(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025082008
(43)【公開日】2025-05-28
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 24/84 20110101AFI20250521BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20250521BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20250521BHJP
【FI】
H01R24/84
H01R13/639 Z
H01R13/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195180
(22)【出願日】2023-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA08
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC36
5E021HC09
5E021HC31
5E087EE06
5E087FF02
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5E087HH03
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5E087MM05
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5E223AB01
5E223AB28
5E223AC03
5E223BA01
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5E223EC07
5E223EC32
5E223EC44
5E223EC47
5E223EC72
5E223EC78
5E223EC82
(57)【要約】
【課題】互いに同一構成を有する第1コネクタおよび第2コネクタにより電線同士の接続を行いながらも小型化を図ることができるコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】第1コネクタ11は、第1インシュレータ12と、第1電線C1の端部に接続される第1コンタクト13を有し、第2コネクタ21は、第2インシュレータ22と、第2電線C2の端部に接続される第2コンタクト23を有し、第1コネクタ11および第2コネクタ21が互いに嵌合すると、第1コンタクト13の一部が第2コンタクト23と第2インシュレータ22の間に位置し且つ第2コンタクト23の一部が第1コンタクト13と第1インシュレータ12の間に位置した状態で第1コンタクト13および第2コンタクト23が互いに接触し、第1電線C1および第2電線C2が互いに電気的に接続される。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電線の端部に連結される第1コネクタと第2電線の端部に連結され且つ前記第1コネクタと同一構成を有する第2コネクタが互いに嵌合するコネクタ組立体であって、
前記第1コネクタは、第1インシュレータと、前記第1インシュレータに保持され且つ前記第1電線の端部に接続される第1コンタクトを有し、
前記第2コネクタは、第2インシュレータと、前記第2インシュレータに保持され且つ前記第2電線の端部に接続される第2コンタクトを有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタが互いに嵌合すると、前記第1コンタクトの一部が前記第2コンタクトと前記第2インシュレータの間に位置し且つ前記第2コンタクトの一部が前記第1コンタクトと前記第1インシュレータの間に位置した状態で前記第1コンタクトおよび前記第2コンタクトが互いに接触し、前記第1電線および前記第2電線が互いに電気的に接続されるコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1インシュレータは、平面状の第1接合面と、前記第1接合面に形成され且つ前記第1コンタクトの少なくとも一部が収容される凹状の第1コンタクト収容部を有し、
前記第2インシュレータは、前記第1接合面に対向する平面状の第2接合面と、前記第2接合面に形成され且つ前記第2コンタクトの少なくとも一部が収容される凹状の第2コンタクト収容部を有する請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、前記第2接合面および前記第1接合面に沿って相対移動することにより、互いに嵌合する請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第1コンタクトは、前記第2コネクタとは反対方向に向かって突出する第1凸部を有し、
前記第2コンタクトは、前記第1コネクタとは反対方向に向かって突出する第2凸部を有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、前記第1凸部および前記第2凸部が互いに乗り越えるまで相対移動する請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、互いに直進スライドするように相対移動する請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、互いに回転スライドするように相対移動する請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記第1接合面および前記第2接合面の間に挟まれる防水部を備える請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記防水部は、前記第1接合面の上に配置された第1防水シートと、前記第2接合面の上に配置され且つ前記第1防水シートに密着する第2防水シートからなる請求項7に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記第1電線および前記第2電線は、それぞれ、導体部の外周部が絶縁被膜部により覆われた被膜電線からなり、
前記第1電線の端部における前記導体部は、前記第1コンタクト収容部内において前記第1コンタクトに接続され、
前記第2電線の端部における前記導体部は、前記第2コンタクト収容部内において前記第2コンタクトに接続される請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記第1インシュレータは、前記第1コンタクト収容部に連通するように前記第1接合面に形成され且つ前記第1電線の一部を収容する第1電線収容溝を有し、
