆われて気密構造が実現され、ピンコネクタ23におけるピン端子31の外周面は、第1の保持部材33によって気密に覆われて気密構造が実現されている。
【0211】
次に、ピンコネクタ23の第4のシェル42を回転させて第4のシェル42の雌ねじ部42aをソケットコネクタ22におけるシェル29の雄ねじ部29cにねじ込むことで、ソケットコネクタ2とピンコネクタ3とを接続することができる。
【0212】
このとき、ピンコネクタ23において、付勢部材36がインシュレータ35の第1の段差部35fに反力をとって第1の保持部材33をY軸-側に付勢し、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dをソケットコネクタ22におけるソケット端子24のY軸+側の端面24gに接触させると共に、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dをソケットコネクタ22における第1の保持部材25の被挿入部25bのY軸-側の端面25cに接触させることができる。
【0213】
このように本実施の形態のコネクタユニット21も、上述の気密構造によって、ソケットコネクタ22とピンコネクタ23との接続状態での部分放電を抑制することができる。このとき、本実施の形態のコネクタユニット21は、ピンコネクタ23のピン端子31を保持する第1の保持部材33を弾性部材で構成している。
【0214】
そのため、特許文献1のコネクタユニット100に比べて、ソケットコネクタ22とピンコネクタ23との接続状態で、ソケット端子24及びピン端子31の周辺の気密構造を実現するために、ソケットコネクタ22の第1の保持部材25及びピンコネクタ23の第1の保持部材33の他にシールパッキンを用意する必要が無く、少ない部品点数でソケット端子24及びピン端子31の周辺の気密構造を実現可能である。これにより、本実施の形態のコネクタユニット21も、特許文献1のコネクタユニット100に比べて、小型化できると共に、安価に、しかも、簡単に製造することができる。
【0215】
特に、本実施の形態のコネクタユニット21において、付勢部材36が分割構造とされているので、ピン端子31がインサート成形された第1の保持部材33を付勢部材36で簡単に囲むことができる。
【0216】
しかも、本実施の形態のコネクタユニット21において、ピン端子31が固定された第1の保持部材33を付勢部材36と第2の保持部材34とで挟み込んでインシュレータ35に固定する場合、例えば、樹脂部材37が硬化するまでの間、ピン端子31及び第1の保持部材33がY軸方向に移動しないように治具などによって配線43を固定する必要がなく、ピン端子31を簡単に精度良く配置することができる。
【0217】
なお、本実施の形態のソケットコネクタ22及びピンコネクタ23の構成は例示であり、少なくとも、ピンコネクタ23の第1の保持部材33が弾性部材から成り、ソケットコネクタ22とピンコネクタ23とを接続した状態で、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dがソケットコネクタ22におけるソケット端子24のY軸+側の端面24gに接触すると共に、ピンコネクタ23における第1の保持部材33のY軸-側の端面33dがソケットコネクタ22における第1の保持部材25の被挿入部25bのY軸-側の端面25cに接触し、且つ付勢部材36が分割構造であればよい。
【0218】
また、本実施の形態のソケットコネクタ22及びピンコネクタ23を組み立てる流れは例示であり、組み立てる順番は限定されない。
【0219】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0220】
1 コネクタユニット
2 ソケットコネクタ
3 ピンコネクタ
4 ソケット端子、4a 第1の筒状部、4b 第2の筒状部、4c 隔壁部、4d フランジ部、4e 第1の被挿入部、4f 第2の被挿入部、4g 切り欠き部、4h ソケット端子のY軸+側の端面
5 保持部材、5a 雄ねじ部、5b 被挿入部、5c 被挿入部のY軸-側の端面、5d 平坦面
6 第1の配線、6a 導体
10 ピン端子、10a 柱状部、10b 錐状部、10c 筒状部、10d フランジ部、10e 被挿入部
11 接触子、11a 第1の筒状部、11b 第2の筒状部、11c 板バネ本体、11d 接点
12 保持部材、12a 筒状部、12b フランジ部、12c 筒状部のY軸-側の端面、12d 平坦面
13 キャップ、13a 筒状部、13b フランジ部、13c 被挿入部、13d 雌ねじ部、13e 凸部、13f 貫通孔
14 付勢部材
15 第2の配線、15a 導体
16 収縮チューブ
AX1 ソケット端子の第2の筒状部の中心軸
AX2 ソケット端子の第1の筒状部の中心軸
AX3 ピン端子の錐状部の中心軸
AX4 ピン端子の柱状部の中心軸
AX5 ピン端子の筒状部の中心軸
21 コネクタユニット
22 ソケットコネクタ
23 ピンコネクタ
24 ソケット端子、24a 第1の筒状部、24b 第2の筒状部、24c 隔壁部、24d フランジ部、24e 第1の被挿入部、24f 第2の被挿入部、24g ソケット端子のY軸+側の端面
25 第1の保持部材、25a 切り欠き部、25b 被挿入部、25c 被挿入部のY軸-側の端面
26 第2の保持部材、26a 雄ねじ部、26b 被挿入部
27 インシュレータ、27a 第1の貫通部、27b 第2の貫通部、27c 被挿入部、27d 溝部、27e 雌ねじ部、27f 第1の部分、27g 第2の部分、27h フランジ部
28 樹脂部材
29 シェル、29a 筒状部、29b フランジ部、29c 雄ねじ部、29d 被挿入部、29e 凹部
30 芯線
31 ピン端子、31a 柱状部、31b 錐状部、31c 筒状部、31d フランジ部
32 接触子
33 第1の保持部材、33a 筒状部、33b フランジ部、33c 延長部、33d 筒状部のY軸-側の端面、33e フランジ部のY軸-側の端面、33f フランジ部のY軸+側の端面、33g 平坦面
34 第2の保持部材、34a 雄ねじ部、34b 被挿入部、34c 縮径部、34d 被係合部、34e 平坦部、34f 被挿入部、34g 凹部
35 インシュレータ、35a 第1の貫通部、35b 第2の貫通部、35c 第1の被挿入部、35d 第2の被挿入部、35e 雌ねじ部、35f 第1の段差部、35g 第2の段差部
36 付勢部材、36a 第1の分割片、36b 第2の分割片、36c 係合部、36d 凹部、36e 挿入部、36f 凸部
37 樹脂部材
38 第1のシェル、38a 筒状部、38b フランジ部
39 第2のシェル、39a 筒状部、39b フランジ部、39c 雌ねじ部、39d 平坦部
40 絶縁部材
41 第3のシェル、41a 雄ねじ部、41b 凸部
42 第4のシェル、42a 雌ねじ部
43 配線、43a 芯線、43b 誘電部材、43c グランドシールド、43d 絶縁部材
44 スペーサ
45 挟み込み部材
100 コネクタユニット
101 基体、101a 有底筒状部
102 ピン端子
103 ピンコネクタ
104 基部、104a 保持筒
105 ソケット端子
106 ソケットコネクタ
107 シールパッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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