(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008287
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】電気計器用結線器
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20250109BHJP
G01R 21/00 20060101ALI20250109BHJP
G01R 1/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R21/00 R
G01R1/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110303
(22)【出願日】2023-07-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】390031196
【氏名又は名称】日本電気計器検定所
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 英昭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 功
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 和貴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕佑
(72)【発明者】
【氏名】橘 朋美
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA28
2G036BA30
2G036CA09
(57)【要約】
【課題】電気計器の端子と結線器の接触子との実質的な接触面積を増加させることが可能な、電気計器用結線器を提供する。
【解決手段】電気計器用結線器10は、電気計器50を試験装置に接続することにより性能試験を行うものである。電気計器用結線器10は、電気計器50の端子52a、52dが接触する接触子20と、端子52a、52dを接触子20に向けて押圧する押圧部材31と、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる摺動機構40と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記端子を前記接触子に向けて押圧する押圧部材と、
前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【請求項2】
前記端子にネジが設けられ、前記接触子は、前記ネジを収容するネジ収容部を有する、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項3】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して所定量回転させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項4】
前記接触子が回転する際の回転軸は、平面視で前記端子の外周縁よりも内側に位置する、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項5】
前記接触子は、接触子ピン部を有し、
前記摺動機構は、切欠部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記回転用ブロックの前記切欠部に、前記接触子の前記接触子ピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項6】
前記接触子は、接触子切欠部を有し、
前記摺動機構は、回転用ブロックピン部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記接触子の前記接触子切欠部に、前記回転用ブロックの前記回転用ブロックピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項7】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して直動させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項8】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記接触子を前記端子に向けて押圧する押圧機構と、
前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試験装置を用いて、電力量計が所定の規格を満たしているかを検査する性能試験が行われている。このような性能試験を行う場合、測定する電力量計毎に、試験装置の電源側の接続導線と電力量計の各外部端子とを結線する必要がある。この場合、試験装置の電源側の接続導線と電力量計の各外部端子とは、例えば検定試験台に設けられた結線器を介して互いに接続される。
【0003】
また従来、電力量計と試験装置との間の結線作業を自動で行う自動結線器が実用化されている。このような結線器として、例えば、筐体の一面から外方へ突出する端子を有する電力量計と、試験装置とを接続する結線器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、電気計器の端子の表面にはメッキ処理や加工による微細な凹凸や酸化被膜が生じている場合がある。また、結線器の接触子には経年変形等に起因する凹凸が生じている場合もある。このため、結線器の接触子を電気計器の端子に押し当てて接触させたとき、電気計器の端子と結線器の接触子との実質的な接触面積が低下するおそれがある。この場合、結線器の接触子を電気計器の端子に押し当てて電流を流したとき、端子と接触子との間に過剰な熱が発生するおそれがある。
【0006】
