(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008156
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】マルチユニット
(51)【国際特許分類】
H04N 21/61 20110101AFI20250109BHJP
【FI】
H04N21/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110089
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000113665
【氏名又は名称】マスプロ電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】板倉 和寿
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕介
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164GA09
5C164TA22P
5C164TA23S
(57)【要約】
【課題】省スペースであり配線が容易なマルチユニットを提供する。
【解決手段】ブースター10は、ブースター入力端子12,13、及びブースター出力端子15がいずれも、ブースター端子面11aに形成される。分配器20は、分配器分配器入力端子22、及び複数の分配器分配器出力端子23がいずれも、分配器端子面21aに形成される。連結部40は、ブースター端子面11a及び分配器端子面21aが同一方向を向くようにブースター10及び分配器20を保持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を増幅して出力するように構成されたブースターと、
前記ブースターにて増幅された信号を複数に電力分配して出力するように構成された分配器と、
外部電源から電力供給を受けて前記ブースターに供給する直流電力を生成するように構成された電源部と、
前記ブースター、前記分配器、及び前記電源部を一体に保持するように構成された連結部と、
を備え、
前記ブースターは、直方体状に形成されたブースターケースの1つの面をブースター端子面として、前記入力信号を入力するブースター入力端子が前記ブースター端子面に形成され、
前記分配器は、直方体状に形成された分配器ケースの1つの面を分配器端子面として、当該分配器にて電力分配された複数の信号を出力する複数の分配器出力端子の少なくとも一つが前記分配器端子面に形成され、
前記連結部は、
前記電源部を保持するように構成された電源保持部と、
前記ブースターを保持するように構成されたブースター保持部と、
前記分配器を保持するように構成された分配器保持部と、
を備え、
前記ブースター保持部及び前記分配器保持部は、前記ブースター端子面及び前記分配器端子面が同一方向を向くように前記ブースター及び前記分配器を保持するように構成された、
マルチユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチユニットであって、
前記ブースター保持部は、前記ブースター端子面が形成された側の端部とは反対側の端部にて、前記ブースターを回動自在に支持するように構成された、
マルチユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のマルチユニットであって、
当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、
前記分配器保持部は、前記取付面に直交した状態と前記取付面に平行な状態との間で回動自在となるよう前記分配器を支持するように構成された、
マルチユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のマルチユニットであって、
前記分配器は、前記分配器端子面とは反対側の面から突出する1つ以上の補強突起を備え、
前記連結部は、前記分配器を回動させたときに前記補強突起が移動する経路に沿って形成されたガイド部を備える
マルチユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のマルチユニットであって、
当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、
前記ブースター保持部は、前記電源保持部に保持された前記電源部を挟んで前記取付面とは反対側に、或いは、前記電源保持部に保持された前記電源部と前記取付面との間に、前記ブースターを保持するように構成された、
マルチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブースター及び分配器を一体化したマルチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ共同受信システムでは、点検や保守、改修工事などを行い易いように、受信システムの機器及びインターネットなどの通信機器を一ヶ所に集中させて設置する情報分電盤が設けられている。
【0003】
情報分電盤には、外部から受信したテレビ信号等を増幅するブースター、ブースターにて増幅された信号を、各戸に分配するために電力分配する分配器等が設置される。情報分電盤は、ボックスに収納されるため、情報分電盤に設置される機器間の配線を、ボックス内の狭い空間で行う必要がある。
【0004】
