(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008269
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】獣罠捕獲検知システム
(51)【国際特許分類】
A01M 23/38 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A01M23/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110274
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】714011651
【氏名又は名称】田中 泉
(72)【発明者】
【氏名】田中 泉
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121BA21
2B121BA32
2B121BA35
2B121BA58
2B121DA63
2B121EA21
2B121FA04
2B121FA14
(57)【要約】
【課題】
【0019】
本発明は、動物及び獣罠捕獲検知システムにおいて、電池で長時間稼働し罠の作動、取り逃がし及び誤作動等の事象を判別する手段を提供することによって
省エネの向上及び省力化等に貢献する。
【解決手段】
【0020】
振動によって加速度が生じ当該加速度に比例する電気信号に変換する加速度センサーは広く応用されていることは衆知である。
2つの加速度センサーを獣罠に搭載することによって罠の作動、取り逃がし及び誤作動等の事象を判別し通知をする、電池で長時間稼働することができる獣罠捕獲検知システムである
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
獣罠捕獲検知システムにおいて、複数の加速度センサーを備え当該センサーの信号を比較しデジタル信号とし、
当該デジタル信号の論理和によってマイクロコンピュータの低消費電力状態を解除することを特徴とする獣罠捕獲検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地に設置された罠に害獣が捕獲されたことを検知する獣罠捕獲検知システムに関するものである 。
【背景技術】
【0002】
従来、獣を捕獲するために、数十キロ離れた遠隔地に複数個の罠を設置することがある。罠を設置して直ぐに対象獣が捕獲される訳ではないため、毎日罠の状況を確認する必要がある。各罠の状況を確認するために車や徒歩で2、3時間以上かかることもあり、全ての罠を確認するには多大な時間と労力がかかっており、イノシシやシカなど野生鳥獣による農林業への被害が深刻化する中で、狩猟者(ハンター)の減少と高齢化が大きな問題となっている。
【0003】
遠隔地に設置された罠に害獣が捕獲されたことを検知するシステムが近年では使用されている。このような、罠に対象獣が捕獲されたことを検知する害獣罠捕獲検知システムの一例とし て特許文献1に示す技術が知られている。
【0004】
特許文献1の害獣罠捕獲検知システムでは、捕獲対象動物の生息領域内に複数の罠装置を設置すると共に送受信装置を複数の罠装置の略中心区域に設置し、扉を上昇させて、罠の本体内に、害獣(動物)を誘き寄せるためにエサを設置する。そして、エサを食べようとして、害獣が罠の本体内に入ったことが検知されると、扉が下降し、発信装置からワイヤの一端が外れ、この発信装置に内蔵された検知装置が害獣を捕獲したことを検知することとなり、発信装置は捕獲関連情報を発信する。送受信装置の受信装置が捕獲関連情報を受信すると、メール送信装置がパケット通信を介して少なくとも一つのユーザー端末に無線で「平成○年○月○日○時○分 罠装置番号○○が作動しました。」なる旨の電子メールを送信する。
【0005】
ところで、罠は、捕獲の有無の確認のみならず、罠に取り付けられる検知装置が適正に設置された状態が保たれているか、扉の開閉等の罠の状態はどうか、害獣により罠周辺の地面が荒らされていないか、対象となる害獣の姿はどうか、など様々な状態を正確に把握できれば好ましい。
【0006】
しかし、特許文献1の害獣罠捕獲検知システムでは、罠の本体に発信装置を設け、発信装置に接続されたワイヤの他端を扉に接続しているため、仮に扉が開いた状態で害獣がワイヤを引っ張って外した場合でも検知装置が作動したものとして捕獲関連情報を発信してしまう。
当該発明はソーラーパネルで太陽光から発電し2次電池に充電することから曇天および雨天が連続している環境で太陽の光が十分に届かない場合は電池に充電することができなくなくなり挙動することができなくなる。
【0007】
特許文献2の動物捕獲システムCでは、マイクにより音を拾い動物がいることを検知するものである。さらに、特許文献2の防犯システムBでは、マイクにより音を拾い侵入者を検出してカメラを駆動させるものである。しかし、カメラを駆動させて侵入者が入った現在の状態を表示器に表示するにしても、マイクの設置が必要になるため罠が設置される山林などのように風の音が強くノイズが入り易い場所では誤動作を招き易く、マイクとカメラが必要になるため、設置作業が大変になるうえ装置が大がかりになる。
【0008】
特許文献3はカメラと当該カメラの画像解析を実施するマイクロコンピュータが常時稼働しているため、中央処理装置(CPU)は常に動作しており、電力を消費し、特にプロセッサが高い負荷で動作する画像処理を実行している場合、消費電力は増加することは衆知であるため、遠隔地に設置する装置では電源の確保が困難であることから実用性に乏しいことが容易に想像される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-122976号公報
【特許文献2】特開2001-33551号公報
【特許文献3】特許第7066248
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、動物及び獣罠捕獲検知システムにおいて、電池で長時間稼働し罠の作動、取り逃がし及び誤作動等の事象を判別する手段を提供することによって
省エネの向上及び省力化等に貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
振動によって加速度が生じ当該加速度に比例する電気信号に変換する加速度センサーは広く応用されていることは衆知である。
2つの加速度センサーを獣罠に搭載することによって罠の作動、取り逃がし及び誤作動等の事象を判別し通知をするシステムの発明についてその手段を記載した。
1つ目の加速度センサーを罠の踏み板(A)に取り付け、2つ目の加速度センサーをより戻し(6)とワイヤー先端(8)の間のワイヤー(7)に取り付ける、各加速度センサー(20)のXYZの3軸の加速度信号(21)を比較器(23)で比較電圧(22)と比較しXYZの3軸のデジタル信号(24)とする、当該3軸のデジタル信号(24)を論理回路でOR(25)したスリープ解除信号(26)を低消費電力なスリープ状態のマイクロコンピューター(27)に入力しスリープ状態を解除し、LPWA無線通信モジュール(28)を介し当該罠作動状態を通知する。
【0012】
罠の踏み板に取り付けた加速度センサーが振動を検知したにも関わらず一定時間ワイヤーに取り付けた加速度センサーが振動を検知しない場合は罠が作動したにも関わらず、取り逃がし及び誤作動等の事象が発生したことを判別する。
【発明の効果】
【0013】
本発明を実施することによって、省エネの向上及び省力化等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【実施例0015】
一般に動物を捕獲する罠は、檻のような箱に餌で誘導して捕まえる「箱罠」、天井がないタイプの「囲い罠」、動物が罠を踏むと足がくくられて捕まえられる「くくり罠」がある。
【0016】
「箱罠」の場合は餌を載せる踏板を捕獲対象動物が踏んだことをトリガーとして箱型の扉が閉まることによって捕獲する、前記踏板に1つ目の加速度センサーを設置し
踏板を踏むことによって振動を検知し、2つ目の加速度センサーを箱に設置し、捕獲対象動物が暴れることにより振動を検知する。
1つ目の加速度センサーが振動を検知し2つ目の加速度センサーが振動を検知した場合は捕獲は成功と判断する。
天井がないタイプの「囲い罠」についても同様な手段で検知が可能である。
「くくり罠」の場合1つ目の加速度センサーを罠の踏み板に取り付け、2つ目の加速度センサーをより戻しとワイヤー先端の間のワイヤーに取り付けて捕獲対象動物が暴れることにより振動を検知する。
1つ目の加速度センサーが振動を検知し2つ目の加速度センサーが振動を検知した場合は捕獲は成功と判断する。