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特開2025-8318検索支援装置、検索支援方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008318
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】検索支援装置、検索支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20250109BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F16/903
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110374
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】須賀 宏平
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB04
5B175HA01
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】 物品に適した統計番号を見つけることの容易化を図る。
【解決手段】 検索支援装置は、受付部と、特定部と、出力部とを備える。受付部は、検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける。特定部は、第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、検索対象が分類される統計番号候補を特定する。出力部は、特定手段によって統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、統計番号候補とを出力する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける受付手段と、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定する特定手段と、
前記特定手段によって前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する出力手段と、
を備える検索支援装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記検索対象が前記統計番号候補に分類されるかの特定に用いる質問を表し、
前記第2入力は、前記質問に対する回答である、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1情報によって要求される前記第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項4】
前記第2情報は、前記第1情報に関連する前記統計番号候補、前記統計番号候補の品名、前記第1情報に関する前記統計番号候補の項の解説の少なくともいずれかを含む、
請求項3に記載の検索支援装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記第1情報に対する操作に応じて、前記第2情報を出力する、
請求項3に記載の検索支援装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記第1入力を受け付け可能な第1領域と、前記第2入力を受け付け可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、を表示し、
前記受付手段は、前記第2領域に入力された情報を前記第2入力として受け付け、
前記特定手段は、前記第2入力と、前記第2入力を要求する前記第1情報に関連する前記統計番号候補の分類情報と、に基づいて、新たに統計番号候補を特定する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項7】
前記特定手段は、さらに、過去にユーザが物品に対して付与した統計番号に関する情報に基づいて、前記検索対象が分類される前記統計番号候補を特定する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記統計番号候補と前記第1情報を同一画面に表示する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項9】
コンピュータが、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行する検索支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検索支援装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の輸出入時に、物品に統計番号を付与する必要がある。例えば、日本の場合、税関が、実行関税率表、解説、分類例規、事例集などを公開している(例えば、非特許文献1)。実行関税率表には、統計番号と統計番号が表す品名とを対応付けて記載されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定商品のインボイス情報を入力として、複数のモデルのそれぞれによって該当し得る統計番号の適合度を提示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-54527号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】税関 輸出入手続き、[online],[令和5年6月21日検索],インターネット <https://www.customs.go.jp/tsukan/index.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
統計番号は、数千種類程度ある。大量の統計番号から、物品に適した統計番号を見つける必要がある。例えば、物品の特徴や用途を把握していないと、どのような統計番号を付与すればよいかが分からない場合がある。
【0007】
本開示の目的の一例は、物品に適した統計番号を見つけることの容易化を図る検索支援装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様における検索支援装置は、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける受付手段と、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定する特定手段と、
前記特定手段によって前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する出力手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様における検索支援方法は、コンピュータが、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行する。
【0010】
本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行させる。
【0011】
各プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、物品に適した統計番号を見つけることの容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】HSコードの説明図である。
図2】階層構造のHSコード群の一例を示す説明図である。
図3】本開示に係る検索支援装置の一構成例を示すブロック図である。
図4】検索支援装置の一動作例を示すフローチャートである。
図5】検索支援装置と他の装置との接続例を示す説明図である。
図6】本開示に係る検索支援装置と端末装置の一構成例を示すブロック図である。
図7A】第1入力を受け付け可能な画面例を示す説明図である。
図7B】第1入力および上位階層のHSコードが入力された画面例を示す説明図である。
図8】HSコード候補の特定する処理の一概要例を示す説明図である。
図9】大規模言語モデルを用いて類の階層のHSコード候補を特定する一例を示す説明図である。
図10】大規模言語モデルを用いて項の階層のHSコード候補を特定する一例を示す説明図である。
図11】大規模言語モデルを用いて項の階層のHSコード候補を特定する他の例を示す説明図である。
図12】HSコード候補とAIからの質問とが同一画面に表示される例を示す説明図である。
図13】項「6111」に関する詳細な情報が表示される例1を示す説明図である。
図14】項「6111」に関する詳細な情報が表示される例2を示す説明図である。
図15】質問IDに項のHSコードが関連付けられる例を示す説明図である。
図16】質問によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報が表示される例を示す説明図である。
図17】質問に対する回答である第2入力が入力された場合におけるHSコード候補が表示される例を示す説明図である。
図18】質問に対する回答入力欄を含む画面が表示されている例を示す説明図である。
図19】質問に対する回答入力欄および質問が発生した項に関する情報が表示される例を示す説明図である。
図20】検索支援装置による一動作例を示すフローチャートである。
