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特開2025-8212情報処理システム、情報処理プログラム、および情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008212
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20250109BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20250109BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20250109BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20250109BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/79
A63F13/497
A63F13/53
A63F13/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110176
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】木村 将之
(72)【発明者】
【氏名】坂東 聖博
(72)【発明者】
【氏名】上山 義人
(72)【発明者】
【氏名】龍田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】福田 吉晃
(57)【要約】
【課題】複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減できる仕組みを提供する。
【解決手段】大会管理システムと、主催者端末と、参加者端末と、参加者ゲーム装置とを備える情報処理システムであって、大会管理システムは、ゲーム大会を開催する情報を生成するゲーム大会生成手段と、参加者情報を登録する登録手段と、通信ゲームをプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成する組合せ情報生成手段と、報告データに基づいて組合せ情報を更新する組合せ情報更新手段とを含み、組合せ情報によって指定される参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを指定される参加者に関連付けて生成する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ゲームを利用するゲーム大会の進行を補助する情報処理システムであって、
少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、前記ゲーム大会を管理する大会管理システムと、
主催者によって操作され、前記大会管理システムと通信する主催者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作され、前記大会管理システムと通信する参加者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備え、
前記大会管理システムは、
前記主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、前記ゲーム大会を開催するための情報を生成するゲーム大会生成手段と、
前記参加者端末から受け付けた前記ゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報と前記ゲーム大会とを関連づけて登録する登録手段と、
登録された複数の前記参加要求を用いて、前記通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成する組合せ情報生成手段と、
当該ゲーム大会への前記参加要求を行った参加者のうち、前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するセッション生成手段と、
生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の前記参加者ゲーム装置に送信するセッション情報送信手段とを含み、
前記参加者ゲーム装置は、
前記セッション情報に対応するセッションに参加する他の参加者の前記参加者ゲーム装置と通信する通信手段と、
前記セッションに参加する他の参加者と共にプレイする前記通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段と、
前記通信ゲームのログデータを前記大会管理システムに送信するログデータ送信手段とを含み、
前記大会管理システムは、
前記主催者端末および前記参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、前記ログデータを出力するログデータ出力手段と、
前記参加者端末に入力され、参加者がプレイした前記通信ゲームの結果を示す報告データを記憶する報告データ記憶手段と、
前記報告データに関する所定の条件が成立した場合、前記通信ゲームの結果が確定したものとして、当該報告データに基づいて前記組合せ情報を更新する組合せ情報更新手段とをさらに含み、
前記セッション生成手段は、更新された前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成する、情報処理システム。
【請求項2】
前記大会管理システムは、前記セッションが生成されたことを示す生成情報を、当該セッションに対応する前記参加者端末に送信する生成情報送信手段をさらに含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記参加者ゲーム装置は、取得した前記セッション情報に対応するセッションに関するセッション情報を出力するセッション情報出力手段をさらに含み、
前記通信手段は、前記参加者の前記セッション情報に対する入力に基づいて、当該セッション情報に対応するセッションに参加する他のゲーム装置との通信を行う、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通信ゲーム実行手段は、前記大会設定情報に基づいて対戦条件設定がプリセットされる前記通信ゲームを実行する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理システムは、主催者ゲーム装置をさらに備え、
前記主催者ゲーム装置は、前記主催者によって指定されたセッションに参加する前記参加者ゲーム装置と通信する通信手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記参加者ゲーム装置は、前記通信ゲーム実行手段によって実行された前記通信ゲームを再現するためのリプレイデータを前記大会管理システムに送信するリプレイデータ送信手段をさらに含み、
前記大会管理システムは、前記リプレイデータを記憶するリプレイデータ記憶手段をさらに含み、
前記参加者ゲーム装置は、
前記大会管理システムから前記リプレイデータを取得するリプレイデータ取得手段と、
前記リプレイデータに基づいて前記通信ゲームを再現する通信ゲーム再現手段とをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記報告データ記憶手段は、前記セッションに参加した複数の参加者から取得した前記報告データを記憶し、
前記組合せ情報更新手段は、前記セッションに参加した参加者のうち、少なくとも第1参加者から取得した前記報告データが示す内容と、第2参加者から取得した前記報告データが示す内容とが合致する場合、前記所定の条件が成立していると判断し、前記組合せ情報を更新する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記大会管理システムは、前記参加者端末の操作に基づいて、前記主催者端末に通知する通知手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記大会管理システムは、前記主催者端末への操作に基づいて前記組合せ情報を編集する編集手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記組合せ情報更新手段は、前記所定の条件が満たされたか否かにかかわらず、前記主催者端末への操作に基づいて、前記通信ゲームの結果を更新する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記大会管理システムは、前記通信ゲームの結果が確定した後、当該通信ゲームを行うためのセッションを破棄するセッション破棄手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記通信手段は、前記セッションに参加する他の前記参加者ゲーム装置とピアツーピア(P2P)通信を行う、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記参加者端末および前記参加者ゲーム装置のうちの少なくとも一方は、前記ゲーム大会の進行状況に応じて、参加者が行うべき行動を示すガイド画像を表示する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記主催者端末は、少なくとも前記大会管理システムから取得した前記報告データに少なくとも基づいて、前記ゲーム大会の進捗を示す大会進捗画像を表示する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記大会設定情報は、前記ゲーム大会の参加条件を含み、
前記登録手段は、前記参加条件に基づいて登録するか否かを決定する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記大会設定情報は、参加者の参加規定人数を含み、
前記組合せ情報生成手段は、前記参加規定人数分の前記参加要求を受信したときに前記組合せ情報を生成する、請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項17】
通信ゲームを利用するゲーム大会の進行の補助を行う情報処理システムで用いられるコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記情報処理システムは、
少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、前記ゲーム大会を管理する大会管理システムと、
主催者によって操作され、前記大会管理システムと通信する主催者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作され、前記大会管理システムと通信する参加者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備え、
前記情報処理プログラムは、前記コンピュータに、
前記主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、前記ゲーム大会を開催するための情報を生成するステップと、
前記参加者端末から受け付けた前記ゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報と前記ゲーム大会とを関連づけて登録するステップと、
登録された複数の前記参加要求を用いて、前記通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成するステップと、
当該ゲーム大会への前記参加要求を行った参加者のうち、前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップと、
生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の前記参加者ゲーム装置に送信するステップと、
前記主催者端末および前記参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、前記参加者ゲーム装置から受信した前記通信ゲームの結果を示すログデータを出力するステップと、
前記参加者端末に入力され、参加者がプレイした前記通信ゲームの結果を示す報告データを記憶させるステップと、
前記報告データに関する所定の条件が成立した場合、前記通信ゲームの結果が確定したものとして、当該報告データに基づいて前記組合せ情報を更新するステップと、
更新された前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップとを実行させる、情報処理プログラム。
【請求項18】
通信ゲームを利用するゲーム大会の進行の補助を行う情報処理システムで用いられるコンピュータに実行させる情報処理方法であって、
前記情報処理システムは、
少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、前記ゲーム大会を管理する大会管理システムと、
主催者によって操作され、前記大会管理システムと通信する主催者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作され、前記大会管理システムと通信する参加者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備え、
前記情報処理方法は、
前記主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、前記ゲーム大会を開催するための情報を生成するステップと、
前記参加者端末から受け付けた前記ゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報と前記ゲーム大会とを関連づけて登録するステップと、
登録された複数の前記参加要求を用いて、前記通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成するステップと、
当該ゲーム大会への前記参加要求を行った参加者のうち、前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップと、
生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の前記参加者ゲーム装置に送信するステップと、