下記特許文献1には、ブースターのケースにおいて、入力端子及び出力端子が設けられた面とは異なる面に分配器を取り付け、ブースターの入力端子と、分配器の出力端子とが直交配置されるように一体化したマルチユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、ブースターと分配器とで端子の方向が異なるため、情報分電盤内での配線が複雑になり、配線作業に手間を要するだけでなく、配線のためのスペースが無駄に必要となるという問題があった。
【0007】
本開示の1つの局面は、省スペースであり配線が容易なマルチユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、マルチユニットであって、ブースターと、分配器と、電源部と、連結部と、を備える。ブースターは、入力信号を増幅して出力するように構成される。分配器は、ブースターにて増幅された信号を複数に電力分配して出力するように構成される。電源部は、外部電源から電力供給を受けてブースターに供給する直流電力を生成するように構成される。連結部は、ブースター、分配器、及び電源部を一体に保持するように構成される。
【0009】
ブースターは、直方体状に形成されたブースターケースの1つの面をブースター端子面として、入力信号を入力するブースター入力端子がブースター端子面に形成される。
【0010】
分配器は、直方体状に形成された分配器ケースの1つの面を分配器端子面として、当該分配器にて電力分配された複数の信号を出力する複数の分配器出力端子の少なくとも一つが分配器端子面に形成される。
【0011】
連結部は、電源保持部と、ブースター保持部と、分配器保持部と、を備える。電源保持部は、電源部を保持するように構成される。ブースター保持部は、ブースターを保持するように構成される。分配器保持部は、分配器を保持するように構成される。ブースター保持部及び分配器保持部は、ブースター端子面及び分配器端子面が同一方向を向くようにブースター及び分配器を保持するように構成される。
【0012】
このような構成によれば、ブースター端子面と分配器端子面とが同一方向を向くように配置されているため、各端子への配線を含めて、当該マルチユニットが固定される固定対象物(例えば、情報分電盤)内での製品投影面積を小さくでき、限られた収納スペースを有効利用することができる。
【0013】
本開示の一態様では、ブースター保持部は、ブースター端子面が形成された側の端部とは反対側の端部にて、ブースターを回動自在に支持するように構成されてもよい。
このような構成によれば、ブースターを配線作業が容易な角度にすることができ、作業性を向上させることができる。
【0014】
本開示の一態様では、当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、分配器保持部は、分配器端子面が取付面に直交した状態と取付面に平行な状態との間で回動自在となるよう分配器を支持するように構成されてもよい。
【0015】
このような構成によれば、分配器を配線作業が容易な角度にすることができ、作業性を向上させることができる。
本開示の一態様では、分配器は、分配器端子面とは反対側の面から突出する1つ以上の補強突起を備えてもよい。連結部は、分配器を回動させたときに補強突起が移動する経路に沿って形成されたガイド部を備えてもよい。
【0016】
このような構成によれば、分配器が回動するときのガタつきを抑制できる。また、分配器への配線時等に回動方向とは異なる方向の不要なトルクが、各部に加わることを抑制できるため、装置の耐久性を向上させることができる。
【0017】
本開示の一態様では、当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、ブースター保持部は、電源保持部に保持された電源部を挟んで取付面とは反対側に、或いは、前記電源保持部に保持された前記電源部と前記取付面との間に、ブースターを保持するように構成されてもよい。
【0018】
このような構成によれば、当該マルチユニットの固定対象物への投影面積を小さくすることができ、固定対象物内の空間を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】情報分電盤における各機器の配置を例示する説明図である。
【
図2】情報分電盤用マルチユニットの全体構成を示す斜視図である。
【
図7】連結部の電源保持部に電源部を保持した状態を示す斜視図である。
【
図8】連結部にブースターを着脱するための構造を示す説明図である。
【
図9】連結部に装着されたブースターを、収納位置に保持するための構造を示す説明図である。
【
図10】連結部に装着されたブースターの使用方法を示す説明図である。
【
図11】連結部への分配器の着脱方法、及び連結部に装着された分配器の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.全体構成]
本実施形態の情報分電盤用マルチユニット(以下、マルチユニット)1は、
図1に示すように、集合住宅の情報分電盤100に取り付けて使用され、共同受信する信号を増幅して分配する機器である。情報分電盤100には、マルチユニット1以外に、電源コンセント2、HUB3、及び電源ユニット4等が収納されてもよい。情報分電盤100に設置された機器に接続される信号線は、情報分電盤100に設けられた配線孔101を介して導入、又は導出される。なお、
図1に示す情報分電盤100は、マルチユニット1等の機器が取り付けられる機器取付面100aの全体を覆うように構成された箱状のカバーを取り外した状態を示す。