図21】コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本開示に係る検索支援装置、検索支援方法、プログラム、およびプログラムを記録する非一時的な記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
【0015】
以下実施の形態において、統計番号をHS(Harmonized System)コードと呼ぶ場合がある。以降の説明で用いるHSコードおよび品名は、税関で公開されている実行関税率表から得られる(出典:https://www.customs.go.jp/yusyutu/2023_04_01/index.htm)。また、以降の説明で用いるHSコードの解説としては、税関で公開されている類「61」の解説を用いて説明する(出典:https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/data/61r.pdf)。ここで、HSコードについて図1を用いて簡単に説明する。図1は、HSコードの説明図である。HSコードは、物品の名称および分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約に基づいて定められたコード番号である。HSコードは、貿易対象品目を21の「部」(Section)に大分類され、6桁の数字またはそれ以上の桁の数字で表す。世界共通の番号は6桁までであり、6桁以降の番号は、各国が任意の桁数を付け足して活用することができる。6桁のうち、上2桁を類(Chapter)、類を含む上4桁を項(Heading)、項を含む上6桁を号(Sub-heading)と呼ぶ。図1において、9桁の数字でHSコードを表す例を説明する。例えば、号を含む上9桁を細分と呼ぶ。本実施の形態では、9桁のHSコードを検索するための例を用いて説明する。
【0016】
ここで、HSコードは、木構造となっている。すなわち、HSコード群は、階層構造によって表すことができる。階層構造のHSコード群の一例を挙げて説明する。
【0017】
図2は、階層構造のHSコード群の一例を示す説明図である。図2において、HSコードの類が「61」と「62」である場合について、階層構造のHSコードの一部を例に挙げて説明する。類が「61」である場合、項は「6101」から「6117」などである。項が「6103」である場合、号は「6103.10」などである。号が「6103.10」である場合、細分の階層は「6103.10.000」などである。例えば、類の階層に対して、1階層下の階層は、項の階層であり、2階層下の階層は、号の階層である。項の階層に対して、1階層下の階層は、号の階層であり、2階層下の階層は、細分の階層である。類の階層は2桁階層とも呼び、項の階層は4桁階層とも呼び、号の階層は6桁階層とも呼び、細部の階層は9桁階層とも呼ぶ。
【0018】
また、類の階層の上位の階層には、部がある。例えば、「61」類や「62」類は「11」部に含まれる。
【0019】
また、前述のように、日本の税関は、実行関税率表、類注、解説、分類例規、事例集を公開している。例えば、類注には、類についての説明が記載されている。解説には、項についての解説が記載されている。さらに、解説には、各項の下の階層である号に対応する品名が記載されている。
【0020】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1では検索支援装置の基本機能の一例を説明する。図3は、本開示に係る検索支援装置10の一構成例を示す第1のブロック図である。検索支援装置10は、受付部101と、特定部102と、出力部103とを備える。
【0021】
受付部101は、検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける。例えば、受付部101は、検索対象の物品に関するキーワードなどを受け付けてもよい。例えば、受付部101は、ユーザの端末装置に表示された入力欄に入力されたキーワードを、第1入力として受け付けてもよい。
【0022】
特定部102は、第1入力と、階層構造のHSコード群に含まれる各HSコードの分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類されるHSコード候補を特定する。分類情報は、例えば、類注、項の品名、項の解説などである。例えば、HSコード群のうち類の階層のHSコードへ絞り込みの場合、HSコードの分類情報は、類注、項の品名であってもよい。また、HSコード群のうち項の階層のHSコードへ絞り込みの場合、例えば、HSコードの分類情報は、類注、項の解説であってもよい。
【0023】
具体的に、特定部102は、例えば、大規模言語モデルを用いて、HSコード候補を特定してもよい。大規模言語モデルとしては、GPT(Generative Pretrained Transformer)等が用いられてもよい。より具体的に、例えば、特定部102は、大規模言語モデルに、第1入力と各HSコードの分類情報とを与えて、HSコード候補を特定してもよい。
【0024】
出力部103は、特定部102によってHSコード候補が複数特定できる場合、追加で入力される検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、HSコード候補とを出力する。例えば、第1情報は、HSコード候補に分類されるかを判定するために必要な情報の追加入力を要求する情報である。より具体的には、例えば、第1情報は、質問を表してもよい。すなわち、例えば、第1情報は、複数のHSコード候補から、検索対象を分類させるHSコード候補を絞り込むための質問を表す情報であってもよい。
【0025】
出力部103が出力する方法は、特に限定されない。例えば、出力部103は、ユーザの端末装置に、第1情報とHSコード候補を表示する。出力部103は、ユーザの端末装置に、第1情報とHSコード候補を表示させればよい。そして、例えば、ユーザの端末装置は、出力部103による制御に従って、第1情報とHSコード候補を表示すればよい。
【0026】
(フローチャート)
図4は、検索支援装置10の一動作例を示すフローチャートである。受付部101は、検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける(ステップS101)。特定部102は、第1入力と各HSコードの分類情報とに基づいて、HSコード候補を特定する(ステップS102)。そして、出力部103は、HSコード候補と、HSコード候補に関連し、追加の第2入力を要求する第1情報とを出力する(ステップS103)。そして、検索支援装置10は、一連の処理を終了する。
【0027】
例えば、通関士が物品にHSコードを付与する場合、物品に関する情報が足りない場合がある。例えば、通関士は、メーカや顧客などに物品に関する情報をより詳細に確認する必要があるが、具体的に物品についてどのような情報を確認すればよいか分からず、通関士と、メーカや顧客などとのやり取りが増えることが予想される。このように、通関士などのユーザの手間がかかる。
【0028】
実施の形態1において、検索支援装置10は、検索対象の物品に関する第1入力を受け付けると、第1入力と各HSコードの分類情報とに基づいて、HSコード候補を特定する。そして、検索支援装置10は、HSコード候補が複数特定される場合、HSコード候補に関連し、追加の第2入力を要求する第1情報と、HSコード候補とを出力する。ユーザは、追加の入力を要求する情報であって、HSコード候補に関連する情報を確認することで、検索対象を分類するための検索対象に関する追加の情報を入力し易くなる。これにより、物品に適したHSコードを見つけることの容易化を図ることができる。したがって、物品についてどのような情報を確認すればよいか分かり、ユーザの手間を省くことを可能とする。
【0029】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。実施の形態2では、HSコード候補に分類されるかの特定に必要な情報の追加入力を要求する第1情報と、第1情報である質問によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報とを表示する例を詳細に説明する。また、実施の形態2では、大規模言語モデルにHSコードに分類させるかを判定させる例を説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0030】
図5は、検索支援装置10と他の装置との接続例を示す説明図である。検索支援装置10は、HSコードの検索を支援するシステムである。例えば、検索支援装置10は、端末装置11を介して、ユーザの操作を受け付けたり、ユーザに情報を提示する。例えば、検索支援装置10は、端末装置11と通信ネットワークNTを介して接続される。
【0031】
例えば、端末装置11は、検索支援装置10からの情報を表示可能であったり、検索支援装置10へ情報を送信するアプリケーションプログラムが予めインストールされていてもよい。例えば、端末装置11は、通信ネットワークNTを介して、Webサイトである検索支援装置10のサイトにアクセスしてもよい。
【0032】
端末装置11の種類は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット型の装置など特に限定されない。端末装置11の数は、ユーザ別に用意されてもよいし、特に限定されない。
【0033】