前記主催者端末および前記参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、前記参加者ゲーム装置から受信した前記通信ゲームの結果を示すログデータを出力するステップと、
前記参加者端末に入力され、参加者がプレイした前記通信ゲームの結果を示す報告データを記憶させるステップと、
前記報告データに関する所定の条件が成立した場合、前記通信ゲームの結果が確定したものとして、当該報告データに基づいて前記組合せ情報を更新するステップと、
更新された前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップとを備える、情報処理方法。
【請求項19】
通信ゲームを利用するゲーム大会の進行を補助する情報処理システムであって、
少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、前記ゲーム大会を管理する大会管理システムと、
主催者によって操作され、前記大会管理システムと通信する主催者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作され、前記大会管理システムと通信する参加者端末と、
前記ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備え、
前記大会管理システムは、
前記主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、前記ゲーム大会を開催するための情報を生成するゲーム大会生成手段と、
前記参加者端末から受け付けた前記ゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報と前記ゲーム大会とを関連づけて登録する登録手段と、
登録された複数の前記参加要求を用いて、前記通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成する組合せ情報生成手段と、
当該ゲーム大会への前記参加要求を行った参加者のうち、前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するセッション生成手段と、
生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の前記参加者ゲーム装置に送信するセッション情報送信手段とを含み、
前記参加者ゲーム装置は、
前記セッション情報に対応するセッションに参加する他の参加者の前記参加者ゲーム装置と通信する通信手段と、
前記セッションに参加する他の参加者と共に前記通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段と、
前記通信ゲームのログデータを前記大会管理システムに送信するログデータ送信手段とを含み、
前記大会管理システムは、
前記主催者端末および前記参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、前記ログデータを出力するログデータ出力手段と、
前記ログデータに基づいて前記通信ゲームの結果を確定させ、確定した前記通信ゲームの結果に基づいて前記組合せ情報を更新する組合せ情報更新手段とをさらに含み、
前記セッション生成手段は、
更新された前記組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に前記通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームにおいて、当該通信ゲームを運営するゲーム会社によって特定のイベントが開催されることがあった。特開2018-117667号公報(特許文献1)には、所定の日付になると対戦ゲームイベントが開催され、複数のユーザが当該対戦ゲームイベントに参加可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-117667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ソーシャルメディアなどの発達により、ゲームをプレイするユーザ間のインターネット上でのコミュニケーションが容易になったことから、ユーザ自らがゲーム大会を主催することがある。ゲームを運営するゲーム会社ではなく、ゲームをプレイするユーザが自発的に参加者を集めてゲーム大会を開催する。ユーザが自発的にゲーム大会を開催する場合、ゲーム大会の主催者となるユーザは、参加者に対して、大会ルールの周知、ゲームをプレイする参加者の組合せ、日時の調整など煩雑な作業を行う必要があった。
【0005】
本開示は、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減させるための仕組みを実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)ある実施の形態に従う情報処理システムは、通信ゲームを利用するゲーム大会の進行を補助する情報処理システムである。情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、ゲーム大会を管理する大会管理システムと、主催者によって操作され、大会管理システムと通信する主催者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作される参加者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備える。大会管理システムは、主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するための情報を生成するゲーム大会生成手段と、参加者端末から受け付けたゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報とゲーム大会とを関連づけて登録する登録手段と、登録された複数の参加要求を用いて、通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成する組合せ情報生成手段と、当該ゲーム大会への参加要求を行った参加者のうち、組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するセッション生成手段と、生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の参加者ゲーム装置に送信するセッション情報送信手段とを含む。参加者ゲーム装置は、セッション情報に対応するセッションに参加する他の参加者の参加者ゲーム装置と通信する通信手段と、セッションに参加する他の参加者と、共に通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段と、通信ゲームのログデータを大会管理システムに送信するログデータ送信手段とを含む。大会管理システムは、主催者端末および参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、ログデータを出力するログデータ出力手段と、参加者端末に入力され、参加者がプレイした通信ゲームの結果を示す報告データを記憶する報告データ記憶手段と、報告データに関する所定の条件が成立した場合、通信ゲームの結果が確定したものとして当該報告データに基づいて組合せ情報を更新する組合せ情報更新手段とをさらに含む。セッション生成手段は、更新された組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成する。
【0007】
構成1によれば、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減させるための仕組みを実現できる。
【0008】
(構成2)構成1において、大会管理システムは、セッションが生成されたことを示す生成情報を、当該セッションに対応する参加者端末に送信する生成情報送信手段をさらに含む。
【0009】
構成2によれば、セッションが生成されたことを参加者端末から参加者に通知することができる。
【0010】
(構成3)構成1または構成2において、参加者ゲーム装置は、取得したセッション情報に対応するセッションに関するセッション情報を出力するセッション情報出力手段をさらに含み、通信手段は、参加者のセッション情報に対する入力に基づいて、当該セッション情報に対応するセッションに参加する他のゲーム装置との通信を行う。
【0011】
構成3によれば、セッションが生成されたことを参加者ゲーム装置から参加者に通知することができる。
【0012】
(構成4)構成1~構成3のいずれかの構成において、通信ゲーム実行手段は、大会設定情報に基づいて対戦条件設定がプリセットされる通信ゲームを実行する。
【0013】
構成4によれば、参加者がゲームマッチに関するルールを設定する作業を省略することができる。
【0014】
(構成5)構成1~構成4のいずれかの構成において、情報処理システムは、通信ゲームを実行する主催者ゲーム装置をさらに備え、主催者ゲーム装置は、主催者によって指定されたセッションに参加する参加者ゲーム装置と通信する通信手段をさらに備える。
【0015】
構成5によれば、主催者ゲーム装置からゲームマッチを観戦することができる。
【0016】
(構成6)構成1~構成5のいずれかの構成において、参加者ゲーム装置は、通信ゲーム実行手段によって実行された通信ゲームを再現するためのリプレイデータを大会管理システムに送信するリプレイデータ送信手段をさらに含み、大会管理システムは、リプレイデータを記憶するリプレイデータ記憶手段をさらに含み、参加者ゲーム装置は、大会管理システムからリプレイデータを取得するリプレイデータ取得手段と、リプレイデータに基づいて通信ゲームを再現する通信ゲーム再現手段とをさらに含む。
【0017】
構成6によれば、リプレイデータを用いて、大会にて過去に行われたゲームマッチのリプレイをゲーム装置から確認することができる。
【0018】
(構成7)構成1~構成6のいずれかの構成において、報告データ記憶手段は、セッションに参加した複数の参加者から取得した報告データを記憶し、組合せ情報更新手段は、セッションに参加した参加者のうち、少なくとも第1参加者から取得した報告データが示す内容と、第2参加者から取得した報告データが示す内容とが合致する場合、所定の条件が成立していると判断し、組合せ情報を更新する。
【0019】
構成7によれば、インターネット回線が途切れる等の予期しないトラブルにより参加者の意図に反したログデータが生成された場合でも、参加者の意見を重視してゲームマッチの結果を決定することができる。
【0020】
(構成8)構成1~構成7のいずれかの構成において、大会管理システムは、参加者端末の操作に基づいて、主催者端末に通知する通知手段をさらに備える。
【0021】
構成8によれば、ゲーム大会進行中において、参加者は容易に主催者のサポートを得ることができる。
【0022】
(構成9)構成1~構成8のいずれかの構成において、大会管理システムは、主催者端末への操作に基づいて組合せ情報を編集する編集手段をさらに備える。
【0023】
構成9によれば、主催者は、自身の判断で組合せ情報の内容を変更することができる。
【0024】
(構成10)構成1~構成9のいずれかの構成において、組合せ情報更新手段は、所定の条件が満たされたか否かにかかわらず、主催者端末への操作に基づいて、通信ゲームの結果を更新する。
【0025】
構成10によれば、主催者権限でゲームマッチの結果を更新させることができる。
【0026】
(構成11)構成1~構成10のいずれかの構成において、大会管理システムは、通信ゲームの結果が確定した後、当該通信ゲームを行うためのセッションを破棄するセッション破棄手段をさらに備える。
【0027】
構成11によれば、ゲームマッチの終了後、セッションを破棄して不要なデータの使用容量を削減できる。
【0028】
(構成12)構成1~構成11のいずれかの構成において、通信手段は、セッションに参加する他の参加者ゲーム装置とピアツーピア(P2P)通信を行う。
【0029】
構成12によれば、ゲーム装置同士の通信をP2P通信で行わせることができる。
【0030】
(構成13)構成1~構成12のいずれかの構成において、参加者端末および参加者ゲーム装置のうちの少なくとも一方は、ゲーム大会の進行状況に応じて、参加者が行うべき行動を示すガイド画像を表示する。
【0031】
構成13によれば、ガイド画像により参加者を補助しゲーム大会を円滑に進行させることができる。
【0032】
(構成14)構成1~構成13のいずれかの構成において、主催者端末は、大会管理システムから取得した報告データに少なくとも基づいて、ゲーム大会の進捗を示す大会進捗画像を表示する。
【0033】
構成14によれば、主催者にゲーム大会の進捗を視覚的に確認させることができる。
【0034】
(構成15)構成1~構成14のいずれかの構成において、大会設定情報は、ゲーム大会の参加条件を含み、登録手段は、参加条件に基づいて登録するか否かを決定する。
【0035】
構成15によれば、ゲーム大会の参加条件に満たさないユーザを自動的に排除することができる。
【0036】
(構成16)構成1~構成15のいずれかの構成において、大会設定情報は、参加者の参加規定人数を含み、組合せ情報生成手段は、参加規定人数分の参加要求を受信したときに組合せ情報を生成する。
【0037】
構成16によれば、参加規定人数に達したタイミングで組合せ情報を生成できる。
【0038】
