(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025000082
(43)【公開日】2025-01-07
(54)【発明の名称】押釦装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20241224BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241224BHJP
H01H 13/7057 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G06F3/02 480
G07G1/00 311A
H01H13/7057
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099727
(22)【出願日】2023-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 朗
【テーマコード(参考)】
3E142
5B020
5G206
【Fターム(参考)】
3E142BA02
5B020BB03
5B020DD02
5B020DD22
5G206AS35H
5G206HU13
5G206HU16
(57)【要約】
【課題】キーを視認する角度に応じて必要な情報だけを視認できる押釦装置を提供する。
【解決手段】電子レジスタ100は、第1面111a及び当該第1面111aよりも自装置100の手前側に配置された第2面111bを有するキー110(キートップ111)を備え、キー110は、第2面111bが第1面111aと比較して高い位置となるように設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び当該第1面よりも自装置の手前側に配置された第2面を有する釦部を備え、
前記釦部は、
前記第2面が前記第1面と比較して高い位置となるように設けられている、
ことを特徴とする押釦装置。
【請求項2】
前記釦部は、
前記第2面の自装置の奥側の端部から前記第1面に対して延びる仮想の線分であって、且つ、前記第2面の自装置の奥側の端部から前記第2面に対して鉛直方向に延びる前記仮想の線分が、前記第1面の情報が記載された部分よりも奥側の領域で交わるように設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の押釦装置。
【請求項3】
前記釦部は、
前記第2面の自装置の奥側の端部から前記第1面に対して延びる仮想の線分であって、且つ、前記第2面の自装置の奥側の端部から前記第2面に対して鉛直方向に延びる前記仮想の線分と、前記第1面と、が交わらないように設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の押釦装置。
【請求項4】
前記第1面と略並行である第1カバー面と、前記第2面を覆い、且つ、前記第1カバー面に連続する面である第2カバー面と、を備えるキャップを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の押釦装置。
【請求項5】
前記釦部は、前記第2面が自装置の手前側に向けて下り傾斜するように設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の押釦装置。
【請求項6】
第1面と当該第1面の手前側端部から手前側に下り傾斜するように形成された第2面とを有する釦部と、
前記釦部を覆うキャップと、
を備え、
前記キャップは、前記第2面の前面を覆うカバー面を有する、
ことを特徴とする押釦装置。
【請求項7】
前記キャップは、
前記カバー面の自装置の奥側の端部から前記第1面に対して延びる仮想の線分であって、且つ、前記カバー面の自装置の奥側の端部から前記カバー面に対して鉛直方向に延びる仮想の線分が、前記第1面の情報が記載された部分よりも奥側の領域で交わるように設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の押釦装置。
【請求項8】
前記キャップは、
前記カバー面の自装置の奥側の端部から前記第1面に対して延びる仮想の線分であって、且つ、前記カバー面の自装置の奥側の端部から前記カバー面に対して鉛直方向に延びる仮想の線分と、前記第1面と、が交わらないように設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の押釦装置。
【請求項9】