また、検索支援装置10は、大規模言語モデルサーバ12と通信ネットワークNTを介して接続される。大規模言語モデルサーバ12は、大規模言語モデルに情報を入力して回答を出力させる処理を実行するサーバである。検索支援装置10は、質問等が記述されたプロンプトを大規模言語モデルサーバ12へ送信する。大規模言語モデルサーバ12は、プロンプトに記述された質問を、大規模言語モデルに入力して、大規模言語モデルから回答を得る。そして、大規模言語モデルサーバ12は、回答の情報を検索支援装置10へ送信する。検索支援装置10は、大規模言語モデルサーバ12からの回答の情報を受信すればよい。これにより、検索支援装置10は、大規模言語モデルに質問を与えて、大規模言語モデルから質問に対する回答を取得することができる。
【0034】
なお、図5では、大規模言語モデルサーバ12が、大規模言語モデルを用いる例を説明したが、検索支援装置10が、大規模言語モデルを有していてもよい。この場合、検索支援装置10は、大規模言語モデルに質問が記述されたプロンプトを入力して、大規模言語モデルからの質問に対する回答を得る。
【0035】
図6は、本開示に係る検索支援装置10と端末装置11の一構成例を示すブロック図である。例えば、検索支援装置10は、図3に示す例と同様に、受付部101と、特定部102と、出力部103とを備える。さらに、検索支援装置10は、マスタDB1001を有していてもよい。
【0036】
マスタDB1001は、例えば、通関士などのユーザが過去に物品に対して付与したHSコードを含む。また、例えば、マスタDB1001は、HSコードと物品の輸出入に関する情報とを関連付けたマスタデータを記憶してもよい。
【0037】
また、端末装置11は、例えば、入力受付部111と表示部112とを備える。
【0038】
つぎに、各機能部についてより詳細に説明する。
【0039】
例えば、受付部101は、検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける。また、受付部101は、さらに、上位階層のHSコードの指定を受け付けてもよい。
【0040】
図7Aは、第1入力を受け付け可能な画面例を示す説明図である。出力部103は、第1入力の入力欄を含む画面をユーザ端末に出力する。そして、例えば、ユーザ端末の表示部112は、出力部103による制御に従って、第1入力の入力欄を含む画面を表示する。例えば、第1入力として受け付ける情報は、キーワードに限られないが、一例として、第1入力をキーワード入力とも呼ぶ。一例として、第1入力の入力欄をキーワード入力欄i01と呼ぶ。
【0041】
また、画面には、さらに、上位階層のHSコード候補の指定を入力可能な入力欄を含む。図7Aにおいて、HSコードフィルタの入力欄i02が、上位階層のHSコード候補の指定を入力可能な入力欄である。例えば、上位階層のHSコード候補とは、類の階層のHSコード候補である。また、画面は、さらに実行ボタンを備える。指定された上位階層のHSコード候補をHSコードフィルタとも呼ぶ。
【0042】
図7Bは、第1入力および上位階層のHSコードが入力された画面例を示す説明図である。ユーザ端末の入力受付部111は、実行ボタンが押されると、キーワード入力欄i01に入力された情報を第1入力として受け付け、かつ、入力欄i02に入力された情報をHSコードフィルタとして受け付ける。そして、入力受付部111は、受け付けた第1入力およびHSコードフィルタを検索支援装置10に送信する。そして、検索支援装置10の受付部101は、端末装置11から第1入力およびHSコードフィルタを受信することにより、第1入力およびHSコードフィルタを受け付ける。
【0043】
なお、ユーザ端末の入力受付部111と検索支援装置10の受付部101との間の詳細な情報の送受信については、以降の説明において省略する。また、例えば、出力部103が、ユーザ端末に表示すると、表示部112が、ユーザ端末に画面を表示することとし、出力部103と表示部112との間についても詳細な説明を省略する。
【0044】
図7Bにおいて、受付部101は、キーワード入力として、「子供用のパンツ」を受け付け、HSコードフィルタとして、類のHSコード「61」を受け付ける。
【0045】
つぎに、特定部102は、第1入力と、階層構造のHSコード群に含まれる各HSコードの分類情報と、に基づいて、検索対象が分類されるHSコード候補を特定する。分類情報は、実施委の形態1で説明した通りである。ここでは、特定部102が、大規模言語モデルを用いて、HSコード候補を特定する例について説明する。
【0046】
図8は、HSコード候補の特定する処理の一概要例を示す説明図である。図8において、特定部102は、物品の情報に基づいて、類の絞り込みを行った後に、項の絞り込みを行う。図8において、物品の情報とは、第1入力である。例えば、類指定とは、HSコードフィルタによって類が指定されることである。すなわち、HSコードフィルタは、類の階層についてHSコード候補となる。
【0047】
まずは、HSコードフィルタを受け付けていない場合、特定部102は、類の絞り込みを行う。ここでは、特定部102は、API(Application Programing Interface)を使って、プロンプトを大規模言語モデルに入力する例を挙げて説明する。特定部102は、類の数のAPIを呼び出す。そして、特定部102は、類のそれぞれについて類注と、類に含まれる項の品目と、第1入力とを入力として、APIを介して大規模言語モデルに、第1入力が表す物品が、類のHSコードに分類されるかを判定させる。例えば、特定部102は、大規模言語モデルから、検索対象の物品が分類される可能性のある類の一覧を取得する。なお、類を絞り込む処理については、図9を用いて説明する。
【0048】
図9は、大規模言語モデルを用いて類の階層のHSコード候補を特定する一例を示す説明図である。大規模言語モデルとしては、GPTを例に挙げているため、各図においてAPIをGPT APIと表している。前述のように、例えば、特定部102は、類の数のAPIを呼び出す。類スクリーニング用プロンプトには、例えば、物品の輸出入の際の関税率を決めるHSコードを大規模言語モデルに判定させる指示が記述される。ここで、指示は、例えば、質問形式で記述されていてもよい。つまり、物品の輸出入の際の関税率を決める類のHSコードを大規模言語モデルに判定させるとは、類スクリーニング用プロンプトに記述された質問に回答させることであってもよい。なお、各プロンプトに記述された指示とは、同様に質問形式で記述されていてもよい。
【0049】
例えば、類スクリーニング用プロンプトには、「物品が、HSコードに当てはまるかを判断してください。」というように大規模言語モデルへの指示が記述されてもよい。例えば、類スクリーニング用プロンプトには、物品の情報として第1入力、HSコードの説明として類注、類のHSコードの下位の階層に含まれる項の品名が入力可能に記述されていてもよい。類スクリーニング用プロンプトには、類のHSコードに分類される可能性が高いかを大規模言語モデルへ出力させる指示が記述されてもよい。
【0050】
類「1」を例に挙げると、特定部102は、類「1」について、類注、項の品名、第1入力である検索対象の物品の情報を類スクリーニング用プロンプトに入力し、類スクリーニング用プロンプトを類「1」用のAPIに与えて、検索対象の物品が類「1」に分類される可能性があるかを大規模言語モデルに判定させる。例えば、特定部102は、大規模言語モデルから、検索対象の物品が類「1」に分類される可能性があるかの判定結果を取得する。なお、後述する図14に示すような「AIの出力」が、大規模言語モデルからの具体的な判定結果の出力例である。より具体的に、例えば、特定部102は、類スクリーニング用プロンプトを、APIを介して、大規模言語モデルサーバ12へ送信し、大規模言語モデルサーバ12が、大規模言語モデルに類スクリーニング用プロンプトを入力する。そして、大規模言語モデルサーバ12が、大規模言語モデルから、検索対象の物品が類「1」に分類される可能性があるかの判定結果を取得して、類「1」についての判定結果を検索支援装置10へ送信する。これにより、特定部102は、類「1」についての判定結果を受信することにより、大規模言語モデルから、類「1」についての判定結果を取得することができる。
【0051】
また、特定部102は、2類から97類のそれぞれについて同様に行えばよい。例えば、特定部102は、各類の判定結果のうち、分類される可能性が高いと判定された類の一覧を生成すればよい。
【0052】
図9の例では、特定部102は、大規模言語モデルに類の数並列に判定させる処理を実行させている。これにより、処理時間の短縮化を図ることができる。また、特定部102は、例えば、判定させる処理を直列に実行させてもよい。例えば、特定部102は、判定させる処理を直列に実行させる場合、それまでの判定結果を次の判定させる処理の入力として与えてもよい。これにより、判定精度の向上を可能とすることができる。また、特定部102は、並列と直列とを組み合わせてもよく、判定させる処理を実行する方法については、特に限定されない。なお、図9の例では一度に読み込み可能なデータ量が少ない大規模言語モデルを例に挙げているため、特定部102は、判定させる処理を類別に並列で実行させているが、一度に読み込み可能なデータ量が多い大規模言語モデルであれば、判定させる処理を一度に実行させてもよい。
【0053】
なお、出力部103は、途中結果である図8に示す「可能性のある類の一覧」をユーザの端末装置11に出力してもよい。
【0054】
