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特開2025-81234回転電気機械で使用される電気ブラシの電流分布を制御するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025081234
(43)【公開日】2025-05-27
(54)【発明の名称】回転電気機械で使用される電気ブラシの電流分布を制御するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20250520BHJP
   H02K 11/27 20160101ALI20250520BHJP
【FI】
H02K13/00 X
H02K11/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024182423
(22)【出願日】2024-10-18
(31)【優先権主張番号】18/493,929
(32)【優先日】2023-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クエイル、ポール オーガスト
(72)【発明者】
【氏名】ディサント、ジェイソン サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】バスカーク、エリック スティーブン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回転電気機械に使用される電気ブラシの電流分布を制御するシステム及び方法が開示される。
【解決手段】この方法は、複数の電気ブラシ40に電気的に接続され、外部源48と複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御する複数の抵抗器デバイスの配列54を使用することを含む。複数の抵抗器デバイスの配列は、回転電気機械が動作している間に、個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電気機械の回転シャフトに配置されるコレクタリング、
前記コレクタリングが前記回転シャフトと共に回転する場合に前記コレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシであって、前記複数の電気ブラシは、前記コレクタリングを通じて外部源と前記回転電気機械との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ、及び
前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御する複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)
を含む、システム。
【請求項2】
前記複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)は、前記複数の電気ブラシ(40)の間で電流を等しく分配するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスは、前記複数の電気ブラシ(40)のうちの異なる電気ブラシに電気的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の抵抗器デバイスのうちの一部の抵抗器デバイスは、1つのグループの異なる電気ブラシ(40)に電気的に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の抵抗器デバイスのうちの他の抵抗器デバイスは、前記グループ内の複数の電気ブラシのうちの1つの電気ブラシに通じるブラシ経路レグにおける各グループの異なる電気ブラシ(40)に配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の抵抗器デバイスは、固定抵抗器(56)、可変抵抗器(62)、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器(68)、及びそれらの組合せを含む群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、監視システム(80)を更に含み、前記監視システムは、前記抵抗器デバイスの抵抗を制御するために、前記複数の抵抗器デバイスに動作可能に結合された制御ユニットを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記複数の電気ブラシ(40)に分配される電流の量を測定するための複数の電流感知デバイス(82)を更に含み、前記複数の電流感知デバイスの各電流感知デバイスは、前記複数の抵抗器デバイスのうちの1つの抵抗器デバイスに配置され、前記1つの抵抗器デバイスの電流の量を測定する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記監視システム(80)の制御ユニットは、前記複数の電流感知デバイス(82)の各電流感知デバイスから電流測定値を受け取り、前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスの抵抗を、対応する電流感知デバイスによって測定された電流の量の関数として調整するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記外部源(48)及び前記複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)に電気的に接続された複数のスイッチ(88)の配列(86)を更に含み、前記複数のスイッチは、前記電気ブラシに供給される電流の平均電流密度を制御するために、前記回転電気機械(10)が動作している間、前記複数の電気ブラシ(40)を選択的に動作させる及び前記複数の電気ブラシ(40)の動作を選択的に停止するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気ブラシ(40)を流れる電流の平均電流密度を所定の電流密度範囲内に調整するために、前記複数のスイッチ(88)のうちの選択的なスイッチは、所定の時間の間、開く及び閉じることができ、前記複数の抵抗器デバイスは、各電気ブラシに流れる電流の量を指定の電流量に制御するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
回転電気機械(10)であって、
回転可能なシャフト(14)、
前記回転可能なシャフトに取り付けられた回転子本体であって、前記回転子本体は、前記回転子本体の周囲に固定されたコイルの複数の界磁巻線(18)を有する、回転子本体(12)、
前記可能なシャフトの一端部に配置された少なくとも1つのコレクタリング(32)、
前記少なくとも1つのコレクタリングが前記回転可能なシャフトと共に回転する場合、前記少なくとも1つのコレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシ(40)であって、前記複数の電気ブラシは、前記少なくとも1つのコレクタリングを通じて、外部源(48)と、前記回転子本体に固定されたコイルの界磁巻線との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ(40)、及び
前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間に流れる電流の分布を制御するための複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)
を含む、回転電気機械(10)。
【請求項13】
前記複数の抵抗器デバイスの配列(54、60、66、72、76)は、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ(40)及び/又はブラシの1つ又は複数のグループの間で電流を等しく分配するように構成されている、請求項12に記載の回転電気機械(10)。
【請求項14】
前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスは、前記複数の電気ブラシ(40)のうちの異なる電気ブラシに電気的に接続されている、請求項12に記載の回転電気機械(10)。
【請求項15】
回転電気機械(10)の回転シャフト(14)に配置されたコレクタリング(32)の表面に維持され、外部源(48)と回転電気機械との間に電流を流す複数の電気ブラシ(40)の電流密度を制御する方法であって、
前記複数の電気ブラシと前記外部源に電気的に接続されるように複数の抵抗器デバイスを配置するステップ、及び