(構成17)ある実施の形態に従う情報処理プログラムは、通信ゲームを利用するゲーム大会の進行の補助を行う情報処理システムで用いられるコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、ゲーム大会を管理する大会管理システムと、主催者によって操作され、大会管理システムと通信する主催者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作され、大会管理システムと通信する参加者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備える。情報処理プログラムは、コンピュータに、主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するための情報を生成するステップと、参加者端末から受け付けたゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報とゲーム大会とを関連づけて登録するステップと、登録された複数の参加要求を用いて、通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成するステップと、当該ゲーム大会への参加要求を行った参加者のうち、組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップと、生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の参加者ゲーム装置に送信するステップと、主催者端末および参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、参加者ゲーム装置から受信した通信ゲームの結果を示すログデータを出力するステップと、参加者端末に入力され、参加者がプレイした通信ゲームの結果を示す報告データを記憶させるステップと、報告データに関する所定の条件が成立した場合、前記通信ゲームの結果が確定したものとして、当該報告データに基づいて組合せ情報を更新するステップと、更新された組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップとを実行させる。
【0039】
構成17によれば、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減させるための仕組みを実現できる。
【0040】
(構成18)ある実施の形態に従う情報処理方法は、通信ゲームを利用するゲーム大会の進行の補助を行う情報処理システムで用いられるコンピュータに実行させる情報処理方法である。情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、ゲーム大会を管理する大会管理システムと、通信ゲームのユーザである主催者によって操作され、大会管理システムと通信する主催者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作され、大会管理システムと通信する参加者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備える。情報処理方法は、主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するための情報を生成するステップと、参加者端末から受け付けたゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報とゲーム大会とを関連づけて登録するステップと、登録された複数の参加要求を用いて、通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成するステップと、当該ゲーム大会への参加要求を行った参加者のうち、組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップと、生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の参加者ゲーム装置に送信するステップと、主催者端末および参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、参加者ゲーム装置から受信した通信ゲームの結果を示すログデータを出力するステップと、参加者端末に入力され、参加者がプレイした通信ゲームの結果を示す報告データを記憶させるステップと、報告データに関する所定の条件が成立した場合、前記通信ゲームの結果が確定したものとして、当該報告データに基づいて組合せ情報を更新するステップと、更新された組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するステップとを備える。
【0041】
構成18によれば、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減させるための仕組みを実現できる。
【0042】
(構成19)ある実施の形態に従う情報処理システムは、通信ゲームを利用するゲーム大会の進行を補助する情報処理システムである。情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、ゲーム大会を管理する大会管理システムと、主催者によって操作され、大会管理システムと通信する主催者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作され、大会管理システムと通信する参加者端末と、ゲーム大会の参加者によって操作される参加者ゲーム装置とを備える。大会管理システムは、主催者端末に入力された大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するための情報を生成するゲーム大会生成手段と、参加者端末から受け付けたゲーム大会への参加要求に応じて、当該参加要求を行った当該参加者の参加者情報とゲーム大会とを関連づけて登録する登録手段と、登録された複数の参加要求を用いて、通信ゲームを共にプレイする参加者の組合せを示す組合せ情報を生成する組合せ情報生成手段と、当該ゲーム大会への参加要求を行った参加者のうち、組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成するセッション生成手段と、生成されたセッションに対応するセッション情報を、当該セッションに関連付けられた参加者の参加者ゲーム装置に送信するセッション情報送信手段とを含む。参加者ゲーム装置は、セッション情報に対応するセッションに参加する他の参加者の参加者ゲーム装置と通信する通信手段と、セッションに参加する他の参加者と、共に通信ゲームを実行する通信ゲーム実行手段と、通信ゲームのログデータを大会管理システムに送信するログデータ送信手段とを含む。大会管理システムは、主催者端末および参加者端末のうちの少なくとも一方に対して、ログデータを出力するログデータ出力手段と、ログデータに基づいて通信ゲームの結果を確定させ、確定した通信ゲームの結果に基づいて組合せ情報を更新する組合せ情報更新手段とをさらに含み、セッション生成手段は、更新された組合せ情報によって指定される組合せの参加者が共に通信ゲームをプレイするためのセッションを、指定される組合せの参加者に関連付けて生成する。
【0043】
構成19によれば、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減させるための仕組みを実現できる。
【発明の効果】
【0044】
本開示によれば、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システムにおいて、ゲームの運営者ではないユーザによってゲーム大会が主催される場合に発生する作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】実施の形態1に従う情報処理システムの一例を示す模式図である。
図2】実施の形態1に従う情報処理システムを構成する管理サーバのハードウェア構成例を示す模式図である。
図3】実施の形態1に従う情報処理システムを構成する端末のハードウェア構成例を示す模式図である。
図4】実施の形態1に従う情報処理システムを構成するゲーム装置のハードウェア構成例を示す模式図である。
図5】ゲーム大会の進行を示す第1のシーケンス図である。
図6】ゲーム大会の進行を示す第2のシーケンス図である。
図7】ゲーム大会の進行を示す第3のシーケンス図である。
図8】管理サーバによる組合せ情報生成処理の結果の一例を示す図である。
図9】テーブルを示す図である。
図10】管理サーバによる組合せ情報更新処理の結果の一例を示す図である。
図11】ゲーム大会生成命令の送信処理の手順を示すフローチャートである。
図12】参加要求処理の手順を示すフローチャートである。
図13】ゲーム大会進行のメイン処理の手順を示すフローチャートである。
図14】参加者ゲーム装置におけるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。
図15】参加者端末におけるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。
図16】管理サーバによるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。
図17】主催者端末における呼び出し要求の通知手順を示すフローチャートである。
図18】主催者ゲーム装置におけるゲームマッチの進行に関する処理手順を示すフローチャートである。
図19】ゲーム装置におけるリプレイデータの再現処理を示すフローチャートである。
図20】主催者端末における大会進捗画像の表示処理を示すフローチャートである。
図21】大会進捗画像の一例を示す図である。
図22】実施の形態2に従う情報処理システムの一例を示す模式図である。
図23】実施の形態3におけるゲーム大会の進行を示す第2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0047】
[実施の形態1]
[A.概要]
まず、本実施の形態に従う通信ゲームを提供するアプリケーションを実行するシステムの構成例について説明する。
【0048】
図1は、実施の形態1に従う情報処理システム100の一例を示す模式図である。情報処理システム100は、通信ゲームを利用するゲーム大会の進行を補助するためのシステムである。実施の形態1において、ゲーム大会は、特定の通信ゲームを使用するゲーム大会であり、実施の形態1において当該通信ゲームのプレイヤであるユーザH1によって主催される。ユーザH1は、本開示における「主催者」に対応し得る。実施の形態1において、通信ゲームをプレイする一般的なプレイヤのうちの1人である。
【0049】
本明細書において、「通信ゲーム」は、1または複数のユーザが関与するゲームを包含し、どのような種類のゲームであってもよい。実施の形態1において、通信ゲームは、仮想空間内においてユーザ同士が対戦するPvP(Player vs Player)形式のゲームである。以下では、本実施例におけるゲーム大会において、勝敗を決すべき特定の組み合わせのユーザ同士によって行われる1または2回以上の通信ゲームのことを、便宜上、「ゲームマッチ」と言うことがある。
【0050】
実施の形態1におけるゲーム大会は、ゲーム大会の参加者同士でゲームマッチを繰り返し実行させることによって大会を進行する。ゲーム大会の進行形式は、たとえば、トーナメント形式、リーグ戦形式などであり得る。すなわち、ゲーム大会は、複数のゲームマッチを含んで構成され、各ゲームマッチの結果に応じて進行する。
【0051】
ユーザH1は、たとえばソーシャルメディアでゲーム大会を開催する旨を一般に周知する。図1に示されるユーザP1~P4は、当該ソーシャルメディアにおいてゲーム大会が開催されることを知り、ゲーム大会の参加に申し込む。ユーザP1~P4の各々は、本開示における「参加者」に対応し得る。参加者は、ゲーム大会に申し込むために主催者と面識を有していなくてもよい。
【0052】
図1に示されるように、情報処理システム100は、管理サーバ10と、主催者端末20H1と、主催者ゲーム装置30H1と、参加者端末20P1~20P4と、参加者ゲーム装置30P1~30P4とを備える。管理サーバ10は、少なくとも1つの情報処理装置によって構成され、ユーザH1によって開催されるゲーム大会を統括的に管理する。具体的には、管理サーバ10は、ゲーム大会の進行に関わるデータの保持および更新を行う。実施の形態1における管理サーバ10は、本開示における「大会管理システム」に対応し得る。
【0053】
主催者端末20H1は、主催者によって操作される通信端末である。参加者端末20P1~20P4は、ユーザP1~P4によってそれぞれ操作される通信端末である。主催者端末20H1および参加者端末20P1~20P4の各々は、典型的には、スマートフォン、パソコン、またはタブレット端末などである。以下では、参加者端末20P1~20P4の各々をまとめて「参加者端末20P」と総称する。さらに、主催者端末20H1および参加者端末20Pをまとめて「端末20」と総称する。
【0054】
主催者ゲーム装置30H1は、主催者によって操作されるゲーム装置である。参加者ゲーム装置30P1~30P4は、ユーザP1~P4によってそれぞれ操作されるゲーム装置である。主催者ゲーム装置30H1および参加者ゲーム装置30P1~30P4の各々は、ゲーム専用の通信可能な情報処理装置であってもよいし、汎用的なパソコンであってもよい。以下では、参加者ゲーム装置30P1~30P4の各々をまとめて「参加者ゲーム装置30P」と総称する。さらに、主催者ゲーム装置30H1および参加者ゲーム装置30Pをまとめて「ゲーム装置30」と総称する。
【0055】
主催者ゲーム装置30H1は、主催者端末20H1と同一であってもよい。すなわち、主催者ゲーム装置30H1は、主催者端末20H1と一体的に構成され、主催者端末20H1が通信ゲームを実行してもよい。同様に、参加者ゲーム装置30Pは、参加者端末20Pと同一であってもよい。すなわち、参加者ゲーム装置30Pは、参加者端末20Pと一体的に構成され、参加者端末20Pが通信ゲームを実行してもよい。
【0056】
図1に示されるように、管理サーバ10、ゲーム装置30、端末20の各々との間の通信は、ネットワーク12を介して行われる。ネットワーク12は、典型的にインターネットである。
【0057】
[B.ハードウェア構成例]
次に、本実施の形態に従う情報処理システム100を構成する管理サーバ10、ゲーム装置30、端末20の各々のハードウェア構成例について説明する。
【0058】
図2は、実施の形態1に従う情報処理システム100を構成する管理サーバ10のハードウェア構成例を示す模式図である。図2を参照して、管理サーバ10は、1または複数のプロセッサ14と、メモリ15と、ストレージ16と、通信部13とを含む。これらのコンポーネントは、バス17を介して、互いにデータ通信可能に接続されている。なお、管理サーバ10は、通信ゲームを管理する専用の情報処理装置であってもよいし、汎用的なサーバを用いて実現されてもよい。
【0059】
プロセッサ14は、管理サーバ10が提供する処理を実行するための処理主体(処理手段)である。プロセッサ14は、ストレージ16が格納しているシステムプログラム161、情報処理プログラム160を読み込んでメモリ15に展開して実行する。システムプログラム161は、管理サーバ10を動作させるためのプログラムであって、たとえば、OS(Operating System)、ファームウェアを含む。
