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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025084075
(43)【公開日】2025-06-02
(54)【発明の名称】積層型電子部品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20250526BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 201F
H01G4/30 311D
H01G4/30 513
H01G4/30 517
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024188753
(22)【出願日】2024-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0162545
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0021899
(32)【優先日】2024-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ホ イン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、セオン ミン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC03
5E001AC07
5E001AF06
5E001AH01
5E001AJ01
5E001AJ03
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC31
5E082EE04
5E082EE13
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG28
5E082LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】機械的強度及び電気的特性に優れた積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品100aは、誘電体層111及び誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含み、第1方向に互いに向かい合う第1、第2面、第1、第2面と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3、第4面、第1~第4面と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5、第6面を有する本体110と、本体上に配置され、第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1外部電極131及び第2外部電極132と、誘電体層111を貫通し、第1方向に隣接した2つの第1内部電極を互いに連結する第1ビア電極141と、誘電体層を貫通し、第1方向に隣接した2つの第2内部電極を互いに連結する第2ビア電極142と、を含み、第1方向に隣接した2つの第1ビア電極並びに第2ビア電極は、それぞれ互いにずれて配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、前記第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を有する本体と、
前記本体上に配置され、前記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極と、
前記誘電体層を貫通し、前記第1方向に隣接した2つの前記第1内部電極を互いに連結する第1ビア電極と、
前記誘電体層を貫通し、前記第1方向に隣接した2つの前記第2内部電極を互いに連結する第2ビア電極と、を含み、
前記第1方向に隣接した2つの前記第1ビア電極は互いにずれて配置され、前記第1方向に隣接した2つの前記第2ビア電極は互いにずれて配置される、積層型電子部品。
【請求項2】
前記第1方向に隣接した2つの前記第1ビア電極は、前記第1方向に互いに重ならず、
前記第1方向に隣接した2つの前記第2ビア電極は、前記第1方向に互いに重ならない、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
同一の誘電体層を貫通する前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極は、それぞれ複数個配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記同一の誘電体層を貫通する複数の前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極は、それぞれ前記第2方向及び前記第3方向に配列される、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第1内部電極は、前記第3面で前記第1外部電極と連結され、
前記第2内部電極は、前記第4面で前記第2外部電極と連結される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記第1ビア電極は、複数個の第1単位ビアが前記第1方向に積層された形態であり、
前記第2ビア電極は、複数個の第2単位ビアが前記第1方向に積層された形態である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1単位ビアの上面の幅は、前記第1単位ビアの下面の幅より広く、
前記第2単位ビアの上面の幅は、前記第2単位ビアの下面の幅より広い、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記本体は、前記第1内部電極から前記第2方向に離隔して配置され、前記第1方向に積層された前記複数個の第2単位ビアの間に配置される第1補助電極と、前記第2内部電極から前記第2方向に離隔して配置され、前記第1方向に積層された前記複数個の第1単位ビアの間に配置される第2補助電極と、を含む、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで前記第1内部電極及び前記第2内部電極が前記第1方向に交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極は、前記第3面に配置され、前記第1面及び前記第2面の一部上に延び、
前記第2外部電極は、前記第4面に配置され、前記第1面及び前記第2面の一部上に延びており、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結電極と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結電極と、をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで前記第1内部電極及び前記第2内部電極が前記第1方向に交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、それぞれ前記第2面に配置され、前記第1面には配置されず、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結電極と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結電極と、をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記本体は、前記誘電体層を挟んで前記第1内部電極及び前記第2内部電極が前記第1方向に交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第1面及び前記第2面にそれぞれ配置され、
