(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025083857
(43)【公開日】2025-06-02
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/50 20220101AFI20250526BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20250526BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20250526BHJP
H05B 45/36 20200101ALI20250526BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20250526BHJP
【FI】
H05B45/50
H05B45/38
H05B45/375
H05B45/36
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197495
(22)【出願日】2023-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相場 明穂
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 太一
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273BA34
3K273CA02
3K273CA04
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA22
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA40
3K273EA44
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA26
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA14
(57)【要約】
【課題】入力電圧の大きさに依らず昇圧回路に流れる電流が過電流であるか否かを判定することができる照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の照明装置は、光源と、外部電源からの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇圧回路により昇圧された電圧を光源の点灯に適した電圧に降圧する降圧回路と、制御装置とを備える。制御装置は、昇圧回路のスイッチング素子に流れる電流を検知する処理と、該電流が過電流であるか否かを入力電圧に応じて設定された電流の閾値に基づき判定する処理とを実行するように構成される。電流の閾値は入力電圧が大きいほど低い値に設定される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、外部電源からの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧された電圧を前記光源の点灯に適した電圧に降圧する降圧回路と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記昇圧回路のスイッチング素子に流れる電流を検知する処理と、
前記電流が過電流であるか否かを前記入力電圧に応じて設定された前記電流の閾値に基づき判定する処理と、
を実行するように構成され、
前記電流の閾値は前記入力電圧が大きいほど低い値に設定される、照明装置。
【請求項2】
前記入力電圧に応じて設定された前記電流の閾値は、前記光源の調光率が小さいほど低い値に設定される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記入力電圧が電圧の閾値を超えるか否かを判定する処理をさらに実行し、
前記電流の閾値は、前記入力電圧が前記電圧の閾値を超えた場合に変更される、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記スイッチング素子と直列に接続される抵抗を更に備え、
前記制御装置は前記抵抗にかかる電圧を検出することで前記スイッチング素子に流れる前記電流を検知する、請求項1または2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明装置の光源には、LEDが使用されることが一般的である。白熱電球および蛍光灯に比べて、LEDの明るさは入力電圧変化に追従しやすいことが知られている。そのため光源に供給される電圧のリップルを低減しない限り、光源がちらついて見えてしまうという問題がある。この問題の対策のため、外部電源からの入力電圧を一度昇圧してリップルを低減し、後段で光源に適した電圧に降圧する2コンバータ方式が増えてきている。さらには、前段の昇圧回路をPFC(Power Factor Correction)動作させることにより、力率改善を行う技術も知られる。
【0003】
特許文献1には、コンバータ回路のスイッチング素子に上限を超える過電流が流れていることを検出した場合にスイッチング素子のスイッチング制御を停止するように動作する点灯装置が開示されている。これにより、過電流から回路を保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバータ回路において、前段の昇圧回路に流れる電流は、入力電圧が低いほど大きくなるという特徴がある。ところが、上述の方法では過電流であるか否かを判定する閾値が1値であるため、ある入力電圧を基準として設定された閾値は、それよりも高い入力電圧においては閾値の役割を果たさず、過電流であるか否かを判定できなかった。そのため入力電圧が大きい領域においては回路を保護することができないといった問題が生じていた。
