(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008283
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5378 20140101AFI20250109BHJP
A63F 13/5372 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F13/5378
A63F13/5372
A63F13/55
A63F13/79
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110298
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】中田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木梨 玲
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真路
(72)【発明者】
【氏名】阿川 椋介
(57)【要約】 (修正有)
【課題】仮想空間内でプレイヤキャラクタが移動するゲームにおいて、プレイヤキャラクタが位置したことのある領域を視認可能なマップ画像を提示するための新規の情報処理装置を提供する。
【解決手段】第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御部と、第1キャラクタ、および、第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶部と、第1ユーザのログ画面表示操作があった場合、仮想空間に対応するマップ画像であって、位置履歴情報に基づいて、第1キャラクタが位置したことのある仮想空間の位置に対応する本人踏破領域と、第2キャラクタが位置したことのある仮想空間の位置に対応する他人踏破領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示部とを備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、
前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段、
前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段、及び
前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記提示手段は、前記第1領域を第1の表示態様、前記第2領域を第2の表示態様となるように前記マップ画像を提示し、
前記提示手段は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタの両方が位置したことのある領域については、前記第1の表示態様となるように前記マップ画像を提示する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記仮想空間のうち、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとが当該仮想空間において位置したことのある領域の広さを示すパラメータが所定の条件を満たす場合、当該第1キャラクタの第1ユーザと当該第2キャラクタの第2ユーザに通知を提示する通知提示手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記提示手段は、前記第1キャラクタが前記仮想空間において位置したことのない領域をマスクするとともに、前記第1のキャラクタが前記仮想空間において位置したことのある領域のマスクを除去することによって、前記第1キャラクタが当該仮想空間において位置したことのある領域を視認させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記提示手段は、前記第1のキャラクタが前記仮想空間において位置したことのない領域について、前記第2のキャラクタが位置したことのある第1領域と前記第2のキャラクタが位置したことのない第2領域とで異なるマスクをする、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記提示手段は、前記第1領域について地表の色情報を少なくする第1のマスクをし、前記第2領域の地表を隠すマスクパネルを重畳する第2のマスクをする、請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
ゲームを実行可能な端末のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、
前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段、
前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段、及び
前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段、
として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項8】
同じセッションに参加する他端末との間でゲーム状況を同期する同期手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記位置履歴情報は、前記他端末の第2キャラクタについての前記仮想空間における時間毎の位置示す情報を含む、請求項7に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記提示手段は、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある第2領域とを区別可能な態様で、前記マップ画像を提示する、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記提示手段は、前記前回マップ画像を提示した後、漸次的に、前記今回マップ画像が提示されるように、前記マップ画像を提示する、請求項7に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記提示手段は、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのない領域にマスクをした前記マップ画像を提示し、前記位置履歴情報に基づいて、前回の第2操作入力が行われたときから今回の第2操作入力が行わるまでの間に、前記第1キャラクタが新たに位置した領域について、前記前回マップ画像のマスクを漸次的に解除して前記今回マップ画像に移行するように前記マップ画像を提示する、請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末としての情報処理装置であって、
前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、
前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、
前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段と、
を備えた、情報処理装置。
【請求項13】
ゲームを実行可能な端末に備えらえる情報処理装置であって、
前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、
前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段と、
を備えた、情報処理装置。
【請求項14】
同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末で実行される情報処理方法であって、