前記第1面に配置された前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第2面に配置された前記第1外部電極及び前記第2外部電極から離隔しており、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結電極と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結電極と、をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を有し、
第1誘電体層、及び前記第1誘電体層上に前記第2方向に互いに離隔して配置された第1内部電極と第1補助電極を含む第1内部電極層、並びに、第2誘電体層、及び前記第2誘電体層上に前記第2方向に互いに離隔して配置された第2内部電極と第2補助電極を含む第2内部電極層を含み、前記第1内部電極層と第2内部電極層が前記第1方向に交互に配置される本体と、
前記本体上に配置され、前記第1内部電極及び前記第2内部電極とそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第1内部電極と前記第2補助電極を連結する第1ビア電極と、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第1補助電極と前記第2内部電極を連結する第2ビア電極と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第2補助電極と前記第1内部電極を連結する第3ビア電極と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第2内部電極と前記第1補助電極を連結する第4ビア電極と、を含み、
前記第1ビア電極は、前記第1方向に隣接した前記第3ビア電極と互いにずれて配置され、前記第2ビア電極は、前記第1方向に隣接した前記第4ビア電極と互いにずれて配置される、積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1ビア電極は、前記第1方向に隣接した前記第3ビア電極と前記第1方向に重ならず、
前記第2ビア電極は、前記第1方向に隣接した前記第4ビア電極と前記第1方向に重ならない、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
同一の第1誘電体層を貫通する前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極は、それぞれ複数個配置され、
同一の第2誘電体層を貫通する前記第3ビア電極及び前記第4ビア電極は、それぞれ複数個配置される、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記同一の第1誘電体層を貫通する複数の前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極は、それぞれ前記第2方向及び前記第3方向に配列され、
前記同一の第2誘電体層を貫通する複数の前記第3ビア電極及び前記第4ビア電極は、それぞれ前記第2方向及び前記第3方向に配列される、請求項14に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記第1誘電体層は、複数の前記第1ビア電極のうち、前記第2方向または第3方向に互いに隣接した2つの第1ビア電極の間に配置される第1領域と、複数の前記第2ビア電極のうち、前記第2方向または第3方向に互いに隣接した2つの第2ビア電極の間に配置される第2領域と、を含み、
複数の前記第3ビア電極は、前記第1領域と前記第1方向に重なり、
複数の前記第4ビア電極は、前記第2領域と前記第1方向に重なる、請求項15に記載の積層型電子部品。
【請求項17】
前記第1内部電極は、前記第3面で前記第1外部電極と連結され、
前記第2内部電極は、前記第4面で前記第2外部電極と連結される、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項18】
前記第1補助電極は、前記第4面で前記第2外部電極と連結され、
前記第2補助電極は、前記第3面で前記第1外部電極と連結される、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項19】
前記第1ビア電極の上面の幅は、前記第1ビア電極の下面の幅より広く、
前記第2ビア電極の上面の幅は、前記第2ビア電極の下面の幅より広く、
前記第3ビア電極の上面の幅は、前記第3ビア電極の下面の幅より広く、
前記第4ビア電極の上面の幅は、前記第4ビア電極の下面の幅より広い、請求項12に記載の積層型電子部品。
【請求項20】
前記本体は、前記第1誘電体層または第2誘電体層を挟んで第1内部電極及び第2内部電極が交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極は、前記第3面に配置され、前記第1面及び前記第2面の一部上に延び、
前記第2外部電極は、前記第4面に配置され、前記第1面及び前記第2面の一部上に延びており、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極または第2補助電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結構造物と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極または第1補助電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結構造物と、をさらに含む、請求項12から19のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項21】
前記本体は、前記第1誘電体層または第2誘電体層を挟んで第1内部電極及び第2内部電極が交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、それぞれ前記第2面に配置され、前記第1面には配置されず、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極または第2補助電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結構造物と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極または第1補助電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結構造物と、をさらに含む、請求項12から19のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項22】
前記本体は、前記第1誘電体層または第2誘電体層を挟んで第1内部電極及び第2内部電極が交互に配置される容量形成部と、前記容量形成部の前記第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第1面及び前記第2面にそれぞれ配置され、
前記第1面に配置された前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記第2面に配置された前記第1外部電極及び前記第2外部電極から離隔しており、
前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極または第2補助電極と前記第1外部電極とを連結する第1連結構造物と、前記カバー部を貫通し、前記第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極または第1補助電極と前記第2外部電極とを連結する第2連結構造物と、をさらに含む、請求項12から19のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項23】
連続的に供給される誘電体シートにビアを形成する段階と、
