(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025083437
(43)【公開日】2025-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250523BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2025036936
(22)【出願日】2025-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(57)【要約】
【課題】従来の遊技機において、大当り図柄が所定の図柄で停止表示すると、大当り確率を高確率に変更して当否判定を行う高確率高ベース状態に設定し、大当りが短時間に複数回発生しうる状態とし、これにより、遊技者は短時間で大量の遊技利益を得ることができ、遊技興趣を高めていた。しかしながら、遊技性や遊技演出が画一的で遊技興趣の低下を招く虞もあった。
【解決手段】新規の遊技性や遊技演出を提供し、趣向性の高い遊技機を提供する。
【選択図】
図49
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を変動表示し、特定結果になると遊技者に特典を付与可能な遊技機であって、
識別情報の変動表示を含む、遊技演出を表示可能な表示手段と、
遊技者が入力可能な入力手段と、を備え、
前記遊技演出として、特定の条件が成立すると実行される特定の演出と、特別の条件が成立すると実行される特別事態割込演出と、を有し、
前記特別事態割込演出は、前記特定の演出が実行された状態で実行可能な演出であって、前記特定の演出よりも小さい表示面積とされ、
前記特定の演出及び前記特別事態割込演出が前記表示手段に表示された状態から、遊技者の入力により選択的に実行可能な前記遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有し、
前記第1の入力演出を実行する場合、前記特定の演出及び前記特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持しては、前記表示手段で前記第1の入力演出を実行することができず、
前記第2の入力演出を実行する場合、前記特定の演出及び前記特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持して前記表示手段で前記第2の入力演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、始動口への入球に基づいて、所定の大当り確率で当否判定を行うと共に図柄を変動表示し、当否判定の結果が大当りになると図柄を大当り図柄で停止表示し、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがあった。また、図柄の変動表示に伴って遊技演出(リーチ演出やキャラクタ演出等)を実行し、当該遊技演出の実行態様によって当否判定の結果が大当りとなる可能性、すなわち、図柄が大当り図柄で停止表示する可能性(大当り信頼度)を示していた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような遊技機では、図柄の変動表示に合わせて複数のキャラクタを表示するため、遊技が分かり易く、遊技興趣を高める一方で、遊技性が画一的で遊技興趣の低下を招く虞もあった。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高める遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決する第1発明の遊技機は、
識別情報を変動表示し、特定結果になると遊技者に特典を付与可能な遊技機であって、
識別情報の変動表示を含む、遊技演出を表示可能な表示手段と、
遊技者が入力可能な入力手段と、を備え、
前記遊技演出として、特定の条件が成立すると実行される特定の演出と、特別の条件が成立すると実行される特別事態割込演出と、を有し、
前記特別事態割込演出は、前記特定の演出が実行された状態で実行可能な演出であって、前記特定の演出よりも小さい表示面積とされ、
前記特定の演出及び前記特別事態割込演出が前記表示手段に表示された状態から、遊技者の入力により選択的に実行可能な前記遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有し、
前記第1の入力演出を実行する場合、前記特定の演出及び前記特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持しては、前記表示手段で前記第1の入力演出を実行することができず、
前記第2の入力演出を実行する場合、前記特定の演出及び前記特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持して前記表示手段で前記第2の入力演出を実行する
ことを特徴とする。
【0007】
このような遊技機によれば、遊技者が入力可能な入力手段を備え、遊技演出として、特定の条件が成立すると実行される特定の演出と、特別の条件が成立すると実行される特別事態割込演出とを有する。また、特別事態割込演出と特定の演出とは、同時に実行可能な演出であって、特別事態割込演出は特定の演出よりも小さい表示面積とされる演出である。また、特定の演出及び特別事態割込演出が表示手段に表示された状態から、遊技者の入力により実行可能な遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有する。特定の演出及び特別事態割込演出が表示手段に表示された状態から、第1の入力演出を実行する場合、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持することはできない。一方、第2の入力演出を実行する場合には、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持したまま第2の入力演出を実行することができる。これにより、所定の条件が成立した場合の表示手段での表示態様を、入力手段を用いて多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、遊遊技者が入力可能な入力手段を備える遊技機において、趣向性の高い遊技機の提供を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図35】特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。
【
図36】特定領域センサ検知処理のフローチャートである。
【
図39】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図40】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図42】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図43】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図44】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図45】ボタン操作演出の制御処理を示すフローチャートである。
【
図46】ボタン操作演出のタイムチャートを示す図である。
【
図47】ボタン操作演出の演出態様を示す図である。
【
図48】ボタン操作演出の演出態様を示す図である。
【
図49】ボタン操作演出の演出態様を示す図である。
【
図50】ボタン操作演出の演出態様を示す図である。
【
図52】通過発動演出処理のフローチャートである。
【
図55】特別演出モードにおける演出図柄を示す図である。
【
図58】実施例2の遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図59】実施例2の大当り判定種別判定テーブルを示す図である。
【
図60】実施例2の特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図61】実施例2の特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図62】実施例2のチャンスタイム抽選のフローチャートである。
【
図63】実施例2の確率変更処理のフローチャートである。
【
図64】実施例2の告知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機、単に「遊技機」ということもある)に、本発明を適用したものについて説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となるパチンコ遊技機を例に説明する。
【0011】
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、
図1や
図3における上側、下側、左側、右側を指す。
【実施例0012】
図1乃至
図3に示すように、本実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0013】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」や「入力手段」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
【0014】
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
【0015】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(
図5を参照)も設けられている。
【0016】
遊技領域3の中央付近には、演出表示手段の一態様である画像表示装置7が設けられている。本実施例の画像表示装置7は液晶表示装置からなるもので、その表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)と、表示画面7aの背景を構成する背景画像が表示される背景表示領域7cとが設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様があり、本実施例では、原則、上下方向にスクロール表示する。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
【0017】
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」「第2特図」ということがある。
【0018】
例えば、特別図柄当否判定(当否判定遊技)の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
【0019】
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」や「特定表示結果」等ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」や「非特定表示結果」等ということがある。また、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」や「所定表示結果」等ということがある。
【0020】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の様々な演出画像も表示される。また、演出図柄遊技演出は特別図柄当否判定結果を遊技者に示すべく実行される演出であるため当否判定遊技ともいう。また演出図柄遊技演出に付随して実行される遊技演出も当否判定遊技という。
【0021】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4を参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0022】
さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(
図3を参照)。
【0023】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、遊技状態に応じて、後述の左打ち指示画像70を表示する左打ち表示領域70c(左打ち指示画像表示部)、および、後述の右打ち指示画像71を表示する右打ち表示領域71c(右打ち指示画像表示部)が設けられている。尚、左打ち指示画像70と右打ち指示画像71を総じて「発射指示画像」ともいう。
【0024】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
【0025】
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。
図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
【0026】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0027】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0028】
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0029】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0030】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0031】
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。このような確変作動口としての特定領域39(V領域)を備える第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「Vアタッカー」ともいう。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
【0032】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「4」、第2始動口21の賞球数は「2」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
【0033】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
【0034】
遊技領域3の最下流には、アウト口25が設けられている。そして、遊技領域3に発射された遊技球が、前述した何れの入球口(始動口、大入賞口、一般入賞口)にも入球しなかった場合、最終的に、アウト口に入球し、遊技盤裏面側に排出される。
【0035】
また、
図3および
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
【0036】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示部41」ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示部43」ということがある。
【0037】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当り図柄や小当り図柄等の当り態様である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0038】
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「15R第1大当り」、「15R第2大当り」、「5R第3大当り」および「2R第4大当り」の4種類の大当りと、第1小当りが設けられており(
図6、
図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら大当り及び小当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(15R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第2大当り図柄)。また、第3大当り(15R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第3大当り図柄)。また、第4大当り(2R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第4大当り図柄)。また、第1小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
【0039】
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5大当り」と「15R第6大当り」の2種類の大当りとが設けられており(
図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら大当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第5大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第5大当り図柄)。また、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abc」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第2小当りとなった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第2小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
【0040】
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(第1取得情報)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(第2取得情報)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0042】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0043】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0044】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0045】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0046】
具体的には
図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0047】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
【0048】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0049】
次に
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部、表示制御手段)等を備えている。
【0050】
また、
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0051】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0052】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
【0053】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域(図示せず)に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域を通過した遊技球(つまり、特定領域39を通過しなかった遊技球)を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0054】
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
【0055】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0056】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1を参照)が含まれる。
【0057】
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1を参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
【0058】
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0059】
また、
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0060】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる制御を行う演出制御手段(演出実行手段)として機能するものである。
【0061】
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0062】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0063】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
【0064】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0065】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0066】
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(
図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0067】
また、サブ制御基板90には、第1演出発動センサ248及び第2演出発動センサ249が接続されている。詳しくは後述するが、第1演出発動センサ248及び第2演出発動センサは、第1始動口センサ20aと同じ遊技球通過路に配置され、第1始動口センサ20aで検知された遊技球を所定時間後に第1演出発動センサ248で検知し、更にその所定時間後に第2演出発動センサ249で検知する構成とされている。
【0068】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
【0069】
当りには複数の種別がある。
図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「15R第3大当り」、「2R第4大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」がある。「15R第1大当り」および「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過(V通過)が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを「Vラウンド」や「チャンスラウンド」ともいう。
【0070】
「15R第2大当り」、「15R第3大当り」および「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のVラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、これらの大当りは、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。
【0071】
「2R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、Vラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
【0072】
本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りまたは15R第5大当りとなった場合には、特定領域39への遊技球の通過可能性が極めて高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。また、特別図柄当否判定の結果が2R第4大当りとなった場合には、15R第1大当りや15R第5大当りほどではないものの特定領域39への遊技球の通過可能性がある態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができれば、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。
【0073】
これに対して、特別図柄当否判定の結果が15R第2大当り、15R第3大当り又は15R第6大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中における特定領域39への遊技球の通過可能性は極めて低くなり(実質的に不可能となり)、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
【0074】
一方、小当り(第1小当り、第2小当り)は、見かけ上2R第4大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったとしても、小当り遊技の実行後の遊技状態は小当り遊技の実行前から変化しないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第4大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が「2R第4大当り」になったのか「小当り」になったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第4大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合および2R第4大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とはいわず、単に開放回数という。
【0075】
本実施例のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、
図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)および15R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rでは第2大入賞口35を最大28秒開放させ、3R~15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなっている。
【0076】
