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特開2025-8168ロボット制御装置及びロボット制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008168
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ロボット制御装置及びロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110107
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中須 信昭
(72)【発明者】
【氏名】西 佳一郎
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707BS10
3C707KS33
3C707KV06
3C707KW03
3C707KX10
3C707LU06
(57)【要約】
【課題】生産を継続しながらロボットによるワークの供給姿勢のずれを補正する。
【解決手段】加工機に対するワークの取付け及び取外しを行うロボットを制御するロボット制御装置であって、ロボットの負荷を計測するセンサの計測値に基づいてロボットの姿勢を補正する補正部と、ロボット姿勢取得部と、ロボットの姿勢を保存する記憶部と、ワーク取付け目標姿勢生成部と、ワーク取付け目標姿勢に応じたロボットの動作を生成する経路生成部と、を有し、補正部は、ロボットが加工後の前記ワークをするときに、ロボットの負荷があらかじめ設定したしきい値より小さくなるようにロボットの姿勢を補正し、ロボット姿勢取得部は、加工後の複数のワークについて、補正後のロボットの姿勢である取外し姿勢を取得して記憶部に保存し、ワーク取付け目標姿勢生成部は、記憶部に保存された複数の取外し姿勢に基づいて、新たなワーク取付け目標姿勢を生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機に対するワークの取付け及び取外しを行うロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記ロボットの負荷を計測するセンサの計測値に基づいて前記ロボットの姿勢を補正する補正部と、
前記ロボットの姿勢を取得するロボット姿勢取得部と、
前記ロボット姿勢取得部が取得した前記ロボットの姿勢を保存する記憶部と、
前記加工機に前記ワークを取付ける目標姿勢であるワーク取付け目標姿勢を生成するワーク取付け目標姿勢生成部と、
前記ワーク取付け目標姿勢に応じた前記ロボットの動作を生成する経路生成部と、を有し、
前記補正部は、前記ロボットが前記加工機による加工後の前記ワークを把持するときに、前記ロボットの負荷があらかじめ設定したしきい値より小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し、
前記ロボット姿勢取得部は、加工後の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取外し姿勢を取得して前記記憶部に保存し、
前記ワーク取付け目標姿勢生成部は、前記記憶部に保存された複数の前記取外し姿勢に基づいて、新たな前記ワーク取付け目標姿勢を生成することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロボット制御装置であって、
前記取外し姿勢の変動に基づいて、前記ロボットを含む設備の異常を判定する異常判定部をさらに有することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、新たに取得された前記取外し姿勢が、過去の複数の前記取外し姿勢の分布から所定の基準より離れている場合に、前記設備が異常であると判定することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、過去の第1の所定数の前記取外し姿勢の分布が、前記第1の所定数より多い過去の第2の所定数の前記取外し姿勢の分布から所定の基準より離れている場合に、前記設備が異常であると判定することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、前記設備が異常であると判定した場合に、前記設備の異常を示すアラームを出力することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載のロボット制御装置であって、
前記補正部は、前記ロボットが加工前の前記ワークをワーク取付け目標姿勢に移動し、前記加工機の保持装置が前記加工前のワークを保持したときに、前記ロボットの負荷が小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し、
前記ロボット姿勢取得部は、加工前の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取付け姿勢を取得して前記記憶部に保存し、
前記ロボット制御装置は、
前記取付け姿勢と前記取外し姿勢との差に基づいてワーク寸法誤差を算出するワーク寸法誤差算出部と、
前記ワーク寸法誤差に基づいて、前記ワークの異常を判定する異常判定部と、をさらに有することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、新たに取得された前記ワーク寸法誤差が、過去の複数の前記ワーク寸法誤差の分布から所定の基準より離れている場合に、前記ワークが異常であると判定することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、過去の第1の所定数の前記ワーク寸法誤差の分布が、前記第1の所定数より多い過去の第2の所定数の前記ワーク寸法誤差の分布から所定の基準より離れている場合に、前記ワークが異常であると判定することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項9】
請求項6に記載のロボット制御装置であって、
前記異常判定部は、前記ワークが異常であると判定した場合に、前記ワークの異常を示すアラームを出力することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載のロボット制御装置であって、
前記センサは、前記ワークを把持する前記ロボットのハンドにかかる外力の大きさを示す信号を出力するセンサであることを特徴とするロボット制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載のロボット制御装置であって、
前記センサは、力覚センサ、圧力センサ、画像センサ又はストレインゲージであることを特徴とするロボット制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載のロボット制御装置であって、
前記ワーク取付け目標姿勢生成部は、前記記憶部に保存された前記複数の取外し姿勢の分布の中心を、前記新たなワーク取付け目標姿勢として生成することを特徴とするロボット制御装置。
【請求項13】
加工機に対するワークの取付け及び取外しを行うロボットを制御するロボット制御装置が実行するロボット制御方法であって、
前記ロボット制御装置が、前記ロボットの負荷を計測するセンサの計測値に基づいて前記ロボットの姿勢を補正する補正手順と、