【0006】
本開示は上述の問題を解決するため、入力電圧の大きさに依らず昇圧回路に流れる電流が過電流であるか否かを判定することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様は、
光源と、外部電源からの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧された電圧を前記光源の点灯に適した電圧に降圧する降圧回路と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記昇圧回路のスイッチング素子に流れる電流を検知する処理と、
前記電流が過電流であるか否かを前記入力電圧に応じて設定された前記電流の閾値に基づき判定する処理と、
を実行するように構成され、
前記電流の閾値は前記入力電圧が大きいほど低い値に設定される、照明装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電流の閾値は入力電圧が大きくなるほど低い値になるように設定されるため、入力電圧が大きい場合にも過電流であるか否かの判定を実施することが可能となる。これにより、入力電圧の大きさに依らず昇圧回路に流れる電流が過電流であるか否かを判定することができる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る照明装置の回路図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る外部電源からの入力電圧の監視方法を示す図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る外部電源からの入力電圧の監視方法を示す図である。
【
図4】本開示の実施の形態1に係るスイッチング素子に流れる電流の閾値I
thの設定方法を示す図である。
【
図5】本開示の実施の形態2に係るスイッチング素子に流れる電流の閾値I
thの設定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1
図1は本開示の実施の形態1に係る照明装置100の回路図である。照明装置100は、LEDを1以上備えるLEDモジュール11と、点灯装置12と、調光器61と、調光インターフェイス回路62とを備えている。
【0012】
点灯装置12は、入力フィルタ回路1と、入力電圧検出回路2と、昇圧回路3と、LEDモジュール11が接続される降圧回路4と、制御装置50(マイコン)を備えている。
【0013】
入力フィルタ回路1には外部電源が接続され、外部電源からの入力電圧を受け付ける。入力フィルタ回路1は過電流を保護するためのヒューズ25と、コンデンサ26と、外部電源からの交流電圧を全波整流し直流電圧に変換するダイオードブリッジ27を備える。ダイオードブリッジ27の出力は高電位側が入力電圧検出回路2に接続され、低電位側が接地用端子(図示せず)に接続される。
【0014】
入力電圧検出回路2は、直列に接続された抵抗21と抵抗22を備え、入力電圧を分圧する。これにより、分圧された電圧(第一の電圧とする)を制御装置50にて検出することが可能となり、外部電源の入力電圧の検出が可能となる。
【0015】
昇圧回路3は入力フィルタ回路1から受け付けた直流電圧を昇圧する。コンデンサ31は、ダイオードブリッジ27と並列に接続される。コンデンサ31の正極にはインダクタ33の一端が接続され、コンデンサ31の負極は接地用端子に接続される。インダクタ33の他端にはスイッチング素子32の第一端子及びダイオード34のアノードが接続される。
【0016】
スイッチング素子32は、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子32において第一端子がインダクタ33、第二端子が抵抗38、制御端子が制御装置50に接続される。MOSFETの場合、第一端子はドレイン端子、第二端子はソース端子、制御端子はゲート端子である。スイッチング素子32が制御装置50によるスイッチ制御に応答することで、昇圧回路3内の電圧の入り切りをすることができる。
【0017】
また、ダイオード34のカソードには電解コンデンサ35の正極が接続され、電解コンデンサ35の負極は接地用端子に接続される。
【0018】
抵抗36及び抵抗37は昇圧回路3の出力端に設けられ、昇圧回路3の出力電圧を分圧する。分圧された電圧(第二の電圧とする)は制御装置50により検出される。制御装置50は第二の電圧に基づき昇圧回路3の出力電圧が一定となるようにスイッチング素子32を制御する。
【0019】
抵抗38は、スイッチング素子32のソース端子と、接地用端子に接続され、スイッチング素子32にかかる電圧(第三の電圧とする)を制御装置50に入力する。第三の電圧に基づき、制御装置50はスイッチング素子32に流れる電流を検知することが可能となる。スイッチング素子32に流れる電流は昇圧回路3全体に流れる電流と同様の挙動を示すことから、昇圧回路3に流れる電流の指標となる。
【0020】
降圧回路4は、昇圧回路3から受け付けた電圧をLEDモジュール11の点灯に適した電圧に降圧する。降圧回路4は例えばバックコンバータ回路、フライバック回路などであるが、他の降圧方式でも良い。降圧回路4のスイッチング素子41は上述のスイッチング素子32と同様、MOSFET等である。スイッチング素子41は第一端子が電解コンデンサ35の正極、第二端子がダイオード42のカソード、制御端子が制御回路40に接続される。スイッチング素子41が制御回路40によるスイッチ制御に応答することで、回路内の電圧の入り切りをすることができる。
【0021】