【0021】
図2~
図7に示すように、マルチユニット1は、ブースター10と、分配器20と、電源部30と、連結部40とを備える。
[2.電源部]
電源部30は、
図3に示すように、電源回路等が実装された回路基板を収納する直方体状の電源ケース31を有する。電源ケース31の一つの側面(以下、電源部端子面)31aには、第1電源端子32と、第2電源端子33とを備える。また電源部端子面31aには、外部電源(例えば、商用電源)に接続される電源プラグが先端に設けられた電源ケーブル34が接続されている。
【0022】
図3では、電源ケース31において、電源部端子面31aが位置する方向を下方向、その反対側を上方向とする。電源ケース31を固定対象に固定したときに固定対象と接する面が位置する方向を後方向、その反対側を前方向という。前方向から見て、上下方向及び前後方向とは直交する方向を左右方向という。
【0023】
電源ケーブル34は、電源部端子面31aの右端付近に配置され、第1電源端子32及び第2電源端子33は、電源部端子面31aの左端に寄せて配置されている。
第1電源端子32は、ブースター10に供給する直流電力を出力するための端子である。第1電源端子32には、ブースター10にて増幅されたRF信号が入力されてもよい。第2電源端子33は、第1電源端子32に印加される信号から直流成分を除去して分離したRF信号を出力するための端子である。第1電源端子32及び第2電源端子33は、いずれもF型コネクタのレセプタクルとしての構造を有する。なお、各レセプタクルにはF型プラグコネクタと螺合するための雄ねじが形成されていてもよい。
【0024】
電源ケース31に収納された回路基板は、電源ケーブル34を介して入力される交流電力を直流電力に変換して第1電源端子32から出力する給電機能を有する。電源ケース31に収納された回路基板は、第1電源端子32に印加される信号から、電力供給用の直流成分を除去してRF信号を抽出し、第2電源端子33から出力する信号抽出機能を有していてもよい。但し、本実施形態では、給電機能のみが使用される。すなわち、第1電源端子32は、給電電力を出力するためのみに使用され、第2電源端子33は未使用となる。
【0025】
電源ケース31の前面において、左上端付近、及び右下端付近には、傾斜部31b,31cが設けられている。傾斜部31b,31cは、後述する連結部40の係止片541,551を係合させる部位を、電源ケース31の前面より後方に位置させることで、係止片541,551の先端が、電源ケース31の前面より突出することがないようにするための構造である。
【0026】
[3.ブースター]
図4に示すように、ブースター10は、増幅回路等の高周波回路が実装された回路基板を収納する直方体状のブースターケース11を有する。ブースターケース11は、金属製(例えば、アルミニウム製)のシールドケースである。ブースターケース11の一つの側面(以下、ブースター端子面)11aには、第1入力端子12と、第2入力端子13と、モニタ端子14と、信号出力端子15とが設けられている。
【0027】
図4では、ブースターケース11において、ブースター端子面11aが位置する方向を上方向、その反対側を下方向とする。ブースターケース11を連結部40に保持させたときに、同じく連結部40に保持された電源部30と接する面が位置する方向を後方向、その反対側を前方向という。前方向から見て、上下方向及び前後方向とは直交する方向を左右方向という。
【0028】
ブースター端子面11aにおいて、各端子12~15は、右端から左端に向けて、第1入力端子12、第2入力端子13、モニタ端子14、信号出力端子15の順に配置される。ブースターケース11の下方向に位置する面(以下、下端子面)11bの右端には、電源入力端子16が設けられている。第1入力端子12、第2入力端子13、モニタ端子14、信号出力端子15、及び電源入力端子16は、いずれもF型コネクタのレセプタクルとしての構造を有する。なお、各レセプタクルにはF型プラグコネクタと螺合するための雄ねじが形成されていてもよい。
【0029】
第1入力端子12は、UHFアンテナからの放送信号またはCATVの放送信号を入力するための端子である。第2入力端子13は、BS/CSアンテナからの放送信号を入力するための端子である。信号出力端子15は、第1入力端子12からの入力信号及び第2入力端子13からの入力信号を、それぞれ増幅して混合することで生成されるRF信号を出力するための端子である。モニタ端子14は、信号出力端子15から出力されるRF信号の信号レベルをモニタするための端子である。
図4では、モニタ端子14は、未使用時の端子を保護するキャップCPが取り付けられている状態を示す。
【0030】
電源入力端子16は、電源部30の第1電源端子32から供給される直流電力を入力するための端子である。
ブースター10のブースターケース11に収納される高周波回路は、電源入力端子16を介して供給される直流電力によって動作する。
【0031】
ブースターケース11に収納される高周波回路は、第1入力端子12及び第2入力端子13からの入力信号をそれぞれ増幅する機能と、増幅した二つの信号を混合して一つのRF信号を生成する機能と、生成されたRF信号を二つに分岐させて、信号出力端子15及びモニタ端子14から出力する機能とを有する。ブースターケース11に収納される高周波回路は、第1入力端子12及び第2入力端子13を介して、これら端子12,13の接続先となる機器に直流電力を供給する機能を有していてもよい。
【0032】