本開示は、電気計器の端子と結線器の接触子との実質的な接触面積を増加させることが可能な、電気計器用結線器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[8]に関する。
【0008】
[1]電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、前記電気計器の端子が接触する接触子と、前記端子を前記接触子に向けて押圧する押圧部材と、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【0009】
[2]前記端子にネジが設けられ、前記接触子は、前記ネジを収容するネジ収容部を有する、[1]に記載の電気計器用結線器。
【0010】
[3]前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して所定量回転させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、[1]又は[2]に記載の電気計器用結線器。
【0011】
[4]前記接触子が回転する際の回転軸は、平面視で前記端子の外周縁よりも内側に位置する、[3]に記載の電気計器用結線器。
【0012】
[5]前記接触子は、接触子ピン部を有し、前記摺動機構は、切欠部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、前記回転用ブロックの前記切欠部に、前記接触子の前記接触子ピン部が遊嵌されている、[3]又は[4]に記載の電気計器用結線器。
【0013】
[6]前記接触子は、接触子切欠部を有し、前記摺動機構は、回転用ブロックピン部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、前記接触子の前記接触子切欠部に、前記回転用ブロックの前記回転用ブロックピン部が遊嵌されている、[3]又は[4]に記載の電気計器用結線器。
【0014】
[7]前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して直動させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、[1]に記載の電気計器用結線器。
【0015】
[8]電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、前記電気計器の端子が接触する接触子と、前記接触子を前記端子に向けて押圧する押圧機構と、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、電気計器の端子と結線器の接触子との実質的な接触面積を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による電気計器用結線器の全体を示す斜視図。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態による電気計器用結線器を示す斜視図であって、便宜上、一部の部材を取り除いた状態を示す図。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧部材が上昇位置にあり、摺動機構が基準位置にある図。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧部材が下降位置にあり、摺動機構が基準位置にある図。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧部材が下降位置にあり、摺動機構が摺動位置にある図。
【
図7】
図7は、接触子と端子との接触状態を示す概略断面図。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態の第1の変形例による電気計器用結線器の一部を示す斜視図。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態の第2の変形例による接触子及び摺動機構を示す斜視図。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧機構が下降位置にあり、摺動機構が基準位置にある図。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧機構が上昇位置にあり、摺動機構が基準位置にある図。
【
図12】
図12は、第2の実施の形態による電気計器用結線器を簡素化して示す斜視図であって、押圧機構が上昇位置にあり、摺動機構が摺動位置にある図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、
図1乃至
図9を参照して説明する。以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
【0019】
図1は、本実施の形態による電気計器用結線器10の全体を示す斜視図である。電気計器用結線器10には、電気計器50が装着される。電気計器用結線器10には、電気計器50を図示しない試験装置に接続することにより、電気計器50の性能試験を行うものである。このような電気計器用結線器10は、接触子20と、押圧部材31と、摺動機構40と、を備えている。接触子20は、電気計器50の端子52a、52dに接触する。押圧部材31は、電気計器50の端子52a、52dを接触子20に向けて押圧する。摺動機構40は、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる。
【0020】
電気計器用結線器10に装着される電気計器50は、電力を積算して計量する電力量計であっても良い。具体的には、電気計器50は、単相2線式の電力量計であっても良い。
【0021】
本明細書中、「X方向」とは、端子52a~52dの主たる面内で、端子52a~52dの延伸方向に直交する方向をいう。「Y方向」とは、端子52a~52dの延伸方向に平行な方向をいう。「Z方向」とは、端子52a~52dの主たる面の法線方向であって、X方向及びY方向の両方に直交する方向をいう。「Z方向」は、鉛直方向に平行であっても良い。