前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御ステップと、
前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶ステップと、
前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項15】
ゲームを実行可能な端末にて実行される情報処理方法であって、
前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する第1制御ステップと、
前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶ステップと、
前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示さてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項16】
同じセッションに参加する第2端末と第1端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な情報処理システムであって、
前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、
前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、
前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段と、
を備えた、情報処理システム。
【請求項17】
ゲームを実行可能な端末を含む情報処理システムであって、
前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、
前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段と、
を備えた、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを実行するための情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のユーザがそれぞれゲームをプレイした際の各プレイヤキャラクタの仮想空間内の位置情報を含むプレイ記録を取得し、このプレイ記録に基づいて、各プレイヤキャラクタのゲーム内の状態を表示装置に表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このようなシステムにより、自らのプレイヤキャラクタ及び他のユーザのプレイヤキャラクタがそれぞれ位置した仮想空間内の位置の情報を提示できる。
【0003】
また、仮想空間内でプレイヤキャラクタを移動させて行うゲームにおいて、当該仮想空間内においてプレイヤキャラクタが所定の条件を満たした領域(例えば、プレイヤキャラクタが位置した領域、プレイヤキャラクタが着色するなど所定のアクションを行った領域、プレイヤキャラクタが所定のミッションを達成した領域等)を表示するために、仮想空間のマップ画像が提示されるシステムが知られている。ユーザは、このマップ画像を確認することで、仮想空間の中のどの領域が所定の条件を満たしたのかを容易に確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、仮想空間内でプレイヤキャラクタが移動するゲームにおいて、プレイヤキャラクタが位置したことのある領域を視認可能なマップ画像を提示するための新規の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
構成1の情報処理プログラムは、同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段、前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段、及び前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段、として前記コンピュータを機能させる構成を有している。
【0007】
この構成により、第1端末において、第1キャラクタが位置したことがある領域と第2端末の第2キャラクタが位置したことがある領域とを認識可能なマップ画像が提示されるので、第1キャラクタ及び第2キャラクタがそれぞれ位置したことがある領域の視認性が向上する。
【0008】
構成2の情報処理プログラムは、構成1の情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記第1領域を第1の表示態様、前記第2領域を第2の表示態様となるように前記マップ画像を提示し、前記提示手段は、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタの両方が位置したことのある領域については、前記第1の表示態様となるように前記マップ画像を提示する構成を有している。
【0009】
この構成により、第1キャラクタが位置したことがある領域と第2端末の第2キャラクタが位置したことがある領域と互いに異なる表示態様で表示するので、第1キャラクタ及び第2キャラクタがそれぞれ位置したことがある領域の視認性が向上する。
【0010】
構成3の情報処理プログラムは、構成1又は構成2の情報処理プログラムにおいて、前記仮想空間のうち、前記第1キャラクタと前記第2キャラクタとが当該仮想空間において位置したことのある領域の広さを示すパラメータが所定の条件を満たす場合、当該第1キャラクタの第1ユーザと当該第2キャラクタの第2ユーザに通知を提示する通知提示手段として前記コンピュータをさらに機能させる構成を有している。
【0011】
この構成により、第1キャラクタと第2キャラクタとが仮想空間において位置したことのある領域の広さを把握できる。
【0012】
構成4の情報処理プログラムは、構成1ないし構成3のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記第1キャラクタが前記仮想空間において位置したことのない領域をマスクするとともに、前記第1のキャラクタが前記仮想空間において位置したことのある領域のマスクを除去することによって、前記第1キャラクタが当該仮想空間において位置したことのある領域を視認させる構成を有している。
【0013】
この構成により、仮想空間において第1キャラクタが位置したことがない領域のマップ画像の提示が制限されるので、そのような領域を探索するゲームの興趣性が向上する。
【0014】
構成5の情報処理プログラムは、構成4の情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記第1のキャラクタが前記仮想空間において位置したことのない領域について、前記第2のキャラクタが位置したことのある第1領域と前記第2のキャラクタが位置したことのない第2領域とで異なるマスクをする構成を有している。
【0015】
この構成により、他のいずれかのキャラクタが位置したことがある領域といずれのキャラクタも位置したことがない領域とを区別できる。
【0016】
構成6の情報処理プログラムは、構成5の情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記第1領域について地表の色情報を少なくする第1のマスクをし、前記第2領域の地表を隠すマスクパネルを重畳する第2のマスクをする構成を有している。
【0017】
この構成により、どのキャラクタも位置したことがない領域については地表を提示せず、他のキャラクタが位置したことがある領域については色情報を少なくして地表を表示するので、両領域を区別できるとともに、どのキャラクタも位置したことがない領域を探索するゲームの興趣性が向上する。
【0018】