前記ロボット制御装置が、前記ロボットの姿勢を取得して保存するロボット姿勢取得手順と、
前記ロボット制御装置が、前記加工機に前記ワークを取付ける目標姿勢であるワーク取付け目標姿勢を生成するワーク取付け目標姿勢生成手順と、
前記ロボット制御装置が、前記ワーク取付け目標姿勢に応じた前記ロボットの動作を生成する経路生成手順と、を有し、
前記補正手順において、前記ロボット制御装置は、前記ロボットが前記加工機による加工後の前記ワークを把持するときに、前記ロボットの負荷があらかじめ設定したしきい値より小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し、
前記ロボット姿勢取得手順において、前記ロボット制御装置は、加工後の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取外し姿勢を取得して保存し、
前記ワーク取付け目標姿勢生成手順において、前記ロボット制御装置は、保存された複数の前記取外し姿勢に基づいて、新たな前記ワーク取付け目標姿勢を生成することを特徴とするロボット制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの制御技術に関し、特に、自動工作機械にワークを供給するロボットの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットが加工機への加工対象物(ワーク)の取り付けを行うときに、ロボットによるワークの供給姿勢にずれがあると、加工機がワークを把持するときにロボットに過大な負荷がかかる場合がある。ロボットによるワークの供給姿勢を調整する技術として、例えば特開2012-176477号公報(特許文献1)が開示されている。
【0003】
特許文献1には、「(A)ワークのCADモデルから軌道データを生成して記憶装置に記憶し、(B)加工前に、軌道データに沿って、加工速度より低速の倣い速度で、ワークを加工することなくワークを倣い、その動作位置から軌道データを修正して目標軌道を設定し、(C)次いで、目標軌道に基づき、ワークと接触させることなく加工速度で加工工具を位置制御して、軌道データを再修正する学習を繰返して加工に使用する目標軌道データとして記憶し、(D)加工時に、学習後の軌道データに基づき、加工速度で加工工具を位置制御してワークを加工する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-176477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ロボットのワーク供給姿勢を調整する方法として、寸法誤差のないマスターワークを加工機の保持装置(チャック)とロボットによって同時に把持し、ロボットに負荷がかからないようにロボット姿勢を調整し、その姿勢を登録するという方法がある。
【0006】
例えば、特許文献1には、保持装置に保持されたワークを、ロボットアームの先端に取り付けられた加工工具によって加工するときに、加工前のワークを使ってロボットの軌道データを学習し、学習した軌道データに基づいて加工工具を制御してワークを加工する技術が記載されている。同様に、加工前のワークをロボットが把持して加工機のチャックによる保持位置に移動させ、チャックがワークを保持したときにロボットに負荷がかからない姿勢を学習し、その後のワークについては学習した姿勢に供給することで、ロボットに過大な負荷がかかることを防ぐことができる。
【0007】
しかし、実際には、例えば加工対象のワークの製造プロセスの変更等によって加工前のワークの寸法が変更されたり、鋳物などのように寸法誤差が大きいワークであったり、ワークを供給するロボットのハンドの交換又は変形等によってハンドの寸法が変更されたりする場合があり、その都度生産を止めてマスターワークを使用して学習を行うことによって、稼働効率が低下するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、加工対象のワークを用いて、生産を継続しながらロボットによるワークの供給姿勢のずれを補正する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を以下に挙げる。すなわち、加工機に対するワークの取付け及び取外しを行うロボットを制御するロボット制御装置であって、前記ロボットの負荷を計測するセンサの計測値に基づいて前記ロボットの姿勢を補正する補正部と、前記ロボットの姿勢を取得するロボット姿勢取得部と、前記ロボット姿勢取得部が取得した前記ロボットの姿勢を保存する記憶部と、前記加工機に前記ワークを取付ける目標姿勢であるワーク取付け目標姿勢を生成するワーク取付け目標姿勢生成部と、前記ワーク取付け目標姿勢に応じた前記ロボットの動作を生成する経路生成部と、を有し、前記補正部は、前記ロボットが前記加工機による加工後の前記ワークを把持するときに、前記ロボットの負荷が小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し、前記ロボット姿勢取得部は、加工後の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取外し姿勢を取得して前記記憶部に保存し、前記ワーク取付け目標姿勢生成部は、前記記憶部に保存された複数の前記取外し姿勢に基づいて、新たな前記ワーク取付け目標姿勢を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、加工対象のワークを用いて、生産を継続しながらロボットによるワークの供給姿勢のずれを補正することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例におけるロボットを用いたワーク供給システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施例におけるロボット制御装置の構成の例を示すブロック図である。
図3A】本発明の実施例におけるロボット制御装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図3B】本発明の実施例におけるロボット制御装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例のワーク供給システムが適用される加工の第1の例を示す説明図である。
図5】本発明の実施例のワーク供給システムが適用される加工の第2の例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例のロボット制御装置が実行するワーク供給目標姿勢更新の例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例のロボット制御装置が実行するワーク異常判定の例を示す説明図である。
図8】本発明の実施例のロボット制御装置が保持する取付け姿勢情報、取外し姿勢情報、ワーク供給目標姿勢情報及びワーク寸法誤差情報の例を示す説明図である。
図9】本発明の実施例のロボット制御装置が保持するしきい値情報の例を示す説明図である。
図10】本発明の実施例のロボット制御装置によって出力される情報の第1の例を示す説明図である。