前記第2インシュレータは、前記第2コンタクト収容部に連通するように前記第2接合面に形成され且つ前記第2電線の一部を収容する第2電線収容溝を有する請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記第1インシュレータは、第1ロック部と第1被ロック部を有し、
前記第2インシュレータは、第2ロック部と第2被ロック部を有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタが互いに嵌合すると、前記第1被ロック部が前記第2ロック部にロックされ且つ前記第2ロック被部が前記第1ロック部にロックされることにより、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータが互いに固定される請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記第1インシュレータは、第1ロック部を有し、
前記第2インシュレータは、第2ロック部を有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタが互いに嵌合すると、前記第1ロック部および前記第2ロック部が相互に干渉することにより、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータが互いに固定される請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタ組立体に係り、特に、第1電線の端部に連結される第1コネクタと第2電線の端部に連結され且つ第1コネクタと同一構成を有する第2コネクタが互いに嵌合するコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2本の電線同士を接続するためのコネクタが知られている。
例えば、特許文献1には、
図31に示されるように、第1コネクタ1と第2コネクタ2を互いに嵌合させることで複数の電線同士を接続するコネクタ組立体が開示されている。第1コネクタ1と第2コネクタ2は、互いに同一構成を有するもので、雌雄同体に形成されている。
【0003】
第1コネクタ1は、第1インシュレータ3と、第1インシュレータ3に保持された複数の第1コンタクト4を有している。第1インシュレータ3は、第1コネクタ1の前方に向かって延び且つ複数の第1コンタクト4が配置された平板状のブレード部3Aと、ブレード部3Aの両側部に隣接し且つブレード部3Aとは異なる面において前方に延びる一対のガイド部3Bを有している。
【0004】
第2コネクタ2は、第1コネクタ1と同様に、第2インシュレータ5と、第2インシュレータ5に保持された図示しない複数の第2コンタクト6を有している。第2インシュレータ5は、第2コネクタ2の前方に向かって延び且つ複数の第2コンタクト6が配置された平板状のブレード部5Aと、ブレード部5Aの両側部に隣接し且つブレード部5Aとは異なる面において前方に延びる一対のガイド部5Bを有している。
【0005】
図31に示されるように、前後、左右、上下を互いに逆向きにして第1コネクタ1と第2コネクタ2を互いに差し合わせると、ブレード部3Aとブレード部5Aが互いに重なり合い、また、一対のガイド部3Bと一対のガイド部5Bがそれぞれ互いに重なり合って接触することで、第1コネクタ1と第2コネクタ2は嵌合状態となる。
これにより、
図32に示されるように、ブレード部3Aに配置されている第1コンタクト4の接点部4Aとブレード部5Aに配置されている第2コンタクト6の接点部6Aが弾性的に接触し、複数の第1コンタクト4と複数の第2コンタクト6は互いに電気的に接続される。
【0006】
複数の第1コンタクト4の接点部4Aと複数の第2コンタクト6の接点部6Aが弾性的に接触することで、第1コネクタ1と第2コネクタ2に互いに遠ざける方向の力が作用するが、
図31に示される一対のガイド部3Bと一対のガイド部5Bが互いに対向して接触することにより、第1コネクタ1と第2コネクタ2の嵌合状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、複数の第1コンタクト4と複数の第2コンタクト6の弾性的な接触に起因して発生する力に抗して第1コネクタ1と第2コネクタ2の嵌合状態を維持するために、第1コネクタ1の一対のガイド部3Bと第2コネクタ2の一対のガイド部5Bの強度を確保する必要があり、第1コネクタ1および第2コネクタ2を小型化することが難しいという問題がある。
【0009】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、互いに同一構成を有する第1コネクタおよび第2コネクタにより電線同士の接続を行いながらも小型化を図ることができるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るコネクタ組立体は、
第1電線の端部に連結される第1コネクタと第2電線の端部に連結され且つ第1コネクタと同一構成を有する第2コネクタが互いに嵌合するコネクタ組立体であって、
第1コネクタは、第1インシュレータと、第1インシュレータに保持され且つ第1電線の端部に接続される第1コンタクトを有し、
第2コネクタは、第2インシュレータと、第2インシュレータに保持され且つ第2電線の端部に接続される第2コンタクトを有し、
第1コネクタおよび第2コネクタが互いに嵌合すると、第1コンタクトが第2コンタクトと第2インシュレータの間に位置し且つ第2コンタクトが第1コンタクトと第1インシュレータの間に位置した状態で第1コンタクトおよび第2コンタクトが互いに接触し、第1電線および第2電線が互いに電気的に接続されるものである。
【0011】
第1インシュレータは、平面状の第1接合面と、第1接合面に形成され且つ第1コンタクトの少なくとも一部が収容される凹状の第1コンタクト収容部を有し、
第2インシュレータは、第1接合面に対向する平面状の第2接合面と、第2接合面に形成され且つ第2コンタクトの少なくとも一部が収容される凹状の第2コンタクト収容部を有するように構成することができる。
【0012】
第1コネクタおよび第2コネクタは、第2接合面および第1接合面に沿って相対移動することにより、互いに嵌合することが好ましい。
また、第1コンタクトは、第2コネクタとは反対方向に向かって突出する第1凸部を有し、
第2コンタクトは、第1コネクタとは反対方向に向かって突出する第2凸部を有し、
第1コネクタおよび第2コネクタは、第1凸部および第2凸部が互いに乗り越えるまで相対移動することが好ましい。
【0013】
第1コネクタおよび第2コネクタは、互いに直進スライドするように相対移動することができる。
あるいは、第1コネクタおよび第2コネクタは、互いに回転スライドするように相対移動してもよい。
第1接合面および第2接合面の間に挟まれる防水部を備えることが好ましい。