前記ビアに電極ペーストを充填する充填段階と、
前記誘電体シート上に、前記ビアと連結される内部電極パターンを印刷する印刷段階と、
前記内部電極パターンが印刷された誘電体シートを積層して積層体を形成する段階と、
前記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、
前記単位積層体を焼成して本体を得る段階と、
前記本体上に外部電極を形成する段階と、を含む、積層型電子部品の製造方法。
【請求項24】
前記ビアを形成する段階は、前記誘電体シートにレーザーを照射することで行われる、請求項23に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項25】
前記ビアを形成する段階は、前記誘電体シートを、外周面に凸部が配置されたインプリントローラーと当接させることで行われる、請求項23に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項26】
前記充填段階と印刷段階が同時に行われる、請求項23から25のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【請求項27】
前記充填段階と印刷段階が順に行われる、請求項23から25のいずれか一項に記載の積層型電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシター(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピューター、スマートフォン、及び携帯電話などの種々の電子製品のプリント回路基板に取り付けられ、電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサーである。MLCCは、小型でありながらも高容量が保障され、且つ実装が容易であるという利点を有するため、多様な電子装置の部品として用いられている。
【0003】
MLCCは、一般に、誘電体層と交互に配置される複数の内部電極を含む本体と、本体の外部に配置され、複数の内部電極と連結される外部電極と、から構成されている。
【0004】
一方、MLCCを製造するための焼成工程で、内部電極が収縮したり、本体にクラックが発生して、内部電極と外部電極の連結が切れる現象が発生することがある。かかる現象により、MLCCの容量が低下するという問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の様々な目的の1つは、機械的強度及び電気的特性に優れた積層型電子部品を提供することにある。
【0006】
但し、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、誘電体層、及び上記誘電体層を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極及び第2内部電極を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、上記第1面及び第2面と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、上記第1面~第4面と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を有する本体と、上記本体上に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極と、上記誘電体層を貫通し、上記第1方向に隣接した2つの上記第1内部電極を互いに連結する第1ビア電極と、上記誘電体層を貫通し、上記第1方向に隣接した2つの上記第2内部電極を互いに連結する第2ビア電極と、を含み、上記第1方向に隣接した2つの上記第1ビア電極は互いにずれて配置され、上記第1方向に隣接した2つの上記第2ビア電極は互いにずれて配置される、積層型電子部品を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態は、第1方向に互いに向かい合う第1面及び第2面、上記第1面及び第2面と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面及び第4面、上記第1面~第4面と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面及び第6面を有し、第1誘電体層、及び上記第1誘電体層上に上記第2方向に互いに離隔して配置された第1内部電極と第1補助電極を含む第1内部電極層、並びに、第2誘電体層、及び上記第2誘電体層上に上記第2方向に互いに離隔して配置された第2内部電極と第2補助電極を含む第2内部電極層を含み、上記第1内部電極層と第2内部電極層が上記第1方向に交互に配置される本体と、上記本体上に配置され、上記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極と、上記第1誘電体層を貫通し、上記第1内部電極と第2補助電極を連結する第1ビア電極と、上記第1誘電体層を貫通し、上記第1補助電極と第2内部電極を連結する第2ビア電極と、上記第2誘電体層を貫通し、上記第2補助電極と第1内部電極を連結する第3ビア電極と、上記第2誘電体層を貫通し、上記第2内部電極と第1補助電極を連結する第4ビア電極と、を含み、上記第1ビア電極は、上記第1方向に隣接した上記第3ビア電極と互いにずれて配置され、上記第2ビア電極は、上記第1方向に隣接した上記第4ビア電極と互いにずれて配置される、積層型電子部品を提供する。
【0009】
本発明の一実施形態は、連続的に供給される誘電体シートにビアを形成する段階と、上記ビアに電極ペーストを充填する充填段階と、上記誘電体シート上に、上記ビアと連結される内部電極パターンを印刷する印刷段階と、上記内部電極パターンが印刷された誘電体シートを積層して積層体を形成する段階と、上記積層体を切断して単位積層体を得る段階と、上記単位積層体を焼成して本体を得る段階と、上記本体上に外部電極を形成する段階と、を含む、積層型電子部品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の1つとして、機械的強度及び電気的特性に優れた積層型電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図2図1のI-I'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図3図1のII-II'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図4図2のIII-III'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図5図2のIV-IV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図6図3のV-V'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図7a図2の部分拡大断面図である。
図7b図2の部分拡大断面図である。
図7c図2の部分拡大断面図である。
