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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025083266
(43)【公開日】2025-05-30
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/06 20060101AFI20250523BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20250523BHJP
【FI】
H01F27/06 103
H05K1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069772
(22)【出願日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】10-2023-0161051
(32)【優先日】2023-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 癸洙
【テーマコード(参考)】
4E351
5E070
【Fターム(参考)】
4E351AA03
4E351AA04
4E351BB11
4E351BB31
4E351CC11
4E351GG06
5E070AA01
5E070AA19
5E070AB04
5E070CB17
5E070DB02
(57)【要約】
【課題】インダクタンスを向上させることができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本発明は、貫通部を有する基板(substrate)と、上記貫通部内に少なくとも一部が配置され、第1貫通孔を有する磁性体層と、上記第1貫通孔内に配置された第1貫通ビア層と、上記磁性体層の上面上に配置され、上記第1貫通ビア層の上端部の少なくとも一部を覆う第1パターン層と、上記磁性体層の下面上に配置され、上記第1貫通ビア層の下端部の少なくとも一部を覆う第2パターン層と、を含み、上記第1貫通ビア層は上記第1貫通孔の壁面と接触し、上記第1パターン層の少なくとも一部は上記磁性体層の上面と接触し、上記第2パターン層の少なくとも一部は上記磁性体層の下面と接触する、プリント回路基板に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通部を有する基板(substrate)と、
前記貫通部内に少なくとも一部が配置され、第1貫通孔を有する磁性体層と、
前記第1貫通孔内に配置された第1貫通ビア層と、
前記磁性体層の上面上に配置され、前記第1貫通ビア層の上端部の少なくとも一部を覆う第1パターン層と、
前記磁性体層の下面上に配置され、前記第1貫通ビア層の下端部の少なくとも一部を覆う第2パターン層と、
を含み、
前記第1貫通ビア層は前記第1貫通孔の壁面と接触し、
前記第1パターン層の少なくとも一部は前記磁性体層の上面と接触し、
前記第2パターン層の少なくとも一部は前記磁性体層の下面と接触する、プリント回路基板。
【請求項2】
前記基板は第2貫通孔を有し、
前記第2貫通孔内に配置された第2貫通ビア層と、
前記基板の上面上に配置され、前記第2貫通ビア層の上端部の少なくとも一部を覆う第3パターン層と、
前記基板の下面上に配置され、前記第2貫通ビア層の下端部の少なくとも一部を覆う第4パターン層と、
をさらに含み、
前記第2貫通ビア層は前記第2貫通孔の壁面と接触し、
前記第3パターン層の少なくとも一部は前記基板の上面と接触し、
前記第4パターン層の少なくとも一部は前記基板の下面と接触する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1貫通ビア層は、前記第1貫通孔の壁面上に配置された第1-1金属層と、前記第1-1金属層上に配置された第1-2金属層と、前記第1-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材とを含み、
前記第2貫通ビア層は、前記第2貫通孔の壁面上に配置された第2-1金属層と、前記第2-1金属層上に配置された第2-2金属層と、前記第2-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材とを含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1及び第2貫通孔の壁面は、それぞれ前記磁性体層、並びに前記基板のそれぞれの上面及び下面のうち少なくとも一つを基準として実質的に垂直である、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1パターン層は、前記磁性体層の上面上に配置された前記第1-1金属層と、前記第1-1金属層上に配置された前記第1-2金属層と、前記第1-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する前記第1充填材と、前記第1-2金属層及び前記第1充填材のそれぞれの上面上に配置された第1-3金属層とを含み、
前記第2パターン層は、前記磁性体層の下面上に配置された前記第1-1金属層と、前記第1-1金属層上に配置された前記第1-2金属層と、前記第1-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する前記第1充填材と、前記第1-2金属層及び前記第1充填材のそれぞれの下面上に配置された第1-4金属層とを含み、
前記第3パターン層は、前記基板の上面上に配置された前記第2-1金属層と、前記第2-1金属層上に配置された前記第2-2金属層と、前記第2-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する前記第2充填材と、前記第2-2金属層及び前記第2充填材のそれぞれの上面上に配置された前記第2-3金属層とを含み、
前記第4パターン層は、前記基板の下面上に配置された前記第2-1金属層と、前記第2-1金属層上に配置された前記第2-2金属層と、前記第2-2金属層の間の空間の少なくとも一部を充填する前記第2充填材と、前記第2-2金属層及び前記第2充填材のそれぞれの下面上に配置された前記第2-4金属層とを含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1貫通ビア層は、前記第1貫通孔の壁面上に配置された第1-1金属層と、前記第1-1金属層上に配置され、充填材なしに前記第1貫通孔の少なくとも一部を充填する第1-2金属層とを含み、
前記第2貫通ビア層は、前記第2貫通孔の壁面上に配置された第2-1金属層と、前記第2-1金属層上に配置され、充填材なしに前記第2貫通孔の少なくとも一部を充填する第2-2金属層とを含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1及び第2貫通孔の壁面は、それぞれ前記磁性体層及び前記基板のそれぞれの上面及び下面のうち少なくとも一つを基準として傾斜を有する傾斜面を複数個有する、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1パターン層は、前記磁性体層の上面上に配置された前記第1-1金属層と、前記第1-1金属層の上面上に配置された前記第1-2金属層とを含み、
前記第2パターン層は、前記磁性体層の下面上に配置された前記第1-1金属層と、前記第1-1金属層の下面上に配置された前記第1-2金属層とを含み、
前記第3パターン層は、前記基板の上面上に配置された前記第2-1金属層と、前記第2-1金属層の上面上に配置された前記第2-2金属層とを含み、