複数の抵抗器デバイスを用いて、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御するステップであって、前記複数の抵抗器デバイスは、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の指定量を制御するように構成される、ステップ
を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、同時出願され、同時係属中で、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第18/493906号の発明の名称「SYSTEM AND METHOD FOR SELECTIVE ACTIVATION AND DEACTIVATION OF ELECTRICAL BRUSHES USED IN DYNAMOELECTRIC MACHINE FOR CURRENT DENSITY OPTIMIZATION」(Attorney Docket No.: 608596-US-1)に関し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態は、一般に、回転電気機械に関し、より具体的には、個々のブラシ又はブラシのグループの電流分布を制御するために、回転電気機械の回転シャフトに配置されるコレクタリングの表面に維持される電気ブラシと電気的に接続された抵抗器デバイスの配列を配置することに関する。
【背景技術】
【0002】
回転電気機械(例えば、発電機など)は、フェラスメタル材料で作ることができる回転子本体であって、軸受アセンブリを介してシャフトに回転可能に取り付けられた回転子本体を含んでいる。回転子本体の中間部を中心として円周方向に配置されているのは、回転子本体の中心から半径方向外側に延在する複数の軸方向に方向付けられたスロットであり、このスロットは、銅又はアルミニウムで作ることができるコイルの複数の界磁巻線を保持する。これらのコイルの界磁巻線は、スロットで固定された長手方向に方向付けられた中心巻線と、回転子本体の軸方向端部においてスロットから延在する複数の巻き数の端部巻線とを含むことができる。発電機のシャフトは、シャフトを回転させるように動作する原動機(例えば、ガスタービン又は蒸気タービンなど)用のカップリングを有する駆動端を含むことができる。原動機によりシャフトが回転すると、機械内に回転磁界が発生する。これにより、発電機の、回転子本体を囲む固定子の固定子巻線に一組の三相電圧が誘導される。シャフトの反対側の端部は、非駆動端と呼ぶことができ、コレクタリングを含んでいる。コレクタリングは、シャフトに搭載されており又はシャフトに取り付けられており、シャフトが回転するとシャフトと一緒に回転する。固定電気ブラシは、典型的には、ばねで荷重が掛けられており、リングがシャフトと共に回転する際にコレクタリングの表面に連続的に維持される。外部源からの電流は、電気ブラシを通じてコレクタリングに供給することができる。電流は、コレクタリングからシャフトの内部を通って回転子本体のコイルの界磁巻線に流れる。このように、電気ブラシからコレクタリングを通じてコイルの界磁巻線に流れる電流によって、回転電磁界を一定の極性に維持することができる。
【0003】
動作においては、電気ブラシは、外部源からの電流をコレクタリングに分配するマニホールドとして機能するように構成することができる。このようなマニホールド構成において、コレクタリングごとに使用できる電気ブラシの典型的な数は、例えば10~100の間の範囲である。外部源からコレクタリングまでの各個別のブラシ経路又はレグにおける抵抗が、他のレグと比較して少しでも異なると、全ての電気ブラシの間の電流の分流に影響を与える。一般に、各レグの抵抗には、レグの全体的な抵抗に寄与する複数の抵抗成分が含まれる。図1は、従来の構成による複数の電気ブラシ40を通じてコレクタリング32に電流を供給する外部源48とコレクタリング32との間に存在する抵抗成分を示している。各レグにおける主抵抗は、電気ブラシ40とコレクタリング32との間の滑り接触であり、図1において、滑り接触の接触抵抗はRcで示されている。接触抵抗Rcは、その性質上、非常に変動しやすい抵抗である。接触抵抗Rcの変動は、電気ブラシが低電流密度又は高電流密度で動作する場合に悪化する。これは、発電所が広範囲の負荷で運転するためにターンダウン能力を高めるにつれて、より一般的になっている。広範囲の負荷での運転は、典型的にはブラシの電流密度要件の範囲外である広範囲の界磁電流で動作することを必要とするからである。
【0004】
外部源48からコレクタリング32までの各レグの電気経路における他の抵抗成分であって、その性質上可変であり、電流の分布に影響を及ぼすと考えられる他の抵抗成分には、電気ブラシ40自体の抵抗と、外部源48からコレクタリング32までの経路に形成される電気的接続及び意図しない電気経路から生じる他の雑多な抵抗とが含まれる。図1では、電気ブラシ40の抵抗はRbとして示されており、雑多な抵抗はRmとして示されている。電気ブラシの抵抗Rbは、典型的には、動作中のブラシの温度と、ブラシが摩耗した際のブラシの長さとに反比例して変化する。雑多な抵抗Rmは、典型的には、発電機の運転中に電気ブラシを機械的に支持する必要性から生じる電気的接続及び意図しない電気経路から生じる。
【0005】
外部源48とコレクタリング32との間のレグに存在する全ての抵抗成分は、レグを流れる電流の分配又は分流に大きな影響を与える恐れがあり、一部の電気ブラシは電流がほとんどゼロになるが、他のブラシは、ブラシが取り扱うのに最適な平均電流値の2倍から3倍の電流を受ける恐れがある。このような電気ブラシ間の不均一な電流分布は、しばしば選択性と呼ばれ、ブラシの過熱、ブラシとコレクタリングとの間に形成される膜が不十分になる(膜形成は、ブラシの寿命を維持し、接触抵抗Rcの変動を最小限に抑えるために欠くことのできないものである)恐れがある。このような状態は、最終的にアーク放電につながり、その結果、重大なアーク損傷や部品の溶融が発生し、近くにいる作業者に安全上のリスクが生じる恐れがある。
【発明の概要】
【0006】
以下では、本明細書に記載される様々な実施形態の一部の態様の基本的な理解ができるように、開示される主題の簡略化された概要を提示する。本概要は、様々な実施形態の広範囲にわたる概要ではない。また、本概要は、特許請求の範囲に記載された特許請求された主題の主要な特徴又は本質的な特徴を排他的に特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定する際の助けになることを意図するものでもない。本概要の唯一の目的は、後に提示される更に詳細な記載の前段階として、簡素化された形態で本開示のいくつかの概念を提示することである。
【0007】
外部源からコレクタリングまでの個々のブラシ経路又はレグにおける抵抗の固有の変動から生じる前述の選択性の問題を回避する様々な実施形態によって提供される解決策は、外部源とブラシとの間の可変抵抗を除去するように、外部源と電気ブラシとの間に抵抗器デバイスの配列を提供することを含む。このようにして、抵抗器デバイスは、各レグの抵抗の変動を相殺することによって、外部源から個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御することができる。これにより、各電気ブラシに指定の電流を確実に流すことができる。一実施形態では、抵抗器デバイスを使用して外部源からの電流の量を制御し、等しい電流が分配されるように各電流ブラシを駆動することができる。受動的用途又は能動的用途のいずれかの用途において、様々な実施形態のいずれかの実施形態で使用することができる抵抗器デバイスは、固定抵抗器、可変抵抗器、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器、及びこれらの組合せを含む群から選択することができる。
【0008】
抵抗器の配列を使用することに加えて、実施形態では、電気ブラシに供給される電流の電流密度を制御するために、電気ブラシを選択的に動作させる及び電気ブラシの動作を選択的に停止するためのスイッチを配置することを含むことができる。例えば、電気ブラシに流れる電流の平均電流密度を所定の電流密度範囲内に調整するために、複数のスイッチのうちの選択されたスイッチを、所定の時間の間、開く及び閉じることができる。電気ブラシに供給される平均電流密度を調整するためにスイッチが配置される実施形態では、抵抗器デバイスを使用して、各電気ブラシが受け取る電流の量を指定の電流量に制御することができる。
【0009】