構成7の情報処理プログラムは、ゲームを実行可能な端末のコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段、前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段、及び前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段として前記コンピュータを機能させる構成を有している。
【0019】
この構成により、前回マップ画像を提示してから今回マップ画像を提示するまでの間に第1キャラクタが仮想空間内のどこに位置したかが識別容易となる。
【0020】
構成8の情報処理プログラムは、構成7の情報処理プログラムにおいて、同じセッションに参加する他端末との間でゲーム状況を同期する同期手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記位置履歴情報は、前記他端末の第2キャラクタについての前記仮想空間における時間毎の位置示す情報を含む構成を有している。
【0021】
この構成により、第2キャラクタについても、前回マップ画像を提示してから今回マップ画像を提示するまでの間に仮想空間内のどこに位置したかが識別可能なマップ画像を提示できる。
【0022】
構成9の情報処理プログラムは、構成8の情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある第2領域とを区別可能な態様で、前記マップ画像を提示する構成を有している。
【0023】
この構成により、第1キャラクタの位置したことがある領域と第2キャラクタの位置したことがある領域とを区別可能なマップ画像が提示されるので、視認性が向上する。
【0024】
構成10の情報処理プログラムは、構成7から構成9のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記前回マップ画像を提示した後、漸次的に、前記今回マップ画像が提示されるように、前記マップ画像を提示する構成を有している。
【0025】
この構成により、前回マップ画像の提示から今回マップ画像の提示までの間に新たに位置した領域をアニメーションで視認できる。
【0026】
構成11の情報処理プログラムは、構成10の情報処理プログラムにおいて、前記提示手段は、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのない領域にマスクをした前記マップ画像を提示し、前記位置履歴情報に基づいて、前回の第2操作入力が行われたときから今回の第2操作入力が行わるまでの間に、前記第1キャラクタが新たに位置した領域について、前記前回マップ画像のマスクを漸次的に解除して前記今回マップ画像に移行するように前記マップ画像を提示する構成を有している。
【0027】
この構成により、前回マップ画像の提示から今回マップ画像の提示までの間に新たに位置した領域をマスクを解除するアニメーションで視認できる。
【0028】
構成12の情報処理装置は、同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末としての情報処理装置であって、前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段とを備えた構成を有している。
【0029】
この構成により、第1端末において、第1キャラクタが位置したことがある領域と第2端末の第2キャラクタが位置したことがある領域とを認識可能なマップ画像が提示されるので、第1キャラクタ及び第2キャラクタがそれぞれ位置したことがある領域の視認性が向上する。
【0030】
構成13の情報処理装置は、ゲームを実行可能な端末に備えらえる情報処理装置であって、前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、前記第1キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段とを備えた構成を有している。
【0031】
この構成により、前回マップ画像を提示してから今回マップ画像を提示するまでの間に第1キャラクタが仮想空間内のどこに位置したかが識別容易となる。
【0032】
構成14の情報処理方法は、同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な第1端末で実行される情報処理方法であって、前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御ステップと、前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶ステップと、前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示ステップとを含む構成を有している。
【0033】
この構成により、第1端末において、第1キャラクタが位置したことがある領域と第2端末の第2キャラクタが位置したことがある領域とを認識可能なマップ画像が提示されるので、第1キャラクタ及び第2キャラクタがそれぞれ位置したことがある領域の視認性が向上する。
【0034】
構成15の情報処理方法は、ゲームを実行可能な端末にて実行される情報処理方法であって、前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、キャラクタの仮想空間における位置を制御する第1制御ステップと、前記キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶ステップと、前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示ステップとを含む構成を有している。
【0035】
この構成により、前回マップ画像を提示してから今回マップ画像を提示するまでの間に第1キャラクタが仮想空間内のどこに位置したかが識別容易となる。
【0036】
構成16の情報処理システムは、同じセッションに参加する第2端末と第1端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行可能な情報処理システムであって、前記ゲームにおいて、前記第1端末の第1ユーザの第1操作入力に基づいて、第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、前記第1キャラクタ、および、前記第2端末の第2ユーザの操作入力に基づいて前記仮想空間内での位置が制御される第2キャラクタのそれぞれが、前記ゲームにおいて前記仮想空間内のどこに位置したかを示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、前記第1ユーザの第2操作入力があった場合、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記第1キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第1領域と、前記第2キャラクタが位置したことのある前記仮想空間の位置に対応する第2領域とを区別可能なマップ画像を提示する提示手段とを備えた構成を有している。
【0037】
この構成により、第1端末において、第1キャラクタが位置したことがある領域と第2端末の第2キャラクタが位置したことがある領域とを認識可能なマップ画像が提示されるので、第1キャラクタ及び第2キャラクタがそれぞれ位置したことがある領域の視認性が向上する。
【0038】