前記第4パターン層は、前記基板の下面上に配置された前記第2-1金属層と、前記第2-1金属層の下面上に配置された前記第2-2金属層とを含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記基板及び前記磁性体層のそれぞれの上面上に配置され、前記第1及び第3パターン層のそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、
前記基板及び前記磁性体層のそれぞれの下面上に配置され、前記第2及び第4パターン層のそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、
前記第1絶縁層の上面上に配置された第1配線層と、
前記第2絶縁層の下面上に配置された第2配線層と、
前記第1絶縁層の少なくとも一部を貫通し、前記第1及び第3パターン層のうち少なくとも一つの少なくとも一部を前記第1配線層の少なくとも一部と連結する第1ビア層と、
前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通し、前記第2及び第4パターン層のうち少なくとも一つの少なくとも一部を前記第2配線層の少なくとも一部と連結する第2ビア層と、
をさらに含む、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層の上面上に配置され、前記第1配線層の少なくとも一部をそれぞれ露出させる複数の第1開口を有する第1レジスト層と、
前記第2絶縁層の下面上に配置され、前記第2配線層の少なくとも一部をそれぞれ露出させる複数の第2開口を有する第2レジスト層と、
をさらに含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記基板は前記貫通部を複数個含み、
複数の前記貫通部のそれぞれには前記磁性体層がそれぞれ配置され、
複数の前記磁性体層のそれぞれは前記第1貫通孔を有し、
複数の前記第1貫通孔のそれぞれには前記第1貫通ビア層が配置され、
複数の前記第1貫通ビア層は、前記第1及び第2パターン層のうち少なくとも一つを介して互いに連結され、前記複数の磁性体層のそれぞれの少なくとも一部を囲む形態で配置された一つ以上のコイル部を形成する、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記磁性体層は前記貫通部の壁面と接触する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記磁性体層の上面は、前記基板の上面と実質的に共面をなし、
前記磁性体層の下面は、前記基板の下面と実質的に共面をなす、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記基板は、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
貫通部を有する基板と、
前記貫通部内に少なくとも一部が配置され、貫通孔を有する磁性体層と、
前記貫通孔の壁面上に配置され、前記磁性体層の上面及び下面上に延びて配置された第1金属層と、
前記第1金属層上に配置され、前記貫通孔の少なくとも一部を充填する第2金属層と、
を含み、
前記第1金属層は、前記貫通孔の壁面、前記磁性体層の上面、及び前記磁性体層の下面のそれぞれと接触する、プリント回路基板。
【請求項16】
前記第2金属層の間に配置され、前記貫通孔の他の少なくとも一部を充填し、前記磁性体層の上面及び下面上にそれぞれ一部が突出した充填材と、
前記第2金属層及び前記充填材のそれぞれの上面上に配置された第3金属層と、
前記第2金属層及び前記充填材のそれぞれの下面上に配置された第4金属層と、
をさらに含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記第2金属層は、充填材なしに前記貫通孔の少なくとも一部を充填し、
前記第2金属層の上面及び下面のそれぞれの少なくとも一部は絶縁材と接触する、請求項15に記載のプリント回路基板。
【請求項18】
前記磁性体層と前記貫通孔と前記第1及び第2金属層とを含むMCI(Magnetic Composite Inductor)をさらに含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体チップのスリム化及び電力効率の増大のために、パッケージ基板の内部にキャパシタ、インダクタなどの様々な受動素子を内蔵することが求められている。一方、インダクタの場合、材料及び構造の変更を通じてインダクタンスを既存のチップ部品に比べて向上させることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的の一つは、インダクタンスを向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明のいくつかの目的の他の一つは、スリム化及び集積化を高めることができ、工程コストを削減することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明を通じて提供するいくつかの解決手段の一つは、ガラスなどの無機絶縁材を含む基板の貫通部に磁性体層を配置し、磁性体層に貫通孔を形成し、MCI(Magnetic Composite Inductor)などのインダクタを直接形成することである。
【0006】
例えば、一例によるプリント回路基板は、貫通部を有する基板(substrate)と、上記貫通部内に少なくとも一部が配置され、第1貫通孔を有する磁性体層と、上記第1貫通孔内に配置された第1貫通ビア層と、上記磁性体層の上面上に配置され、上記第1貫通ビア層の上端部の少なくとも一部を覆う第1パターン層と、上記磁性体層の下面上に配置され、上記第1貫通ビア層の下端部の少なくとも一部を覆う第2パターン層と、を含み、上記第1貫通ビア層は上記第1貫通孔の壁面と接触し、上記第1パターン層の少なくとも一部は上記磁性体層の上面と接触し、上記第2パターン層の少なくとも一部は上記磁性体層の下面と接触するものであってもよい。
【0007】
例えば、一例によるプリント回路基板は、貫通部を有する基板と、上記貫通部内に少なくとも一部が配置され、貫通孔を有する磁性体層と、上記貫通孔の壁面上に配置され、上記磁性体層の上面及び下面上に延びて配置された第1金属層と、上記第1金属層上に配置され、上記貫通孔の少なくとも一部を充填する第2金属層と、を含み、上記第1金属層は上記貫通孔の壁面、上記磁性体層の上面、及び上記磁性体層の下面のそれぞれと接触するものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な効果のうち一効果として、インダクタンスを向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【0009】
本発明の様々な効果のうち他の一効果として、スリム化及び集積化を高めることができ、工程コストを削減することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