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第3大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第6大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第6大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放させ、3R~15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過することはほぼ不可能となっている。
【0077】
このように、本実施例では、15R第2,第3,第6大当り用の開放パターンと、15R第1,第5大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンドおよび第2ラウンド(Vラウンド)とでは、開放態様が異なっている。そして、15R第1,第5大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、当該Vラウンドでは、球詰まりや遊技球発射系のトラブル等が発生しない限り、略確実に遊技球が第2大入賞口35に入球して、高い確率で特定領域39を通過することとなる。これに対して、15R第2,第3,第6大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35に遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2,第3,第6大当りに係る大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は、15R第1,第5大当りと比してかなり低くなっており、実質的には通過不可能といってもよい。
【0078】
尚、特定領域39への遊技球の通過可能性(V通過可能性)が極めて高い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V通過予定大当り」ともいい、V通過可能性が極めて低い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V非通過予定大当り」ともいう。
【0079】
また、
図6に示すように、2R第4大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目の第2大入賞口35の開放時間の合計が最大で1.8秒となるため、そのラウンド中に遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。本実施例の本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で1個の遊技球が発射されるようになっているので、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙うことは十分に可能である。但し、2R第4大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
【0080】
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)と、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35の最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第4大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。しかし、前述の通り、小当り遊技にて特定領域39への通過があっても、小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。また、小当り遊技では、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第4大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼ無いもの(入球による賞球のみ)となっている。
【0081】
本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第5大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り、15R第3大当り、15R第6大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第4大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
【0082】
尚、第1特別図柄(特
図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている(
図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定における大当りは、15R第5大当りが80%、15R第6大当りが20%となっている(
図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。この振分確率は、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性、すなわち高確率状態となる確率を表しているものといえ、また、後述の開放延長機能が作動する高ベース状態となる確率を表しているものといえる。
【0083】
すなわち、高確率状態となる確率については、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は少なくとも40%となっており、2R第4大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する場合を含めると、その確率は50%となっている。一方、第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は80%となっている。
【0084】
また、高ベース状態となる確率については、開放延長機能が作動していない遊技状態(低ベース状態)において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は60%となっており、高ベース状態において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の2R第4大当りを含めると、その確率は70%となっている。一方、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。そして、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合には、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に発生し得る2R大当りが発生することはなく、必ず15R大当りとなる。
【0085】
このように本実施例のパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、高確率状態になる確率や高ベース状態になる確率、さらには15R分の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。つまり、第2特別図柄当否判定で大当りとなる場合の方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されており、第2特別図柄を変動表示させた方が、第1特別図柄を変動表示させるよりも遊技者にとって有利に働く可能性が高いものとなっている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行うこととなる。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(高ベース状態)においては顕著である。尚、前述の振分確率は一例であり、遊技性やスペック等を考慮して任意に設定することができる。
【0086】
また、本実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしていることから、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示が共に実行可能な場合、すなわち、第1特図保留と第2特図保留が共に「1」以上存在する場合には、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行うものとしている。これにより、第2始動口21への入球頻度が高まる高ベース状態は、第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まるので、遊技者にとって有利に遊技を進めることが可能な状態といえる。にもかかわらず、高ベース状態で第1特別図柄の変動表示が行われることは、遊技者にとっては、せっかくの有利な状態(高ベース状態)での遊技に水を差されることとなり、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示に比べ不利に働く可能性もあることから、高ベース状態での第1特別図柄の変動表示は、遊技者にとって望ましいことではないといえる。
【0087】
ここで、特別図柄の停止表示の態様として、大当り図柄のことを「特定表示結果」ともいい、小当り図柄のことを「所定表示結果」ともいい、外れ図柄のことを「所定態様」や「非特定表示結果」ともいう。また、高ベース状態の設定契機とならない大当り図柄(15R第3大当り図柄、低ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第1特定表示結果」ともいい、高ベース状態の設定契機となる大当り図柄(15R第1,第2,第5,第6大当り図柄、高ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第2特定表示結果」ともいう。また、特別図柄が変動表示する際の遊技状態として、開放延長機能が作動しない遊技状態(低ベース状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、開放延長機能が作動する遊技状態(高ベース状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
【0088】
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
【0089】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄に対する確率変動機能、普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多い高確率状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(
図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
【0090】
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0091】
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能は同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の表示結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
【0092】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
【0093】
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21への遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0094】
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0095】
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1,第5大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0096】
また、15R第2,第6大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であることから特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2,第6大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。また、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第1,第5大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。
【0097】
また、15R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は、本パチンコ遊技機1において基本となる遊技状態、すなわち初期の遊技状態である。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第3大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は、後述の「高確低ベース状態」となる。
【0098】
また、低確低ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0099】
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
【0100】
また、高ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば「高確高ベース状態」となる(
図6を参照)。すなわち、特別図柄の時短機能およびベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
【0101】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行うことで、左打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0102】
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行うことで、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0103】
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0104】
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(左打ち指示画像70、右打ち指示画像71)の表示によっても行うこととしている。一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。
【0105】
尚、本実施例では、前述のように、遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)や高ベース状態(高確高ベース状態、低確低ベース状態)にあるときに「右打ち」を行うことから、「右打ち遊技状態」は特別遊技状態や高ベース状態を指す。この「右打ち遊技状態」のことを「所定遊技状態」ともいい、「特別遊技状態」のことを「第1所定遊技状態」ともいい、「高ベース状態」のことを「第2所定遊技状態」ともいう。
【0106】
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。
【0107】
そして、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
【0108】
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。尚、大当り遊技としての特別遊技と、小当り遊技としての特別遊技を区別するため、小当り遊技としての特別遊技を「小利益特別遊技」として捉えることもできる。
【0109】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図38に基づいて、遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0110】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0111】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0112】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0113】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(
図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S205)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0114】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0115】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、保留球数処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要な「その他の処理」を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまで主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0116】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
【0117】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0118】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0119】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0120】
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)
が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には処理を終え、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0121】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0122】
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0123】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317の処理は、後述の特
図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
【0124】
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
【0125】
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特
図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特
図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特
図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特
図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
【0126】
また、主制御部80から送信した特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特
図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特
図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
【0127】
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
【0128】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
【0129】
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
【0130】
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
【0131】
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このことから、本実施例では、特
図1保留に係る事前判定(特
図1事前判定)を、第1特別図柄の変動表示が主として行われる低ベース状態にて行うこととし、特
図2保留に係る事前判定(特
図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特
図1保留球数が「1」増加したとしても、S321~S323の処理(特
図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
【0132】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球遊技処理(S206)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S207)を行う。普図動作処理(S207)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0133】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0134】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0135】
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0136】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
【0137】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0138】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0139】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0140】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0141】
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0142】
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0143】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0144】
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0145】
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0146】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。
図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合(S1101でYES)には特別図柄待機処理(S1102)、特図動作ステータスが「2」である場合(S1101でNO、S1103でYES)には特別図柄変動中処理(S1104)、特図動作ステータスが「3」である場合(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)には特別図柄確定処理(S1106)、特図動作ステータスが「4」である場合(S1101,S1103,S1105で共にNO、S1107でYES)には大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)、特図動作ステータスが「5」である場合(S1101,S1103,S1105,S1107の全てがNO)には小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)、をそれぞれ行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0147】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
【0148】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、特
図2保留球数が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして、本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(
図8(B)を参照)。
【0149】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち通常状態用の当り判定テーブル(大当り判定値が「3」、「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値が「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0150】
当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。そして、第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのうち何れかとされ、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第5大当りまたは15R第6大当りとされる(
図8(B)を参照)。
【0151】
このことに対応して、本実施例では、大当りフラグとして、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り、15R第5大当り又は15R第6大当りであった場合にONにする長当りフラグと、2R第4大当りであった場合にONにする短当りフラグと設けている。そして、2R第4大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第4大当り図柄が確定表示するタイミングで、ラウンド表示器45の2R用ランプ(
図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1~第3大当り、15R第5大当り及び15R第6大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプ(