ブースターケース11の左右側面(以下、ブースター側面)11c,11dのそれぞれには、係合突起17と、軸端突起18とが設けられている。
図4には図示されていないが、ブースター側面11d上の係合突起17及び軸端突起18は、ブースター側面11c上の係合突起17及び軸端突起18と対向する位置に設けられている。
【0033】
軸端突起18は、連結部40にブースター10を、回動自在に支持させる際に、回動軸の軸端となる突起である。軸端突起18は、ブースター側面11c,11dの下端且つ後端に形成される。軸端突起18は、円柱状に形成され、ブースターケース11の前方側に位置する部位を斜めに切り欠くことで形成された傾斜部18aを有する。
【0034】
係合突起17は、連結部40に対して回動自在に支持されたブースター10を、決められた角度位置に保持するための突起である。係合突起17は、ブースター側面11c,11dにおいて上下方向の中心より上端寄り、かつ、前後方向の中心付近に形成される。係合突起17は、ブースター側面11c,11dに沿って上下方向に移動する物体と接触する部分を面取りした四角柱状の突起である。つまり、係合突起17は、係合突起17と接触する物体が乗り越え易い形状に形成されている。
【0035】
ブースター側面11dの上端付近には、ネジを利用したアース端子Eが取り付けられる凸部19が設けられている。アース端子Eは、ブースターケース11に収納される回路のグランドラインを外部アースに接続するための端子である。
【0036】
[4.分配器]
図5に示すように、分配器20は、電力分配回路を収納する直方体状の分配器ケース21を有する。分配器ケース21は、一つの側面(以下、分配器端子面)21aに、分配器入力端子22と、複数の分配器出力端子23とを備える。分配器入力端子22、及び複数の分配器出力端子23は、いずれもF型コネクタのレセプタクルとしての構造を有する。なお、各レセプタクルにはF型プラグコネクタと螺合するための雄ねじが形成されていてもよい。
【0037】
分配器入力端子22は、ブースター10の信号出力端子15等から供給されるRF信号を入力するための端子である。複数の分配器出力端子23は、分配器入力端子22から入力され、電力分配回路にて複数に電力分配されたRF信号を、それぞれ個別に出力するための端子である。
【0038】
図5では、分配器ケース21において、分配器端子面21aが位置する方向を上方向、その反対側を下方向とする。分配器端子面21aの長手方向を左右方向、分配器端子面21aの短手方向を前後方向という。
【0039】
分配器20は、分配器ケース21の下側に位置する面(以下、分配器下面)21bに、複数の補強突起24を備える。ここでは、補強突起24は、分配器下面21bの前端かつ左右方向の両端に1つずつ、合計2つ設けられている。補強突起24のそれぞれには、固定用孔24aが形成されている。固定用孔24aは、分配器20をマルチユニット1と一体化せずに単独使用する場合に、分配器20を情報分電盤100等の外部物体にネジ止め等によって直接固定する際に用いられる。
【0040】
分配器ケース21の左右端に位置する面(以下、分配器側面)21c,21dのそれぞれには、軸端突起25と、係合突起26とが設けられている。
図5には図示されていないが、分配器側面21d上の軸端突起25及び係合突起26は、分配器側面21c上の軸端突起25及び係合突起26と対向する位置に設けられている。
【0041】
軸端突起25は、連結部40に分配器20を、回動自在に支持させる際に、回動軸の軸端となる突起である。軸端突起25は、分配器側面21c,21dの前端付近、すなわち、補強突起24の上部に形成される。軸端突起25は、円柱状の突起を、円の中心に対して対象、且つ円の直径より間隔が狭い平行線により、該平行線の外側を除去した形状を有する。
【0042】
係合突起26は、連結部40に対して回動自在に支持された分配器20を、決められた角度位置に保持する際に使用される突起である。係合突起26は、半球状の突起であり、軸端突起25の後方に位置する。
【0043】
[5.連結部]
図6に示すように、連結部40は、電源保持部50と、ブースター保持部60と、分配器保持部70とを備える。連結部40は、合成樹脂によって一体成型されてもよい。
【0044】
[5-1.電源保持部]
図6及び
図7に示すように、電源保持部50は、背面板51と、側壁基部52,53と、上壁部54と、下壁部55とを備え、1面が開口した箱状の収納空間を形成する。この箱状の収納空間に電源部30が保持される。
【0045】
図6及び
図7では、側壁基部52,53が並ぶ方向を左右方向、上壁部54と下壁部55とが並ぶ方向を上下方向、左右方向と上下方向とに直交する方向を前後方向とする。電源保持部50の箱状の収納空間は、前方に開口した構造を有する。
【0046】
側壁基部52,53、上壁部54、下壁部55の前端は、電源保持部50に収納された電源部(以下、収納電源部)30の前面と、ほぼ、面一となるように形成されている。
図6に戻り、上壁部54は、第1係止片541を備え、下壁部55は、第2係止片551を備える。第1係止片541は、上壁部54の左側端部付近に設けられ、第2係止片551は、下壁部55の右側端部付近に設けられる。第1係止片541及び第2係止片551は、いずれも、収納空間に向けて突出する凸部を先端部に備えた舌片状の部位である。第1係止片541及び第2係止片551は、収納電源部30の前面に形成された傾斜部31b,31cに、凸部を係合させることで、収納電源部30を電源保持部50から脱落しないように、着脱自在に保持する。