図8】本発明の第1実施形態の第1変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図9図8のVI-VI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図10図9のVII-VII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図11】本発明の第1実施形態の第2変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図12図11のVIII-VIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図13図12のIX-IX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図14】本発明の第1実施形態の第3変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図15図14のX-X'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図16図15のXI-XI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図17】本発明の第1実施形態の第4変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図18図17のXII-XII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図19図18のXIII-XIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図20】本発明の第2実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図21】本発明の第2実施形態による積層型電子部品の本体を概略的に示した分解斜視図である。
図22図20のXIV-XIV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図23図22のXV-XV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図24】本発明の第2実施形態による積層型電子部品の第1内部電極層を概略的に示した平面図である。
図25】本発明の第2実施形態による積層型電子部品の第2内部電極層を概略的に示した平面図である。
図26】本発明の第2実施形態の第1変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図27図26のXVI-XVI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図28図27のXVII-XVII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図29】本発明の第2実施形態の第2変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図30図29のXVIII-XVIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図31図30のXIX-XIX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図32】本発明の第2実施形態の第3変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図である。
図33図32のXX-XX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図34図33のXXI-XXI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
図35】本発明の第1または第2実施形態による積層型電子部品を製造するための充填及び印刷段階を概略的に示した断面図である。
図36図35の変形例を示した断面図である。
図37図35の変形例を示した断面図である。
図38図35の変形例を示した断面図である。
図39】本発明の第1実施形態による積層型電子部品を製造するための積層体を形成する段階を概略的に示した断面図である。
図40】本発明の第2実施形態による積層型電子部品を製造するための積層体を形成する段階を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0014】
図面において、第1方向は厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義されることができる。
【0015】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図2図1のI-I'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図3図1のII-II'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図4図2のIII-III'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図5図2のIV-IV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図6図3のV-V'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図7aから7cは図2の部分拡大断面図である。
【0016】
以下、図1から図7cを参照して、本発明の第1実施形態による積層型電子部品100aについて詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシターについて説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、種々の積層型電子部品、例えば、インダクター、圧電体素子、バリスター、またはサーミスターなどにも適用可能である。
【0017】
積層型電子部品100aのサイズは特に制限されない。但し、積層型電子部品100aの第2方向における寸法(Lサイズ)は、例えば、0.2mm~3.2mmであり、積層型電子部品100aの第3方向における寸法(Wサイズ)は、例えば、0.1mm~2.5mmであり、積層型電子部品100aの第1方向における寸法(Tサイズ)は、例えば、0.05mm~2.5mmであることができる。
【0018】
本発明の第1実施形態による積層型電子部品100aは、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110と、外部電極131、132と、ビア電極141、142と、を含むことができる。
【0019】
本体110の具体的な形状は特に制限されないが、図示されたように、本体110は、六面体形状またはそれに類似の形状からなることができる。焼成過程における本体110の収縮や、本体110の角部への研磨工程により、本体110は、完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0020】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1面1及び第2面2と、第1面1及び第2面2と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面3及び第4面4と、第1面1、第2面2、第3面3及び第4面4と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面5及び第6面6と、を有することができる。
【0021】
本体110は、誘電体層111と、誘電体層111と交互に積層される内部電極121、122と、を含むことができる。本体110を成す複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111の間の境界は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いずには確認が困難な程に一体化されていることができる。
【0022】
誘電体層111は、例えば、ABOで表されるペロブスカイト型化合物を主成分として含むことができる。ABOで表されるペロブスカイト型化合物は、例えば、BaTiO、(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)、Ba(Ti1-yZr)O(0<y<1)、CaZrO、または(Ca1-xSr)(Zr1-yTi)O(0<x≦0.5、0<y≦0.5)であることができる。
【0023】