【0060】
情報処理プログラム160には、ゲーム大会生成プログラム162と、参加者登録プログラム163と、組合せ情報生成プログラム164と、セッション生成プログラム165と、セッション情報送信プログラム166と、ログデータ出力プログラム167と、組合せ情報更新プログラム168とが含まれている。
【0061】
ゲーム大会生成プログラム162は、ゲーム大会を開催するために必要となるデータの生成、記憶領域の確保を行うためのプログラムである。参加者登録プログラム163は、ゲーム大会に申し込んだ参加者を登録するためのプログラムである。組合せ情報生成プログラム164は、登録された参加者の対戦組合せを決定するためのプログラムである。セッション生成プログラム165は、参加者が通信ゲームをプレイするためのセッションを生成するためのプログラムである。
【0062】
セッションとは、通信ゲームをプレイする複数の参加者を管理するストレージ16またはメモリ15内の仮想領域である。セッションに参加した複数の参加者によって操作される複数の参加者ゲーム装置30Pは、サーバを介して間接的に、または、直接的に通信可能な状態となる。セッションは、管理サーバ30内に用意された仮想的な部屋と捉えることができる。
【0063】
セッション情報送信プログラム166は、生成されたセッションに関する情報を参加者ゲーム装置30P1~30P4の各々に送信するためのプログラムである。ログデータ出力プログラム167は、通信ゲームの結果を示すログデータを主催者端末20H1、参加者端末20P1~20P4に出力するためのプログラムである。組合せ情報更新プログラム168は、ゲーム大会の進行に応じて、参加者の対戦組合せを更新するためのプログラムである。
【0064】
メモリ15は、プロセッサ14がアクセス可能な揮発性記憶装置(記憶媒体)であり、たとえば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などが用いられ得る。
【0065】
ストレージ16は、プロセッサ14がアクセス可能な不揮発性記憶装置(記憶媒体)であり、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどが用いられ得る。ストレージ16は、たとえば、光ディスクおよびカートリッジといった管理サーバ10に着脱可能な記憶媒体であってもよい。
【0066】
システムプログラム161および/または情報処理プログラム160は、後述する処理を実現するための命令コードを含む。本実施の形態に従う処理を実現する「プログラム」は、システムプログラム161に含まれる命令コード、および/または、情報処理プログラム160に含まれるアプリケーションプログラムの命令コードを包含する。
【0067】
通信部13は、端末20、ゲーム装置30との間でネットワーク12を介した通信を行う。通信部13は、有線通信に必要なハードウェア、および/または、無線通信に必要なハードウェアを有する。なお、通信部13の処理の全部または一部はプロセッサ14によって実現されてもよい。
【0068】
管理サーバ10において実行される処理は、プロセッサ14がプログラムを実行することで実現されてもよいし、処理の一部または全部が、ASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(field programmable gate array)などのハードワイヤード回路により実現されてもよい。
【0069】
本明細書において、「プロセッサ」との用語は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプログラムに記述された命令コードに従って処理を実行する処理回路という通常の意味に加えて、ASICやFPGAなどのハードワイヤード回路も包含する。ASICやFPGAなどのハードワイヤード回路は、実行すべき処理に対応する回路が予め形成されている。さらに、本明細書の「プロセッサ」は、SoC(System on Chip)などの複数の機能が集約された回路も包含する。
【0070】
図3は、実施の形態1に従う情報処理システム100を構成する端末20(主催者端末20H1、参加者端末20P1~20P4)のハードウェア構成例を示す模式図である。図3に示される通信部23、プロセッサ24、メモリ25、ストレージ26の構成は、図2にて説明した通信部13、プロセッサ14、メモリ15、ストレージ16の構成とそれぞれ対応し、同様の構成であるため、説明を繰り返さない。
【0071】
端末20に含まれるコンポーネントは、バス27を介して、互いにデータ通信可能に接続されている。ストレージ26内のシステムプログラム261は、端末20を動作させるためのプログラムであって、たとえば、OS、ファームウェアを含む。端末20は、ディスプレイ21と、操作部22とをさらに備えている。
【0072】
ディスプレイ21は、プロセッサ24で実行される情報処理の結果として生成される画像を表示する。ディスプレイ21は複数のディスプレイから構成されてもよい。操作部22は、端末20を操作するユーザの操作を受け付ける。操作部22は、たとえば、押ボタン、操作レバー、タッチパネル、マウス、キーボードなどを含む。
【0073】
図4は、実施の形態1に従う情報処理システム100を構成するゲーム装置30(主催者ゲーム装置30H1および参加者ゲーム装置30P1~30P4)のハードウェア構成例を示す模式図である。
【0074】
図4に示される通信部33、プロセッサ34、メモリ35、ストレージ36の構成は、図2にて説明した通信部13、プロセッサ14、メモリ15、ストレージ16の構成とそれぞれ対応し、同様の構成であるため、説明を繰り返さない。また、図4に示されるディスプレイ31、操作部32の構成は、図3にて説明したディスプレイ21、操作部22の構成とそれぞれ対応し、同様の構成であるため、説明を繰り返さない。
【0075】
ゲーム装置30に含まれるコンポーネントは、バス37を介して、互いにデータ通信可能に接続されている。ストレージ36内のシステムプログラム361は、ゲーム装置30を動作させるためのプログラムであって、たとえば、OS、ファームウェアを含む。
【0076】
ストレージ36には、システムプログラム361に加えて、ゲームアプリケーション実行プログラム360が格納されている。ゲームアプリケーション実行プログラム360には、通信ゲーム実行プログラム362と、ログデータ送信プログラム363と、リプレイデータ送信プログラム364とが含まれている。
【0077】
通信ゲーム実行プログラム362は、本実施例におけるゲーム大会における通信ゲームを実行するためのプログラムである。ログデータ送信プログラム363は、ゲーム大会における通信ゲームの結果を示すログデータを送信するためのプログラムである。リプレイデータ送信プログラム364は、ゲーム大会において終了した通信ゲームの内容を再現するためのリプレイデータを送信するためのプログラムである。通信ゲーム実行プログラム362によって実行される処理は、本開示における「通信ゲーム実行手段」に対応し得る。
【0078】
[C.ゲーム大会の進行]
以下では、図5図7を用いて、ゲーム大会の進行の流れを説明する。図5は、ゲーム大会の進行を示す第1のシーケンス図である。図6は、ゲーム大会の進行を示す第2のシーケンス図である。図7は、ゲーム大会の進行を示す第3のシーケンス図である。図6には図5に続く処理が示されており、図7には、図6に続く処理が示されている。
【0079】
図5図7の上部には、管理サーバ10、ユーザH1(主催者)が操作する主催者端末20H1、ユーザP1(参加者)が操作する参加者端末20P1および参加者ゲーム装置30P1、ユーザP2(参加者)が操作する参加者端末20P2および参加者ゲーム装置30P2、ユーザP3(参加者)が操作する参加者端末20P3および参加者ゲーム装置30P3、ユーザP4(参加者)が操作する参加者端末20P4および参加者ゲーム装置30P4が示されている。
【0080】
実施の形態1において、ユーザH1は、主催者端末20H1にゲーム大会を生成するために必要な情報である大会設定情報を入力する。大会設定情報は、たとえば、ゲーム大会名、ゲーム大会の進行形式、ゲーム大会に参加可能な最大人数である参加規定人数、ゲーム大会に参加するための参加条件、ゲーム大会で行われるゲームマッチのルール、ゲーム大会の開催日時、参加者の申し込みを許容する期間などが含まれ得る。実施の形態1の例では、ユーザH1(主催者)は、ゲーム大会の進行方式として「トーナメント形式」を入力し、参加規定人数として「4人」を入力する。ゲームマッチのルールには、たとえば、ゲームマッチの勝利条件、ゲームマッチの参加者数、参加者が使用するキャラクタ、当該キャラクタに付属させる武器などに関する制限などが含まれ得る。ゲームマッチのルールは、本開示における「対戦条件設定」に対応し得る。
【0081】
主催者端末20H1は、ユーザH1から大会設定情報が入力されたことに基づいて、当該大会設定情報を含むゲーム大会生成命令を管理サーバ10に送信する(ステップS102)。管理サーバ10は、主催者端末20H1からゲーム大会生成命令を受信したことに基づいて、ゲーム大会生成処理を実行する(S302)。管理サーバ10のプロセッサ14は、ゲーム大会生成プログラム162を実行することによって、ゲーム大会生成処理を実行する。ゲーム大会生成処理では、受信した大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するためのストレージ16内において記憶領域が確保され、参加者用URL(Uniform Resource Locator)が生成される。参加者用URLは、ゲーム大会の参加を希望するユーザが参加の申し込みをするためのURLである。
【0082】
管理サーバ10は、ゲーム大会生成処理を実行した後、参加者用URLを主催者端末20H1に送信する。ユーザH1(主催者)は、参加する可能性がある通信ゲームのユーザへ、受信した参加者用URLを周知する。上述したように、実施の形態1ではユーザH1(主催者)は、ソーシャルメディアを使用して、参加者用URLの周知をする。また、ユーザH1(主催者)は、予め面識のある通信ゲームのユーザに対して、メールなどにより参加者用URLを直接送信してもよい。
【0083】
実施の形態1の例では、ユーザP1~P4がゲーム大会に申し込む。ユーザP1~P4は、参加者端末20P1~20P4をそれぞれ用いて、参加者用URLにアクセスし、参加者情報を入力することにより、申し込み処理を完了させる。
【0084】
参加者情報には、たとえば、参加者のユーザ名、参加者が使用するゲーム装置30を特定するための情報、通信ゲームの熟達度合いを示す指標、通信ゲームの総プレイ時間、過去の大会参加履歴、過去の戦績、その他のゲームアカウント情報などが含まれる。参加者端末20P1~20P4の各々は、参加者情報が入力されたことに基づき、当該参加者情報を含む参加要求を、管理サーバ10に対して送信する(ステップS203)。
【0085】
管理サーバ10は、参加者端末20Pから参加要求を受信したことに基づいて、登録処理を実行する(ステップS305)。管理サーバ10のプロセッサ14は、参加者登録プログラム163を実行することによって、登録処理を実行する。登録処理は、参加要求に含まれる参加者情報が主催者の設定した参加条件を満たすか否か判断し、申し込んだユーザが当該参加条件を満たす場合、参加者情報をゲーム大会と関連付けてストレージ16に記憶させる処理である。管理サーバ10は、参加要求に含まれる参加者情報が参加条件を満たさない場合、参加条件を満たさない旨を参加者端末20Pに送信する。
【0086】
管理サーバ10は、参加要求ごとに登録処理を実行する。すなわち、図5の例では、管理サーバ10は、4回分の登録処理を実行する。図5の例では、ユーザP1~P4の全員は主催者によって設定された参加条件を満たしているため、管理サーバ10は、ユーザP1~P4の参加者情報を、ゲーム大会の参加者としてストレージ16に記憶させる。管理サーバ10は、登録した参加者の数が参加規定人数に到達したことに基づいて、組合せ情報生成処理を実行する(ステップS307)。なお、管理サーバ10は、登録した参加者の数が参加規程人数に到達したか否かに関わらず、規定時間が到来したことに基づいて組合せ情報生成処理を実行してもよい。
【0087】
管理サーバ10のプロセッサ14は、組合せ情報生成プログラム164を実行することによって、組合せ情報生成処理を実行する。組合せ情報生成処理は、ゲームマッチを共にプレイする参加者の組合せを決定する処理である。組合せ情報とは、ゲーム大会に含まれている複数のゲームマッチのうちのいずれのゲームマッチにおいて、複数の参加者のうちいずれの参加者が共にプレイするのかを示す情報である。組合せ情報は、たとえば、トーナメント表、リーグ戦の対戦表などであり得る。
【0088】
実施の形態1において、ユーザH1(主催者)は、ゲーム大会の進行方式としてトーナメント形式を設定している。図8は、管理サーバ10による組合せ情報生成処理の結果の一例を示す図である。実施の形態1では、管理サーバ10は、組合せ情報生成プログラム164を実行することによって、ユーザP1~P4を参加者とするトーナメント表を生成する。
【0089】
図8に示されるように、ユーザP1およびユーザP2が共にゲームマッチをプレイする。本実施例では、「共にゲームマッチをプレイする」とは、ユーザP1のゲーム端末とユーザP2のゲーム端末とが通信することで通信ゲームの進行状況を同期させつつ、それぞれの端末で実行される通信ゲームを、ユーザP1とユーザP2とが一緒に遊ぶことを意味する。換言すれば、ユーザP1とユーザP2とが対戦する。また、ユーザP3およびユーザP4が共にゲームマッチをプレイする。換言すれば、ユーザP3とユーザP4とが対戦する。なお、実施の形態1では、1つのゲームマッチに対して2人の参加者が対戦を行う例を説明するが、ある局面においては、1つのゲームマッチに3人以上の参加者が参加して対戦を行ってもよい。また、3人以上の参加者が参加している場合において、各参加者が敵対関係にあってもよい。
【0090】
このように組合せ情報は、ゲームマッチごとに複数の参加者のうちいずれの参加者が共にプレイするのかを示す情報である。つまり、トーナメント表は、ゲームマッチを共にプレイする参加者(対戦相手)を指定する役割を有する。図8におけるトーナメント表は、本開示における「組合せ情報」に対応し得る。実施の形態1において管理サーバ10は、対戦させる参加者の組合せを、乱数を用いてランダムに生成する。
【0091】