図11】本発明の実施例のロボット制御装置によって出力される情報の第2の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施例に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施例におけるロボットを用いたワーク供給システム100の構成の例を示すブロック図である。
【0014】
ワーク供給システム100は、ワーク供給装置10、ロボット制御装置14及び作業指示装置12によって構成される。ワーク供給装置10は、ロボットアーム1、ハンド2及び力覚センサ3によって構成される。ロボットアーム1の先端にハンド2が取り付けられており、ロボット制御装置14からの動作指令に従って動作する。
【0015】
ワーク供給装置10は、加工前の加工対象物(ワーク)4をその保管位置から加工機の保持装置(チャック)5による保持位置まで移動する動作、及び、加工後のワーク4をチャック5による保持位置から保管位置まで移動する動作を行う。作業指示装置12は、ワーク4をどこからどこまで移動するか、すなわち移動元と移動先の位置を指示する。ロボット制御装置14は、ワーク4の移動元から移動先までの移動経路を生成して、ワーク4がその移動経路上を移動するようにロボットアーム1及びハンド2の姿勢を制御する。また、ロボット制御装置14は、力覚センサ3の計測値とロボットアーム1の位置、姿勢、あるいは関節角度を取得して、その値をフィードバックすることでロボットアーム1及びハンド2の姿勢を補正する。
【0016】
図1では加工機のチャック5を図示し、加工機の本体の図示を省略している。加工機は、例えば旋盤加工機又はエンドミル加工機等であるが、それ以外のものであってもよい。
【0017】
ロボットアーム1は、床に固定された構造を図示しているが、台車や自動搬送車などの移動体(図示省略)に取り付けた構造でもよい。本実施例では、台車や自動搬送車を加工機前に設置した状態でロボットアーム1を動作させる例で説明するが、台車や自動搬送車を移動しながらロボットアーム1を動作させてもよい。台車や自動搬送車を移動させながらロボットアーム1を動作させる場合は、台車や自動搬送車の位置情報をロボット制御装置14ん取り込む。台車や自動搬送車の移動機構や制御方法、位置情報の取得方法は、一般的な方法を用いることができる。
【0018】
力覚センサ3は、ハンド2にかかる外力の大きさを示す信号を出力するものであれば、いかなる種類のものであってもよい。例えば、力覚センサ3は、圧力センサ、画像センサ、又はストレインゲージ等であってもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施例におけるロボット制御装置14の構成の例を示すブロック図である。
【0020】
ロボット制御装置14は、演算部21、記憶部22、入力部24、表示部25及び通信部26によって構成される。演算部21は、力覚フィードバック補正部211、ロボット姿勢取得部212、ワーク供給目標姿勢情報更新部213、ワーク寸法誤差算出部214、異常判定部216、経路生成部218及び制御部219を含む。これらが実行する処理については後述する。
【0021】
記憶部22は、取付け姿勢情報221、取外し姿勢情報222、ワーク供給目標姿勢情報223、ワーク寸法誤差情報224、しきい値情報225、環境情報226及びロボット情報227を保持する。これらの情報の詳細については後述する。
【0022】
入力部24は、種々の情報の入力、メニューの選択指示の入力、及び、その他の指示等の入力を行う入力部であり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、マイクロフォン等である。又は、ロボット制御装置14が通信部26を介して他の装置との間で情報の入力を受け付ける構成としてもよい。入力部24が入力した情報は記憶部22に格納される。表示部25は、入力情報の表示、処理結果の表示、及び処理途中の経緯の表示等を行う表示部であり、例えば、液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等の画面表示装置、印字装置、スピーカ等の音声出力装置等である。又は、ロボット制御装置14が、通信部26を介して他の装置との間で情報の出力を行う構成としてもよい。通信部26は、ワーク供給装置10及び作業指示装置12など、他の装置との間でデータを送受信する通信部である。図2に示す構成要素の一部は省略され得、また、他の構成要素が追加され得る。尚、ロボット制御装置14は、構成の全部又は一部がクラウドサーバのような仮想的な資源によって実現されるものであってもよい。
【0023】
続いて、ロボット制御装置14が実行する処理の手順について説明する。
【0024】
図3A及び図3Bは、本発明の実施例におけるロボット制御装置14が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【0025】
最初に、制御部219が、ワーク供給目標姿勢情報223を読み込む(ステップ301)。ワーク供給目標姿勢情報223には、各ワーク4をチャック5に供給するときの目標姿勢を示す情報を含む。本実施例では、ワーク供給目標姿勢は、例えば、ワーク4を把持したハンド2の移動の目標となるX、Y、Zの各軸の座標値、及び、その座標値が示す位置におけるハンド2の姿勢を示すロール角、ピッチ角、ヨー角によって構成される(詳細は図8を参照して後述する)例で説明するが、ロボットアーム1の関節角で構成してもよい。本実施例において、ワーク4を把持したハンド2の姿勢は、いずれも、上記のX、Y、Zの各軸の座標値及びロール角、ピッチ角、ヨー角、あるいは関節角度によって特定されるものである。制御部219は、ワーク供給目標姿勢情報223から、加工対象のワーク4に関するワーク供給目標姿勢を取得する。
【0026】
次に、経路生成部218が、加工対象のワーク4を待機位置からワーク供給目標姿勢に移動するための経路を生成する(ステップ302)。この経路の生成は、従来と同様の方法で実行することができるため、詳細な説明を省略する。
【0027】
次に、制御部219は、ハンド2が加工対象のワーク4の待機位置まで移動するようにロボットアーム1を制御して、加工対象のワーク4を把持するようにハンド2を制御する(ステップ303)。そして、制御部219は、ロボットアーム1を制御して、ワーク4を把持したハンド2を、ステップ302で生成した経路を経由してワーク供給目標姿勢に移動する(ステップ304)。
【0028】
ハンド2がワーク供給目標姿勢に移動すると、チャック5がワーク4を保持する(ステップ305)。例えば、チャック5を構成する複数の爪が閉じてワーク4を挟み込むことによってワーク4を保持する。
【0029】
ここで、チャック5の全ての爪がワーク4に接触してワーク4が保持された状態におけるハンド2の姿勢(これを取付け姿勢とも記載する)がワーク供給目標姿勢と完全に同一であれば、チャック5がワーク4を保持するときにワーク4を移動させようとする力が発生せず、ハンド2には外力がかからない。
【0030】
一方、取付け姿勢がワーク供給目標姿勢からずれている場合、ハンド2には、ワーク供給目標姿勢から取付け姿勢に移動しようとする外力がかかり、その外力が力覚センサ3によって計測される。この外力の大きさは、取付け姿勢とワーク供給目標姿勢とのずれの大きさを示している。
【0031】