【0022】
電気計器50は、ケース51と、4本の板状の端子52a~52dとを有している。端子52a~52dは、それぞれケース51の一面51aから外方へ突出する。4本の端子52a~52dは、それぞれ、1S端子52a、2S端子52b、2L端子52c、及び1L端子52dから構成されている。4本の端子52a~52dは、横方向(X方向)に並んで配置されている。端子52a~52dには、それぞれネジ53が設けられている。具体的には、端子52a~52dに、それぞれネジ53用の開口が形成され、各開口にネジ53が緩挿されている。ネジ53は、端子52a~52dを各需要者側の端子に取り付ける際に、端子52a~52dが当該端子から脱落することを抑制する。なお、端子52a~52dには、必ずしもネジ53が設けられていなくても良い。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態による電気計器用結線器10は、電気計器50が装着される結線器本体11を有する。結線器本体11には、一対のガイド部12が取り付けられている。一対のガイド部12は、電気計器50を電気計器用結線器10に装着する際に、電気計器用結線器10の側面を案内する。また結線器本体11には、ベース15が固定されている。結線器本体11には、更に、後述する第1シリンダ42、第2シリンダ36、ガイドピン45等が固定されている。
【0024】
図2は、電気計器用結線器10を示す斜視図であって、便宜上、結線器本体11、ガイド部12等の一部の部材を取り除いた状態を示す図である。
図3は、接触子20を拡大して示す斜視図である。
図4は、電気計器用結線器10を更に簡素化して示す斜視図である。
図2及び
図4において、電気計器50が電気計器用結線器10に装着されている。このとき、押圧部材31は上昇位置(非押圧位置)にあり、押圧部材31は端子52a、52dから離間している。また摺動機構40は、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる前の状態(基準位置)にある。
【0025】
図2及び
図3に示すように、接触子20は、一対設けられており、それぞれ1S端子52aと1L端子52dとに対応する。各接触子20は、側面視でL字状の導電性の部材からなる。接触子20は、アーム21と、軸形成部22と、接触子ピン部23とを有する。アーム21は、棒状の部材からなる。軸形成部22は、アーム21の先端から下方に延びる。軸形成部22の下部には接触子20が回転する際の回転軸を構成する回転軸部材24が位置している。回転軸部材24は、ベース15に設けられたベース開口15a内で回動自在に保持されている。接触子20は、回転軸部材24を中心に回転可能である。接触子20が回転する際の回転軸は、平面視で端子52a、52dの外周縁よりも内側に位置する。この回転軸は、平面視でネジ53に重なっても良い。本明細書中、「平面視」とは、端子52a、52dの主たる面の法線方向から見た状態をいう。
【0026】
接触子ピン部23は、アーム21の基端から下方に延びる。接触子ピン部23は、アーム21に固定されている。接触子ピン部23は、後述する回転用ブロック41の切欠部43内に遊嵌されている。回転用ブロック41がX方向にスライドすることにより、回転用ブロック41に案内されて接触子ピン部23がX方向に移動する。これにより、接触子20は、回転軸部材24を中心に回転し、基準位置(
図4、
図5)から摺動位置(
図6)へ移動することができる。
【0027】
図3に示すように、接触子20は、その先端にネジ53を収容するネジ収容部25を有する。ネジ収容部25は、軸形成部22の上面側に形成されている。接触子20の先端は、平面視でU字形状を有する。ネジ収容部25は、凹部であるが、開口部であっても良い。電気計器50を電気計器用結線器10に装着したとき、ネジ53は、接触子20に接触しないようにネジ収容部25内に収容される。これにより、接触子20が回転する際に、ネジ53と接触子20とが干渉しないようになっている。
【0028】
図2に示すように、押圧部材31は、一対設けられている。一対の押圧部材31は、それぞれ1S端子52aと1L端子52dとに対応する。各押圧部材31は、細長い導電性の部材からなる。押圧部材31は、接触子20の上方に位置し、接触子20及び端子52a、52dに対して上昇及び下降する。押圧部材31は、その下面に、ネジ53の頭部を収容する頭部収容凹部37を有する。
【0029】
押圧部材31は、押圧部材支持ブロック32に支持されている。押圧部材支持ブロック32のX方向両端は、それぞれシャフト33の上端に固定されている。シャフト33は、リニアブッシュ34内に挿入され、リニアブッシュ34内で上下方向(Z方向)に摺動可能となっている。リニアブッシュ34は、結線器本体11(
図1参照)に固定されている。シャフト33の下端は、それぞれ支持バー35の長手方向端部に固定されている。さらに支持バー35は、その長手方向中心において、第2シリンダ36(第2駆動機構)のロッドに固定されている。第2シリンダ36のロッドが出没することにより、支持バー35、シャフト33、及び押圧部材支持ブロック32が一体となって、昇降する。これにより、押圧部材支持ブロック32に支持された押圧部材31が昇降し、上昇位置(非押圧位置、
図4参照)と、下降位置(押圧位置、
図5、
図6参照)とをとることができる。押圧部材31が上昇位置にあるとき、押圧部材31は、端子52a、52dから離間する。押圧部材31が下降位置にあるとき、押圧部材31は、端子52a、52dに接触し、端子52a、52dを接触子20に対して押し付ける。
【0030】
図2乃至