また、図8の説明に戻って、HSコードフィルタを受け付けている場合、言い換えると、類のHSコードが指定されている場合、特定部102は、類の絞り込みを行う処理を行わなくてもよい。図7Bに示すように「61」が指定されている場合、特定部102は、類の絞り込みを行う処理を行わない。つまり、図8において、HSコードフィルタによって類のHSコード候補が指定されると、類を絞り込むための大規模言語モデルの利用が行われない。例えば、大規模言語モデルの利用において利用回数が多いほど料金が高くなるような場合がある。このような場合、類のHSコード候補が指定されることにより、大規模言語モデルの利用に関する低廉化を図ることができる。また、例えば検索支援装置10がローカルサーバ等で実現され、ローカルサーバが大規模言語モデルを有する場合、プロセッサやメモリ等のリソースが限られることが想定される。この場合、検索支援装置10は、各処理を並列化できない、または、仮に各処理を並列化できたとしても並列数が少ないことが予想される。このため、検索支援装置10が前述のように大規模言語モデルを有する場合、HSコードフィルタによって類のHSコード候補が指定されることにより、処理時間の短縮化を図ることができる。
【0055】
また、類のHSコードが複数指定されている場合、特定部102は、指定された複数の類のそれぞれについて絞り込みを行う処理を行ってもよい。
【0056】
つぎに、特定部102は、類の絞り込みを行った後、または、類のHSコード候補が指定された場合に、HSコード候補の類の数のAPIを呼び出す。そして、特定部102は、HSコード候補の類について、APIを介して大規模言語モデルに、HSコード候補の類の下位の階層にある項に検索対象の物品が分類されるかを判定させる。また、特定部102は、APIを介して、大規模言語モデルに、HSコード候補の類の下位の階層にある項に検索対象の物品が分類されるかを特定するために必要な情報を特定させる。
【0057】
図10は、大規模言語モデルを用いて項の階層のHSコード候補を特定する一例を示す説明図である。類の階層のHSコード候補として「61」が特定された場合を例に挙げて、類「61」の下位の階層である項の階層のHSコード候補が特定される例を説明する。
【0058】
例えば、特定部102は、絞り込まれた類の下位の階層にある項の数についてAPIを呼び出す。例えば、類「61」の下位階層の項のHSコードには、「6101」から「6117」まである。すなわち、17のAPIが呼び出される。
【0059】
また、項スクリーニング用プロンプトには、例えば、物品の輸出入の際の関税率を決めるHSコードを大規模言語モデルへ判定させる指示が記述される。前述のように、指示は、例えば、質問形式で記述されていてもよい。つまり、物品の輸出入の際の関税率を決める項のHSコードを大規模言語モデルに判定させるとは、項スクリーニング用プロンプトに記述された質問に回答させることであってもよい。
【0060】
例えば、類スクリーニング用プロンプトには、「物品が、類のHSコードに当てはまるかを判断してください。」というように大規模言語モデルへの指示が記述されてもよい。例えば、項スクリーニング用プロンプトには、物品の情報として第1入力、HSコードの説明として類注および項の解説が入力可能に記述されていてもよい。そして、項スクリーニング用プロンプトには、項に分類される可能性が高いかを大規模言語モデルへ出力させる指示が記述されてもよい。
【0061】
例えば、項スクリーニング用プロンプトには、項に分類される可能性がない場合に、その理由を出力させる指示が記述されてもよい。例えば、項スクリーニング用プロンプトには、項に分類される可能性が高い場合に、その理由を出力させる指示が記述されてもよい。
【0062】
また、例えば、項スクリーニング用プロンプトには、項に分類されるかを判定するための情報が足りていない場合、特定に必要な情報の追加入力を要求する情報を出力させる指示が記述されてもよい。ここで、追加入力を要求する情報が、実施の形態1で説明した第1情報になる。追加入力を要求する情報は、質問形式で出力されてもよい。なお、追加入力を要求する情報は、例えば、後述する図12に示すAIからの質問に相当する。
【0063】
そして、特定部102は、項のHSコードのそれぞれについて、「61」の類注と項の解説と第1入力である物品の情報とを、項スクリーニング用プロンプトに入力し、項スクリーニング用プロンプトをAPIに与えて、検索対象の物品が項に分類される可能性があるかを大規模言語モデルに判定させる。また、特定部102は、検索対象の物品が項のHSコードに分類されるかの特定に必要な情報を、大規模言語モデルに判定させる。より具体的に、例えば、特定部102は、項スクリーニング用プロンプトを、APIを介して、大規模言語モデルサーバ12へ送信し、大規模言語モデルサーバ12が、大規模言語モデルに項スクリーニング用プロンプトを入力する。そして、大規模言語モデルサーバ12が、大規模言語モデルから、検索対象の物品が項のHSコードに分類される可能性があるかの回答の情報、項のHSコードに分類されるかの特定に必要な情報などを含む判定結果を取得する。大規模言語モデルサーバ12は、判定結果を検索支援装置10へ送信する。これにより、特定部102は、各情報を受信することにより、大規模言語モデルから、判定結果を取得することができる。
【0064】
ここで、検索対象が分類される可能性が高いと判定されたHSコードと、検索対象が分類されるかを判定するための情報が足りていないと判定されたHSコードとがHSコード候補となる。
【0065】
特定に必要な情報が重複する場合がある。そこで、特定部102は、各項についての判定結果を、結果集約用プロンプトに入力し、判定結果を大規模言語モデルに集約させる。結果集約用プロンプトは、候補になるHSコードについての判定結果を集約する指示が記述されてもよい。例えば、結果集約用プロンプトは、候補となる項のリストと、特定に必要な情報とを出力させる指示が記述されていてもよい。特定部102は、項と項の特定に必要な情報とを関連付けた情報を記憶しておいてもよい。
【0066】
図11は、大規模言語モデルを用いて項の階層のHSコード候補を特定する他の例を示す説明図である。特定部102は、検索対象の物品が項に分類されるかを大規模言語モデルに判定させる際に、さらにマスタDB1001を大規模言語モデルに与えてもよい。図11において、項「6101」に分類されるかを大規模言語モデルに判定させる場合、例えば、特定部102は、マスタDB1001のうちの、物品が項「6101」に分類されたことを示すマスタデータと、類「61」の類注と、項「6101」の解説と、物品の情報とを項スクリーニング用プロンプトに入力する。そして、特定部102は、APIを介して、項スクリーニング用プロンプトを大規模言語モデルに入力する。特定部102がマスタDB1001を利用することにより、項の解説に記載がないような物品であっても容易に分類できるようになる場合がある。例えば、実行関税率表に記載がないような新しい物品名などであっても分類することが可能となる。
【0067】
つぎに、出力部103は、HSコード候補が複数特定できる場合、追加で入力される検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、HSコード候補とを出力する。前述の通り、第1情報は、検索対象の物品がHSコード候補に分類されるかを特定するために必要な質問を表す情報であってもよい。第1情報は、質問であってもよい。出力部103は、端末装置11にHSコード候補と第1情報を表示する。出力部103は、HSコード候補と第1情報をユーザ端末の同一画面に表示してもよい。
【0068】
図12は、HSコード候補とAI(Artificial Intelligence)からの質問とが同一画面に表示される例を示す説明図である。図12において、画面には、HSコード候補と、AIからの質問とが表示されている。AIからの質問が、前述の第1情報によって表される質問である。
【0069】
例えば、検索対象の物品が、子供用のパンツであり、スーツである場合、男子用のスーツであれば、項「6103」に分類され、女子用であれば、項「6104」に分類される。このため、AIからの質問として、「男子用ですか?女子用ですか?」などの質問がある。
【0070】
また、例えば、検索対象の物品が、身長が86cm以下の乳幼児用の衣類であれば、項「6111」に分類される。このため、AIからの質問として「身長は86cm以上ですか?」などの質問がある。
【0071】
また、出力部103は、HSコード候補について、HSコード候補に関連する情報を出力してもよい。項であるHSコード候補に関連する情報としては、例えば、項の上位階層に関する情報、項の下位階層に関する情報、項の解説のリンク情報、大規模言語モデルから得られた判定結果、マスタDB1001などの情報が挙げられる。例えば、項の上位階層に関する情報や下位階層に関する情報とは、HSコードそのものであってもよいし、HSコードに対応する品名であってもよいし、特に限定されない。例えば、リンク情報は、項の解説のPDFデータへのリンク先を示す。
【0072】
具体的に、例えば、入力受付部111がユーザによるHSコード候補に対するクリック操作を受け付けると、受付部101が、詳細情報の出力指示を受け付ける。そして、出力部103は、クリック操作されたHSコード候補について、項の上位階層および下位階層に関する情報、項の解説のリンク情報、大規模言語モデルから得られた判定結果、マスタDB1001などを出力する。
【0073】
