(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025082563
(43)【公開日】2025-05-29
(54)【発明の名称】配管接続構造及び接続部材
(51)【国際特許分類】
F16L 37/14 20060101AFI20250522BHJP
F16L 37/50 20060101ALI20250522BHJP
F16L 37/30 20060101ALI20250522BHJP
【FI】
F16L37/14
F16L37/50
F16L37/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195977
(22)【出願日】2023-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 裕明
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 伸司
(72)【発明者】
【氏名】新保 貴也
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD01
3J106BE24
3J106EA03
3J106EB06
3J106EC01
3J106ED24
3J106EE01
3J106EF01
3J106FA01
3J106GA02
3J106GA05
(57)【要約】
【課題】接続部材の構造を簡単にしつつシール性能を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】配管接続構造は、第一筒体と、前記第一筒体の一端に設けられた被挿入口部と、前記第一筒体の他端に設けられ第一配管が接続される第一配管接続部と、前記第一筒体の内部流路を開閉可能な第一弁機構と、を有する第一接続部材と、第二筒体と、前記第二筒体の一端に設けられ前記被挿入口部に挿入される挿入口部と、前記第二筒体の他端に設けられ第二配管が接続される第二配管接続部と、前記第二筒体の内部流路を開閉可能な第二弁機構と、を有する第二接続部材と、前記被挿入口部に前記挿入口部が挿入された挿入状態において内周部が前記挿入口部に接し且つ外周部が前記被挿入口部の外周に接することによって前記挿入口部と前記被挿入口部との間をシールする環状のシール部材と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一筒体と、前記第一筒体の一端に設けられた被挿入口部と、前記第一筒体の他端に設けられ第一配管が接続される第一配管接続部と、前記第一筒体の内部流路を開閉可能な第一弁機構と、を有する第一接続部材と、
第二筒体と、前記第二筒体の一端に設けられ前記被挿入口部に挿入された挿入口部と、前記第二筒体の他端に設けられ第二配管が接続される第二配管接続部と、前記第二筒体の内部流路を開閉可能な第二弁機構と、を有する第二接続部材と、
前記挿入口部と前記被挿入口部との間に配置され、内周部が前記挿入口部の外周面に接し且つ外周部が前記被挿入口部の内周面に接することによって前記挿入口部と前記被挿入口部との間をシールする環状のシール部材と、
前記被挿入口部に前記挿入口部が挿入された挿入状態を維持すると共に前記第一接続部材と前記第二接続部材の軸周りの相対回転を許容するロック機構と、
を備える配管接続構造。
【請求項2】
前記シール部材は、前記挿入口部の外周に装着されている、請求項1に記載の配管接続構造。
【請求項3】
前記挿入口部の外周面には、周方向に連続する環状の収容溝が設けられ、
前記収容溝に前記シール部材が収容されている、請求項2に記載の配管接続構造。
【請求項4】
前記ロック機構は、
前記挿入口部の外周面に前記シール部材の配置領域よりも前記第二配管接続部側に周方向に連続して設けられた引掛り部と、
前記被挿入口部の周壁に前記シール部材の配置領域よりも前記第一配管接続部側に対向して設けられた周方向に延びる一対のスリットと、
一対の前記スリットにそれぞれ挿入される一対のピン部を有し、前記被挿入口部の外周に第一位置と該第一位置よりも径方向内側の第二位置との間を移動可能に装着され、前記第一位置では一対の前記ピン部が前記引掛り部に引っ掛からず、前記第二位置では前記第一位置よりも一対の前記ピン部間の間隔が狭まって一対の前記ピン部がそれぞれ前記引掛り部に引っ掛かり前記挿入状態を維持するロック部材と、
を有する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の配管接続構造。
【請求項5】
前記挿入口部の外周面には、前記シール部材の配置領域よりも前記第二配管接続部側に周方向に連続する環状のロック溝が設けられ、
前記ロック溝の前記第二配管接続部側と反対側の溝壁によって前記引掛り部が構成され、
前記ロック部材が前記第二位置に位置すると、一対の前記ピン部がそれぞれ前記ロック溝に入る、請求項4に記載の配管接続構造。
【請求項6】
前記ロック部材は、一対の前記ピン部の一方の端部同士を連結する連結部を有し、前記第二位置に位置した状態において、前記連結部と前記被挿入口部の外周面との間に隙間が形成される、請求項5に記載の配管接続構造。
【請求項7】
一対の前記ピン部は、他方の端部がそれぞれ折り曲げられており、
前記被挿入口部の外周面には、一対の前記スリットの途中に前記第一位置において一対の前記ピン部の折り曲げ部が収まる凹部がそれぞれ設けられている、請求項6に記載の配管接続構造。
【請求項8】
前記第一弁機構は、前記第一筒体の内部流路を開閉する弁体と、前記第一筒体の外周に設けられ、前記弁体の開閉動作を操作する操作部と、を有し、
前記ロック部材が前記第二位置に位置すると共に前記操作部の操作により前記弁体が前記第一筒体の内部流路を開放している状態では、前記操作部の一部が前記ロック部材と当接することによって前記ロック部材の前記第一位置への移動を阻止する、
請求項4に記載の配管接続構造。
【請求項9】
前記第一弁機構は、前記第一筒体の内部流路を開閉する第一弁体と、前記第一筒体の外周に設けられ、前記第一弁体の開閉動作を操作する第一操作部と、を有し、
前記第二弁機構は、前記第二筒体の内部流路を開閉する第二弁体と、前記第二筒体の外周に設けられ、前記第二弁体の開閉動作を操作する第二操作部と、を有し、
前記ロック機構は、前記挿入状態において前記第一弁体及び前記第二弁体の少なくとも一方が開放状態の場合に、前記被挿入口部から前記挿入口部が引き抜かれるのを阻止する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の配管接続構造。
【請求項10】
筒体と、
前記筒体の一端に設けられ、接続対象が備える被挿入口部に挿入される挿入口部と、
前記挿入口部の外周に装着され、前記被挿入口部に前記挿入口部が挿入された挿入状態において内周部が前記挿入口部の外周面に接し且つ外周部が前記被挿入口部の内周面に接することによって前記挿入口部と前記被挿入口部との間をシールする環状のシール部材と、
前記筒体の他端に設けられ、配管が接続される配管接続部と、
前記筒体の内部流路を開閉可能な弁機構と、
を有する接続部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、配管接続構造及び接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