【0047】
下壁部55は、第1切欠部55aと、第2切欠部55bとを備える。第1切欠部55aは、収納電源部30の第1電源端子32及び第2電源端子33を、下壁部55より下方に露出させるために設けられた部位である。第2切欠部55bは、収納電源部30から延設される電源ケーブル34を下壁部55より下方に導出するために設けられた部位である。
【0048】
[5-2.ブースター保持部]
図6に示すように、ブースター保持部60は、前方付加部61a,61bを備える。前方付加部61a,61bは、側壁基部52,53の前面に突設され、側壁基部52,53の上下方向の真ん中辺りから下端に渡って位置する。前方付加部61a,61bの間に、ブースター10は保持される。前方付加部61a,61bにおいて、互いに対向する側を内壁、その反対側を外壁という。前方付加部61a,61bは、左右対称な形状を有している。以下では、両者を特に区別しない場合は、前方付加部61と表記する。
【0049】
前方付加部61は、長孔611と、導入溝612と、第1係止部613と、第2係止部614とを備える。
図6及び
図8に示すように、長孔611は、前方付加部61を左右方向に貫通するように形成される。長孔611には、ブースター10の軸端突起18が挿入される。長孔611は、ブースター10を回動自在に支持する。
【0050】
導入溝612は、前方付加部61の内壁に形成され、前方付加部61の前面から長孔611の上端に至るように前後方向に沿って形成される。導入溝612の溝深さは、ブースター10の軸端突起18の突出量と同程度もしくは僅かに大きく、導入溝612の溝幅は、軸端突起18の径と同程度もしくは僅かに大きく設定される。また、導入溝612において、長孔611との境界部分には、突条612aが設けられている。
【0051】
つまり、ブースター10をブースター保持部60に装着するときに、軸端突起18は、導入溝612に沿って移動し、突条612aを乗り越えて長孔611に至るように構成されている。また、長孔611の上端に軸端突起18が位置するようにブースター10を配置した状態で、前方、すなわち導入溝612側に軸端突起18が移動するようにブースター10を移動させることで、ブースター10はブースター保持部60から取り外される。軸端突起18には、傾斜部18aが設けられているため、取り外しの際に、軸端突起18は突条612aを容易に乗り越えることができる。このように、ブースター10は、ブースター保持部60に対して着脱自在となるように構成されている。
【0052】
図6及び
図9に示すように、第1係止部613は、前方付加部61の上端かつ後端の内壁に形成された凹部である。凹部の深さは、ブースター10の係合突起17の突出量と同程度もしくは僅かに大きく形成されている。第1係止部613は、前方付加部61の上面から、係合突起17が進入できるように、上面に向けて抜けた形状をしており、その上面に沿って突条613aが設けられている。突条613aの高さは、第1係止部613が形成する凹部の深さより小さく設定されている。
【0053】
図6に示すように、第2係止部614は、前方付加部61の上面に、形成された溝状の部位であり、左右方向に貫通するように形成される。
ここで、軸端突起18を長孔611に取り付けて長孔611の上端と接する位置(以下、可動位置)に軸端突起18が位置するように、ブースター10を配置した状態を想定する。この状態では、
図10の第2形態及び第3形態に示すように、ブースター10の係合突起17は、前方付加部61(
図10では、前方付加部61b)の上端より上方に位置する。つまり、ブースター保持部60に保持されたブースター10は、軸端突起18が可動位置にあるときには、軸端突起18を軸として連結部40に対して回動させることが可能な状態となる。
【0054】
図10の第2形態に示すように、軸端突起18が可動位置にあり、且つブースター10の後面が、連結部40に収納された電源部30の前面と接した状態を想定する。この状態から、軸端突起18が長孔611の下端と接する位置(以下、不動位置)まで、ブースター10を移動させる。すると、ブースター10の係合突起17は、突条613aを乗り越えて第1係止部613が形成する凹部内に移動し、
図10の第1形態に示す状態となる。このときのブースター10の位置をブースター収納位置という。ブースター収納位置では、第1係止部613の段差部分に係合突起17が係合することによって、ブースター10の回動が阻止される。つまり、ブースター10は、ブースター収納位置に保持される。
【0055】
図10の第3形態に示すように、軸端突起18が可動位置にあり、且つ、ブースター10を、係合突起17が第2係止部614と対向する角度に傾斜させた状態を想定する。この状態から、ブースター10を下方に移動させると、
図10の第4形態に示すように、係合突起17は、第2係止部614の溝に嵌った状態となる。このときのブースター10の位置をブースター作業位置という。ブースター作業位置では、第2係止部614が形成する溝に係合突起17が係合することによって、ブースター10の回動が阻止される。つまり、ブースター10は、ブースター作業位置に保持される。
【0056】
ブースター10は、通常時にはブースター収納位置に保持される。ブースター10は、配線作業や保守点検の際には、ブースター作業位置に保持された状態にして作業が行われ、作業が終了すると、ブースター収納位置に戻されて保持される。
【0057】
[5-3.分配器保持部]
図6及び