前記キャップは、前記カバー面に所定の印刷が施されている、又は、前記カバー面に所定の印刷物が貼付されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の押釦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種のキーを備えるキャッシュレジスタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているキャッシュレジスタ等では、通常、各キーに割り当てられた文字や機能を示す情報などが当該キーの上面に記されている。このキャッシュレジスタに関して、例えば、キーの上面に外国語を併記した場合や、1つのキーに割り当てられた複数の機能に対応する文字が当該キーに記載されている場合に、情報量が多くなるため、ユーザを混乱させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、キーを視認する角度に応じて必要な情報だけを視認できる押釦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る一の押釦装置は、
第1面及び当該第1面よりも自装置の手前側に配置された第2面を有する釦部を備え、
前記釦部は、
前記第2面が前記第1面と比較して高い位置となるように設けられている、
ことを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る他の押釦装置は、
第1面と当該第1面の手前側端部から手前側に下り傾斜するように形成された第2面とを有する釦部と、
前記釦部を覆うキャップと、
を備え、
前記キャップは、前記第2面の前面を覆うカバー面を有する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キーを視認する角度に応じて必要な情報だけを視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】電子レジスタを側方から見たときのキーの部分を示す拡大図である。
【
図3】(a)はユーザが仰俯角-60°(俯角60°)でキーボード部を見ながら操作しているときのイメージ図、(b)はユーザが仰俯角-90°(俯角90°)でキーボード部を見ながら操作しているときのイメージ図である。
【
図4】(a)は仰俯角-60°(俯角60°)でキーを視認したときの当該キーを示す図、(b)は仰俯角-90°(俯角90°)でキーを視認したときの当該キーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0011】
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の電子レジスタ(押釦装置)100の外観を示す図である。
図1では、キーボード部11を操作するユーザから見て手前側を「前」、奥側を「後」、左側を「左」、右側を「右」として示している。
【0012】
図1に示すように、電子レジスタ100は、ドロア一体型の電子レジスタである。電子レジスタ100は、上部にレジスタ部10及び印刷部20を備え、下部にドロア部30を備える。また、電子レジスタ100は、上記のレジスタ部10、印刷部20、ドロア部30などを制御するための制御部(図示省略)が筐体Bに内蔵されている。
【0013】
レジスタ部10は、キーボード部11と、本体表示部12と、顧客用表示部(図示省略)とを備える。キーボード部11及び本体表示部12は、筐体Bの上面B1に設けられている。
図1に示すように、キーボード部11及び本体表示部12が配置される筐体Bの上面B1は、手前側が低く奥側が高くなるように、すなわち、手前側に下り傾斜(例えば、10~20°の下り傾斜)した形状に形成されている。
【0014】
キーボード部11は、数字キーや各種機能キー等を備え、ユーザによるキー入力を受け付け、その操作情報を上記制御部に出力する。
【0015】
本体表示部12は、電子レジスタ100を操作するユーザが金額等の情報を視認するための表示装置である。
【0016】
顧客用表示部(図示省略)は、商品を購入した顧客が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。この顧客用表示部は、電子レジスタ100の背面(図示省略)に設けられている。
【0017】
印刷部20は、上記制御部から出力された制御信号に従い、レシートやジャーナルなどを用紙に印刷して出力する。
【0018】
ドロア部30は、金銭、商品券等を格納する引き出しであり、上記制御部による制御下で開放する開放機構を有する。
【0019】
次に、キーボード部11を構成する各種のキーのうち、日本語による情報(例えば「小計」)と外国語による情報(例えば「SUB TOTAL」)とが併記されたキー110の詳細について説明する。
図2は、電子レジスタ100を
図1における左右方向である側方から見たときのキー110の部分を示す拡大図である。
【0020】
図2に示すように、キー110は、キートップ(釦部)111と、可動軸112とを備える。また、キー110は、キートップ111がキャップ120で覆われている。
【0021】
キートップ111は、その上面が第1面111aと、段差部111cを介して当該第1面111aと比較して高い位置に設けられた第2面111bとの2面構造で構成されている。第1面111aには、上述した外国語による情報「SUB TOTAL」が印字されている。第2面111bには、日本語による情報「小計」が印字されている。