図13は、項「6111」に関する詳細な情報が表示される例1を示す説明図である。例えば、出力部103は、項「6111」がクリック操作されると、項「6111」に関連する情報を含む画面を、図12に示す画面に重畳表示する。
【0074】
図13において、画面には、項「6111」の上位階層である類「61」と類「61」の品名、部「11」と部「11」の品名が表示されている。画面には、選択された項「6111」と項「6111」の品名が表示されている。
【0075】
また、図13において、画面には、税関のホームページで公開されている項「61.11」の解説のリンク情報が表示されている。例えば、入力受付部111は、リンク情報が示すリンクに対するクリック操作が検出されると、出力部103は、リンク先のホームページを端末装置11に表示してもよい。
【0076】
図13において、画面では、マスタとAIの出力とが選択可能であり、マスタが選択されている。このため、画面には、マスタDB1001が表示されている。また、画面には、操作された項「6111」に過去に分類された物品についてのマスタDB1001が表示されてもよい。
【0077】
図14は、項「6111」に関する詳細な情報が表示される例2を示す説明図である。図14において、画面では、マスタとAIの出力とが選択可能であり、AIの出力が選択されている。このため、画面には、AIの出力として、特定部102において大規模言語モデルから出力された項の判定結果が表示されている。
【0078】
図12の説明に戻る。例えば、出力部103は、第1情報である質問によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力してもよい。第2情報は、第1情報に関連するHSコード候補およびHSコード候補の品名を含んでもよい。
【0079】
例えば、質問ごとに、質問と、質問が発生した項のHSコードとが関連付けられてもよい。例えば、質問DBは、質問を識別する質問識別情報と、質問と、項のHSコードとを関連付けて記憶すればよい。質問識別情報は、例えば、質問ID(IDentifier)などのように質問を一意に識別可能であれば、特に限定されない。
【0080】
図15は、質問IDに項のHSコードが関連付けられる例を示す説明図である。図15において、第1情報である質問の質問IDと、その質問が発生した項のHSコードとが関連付けられている。
【0081】
図16は、質問によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報が表示される例を示す説明図である。例えば、入力受付部111が、AIからの質問「男子用ですか?女子用ですか?」に対するクリック操作を受け付けると、受付部101は、第2情報の出力指示を受け付ける。そして、出力部103は、クリック操作された質問によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報として、項のHSコードと項の品名とを表示する。より具体的に、例えば、出力部103は、質問DBにおいて、クリック操作された質問を識別する質問IDに関連付けられた項のHSコードを特定し、特定した項のHSコードと項の品名とを画面に表示すればよい。
【0082】
図16において、画面には、項「6103」、「6104」、「6107」、「6108」のそれぞれとそれぞれの品名とが表示されている。
【0083】
また、第2情報は、項の解説であってもよい。また、第2情報は、図14に示したような項の判定結果であってもよい。
【0084】
図12の説明に戻って、例えば、ユーザは、AIからの質問に回答する形式で、キーワード入力欄i01に、検索対象の物品に関する第2入力を行ってもよい。例えば、「子供用のパンツ」の横に、「男子用」、「86cm以下」などが入力されてもよい。入力受付部111は、実行ボタンの押下を受け付けると、受付部101は、第2入力を受け付ける。そして、特定部102は、第1入力および追加の第2入力と、階層構造のHSコード群に含まれる各HSコードの分類情報とに基づいて、新たにHSコード候補を特定する。なお、HSコード候補は、前述の通りである。そして、出力部103は、特定部102によってHSコード候補が複数特定できる場合、HSコード候補に関連し、追加で入力される検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、HSコード候補とを出力すればよい。
【0085】
図17は、質問に対する回答である第2入力が入力された場合におけるHSコード候補が表示される例を示す説明図である。図17において、新たに追加された「男子用」が第2入力である。図17に示す画面では、図12に示す画面よりもHSコード候補の数が減っている。
【0086】
ここで、ユーザによる利用フローの例を簡単に説明する。例えば、ユーザは、図7Bに示すように最初に不完全であってもよいので、検索対象に関する物品の情報と類についてのHSコードフィルタとを入力する。そして、検索支援装置10は、実行ボタンが押されると、HSコードフィルタに入力された類の下層にある項についてAPIを呼び出して、大規模言語モデルに検索対象が項に分類されるかを判定させる。検索支援装置10は、HSコード候補と、HSコード候補に分類されるかを判定するために必要な情報の追加入力を要求する第1情報とを画面に表示する。そして、ユーザは、AIからの質問が多い場合、AIからの質問に対する回答をキーワード入力欄i01に入力して実行ボタンを押す。また、検索支援装置10は、実行ボタンが押されるたびに、キーワード入力欄i01に入力された入力を基に大規模言語モデルに検索対象が項に分類されるかを判定させる処理を実行する。例えば、ユーザは、AIからの質問が減ってきたら、HSコード候補をクリック操作して、図13図14に示すようにマスタDB1001やAIの出力などを参照しつつ、最終的なHSコードを決定すればよい。
【0087】
ここで、第2入力が、キーワード入力欄i01に対する入力であると、特定部102は、実行ボタンが押されるたびに、入力欄i02に入力されたHSコードフィルタで指定された類の下位にある項のHSコードのそれぞれについて、大規模言語モデルに検索対象が項に分類されるかを判定させる処理を実行する。
【0088】
また、出力部103は、第1入力を受け付け可能な第1領域と、第2入力を受け付け可能な第1領域とは異なる第2領域と、を表示してもよい。そして、受付部101は、第2領域に入力された情報を検索対象に関する追加の情報である第2入力として受け付けてもよい。
【0089】
図18は、質問に対する回答入力欄を含む画面が表示されている例を示す説明図である。図18において、第1入力を受け付け可能な第1領域が、「子供用のパンツ」が入力されたキーワード入力欄i01である。
【0090】
図18において、入力受付部111が、第1情報である質問に対してクリック操作されると、出力部103は、質問に対する回答入力欄i03を表示する。この回答入力欄i03が、第2入力を受け付け可能な第2領域である。
【0091】
また、他の質問についても同様に、入力受付部111が、質問に対してクリック操作を受け付けると、出力部103は、質問に対する回答入力欄i03を表示すればよい。
【0092】
図19は、質問に対する回答入力欄および質問が発生した項に関する情報が表示される例を示す説明図である。図19において、入力受付部111は、質問に対してクリック操作を受け付けると、出力部103は、質問に対する回答入力欄i03とともに、質問が発生した理由となる項のHSコード、項の品名、項の解説を表示してもよい。回答入力欄i03には、「男子用」という回答が入力されている。この回答入力欄iへの入力が第2
入力となる。
【0093】
図18の説明に戻って、画面には、さらに、回答ボタンを備える。入力受付部111は、回答ボタンの押下を受け付けると、回答入力欄i03に入力された情報(第2入力)を受け付ける。そして、受付部101は、端末装置11から回答入力欄i03に入力された第2入力を受信することにより、第2入力を受け付ける。
【0094】
そして、特定部102は、第2入力と、第2入力を要求する第1情報に関連するHSコード候補の分類情報と、に基づいて、新たにHSコード候補を特定する。すなわち、特定部102は、HSコード候補から、さらにHSコード候補を絞り込む。具体的に、例えば、特定部102は、図15に示すように予め質問と項のHSコードとが関連付けておくことにより、質問に対する回答入力欄i03に入力された第2入力と、質問を表す第1情報との対応関係を特定可能である。特定部102は、回答を受け付けた質問が発生した項について、APIを呼び出し、大規模言語モデルに、検索対象の物品が項に分類されるかを判定させる処理を実行させればよい。これにより、2回目以降について、大規模言語モデルに判定させる処理の数を減らすことができる。例えば、判定させる処理が直列に実行される場合、処理時間の短縮化を図ることができる。また、処理数が多いほど大規模言語モデルの使用料金が増加する場合、判定させる処理の数が減ることにより、低廉化を図ることができる。
【0095】
また、出力部103は、第1情報をチャット形式で出力してもよい。例えば、ユーザが、「なぜそういう質問をするのでしょうか?」などと返信すると、出力部103は、第2情報である理由を出力してもよい。また、例えば、出力部103は、第1情報である質問を順番に出力してもよい。具体的に、例えば、受付部101が、質問に対する回答(第2入力)を受け付けると、出力部103は、次の質問を出力してもよい。
【0096】
また、以上では、項の階層について、HSコード候補が特定される例を挙げて説明した。例えば、特定部102は、マスタDB1001を用いることにより、号の階層について、HSコード候補を特定してもよい。