防水部は、第1接合面の上に配置された第1防水シートと、第2接合面の上に配置され且つ第1防水シートに密着する第2防水シートからなるように構成することができる。
【0014】
第1電線および第2電線は、それぞれ、導体部の外周部が絶縁被膜部により覆われた被膜電線からなり、
第1電線の端部における導体部は、第1コンタクト収容部内において第1コンタクトに接続され、
第2電線の端部における導体部は、第2コンタクト収容部内において第2コンタクトに接続されるように構成することができる。
この場合、第1インシュレータは、第1コンタクト収容部に連通するように第1接合面に形成され且つ第1電線の一部を収容する第1電線収容溝を有し、
第2インシュレータは、第2コンタクト収容部に連通するように第2接合面に形成され且つ第2電線の一部を収容する第2電線収容溝を有することが好ましい。
【0015】
好ましくは、第1インシュレータは、第1ロック部と第1被ロック部を有し、
第2インシュレータは、第2ロック部と第2被ロック部を有し、
第1コネクタおよび第2コネクタが互いに嵌合すると、第1被ロック部が第2ロック部にロックされ且つ第2被ロック部が第1ロック部にロックされることにより、第1インシュレータおよび第2インシュレータが互いに固定される。
あるいは、第1インシュレータは、第1ロック部を有し、
第2インシュレータは、第2ロック部を有し、
第1コネクタおよび第2コネクタが互いに嵌合すると、第1ロック部および第2ロック部が相互に干渉することにより、第1インシュレータおよび第2インシュレータが互いに固定される。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、第1コネクタは、第1インシュレータと、第1インシュレータに保持され且つ第1電線の端部に接続される第1コンタクトを有し、第2コネクタは、第2インシュレータと、第2インシュレータに保持され且つ第2電線の端部に接続される第2コンタクトを有し、第1コネクタおよび第2コネクタが互いに嵌合すると、第1コンタクトが第2コンタクトと第2インシュレータの間に位置し且つ第2コンタクトが第1コンタクトと第1インシュレータの間に位置した状態で第1コンタクトおよび第2コンタクトが互いに接触し、第1電線および第2電線が互いに電気的に接続されるので、互いに同一構成を有する第1コネクタおよび第2コネクタにより電線同士の接続を行いながらも小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】嵌合状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図2】嵌合状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す平面図である。
【
図3】嵌合状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す側面図である。
【
図4】嵌合前の状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態1のコネクタ組立体における第1コネクタの組立図である。
【
図6】実施の形態1における第1コネクタの第1インシュレータを示す斜視図である。
【
図7】実施の形態1における第1コネクタの第1コンタクトを示す斜視図である。
【
図8】実施の形態1における第1コネクタを示す平面図である。
【
図10】実施の形態1における第2コネクタの、
図9に対応する断面図である。
【
図11】第1コネクタと第2コネクタの直進スライド前の状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図12】第1コネクタと第2コネクタの直進スライド前の状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す側面図である。
【
図13】第1コネクタと第2コネクタの直進スライド前の状態における実施の形態1のコネクタ組立体を示す側面断面図である。
【
図15】嵌合状態における実施の形態1のコネクタ組立体の第1ロック部および第2被ロック部を示す部分拡大図である。
【
図16】嵌合状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図17】嵌合状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す平面図である。
【
図18】嵌合状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す側面図である。
【
図19】嵌合前の状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図20】実施の形態2のコネクタ組立体における第1コネクタの組立図である。
【
図21】実施の形態2における第1コネクタの第1インシュレータを示す斜視図である。
【
図22】実施の形態2における第1コネクタの第1コンタクトを示す斜視図である。
【
図23】実施の形態2における第1コネクタを示す平面図である。
【
図25】実施の形態2における第2コネクタの、
図24に対応する断面図である。
【
図26】第1コネクタと第2コネクタの回転スライド前の状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図27】第1コネクタと第2コネクタの回転スライド前の状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す側面図である。
【
図28】第1コネクタと第2コネクタの回転スライド前の状態における実施の形態2のコネクタ組立体を示す側面断面図である。
【
図30】嵌合状態における実施の形態2のコネクタ組立体の第1ロック部および第2被ロック部を示す部分拡大図である。
【
図31】嵌合前の状態における従来のコネクタ組立体を示す斜視図である。
【
図32】嵌合状態における従来のコネクタ組立体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1~
図3に実施の形態1に係るコネクタ組立体を示す。このコネクタ組立体は、第1コネクタ11および第2コネクタ21を備えており、第1コネクタ11に対して第2コネクタ21を相対的に直進スライドさせることにより、第1コネクタ11および第2コネクタ21を互いに嵌合させて、第1電線C1および第2電線C2を電気的に接続するものである。
【0019】
第1コネクタ11が第1電線C1の端部に連結され、第2コネクタ21が第2電線C2の端部に連結されている。第1電線C1および第2電線C2は、それぞれ、導体部CAの外周が絶縁被覆部CBにより覆われた被覆電線を構成しており、同一直線上に沿って互いに反対方向に延びている。