また、実施の形態1において、主催者は管理サーバ10が決定した組合せ情報を編集することができる。すなわち、主催者は主催者端末20H1を操作することにより、組合せ情報を編集する編集命令を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10は、編集命令の受信に基づいて、組合せ情報を編集する。たとえば、管理サーバ10は、ユーザP1とユーザP3とが対戦し、ユーザP2とユーザP4とが対戦するように図8のトーナメント表を編集する。
【0092】
図5に戻り、管理サーバ10は、設定されたゲーム大会の開催日時が到来することに基づいて、セッション生成処理を実行する(ステップS308)。管理サーバ10のプロセッサ14は、セッション生成プログラム165を実行することによって、セッション生成処理を実行する。セッション生成処理は、ゲームマッチを共にプレイするプレイヤ同士を管理するサーバ上の仮想領域(セッション)を生成する処理である。
【0093】
生成されたセッションには、主催者によって設定された大会設定情報が関連付けて記憶されている。たとえば、管理サーバ10のストレージ16内におけるセッションには、ゲームマッチのルールが関連付けて記憶されている。また、生成されたセッションには、ゲームマッチごとに当該ゲームマッチが開始する日時も関連付けられている。
【0094】
セッションは、ゲームマッチごとに生成される。実施の形態1において図8のトーナメント表を生成した後の管理サーバ10は、2つのセッションを生成する。参加者は、自身の参加者ゲーム装置30Pから当該サーバ上の仮想領域にアクセスする。以下では、参加者が仮想領域にアクセスすることを「セッションへの参加」と称する。
【0095】
管理サーバ10は、生成したセッションへアクセスするためのセッション情報を参加者ゲーム装置30Pへと送信する。セッション情報は、たとえば、複数のセッションのうち、参加者が参加すべきセッションを特定するためのIDである。図9は、管理サーバ10によって管理されるセッションのテーブルを示す図である。図9に示されるように、ゲームマッチごとにセッションが生成され、管理サーバ10によって管理されている。
【0096】
図6に戻り、管理サーバ10は、参加者情報内の参加者ゲーム装置30Pを特定する情報(参加者ゲーム装置ID)を参照して、参加者が参加すべきセッションに対応するセッション情報(セッションID)を参加者ゲーム装置30Pに送信する。(S401)。管理サーバ10のプロセッサ14は、セッション情報送信プログラム166を実行することによって、セッション情報送信処理を実行する。
【0097】
具体的には、管理サーバ10は、参加者ゲーム装置30P1と参加者ゲーム装置30P2とに対して、ユーザP1とユーザP2とが対戦するためのセッション情報を送信する。また、管理サーバ10は、参加者ゲーム装置30P3と参加者ゲーム装置30P4とに対して、ユーザP3とユーザP4とが対戦するためのセッション情報を送信する。
【0098】
セッションに参加した参加者同士は、参加者ゲーム装置30間で通信ゲームを実行する(S506)。図5に示されるように、ユーザP1とユーザP2とが共にプレイする通信ゲームを実行する。また、ユーザP3とユーザP4とが共にプレイする通信ゲームを実行する。なお、ユーザP1とユーザP2とによる通信ゲームが行われる時間と、ユーザP3とユーザP4とによる通信ゲームが行われる時間とは、異なる時間であってもよい。すなわち、管理サーバ10は、通信ゲームごとに通信ゲームを開始する日時を決定してもよい。
【0099】
ゲーム装置30のプロセッサ34は、通信ゲーム実行プログラム362を実行することによって、通信ゲーム実行処理を実行する。実施の形態1において、参加者ゲーム装置30Pの通信部33は、参加者ゲーム装置30P間における通信ゲーム自体の処理のやりとりをP2P(Peer to Peer)通信によって行う。これにより、通信ゲーム自体の処理は円滑に行われる。
【0100】
参加者ゲーム装置30Pは、ゲームマッチの終了に基づいて、管理サーバ10に対して、ログデータおよびリプレイデータを送信する(S508)。参加者ゲーム装置30Pのプロセッサ34は、ログデータ送信プログラム363を実行することによって、ログデータ送信処理を実行する。また、参加者ゲーム装置30Pのプロセッサ34は、リプレイデータ送信プログラム364を実行することによって、リプレイデータ送信処理を実行する。
【0101】
ログデータは、通信ゲームの結果を示すデータである。より具体的には、ログデータは、通信ゲームを実行した複数の参加者のうち、対戦に勝利した参加者と敗北した参加者とを特定する情報である。リプレイデータは、終了した通信ゲームを再現するためのデータである。より具体的には、リプレイデータは、通信ゲーム実行中に参加者が参加者ゲーム装置30Pに入力したコマンドの種類およびコマンドを入力したタイミング情報などを含む。
【0102】
ゲーム装置30は、通信ゲーム実行中に各参加者がいずれのタイミングでどのコマンドを入力したかという情報に基づいて、終了した通信ゲームを再現することができる。管理サーバ10は、受信したログデータおよびリプレイデータを、当該ログデータおよびリプレイデータと対応するセッションに関連付けてストレージ16に記憶させる。なお、ストレージ16は、本開示における「リプレイデータ記憶手段」に対応し得る。
【0103】
続いて、図6を参照して、管理サーバ10は、各ゲームマッチの結果を主催者および参加者の端末20に通知する(S406)。具体的には、管理サーバ10は、参加者端末20P1~20P4に対して、参加者ゲーム装置30P1~30P4から受信したログデータをそれぞれ出力する。また、管理サーバ10は、参加者ゲーム装置30Pの各々から受信したログデータの全てを主催者端末20H1に送信する。管理サーバ10のプロセッサ14は、ログデータ出力プログラム167を実行することによって、ログデータ出力処理を実行する。
【0104】
実施の形態1の情報処理システム100では、管理サーバ10によるログデータの出力後、参加者端末20P1~20P4から管理サーバ10に対して報告データが送信される(ステップS606)。報告データとは、参加者自身が認識したゲームマッチの結果を示すデータである。参加者は、参加者端末20Pを操作して、ゲームマッチの結果を手動で入力する。管理サーバ10は、受信した報告データをストレージ16に記憶させる。なお、ストレージ16は、本開示における「報告データ記憶手段」に対応し得る。
【0105】
互いに面識を有さない複数の参加者がインターネットを介してプレイする通信ゲームにおいて、予期しないトラブルが発生する場合がある。トラブルとは、たとえば、インターネット回線が途切れることなどであり得る。トラブルの発生によって、参加者の意図に反して通信ゲームが終了する場合がある。このような場合、ゲーム装置30は、実際には通信ゲームが正常に終了していないにもかかわらず、任意の参加者が勝利したと判断して、ログデータを生成してしまう場合がある。
【0106】
また、上述したように実施の形態1にて主催されるゲーム大会は、通信ゲームのプレイヤであるユーザH1によって主催される大会であることから、通信ゲーム上では設定することができない主催者によって取り決められた独自のルールが採用される場合がある。独自のルールとは、たとえば、連続してインターネット回線が途切れた場合、通信ゲームの結果にかかわらず、インターネット回線が途切れた参加者が敗北するというルールである。ゲーム装置30は、通信ゲームの内容によっては、連続してインターネット回線が途切れた参加者が勝利したと判断する場合がある。しかしながら、主催者によって取り決められた独自のルールを適用すれば、ゲーム装置30によって判断された勝者と、参加者によって認識される勝者が異なる場合がある。
【0107】
すなわち、通信ゲームのログデータによって示される勝者と独自のルールを反映した上での勝者とが異なる場合があり得る。このように、インターネットを介して複数の参加者がプレイする通信ゲームでは、ゲームマッチ終了後、参加者間のゲームマッチの結果の認識に齟齬が生じる場合がある。
【0108】
そこで、実施の形態1の情報処理システム100では、全ての参加者に対してゲームマッチの終了後に報告データの提出が義務づけられている。実施の形態1の例では、管理サーバ10は、報告データに関する所定の条件が満たされた場合、ゲームマッチの結果を確定させる結果確定処理を実行する(ステップS411)。報告データに関する所定の条件とは、複数の参加者から受信した報告データの内容が一致することである。
【0109】
より具体的に、報告データの内容が一致する場合とは、たとえば、ユーザP1とユーザP2とが対戦するゲームマッチの終了後に、ユーザP1およびユーザP2の各々から、ユーザP2が勝利したことを示す報告データが提出されることである。これにより、情報処理システム100は、複数の参加者が認識しているゲームマッチの結果に齟齬が生じた状態で、ゲーム大会が進行してしまうことを抑制できる。すなわち、ゲームマッチの結果に参加者が納得していないにもかかわらず、ゲーム大会が進行してしまうことを抑制できる。なお、上述の例にいて、ユーザP1は、本開示における「第1参加者」に対応し得る。ユーザP2は、本開示における「第2参加者」に対応し得る。
【0110】
管理サーバ10は、報告データの内容が一致しない場合、ユーザP1,P2に対して報告データの再提出を求める。報告データの再提出後においても報告データの内容が一致しない場合、管理サーバ10は、報告データの内容が一致しない旨を主催者端末20H1に通知する。
【0111】
図6の例では、全てのゲームマッチにおいて、報告データの内容が一致している。管理サーバ10は、ユーザP2がユーザP1に勝利したというゲームマッチの結果と、ユーザP3がユーザP4に勝利したというゲームマッチの結果とを確定させる。続いて、管理サーバ10は、組合せ情報の更新処理を実行する(ステップS310)。管理サーバ10のプロセッサ14は、組合せ情報更新プログラム168を実行することによって、組合せ情報更新処理を実行する。具体的には、管理サーバ10は、ステップS411にて確定させたゲームマッチの結果に基づいて、トーナメント表を更新する。
【0112】
図10は、管理サーバ10による組合せ情報更新処理の結果の一例を示す図である。図10に示されるように、管理サーバ10は、ユーザP1に勝利したユーザP2と、ユーザP4に勝利したユーザP3とを対戦させるゲームマッチ(決勝戦)を行うようにトーナメント表を更新する。また、管理サーバ10は、ユーザP2に敗北したユーザP1と、ユーザP3に敗北したユーザP4とを対戦させるゲームマッチ(3位決定戦)を行うようにトーナメント表を更新する。このように、実施の形態1では、ゲーム大会の参加者の順位(1~4位)を決定するための組合せを自動的に生成できる。
【0113】
図6に戻り、管理サーバ10は、再度、セッション生成処理を実行し(ステップS308)、生成したセッションのセッション情報を送信する。具体的には、参加者ゲーム装置30P2と参加者ゲーム装置30P3とに対して、管理サーバ10は、ユーザP2とユーザP3とが対戦するためのセッション情報を送信する。また、管理サーバ10は、参加者ゲーム装置30P1と参加者ゲーム装置30P4とに対してユーザP1とユーザP4とが対戦するためのセッション情報を送信する。
【0114】
セッション情報を受信した参加者は、再度通信ゲームを実行する(S506)。図6に示されるように、ユーザP2とユーザP3とが対戦する。通信ゲーム終了後、参加者ゲーム装置30P2,30P3は、ログデータおよびリプレイデータを送信する(ステップS508)。また、図6に示されるようにユーザP1とユーザP4とが対戦する。通信ゲーム終了後、参加者ゲーム装置30P1,30P4の各々は、ログデータおよびリプレイデータを送信する(ステップS508)。
【0115】
図7を参照して、管理サーバ10は、ユーザP1とユーザP4との通信ゲームの結果を示すログデータと、ユーザP2とユーザP3との通信ゲームの結果を示すログデータとを端末20に送信する。その後、ユーザP2およびユーザP3は、各々が認識したゲームマッチ(決勝戦)の結果を報告データとして管理サーバ10に提出する。また、ユーザP1およびユーザP4は、各々が認識したゲームマッチ(3位決定戦)の結果を報告データとして管理サーバ10に提出する。すなわち、図7に示されるように、参加者端末20Pの各々は、報告データを送信する(ステップS606)。
【0116】
管理サーバ10は、報告データに基づいて全てのゲームマッチの結果を確定させ(S411)、ゲーム大会を終了させる。このように、実施の形態1における情報処理システム100では、管理サーバ10によって、自動でトーナメント表が生成および更新され、各参加者に自動でセッション情報が送信されるため、ゲーム大会を主催するユーザH1(主催者)の作業負担を軽減させることができる。
【0117】
実施の形態1の例では、参加規定人数が4人のトーナメント形式のゲーム大会において、4回のゲームマッチが実行される例を説明した。参加規定人数が4人よりも多い場合、または、ゲーム大会の進行方式がリーグ戦である場合、ゲーム大会中に行われるゲームマッチの回数は4回よりも多くなる場合がある。この場合においても、管理サーバ10は、ゲームマッチを確定させた後に組合せ情報を更新させることを繰り返して実行することによって、ユーザH1(主催者)の作業負担を軽減しつつ、ゲーム大会を進行させることができる。
【0118】
[D.処理手順]
以下では、図11図20を用いて、情報処理システム100に含まれる各装置の処理を、フローチャートを用いて説明する。図4図6において説明したステップは、図11図20に示されるフローチャート内のステップと対応する。
【0119】
<D1.ゲーム大会開催の準備期間>
まず図11および図12を用いて、ゲーム大会を開催する準備処理について説明する。図11は、ゲーム大会生成命令の送信処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、主催者端末20H1のプロセッサ24がシステムプログラム261を実行することによって実現される。
【0120】
主催者端末20H1は、ゲーム大会を生成するための命令を主催者から受け付けたときに図11に示されるフローチャートを実行する。主催者端末20H1は、主催者によって入力された大会設定情報を含むゲーム大会生成命令を管理サーバ10に送信する(ステップS102)。
【0121】
その後、主催者端末20H1は、管理サーバ10から参加者用URLを受信する(ステップS103)。主催者は、ソーシャルメディア、メッセージ送受信アプリなどを用いて、主催者が参加させたい所望のユーザに参加者用URLを共有する。