図4a図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4b図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4c図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4d図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4e図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4f図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4g図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4h図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4i図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4j図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4k図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図4l図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図5】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
図6a図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6b図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6c図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6d図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6e図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6f図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6g図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6h図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6i図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図6j図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
図7a図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
図7b図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
図7c図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
図7d図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
図7e図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
図7f図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0012】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0021】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【0022】
図面を参照すると、一例によるプリント回路基板100Aは、基板111、基板111の上面及び下面の間を貫通する貫通部C、貫通部C内に少なくとも一部が配置された磁性体層140、並びに磁性体層140の上面及び下面の間を貫通する第1貫通孔H1、第1貫通孔H1内に配置された第1貫通ビア層151aと磁性体層140の上面上に配置され、第1貫通ビア層151aの上端部の少なくとも一部を覆う第1パターン層152aと磁性体層140の下面上に配置され、第1貫通ビア層151aの下端部の少なくとも一部を覆う第2パターン層153aを含む第1貫通ビア150Aを含むことができる。このとき、第1貫通ビア層151aは、第1貫通孔H1の壁面と接触することができる。また、第1パターン層152aの少なくとも一部は磁性体層140の上面と接触することができる。また、第2パターン層153aの少なくとも一部は磁性体層140の下面と接触することができる。例えば、第1貫通ビア150Aは磁性体層140に直接形成されてもよい。
【0023】
例えば、一例によるプリント回路基板100Aは、コア層に該当する基板111の貫通部Cに磁性体層140を配置し、磁性体層140に第1貫通ビア150Aを直接形成して、磁性体層140を囲む形態のインダクタを形成することができる。したがって、インダクタの電気特性を向上させることができる。例えば、プリント回路基板100A内でインダクタのインダクタンスを向上させることができる。また、プリント回路基板100Aのスリム化及び集積化を高めることができる。また、埋め込み工程を省略することができるため、別途の絶縁材でインダクタを固定する必要がないことから、工程コストの削減が可能であり、全厚さを十分に減少させることができる。一方、貫通部Cは複数個であってもよく、それぞれの貫通部Cには磁性体層140が配置されてもよく、磁性体層140のそれぞれは第1貫通孔H1を有してもよい。したがって、磁性体層140のそれぞれには、上述した第1貫通ビア150Aを形成することができる。例えば、プリント回路基板100Aには複数の第1貫通ビア150Aが形成されてもよい。このとき、複数の第1貫通ビア150Aは、第1及び/又は第2パターン層152a、153aを介して互いに連結されるか、あるいは後述する第1及び/又は第2配線層121、122と第1及び/又は第2ビア層131、132を介して互いに連結されて、一つ以上のコイル部を形成することができる。したがって、インダクタのインダクタンスをより効果的に向上させることができ、電気特性をより効果的に向上させることができる。
【0024】
一方、一例によるプリント回路基板100Aは、基板111の上面及び下面の間を貫通する第2貫通孔H2、並びに第2貫通孔H2内に配置された第2貫通ビア層161aと基板111の上面上に配置され、第2貫通ビア層161aの上端部の少なくとも一部を覆う第3パターン層162aと基板111の下面上に配置され、第2貫通ビア層161aの下端部の少なくとも一部を覆う第4パターン層163aを含む第2貫通ビア160をさらに含むことができる。このとき、第2貫通ビア層160Aは、第2貫通孔H2の壁面と接触することができる。また、第3パターン層162aの少なくとも一部は基板111の上面と接触することができる。また、第4パターン層163aの少なくとも一部は基板111の下面と接触することができる。例えば、第2貫通ビア160Aは基板111に直接形成されてもよい。
【0025】
例えば、一例によるプリント回路基板100Aは、コア層に該当する基板111に第2貫通ビア160Aを直接形成することができる。これにより、基板111に配線の電気的連結経路を形成することができる。したがって、プリント回路基板100Aの設計自由度を高めることができる。また、プリント回路基板100Aのスリム化及び集積化を高めることができる。また、第1貫通ビア150Aと同時に形成することができるため、工程コストの削減が可能であり、上述したように全厚さを十分に減少させることができる。一方、必要に応じて、基板111に第2貫通孔H2が複数個形成されてもよく、例えば、第2貫通ビア160Aが複数個形成されてもよい。このとき、複数の第2貫通ビア160Aは、第3及び/又は第4パターン層162a、163aを介して互いに連結されるか、あるいは後述する第1及び/又は第2ビア層131、132を介して第1及び/又は第2配線層121、122とそれぞれ設計に合わせて連結されることができる。したがって、配線の電気的連結経路をより多様に形成することができ、設計自由度をより向上させることができる。