力覚フィードバック補正部211は、力覚センサ3の計測値がしきい値情報225に含まれる所定のしきい値より小さいかを判定する(ステップ306)。このしきい値は、しきい値情報225に含まれる力覚フィードバック補正の終了しきい値Tf(図9参照)であってもよい。後述するステップ315の判定についても同様である。そして、力覚センサ3の計測値がしきい値より小さくない場合(ステップ306:No)、力覚フィードバック補正部211は、力覚フィードバック補正を行う(ステップ307)。
【0032】
例えば、力覚フィードバック補正部211は、ロボットアーム1を制御してハンド2を微小距離だけ移動させて力覚センサの計測値が小さくなる(すなわちハンド2にかかる外力が小さくなる)方向を探し、その方向に、力覚センサの計測値がしきい値より小さくなるまでハンド2を移動させてもよい。この方法としては、例えば特開2021-109295に記載された方法など、公知の方法を適用できるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
力覚センサの計測値がしきい値より小さくなると、ロボット姿勢取得部212は、その時点のロボットアーム1及びハンド2の姿勢を取得して、それを取付け姿勢情報221として保存する(ステップ308)。そして、経路生成部218が取付け姿勢から退避位置までの経路を生成する(ステップ309)。制御部219は、ワーク4を開放するようにハンド2を制御し、退避位置まで退避するようにロボットアーム1を制御する(ステップ310)。
【0034】
退避が完了すると、加工機がワーク4の加工を開始する(ステップ311)。制御部219は、加工機から加工終了信号を受信するのを待ち(ステップ312)、加工が終了すると(ステップ312:Yes)、ハンド2が再び取付け姿勢まで移動するようにロボットアーム1を制御し(ステップ313、ワーク4を把持するようにハンド2を制御する(ステップ314)。
【0035】
次に、力覚フィードバック補正部211は、力覚センサ3の計測値がしきい値情報225に含まれる所定のしきい値より小さいかを判定する(ステップ315)。そして、力覚センサ3の計測値が閾値より小さくない場合(ステップ315:No)、力覚フィードバック補正部211は、力覚フィードバック補正を行う(ステップ316)。これらは、前述のステップ306及び307と同様に実行される。
【0036】
力覚センサの計測値がしきい値より小さくなると、ロボット姿勢取得部212は、その時点のロボットアーム1及びハンド2の姿勢を取得して、それを取外し姿勢情報222として保存する(ステップ317)。例えば加工機が旋盤加工機である場合、加工によってチャック5の回転軸を中心とする円柱が削り出されているため、加工後のワーク4を取外すときに取得された取外し姿勢が正しいワーク供給姿勢(すなわちワーク供給目標姿勢として設定することが望ましい姿勢)である。旋盤加工機以外の加工機(例えばエンドミル加工機)等の場合も同様に、加工後のワーク4の取外し姿勢が正しいワーク供給姿勢となる。
【0037】
次に、ワーク寸法誤差算出部214が、ステップ308で算出された取付け姿勢と、ステップ317で算出された取外し姿勢との差分を算出することによって、ワーク寸法誤差を算出し、算出したワーク寸法誤差をワーク寸法誤差情報224として保存する(ステップ318)。
【0038】
次に、経路生成部218が取外し姿勢から加工済みのワーク4の保管位置までの経路を生成する(ステップ319)。制御部219は、ワーク4を保管位置まで移動するようにロボットアーム1を制御して(ステップ320)、ワーク4を開放する(ステップ321)。
【0039】
次に、ワーク供給目標姿勢情報更新部213が、ワーク供給目標姿勢を更新するかを判定し(ステップ322)、更新すると判定した場合は(ステップ322:Yes)、ワーク供給目標姿勢を更新する(ステップ323)。ステップ322の判定及びステップ323の更新の詳細については、図6等を参照して後述する。
【0040】
次に、異常判定部216が、ワークに異常があるかを判定する(ステップ324)。ワークに異常があると判定した場合(ステップ324:Yes)、異常判定部215は、アラームを発報して(ステップ325)、設備(例えば当該加工機)を停止する(ステップ326)。ステップ324の判定の詳細については、図7等を参照して後述する。
【0041】
異常があると判定された後の処理については本実施例では詳細に説明しないが、例えば、加工機を自動で停止してもよいし、後述するようにユーザに対してアラームを出力してもよい。これによって、例えば設備の点検、ワークの製造工程の点検などを行うことができる。
【0042】
図4は、本発明の実施例のワーク供給システム100が適用される加工の第1の例を示す説明図である。
【0043】
図4には、第1の例として旋盤加工を示す。具体的には、図4には、加工機が旋盤加工機である場合のチャック5の正面図(a)及び側面図(b)を示す。ここでは、旋盤加工機のチャック5をチャック5A、チャック5Aが保持する旋盤加工の対象のワーク4をワーク4Aと記載する。また、正面図は、チャック5Aを、回転軸上の、ワーク4Aを供給する方向から見た図である。
【0044】
円盤状のチャック5Aは、複数のチャック爪401を有する。図4の例では、3つのチャック爪401が設けられ、ワーク4Aを保持する面に沿って径方向に移動してワーク4Aを把持する。ワーク4Aを把持する前の時点で、各チャック爪401はチャック5Aの回転軸から離れた位置にある。ハンド2(図4では省略)がワーク4Aをワーク供給目標姿勢に移動させた後、各チャック爪401が回転軸方向に移動してワーク4Aを把持する(ステップ305)。このとき、チャック爪401の動きによって、ワーク4Aが供給された姿勢から移動する場合がある。その場合には、その移動によってハンド2に加わった外力に応じてハンド2の姿勢が補正され、補正後の値が取付け姿勢として保存される(ステップ306~308)。その後、加工が開始される(ステップ311)。
【0045】
図4の例において、加工前のワーク4Aは、概ね円柱形状であるが、加工前であるため例えば表面の凹凸などの不整形がありうる。図4の例では、加工前のワーク4Aは概ね楕円柱の形状となっている。このワーク4Aをチャック5Aに保持して回転させ、切削加工が行われる。ワーク4Aの切削加工後の部分は、加工前のワーク4Aより径が小さい円柱形状となり、その円柱の中心はチャック5Aの回転軸404と一致する。正面図(a)及び側面図(b)に示す網掛け部分が切削加工後のワーク4Aの形状である加工後形状403を示し、側面図(b)に示す破線部分が切削加工前のワーク4Aの形状である加工前形状402を示す。
【0046】
上記の通り、ワーク供給姿勢のずれ及び加工前のワーク4Aの形状の変動などに関わらず、加工後のワーク4Aの姿勢は一定である。このため、チャック5に保持された加工後のワーク4を把持したときのハンド2の姿勢が、ワーク供給目標姿勢として望ましい姿勢である。
【0047】
切削加工前のワーク4Aの中心405は必ずしもチャック5Aの回転軸404と一致しない。このときの両者の間のずれ406は、ステップ308において保存された取付け姿勢と、ステップ317において保存された取外し姿勢との差に相当し、これがワーク寸法誤差として算出、保存される(ステップ318)。
【0048】
図5は、本発明の実施例のワーク供給システム100が適用される加工の第2の例を示す説明図である。
【0049】