一実施形態によれば、システムが提供される。本システムは、回転電気機械の回転シャフトに配置されるコレクタリング、前記コレクタリングが前記回転シャフトと共に回転する場合に前記コレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシであって、前記複数の電気ブラシは、前記コレクタリングを通じて外部源と前記回転電気機械との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ、及び前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御する複数の抵抗器デバイスの配列であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列を含む。
【0010】
別の実施形態によれば、回転電気機械が提供される。回転電気機械は、回転可能なシャフト、前記回転可能なシャフトに取り付けられた回転子本体であって、前記回転子本体は、前記回転子本体の周囲に固定されたコイルの複数の界磁巻線を有する、回転子本体、前記可能なシャフトの一端部に配置された少なくとも1つのコレクタリング、前記少なくとも1つのコレクタリングが前記回転可能なシャフトと共に回転する場合、前記少なくとも1つのコレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシであって、前記複数の電気ブラシは、前記少なくとも1つのコレクタリングを通じて、外部源と、前記回転子本体に固定されたコイルの界磁巻線との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ、及び前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間に流れる電流の分布を制御するための複数の抵抗器デバイスの配列であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列を含む。
【0011】
更に別の実施形態によれば、回転電気機械の回転シャフトに配置されたコレクタリングの表面に維持され、外部源と回転電気機械との間に電流を流す複数の電気ブラシの電流密度を制御する方法を提供する。本方法は、前記複数の電気ブラシと前記外部源に電気的に接続されるように複数の抵抗器デバイスを配置するステップ、及び複数の抵抗器デバイスを用いて、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御するステップであって、前記複数の抵抗器デバイスは、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の指定量を制御するように構成される、ステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、図面を参照しながら、以下の非限定的な実施形態の記載を読むことにより、更に理解することができる。
図1】先行技術による複数の電気ブラシを介してコレクタリングに電流を供給する外部源とコレクタリングとの間に存在する全体的な抵抗を示す概略図である。
図2】先行技術による回転電気機械(発電機など)の等角図を示す。
図3図2に示されたような先行技術による発電機のコレクタリングに設置されたブラシ取付台又はコレクタ蹄鉄に設置された単一のブラシホルダ・リギングアセンブリの部分斜視図である。
図4図3に示されたような先行技術による発電機のコレクタリングの表面に連続的に維持される電気ブラシを介した、外部源と図2に示すような発電機の回転子本体のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示す。
図5】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示し、固定抵抗器の形態の抵抗デバイスの配列が外部源と電気ブラシとの間に接続されている。
図6】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示し、可変抵抗器の形態の抵抗デバイスの配列が外部源と電気ブラシとの間に接続されている。
図7】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示し、パワーエレクトロニクスベースの可変抵抗器の形態の抵抗デバイスの配列が外部源と電気ブラシとの間に接続されている。
図8】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示し、抵抗器の配列において、各抵抗器は電気ブラシのグループに電気的に接続されている。
図9】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図を示し、抵抗器の配列において、抵抗器の第1のセットは電気ブラシにつながるレグに配置され、抵抗器の第2のセットは外部源と電気ブラシのグループとの間に配置されている。
図10】本発明の一実施形態による図7に示す電気回路において、電気ブラシと抵抗器デバイスの電流とを監視する監視システムを有する電気回路の概略図である。
図11】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図であり、スイッチの配列は、外部源と電気ブラシとの間に配置される固定抵抗器の形態の抵抗器デバイスの配列と動作可能に結合されている。
図12】本発明の一実施形態による、外部源と発電機のコイルの複数の界磁巻線との間の電流の流れを示す電気回路の概略図であり、スイッチの配列は、外部源と電気ブラシとの間に配置される可変抵抗器の形態の抵抗器デバイスの配列と動作可能に結合されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して、以下に更に詳細に説明されるが、図面には、一部の実施形態が示されており、全ての実施形態が示されているわけではない。実際、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、これらの実施形態は、適用される法的要件を本開示が満たすように、提供されている。同種類の符号は、全体を通して同種類の要素を表している。
【0014】
本開示は、一般に、回転電気機械に関し、より具体的には、回転電気機械の回転シャフトに配置されたコレクタリングの表面に維持される電気ブラシとコレクタリングとの間に電流を流す外部源と電気的に接続する抵抗器デバイスの配列の配置に関する。動作においては、抵抗器デバイスは、外部源とブラシとの間の可変抵抗を除去するように構成されている。この点において、抵抗器デバイスは、回転電気機械が動作している間に、個々の電気ブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御することができる。これにより、各電気ブラシに指定の電流を確実に流すことができる。
【0015】
様々な実施形態は、発電機に関して記載されているが、これらの実施形態は、コレクタリングと、機械の動作中にコレクタリングに支えられて動く電気ブラシを利用する他の種類の回転電気機械にも適用可能であることが理解される。様々な実施形態が適用可能である他の回転電気機械の例としては、電気モータ及び交流機が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0016】
図を参照すると、図2は、従来技術による発電機10の等角図を示している。図2に示すように、発電機10は、フェラスメタル材料で作ることができる回転子本体12であって、軸受アセンブリ(図示せず)を介してシャフト14に回転可能に取り付けられた回転子本体12を含んでいる。回転子本体12の中間部分の周りに円周方向に配置されているのは、回転子本体の中心から半径方向外側に延在する複数の軸方向スロット16である。このスロットは、銅又はアルミニウムから製造されたコイルの複数の界磁巻線18を保持するために使用される。コイルの複数の界磁巻線は、スロット16内に固定された長手方向に整列した中心巻線20と、回転子本体12の軸方向端部24においてスロット16から延在する端部巻線22の巻き部とを含むことができる。
【0017】