【0026】
一方、一例によるプリント回路基板100Aは、基板111及び磁性体層140のそれぞれの上面上に配置され、第1及び第3パターン層152a、162aのそれぞれの少なくとも一部を覆う第1絶縁層112、基板111及び磁性体層140のそれぞれの下面上に配置され、第2及び第4パターン層152b、162bのそれぞれの少なくとも一部を覆う第2絶縁層113、第1絶縁層112の上面上に配置された第1配線層121、第2絶縁層113の下面上に配置された第2配線層122、第1絶縁層112の少なくとも一部を貫通し、第1及び第3パターン層152a、162aのうち少なくとも一つを第1配線層121の少なくとも一部と連結する第1ビア層131、並びに第2絶縁層113の少なくとも一部を貫通し、第2及び第4パターン層153a、163aのうち少なくとも一つを第2配線層122の少なくとも一部と連結する第2ビア層132をさらに含むことができる。必要に応じて、第1絶縁層112の上面上に配置され、第1配線層121の少なくとも一部をそれぞれ露出させる複数の第1開口o1を有する第1レジスト層171、及び第2絶縁層113の下面上に配置され、第2配線層122の少なくとも一部をそれぞれ露出させる複数の第2開口o2を有する第2レジスト層172をさらに含むことができる。
【0027】
例えば、一例によるプリント回路基板100Aは、ビルドアップ工程によって実現される多層パッケージ基板の形態を有することができる。これにより、より多様な配線設計が可能になり得る。また、上述したように、複数の第1貫通ビア150Aが第1及び/又は第2配線層121、122と第1及び/又は第2ビア層131、132を介して互いに連結され、一つ以上のコイル部を形成することができる。また、上述したように、第1及び第2配線層121、122、並びに第1及び第2ビア層131、132が第2貫通ビア160A、例えば、複数の第2貫通ビア160Aを介して互いに連結されてもよい。したがって、上側構成と下側構成との間に様々な電気的連結経路が提供されることができる。
【0028】
一方、第1貫通ビア層151aは、第1貫通孔H1の壁面上に配置された第1-1金属層m1と、第1-1金属層m1上に配置された第2金属層m2と、第1-2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材pを含むことができる。また、第1パターン層152aは、磁性体層140の上面上に配置された第1-1金属層m1と、第1-1金属層m1上に配置された第1-2金属層m2と、第1-2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材pと、第1-2金属層m2及び第1充填材pのそれぞれの上面上に配置された第1-3金属層m3を含むことができる。また、第1-2パターン層153aは、磁性体層140の下面上に配置された第1-1金属層m1と、第1-1金属層m1上に配置された第1-2金属層m2と、第1-2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材pと、第1-2金属層m2及び第1充填材pのそれぞれの下面上に配置された第1-4金属層m4を含むことができる。
【0029】
また、第2貫通ビア層161aは、第2貫通孔H2の壁面上に配置された第2-1金属層m1と、第2-1金属層m1上に配置された第2-2金属層m2と、第2~2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材pを含むことができる。また、第3パターン層162aは、基板111の上面上に配置された第2-1金属層m1と、第2-1金属層m1上に配置された第2-2金属層m2と、第2-2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材pと、第2-2金属層m2及び第2充填材pのそれぞれの上面上に配置された第2-3金属層m3を含むことができる。また、第4パターン層163aは、基板111の下面上に配置された第2-1金属層m1と、第2-1金属層m1上に配置された第2-2金属層m2と、第2-2金属層m2の間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材pと、第2-2金属層m2及び第2充填材pのそれぞれの下面上に配置された第2-4金属層m4を含むことができる。
【0030】
また、第2-1金属層m1は、第1-1金属層m1と実質的に同じ金属層であってもよい。例えば、それぞれ第1金属層m1であってもよく、説明の便宜上、第1-1及び第1-2金属層m1に区分してもよい。第2-2金属層m2は、第1-2金属層m2と実質的に同じ金属層であってもよく、例えば、それぞれ第2金属層m2であってもよく、説明の便宜上、第1-2及び第2-2金属層m2に区分してもよい。第2-3金属層m3は、第1-3金属層m3と実質的に同じ金属層であってもよく、例えば、それぞれ第3金属層m3であってもよく、説明の便宜上、第1-3及び第2-3金属層m3に区分してもよい。第2-4金属層m4は、第1-4金属層m4と実質的に同じ金属層であってもよく、例えば、それぞれ第4金属層m4であってもよく、説明の便宜上、第1-4及び第2-4金属層m4に区分してもよい。また、第2充填材pは、第1充填材pと実質的に同じ充填材であってもよい。例えば、それぞれ充填材pであってもよく、説明の便宜上、第1及び第2充填材pに区分してもよい。
【0031】
例えば、第1金属層m1は、第1及び第2貫通ビア層151a、161と第1~第4パターン層152a、153a、162a、163aを形成するためのシード層であってもよく、薄い厚さで実質的に一定にコンフォーマルに形成されてもよい。一方、第1金属層m1は複数の層で構成されてもよく、例えば、チタン(Ti)層、銅(Cu)層などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。また、第2金属層m2は、第1及び第2貫通ビア層151a、161と第1~第4パターン層152a、153a、162a、163aを形成するためのめっき層であってもよく、第1金属層m1よりも厚い厚さで実質的に一定にコンフォーマルに形成されてもよい。一方、第2金属層m2は一つの層で構成されてもよく、例えば、銅(Cu)層を含んでもよいが、これに限定されるものではない。また、第3及び第4金属層m3、m4は、第1~第4パターン層152a、153a、162a、163aを形成するためのキャップめっき層であってもよく、それぞれ第1金属層m1よりも厚い厚さで実質的に一定にコンフォーマルに形成されてもよい。一方、第3及び第4金属層m3、m4はそれぞれ一つの層で構成されてもよく、例えば、それぞれ銅(Cu)層を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
また、第1貫通孔H1の壁面は、磁性体層140の上面及び下面のうち少なくとも一つを基準として実質的に垂直であってもよい。また、第2貫通孔H2の壁面は、基板111の上面及び下面のうち少なくとも一つを基準として実質的に垂直であってもよい。
【0033】
例えば、第1及び第2貫通孔H1、H2は、それぞれ断面上において実質的に側面が垂直な柱形状を有することができ、平面上において円形状、楕円形状、四角形状など様々な形状を有することができる。
【0034】
一方、磁性体層140は、基板111の貫通部Cの壁面と接触することができる。例えば、磁性体層140は、磁性体樹脂で基板111の貫通部Cを充填して形成することができる。磁性体樹脂で基板111の貫通部Cを充填した後には、平坦化工程、例えば、研磨工程を行うことができる。
【0035】