配管が接続された接続部材同士を接続する配管接続構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示の接続部材は、ボール弁が内部に配置される本体部と、配管が接続される配管接続部と、を備えている。この接続部材の本体部と配管接続部は、軸周りに相対回転可能に構成されている。また本体部の先端に環状のシール面が設けられている。このシール面が他の接続部材のシール面に接することで接続部材間がシールされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示の技術では、接続部材同士を接続した状態において本体部に対して配管接続部を相対回転させることが可能である。このため、配管にねじり方向の力が作用していても、本体部に対して配管接続部を相対回転させることで、ねじり方向の力を解消することが可能である。しかしながら、本体部に対して配管接続部を相対回転可能にするため、接続部材の構造が複雑化している。
【0006】
また、特許文献1に開示の技術では、接続部材同士の各々のシール面を接触させることで、接続部材間をシールしているが、接続部材同士の軸方向に押し付けあう力でシールするため、各シール面に対して周方向に均等な接触圧を作用させにくい。
【0007】
本開示は、接続部材の構造を簡単にしつつシール性能を向上させる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様の配管接続構造は、第一筒体と、前記第一筒体の一端に設けられた被挿入口部と、前記第一筒体の他端に設けられ第一配管が接続される第一配管接続部と、前記第一筒体の内部流路を開閉可能な第一弁機構と、を有する第一接続部材と、第二筒体と、前記第二筒体の一端に設けられ前記被挿入口部に挿入された挿入口部と、前記第二筒体の他端に設けられ第二配管が接続される第二配管接続部と、前記第二筒体の内部流路を開閉可能な第二弁機構と、を有する第二接続部材と、前記挿入口部と前記被挿入口部との間に配置され、内周部が前記挿入口部の外周面に接し且つ外周部が前記被挿入口部の内周面に接することによって前記挿入口部と前記被挿入口部との間をシールする環状のシール部材と、前記被挿入口部に前記挿入口部が挿入された挿入状態を維持すると共に前記第一接続部材と前記第二接続部材の軸周りの相対回転を許容するロック機構と、を備える。
【0009】
第1態様の配管接続構造では、第一配管接続部に第一配管が接続された第一接続部材の被挿入口部に第二配管接続部に第二配管が接続された第二接続部材の挿入口部を挿入し、その挿入状態でロック機構を機能させることで第一接続部材と第二接続部材が接続される。第一接続部材と第二接続部材の接続状態では、環状のシール部材によって挿入口部と被挿入口部との間がシールされる。このため、第一接続部材の第一弁機構と第二接続部材の第二弁機構をそれぞれ操作し、第一筒体の内部流路と第二筒体の内部流路をそれぞれ開放することで、第一筒体の内部流路と第二筒体の内部流路を介して第一配管の内部と第二配管の内部が連通する。
【0010】
ここで、上記配管接続構造では、ロック機構が被挿入口部に挿入口部が挿入された挿入状態を維持すると共に第一接続部材と第二接続部材の軸周りの相対回転を許容する。このため、第一接続部材に接続された第一配管及び第二接続部材に接続された第二配管の少なくとも一方の配管にねじり方向に過剰な力が作用していても、接続状態の第一接続部材と第二接続部材を軸周りに相対回転させることで、第一配管及び第二配管の少なくとも一方の配管に作用するねじり方向の過剰な力を緩和することができる。
さらに上記配管接続構造では、環状のシール部材の内周部が挿入口部の外周面に接し、シール部材の外周部が被挿入口部の内周面に接することによって挿入口部と被挿入口部との間がシールされることから、接続状態の第一接続部材と第二接続部材を軸周りに相対回転させても、シール部材によるシール効果を維持することができる。
このように、上記配管接続構造では、接続状態の第一接続部材と第二接続部材を軸周りに相対回転させることで、第一配管及び第二配管の少なくとも一方の配管に作用するねじり方向の過剰な力を緩和することができ、かつ、第一接続部材と第二接続部材を軸周りに相対回転させてもシール部材によるシール効果を維持できるため、例えば、各接続部材に相対回転可能な機構を組み込む構成と比べて、第一接続部材及び第二接続部材の構造を簡単にすることができる。
【0011】
さらに上記配管接続構造では、環状のシール部材の内周部が挿入口部の外周面に接し、シール部材の外周部が被挿入口部の内周面に接する構造(軸シール構造)を用いることから、シール部材と被挿入口部との接触圧がシール部材の周方向で均等に近づき、シール部材と挿入口部との接触圧がシール部材の周方向で均等に近づく。このため、上記配管接続構造では、接続部材のシール面同士を押し付けあう構造(面シール構造)と比べて、シール性能が向上する。
【0012】
このように第1態様の配管接続構造によれば、第一接続部材及び第二接続部材の構造を簡単にしつつ第一接続部材と第二接続部材との間のシール性能を向上させることができる。
【0013】
本開示の第2態様の配管接続構造は、第1態様の配管接続構造において、前記シール部材は、前記挿入口部の外周に装着されている。
【0014】
第2態様の配管接続構造では、環状のシール部材の内側に挿入口部を通す簡単な作業で挿入口部の外周にシール部材を装着させることができる。
【0015】
本開示の第3態様の配管接続構造は、第2態様の配管接続構造において、前記挿入口部の外周面には、周方向に連続する環状の収容溝が設けられ、前記収容溝に前記シール部材が収容されている。
【0016】
第3態様の配管接続構造では、環状のシール部材の内側に挿入口部を通し、収容溝にシール部材を収容することで挿入口部に対するシール部材の位置決めを簡単に行うことができる。
【0017】
本開示の第4態様の配管接続構造は、第1態様~第3態様のいずれか一態様の配管接続構造において、前記ロック機構は、前記挿入口部の外周面に前記シール部材の配置領域よりも前記第二配管接続部側に周方向に連続して設けられた引掛り部と、前記被挿入口部の周壁に前記シール部材の配置領域よりも前記第一配管接続部側に対向して設けられた周方向に延びる一対のスリットと、一対の前記スリットにそれぞれ挿入される一対のピン部を有し、前記被挿入口部の外周に第一位置と該第一位置よりも径方向内側の第二位置との間を移動可能に装着され、前記第一位置では一対の前記ピン部が前記引掛り部に引っ掛からず、前記第二位置では前記第一位置よりも一対の前記ピン部間の間隔が狭まって一対の前記ピン部がそれぞれ前記引掛り部に引っ掛かり前記挿入状態を維持するロック部材と、を有する。
【0018】
第4態様の配管接続構造では、ロック部材を第一位置から第二位置へ移動させると、一対のピン部がそれぞれ引掛り部に引っ掛かり、被挿入口部に挿入口部が挿入された挿入状態が維持される。すなわち、第一接続部材と第二接続部材との接続状態が維持される。またロック部材を第二位置から第一位置へ移動させると、一対のピン部が引掛り部に引っ掛からないため、被挿入口部から挿入口部を引き抜くことが可能になる。すなわち、第一接続部材と第二接続部材の接続状態を解除することが可能になる。このように上記配管接続構造では、ロック部材を第一位置と第二位置との間で移動させる簡単な操作で第一接続部材と第二接続部材とを接続状態にしたり、接続状態を解除したりすることができる。
【0019】
本開示の第5態様の配管接続構造は、第4態様の配管接続構造において、前記挿入口部の外周面には、前記シール部材の配置領域よりも前記第二配管接続部側に周方向に連続する環状のロック溝が設けられ、前記ロック溝の前記第二配管接続部側と反対側の溝壁によって前記引掛り部が構成され、前記ロック部材が前記第二位置に位置すると、一対の前記ピン部がそれぞれ前記ロック溝に入る。
【0020】
第5態様の配管接続構造では、ロック部材が第二位置に位置すると、一対のピン部がそれぞれロック溝に入ることで被挿入口部に挿入口部が挿入された挿入状態が維持される。ここで、ロック溝に入った一対のピン部は、第一接続部材と第二接続部材との軸周りの相対回転時にロック溝の両溝壁にガイドされながらロック溝に沿って移動する。このため、第一接続部材と第二接続部材とを軸周りに相対回転させる際のガタつきを抑制することができる。