【0022】
キートップ111は、可動軸112の可動方向DRに直交する面を基準として、第1面111aが自装置100の奥側に下り傾斜するように形成されている。一方、第2面111bが自装置100の手前側に下り傾斜するように形成されている。具体的には、第2面111bは、第1面111aを水平面と平行とした場合に、段差部111cの上端部111c1から手前側に30°下り傾斜するように形成されている。ここで、段差部111cの上端部111c1は、ユーザが仰俯角-60°(俯角60°)でキーボード部11を見た場合(
図3(a)参照)に、当該段差部111cに遮られて第1面111aに印字されている「SUB TOTAL」の文字が視認不可となる高さに設定されている。つまり、ユーザが上端部111c1を視認したときの視線の先が、少なくとも第1面111aの「SUB TOTAL」が印字されている領域内では交わらないように当該上端部111c1の高さが設定されている。換言すると、キートップ111(キー110)は、第2面111bの自装置100の奥側の端部(段差部111cの上端部111c1)から第1面111aに対して延びる仮想の線分VLであって、且つ、第2面111bの自装置100の奥側の端部から第2面111bに対して鉛直方向に延びる仮想の線分VLが、第1面111aの「SUB TOTAL」の文字が印字された部分よりも奥側の領域で交わる、又は、当該仮想の線分VLと、第1面111aと、が交わらないように設けられていればよい。
【0023】
キートップ111は、可動軸112の可動方向DRが筐体Bの上面B1に対して直交するようにキー110がキーボード部11に配置された際に、第1面111aが自装置100の設置面(水平面)に対して平行、すなわち、第1面111aに直交する直線L1の仰俯角が+90°(仰角90°)となるように設けられる。一方、第2面111bが段差部111cの上端部111c1から手前側に30°の下り傾斜、すなわち、第2面111bに直交する直線L2の仰俯角が+60°(仰角60°)となるように設けられる。
【0024】
キャップ120は、キートップ111の上面(第1面111a、第2面111b及び段差部111c)及び側面を覆うためのものであり、例えば、透明な樹脂部材で構成されている。また、キャップ120は、キートップ111の第1面111aと略並行である第1カバー面121と、第2面111bを覆い、且つ、第1カバー面121に連続する面である第2カバー面122と、を備え、凹みを有しない形状をなしている。キートップ111に段差部111cが存することによるキー110の押し難さを解消するためである。
【0025】
次に、キーボード部11の操作時におけるキー110の見え方について説明する。
図3(a)は、ユーザが仰俯角-60°(俯角60°)でキーボード部11を見ながら操作しているときのイメージ図である。
図3(b)は、ユーザが仰俯角-90°(俯角90°)でキーボード部11を見ながら操作しているときのイメージ図である。
【0026】
図3(a)に示すように、ユーザが仰俯角-60°(俯角60°)でキーボード部11を見た場合、当該ユーザはキー110(キートップ111)の第2面112を正対視することとなる(
図2参照)。本実施形態では、かかる場合を、主言語として日本語を使用するユーザ(日本語ユーザ)によるキーボード部11の操作ケースとして想定している。このため、日本語ユーザが仰俯角-60°(俯角60°)でキー110(キートップ111)を見た場合、
図4(a)に示すように、第1面111aに印字された「SUB TOTAL」の文字の視認が制限され、第2面111bに印字された「小計」の文字が正面から視認されることとなる。したがって、かかる場合には、日本語ユーザにとって必要な「小計」の文字だけを視認できるようにすることができる。
【0027】
図3(b)に示すように、ユーザが仰俯角-90°(俯角90°)でキーボード部11を見た場合、当該ユーザはキー110(キートップ111)の第1面111aを正対視することとなる(
図2参照)。本実施形態では、かかる場合を、英語を使用するユーザ(英語ユーザ)によるキーボード部11の操作ケースとして想定している。英語ユーザの方が日本語ユーザに比べて身長が高いことを考慮したものである。このため、英語ユーザが仰俯角-90°(俯角90°)でキー110(キートップ111)を見た場合、
図4(b)に示すように、第2面111bに印字された「小計」の文字が斜め方向から視認され、第1面111aに印字された「SUB TOTAL」の文字が正面から視認されることとなる。したがって、かかる場合には、キートップ111の第2面111bに印字された「小計」の文字が視認し難くなる一方で、第1面111aに印字された「SUB TOTAL」の文字が視認し易くなるので、「小計」の文字に比べて「SUB TOTAL」の文字を際立たせることができる。
【0028】