例えば、磁性体層140の上面及び下面は、基板111の上面及び下面とそれぞれ実質的に共面をなすことができる。この場合、基板111と磁性体層140から提供される上部面と下部面が平坦な面であってもよい。したがって、微細回路パターンをより容易に形成することができる。例えば、第1~第4パターン層152a、153a、162a、163aをよりファインピッチで形成することができる。また、その上にビルドアップ工程を行う際に、アンジュレーション等を最小化して、工程効率等を高めることができる。
【0036】
一方、基板111は、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層であってもよい。好ましくは、基板111は、ガラスコア層、シリコンコア層、セラミックコア層などの無機コア層であってもよく、より好ましくは、ガラスコア層であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
例えば、ガラスコア層を適用すると、コスト及び性能の面でより有利になり得る。例えば、ガラスはそれ自体が絶縁体であるため、別途の絶縁膜が不要であり、さらに、パネルとしての生産が可能であるため、低コストで工程の進行が可能であり得る。また、ガラスは平滑性と絶縁特性上、伝送ロスが少ない材料であるため、高周波の高速信号伝送用材料として容易に用いられることができる。例えば、ガラスは、誘電正接(1MHz)が0.0005~0.0008程度で有機絶縁材の0.002~0.0100より低い。また、導体損失は配線抵抗、表皮効果、表面粗さが要因となることがあり、表皮効果は交流電流を流したとき、周波数が高いほど配線表面にのみ電流が流れて実抵抗が高くなる現象であり、10GHzで0.7μm、100GHzで0.2μmと非常に薄い表皮粗さを有することができる。さらに、導体表面に凹凸があると、電流がその凹凸に沿って流れるため、電流が流れる距離が長くなり抵抗が増加することがあるが、ガラスは表面の粗さがほとんどないため、損失が少なくなり得る。したがって、このようなガラスコア層にインダクタ、例えば、MCI(Magnetic Composite Inductor)などを直接形成する場合、上述した複合的な効果を全て有することができる。
【0038】
以下では、図面を参照して一例によるプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0039】
基板111はコア層であってもよい。例えば、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含むことができる。有機コア層は有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、これらに限定されるものではなく、それら以外にも他の高分子素材が用いられてもよい。ガラスコア層はガラス(glass)を含むことができる。ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これらに限定されるものではなく、代替的なガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層の材料として使用されてもよい。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素、並びに他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。ガラスは上述のガラス繊維とは区別されることができる。メタルコア層は金属を含むことができる。金属は、例えば、銅(Cu)、インバー(Invar)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。メタルコア層は、金属の上に形成された絶縁膜を含むこともできる。絶縁膜は、有機絶縁材又は無機絶縁材を含むことができる。シリコンコア層は純粋なシリコン(Si)を含むことができる。必要に応じて、シリコンコア層は、シリコン(Si)の上に形成された酸化層を含むこともできる。また、酸化層の上に形成された窒化層を含むこともできる。酸化層はシリコン酸化膜を含んでもよく、窒化層はシリコン窒化膜を含んでもよいが、これに限定されるものではない。セラミックコア層はセラミック材料を含むことができる。セラミック材料は、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
第1及び第2絶縁層112、113は有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であってもよいが、これらに限定されるものではなく、それら以外にも他の高分子素材が用いられてもよい。第1及び第2絶縁層112、113は、互いに同一又は異なる有機絶縁材を含むことができる。第1及び第2絶縁層112、113は、それぞれ必要に応じて、複数の層で構成されてもよい。
【0041】
第1及び第2配線層121、122はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2配線層121、122は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1及び第2配線層121、122は、シード層とシード層上に形成されためっき層を含むことができる。シード層は無電解めっき層(又は化学銅)及び/又はスパッタリング層であってもよく、めっき層は電解めっき層(又は電気銅)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0042】
第1及び第2ビア層131、132はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質は、上述したように、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2ビア層131、132は、それぞれビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されたコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1及び第2ビア層131、132は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビア層131、132は、それぞれ互いに反対方向にテーパ形状の第1及び第2接続ビアを含むことができる。第1及び第2ビア層131、132はそれぞれ、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0043】
磁性体層140は磁性物質を含むことができる。磁性物質は、例えば、フェライト(ferrite)系物質、パーマロイ(permalloy)系物質等を含むことができる。例えば、Ni系フェライト、Ni-Zn系フェライト、Ni-Zn-Cu系フェライト、Fe-Si-Al(Sendust)、Ni-Mo-Fe(MPP:Molypermalloy Powder Core)、Ni-Fe(High Flux Core)等を含むことができるが、これらに限定されるものではなく、それら以外にも他の公知のフェライト系物質やパーマロイ系物質等を含むことができる。また、それら以外にも他の磁性粉末及び/又は磁性粒子を含む様々な種類の磁性物質が用いられてもよい。このような磁性物質はペーストや組成物タイプで貫通部Cを充填することができ、以後、硬化して磁性体層140となり得る。したがって、磁性体層140は貫通部Cの壁面と接触することができる。例えば、磁性体層140が基板111と接触してもよい。
【0044】
