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特開2025-83305デュアル燃料タービン用の液体燃料フラッシングシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025083305
(43)【公開日】2025-05-30
(54)【発明の名称】デュアル燃料タービン用の液体燃料フラッシングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/00 20060101AFI20250523BHJP
   F02C 7/22 20060101ALN20250523BHJP
【FI】
F01D25/00 R
F02C7/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024191377
(22)【出願日】2024-10-31
(31)【優先権主張番号】18/503,506
(32)【優先日】2023-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テヘダ ヌニェス、エリー エドガルド
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、ジェームズ エー.
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス エレーラ、ホセ カルロス
(72)【発明者】
【氏名】オバンド ドミンゲス、ロベルト セカンド
(72)【発明者】
【氏名】レデスマ プリエト、カロライナ
(72)【発明者】
【氏名】パラシオス サラザール、ホルヘ アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】バレンズエラ ガルチャ、イレアナ ベッサベ
(72)【発明者】
【氏名】ロア テラン、ユリマー ロレーナ
(57)【要約】
【課題】液体燃料(145)が流れるタービンエンジン(10)用の液体燃料フラッシング回路(100)を提供する。
【解決手段】液体燃料フラッシング回路(100)は、タービンエンジン(10)と連通する液体燃料ブーストスキッド(110)と、タービンエンジン(10)と連通する液体燃料フラッシングスキッド(120)とを備える。液体燃料ブーストスキッド(110)及び液体燃料フラッシングスキッド(120)は、液体燃料(145)の流れのための再循環ループ(355)を含む。液体燃料フラッシング回路(100)では、デュアル燃料型ガスタービンでエンジンを停止せずに、ガス燃料で運転している際に、液体燃料フラッシングを実行できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料(145)の流れを有するタービンエンジン(10)用の液体燃料フラッシング回路(100)であって、当該液体燃料フラッシング回路(100)が、
前記タービンエンジン(10)と連通する液体燃料ブーストスキッド(110)と、
前記タービンエンジン(10)と連通する液体燃料フラッシングスキッド(120)と
を備えており、前記液体燃料ブーストスキッド(110)及び前記液体燃料フラッシングスキッド(120)が、液体燃料(145)の流れのための再循環ループ(355)を備えている、液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項2】
前記液体燃料フラッシングスキッド(120)が微粒子計測器(290)を備える、請求項1に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項3】
前記液体燃料フラッシングスキッド(120)が濾過システム(300)を備える、請求項1に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項4】
前記濾過システム(300)がメッシュフィルタ(310)を備える、請求項3に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項5】
前記濾過システム(300)が、メッシュサイズの異なる複数のメッシュフィルタ(310)を収容する、請求項3に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項6】
前記液体燃料フラッシングスキッド(120)が、前記濾過システム(300)の周りに配置された1以上の圧力センサ(325)を備える、請求項3に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項7】
前記液体燃料ブーストスキッド(110)が、ヒータ(150)及びポンプ(180)を備える、請求項1に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項8】
前記液体燃料ブーストスキッド(110)が、着脱可能な流量制御弁管(210)と共に流量制御弁(200)を備える、請求項1に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項9】