【0021】
本開示の第6態様の配管接続構造は、第5態様の配管接続構造において、前記ロック部材は、一対の前記ピン部の一方の端部同士を連結する連結部を有し、前記第二位置に位置した状態において、前記連結部と前記被挿入口部の外周面との間に隙間が形成される。
【0022】
第6態様の配管接続構造では、ロック部材が第二位置に位置した状態で連結部と被挿入口部の外周面との間に隙間が形成される。ここで、連結部と被挿入口部の外周面との間の隙間に、指や工具を差し込み、連結部を被挿入口部の外周面に対して持ち上げることで簡単にロック部材を第二位置から第一位置へ移動させることができる。
【0023】
本開示の第7態様の配管接続構造は、第6態様の配管接続構造において、一対の前記ピン部は、他方の端部がそれぞれ折り曲げられており、前記被挿入口部の外周面には、一対の前記スリットの途中に前記第一位置において一対の前記ピン部の折り曲げ部が収まる凹部がそれぞれ設けられている。
【0024】
第7態様の配管接続構造では、ロック部材が第一位置にある場合に、一対のピン部の各折り曲げ部が被挿入口部の凹部にそれぞれ収まっているため、ロック部材が第一位置にあることを把握しやすい。また誤操作によりロック部材を第一位置から第二位置へ移動させるのを抑制することができる。
【0025】
本開示の第8態様の配管接続構造は、第4態様~第7態様のいずれか一態様の配管接続構造において、前記第一弁機構は、前記第一筒体の内部流路を開閉する弁体と、前記第一筒体の外周に設けられ、前記弁体の開閉動作を操作する操作部と、を有し、前記ロック部材が前記第二位置に位置すると共に前記操作部の操作により前記弁体が前記第一筒体の内部流路を開放している状態では、前記操作部の一部が前記ロック部材と当接することによって前記ロック部材の前記第一位置への移動を阻止する。
【0026】
第8態様の配管接続構造では、挿入口部を被挿入口部に挿入した挿入状態であって、ロック部材が第二位置に位置すると共に操作部の操作により弁体が第一筒体の内部流路を開いている状態では、操作部の一部がロック部材と当接することによってロック部材の第二位置から第一位置への移動が阻止される。このように配管接続構造では、第一筒体の内部流路を開いた状態でロック部材を第二位置から第一位置へ移動させることができないため、第一筒体の内部流路を開放している状態で挿入口部を被挿入口部から引き抜く操作を阻止することができる。これにより、ロック部材の誤操作による第一接続部材と第二接続部材の接続解除を防止することができる。
【0027】
本開示の第9態様の配管接続構造は、第1態様~第7態様のいずれか一態様の配管接続構造において、前記第一弁機構は、前記第一筒体の内部流路を開閉する第一弁体と、前記第一筒体の外周に設けられ、前記第一弁体の開閉動作を操作する第一操作部と、を有し、前記第二弁機構は、前記第二筒体の内部流路を開閉する第二弁体と、前記第二筒体の外周に設けられ、前記第二弁体の開閉動作を操作する第二操作部と、を有し、前記ロック機構は、前記挿入状態において前記第一弁体及び前記第二弁体の少なくとも一方が開放状態の場合に、前記被挿入口部から前記挿入口部が引き抜かれるのを阻止する。
【0028】
第9態様の配管接続構造では、ロック機構が第一弁体及び第二弁体の少なくとも一方が開放状態の場合に、被挿入口部から挿入口部が引き抜かれるのを阻止することから、被挿入口部から挿入口部を引き抜く際の漏水を抑制することができる。
【0029】
本開示の第10態様の接続部材は、筒体と、前記筒体の一端に設けられ、接続対象が備える被挿入口部に挿入される挿入口部と、前記挿入口部の外周に装着され、前記被挿入口部に前記挿入口部が挿入された挿入状態において内周部が前記挿入口部の外周面に接し且つ外周部が前記被挿入口部の内周面に接することによって前記挿入口部と前記被挿入口部との間をシールする環状のシール部材と、前記筒体の他端に設けられ、配管が接続される配管接続部と、前記筒体の内部流路を開閉可能な弁機構と、を有する。
【0030】
第10態様の接続部材では、接続対象の被挿入口部に、配管接続部に配管が接続された接続部材の挿入口部を挿入することで接続対象と接続部材が接続される。接続対象と接続部材の接続状態では、環状のシール部材によって挿入口部と被挿入口部との間がシールされる。このため、接続部材の弁機構を操作して、接続対象の内部流路と筒体の内部流路を連通することで、接続対象の内部流路と筒体の内部流路を介して接続対象に接続される配管の内部と接続部材に接続される配管の内部が連通する。
【0031】
ここで、接続部材では、環状のシール部材の内周部が挿入口部の外周面に接し、シール部材の外周部が接続対象の被挿入口部の内周面に接することによって挿入口部と被挿入口部との間をシールすることから、接続状態の接続対象と接続部材を軸周りに相対回転させても、シール部材によるシール効果を維持することができる。
このように、上記接続部材では、接続状態の接続対象と接続部材を軸周りに相対回転させることで、各配管の少なくとも一つに作用するねじり方向の過剰な力を緩和することができ、かつ、接続対象と接続部材を軸周りに相対回転させてもシール部材によるシール効果を維持できるため、例えば、接続部材に相対回転可能な機構を組み込む構成と比べて、接続部材の構造を簡単にすることができる。
【0032】
さらに、接続部材では、環状のシール部材の内周部が挿入口部の外周面に接し、シール部材の外周部が被挿入口部の内周面に接する構造(軸シール構造)を用いることから、シール部材と被挿入口部との接触圧がシール部材の周方向で均等に近づき、シール部材と挿入口部との接触圧がシール部材の周方向で均等に近づく。このため、上記接続部材では、接続部材のシール面同士を押し付けあう構造(面シール構造)と比べて、シール性能が向上する。
【0033】
このように第10態様の接続部材によれば、接続部材の構造を簡単にしつつ接続対象と接続部材との間のシール性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本開示によれば、接続部材の構造を簡単にしつつシール性能を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の一実施形態に係る配管接続構造を構成する第一接続部材と第二接続部材とを接続する前の状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示される第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す縦断面図である。
【
図3】
図2に示される第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す横断面図(
図2の矢印3Y-3Y線断面図)である。
【
図4】
図1に示される第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す側面図である。
【
図5】第一接続部材と第二接続部材とを接続する動作を説明するための斜視図である。
【
図7】第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す斜視図である。
【
図9】第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す斜視図である。
【
図10】第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す側面図である。
【
図11】
図7の矢印11Y-11Y線断面図である。
【
図12】
図9の矢印12Y-12Y線断面図である。
【