【0122】
図12は、参加要求処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、参加者端末20Pのプロセッサ24がシステムプログラム261を実行することによって実現される。参加者端末20Pは、主催者から共有された参加者用URLへアクセスすることで、参加要求処理を開始する。
【0123】
参加者端末20Pは、参加者によって入力された参加者情報に基づいて、ゲーム大会への参加要求を管理サーバ10へと送信する(ステップS203)。すなわち、参加要求には、参加者情報が含まれる。
【0124】
<D2.ゲーム大会進行のメイン処理>
続いて、図13を用いて、管理サーバ10によるゲーム大会進行のメイン処理について説明する。図13は、ゲーム大会進行のメイン処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、管理サーバ10のプロセッサ14がシステムプログラム161および情報処理プログラム160を実行することによって実現される。
【0125】
管理サーバ10は、主催者端末20H1から、ゲーム大会生成命令を受信したか否かを判断する(ステップS301)。ゲーム大会生成命令を受信しない場合(ステップS301でNO)、管理サーバ10は、処理を終了する。ゲーム大会生成命令を受信した場合(ステップS301でYES)、管理サーバ10は、ゲーム大会生成処理を実行する(ステップS302)。具体的には、管理サーバ10は、ゲーム大会生成命令に含まれている大会設定情報に基づいて、ゲーム大会を開催するために必要となる記憶領域の確保、および参加者用URLなどのデータの生成を行う。
【0126】
管理サーバ10は、参加者用URLを主催者端末20H1に送信する(ステップS303)。その後、管理サーバ10は、参加要求を受信したか否かを判断する(ステップS304)。管理サーバ10は、参加要求を受信した場合(ステップS304でYES)、参加者の登録処理を実行する(ステップS305)。
【0127】
管理サーバ10は、参加規定人数分の参加要求を受信したか否かを判断する(ステップS306)。参加規定人数分の参加要求を受信していない場合(ステップS306でNO)、管理サーバ10は、処理をステップS304へ戻す。ステップS304において参加要求を受信しない場合(ステップS304でNO)、管理サーバ10はステップS306の処理を実行する。
【0128】
このように、管理サーバ10は、参加規定人数分の参加要求を受信するまでの間、待機する。なお、参加規定人数分の参加要求を受信していない状態が予め定められた期間継続した場合、管理サーバ10は、主催者端末20H1および参加者端末20Pに、参加規定人数が集まらなかったことを通知して処理終了してもよい。
【0129】
参加規定人数分の参加要求を受信した場合(ステップS306でYES)、管理サーバ10は、組合せ情報生成処理を実行する(ステップS307)。すなわち、管理サーバ10は、参加規定人数分の参加要求を受信したタイミングで、各参加者がプレイするゲームマッチの組合せを決定する。
【0130】
管理サーバ10は、組合せ情報生成処理を実行した後、ゲームマッチごとにセッション生成処理を実行する(ステップS308)。管理サーバ10は、ゲームマッチごとにゲームマッチ進行処理を実行する(ステップS309)。管理サーバ10は、ゲームマッチごとに定められた開始時刻に合わせてセッションを生成する。
【0131】
ゲームマッチ進行処理の内容については、図17にて説明する。ゲームマッチ進行処理の終了後、管理サーバ10は、組合せ情報更新処理を実行する(ステップS310)。管理サーバ10は、ゲーム大会に含まれる全てのゲームマッチが終了したか否かを判断する(ステップS311)。
【0132】
全てのゲームマッチが終了していない場合(ステップS311でNO)、管理サーバ10は、処理をステップS308へと戻す。すなわち、管理サーバ10は、全てのゲームマッチが終了するまでの間、セッション生成処理、ゲームマッチ進行処理、組合せ情報更新処理を繰り返す。全てのゲームマッチが終了した場合(ステップS311でYES)、管理サーバ10は、メイン処理を終了し、ゲーム大会を終了させる。
【0133】
<D3.ゲームマッチ進行中>
続いて、図14図16を用いて、ゲームマッチの進行に関する処理について説明する。図14は、参加者ゲーム装置30Pにおけるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、参加者ゲーム装置30Pのプロセッサ34がシステムプログラム361およびゲームアプリケーション実行プログラム360を実行することによって実現される。図14に示す処理は、参加要求を送信した後において実行される処理である。
【0134】
参加者ゲーム装置30Pは、管理サーバ10からセッション情報を受信したか否かを判断する(ステップS501)。参加者ゲーム装置30Pは、セッション情報を受信していない場合(ステップS501でNO)、処理を終了する。参加者ゲーム装置30Pは、セッション情報を受信した場合(ステップS501でYES)、セッションが生成されたことを報知する(ステップS502)。
【0135】
たとえば、参加者ゲーム装置30Pは、参加者ゲーム装置30Pを所有する参加者が参加すべきセッションが生成されたため、セッションに参加すべきことをディスプレイ31に表示させる。これにより、参加者は、セッションに参加することで通信ゲームを実行できる状態であることを認識できる。すなわち、実施の形態1では、複数の参加者が同時にプレイする通信ゲームにおいてセッションが生成されたことを参加者に報知してセッションへの参加を促す。これにより、実施の形態1では、セッションが生成されたにもかかわらず一方の参加者が参加せずに、他方の参加者を無用に待たせてしまうことを抑制できる。
【0136】
参加者ゲーム装置30Pは、参加者からセッション参加要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS503)。参加者は、参加者ゲーム装置30Pの操作部32を用いてセッション参加要求を行う。セッション参加要求を受け付けていない場合(ステップS503でNO)、参加者ゲーム装置30Pは、セッション生成を報知してから所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS509)。
【0137】
ステップS509における所定期間が経過していない場合(ステップS509でNO)、参加者ゲーム装置30Pは、ステップS503に処理を戻す。ステップS509における所定期間が経過した場合(ステップS509でYES)、参加者ゲーム装置30Pは、参加者ゲーム装置30Pを操作する参加者自身がセッションに参加しなかったことから通信ゲームが行われなかったことを示す情報を管理サーバ10に送信して、処理を終了する。
【0138】
参加者からセッション参加要求を受け付けた場合(ステップS503でYES)、参加者ゲーム装置30Pは、セッション参加処理を実行する(ステップS504)。参加者は、セッションに参加することによって、同一のセッションに参加している他の参加者とゲームマッチをプレイすることが可能となる。参加者ゲーム装置30Pは、セッションに関連付けて記憶されているゲームマッチのルールを読み込む。
【0139】
すなわち、参加者ゲーム装置30Pは、主催者によって設定された大会設定情報に基づいて、通信ゲームを実行するときのルールを決定する。これにより、参加者ゲーム装置30Pは、主催者によって予め設定された通信ゲームのルールを参加者自らが設定することなく、セッションに参加しただけでゲーム大会の規定に沿った通信ゲームのルールを読み込むことができる。
【0140】
参加者ゲーム装置30Pは、セッションに対応する参加者が全員参加したか否かを判断する(ステップS505)。すなわち、参加者ゲーム装置30Pは、主催者によって定められたゲームマッチに参加する参加者の全てがセッションに参加した状態となったか否かを判断する。セッションに対応する参加者が全員参加していない場合(ステップS505でNO)、参加者ゲーム装置30Pは、セッション生成を報知してから所定期間が経過したか否かを判断する(ステップS510)。
【0141】
ステップS510における所定期間が経過していない場合(ステップS510でNO)、参加者ゲーム装置30Pは、ステップS505に処理を戻す。ステップS510における所定期間が経過した場合(ステップS510でYES)、参加者ゲーム装置30Pは、他の参加者がセッションに参加しなかったことからゲームマッチが行われなかったことを示す情報を管理サーバ10に送信して、処理を終了する。
【0142】
セッションに対応する参加者が全員参加した場合(ステップS505でYES)、参加者ゲーム装置30Pは、通信ゲームを実行する(ステップS506)。通信ゲームは、主催者によって予め定められた通信ゲームのルールに基づいて実行される。参加者ゲーム装置30Pは、通信ゲームが終了したか否かを判断する(ステップS507)。通信ゲームが終了していない場合(ステップS507でNO)、参加者ゲーム装置30Pは、ステップS507の処理を繰り返す。
【0143】
通信ゲームが終了した場合(ステップS507でYES)、参加者ゲーム装置30Pは、ステップS507で実行された通信ゲームの結果を示すログデータと、ステップS507で実行された通信ゲームにて参加者が入力したコマンド情報を含むリプレイデータを管理サーバ10に送信し(ステップS508)、処理を終了する。
【0144】
図15は、参加者端末20Pにおけるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。図15に示すフローチャートは、参加者端末20Pのプロセッサ24がシステムプログラム261を実行することによって実現される。図15に示す処理は、参加要求を送信した後において実行される処理である。
【0145】
参加者端末20Pは、管理サーバ10からセッションが生成されたことを示す情報を受信し、セッションが生成されたことを出力する(ステップS602)。当該セッションが生成されたことを出力する処理は、本開示における「セッション情報出力手段」に対応し得る。
【0146】
たとえば、参加者端末20Pは、参加者端末20Pを所有する参加者が参加すべきセッションが生成されたため、セッションに参加すべきことをディスプレイ21に表示させる。より具体的には、参加者端末20Pがスマートフォンなどの携帯端末である場合、参加者端末20Pは、セッションが生成されたことを、プッシュ通知等を用いて参加者に報知してもよい。
【0147】
これにより、実施の形態1では、セッションが生成されたことを参加者ゲーム装置30Pだけでなく参加者端末20Pから参加者に報知して、参加者に対してセッションへの参加を促すことができる。参加者がゲーム大会自体を失念しており、参加者ゲーム装置30Pの電源がOFF状態である場合であっても、実施の形態1では、参加者端末20Pから、セッションに参加すべき旨を参加者に認識させることができる。
【0148】
続いて、参加者端末20Pは、ログデータを受信し、受信したログデータが示す内容をディスプレイ21に表示する(ステップS604)。
【0149】
さらに、参加者端末20Pは、ゲームマッチを終了した参加者から報告データを受け付け、報告データを管理サーバ10へと送信し(ステップS606)、処理を終了する。参加者端末20Pは、ログデータの表示後、報告データを受け付けるまでの期間において、報告データ作成のためのガイド画像をディスプレイ21に表示させる。
【0150】
報告データ作成のためのガイド画像とは、参加者に対して、報告データを作成すべきことを示唆する画像である。たとえば、ディスプレイ21には、ガイド画像として「ゲームマッチの勝者は、ユーザP1,P2のうち、どちらですか?」というテキストが表示される。また、ガイド画像には、より詳細な報告データの提出方法が含まれていてもよい。たとえば、報告データを作成するために必要なゲームマッチの情報などが含まれ得る。すなわち、ガイド画像には、参加者が行うべき行動が示されている。
【0151】
続いて、ゲームマッチ進行に関する管理サーバ10の処理について説明する。図16は、管理サーバ10によるゲームマッチの進行処理手順を示すフローチャートである。図16に示すフローチャートは、管理サーバ10のプロセッサ14がシステムプログラム161および情報処理プログラム160を実行することによって実現される。管理サーバ10は、図13におけるステップS309において、図16に示されるフローチャートを実行する。
【0152】
管理サーバ10は、セッションに関連付けられている参加者情報に基づいて、セッションに参加すべき参加者の参加者ゲーム装置30Pにセッション情報を送信する(ステップS401)。管理サーバ10は、セッションごとに設定されているゲームマッチの開始日時よりも前にセッション情報を送信する。たとえば、管理サーバ10は、ゲームマッチの開始時刻の1時間前にセッション情報を送信する。さらに、管理サーバ10は、参加者端末20Pにセッションが生成されたことを示す生成情報を送信する(ステップS402)。
【0153】
管理サーバ10は、ゲームマッチを終了した参加者ゲーム装置30Pからログデータおよびリプレイデータを受信したか否かを判断する(ステップS403)。ログデータおよびリプレイデータを受信しない場合(ステップS403でNO)、管理サーバ10はログデータ出力処理を実行する(ステップS406)。すなわち、管理サーバ10は、主催者端末20H1および参加者端末20Pに対して、参加者ゲーム装置30Pから受信したログデータを送信する。このとき、管理サーバ10は、ゲームマッチの結果を示す情報を端末20へと送信すればよく、ログデータの一部を加工して送信してもよい。
【0154】
管理サーバ10は、ゲームマッチをプレイした全ての参加者の参加者端末20Pから報告データを受信したか否かを判断する(ステップS407)。全ての報告データを受信していない場合(ステップS407でNO)、管理サーバ10は、ステップS407の処理を繰り返す。
【0155】
管理サーバ10は、ゲームマッチをプレイした参加者全員から報告データを受信した場合(ステップS407でYES)、報告データに関する所定の条件が成立したか否かを判断する(ステップS408)。上述したように、所定の条件は、複数の参加者から受信した報告データの内容が一致するという条件である。所定の条件が成立しない場合(ステップS408でNO)、管理サーバ10は、ゲームマッチをプレイした全ての参加者に対して、報告データの再提出を要求する(ステップS409)。このとき、管理サーバ10は、報告データの再提出を要求したゲームマッチが存在することを主催者端末20H1に通知する。