誘電体層111の平均厚さは特に制限されない。誘電体層111の平均厚さは、例えば、0.1μm~10μm、0.1μm~5μm、0.1μm~2μm、または0.1μm~0.4μmであることができる。
【0024】
本体110は、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができる。すなわち、互いに異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122が誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されることができる。第1内部電極121と第2内部電極122は、その間に配置された誘電体層111により互いに電気的に分離されることができる。
【0025】
第1内部電極121は、第4面4から離隔し、第3面3で第1外部電極131と連結されることができる。第2内部電極122は、第3面3から離隔し、第4面4で第2外部電極132と連結されることができる。
【0026】
内部電極121、122に含まれる金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、W、Ti、及びこれらの合金のうち一つ以上であり、より好ましくは、Niを含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0027】
内部電極121、122の平均厚さは特に制限されない。内部電極121、122の平均厚さは、例えば、0.1μm~3.0μm、0.1μm~1.0μm、または0.1μm~0.4μmであることができる。
【0028】
誘電体層111の平均厚さ及び内部電極121、122の平均厚さは、それぞれ誘電体層111及び内部電極121、122の第1方向における平均寸法を意味する。誘電体層111の平均厚さ及び内部電極121、122の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的に、一つの誘電体層111の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定した後、平均値を取ることで、誘電体層111の平均厚さを測定することができる。また、一つの内部電極121、122の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定した後、平均値を取ることで、内部電極121、122の平均厚さを測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。一方、このような平均値の測定を、それぞれ10個の誘電体層111及び10個の内部電極121、122に対して行った後、平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さ及び内部電極121、122の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0029】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで第1内部電極121及び第2内部電極122が第1方向に交互に配置され、容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部112、113と、を含むことができる。カバー部112、113は、内部電極を含まないことを除き、誘電体層111と類似の構成を有することができる。
【0030】
カバー部112、113の平均厚さは特に制限されない。カバー部112、113の平均厚さは、例えば、40μm以下、30μm以下、または20μm以下であることができる。カバー部112、113の平均厚さは、例えば、5μm以上、または10μm以上であることができる。ここで、カバー部112、113の平均厚さは、第1カバー部112及び第2カバー部113のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0031】
カバー部112、113の平均厚さは、カバー部112、113の第1方向における平均寸法を意味し、本体110の第3方向の中央で切断した第1方向及び第2方向の断面において、第2方向に等間隔である5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向における寸法を平均した値であることができる。
【0032】
本体110は、容量形成部Acの第3方向に向かい合う両面上に配置されるマージン部114、115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、本体110を第1方向及び第3方向に切断した断面において、内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。マージン部114、115は、内部電極121、122を含まないことを除き、誘電体層111と類似の構成を有することができる。
【0033】
マージン部114、115の平均厚さは特に制限されない。マージン部114、115の平均厚さは、例えば、40μm以下、20μm以下、または15μm以下であることができる。マージン部114、115の平均厚さは、例えば、2μm以上、または10μm以上であることができる。ここで、マージン部114、115の平均厚さは、第1マージン部114及び第2マージン部115のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0034】
マージン部114、115の平均厚さは、マージン部114、115の第3方向における平均寸法を意味し、本体110の第2方向の中央で切断した第1方向及び第3方向の断面において、第1方向に等間隔である5個の地点で測定したマージン部114、115の第3方向における寸法を平均した値であることができる。
【0035】
第1外部電極131及び第2外部電極132は、本体110上に配置され、第1内部電極121及び第2内部電極122とそれぞれ連結されることができる。第1外部電極131は第3面3に配置され、第1面1及び第2面2の一部上に延びることができ、第2外部電極132は第4面4に配置され、第1面1及び第2面2の一部上に延びることができる。第1外部電極131及び第2外部電極132は、それぞれ第5面5及び第6面6の一部上にも延びることができる。
【0036】
外部電極131、132の種類は特に制限されず、多層構造を有してもよい。外部電極131、132は、例えば、内部電極121、122と接触する基礎電極層と、上記基礎電極層上に配置されるめっき層と、を含むことができる。上記基礎電極層は、例えば、焼成電極層、導電性樹脂層、及び薄膜電極層のうち一つ以上を含むことができる。
【0037】
上記焼成電極層は、金属及びガラスを含むことができる。上記焼成電極層に含まれる金属は、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb、及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。上記基礎電極層に含まれるガラスは、Ba、Ca、Zn、Al、B、及びSiのうち一つ以上の酸化物を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0038】
上記導電性樹脂層は、金属粒子及び樹脂を含むことができる。上記導電性樹脂層に含まれている金属粒子は、球状粒子及びフレーク状粒子のうち一つ以上を含むことができる。ここで、球状粒子は、完全な球状ではない形態も含むことができ、例えば、長軸と短軸の長さの割合(長軸/短軸)が1.45以下である形態を含むことができる。フレーク状粒子は、平らで且つ長い形態を有する粒子を意味し、例えば、長軸と短軸の長さの割合(長軸/短軸)が1.95以上であることができる。上記導電性樹脂層に含まれている金属粒子は、例えば、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb、Sn、及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。上記導電性樹脂層に含まれている樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロースのうち一つ以上を含むことができる。