第1コネクタ11は、第1電線C1の伸長方向に沿って延びる第1インシュレータ12を有し、第2コネクタ21は、第2電線C2の伸長方向に沿って延びる第2インシュレータ22を有し、第2インシュレータ22が第1インシュレータ12の上に重なった状態で第1コネクタ11と第2コネクタ21が互いに嵌合している。
【0020】
ここで、便宜上、第1コネクタ11および第2コネクタ21の嵌合状態において第1コネクタ11から第2コネクタ21に向かう方向を+Z方向、第1電線C1および第2電線C2が延びる方向をY方向、第1インシュレータ12および第2インシュレータ22の幅方向、すなわち、YZ面に直交する方向をX方向と呼ぶことにする。
第1コネクタ11および第2コネクタ21は、互いに同一構成を有しており、第1コネクタ11は、第1電線C1の-Y方向端部に連結され、第2コネクタ21は、第2電線C2の+Y方向端部に連結されている。
【0021】
嵌合前の状態における実施の形態1のコネクタ組立体を
図4に示す。第1コネクタ11と第2コネクタ21は、互いに同一構成を有するもので、雌雄同体に形成されている。第2コネクタ21は、第1コネクタ11に対し、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれにおいて逆向きの姿勢で第1コネクタ11に嵌合される。
【0022】
第1コネクタ11の組立図を
図5に示す。第1インシュレータ12の+Z方向側に第1コンタクト13が配置され、第1コンタクト13の+Z方向側に第1防水シート14が配置され、第1防水シート14の+Z方向側に第1電線C1が配置されている。
第1防水シート14は、+Z方向から見た場合の第1インシュレータ12の外形に相当する形状を有しており、第1防水シート14の中心にY方向に延びる矩形の開口部14Aが形成されている。また、第1電線C1の-Y方向端部において、絶縁被覆部CBが除去されることにより導体部CAが露出しており、この露出された第1電線C1の導体部CAが、第1防水シート14の開口部14Aを介して第1コンタクト13の+Z方向側に位置している。
【0023】
図6に示されるように、第1インシュレータ12は、絶縁性樹脂により形成されており、XY面に沿ってY方向に延びるほぼ矩形の平板部12Aを有している。平板部12Aは、+Z方向を向いた平面状の第1接合面12Bを有し、平板部12AのY方向の中心よりも+Y方向側に偏った位置における第1接合面12Bに、+Z方向に向かって開放された凹部12Cが形成されている。
また、第1接合面12Bには、凹部12Cから第1インシュレータ12の+Y方向端部にまでY方向に延びる第1電線収容溝12Dが形成されている。
【0024】
さらに、第1接合面12Bには、第1インシュレータ12のY方向の中心に配置され且つ+Z方向に向かって開放された凹部12Eと、凹部12Eに連通し且つ凹部12Eから-Y方向に向かって延びる連通溝12Fと、連通溝12Fから第1インシュレータ12の-Y方向端部にまでY方向に延びる第2電線収容溝12Gが形成されている。
凹部12Cは、第1コンタクト13の一部を収容して第1コンタクト13を保持するものであり、凹部12Eは、第1コネクタ11と第2コネクタ21の嵌合時に、第1コンタクト13と第2コネクタ21の後述する第2コンタクト23の接触部を収容するものである。凹部12Cおよび12Eにより、第1接合面12Bに配置された凹状の第1コンタクト収容部が形成されている。
これらの凹部12Cおよび12Eの周囲は、平面状の第1接合面12Bと第1電線収容溝12Dおよび第2電線収容溝12Gにより完全に囲まれている。
【0025】
連通溝12Fの+X方向側および-X方向側に位置する平板部12Aの両側部には、それぞれ、平板部12AからX方向の外方に張り出し且つ+Z方向に突出する一対のL形状の第1ロック部12Hが形成されている。第1ロック部12Hは、第1接合面12Bよりも+Z方向側において-Y方向に向かって延びる腕部12Jと、腕部12Jの中間部から-Z方向に突出する突起12Kを有している。
また、凹部12Cの+X方向側および-X方向側に位置する平板部12Aの両側部には、それぞれ、平板部12AからX方向の外方に張り出す一対の第1被ロック部12Lが形成されている。第1被ロック部12Lには、-Z方向に突出する突起12Mが形成されている。
【0026】
図7に示されるように、第1コンタクト13は、導電性を有し且つ屈曲された金属板により形成されており、XY面に沿って延びるほぼ矩形の電線接続部13Aと、電線接続部13Aの+X方向端部および-X方向端部からそれぞれ-Z方向に屈曲された一対の脚部13Bを有している。
さらに、第1コンタクト13は、電線接続部13Aの-Y方向端部から一旦+Z方向に突出してから-Y方向に向かって延びる伸長部13Cを有しており、伸長部13Cの-Y方向端部に、-Z方向に突出するように湾曲された第1凸部13Dが形成されている。第1凸部13Dの-Y方向の先端部13Eは、-Y方向および+Z方向に向かって傾斜している。
【0027】
図8に示されるように、第1コネクタ11においては、第1コンタクト収容部の一部を形成する第1インシュレータ12の凹部12Cに第1コンタクト13の一対の脚部13Bが圧入されることにより、第1コンタクト13が第1インシュレータ12に保持されている。また、第1インシュレータ12の第1接合面12Bの表面上にゴム材等からなる第1防水シート14が配置されている。
【0028】
図9に示されるように、第1電線C1の-Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBの-Z方向部分が第1防水シート14を介して第1インシュレータ12の第1電線収容溝12Dに収容され、絶縁被覆部CBから露出されている導体部CAが、第1防水シート14の開口部14A内において、例えば、はんだ接続により第1コンタクト13の電線接続部13Aに接続されている。
なお、第1コンタクト13の第1凸部13Dは、第1防水シート14の開口部14Aを通して第1インシュレータ12の凹部12Eの+Z方向側に位置し、第1凸部13Dの先端部13Eは、第1インシュレータ12の第1接合面12Bよりも+Z方向側に位置している。
【0029】
ここで、第1コネクタ11に嵌合する第2コネクタ21を
図10に示す。第2コネクタ21は、第1コネクタ11と同一構成を有するものであり、第1コネクタ11に対し、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれにおいて逆向きの姿勢で第1コネクタ11に嵌合される。
図10に示されるように、第2コネクタ21においては、第2コンタクト収容部の一部を形成する第2インシュレータ22の凹部22Cに第2コンタクト23の一対の脚部が圧入されることにより、第2コンタクト23が第2インシュレータ22に保持され、第2インシュレータ22の第2接合面22Bの表面上に第2防水シート24が配置されている。
【0030】