図13】第一接続部材の被挿入口部に第二接続部材の挿入口部を挿入する前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図14】第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図15】その他の実施形態に係る配管接続構造を構成する第一接続部材の要部拡大縦断面である。
【
図16】
図15の第一接続部材の第一弁機構の拡大斜視図である。
【
図17】第一接続部材の被挿入口部に第二接続部材の挿入口部を挿入した状態を示す平面図である。
【
図18】
図17に示される第二接続部材のロック部材を第二位置まで押し込んで、第一接続部材の操作部及び第二接続部材の操作部を各々の弁軸に対して回転させた状態を示す平面図である。
【
図19】他の実施形態に係る配管接続構造を構成する第一接続部材と第二接続部材の要部拡大側面図である。
【
図20】
図19に示される第一接続部材と第二接続部材との接続状態を示す側面図である。
【
図21】他の実施形態に係る配管接続構造を構成する第一接続部材と第二接続部材の要部拡大平面図である。
【
図22】
図19に示される配管接続構造を構成する第一接続部材と第二接続部材の要部拡大横断面図(
図19の矢印22Y-22Y線断面図)である。
【
図23】他の実施形態に係る配管接続構造において用いられる変形例のロック部材の斜視図である。
【
図24】
図23に示される変形例のロック部材を他の実施形態に係る配管接続構造に適用したときの第一接続部材と第二接続部材の要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本開示を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0037】
[配管接続構造S1]
図1~
図14には、本開示の一実施形態に係る配管接続構造S1(以下、適宜「接続構造S1」と省略していう)が示されている。
【0038】
本実施形態の接続構造S1は、第一配管P1と第二配管P2とを接続するための構造である。具体的には、接続構造S1は、第一配管P1と第二配管P2とを互いの軸周りに相対回転可能な状態で第一配管P1と第二配管P2とを接続する構造である。第一配管P1及び第二配管P2には、例えば、熱媒体が流れるようになっている。
【0039】
接続構造S1は、第一接続部材20と、第二接続部材40と、シール部材60と、ロック機構80とを備えている。
【0040】
図1~
図3に示されるように、第一接続部材20には第一配管P1(図中二点鎖線で表示)が接続される。また、第二接続部材40には第二配管P2(図中二点鎖線で表示)が接続される。第一接続部材20と第二接続部材40を接続することにより、第一接続部材20と第二接続部材40を介して第一配管P1と第二配管P2が接続される。シール部材60は、互いに接続された第一接続部材20と第二接続部材40との間をシールする機能を有する。本実施形態のシール部材60は、第二接続部材40に装着されるため、第二接続部材40を構成する部材の一つとして説明する。ロック機構80は、第一接続部材20と第二接続部材40との接続状態を維持すると共に第一接続部材20と第二接続部材40の軸周りの相対回転を許容する機能を有する。以下、第一接続部材20及び第二接続部材40を詳細に説明する。
【0041】
[第一接続部材20]
図2及び
図3に示されるように、第一接続部材20は、第一筒体22と、被挿入口部26と、第一配管接続部28と、第一弁機構30と、を有する。
【0042】
(第一筒体22)
第一筒体22は、
図2及び
図3に示されるように、第一接続部材20の本体部分を構成する。この第一筒体22の軸方向の一端には被挿入口部26が設けられている。また第一筒体22の軸方向の他端には第一配管P1が接続される第一配管接続部28が設けられている。
【0043】
なお、以下では、第一筒体22の軸方向を矢印X1で示す。
【0044】
第一筒体22の内部(内部流路ともいう)には、
図2及び
図3に示されるように、第一弁機構30を構成する第一弁体32(詳細は後述)が配置されている。具体的には、第一筒体22の内部には第一弁体32が収まる第一収容部22Aが設けられている。この第一収容部22Aに第一弁体32は回転可能な状態で収められる。なお、第一筒体22の軸方向において被挿入口部26と第一配管接続部28との間には大径部27が設けられており、この大径部27の内部が第一収容部22Aを構成している。
【0045】
また、第一筒体22の大径部27には、第一弁体32を回転させて第一筒体22の内部流路を開閉させるための第一弁棒34(詳細は後述)が貫通する貫通孔22Bが形成されている。
【0046】
第一収容部22Aを構成する壁面22Cには、第一筒体22の軸方向X1で貫通孔22Bを挟んで両側にシール溝22Dがそれぞれ形成されている。シール溝22Dの各々は、第一筒体22の周方向に連続している。各シール溝22Dには、環状のシール部材23がそれぞれ収められている。これらのシール部材23は、第一弁体32の表面にそれぞれ接する。本実施形態のシール部材23は、一例として断面形状が円形のOリングを用いているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、断面形状が多角形のシール部材を用いてもよい。断面形状が四角形のシール部材としてはボールシートが挙げられる。
【0047】
なお、
図2及び
図3に示されるように、本実施形態の第一筒体22は、被挿入口部26側の筒部材37と、第一配管接続部28側の筒部材38とで構成される。筒部材37に筒部材38を組み付けることで第一筒体22が形成される。また筒部材37は、被挿入口部26と大径部27の一部を含む。筒部材38は、第一配管接続部28と大径部27の残りの部分を含む。具体的には、筒部材37は、大径部27の周壁と、該周壁と被挿入口部26の基端とを接続する側壁部37Aと、を含む。また筒部材38は、第一配管接続部28の基端から張り出すフランジ部38Aと、を含む。このフランジ部38Aは、大径部27の被挿入口部26と反対側の開口部にはめ込まれる。フランジ部38Aの周縁部には、周方向に連続する溝38Bが設けられている。この溝38Bには、Oリング38Cが収められている。Oリング38Cは、フランジ部38Aにおける溝38Bの底面と大径部27の内周面との間に配置されてフランジ部38Aと大径部27との間をシールする。
【0048】
(被挿入口部26)
被挿入口部26は、
図1~
図3、
図6に示されるように、第一筒体22の一端に設けられており、第二接続部材40の挿入口部46が挿入される部分である。この被挿入口部26の内径は、第一配管接続部28の内径よりも大きく設定されている。
【0049】
(第一配管接続部28)
第一配管接続部28は、
図1~
図3、
図6に示されるように、第一筒体22の他端に設けられており、第一配管P1が接続される部分である。本実施形態の第一配管接続部28は、第一配管P1に圧入されることにより第一配管P1と接続される。なお、第一配管P1が可撓性を有するホースの場合、接続状態において第一配管P1と第一配管接続部28が重なる部分を第一配管P1の外側から例えばバンド部材で締め付けてもよい。このようにバンド部材を用いて締め付けることで、第一配管P1と第一配管接続部28の接続をより強固にすることができる。
【0050】
(第一弁機構30)
第一弁機構30は、
図2、
図3、
図6に示されるように、第一筒体22の内部流路を開閉する機構である。この第一弁機構30は、第一弁体32と、操作部36とを備える。
【0051】
第一弁体32は、
図2及び
図3に示されるように、第一筒体22の内部流路を開閉する。この第一弁体32には、連通孔32Aが設けられている。第一弁体32の連通孔32Aの軸方向(以下、適宜「軸方向CL1」という)と第一筒体22の軸方向とが一致している状態(