図5には、第2の例としてエンドミル加工を示す。具体的には、図5には、加工機がエンドミル加工機である場合のチャック5の平面図(a)及び正面図(b)を示す。ここでは、エンドミル加工機のチャック5をチャック5B、チャック5Bが保持するエンドミル加工の対象のワーク4をワーク4Bと記載する。
【0050】
チャック5Bは、複数のチャック爪501を有する。図5の例では、4つのチャック爪501が設けられ、ワーク4Bを保持する面に沿って移動してワーク4Bを把持する。ワーク4Bを把持する前の時点で、各チャック爪501はチャック5Bの回転軸から離れた位置にある。ハンド2(図5では省略)がワーク4Bをワーク供給目標姿勢に移動させた後、各チャック爪501が移動してワーク4Aを把持する(ステップ305)。このとき、チャック爪501の動きによって、ワーク4Bが供給された姿勢から移動する場合がある。その場合には、その移動によってハンド2に加わった外力に応じてハンド2の姿勢が補正され、補正後の値が取付け姿勢として保存される(ステップ306~308)。その後、加工が開始される(ステップ311)。
【0051】
図5の例において、加工前のワーク4Bは、直方体形状であるが、加工前であるため例えば表面の凹凸などの不整形がありうる。このワーク4Bをチャック5Bに保持してエンドミル加工機による切削加工が行われる。ワーク4Bの切削加工後の部分は、加工前のワーク4Bより小さい直方体形状となる。平面図(a)及び正面図(b)に示す網掛け部分が切削加工後のワーク4Bの形状である加工後形状503を示し、正面図(b)に示す破線部分が切削加工前のワーク4Bの形状である加工前形状502を示す。
【0052】
図4に示した旋盤加工の例と同様に、加工後のワーク4Bの姿勢が、ワーク供給目標姿勢として望ましい姿勢である。
【0053】
切削加工前のワーク4Bの中心線505は必ずしも切削加工後のワーク4Bの中心線504と一致しない。このときの両者の間のずれ506は、ステップ308において保存された取付け姿勢と、ステップ317において保存された取外し姿勢との差に相当し、これがワーク寸法誤差として算出、保存される(ステップ318)。
【0054】
図6は、本発明の実施例のロボット制御装置14が実行するワーク供給目標姿勢更新の例を示す説明図である。
【0055】
図6は、ロボット制御装置14がワーク4をチャック5に供給するときの目標姿勢、すなわちワーク供給目標姿勢と、実際の取付け姿勢との関係の例を示す。実際にはワーク供給目標姿勢及び取付け姿勢はいずれもX座標、Y座標、Z座標、ロール角、ピッチ角及びヨー角からなる6次元の値で表されるが、図6では説明のために2次元の空間上にプロットしたものを示している。
【0056】
図6の例において、黒い点は、ワーク供給目標姿勢を示す。これは、ステップ304において目標として設定されるものである。一方、白い点は、ステップ308において保存された取付け姿勢を示す。これは、ステップ306において力覚センサ値がしきい値以上であると判定された場合には、ステップ307の力覚フィードバック補正が行われた後の値である。
【0057】
ワーク4の供給が行われる度に、ステップ308においてそのワーク4の取付け姿勢が保存される。図6の複数の白い点は、過去の複数の取付け姿勢をプロットした例である。ワーク供給目標姿勢情報更新部213は、ステップ322において、現在のワーク供給目標姿勢(黒い点)と、過去の複数の取付け姿勢(白い点)の分布との関係が所定の条件を満たすかを判定し、満たす場合に、ステップ323において現在のワーク供給目標姿勢を新たなワーク供給目標姿勢に更新してもよい。
【0058】
例えば、現在のワーク供給目標姿勢から、直近の所定数の過去の取付け姿勢の分布の中心までの誤差ベクトルの大きさが所定のしきい値を超える場合に、現在のワーク供給目標姿勢を新たなワーク供給目標姿勢に更新してもよい(ステップ322:Yes、ステップ323)。ここで、新たなワーク供給目標姿勢は、直近の所定数の過去の取付け姿勢の分布の中心であってもよい。また、ステップ322における判定のしきい値は、例えば、しきい値情報225に含まれるワーク供給目標姿勢更新の判定しきい値Tp(図9参照)であってもよい。
【0059】
図7は、本発明の実施例のロボット制御装置14が実行するワーク異常判定の例を示す説明図である。
【0060】
図7に示すグラフの横軸はワーク4の加工点数、縦軸はワーク寸法誤差の分布の中心座標である。そして、図7のグラフにプロットされた実線は、過去100点のワーク寸法誤差の分布の中心座標であり、破線は、過去1000点のワーク寸法誤差の分布の中心座標である。なお、実際にはワーク寸法誤差はX座標、Y座標、Z座標、ロール角、ピッチ角及びヨー角からなる6次元の値で表される。
【0061】
新たなワーク4の加工が行われる度に図3A及び図3Bの処理が実行され、ステップ318においてワーク寸法誤差が算出され、保存される。そして、前回の加工時の加工点数に1を加えた加工点数に対応して、その時点までの過去の所定回数(例えば100回)の加工において算出されたワーク寸法誤差の分布中心が実線のグラフとしてプロットされる。また、その時点までの過去のさらに多くの所定回数(例えば1000回)の加工において算出されたワーク寸法誤差の分布中心が破線のグラフとしてプロットされる。
【0062】
ワーク寸法誤差は、ステップ308で取得された取付け姿勢と、ステップ317で取得された取外し姿勢との差である。このワーク寸法誤差が変化することは、加工前のワーク4の形状が変化することを意味する。加工前のワーク4の形状は、急激に変化する場合と、緩やかに変化する場合がある。異常判定部216は、ワーク寸法誤差の分布に基づいて検知された加工前のワーク4の形状の変化の度合いに基づいて、ワーク異常を判定する(ステップ324)。
【0063】
例えば加工前のワーク4が鋳物である場合、型が徐々に劣化していくことで加工前のワーク4の形状が徐々に変化する。このような緩やかな変化は、過去100回のワーク寸法誤差の分布中心と過去1000回のワーク寸法誤差の分布中心とを比較することによって検知することができる。例えば、過去100回のワーク寸法誤差の分布中心と過去1000回のワーク寸法誤差の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさが所定のしきい値を超える場合に、ワークが異常であると判定してもよい(ステップ324:Yes)。このしきい値は、例えば、しきい値情報225に含まれるワーク寸法誤差推移に対する判定しきい値Twcであってもよい(図9参照)。
【0064】
あるいは、鋳物の型が急激に劣化した場合、又は新しいものに交換した場合などは、加工前のワーク4の形状が急激に変化する。このような急激な変化は、新たに取得されたワーク寸法誤差をそれまでに取得されたワーク寸法誤差の分布と比較することによって検知することができる。例えば、新たに取得されたワーク寸法誤差と、過去の所定回数(例えば100回)のワーク寸法誤差の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさが所定のしきい値以上である場合、又は、新たに取得されたワーク寸法誤差が、過去の所定回数のワーク寸法誤差の分布中心から当該分布の3σ以上離れている場合に、ワークが異常であると判定してもよい(ステップ324:Yes)。このしきい値は、例えば、しきい値情報225に含まれるワーク寸法誤差ばらつきの異常判定しきい値Twsであってもよい(図9参照)。
【0065】