第2電線C2の+Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBの+Z方向部分が第2防水シート24を介して第2インシュレータ22の第2電線収容溝22Dに収容され、絶縁被覆部CBから露出されている導体部CAが、第2防水シート24の開口部24A内において、例えば、はんだ接続により第2コンタクト23の電線接続部23Aに接続されている。
なお、第2コンタクト23の第2凸部23Dは、第2防水シート24の開口部24Aを通して第2インシュレータ22の凹部22Eの-Z方向側に位置し、第2凸部23Dの先端部23Eは、第2インシュレータ22の第2接合面22Bよりも-Z方向側に位置している。
【0031】
また、第2コネクタ21の第2インシュレータ22は、第1コネクタ11の第1インシュレータ12の第1ロック部12Hおよび第1被ロック部12Lと同一構造の第2ロック部22Hおよび後述する第2被ロック部22Lを有し、第2ロック部22Hは、腕部に形成された突起を有し、第2被ロック部22Lは、突起を有している。
【0032】
実施の形態1に係るコネクタ組立体を組み立てる際には、まず、
図11に示されるように、第1コネクタ11に対し、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれにおいて逆向きとなる姿勢で、第2コネクタ21が第1コネクタ11の+Z方向側に重ねられる。このとき、第2コネクタ21の第2防水シート24が第1コネクタ11の第1防水シート14に接触した状態で、第2コネクタ21の第2インシュレータ22は、第1コネクタ11の第1インシュレータ12に対して-Y方向側に所定距離だけずれた位置に配置される。
【0033】
このため、
図12に示されるように、第2コネクタ21の第2ロック部22Hおよび第2被ロック部22Lは、それぞれ、第1コネクタ11の第1被ロック部12Lおよび第1ロック部12Hよりも-Y方向側に離れた位置にあり、第1コネクタ11の第1インシュレータ12と第2コネクタ21の第2インシュレータ22は、まだ互いにロックされていない状態にある。
【0034】
また、このとき、
図13に示されるように、第2コネクタ21の第2コンタクト23は、第1コンタクト13よりも-Y方向側に離れた位置にあり、まだ、第1コネクタ11の第1コンタクト13に接触していない。
なお、第1コネクタ11における第1コンタクト13の第1凸部13Dの先端部13Eは、第2コネクタ21における第2コンタクト23の第2凸部23Dの先端部23Eよりも+Z方向側に位置している。
【0035】
この状態で、第2コネクタ21の第2インシュレータ22が第1コネクタ11の第1インシュレータ12と同一のY方向位置になるまで、第2コネクタ21を第1コネクタ11に対して相対的に+Y方向に直進スライドさせると、
図14に示されるように、第1コンタクト13の第1凸部13Dの先端部13Eおよび第2コンタクト23の第2凸部23Dの先端部23Eによりガイドされ、第1コネクタ11および第2コネクタ21は、第1凸部13Dおよび第2凸部23Dが互いに乗り越えるまで相対移動する。これにより、第1コンタクト13の第1凸部13Dが、第2コネクタ21の第2コンタクト23と第2インシュレータ22の間に位置し、また、第2コンタクト23の第2凸部23Dが、第1コネクタ11の第1コンタクト13と第1インシュレータ12の間に位置することとなる。
【0036】
より詳細には、第1コンタクト13の第1凸部13Dは、第2コンタクト23の第2凸部23Dと第2インシュレータ22の凹部22Eの底面との間に位置し、第2コンタクト23の第2凸部23Dは、第1コンタクト13の第1凸部13Dと第1インシュレータ12の凹部12Eの底面との間に位置し、これら第1コンタクト13の第1凸部13Dと第2コンタクト23の第2凸部23Dが、互いにZ方向に弾性的に接触する。このようにして、第1コネクタ11と第2コネクタ21が互いに嵌合し、コネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0037】
なお、第1コンタクト13の第1凸部13Dが、第2コネクタ21の第2コンタクト23と第2インシュレータ22の間に位置し、また、第2コンタクト23の第2凸部23Dが、第1コネクタ11の第1コンタクト13と第1インシュレータ12の間に位置することから、第1コンタクト13と第2コンタクト23の間には、第1インシュレータ12と第2インシュレータ22を互いにZ方向に引き付け合う接触力が作用する。すなわち、第1コンタクト13の第1凸部13Dに、第2コンタクト23の第2凸部23Dから、第2インシュレータ22に向かう+Z方向の接触力が作用し、第2コンタクト23の第2凸部23Dに、第1コンタクト13の第1凸部13Dから、第1インシュレータ12に向かう-Z方向の接触力が作用する。
【0038】
第1コネクタ11と第2コネクタ21が互いに嵌合することで、第1コンタクト13と第2コンタクト23が互いに電気的に接続され、第1電線C1と第2電線C2は、第1コンタクト13および第2コンタクト23を介して互いに電気的に接続される。
また、第2コネクタ21の第2インシュレータ22が第1コネクタ11の第1インシュレータ12と同一のY方向位置になるまで、第2コネクタ21が第1コネクタ11に対して相対的に+Y方向に直進スライドすることにより、
図3に示されるように、第1インシュレータ12の第1被ロック部12Lが第2インシュレータ22の第2ロック部22Hにロックされ、また、第2インシュレータ22の第2被ロック部22Lが第1インシュレータ12の第1ロック部12Hにロックされ、これにより、第1インシュレータ12と第2インシュレータ22は、互いに固定された状態となる。
【0039】
なお、第2インシュレータ22の第2被ロック部22Lが第1インシュレータ12の第1ロック部12Hにロックされると、
図15に示されるように、第2被ロック部22Lの突起22Mに第1ロック部12Hの腕部12Jの突起12Kが引っ掛かる。図示しないが、同様に、第1被ロック部12Lの突起12Mに第2ロック部22Hの腕部の突起が引っ掛かる。これにより、嵌合状態の第2コネクタ21が、第1コネクタ11から-Y方向に直進して嵌合状態が解除されることが効果的に抑制される。
また、第1コネクタ11および第2コネクタ21の嵌合時に、第1コンタクト13の第1凸部13Dおよび第2コンタクト23の第2凸部23Dが互いに乗り越えた状態となるので、第1凸部13Dと第2凸部23Dが互いに干渉することによっても、第2コネクタ21が第1コネクタ11から-Y方向にずれて嵌合状態が解除されることが抑制される。
【0040】
実施の形態1のコネクタ組立体においては、第1コンタクト13と第2コンタクト23の間に、第1インシュレータ12と第2インシュレータ22を互いにZ方向に引き付け合う接触力が作用するので、第1インシュレータ12と第2インシュレータ22を互いに固定するための第1ロック部12H、第1被ロック部12L、第2ロック部22H、第2被ロック部22Lに要求される強度、耐久力が軽減される。その結果、コネクタ組立体の小型化を図ることが可能となる。