図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
【0152】
ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0153】
一方、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りであるか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)が、小当り判定値である「101」~「105」の何れかと一致するか否かを判定する(
図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
【0154】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(
図22)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONであるか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、本実施例では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている(
図9を参照)。しかし、本処理は、特
図2についての変動パターン選択処理であり、特
図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しない(
図6を参照)。したがって、本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1またはP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
【0155】
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP4が選択される。
【0156】
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、大当りでもなく小当りでもない外れということになり、この場合、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1406)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1406で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1406でYES)、非時短状態中第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP5乃至P8の何れかが選択される。
【0157】
一方、S1406で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1406でNO)、非時短状態中第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。本実施例では、変動パターンP9乃至P12の何れかが選択される。ここで、非時短状態中の第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最短の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。つまり、外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっており、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「1」又は「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0158】
また、前述のS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(
図25のS1410)。そして、大当りフラグがONであると判定した場合(S1410でYES)、時短状態中大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。前述したように、本処理は、特
図2についての変動パターン選択処理であり、特
図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しないことから(
図6を参照)、S1411では、長当りに対応する変動パターンP13またはP14が選択される。
【0159】
一方、S1410で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1410でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1412)。そして、小当りフラグがONであれば(S1412でYES)、時短状態中小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1416)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP16が選択される。
【0160】
また、S1412で小当りフラグがONでないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち外れの場合、第2特別図柄の保留数が「1」であるか否かを判定する(S1413)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。そして、保留数が「1」であると判定した場合(S1413でYES)、時短状態中第3保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。本実施例では、変動パターンP17乃至P20の何れかが選択される。一方、S1413で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1413でNO)、時短状態中第4保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。本実施例では、変動パターンP21乃至P24の何れかが選択される。
【0161】
このように、時短状態中の変動パターンテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が、保留球数「2」~「4」のときに働く。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。これにより、時短状態においては、非時短状態(通常状態)に比して、特図保留の消化スピードが早まる(時短中の遊技が迅速に進行していく)ものとなっている。
【0162】
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理(S1404)を行って、本処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特
図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0163】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特
図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0164】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示す特別図柄待機処理(S1102)の中の特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0165】
また、
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、かつ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0166】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0167】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのいずれとも判定される可能性がある(
図8(B))。
図8(B)の第1特別図柄(特
図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第3大当りの何れかと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第4大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
【0168】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図24及び
図25に示した特
図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701~S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
【0169】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1702(
図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして、15R大当り(長当り)である場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1またはP2が選択される。
【0170】
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
【0171】
また、この特
図1変動パターン選択処理では、S1712(
図29)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当り(長当り)である場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP13またはP14が選択される。
【0172】
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP15が選択される。
【0173】
この特
図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1705、
図28)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特
図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0174】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特
図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0175】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22の特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0176】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(
図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。そして、変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0177】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、または確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0178】
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、または時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0179】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15第3大当り及び15R第5大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉鎖まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして(
図6を参照)、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン、15R第3大当りであれば15R第3大当り用の開放パターン、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターン、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンを、それぞれセットする(S2003)。
【0180】
一方、S2002において15R大当りでないと判定した場合(すなわち短当りフラグがONである場合)、大当り種別は2R第4大当りということになるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第4大当り用の開放パターン(
図6を参照)をセットする(S2004)。
【0181】
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
【0182】
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。その結果、小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(
図6を参照)をセットする(S2009)。そして、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
【0183】
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることにもなる。
【0184】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
【0185】
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否か、すなわち、Vラウンドであるか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。実行されるラウンドがVラウンドでない場合(S2108でNO)、すなわち、3~15ラウンドの何れかである場合、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、実行されるラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放する際、すなわちラウンドを開始する際には、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドをセットする。セットしたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
【0186】
V有効期間設定処理(S2109)では、Vラウンド(本実施例では1ラウンド又は2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理のS2401~S2403を参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないということである。
【0187】
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
【0188】
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S208)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
【0189】
また、大当り遊技のVラウンド(1R目または2R目)でV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
【0190】
尚、本実施例では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2,第3大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2,第3大当りの場合は、Vラウンドにおいて第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドを第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2,第3大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグがONになることはない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンドと2ラウンドをVラウンドとし、当該Vラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、Vラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
【0191】
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
【0192】
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する際、すなわちラウンドを終了する際には、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。このセットしたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。尚、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドを除くラウンドの終了の際、すなわち、S2115でラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合に送信される。例えば、実行する大当り遊技のラウンド数が15R大当り遊技であれば、14Rの終了まではラウンド終了コマンドが送信されるが、15Rの終了に際しては送信されない。最終ラウンドの終了に際しては、後述するS2116の処理でセットするエンディングコマンドが送信されるからである。
【0193】
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
【0194】
また、S2105において大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理1(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
【0195】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(
図36)にてONされるフラグである。そして、VフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
【0196】
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであるか否かを判定する。そして、15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、その15R大当りが15R第3大当りであるか否かを判定し(S2206)、15R第3大当りであれば(S2206でYES)、そのまま処理を終え、15R第3大当りでない、すなわち、15R第1,第2,第5大当りの何れかであれば(S2206でNO)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。ここで、今回の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第5大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39(V通過)を通過してVフラグがONになっている筈なので(S2201でYES)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第2大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第3大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になる。
【0197】
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りでない、すなわち、2R第4大当りであると判定した場合(S2205でNO)、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったか否かを判定し(S2209)、時短状態でなかったと判定した場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確低ベース状態となる。
【0198】
一方、S2209で、2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2209でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態となる。
【0199】
尚、高確高ベース状態、低確高ベース状態および高確低ベース状態は、いずれも、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
【0200】
また、2R第4大当りに係る大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、当該大当り遊技前後の時短機能および高ベース機能の作動状態を、小当りが発生した場合の状態(条件)と同じにするためである。これらの作動状態が2R第4大当りの場合と小当りの場合とで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識し難くしたとしても、その後の遊技状態(時短機能および高ベース機能の作動状態)によって、何れの当りかが容易に判別可能となってしまうからである。これにより、2R第4大当りと小当りとを大入賞口の開放パターンによって判別し難くすると共に、その後の時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別し難くするものとしている。
【0201】
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
【0202】
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
【0203】
S2302において第2大入賞口35の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
【0204】
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
【0205】
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
【0206】
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0207】
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、
図36)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。以上の特別電動役物処理2(S1109)を実行する遊技制御用マイコン81は「小利益特別遊技実行手段」として機能するといえる。
【0208】
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。
図36に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し(S2401)、検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(S1108)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。本実施例では、V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
【0209】
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第4大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
【0210】
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S208)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
【0211】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。
図37に示すように、保留球数処理(S209)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
【0212】
この保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特
図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特
図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特
図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特
図1保留球数「1」に対応する箇所、
図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを消去するか、または、図示しない当該変動保留表示領域に移動して表示し、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。一方、第2演出保留9b(第2特図保留)についても、第1演出保留9a(第1特図保留)と同様に表示内容を更新することができる。
【0213】
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
【0214】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。
図38に示すように、電源断監視処理(S210)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理をする。
【0215】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図39~
図44に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから
図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0216】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化せず、RAMにバックアップしたデータに基づいて情報を復元する。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
【0217】
尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0218】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0219】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0220】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0221】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0222】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、第1演出モード設定処理(S4301)を行う。第1演出モード設定処理(S4301)では、所定の契機に基づいて複数の演出モード(「遊技モード」ともいう)から所定の演出モードを選択し、当該選択した演出モードを設定する。これら複数の演出モードは、表示画面に表示される遊技演出(背景画像、演出図柄、リーチ演出や予告演出等)の表示態様の一部又は全部が異なったり、LED等の表示パターンの一部又は全部が異なったり、スピーカから出力する音声パターンの一部又は全部が異なったりしている。次いで、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
【0223】
[受信コマンド解析処理]
次に、
図43及び
図44を用いて、受信コマンド解析処理(S4302)について説明する。受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4404の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行い、事前判定処理を行い(S4403)、S4404の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4402)は、S4401で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値、変動パターン情報等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。
【0224】
例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。このサブ制御基板(サブ制御部)において取得情報に基づく判定を行う手段を「判定実行手段」ともいう。また、事前判定処理(S4403)では、演出保留情報記憶処理で記憶した各種情報を事前判定し、当該事前判定の結果に基づく遊技演出(事前演出)を、当該各種情報に係る変動表示よりも前の変動表示に伴って実行するための処理である。このサブ制御基板(サブ制御部)において各種情報(取得情報)に基づく事前判定を行う手段を「事前判定手段」ともいう。
【0225】
次に、S4404では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4404)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4404でYES)、次いで、変動演出開始処理(S4405)を行って、S4406の処理に移行する。一方、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4404でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行い(S4407)、S4408の処理に移行する。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。
【0226】
ここで、変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0227】
続いて、S4408では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド等が該当する。S4408では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し(S4408)、大当り遊技関連コマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じて大当り遊技関連演出処理を行い(S4409)、S4410の処理に移行する。
【0228】
大当り遊技関連演出処理では、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0229】
また、S4409は、前述した大当り遊技関連コマンドのいずれかを受信した場合(例えば、オープニングコマンドを受信した場合)に実行される処理(大当りとなった場合に実行される処理)である。S4410は、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4410)。
【0230】
[ボタン操作演出]
次に、
図45乃至
図48を用いて、本実施例のパチンコ遊技機で特別図柄の変動表示中に実行されるボタン操作演出(S5001)について説明する。本実施例のボタン操作演出は、演出図柄(特別図柄)が変動表示を開始した後の所定タイミングで開始される演出で、遊技者の演出ボタンへの入力操作を伴って表示画面上の遊技演出(画像演出)を進行可能な演出である。尚、ボタン操作演出は、変動表示を終了する前の所定タイミングで終了する。また、ボタン操作演出を伴う変動表示全体(変動表示の開始から終了まで)を、ボタン操作演出といってもよい。
【0231】
本実施例のボタン操作演出(S5001)を
図45に示す。ボタン操作演出(S5001)ではまず、変動表示におけるボタン操作演出(特定のボタン操作演出)の実行時期かどうかを判定する(S5101)。S5101で、ボタン操作演出の実行時期でないと判定した場合(S5101でNO)、他の図柄変動演出の実行時期であるので処理を終える。
【0232】
S5101で、ボタン操作演出の実行時期であると判定した場合(S5101でYES)、次いで、演出ボタンの入力操作によって演出の進行が可能となる操作有効期間であるかどうかを判定する(S5102)。S5102で、操作有効期間でないと判定した場合(S5102でNO)、すなわち、ボタン操作演出を含む変動表示の実行中であるが、操作有効期間の開始前又は終了後であると判定した場合、次いで、非操作特殊演出の実行中かどうかを判定する(S5104)。非操作特殊演出の実行中でないと判定した場合、S5112の処理に移行する。
【0233】
また、S5104で、非操作特殊演出の実行中であると判定した場合(S5104でYES)、非操作特殊演出終了コマンドをセットし(S5105)、S5112の処理に移行する。ここで、非操作特殊演出(第2特殊演出)は、予め定めた非操作指定期間(特定時期、非操作期間)において、遊技者が演出ボタンへの入力(入力操作)を行わないこと(非入力)を条件に、非操作特殊画像(第2特殊画像)を表示する特別な演出である(
図47(f)参照)。また、本処理により、非操作特殊演出は、実行中であれば操作有効期間の終了に伴って終了条件を成立し、終了する。
【0234】
S5102で、操作有効期間中であると判定した場合(S5102でYES)、次いで演出ボタンの操作があったかどうかを判定する(S5103)。S5103で、ボタン操作があったと判定した場合(S5103でYES)、非操作特殊演出の実行中であるかを判定し(S5106)、実行中であると判定した場合(S5106でYES)、非操作特殊演出終了コマンドをセットし(S5107)、操作対応画像実行コマンドをセットし(S5108)、S5112の処理に移行する。また、S5106で、非操作特殊演出の実行中でないと判定した場合(S5106でNO)、操作対応画像実行コマンドをセットし(S5108)、S5112の処理に移行する。
【0235】
これにより、操作有効期間中に遊技者による演出ボタンの操作があると、当該操作に対応して操作対応演出(操作対応画像の表示、ボタン操作演出、第1特殊演出)を実行する。また、操作有効期間中に遊技者による演出ボタンの操作があったとき、非操作特殊演出が実行されていれば、当該操作によって終了条件が成立し、当該実行中の非操作特殊演出を終了して代わりに操作対応演出(操作対応画像の表示、ボタン操作演出)を実行する。
【0236】
S5103で、ボタン操作がないと判定した場合(S5103)、次いで、現在が予め設定した非操作期間(非操作指定期間)であるかを判定し(S5109)、非操作期間でないと判定した場合(S5109でNO)、S5112の処理に移行する。S5109で、非操作期間であると判定した場合(S5109でYES)、非操作期間(非操作指定期間)に操作のない状態が設定期間経過したかを判定する(S5110)。すなわち、予め定めた非操作期間において、所定時間以上の非操作状態の維持を非操作特殊演出の開始条件とする。遊技機の電源をONにした状態で、所定時間以上の非操作状態を維持した場合でも、非操作特殊演出を実行する場合と、非操作特殊演出を実行しない場合があるものとする。予め定めた非操作期間において、所定時間以上の非操作状態を維持した場合に非操作特殊演出を実行するものとする。
【0237】
S5110で、操作なしの状態が設定期間以上維持されていないと判定した場合(S5110でNO)、非操作特殊演出を実行する処理を行うことなく、S5112の処理に移行する。一方、S5110で、操作なしの状態が設定期間以上維持された(操作なしで設定時間経過した)と判定した場合(S5110でYES)、非操作特殊演出を実行するための非操作特殊演出コマンドをセットし(S5111)、S5112の処理に移行する。S5112では、操作対応演出や非操作特殊演出を実行するためのコマンドや、実行中の非操作特殊演出を終了するためのコマンドを、画像制御基板(画像制御部)に送信する処理等を行い、処理を終える。
【0238】
図46は、ボタン操作演出を実行する変動表示の所定の実行態様を示すタイミングチャートである。
図46(a)は変動表示中に実行される主な演出(期間)の流れを示す。特別図柄(演出図柄)の変動表示を開始した後の所定タイミングで、リーチ演出(7↓7)が開始される。その所定時間後に、遊技者が演出ボタンを任意のタイミングで操作することで所定の画像を表示させ、遊技演出(画像演出)を進行させるボタン操作演出を開始する(t1)。ボタン操作演出を開始すると共に、操作有効期間が開始となり、演出ボタンへの操作(入力、入力操作)によって、所定の画像を表示可能となる。尚、変動表示中における操作有効期間は、所定期間(t1からt2まで、例えば30秒間)連続して有効であってもよいし、途中に操作無効期間を挟む不連続の期間(操作有効期間を複数回有する構成)であってもよい。
【0239】
操作有効期間開始後の所定時期から設定時間(S1からS2まで、例えば3秒間)は、前述した非操作期間(非操作指定期間)に設定されており、操作有効期間であるこの非操作期間に遊技者が演出ボタンへの入力を行わなかった場合に、、非操作特殊演出が実行される(非操作特殊画像が表示される)。非操作期間が終了して所定時間が経過した後に、ボタン操作演出が終了し、操作有効期間が終了する(t2)。その後、特別図柄(演出図柄)が確定停止表示し、変動表示が終了する。非操作期間は、ボタン操作演出の実行期間中に存在する。
【0240】
図46(b)は、ボタン操作演出の実行パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図46(b)は、非操作期間に遊技者がボタン操作を行ったことで、所定タイミングで非操作特殊演出が実行されないパターンを示している。
図46(b)のパターンでは、ボタン演出開始後の操作有効期間において、u1、u2、u3、u4の4回タイミングでボタン操作が実行され、その都度、予め定められた操作対応画像(第1特殊画像)を所定時間(例えば1秒間)表示する。また、そのうちのボタン操作u3が、非操作期間s1~s2に行われたため、本態様では非操作特殊演出が実行されることなく、ボタン操作演出を終了する。
【0241】
図46(c)は、ボタン操作演出の実行パターンの他の一例を示すタイミングチャートである。
図46(c)は、非操作期間に遊技者がボタン操作を行わなかったことで、所定タイミングで非操作特殊演出が実行されたパターンを示している。
図46(c)のパターンでは、ボタン演出開始後の操作有効期間において、u5、u6、u7の3回タイミングでボタン操作が実行される。しかしながら何れのボタン操作も、非操作期間s1~s2には行われなかったため、非操作特殊演出の実行条件(開始条件)を満たし、条件成立後の所定タイミングv1で非操作特殊演出が実行される。本例では、非操作特殊演出の実行条件(開始条件)を満たすと、すぐに非操作特殊画像を表示する。
【0242】
また、非操作特殊演出は、所定の終了条件を満たすまで表示される。本実施例では、非操作特殊演出の実行中に、演出ボタンの操作があること、及び、非操作特殊演出が実行されてから所定時間が経過する(ボタン操作演出が終了する、操作有効期間が終了する)ことの何れかを満たした場合に、何れも終了条件が成立したとして、非操作特殊演出を終了する。
図46(c)では、非操作特殊演出が実行開始(v1)されてから、所定時間経過後(例えば6秒後)に、ボタン操作u7が実行され、そのタイミング(v2)で、非操作特殊演出が終了する。また、ボタン操作u7に基づいて、非操作特殊演出の終了後に、非操作特殊演出に代えて操作対応画像が表示される。
【0243】
図47及び
図48は、表示画面7a上で実行されるボタン操作演出(バトル演出215)の実行態様の一例を示す図である。
図45及び
図46で説明した部分については、説明を省略する。
図47(a)は、所定の変動表示を実行中の一場面を示す。
図47(a)は、変動表示中の所定タイミングで左演出図柄8及び右演出図柄8が同じ(対応する)演出図柄で停止表示し、いわゆるリーチ態様211(7↓7)となり、中演出図柄が変動表示を継続するリーチ演出が実行された場面を示している。
【0244】
図47(b)は、
図47(a)と同じ変動表示で、
図47(a)の場面から所定時間経過後の場面を示している。
図47(b)は、ボタン操作演出であるバトル演出215が実行される。リーチ演出の一種である本実施例のバトル演出215は味方キャラクタ213と敵キャラクタ214が戦いを行って、味方キャラクタが勝利した場合は大当りとなり、敵キャラクタが勝利した場合は外れとなることが示唆される。表示画面7aの中央上部には、これから行う又は実行中の遊技演出のタイトルを表示するリーチ名表示部212(演出タイトル表示部)が設けられており、「バトルリーチ」の名称が表示される。表示画面7aの上部左右には、演出図柄8がリーチ図柄で小さく表示される。
【0245】
図47(c)は、
図47(b)から所定時間経過後の同じ変動表示の場面を示している。バトルリーチ開始後の所定タイミングで演出ボタンの操作で演出を進行可能なボタン操作演出が開始し、演出ボタンの操作有効期間が開始する。表示画面の上部には、遊技者に演出ボタンの操作(入力操作)を示唆する操作示唆演出221が表示される。操作示唆演出221は、遊技機の演出ボタンを模したボタン絵柄222と操作態様を指示する「押せ」の文字と「押す方向を示す矢印」の画像を組合せてなる。表示画面の下部には、操作有効期間の残り時間を示す残時間ゲージ223(有効期間ゲージ、残時間表示部)が表示される(残り時間、30秒)。
【0246】
図47(d)は、
図47(c)から所定時間経過後の同じ変動表示の場面を示している。
図47(d)は、ボタン操作演出開始から所定時間が経過したことにより、操作有効期間の残り時間がその分減少している。そのため、
図47(c)と比較して、残時間ゲージ223の黒で示す残時間223aが減少し、白で示す経過時間223bが増加している。また、
図47(d)では、遊技者が演出ボタンを操作した場面を示しており、操作(押圧操作)したことに対応して、操作示唆演出221が、操作したことを示す操作実行演出222aに変化している。遊技者が演出ボタンを押したことを表現した画像に変化する。
【0247】
また、演出ボタンを操作したことに基づき、味方キャラクタ213が敵キャラクタ214を攻撃する操作対応演出225(第1特殊演出)が実行される。また演出ボタンを操作したことに基づき、攻撃がヒットしたことを示す操作対応画像225aが敵キャラクタ214上に表示される。また、演出ボタンを操作したことに基づいて表示される操作対応画像225aは実行中のバトルリーチが遊技者に有利に進行している(味方キャラクタが勝利に近づく)ことを示唆する画像とされている。これにより、遊技者は、演出ボタンの操作することで大当りへの期待感を高める。
【0248】
図47(e)は、
図47(d)から所定時間経過後の同じ変動表示の場面を示している。
図47(e)は、遊技者が演出ボタンを操作していない場面を示しており、非操作状態で、非操作期間231(非操作指定期間)を非操作状態で一部経過した場面を示している。また、演出ボタンを非操作の状態で維持しているため、敵キャラクタ214に攻め込まれている場面を示している。非操作期間231を破線で示しており、この破線で示す期間中、一度も演出ボタンの操作をしなかった場合(非操作状態で維持した場合)、後述する非操作特殊演出226が実行される。また、非操作期間231の経過中も操作示唆演出221は実行されるため、これに従って演出ボタンを操作した遊技者は、非操作特殊演出226を実行させることができない。
【0249】
図47(f)は、
図47(e)から所定時間経過後の同じ変動表示の場面を示している。
図47(f)は、非操作期間231において遊技者が一度も演出ボタンの操作をしなかった、すなわち、非操作特殊演出226の実行条件を満たしたことにより、非操作特殊演出226が実行された場面を示している。操作有効期間を演出ボタンの操作なしに経過すること、すなわち、操作有効期間における設定時間、演出ボタンを非操作とすることで、非操作特殊演出を実行する。また非操作特殊演出は、非操作期間の経過後すぐに実行されている。
【0250】
本実施例の非操作特殊演出226は、敵キャラクタ214が味方キャラクタ213に攻撃してきた際に、攻撃をうけることなく避ける(敵の攻撃が当たらない)無敵状態となる演出である。
図47(f)に示す味方キャラクタ213の表示態様や無敵期間発動の文字等は全て非操作特殊演出226で実行される専用の非操作特殊画像226a(第2特殊画像、非操作対応画像)である。尚、本実施例では、非操作特殊演出を実行できなかった遊技者との特典の差が過度に大きくならないよう、大当りの可能性を示す演出ではなく趣向性の高い演出としている。また、演出情報や遊技機情報を表示してもよい。
【0251】
また図示はしていないが、実行中の非操作特殊演出226は、遊技者が演出ボタンを操作して操作対応演出225を実行したり、このまま操作することなく、操作有効期間が経過したりした場合に、表示を終了する。
【0252】
また、
図47に示すように、非操作期間231が実行中であることや、この期間に操作しないことで非操作特殊演出がじっこうされことは表示画面等で示唆されない(報知されない)。これにより、非操作特殊演出を実行させた遊技者は遊技興趣を高める。
【0253】
図48(g)は、操作有効期間において遊技者がボタン操作を行わず、非操作特殊演出も実行されない場面を示している。敵キャラクタ214が味方キャラクタ213を攻撃し、味方キャラクタが敗北する可能性を示唆する不利示唆画像227となっている。これにより、遊技者は演出ボタンを押して操作対合画像225aが表示されることに期待する。
【0254】
図48(h)は、バトル演出215(バトルリーチ)の結果、味方キャラクタ213が勝利した場面を示している。これを勝敗報知演出216(結果報知演出)ともいう。これにより、大当りとなること(大当り遊技が実行されること)が遊技者に示唆される。
図48(i)は、
図48(h)の所定時間経過後に、左右の演出図柄及び中演出図柄が全て同じ図柄(7図柄)の大当り図柄241で表示画面上に拡大表示される。これを大当り報知演出242ともいう。また表示画面下部には「大当り!!」の文字表示もなされ、大当りとなった事が報知される。
【0255】
図48(j)は、ボタン操作演出の他の実行態様(実行パターン)である。本実行態様は、ボタン操作演出(操作対応演出)の実行中に、始動入球があって大当り判定が保留された場合に実行される遊技演出の実行態様である。ボタン操作演出に割り込んで(と並行して)、大当り保留が発生した事を報知する「特別報知演出228(特別事態割込演出)」を実行するパターンを示している。
図48(j)では、操作有効期間中に、遊技者がボタン操作を行い、操作対応演出225(操作対応画像225a)を実行した場面が示されている。
【0256】
この操作対応演出225が実行されている場面では、自身の操作に基づいて実行される操作対応画像225aが表示されている。そのため、この操作対応画像225aを、遊技者に確実に認識させるため、前述した大当り保留が発生した事を報知する特別報知演出228(特別報知画像228a)を、表示画面上の操作対応画像225aとは重ならない位置(
図48(j)では、表示画面の左下の隅部と、右下の隅部とに夫々表示)に表示する。これにより、遊技者は、操作対応画像225a及び特別報知画像228a(特別事態割込画像、第3特殊画像)の両方の画像を確実且つ明確に認識することができる。
【0257】
図48(k)は、ボタン操作演出の更に他の実行態様(実行パターン)である。本実行態様は、ボタン操作演出(非操作特殊演出)の実行中に、始動入球があって大当り判定が保留された場合に実行される遊技演出の実行態様である。非操作特殊演出226の実行中に割り込んで(と並行して)、大当り保留が発生した事を報知する「特別報知演出228(第3特殊演出)」を実行するパターンを示している。
図48(k)で示す非操作特殊演出226は、遊技者が自らの操作を行って表示させた画像ではないため、あえて非操作特殊演出226と特別報知演出228とを分離して別々の位置に表示する必要もない。
【0258】
そこで、本実行態様では、非操作特殊演出226の実行中に特別報知演出228が実行される場合(非操作特殊演出226と特別報知演出228とが同時に表示される場合)には、非操作特殊演出226を実行中の味方キャラクタ213に重複して、特別報知演出228を実行する。すなわち、非操作特殊画像226aの少なくとも一部に、特別報知画像228aの少なくとも一部を重複させて、表示する((
図48(k)では、表示画面の味方キャラクタ213に重なる位置と、右下の隅部とに夫々表示))。尚、味方キャラクタ213に重なる位置に表示される特別報知画像228aは武器を模した絵柄である。また、右下の隅部の非操作特殊演出と重ならない位置に表示される特別報知画像228aは爆弾の破裂を模した絵柄である。これらは何れも大当り保留が発生(特別条件が成立)したこと(大当りの実行が確定しており、所定時間経過後に、大当り遊技が実行されること)を示す。
【0259】
これにより、非操作特殊演出226と特別報知演出228とで一体感を持った画像を表示することができ、遊技興趣を高める。またこれにより、操作対応演出225が実行されている場合と、非操作特殊演出226が実行されている場合とで、特別報知演出228との表示関係を多様化できる。また、遊技演出を多様化し、遊技興趣を高めることができる。
【0260】
図48(l)は、
図48(i)で大当りとなった事に基づいて、大当り遊技が実行された場面を示している。表示画面7a上では大当り遊技演出240が実行されている。中央上部には、大当り遊技名表示部243が設けられ、実行される大当り遊技の名称(「スーパーRUSH」)が表示される。大当り遊技名は、大当り遊技終了後に移行する遊技状態や、大当り遊技で得られる賞球量(遊技利益量)によって、その特徴を入れた名称とされている。表示画面右上には、当り図柄表示部244が設けられ、大当りとなった演出図柄(7)が表示される。表示画面右下には、ラウンド表示部245が設けられ、現在のラウンド数が表示される。表示画面左には入球カウント表示部246が設けられ、遊技球が大入賞口に入球するたびに白まるが黒まるに変化する。制限時間内に全てが黒まるになると大入賞口を閉鎖し、実行中のラウンドを終了する。
【0261】
次に、
図49及び
図50を用いて、ボタン操作演出の更に他の実行態様について説明する。
図49(m)の実行態様では、非操作特殊演出226(特定の演出)と特別報知演出(特別事態割込演出)の両方が表示画面上で事項されている状況で、更に、他の遊技演出が実行される態様である。また、当該遊技演出は、遊技者の演出ボタンへの入力によって、異なる複数の演出(異なる入力演出)から選択した所定の演出を選択的に実行可能とするものである。また、選択可能な複数の演出は、何れも演出ボタンによって演出を変化可能な遊技演出であるため、特別ボタン操作演出236(割込ボタン操作演出、第1特別ボタン操作演出236a、第2特別ボタン操作演出236b)ともいう。
【0262】
演出選択画像235が実行されると、後述するリーチAに対応する第1特別ボタン操作演出示唆画像235aと、後述するリーチBに対応する第2特別ボタン操作演出示唆画像235bと、が表示される。
図49(m)は、「リーチA」がアクティブで、「リーチB」が非アクティブの場面を示している。このときに遊技者が所定の演出ボタンで選択操作すると、後述する実行態様で「リーチA(第1特別ボタン操作演出)」が実行される。すなわち、所定の演出ボタンを操作することで、「リーチA(第1特別ボタン操作演出)」を実行することができる。尚、本遊技演出(リーチA及びリーチBの何れも)は、他の遊技演出と比較して、大当り可能性が高い(大当り確率80%)遊技演出に設定されており、本遊技演出を見た遊技者は、大当りへの期待感を顕著に高め、遊技興趣を高める。
【0263】
図49(n)は、
図49(m)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。残時間ゲージ223の残時間223aが減少している。
図49(n)は、「リーチB」がアクティブで、「リーチA」が非アクティブの場面を示している。このときに遊技者が所定の演出ボタンで選択操作すると、後述する実行態様で「リーチB(第2特別ボタン操作演出)」が実行される。すなわち、所定の演出ボタンを操作することで、「リーチB(第2特別ボタン操作演出)」を実行することができる。
【0264】
図49(o)は、
図49(n)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。
図49(o)は、「リーチA」がアクティブとのきに遊技者が所定の演出ボタンで選択操作し、「リーチA」の実行を決定した場面である。
【0265】
図49(p)は、
図49(n)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。また、
図49(p)は、
図49(o)で遊技者が操作ボタンを操作して「リーチA(第1特別ボタン操作演出236a)」の実行を決定したことにより、表示画面7a上でリーチA(第1特別ボタン操作演出236a、第1の入力演出)が実行された場面を示している。リーチAは、表示画面7aの略全体で実行される演出である。そのため、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態で、リーチAの実行を選択した場合には、表示面積の大きい非操作特殊演出226を終了して、代わりに、リーチAを実行する。すなわち、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態を維持することができない。尚、特別報知演出228は表示画面右下部から表示位置を変えることなく、表示を維持するようにしている。