以上説明したように、電子レジスタ100は、第1面111a及び当該第1面111aよりも自装置100の手前側に配置された第2面111bを有するキー110(キートップ111)を備え、キー110は、第2面111bが第1面111aと比較して高い位置となるように設けられている。
したがって、電子レジスタ100によれば、第2面111bの手前側からキー110を視認したときに、段差部111cによって第1面111aの視認が制限され、第2面111bに印字された「小計」の文字だけを視認できるようになるので、第1面111aに「SUB TOTAL」の文字が印字されるとともに第2面111bに「小計」の文字が印字されていることによる混乱を防ぐことができる。
【0029】
また、電子レジスタ100は、キートップ111の第1面111aと略並行である第1カバー面121と、第2面111bを覆い、且つ、第1カバー面121に連続する面である第2カバー面122と、を備えるキャップ120を備える。
したがって、電子レジスタ100によれば、キャップ120を備えることによって、キートップ111に段差部111cが存することによるキー110の押し難さを解消することができる。
【0030】
また、キー110(キートップ111)は、第2面111bが自装置100の手前側に向けて下り傾斜するように設けられているので、第2面111bに印字されている「小計」の文字を視認し易くすることができる。
【0031】
[変形例]
次に、上述した電子レジスタ100の変形例について説明する。この変形例では、キャップ220に設けられたカバー面221によってキー210(キートップ211)の第1面211aの視認を制限することを特徴とする。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0032】
図5は、本変形例のキー210を示す側面図である。
図5に示すように、キー210は、キートップ(釦部)211と、可動軸112とを備える。また、キー210は、キートップ211がキャップ220で覆われている。
【0033】
キートップ211は、その上面が第1面211aと、当該第1面211aに隣接する第2面211bとの2面構造で構成されている。第1面211aには、「SUB TOTAL」の文字が印字されている。なお、「小計」の文字は、後述するキャップ220のカバー面221に印字されている。
【0034】
キャップ220は、キートップ211の上面(第1面211a及び第2面211b)及び側面を覆うためのものであり、透明な樹脂部材で構成されている。キャップ220は、キー210の第2面211bの前面を覆うカバー面221を有する。このカバー面221には、例えば、「小計」の文字が白色で印字されており、それ以外の部分は黒色で印刷されている。また、カバー面221は、キャップ220がキートップ211に取り付けられた際に、当該キートップ211の第2面211bと略平行となるように設けられている。
【0035】
このため、ユーザが所定の角度(例えば、仰俯角-60°(俯角60°))でキー210(キートップ211)を見た場合、上記のカバー面221によって、第1面211aに印字された「SUB TOTAL」の文字の視認が制限され、当該カバー面221に印字された「小計」の文字だけが視認されることとなる。ここで、カバー面221の上端部221aは、ユーザが上記角度からキーボード部11を見た場合に、当該カバー面221に遮られて第1面211aに印字されている「SUB TOTAL」の文字が視認不可となる高さに設定されている。つまり、ユーザがカバー面221の上端部221aを視認したときの視線の先が、少なくともキー210の第1面211aの「SUB TOTAL」が印字されている領域内では交わらないように当該上端部221aの高さが設定されている。換言すると、キャップ220は、カバー面221の自装置100の奥側の端部(カバー面221の上端部221a)から第1面211aに対して延びる仮想の線分VLであって、且つ、カバー面221の自装置100の奥側の端部からカバー面221に対して鉛直方向に延びる仮想の線分VLが、第1面211aの「SUB TOTAL」の文字が印字された部分よりも奥側の領域で交わる、又は、当該仮想の線分VLと、第1面211aと、が交わらないように設けられていればよい。
【0036】
一方、ユーザが真上から(仰俯角-90°(俯角90°)で)キー210(キートップ211)を見た場合、キャップ220のカバー面221に印字された「小計」の文字が斜め方向から視認され、キー210の第1面211aに印字された「SUB TOTAL」の文字がキャップ220越しに正面から視認されることとなる。したがって、かかる場合には、キャップ220のカバー面221に印字された「小計」の文字が視認し難くなる一方で、キー210の第1面211aに印字された「SUB TOTAL」の文字が視認し易くなるので、「小計」の文字に比べて「SUB TOTAL」の文字を際立たせることができる。
【0037】