【0097】
また、出力部103は、複数のHSコード候補がある場合、例えば、検索対象が分類される可能性が高いと判定されたHSコード候補と、検索対象が分類されるかを判定するための情報が足りていないと判定されたHSコード候補とのうち、検索対象が分類される可能性が高いと判定されたHSコード候補を優先的に表示してもよい。優先的に表示する例として、例えば、出力部103は、検索対象が分類される可能性が高いと判定されたHSコード候補、検索対象が分類されるかを判定するための情報が足りていないと判定されたHSコード候補の順に表示してもよい。優先的に表示する例として、例えば、出力部103は、検索対象が分類される可能性が高いと判定されたHSコード候補を表示し、検索対象が分類されるかを判定するための情報が足りていないと判定されたHSコード候補を表示しなくてもよい。
【0098】
また、出力部103は、複数のHSコード候補がある場合、複数のHSコード候補を番号順に表示してもよい。このように、複数のHSコード候補を表示する方法については、特に限定されない。
【0099】
図20は、検索支援装置10による一動作例を示すフローチャートである。受付部101は、検索対象物品に関する第1入力を受け付ける(ステップS201)。例えば、受付部101は、キーワード入力欄i01への入力を第1入力として受け付ければよい。ステップS201において、受付部101は、さらに、HSコードフィルタのフィルタ入力欄に対する入力を受け付けてもよい。
【0100】
つぎに、特定部102は、第1入力と、各HSコードの分類情報と、に基づいて、大規模言語モデルを用いて、HSコード候補を特定する(ステップS202)。ステップS202において、特定部102は、大規模言語モデルを用いて、追加の第2入力を要求する第1情報を特定してもよい。第1情報は、質問を表す情報であってもよい。第2入力は、質問に対する回答であってもよい。
【0101】
出力部103は、特定部102によって複数のHSコード候補が特定されたかを判定する(ステップS203)。なお、大規模言語モデルを用いて項の階層まで絞り込む場合、ステップS203において、出力部103は、項の階層について複数のHSコード候補が特定されたかを判定してもよい。また、大規模言語モデルを用いて号の階層まで絞り込む場合、ステップS203において、出力部103は、HSコード候補が一意に特定されたかを判定してもよい。
【0102】
一方、複数のHSコード候補が特定された場合(ステップS203:Yes)、出力部103は、HSコード候補と、追加の第2入力を要求する第1情報を端末装置11に表示する(ステップS204)。例えば、第1情報は、HSコード候補に分類されるかを特定するために用いる質問を表す。第2入力は、質問に対する回答である。
【0103】
つぎに、受付部101は、第1情報に対する操作を受け付けたかを判定する(ステップS205)。ステップS205において、例えば、受付部101は、図18に示すように質問に対するクリック操作を受け付けたかを判定してもよい。
【0104】
第1情報に対する操作を受け付けた場合(ステップS205:Yes)、出力部103は、第1情報に対する第2入力を必要とする理由を示す第2情報を端末装置11に表示する(ステップS206)。第1情報に対する操作を受け付けていない場合(ステップS205:No)、または、ステップS206のつぎに、受付部101は、第2入力を受け付ける(ステップS207)。検索支援装置10は、ステップS207のつぎに、ステップS202へ戻る。これにより、新たな入力を使って、HSコード候補を絞り込む処理が繰り返し行われる。
【0105】
複数のHSコード候補が特定されない場合(ステップS203:No)、出力部103は、HSコード候補を端末装置11に表示し(ステップS208)、検索支援装置10は、一連の処理を終了する。
【0106】
以上、実施の形態2において、検索支援装置10は、さらに、第1情報によって要求される第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する。第2情報は、第1情報に関連するHSコード候補、HSコード候補の品名、第1情報に関するHSコード候補の項の解説の少なくともいずれかを含む。これにより、ユーザは、検索対象の物品を提示されたHSコード候補に分類させるためにどのような情報が必要であるかをより正確に確認することができる。
【0107】
また、検索支援装置10は、第1情報に対する操作に応じて、第2情報を出力する。これにより、ユーザが必要とする場合に、追加の入力が必要な理由を表す情報を表示することができる。
【0108】
また、検索支援装置10は、HSコード候補と第1情報を同一画面に表示する。これにより、ユーザは、HSコードの候補と、AIからの質問とを一目で確認することができる。
【0109】
また、検索支援装置10は、第1入力を受け付け可能な第1領域と、第2入力を受け付け可能な第1領域とは異なる第2領域と、を表示する。そして、検索支援装置10は、各領域に入力された情報を受け付ける。これにより、検索支援装置10は、AIからの質問である第1情報と、その質問に対する回答である第2入力との対応関係を特定できる。そして、検索支援装置10は、第2入力と、第2入力を要求する第1情報に関連するHSコード候補の分類情報と、に基づいて、新たにHSコード候補を特定する。このように、検索支援装置10は、AIからの質問である第1情報に関連するHSコード候補に絞って大規模言語モデルに再度判定させる処理を行わせることができる。したがって、大規模言語モデルに判定させる処理の数を減らすことができる。例えば、判定させる処理が直列に実行される場合、処理時間の短縮化を図ることができる。また、処理数が多いほど大規模言語モデルの使用料金が増加する場合、判定させる処理の数が減ることにより、低廉化を図ることができる。
【0110】
また、検索支援装置10は、さらに、過去にユーザが物品に対して付与したHSコードに関する情報に基づいて、検索対象が分類されるHSコード候補を特定する。このような情報を利用することにより、税関が公開している解説に記載がないような物品であっても分類できるようになる場合がある。例えば、税関が公開している実行関税率表に記載がないような新しい物品名などであっても分類することが可能となる。
【0111】
以上、各実施の形態の説明を終了する。また、各実施の形態は組み合わせられてもよい。各実施の形態において、検索支援装置10は、各機能部および情報の一部が含まれる構成であってもよい。
【0112】
以上適用例の説明を終了する。また、各実施の形態については、上述した例に限られず、種々変更可能である。また、実施の形態における検索支援装置10の構成は特に限定されない。例えば、検索支援装置10の機能部は、一台の装置によって実現されてもよい。または、例えば、実施の形態における検索支援装置10の各機能部またはDB別に異なる装置によって実現され、システムとして構成されてもよい。例えば検索支援装置10の各機能部は、複数のサーバによって構成され、システムとして実現されてもよい。例えば、各DBを含むデータベースサーバと、各機能部を有するサーバと、によって実現されてもよい。検索支援装置10の各機能部は、クラウドサーバなどによって実現されてもよい。
【0113】
また、実施の形態において、各DBは、前述の情報の一部を含んでもよい。また、各情報は、前述の情報以外の情報を含んでもよい。
【0114】
また、端末装置11に表示させる情報などを生成する処理は、検索支援装置10の出力部103によって行われてもよい。また、この処理は、端末装置11の表示部112によって行われてもよい。すなわち、端末装置11は、検索支援装置10から受信したデータに基づいて、端末装置11に表示させる画面の情報を生成し、画面を表示する。また、各画面は、一例であり、入力欄やボタンなどの位置、色、サイズなどは適宜変更されてよい。
【0115】
(コンピュータのハードウェア構成例)
つぎに、実施の形態において説明した検索支援装置10、端末装置11、大規模言語モデルサーバ12などの各装置をコンピュータで実現した場合のハードウェア構成例について説明する。図21は、コンピュータのハードウェア構成例を示す説明図である。例えば、各装置の一部または全部は、図21に示すようなコンピュータ80とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。
【0116】
コンピュータ80は、例えば、プロセッサ801と、ROM(Read Only Memory)802と、RAM(Random Access Memory)803と、記憶装置804と、を有する。また、コンピュータ80は、通信インタフェース805と、入出力インタフェース806と、を有する。各構成部は、例えば、バス807を介してそれぞれ接続される。なお、各構成部の数は、特に限定されず、各構成部は1または複数である。
【0117】
プロセッサ801は、コンピュータ80の全体を制御する。プロセッサ801としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、または、これらの組み合わせなどを用いることができ、特に限定されない。
【0118】