図2参照)では、連通孔32Aの内部を通して被挿入口部26の内部と第一配管接続部28の内部とが連通する。これにより、第一筒体22内を流体が流れることが可能になる。すなわち、第一弁体32の連通孔32Aの軸方向と第一筒体22の軸方向とが一致している状態では、第一筒体22の内部流路が完全に開放される。なお、以下では、連通孔32Aの軸方向と第一筒体22の軸方向とが一致している状態を第一筒体22の流路開放状態という。ここで「一致」とは、例えば、連通孔32Aの軸方向と第一筒体22の軸方向とが完全に一致するものに加え、±5度程度傾斜しているものも含む。
【0052】
また、第一弁体32の連通孔32Aの軸方向CL1と第一筒体22の軸方向とが直交している状態(
図3参照)では、連通孔32Aの内部と、被挿入口部26の内部及び第一配管接続部28の内部とが連通しない。これにより、第一筒体22内の流体の流れが止められる。なお、以下では、連通孔32Aの軸方向と第一筒体22の軸方向とが直交している状態を第一筒体22の流路閉塞状態という。ここで「直交」とは、例えば、連通孔32Aの軸方向と第一筒体22の軸方向とが完全に直交するものに加え、90度±5度程度傾斜しているものも含む。
【0053】
また、第一弁体32の外周面には、連通孔32Aの軸方向CL1と同じ方向に延びる嵌合溝32Bが設けられている。この嵌合溝32Bには、貫通孔22Bを貫通する第一弁棒34の先端部34Aが嵌っている。この第一弁棒34に回転力が作用すると、先端部34Aを介して嵌合溝32Bに回転力が伝達される。第一弁体32に回転力が伝達されると、第一弁体32が第一収容部22A内で回転する。このため、第一筒体22の流路開放状態では、嵌合溝32Bが第一筒体22の軸方向X1と同じ方向を向き、第一筒体22の流路閉塞状態では、嵌合溝32Bが第一筒体22の軸方向X1に対して直交する方向を向く。
【0054】
操作部36は、第一弁体32による第一筒体22の内部流路の開閉動作を操作する。この操作部36は、第一筒体22の外周に設けられている。具体的には、操作部36は第一弁棒34の他端部に固定されている。なお、本実施形態の操作部36は、一例として操作用のハンドルである。この操作ハンドルを把持して回すことで、第一弁棒34とともに第一弁体32が第一収容部22A内において回転する。
【0055】
なお、本実施形態では、第一筒体22の流路閉塞状態において、操作部36に設けられた凸部36Aを、第一弁棒34を中心軸として軸周りに正回転(時計回り)すると、第一筒体22の流路閉塞状態となる位置で凸部36Aが第一筒体22の外周面に設けられたストッパ22Eに当接して回転が阻止される。一方、第一筒体22の流路閉塞状態において、操作部36に設けられた凸部36Aを、第一弁棒34を中心軸として軸周りに逆回転(反時計回り)すると、第一筒体22の流路開放状態となる位置で凸部36Aが第一筒体22の外周面に設けられたストッパ22Fに当接して回転が阻止される。
【0056】
[第二接続部材40]
図2及び
図3に示されるように、第二接続部材40は、第二筒体42と、挿入口部46と、第二配管接続部48と、第二弁機構50と、シール部材60と、を有する。
【0057】
(第二筒体42)
第二筒体42は、
図2及び
図3に示されるように、第二接続部材40の本体部分を構成する。この第二筒体42の軸方向の一端には挿入口部46が設けられている。また第二筒体42の軸方向の他端には第二配管P2が接続される第二配管接続部48が設けられている。
【0058】
なお、以下では、第二筒体42の軸方向を矢印X2で示す。
【0059】
第二筒体42の内部(内部流路ともいう)には、
図2及び
図3に示されるように、第二弁機構50を構成する第二弁体52が設置されている。具体的には、第二筒体42の内部には第二弁体52が収まる第二収容部42Aが設けられている。この第二収容部42Aに第二弁体52は回転可能な状態で収められる。なお、第二筒体42の軸方向において挿入口部46と第二配管接続部48との間には大径部47が設けられており、この大径部47の内部が第二収容部42Aを構成している。
【0060】
また、第二筒体42の大径部47には、第二弁体52を回転させて第二筒体42の内部流路を開閉させるための第二弁棒54(詳細は後述)が貫通する貫通孔42Bが形成されている。
【0061】
第二収容部42Aを構成する壁面42Cには、第二筒体42の軸方向X2で貫通孔42Bを挟んで両側にシール溝42Dがそれぞれ形成されている。シール溝42Dの各々は、第二筒体42の周方向に連続している。各シール溝42Dには、環状のシール部材43がそれぞれ収められている。これらのシール部材43は、第二弁体52の表面にそれぞれ接する。本実施形態のシール部材43は、一例として断面形状が円形のOリングを用いているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、断面形状が多角形のシール部材を用いてもよい。断面形状が四角形のシール部材としてはボールシートが挙げられる。
【0062】
なお、
図2及び
図3に示されるように、本実施形態の第二筒体42は、挿入口部46側の筒部材57と、第二配管接続部48側の筒部材58とで構成される。筒部材57に筒部材58を組み付けることで第二筒体42が形成される。また筒部材57は、挿入口部46と大径部47の一部を含む。筒部材58は、第二配管接続部48と大径部47の残りの部分を含む。具体的には、筒部材57は、大径部47の周壁と、該周壁と挿入口部46の基端とを接続する側壁部57Aと、を含む。また筒部材58は、第二配管接続部48の基端から張り出すフランジ部58Aと、を含む。このフランジ部58Aは、大径部47の挿入口部46と反対側の開口部にはめ込まれる。フランジ部58Aの周縁部には、周方向に連続する溝58Bが設けられている。この溝58Bには、Oリング58Cが収められている。Oリング58Cは、フランジ部58Aにおける溝58Bの底面と大径部47の内周面との間に配置されてフランジ部58Aと大径部47との間をシールする。
【0063】
(挿入口部46)
挿入口部46は、
図2及び
図3に示されるように、第二筒体42の一端に設けられており、被挿入口部26に挿入される部分である。この挿入口部46の内径は、第二配管接続部48の内径と同じ大きさに設定されている。ここで「同じ」とは、例えば、例えば、挿入口部46の内径と第二配管接続部48の内径とが完全に同じ大きさのものに加え、挿入口部46の内径に対して第二配管接続部48の内径が±5%の範囲内にあるものも含む。
【0064】
挿入口部46の外周面には、挿入口部46の周方向に連続する環状の収容溝46Aが設けられている。この収容溝46Aには、シール部材60が収められている。
【0065】
(第二配管接続部48)
第二配管接続部48は、
図2及び
図3に示されるように、第二筒体42の他端に設けられており、第二配管P2が接続される部分である。本実施形態の第二配管接続部48は、第二配管P2の端部に取り付けられたフランジ部に接続されるフランジ部分であり、第二配管P2のフランジ部と第二配管接続部48とを例えばボルト等で締結することで、第二配管P2と第二配管接続部48とが接続される。
【0066】
(第二弁機構50)
第二弁機構50は、
図2及び
図3に示されるように、第二筒体42の内部流路を開閉する機構である。この第二弁機構50は、第二弁体52と、操作部56とを備える。
【0067】
第二弁体52は、
図2及び
図3に示されるように、第二筒体42の内部流路を開閉する。この第二弁体52には、連通孔52Aが設けられている。第二弁体52の連通孔52Aの軸方向(以下、適宜「軸方向CL2」という)と第二筒体42の軸方向とが一致している状態では、連通孔52Aの内部を通して挿入口部46の内部と第二配管接続部48の内部とが連通する。これにより、第二筒体42内を流体が流れることが可能になる。すなわち、第二弁体52の連通孔52Aの軸方向と第二筒体42の軸方向とが一致している状態(