第1貫通ビア150Aは、第1貫通ビア層151aと、第1及び第2パターン層152a、153aとを含むことができる。第1貫通ビア層151aは、上述したように、第1及び第2金属層m1、m2と充填材pとを含むことができる。第1及び第2パターン層152a、153aは、上述したように、第1~第4金属層m1、m2、m3、m4と充填材pとを含むことができる。第1金属層m1は、スパッタリングで形成される第1層と無電解めっきで形成される第2層とを含むことができ、第1層はチタン(Ti)層と銅(Cu)層とを含むことができ、第2層は銅(Cu)層を含むことができるが、これに限定されるものではない。第2~第4金属層m2、m3、m4はそれぞれ電解めっきで形成することができ、それぞれ銅(Cu)層を含むことができるが、これに限定されるものではない。充填材pはプラッギング材を含むことができる。プラッギング材は、エポキシなどの絶縁樹脂を含む絶縁インクを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、伝導性インクを含んでもよい。第1パターン層152a及び/又は第2パターン層153aは基板111上に延びることができる。例えば、複数の第1貫通ビア150Aのそれぞれの第1パターン層152a及び/又は第2パターン層153aが互いに連結されてもよい。第1及び第2パターン層152a、153aは、ラインパターン、パッドパターンを含むことができるが、これに限定されるものではない。一方、パッドのみが充填材pを含んでもよく、ラインは充填材pを含まなくてもよい。
【0045】
第2貫通ビア160Aは、第2貫通ビア層161aと、第3及び第4パターン層162a、163aとを含むことができる。第2貫通ビア層161aは、上述したように、第1及び第2金属層m1、m2と充填材pとを含むことができる。第3及び第4パターン層162a、163aは、上述したように、第1~第4金属層m1、m2、m3、m4及び充填材pを含むことができる。第1~第4金属層m1、m2、m3、m4及び充填材pは、第1貫通ビア150A等で説明したものと実質的に同一であり得る。第3及び第4パターン層162a、163aは、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。一方、パッドのみが充填材pを含んでもよく、ライン、プレーンなどは充填材pを含まなくてもよい。
【0046】
第1及び第2レジスト層171、172は、液状又はフィルムタイプの半田レジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、ABF(Ajinomoto Build-up Film)等の他の有機絶縁材を含むこともできる。第1及び第2レジスト層171、172は、それぞれ第1及び第2開口o1、o2を有することができる。第1及び第2開口o1、o2はそれぞれ複数個であってもよい。第1及び第2開口o1、o2は、それぞれSMD(Solder Mask Defined)及び/又はNSMD(Non Solder Mask Defined)で形成されてもよい。第1及び第2開口o1、o2は、それぞれ第1及び第2配線層121、122の少なくとも一部を露出させることができ、露出したパターンの表面には表面処理層が配置されることができる。表面処理層は、電解金めっき、無電解金めっき、OSP(Organic Solderability Preservative)又は無電解錫めっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIG(Direct Immersion Gold)めっき、HASL(Hot Air Solder Leveling)などによって形成されてもよい。
【0047】
必要に応じて、第1レジスト層171上には半導体チップが配置されてもよい。半導体チップは第1貫通ビア150Aと電気的に連結されることができる。半導体チップは、例えば、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)であってもよい。集積回路ダイはアクティブウエハをベースにして形成されたものであってもよく、この場合、それぞれの本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されてもよい。本体には様々な回路が形成されていてもよい。本体のフロント面には、外部の回路、例えば、信号、電気、グランドなどと連結されるための接続パッドが形成されてもよく、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含んでもよい。
【0048】
図4a~図4lは、図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0049】
図4aを参照すると、基板111を準備することができる。基板111は、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含むことができ、より好ましくは、ガラスコア層を含むことができる。基板111がガラスコア層を含む場合には、ガラス板(glass plate)等を準備してもよい。
【0050】
図4bを参照すると、基板111に複数のホールh1、h2を形成することができる。複数のホールh1、h2は、後述する貫通部Cや第2貫通孔H2を形成する際に用いられることができる。複数のホールh1、h2はレーザ加工などにより形成することができる。
【0051】
図4cを参照すると、基板111に貫通部C及び第2貫通孔H2を形成することができる。貫通部C及び第2貫通孔H2は、基板111に予め形成された複数のホールh1、h2を拡張する方法で形成することができる。例えば、化学的エッチングにより複数のホールh1、h2を拡張して貫通部C及び第2貫通孔H2を形成することができる。必要に応じて、貫通部Cは複数個形成してもよい。
【0052】
図4dを参照すると、貫通部Cに磁性体層140を形成することができる。例えば、磁性体ペースト又は磁性体組成物を用いて貫通部Cを充填し、これを硬化させて磁性体層140を形成することができる。貫通部Cが複数個ある場合、それぞれの貫通部Cに磁性体層140を形成することができる。
【0053】
図4eを参照すると、磁性体層140を平坦化することができる。例えば、磁性体層140の上面及び下面がそれぞれ基板111の上面及び下面と実質的に共面をなすように研磨工程を行うことができる。磁性体層140が複数個ある場合、実質的に同様に、研磨工程により平坦化することができる。
【0054】
図4fを参照すると、磁性体層140に第1貫通孔H1を形成することができる。第1貫通孔H1は、機械的ドリル等により形成することができる。磁性体層140が複数個ある場合、それぞれの磁性体層140に第1貫通孔H1を形成することができる。
【0055】
図4gを参照すると、基板111と磁性体層140と第1及び第2貫通孔H1、H2に、第1及び第2金属層m1、m2を形成することができる。例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)などを材料としてスパッタリングを行い、第1金属層m1を形成することができる。必要に応じて、スパッタリング後に無電解めっきを行うことができる。例えば、第1金属層m1は化学銅も含むことができる。次に、銅(Cu)などを材料として電解めっきを行い、第2金属層m2を形成することができる。第1及び第2金属層m1、m2はコンフォーマルに形成することができる。第2金属層m2は、第1金属層m1よりも厚く形成されてもよい。
【0056】
図4hを参照すると、第1及び第2貫通孔H1、H2内の第2金属層m2の間の空間を充填材pで充填することができる。充填材pは、第2金属層m2の上面及び下面から外れるように突出することができる。充填材pは、プラッギング工程で形成することができる。