【0156】
管理サーバ10は、主催者による決定命令を受信したかを判断する(ステップS410)。主催者による決定命令とは、複数の参加者から受信した報告データの内容が一致しない場合、主催者の権限で、強制的にゲームマッチの結果が決定される処理である。主催者は、主催者端末20H1を用いて、管理サーバ10に決定命令を送信する。すなわち、参加者間でのゲームマッチの勝敗の認識に齟齬が生じた状態が継続し、ゲームマッチの結果が確定できない場合、実施の形態1では、主催者にゲームマッチの結果を定める決定権が委ねられる。すなわち、管理サーバ10は、報告データに関する所定の条件が満たされたか否かにかかわらず、主催者権限によってゲームマッチの結果を更新できる。
【0157】
管理サーバ10は、所定の条件が満たされた場合(ステップS408でYES)、報告データの内容に従って、ゲームマッチの結果確定処理を実行する(ステップS411)。また、管理サーバ10は、主催者による決定命令を受信した場合(ステップS410でYES)、主催者による決定命令に従って、ゲームマッチの結果確定処理を実行する(ステップS411)。
【0158】
管理サーバ10は、ゲームマッチの結果確定処理を実行した後にセッションを破棄する(ステップS412)。実施の形態1では、セッションは、ゲームマッチの結果確定処理が行われるまで、管理サーバ10によって保持される。これにより、トラブルなどが生じてゲームマッチが正常に終了せず、参加者にゲームマッチを再度実行させる場合などに、同一のセッションを使用することができる。なお、セッションの破棄のタイミングは、ゲームマッチの結果確定処理を実行した直後に限られず、ある局面において管理サーバ10は、ゲームマッチの結果確定処理を実行してから予め定められた期間が経過した後に、セッションを破棄してもよい。
【0159】
また、実施の形態1では、ゲームマッチの結果確定処理が終了したタイミングでセッションを破棄していくことによって、管理サーバ10における複数のセッションの管理コストを低減することができる。管理サーバ10は、セッションを破棄した後、図13におけるステップS310の処理を実行する。
【0160】
<D4.主催者の呼び出し要求>
続いて、主催者が参加者によって呼び出される呼び出し要求について説明する。本実施の形態において、ゲーム大会の参加者は、参加者端末20Pを用いて、主催者のサポートを求める主催者呼び出し要求を、主催者端末20H1へ送信することができる。以下、図17では、主催者呼び出し要求を受信したときの主催者端末20H1の処理について説明する。図17は、主催者端末20H1における呼び出し要求の通知手順を示すフローチャートである。
【0161】
主催者端末20H1は、参加者端末20Pから主催者呼び出し要求を受信する(ステップS550)。参加者は、ゲーム大会が開催されている期間において、いつでも主催者呼び出し要求を、参加者端末20Pから送信することができる。例えば、参加者端末がログデータを受信していない場合など、トラブル発生時の利用が考えられる。参加者端末20Pから送信された主催者呼び出し要求は、一度管理サーバ10を経由し、管理サーバ10から主催者端末20H1に送信される。続いて、主催者端末20H1は、参加者からの呼び出し要求があった旨を通知する(ステップS551)。より具体的には、主催者端末20H1は、主催者端末20H1へ呼び出し要求を行った参加者情報を表示する。これにより、主催者であるユーザH1は、主催者のサポートを求めている参加者を容易に特定することができる。
【0162】
図18は、主催者ゲーム装置30H1におけるゲームマッチの進行に関する処理手順を示すフローチャートである。図18に示すフローチャートは、主催者ゲーム装置30H1のプロセッサ34がシステムプログラム361およびゲームアプリケーション実行プログラム360を実行することによって実現される。
【0163】
実施の形態1において、主催者は、主催者ゲーム装置30H1を用いて、参加者ゲーム装置30Pにて実行されている通信ゲームを観戦することができる。すなわち、主催者は、参加者が参加しているセッションに参加して、主催者ゲーム装置30H1から、通信ゲームの進行状況をリアルタイムで観戦することができる。
【0164】
主催者ゲーム装置30H1は、主催者から観戦要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS701)。観戦要求は、主催者が観戦を望むゲームマッチを特定する情報を含む。主催者ゲーム装置30H1は、主催者から観戦要求を受け付けていない場合(ステップS701でNO)、処理を終了する。観戦要求を主催者から受け付けた場合(ステップS701でYES)、主催者ゲーム装置30H1は、セッション観戦処理を実行する(ステップ702)。
【0165】
セッション観戦処理は、観戦要求に含まれているゲームマッチを特定する情報を用いて当該ゲームマッチに対応するセッションを特定し、当該セッションに主催者を参加させる処理である。これにより、主催者は、当該ゲームマッチにおいて参加者がプレイしている通信ゲームをリアルタイムで主催者ゲーム装置30H1から観戦することができる。このとき、主催者ゲーム装置30H1の通信部33は、参加者ゲーム装置30Pとの間の通信をP2P通信によって行う。
【0166】
<D5.ゲームマッチ終了後>
続いて、図19図21を用いて、ゲームマッチ終了後に関する処理について説明する。図19は、ゲーム装置30(参加者ゲーム装置30Pおよび主催者ゲーム装置30H1)におけるリプレイデータの再現処理を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートは、ゲーム装置30のプロセッサ34がシステムプログラム361およびゲームアプリケーション実行プログラム360を実行することによって実現される。
【0167】
ゲーム装置30は、リプレイ再現要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS800)。リプレイ再現要求は、主催者または参加者からの命令であって、過去に実行された通信ゲームのリプレイを再現させる命令である。リプレイ再現要求には、過去に行われた通信ゲームを特定可能な情報が含まれている。リプレイ再現要求を受け付けていない場合(ステップS800でNO)、ゲーム装置30は処理を終了する。
【0168】
リプレイ再現要求を受け付けた場合(ステップS800でYES)、ゲーム装置30は、管理サーバ10へリプレイデータの取得命令を送信する(ステップS801)。リプレイデータの取得命令は、リプレイ再現要求によって特定された通信ゲームのリプレイデータを管理サーバ10のストレージ16からゲーム装置30へダウンロードすることを要求する命令である。管理サーバ10は、リプレイデータの取得命令を受信したことに基づいて、リプレイデータをゲーム装置30へ送信する。これにより、ゲーム装置30は、リプレイデータを取得する(ステップS802)。ゲーム装置30は、リプレイデータに基づいて、過去に実行された通信ゲームを再現する再現処理を実行する(ステップS803)。
【0169】
これにより、主催者および参加者は、過去に実行された通信ゲームの内容を確認することができる。たとえば、報告データの内容が一致せず、参加者の認識に齟齬が生じている場合、主催者は、実際にどのような通信ゲームが実行されたのかを確認することができる。主催者は、終了した通信ゲームの内容を確認した上で、主催者による決定命令の内容を定めることができる。
【0170】
図20は、主催者端末20H1における大会進捗画像の表示処理を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートは、主催者端末20H1のプロセッサ24がシステムプログラム261を実行することによって実現される。
【0171】
主催者端末20H1は、主催者から大会進捗画像の表示要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS901)。主催者は、主催者端末20H1の操作部22を用いて大会進捗画像の表示要求を行う。主催者端末20H1は、大会進捗画像の表示要求を受け付けない場合(ステップS901でNO)、処理を終了する。大会進捗画像とは、報告データに基づいて生成される画像であって、ゲーム大会の進捗を示す画像である。
【0172】
主催者端末20H1は、大会進捗画像の表示要求を受け付けた場合(ステップS901でYES)、管理サーバ10に記憶されている報告データに基づいて、大会進捗画像を生成して、ディスプレイ21に表示させる(ステップS902)。すなわち、主催者端末20H1は、管理サーバ10に記憶されている報告データを読み込み、大会進捗画像を生成する。
【0173】
図21は、大会進捗画像の一例を示す図である。図21では、8人の参加者が参加するトーナメント形式のゲーム大会の進捗の一例が示されている。8人の参加者が参加するトーナメント形式において優勝者だけを決定する場合、1回戦は、合計4回のゲームマッチが実行され、2回戦(準決勝戦)では合計2回のゲームマッチが実行され、3回戦(決勝戦)で1回分のゲームマッチが実行される。
【0174】
図21では、終了したゲームマッチの数がゲージを用いて示されている。主催者は、図21に示される大会進捗画像により、4回のゲームマッチを含む1回戦において、3回分のゲームマッチが既に終了していることを認識できる。また、主催者は、2回のゲームマッチを含む2回戦(準決勝)において、3回分のゲームマッチが終了していることを認識できる。このように、終了したゲームマッチの数がゲージで示されていることによって、主催者は、視覚的にゲーム大会の進捗を認識することができる。なお、終了したゲームマッチの数を視覚的に表現できていればゲージ以外の表現を用いた画像を生成してもよい。
【0175】
[E.変形例]
以下では、上述にて説明した実施の形態から一部変形したその他の形態について説明する。上述の例では、ユーザH1だけが主催者である例を説明した。しかしながら、主催者は、複数人であってもよい。
【0176】
上述の例では、セッション観戦処理について、主催者ゲーム装置30H1から通信ゲームを観戦することができることを説明した。しかしながら、通信ゲームの観戦は、主催者端末20H1から行われてもよい。
【0177】
上述の例では、通信ゲーム実行の開始について、ステップS505において、参加者ゲーム装置30Pは、セッションに対応する参加者が全員参加したか否かを判断し、全員参加した場合に通信ゲームを実行することを説明した。しかしながら、参加者ゲーム装置30Pは、参加者が既定の最少催行人員に達した後の所定期間経過、または参加者ゲーム装置30Pに対する参加者による入力、または主催者端末による要求、または主催者ゲーム端末による要求など、その他の条件に基づき通信ゲームの実行を開始してもよい。
【0178】
上述の例では、主催者(ユーザH1)によって主催者端末20H1が操作され、ゲーム大会の参加者(P1~P4)によって参加者端末(20P1~20P4)および参加者ゲーム装置(30P1~30P4)は操作されることを説明した。しかしながら、主催者(ユーザH1)は、いずれかの参加者(P1~P4)と同一の人物であってもよい。この場合において、主催者端末20H1および対応する、いずれかの参加者端末(20P1~20P4)が同一であってもよい。つまり、主催者自身も参加者としてゲーム大会に参加してもよい。
【0179】
上述の例では、通信ゲームは、PvP形式のゲームである例を説明した。しかしながら、通信ゲームは、PvP形式のゲームに限らず、PvE(Player vs Environment)形式のゲームであってもよい。たとえば、ユーザP1とユーザP2とに、コンピュータによって制御された敵を倒させて、ユーザP1とユーザP2との間で、敵を倒した貢献度を競わせてもよい。
【0180】
上述の例では、ゲーム大会の進行方式として、トーナメント戦またはリーグ戦が採用され得ることを説明した。しかしながら、ゲーム大会の進行方式は、他の方式であってもよく、たとえば、ゲーム大会の進行方式は、シングルエリミネーション方式ではなく、ダブルエリミネーション方式のトーナメントであってもよい。すなわち、ゲーム大会の進行方式は、一度敗北した参加者が復活できる進行方式であってもよい。
【0181】
上述の例では、ゲーム大会の参加者の数は、ユーザP1~P4の4人である。しかしながら、ゲーム大会の参加者の数は、4人に限られず、2人、5人、64人、1000人などの数であってもよい。
【0182】
上述の例では、図3図5に示されるように、管理サーバ10、端末20、ゲーム装置30を一体の装置として説明した。しかしながら、管理サーバ10、端末20、ゲーム装置30の各々は、複数の装置の集合体として実装されてもよい。たとえば、ゲーム装置30を複数の独立した装置の組合せによって実装してもよい。より具体的には、プロセッサ34、メモリ35、ストレージ36に相当するハードウェアを有する本体部と、ディスプレイ31、操作部32に相当するハードウェアを有する端末部とからなる構成を採用してもよい。
【0183】
また、プロセッサは、1チップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。さらに、プロセッサおよび関連する処理回路は、ローカルエリアネットワークまたは無線ネットワークなどを介して、有線または無線で相互接続された複数のコンピュータで構成されてもよい。プロセッサおよび関連する処理回路は、入力データに基づきリモートで演算し、その演算結果を離れた位置にある他のデバイスへと出力するような、クラウドコンピュータで構成されてもよい。
【0184】
上述の例では、組合せ情報生成処理において、管理サーバ10は、乱数を用いてランダムに対戦組合せ表を生成する例を説明した。しかしながら、管理サーバ10は、ランダムに対戦組合せ表を生成するのではなく、参加者情報に基づいて対戦組合せ表を生成してもよい。たとえば、管理サーバ10は、通信ゲームの熟達度合い、または通信ゲームの総プレイ時間が近いユーザ同士を対戦させてもよい。これにより、ゲームマッチの興趣を向上させることができる。
【0185】
上述の例では、セッション生成処理において、管理サーバ10は、設定されたゲーム大会の開催日時が到来することに基づいて、セッション生成処理を実行する例を説明した。しかしながら、管理サーバ10は、ゲーム大会の開催日時が到来する前に予めセッション生成処理を実行してもよい。これにより、何らかのトラブルによりセッション生成できなかった場合に主催者がトラブルに対応する期間を設けることができる。