図7に示すように、分配器保持部70は、上方付加部71a,71bと、ガイド壁72a,72bと、を備える。上方付加部71a,71bは、電源保持部50の上側に位置する上壁部54の左右両端に設置されている。上方付加部71a,71bの間に、分配器20は保持される。上方付加部71a,71bにおいて、互いに対向する側を内壁、その反対側を外壁という。
【0058】
ガイド壁72a,72bは、それぞれ上方付加部71a,71bの内壁から、分配器20の補強突起24の幅だけ離した位置に配置される。
上方付加部71a,71bは、左右対称な形状を有している。以下では、両者を特に区別しない場合は、上方付加部71と表記する。ガイド壁72a,72bも、左右対称な形状を有している。以下では、両者を特に区別しない場合は、ガイド壁72と表記する。
【0059】
上方付加部71は、軸受孔711と、第1係止孔712と、第2係止孔713とを備える。
軸受孔711は、分配器20の軸端突起25の最大径と略同じ直径を有し、上方付加部71を左右方向に貫通する円形の孔である。軸受孔711は、前側に、軸端突起25を軸受孔711に着脱する際に用いる開口部711aを有する。開口部711aは、軸端突起25の平行部分の幅と同程度の幅に形成されている。
【0060】
第1係止孔712及び第2係止孔713は、分配器20の係合突起26と係合する大きさに形成される。第1係止孔712及び第2係止孔713は、軸端突起25を軸受孔711に支持させて、分配器20を回動させたときに、係合突起26が通過する軌跡上に形成される。
【0061】
ここで、分配器20を分配器保持部70に着脱する方法について説明する。
図11の第1形態に示すように、分配器20における上下方向を、連結部40における上下方向に対して90度傾けた状態、すなわち、軸端突起25が、軸受孔711の開口部711aを通過できる状態にして、軸端突起25を、開口部711aを介して軸受孔711に挿入する。軸受孔711への挿入後に、分配器20の回動位置を変化させると、軸端突起25は、開口部711aを通過することができなくなるため、分配器20は分配器保持部70に回動自在に保持された状態となる。
【0062】
分配器保持部70に保持された分配器20を回動させて、
図11の第2形態に示すように、係合突起26と第1係止孔712とを係合させると、分配器20の位置が保持される。このときの分配器20の位置を分配器作業位置という。分配器作業位置は、例えば、連結部40の上方向に対して分配器20の上方向が45°傾いた状態としてもよい。
【0063】
分配器20に回動方向の力を加えることで、係合突起26と第1係止孔712との係合を解除して更に回動させて、
図11の第3形態に示すように、係合突起26と第2係止孔713とを係合させると、分配器20の位置が再び保持される。このときの分配器20の位置を分配器収納位置という。分配器収納位置は、例えば、連結部40の上方向と分配器20の上方向とが一致する状態としてもよい。
【0064】
分配器20は、通常時には分配器収納位置に保持される。分配器20は、配線作業や保守点検の際には、分配器作業位置に保持された状態にして作業が行われ、作業が終了すると、ブースター収納位置に戻されて保持される。
【0065】
分配器保持部70に保持された分配器20を回動させると、分配器20の下面に設けられた補強突起24は、上方付加部71の内壁とガイド壁72との間を移動する。つまり、上方付加部71の内壁とガイド壁72とは、分配器20を回動させたときに補強突起24が移動する経路に沿って形成されている。これにより、分配器20が回動するときのガタつきが抑制される。また、分配器20への配線時等に回動方向とは異なる方向のトルクが、軸端突起25や軸受孔711に加わることが抑制される。
【0066】
[6.使用状態]
図2に示すように、マルチユニット1では、ブースター10をブースター収納位置に保持し、分配器20を分配器収納位置に保持した状態では、ブースター端子面11aと、分配器端子面21aとが同一方向を向き、且つ、異なる平面に保持される。つまり、ブースター端子面11aと、分配器端子面21aとは、段違いに配置される。また、ブースター端子面11a及び分配器端子面21aは、いずれも、情報分電盤100の機器取付面100aに接する連結部40の面に対して直交するように配置される。
【0067】
マルチユニット1では、電源部30の第1電源端子32と、ブースター10の電源入力端子16とが、同軸ケーブルC1を介して接続される。
マルチユニット1では、ブースター10の第1入力端子12には、UHFアンテナまたはCATVシステムに到る同軸ケーブルC2が接続される。図示は省略されているが、ブースター10の第2入力端子13に、BS/CSアンテナに到る同軸ケーブルが接続されていてもよい。
【0068】
マルチユニット1では、ブースター10の信号出力端子15と、分配器20の分配器入力端子22とが、同軸ケーブルC3を介して接続される。
マルチユニット1では、分配器20における複数の分配器出力端子23の少なくとも1つが、集合住宅の各戸に到る同軸ケーブルC4が接続される。
【0069】
同軸ケーブルC2,C4は、情報分電盤100において、マルチユニット1の上方に位置する配線孔101を介して配線される。
このように、マルチユニット1を用いることで、情報分電盤100における同軸ケーブルC1~C4の配線は、上下方向にのみ行われる。つまり、マルチユニット1は、同軸ケーブルC1~C4の配線を、マルチユニット1の横方向にはみ出してする必要がないように構成されている。
【0070】
[7.用語の対応]