【0039】
上記導電性樹脂層は、例えば、導電性高分子からなってもよい。上記導電性高分子は、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、PEDOT:PSSのうち一つ以上を含むことができる。
【0040】
上記薄膜電極層は、例えば、電解めっき法、無電解めっき法、原子層蒸着(ALD)工法、化学気相蒸着(CVD)工法、及び/またはスパッタリング(Sputtering)工法などにより形成されることができる。
【0041】
上記基礎電極層は、例えば、上記焼成電極層であることができ、上記焼成電極層及び導電性樹脂層が順に積層された形態であってもよく、上記薄膜電極層及び焼成電極層が順に積層された形態であってもよい。
【0042】
上記めっき層は実装特性を向上させることができる。上記めっき層は、例えば、Ni、Sn、Pd、及び/またはこれらの合金を含むことができ、複数の層から形成されてもよい。上記めっき層は、例えば、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、Niめっき層及びSnめっき層が順に形成された形態であってもよい。また、上記めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含んでもよい。
【0043】
図面では、積層型電子部品100aが2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、これに限定されるものではなく、外部電極131、132の個数や形状などは、内部電極121、122の形態やその他の目的によって変わり得る。
【0044】
本発明の第1実施形態による積層型電子部品100aは、誘電体層111を貫通し、第1方向に隣接した2つの第1内部電極121を互いに連結する第1ビア電極141と、誘電体層111を貫通し、第1方向に隣接した2つの第2内部電極122を連結する第2ビア電極142と、を含むことができる。第1ビア電極141は、複数の第1内部電極121のうち互いに隣接したものを連結し、第2ビア電極142は、複数の第2内部電極122のうち互いに隣接したものを連結することができる。
【0045】
第1ビア電極141は、例えば、誘電体層111のうち第3面3と隣接した領域を貫通することができる。第1ビア電極141は、第3面3と第2内部電極122が第2方向に離隔した領域(以下、第1マージン領域という)を貫通することができる。
【0046】
第2ビア電極142は、例えば、誘電体層111のうち第4面4と隣接した領域を貫通することができる。第2ビア電極142は、第4面4と第1内部電極121が第2方向に離隔した領域(以下、第2マージン領域という)を貫通することができる。
【0047】
従来は、焼成工程での内部電極の収縮や、本体に発生するクラックなどにより、内部電極と外部電極との連結が切れるという問題が発生していた。複数の内部電極のうち、外部電極との連結が切れた内部電極の個数が増加するほど、積層型電子部品の容量が低下する。
【0048】
これに対し、本発明の第1実施形態によると、一部の内部電極121、122が焼成工程により収縮し、第3面3または第4面4で外部電極131、132との接触が切れても、該当内部電極は、ビア電極141、142及び他の層の内部電極121、122を介して外部電極131、132と電気的に連結されることができる。これにより、積層型電子部品100aの容量が低下することを防止することができる。
【0049】
本発明の第1実施形態によると、第1方向に隣接した2つの第1ビア電極141は互いにずれて配置されることができ、第1方向に隣接した2つの第2ビア電極142は互いにずれて配置されることができる。ここで、第1方向に隣接した2つのビア電極は、本体の第1方向及び第2方向の断面または本体の第1方向及び第3方向の断面において、同一の内部電極の上面と接触する1つのビア電極と、上記同一の内部電極の下面と接触する他の1つのビア電極を意味することができる。また、上記上面及び下面と接触するビア電極がそれぞれ複数個存在する場合、第1方向に隣接した2つのビア電極は、同一の内部電極の上面と接触する1つのビア電極と、上記同一の内部電極の下面と接触する複数のビア電極のうち上記1つのビア電極と第2または第3方向に最も隣接した他の1つのビア電極を意味することができる。
【0050】
図7aを参照すると、第1方向に隣接した2つのビア電極141が互いにずれて配置されるとは、例えば、本体110の第1方向及び第2方向の断面において、一つのビア電極141の、隣接した2つの内部電極121とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線L1と、他の一つのビア電極141の、隣接した2つの内部電極121とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線L2と、が互いに一致しないことを意味することができる。
【0051】
第1方向に隣接した2つのビア電極141、142が互いにずれて配置されることで、上記マージン領域内でビア電極141、142が分散配置されることができる。これにより、ビア電極141、142は、上記マージン領域を効果的に支持することができる。すなわち、上記マージン領域と容量形成部Acとの内部電極121、122の積層数の差による段差、上記マージン領域内でビア電極141、142が配置された領域とビア電極141、142が配置されていない領域との密度差、または外部応力により、上記マージン領域が凹陥する現象を抑えることができる。
【0052】
一実施態様において、第1方向に隣接した2つの第1ビア電極141は、第1方向に互いに重ならず、第1方向に隣接した2つの第2ビア電極142は、第1方向に互いに重ならないことができる。
【0053】
第1方向に隣接した2つのビア電極141、142が第1方向に互いにずれて配置される場合、本発明で意図する積層型電子部品100aの機械的強度の改善効果を発揮することができるが、第1方向に隣接した2つのビア電極141、142が第1方向に互いに重ならない場合、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0054】
図7aを参照すると、第1方向に隣接した2つのビア電極が第1方向に互いに重ならないとは、一つのビア電極の幅が最大である地点で上記一つのビア電極と接する第1方向への仮想線TLが、他の一つのビア電極と交差しないことを意味する。
【0055】
一実施態様において、同一の誘電体層111を貫通する第1ビア電極141及び第2ビア電極142は、それぞれ複数個配置されることができる。同一の誘電体層111を貫通する複数の第1ビア電極141及び第2ビア電極142は、例えば、それぞれ第2方向及び第3方向に配列されることができる。
【0056】
図5及び図6を参照すると、同一の誘電体層111を貫通する複数の第1ビア電極141は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第1格子パターンLP1または第3格子パターンLP3を成すことができる。
【0057】
第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3は、本体110内で第1内部電極121を挟んで互いに交互に配置されることができる。第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3は、第1方向に互いに重ならないことができる。すなわち、それぞれ千鳥状に配列された複数の第1ビア電極141を含む第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3が第1方向に互いに重ならないことで、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0058】