発電機10のシャフト14は、シャフトを回転させるように動作するガスタービン又は蒸気タービンなどの原動機用のカップリング28を有する駆動端部26を含むことができる。原動機によりシャフトが回転すると、機械内に回転磁界が発生する。これにより、発電機10において、回転子本体12を囲む固定子の固定子巻線に三相電圧が誘導される。尚、図を分かりやすくする目的で、固定子と固定子巻線の両方は図示されていない。シャフト14の反対側の端部は、非駆動端部30と呼ぶことができ、シャフトに固定される又は取り付けられるコレクタリング32であって、シャフトが回転するにつれてシャフトと共に回転するコレクタリング32(例えば、スリップリングなど)と、一実施形態では発電機励磁システム又は別の実施形態では歯車減速ユニットを結合するために使用することができるカップリング34とを含む。ばねで荷重が加えられる固定電気ブラシ(図2には示されていない)は、リングがシャフト14と共に回転する際にコレクタリング32の表面上に連続的に維持される。外部源(発電機の励磁システムなど)からの電流は、電気ブラシを通じてコレクタリング32に供給することができる。コレクタリング32からの電流はシャフト14の内部を通って回転子本体12の界磁巻線18に流れる。このようにして、電気ブラシからコレクタリング32を経て界磁巻線18に流れる電流は、回転電磁界を固定極性に維持することができる。
【0018】
図3は、図2に示されているような先行技術による発電機のコレクタリング32に設置されたブラシ取付部又はコレクタ蹄鉄38に設置された単一のブラシホルダ・リギングアセンブリ36の部分斜視図を示している。図3には示されていないが、コレクタリング32は、発電機のシャフト及び回転子本体と共に回転する。明瞭にするために、図3には1つのブラシホルダ・リギングアセンブリ36のみが示されているが、より多くのリギングアセンブリをコレクタ蹄鉄38に取り付け、コレクタリング32の周囲に少なくとも部分的に分布させることができることが理解される。各ブラシホルダ・リギングアセンブリ36は、1つ又は複数の電気ブラシ40と、1つ又は複数のブラシ用の対応するブラシホルダ42と、固定支持部材44とを含むことができる。例えば、図3は、ブラシホルダ・リギングアセンブリ36が、ブラシホルダ42内に一対の電気ブラシ40を含むことができることを示している。電気ブラシ40は、典型的には、黒鉛のような炭素化合物のブロックであり、この炭素化合物のブロックは、電気を自由に通すことができ、コレクタリング32を摩耗させないように一般的に非常に低い摩擦を有している。ブラシホルダ42は、少なくとも軸方向及び円周方向において、ブラシホルダ42に収容されるブラシを保持する。一実施形態では、ブラシホルダ42は、1つ又は複数の電気ブラシを半径方向の下方に付勢してコレクタリング32の表面との接触が維持されるようにするブラシばねを使用することができる。固定支持部材44は、コレクタ蹄鉄38に電気的に接続するように構成されている。この点に関して、固定支持部材44は、導電性材料で作製される又は導電性材料を含み、更に、1つ又は複数のブラシに又は1つ又は複数のブラシから電流を流すための電気配線を有することができる。ブラシホルダ・リギングアセンブリ36は、コレクタ蹄鉄38にボルト又はネジで固定することができるが、他の固定方法、取付け方法などを利用してもよいことが理解される。ブラシホルダ・リギングアセンブリ36の詳細は周知であり、例えば米国特許第10,158,206号に開示されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
ブラシホルダ・リギングアセンブリ36の前述の説明は、発電機10の回転子本体12の界磁巻線18と発電機励磁システムとの間に電流を流すように動作しながら、リングがシャフト14と共に回転する際にコレクタリング32の表面に電気ブラシを連続的に維持するために使用することができる1つの構成のみを表すものであり、様々な実施形態の範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。当業者であれば、本明細書に記載された実施形態は、他の種類のブラシホルダ・リギングアセンブリを使用して実現できることを理解することができる。
【0020】
図4は、図3に示すような先行技術の発電機のコレクタリング32の表面に連続的に維持される電気ブラシ40を経由して、外部源48(発電機励磁システムなど)と、図2に示されている発電機10の回転子本体12のコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路46の概略図を示している。図4に示すように、発電機励磁システム48は、電源(例えば、直流(DC)源など)とすることができ、電気配線50を通じて電流の形態でブラシにDC電力を供給する。電気ブラシ40は、コレクタリング32に電流を与え、コレクタリング32はコイルの界磁巻線18に電流を供給する。この図に示すように、電気ブラシ40が動作可能に結合された一方のリング32は、外部源48の正極端子に接続され、ブラシ40が結合された他方のリング32は、外部源48の負極端子に接続される。この構成により、電気ブラシ40及びコレクタリング32からコイルの界磁巻線18に電流を流すことができるだけでなく、コイルの界磁巻線18からコレクタリング32及び電気ブラシ40を通じて外部源48に電流を流すこともできる。
【0021】
図4の概略図は、本明細書に開示された他の図の概略図と同様に、コレクタリング32ごとに4つの電気ブラシ40のみを示しており、4つの電気ブラシ40は、対応する並列経路を通じてリングに電流を供給するように構成されている。しかしながら、コレクタリングに動作可能に結合される更に多くの数のブラシを使用してもよいことが理解される。例えば、コレクタリング32ごとに10から100の並列経路の電気ブラシが存在するようにすることが可能である。
【0022】
図1に関して上述したように、電気回路46において、外部源48から電気ブラシ40を通ってブラシとコレクタリング32との間の接触面までの個々のブラシ経路又はレグの各々は、外部源からブラシまでの電流の分配に影響を与え得る固有の抵抗を有する。例えば、各レグは、電気ブラシ40とコレクタリング32の間の接触抵抗Rc、電気ブラシ自体の抵抗Rb、及び電気的接続部及び意図しない電気経路から生じる雑多な抵抗Rmを有しており、これらの全ての抵抗を合わせたものが、各レグの全体的な抵抗に寄与する。レグの抵抗が高い場合、当該レグの電気ブラシ40は、抵抗が低いレグのブラシと比較して、外部電源48から受け取る電流量が小さくなる。同様に、レグの抵抗が低い場合、当該レグの電気ブラシ40は、抵抗が高い脚のブラシと比較して、外部電源48から多量の電流を受け取る。各レグに固有の抵抗によって生じる、電気ブラシ40が受ける電流の不均衡によって、一部の電気ブラシに流れる電流はほとんどゼロになるが、他のブラシには、ブラシが取り扱うのに最適な平均電流値の2~3倍の電流が流れる。このような電気ブラシ間の不均一な電流分布、すなわち選択性は、ブラシが過大な電流を受けるため、ブラシの過熱につながる恐れがある。更に、このような電気ブラシ間の電流の不均一な分布によって、ブラシの寿命を維持し、接触抵抗Rcの大きな変動の影響を低減するために不可欠であるブラシとコレクタリングとの間の膜形成が不十分になってしまう恐れがある。図4に示す構成で発生し得る電気ブラシ40の選択性のこのような影響は、安全性及び操作上のリスク(例えば、重大なアーク損傷、部品の溶融、近くにいる作業者を危険にさらしてしまうこと)になるフラッシュオーバの原因となる。
【0023】
本明細書で記載される様々な実施形態は、例えば、電流の分配のバランスがとれるように各レグの抵抗を制御することができる抵抗器デバイス(例えば、バランス抵抗器デバイスなど)の配列を配置することによって、外部源48から電気ブラシ40を通ってブラシとコレクタリング32との間の接触面までのブラシ経路又はレグに生じる固有の抵抗の変動に対処する。このようにして、抵抗器の配列によって、様々な実施形態において、電気ブラシ40の間で電流を更に均等に分配することができる。その結果、抵抗器デバイスの配列により、様々な実施形態において、ブラシが、指定された量の電流を受けることができるように、個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御することができる。
【0024】
抵抗デバイスの配列は、いくつかの異なる場所に実装することができる。これらの場所としては、ブラシホルダ及びブラシホルダ・リギングアセンブリ(例えば、固定支持部材、又は電気配線を含むブラシホルダ・リギングアセンブリ内の他の構成要素(リギングアセンブリ内の電気配線、例えば、配線ピグテールを含む)が挙げられるが、これらの場所に限定されることはない。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態による、外部源48とコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路52の概略図であり、抵抗器デバイス56の配列54が外部源と電気ブラシとの間に接続されている。図5に示すように、抵抗器デバイス56は固定抵抗器を含むことができる。一実施形態では、固定抵抗器は、電気ブラシ40とコレクタリング32との間の接触抵抗Rcよりも大きい抵抗を有するように選択される。各レグの固定抵抗器の抵抗値を接触抵抗Rcよりも大きくすることにより、レグのレグ抵抗を、各レグの固有の抵抗の変動を克服する抵抗値に制御することができる。この点において、抵抗器デバイス56は、外部源48からの電流を、より均等に分流することができる。特に、各レグの固定抵抗器の抵抗値を接触抵抗Rcよりも大きくすることにより、電気ブラシ40間で電流をより均等に分配することができる。本明細書において、電流をより均等に分配するとは、電気ブラシがほぼ同じ電流を分配することであり(例えば、全ての電流値が10%以内に収まる)、不均等に分配する(例えば、一部のブラシには電流が流れないが、他のブラシには平均の2倍又はそれ以上の電流が流れる)ことと比較して対照的である。レグのレグ抵抗には依然として多少のばらつきが存在するが、固定抵抗器の抵抗を接触抵抗Rcよりも大きくすることによって、電気ブラシ40間で電流が十分に均等に分配される。