図2参照)では、第二筒体42の内部流路が完全に開放される。なお、以下では、連通孔52Aの軸方向と第二筒体42の軸方向とが一致している状態を第二筒体42の流路開放状態という。ここで「一致」とは、例えば、連通孔52Aの軸方向と第二筒体42の軸方向とが完全に一致するものに加え、±5度程度傾斜しているものも含む。
【0068】
また、第二弁体52の連通孔52Aの軸方向CL2と第二筒体42の軸方向とが直交している状態(
図3参照)では、連通孔52Aの内部と、挿入口部46の内部及び第二配管接続部48の内部とが連通しない。これにより、第二筒体42内の流体の流れが止められる。なお、以下では、連通孔52Aの軸方向と第二筒体42の軸方向とが直交している状態を第二筒体42の流路閉塞状態という。ここで「直交」とは、例えば、連通孔52Aの軸方向と第二筒体42の軸方向とが完全に直交するものに加え、90度±5度程度傾斜しているものも含む。
【0069】
また、第二弁体52の外周面には、連通孔52Aの軸方向CL2と同じ方向に延びる嵌合溝52Bが設けられている。この嵌合溝52Bには、貫通孔42Bを貫通する第二弁棒54の先端部54Aが嵌っている。この第二弁棒54に回転力が作用すると、先端部54Aを介して嵌合溝52Bに回転力が伝達される。第二弁体52に回転力が伝達されると、第二弁体52が第二収容部42A内で回転する。このため、第二筒体42の流路開放状態では、嵌合溝52Bが第二筒体42の軸方向X2と同じ方向を向き、第二筒体42の流路閉塞状態では、嵌合溝52Bが第二筒体42の軸方向X2に対して直交する方向を向く。
【0070】
操作部56は、第二弁体52による第二筒体42の内部流路の開閉動作を操作する。この操作部56は、第二筒体42の外周に設けられている。具体的には、操作部56は第二弁棒54の他端部に固定されている。なお、本実施形態の操作部56は、一例として操作用のハンドルである。この操作ハンドルを把持して回すことで、第二弁棒54とともに第二弁体52が第二収容部42A内において回転する。
【0071】
なお、本実施形態では、第二筒体42の流路閉塞状態において、操作部56に設けられた凸部56Aを、第二弁棒54を中心軸として軸周りに逆回転(反時計回り)すると、第二筒体42の流路開放状態となる位置で凸部56Aが第二筒体42の外周面に設けられたストッパ42Eに当接して回転が阻止される。一方、第二筒体42の流路開放状態において、操作部56に設けられた凸部56Aを、第二弁棒54を中心軸として軸周りに正回転(反時計回り)すると、第二筒体42の流路閉塞状態となる位置で凸部56Aが第二筒体42の外周面に設けられたストッパ42Fに当接して回転が阻止される。
【0072】
(シール部材60)
シール部材60は、挿入口部46と被挿入口部26との間に配置されて、挿入口部46と被挿入口部26との間をシールする部材である。具体的には、シール部材60は、環状に形成されており、内周部が挿入口部46の外周面に接し且つ外周部が被挿入口部26の内周面に接することによって、挿入口部46と被挿入口部26との間をシールする。本実施形態のシール部材60は、一例として断面形状が円形のOリングを用いている。また、挿入口部46の外周面には、シール部材60が収容される収容溝46Aの底面等も含まれる。
【0073】
また本実施形態では、シール部材60が挿入口部46の外周に装着されている。言い換えると、シール部材60が挿入口部46の外周面に設けられた収容溝46Aに収容されている。このようにシール部材60が収容溝46Aに収容されることによって、挿入口部46を被挿入口部26に挿入する際のシール部材60の軸方向X2の移動を制限することができる。
【0074】
なお、第一接続部材20は被挿入口部26を備え、第二接続部材40は挿入口部46を備えることから、第一接続部材20を雌部材と読み替えてもよいし、第二接続部材40を雄部材と読み替えてもよい。
【0075】
[ロック機構80]
ロック機構80は、被挿入口部26に挿入口部46が挿入された挿入状態を維持すると共に第一接続部材20と第二接続部材40の軸周りの相対回転を許容する機構である。
【0076】
ロック機構80は、
図6、
図8、
図11及び
図12に示されるように、引掛り部82と、一対のスリット84と、ロック部材86と、を備える。
【0077】
引掛り部82は、
図6に示されるように、第二筒体42の挿入口部46の外周面にシール部材60の配置領域よりも第二配管接続部48側に周方向に連続して設けられている。ここでシール部材60の配置領域とは、挿入口部46の外周面上でシール部材60が配置される領域であり、本実施形態では収容溝46Aが設けられている領域が相当する。
【0078】
また本実施形態では、挿入口部46の外周面にシール部材60の配置領域よりも第二配管接続部48側に周方向に連続する環状のロック溝88が設けられている。このロック溝88の第二配管接続部48側に対して反対側の溝壁によって引掛り部82が構成されている。なお本開示は上記構成に限定されず、挿入口部46の外周面に環状の凸部を設け、この凸部の第二配管接続部48側の凸壁によって引掛り部82を構成してもよい。
【0079】
一対のスリット84は、
図11~
図14に示されるように、被挿入口部26の周壁にシール部材60の配置領域よりも第一配管接続部28側にそれぞれ設けられている。また一対のスリット84は、互いに対向して設けられていて、各々が周方向に延びている。
【0080】
ロック部材86は、
図11に示されるように、被挿入口部26の外周に第一位置と該第一位置よりも径方向内側の第二位置との間を移動可能に装着されている。なお、ロック部材86の第一位置は、
図11及び
図13で示される位置である。またロック部材86の第二位置は、
図12及び
図14で示される位置である。
【0081】
またロック部材86は、一対のスリット84にそれぞれ挿入される一対のピン部86Aと、一対のピン部86Aの一方の端部同士を連結する連結部86Bとを有している。
【0082】
ロック部材86では、
図11及び
図13に示されるように、第一位置において一対のピン部86Aがロック溝88に入らず、一対のピン部86Aがそれぞれの引掛り部82に引っ掛からない。
【0083】
ロック部材86では、
図12及び
図14に示されるように、第二位置において一対のピン部86Aがそれぞれロック溝88に入ることにより、第一位置よりも一対のピン部86A間の間隔が狭まり、一対のピン部86Aがそれぞれ引掛り部82に引っ掛かる。これにより、挿入口部46を被挿入口部26に挿入した挿入状態が維持される。
【0084】
またロック部材86は、
図12に示されるように、第二位置に位置した状態において、連結部86Bと被挿入口部26の外周面との間に隙間Gが形成される。この隙間Gは、工具や作業者の指を入れられるサイズに設定することが好ましい。
【0085】
また一対のピン部86Aは、連結部86Bに対して反対側に位置する他方の端部がそれぞれ折り曲げられている。
【0086】
そして、被挿入口部26の外周面には、一対のスリット84の途中にロック部材86の第一位置において一対のピン部86Aの各折り曲げ部86Cが収まる凹部85がそれぞれ設けられている。具体的には、ロック部材86が第一位置に位置する場合、各折り曲げ部86Cが各凹部85に収まるため、搬送時等におけるロック部材86の脱落を抑制することができる。一方、ロック部材86を第一位置から第二位置に押し込むと、一対のピン部86Aの間隔が拡がって、それぞれの折り曲げ部86Cがそれぞれの凹部85を乗り超える。それぞれの折り曲げ部86Cがそれぞれの凹部85を乗り越えると、一対のピン部86Aが元の状態に復元し、一対のピン部86Aの間隔が狭まる。そして、一対のピン部86Aがそれぞれロック溝88に入り、挿入口部46を被挿入口部26に挿入した挿入状態が維持される。すなわち、ロック機構80により第一接続部材20と第二接続部材40を接続した状態が維持される。