【0057】
図4iを参照すると、充填材pを平坦化することができる。例えば、充填材pの上面及び下面のそれぞれが第2金属層m2の上面及び下面のそれぞれと実質的に共面をなすように研磨工程を行うことができる。
【0058】
図4jを参照すると、第2金属層m2と充填材pの上側及び下側にそれぞれ、これらを覆う第3及び第4金属層m3、m4を形成することができる。第3及び第4金属層m3、m4は、それぞれ銅(Cu)等を材料として電解めっきで形成することができる。
【0059】
図4kを参照すると、第1及び第2貫通ビア150A、160Aを形成することができる。例えば、化学的エッチングにより第1~第4金属層m1、m2、m3、m4をパターニングして、第1~第4パターン層152a、153a、162a、163aを形成することができる。これにより、上述した第1及び第2貫通ビア150A、160Aが形成できる。
【0060】
図4lを参照すると、ビルドアップ工程等で、第1及び第2絶縁層112、113と第1及び第2配線層121、122と第1及び第2ビア層131、132を、必要な層数だけ形成することができる。また、第1及び第2レジスト層171、172を形成することができる。また、第1及び第2レジスト層171、172にそれぞれ複数の第1及び第2開口o1、o2を形成することができる。一方、第1及び第2絶縁層112、113はラミネーション工程等で形成することができ、第1及び第2配線層121、122と第1及び第2ビア層131、132はビアホール加工後、めっき工程で形成することができ、第1及び第2レジスト層171、172は、ラミネーション工程又は液状材料のコーティング工程等で形成することができる。また、複数の第1及び第2開口o1、o2は、第1及び第2レジスト層171、172の材料に応じて、フォトリソグラフィ工程やレーザドリル等により形成することができる。
【0061】
一連の過程を通じて、上述した一例によるプリント回路基板100Aを製造することができ、その他の説明は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0062】
図5は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0063】
図面を参照すると、他の一例によるプリント回路基板100Bは、上述した一例によるプリント回路基板100Aと比較して、第1及び第2貫通孔H1、H2と、これに形成される第1及び第2貫通ビア150B、160Bとが異なる形態を有することができる。例えば、第1及び第2貫通孔H1、H2のそれぞれの壁面は、磁性体層140及び基板111のそれぞれの上面及び/又は下面を基準として傾斜を有する傾斜面を複数個有してもよい。例えば、第1及び第2貫通孔H1、H2は、それぞれ断面上において砂時計形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。また、第1及び第2貫通ビア150B、160Bの第1及び第2貫通ビア層151b、161bは、それぞれ第1及び第2貫通孔H1、H2の壁面上に配置された第1金属層m1及び第1金属層m1上に配置され、充填材なしに第1及び第2貫通孔H1、H2のそれぞれの少なくとも一部を充填する第2金属層m2を含むことができる。このとき、第1金属層m1は、説明の便宜上、上述のように第1-1及び第1-2金属層m1に区分してもよく、第2金属層m2は、説明の便宜上、上述したように第1-2及び第2-2金属層m2に区分してもよい。また、第1貫通ビア150Bの第1及び第2パターン層152b、153bは、それぞれ磁性体層140の上面及び下面上に配置された第1金属層m1と第1金属層m1上に配置された第2金属層m2とを含んでもよく、第2金属層m2上には別途のキャップめっきが省略されてもよい。また、第2貫通ビア160Bの第3及び第4パターン層162b、163bは、それぞれ基板111の上面及び下面上に配置された第1金属層m1と第1金属層m1上に配置された第2金属層m2とを含んでもよく、第2金属層m2上には別途のキャップめっきが省略されてもよい。
【0064】
例えば、他の一例によるプリント回路基板100Bの場合、一例によるプリント回路基板100Aに比べてめっき時間が長くなる可能性があるが、第1~第4パターン層152b、153b、162b、163bの厚さが薄くなることができる。したがって、微細回路の形成にはより有利になり得る。また、第1及び第2貫通ビア層151b、161b内の第2金属層m2の厚さがより厚くなるため、インダクタ等の機能をより向上させることができる。
【0065】
その他の説明は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0066】
図6a~図6jは、図5のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0067】
図6aを参照すると、基板111を準備することができる。基板111は、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含むことができ、より好ましくは、ガラスコア層を含むことができる。基板111がガラスコア層を含む場合には、ガラス板(glass plate)等を準備してもよい。
【0068】
図6bを参照すると、基板111に複数のホールh1、h2を形成することができる。複数のホールh1、h2は、後述する貫通部Cや第2貫通孔H4を形成する際に用いられることができる。複数のホールh1、h2はレーザ加工などにより形成することができる。
【0069】
図6cを参照すると、基板111に貫通部C及び第2貫通孔H2を形成することができる。貫通部C及び第2貫通孔H2は、基板111に予め形成された複数のホールh1、h2を拡張する方法で形成することができる。例えば、化学的エッチングにより複数のホールh1、h2を拡張して貫通部C及び第2貫通孔H2を形成することができる。必要に応じて、貫通部Cは複数個形成してもよい。
【0070】
図6dを参照すると、貫通部Cに磁性体層140を形成することができる。例えば、磁性体ペースト又は磁性体組成物を用いて貫通部Cを充填し、これを硬化させて磁性体層140を形成することができる。貫通部Cが複数個ある場合、それぞれの貫通部Cに磁性体層140を形成することができる。
【0071】
図6eを参照すると、磁性体層140を平坦化することができる。例えば、磁性体層140の上面及び下面がそれぞれ基板111の上面及び下面と実質的に共面をなすように研磨工程を行うことができる。磁性体層140が複数個ある場合、実質的に同様に、研磨工程により平坦化することができる。
【0072】
図6fを参照すると、磁性体層140に第1貫通孔H1を形成することができる。第1貫通孔H1は、機械的ドリル等により形成することができる。磁性体層140が複数個ある場合、それぞれの磁性体層140に第1貫通孔H1を形成することができる。
【0073】
図6gを参照すると、基板111と磁性体層140と第1及び第2貫通孔H1、H2に、第1金属層m1を形成することができる。例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)などを材料としてスパッタリングを行い、第1金属層m1を形成することができる。必要に応じて、スパッタリング後に無電解めっきを行うことができる。例えば、第1金属層m1は化学銅も含むことができる。
【0074】
図6hを参照すると、銅(Cu)などを材料として電解めっきを行い、第2金属層m2を形成することができる。第2金属層m2はフィルめっきで行われることができる。
【0075】