前記液体燃料ブーストスキッド(110)及び前記液体燃料フラッシングスキッド(120)と連通する液体燃料マニホールド(220)をさらに備える、請求項1に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項10】
前記液体燃料マニホールド(220)が、着脱可能な絞り弁管(250)と共に絞り弁(240)を備える、請求項9に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項11】
前記液体燃料マニホールド(220)が、前記絞り弁(240)と連通する三方バイパス弁(260)を備える、請求項10に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項12】
前記三方バイパス弁(260)が、エンジン接続部(270)及びバイパスライン(280)と連通している、請求項11に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項13】
前記三方バイパス弁(260)が、エンジンライン(275)を介して前記エンジン接続部(270)と連通している、請求項12に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項14】
前記三方バイパス弁(260)が、エンジンライン(275)を介して外部廃棄物タンク(360)と連通している、請求項12に記載の液体燃料フラッシング回路(100)。
【請求項15】
タービンエンジン(10)内の液体燃料(145)をフラッシングする方法であって、
前記タービンエンジン(10)の液体燃料マニホールド(220)及び液体燃料フラッシングスキッド(120)を再循環ループ(355)に配置するステップと、
前記液体燃料フラッシングスキッド(120)を流れる液体燃料(145)中の粒子をカウントするステップと、
前記液体燃料フラッシングスキッド(120)内の濾過システム(300)を通して液体燃料(145)を流すステップと、
前記タービンエンジン(10)の前記液体燃料マニホールド(220)及び前記液体燃料フラッシングスキッド(120)を通して液体燃料(145)を再循環させるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及びその成果としての特許は、一般にタービンエンジンに関し、さらに具体的には、デュアル燃料航空機転用タービンエンジンなどのようにガス燃料で運転しながら液体燃料フラッシングを同時に行うためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンの主な利点の1つは、様々な燃料で運転できることである。これは、世界において、様々な燃料の一般的又は季節的不足にみまわれる地域或いは複数の異なる種類の燃料が豊富に存在する地域で特に有利である。そのため、多くの発電所の所有者は、複数の燃料の組合せを燃焼できるガスタービンエンジンを運転している。例えば、ガスタービンエンジンには、天然ガス、LNG、LPG(プロパン及びブタン)のような気体燃料を一次燃料として燃焼し、ディーゼル、バイオディーゼル、エタノール、メタノール、留出油のような液体燃料をバックアップ燃料として燃焼させるものがある。好ましくは、ガスタービンエンジンは、燃料の種類の移行を中断なしで自動的に行うことができる。
【0003】
液体燃料回路内の機器は、通常、最初の使用前及び/又は長期シャットダウン後に十分にフラッシングする必要がある。かかる手順は、一般に、液体燃料の清浄度に関する国際基準への準拠を確保するために必要とされる。しかし、これらの手順は概して時間がかかり、ガスタービンエンジンの長期シャットダウンが必要となって生産の損失を伴うおそれがある。
【発明の概要】
【0004】
そこで、本出願及びその成果としての特許は、液体燃料の流れを有するタービンエンジンのための液体燃料フラッシング回路を提供する。液体燃料フラッシング回路は、タービンエンジンと連通する液体燃料ブーストスキッドと、タービンエンジンと連通する液体燃料フラッシングスキッドを含む。液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドは、液体燃料の流れのための再循環ループを含む。
【0005】
本出願及びその成果としての特許は、さらに、タービンエンジン内の液体燃料をフラッシングする方法を提供する。本方法は、タービンエンジンの液体燃料マニホールド及び液体燃料フラッシングスキッドを再循環ループに配置するステップ、液体燃料フラッシングスキッドを流れる液体燃料中の粒子をカウントするステップ、液体燃料フラッシングスキッド内の濾過システムを通じて液体燃料を流すステップ、及びタービンエンジンの液体燃料マニホールド及び液体燃料フラッシングスキッドを通して液体燃料を再循環させるステップを含むことができる。
【0006】