本実施形態において、第1入力端子12及び第2入力端子13が本開示におけるブースター入力端子に相当し、信号出力端子15が本開示におけるブースター出力端子に相当する。ブースター10の軸端突起18が本開示におけるブースター軸端突起に相当し、ブースター10の係合突起17が本開示におけるブースター係合突起に相当する。分配器20の軸端突起25が本開示における分配器軸端突起に相当し、分配器20の係合突起26が本開示における分配器係合突起に相当する。上方付加部71及びガイド壁72が本開示におけるガイド部に相当する。
【0071】
[8.効果]
以上詳述したマルチユニット1は、以下の効果を奏する。
(8a)マルチユニット1では、ブースター端子面11aと分配器端子面21aとが同一方向を向き、段違いとなるように配置されている。従って、マルチユニット1によれば、同軸ケーブルC1~C4の配線を含めて情報分電盤100内での製品投影面積を最小化でき、情報分電盤100内の限られた収納スペースを有効利用することができる。
【0072】
(8b)マルチユニット1では、ブースター10及び分配器20は可動式であり、収納時と、作業時とで、ブースター端子面11a及び分配器端子面21aの角度位置を異ならせることができる。従って、マルチユニット1によれば、ブースター10及び分配器20に対する配線作業の容易性と、情報分電盤100内での収納スペースの有効利用とを両立させることができる。
【0073】
(8c)マルチユニット1では、ブースター10、分配器20、及び電源部30が着脱可能に構成されている。従って、マルチユニット1によれば、メンテナンスの容易性を向上させることができる。
【0074】
(8d)マルチユニット1では、分配器20を回動させたときに、分配器20と一体に構成された補強突起24の移動を、上方付加部71の内壁とガイド壁72とでガイドするように構成されている。従って、マルチユニット1によれば、分配器20が回動するときのガタつきを抑制できる。更に、マルチユニット1によれば、分配器20への配線時等に回動方向とは異なる方向の不要なトルクが、軸端突起25や軸受孔711に加わることが抑制されるため、装置の耐久性を向上させることができる。
【0075】
[9.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0076】
(9a)上記実施形態では、ブースター10及び分配器20が、それぞれ収納位置及び作業位置の2カ所で保持されるように構成されているが、3カ所以上で保持されるように構成されてもよい。
【0077】
(9b)上記実施形態では、情報分電盤100において、連結部40の上下方向と、情報分電盤100の上下方向と一致させて配置しているが、必ずしも両者を一致させる必要はない。情報分電盤100における電源コンセント2及び配線孔101の位置に応じて、配線が容易になるよう、連結部40の上下方向と情報分電盤100の上下方向とが、例えば、90°または180°異なるように配置してもよい。
【0078】
(9c)上記実施形態では、ブースター10は、電源部30の前面側に重ねて配置されているが、例えば、ブースター10は、マルチユニット1の機器取付面100aと電源部30との間に挟まれるように配置されたり、電源部30の側方に配置されたりしてもよい。
【0079】
(9d)上記実施形態では、マルチユニット1を、情報分電盤100に接続する場合について説明したが、マルチユニット1の取り付け対象となる物体(すなわち、固定対象物)は、情報分電盤100に限定されない。
【0080】
[10.本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
入力信号を増幅して出力するように構成されたブースターと、
前記ブースターにて増幅された信号を複数に電力分配して出力するように構成された分配器と、
外部電源から電力供給を受けて前記ブースターに供給する直流電力を生成するように構成された電源部と、
前記ブースター、前記分配器、及び前記電源部を一体に保持するように構成された連結部と、
を備え、
前記ブースターは、直方体状に形成されたブースターケースの1つの面をブースター端子面として、前記入力信号を入力するブースター入力端子が前記ブースター端子面に形成され、
前記分配器は、直方体状に形成された分配器ケースの1つの面を分配器端子面として、当該分配器にて電力分配された複数の信号を出力する複数の分配器出力端子の少なくとも一つが前記分配器端子面に形成され、
前記連結部は、
前記電源部を収納するように構成された電源保持部と、
前記ブースターを保持するように構成されたブースター保持部と、
前記分配器を保持するように構成された分配器保持部と、
を備え、
前記ブースター保持部及び前記分配器保持部は、前記ブースター端子面及び前記分配器端子面が同一方向を向くように前記ブースター及び前記分配器を保持するように構成された、
マルチユニット。
【0081】
[項目2]
項目1に記載のマルチユニットであって、
前記ブースター保持部は、前記ブースター端子面が形成された側の端部とは反対側の端部にて、前記ブースターを回動自在に支持するように構成された、
マルチユニット。
【0082】
[項目3]
項目1または項目2に記載のマルチユニットであって、
当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、
前記分配器保持部は、前記取付面に直交した状態と前記取付面に平行な状態との間で回動自在となるよう前記分配器を支持するように構成された、
マルチユニット。
【0083】
[項目4]
項目3に記載のマルチユニットであって、