【0266】
また、
図49(p)に示すように、リーチAは、演出ボタンの操作によって演出を変化(進行)させる特別ボタン操作演出である。表示画面の上部のリーチ名表示部212には「リーチA」の文字が表示される。表示画面の左部には、演出ボタンの操作(演出ボタンによる情報の選択)を示唆する選択示唆演出237(操作示唆演出)が表示される。表示画面の左右上部には、リーチ図柄(7)が表示され、変動表示(リーチ演出)が継続していることが示される。表示画面右下には、特別報知演出228が継続して表示され、遊技者は、特別条件の成立状態(大当りが保留されていること)を、リーチAの実行後も認識することが可能となる。
【0267】
表示画面中央部には、味方キャラクタ213の左右に階段上の通路が延びており、演出ボタンを操作して、右方(上方)を選択するか、左方(下方)を選択するかを遊技者に促す演出となっている。遊技者は、所定の態様で演出ボタンを操作することで、右方(上方)か左方(下方)かを選択することができる。また、左端及び右端には、破線状のゴールフラッグが表示されており、右方又は左方のうち正解を選択した場合には、ゴールフラッグが実線表示され、正解が示される(特典付与が報知される)。また、外れを選択した場合には、ゴールフラッグが消滅し、外れが示される(特典が付与されないことが報知される)。
【0268】
また、右方及び左方の通路は階段状(複数段階の操作で左端又は右端に到達する段階設定)に形成されており、一旦、右方に1回操作した場合でも、左方に操作を変更することが可能な演出とされている。このように、リーチAは、非操作特殊演出226を終了して表示画面の略全体を用いて実行される大画面演出(全画面演出)で、且つ、遊技者の選択によって演出を変化させることが可能な特別ボタン操作演出である。またこれにより、趣向性が顕著に高い遊技機を提供することが可能となる。
【0269】
図49(q)は、
図49(p)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。遊技者が、右方(上方)を選択し(複数回の右方操作を行い)、味方キャラクタ213(特定キャラクタ)を右端まで表示させた場面を示している。また、本変動表示は大当りに係る変動表示であったため、味方キャラクタ213がゴールフラッグを獲得し、「正解!!」の文字が表示される演出が実行される。これにより、遊技者に大当りとなったことを報知する。また、
図49(r)は、
図49(q)の所定時間経過後の場面で、左右の演出図柄及び中演出図柄が全て同じ図柄(7図柄)の大当り図柄241で表示画面上に拡大表示され、大当りとなった事が報知される。
【0270】
図50(s)は、
図49(n)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。
図50(s)は、「リーチB」がアクティブとのきに遊技者が所定の演出ボタンで選択操作し、「リーチB」の実行を決定した場面である。
図50(t)は、
図50(s)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。また、
図50(t)は、
図50(s)で遊技者が操作ボタンを操作して「リーチB(第2特別ボタン操作演出236b)」の実行を決定したことにより、表示画面7a上でリーチB(第2特別ボタン操作演出236b、第2の入力演出)が実行された場面を示している。
【0271】
リーチBは、リーチAと異なり、表示画面の一部(全表示面積の半分以下)を使用して実行する演出である。そのため、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態で、遊技者がリーチBの実行を選択した場合には、非操作特殊演出226及び特別報知演出228の表示状態を維持したままで、表示画面上に追加で、リーチB(第2特別ボタン操作演出236b、第2の入力演出)を実行する。すなわち、リーチBを実行する場合には、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態を維持することができる。尚、特別報知演出228は表示画面右下部から表示位置を変えることなく、表示を維持するようにしている。
【0272】
また、
図50(t)~(v)に示すように、リーチBは、演出ボタンの操作によって演出を変化(進行)させる特別ボタン操作演出260である。
図50(t)に示すように、リーチBは、表示画面7aの右中央部の位置で、表示画面7aの表示面積全体の約1/4の領域を使用して実行される小画面演出(部分画面演出)である。また、リーチB(第2特別ボタン操作演出、第2の入力演出、小画面演出)は、遊技者が演出ボタンを複数回押圧操作(連打)することで、所定位置(表示部右部)にいる応援キャラクタ238を、表示部左部の「参加ライン(特定位置)」まで表示させる(移動させる)演出である。
【0273】
そして、リーチBにおいて、遊技者が演出ボタンを操作することで、応援キャラクタ238を「参加ライン(特定位置)」に表示させることができれば、実行を継続中の非操作特殊演出226(バトル演出215)に応援キャラクタが参加することができる。つまり、リーチBで遊技者が演出ボタンを操作して演出を変化させたことの結果を、並行して実行中の非操作特殊演出226の演出の一部に適用する(利用する)ことができる。これにより、遊技者は、バトル演出に勝利する可能性が高まったと感じ、大当りへの期待感を高め、遊技興趣を顕著に高める。また、遊技演出を多様化し、趣向性の高い遊技機を提供できる。
【0274】
図50(u)は、
図50(t)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。
図50(s)では、リーチB表示部に示すように、遊技者が演出ボタンを操作することで、応援キャラクタ238(第2特定キャラクタ)が左方の参加位置(特定位置)側に移動表示する。また、遊技者が演出ボタンを操作したことを示す操作実行演出222aが表示される。
【0275】
図50(v)は、
図50(u)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。
図50(v)では、リーチB表示部に示すように、遊技者が演出ボタンを繰り返し操作することで、応援キャラクタ238(第2特定キャラクタ)が左方の参加位置(特定位置)に表示された場面を示している。これにより、リーチBで表示される応援キャラクタが、実行を継続中の非操作特殊演出226(バトル演出215)に参加することが確定する。また、これに伴って、バトル演出215の残時間ゲージ223で示す演出ボタンの操作有効期間が終了する(残時間223aがなくなる)。
【0276】
図50(w)は、
図50(v)と同じ変動表示で、所定時間経過後の場面を示している。
図50(w)では、リーチBを終了して、表示画面全体にバトル演出215が表示され、味方キャラクタ213及びリーチBで参加が確定した応援キャラクタ238が、協力して敵キャラクタ214と戦い勝利した場面を示している。また、
図50(x)は、
図50(w)の所定時間経過後の場面で、左右の演出図柄及び中演出図柄が全て同じ図柄(7図柄)の大当り図柄241で表示画面上に拡大表示され、大当りとなった事が報知される。
【0277】
尚、本実施例の遊技機は、複数の演出ボタンを有しており、リーチBで使用する演出ボタン(第2演出ボタン、第2入力手段)は、バトル演出で使用する演出ボタンと異なる演出ボタン(第1演出ボタン、第1入力手段)とする。本実施例では、非操作期間231に、演出ボタン(第1演出ボタン)の操作をしないことで実行される非操作特殊演出226は、非操作特殊演出の実行中に演出ボタン(第1演出ボタン)の操作があると終了する。そのため、非操作特殊演出及び特別報知演出と、リーチB(第2特別ボタン操作演出)とを、並行して実行するためには、リーチBを当該演出ボタン(第1演出ボタン)と異なる演出ボタン(第2演出ボタン)で実行する必要がある。
【0278】
また、リーチA(第1特別ボタン操作演出)は非操作特殊演出を終了して実行する演出であるため、当該リーチAで使用する演出ボタンは、バトル演出215で使用する演出ボタン(第1演出ボタン)と同じ演出ボタン(第1演出ボタン)であっても異なる演出ボタン(第2演出ボタン)であっても構わない。
【0279】
[ボタン操作演出の他の態様]
また、前述の実施例では、非操作期間(非操作指定期間)も操作有効期間として、ボタン操作(演出ボタンへの入力操作)があると、操作対応画像を表示するようにしたが、非操作期間(非操作指定期間)はボタン操作があっても操作対応画像を表示しない期間(操作無効期間)としてもよい。ボタン操作(入力手段への入力)があったかどうかを検知できればよい。
【0280】
また、ボタン操作演出や非操作期間の実行タイミングを制御するためのカウンタを1又は複数設け、これらの期間の開始又は終了時期を制御する。
【0281】
また、前述の実施例では、操作有効期間において、非操作期間を1回だけ設けた態様を説明したが、このような態様に限らない。非操作期間を複数回設けて、何れかの非操作期間で設定時間操作しない条件を見たすと非操作特殊演出を実行してもよい。また、設定時間を非操作期間よりも短く設定してもよい。このようにすれば、非操作期間のうちにボタン操作を行った場合でも、以後の時間(非操作期間の残り期間、他の期間)で設定時間非操作とすれば、実行タイミングは遅延するものの、非操作特殊演出を実行することが可能となる。これにより、非操作特殊演出の実行可能性を高め、実行された場合の遊技興趣を顕著に高めることが可能となる。
【0282】
遊技者が演出ボタンを操作することで表示画面に表示される操作対応画像は、操作するタイミングや操作タイミングによって、異なる操作対応画像が表示されるものとしてもよい。また、遊技者の選択によって異なる操作対応画像を表示することができるようにしてもよい。また表示時間も異なるように設定してもよい。
【0283】
また、前述の実施例では、特別報知演出228は表示画面右下部から表示位置を変えることなく、表示状態を維持するものとした。このような態様に代えて、リーチA(特別ボタン操作演出)を実行することで、特別報知演出228の表示位置を変更したり、非表示としたりしてもよい。
【0284】
また、特別ボタン操作演出(割込ボタン操作演出)の開始条件は、所定の実行抽選に当選することとしてもよい。また、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態で、所定の実行抽選に当選することとしてもよい。また、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態で、遊技者が演出ボタンを操作することを特別ボタン操作演出(割込ボタン操作演出)の開始条件としてもよい。また、非操作特殊演出226と特別報知演出228とを表示画面上に表示した状態で、特別ボタン操作演出を実行可能な状態であっても、遊技者が演出ボタンの操作(開始操作)を行わないことで、特別ボタン操作演出を実行しないようにしてもよい。これにより、遊技者の意思で任意に特別ボタン操作演出を実行することができ、多様な遊技者の嗜好に合わせた遊技機を提供することができる。また、非操作特殊演出226と特別報知演出228とが表示された状態をそのまま維持したい場合には、演出ボタンの操作(開始操作)を行わないことで維持することが可能となる。これにより、遊技者は非操作特殊演出(バトル演出)の結末をこのまま確認することが可能となる。
【0285】
また、前述した実施例では、リーチBは、非操作特殊演出226と特別報知演出228との何れの演出とも、重複しない位置に表示される例を示したが、このような態様に限らない。リーチBは、比較的表示面積が大きい非操作特殊演出と、表示部の少なくとも一部が重なるように表示してもよい。その際、新規に実行したリーチBは非操作特殊演出に優先して前面側に表示されるものとする。また、リーチBの表示面積は非操作特殊演出より小さいものとする。また、比較的表示面積の小さい特別報知演出はリーチBの表示部と重複しないように表示することが好適である。
【0286】
また、
図48(k)の非操作特殊演出226及び特別報知演出228の実行場面で、特別ボタン操作演出236(割込ボタン操作演出)を実行する態様について説明したが、このような実行態様に限らない。
図48(j)に示す操作対応演出225及び特別報知演出228の実行場面で、特別ボタン操作演出236(割込ボタン操作演出)を実行してもよい。この場合の、操作対応演出、特別報知演出、特別ボタン操作演出の表示関係は、前述した実施例の非操作特殊演出、特別報知演出、特別ボタン操作演出の表示関係と同様とする。
【0287】
[通過発動演出]
次に、
図51乃至図
図54を用いて、本実施例のパチンコ遊技機の有する遊技演出の一つである通過発動演出について説明する。本実施例では、遊技球が第1始動口20(1段階目検知手段)に入球することに基づいて当否判定を行い、当該当否判定の結果に基づいて、演出図柄(特別図柄)を変動表示し、それと共に、遊技演出を実行し、当否判定の結果に対応する演出図柄(特別図柄)を停止表示する(第1特定表示)。また、本実施例では、第1始動口20を通過した遊技球を検知可能な第1演出発動センサ248(2段階目検知手段)及び第2演出発動センサ249(3段階目検知手段)を備えており、所定条件を満たすと、第1演出発動センサ248での検知に基づいて所定の演出(第1通過発動演出)を行う。また、所定条件を満たすと、第2演出発動センサ249での検知に基づいて所定の演出(第2通過発動演出)を行う。
【0288】
図51は、
図3に示す遊技盤2の裏面に取り付けられる排出球集合樋17(遊技球通過路、遊技球排出通路)で、この向きのまま(
図51の紙面上に表した側が、遊技盤の裏面に接触して取付けられる)、
図3で示す遊技盤2の裏面に取り付けられる。また、
図51に示す一般入球口27、第1始動口20、第2始動口21、アウト口25、第1大入賞口30、第2大入賞口35(以下、「各種入球口」や単に「入球口」ともいう)が夫々、
図3の対応する各種入球口の裏面に位置するように取付けられる。
【0289】
遊技球を流下する遊技球が
図3に示す各種入球口に入球すると、遊技盤裏面側に流下して、排出球集合樋17の対応する入口から排出球集合樋17に流下し、直下に設けられた対応する各種センサで入球が検知され、賞球が設定されている場合には、当該賞球が付与される。そして、排出球集合樋17に入球した遊技球は下流の集合部に全て集合し、排出口26から遊技機外に排出される。
【0290】
図51に示すように、第1始動口20に入球した遊技球が流下する排出球集合樋17の流下通路(遊技球通過路)には、その下流に、第1始動口センサ20a(1段階目検知手段)と所定距離離して第1演出発動センサ248(2段階目検知手段)が設けられている。その更に下流には、第1演出発動センサ248と所定距離離して第2演出発動センサ249(3段階目検知手段)が設けられている。すなわち、第1始動口20に入球して第1始動口センサ20aで検知された遊技球は、その後、必ず、第1演出発動センサ24で検知され、更にその後に第2演出発動センサ249で検知され、最終的に排出球集合樋17の排出口26から排出される。
【0291】
本実施例の通過発動演出(第1通過発動演出、第2通過発動演出)は、遊技球が第1演出発動センサ248で検知されたタイミングで、第1始動口センサ20aへの通過に基づいて実行中の変動表示演出(第1特定表示)と共に、実行する演出である。また、遊技球が第2演出発動センサ249で検知されたタイミングで、第1始動口センサ20aへの通過に基づいて実行中の変動表示演出(第1特定表示)と共に、実行する演出である。
【0292】
図52は、通過発動演出(S5002)のフローチャートを示す。通過発動演出(S5002)ではまず、実行中の変動演出が保留0の状態で始動入球して開始した変動演出であるかを判定する(S5101)。実行中の変動表示が、保留が1以上ある状態で始動入球して、保留消化によって開始した変動表示である場合には、処理を終える。S5201で、実行中の変動演出が保留0の状態で始動入球して開始した変動演出であると判定した場合(S5201でYES)、次いで、通過発動演出の実行中かどうかを判定する(S5201)。実行中でないと判定した場合(S5201でNO)、処理を終える。本処理は、保留0から開始した変動表示であり、且つ、多数ある遊技演出から通過発動演出(特定の遊技演出)の実行が選択されて、当該通過発動演出が実行されていることを条件に、実行される制御処理である。
【0293】
S5202で、通過発動演出を実行中であると判定した場合(S5202でYES)、次いで、遊技球が第1始動口センサを通過してから3秒以内かどうかを判定する。実行中の変動表示の開始の契機である始動口センサを通過して3秒以内であると判定した場合(S5203でYES)、第1演出発動センサで検知があったかを判定する(S5204)。S5204で、第1演出発動センサで検知があったと判定した場合(S5204でYES)、第1通過発動演出を実行し(S5205)、処理を終える。S5204で、第1演出発動センサでの検知はないと判定した場合(S5204でNO)、処理を終える。尚、通過発動演出(第2バトル演出)は、45000ms(45秒)の変動時間に対応する演出であり、この第1通過発動演出は、通過発動演出(第2バトル演出)の前半期間(初期期間)に実行される演出である。
【0294】
また、第1演出発動センサ248は、第1始動口センサ20aから所定距離(10cm程度)離れて配置されているところ、第1始動口センサを通過した遊技球が第1演出発動センサで検知されるまでの時間は、平均2秒程度となっている。第1始動口センサから第1演出発動センサの間の遊技球通過路には減速部(突起や段)が設けられている。そのため、第1始動口20への進入速度によって、第1始動口センサ20aを通過した遊技球が第1演出発動センサ248で検知されるまでの時間が、1.5秒~2.5秒程度の間で分散する。これにより、第1演出発動センサで検知されるタイミングが多様化され、第1通過発動演出の実行タイミングを予測困難となり、遊技興趣を高める。
【0295】
また、第1始動口センサ20aの通過で開始した変動表示演出中に、当該第1始動口センサ20aを通過した遊技球が、その下流の第1演出発動センサ248で検知されることで、所定の演出を実行する。そのため、第1始動口センサ20aと第1演出発動センサ248との設置位置の距離(離間距離)は、第1始動口センサ20aを通過した遊技球が第1演出発動センサ248で検知されるまでの時間が、特定の変動表示(通過発動演出(第2バトル演出))の変動時間よりも短くなるようにする必要がある。また、変動表示時間中に第1演出発動センサ248を通過しないといった事態を確実に防止するため、好適には、第1始動口センサ20aと第1演出発動センサ248との設置位置の距離(離間距離)は、第1始動口センサ20aを通過した遊技球が第1演出発動センサ248で検知されるまでの時間が、特定の変動表示(通過発動演出(第2バトル演出))の変動時間の半分よりも短くなるようにするのが望ましい。
【0296】
S5203で、遊技球が第1始動口センサを通過してから3秒を経過したと判定した場合(S5203でNO)、次いで、遊技球が第1始動口センサを通過してから5秒以内(3~5秒の間)かどうかを判定する。実行中の変動表示の開始の契機である始動口センサを通過して3秒以上、5秒以内であると判定した場合(S5206でYES)、第2演出発動センサで検知があったかを判定する(S5207)。S5207で、第2演出発動センサで検知があったと判定した場合(S5207でYES)、第2通過発動演出を実行し(S5208)、処理を終える。S5207で、第2演出発動センサでの検知がないと判定した場合(S5207でNO)、処理を終える。前述した通り、通過発動演出(第2バトル演出)は、45000ms(45秒)の変動時間に対応する演出であり、この第2通過発動演出は、第1通過発動演出と同様に、通過発動演出(第2バトル演出)の前半期間(初期期間)に実行される演出である。
【0297】
また、第2演出発動センサは、第1始動口センサから所定距離(15cm程度、第1演出発動センサから5cm程度)離れて下流側に配置されるところ、第1始動口センサを通過した遊技球が第2演出発動センサで検知されるまでの時間は、平均4秒程度となっている。第1始動口センサから第2演出発動センサの間(第1演出発動センサから第2演出発動センサ)の遊技球通過路には減速部(突起や段)が設けられている。そのため、第1始動口20への侵入速度によって、第1始動口センサを通過した遊技球が第2演出発動センサで検知されるまでの時間が、3秒~5秒程度の間で分散する。これにより、第2演出発動センサで検知されるタイミングが多様化され、第1通過発動演出の実行タイミングを予測困難となり、遊技興趣を高める。
【0298】
このように、第1演出発動センサ及び第2演出発動センサは、第1始動口センサと同じ遊技球通過路内において、ある程度予定した範囲内のランダムなタイミングで演出が発生するように、定められた位置に設けられている。また、第1始動口センサを通過した遊技球が、第1演出発動センサ(及び/又は、第2演出発動センサ)を通過する前に、実行中の変動表示(通過発動演出(第2バトル演出))が終了しては、第1通過発動演出(及び/又は、第2通過発動演出)を実行することができない。そのため、第1始動口センサを通過した遊技球が第1演出発動センサで検知されるまでの時間が、特定の変動表示(通過発動演出(第2バトル演出))の変動時間よりも短くなるように、センサを配置(離間距離を設定)する必要がある。
【0299】
図53及び
図54は、その実行途中で第1通過発動演出(第2特定表示)及び/又は第2通過発動演出(第3特定表示)を実行しうる通過発動演出の実行態様を示す図である。
図53(a)は、所定の変動表示の開始に伴って、通過発動演出250(第2バトル演出)が開始された場面を示す。通過発動演出250(第2バトル演出)では、まず、表示画面7aの左端に表示される味方キャラクタ213の「集合!!」の掛け声(表示)が行われ、味方キャラクタ213が表示画面の右端の特定位置に表示されるまでの集合時間(所定時間、5秒間)、応援キャラクタ238の集合演出を行う。この集合時間の残り時間は、表示画面7a下部の残時間ゲージ223で示される残時間223aの量(黒部分)又は経過時間223bの量(白部分)で把握することができる。また、味方キャラクタもゲージの減少に伴って右端位置に向けて移動表示しており、味方キャラクタの表示位置でもおよそ把握可能となっている。
【0300】
また、応援演出では、この集合時間が経過するまでの期間に、遊技球が第1演出発動センサで検知されると、第1始動口センサの検知結果と第1演出発動センサの検知結果に基づいて、すなわち、実行中の変動表示(第1特定表示)の結果に基づいて、複数の応援キャラクタから所定の応援キャラクタ238を選択して表示する(第2特定表示)。
図53(b)は、
図53(a)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。応援演出開始から所定時間が経過したが、この時点では、応援キャラクタは表示されていない。すなわち、第1演出発動センサで遊技球検知されていない(第1始動口センサを通過した遊技球が未だ第1演出発動センサの手前を流下していると予測される)。
【0301】
図53(c)は、
図53(b)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図53(c)では、応援演出が約半分ほど経過した時点で、第1演出発動センサで遊技球が検知され、応援キャラクタ238(応援キャラクタB)を表示する第1通過発動演出252(第2特定表示)が実行された場面を示している。ここで、応援キャラクタ238には、応援キャラクタS(大当り可能性80%)、応援キャラクタA(大当り可能性30%)、応援キャラクタB(大当り可能性15%)、応援キャラクタC(大当り可能性10%)の4種類を有している。そして、第1演出発動センサでの検知があると、第1始動口センサの検知結果(当否判定結果)に基づいて、表示される応援キャラクタを前述した大当り可能性となるように、所定のキャラクタ決定テーブルを用いて決定する。
【0302】
図53(c)の残時間ゲージ223上には、応援キャラクタ238が表示されたタイミングを示す追加タイミング表示251(「追加」の文字表示)が表示される。これにより、遊技者は、応援演出のいつのタイミングで応援キャラクタが追加されたかを把握することができる。応援演出では、味方キャラクタ213と追加表示された応援キャラクタ238とで、表画面右端の特定位置に向けて移動表示する。
【0303】
図53(d)は、
図53(c)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図53(d)では、応援演出の実行期間(開始から5秒)が経過し、残時間ゲージ223で示す残時間223aは0である。また、応援演出(開始から5秒)が経過した後に、アイテム供給演出が実行される(応援演出終了から3秒間)。この期間に、第1演出発動センサの下流に配置された第2演出発動センサで遊技球が検知されると、第2通過発動演出253を実行して、通過発動演出250に更なる表示の変化を加える。
【0304】
図53(d)では、応援演出に続いて、アイテム供給演出が実行され、アイテム供給演出の実行期間に遊技球が第2演出発動センサで検知され、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)が実行された場面を示している。また、左右の演出図柄8が同じ7図柄で停止表示し、これからリーチ演出(第2バトル演出)が実行されることが示される。
【0305】
ここで、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)で表示可能なアイテムとして、
図53(d)に示す棒、
図54(g)に示す白フォーク、
図54(j)に示す黒フォークを有している。尚、アイテムは、黒フォーク>白フォーク>棒の順で、大当りの可能性が高いことを示す予告演出である。図には示さないが、
図53(d)で第2通過発動演出253(アイテム表示演出)を実行した後に、味方キャラクタ213及び応援キャラクタ253(応援キャラクタB)と、敵キャラクタが戦う第2バトル演出が実行される。第2バトル演出では、高信頼の応援キャラクタが表示されるほど、高信頼度のアイテムが表示されるほど、大当り可能性が高い。
【0306】
図53(e)は、前述した通過発動演出の実行態様と異なる実行態様で、
図53(b)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図53(e)の応援演出は、
図53(c)とだいたい同じ時間が経過しているが、この時点では応援キャラクタの表示はない。すなわち、第1演出発動センサで遊技球が検知されていない。
図53(f)は、
図53(e)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図53(f)では、応援演出が約3/4ほど経過した時点で、第1演出発動センサで遊技球が検知され、応援キャラクタ238(応援キャラクタA)を表示する第1通過発動演出252が実行された場面を示している。
図53(f)の残時間ゲージ223上には、追加タイミング表示251が表示される。