本出願及びその成果としての特許は、さらに、タービンエンジン用の液体燃料フラッシング回路を提供する。液体燃料フラッシング回路は、タービンエンジンと連通する液体燃料ブーストスキッドと、タービンエンジンと連通する液体燃料フラッシングスキッドを含む。液体燃料フラッシングスキッドは、微粒子計測器及び濾過システムを含む。液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドは、再循環ループを含む。
【0007】
本出願及びその成果としての特許の上記その他の特徴及び改良点については、幾つかの図面及び特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明を参酌することによって当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】圧縮機、燃焼器、タービン及び外部負荷を含むガスタービンエンジンの概略図。
図2】本願に記載の、ガスタービンエンジンの一部、液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドを含む液体燃料フラッシング回路の概略図。
図3A図2の液体燃料フラッシングスキッドの一例の斜視図。
図3B図3Aの液体燃料フラッシングスキッドのメッシュ濾過システムの分解図。
図4】本願に記載の液体燃料フラッシング回路の別の実施形態の部分的な概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照するが、図面を通して、同様の符号は同様の部材を表す。図1は、本願に記載のガスタービンエンジン10の概略図を示す。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含む。圧縮機15は、流入する空気20の流れを圧縮する。圧縮機15は、圧縮した空気20の流れを所定の数の燃焼器缶25に送る。燃焼器缶25は、空気20の圧縮流と燃料30の加圧流とを混合し、混合気を点火して高温燃焼ガス35の流れを生じさせる。燃焼器缶25は1個しか示していないが、ガスタービンエンジン10は、円周配列などに配置された任意の数の燃焼器缶25を含むことができる。或いは、燃焼器25は、アニュラ型燃焼器であってもよい。燃焼ガス35の流れは、次いでタービン40に送られる。燃焼ガス35の流れはタービン40を駆動して機械的仕事を生じる。タービン40で生じる機械的仕事は、ロータシャフト45を介して、圧縮機15を駆動する。タービン40及びロータシャフト45は、発電機などの外部負荷50も駆動し得る。
【0010】
上述の通り、ガスタービンエンジン10は、天然ガス、各種の合成ガス、水素燃料、液体燃料及び/又はその他の種類の燃料及びそれらのブレンドを使用し得る。ガスタービンエンジン10は、General Electric社(米国ニューヨーク州スケネクタディ)から市販されている多種多様なガスタービンエンジンのいずれであってもよく、限定されるものではないが、7シリーズ又は9シリーズのヘビーデューティーガスタービンエンジン、並びにLM2500、TM2500、LM6000、LMS100及びLM9000航空機転用型ガスタービンエンジンなどが挙げられる。ガスタービンエンジン10は、単純サイクル又はコンバインドサイクル発電システム或いは他のタイプの発電システムの一部であってもよい。ガスタービンエンジン10は、異なる構成を有していてもよいし、他の種類の部品を用いてもよい。その他のタイプのガスタービンエンジンも使用し得る。複数のガスタービンエンジン、他のタイプのタービン及び他のタイプの発電設備も一緒に使用し得る。
【0011】
図2は、本願に記載の液体燃料フラッシング回路100の概略図である。液体燃料フラッシング回路100は、燃料30の流れを燃焼器25に送るのに用いられるガスタービンエンジン10の部品、液体燃料ブーストスキッド110及び液体燃料フラッシングスキッド120を含む。本願では、その他の部品及びその他の構成も使用し得る。
【0012】
液体燃料ブーストスキッド110は、燃料30の流れを適切な温度及び圧力でガスタービンエンジン10の部品に供給する。液体燃料ブーストスキッド110は、液体燃料供給装置140と連通する主液体燃料管130を備えており、その中を液体燃料145が流れる。液体燃料ブーストスキッド110は、主液体燃料管130と連通する多数の部品を含んでいてもよい。例えば、液体燃料ブーストスキッド110は、ヒータ150、1以上の差圧センサ160、1以上の温度センサ170及びポンプ180を含んでいてもよい。液体燃料ブーストスキッド110の部品は、従来の設計のものであってもよい。液体燃料ブーストスキッド110は、所定の数の電磁弁190及び流量制御弁200を含んでいてもよい。電磁弁190は、従来のオン/オフ装置であってもよい。流量制御弁200は、流量制御弁管210などを介して主液体燃料管130と連通し得る。本願では、その他の部品及びその他の構成も使用し得る。
【0013】