なお、上記の「100回」及び「1000回」はいずれも一例であり、それ以外の数であってもよい。例えば、「100回」は、計測のノイズやワーク寸法ばらつきの影響を軽減するために十分なサンプル数の一例である。また、「1000回」は、上記の「100回」より十分に多いサンプル数の一例である。以下の説明においても同様である。
【0066】
上記の例では、ワーク寸法誤差の分布に基づいて、ワーク異常が検知されるが、異常判定部216は、取り外し姿勢の分布に基づいて、設備異常を検知することもできる。以下、設備異常の検知について説明する。
【0067】
図4等を参照して説明した通り、加工後のワーク4の姿勢は、ワーク供給姿勢のずれ及び加工前のワーク4Aの形状の変動などに依存せずに一定となる。にもかかわらず取外し姿勢が変化したとすると、それは、設備側に何らかの変化が生じたことを意味する。具体的には、例えばワーク4を把持するためのハンド2の爪が過大な負荷などのために変形した場合などに、取外し姿勢の変化が発生する。このような設備異常は、取り外し姿勢の分布に基づいて検知することができる。
【0068】
この場合、図7のグラフの縦軸は、取外し姿勢の分布の中心座標となる。新たなワーク4の加工が行われる度に図3A及び図3Bの処理が実行され、ステップ317において取外し姿勢が取得され、保存される。そして、前回の加工時の加工点数に1を加えた加工点数に対応して、その時点までの100回の加工において取得された取外し姿勢の分布中心が実線のグラフとしてプロットされる。また、その時点までの過去の1000回の加工において算出された取外し姿勢の分布中心が破線のグラフとしてプロットされる。
【0069】
取外し姿勢の変動の原因となる設備の状態(例えばハンド2の爪の状態)は、徐々に変化する場合と、急激に変化する場合とがある。異常判定部216は、取外し姿勢の分布に基づいて検知された設備の状態に基づいて、設備異常を判定する(ステップ324)。
【0070】
例えば、設備の状態の緩やかな変化は、過去100回の取外し姿勢の分布中心と過去1000回の取外し姿勢の分布中心とを比較することによって検知することができる。例えば、過去100回の取外し姿勢の分布中心と過去1000回の取外し姿勢の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさが所定のしきい値を超える場合に、設備が異常であると判定してもよい(ステップ324:Yes)。このしきい値は、例えば、しきい値情報225に含まれる取り外し姿勢誤差中心位置の異常判定しきい値Trcであってもよい(図9参照)。
【0071】
また、設備の状態の急激な変化は、新たに取得された取外し姿勢をそれまでに取得された取外し姿勢の分布と比較することによって検知することができる。例えば、新たに取得された取外し姿勢と、過去の所定回数(例えば100回)の取外し姿勢の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさが所定のしきい値以上である場合、又は、新たに取得された取外し姿勢が、過去の所定回数の取外し姿勢の分布中心から当該分布の3σ以上離れている場合に、設備が異常であると判定してもよい(ステップ324:Yes)。このしきい値は、例えば、しきい値情報225に含まれる取外し姿勢誤差ばらつきの異常判定しきい値Trsであってもよい(図9参照)。
【0072】
図8は、本発明の実施例のロボット制御装置14が保持する取付け姿勢情報221、取外し姿勢情報222、ワーク供給目標姿勢情報223及びワーク寸法誤差情報224の例を示す説明図である。
【0073】
取付け姿勢情報221、取外し姿勢情報222、ワーク供給目標姿勢情報223及びワーク寸法誤差情報224は、いずれも同一のフォーマットの情報として記憶部22に保持される。ここでは、取付け姿勢情報221を例として説明する。
【0074】
取付け姿勢情報221は、識別番号801、x座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807を含む。
【0075】
識別番号801は、取付け姿勢情報221に含まれる姿勢情報の組の通し番号である。識別番号801は、例えば、各ワーク4の識別情報であってもよい。x座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807は、各ワーク4の取付け姿勢を示す。すなわち、各ワーク4について必要に応じて力覚フィードバック補正を行い(ステップ307)、力覚センサ値が所定のしきい値より小さくなった場合に(ステップ306:Yes)、その時のハンド2の姿勢を示す座標値及び角度がx座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807として保持される。
【0076】
取外し姿勢情報222、ワーク供給目標姿勢情報223及びワーク寸法誤差情報224のフォーマットも上記と同様である。例えば、ステップ317で取得されたハンド2の姿勢を示す座標値及び角度が、取外し姿勢情報222のx座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807として保持される。また、予め設定された、各ワーク4をチャック5へ供給するときのハンド2の姿勢を示す座標値及び角度が、ワーク供給目標姿勢情報223のx座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807として保持される。これらの座標値及び角度は、ステップ322においてワーク供給目標姿勢を更新すると判定された場合に更新される。
【0077】
また、ステップ318で算出されたワーク寸法誤差に相当するハンド2の姿勢を示す座標値及び角度(例えば、ステップ317で取得された取外し姿勢を示す座標値及び角度とステップ308で取得された取付け姿勢を示す座標値及び角度との差分)が、ワーク寸法誤差情報224のx座標値802、y座標値803、z座標値804、ロール角805、ピッチ角806及びヨー角807として保持される。
【0078】
上記の例では、ハンド2の姿勢を示す座標値及び角度が保持されるが、それらの代わりにロボットアーム1の関節角などの情報が保持されてもよい。
【0079】
図9は、本発明の実施例のロボット制御装置14が保持するしきい値情報225の例を示す説明図である。
【0080】
しきい値情報225は、例えば、力覚フィードバック補正の終了しきい値(Tf)、ワーク供給目標姿勢更新の判定しきい値(Tp)、取外し姿勢誤差ばらつきの異常判定しきい値(Trs)、取り外し姿勢誤差中心位置の異常判定しきい値(Trc)、ワーク寸法誤差ばらつきの異常判定しきい値(Tws)、及び、ワーク寸法誤差推移に対する判定しきい値(Twc)を含む。
【0081】
力覚フィードバック補正の終了しきい値(Tf)としては、例えば1Nなど、力覚センサ3によって計測される外力の大きさのしきい値が登録される。ワーク供給目標姿勢更新の判定しきい値(Tp)、取外し姿勢誤差ばらつきの異常判定しきい値(Trs)、取り外し姿勢誤差中心位置の異常判定しきい値(Trc)、ワーク寸法誤差ばらつきの異常判定しきい値(Tws)及びワーク寸法誤差推移に対する判定しきい値(Twc)としては、それぞれ、例えば3mm、4mmなど、姿勢の値と姿勢の分布との値の比較、又は、姿勢の値の分布間の比較に用いられるしきい値等が登録される。
【0082】