図53(c)及び(f)に示すように、自身の発射した遊技球の流下態様(速度、減速)によって異なるタイミングで応援キャラクタを出現させることができ、遊技興趣を高める。また、応援演出の終了まで期待感を保持することが可能となる。
【0307】
図54(g)は、
図53(f)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図54(g)では、応援演出の実行期間(開始から5秒)が経過し、応援演出に続いてアイテム供給演出が実行された場面を示している。アイテム供給演出の実行期間に、第2演出発動センサで遊技球が検知され、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)が実行された場面を示している。
図54(g)では、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)において比較的高信頼度の白フォークが表示される。更に、応援キャラクタとしても、比較的高信頼度の応援キャラクタAが表示される。図には示さないが、
図54(g)で第2通過発動演出253(アイテム表示演出)を実行した後に、味方キャラクタ213及び応援キャラクタ253(応援キャラクタA)と、敵キャラクタが戦う第2バトル演出が実行される。
【0308】
図54(h)は、前述した通過発動演出の実行態様と更に異なる実行態様で、
図53(b)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図54(h)では、応援演出が約2/5ほど経過した時点で、第1演出発動センサで遊技球が検知され、応援キャラクタ238(応援キャラクタA)を表示する第1通過発動演出252が実行された場面を示している。
図54(h)の残時間ゲージ223上には、追加タイミング表示251が表示される。
【0309】
図54(i)は、
図54(h)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図54(i)では、応援演出が約4/5ほど経過した時点で、再度、第1演出発動センサで遊技球が検知され、応援キャラクタ238(応援キャラクタS)を表示する第1通過発動演出252が実行された場面を示している。
図54(i)の残時間ゲージ223上には、2個目の追加タイミング表示251が表示される。本実行態様では、応援演出の実行期間中に複数回の第1演出発動センサで検知があれば、抽選により、又は確定で、追加の応援キャラクタ238が表示される。
【0310】
図54(j)は、
図54(i)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図54(j)では、応援演出の実行期間(開始から5秒)が経過し、応援演出に続いてアイテム供給演出が実行された場面を示している。アイテム供給演出の実行期間に、第2演出発動センサで遊技球が検知され、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)が実行された場面を示している。
図54(j)では、第2通過発動演出253(アイテム表示演出)で比較的高信頼度の黒フォークが表示される。更に、応援キャラクタとしては、比較的高信頼度の応援キャラクタA及び応援キャラクタSの2体が表示される。この第1通過発動演出252(第2通過発動演出253)は、第1始動口センサの検知結果(当否判定結果)と第1演出発動センサ248(第2演出発動センサ249)の検知結果とに基づいて表示されるため、
図54(j)のような高信頼度の実行態様で表示がなされると、遊技者は、大当りへの期待感を顕著に高め、遊技興趣を高める。
【0311】
図54(k)は、
図54(j)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図54(k)では、左右の演出図柄8が同じ7図柄で停止表示するリーチ態様となり、
図54(j)で示された味方キャラクタ213及び応援キャラクタ253(応援キャラクタA、応援キャラクタS)と、敵キャラクタが戦う第2バトル演出が実行される。
また、左右の演出図柄8が同じ7図柄で停止表示し、これからリーチ演出(第2バトル演出)が実行されることが示される。
【0312】
[通過発動演出の他の態様]
また、前述した実施例では、実行中の変動表示が、保留が1以上ある状態で始動入球して、保留消化によって開始した変動表示である場合には、第1通過発動演出及び/又は第2通過発動演出を実行しないものとした。このような態様に加えて、保留0の状態から入球して開始した変動表示であっても、待機状態を経た後に実行を開始する変動表示(例えば、大当り終了後)である場合には、通過発動演出を実行しないものとしてもよい。変動表示の開始の契機となる始動口センサを通過した後に、第1演出発動センサを通過するタイミングにおいて、未だ通過発動演出を開始していない可能性があるからである。このような状況では趣向性の高い演出を実行するのが困難であるため、実行しないものとしてもよい。
【0313】
また、前述した実施例では、第1通過発動演出及び第2通過発動演出は、通過発動演出(第2バトル演出)の前半(初期期間)に実行するように第1始動口センサと近い位置に配置した。このような態様に限らず、第1通過発動演出及び第2通過発動演出を、通過発動演出(第2バトル演出)の後半のタイミングで実行するように、排出球集合樋の排出口26の近辺に設けてもよい。この場合は、他の入球口(一般入球口等の各種入球口)に入球した遊技球も通過するため、これらの通過によっても、第1始動口センサの通過に基づく判定結果と関連する情報を表示してもよい。
【0314】
また、第1始動口センサと、第1通過発動演出及び第2通過発動演出との設置距離があまりに短いと、到達時間のブレ幅が少なくなり、演出実行タイミングが画一的となり、高い遊技興趣のある演出を提供できない。そのため、第1始動口センサと第1通過発動演出及び第2通過発動演出とを、ある程度の距離離間させるのが望ましい。遠すぎず、近すぎず、適度の距離が望ましい。具体的に、第1始動口センサと第1通過発動演出との設置距離は、第1始動口センサで検知された遊技球が第1始動口センサで検知されるまでの時間が、図柄変動中に設定される所定期間(例えば、変動開始して第1停止図柄が停止表示されるまでの時間や、変動開始して第1停止図柄及び第2停止図柄が停止表示されるまでの時間等、3図柄が停止表示する確定停止時間)よりも長い時間になるように、離間させることができる。
【0315】
また、定められた第1通過発動演出(第2通過発動演出)の実行期間であれば、複数回の遊技球の通過(例えば、変動表示中の保留に係る始動入球)によって、複数回の第1通過発動演出(第2通過発動演出)を実行してもよい。また、複数回の遊技球の通過によって、通過回数と同じ回数の第1通過発動演出(第2通過発動演出)を実行する態様に代えて、複数回の通過によって1回の第1通過発動演出(第2通過発動演出)を実行してもよい。いずれにしても、始動口センサでの検知結果と第1演出発動センサ(第2演出発動センサ)での検知結果とに基づいて、第1通過発動演出(第2通過発動演出)の表示態様を決定する。また、始動口センサでの検知結果と第1演出発動センサ(第2演出発動センサ)での検知結果とに基づいて、第1通過発動演出(第2通過発動演出)の表示態様を決定し、実行した後に、複数回の、始動口センサでの検知結果と第1演出発動センサ(第2演出発動センサ)での検知結果とが発生すれば、当該検知結果に基づいて、表示されている第1通過発動演出の表示態様を変化させてもよい。
【0316】
前述した実施例では、第1演出発動センサで検知した場合に、第1通過発動演出を実行する態様を示したが、このような態様に限らず、第1演出発動センサを通過した場合に第1通過発動演出を実行する場合と実行しない場合とがあってもよい。これにより、第1通過発動演出に接した遊技者の期待感、遊技興趣を高めることが可能となる。
【0317】
前述した実施例では、第1演出発動センサで検知して、第1通過発動演出を実行する対象を、第1始動口に入球した遊技球だけとした。従って、第1始動口への入球を主体として遊技を行う低確低ベース状態でのみ、通過発動演出(第1通過発動演出、第2通過発動演出)を実行するものとする。これは、複数のセンサの検知結果に基づいて実行する表示であるため、ある程度の長さの変動時間が必要となり、図柄の変動時間として、比較的長い変動時間が選択されやすい低確低ベース状態において、適した演出であるからである。しかしながら、他の遊技状態でも実行は可能であり、このような態様に代えて、又は加えて、他の遊技状態でも通過発動演出(第1通過発動演出、第2通過発動演出)を実行するようにしてもよい。この場合には、第1演出発動センサの設置位置を変更又はセンサを追加することで、第2始動口21に入球した遊技球も検知できるようにしてもよい。
【0318】
[リーチ図柄検定演出]
次に、本実施例の表示画面7aで表示される演出図柄を用いたリーチ演出について、
図55乃至
図57を用いて説明する。前述したように、本実施例のパチンコ遊技機は、所定の契機で複数の演出モード(「遊技モード」ともいう)から所定の演出モードを選択し、当該選択した演出モードを設定する。各演出モードは、表示画面で表示する背景画像、演出図柄、リーチ演出や予告演出等の表示態様の一部又は全部が異なっている。
図56乃び
図57では、複数の演出モードの1つである特別演出モードにおける演出図柄の表示態様(実行態様)を示している。
【0319】
図55は、特別演出モードで表示される演出図柄8を示す。本特別演出モードの演出図柄は、表示サイズを大きくしたり小さくしたり変動しながら表示される変動図柄259(第1画像)と、表示サイズを変動しない非変動図柄260(第2画像)と、備える。
図55に示すように、演出図柄の図柄列として、「1」~「7」の図柄を有している。そして、当該図柄列を構成する7種類の演出図柄のうち、「1,3,5,7」の4種類の演出図柄は変動図柄259であり、「2、4,6」を示す3種類の演出図柄は非変動図柄260である。
【0320】
また、左演出図柄8、中演出図柄8、右演出図柄8として、夫々本図柄列を有しており、左演出図柄8、中演出図柄8、右演出図柄8を所定時間変動表示した後に、左演出図柄8、中演出図柄8、右演出図柄8が全て同じ(対応する)演出図柄(特定態様、大当り図柄)で停止表示すると、大当りとなる。また、左演出図柄8、中演出図柄8、右演出図柄の停止図柄のうち、少なくとも一つが他の停止図柄と違う組合せで停止表示すると、外れとなる。また、何れか2つの演出図柄(例えば、左演出図柄8、右演出図柄)が同じ(対応する)演出図柄で停止表示し、残り1つの演出図柄が変動表示を継続している態様をリーチ態様という。
【0321】
変動図柄259は、演出図柄「1」で示すように、縮小状態259aから時間の経過に伴って段階的に大きくなり、約0.5秒で拡大状態259bに変化し、当該拡大状態259bになると時間の経過に伴って段階的に小さくなり、約0.5秒で縮小状態259aに変化し、演出図柄が変動表示を実行する所定期間において、この表示サイズの変動を繰り返し実行する。また、図柄確定時間や、背景演出の切替りタイミング等、変動表示時間の所定期間において、所定サイズでサイズ変動を停止する期間があってもよい。これにより、変動表示にメリハリを与え、趣向性の高い遊技演出を提供できる。また、他の変動図柄についても同様の変動を実行する。
【0322】
一方、非変動図柄260は、演出図柄の変動表示中において、サイズ変更を実行しない。従って、変動表示時間の所定期間において、一定の表示サイズで表示される。また、定められた変動表示時間の所定期間(変動表示中の一部、又は、変動表示中の開始から終了まで)において、表示位置を変化しないものとしてもよい。
【0323】
そのため、演出図柄として変動図柄が表示された場合(例えば、リーチ図柄として変動図柄が決定され、リーチ演出が実行される場合)には、遊技者は、演出図柄やそれと共に実行される遊技演出の演出態様の高い趣向性に遊技興趣をたかめることができる。また、1の演出図柄(例えば、演出図柄「3」)を用いた演出態様を多様化できる。
【0324】
一方で、演出図柄として非変動図柄が表示された場合(例えば、リーチ図柄として非変動図柄が決定され、リーチ演出が実行される場合)、変動図柄ほど演出態様を多様化できず、演出態様の高い趣向性は期待できないものの、表示態様がシンプルであるため、遊技者に情報を伝えやすく、分かり易い遊技を提供できる。
【0325】
また、演出図柄として、変動図柄259及び非変動図柄260の両方が同時に表示された場合には、前述した両方の効果を相乗効果として発揮することができる。具体的に、両図柄の表示態様の違いから、演出態様を更に多様化することができる。また、伝えるべき情報と趣向性の高い演出態様とを同時に提供することができ、遊技興趣が高く、理解しやすい、安心感の高い遊技機を提供することができる。
【0326】
また、変動図柄259は、表示画面7aの表示領域全体の面積に対する変動図柄の表示面積の割合を変化する(割合を大きくしたり小さくしたりする)。また、変動図柄の外形形状も変化させたり、上下左右の縮尺を変えたりしてもよい。また、回転表示や遠近表示を行ってもよい。非変動図柄260は、表示画面7aの表示領域全体の面積に対する非変動図柄の表示面積の割合を変化しない。また、非変動図柄の外形形状も変化しない。
【0327】
次に、
図56及び
図57を用いて、前述した変動図柄259及び非変動図柄260の両方が同時に表示画面7aに表示される場合の表示態様(実行態様)について説明する。
図56(a)は、所定の変動表示の実行中において、非変動図柄260である「2」図柄がリーチ態様262(2↓2)となった場面を示している。演出報知部261には、リーチ演出が実行されることを示す「リーチ」の文字が表示される。前述したように、非変動図柄260である「2」図柄が表示された場合、表示された「2」図柄は、変動表示中の所定期間、表示サイズを変更することなく表示画面に表示される。また、「2」図柄が表示サイズを変更することなく表示されている間(非変動表示を行っている間)、背景画像や他の遊技演出の表示が進行する。
【0328】
図56(b)は、所定の変動表示の実行中において、変動図柄259である「3」図柄がリーチ態様262(3↓3)となった場面を示している。
図56(b)では、変動図柄259である「3」図柄8が、最も大きいサイズの拡大状態259bとなった場面を示している。
図56(c)は、
図56(b)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図56(b)では、
図56(b)で示したリーチ態様262が継続して実行されており、、
図56(b)で示した表示サイズから徐々に(段階的に)小さいサイズとなり、「3」図柄8が最も小さいサイズの縮小状態259aとなった場面を示している。このような態様で、変動図柄259は、遊技演出の様々な場面で、表示サイズの拡大又は縮小を繰り返し実行する。
【0329】
図56(d)は、所定の変動表示の実行中において、非変動図柄260である「2」図柄と変動図柄259である「3」図柄との両図柄が表示画面に表示され、何れの図柄でリーチ態様(リーチ演出)を実行するかを演出によって決定する「リーチ図柄決定演出263」の実行場面を示す。
図56(d)は、非変動図柄260の「2」図柄が斜めラインに2個表示され、変動図柄259である「3」図柄が縮小状態259aで、斜めラインに2個表示されている。また、中演出図柄8は変動表示を継続している。
【0330】
図56(e)は、
図56(d)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図56(e)では、非変動図柄260である「2」図柄と変動図柄259である「3」図柄との両図柄が表示画面に表示された状態で、
図56(d)に示す場面から所定時間経過したことで、変動図柄259である「3」図柄が、拡大状態259bに変化した場面を示す。
【0331】
図56(f)は、
図56(e)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図56(f)では、リーチ図柄決定演出263が継続して実行されており、変動図柄259及び非変動図柄260の両方が表示された表示画面7a上に、変動表示中の予め定められたタイミングで(第1条件の成立)、更に特別キャラクタ265が表示された場面を示している。特別キャラクタ265(第1画像)は、左右の手に先が矢印状の獲得棒266(棒状のキャラクタ)を持っている。そして、リーチ図柄決定演出263実行中の所定タイミングで、当該獲得棒266(第1画像)を表示画面に表示中の「2」図柄又は「3」図柄に向けて伸ばして所定の図柄を獲得(選択)する。当該演出中は、特別キャラクタ265も表示サイズを拡大・縮小する。
【0332】
そして、特別キャラクタ265が獲得棒266で獲得(選択)した図柄が「2」図柄と「2」図柄であった場合には、続いて、
図56(a)のリーチ演出(「2↓2」)に移行する。また、特別キャラクタ265が獲得棒266で獲得(選択)した図柄が「3」図柄と「3」図柄であった場合には、続いて、
図56(b)のリーチ演出(「3↓3」)に移行する。また、特別キャラクタ265が獲得棒266で獲得(選択)した図柄が「2」図柄と「3」図柄であった場合には、図示しない外れ態様(「253」)で図柄を停止表示する。
【0333】
尚、特別キャラクタ265及び獲得棒266は、時間経過に伴って表示画面の表示領域全体に対する特別キャラクタの表示面積の割合(大きさ)を変動して表示する(伸び縮みする、拡大縮小する)変動画像である。
【0334】
図57(g)は、
図56(f)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図57(g)は、リーチ図柄決定演出263が継続して実行されており、特別キャラクタ265が右手の獲得棒266を伸ばして、右演出図柄8として変動図柄の「3」図柄を選択した場面を示している。変動図柄を選択する際、特別キャラクタ265が獲得棒266を変動図柄の「3」図柄に重複する態様で表示して選択(決定)する。図柄の選択が決定(確定)した場合には当該図柄の背景に図柄決定演出264を表示し、遊技者に決定を報知する。この間も、変動図柄は図柄の拡大又は縮小の変動を継続し、非変動図柄は表示サイズの維持を継続する。
【0335】
また、図では判別困難であるが、本実施例のリーチ図柄決定演出263では、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を変動図柄と重複して表示可能とする。その際、先から表示されている変動図柄である「3」図柄の上に、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を優先して(上レイヤーで)表示する。一方、非変動図柄とは重複して表示しない。変動図柄は表示サイズが比較的大きく且つ拡縮することで表示位置を変動するため、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を重ねて表示しても、視認することが可能である。一方で、非変動図柄は、表示サイズが比較的小さいまま維持されると共に、表示位置も変化しないため、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を重ねて表示した場合には、非変動図柄の視認が困難となるからである。
【0336】
図57(h)は、
図57(g)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図57(h)は、リーチ図柄決定演出263が継続して実行されており、変動図柄である「3」図柄は拡大又は縮小の変動を継続している。また、特別キャラクタ265が左演出図柄8の停止図柄として、「3」図柄に狙いを定めた演出を実行中である。
図57(i)は、
図57(h)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図57(i)は、リーチ図柄決定演出263が継続して実行されており、特別キャラクタ265が左手の獲得棒266を伸ばして、左演出図柄8として変動図柄の「3」図柄を選択した場面を示している。変動図柄を選択する際、特別キャラクタ265が獲得棒266を変動図柄の「3」図柄に重複する態様で表示して選択(決定)する。「3」図柄の背景には図柄決定演出264を表示し、遊技者に決定を報知する。尚、この間も、「3」図柄は拡大又は縮小の変動を継続し、「2」図柄は表示サイズの維持を継続する。
【0337】
図57(j)は、
図57(i)と同じ変動表示において、所定時間経過後の場面を示している。
図57(j)では、リーチ図柄(左右の演出図柄)として、変動図柄の「3」図柄を決定したため(3↓3)、「3」図柄によるリーチ演出を実行するため、特別キャラクタ265が、表示画面の所定位置(リーチ図柄表示位置)に図柄を移動する場面を示す。本演出の実行中も、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を変動図柄(「3」図柄)と重複して表示する。また、
図57(j)に続いて、
図56(b)に移行して、変動図柄である「3」図柄をリーチ図柄とするリーチ態様262が表示されリーチ演出が実行される。
【0338】
図57(k)は、リーチ図柄決定演出263の他の実行態様を示す。特別キャラクタ265として、表示態様の異なる複数のキャラクタを有しており、
図57(k)では、大当り信頼度の高い高信頼度態様265aの特別キャラクタ265を表示している。すなわち、特別キャラクタ265及び/又は獲得棒266を大当り可能性の程度を示す予告演出とすることができる。また、
図57(k)では、特別キャラクタ265の左手に持つ獲得棒266から矢印状の複数の発射画像267(第2画像)が発射される場面を示している。これは、遊技者が演出ボタンを操作する((入力手段に入力する)ことで表示する画像である。
【0339】
遊技者は、特別キャラクタ265の持つ獲得棒266の先端部が希望する図柄に向いた際に、演出ボタンを操作(連打)することで、当該希望する図柄に向けて発射画像(操作画像)を表示することができる。また、複数回操作することで、所定方向に複数の操作画像を表示することができる。遊技者は、リーチ図柄決定演出において、演出ボタンを操作することで、希望する図柄に向けて発射画像を発射することができる。これにより、発射画像を発射した図柄が決定された場合には自身の操作で図柄を選択できたと感じ、遊技興趣を高めることができる。
【0340】
また、リーチ図柄決定演出の実行中に、演出ボタンを操作すること(第2条件の成立)で表示される発射画像(選択画像)は、時間経過があっても表示画面の表示領域全体に対する各発射画像の表示面積の割合(大きさ)を変動しない非変動図柄である。また、特別キャラクタ265及び獲得棒266は変動図柄であるが、これらの表示サイズが変動した場合でも、これらから出力される発射画像の表示サイズは変動しない。これは、遊技者の操作タイミングで指し示す方向を、確実に認識できるようにするためである。また、発射画像は、大当りの実行可能性を示すものではない。
【0341】
図57(l)は、リーチ図柄決定演出263の更に他の実行態様を示す。特別キャラクタ265が、獲得棒266で非変動図柄260である「2」図柄を選択した場面を示す。
図57(l)に示すように、特別キャラクタ265及び獲得棒266で、非変動図柄260である「2」図柄を選択する場合は、特別キャラクタ265及び獲得棒266が非変動図柄260である「2」図柄に重ならない態様で選択(決定)する。非変動図柄と離れた位置の図柄決定演出264と重なるように表示することで、決定した図柄を明確に報知することができる。
【0342】
これは、非変動図柄は、変動図柄(の最も大きく表示される際のサイズ)と比較して小さいサイズで、小さいサイズを維持して表示されるため、当該非変動図柄の視認性を担保するためである。尚、
図57(l)は、左演出図柄として「2」図柄、右演出図柄として「3」図柄を選択したため、この後、外れ図柄(「253」)が停止表示され、リーチ演出を実行することなく、変動表示を終了する。
【0343】
[リーチ図柄検定演出の他の態様]
また、本実施例では、演出ボタンを操作することで、特別キャラクタ265の左手に持つ獲得棒266から矢印状の複数の発射画像267が発射される態様を示した。このような態様に限らず、演出ボタンを操作することで、特別キャラクタ265の左手に持つ獲得棒266から矢印状の複数の発射画像267(選択画像)が発射される態様を有してもよい。また、右手に持つ獲得棒266又は左手に持つ獲得棒266から選択的に発射画像267(選択画像)を表示できるようにしてもよい。
【0344】
その場合、第1入力手段(演出ボタン63b)への入力で左手側(第1方向、一方側)から発射画像267(選択画像)を表示させ、第2入力手段(演出ボタン63a)への入力で右手側(第2方向、他方側)から発射画像267(選択画像)を表示させるようにしてもよい。また、第1入力手段への入力を複数回実行することで、左手側に複数の発射画像を表示させることができ、第2入力手段への入力を複数回実行することで、右手側に複数の発射画像を表示させることができるようにしてもよい。
【0345】
また、本実施例では、演出図柄8は変動図柄と非変動図柄とで構成されるところ、変動図柄で大当り(特定態様)となった場合の方が、非変動図柄で大当りとなった場合よりも、有利な特典(大当り遊技中の獲得遊技利益、大当り遊技後の遊技状態、高ベース状態、高確率状態)を付与する可能性が高いものとしてもよい。また、変動図柄でリーチ態様となった場合の方が、非変動図柄でリーチ態様となった場合よりも、リーチ演出の結果が大当り(特定結果)となる可能性が高いものとしてもよい。このようにすれば、遊技者は、変動図柄の停止表示に期待し、遊技興趣を高める。また、逆に、非変動図柄を変動図柄よりも有利な図柄としてもよい。
【0346】
前述した1又は2以上の構成を自由に組合せて実施してもよい。
前述した実施例1のパチンコ遊技機は、通常状態(低確率状態)で遊技を行い、当否判定の結果が大当りとなって大当り種別が有利な大当り(例えば、15R第1大当り)となって、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することで、その後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に設定するものであった。その後、当否判定の結果が大当りとなって大当り種別が不利な大当り(例えば、15R第2大当り)となることに基づいて、その後の遊技状態を通常状態(低確率状態)に移行する。すなわち、所定条件の成立で行われる抽選に当選すること(これに加えて特定領域を通過させること)で当否判定確率を有利な確率や不利な確率に変更することができる。
このような構成では、当否判定確率の変更(遊技条件の変更)が、遊技者の発射した遊技球の始動口等への通過タイミングや、自身が発射した遊技球が特定領域を通過することによって決定されうるため、遊技者の意思や技量がある程度介在している。しかしながら、直接的ではなく間接的に決定している印象を与え、遊技性も画一的であった。
本実施例2のパチンコ遊技機は、実施例1のパチンコ遊技機と比較して、所定条件が成立することを条件に、より直接的に遊技者の意思や技量で有利状態(本実施例では高確率状態)への移行確率を変更(遊技条件を変更)できるようにする。これにより、遊技興趣を顕著に高めるものである。また、変更操作(入力操作)があった場合には、当該変更の時期によって異なる態様で告知を行うことで、遊技の趣向性を高める。