液体燃料フラッシング回路100は、ガスタービンエンジン10の多数の部品と共に液体燃料マニホールド220を含んでいてもよい。液体燃料マニホールド220は、ガスタービンエンジン10の全部又は一部を取り囲むタービンコンパートメント230内に配置し得る。液体燃料マニホールド220は、多数の絞り弁240を含んでいてもよい。絞り弁240は、従来の設計であってもよい。絞り弁240は、絞り弁管250などを介して主液体燃料管130と連通し得る。各絞り弁240は、三方バイパス弁260と連通していてもよい。三方バイパス弁260は、従来の設計であってもよい。各三方向バイパス弁260は、一方向でエンジンライン275を介してエンジン接続部270と連通し、他方向でバイパスライン280と連通し得る。本願では、その他の部品及びその他の構成も使用し得る。
【0014】
液体燃料フラッシングスキッド120は、液体燃料マニホールド220及び液体燃料ブーストスキッド110と連通し得る。図3A及び図3Bにも示すように、液体燃料フラッシングスキッド120は、微粒子計測器(パーティクルカウンタ)290を含んでいてもよい(或いは含んでいなくてもよい)。微粒子計測器290は、従来の設計のものであってもよく、液体燃料145の流れの中の固体粒子をカウントすることができる。液体燃料フラッシングスキッド120は、メッシュ濾過システム300を含んでいてもよい。メッシュ濾過システム300は、所望の粒子径に応じて異なるサイズのメッシュフィルタ310を使用し得る。本願では、その他のタイプの濾過システムも使用し得る。メッシュ濾過システム300のメッシュフィルタ310は、残渣をこぼさずに取外し及びクリーニングするための水平位置を有していてもよい。ガス燃料で運転しているガスタービンエンジン10で液体燃料フラッシングプロセスが進行中に、安全のためフランジシール315を組み込んでもよい。メッシュ濾過システム300の両側に隔離弁320を配置してもよい。同様に、メッシュ濾過システム300での圧力差を決定するために濾過システム圧力センサ325を使用してもよい。本願では、その他の部品及びその他の構成も使用し得る。
【0015】
液体燃料フラッシングスキッド120は、再循環ライン330を介して液体燃料ブーストスキッド110と連通し得る。液体燃料145は、主液体燃料管130に戻るか、或いはドレン340その他の供給源に方向転換してもよい。流量制御弁管210も、再循環ライン330と連通し得る。
【0016】
液体燃料フラッシング回路100の動作は、コントローラ350で制御してもよい。一般に説明すると、コントローラ350は、従来のプロセッサベースのシステムである。コントローラ350は、メモリ、入出力(I/O)インターフェース、外部I/Oデバイス/リソース及び外部ストレージシステムを含んでいてもよい。一般に、コントローラ350は、メモリ及び/又はストレージシステムに格納し得るコンピュータプログラムコードを実行する。コントローラ350は、本願で使用し得るハードウェア及びソフトウェアの様々な可能な組合せの一例にすぎない。
【0017】
使用に際して、ガスタービンエンジン10がガス燃料で運転されている間に、液体燃料フラッシング回路100を完全に作動し得る。液体燃料フラッシング回路100は、燃料清浄度に関する国際基準を満足すべく液体燃料フラッシング回路100の特定の部分をフラッシングするために別個の閉再循環ループ355を用いる幾つかのフラッシング段階を有することができる。
【0018】
一つの段階では、主目的は主液体燃料管130をクリーニングすることである。タービンコンパートメント230内の絞り弁管250を、主液体燃料管130と絞り弁240との間で切り離してもよく、液体燃料フラッシング回路100をガスタービンエンジン10から隔離することができる。同様に、流量制御弁管210を、流量制御弁200及び再循環ライン330から切り離してもよい。絞り弁管250及び流量制御弁管210は、適切な基準まで手作業でクリーニングし得る。こうして、液体燃料145の流れは、主液体燃料管130から液体燃料フラッシングスキッド120に再循環し、再循環ライン330を介して主液体燃料管130に戻る。
【0019】
コントローラ350は、オペレータ入力後の現在のフラッシング段階、メッシュフィルタ310の適切なサイズ及び適切な実行時間を決定することができる。こうして、メッシュ濾過システム300のメッシュフィルタ310は適切な粒子径にサイジングされ、微粒子計測器290はそこを流れる固体粒子をカウントする。コントローラ350は、オペレータ入力に基づいて様々なフラッシング段階を実行し得る。各段階の実行時間はオペレータによって決定され、ヒューマン/マシンインターフェースを介して導入することができ、該インターフェースはフラッシング段階及びシステムの現状(温度、圧力及び弁の状態)に基づくシステム配置を示す。所定の時間の経過後、メッシュフィルタ310を取外して目視検査してもよい。残渣が見つかったら、メッシュフィルタ310をクリーニングして再度取り付けてもよい。メッシュ濾過システム300での圧力を、圧力差が安全限度内にあることを確認するため、濾過システム圧力センサ325で監視してもよい。しかる後、再循環手順を再開してもよい。このプロセスは、メッシュフィルタ310上に残渣が全く又はほとんど見つからなくなるまで及び/又は微粒子計測器290で決定した粒子数が国際基準での許容レベルに達するまで継続してもよい。