構成17の情報処理システムは、ゲームを実行可能な端末を含む情報処理システムであって、前記端末のユーザの第1操作入力に基づいて、キャラクタの仮想空間における位置を制御する制御手段と、前記キャラクタについて、前記仮想空間における時間毎の位置を示す位置履歴情報を記憶部に記憶させる位置履歴情報記憶手段と、前記ユーザの第2操作入力に基づいて、前記仮想空間に対応するマップ画像であって、前記位置履歴情報に基づいて、前記キャラクタが前記ゲームにおいて過去に位置したことのある場所を視認可能なマップ画像を提示し、前記第2操作入力があった場合、前回の第2操作入力が行われた際に提示された前回マップ画像を前記マップ画像として提示し、続けて、前記前回マップ画像が提示されてから今回の第2操作入力が行われるまでの期間における前記位置履歴情報に基づく今回マップ画像を前記マップ画像として提示する提示手段とを備えた構成を有してる。
【0039】
この構成により、前回マップ画像を提示してから今回マップ画像を提示するまでの間に第1キャラクタが仮想空間内のどこに位置したかが識別容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態の情報処理システムの全体像を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態のゲームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態のゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態の情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態の記憶部に記憶される位置履歴情報のデータ構造を示す表である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態のゲームサーバ、第1端末、及び第2端末の間で同期のために行われる処理のタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態のゲーム画面の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態のログ画面の例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態のマップ画像の他の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態のマップ画像におけるプレイヤキャラクタの位置を示すマークの表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態のマップ画像の一部の例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態の画面提示処理のフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態の未アンベール分布マップ画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0042】
図1は、本発明の実施の形態の情報処理システムの全体像を示す模式図である。情報処理システム100は、サーバ1と、複数の情報処理装置2とを含む。本実施の形態では、情報処理システム100は、ゲームシステムとして応用されており、サーバ1はゲームサーバであり、情報処理装置2はゲーム装置である。ゲーム装置2としての情報処理装置は、ゲーム専用の装置であってもよいし、スマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等の汎用の情報処理装置がゲームプログラムを実行することで構成されてもよい。ゲームサーバ1と、ゲーム装置2とは、インターネット等のネットワーク3を介して通信可能に構成されている。以下の実施の形態において、情報処理システムを利用する者、即ち、ゲームをプレイする者をユーザと呼び、ゲーム内でユーザによって操作されるキャラクタをプレイヤキャラクタと呼ぶ。
【0043】
[ゲームサーバのハードウェア構成]
図2は、本発明の実施の形態のゲームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームサーバ1は、プロセッサ11と、記憶部12と、通信部13とを少なくとも備えている。プロセッサ11は、ゲームサーバ1を制御するための各種プログラムを実行する。記憶部12には、プロセッサ11によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部13は、有線又は無線の通信によってネットワーク3と接続し、ゲーム装置2または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0044】
[ゲーム装置のハードウェア構成]
図3は、本発明の実施の形態のゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置2は、表示部21と、本体22と、コントローラ23とを備えている。表示部21、本体22、及びコントローラ23は、一体的に構成されていてもよいし、互いに有線又は無線で接続されていてもよい。
【0045】
表示部21は、複数の画素が二次元配置され、映像信号に基づいて表示を行う装置である。表示部21は、音声信号に基づいて音声出力を行う機能も有している。表示部21は、本体22と一体となった表示パネル及びスピーカであってよく、あるいは、本体22とは有線で接続されて本体22から映像信号を受けて表示するスピーカ付きモニタ装置(例えば、テレビ受像機)であってよい。
【0046】
本体22は、プロセッサ221と、画像音声出力部222と、記憶部223と、無線通信部224と、コントローラ通信部225とを備えている。記憶部223には、プロセッサ221によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。なお、記憶部223は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0047】
プロセッサ221は、本体22において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ221は、記憶部223に記憶される情報処理プログラム(本実施の形態では、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0048】
無線通信部224は、ゲーム装置2が他の本体22や所定のサーバ装置と無線通信を行う。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。コントローラ通信部225は、本体22がコントローラ23と有線又は無線の通信を行う。画像音声出力部222は、プロセッサ221で生成された映像信号及び音声信号を表示部5に対して出力する。
【0049】
コントローラ23は、縦長の形状のハウジングを有しており、縦長となる向きで把持されることが可能である。当該ハウジングは、縦長となる向きで把持される場合に片手で把持可能な形状および大きさをしている。
【0050】
コントローラ23は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック232を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック232は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック232を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ23は、各種操作ボタンを含むボタン部233を備える。例えば、コントローラ23は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。当該操作ボタンは、例えば、ABXYボタンや、プラスボタン、マイナスボタン、Lボタン、Rボタン等である。
【0051】