同様に、同一の誘電体層111を貫通する複数の第2ビア電極142は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第2格子パターンLP2または第4格子パターンLP4を成すことができる。
【0059】
第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4は、本体110内で第2内部電極122を挟んで互いに交互に配置されることができる。第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4は、第1方向に互いに重ならないことができる。すなわち、それぞれ千鳥状に配列された複数の第2ビア電極142を含む第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4が第1方向に互いに重ならないことで、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0060】
一つの格子パターンLP1、LP2、LP3、LP4を成すビア電極141、142の個数は特に制限されず、積層型電子部品100aのサイズやビア電極141、142のサイズなどによって変わり得る。例えば、一つの格子パターンLP1、LP2、LP3、LP4を成すビア電極141、142の個数は、5個以上1000個以下であることができる。
【0061】
図7b及び図7cを参照すると、一実施態様において、第1ビア電極141は、複数個の第1単位ビアUV1が第1方向に積層された形態であり、第2ビア電極142は、複数個の第2単位ビアUV2が第1方向に積層された形態であることができる。ビア電極141、142は、例えば、ビアが形成された複数個の誘電体シートを積層することで形成されることができ、これにより、複数個の単位ビアUV1、UV2が第1方向に積層された形態を有することができる。
【0062】
ビア電極141、142は、例えば、ビアが形成された複数個の誘電体シートを積層して形成されるため、積層された複数個の単位ビアUV1、UV2は、互いに完璧にアラインされないことがある。これにより、積層された複数個の第1単位ビアUV1のそれぞれの中心軸CA1は互いに一致せず、積層された複数個の第2単位ビアUV2のそれぞれの中心軸CA2は互いに一致しないことがある。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、積層された複数個の単位ビアUV1、UV2のそれぞれの中心軸CA1、CA2は、互いに一致してもよい。
【0063】
一実施態様において、第1単位ビアUV1の上面の幅は第1単位ビアUV1の下面の幅より広く、第2単位ビアUV2の上面の幅は第2単位ビアUV2の下面の幅より広いことができる。
【0064】
後述のように、誘電体シートに形成されるビアは、例えば、誘電体シートにレーザーを照射することで形成されることができる。この時、レーザー光のエネルギー量は、上記レーザーが照射される誘電体シートの一面から反対の他面に向かって低くなることができる。これにより、第1単位ビアUV1の幅は、第1単位ビアUV1の上面から第1単位ビアUV1の下面に隣接するにつれて次第に細くなり、第2単位ビアUV2の幅は、第2単位ビアUV2の上面から第2単位ビアUV2の下面に隣接するにつれて次第に細くなることができる。
【0065】
但し、本発明がこれに限定されるものではなく、レーザーの照射条件を調節することで、単位ビアUV1、UV2の断面は台形だけでなく多様な形態を有することができ、単位ビアUV1、UV2の側壁は曲面を有してもよい。
【0066】
一方、単位ビアUV1、UV2の最大幅は、積層型電子部品100aのサイズや誘電体層111の厚さなどによって変わり得る。単位ビアUV1、UV2の最大幅は特に制限されないが、例えば、0.03μm~3.0μmであることができる。
【0067】
図8は本発明の第1実施形態の第1変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図9図8のVI-VI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図10図9のVII-VII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0068】
以下、図8から図10を参照して、本発明の第1実施形態の第1変形例による積層型電子部品100bについて説明する。図1から図7cで説明した積層型電子部品100aの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0069】
積層型電子部品100bは、カバー部112、113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極121と第1外部電極131とを連結する第1連結電極151と、カバー部112、113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極122と第2外部電極132とを連結する第2連結電極152と、を含むことができる。第1連結電極151及び第2連結電極152は、第1カバー部112及び第2カバー部113にそれぞれ配置されることができる。
【0070】
連結電極151、152は、例えば、ビアが形成されたカバー部形成用シートを2層以上積層することで形成されることができる。これにより、連結電極151、152は、複数の単位ビアが第1方向に積層された形態を有することができる。連結電極151、152を成す単位ビアの個数は特に制限されず、上記カバー部形成用シートの枚数によって変わり得る。
【0071】
連結電極151、152の個数や配置形態は特に制限されず、連結電極151、152は、第1カバー部112及び第2カバー部113にそれぞれ1個または複数個配置されることができる。
【0072】
連結電極151、152は、第1方向を基準として最外側に配置された内部電極121、122と、外部電極131、132のうち第1面1または第2面2上に延びた領域とを連結することで、積層型電子部品100bの電流経路(current path)を増加させることができ、結果として、積層型電子部品100bの等価直列抵抗(ESR)を低減させることができる。
【0073】
図11は本発明の第1実施形態の第2変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図12図11のVIII-VIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図13図12のIX-IX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0074】
以下、図11から図13を参照して、本発明の第1実施形態の第2変形例による積層型電子部品100cについて説明する。図1から図10で説明した積層型電子部品100a、100bの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0075】
積層型電子部品100cの外部電極131c、132cは、下面電極構造を有することができる。例えば、第1外部電極131c及び第2外部電極132cは、それぞれ第2面2に配置され、第1面1には配置されないことができる。第1外部電極131c及び第2外部電極132cは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6上に配置されないことができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、第1外部電極131c及び第2外部電極132cは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6のうち少なくとも一つの面上に延びてもよい。
【0076】