【0020】
追加の段階は、絞り弁240及び三方バイパス弁260のクリーニングを中心としたものとすることができる。第2の段階は、前の段階が完了し検証されるまで開始できない。なお、絞り弁管250及び流量制御弁管210を再度取り付けることができる。コントローラ350でフラッシングプロセスの全体的な動作を常に監視しながら、ガスタービンエンジン10をガス燃料で安全に運転できるように、三方バイパス弁260をバイパスライン280に接続するように切り替えても及び/又はエンジンライン275を取外してもよい。コントローラ350は、パラメータがパラメータの安全範囲から外れた場合に、プロセスを停止することができる。こうして、液体燃料145を、主液体燃料管130を通してタービンコンパートメント230内の液体燃料マニホールド220へと流す。液体燃料145は、絞り弁240、三方バイパス弁260を通って、バイパスライン280へと流れる。液体燃料145は、次いで液体燃料フラッシングスキッド120を通り、再循環ライン330を介して主液体燃料管130に戻る。
【0021】
コントローラ350は、現在のフラッシング段階、メッシュフィルタ310の適切なサイズ及び適切な実行時間を決定することができる。こうして、メッシュ濾過システム300のメッシュフィルタ310は適切な粒子径にサイジングされ、微粒子計測器290はそこを流れる固体粒子をカウントする。所定の時間の経過後、メッシュフィルタ310を取外して目視検査してもよい。残渣が見つかったら、メッシュフィルタ310をクリーニングして再度取り付けてもよい。メッシュ濾過システム300での圧力を、圧力差が安全限度内にあることを確認するため、濾過システム圧力センサ325で監視してもよい。しかる後、再循環手順を再開してもよい。
【0022】
図4は、別の例示的な段階を示す。この段階では、エンジンライン275をクリーニングしてもよい。さらに、この段階では、ガスタービンエンジン10は運転されておらず、液体燃料フラッシングスキッド120は使用されていない。エンジンライン275は、エンジン接続部270から切り離され、外部廃棄物タンク360につなげることができる。外部廃棄物タンク360に流入する液体燃料145について、残渣が混入していないか観察してもよい。また、国際的な清浄度基準への適合性を再確認するため、実験室分析を実施してもよい。
【0023】
液体燃料フラッシング回路100は、コントローラ350の出力との組合せで、国際的液体燃料清浄度基準を満たすための液体燃料フラッシングの半自動手順を提供する。重要な点として、液体燃料フラッシング回路100は、ガスタービンエンジン10をガス燃料で運転しているときに動作し得るので、フラッシング手順の設置及び作動させるまでの時間その他のタイプの付随ダウンタイムを減少させることができる。この継続的運転は、プラントオペレータにとって多大な利点である。さらに、液体燃料フラッシングスキッド120における微粒子計測器290及びメッシュ濾過システム300の使用は、人為的エラー要因を減少させ、オペレータに提供されるフィードバックを増加させ、危険領域を減らし、全体的なフラッシングプロセスの有効性及び効率を増加させる。
【0024】
具体的には、液体燃料フラッシング回路100はデュアル燃料能力を有する航空機転用型ガスタービンの液体燃料回路のクリーニングを行うためのシステム及び方法の組合せを提供する。この方法は、エンジンを停止せずに、ガスタービンをガス燃料で運転している際に実行できる半自動シーケンスを含む。
【0025】
以上は、本出願及びその成果としての特許の特定の実施形態に関するものにすぎない。当業者であれば、以下の特許請求の範囲によって規定される本開示の技術的思想及び技術的範囲並びにその均等の範囲から逸脱せずに、数々の変更及び修正をなすことができる。
【0026】
本発明の追加の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様項1]
液体燃料の流れを有するタービンエンジン用の液体燃料フラッシング回路であって、当該液体燃料フラッシング回路が、タービンエンジンと連通する液体燃料ブーストスキッドと、タービンエンジンと連通する液体燃料フラッシングスキッドとを備えており、液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドが、液体燃料の流れのための再循環ループを含む。
[実施態様項2]
液体燃料フラッシングスキッドが微粒子計測器を備える、実施態様項1に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項3]
液体燃料フラッシングスキッドが濾過システムを含む、実施態様項1又は実施態様項2に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項4]
濾過システムがメッシュフィルタを備える、実施態様項3に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項5]