【0026】
固定抵抗器の抵抗値を選択することは、当業者の技術常識の範囲内であると理解され、様々な要因(例えば、レグの接触抵抗Rc、電気ブラシ抵抗Rb、及び雑多な抵抗Rm、並びに外部源48によって供給される電流であるが、これらに限定されることはない)によって決まるものである。一実施形態では、各レグの固定抵抗の抵抗を、全て同じ抵抗値とすることができる。固定抵抗の同じ抵抗値が、レグの他の抵抗源(例えば、Rc、Rb、及びRm)の抵抗の変動の割合が小さくなるように十分に大きい値である限り、抵抗の変動を克服することができ、電流が均等に分配される。
【0027】
同じ抵抗値を有する固定抵抗器を使用するには、レグの他の抵抗源の抵抗の変動を克服するのに十分な大きさの値を使用する必要があるため、図5の電気回路52のコレクタ32に損失が発生する恐れがある。コレクタにおける損失を回避するために、他の種類の平衡抵抗器デバイスの構成を利用することができる。例えば、固定抵抗器を使用する代わりに、可変抵抗器を配置することができる。
【0028】
図6は、外部電源48とコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路58の概略図を示し、可変抵抗器の形態の抵抗器デバイス62の配列60が外部源と電気ブラシ40との間に接続されている。可変抵抗器を使用すると、図6の抵抗器デバイス62の抵抗値は、必要に応じて、電気ブラシ40間で電流が確実に均等に分配されるように、調整することができる。一実施形態では、可変抵抗器は、各レグにおいて実質的に等しい抵抗値が得られるように調整することができる。本明細書において、「実質的に等しい抵抗値」とは、互いに10%以内の抵抗値であることを意味する。実質的に等しい抵抗値を得るように可変抵抗器を調整する能力を有することによって、図6の電気回路58は、より安定した電流を各個々の電気ブラシ40に供給することができる。
【0029】
一実施形態では、図6の電気回路58の可変抵抗器は、外部源48から各電気ブラシ40に指定された量の電流を供給するために、異なる抵抗値を有するように調整することができる。可変抵抗器を描写するために使用される矢印の位置は、抵抗器の抵抗値に関係していることに留意されたい。一般に、図6に示されている可変抵抗器において、ポインタが示す抵抗器の幅が広い場合、抵抗値が小さいことを表し、抵抗器の幅が狭い場合、抵抗値が大きいことを表す。例えば、ポインタが実質的に抵抗器の全幅を示す可変抵抗器は、抵抗がゼロであることを示している。
【0030】
電気ブラシ40の間で電流が更に均等に分配されるように、図6に示された可変抵抗器以外に他の種類の装置を利用して各レグの抵抗を調整できることが理解される。例えば、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器デバイスを外部源48と電気ブラシ40との間に接続し、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器デバイスを使用して、それぞれのブラシに流れるレグの電流が指定の電流量になるように、各レグの抵抗を調整することができる。一実施形態では、パワーエレクトロニクスベースの抵抗デバイスは、各ブラシに流れる電流が実質的に等しくなるように電流を分配することができる。別の実施形態では、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器デバイスは、各電気ブラシ40に指定量の電流を流すことができる。本明細書において、「パワーエレクトロニクスベースの抵抗器デバイス」とは、ブラシ経路のレグの抵抗値を指定するソリッドステートスイッチとして機能することができるパワーエレクトロニクスデバイスを意味する。パワーエレクトロニクスベースの抵抗デバイスを列挙すると、パワーダイオード、金属-酸化膜-半導体-電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、及びサイリスタ(例えば、シリコン制御整流器(SCR)、ゲートターンオフ(GTO)サイリスタ、及びMOS制御サイリスタ)が挙げられるが、これらは例示的であり、可能な全てのものが含まれているわけではない。
【0031】
図7は、外部源48とコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路64の概略図を示しており、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器68の形態の抵抗器デバイスの配列66が、外部源と電気ブラシ40との間に接続されている。図6に示された可変抵抗器と同様に、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器68は、ブラシ間の電流が均等に分流されるように、及び/又は各電気ブラシ40に指定量の電流が流れるように、各レグの抵抗を微調整する能力を有している。パワーエレクトロニクスベースの抵抗器68の配列66は、可変抵抗器と同様に損失を低減するという利点を有するが、サイズが小さいので、実装する場合に占めるスペースが小さくなると考えられる。
【0032】
図5図7に関して説明した実施形態は、抵抗器デバイスの配列を説明しており、各レグの抵抗器デバイスは、外部源48及び電気ブラシ40と直列に接続されているが、外部源、レグ、及びブラシに対して抵抗器デバイスの他の配列も考えられることを理解されたい。例えば、図8は、外部源48とコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路70の概略図を示し、抵抗器56の配列72は、各抵抗器が電気ブラシ40のグループに電気的に接続されている。図8に示すように、抵抗器56は固定抵抗器とすることができる。この実施形態では、配列72の各固定抵抗器56は、電気ブラシ40のグループに結合されている。特に、電気ブラシ40の特定のグループに対する各固定抵抗器56は、外部源48と、グループ内の対応する電気ブラシにつながるレグの並列経路とに直列に接続されている。この構成により、固定抵抗器56の抵抗値が、電気ブラシのそれぞれのグループの各電気ブラシ40の接触抵抗Rcの値よりも大きいとすると、固定抵抗器56は、各グループのブラシに向かう外部源48からの電流の流れを制御することができる。したがって、固定抵抗器56は、電気ブラシ40の各グループ間で電流が均等に分流されるように、外部源48からの電流を流すことができる。
【0033】
電気ブラシのグループの各電気ブラシ40に供給される電流を更に制御できるようにするため、固定抵抗器56の他の配列を、電気ブラシのグループの電気ブラシ40と接続する各レグに配置することができる。例えば、図9は、外部源48と発電機のコイルの複数の界磁巻線18との間に電流が流れる電気回路74の概略図を示しており、固定抵抗器56の追加の配列76が、ブラシの特定のグループにおける電気ブラシ40の各レグに配置されている。基本的に、図9に示す実施形態は段階的アプローチであり、段階的アプローチによって、抵抗器の配列72が、外部源48からの電流を電気ブラシ40の様々なグループ間に分配し、一方、固定抵抗器56の追加の配列76は、電気ブラシ40のグループによって分配される電流分布を制御して、分流された電流のどれだけの電流がグループ内の各ブラシに流れるかを管理するために使用される。このように、抵抗器の配列72は、各グループに流れる電流を均等に分配するための一次的制御を行い、固定抵抗器56の追加の配列76は、グループ内の各電気ブラシ40の間でグループが受け取る電流を均等に分配するための微細な二次的制御を行う。
【0034】