図4に示すように、摺動機構40は、回転用ブロック41と、回転用ブロック41を移動させる第1シリンダ42(第1駆動機構)とを有する。回転用ブロック41は、X方向に延びる細長い部材からなる。回転用ブロック41は、一対の切欠部43と、スライドガイド44とを有する。一対の切欠部43には、それぞれ接触子20の接触子ピン部23が遊嵌されている。なお、切欠部43に代えて貫通孔を用いても良い。スライドガイド44は、回転用ブロック41を厚み方向に貫通する溝からなる。スライドガイド44には、ガイドピン45が挿入されており、ガイドピン45は、結線器本体11(
図1参照)に固定されている。スライドガイド44及びガイドピン45は、回転用ブロック41がX方向に移動する際、回転用ブロック41がY方向及びZ方向に移動しないように規制する。またスライドガイド44の長さ又は第1シリンダ42のロッドの移動量を調整することにより、回転用ブロック41のX方向への移動距離を調整できる。
【0031】
回転用ブロック41は、第1シリンダ42(第1駆動機構)のロッドに固定されている。第1シリンダ42は、結線器本体11(
図1参照)に固定されている。第1シリンダ42のロッドが出没することにより、回転用ブロック41がX方向に沿って移動する。これにより、回転用ブロック41の切欠部43によって、接触子20の接触子ピン部23がX方向に移動する。このため、接触子20が、回転軸部材24を中心に回転し、基準位置(
図4、
図5)と摺動位置(
図6)とをとることができる。接触子20が基準位置にあるとき、接触子20は平面視でY方向に平行に延びる。接触子20が摺動位置にあるとき、接触子20は平面視でY方向に傾斜して延びる。
【0032】
本実施の形態において、端子52a~52dのうち、大電流が流れる1S端子52aと1L端子52dについて、接触子20が接触及び摺動する場合を例にとって説明した。これに限らず、複数の端子のうち、電流が流れる任意の1以上の端子に対して、接触子20が接触及び摺動するようにしても良い。
【0033】
次に、
図4乃至
図6を参照して、本実施の形態の作用について述べる。
【0034】
まず、
図4に示すように、電気計器50を電気計器用結線器10に装着する。このとき、電気計器50は、ガイド部12(
図1参照)に沿ってベース15に接近する方向に移動される。これにより、電気計器50の端子52a、52dが、平面視で接触子20と重なる位置に配置される。このとき端子52a、52dは、接触子20に接触していなくても良い。また端子52a、52dに設けられたネジ53が、それぞれネジ収容部25内に収容される。
図4において、押圧部材31は上昇位置(非押圧位置)にあり、押圧部材31は端子52a、52dから離間している。また摺動機構40は、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる前の状態(基準位置)にある。
【0035】
次に、
図5に示すように、押圧部材31を下降させ、押圧部材31によって電気計器50の端子52a、52dを接触子20に対して押圧する。このとき、第2シリンダ36(
図1参照)のロッドを伸張させることにより、支持バー35、シャフト33、及び押圧部材支持ブロック32が一体となって下降する。これにより、押圧部材支持ブロック32に支持された押圧部材31が下降し、下降位置(押圧位置)に移動する。押圧部材31が下降位置に移動することにより、押圧部材31は端子52a、52dに接触し、端子52a、52dを接触子20に対して押し付ける。この結果、接触子20が端子52a、52dに当接して密着する。なお、ネジ53の頭部が押圧部材31の頭部収容凹部37に収容されることにより、ネジ53の頭部が押圧部材31に干渉することがない。
【0036】
続いて、
図6に示すように、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で、摺動機構40により接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる。この間、第1シリンダ42のロッドを縮退させることにより、回転用ブロック41がX方向に移動する。これにより、回転用ブロック41の切欠部43内に収容された接触子ピン部23がX方向に移動し、接触子20が回転軸部材24を中心に所定量回転する。すなわち、摺動機構40は、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させた状態(摺動位置)に移行する。接触子20の回転量は、スライドガイド44の長さ又は第1シリンダ42のロッドの移動量を適宜調整することによって調整できる。接触子20の回転量(回転角度)は、例えば3°以上30°以下としても良い。
【0037】
その後、電気計器用結線器10を介して、電気計器50と図示しない試験装置の電源側とを結線する。その後、試験装置から接触子20を介して電気計器50に電流を流すことにより、電気計器50の性能試験を行う。
【0038】
以上説明したように本実施の形態によれば、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で、接触子20が基準位置から摺動位置に移動することにより、接触子20と端子52a、52dとの接触面同士が擦れ合う。これにより、接触子20と端子52a、52dとの接触面に形成された微小な凹凸が削られ、接触子20と端子52a、52dとの接触面同士が実質的に広い面積で接触する。言い換えれば、接触子20に対して端子52a、52dを押し当てた(垂直方向の力を加えている)状態で、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる(水平方向の力を加える)。これにより、端子52a、52d及び接触子20の表面を相互に平らに変形して多点接触させ、これらの接触面積を増大させることができる。
【0039】
図7(a)は、接触子20と端子52a、52dとの接触状態を示す概略断面図であって、接触子20に対して端子52a、52dを押し当てている状態を示す図(
図5参照)である。
図7(a)に示すように、端子52a、52dの表面の傷や接触子20の経年変形により、接触子20と端子52a、52dとの接触面に微小な凹凸が生じている。この場合、接触子20と端子52a、52dとの実質的な接触面積が狭くなるおそれがある。