【0041】
また、第1インシュレータ12の平面状の第1接合面12Bの上に第1防水シート14が配置され、第1電線C1の-Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBの-Z方向部分が第1防水シート14を介して第1インシュレータ12の第1電線収容溝12Dに収容され、同様に、第2インシュレータ22の平面状の第2接合面22Bの上に第2防水シート24が配置され、第2電線C2の+Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBの+Z方向部分が第2防水シート24を介して第2インシュレータ22の第2電線収容溝22Dに収容され、第1コネクタ11と第2コネクタ21の嵌合により第1接合面12B上の第1防水シート14と第2接合面22B上の第2防水シート24が互いにZ方向に押し付けられる。このため、ゴム材等からなる第1防水シート14および第2防水シート24を用いて、容易に防水構造を形成することができる。
【0042】
また、嵌合状態にある第1コネクタ11および第2コネクタ21に対して、第1ロック部12Hの突起12Kおよび第2ロック部22Hの突起が、それぞれ、第2被ロック部22Lの突起22Mおよび第1被ロック部12Lの突起12Mを乗り越えるだけの力で、嵌合操作とは反対方向に第1コネクタ11および第2コネクタ21を直進スライドさせることで、第1コネクタ11および第2コネクタ21を互いに離脱させることができる。
【0043】
実施の形態2
図16~
図18に実施の形態2に係るコネクタ組立体を示す。このコネクタ組立体は、第1コネクタ31および第2コネクタ41を備えており、第1コネクタ31に対して第2コネクタ41を回転軸RAの回りに相対的に回転スライドさせることにより、第1コネクタ31および第2コネクタ41を互いに嵌合させて、第1電線C1および第2電線C2を電気的に接続するものである。
【0044】
第1コネクタ31が第1電線C1の+Y方向端部に連結され、第2コネクタ41が第2電線C2の-Y方向端部に連結されている。第1電線C1および第2電線C2は、実施の形態1で用いられたものと同様であり、それぞれ、導体部CAの外周が絶縁被覆部CBにより覆われた被覆電線を構成しており、同一直線上に沿って互いに反対方向に延びている。
第1コネクタ31は、ほぼ円板形状の第1インシュレータ32を有し、第2コネクタ41も、ほぼ円板形状の第2インシュレータ42を有し、第2インシュレータ42が第1インシュレータ32の上に重なった状態で第1コネクタ31と第2コネクタ41が互いに嵌合している。
なお、回転軸RAは、ほぼ円板形状の第1インシュレータ32および第2インシュレータ42の中心を通り且つZ方向に沿って延びている。
【0045】
嵌合前の状態における実施の形態2のコネクタ組立体を
図19に示す。第1コネクタ31と第2コネクタ41は、互いに同一構成を有するもので、雌雄同体に形成されている。第2コネクタ41は、第1コネクタ31との嵌合開始時には、第1コネクタ31に対してXY面上で所定角度だけ回転された状態にあるが、嵌合完了時においては、第1コネクタ31に対し、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれにおいて逆向きの姿勢となる。
【0046】
第1コネクタ31の組立図を
図20に示す。第1インシュレータ32の+Z方向側に第1防水シート34が配置され、第1防水シート34の+Z方向側に第1電線C1が配置され、第1電線C1の+Z方向側に第1コンタクト33が配置されている。
第1防水シート34は、+Z方向から見た場合に、中心に円形の開口部34Aが形成されたリング形状を有している。また、第1電線C1の+Y方向端部において、絶縁被覆部CBが除去されることにより導体部CAが露出しており、この露出された第1電線C1の導体部CAが、第1防水シート34の開口部34Aの+Z方向側に位置し、露出された第1電線C1の導体部CAの+Z方向側に第1コンタクト33が位置している。
【0047】
図21に示されるように、第1インシュレータ32は、絶縁性樹脂により形成されており、XY面に沿って延びるほぼ円形の円板部32Aを有している。円板部32Aは、+Z方向を向いた平面状の第1接合面32Bと、第1接合面32Bに形成され且つ+Z方向に向かって開放された凹状の第1コンタクト収容部32Cを有している。
第1コンタクト収容部32Cは、円板部32Aの中心に形成されており、第1コンタクト33を収容して保持するものである。第1コンタクト収容部32Cには、第1コンタクト33の一部を圧入するための一対の圧入孔32Dが形成されている。
また、第1接合面32Bには、第1コンタクト収容部32Cから円板部32Aの-Y方向端部にまでY方向に延びる第1電線収容溝32Eが形成されている。
第1コンタクト収容部32Cの周囲は、平面状の第1接合面32Bと第1電線収容溝32Eにより完全に囲まれている。
【0048】
円板部32Aの側部には、それぞれ、+Z方向に突出する一対の第1ロック部32Fが形成されている。一対の第1ロック部32Fは、円板部32Aの一直径上に位置し且つ互いに対向しており、それぞれ、第1接合面32Bよりも+Z方向側において円板部32Aの周に沿って延びる腕部32Gを有している。一対の第1ロック部32Fの腕部32Gは、円板部32Aの中心に関して互いに同一回転方向に延び、それぞれ、円板部32Aの周に沿って湾曲している。
【0049】
また、円板部32Aの周方向における腕部32Gの中間部には、-Z方向に向かって突出する突起32Hが形成されている。
さらに、円板部32Aの側部には、一対の第1ロック部32Fに隣接し且つ円板部32Aの中心に向かって窪んだ一対の縮径部32Jが形成されている。縮径部32Jは、対応する第1ロック部32Fの腕部32Gの-Z方向側から、円板部32Aの周方向に沿って腕部32Gの先端を超える回転位置まで延びている。
【0050】
図22に示されるように、第1コンタクト33は、導電性を有し且つ屈曲された金属板により形成されており、XY面に沿ってY方向に細長く延びる電線接続部33Aと、電線接続部33Aの+Y方向端部および-Y方向端部からXY面に沿ってそれぞれ延びる一対の伸長部33Bを有している。
電線接続部33Aの+Y方向端部に連結されている伸長部33Bは、電線接続部33Aの+Y方向端部からXY面に沿って-X方向に延びた後に-Y方向へと延び、-Y方向端部に、-Z方向に突出するように湾曲された第1凸部33Cが形成され、さらに第1凸部33Cの-Y方向の先端部33Dは、-Y方向および+Z方向に向かって傾斜している。
【0051】