図8図9の両方は、4つの電気ブラシを含む電気ブラシ40のグループと接続された固定抵抗器56の配列72を示しているが、この構成は単に1つのアプローチを表すものに過ぎず、限定することを意図するものではない。例えば、固定抵抗器56の配列72は、4つより多い又は4つのより少ないブラシを含む電気ブラシ40のグループに接続することができる。また、固定抵抗器56の配列72を電気ブラシ40のグループに接続する代わりに、これらの抵抗器を複数対の電気ブラシに接続することも可能である。
【0035】
更に、図8及び図9は、両方とも、これらの実施形態で使用される抵抗器デバイスの配列が固定抵抗器であることを示しているが、当業者であれば、他の種類の抵抗器デバイスを配置できることを理解することに留意されたい。例えば、図8及び図9の固定抵抗器56は、上述した他の種類の抵抗器(例えば、可変抵抗器及びパワーエレクトロニクスベースの抵抗器は含まない)と置き換えることができる。
【0036】
図5図9に関して説明した実施形態は、抵抗器デバイスの配列であって、各実施形態における全ての抵抗器デバイスが同じ種類の抵抗器デバイスを含む抵抗器デバイスの配列を対象としているが、抵抗器デバイスの他の配列が、前述の抵抗器デバイスのうちのいずれかの抵抗器デバイスの組合せを含むことができることを理解されたい。すなわち、実施形態は、異なる抵抗器デバイスの配列を有し、抵抗デバイスは、固定抵抗器、可変抵抗器、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器、及びそれらの組合せを含む群から選択することができる。
【0037】
更に、上述したように、コレクタリングごとに、電気ブラシの10個~100個の並列経路が存在し得る。従って、図5図9に示された少ない経路数の図は、典型的な構成で配置することができる様々な全ての抵抗器デバイスを表しているわけではないことを理解されたい。更に、抵抗器デバイスの表現、及び個々のブラシ又はブラシのグループと接続するための抵抗器デバイスのペアリングのレベルは、幾つかの可能な選択肢のみを表すものであり、様々な実施形態を限定することを意味するものではない。
【0038】
別の実施形態では、電気ブラシ間の電流の分配を制御するための様々な抵抗器デバイスの配列を使用する場合、コレクタブラシ監視システムの一部として使用することができる。例えば、ブラシの磨耗及び温度、ならびにブラシに供給される電流量を監視する能力を有するコレクタブラシ監視システムは、様々な抵抗器デバイスに関する電流を監視するように構成することができ、ブラシ間で電流が分配される、及び/又は個々のブラシに指定量の電流が供給されるように、抵抗器デバイスの抵抗を調整することができる。
【0039】
図10は、電流感知デバイス82から得られる電流測定値に基づいて、回路の様々な抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスに関する電流を監視する監視システム80を有する電気回路78の概略図を示す。この実施形態では、電流感知デバイス82は、一実施形態ではパワーエレクトロニクスベースの抵抗器68を含むことができる各抵抗器デバイスに関する電流を測定する。電流感知デバイス(変流器及び電流センサを挙げることができるが、これらに限定されるものではない)は、好ましくは、外部源48とパワーエレクトロニクスベース抵抗器68との間に配置される。代替実施形態では、電流感知デバイス82は、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器68と電気ブラシ40との間に配置することができる。別の実施形態では、電流感知デバイス82は、外部源48と抵抗器デバイスとの間、及び抵抗器と電気ブラシとの間に配置することができる。
【0040】
これらの実施態様のいずれの実施形態においても、電流感知デバイス82は、監視システム80に、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器68に関する電気的測定値を提供することができる。監視システム80は、制御ユニットを含むことができ、電流測定値を監視し、測定値に基づいてパワーエレクトロニクス子ベースの抵抗器68の抵抗を自動的に調整し、電気ブラシ40の間で電流を分配する、及び/又は、指定量の電流が各ブラシに供給されるようすることができる。したがって、監視システム80の制御ユニットは、ブラシにおいて指定のブラシ電流が得られるように、様々なレグにおけるパワーエレクトロニクスベースの各抵抗器68に対して抵抗を微調整することができる。
【0041】
図10に示す実施形態は、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器を使用した場合に関して説明されているが、他の種類の調整可能な抵抗器デバイスをモニタリングシステムとともに配置して、抵抗器デバイスの抵抗を調整することができることを理解されたい。例えば、同種のモニタリングシステムにおいて、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器の代わりに、調整可能な可変抵抗器を使用することができる。
【0042】
更に、監視システム80は、電流感知デバイス82からの電流測定値を監視し、調整可能な抵抗器デバイスの抵抗を調整して、電気ブラシ40に電流を供給し、電気ブラシ40に流れる電流を調整することに加えて、追加機能を実行できることを理解されたい。例えば、監視システム80の制御ユニットは、複数の機能(外部源48からの電流の供給を制御すること、トリップや警告などができるように過大な電流測定値に対する保護限界を設定して監視すること、及び電気ブラシ40の摩耗を監視することを含むが、これらに限定されることはない)を実行することができる。
【0043】
図5図10に示されている様々な実施形態は、全ての実施形態が、抵抗器デバイスの少なくとも1つの配列を使用して電気ブラシ40の間で電流を均等に分担させる、及び/又は指定量の電流を個々のブラシ又はブラシのグループに流すことに関して説明されているが、他の電気部品を使用して、外部源48からブラシに供給される電流を制御することができる。例えば、外部源48と抵抗器デバイスとの間に、スイッチの配列を電気的に接続することができる。一実施形態では、スイッチの配列を使用して、最適な平均電流密度が電気ブラシ48に確実に供給されるようにすることができる。1つのシナリオでは、アクティブなブラシを流れる電流の平均電流密度を調整して、平均電流密度が所定の電流密度範囲内になるようにするために、所定の時間の間、単一の電気ブラシ、一対のブラシ、及びブラシのグループのうちの1つ以上を動作させる又はその動作を停止するように、スイッチをオン及びオフにすることができる。このようにして、選択的にブラシを動作させる又はその動作を停止させるためにスイッチをオン/オフすることによって、アクティブである全てのブラシを確実に最適な平均電流密度で動作させることができる。これにより、電気ブラシ40が高温になりすぎるのを防止することができ、したがって、ブラシに更に多くの電流が流れて熱くなり、電流が増加して更に加熱されることによってブラシが加速度的に摩耗することを防止することができる。
【0044】
最適な平均電流密度が電気ブラシに供給される場合、本明細書に記載される抵抗器の配列は、各電気ブラシ40に流れる電流量を更に制御し、最適な平均電流密度が電気ブラシに供給されることを補完する。特に、スイッチを使用して最適な平均電流密度がブラシに確実に供給されるようにした後で、抵抗器の配列によって、指定量の電流が電気ブラシに確実に供給されるようにすることができる。すなわち、抵抗器デバイスの配列によって、電気ブラシ間で電流を均等に分流させる、及び/又は、個々のブラシ又はブラシのグループに指定量の電流を供給することができる。
【0045】
図11は、本発明の一実施形態による、固定抵抗器56の配列54がスイッチ88の配列86及び電気ブラシ40と動作可能に結合された電気回路84の概略図を示す。一実施形態では、スイッチ88はオン/オフされ、ブラシを選択的に動作させる又は動作を停止するように構成され、アクティブである全てのブラシを確実に最適な平均電流密度で動作させる。上述したように、抵抗器56の配列54は、外部源48と電気ブラシ40との間の可変抵抗を除去するように構成されている。このようにして、抵抗器56の配列54は、指定量の電流が電気ブラシ40に確実に供給されるようにすることができる。すなわち、抵抗器デバイス56の配列54は、電気ブラシの間で電流を均等に分配することができる、及び/又は、個々のブラシ又はブラシのグループに指定量の電流が流れるようにすることができる。
【0046】
図11に示す固定抵抗器を使用する代わりに、可変抵抗器の配列を使用することができる。例えば、図12は、可変抵抗器デバイス62の配列60がスイッチの配列86及び電気ブラシ40と動作可能に結合された電気回路90の概略図を示す。図12に示されたスイッチ及び抵抗器の配列は、図11に関して説明した実施形態と同様の方法で動作することができる。