【0040】
図7(b)は、接触子20と端子52a、52dとの接触状態を示す概略断面図であって、接触子20に対して端子52a、52dを押し当てたまま、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させた状態を示す図(
図6参照)である。
図7(b)に示すように、接触子20と端子52a、52dとの接触面同士が擦れ合うことにより、接触子20と端子52a、52dとの接触面に形成された微小な凹凸が削られ、接触子20と端子52a、52dとの実質的な接触面積を広くできる。この結果、電気計器50の性能試験を行う際、接触子20と端子52a、52dと間に大電流が流れた場合でも、接触子20と端子52a、52dとの接触面同士の電気抵抗が増大することが抑えられる。このため、接触子20と端子52a、52dとの接触面同士の間で過剰な熱が発生することを抑制できる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、上述したように、接触子20と端子52a、52dとが当接した状態で摺動させる。これにより、接触子20と端子52a、52dとを単純に押し当ててこれらの接触面を平坦に変形させる場合よりも弱い力で、上記接触面を平坦に変形させ、接触面積を増大させることができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、端子52a、52dにネジ53が設けられ、接触子20は、ネジ53を収容するネジ収容部25を有する。これにより、ネジ53が設けられている端子52a、52dであっても、接触子20と端子52a、52dとを当接させ、さらにこの状態で接触子20を端子52a、52dに対して摺動させることができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、摺動機構40は、接触子20を端子52a、52dに対して所定量回転させることにより、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる。これにより、接触子20と端子52a、52dとが広い面積で接触したまま、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させることができる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、接触子20が回転する際の回転軸は、平面視で端子52a、52dの外周縁よりも内側に位置する。これにより、接触子20が端子52a、52dに当接した状態で、接触子20を端子52a、52dに対して微小距離だけ摺動させ、接触子20及び端子52a、52dの接触面を互いに容易に平坦化できる。
【0045】
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
【0046】
まず、
図1乃至
図6に示す電気計器用結線器を作製した。次に、電気計器を電気計器用結線器に装着した。次いで、電気計器用結線器の押圧部材を下降させ、押圧部材によって電気計器の端子を接触子に対して押圧した。このときの、端子と接触子との間の電気抵抗をmΩ単位で測定した(摺動前[mΩ])。続いて、接触子が端子に当接している状態で、摺動機構により接触子を端子に対して摺動させた。このときの、端子と接触子との間の電気抵抗をmΩ単位で測定した(摺動後[mΩ])。
【0047】
上記測定を5個の異なる電気計器の端子について行った。この結果を下記に示す。
【0048】
【0049】
このように、接触子が端子に当接している状態で、摺動機構により接触子を端子に対して摺動させることにより、端子と接触子との間の電気抵抗を低下させることができた。
【0050】
(第1の変形例)
次に、
図8を参照して、本実施の形態の第1の変形例について説明する。
図8は、本実施の形態の第1の変形例を示す図である。
図8に示す第1の変形例は、接触子20が回転せずに直動する点が異なるものであり、他の形態は
図1乃至
図7に示す形態と略同一である。
図8において、
図1乃至
図7に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
図8に示すように、摺動機構40は、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で、接触子20を端子52a、52dに対し直動させる。これにより、接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる。
【0052】
図8において、摺動機構40は、ベース15及び接触子20を直線移動させる直動機構48を有する。直動機構48は、スライドレールであっても良い。直動機構48は、ベース15の下面に固定されている。直動機構48は、ベース15をY方向に沿って移動する際のガイドとしての役割を果たす。また接触子20は、ベース15の上面に固定されている。ベース15は、摺動機構40の図示しないシリンダのロッドに固定されていても良い。シリンダのロッドを伸縮させることにより、ベース15と一体となって、接触子20がY方向に移動する。なお、ベース15及び接触子20は、例えばリンクスライダ機構等を含む摺動機構によって直動させても良い。
【0053】
本変形例において、接触子20が端子52a、52dに当接している状態で、摺動機構40により接触子20を端子52a、52dに対して摺動させる。この場合、図示しないシリンダのロッドを伸張又は縮退させることにより、ベース15がY方向に移動する。これにより、ベース15及び接触子20は、所定距離だけY方向に移動する。接触子20が移動する方向は、接触子20が電気計器50のケース51に接近する方向であっても良く、接触子20が電気計器50のケース51から離れる方向であっても良い。接触子20の移動量は、シリンダのロッドの移動量を適宜調整することによって調整できる。接触子20の移動量は、例えば0.1mm以上10mm以下としても良い。