また、コントローラ23は、慣性センサ234を備える。具体的には、コントローラ23は、慣性センサ234として、加速度センサ、角速度センサを備えている。本実施の形態においては、加速度センサは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0052】
また、コントローラ23は、上記コントローラ通信部234と有線又は無線通信を行うための通信部231も備える。上記アナログスティック232に対する方向入力内容、ボタン部233の押下状態を示す情報、および、慣性センサ234による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部231へ出力され、本体22に送信される。
【0053】
[ゲームの概要]
次に、本実施の形態で実行されるゲーム処理について説明する。まず、本実施の形態で想定するゲームの概要を説明する。本実施の形態で想定するゲームは、プレイヤキャラクタが海面下の3次元仮想空間(以下、「仮想海中空間」という。)をダイビングによって探索するゲームである。
【0054】
このゲームは、プレイヤキャラクタが仮想海中空間を探索する過程で所定のミッションを遂行することでユーザにポイントを付与し、獲得ポイントによってユーザをランキングするものであってもよいし、あるいは、特定の目的は設定せずに、単にプレイヤキャラクタが仮想海中空間を探索し、探索したログを記録していくものであってもよい。
【0055】
本実施の形態では、ユーザは、ゲームサーバ1が設定したセッションに参加することでゲームに参加することができる。セッションでは、ゲームサーバ1にオンラインで接続された複数のゲーム装置2のユーザが同時に同じ仮想海中空間を探索することが可能である。これに代えて、又は、これに加えて、ユーザは、仮想海中空間を1人で探索するゲームを行うことが可能であってもよい。この場合には、ゲーム装置2は、オフラインでそのようなゲームを実行可能であってよい。
【0056】
図4は、本発明の実施の形態の情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。上述のように、情報処理システムとしてのゲームシステム100は、ゲームサーバ1と複数のゲーム装置2とを備えている。
図4では、2つのゲーム装置2が示されている。以下では、ゲームシステム100を構成する複数のゲーム装置2のうちの任意の1つを第1端末ともいい、第1端末とは別の任意のゲーム装置2を第2端末ともいう。ゲームシステム100は、同じセッションに参加する第1端末と第2端末との間でゲーム状況が同期されるゲームを実行する。
【0057】
ゲームサーバ1は、第1端末と第2端末との間のゲーム状況の同期のための処理を行う同期部51と、第1端末及び第2端末とそれぞれ通信を行うための通信部52とを備えている。なお、同期部51は、
図2のプロセッサ11が所定のプログラムを実行して記憶部12を用いて動作することで構成され、通信部52は、
図2の通信部13に相当する。
【0058】
各ゲーム装置2は、通信部41と、同期部42と、操作受付部43と、制御部44と、記憶部45と、位置履歴情報記憶部46と、表示部47と、提示部48とを備えている。これらの機能は、
図3のプロセッサ221が本実施の形態の情報処理プログラムとしてのゲームプログラムを実行することで
図3に示したハードウェアと協働して構成される。ゲームプログラムは、非一時的記憶媒体に記憶されてよく、非一時的記憶媒体から読み出されてゲーム装置2にインストールされてよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置2がネットワークを通じてサーバからダウンロードすることでゲーム装置2にインストールされてよい。
【0059】
なお、ゲーム装置2の構成は、すべて同一の装置に備えられている必要はなく、複数の装置に分散されていてよく、その場合に当該複数の装置が互いに有線又は無線の通信を行うことで以下に説明する機能が構成されてよい。以下では、第1端末としてのゲーム装置2の機能について説明する。
【0060】
通信部41は、
図3に示した無線通信部224に対応する構成であって、ゲームサーバ1との間で、有線又は無線による通信を行って各種の情報を送受信する。特に、通信部41は、第1端末のプレイヤキャラクタ(以下、第1キャラクタという。)がどこに位置したかを示す位置履歴情報(以下、第1位置履歴情報という。)をゲームサーバ1に送信し、第2端末のプレイヤキャラクタ(以下、第2キャラクタという。)がどこに位置したかを示す位置履歴情報(以下、第2位置履歴情報という。)をゲームサーバ1から受信する。
【0061】
操作受付部43は、ユーザによるアナログスティック232、ボタン部233、慣性センサ234に対する操作を電気信号として受け付ける。制御部44は、ゲームにおいて、第1端末のユーザ(以下、第1ユーザという。)による第1キャラクタを移動させるための操作入力(具体的には、ジョイスティック232に対する操作)に基づいて、当該第1キャラクタの仮想空間における位置を制御する。
【0062】
位置履歴情報記憶部46は、第1位置履歴情報及び第2位置履歴情報を記憶部45に記憶させる。第1位置履歴情報は、制御部44における第1キャラクタの位置の履歴であり、制御部44から取得する。第2位置履歴情報は、第2キャラクタの位置の履歴であり、通信部41を介して取得する。このために、同期部42は、同じセッションに参加する第2端末との間でゲーム状況を同期する。具体的には、同期部42は、通信部41を介して、ゲームサーバ1に対して第1位置履歴情報をゲームサーバ1に送信し、ゲームサーバ1から第2位置履歴情報を受信する。
【0063】
図5は、本発明の実施の形態の記憶部に記憶される位置履歴情報のデータ構造を示す表である。位置履歴情報は、各ユーザのキャラクタについての仮想海中空間における時間毎の位置を示す情報を含む情報である。本実施例では、一例として、記憶部45に記憶される位置履歴情報の各レコードは、ユーザIDと、当該ユーザのキャラクタが位置した領域の領域番号と、当該領域に進入した時刻の情報を含む。なお、他の例では、ユーザIDと、当該ユーザのキャラクタが各単位時間において位置した仮想海中空間における座標を含んでいてもよい。
【0064】
ここで、仮想海中空間は平面方向に複数の単位領域に区画されている。仮想海中空間の広さは例えば500m×500mであってよく、単位領域の大きさは例えば10m×10mであってよい。すなわち、仮想海中空間は(50×50=)2500個の単位領域に区画されてよい。各単位領域には領域番号が付与されており、位置履歴情報はこの領域番号で踏破(進入)した領域が示されている。
【0065】
また、進入時刻は、当該国の現実の日時であってもよいが、本実施の形態では、セッション開始時刻を基準として、セッション開始からの経過時間で進入時刻を表している。ユーザは、セッションが開始時からセッションに参加することも可能であるが、セッションが開始した後に途中からセッションに参加することも可能である。また、各ユーザはセッションに参加した際には、仮想海中空間におけるランダムに抽選された位置からゲームを開始する。よって、時刻0:00において各プレイヤキャラクタが位置する領域は一般的には異なっている。
【0066】
図6は、本発明の実施の形態のゲームサーバ、第1端末、及び第2端末の間で同期のために行われる処理のタイミングチャートである。第1端末で移動制御が行われて、その結果、現在位置の単位領域とは異なる(隣接する)単位領域に進入すると(ステップS11)、位置履歴情報記憶部46が、当該新たに進入した単位領域の領域番号とその時刻を位置履歴情報として記憶部45に記憶するとともに(ステップS12)、第1端末のユーザID、進入した単位領域の領域番号、単位領域に進入した時刻を含む当該位置履歴情報をゲームサーバ1に送信する。
【0067】