一方、電線接続部33Aの-Y方向端部に連結されている伸長部33Bは、電線接続部33Aの-Y方向端部からXY面に沿って+X方向に延びた後に+Y方向へと延び、+Y方向端部に、-Z方向に突出するように湾曲された第1凸部33Cが形成され、さらに第1凸部33Cの+Y方向の先端部33Dは、+Y方向および+Z方向に向かって傾斜している。
さらに、第1コンタクト33は、電線接続部33Aの+Y方向端部および-Y方向端部からそれぞれ-Z方向に延びる一対の圧入部33Eを有している。
【0052】
図23に示されるように、第1コネクタ31においては、第1インシュレータ32の第1接合面32Bの表面上にゴム材等からなる第1防水シート34が配置されている。
第1電線C1の+Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBから露出されている導体部CAが、例えば、はんだ接続により、第1コンタクト33の電線接続部33Aの-Z方向側の表面に接続されており、第1コンタクト33が、第1インシュレータ32の第1コンタクト収容部32Cに収容されている。第1コンタクト33は、一対の圧入部33Eが第1コンタクト収容部32Cの一対の圧入孔32Dに圧入されることにより、第1インシュレータ32に固定される。
【0053】
また、第1電線C1の+Y方向端部付近の絶縁被覆部CBが、第1防水シート34を介して、
図21に示される第1インシュレータ32の第1電線収容溝32Eに収容される。
図24に示されるように、第1コンタクト33の一対の伸長部33Bに形成されている一対の第1凸部33Cは、それぞれ、第1防水シート34の開口部34Aを通して第1インシュレータ32の第1コンタクト収容部32Cの+Z方向側に配置され、それぞれの第1凸部33Cの先端部33Dは、第1インシュレータ32の第1接合面32Bよりも+Z方向側に位置している。
【0054】
ここで、第1コネクタ31に嵌合する第2コネクタ41を
図25に示す。第2コネクタ41は、第1コネクタ31と同一構成を有するものであり、第1コネクタ31に対し、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれにおいて逆向きの姿勢で第1コネクタ31に嵌合される。
第2コネクタ41においては、第2インシュレータ42の第2コンタクト収容部42Cに第2コンタクト43が収容され、第2インシュレータ42の第2接合面42Bの表面上に第2防水シート44が配置されている。
【0055】
第2電線C2の-Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBから露出されている導体部CAが、例えば、はんだ接続により、第2コンタクト43に接続されている。
第2コンタクト43の一対の伸長部43Bに形成されている一対の第2凸部43Cは、第2防水シート44の開口部44Aを通して第2インシュレータ42の第2コンタクト収容部42Cの-Z方向側に位置し、それぞれの第2凸部43Cの先端部43Dは、第2インシュレータ42の第2接合面42Bよりも-Z方向側に位置している。
【0056】
また、第2コネクタ41の第2インシュレータ42は、第1コネクタ31の第1インシュレータ32の第1ロック部32Fと同一構造の一対の第2ロック部42Fを有し、それぞれの第2ロック部42Fは、後述する腕部42Gに形成された突起42Hを有している。
【0057】
実施の形態2に係るコネクタ組立体を組み立てる際には、まず、
図26に示されるように、第1コネクタ31に対し、Z方向において逆向きとなる姿勢で、第2コネクタ41が第1コネクタ31の+Z方向側に重ねられる。第2コネクタ41は、連結されている第2電線C2がY方向から回転軸RAの回りに所定角度だけ回転した方向に延びるような回転位置とされることにより、第2インシュレータ42の第2ロック部42Fの腕部42Gが第1インシュレータ32の縮径部32Jの外周部に沿った位置となり、且つ、第1インシュレータ32の第1ロック部32Fの腕部32Gが第2インシュレータ42の縮径部42Jの外周部に沿った位置となった状態で、第1コネクタ31の+Z方向側に重なることができる。
【0058】
このとき、
図27に示されるように、第1ロック部32Fの腕部32Gと第2ロック部42Fの腕部42Gは、回転軸RAを中心とする回転方向において、互いに異なる回転位置にあり、第1コネクタ31の第1インシュレータ32と第2コネクタ41の第2インシュレータ42は、まだ互いにロックされていない状態にある。
【0059】
また、このとき、
図28に示されるように、第2コネクタ41の第2コンタクト43は、第1コンタクト33から回転軸RAを中心とする回転方向に離れた位置にあり、まだ、第1コネクタ31の第1コンタクト33に接触していない。
なお、第1コネクタ31における第1コンタクト33の第1凸部33Cの先端部33Dは、第2コネクタ41における第2コンタクト43の第2凸部43Cの先端部43Dよりも+Z方向側に位置している。
さらに、第2コネクタ41が第1コネクタ31の+Z方向側に重なることで、第2コネクタ41の第2防水シート44は、第1コネクタ31の第1防水シート34に接触する状態となる。
【0060】
この状態で、第2コネクタ41に連結されている第2電線C2が延びる方向がY方向となるまで、第1コネクタ31に対して第2コネクタ41を相対的に回転軸RAの回りに回転スライドさせると、
図29に示されるように、第1コンタクト33の一対の伸長部33Bに形成されている一対の第1凸部33Cの先端部33Dおよび第2コンタクト43の一対の伸長部43Bに形成されている一対の第2凸部43Cの先端部43Dによりガイドされ、第1コネク31および第2コネクタ41は、第1凸部33Cおよび第2凸部43Cが互いに乗り越えるまで相対移動する。これにより、第1コンタクト33の一対の第1凸部33Cが、それぞれ、第2コネクタ41の第2コンタクト43と第2インシュレータ42の間に位置し、また、第2コンタクト43の一対の第2凸部43Cが、それぞれ、第1コネクタ31の第1コンタクト33と第1インシュレータ32の間に位置することとなる。
【0061】
より詳細には、第1コンタクト33のそれぞれの第1凸部33Cは、第2コンタクト43の対応する第2凸部43Cと第2インシュレータ42の第2コンタクト収容部42Cの底面との間に位置し、第2コンタクト43のそれぞれの第2凸部43Cは、第1コンタクト33の対応する第1凸部33Cと第1インシュレータ32の第1コンタクト収容部32Cの底面との間に位置し、互いに対応する第1コンタクト33の第1凸部33Cと第2コンタクト43の第2凸部43Cが、Z方向に弾性的に接触する。このようにして、第1コネクタ31と第2コネクタ41が互いに嵌合し、コネクタ組立体の組み立てが完了する。
【0062】