【0047】
外部源48から電気ブラシ40までの電流の供給を制御するためにスイッチの配列を使用する詳細については、発明の名称「SYSTEM AND METHOD FOR SELECTIVE ACTIVATION AND DEACTIVATION OF ELECTRICAL BRUSHES USED IN DYNAMOELECTRIC MACHINE FOR CURRENT DENSITY OPTIMIZATION」(Attorney Docket番号:608596-US-1)の米国特許出願第18/493906号に記載されており、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
本明細書に提示された図示された実施形態の説明から、主題の開示は、回転電気機械(発電機など)に配置されたコレクタリングに動作可能に結合された電気ブラシに均一な電流分布が供給され、それによって機械の性能を向上させる効果的な解決策を述べていることが明らかである。電気ブラシに均一な電流分布が供給されることによって、様々な実施形態において、選択性の懸念を除去する又は最小化することができる(選択性は、ブラシの過熱につながり、ブラシとコレクタリングとの間に十分な膜を形成することを難しくする(膜形成は、ブラシの寿命を維持し、接触抵抗Rcの変動を最小限に抑えるために欠くことのできないものである))。選択性の懸念がなくなることで、安全性と操作上のリスク(例えば、重大なアーク損傷、部品の溶融、近くのオペレータを危険にさらすこと)を生じさせるフラッシュオーバを回避することができる。
【0049】
本開示の例示された実施形態の上記の説明は、要約書に記載されたものを含めて、可能な全ての実施形態を含むことを意図するものではなく、開示された実施形態を開示されたそのものに限定することを意図するものでもない。具体的な実施形態及び実施例が例示目的で本明細書に記載されているが、当業者であれば認識できるように、そのような実施形態及び実施例の範囲内とみなされる様々な修正が可能である。例えば、異なる実施形態からの部品、構成要素、ステップ、及び態様は、本開示に記載されておらず図示もされていないとしても、他の実施形態で組み合わせることができる、又は他の実施形態での使用に適している場合もある。したがって、本明細書に含まれる発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上述の発明において特定の変更を加えることができるため、図面に示される上述の説明の全ての主題は、本明細書において発明の概念を示す単なる例として解釈され、本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが意図される。
【0050】
この点に関して、開示された主題は、様々な実施形態及び対応する図とともに説明されてきたが、該当する場合には、他の類似の実施形態を使用して、又は記載された実施形態に修正及び追加を行って、開示された主題から逸脱することなく、開示された主題の同一の機能、類似の機能、代替の機能、又は置き換えられた機能を実行することができることを理解すべきである。したがって、開示された主題は、本明細書に記載された任意の単一の実施形態に限定されるべきではなく、その広さ及び範囲については特許請求の範囲に従って解釈されるべきである。例えば、本発明の「一実施形態」に対して言及されていることは、列挙された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0051】
特許請求の範囲において、「including」及び「in which」という用語は、それぞれの用語「comprising」及び「wherein」の平易な英語の等価物として使用される。更に、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」、「上」、「下」、「底」、「頂」などの用語は、単にラベルとして使用され、その用語の対象に数値的要件及び位置的要件を課すことを意図するものではない。「実質的に」、「一般的に」、及び「約」という用語は、構成要素又はアセンブリの機能的な目的を達成するのに適した理想的な所望の条件に対して、合理的に達成可能な製作公差内及び組立公差内の条件を示すものである。更に、請求項の限定が、更なる構造の記載を有していない機能の記述の前に「手段」が記載されるフレーズが明示的に使用されていない限り、及び他の構造の記載を有していない機能の記述の前に「手段」が記載されるフレーズが明示的に使用されるまで、請求項の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記載されておらず、また、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で記載されていると解釈されることを意図するものではない。
【0052】
以上説明してきたことは、開示された主題を示したシステム及び方法の例を含む。もちろん、構成要素又は方法論のすべての組み合わせを本明細書で説明することは不可能である。当業者であれば、請求項に記載された主題の他の多くの組み合わせ及び並替えが可能であることを認識することができる。更に、「含む、有する、備える(includes)」、「含む、有する、備える(has)」、「所有する(possesses)」などの用語が、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、付属書類、及び図面において使用される場合、このような用語は、「含んでいる、有している、備えている(comprising)」という用語が請求項において移行語として使用されるときに解釈されるのと同様に包括的なものであることが意図される。すなわち、反対のことが明示的に記載されていない限り、特定の特性を有する単一の要素又は複数の要素を「含んでいる、有している、備えている(comprising)」、「含んでいる、有している、備えている(including)」、又は「含んでいる、有している、備えている(having)」実施形態は、その特性を有していない追加の要素を含むことができる。更に、本明細書及び図面で使用される冠詞「1つ(a)」及び「1つ(an)」は、別段の定めがない限り、又は文脈から単数形であることが明らかでない限り、一般には、「1つ又は複数」を意味すると解釈されるべきである。更に、幾つかの可能な選択肢又は記載の後に使用される「のうちの1つ以上」という語句は、自然な包括的順列のいずれかを意味することが意図される。例えば、「A及びBのうちの1つ以上」は、Aのみ、Bのみ、及びAとBとの両方、を満たす。
【0053】
本明細書は、実施例を使用して、本発明のいくつかの実施形態(最良の形態を含む)を開示するものであり、また、当業者が、本発明の実施形態を実施すること(任意の装置又はシステムを製造及び使用すること並びに組み込まれた方法を実行することを含む)をできるようにするものである。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思いつく他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、当該他の実施例が請求項の字義通りの文言と異なっていない構造要素を有する場合、又は当該他の実施例が請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0054】
本発明のさらなる態様は、以下の実施形態によって提供される。
[実施形態1]
回転電気機械の回転シャフトに配置されるコレクタリング、前記コレクタリングが前記回転シャフトと共に回転する場合に前記コレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシであって、前記複数の電気ブラシは、前記コレクタリングを通じて外部源と前記回転電気機械との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ、及び前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御する複数の抵抗器デバイスの配列であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の流量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列を含む、システム。
[実施形態2]
前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記複数の電気ブラシの間で電流を等しく分配するように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