ロボット制御装置14の記憶部22には、さらに、環境情報226及びロボット情報227が保持される。環境情報226は、例えば、加工機及び周辺機器(例えばコンベア及び棚など)の3次元モデル情報を含む。ロボット情報227は、ロボットアーム1及びハンド2の3次元モデル情報、及び、ロボットアーム1の関節角の可動範囲を示す情報等を含む。上記の3次元モデル情報は、例えばCADなどで用いられる一般的な形式のものであってもよい。これらの情報については、図示及び詳細な説明を省略する。
【0083】
図10は、本発明の実施例のロボット制御装置14によって出力される情報の第1の例を示す説明図である。
【0084】
図10に示す画面1000は、ロボット制御装置14の表示部25によって表示される画面の一例であり、例えば、ワーク寸法誤差分布表示ボタン1001、取外し姿勢誤差分布表示ボタン1002、設備異常アラーム表示部1003、ワーク異常アラーム表示部1004、力覚異常アラーム表示部1005、誤差分布表示部1006、誤差推移表示部1007、力覚センサ値表示部1008、しきい値表示部1009、しきい値変更ボタン1010、環境設定ボタン1011及びワーク供給目標姿勢設定ボタン1012を含む。
【0085】
ワーク寸法誤差分布表示ボタン1001及び取外し姿勢誤差分布表示ボタン1002は、ユーザがワーク寸法誤差の分布又は取外し姿勢誤差のいずれかの表示を選択するために操作される。図10には、取外し姿勢誤差分布表示ボタン1002が操作された場合の例を示す。
【0086】
この場合、誤差分布表示部1006には、過去にステップ317で取得された取外し姿勢の誤差の分布が表示される。図10の例では、取外し姿勢のうちx座標値とy座標値を2次元の空間にプロットしているが、別の二つの座標値の組合せでもよいし、ロール角、ピッチ角及びヨー角のいずれかの組合せであってもよい。また、例えば3次元の座標値をプロットした3次元空間の斜視図等を表示してもよい。
【0087】
図10の例では、ワーク供給目標姿勢の変更(ステップ323)が行われた場合の、変更前に取得された取外し姿勢を黒い点で、変更後に取得された取外し姿勢を白い点で表示している。また、変更前と変更後の分布のずれの程度(例えばそれぞれの分布中心の間のずれ量)、及び、それぞれの分布のばらつきの大きさ等を表示してもよい。これらを比較することで、ワーク供給目標姿勢の変更の効果を確認することができる。
【0088】
誤差推移表示部1007には、横軸を加工点数、縦軸をステップ317で算出された取外し姿勢の誤差とするグラフが表示される。図7に示したように、過去100点の取外し姿勢の誤差の分布中心を実線で、過去1000点の取外し姿勢の誤差の分布中心を破線で表示してもよい。
【0089】
誤差推移表示部1007には、過去100回の取外し姿勢の分布中心と過去1000回の取外し姿勢の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさをグラフ表示してもよい。さらに、取外し姿勢誤差中心位置の異常判定しきい値(Trc)を表示し、例えば、過去100点の取外し姿勢の誤差の分布中心と過去1000点の取外し姿勢の誤差の分布中心との差が取外し姿勢誤差中心位置の異常判定しきい値(Trc)以上となった場合に、設備異常と判定され、設備異常アラーム表示部1003においてアラームが表示されてもよい。
【0090】
力覚センサ値表示部1008には、横軸を加工点数、縦軸をステップ306及び315で取得された力覚センサ3の計測値とするグラフが表示される。力覚センサ値表示部1008には、さらに、力覚フィードバック補正の終了しきい値(Tf)が表示される。例えば、力覚センサ3の計測値が力覚フィードバック補正の終了しきい値(Tf)以上となった場合に、力覚異常アラーム表示部1005においてアラームが表示されてもよい。
【0091】
しきい値表示部1009には、図9に示したものと同様の各項目のしきい値が表示される。
【0092】
ユーザは、しきい値変更ボタン1010を操作して、しきい値情報225に含まれる任意の項目のしきい値を変更することができる。例えば、しきい値変更ボタン1010を操作することで別画面(図示省略)に遷移し、そこでユーザが手動でしきい値を変更してもよい。あるいは、ユーザは、しきい値表示部1009に所望のしきい値を入力してしきい値変更ボタン1010を操作することでしきい値を設定してもよい。
【0093】
また、ユーザは、環境設定ボタン1011を操作して、環境情報226を設定することができる。例えば、ユーザは、ワーク供給装置10を含む設備、及びワーク4等の3次元モデルを入力してもよい。
【0094】
また、ユーザは、ワーク供給目標姿勢設定ボタン1012を操作して、ワーク供給目標姿勢を任意の値に設定することができる。例えば、ワーク供給目標姿勢設定ボタン1012を操作することで別画面(図示省略)に遷移し、そこでユーザがワーク供給目標姿勢を入力してもよい。このとき、取外し姿勢の分布の中心のずれ量から計算した推奨値を表示してもよい。例えば、取外し姿勢の分布の中心を、新たなワーク供給目標姿勢の推奨値としてもよい。
【0095】
図11は、本発明の実施例のロボット制御装置14によって出力される情報の第2の例を示す説明図である。
【0096】
以下、図10と相違する点について説明する。
【0097】
図11には、ワーク寸法誤差分布表示ボタン1001が操作された場合の例を示す。この場合、誤差分布表示部1006には、過去にステップ318で取得されたワーク寸法誤差の分布が表示される。図11の例では、ワーク寸法誤差のうちx座標値とy座標値を2次元の空間にプロットしているが、別の二つの座標値の組合せでもよいし、ロール角、ピッチ角及びヨー角のいずれかの組合せであってもよい。また、例えば3次元の座標値をプロットした3次元空間の斜視図等を表示してもよい。
【0098】
図11の例では、ワーク供給目標姿勢の変更(ステップ323)が行われた場合の、変更前に取得されたワーク寸法誤差を黒い点で、変更後に取得されたワーク寸法誤差を白い点で表示している。これらを比較することで、ワーク供給目標姿勢の変更の効果を確認することができる。
【0099】
誤差推移表示部1007には、横軸を加工点数、縦軸をステップ318で算出されたワーク寸法誤差とするグラフが表示される。図7に示したように、過去100点のワーク寸法誤差の分布中心を実線で、過去1000点のワーク寸法誤差の分布中心を破線で表示してもよい。
【0100】
誤差推移表示部1007には、過去100回の取外し姿勢の分布中心と過去1000回の取外し姿勢の分布中心との間の誤差ベクトルの大きさをグラフ表示してもよい。さらに、ワーク寸法誤差推移に対する判定しきい値(Twc)が表示され、例えば、過去100点のワーク寸法誤差の分布中心と過去1000点のワーク寸法誤差の分布中心との差がワーク寸法誤差推移に対する判定しきい値(Twc)以上となった場合に、ワーク異常と判定され、ワーク異常アラーム表示部1004においてアラームが表示されてもよい。
【0101】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0102】