なお、第1コンタクト33の第1凸部33Cが、第2コネクタ41の第2コンタクト43と第2インシュレータ42の間に位置し、また、第2コンタクト43の第2凸部43Cが、第1コネクタ31の第1コンタクト33と第1インシュレータ32の間に位置することから、第1コンタクト33と第2コンタクト43の間には、第1インシュレータ32と第2インシュレータ42を互いにZ方向に引き付け合う接触力が作用する。すなわち、第1コンタクト33の第1凸部33Cに、第2コンタクト43の第2凸部43Cから、第2インシュレータ42に向かう+Z方向の接触力が作用し、第2コンタクト43の第2凸部43Cに、第1コンタクト33の第1凸部33Cから、第1インシュレータ32に向かう-Z方向の接触力が作用する。
【0063】
第1コネクタ31と第2コネクタ41が互いに嵌合することで、第1コンタクト33と第2コンタクト43が互いに電気的に接続され、第1電線C1と第2電線C2は、第1コンタクト33および第2コンタクト43を介して互いに電気的に接続される。
また、第2コネクタ41に連結されている第2電線C2が延びる方向がY方向となるまで、第1コネクタ31に対して第2コネクタ41を相対的に回転軸RAの回りに回転スライドさせることにより、
図18に示されるように、第1インシュレータ32の第1ロック部32Fの腕部32Gと第2インシュレータ42の第2ロック部42Fの腕部42Gが互いにZ方向に重なる位置となる。これにより、第1ロック部32Fと第2ロック部42Fが互いに干渉し合い、第1インシュレータ32と第2インシュレータ42は、互いにロックされて固定された状態となる。
【0064】
このようにして第1インシュレータ32と第2インシュレータ42が互いにロックされると、
図30に示されるように、第1ロック部32Fの腕部32Gの突起32Hに第2ロック部42Fの腕部42Gの突起42Hが引っ掛かる。これにより、嵌合状態の第2コネクタ41が、第1コネクタ31に対して回転軸RAの回りに回転して嵌合状態が解除されることが効果的に抑制される。
また、第1コネクタ31および第2コネクタ41の嵌合時に、第1コンタクト33の第1凸部33Cおよび第2コンタクト43の第2凸部43Cが互いに乗り越えた状態となるので、第1凸部33Cと第2凸部43Cが互いに干渉することによっても、第2コネクタ41が第1コネクタ31に対して回転軸RAの回りに回転して嵌合状態が解除されることが抑制される。
【0065】
実施の形態2のコネクタ組立体においても、実施の形態1のコネクタ組立体と同様に、第1コンタクト33と第2コンタクト43の間に、第1インシュレータ32と第2インシュレータ42を互いにZ方向に引き付け合う接触力が作用するので、第1インシュレータ32と第2インシュレータ42を互いに固定するための第1ロック部32Fおよび第2ロック部42Fに要求される強度、耐久力が軽減される。その結果、コネクタ組立体の小型化を図ることが可能となる。
【0066】
また、第1インシュレータ32の平面状の第1接合面32Bの上に第1防水シート34が配置され、第1電線C1の+Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBが第1防水シート34を介して第1インシュレータ32の第1電線収容溝32Eに収容され、同様に、第2インシュレータ42の平面状の第2接合面42Bの上に第2防水シート44が配置され、第2電線C2の-Y方向端部近傍における絶縁被覆部CBが第2防水シート44を介して第2インシュレータ42の第2電線収容溝に収容され、第1コネクタ31と第2コネクタ41の嵌合により第1接合面32B上の第1防水シート34と第2接合面42B上の第2防水シート44が互いにZ方向に押し付けられる。このため、ゴム材等からなる第1防水シート34および第2防水シート44を用いて、容易に防水構造を形成することができる。
【0067】
なお、上記の実施の形態2においては、第1コンタクト33が一対の第1凸部33Cを有し、第2コンタクト43が一対の第2凸部43Cを有しているが、これに限るものではなく、第1コンタクト33が有する唯一の第1凸部33Cと第2コンタクト43が有する唯一の第2凸部43Cが、Z方向に弾性的に接触するように構成することもできる。
ただし、上記の実施の形態2のように、一対の第1凸部33Cおよび一対の第2凸部43Cにより、第1コンタクト33と第2コンタクト43が2点接触する構成とすれば、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0068】
また、嵌合状態にある第1コネクタ31および第2コネクタ41に対して、第1ロック部32Fの突起32Hが、第2ロック部42Fの突起42Hを乗り越えるだけの力で、嵌合操作とは反対方向に第1コネクタ31および第2コネクタ41を回転スライドさせることで、第1コネクタ31および第2コネクタ41を互いに離脱させることができる。
【0069】
上記の実施の形態1および2のコネクタ組立体では、第1コネクタ11、31および第2コネクタ21、41を用いて第1電線C1と第2電線C2を互いに電気的に接続しているので、第1コネクタ11、31と第2コネクタ21、41の嵌合および取り外しを行うだけで、第1電線C1および第2電線C2の接続と遮断を容易に切り替えることができる。
さらに、第1コネクタ11、31と第2コネクタ21、41は、互いに同一構成を有して雌雄同体に形成されているため、コネクタ組立体の製造コストの削減を図ることができ、また、第1電線C1および第2電線C2の端部に誤ったコネクタを接続するおそれはなく、確実に第1電線C1と第2電線C2の電気的接続を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
1 第1コネクタ、2 第2コネクタ、3 第1インシュレータ、3A,5A ブレード部、3B,5B ガイド部、4 第1コンタクト、5 第2インシュレータ、6 第2コンタクト、11,31 第1コネクタ、12,32 第1インシュレータ、12A 平板部、12B,32B 第1接合面、12C,12E,22C,22E 凹部、12D,32E 第1電線収容溝、12F 連通溝、12G 第2電線収容溝、12H,32F 第1ロック部、12J,32G,42G 腕部、12K,12M,22M,32H,42H 突起、12L 第1被ロック部、13 第1コンタクト、13A,23A,33A 電線接続部、13B 脚部、13C,33B,43B 伸長部、13D,33C 第1凸部、13E,23E,33D,43D 先端部、14,34 第1防水シート、14A,24A,34A,44A 開口部、21,41 第2コネクタ、22,42 第2インシュレータ、22B,42B 第2接合面、42C 第2コンタクト収容部、22D 第2電線収容溝、22H,42F 第2ロック部、22L 第2被ロック部、23D,43C 第2凸部、24,44 第2防水シート、32A 円板部、32C 第1コンタクト収容部、32D 圧入孔、32J,42J 縮径部、33E 圧入部、C1 第1電線、C2 第2電線、CA 導体部、CB 絶縁被覆部、RA 回転軸。