【0087】
また、本実施形態では、ロック部材86が第二位置に位置すると共に操作部36の操作により第一弁体32が第一筒体22の内部流路を開放している状態では、
図12及び
図147に示されるように、操作部36の一部がロック部材86と当接することによってロック部材86の第一位置への移動を阻止するように構成されている。具体的には、ロック部材86が第二位置に位置し、第一筒体22が流路開放状態の場合、第一弁棒34の軸方向から見て、操作部36の一部がロック部材86の連結部86B上にせり出すため、ロック部材86が意図せず第二位置から第一位置へ移動するのを阻止することかできる。
【0088】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態の接続構造S1では、
図5~
図8に示されるように、第一配管接続部28に第一配管P1が接続された第一接続部材20の被挿入口部26に第二配管接続部48に第二配管P2が接続された第二接続部材40の挿入口部46を挿入する。そして、
図9~
図14に示されるように、被挿入口部26に挿入口部46を挿入した挿入状態でロック機構80を機能させることで第一接続部材20と第二接続部材40が接続される。具体的には、被挿入口部26に挿入口部46を挿入した挿入状態でロック部材86を第一位置から第二位置へと移動させることで、ロック部材86の一対のピン部86Aがロック溝88に入り上記挿入状態が維持される。すなわち、第一接続部材20と第二接続部材40との接続状態が維持される。
【0089】
また
図2に示されるように、第一接続部材20と第二接続部材40の接続状態では、環状のシール部材60によって挿入口部46と被挿入口部26との間がシールされる。このため、第一接続部材20の第一弁機構30と第二接続部材40の第二弁機構50をそれぞれ操作し、第一筒体22の内部流路と第二筒体42の内部流路をそれぞれ開放することで、第一筒体22の内部流路と第二筒体42の内部流路を介して第一配管P1の内部と第二配管P2の内部が連通する。
【0090】
ここで、上記接続構造S1では、ロック機構80が被挿入口部26に挿入口部46が挿入された挿入状態を維持すると共に第一接続部材20と第二接続部材40の軸周りの相対回転を許容する。このため、第一接続部材20に接続された第一配管P1及び第二接続部材40に接続された第二配管P2の少なくとも一方の配管にねじり方向に過剰な力が作用していても、接続状態の第一接続部材20と第二接続部材40を軸周りに相対回転させることで、第一配管P1及び第二配管P2の少なくとも一方の配管に作用するねじり方向の過剰な力を緩和することができる。
【0091】
さらに接続構造S1では、環状のシール部材60の内周部が挿入口部46の外周面に接し、シール部材60の外周部が被挿入口部26の内周面に接することによって挿入口部46と被挿入口部26との間がシールされることから、接続状態の第一接続部材20と第二接続部材40を軸周りに相対回転させても、シール部材60によるシール効果を維持することができる。
【0092】
このように、上記接続構造S1では、接続状態の第一接続部材20と第二接続部材40を軸周りに相対回転させることで、第一配管P1及び第二配管P2の少なくとも一方の配管に作用するねじり方向の過剰な力を緩和することができ、かつ、第一接続部材20と第二接続部材40を軸周りに相対回転させてもシール部材60によるシール効果を維持できるため、例えば、各接続部材に相対回転可能な機構を組み込む構成と比べて、第一接続部材20及び第二接続部材40の構造を簡単にすることができる。
【0093】
さらに接続構造S1では、環状のシール部材60の内周部が挿入口部46の外周面に接し、シール部材60の外周部が被挿入口部26の内周面に接する構造(軸シール構造)を用いる。この構造を用いることで、接続構造S1では、シール部材60と被挿入口部26との接触圧がシール部材60の周方向で均等に近づき、シール部材60と挿入口部46との接触圧がシール部材の周方向で均等に近づく。これにより、上記接続構造S1では、例えば、接続部材のシール面同士を押し付けあう構造(面シール構造)と比べて、シール性能が向上する。
【0094】
このように本実施形態の接続構造S1によれば、第一接続部材20及び第二接続部材40の構造を簡単にしつつ第一接続部材20と第二接続部材40との間のシール性能を向上させることができる。
【0095】
また本実施形態の接続構造S1では、シール部材60が第二筒体42の挿入口部46の外周に装着されることから、環状のシール部材60の内側に挿入口部46を通す簡単な作業で挿入口部46の外周にシール部材60を装着させることができる。
【0096】
また本実施形態の接続構造S1では、挿入口部46の外周面に周方向に連続する環状の収容溝46Aを設け、この収容溝46Aにシール部材60を収容している。このため、接続構造S1では、環状のシール部材60の内側に挿入口部46を通し、収容溝46Aにシール部材60を収容することで挿入口部46に対するシール部材60の位置決めを簡単に行うことができる。
【0097】
また本実施形態の接続構造S1では、ロック部材86を第一位置から第二位置へ移動させると、一対のピン部86Aがそれぞれ引掛り部82に引っ掛かり、被挿入口部26に挿入口部46が挿入された挿入状態が維持される。すなわち、第一接続部材20と第二接続部材40との接続状態が維持される。またロック部材86を第二位置から第一位置へ移動させると、一対のピン部86Aが引掛り部82に引っ掛からないため、被挿入口部26から挿入口部46を引き抜くことが可能になる。すなわち、第一接続部材20と第二接続部材40の接続状態を解除することが可能になる。このように上記接続構造S1では、ロック部材86を第一位置と第二位置との間で移動させる簡単な操作で第一接続部材20と第二接続部材40とを接続状態にしたり、接続状態を解除したりすることができる。
【0098】
また本実施形態の接続構造S1では、ロック部材86が第二位置に位置すると、一対のピン部86Aがそれぞれロック溝88に入ることで被挿入口部26に挿入口部46が挿入された挿入状態が維持される。ここで、ロック溝88に入った一対のピン部86Aは、第一接続部材20と第二接続部材40との軸周りの相対回転時にロック溝88の両溝壁にガイドされながらロック溝88に沿って移動する。このため、第一接続部材20と第二接続部材40とを軸周りに相対回転させる際のガタつきを抑制することができる。
【0099】
また本実施形態の接続構造S1では、ロック部材86が第二位置に位置した状態で連結部86Bと被挿入口部26の外周面との間に隙間が形成される。ここで、連結部86Bと被挿入口部26の外周面との間の隙間Gに、指や工具を差し込み、連結部86Bを被挿入口部26の外周面に対して持ち上げることで簡単にロック部材86を第二位置から第一位置へ移動させることができる。
【0100】
また本実施形態の接続構造S1では、ロック部材86が第一位置にある場合に、一対のピン部86Aの各折り曲げ部86Cが被挿入口部26の凹部85にそれぞれ収まっているため、ロック部材86が第一位置にあることを把握しやすい。また誤操作によりロック部材86を第一位置から第二位置へ移動させるのを抑制することができる。
【0101】
また本実施形態の接続構造S1では、挿入口部46を被挿入口部26に挿入した挿入状態であって、ロック部材86が第二位置に位置すると共に操作部36の操作により第一弁体32が第一筒体22の内部流路を開いている状態(流路開放状態)では、操作部36の一部がロック部材86と当接することによってロック部材86の第二位置から第一位置への移動が阻止される。このように接続構造S1では、第一筒体22の流路開放状態でロック部材86を第二位置から第一位置へ移動させることができないため、第一筒体22が流路開放状態のときに挿入口部46を被挿入口部26から引き抜く操作を阻止することができる。これにより、ロック部材86の誤操作による第一接続部材20と第二接続部材40の接続解除を防止することができる。