また、コンピュータ80は、ROM802、RAM803および記憶装置804などを有する。記憶装置804は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。例えば、記憶装置804は、OS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、実施の形態に係るプログラムなどを記憶する。または、ROM802は、アプリケーションプログラム、実施の形態に係るプログラムなどを記憶する。そして、RAM803は、プロセッサ801のワークエリアとして使用される。
【0119】
また、プロセッサ801は、記憶装置804、ROM802などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ801は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ801は、通信ネットワークNTを介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、プロセッサ801は、コンピュータ80の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ801は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0120】
通信インタフェース805は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークNTに接続される。なお、通信ネットワークNTは複数の通信ネットワークNTによって構成されてもよい。これにより、コンピュータ80は、通信ネットワークNTを介して外部の装置や外部のコンピュータ80に接続される。通信インタフェース805は、通信ネットワークNTとコンピュータ80の内部とのインタフェースを司る。そして、通信インタフェース805は、外部の装置や外部のコンピュータ80からのデータの入出力を制御する。
【0121】
また、入出力インタフェース806は、入力装置、出力装置、および入出力装置の少なくともいずれかに接続される。接続方法は、無線であってもよいし、有線であってもよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、マイクなどが挙げられる。出力装置は、例えば、表示装置、点灯装置、音声を出力する音声出力装置などが挙げられる。また、入出力装置は、タッチパネルディスプレイなどが挙げられる。なお、入力装置、出力装置、および入出力装置などは、コンピュータ80に内蔵されていてもよいし、外付けであってもよい。
【0122】
コンピュータ80のハードウェア構成は一例である。コンピュータ80は、図21に示す一部の構成要素を有していてもよい。コンピュータ80は、図21に示す以外の構成要素を有していてもよい。例えば、コンピュータ80は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、プロセッサ801は、ドライブ装置などに装着された記録媒体に記憶されたプログラムやデータをRAM803に読み出してもよい。非一時的な有形な記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。また、前述の通り、例えば、コンピュータ80は、キーボードやマウスなどの入力装置を有してもよい。コンピュータ80は、ディスプレイなどの出力装置を有していてもよい。また、コンピュータ80は、入力装置および出力装置と、入出力装置とをそれぞれ有してもよい。
【0123】
また、コンピュータ80は、図示しない各種センサを有してもよい。センサの種類は特に限定されない。また、コンピュータ80は、画像や映像を撮像可能な撮像装置を備えていてもよい。
【0124】
以上で、各装置のハードウェア構成の説明を終了する。また、各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0125】
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のような汎用の回路によって実現されてもよい。また、各装置の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
【0126】
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0127】
実施の形態で説明した検索支援方法は、検索支援装置10などのコンピュータが実行することにより実現されてもよい。
【0128】
実施の形態で説明した定式化用のプログラム、最適化用のプログラムなどの各プログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、各プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、各プログラムは、通信ネットワークNTを介して配布されてもよい。
【0129】
以上説明した、検索支援装置10の各構成要素は、コンピュータのように、その機能を専用のハードウェアで実現されてもよい。または、各構成要素は、ソフトウェアによって実現されてもよい。または、各構成要素は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0130】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。各本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0131】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施の形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0132】
(付記1)
検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける受付手段と、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定する特定手段と、
前記特定手段によって前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する出力手段と、
を備える検索支援装置。
(付記2)
前記第1情報は、前記検索対象が前記統計番号候補に分類されるかの特定に用いる質問を表し、
前記第2入力は、前記質問に対する回答である、
付記1に記載の検索支援装置。
(付記3)
前記出力手段は、前記第1情報によって要求される前記第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する、
付記1または2に記載の検索支援装置。
(付記4)
前記第2情報は、前記第1情報に関連する前記統計番号候補、前記統計番号候補の品名、前記第1情報に関する前記統計番号候補の項の解説の少なくともいずれかを含む、
付記3に記載の検索支援装置。
(付記5)
前記出力手段は、
前記第1情報に対する操作に応じて、前記第2情報を出力する、
付記3に記載の検索支援装置。
(付記6)
前記出力手段は、前記第1入力を受け付け可能な第1領域と、前記第2入力を受け付け可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、を表示し、
前記受付手段は、前記第2領域に入力された情報を前記第2入力として受け付け、
前記特定手段は、前記第2入力と、前記第2入力を要求する前記第1情報に関連する前記統計番号候補の分類情報と、に基づいて、新たに統計番号候補を特定する、
付記1から付記6のいずれかに記載の検索支援装置。
(付記7)
前記特定手段は、さらに、過去にユーザが物品に対して付与した統計番号に関する情報に基づいて、前記検索対象が分類される前記統計番号候補を特定する、
付記1から付記6のいずれかに記載の検索支援装置。
(付記8)
前記出力手段は、前記統計番号候補と前記第1情報を同一画面に表示する、
付記1から付記7のいずれかに記載の検索支援装置。
(付記9)
前記出力手段は、前記階層構造の統計番号群のうちの項の階層の統計番号から前記統計番号候補が複数特定できる場合、前記第1情報と前記統計番号候補とを出力する、
付記1から付記8のいずれかに記載の検索支援装置。
(付記10)
前記特定手段は、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
付記1から付記9のいずれかに記載の検索支援装置。
(付記11)
前記特定手段は、前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、前記検索対象が当該統計番号に分類されるかの質問情報とを含むプロンプトを、大規模言語モデルに入力し、前記大規模言語モデルから前記統計番号候補および前記第1情報を取得する、
付記10に記載の検索支援装置。
(付記12)
コンピュータが、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行する検索支援方法。
(付記13)
前記第1情報は、前記検索対象が前記統計番号候補に分類されるかの特定に用いる質問を表し、
前記第2入力は、前記質問に対する回答である、
付記12に記載の検索支援方法。
(付記14)
前記出力する処理では、前記第1情報によって要求される前記第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する、
付記12または13に記載の検索支援方法。
(付記15)
前記第2情報は、前記第1情報に関連する前記統計番号候補、前記統計番号候補の品名、前記第1情報に関する前記統計番号候補の項の解説の少なくともいずれかを含む、