ゲームサーバ1では、同期部51が、通信部52を介して第1端末から送信されてきた位置履歴情報を受信して(ステップS21)、所定のタイミングで、セッションに参加しているすべての端末(第2端末を含む)に、受信した位置履歴情報を配信する(ステップS22)。なお、本実施の形態では、ゲームサーバ1から定期的に各端末に位置履歴情報を配信することとしているが、これとは逆に各端末から定期的にゲームサーバ1にアクセスしてゲームサーバ1で保存されている位置履歴情報を取得するようにしてもよい。
【0068】
第2端末では、同期部42が、通信部41を介してゲームサーバ1から位置履歴情報を受信して(ステップS31)、位置履歴情報記憶部46が、この位置履歴情報を記憶部45に記憶する(ステップS32)。これにより、記憶部45において、
図5に示した位置履歴情報のレコードが新たに追加される。
【0069】
第2端末において、第2キャラクタが現在の位置から隣接する単位領域に進入する移動制御が行われた場合には(ステップS33)、この進入した単位領域について、位置履歴情報記憶部46が記憶部45に位置履歴情報を記録するとともに(ステップS34)、この位置履歴情報をゲームサーバ1に送信する。
【0070】
ゲームサーバ1では、第1端末から位置履歴情報を受信した場合と同様に、同期部51が、通信部52を介して第2端末から送信されてきた位置履歴情報を受信して(ステップS23)、所定のタイミングで、セッションに参加しているすべての端末(第1端末を含む)に、受信した位置履歴情報を配信する(ステップS24)。
【0071】
また、第1端末においても、上述した第2端末の処理と同様に、同期部42が、通信部41を介してゲームサーバ1から位置履歴情報を受信して(ステップS13)、位置履歴情報記憶部46が、この位置履歴情報を記憶部45に記憶する(ステップS14)。これにより、記憶部45において、
図5に示した位置履歴情報のレコードが新たに追加される。
【0072】
なお、
図6では、第1キャラクタの位置履歴情報が第2端末を含む他の端末に共有される処理(ステップS11からステップS32まで)の後に、第2キャラクタの位置履歴情報が第1端末を含む他の端末に共有される処理(ステップS33からステップS14まで)の順で動作する例を説明したが、これらの処理はこの順でなくてもよく、それぞれが任意のタイミングで実行される。また、ゲームサーバ1から複数の端末に位置履歴情報を配信する処理は定期的にされる。よって、ゲームサーバ1は、位置履歴情報を配信するインターバルに複数の端末から位置履歴情報を取得して、すべての端末で共有すべき位置履歴情報を蓄積し、配信のタイミングで複数の端末から取得した位置履歴情報をすべての端末に配信する。
【0073】
表示部47は、ゲーム画面及びログ画面を切り替えて表示する。ゲーム画面では、第1キャラクタ視点の画像又は第1キャラクタの背後の仮想カメラによる画像(第1キャラクタを含む画面)である。ログ画面は、セッションが実行されている仮想海中空間を平面的に見たマップ画像を含む。表示部47は、提示部48が提示する画像を表示する。表示部47は、
図3に示す表示部21に相当する。
【0074】
提示部48は、表示部47で表示する画像を作成して、表示部47に対して作成した画像を提示する。本実施の形態では、特に、提示部48は、第1ユーザによるログ画面を表示するための操作(具体的には、所定のボタン部233を押下する操作)があった場合に、仮想海中空間に対応するマップ画像を含むログ画面を提示する。提示部46は、記憶部45に記憶された第1位置履歴情報及び第2位置履歴情報を参照して、マップ画像を生成する。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態のゲーム画面の例を示す図である。ゲーム画面70には、海中仮想空間を泳ぐ第1キャラクタ71が画面中央に表示されており、第1キャラクタ71の後方の仮想カメラの撮影画像としての画角を有する。また、ゲーム画面70では、仮想海中空間において第1キャラクタ71の周囲の地形72、及びそこにいる生物73や第2キャラクタ(他のプレイヤキャラクタ)74が含まれる。なお、ゲーム画面70には、画面内の場所、生物、第2キャラクタに関する種々の情報が表示されてよい。なお、ゲーム画面には、第1キャラクタの一人称視点の画像が表示されてもよい。
【0076】
図8は、本発明の実施の形態のログ画面の例を示す図である。ログ画面60は、マップ画像61と、情報表示ウィンドウ62とを含んでいる。マップ画像61の周囲には、ユーザID63、シェアラーの情報の表示の有無を示す表示内容64、地形パーツやそこにいる生物等に対するプレイヤキャラクタによる所定のアクション(本実施の形態では、プレイヤキャラクタによる、海中にいる生物が纏っているバクテリアを剥がして調査するアクション)が行われた領域の割合を示すアンベール率65、及び第1キャラクタ又は第2キャラクタのいずれかが踏破した領域の割合を示す踏破率66が表示されている。
図8に示すように、マップ画像61には、海水面(海抜0m)の輪郭を含む等高線が示されており、等高線で囲まれる領域は、その深さに応じた色に着色されている。なお、「シェアラー」とは、ゲームにおける情報を第1ユーザと共有する第2ユーザのことをいう。
【0077】
図9は、本発明の実施の形態のマップ画像の他の例を示す図である。
図9のマップ画像61は、仮想海中空間全体のマップを示している。このように、ユーザは、ボタン部233の所定のボタンを操作することで、ログ画面60において、マップ画像61として、仮想海中空間の全体を示すマップを表示するか、第1キャラクタが位置する周辺の拡大マップを表示するかを切り替えることが可能である。また、ユーザは、ボタン操作部23の所定のボタンを操作することで、ログ画面60において、情報表示ウィンドウ62に表示する情報を切り替えることができる。情報表示ウィンドウ62では、表示カテゴリとして、ダイビングログのほか、シェアラー、ランキングが設けられている。
【0078】
図10は、本発明の実施の形態のマップ画像におけるプレイヤキャラクタの位置を示すマークの表示例を示す図である。マップ画像61では、第1キャラクタの位置が矢じりマーク611で表示される。矢じりマーク611の前方には、第1キャラクタの向いている方向に広がる三角形612が示されている。
【0079】
提示部48は、マップ画像61の表示をする際には、マップ画像61の表示を開始した直後に、第1キャラクタの当該マップ画像内での位置を視認しやすいように、第1キャラクタの位置を示すポジションアイコンとして矢じりマーク611をアニメーション表示する。提示部48は、マップ画像61を表示した直後には、
図10(a)に示すように、第1キャラクタの位置を示す矢じりマーク611を拡大して表示する。提示部48は、その後、矢じりマーク611の大きさを徐々に小さくしていき、
図10(b)に示すように、本来の大きさに戻す。提示部48は、さらにその後に、
図10(c)に示すように、矢じりマーク611の周りにソナーレーダのような発光体エフェクト613をアニメーション表示する。
【0080】
このような、提示部48が、マップ画像61の表示開始の際に、第1キャラクタの位置を示す矢じりマーク611を拡大するアニメーション表示をするとともに、その後の発光体エフェクト613をアニメーション表示するので、マップ画像61を表示した際に、第1キャラクタの位置が瞬間的に視認でき、その後も継続して容易に第1キャラクタの位置を視認できる。
【0081】
図11は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。マップ画像61に表示される情報はセッションに参加しているすべてのキャラクタに共有されるパブリック情報と第1キャラクタ又はそのシェアラーからしか受取らないプライベート情報とに分けられる。プライベート情報には、例えば、第1キャラクタのポジションアイコンである矢じりマーク611、シェアラーのポジションアイコン615、エモートアイコン616、シェアラーがマークした生物又はポイントのアイコン617等が含まれる。また、パブリック情報には、例えば、第1キャラクタとそのシェアラーのアンノウンパルス所在情報が含まれる。また、第1キャラクタの移動の軌跡613もマップ画像61に表示される。