前記分配器は、前記分配器端子面とは反対側の面から突出する1つ以上の補強突起を備え、
前記連結部は、前記分配器を回動させたときに前記補強突起が移動する経路に沿って形成されたガイド部を備える
マルチユニット。
【0084】
[項目5]
項目1から項目4までのいずれか1項目に記載のマルチユニットであって、
当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、
前記ブースター保持部は、前記電源保持部に収納された前記電源部を挟んで前記取付面とは反対側に、或いは、前記電源保持部に収納された前記電源部と前記取付面との間に、前記ブースターを保持するように構成された、
マルチユニット。
【0085】
本明細書には、更に以下の技術思想も開示されている。
[項目6]
項目1から項目6までのいずれか1項に記載のマルチユニットであって、
前記ブースター端子面と前記分配器端子面とが異なる平面に位置するように構成された、
マルチユニット。
このような構成によれば、ブースター端子面と分配器端子面とが段違いに配置されるため、各端子への配線を容易にすることができる。
【0086】
[項目7]
項目1から項目6までのいずれか1項に記載のマルチユニットであって、
当該マルチユニットが固定される固定対象物への取付時に、該固定対象物と接する当該マルチユニットの面を取付面として、
前記連結部は、前記取付面に対して、前記ブースター端子面及び前記分配器端子面のいずれもが直交するように、前記ブースター及び前記分配器を保持するように構成された、
マルチユニット。
このような構成によれば、ケーブルが取付面に沿って配線されるため、マルチユニットの収納に必要な、取付面からの高さ方向のスペースを必要最小限に抑えることができる。
【0087】
[項目8]
項目2に記載のマルチユニットであって、
前記ブースターは、
当該ブースターを回動させる軸の軸端を形成するブースター軸端突起と、
前記連結部と係合するブースター係合突起と、
を更に備え、
前記ブースター保持部は、
前記ブースター軸端突起を支持する長孔と、
前記ブースター軸端突起が前記長孔の一端である不動位置にある場合に、前記ブースター係合突起と係合することで、前記ブースターを予め決められた角度の回動位置に保持し、前記ブースター軸端突起が前記不動位置とは反対側の可動位置にある場合に、前記ブースター係合突起との係合が解除されて、前記ブースターを回動自在な状態にするように構成された複数の係止部と、
を更に備える、
マルチユニット。
このような構成によれば、ブースターを所望の回動位置に保持することができ、配線作業や保守作業等の作業性をより向上させることができる。
【0088】
[項目9]
項目8に記載のマルチユニットであって、
前記ブースター保持部は、前記ブースター軸端突起を前記連結部の外部から前記長孔に導く導入溝を、更に備える、
マルチユニット。
このような構成によれば、ブースター保持部に対するブースターの着脱を容易に行うことができ、メンテナンスの容易性を向上させることができる。
【0089】
[項目10]
項目4に記載のマルチユニットであって、
前記補強突起には、前記分配器を前記連結部から取り外して単独で使用する場合に、前記分配器を外部物体に固定するために用いる固定用孔が形成されている、
マルチユニット。
このような構成によれば、取付対象となる情報分電盤等の固定対象物の状況に応じた柔軟な対応を採ることができる。
【0090】
[項目11]
項目3又は項目4に記載のマルチユニットであって、
前記分配器は、当該分配器を回動させる軸の軸端を形成する分配器軸端突起を備え、
前記分配器保持部は、前記軸端突起を回動自在に支持する円形の軸受孔を備え、
前記分配器軸端突起は、円柱状の突起から、円の中心に対して対象、且つ円の直径より間隔が狭い平行線により、該平行線の外側を除去した形状を有し、
前記軸受孔の周辺部位には、前記連結部の外部から前記軸受孔に到る前記分配器軸端突起の平行部分の幅を有する開口部を更に備える、
マルチユニット。
このような構成によれば、分配器保持部に対する分配器の着脱を容易に行うことができ、メンテナンスの容易性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0091】
1…情報分電盤用マルチユニット、10…ブースター、11…ブースターケース、11a…ブースター端子面、11c,11d…ブースター側面、12…第1入力端子、13…第2入力端子、14…モニタ端子、15…信号出力端子、16…電源入力端子、17,26…係合突起、18,25…軸端突起、18a…傾斜部、19…凸部、20…分配器、21…分配器ケース、21a…分配器端子面、21b…分配器下面、21c,21d…分配器側面、22…分配器入力端子、23…分配器出力端子、24…補強突起、24a…固定用孔、30…電源部、31…電源ケース、31a…電源部端子面、31b,31c…傾斜部、32…第1電源端子、33…第2電源端子、34…電源ケーブル、40…連結部、50…電源保持部、51…背面板、52,53…側壁基部、54…上壁部、55…下壁部、55a…第1切欠部、55b…第2切欠部、60…ブースター保持部、61(61a,61b)…前方付加部、70…分配器保持部、71(71a,71b)…上方付加部、72(72a,72b)…ガイド壁、541…第1係止片、551…第2係止片、611…長孔、612…導入溝、612a,613a…突条、613…第1係止部、614…第2係止部、711…軸受孔、711a…開口部、712…第1係止孔、713…第2係止孔。