また、ランプ制御基板107には、中継基板108を介して振動モータ702が接続される。この振動モータ702は、発射ハンドル60の内部に設置されている。そして、振動モータ702が所定の動作態様で回転すると、当該回転による振動が発射ハンドル60に伝わる。そして、遊技者が発射ハンドル60に手等を接触していた場合において、振動モータ702が駆動すると、当該駆動(振動)を遊技者が認識できる。これにより、所定の遊技事象が発生したことを、振動モータ702を駆動させること(特定態様)で遊技者に認識させることができる。また、振動モータ702の駆動態様を異ならせる(異なる回転速度、異なる駆動時間、動作停止を組合せた異なる駆動パターン等)ことで、遊技者に異なる複数の遊技事象(何れの判定テーブルが設定されたか、異なる変更後の遊技条件)を認識させることも可能となる。
また、入力検知スイッチ701からの入力信号が主制御基板80に入力される。そして、主制御基板80は、当該入力信号に基づいて処理した制御信号をサブ制御基板90に送信する。サブ制御基板90は、当該制御信号に基づいて制御処理を行い、振動モータ702を駆動するための制御信号を、ランプ制御基板107を介して振動モータ702に送信する。
第1大当り種別判定テーブルは、実施例1と同じテーブルである。第2大当り種別判定テーブルを設定した状態で、第1特別図柄当否判定で大当りになると、第1特別図柄の大当り種別として、15R第1大当りが選択される確率(45%)が、第1大当り種別判定テーブル(40%)よりも高くなっている。その代わりに特定領域を通過しにくい15R第2大当りとなる確率(15%)が、第1大当り種別判定テーブル(20パーセント)よりも低くなっている。その他の大当り種別に変更はない。これにより、第2大当り種別判定テーブルが設定された場合には、第1大当り種別判定テーブルが設定された場合よりも、大当りになったときに15R第1大当りとなる可能性が高くなる。すなわち、遊技球が特定領域を通過して高確率状態となる可能性が高くなる有利な遊技条件といえる。
また、第3大当り種別判定テーブルは、第2大当り種別判定テーブルよりも更に遊技者に有利な判定テーブルとなっている。第3大当り種別判定テーブルを設定した状態で、第1特別図柄当否判定で大当りになると、第1特別図柄の大当り種別として、15R第1大当りが選択される確率(50%)が、第1大当り種別判定テーブル(40%)よりも高くなっている。その代わりに特定領域を通過しにくい15R第2大当りとなる確率(10%)が、第1大当り種別判定テーブル(20パーセント)よりも低くなっている。その他の大当り種別に変更はない。これにより、第3大当り種別判定テーブルが設定された場合には、第1大当り種別判定テーブルが設定された場合よりも、第2大当り種別判定テーブルが設定された場合よりも、大当りになったときに15R第1大当りとなる可能性が高くなる。すなわち、遊技球が特定領域を通過して高確率状態となる可能性が最も高くなる有利な遊技条件といえる。
このように、遊技者が入力検知スイッチ701で入力を行うことで、遊技者が直接遊技条件を変更できる(大当り種別判定テーブルを変更できる)ため、遊技者は、遊技条件を変更できる期間が発生することに期待し、当該期間が発生した場合には顕著に遊技興趣を高めることができる。また、大当り種別判定テーブルはランダムに変更されてもよいし、遊技者が任意に変更できるようにしてもよい。任意に変更できる場合には、1段階ずつ変更できるようにするのが望ましい。また、遊技者の意思によって判定テーブルを変更可能であるので、遊技者が判定テーブルの変更を望まない場合には、入力検知スイッチを操作しなければ、判定テーブルが変更されることはない。この点でも、遊技者が遊技条件を自らの意思で、自らの嗜好にあうように設定できる。従って、従来の遊技機のように、条件が成立したら固定的に(有無をいわせず)確率を変更するといった仕様とは一線をひいた遊技者個人の趣向に合わせた遊技機を提供することができる。
また、チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)は、遊技者が自らの意思で入力検知スイッチを入力操作することで、前述した大当り種別判定テーブルを変更可能な判定テーブル変更期間(遊技条件変更期間)である。また本実施例2では、チャンスタイムの設定は、第1特別図柄の変動表示に伴って実行され、第2特別図柄の変動表示に伴って実行されない。また本実施例2では、チャンスタイムの設定は、低確低ベース状態で実行され、他の遊技状態では実行されない。
S7101で、通常状態であると判定した場合(S7101でYES)、次いで、CTフラグがONであるかどうかを判定する(S7102)。S7102で、CTフラグがONである(現在チャンスタイム中である)と判定した場合(S7102でYES)、処理を終える。S7102で、CTフラグがOFFであると判定した場合(S7102でNO)、チャンスタイム(CT)抽選を実行する(S7103)。本実施例2では、始動入球したタイミングで特別図柄当否判定用乱数値等と同様にチャンスタイム用乱数値を取得し、記憶する。そして、対応する特別図柄の変動表示の開始時に、チャンスタイムを実行するかどうかの抽選(チャンスタイム抽選)を行う。
本実施例2のチャンスタイム抽選は、1/100の確率で当選し、当選した場合にチャンスタイムが設定される。S7104では、S7103のチャンスタイム抽選に当選したかどうかが判定され、外れたと判定した場合(S7104でNO)、処理を終える。一方、S7104で、チャンスタイム抽選に当選したと判定した場合(S7104でYES)、チャンスタイムに突入したことを示すCTフラグ(チャンスタイムフラグ)をONにし(S7105)、処理を終える。
S7202で、CTフラグが設定されてから(チャンスタイムに突入してから)所定期間(本実施例2では、10分)が経過したと判定した場合(S7202でYES)、SCTフラグがONかどうかを判定する(S7204)。SCTフラグは、スーパーチャンスタイムであることを示すフラグである。スーパーチャンスタイム(第1期間)は、チャンスタイム(第2期間)と同様に、遊技者が入力検知スイッチ701に入力を行うことで、大当り種別判定テーブルを変更可能な期間である。
チャンスタイムとスーパーチャンスタイムとは、変更後の大当り種別判定テーブル(有利度合い)を所定の態様で遊技者が認識可能となるかどうかが異なる。詳しくは後述する。SCTフラグがONでないと判定した場合(S7204でNO)、SCTフラグをONにし(S7205)、S7206の処理に移行する。また、すでにSCTフラグがONである(スーパーチャンスタイム中である)と判定した場合(S7204でYES)、そのままS7206の処理に移行する。本実施例2では、チャンスタイムが設定されてから所定時間が経過すると、スーパーチャンスタイムに移行する(両期間を合わせて、チャンスタイム(遊技条件変更期間)ともいう)。そのため、遊技者はチャンスタイム中には遊技を止めず、継続する可能性が高く、遊技興趣を高め、遊技機の稼働率を向上する。
S7206では、変更操作(入力検知スイッチへの入力)があったか判定し、変更操作がなかった場合(S7206でNO)、判定テーブル(大当り種別判定テーブル)の変更を行うことなく処理を終える。このように、判定テーブルの変更を可能な時期であっても、遊技者が判定テーブルの変更を望まない場合には、遊技者の意思に従って判定テーブルの変更を行うことなく、遊技を進行する。
S7206で、変更操作があったと判定した場合(S7206でYES)、抽選処理を行い(S7207)、抽選で決定された大当り種別判定テーブルをセットし(S7208)、S7209の処理に移行する。本実施例2では、遊技者が変更操作を行うと、前述した3種類の大当り種別判定テーブルから1の大当り種別判定テーブルを抽選によって決定する。これによると、判定テーブルを変更すること自体は遊技者の意思により可能である物の、どの判定テーブルに移行するかは選択できないため、遊技性を高め、遊技興趣を高めることができる。
S7209では、SCTフラグがONかどうかを判定する。SCTフラグがOFFである、すなわち、チャンスタイム中である(スーパーチャンスタイム中でない)と判定した場合(S7209でNO)、CT用テーブル変更コマンドをセットし(S7210)、その他の処理を行い(S7211)、処理を終える。CT用テーブル変更コマンドは、サブ制御基板90に送信されるコマンドで、チャンスタイム中(スーパーチャンスタイム中ではないとき)に、判定テーブルの変更操作(判定テーブルの変更処理)がなされたとき用のコマンドである。本コマンドを受信したサブ制御基板90(サブ制御部)は、受信したコマンドに対応する制御処理(告知処理)を実行する。
S7209で、SCTフラグがONであると判定した場合(S7209でYES)、SCT用テーブル変更コマンドをセットし(S7212)、S7213の処理に移行する。SCT用テーブル変更コマンドは、サブ制御基板90に送信されるコマンドで、スーパーチャンスタイム中のときに、判定テーブルの変更操作(判定テーブルの変更処理)がなされたとき用のコマンドである。本コマンドを受信したサブ制御基板90(サブ制御部)は、受信したコマンドに対応する制御処理(告知処理)を実行する。
S7213では、SCTフラグが設定されてから所定時間(本実施例では、12分)が経過したか、すなわち、スーパ―チャンスタイムに移行してから所定時間が経過したかを判定する。所定時間が経過していないと判定した場合(S7213でNO)、S7211の処理に移行する。S7213で、所定時間が経過したと判定した場合(S7213でYES)、CTフラグをOFFにし(S7214)、SCTフラグをOFFにし(S7215)、S7211の処理に移行する。これにより、チャンスタイム(スーパーチャンスタイム)を終了する。本実施例2では、スーパーチャンスタイムの実行時間が所定時間経過すると終了条件が成立して、スーパーチャンスタイム(チャンスタイム)が終了する。そして、判定テーブルを変更可能な期間を終了する。
また、チャンスタイムとスーパーチャンスタイムとは、何れも判定テーブルを変更可能な期間である。詳しくは後述するが、判定テーブルを変更した際に変更後の判定テーブルを告知可能な告知部(発射ハンドルに設けた振動モータ)を備えている。そして、チャンスタイムにおいて判定テーブルを変更した場合には、当該変更後の判定テーブルを告知部で告知しない。一方で、スーパーチャンスタイムにおいて判定テーブルを変更した場合には、当該変更後の判定テーブルを告知部で(振動モータを振動させることで)告知する。この点で、両チャンスタイムは異なっており、告知部による告知が実行されるスーパーチャンスタイムの方が、チャンスタイムよりも有利な期間であるといえる。
告知処理(S7003)ではまず、CT用テーブル変更コマンドを受信したかどうかを判定し、受信したと判定した場合(S7301でYES)、処理を終了する。すなわち、チャンスタイム中(CT中)に判定テーブルの変更操作を行った場合には、振動モータの駆動態様を用いた告知処理(特定態様の告知)が行われない。よって、遊技者は、チャンスタイム中に変更操作を行った場合には、判定テーブルの変更はできるものの、変更後の判定テーブルを振動モータの駆動態様によって認識することができない。
一方、CT用テーブル変更コマンドを受信していないと判定した場合(S7301でNO)、次いで、SCT用テーブル変更コマンドを受信したかを判定し、受信したと判定した場合(S7302でYES)、S7303の処理に移行する。S7303では、受信したSCT用テーブル変更コマンドから、変更後の大当り種別判定テーブルが何れであるかを判定し、当該変更後の判定テーブルに対応する駆動態様で振動モータ7022を駆動し(S7303)、処理を終える。S7302で、SCT用テーブル変更コマンドを受信していないと判定した場合、何れのコマンドも受信していないため、処理を終える。
なお、振動モータの駆動態様として、第1大当り種別判定テーブルに対応する第1駆動パターン(駆動速度:低、駆動時間:短)と、第2大当り種別判定テーブルに対応する第2駆動パターン(駆動速度:中、駆動時間:中)と、第3大当り種別判定テーブルに対応する第3駆動パターン(駆動速度:高、駆動時間:長)と、を有している。
そして、SCT用テーブル変更コマンドが、第1大当り種別判定テーブルに対応するコマンドであった場合には、サブ制御部は、回転速度が低速で駆動時間の短時間(2秒)の第1駆動パターンで振動モータを駆動させる。また、SCT用テーブル変更コマンドが、第2大当り種別判定テーブルに対応するコマンドであった場合には、サブ制御部は、回転速度が中速で駆動時間の中程度(3秒)の第2駆動パターンで振動モータを駆動させる。また、SCT用テーブル変更コマンドが、第3大当り種別判定テーブルに対応するコマンドであった場合には、サブ制御部は、回転速度が高速で駆動時間の長時間(5秒)の第3駆動パターンで振動モータを駆動させる。
振動モータの駆動制御を行った際に、遊技者が発射ハンドルに手等を触れていた場合には、手等を通じて振動を感じることができ、前述した駆動態様(発射ハンドルの振動態様)の違いから、何れの判定テーブルが設定されたかを推測することが可能となる。このように、判定テーブルの変更操作の時期が、チャンスタイムかスーパーチャンスタイムかによって、振動モータの駆動態様の違いによる告知(特定態様による告知)を実行するかどうかが異なる。これにより、遊技期間によって遊技性が多様化し、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例では、チャンスタイム中に判定テーブルを変更操作した場合は告知部で告知せず、スーパーチャンスタイム中に判定テーブルを変更操作した場合は告知部で告知するものとしたが、このような態様に限らない。例えば、チャンスタイム中に判定テーブルを変更操作した場合、チャンスタイム中は告知部で告知せず、チャンスタイムからスーパーチャンスタイムに移行したタイミングで告知するようにしてもよい。これにより、チャンスタイムの後に設定されるスーパーチャンスタイムへの移行を待てば、告知部での告知が行われる。またこれにより、遊技者はそのまま遊技を継続すれば、告知を受けられるため安心感をもって遊技を継続することが可能となる。また、夫々の期間の趣向性を高め、遊技興趣を高める。
また、チャンスタイムが所定時間(実施例2では10分)経過するとスーパーチャンスタイムに移行し、スーパーチャンスタイムが所定時間(実施例2では12分)経過するとスーパーチャンスタイム(チャンスタイム)を終了し、判定テーブルを変更可能な期間を終了する。このような態様に限らず、チャンスタイムとスーパーチャンスタイムの実行時間を同じ時間にしてもよいし、チャンスタイムをスーパーチャンスタイムよりも長い時間にしてもよい。何れのパターンも遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例2では、チャンスタイムの後に、時間経過によってスーパーチャンスタイムに移行するものとしたが、チャンスタイムの後にスーパーチャンスに移行しない態様を有してもよい。例えば、チャンスタイム中に実行される所定の抽選により移行が決定された場合にスーパーチャンスタイムに移行するようにしてもよい。移行しない場合は、チャンスタイム中に時間経過等の終了条件が成立すると、スーパーチャンスタイムに移行することなく、判定テーブルを変更可能な期間を終了する。
また、本実施例2では、スーパーチャンスタイムは、チャンスタイムを経由して移行するものとしたが、このような態様に限らず、チャンスタイムを経ることなく、スーパーチャンスタイムを実行してもよい。また、チャンスタイムを経てスーパーチャンスタイムに移行する場合と、チャンスタイムを経ることなくスーパーチャンスタイムを実行する場合と、を有してもよい。
また、チャンスタイムは、複数の変動表示にまたがって実行されてもよいし、1回の変動表示の中で実行されてもよい。また、スーパーチャンスタイムは、複数の変動表示にまたがって実行されてもよいし、1回の変動表示の中で実行されてもよい。また、チャンスタイム及びスーパーチャンスタイムを含む期間(判定テーブルを変更可能な期間、遊技条件を変更可能な期間)は、複数の変動表示にまたがって実行されてもよいし、1回の変動表示の中で実行されてもよい。
また、本実施例2では、スーパーチャンスタイムが所定時間実行されると終了条件が成立するものとした。このような態様に限らず、判定テーブルを変更できる回数を限定し(例えば、1回)、1回のチャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)中に所定回数の変更を行った場合、当該チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)を終了してもよい。また、チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)中に所定時間、変更操作(入力検知スイッチへの入力)がなかった場合、終了条件を成立してチャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)を終了してもよい。尚、この場合も、再度開始条件が成立すれば、再度チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)を実行する。
また、チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)の実行中に大当りとなった場合や高ベース状態に移行した場合は、終了条件が成立したものとして、CTフラグ及びSCTフラグをOFFにして、チャンスタイム(又は、スーパーチャンスタイム)を終了してもよい。
また、本実施例2では、遊技者が変更操作できる対象を大当り種別判定テーブルとし、発生する大当りの種別の割合(遊技条件)を変更可能とした。このような態様に限らず、次の遊技条件を変更可能としてもよい。大当り確率判定テーブルを変更可能(例えば、大当り確率1/300のテーブル、大当り確率1/290のテーブル、大当り確率1/280のテーブル)としてもよいし、小当り確率判定テーブルを変更可能としてもよい。また、大当り遊技におけるアタッカ(可変入球口)の駆動パターンを変更可能としてもよい。また、これら遊技条件の1又は複数を変更可能としてもよい。
また、所定条件が成立すると(例えば、電源断後の電源再投入や非遊技状態における時間経過等)、変更された大当り種別判定テーブル(条件)を基準判定テーブル(基準条件)に復帰させてもよい。また、遊技条件変更処理(遊技条件変更操作)によって、大当りに係る判定が不利な条件に変更されることはないようにしてもよい。例えば、有利な判定テーブルにのみ変更されるようにしてもよいし、最も有利な判定テーブルが設定されている場合(複数段階のうち最上値の条件に設定されている場合)はそれ以上の段階へは変更処理ができないものする。これにより、遊技者が判定テーブルの変更操作を行った場合も、行わない場合も、何れの場合も、現在の判定処理(特典付与に係る判定処理)よりも不利な状況になることはない。またこれにより、遊技者は安心して、遊技を行うことができ、変更操作することも、変更操作しないことも、安心して選択することが可能となる。
また、本実施例2では、チャンスタイムを実行する条件(実行条件の成立、開始条件の成立)を所定確率(1/100)のチャンスタイム抽選に当選することとしたが、このような態様に限定されない。例えば、所定回数(例えば、電源投入から低確低ベース状態で200回)の変動表示を行った場合に、チャンスタイム抽選を設定するようにしてもよい。これによると大当りが発生することなく、長期間遊技を行った場合の特典とすることができる。また、遊技者が入力検知スイッチに入力することで、任意に判定テーブル変更期間を実行するようにしてもよい。この場合にも、特定の異常発生時等、判定テーブル変更期間を実行できない期間を設定してもよい。
また、遊技店側が遊技機の電源をOFF・ON操作することで、判定テーブルの初期化を行うことが可能であるが、遊技機の電源をONにしたまま、判定テーブル(遊技条件)を初期化できるリセットボタン(特定ボタン)を設けてもよい。これにより、遊技を開始する際や、遊技を止める際や、遊技中の任意のタイミングで、遊技者が自らの意思で判定テーブルを基準値に設定できるようにしてもよい。
また、本実施例2では、変更操作があった場合に、抽選で判定テーブルを決定する仕様としたが、変更操作に基づいて任意のテーブルに変更できるようにしてもよい。また、抽選で決定する場合には、均等な割合で決定してもよいし、均等でない割合で決定してもよい。また、現在の条件から1回の変更操作で選択可能なテーブル(遊技条件)を、一部のテーブルに限定してもよい。また、変更操作があった場合に判定テーブルでなく有効となる入球口(例えば、始動口)を変更するようにしてもよい。例えば、遊技盤面上に複数の入球口があり、どの入球口を特別図柄始動口とするかを遊技者が選択できるようにしてもよい。これにより、入球率の高い入球口を特別図柄始動口に設定することができる。また、他のものを変更操作の変更対象としてもよい。例えば、音の大きさや光の強さを変更操作の対象としてもよい。これらも複数の段階を有しており、入力検知スイッチの変更操作で所定の段階に変更操作することができる。
以上、本発明の実施形態として実施例および他の態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
前述した実施例等では、大当り遊技のラウンド数として「2R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類を3種類以上としてもよく、あるいは1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述した実施例等では、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放時間の長短によって、V通過可能性が高くなる(容易となる)場合と、低くなる(実質的に不可能となる)場合とを設定していた。すなわち、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に長い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が容易となって、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がほぼ確実に特定領域39を通過するものとし、一方、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に短い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が困難(実質的に不可能)となり、これにより遊技球が特定領域39を通過しないものとしていた。これに代えて、特定領域を開閉する可動片を設け、Vラウンドでの第2大入賞口35への入球数(入球数計数手段による計数値)に基づいて可動片を動作させることとし、その動作態様によってV通過可能性が異なるようにしてもよい。
例えば、Vラウンドでの第2大入賞口35への第1所定数(例えば1個目)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が低くなる(実質的に不可能となる)態様とし、第2所定数(例えば2個目~規定数の何れか)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が高くなる態様とする。そして、Vラウンドにて可動片がV通過可能性の低い態様でしか動作しない大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球に基づいてのみ可動片が動作する大当りを「V非通過予定大当り」とし、V通過可能性の低い態様で動作する場合とV通過可能性の高い態様で動作する場合とがある大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球と第2所定数の入球とに基づいて可動片が動作する大当りを「V通過予定大当り」とすればよい。このような構成によっても、前述した実施例等と同様に、特定領域への遊技球の通過有無に基づき確率変動機能の作動有無(高確率状態の発生有無)を決定することが可能となる。
また、前述した実施例等では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述した実施例では、確変作動口としての特定領域39を有するパチンコ(所謂「V確機」)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)に基づいて高確率状態を付与するか否かを決定するタイプの遊技機(所謂「図柄確変機」)においても、本発明は適用可能である。あるいは、確率変動機能を備えていないタイプの遊技機にも本発明は適用可能である。また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
このような遊技機によれば、当否判定遊技を行う遊技条件の少なくとも一つを変更可能な遊技条件変更手段を備える。また、遊技条件を変更可能な期間として、第1期間と、第1期間と異なる第2期間とを備える。そして、第1期間に遊技条件を変更した場合は、変更に伴って変更後の遊技条件を特定態様で認識可能とし、第2期間に遊技条件を変更した場合は、変更に伴って変更後の遊技条件を認識不能とし、所定期間経過後に変更後の遊技条件を特定態様で認識可能とする。
これにより、異なる遊技条件下で当否判定遊技を実行可能にすると共に、当該遊技条件を変更可能な遊技条件変更手段を備えるものとすることができる。また、遊技条件を変更するタイミングが第1期間であるか第2期間であるかによって、変更後の遊技条件を特定態様で認識できる時期を異ならせる。これにより、期間によって遊技条件の認識を異ならせ、遊技興趣を高めることができる。
このような遊技機によれば、入力手段を備え、遊技条件変更手段は、遊技者の任意の入力によって、遊技条件を変更する。これにより、遊技者の入力によって遊技条件を変更できると共に、入力時期によって、遊技条件の認識を異ならせ、遊技興趣を高めることができる。
本参考発明の遊技機によれば、遊技条件を変更可能な遊技機において、変更後の遊技条件の認識態様を異ならせることで、遊技性を多様化し、遊技興趣を高める遊技機の提供を図ることが可能となる。
また以下の態様を採用することもできる。第1態様では、遊技条件の変更を特定態様で認識可能にする特定認識手段を備えるものとしてもよい。特定認識手段は、人間の知覚によって認識できるようにするものである。例えば、遊技機が備える振動手段を振動させ当該振動を遊技者の手等の体の一部に与えることで認識させる。また、振動の強さを複数段階設け、当該強さを感じることで、変更後の遊技条件を認識(およそ認識)することが可能となる。
また、遊技機(遊技機枠)が備える送風機を駆動させ遊技者の手や顔等の体の一部に風をあてることで認識させる。その他、遊技機から微弱な電気を流したり、特別な匂いを放出したり、特別音(楽曲やモスキート―ンでも可)を出力することでも認識できる。これらについても、出力する特定態様の強さを複数段階有することで、その出力の強さによって変更後の遊技条件を認識(およそ認識)することが可能となる。また、識別情報が表示される表示画面を注視していなくとも変更後の遊技条件を認識可能とすることができるものとしてもよい。また、これらの2以上を組合せて実行してもよい。
また、第2態様では、第1期間及び第2期間のいずれか一方は、識別情報の変動表示中の期間(遊技中の期間)に設定することができる。これにより遊技性を多様化できる。また、第3態様では、第1期間及び第2期間の両方を、識別情報の変動表示中の期間(遊技中の期間)に設定することができる。これにより遊技性を多様化できる。また第1期間を非遊技中の期間に設定し、第2期間を遊技中の期間に設定してもよい。変更後の遊技条件を明確に把握したうえで、当否判定遊技(当否判定や図柄変動)を行うことができる。