【0082】
なお、
図8では、詳細は図示を省略しているが、情報表示ウィンドウ62には、ログ情報として、プライベートのログ情報とパブリックのログ情報とが表示される。プライベートのログ情報には、シェアラーがセッションに復帰したこと、シェアラーがセッションからの離脱したこと、シェアラーが生物にマーキング(シェア)したこと、シェアラーが座標にマーキング(シェア)したこと、シェアラーのサルベージ情報、ミッション報酬分配ログ等が含まれる。また、パブリックのログ情報には、メインミッション関連ログ、マップ踏破率情報、アンベール率情報、その他システムからのアナウンス等が含まれる。
【0083】
図12は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。提示部48は、記憶部45に記憶された位置履歴情報に基づいて、第1キャラクタが位置したことのある仮想海中空間の位置に対応する本人踏破領域と、第2キャラクタが位置したことのあるが第1キャラクタが位置したことがない仮想海中空間の位置に対応する他人踏破領域と、セッションに参加しているどのプレイヤキャラクタも位置したことのない仮想海中空間の位置に対応する未踏破領域を区別可能なマップ画像を提示する。具体的には、提示部48は、本人踏破領域を第1の表示態様とし、他人踏破領域を第2の表示態様とし、未踏破領域を第3の表示態様となるようにマップ画像を提示する。
【0084】
図12の例では、未踏破領域には仮想海中空間の地表を隠すマスクが重畳されており(第3の表示態様)、マップ画像では未踏破領域の地形等の情報を視認できないようにされている。また、
図12の例のマップ画像では、他人踏破領域については、地形等の情報を視認できるが透過性を有するマスクが重畳されている(第2の表示態様)。本人踏破領域については、マスクはされておらず(第1の表示態様)、地形等の情報を視認できる。
【0085】
なお、他人踏破領域について、マスクをする代わりに、モノトーン表示(第2の表示態様)として、フルカラー表示(第1の表示態様)の本人踏破領域と区別可能にしてもよい。すなわち、未踏破領域のマスクパネルは透過性を有さず、他人踏破領域のマスクは地形を確認できるが、本人踏破領域と比較して色情報を少なくしてよい。なお、マップ画像では、第1キャラクタのみが位置したことがある領域と第1キャラクタ及び第2キャラクタが位置したことがある領域とは特に区別することなく、いずれも本人踏破領域としてマスクのないフルカラー表示としている。
【0086】
図12の例では、マスクは、10m×10mの単位領域ごとに、マップ画像にマスクパネルを重畳することで行われ、単位領域にプレイヤキャラクタが進入した場合には、当該単位領域は踏破領域に変更されることになる。ゲームが進行するにつれて、第1キャラクタ及び第2キャラクタが仮想海中空間の新たな領域に位置すると、徐々に踏破領域が拡大していくことになる。提示部48は、マップ画像を表示している際にも、このような更新があればマップ画像を更新する。
【0087】
また、提示部48は、ゲーム画面70又はログ画面60を表示している際に、第1キャラクタと第2キャラクタとが仮想海中空間において位置したことのある領域の広さを示すパラメータが所定の条件を満たす場合に、第1キャラクタの第1ユーザと第2キャラクタの第2ユーザに通知を提示する通知提示手段としての機能を有する。
【0088】
具体的には、提示部48は、例えば、仮想海中空間の広さに対する踏破領域の広さの割合である踏破率が5%増加するごとに、その旨の通知を提示してよい。また、提示部48は、第1キャラクタの本人踏破領域が5%増加するごとにその旨の通知を提示してよい。第2キャラクタについても同様に、第2キャラクタの本人踏破率が5%増加するごとにその旨の通知をしてよい。また、そのような第2キャラクタをシェアラーに限定して、上述の通知を行ってもよい。
【0089】
図13は、本発明の実施の形態のマップ画像の例を示す図である。
図13を参照して、ゲーム画面からログ画面に切り替わった際のマップ画像の表示の方法について説明する。ゲーム画面が表示されている状態で第1ユーザが画面をログ画面60に切り替えるための所定のボタン操作を行うと、操作受付部43がこの操作を受け付ける。提示部48は、この操作に基づいて、マップ画像を含むログ画面60を提示する。このログ画面60において、提示部48は、記憶部45から位置履歴情報を読み出して、この位置履歴情報に基づいて、
図12に示すように本人踏破領域、他人踏破領域、未踏破領域を区別するマップ画像を提示する。
【0090】
このとき、提示部48は、まず
図13(a)に示すように、前回のログ画面表示操作が行われた際に提示されたマップ画像(以下、前回マップ画像という。)をマップ画像として提示し、その後、
図13(b)及び(c)に示すように、前回マップ画像が提示されてから今回のログ画面表示操作が行われるまでの期間における位置履歴情報の更新内容に基づくアニメーションを経て最新のマップ画像(以下、今回マップ画像という。)を提示する。
図13の例では、
図13(b)において、前回マップ画像から今回マップ画像の間に更新された単位領域については、マスクパネルを強調表示して(
図13(b)では太枠で示している)、その後、
図13(c)に示すように、マスクを除去又は変更する。
【0091】
このために、提示部48は、前回マップ画像を表示した時刻を記憶している。マップ画像を表示しているときにもマップ画像を更新する場合には、前回マップ画像を閉じた時刻を記憶している。そして、提示部48は、まず前回マップ画像を表示して(
図13(a)参照)、
図5に示す記憶部45の位置履歴情報を参照して、前回の時刻から現在時刻までの間に新たに更新された内容を抽出して、その更新内容に応じてアニメーションを提示して(
図13(b)参照)、最終的に、最新の位置履歴情報を反映した今回マップ画像を提示する(
図13(c)参照)。このとき、
図13(c)に示すように、マスクの変更及び除去のアニメーション処理は、左上の単位領域から右に向けて順に、かつ、下の行に向けて順に行われる。なお、マスクの変更及び除去のアニメーション処理は、キャラクタが踏破した単位領域の順番で行われてもよく、あるいは、アニメーション処理を行わずにすべての更新される単位領域を同時に更新してもよい。
【0092】
図14は、本発明の実施の形態のマップ画像の一部の例を示す図である。
図14を参照して、前回マップ画像から漸次的に今回マップ画像を提示するアニメーションについて詳細に説明する。
図14において、単位領域81は、前回は未踏破領域であり、今回本人踏破領域に更新された領域であり、単位領域82は、前回は未踏破領域であり、今回他人踏破領域に更新された領域であり、単位領域83は、前回は他人踏破領域であり、今回本人踏破領域に更新された領域である。
【0093】
単位領域81は、前回マップ画像において透過性を有しないマスクパネルによってマスクされている(
図14(a)参照)。その後、マスクパネルが強調表示されて(
図14(b)参照)、マスクパネルが破壊されるアニメーションが表示され(
図14(c)参照)、今回マップ画像においてマスクパネルが除去される(
図14(d)参照)。単位領域82は、前回マップ画像において透過性を有しないマスクパネルによってマスクされている(
図14(a)参照)。その後、マスクパネルが強調表示されて(
図14(b)参照)、マスクパネルが漸次的に半透明化していき(
図14(c)参照)、今回マップ画像において透過性を有するマスクパネルによってマスクされる。単位領域83は、前回マップ画像において透過性を有するマスクパネルでマスクされている(
図14(a)参照)。その後、マスクパネルが強調表示されて(