以上説明したように、変形例の電子レジスタ100は、第1面211aと当該第1面211aの手前側端部から手前側に下り傾斜するように形成された第2面211bとを有するキー210(キートップ211)と、キー210を覆うキャップ220と、を備え、キャップ220は、キー210の第2面211bの前面を覆うカバー面221を有する。
したがって、変形例の電子レジスタ100によれば、第2面211bの手前側からキー210を視認したときに、キャップ220のカバー面221によって第1面211aの視認が制限され、第2面211bに印字された「小計」の文字だけを視認できるようになるので、キー210の第1面211aに「SUB TOTAL」の文字が印字されるとともに第2面211bに「小計」の文字が印字されていることによる混乱を防ぐことができる。
【0038】
また、キャップ220は、カバー面221に「小計」の文字が白色で印字されるとともに、それ以外の部分が黒色で印刷されているので、当該カバー面221によって、キー210の第1面211aの視認を適切に制限することができる。
【0039】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、キートップ111の第1面111aに「SUB TOTAL」の文字が印字されているが、第1面111aに印字される文字は、第2面111bに印字されている「小計」に対応した外国語による文字であればよく、ドイツ語による「Zwischensumme」の文字等であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、例えば、英語を母国語とするユーザが電子レジスタ100の主なユーザ(多数ユーザ)である場合には、キー110の第2面111bに「SUB TOTAL」の文字が印字され、第1面111aに「小計」などの他の言語による文字が印字されるようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態または上記変形例では、キートップ111の第1面111aまたは211aに「SUB TOTAL」の文字が印字され、キートップ111の第2面111bまたは211bに「小計」の文字が印字されているが、キートップ111の第1面111aまたは211a、およびキートップ111の第2面111bまたは211bに印字される文字はこれに限られず、当該キーの機能や役割を表す文字であってもよい。
【0042】
また、上記変形例では、キャップ220のカバー面221に「小計」の文字が白色で印字されるとともに、それ以外の部分が黒色で印刷されるようになっているが、「小計」の文字が白色で印字されるとともに、それ以外の部分が黒色で印刷された紙(印刷物)をカバー面221の内側から貼付するようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では電子レジスタ100のキーボード部11について説明してきたが、本発明はこれに限られず、例えば、PC用キーボードや操作スイッチのように、本発明のキー構造を有するその他の装置であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、キートップ111は、例えば、第1面111aが自装置100の設置面(水平面)に対して平行となるように設けられ、第2面111bが段差部111cの上端部111c1から手前側に30°の下り傾斜となるように設けられているが、第1面111a及び第2面111bの各設置角度は、あくまでも一例に過ぎない。第1面111a及び第2面111bの各設置角度は、キー110を視認する角度に応じて第2面111bの「小計」の文字だけを視認できるという本発明の効果を奏することができればよく、上述した設置角度に限定されない。具体的には、例えば、第1面111aは、第1面111aに直交する直線L1の仰俯角が所定の角度範囲(例えば+90°(仰角90°)以下でかつ+45°(仰角45°)以上)になるように、設けられていてもよく、第2面111bは、第2面111bに直交する直線L2の仰俯角が所定の角度範囲(例えば+90°(仰角90°)未満でかつ+45°(仰角45°)以上)になるように、設けられていてもよい。
【0045】
また、上記変形例では、キャップ220のカバー面221に関して、ユーザが所定の角度(例えば、仰俯角-60°(俯角60°))でキー210(キートップ211)を見た場合に、当該カバー面221によって、第1面211aに印字された「SUB TOTAL」の文字の視認が制限されていればよく、カバー面221は、キートップ211の第2面211bと略平行となるように設けられる場合に限定されない。
【0046】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0047】
100 電子レジスタ
10 レジスタ部
11 キーボード部
110,210 キー
111,211 キートップ
111a,211a 第1面
111b,211b 第2面
111c 段差部
112 可動軸
120,220 キャップ
221 カバー面
12 本体表示部
20 印刷部
30 ドロア部
B 筐体
B1 上面