コンデンサ43の負極にはセンス抵抗44の一端が接続され、センス抵抗44の他端及びダイオード42のアノードには接地用端子が接続される。
【0022】
センス抵抗44は降圧回路4に設けられており、LEDモジュール11に流れるLED電流の検出に用いられる。センス抵抗44に印加されるLED電流に対応した電圧は、制御回路40により検出される。該電圧に基づき、制御回路40はLEDモジュール11に流れる電流が一定電流となるようにスイッチング素子41を制御する。
【0023】
抵抗45及び抵抗46は降圧回路4の出力端に設けられており、LEDモジュール11の電圧検出に用いられる。抵抗45及び抵抗46により分圧された電圧(第四の電圧とする)が制御装置50に入力されると、制御装置50はこの検出電圧に基づき、LEDモジュール11の接続有無、または電圧異常等を検知する。
【0024】
制御装置50は、デジタル電源用制御装置として提供される公知のマイコンで構成できる他、DSP(Digital Signal Processor)等の演算装置で構成することもできる。制御装置50は、記憶部、処理装置、A/D変換部を備えている。
【0025】
制御装置50には、上述の第一の電圧と、第二の電圧と、第三の電圧と、第四の電圧とが入力される。
【0026】
記憶部は不揮発性メモリを有し、処理装置で実行すべき演算プログラム及び演算に用いられる各種データを記憶する。記憶部に対しては外部からデータの書き込みおよび読み出しが行われるようになっている。A/D変換部は、制御装置50に入力された電圧値をデジタル値に変換する。処理装置は、デジタル変換された電圧値をもとに点灯制御のために必要な演算処理を行う。なお処理装置が行う演算処理は後述の第一の電圧に対する閾値判定処理と、スイッチング素子32に流れる電流に対する過電流の判定処理を含む。
【0027】
制御装置50は、第二の電圧に基づきスイッチング素子32のオン時間を調整し、予め記憶部に設定された目標電圧に一致するように昇圧回路3の定電圧制御を行う。
【0028】
制御装置50は、調光インターフェイス(I/F)回路62を介して調光器61からの調光指令値を受けつける。制御装置50は、受け付けた調光指令値を制御回路40に通知する。
【0029】
制御回路40は、調光指令値で指令された調光率でLEDモジュール11を点灯させるためのPWM信号を出力する。PWM信号の出力においては、制御回路40はセンス抵抗44で検知した電流に基づき、LEDモジュール11に流れる電流が調光指令値に基づいて決定される目標電流に一致するように、スイッチング素子41のオン時間を調整する。
【0030】
図2は本開示の実施の形態1に係る外部電源からの入力電圧の監視方法を示す図である。制御装置50は、入力電圧検出回路2から入力される第一の電圧を検出し、第一の電圧が電圧の閾値V
thを超えるか否かを判定する。電圧の閾値V
thは記憶部に記憶されている。
【0031】
閾値判定においては、ある判定期間に亘って定常的に第一の電圧が閾値Vthを超えているか否かを判定する。これにより、定常的な電圧の変化と、ノイズなどによる一時的な電圧変化とを区別することができ、判定の精度を向上させることが可能となる。
【0032】
図3は本開示の実施の形態1に係る外部電源からの入力電圧の監視方法を示す図である。日本の場合、商用電源の周波数は50Hzまたは60Hzである。したがって閾値判定においては、外部電源の周期または半周期毎に第一の電圧の最大値を検出し、得られた最大値を累加平均したうえで、平均値が電圧の閾値V
thを超えるか否かを判定しても良い。累加平均された平均値を用いることで統計的な効果が得られ、閾値判定の精度を高めることができる。
【0033】
例えば、
図3の例では外部電源の半周期毎に第一の電圧の最大値が検出されている。外部電源が入力電圧検出回路2に接続された直後に入力電圧が上昇したことを反映し、第一の電圧においては大きな最大値が検出されている。すなわち、第一の電圧は最初の半周期において最大値141Vが検出され、次の半周期において最大値113Vが検出されている。しかしながら、外部電源からの入力電圧が安定するのに従い、第一の電圧の最大値は85Vで安定していく。ここで、電圧の閾値V
thが85V以上113V未満であったとすると、検出される第一の電圧は電圧の閾値V
thを超えないと判定されるのが望ましい結果である。
【0034】
第一の電圧の最大値を累加平均していくことで得られる平均値は外部電源の接続当初においては85Vを超えるため電圧の閾値Vthを超えている。しかしながら、該平均値は時間とともに85Vに近づいていくため、ある時刻において電圧の閾値Vthを超えなくなる。このようにして、望み通りの判定結果が得られる。
【0035】
なお、
図2および
図3では第一の電圧に対する電圧の閾値V
thが1値のみである場合を説明したが、電圧の閾値V
thは複数であってもよい。電圧の閾値を複数設けることで後述する電流の閾値I
thを複数設けることができ、電流の閾値I
thと外部電源からの入力電圧とを細かく対応させることが可能となる。
【0036】
図4は本開示の実施の形態1に係るスイッチング素子32に流れる電流の閾値I
thの設定方法を示す図である。外部電源からの入力電圧が大きくなるほど昇圧回路3に流れる電流は小さくなるということはすでに述べたとおりであるが、スイッチング素子32に流れる電流も昇圧回路3に流れる電流と同様の挙動を示す。
【0037】
制御装置50はスイッチング素子32に流れる電流を監視し、閾値Ithに基づき該電流が過電流であるか否かの判定を行う。電流の閾値Ithは、電圧の閾値Vthの判定結果に応じてIth1からIth3のいずれかに設定される。
【0038】
例えば電圧の閾値がVth1とVth2の2値である場合、制御装置50は以下のように電流の閾値Ithを設定する。ただしここではIth1>Ith2>Ith3である。