【0054】
(第2の変形例)
次に、
図9を参照して、本実施の形態の第2の変形例について説明する。
図9は、本実施の形態の第2の変形例を示す図である。
図9に示す第2の変形例は、接触子20及び摺動機構40の構成が異なるものであり、他の形態は
図1乃至
図7に示す形態と略同一である。
図9において、
図1乃至
図7に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
図9に示すように、接触子20は、アーム21と、軸収容部26と、接触子切欠部27とを有する。軸収容部26は、アーム21の先端側の裏面に形成された凹部からなる。軸収容部26には、ベース15に設けられたベース突起15bが回動自在に収容されている。接触子20は、軸収容部26を中心に回転可能である。接触子切欠部27は、アーム21の基端側の裏面に形成されている。
【0056】
摺動機構40の回転用ブロック41は、回転用ブロックピン部49を有する。接触子20の接触子切欠部27には、回転用ブロックピン部49が遊嵌されている。回転用ブロック41がX方向にスライドすることにより、回転用ブロック41に案内されて回転用ブロックピン部49がX方向に移動し、同時に、接触子20の接触子切欠部27がX方向に移動する。これにより、接触子20は、軸収容部26を中心に回転し、基準位置から摺動位置へ移動することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
次に、
図10乃至
図12を参照して第2の実施の形態について説明する。
図10乃至
図12は第2の実施の形態を示す図である。
図10乃至
図12に示す第2の実施の形態は、主として、接触子20を端子に向けて押圧する押圧機構点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。
図10乃至
図12において、
図1乃至
図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、
図10乃至
図12において、結線器本体11等、一部部材の表示を省略している。
【0058】
図10乃至
図12に示すように、本実施の形態による電気計器用結線器10は、接触子20と、押圧機構60と、摺動機構40と、を備えている。接触子20は、電気計器50の端子52a~52dに接触する。押圧機構60は、接触子20を電気計器50の端子52a~52dに向けて押圧する。摺動機構40は、接触子20が端子52a~52dに当接している状態で接触子20を端子52a~52dに対して摺動させる。
【0059】
本実施の形態において、押圧機構60は、第3シリンダ61(第3駆動機構)と、支持体62とを有する。支持体62は、第3シリンダ61のロッドに固定されている。支持体62の上部には、ベース15が固定されている。ベース15には、接触子20が支持されている。第3シリンダ61のロッドが出没することにより、支持体62、ベース15、及び接触子20が一体となって、昇降する。これにより、接触子20が昇降し、上昇位置(押圧位置、
図11、
図12参照)と、下降位置(非押圧位置、
図10参照)とをとることができる。接触子20が上昇位置にあるとき、接触子20は、端子52a~52dに接触し、端子52a~52dに対して押し付けられる。接触子20が下降位置にあるとき、接触子20は、端子52a~52dから離間する。
【0060】
接触子20の上方には、受けブロック63が固定されている。受けブロック63には、複数の受け部64が設けられている。受け部64は、それぞれ接触子20に対応する位置に存在する。受け部64は、接触子20が上昇位置にあるとき、接触子20からの圧力を受ける部材である。
【0061】
次に、
図10乃至
図12を参照して、本実施の形態の作用について述べる。
【0062】
まず、
図10に示すように、電気計器50を電気計器用結線器10に装着する。このとき、電気計器50は、ベース15に接近する方向に移動される。これにより、電気計器50の端子52a~52dが、平面視で接触子20と重なる位置に配置される。このとき端子52a~52dは、接触子20に接触していなくても良い。
図10において、押圧機構60は下降(非押圧位置)にあり、接触子20は端子52a~52dから離間している。また摺動機構40は、接触子20を端子52a~52dに対して摺動させる前の状態(基準位置)にある。
【0063】
次に、
図11に示すように、押圧機構60によって接触子20を上昇させ、接触子20によって電気計器50の端子52a~52dを押圧する。このとき、第3シリンダ61のロッドを伸張させることにより、支持体62及びベース15が一体となって上昇する。これにより、ベース15に支持された接触子20が上昇し、上昇位置(押圧位置)に移動する。接触子20が上昇位置に移動することにより、接触子20は端子52a~52dに接触し、端子52a~52dに対して押し付けられる。この結果、接触子20が端子52a~52dに当接して密着する。
【0064】
続いて、
図12に示すように、接触子20が端子52a~52dに当接している状態で、摺動機構40により接触子20を端子52a~52dに対して摺動させる。この間、第1シリンダ42のロッドを縮退させることにより、回転用ブロック41がX方向に移動する。これにより、回転用ブロック41の切欠部43内に収容された接触子ピン部23がX方向に移動し、接触子20が回転軸部材24を中心に所定量回転する。すなわち、摺動機構40は、接触子20を端子52a~52dに対して摺動させた状態(摺動位置)に移行する。
【0065】
その後、電気計器用結線器10を介して、電気計器50と図示しない試験装置の電源側とを結線する。その後、試験装置から接触子20を介して電気計器50に電流を流すことにより、電気計器50の性能試験を行う。
【0066】