[実施形態3]
前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスは、前記複数の電気ブラシのうちの異なる電気ブラシに電気的に接続されている、実施形態1又は2に記載のシステム。
[実施形態4]
前記複数の抵抗器デバイスのうちの一部の抵抗器デバイスは、異なる複数の電気ブラシの1つのグループに電気的に接続されている、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態5]
前記複数の抵抗器デバイスのうちの他の抵抗器デバイスは、前記グループ内の複数の電気ブラシのうちの1つの電気ブラシに通じるブラシ経路レグにおける各グループの異なる電気ブラシに配置されている、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態6]
前記複数の抵抗器デバイスは、固定抵抗器、可変抵抗器、パワーエレクトロニクスベースの抵抗器、及びそれらの組合せを含む群から選択される、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態7]
前記システムは、監視システムを更に含み、前記監視システムは、前記抵抗器デバイスの抵抗を制御するために、前記複数の抵抗器デバイスに動作可能に結合された制御ユニットを有する、実施形態1~6のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態8]
前記システムは、前記複数の電気ブラシに分配される電流の量を測定するための複数の電流感知デバイスを更に含み、前記複数の電流感知デバイスの各電流感知デバイスは、前記複数の抵抗器デバイスのうちの1つの抵抗器デバイスに配置され、前記1つの抵抗器デバイスの電流の量を測定する、実施形態1~7のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態9]
前記監視システムの制御ユニットは、前記複数の電流感知デバイスの各電流感知デバイスから電流測定値を受け取り、前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスの抵抗を、対応する電流感知デバイスによって測定された電流の量の関数として調整するように構成されている、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態10]
前記システムは、前記外部源及び前記複数の抵抗器デバイスの配列に電気的に接続された複数のスイッチの配列を更に含み、前記複数のスイッチは、前記電気ブラシに供給される電流の平均電流密度を制御するために、前記回転電気機械が動作している間、前記複数の電気ブラシを選択的に動作させる及び前記複数の電気ブラシの動作を選択的に停止するように構成されている、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態11]
前記電気ブラシを流れる電流の平均電流密度を所定の電流密度範囲内に調整するために、前記複数のスイッチのうちの選択的なスイッチは、所定の時間の間、開く及び閉じることができ、前記複数の抵抗器デバイスは、各電気ブラシに流れる電流の量を指定の電流量に制御するように構成されている、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載のシステム。
[実施形態12]
回転電気機械であって、回転可能なシャフト、前記回転可能なシャフトに取り付けられた回転子本体であって、前記回転子本体は、前記回転子本体の周囲に固定されたコイルの複数の界磁巻線を有する、回転子本体、前記可能なシャフトの一端部に配置された少なくとも1つのコレクタリング、前記少なくとも1つのコレクタリングが前記回転可能なシャフトと共に回転する場合、前記少なくとも1つのコレクタリングの表面に維持される複数の電気ブラシであって、前記複数の電気ブラシは、前記少なくとも1つのコレクタリングを通じて、外部源と、前記回転子本体に固定されたコイルの界磁巻線との間に電流を流すように構成されている、複数の電気ブラシ、及び前記複数の電気ブラシに電気的に接続され、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間に流れる電流の分布を制御するための複数の抵抗器デバイスの配列であって、前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の量を制御するように構成されている、複数の抵抗器デバイスの配列を含む、回転電気機械。
[実施形態13]
前記複数の抵抗器デバイスの配列は、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループの間で電流を等しく分配するように構成されている、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態14]
前記複数の抵抗器デバイスの各抵抗器デバイスは、前記複数の電気ブラシのうちの異なる電気ブラシに電気的に接続されている、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態15]
前記複数の抵抗器デバイスのうちの一部の抵抗器デバイスは、異なる複数の電気ブラシのグループに電気的に接続されている、実施形態1~14のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態16]
前記複数の抵抗器デバイスは、固定抵抗器、可変抵抗器、パワーエレクトロニクスの抵抗器、及びそれらの組合せを含む群から選択される、実施形態1~15のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態17]
前記回転電気機械は、前記複数の電気ブラシに分配される電流の量を測定するための複数の電流感知デバイスと、前記複数の電流感知デバイスによって測定される電流の量の関数として前記抵抗器デバイスの抵抗を制御する制御ユニットを有する監視システムと、を含む、実施形態1~16のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態18]
前記回転電気機械は、前記外部源及び前記複数の抵抗器デバイスの配列に電気的に接続された複数のスイッチの配列を更に含み、前記複数のスイッチは、前記電気ブラシに供給される電流を制御するために、前記回転子本体が回転している間、前記複数の電気ブラシを選択的に動作させる及び前記複数の電気ブラシの動作を選択的に停止するように構成されている、実施形態1~17のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態19]
回転子本体が回転している間、前記電気ブラシを流れる電流の平均電流密度を所定の電流密度範囲内に調整するために、前記複数のスイッチのうちの選択的なスイッチは、所定の時間の間、開く及び閉じることができ、前記複数の抵抗器デバイスは、各電気ブラシが受け取る電流の量を指定の電流量に制御するように構成されている、実施形態1~18のうちのいずれかの実施形態に記載の回転電気機械。
[実施形態20]
回転電気機械の回転シャフトに配置されたコレクタリングの表面に維持され、外部源と回転電気機械との間に電流を流す複数の電気ブラシの電流密度を制御する方法であって、前記複数の電気ブラシと前記外部源に電気的に接続されるように複数の抵抗器デバイスを配置するステップ、及び複数の抵抗器デバイスを用いて、前記外部源と前記複数の電気ブラシとの間の電流の分布を制御するステップであって、前記複数の抵抗器デバイスは、前記回転電気機械が動作している間に、前記複数の電気ブラシのうちの個々のブラシ及び/又はブラシの1つ又は複数のグループに分配される電流の指定量を制御するように構成される、ステップを含む、方法。
【符号の説明】
【0055】
10 発電機
12 回転子本体
14 シャフト
18 界磁巻線
20 中心巻線
22 端部巻線
24 軸方向端部
26 駆動端部
28 カップリング
30 駆動端部
34 カップリング
36 ブラシホルダ・リギングアセンブリ
38 コレクタ蹄鉄
42 ブラシホルダ
44 固定支持部材
46 電気回路
50 電気配線
52 電気回路
54 配列
58 電気回路
60 配列
64 電気回路
66 配列
70 電気回路
72 配列
74 電気回路
76 配列
78 電気回路
80 監視システム
82 電流感知デバイス
84 電気回路
86 配列
88 スイッチ
90 電気回路


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】