図6iを参照すると、第1及び第2貫通ビア150B、160Bを形成することができる。例えば、化学的エッチングにより第1及び第2金属層m1、m2をパターニングして、第1~第4パターン層152b、153b、162b、163bを形成することができる。これにより、上述した第1及び第2貫通ビア150B、160Bが形成できる。
【0076】
図6jを参照すると、ビルドアップ工程等で、第1及び第2絶縁層112、113と第1及び第2配線層121、122と第1及び第2ビア層131、132を、必要な層数だけ形成することができる。また、第1及び第2レジスト層171、172を形成することができる。また、第1及び第2レジスト層171、172にそれぞれ複数の第1及び第2開口o1、o2を形成することができる。一方、第1及び第2絶縁層112、113はラミネーション工程等で形成することができ、第1及び第2配線層121、122と第1及び第2ビア層131、132はビアホール加工後、めっき工程で形成することができ、第1及び第2レジスト層171、172は、ラミネーション工程又は液状材料のコーティング工程等で形成することができる。また、複数の第1及び第2開口o1、o2は、第1及び第2レジスト層171、172の材料に応じて、フォトリソグラフィ工程やレーザドリル等により形成することができる。
【0077】
一連の過程を通じて、上述した他の一例によるプリント回路基板100Bを製造することができ、その他の説明は、上述した一例によるプリント回路基板100Aと他の一例によるプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0078】
図7a~図7fは、図3のプリント回路基板及び図5のプリント回路基板に適用することができるコイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
【0079】
図7aを参照すると、コイル部cは、一列に平行に配列される複数のコイルc1、c2を含むことができる。複数のコイルc1、c2は互いに離隔して配置されることができる。複数のコイルc1、c2の間には他の配線が配置されてもよい。
【0080】
図7bを参照すると、コイル部cは、一列に配列された後、右で曲げられて再び一列に配列されるコイルc3を含むこともできる。
【0081】
図7cを参照すると、コイル部cは、上下に繰り返して曲げられるように配列されるコイルc4を含むこともできる。
【0082】
図7dを参照すると、コイル部cは、一方向に傾斜した形態で繰り返して配列されるコイルc5を含むこともできる。
【0083】
図7eを参照すると、コイル部cは、一方向に傾斜した形態で繰り返して配列された後、右で曲げられ、再び反対方向に傾斜した形態で繰り返して配列されるコイルc6を含むこともできる。
【0084】
図7fを参照すると、コイル部cは、X字状に繰り返して配列されるコイルc7を含むこともできる。
【0085】
例えば、上述したプリント回路基板100A、100Bには、様々な形態のコイルc1、c2、c3、c4、c5、c6、c7を含むコイル部cが適用されてもよい。但し、コイル部cの形態が上述した例に限定されるものではない。
【0086】
その他の説明は、上述した一例によるプリント回路基板100Aと他の一例によるプリント回路基板100Bで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0087】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、さらに、直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、少なくとも一部を充填する場合を含むことができ、また概ね充填する場合を含むことができる。例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、「囲む」という表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合及び概ね囲む場合を含むことができる。さらに、「露出させる」とは、完全に露出させる場合だけでなく一部を露出させる場合を含むことができ、「露出」は、当該構成を埋め込むことから露出することを意味することができる。例えば、開口がパッドを露出させることは、レジスト層からパッドを露出させることを意味するものであり、露出したパッド上には表面処理層などがさらに配置されることができる。
【0088】
本発明において、「貫通部又は貫通孔内に配置される」とは、対象物が完全に貫通部又は貫通孔内に配置される場合だけでなく、断面上において上側又は下側に一部突出する場合を含むことができる。例えば、平面上において貫通部又は貫通孔内に配置される場合であれば、より広い意味で判断することができる。
【0089】
本発明において、実質的には、製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に垂直である」とは、完全に垂直な場合だけでなく、ほぼ垂直な場合を含むことができる。また、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0090】
本発明において、「同じ絶縁材」とは、完全に同一の絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であることができる。したがって、絶縁材の組成は実質的に同一であるものの、それらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0091】
本発明において、断面上における意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上における意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0092】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方の方向を意味するものとして使用し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0093】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0094】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0095】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0096】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリ
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカ
100A、100B プリント回路基板
111 基板
112、113 絶縁層
121、122 配線層
131、132 ビア層
140 磁性体層
150A、150B、160A、160B 貫通ビア
151a、151b、161a、161b ビア部
152a、152b、153a、153b、162a、162b、163a、163b パターン層
171、172 レジスト層
c コイル部
c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7 コイル
C キャビティ
H1、H2 貫通部
h1、h2 ホール
m1、m2、m3、m4 金属層
p 充填材
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図4j
図4k
図4l
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図6g
図6h
図6i
図6j
図7a
図7b
図7c
図7d
図7e
図7f