(1)加工機に対するワーク(例えばワーク4)の取付け及び取外しを行うロボット(例えばロボットアーム1及びハンド2を含むワーク供給装置10)を制御するロボット制御装置(例えばロボット制御装置14)であって、前記ロボットの負荷を計測するセンサ(例えば力覚センサ3)の計測値に基づいて前記ロボットの姿勢を補正する補正部(例えば力覚フィードバック補正部211))と、前記ロボットの姿勢を取得するロボット姿勢取得部(例えばロボット姿勢取得部212)と、前記ロボット姿勢取得部が取得した前記ロボットの姿勢を保存する記憶部(例えば記憶部22)と、前記加工機に前記ワークを取付ける目標姿勢であるワーク取付け目標姿勢を生成するワーク取付け目標姿勢生成部(例えばワーク供給目標姿勢更新部213)と、前記ワーク取付け目標姿勢に応じた前記ロボットの動作を生成する経路生成部(例えば経路生成部218)と、を有し、前記補正部は、前記ロボットが前記加工機による加工後の前記ワークを把持するときに、前記ロボットの負荷があらかじめ設定したしきい値より小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し(例えばステップ315、316)、前記ロボット姿勢取得部は、加工後の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取外し姿勢を取得して前記記憶部に保存し(例えばステップ317)、前記ワーク取付け目標姿勢生成部は、前記記憶部に保存された複数の前記取外し姿勢に基づいて、新たな前記ワーク取付け目標姿勢(例えば新たなワーク供給目標姿勢)を生成する(例えばステップ323)。
【0103】
これによって、加工対象のワークを用いて、生産を継続しながらロボットによるワークの供給姿勢のずれを補正することができる。
【0104】
(2)上記(1)に記載のロボット制御装置であって、前記取外し姿勢の変動に基づいて、前記ロボットを含む設備の異常を判定する異常判定部(例えば異常判定部216)をさらに有する。
【0105】
これによって、設備異常を検知することができる。
【0106】
(3)上記(2)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、新たに取得された前記取外し姿勢が、過去の複数の前記取外し姿勢の分布から所定の基準より離れている場合(例えば新たに取得された取外し姿勢が過去の取外し姿勢の分布中心から3σ以上離れている場合、又は、新たに取得された取外し姿勢と過去の取外し姿勢の分布中心との間の差の大きさが所定のしきい値を超える場合)に、前記設備が異常であると判定する(例えばステップ324)。
【0107】
これによって、設備の状態の急激な変化に基づく設備異常を検知することができる。
【0108】
(4)上記(2)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、過去の第1の所定数(例えば100)の前記取外し姿勢の分布が、前記第1の所定数より多い過去の第2の所定数(例えば1000)の前記取外し姿勢の分布から所定の基準より離れている場合(例えば両者の分布中心間の差の大きさが所定のしきい値を超える場合)に、前記設備が異常であると判定する(例えばステップ324)。
【0109】
これによって、設備の状態の緩やかな変化に基づく設備異常を検知することができる。
【0110】
(5)上記(2)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、前記設備が異常であると判定した場合に、前記設備の異常を示すアラームを出力する(例えばステップ325)。
【0111】
これによって、設備異常をユーザに通知し、対策につなげることができる。
【0112】
(6)上記(1)に記載のロボット制御装置であって、前記補正部は、前記ロボットが加工前の前記ワークをワーク取付け目標姿勢に移動し、前記加工機の保持装置が前記加工前のワークを保持したときに、前記ロボットの負荷が小さくなるように前記ロボットの姿勢を補正し(例えばステップ304~307)、前記ロボット姿勢取得部は、加工前の複数の前記ワークについて、補正後の前記ロボットの姿勢である取付け姿勢を取得して前記記憶部に保存し(例えばステップ308)、前記ロボット制御装置は、前記取付け姿勢と前記取外し姿勢との差に基づいてワーク寸法誤差を算出するワーク寸法誤差算出部(例えばワーク寸法誤差算出部214)と、前記ワーク寸法誤差に基づいて、前記ワークの異常を判定する異常判定部(例えば異常判定部216)と、をさらに有する。
【0113】
これによって、ワーク異常を検知することができる。
【0114】
(7)上記(6)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、新たに取得された前記ワーク寸法誤差が、過去の複数の前記ワーク寸法誤差の分布から所定の基準より離れている場合(例えば新たに取得されたワーク寸法誤差が過去のワーク寸法誤差の分布中心から3σ以上離れている場合、又は、新たに取得されたワーク寸法誤差と過去のワーク寸法誤差の分布中心との間の差の大きさが所定のしきい値を超える場合)に、前記ワークが異常であると判定する(例えばステップ324)。
【0115】
これによって、ワークの状態の急激な変化に基づくワーク異常を検知することができる。
【0116】
(8)上記(6)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、過去の第1の所定数(例えば100)の前記ワーク寸法誤差の分布が、前記第1の所定数より多い過去の第2の所定数(例えば1000)の前記ワーク寸法誤差の分布から所定の基準より離れている場合(例えば両者の分布中心間の差の大きさが所定のしきい値を超える場合)に、前記ワークが異常であると判定する(例えばステップ324)。
【0117】
これによって、ワークの状態の緩やかな変化に基づくワーク異常を検知することができる。
【0118】
(9)上記(6)に記載のロボット制御装置であって、前記異常判定部は、前記ワークが異常であると判定した場合に、前記ワークの異常を示すアラームを出力する(例えばステップ325)。
【0119】
これによって、ワーク異常をユーザに通知し、対策につなげることができる。
【0120】
(10)上記(1)に記載のロボット制御装置であって、前記センサは、前記ワークを把持する前記ロボットのハンドにかかる外力の大きさを示す信号を出力するセンサである。
【0121】
これによって、ロボットの負荷を計測することができる。
【0122】
(11)上記(10)に記載のロボット制御装置であって、前記センサは、力覚センサ、圧力センサ、画像センサ又はストレインゲージである。
【0123】
これによって、ロボットの負荷を計測することができる。
【0124】
(12)上記(1)に記載のロボット制御装置であって、前記ワーク取付け目標姿勢生成部は、前記記憶部に保存された前記複数の取外し姿勢の分布の中心を、前記新たなワーク取付け目標姿勢として生成する。
【0125】
これによって、ワーク取付け目標姿勢を適切に更新することができる。
【0126】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0127】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0128】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1・・・ロボットアーム
2・・・ハンド
3・・・力覚センサ
4・・・ワーク
5・・・チャック
10・・・ワーク供給装置
12・・・作業指示装置
14・・・ロボット制御装置
100・・・ワーク供給システム
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11