本実施の形態によれば、接触子20が端子52a~52dに当接している状態で、接触子20が基準位置から摺動位置に移動することにより、接触子20と端子52a~52dとの接触面同士が擦れ合う。これにより、端子52a~52d及び接触子20の表面を相互に平らに変形して多点接触させ、これらの接触面積を増大させることができる。この結果、接触子20と端子52a~52dと間に大電流が流れた場合でも、接触子20と端子52a~52dとの接触面同士の電気抵抗が増大することが抑えられる。
【0067】
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 電気計器用結線器
20 接触子
21 アーム
22 軸形成部
23 接触子ピン部
24 回転軸部材
25 ネジ収容部
31 押圧部材
32 押圧部材支持ブロック
36 第2シリンダ
40 摺動機構
41 回転用ブロック
42 第1シリンダ
43 切欠部
44 スライドガイド
45 ガイドピン
50 電気計器
52a~52d 端子
53 ネジ
60 押圧機構
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記端子の主たる面の法線方向に昇降することにより、前記端子を前記接触子に向けて押圧する押圧部材と、
前記押圧部材によって前記端子を前記接触子に対して押圧した後、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【請求項2】
前記端子にネジが設けられ、前記接触子は、前記ネジを収容するネジ収容部を有する、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項3】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して所定量回転させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項4】
前記接触子が回転する際の回転軸は、平面視で前記端子の外周縁よりも内側に位置する、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項5】
前記接触子は、接触子ピン部を有し、
前記摺動機構は、切欠部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記回転用ブロックの前記切欠部に、前記接触子の前記接触子ピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項6】
前記接触子は、接触子切欠部を有し、
前記摺動機構は、回転用ブロックピン部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記接触子の前記接触子切欠部に、前記回転用ブロックの前記回転用ブロックピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項7】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して直動させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項8】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記端子の主たる面の法線方向に昇降することにより、前記接触子を前記端子に向けて押圧する押圧機構と、
前記押圧機構によって前記接触子が前記端子に対して押し付けられた後、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記端子の主たる面の法線方向に下降することにより、前記端子を前記接触子に向けて押圧する押圧部材と、
前記押圧部材によって前記端子を前記接触子に対して押圧した後、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。
【請求項2】
前記端子にネジが設けられ、前記接触子は、前記ネジを収容するネジ収容部を有する、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項3】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して所定量回転させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項4】
前記接触子が回転する際の回転軸は、平面視で前記端子の外周縁よりも内側に位置する、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項5】
前記接触子は、接触子ピン部を有し、
前記摺動機構は、切欠部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記回転用ブロックの前記切欠部に、前記接触子の前記接触子ピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項6】
前記接触子は、接触子切欠部を有し、
前記摺動機構は、回転用ブロックピン部を有する回転用ブロックと、前記回転用ブロックを移動させる駆動機構とを有し、
前記接触子の前記接触子切欠部に、前記回転用ブロックの前記回転用ブロックピン部が遊嵌されている、請求項3に記載の電気計器用結線器。
【請求項7】
前記摺動機構は、前記接触子を前記端子に対して直動させることにより、前記接触子を前記端子に対して摺動させる、請求項1に記載の電気計器用結線器。
【請求項8】
電気計器を試験装置に接続することにより性能試験を行う電気計器用結線器において、
前記電気計器の端子が接触する接触子と、
前記端子の主たる面の法線方向に上昇することにより、前記接触子を前記端子に向けて押圧する押圧機構と、
前記押圧機構によって前記接触子が前記端子に対して押し付けられた後、前記接触子が前記端子に当接している状態で前記接触子を前記端子に対して摺動させる摺動機構と、を備えた、電気計器用結線器。