図14(b)参照)、マスクパネルが漸次的に薄くなっていき(
図14(c)参照)、今回マップ画像においてマスクパネルが除去される(
図14(d)参照)。
【0094】
図15は、本発明の実施の形態の画面提示処理のフローチャートである。画面提示処理は、第1端末で実行される。まず、同期部42は、同期処理を行う(ステップS41)。同期処理では、第1位置履歴情報をゲームサーバ1に送信し、かつ、ゲームサーバ1から第2位置履歴情報を取得して、記憶部45に記憶する。次に、操作受付部43において、第1キャラクタを移動させるための移動操作が入力されたか否かを監視し(ステップS42)、移動操作が入力されない場合には(ステップS42にてNO)、ステップS41に戻って同期を繰り返す。
【0095】
移動操作があった場合には(ステップS42にてYES)、制御部44は、移動操作に応じて第1キャラクタの移動制御を行う(ステップS43)。位置履歴情報記憶部46は、移動制御に対応して第1位置履歴情報を記憶部45に記憶させる(ステップS44)。次に、操作受付部43において、ログ画面60を表示するためのログ画面表示操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS45)。ログ画面表示操作がない場合には(ステップS45にてNO)、ステップS41に戻って上述の処理を繰り返す。
【0096】
ログ画面表示操作があった場合には(ステップS45にてYES)、提示部48は、ログ画面60を提示する(ステップS46)。このとき、マップ画像については、上記のようにして前回マップ画像から今回マップ画像への差分(更新内容)を反映したアニメーションを表示する。マップ画像61を含むログ画面60を表示している間にも、同期部42は同期を継続する(ステップS47)。そして、操作受付部43は、画面をログ画面60からゲーム画面70に切り替えるためのゲーム画面表示操作を受け付けたか否かを監視する(ステップS48)。
【0097】
ゲーム画面表示操作を受け付けない場合には(ステップS48にてNO)、ステップS46に戻って、提示部48は、ログ画面60の提示を継続する。ゲーム画面表示操作を受け付けた場合には(ステップS48にてYES)、提示部48が、ゲーム画面70を提示して(ステップS49)、ステップS41に戻って上述の処理を繰り返す。
【0098】
以上のように、本実施の形態の情報処理システム100によれば、複数のゲーム装置2のプレイヤキャラクタが同一のセッションに参加するゲームにおいて、各ゲーム装置2では、自らのキャラクタが位置したことのある領域と他のキャラクタが位置したことがある領域とを区別して視認可能なマップ画像が提示されるので、それぞれの領域の視認性を向上できる。
【0099】
また、本実施の形態の情報処理システム100では、ログ情報としてのマップ画像を提示する際に、前回提示されたマップ画像(前回マップ画像)を提示した後に、今回提示するマップ画像(今回マップ画像)を提示するので、前回マップ画像の提示から今回マップ画像の提示までの期間に自らのキャラクタ及び他のキャラクタが位置したことがある領域を認識できる。
【0100】
なお、上記の実施の形態の情報処理システム100では、仮想空間として仮想海中空間が提供されるが、これに限らず、仮想空間は地上又は空中の仮想空間であってもよい。また、上記の実施の形態では、情報処理システム100は、ゲームシステムとしてゲームを実行するなかで、仮想空間及びそのマップ画像を提示したが、情報処理システム100は、ゲームに応用されるものに限られず、例えば、車両、ドローン等の移動体の運転シミュレーションを実行するシステムであってもよい。
【0101】
また、上記の実施の形態では、仮想空間は3次元空間として提供される一方、位置履歴情報は、2次元の単位領域で示され、ログ画面60では高さ(深さ)方向の情報を有しない平面のマップ画像61が提示された。位置履歴情報記憶部46は、プレイヤキャラクタが単位領域のいずれかの高さに位置すれば、当該プレイヤキャラクタが当該単位領域に位置している(進入した)と判断して上記の処理を行う。
【0102】
踏破率66及びアンベール率65(
図8参照)を求める際には、以下のようにして踏破可能な単位領域の数(踏破率を求める際の母数)を決定してよい。すなわち、ランダムに選択された複数の既存の地形パーツをランダム選択された深さで組み合わせることで、セッションごとに3次元仮想空間が生成される場合において、各地形パーツごとに決められた単位領域の最大数を算出する。例えば、1つの地形パーツが100m×100mの広さを有し、かつ、単位領域が10m×10mである場合には、この地形パーツの単位領域の最大数は10×10=100個と算出される。
【0103】
そして、例えば5mごとに沈めた場合の進入(踏破)できる単位領域の数を決定する。例えば、地上に出ている単位領域については、進入不可能である。この場合の進入可能であるか不可能であるかは、実際にキャラクタを移動させて進入できた領域をカウントする計測機能によって判断してもよい。この計測機能を利用することで、ランダムに選択された複数の既存の地形パーツをランダムに選択された深さで組み合わせることで生成された3次元仮想空間においても、進入可能な単位領域を正確にカウントできる。
【0104】
このように、ランダムに生成された3次元仮想空間において、地形パーツの高さ(深さ)から進入可能な単位領域の数を求めることができるので、3次元仮想空間を構成する複数の地形パーツについてそのような進入可能な単位領域の数を足し合わせた数を当該セッションの進入可能な単位領域の総数として決定できる。
【0105】
洞窟などの二次元的に見たら地上とみられる領域であっても、その下を通過して中央の湖に移動したりすることが可能である場合もある。このような場合にも、上記の計測機能を用いた計測方法であれば、実際に進入可能な単位領域の数をカウントできる。なお、この計測機能を利用せずに、人がカウントすることで進入可能な単位領域の数を求めてもよい。
【0106】
また、上記の実施の形態では、提示部48は、ログ情報としてマップ画像61を提示し、このマップ画像61では、3次元仮想空間の地形が示されたが、提示部48は、このマップ画像61に加えて、未アンベール分布マップ画像を提示可能であってよい。未アンベール分布マップ画像は、単位領域ごとに、まだアンベールされていない生物の多さを可視化したマップ情報である。
【0107】
図16は、本発明の実施の形態の未アンベール分布マップ画像の例を示す図である。未アンベール分布マップ画像91では、単位領域ごとに、未アンベール生物の多さが色で表現されている。
図16の例では、未アンベール分布マップ画像がモノクロで表示されており、色が薄いほど未アンベール生物が多いことを表している。なお、未アンベール分布マップ画像をカラー表示して、単位領域ごとに、未アンベール画像が多いほど赤色表示し、未アンベール生物が少ないほど青色表示をしてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 サーバ(ゲームサーバ)
2 情報処理装置(ゲーム装置)
3 ネットワーク
11 プロセッサ
12 記憶部
13 通信部
21 表示部
22 本体
23 コントローラ
41 通信部
42 同期部
43 操作受付部
44 制御部
45 記憶部
46 位置履歴情報記憶部
47 表示部
48 提示部
51 同期部
52 通信部
60 ログ画面
61 マップ画像
62 情報表示ウィンドウ
63 ユーザID
64 表示内容
65 アンベール率
66 踏破率
70 ゲーム画面
71 第1キャラクタ
72 地形
73 生物
74 第2キャラクタ
81~83 単位領域
91 未アンベール分布マップ画像
100 情報処理システム(ゲームシステム)
221 プロセッサ
222 画像音声出力部
223 記憶部
224 無線通信部
225 コントローラ通信部
231 通信部
232 アナログスティック
233 ボタン部
234 慣性センサ