付記14に記載の検索支援方法。
(付記16)
前記出力する処理では、前記第1情報に対する操作に応じて、前記第2情報を出力する、
付記14に記載の検索支援方法。
(付記17)
前記出力する処理では、前記第1入力を受け付け可能な第1領域と、前記第2入力を受け付け可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、を表示し、
前記受け付ける処理では、前記第2領域に入力された情報を前記第2入力として受け付け、
前記特定する処理では、前記第2入力と、前記第2入力を要求する前記第1情報に関連する前記統計番号候補の分類情報と、に基づいて、新たに統計番号候補を特定する、
付記12から付記17のいずれかに記載の検索支援方法。
(付記18)
前記特定する処理では、さらに、過去にユーザが物品に対して付与した統計番号に関する情報に基づいて、前記検索対象が分類される前記統計番号候補を特定する、
付記12から付記17のいずれかに記載の検索支援方法。
(付記19)
前記出力する処理では、前記統計番号候補と前記第1情報を同一画面に表示する、
付記12から付記18のいずれかに記載の検索支援方法。
(付記20)
前記出力する処理では、前記階層構造の統計番号群のうちの項の階層の統計番号から前記統計番号候補が複数特定できる場合、前記第1情報と前記統計番号候補とを出力する、
付記12から付記19のいずれかに記載の検索支援方法。
(付記21)
前記特定する処理では、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
付記12から付記20のいずれかに記載の検索支援方法。
(付記22)
前記特定する処理では、前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、前記検索対象が当該統計番号に分類されるかの質問情報とを含むプロンプトを、大規模言語モデルに入力し、前記大規模言語モデルから前記統計番号候補および前記第1情報を取得する、
付記21に記載の検索支援方法。
(付記23)
コンピュータに、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行させるプログラム。
(付記24)
前記第1情報は、前記検索対象が前記統計番号候補に分類されるかの特定に用いる質問を表し、
前記第2入力は、前記質問に対する回答である、
付記22に記載のプログラム。
(付記25)
前記出力する処理では、前記第1情報によって要求される前記第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する、
付記23または24記載のプログラム。
(付記26)
前記第2情報は、前記第1情報に関連する前記統計番号候補、前記統計番号候補の品名、前記第1情報に関する前記統計番号候補の項の解説の少なくともいずれかを含む、
付記25に記載のプログラム。
(付記27)
前記出力する処理では、前記第1情報に対する操作に応じて、前記第2情報を出力する、
付記25に記載のプログラム。
(付記28)
前記出力する処理では、前記第1入力を受け付け可能な第1領域と、前記第2入力を受け付け可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、を表示し、
前記受け付ける処理では、前記第2領域に入力された情報を前記第2入力として受け付け、
前記特定する処理では、前記第2入力と、前記第2入力を要求する前記第1情報に関連する前記統計番号候補の分類情報と、に基づいて、新たに統計番号候補を特定する、
付記23から付記27のいずれかに記載のプログラム。
(付記29)
前記特定する処理では、さらに、過去にユーザが物品に対して付与した統計番号に関する情報に基づいて、前記検索対象が分類される前記統計番号候補を特定する、
付記23から付記28のいずれかに記載のプログラム。
(付記30)
前記出力する処理では、前記統計番号候補と前記第1情報を同一画面に表示する、
付記23から付記29のいずれかに記載のプログラム。
(付記31)
前記出力する処理では、前記階層構造の統計番号群のうちの項の階層の統計番号から前記統計番号候補が複数特定できる場合、前記第1情報と前記統計番号候補とを出力する、
付記23から付記30のいずれかに記載のプログラム。
(付記32)
前記特定する処理では、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
付記23から付記31のいずれかに記載のプログラム。
(付記33)
前記特定する処理では、前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、前記検索対象が当該統計番号に分類されるかの質問情報とを含むプロンプトを、大規模言語モデルに入力し、前記大規模言語モデルから前記統計番号候補および前記第1情報を取得する、
付記32に記載のプログラム。
(付記34)
コンピュータに、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行させるプログラムを記録する、前記コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【符号の説明】
【0133】
10 検索支援装置
11 端末装置
80 コンピュータ
101 受付部
102 特定部
103 出力部
111 入力受付部
112 表示部
801 プロセッサ
802 ROM
803 RAM
804 記憶装置
805 通信インタフェース
806 入出力インタフェース
807 バス
1001 マスタDB
i01 キーワード入力欄
i02 入力欄
i03 回答入力欄
NT 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象の物品に関する第1入力を受け付ける受付手段と、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定する特定手段と、
前記特定手段によって前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する出力手段と、
を備える検索支援装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記検索対象が前記統計番号候補に分類されるかの特定に用いる質問を表し、
前記第2入力は、前記質問に対する回答である、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記第1情報によって要求される前記第2入力が必要である理由を示す第2情報を出力する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項4】
前記第2情報は、前記第1情報に関連する前記統計番号候補、前記統計番号候補の品名、前記第1情報に関する前記統計番号候補の項の解説の少なくともいずれかを含む、
請求項3に記載の検索支援装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
前記第1情報に対する操作に応じて、前記第2情報を出力する、
請求項3に記載の検索支援装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記第1入力を受け付け可能な第1領域と、前記第2入力を受け付け可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、を表示し、
前記受付手段は、前記第2領域に入力された情報を前記第2入力として受け付け、
前記特定手段は、前記第2入力と、前記第2入力を要求する前記第1情報に関連する前記統計番号候補の分類情報と、に基づいて、新たに統計番号候補を特定する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項7】
前記特定手段は、さらに、過去にユーザが物品に対して付与した統計番号に関する情報に基づいて、前記検索対象が分類される前記統計番号候補を特定する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記統計番号候補と前記第1情報を同一画面に表示する、
請求項1に記載の検索支援装置。
【請求項9】
前記特定手段は、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
請求項1から8のいずれかに記載の検索支援装置。
【請求項10】
コンピュータが、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行する検索支援方法。
【請求項11】
前記特定する処理では、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
請求項10に記載の検索支援方法。
【請求項12】
コンピュータに、
検索対象の物品に関する第1入力を受け付け、
前記第1入力と、階層構造の統計番号群に含まれる各統計番号の分類情報と、に基づいて、前記検索対象が分類される統計番号候補を特定し、
前記統計番号候補が複数特定できる場合、追加で入力される前記検索対象に関する第2入力を要求する第1情報と、前記統計番号候補とを出力する、
処理を実行させるプログラム。
【請求項13】
前記特定する処理では、大規模言語モデルを用いて、前記統計番号候補および前記第1情報を特定する、
請求項12に記載のプログラム。