また、第4態様では、第1期間及び第2期間は、何れも低確低ベース状態の遊技状態とすることができる。低確低ベース状態において、遊技条件を変更可能とすることで、低確低ベース状態(通常遊技状態)における遊技機の稼働率を高めることが可能となる。また、第5態様では、第1期間及び第2期間は、何れも高確高ベース状態の遊技状態とすることができる。高確高ベース状態において、遊技条件を変更可能とすることで、高確高ベース状態(高確時短状態)における遊技機の稼働率を高めることが可能となる。また、第6態様では、第1期間及び第2期間は、何れも低確高ベース状態の遊技状態とすることができる。低確高ベース状態において、遊技条件を変更可能とすることで、低確高ベース状態(低確時短状態)における遊技機の稼働率を高めることが可能となる。
また、第1期間を遊技中の期間とし、第2期間を非遊技中の期間としてもよい。第2期間を非遊技中(例えば、大当り遊技が実行されておらず且つ識別情報の変動表示が実行されていない状態をいう。また、これに加えて遊技球を発射していない状態を追加してもよい。)とした場合には、非遊技中の場合は変更後の遊技条件を特定態様で報知せず遊技中に変更後の遊技条件を特定態様で報知することができる。これにより、遊技者に遊技を促し遊技機の稼働率を向上することができる。
また、第7態様では、第2期間に変更された遊技条件は、第2期間が第1期間に移行することで、特定態様で認識可能となる。特定認識手段が特定態様で実行される。この場合、所定期間は、遊技条件が変更された時から、第1期間に移行するまでの期間となる。
また、第8態様では、第1期間及び第2期間のいずれの期間においても、遊技者が入力手段に入力(演出ボタンを操作)することで、任意に遊技条件を変更でき、遊技者が変更した遊技条件の下で当否判定遊技(図柄変動遊技)を実行することができる。また、変更した時期によって、変更後の遊技条件を認識できる時期を異ならせ、遊技興趣を高める。
また、第9態様では、第1期間及び第2期間のいずれの期間においても、遊技者が入力手段に入力(演出ボタンを操作)することで、複数段階に変更可能な遊技条件を段階的に変更することができる。これにより、特定態様によって認識できない状況であっても、遊技者の入力態様(入力回数、入力時間)によって、変更後の遊技条件をおよそ把握(推測)することが可能となる。また、第1期間及び第2期間のいずれの期間においても、遊技者が入力手段に入力(演出ボタンを操作)することで、複数の遊技条件からランダムに1の遊技条件が選択されるようにしてもよい。
また、第10態様では、第1期間においても第2期間においても、変更(変更操作)に伴って、変更後の遊技条件を表示画面に所定時間(3秒程度の短時間表示し消去)表示する。第1期間に遊技条件を変更した場合は、当該表示のみ行って所定期間特定態様での認識を不能とし、所定期間経過後に特定態様での認識を可能にする。第2期間に遊技条件を変更した場合は、当該表示に加えて同時に特定態様でも認識可能とする。変更する期間(時期)によって、異なる遊技性、遊技興趣を与えることができる。
また、第11態様では、第2期間は、予め定められた時間が経過すると、第2期間を終えて第1時間に移行することができる。予め定められた時間の経過によって、変更後の遊技条件が特定態様で認識可能となる第2期間に移行するため、第1期間で遊技を行っている遊技者が、第2期間に移行する前に遊技をやめる可能性は少ない。またこれにより、遊技機の稼働率を向上することができる。
また、第12態様では、第2期間は、第1期間よりも特別遊技の実行可能性が高いことを示す予告演出の実行期間としてもよい。これにより、変更後の遊技条件が特定態様で即時に認識可能とされない期間の遊技興趣を高めることが可能となる。予告演出として、特別遊技の実行可能性として高い可能性を示す第1予告演出と、前記第1予告演出よりも特別遊技の実行可能性として低い可能性を示す第2予告演出と、を有することができる。
また、第13態様では、第1期間において、所定条件が成立すると遊技条件を変更できるようにしてもよい。また、第2期間においても、所定条件が成立すると遊技条件を変更できるようにしてもよい。第1期間及び第2期間における所定条件は同じ条件であっても異なる条件であってもよい。例えば、第1期間及び/又は第2期間において、所定の変更抽選に当選することで所定条件を成立するものとする。所定の変更抽選は、実行中の変動表示に係る始動口への入球に基づいて実行されてもよいし、変動表示中又は他のタイミングで所定の入球口に入球したことに基づいて実行されてもよい。演出ボタンを用いた抽選演出(選択演出)を行ってもよい。
また、第14態様では、遊技者が入力手段で入力して変更した変更後の遊技条件は、所定条件が成立すると初期設定に設定されるものとしてもよい。例えば、遊技条件を変更してから所定時間(例えば、15分)が経過すると初期設定に設定されるものとしてもよいし、変動回数が所定回数(例えば、30回)になると初期設定に設定されるものとしてもよい。また、電源を切り、再度電源を投入(電源をOFF・ON)した場合には、遊技条件は初期設定(予め設定された基準値)に設定される。
また、第15態様では、第1識別情報(第1特別図柄)と第2識別情報(第2特別図柄)とを有し、第1識別情報の変動表示に伴って遊技条件を変更可能にすると共に、第2識別情報の変動表示に伴って遊技条件を変更可能にしてもよい(遊技条件変更期間を設定可能にしてもよい)。また、第16態様では、遊技状態として、第1遊技状態(低確低ベース状態)と第2遊技状態(低確高ベース状態)と第3遊技状態(高確高ベース状態)と第4遊技状態(高確低ベース状態)とのうち2以上の遊技状態を有し、何れの遊技状態においても遊技条件を変更可能にしてもよいし(遊技条件変更期間を設定可能にしてもよい)、何れか1又は複数の遊技状態で遊技条件を変更可能として他の遊技状態では遊技条件を変更不能としてもよい。
また、第16態様では、遊技条件変更期間を設定可能な遊技条件変更可能期間を有し、遊技条件変更可能期間に所定条件を成立する(例えば、特定入球口への入球、入力検知スイッチへの入力、演出ボタンへの入力等)ことで、遊技者が変更操作で遊技条件を変更できる遊技条件変更期間を開始してもよい。その際に、遊技条件変更期間が開始されたことを所定の表示部に表示してもよい。
また、第17態様では、第1期間は遊技条件の変更操作に伴って、変更後の遊技条件をすぐに特定態様で認識可能とされ、第2期間は遊技条件の変更操作に伴って、変更後の遊技条件をすぐに特定態様で認識可能としない(報知しない)。従って、この点で、第1期間が第2期間よりも有利な期間といえる。ここで、現在の期間が第1期間であるか第2期間であるかを遊技者に分かり易くするため、周囲の演出態様を異ならせてもよい。例えば、第1期間は第2期間よりも遊技音の音量が大きい期間としてもよい。また、LED等の発光部を所定の輝度で発光制御する手段を備え、第1期間は第2期間よりも発光する発光部の数が多い期間としてもよいし、輝度が強い期間としてもよい。また、表示画面で表示される複数の表示物(大当り信頼度を示すものや大当り信頼度を示さないもの)を有し、第1期間は第2期間よりも表示画面で表示される表示物の種類数が多い期間としてもよい。
このような遊技機によれば、遊技者が入力可能な入力手段を備え、入力手段への入力を用いた演出を行うことができる。そして、入力手段への入力に対応して第1特殊画像を表示する第1特殊演出と、入力手段への非入力に対応して第2特殊画像を表示する第2特殊演出と、を有している。また、第1特殊画像の表示可能期間における特定時期において、入力手段を非入力とすると、第2特殊演出を実行する。これにより、入力手段への入力によって第1特殊画像を表示可能な期間の特定時期を非入力とすることで、第2特殊画像を表示する第2特殊演出の実行が可能となる。これにより、趣向性の高い遊技機を提供することができる。
このような遊技機によれば、非入力によって第2特殊演出の実行が可能となる特定期間であることを報知しない。これにより、第2特殊演出が予告なく実行され、趣向性の高い遊技機を提供することができる。
また、前述した態様に代えて、又は、加えて、次の態様としてもよい。第1態様では、特定時期に入力手段で入力を行うと第1特殊画像を表示する。また、特定時期に入力を行ったことで、特定時期に入力を行わなかったことによって実行される予定であった第2特殊画像は表示されない。また、特定時期は、所定の時間幅(例えば、3秒間とすることができる)を有してもよい。また、識別情報の変動表示中に入力手段への入力を用いた演出を行うことができるようにしてもよい。
また、第2態様では、第1特殊画像の表示可能期間は、遊技者が入力手段に入力を行うと第1特殊画像を表示するが、遊技者が入力手段に入力を行わない場合は第1特殊画像を表示しない期間である。
また、第3態様では、第1特殊画像の表示可能期間は、遊技者が入力手段に入力を行うと第1特殊画像を表示するが、遊技者が入力手段に入力を行わない場合は第1特殊画像を表示しない期間とする。尚、第1特殊画像の表示可能期間は、遊技者が入力手段に入力を行いさえすれば、第1特殊画像を表示させることが可能な期間である。このような遊技者が入力手段に入力を行って第1特殊画像を表示させる第1特殊演出を、ボタン進行演出ともいう。
また、第4態様では、第1特殊画像の表示可能期間において、遊技者に入力手段への入力を促す示唆演出を行うようにしてもよい。また、第5態様では、特定時期において、遊技者に入力手段へ入力しないことを促す示唆演出を行わないようにしてもよい。これにより、第2特殊画像を表示させる難易度が高くなり、第2特殊画像を表示された場合の遊技興趣を顕著に高めることができる。また、第2特殊画像は表示可能性の低い画像であるため、表示された第2特殊画像を見た遊技者が特典への期待度を高めることが可能となる。
また、第6態様では、第2特殊演出が実行(第2特殊画像が表示)された状態で、特定条件が成立すると、第2特殊画像に加えて第3特殊画像が表示される。また、第7態様では、第2特殊演出が実行(第2特殊画像が表示)された状態で、特定条件が成立して、第2特殊画像に加えて第3特殊画像が表示された場合には、第3特殊画像は第2特殊画像に重畳した状態で表示される。これにより、第3特殊画像が遊技者に目立つように表示され、遊技者を第3特殊画像に注目させることが可能となる。第3特殊画像として、例えば、大当り保留が発生したことを示す大当り保留画像としてもよい。また、第8態様では、遊技機にとって重大な事象(大当り、確変、大当り確定予告、不正等)の発生を示す画像を第3特殊画像としてもよい。
また、第9態様では、特定時期に入力手段を非入力としたことに起因して実行される非入力演出(第2特殊演出)の実行中に、入力を行った場合、第2特殊演出を終了するものとしてもよい。また、第10態様では、第2特殊演出を終了して、第1特殊演出を実行してもよい。第1特殊演出としては、演出図柄の変動表示中に表示画面で行われる演出であって、入力によって演出画像を進行させる入力演出(ボタン演出)を例示できる。また、入力によって所定の遊技条件を変化させる演出(画像)であってもよい。また、入力によって演出を進行させて、実行中の変動表示の結果が特定結果(大当り)となる可能性を示すものであってもよい。
また、第11態様では、第3特殊画像は、第2特殊画像よりも優先して表示する(前面側のレイヤーとする、優先レイヤーに表示する)ものとしてもよい。これにより、第3特殊画像と第2特殊画像とが同時に表示される場合には、第3特殊画像が第2特殊画像に優先して、前面側に表示される。また、第12態様では、特定時期に入力手段に入力することで第2特殊画像ではなく第1特殊画像が表示された場合において、特定条件が成立すると、第1特殊画像に加えて第3特殊画像が表示される。このとき、第3特殊画像は第1特殊画像と表示画面上で重なることなく、重複しない位置に表示されるものとしてもよい。
このような遊技機によれば、遊技者が入力可能な入力手段を備え、遊技演出として、特定の条件が成立すると実行される特定の演出と、特別の条件が成立すると実行される特別事態割込演出とを有する。また、特別事態割込演出と特定の演出とは、同時に実行可能な演出であって、特別事態割込演出は特定の演出よりも小さい表示面積とされる演出である。また、特定の演出及び特別事態割込演出が表示手段に表示された状態から、遊技者の入力により実行可能な遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有する。特定の演出及び特別事態割込演出が表示手段に表示された状態から、第1の入力演出を実行する場合、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持することはできない。一方、第2の入力演出を実行する場合には、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持したまま第2の入力演出を実行することができる。これにより、所定の条件が成立した場合の表示手段での表示態様を、入力手段を用いて多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、前述した態様に代えて、又は、加えて、次の態様としてもよい。第1態様では、第2の入力演出は、第1の入力演出よりも表示されるキャラクタの数が少ないものとしてもよい。表示面積小さいため、単純化して遊技者に情報を明確に認識させることができる。また、第1の入力演出を実行する場合、特定の演出を終了して表示手段で第1の入力演出が実行され、第2の入力演出を実行する場合、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示された状態を維持して表示手段で第2の入力演出を実行するものとしてもよい。また、特別事態割込演出は、特定の演出に優先して表示される(手前側のレイヤーに表示される)演出であってもよい。
また、第2態様では、第2の入力演出(第2の演出)は、第1の入力演出(第1の演出)よりも表示手段(表示画面)における表示面積を小さくしてもよい。また、第1の入力演出は、第2の入力演出よりも表示手段(表示画面)における表示面積を大きくしてもよい。また、第3態様では、第1の入力演出は、遊技者の入力手段への入力に基づいて表示される遊技画像を変化可能な演出としてもよい。
また、第4態様では、第2の入力演出は、遊技者の入力手段への入力に基づいて表示される遊技画像を変化可能な演出でとしてもよい。また、第5態様では、第1の入力演出は、リーチ中に表示されるのキャラクタを入力手段への入力で変化可能な演出としてもよい。また、リーチ中に表示画面の背景に表示される絵柄を、入力手段への入力によって変更可能な演出としてもよい。
また、第6態様では、第2の入力演出は、リーチ中に表示される画像の種類を変更することはできないが、当該画像の表示速度や、画像の数や、画像の表示サイズを、入力手段への入力によって切替可能な演出としてもよい。
また、第7態様では、特定の演出(非操作特殊演出)は、特典の付与を示唆する演出を表示しない演出としてもよい。また、第8態様では、特別事態割込演出は、特典の付与を示唆する演出を表示する演出としてもよい。また、第9態様では、特別事態割込演出は、遊技の状況を示唆する演出を表示する演出としてもよい。
また、第10態様では、特定の演出及び特別事態割込演出の両方が表示手段(表示画面)に表示された状態(特別表示状態)から、遊技者の入力により選択的に実行可能な遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有し、第1の入力演出を実行する場合、特別表示状態を終了して(特定の演出を終了して)第1の入力演出を実行し、第2の入力演出を実行する場合、特別表示状態のまま第2の入力演出を実行できるようにしてもよい。
また、第11態様では、特定の演出及び特別事態割込演出が表示手段(表示画面)に表示された状態から、遊技者の入力により選択的に実行可能な遊技演出として、第1の入力演出と、第2の入力演出と、を有し、第1の入力演出を実行する場合、特定の演出及び特別事態割込演出の何れか一方を終了して第1の入力演出を実行し、第2の入力演出を実行する場合、特定の演出及び特別事態割込演出の両方を表示した状態で、更に第2の入力演出を実行するものとしてもよい。
また、第12態様では、第2の入力演出を、特定の演出及び特別事態割込演出の両方を表示した状態で実行する。すなわち、表示画面上に、特定の演出、特別事態割込演出及び第2の入力演出を表示する場合において、最後に表示を追加した第2の入力演出が特定の演出と少なくとも一部の表示部が重なる状態で表示され、第2の入力演出と特別事態割込演出とは表示部が重ならない状態で表示されるものとしてもよい。特定の演出は特別事態割込演出よりも表示画面上の大きい表示面積で表示されるため、第2の入力演出と重なっても内容を認識することが可能となる。
また、第13態様では、表示画面上に、特定の演出、特別事態割込演出及び第2の入力演出を表示する場合において、第2の入力演出は、特定の演出及び特別事態割込演出の一方と少なくとも一部が重なって表示され、他方と重ならない状態で表示するものとしてもよい。
また、第14態様では、特別事態割込演出(第3特殊演出)は、特定の演出が実行されていない状況でも実行可能な演出としてもよい。また、第15態様では、特別事態割込演出は、遊技状況(残り変動時間の報知、はまり回数、異常)を示唆する演出としてもよい。
また、第15態様では、第1入力手段と第2入力手段とを備え、第1入力手段への入力で第1の入力演出を実行し、第2入力手段への入力で第2の入力演出を実行するものとしてもよい。また、第1の入力演出実行中において画像を進行させる入力も第1入力手段への入力で行うものとする。また、第2の入力演出実行中において画像を進行させる入力も第2入力手段への入力で行うものとする。
このような遊技機によれば、始動口に入球した遊技球を検知する1段階目検知手段と、1段階目検知手段を通過した遊技球を検知する2段階目検知手段と、を備える。また、1段階目検知手段の検知結果に基づいて表示する第1特定表示と、1段階目検知手段の検知結果と2段階目検知手段の検知結果と、に基づいて表示する第2特定表示と、を有する。そして、1段階目検知手段及び2段階目検知手段を、遊技球通路において、遊技球が1段階目検知手段を通過してから2段階目検知手段で検知されるまでの時間が、特典遊技を実行する際に実行される識別図柄の変動時間よりも短い時間となる位置関係で、離間して設置される。これにより、第1特定表示及び第2特定表示の表示タイミングを多様化することができる。またこれにより、趣向性の高い遊技機を提供することができる。
また、前述した態様に代えて、又は、加えて、次の態様としてもよい。第1態様では、第1特定表示と、第2特定表示とを所定の表示画面で並行して実行してもよい。また、第2態様では、第1特定表示と第2特定表示とを同じ表示画面上で実行(表示)してもよい。第3態様では、第1特定表示と第2特定表示とを夫々異なる表示画面上で実行してもよい。
また、第4態様では、2段階目検知手段の検知結果に基づいて表示する第3特定表示を実行してもよい。1段階目検知手段で検知されてから2段階目検知手段で検知されるまでの時間は、1段階目検知手段を通過する速度や、遊技球通路での流下態様によって異なってくる。これにより、第2特定表示や第3特定表示の実行タイミングが一致せず、遊技者の予測困難な趣向性の高い特定表示(演出表示)を実行することができる。
また、第5態様では、変動時間の平均時間が長い第1遊技状態と、変動時間の平均時間が短い第2遊技状態と、を有し、第1特定表示は第1遊技状態及び第2遊技状態で実行され、第2特定表示は第1遊技状態で実行され、第2遊技状態で実行されないようにしてもよい。また、第6態様では、大当りと判定する確率が所定確率(低確率状態)の所定確率状態(低確率状態)と、所定確率よりも大当りと判定する確率が高い高確率状態とを有し、第1特定表示は所定確率状態及び高確率状態で実行され、第2特定表示は所定確率状態で実行され、高確率状態では実行されないようにしてもよい。
また、第7態様では、遊技状態として、低確低ベース状態と、高確高ベース状態と、低確高ベース状態と、を有し、第1特定表示は低確低ベース状態と、高確高ベース状態と、低確高ベース状態とで実行され、第2特定表示は低確低ベース状態で実行され、高確高ベース状態、低確高ベース状態で実行されないようにしてもよい。
また、第8態様では、1段階目検知手段と2段階目検知手段とは同じ遊技球通路に配置され、当該遊技球通路おいて、1段階目検知手段が上流側、2段階目検知手段が下流側に設置されるものとしてもよい。また、第1特定表示と第2特定表示とは並行して実行可能としてもよい。
また、第9態様では、表示画面を有する表示装置を備え、識別図柄は表示画面上で変動表示するものとしてもよい。また、第10態様では、第2特定表示は、2段階目検知手段を遊技球が通過した際に実行されている変動表示と並行して実行される場合と、2段階目検知手段を遊技球が通過した際に実行されている変動表示の後に実行される変動表示と並行して実行される場合と、を有してもよい。
また、第11態様では、1段階目検知手段及び前記2段階目検知手段は、遊技球が前記1段階目検知手段を通過してから前記2段階目検知手段で検知されるまでの時間が、低確低ベース状態におけるリーチ演出を実行する変動表示のうち最も短い時間の変動表示の時間より短い時間となる位置関係で、離間して設置される。
また、第12態様では、第1特定表示は1回の1段階目検知手段の検知に基づいて毎回実行し、第2特定表示は、1段階目検知手段及び前記2段階目検知手段の両方の検知を複数回(例えば5回)成立させることで1回実行するものとしてもよい。これにより、第2特定表示の実行頻度を低下させ、遊技者の飽きを防止する。また、実行タイミングを更に多様化し、遊技者の時刻タイミングの予測を困難とする。
このような遊技機によれば、遊技画像として、表示画面の表示領域全体に対する画像の大きさが変動する第1画像と、表示画面の表示領域全体に対する画像の大きさが変動しない第2画像と、を有する。そして、識別情報の変動表示に伴って、表示画面に、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第1条件が成立すると、記第1画像が表示される表示領域に、第1画像と同様に前記表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動して表示させ、第2条件が成立すると、第1画像が表示される表示領域に、第2画像と同様に、表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動しないで表示する。これにより、変動表示に伴って実行可能な演出として、趣向性の高い新規の遊技演出を提供し、表示態様を多様化することができる。
また、前述した態様に代えて、又は、加えて、次の態様としてもよい。第1態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第1条件が成立して、第1画像が表示される表示領域に画像が追加で表示されると、特典の付与可能性が高いことを遊技者に示唆するものとしてもよい。
また、第2態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第1条件が成立して、更に第1画像が表示された場合には、当該第1画像は特典の付与可能性を示す第1特別画像であるものとしてもよい。また、第3態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第2条件が成立して、更に第2画像が表示された場合には、当該第2画像は特典の付与可能性を示すものではなく、遊技の状況(情報性のある事項を表示、機種情報、現在の判定確率、遊技モード、異常有無等)を示す第2特別画像であるものとしてもよい。また、第1画像は、リーチ態様になる前に実行を開始する画像であるものとしてもよい。また、第1画像の実行により、リーチ態様になる期待感を高める演出としてもよい。
また、第4態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第1条件が成立すると、第1画像が表示される表示領域に画像を追加で表示して、当該追加された画像を、第1画像と異なる大きさで表示すると共に、表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動して表示してもよい。また、第5態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、第2条件が成立すると、第1画像が表示される表示領域に画像を追加で表示して、当該追加された画像を、第1画像と異なる大きさで表示すると共に、当該追加された画像は前記表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動しないものとしてもよい。後から追加して表示される画像よりも、先に表示されていた第1画像の方が大きい表示面積で表示されるようにしてもよい(同時に表示されている状況において、第1画像が最も大きく表示された場面での比較でよい)。
また、第6態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況において、第1画像は第2画像より大きい表示サイズとしてもよい(第2画像は第1画像より小さい)。同時に表示されている状況において、第1画像が最も大きく表示された場面での比較でよい(他も同様)。追加画像である大きさを変動する画像及び大きさを変動しない画像は、先に表示されている第1画像より小さいものとしてもよい。また、第2画像より大きいものとしてもよい。第1画像より小さく且つ第2画像より大きいものとしてもよい。
また、第7態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況から、第1条件及び第2条件が成立して(成立順序は問わない)、第1画像が表示される表示領域に画像を追加で表示して、当該追加された画像を表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動して表示させると共に、前記第1画像が表示される表示領域に画像を追加で表示して、当該追加された画像を前記表示画面の表示領域全体に対する大きさを変動させずに表示するものとしてもよい。第1画像及び第2画像の両方が表示された状況で、更に、大きさを変動する画像及び大きさを変動しない画像の両方を追加で表示画面に表示してもよい。
また、第8態様では、第1画像及び第2画像の両方が表示された状況から、第1条件が成立して追加表示される画像、及び、第2条件が成立して追加表示される画像は、第2画像とは重ならない位置に表示されるものとしてもよい。第2画像と表示部の一部が重なる場合には、第2画像を前面側に優先表示する。特に、先に表示されている第2画像が小さい表示面積の場合、視認状況が悪くならないように、後から表示する大きさを変動する画像及び/又は大きさを変動しない画像を、当該第2画像と重ならない位置に表示するのが好適である。
また、第9態様では、第1条件及び第2条件は異なる条件とすることができる。第1条件を予め定めた第1時期が到来したこと、第2条件を予め定めた第1時期と異なる第2時期が到来したこととしてもよい。また、第10態様では、第1条件を第1時期が到来したこと、第2条件を遊技者による入力手段への入力があったこととしてもよい。また、第11態様では、第1条件を始動入球に基づいて決定された条件が成立すること、第2条件を始動入球と無関係に成立した条件(特別図柄当否判定に関わらない条件)が成立したこととしてもよい。「始動入球に基づいて決定された条件」として例えば、一般入球口への入球に基づくこと、演出ボタンの入力、発射ハンドルの操作、扉開放、電源ON・OFF、異常発生等をあげることができる。