濾過システムが、複数の異なるメッシュサイズのメッシュフィルタを収容する、実施態様項3又は実施態様項4に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項6]
液体燃料フラッシングスキッドが、濾過システムの周りに配置された1以上の圧力センサを含む、実施態様項3乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項7]
液体燃料ブーストスキッドがヒータ及びポンプ含む、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項8]
液体燃料ブーストスキッドが、取外し可能な流量制御弁管と共に流量制御弁を備える、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項9]
液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドと連通する液体燃料マニホールドをさらに含む、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項10]
液体燃料マニホールドが、取外し可能な絞り弁管と共に絞り弁を備える、実施態様項9に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項11]
液体燃料マニホールドが絞り弁と連通する三方バイパス弁を備える、実施態様項10に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項12]
三方バイパス弁がエンジン接続部及びバイパスラインと連通する、実施態様項11に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項13]
三方バイパス弁がエンジンラインを介してエンジン接続部と連通する、実施態様項12に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項14]
三方バイパス弁がエンジンラインを介して外部廃棄物タンクと連通する、実施態様項12又は実施態様項13に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項15]
タービンエンジン内の液体燃料をフラッシングする方法であって、タービンエンジンの液体燃料マニホールド及び液体燃料フラッシングスキッドを再循環ループに配置するステップと、液体燃料フラッシングスキッドを流れる液体燃料中の粒子をカウントするステップと、液体燃料フラッシングスキッド内の濾過システムを通して液体燃料を流すステップと、タービンエンジンの液体燃料マニホールド及び液体燃料フラッシングスキッドを通して液体燃料を再循環させるステップとを含む、方法。
[実施態様項16]
タービンエンジン用の液体燃料フラッシング回路であって、当該液体燃料フラッシング回路が、タービンエンジンと連通する液体燃料ブーストスキッドと、タービンエンジンと連通する液体燃料フラッシングスキッドであって、微粒子計測器及び濾過システムを含む液体燃料フラッシングスキッドとを備えており、液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドが再循環ループを含んでいる、液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項17]
濾過システムがメッシュフィルタを備える、実施態様項16に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項18]
濾過システムが、複数の異なるメッシュサイズのメッシュフィルタを収容する、実施態様項16又は実施態様項17に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項19]
液体燃料フラッシングスキッドが、濾過システムの周りに配置された1以上の圧力センサを含む、実施態様項16乃至実施態様項18のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
[実施態様項20]
液体燃料ブーストスキッド及び液体燃料フラッシングスキッドと連通する液体燃料マニホールドをさらに含む、実施態様項乃至実施態様項19のいずれか1項に記載の液体燃料フラッシング回路。
【符号の説明】
【0027】
10 タービンエンジン
100 液体燃料フラッシング回路
110 液体燃料ブーストスキッド
120 液体燃料フラッシングスキッド
145 液体燃料
150 ヒータ
180 ポンプ
200 流量制御弁
210 流量制御弁管
240 絞り弁
250 絞り弁管
260 三方バイパス弁
270 エンジン接続部
275 エンジンライン
280 バイパスライン
290 微粒子計測器
300 濾過システム
310 メッシュフィルタ
325 圧力センサ
355 再循環ループ
図1
図2
図3A
図3B
図4
【外国語明細書】