・第一の電圧がVth1以下 :電流の閾値はIth1
・第一の電圧がVth1を超えVth2以下 :電流の閾値はIth2
・第一の電圧がVth2を超える :電流の閾値はIth3
【0039】
このように電流の閾値Ithは入力電圧が大きくなるほど低い値になるように設定されるため、入力電圧が大きい場合にも過電流であるか否かの判定を実施することが可能となる。これにより、入力電圧が大きい場合にも昇圧回路3および降圧回路4の安全を確保することができる。
【0040】
先行技術では電流の閾値Ithが1値であるため、該閾値に対応する入力電圧以上の領域においては過電流であるか否かの判定が実施できなかった。過電流であるか否かの判定が実施できない状態では、例えば降圧回路4のスイッチング素子41がハーフデッド故障を起こしLEDモジュール11に過大な電流が流れてしまってもこれを検知できなかった。そのためスイッチングを停止して降圧回路4を保護することができなかった。
【0041】
ここで、センス抵抗44の電圧を制御装置50に入力し、LEDモジュール11に流れる電流を監視しておけば、LEDモジュール11に過大な電流が流れた場合に降圧回路4を保護することが可能である。しかしながら、入力用の配線などが追加で必要になり、コストアップに繋がる。また、近年では色温度の異なる複数のLEDモジュール11を備える照明装置が数多く販売されているが、そのような照明装置において、複数のLEDモジュール11に流れる電流を個別に検出することは、コストアップに留まらず、サイズアップも懸念される。これに対し、本開示では追加配線を必要とせず、コストアップもサイズアップもすることなく降圧回路4を保護できるという利点を有する。
【0042】
以上説明したように、本開示においては入力電圧の大きさに依らず昇圧回路に流れる電流が過電流であるか否かを判定することができる照明装置を提供することができる。
【0043】
なお、上述では光源がLEDモジュール11である場合を説明したが、光源はLEDに限らず白熱灯等でもよい。この点は全ての実施形態において共通である。
【0044】
実施の形態2
本実施形態では、スイッチング素子32に流れる電流の閾値I
thを、実施の形態1で説明した第一の電圧だけでなく調光率にも応じた値に設定する。なお、以降では、実施の形態1からの変更点を説明する。
図5は本開示の実施の形態2に係るスイッチング素子32に流れる電流の閾値I
thの設定方法を示す図である。昇圧回路3のスイッチング素子32に流れる電流は、調光率に依存して変化し、調光率が大きくなると電流も増加するという特徴がある。
【0045】
本実施形態では、第一の電圧に基づき設定された電流の閾値Ithが、調光器61から指令された調光率に基づき、以下のように変更される。ただしここではIth1>Ith2>Ith3である。
・調光率がDIMth1以下 :電流の閾値はIth3
・調光率がDIMth1を超えDIMth2以下 :電流の閾値はIth2
・調光率がDIMth2を超える :電流の閾値はIth1
【0046】
このように、電流の閾値Ithは調光率が小さいほど低い値になるように設定される。これにより、調光率に応じて適切な閾値Ithを設定することが可能となる。本実施形態のように、第一の電圧および調光率に応じて設定された電流の閾値Ithに基づきスイッチング素子32に流れる電流が過電流であるかを判定することで、過電流の判定をより厳密に行うことができる。したがって回路の保護の要否を判定する精度を実施の形態1よりも高めることができる。
【0047】
なおここでは調光率の閾値がDIMth1とDIMth2の2値である場合を説明したが、閾値の数は限定されない。
【0048】
なお、本開示で示した第一の電圧および調光率の数値はあくまで一例であって、限定されない。
【0049】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
光源と、外部電源からの入力電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路により昇圧された電圧を前記光源の点灯に適した電圧に降圧する降圧回路と、制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記昇圧回路のスイッチング素子に流れる電流を検知する処理と、
前記電流が過電流であるか否かを前記入力電圧に応じて設定された前記電流の閾値に基づき判定する処理を実行するように構成され、
前記電流の閾値は前記入力電圧が大きいほど低い値に設定される、照明装置。
(付記2)
前記入力電圧に応じて設定された前記電流の閾値は、前記光源の調光率が小さいほど低い値に設定される、付記1に記載の照明装置。
(付記3)
前記制御回路は、前記入力電圧が電圧の閾値を超えるか否かを判定する処理をさらに実行し、
前記電流の閾値は、前記入力電圧が前記電圧の閾値を超えた場合に変更される、付記1または2に記載の照明装置。
(付記4)
前記スイッチング素子と直列に接続される抵抗を更に備え、
前記制御回路は前記抵抗にかかる電圧を検出することで前記スイッチング素子に流れる前記電流を検知する、付記1から3いずれか1項に記載の照明装置。
【符号の説明】
【0050】
1 入力フィルタ回路
2 入力電圧検出回路
3 昇圧回路
4 降圧回路
11 LEDモジュール
12 点灯装置
21 抵抗
22 抵抗
25 ヒューズ
26 コンデンサ
27 ダイオードブリッジ
31 コンデンサ
32 スイッチング素子
33 インダクタ
34 ダイオード
35 電解コンデンサ
36 抵抗
37 抵抗
38 抵抗
40 制御回路
41 スイッチング素子
42 ダイオード
43 コンデンサ
44 センス抵抗
45 抵抗
46 抵抗
50 制御装置
61 調光器
62 調光インターフェイス回路