【0102】
前述の実施形態では、第一接続部材20の操作部36を、凸部36Aを有する操作ハンドルとしているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、
図16~
図18に示される操作部136を用いてもよい。この操作部136は、第一弁棒34の上部に形成された六角形状の部分である。この操作部136は、六角形状のため、工具を用いて回転させることができる。なお、操作部136は、対向する二面間の幅(間隔)が同じになる形状であれは、特に六角形状に限定されない。すなわち、操作部136の形状は、四角形でも八角形でも構わない。また、操作部136には、第二位置にあるロック部材86の抜けを防止するためのプレート137がねじ部材138を用いて取り付けられる。さらに操作部136の回り止めとして操作部136の下部に凸部36Aを有するプレート139が取り付けられている。なお、第二接続部材40の操作部56についても同様に操作部156を用いてもよい。この操作部156は、第一弁棒34の上部に形成された六角形状の部分である。この操作部156は、六角形状のため、工具を用いて回転させることができる。なお、操作部156は、対向する二面間の幅(間隔)が同じになる形状であれは、特に六角形状に限定されない。すなわち、操作部156の形状は、四角形でも八角形でも構わない。また、操作部156には、プレート157がねじ部材158を用いて取り付けられる。なお、このプレート157は省略してもよい。さらに操作部156の回り止めとして操作部156の下部に凸部56Aを有するプレート159が取り付けられている。上記のように、操作部136及び操作部156を用いた場合、作業者が把持しやすい操作ハンドルを設ける必要がないため、コストを削減することができる。
【0103】
前述の実施形態では、第一接続部材20にロック部材86を装着しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第二接続部材にもロック部材を装着してよい。具体的には、
図19~
図22に示されるように、第一接続部材220にロック部材86を装着し、第二接続部材240にロック部材286を装着してもよい。
図22に示されるように、第一接続部材220の被挿入口部26のスリット84よりも先端側に周方向に連続するロック溝288を設ける。また、第二接続部材240の挿入口部46の径方向外側に同心の環状リブを設け、挿入口部46と環状リブとの間に被挿入口部26の先端が差し込まれるように構成する。そして、環状リブに一対のスリット284を形成する。一対のスリット284にロック部材286の一対のピン部286Aを入れる。なお、ロック部材286は一対のピン部286Aの一方の端部同士をつなぐ連結部286Bと、他方の端部を折り曲げた折り曲げ部286Cと有する。また、環状リブの外周には折り曲げ部286Cが嵌る凹部285がそれぞれ設けられている。このロック部材286の動作は、ロック部材86の動作と同様である。また、第一接続部材220のプレート237は、第一弁体32が流路を完全に閉塞するまでロック部材86の操作を行えないように、板形状が設定されている。同様に、第二接続部材240のプレート257は、第二弁体52が流路を完全に閉塞するまでロック部材286の操作を行えないように、板形状が設定されている。このような構成とすることで、第一弁体32及び第二弁体52の少なくとも一方が開放状態の場合に、被挿入口部26から挿入口部46が引き抜かれるのが阻止されることから、被挿入口部26から挿入口部46を引き抜く際の漏水を抑制することができる。
【0104】
前述の実施形態では、
図19~
図22に示されるように、第一接続部材220にロック部材86を装着し、第二接続部材240にロック部材286を装着しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第一接続部材220と第二接続部材240との接続に
図23に示されるロック部材290を用いてもよい。
図23に示されるように、ロック部材290は、ロック部材86とロック部材286を組み合わせた構造(一体にした構造)である。具体的には、ロック部材290は、ロック部材86の連結部86Bとロック部材286の連結部286Bとを一対の連結部292で連結して構成されている。このロック部材290を
図24に示されるように第一接続部材220と第二接続部材240との接続に用いることで、前述の実施形態と同様に、第一弁体32及び第二弁体52の少なくとも一方が開放状態の場合に、被挿入口部26から挿入口部46を引き抜くのを阻止することが可能になる。また、ロック部材290では、ロック部材86とロック部材286が別々の場合と比べて、一回の操作で第一接続部材220と第二接続部材240とを接続及び接続解除することができるため、接続及び接続解除操作が簡単になる。
【0105】
前述の実施形態では、第一配管接続部28に第一配管P1を接続し、第二配管接続部48に第二配管P2を接続しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、第一配管接続部28の構造と第二配管接続部48の構造を入れ替えて、第一配管接続部28に第二配管P2を接続し、第二配管接続部48に第一配管P1を接続してもよい。また第一配管接続部28の構造は、対象となる配管と接続できればどのような構造でもよい。第二配管接続部48も第一配管接続部28と同様に、対象となる配管と接続できればどのような構造でもよい。
【0106】
前述の実施形態では、シール部材60が挿入口部46の外周に単体で装着されているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、シール部材60を挿入口部46の外周に複数装着してもよい。この場合には、挿入口部46の外周面に収容溝46Aを複数設けて、複数の収容溝46Aにシール部材60をそれぞれ収めればよい。
【0107】
前述の実施形態では、第一弁機構30としてボール弁の機構を用いているが、本開示はこれに限定されない。第一弁機構30として例えば、ニードル弁の機構、バラフライ弁の機構を用いてもよい。また第二弁機構50についても第一弁機構30と同様に、ボール弁の機構の代わりにニードル弁の機構、バタフライ弁の機構を用いてもよい。
【0108】
以上、実施形態を挙げて本開示の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本開示の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0109】
20 第一接続部材
22 第一筒体
26 被挿入口部
28 第一配管接続部
30 第一弁機構
32 第一弁体
36 操作部
40 第二接続部材
42 第二筒体
46 挿入口部
46A 収容溝
48 第二配管接続部
50 第二弁機構
52 第二弁体
56 操作部
60 シール部材
80 ロック機構
82 引掛り部
84 スリット
85 凹部
86 ロック部材
86A ピン部
86B 連結部
86C 折り曲げ部
88 ロック溝
136 操作部
156 操作部
220 第一接続部材
240 第二接続部材
284 スリット
285 凹部
286 ロック部材
286A ピン部
286B 連結部
286C 折り曲げ部
288 ロック溝
290 ロック部材
P1 第一配管
P2 第二配管
S1 接続構造(配管接続構造)
X1 軸方向
X2 軸方向
G 隙間