【0186】
上述の例では、ログデータは、ゲームマッチの結果として、勝利したユーザと敗北したユーザとを特定する情報が含まれる例を説明した。しかしながら、ログデータは、ゲームマッチに関して、より詳細な情報が含んでもよい。たとえば、ユーザ同士が撃墜するゲームルールである場合、ログデータにはユーザごとの撃墜した回数、撃墜された回数が含まれていてもよい。ゲーム大会のルールがリーグ戦であって、ゲームマッチの結果だけからユーザ間の順位を決定できない場合、ログデータに含まれている撃墜数などの指標を用いて、ユーザ間の順位を決定できる。もしくは、ゲームマッチの継続時間が参加者の行動によって変化するルールである場合、ログデータには、ゲームマッチの継続時間が含まれていてもよい。
【0187】
上述の例では、リプレイデータは、通信ゲームの実行中に参加者によって入力されたコマンドを含む例を説明した。しかしながら、リプレイデータは、たとえば、終了した通信ゲームの内容を確認するための動画データ自体であってもよい。その場合、リプレイデータは、ゲーム装置に限らず、端末上で確認可能であってもよい。
【0188】
上述の例では、ログデータ出力処理に関して、管理サーバ10は、ログデータを主催者端末20H1および参加者端末20Pの両方に送信する例を説明した。しかしながら、管理サーバは、主催者端末20H1および参加者端末20Pのうちのいずれか一方にだけログデータを送信してもよい。たとえば、管理サーバ10は、主催者端末20H1にだけログデータを出力し得る。参加者は、参加者ゲーム装置30Pからゲームマッチの結果を認識できる。
【0189】
上述の例では、報告データに関する所定の条件は、管理サーバが受信した複数の報告データの内容が一致しているか否かを判定する、という条件であることを説明した。しかしながら、所定の条件は、ログデータの内容が報告データの内容と一致すること、という条件であってもよい。
【0190】
実施の形態1にて主催されるゲーム大会は、通信ゲームのプレイヤであるユーザH1によって主催される大会であることから、通信ゲーム上では設定することができないユーザ間で取り決められた独自のルールが採用される場合がある。この場合、通信ゲームのログデータによって示される勝者と独自のルールを反映した上での勝者とが異なる場合があり得る。ログデータの内容が報告データの内容と一致を確認することによって、ユーザが認識しているゲームマッチの結果とログデータとの間に齟齬が生じた状態で、ゲーム大会が進行してしまうことを抑制できる。
【0191】
上述の例では、報告データは参加者端末20Pから管理サーバ10へと送信される例を説明した。しかしながら、報告データは、参加者ゲーム装置30Pから管理サーバ10へと送信されてもよい。すなわち、参加者は、参加者ゲーム装置30Pに報告データを入力してもよい。
【0192】
上述の例では、組合せ情報生成処理に関して、管理サーバ10は、参加規定人数分の参加要求を受信したタイミングで、各参加者がプレイするゲームマッチの組合せを決定することを説明した。しかしながら、管理サーバ10は、参加要求の各々を受信するごとにゲームマッチの組合せを決定してもよい。たとえば、管理サーバ10は、参加要求の受信した順番で参加者の組合せを決定する。より具体的には、管理サーバ10は、たとえば、1番目に参加要求を送信した参加者と2番目に参加要求を送信した参加者とを対戦させ、3番目に参加要求を送信した参加者と4番目に参加要求を送信した参加者とを対戦させるように、対戦組合せを決定してもよい。
【0193】
上述の例では、セッション生成などの報知に関して、参加者ゲーム装置30Pおよび参加者端末20Pは、ディスプレイを用いて報知することを説明したが、スピーカから音声などを出力してもよい。
【0194】
上述の例では、主催者は、ゲーム大会に参加可能な最大人数である参加規定人数を設定することを説明した。主催者は、参加規定人数に加えて、ゲーム大会を開催する最小催行人数を設定してもよい。参加規定人数を定めず、ゲーム大会を開催する最少催行人数のみが設定されてもよい。
【0195】
上述の例では、通信ゲーム実行時の参加者ゲーム装置30P間の通信に関して、通信部33は、他の参加者ゲーム装置30Pとの間でP2P(Peer to Peer)通信によって行うことを説明した。しかしながら、通信ゲーム実行時において、参加者ゲーム装置30P間の通信は、サーバを介して行われてもよい。
【0196】
上述の例では、参加者が行うべき行動を示唆するガイド画像に関して、報告データの作成すべきことを示唆する例について説明した。しかしながら、ある局面において、ガイド画像は、他の行動を示してもよい。たとえば、ガイド画像は、インターネット回線が切断された場合に、インターネット回線を復旧させるように指示する画像であってもよい。また、ガイド画像は、次のゲームマッチの開始時刻を通知する画像であってもよい。このようにガイド画像は、ゲーム大会の進行状況に応じて、参加者が行うべき行動を示し、ゲーム進行を円滑に進行させる。また、上述の例では、参加者端末20Pがガイド画像を表示する例を説明したが、参加者ゲーム装置30Pがガイド画像を表示してもよい。
【0197】
上述の例では、ゲーム装置30によって、終了した通信ゲームが再現されることを説明した。しかしながら、ある局面においては、端末20が通信ゲームを再現してもよい。これにより、主催者は、主催者端末20H1から過去の通信ゲームの内容を確認することができ、参加者は、参加者端末20Pから過去の通信ゲームの内容を確認することができる。
【0198】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、参加規定人数が4人であり、参加者としてユーザP1~P4の4人が参加する例を説明した。実施の形態2においては、参加者がチーム単位でゲーム大会に参加する例を説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1と重複する構成の説明は繰り返さない。
【0199】
図22は、実施の形態2に従う情報処理システム100Aの一例を示す模式図である。図22に示されるように、実施の形態2の情報処理システム100Aでは、第1チーム~第4チームの4つのチームが参加者としてゲーム大会に参加している。実施の形態2のゲーム大会では、主催者によって4人のチームで参加することが参加条件として設定されている。
【0200】
第1チーム~第4チームの各々は、通信ゲームをプレイする4人のユーザから構成されている。実施の形態2では、チーム単位で対戦が行われる。たとえば、第1チームと第2チームとが対戦し、第3チームと第4チームとが対戦する。
【0201】
図22の例では、第1チームは、ユーザP1、ユーザP1A、ユーザP1B、ユーザP1Cを含む。第2チームは、ユーザP2、ユーザP2A、ユーザP2B、ユーザP2Cを含む。第3チームは、ユーザP3、ユーザP3A、ユーザP3B、ユーザP3Cを含む。第4チームは、ユーザP4、ユーザP4A、ユーザP4B、ユーザP4Cを含む。
【0202】
参加者端末20P1A,20P1B,20P1Cは、ユーザP1A,P1B,P1Cによってそれぞれ操作される端末である。参加者端末20P2A,20P2B,20P2Cは、ユーザP2A,P2B,P2Cによってそれぞれ操作される端末である。参加者端末20P3A,20P3B,20P3Cは、ユーザP3A,P3B,P3Cによってそれぞれ操作される端末である。参加者端末20P4A,20P4B,20P4Cは、ユーザP4A,P4B,P4Cによってそれぞれ操作される端末である。
【0203】
参加者ゲーム装置30P1A,30P1B,30P1Cは、ユーザP1A,P1B,P1Cによってそれぞれ操作される端末である。参加者ゲーム装置30P2A,30P2B,30P2Cは、ユーザP2A,P2B,P2Cによってそれぞれ操作される端末である。参加者ゲーム装置30P3A,30P3B,30P3Cは、ユーザP3A,P3B,P3Cによってそれぞれ操作される端末である。
【0204】
参加者ゲーム装置30P4A,30P4B,30P4Cは、ユーザP4A,P4B,P4Cによってそれぞれ操作される端末である。ユーザP1A,P1B,P1C~P4A,P4B,P4Cによって操作される参加者端末20P、参加者ゲーム装置30Pは、ネットワーク12に接続されている。
【0205】
ユーザP1~P4は、それぞれ第1チーム~第4チームの代表者である。実施の形態2において、代表者が参加要求を送信する。実施の形態2における参加要求には、チームに含まれる代表者以外のメンバーの参加者情報が含まれる。なお、ある局面では、代表者は、仮の参加要求を行った後に、メンバーの参加者情報を管理サーバ10に送信してもよい。代表者が仮の参加要求を行った後に、参加するメンバーの各々が自ら参加者情報を管理サーバ10に送信してもよい。また、実施の形態2では、報告データの提出は、代表者によって行われ得る。
【0206】
実施の形態2では、主催者によって4人のチームで参加することが参加条件として定められている場合においても、本開示の情報処理システム100を適用することができる。実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複数のユーザがプレイ可能な通信ゲームを提供する情報処理システム100Aにおいて、ゲームの運営者ではないユーザH1(主催者)がゲーム大会を主催する場合の作業負担を軽減できる。実施の形態2では、第1チームと第2チームと第3チームとが対戦するように、1つの対戦において2つ以上のチームが存在してもよい。
【0207】
また、実施の形態2では、実施の形態1における管理サーバ10に代えて、管理サーバ10A,10Bを有する。実施の形態2において管理サーバ10Aは、リプレイデータ、ログデータの管理、組合せ情報更新などを行うためのサーバである。管理サーバ10Bは、セッションの生成処理を行うための汎用サーバである。管理サーバ10Bは、本実施の形態の通信ゲームに特化したサーバではなく、複数のユーザが参加可能なセッションを生成するサーバである。
【0208】
すなわち、管理サーバ10Bによって生成されたセッションは、本実施の形態における特定の通信ゲーム以外の通信ゲームにも適用できる。実施の形態2に示されるように、情報処理システム100Aは、複数の管理サーバ10A,10Bを備えていてもよい。なお、管理サーバ10A,10Bは、本開示における「大会管理システム」に対応し得る。
【0209】
[実施の形態3]
実施の形態1においては、管理サーバ10が報告データを用いてゲーム結果を確定させる例を説明した。実施の形態3においては、管理サーバ10は、報告データを用いずにゲーム結果を確定させる例を説明する。なお、実施の形態3において、実施の形態1と重複する構成の説明は繰り返さない。
【0210】
図23は、実施の形態3におけるゲーム大会の進行を示す第2のシーケンス図である。図23を参照して、実施の形態3では、管理サーバ10からログデータが出力された後、参加者端末20Pは、報告データを送信していない。すなわち、実施の形態3では、参加者に報告データの提出が義務づけられていない。
【0211】
実施の形態3では、管理サーバ10は、ログデータに基づいて、ゲームマッチの結果を確定させる。つまり、実施の形態3では、ゲーム装置30によって判断されたゲームマッチの結果を基準としてゲーム大会を進行させる。これにより、実施の形態3では、ゲーム大会を進めるために必要となる参加者が行う手順が簡素化することができ、ゲーム大会を円滑に進行させることができる。また、実施の形態3においても、参加者はゲームマッチの結果に納得できない場合は、主催者呼出要求を行って、主催者権限でゲームマッチの結果を更新することを要求できる。
【0212】
[I.利点]
このように、本実施の形態に従う情報処理システム100、100Aでは、管理サーバ10によってゲーム大会の進行に伴って、自動的にセッションの生成および送信、組合せ情報の生成および更新が行われる。これにより、ゲーム大会を主催するユーザH1(主催者)が行う作業負担を軽減させることができる。
【0213】
より具体的には、本実施の形態では、ユーザH1(主催者)は、参加者に対して、ゲーム大会の進行方式およびゲームマッチのルールの周知、ゲームをプレイする参加者の組合せ(対戦組合せ)の決定および周知、日時の調整など煩雑な作業を行う必要がない。また、本実施の形態では、ユーザH1(主催者)だけでなく参加者が行う作業負担を軽減させることができる。たとえば、本実施の形態では、参加者は、ゲームマッチのルールを自ら設定する必要がない。
【0214】
さらに、参加者は、管理サーバ10によって生成されるセッションに参加すれば予め定められた対戦相手とゲームマッチをプレイすることができるため、当該対戦相手との間でフレンド関係となる必要がない。フレンド関係とは、通信ゲーム上でユーザ間にてお互いの状況を確認できることや、交流することなどが可能となる関係を有することを示す関係である。通信ゲームを運営するサーバ上に、通信ゲームをプレイするユーザ間のフレンド関係を示す情報が格納されている。本実施の形態では、参加者は、無用にフレンド関係となるユーザを増やすための手続きを行うことなく、ゲーム大会に参加することができる。
【0215】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0216】
10,10A,10B 管理サーバ、12 ネットワーク、13,23,33 通信部、14,24,34 プロセッサ、15,25,35 メモリ、16,26,36 ストレージ、17,27,37 バス、20 端末、20H1 主催者端末、20P 参加者端末、21,31 ディスプレイ、22,32 操作部、30P 参加者ゲーム装置、30H1 主催者ゲーム装置、100,100A 情報処理システム、160 情報処理プログラム、161,261,361 システムプログラム、162 ゲーム大会生成プログラム、163 参加者登録プログラム、164 組合せ情報生成プログラム、165 セッション生成プログラム、166 セッション情報送信プログラム、167 ログデータ出力プログラム、168 組合せ情報更新プログラム、360 ゲームアプリケーション実行プログラム、362 通信ゲーム実行プログラム、363 ログデータ送信プログラム、364 リプレイデータ送信プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図22
図23