積層型電子部品100cは、カバー部113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極121cと第1外部電極131cとを連結する第1連結電極151と、カバー部113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極122cと第2外部電極132cとを連結する第2連結電極152と、を含むことができる。第1連結電極151及び第2連結電極152は、第2カバー部113に配置され、第1カバー部112には配置されないことができる。
【0077】
内部電極121c、122cは、例えば、第3面3、第4面4、第5面5第6面6から離隔して配置されてもよい。内部電極121c、122cは本体110の外表面に露出せず、これにより、積層型電子部品100cの耐湿信頼性が低下することを防止することができる。
【0078】
外部電極131c、132cが第2面2のみに配置されることで、積層型電子部品100cの小型化を実現することができ、積層型電子部品100cの歪み強度を改善することができる。
【0079】
図14は本発明の第1実施形態の第3変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図15図14のX-X'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図16図15のXI-XI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0080】
以下、図14から図16を参照して、本発明の第1実施形態の第3変形例による積層型電子部品100dについて説明する。図1から図13で説明した積層型電子部品100a、100b、100cの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0081】
積層型電子部品100dの第1外部電極131dは第1面1及び第2面2にそれぞれ配置されることができ、第2外部電極132dは第1面1及び第2面2にそれぞれ配置されることができる。第1面1に配置された第1外部電極131d及び第2外部電極132dは、第2面2に配置された第1外部電極131d及び第2外部電極132dから離隔して配置されることができる。第1外部電極131c及び第2外部電極132cは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6上に配置されないことができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、第1外部電極131d及び第2外部電極132dは、第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6のうち少なくとも一つの面上に延びてもよい。
【0082】
積層型電子部品100dは、カバー部112、113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極121dと第1外部電極131dとを連結する第1連結電極151と、カバー部112、113を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極122dと第2外部電極132dとを連結する第2連結電極152と、を含むことができる。第1連結電極151及び第2連結電極152は、第1カバー部112及び第2カバー部113にそれぞれ配置されることができる。
【0083】
内部電極121d、122dは、第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6から離隔して配置されてもよい。内部電極121d、122dは本体110の外表面に露出せず、これにより、積層型電子部品100dの耐湿信頼性が低下することを防止することができる。
【0084】
また、積層型電子部品100dは、外部電極131d、132dが第1面1及び第2面2にそれぞれ配置されることで、積層型電子部品100cと比べて実装便宜性を確保することができる。
【0085】
図17は本発明の第1実施形態の第4変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図18図17のXII-XII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図19図18のXIII-XIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0086】
以下、図17から図19を参照して、本発明の第1実施形態の第4変形例による積層型電子部品100eについて説明する。図1から図7cで説明した積層型電子部品100aの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0087】
積層型電子部品100eの第1ビア電極141eは、複数個の第1単位ビアUV1が第1方向に積層された形態を有することができ、第2ビア電極142eは、複数個の第2単位ビアUV2が第1方向に積層された形態を有することができる。
【0088】
積層型電子部品100eの本体110は、第1内部電極121から第2方向に離隔して配置され、第1方向に積層された複数個の第2単位ビアUV2の間に配置される第1補助電極123と、第2内部電極122から第2方向に離隔して配置され、第1方向に積層された複数個の第1単位ビアUV1の間に配置される第2補助電極124と、を含むことができる。
【0089】
第1補助電極123は、第4面4で第2外部電極132と連結されることができ、第2補助電極124は、第3面3で第1外部電極131と連結されることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、第1補助電極123は第4面4から離隔して配置されてもよく、第2補助電極124は第3面3から離隔して配置されてもよい。
【0090】
第1補助電極123は、複数の第2ビア電極142eと連結されることができ、第2補助電極124は、複数の第1ビア電極141eと連結されることができる。例えば、同一の誘電体層111を貫通する複数の第2ビア電極142eは同一の第1補助電極123を貫通することができ、同一の誘電体層111を貫通する複数の第1ビア電極141eは同一の第2補助電極124を貫通することができる。
【0091】
補助電極123、124が配置されることで、容量形成部Acとの積層数の差による段差の発生を抑えることができ、これにより、上記マージン領域が凹陥する現象をより効果的に抑えることができる。また、補助電極123、124を適宜配置させることで、ビア電極141e、142eを構成する単位ビアUV1、UV2のアラインがずれても、隣接した内部電極121、122間の電気的連結を安定して確保することができる。
【0092】
補助電極123、124に含まれる金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、W、Ti、及びこれらの合金のうち一つ以上であることができる。補助電極123、124は、内部電極121、122と同一の金属を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0093】
一方、互いに異なる極性の電圧が印加される内部電極121、122と補助電極123、124との接触による段落を防止するために、第1内部電極121と第1補助電極123との間の第2方向における距離または第2内部電極122と第2補助電極124との間の第2方向における距離は、第1内部電極121と第4面4との間の距離または第2内部電極122と第3面3との間の距離の10%~90%であることが好ましい。
【0094】
(第2実施形態)
図20は本発明の第2実施形態による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図21は本発明の第2実施形態による積層型電子部品の本体を概略的に示した分解斜視図であり、図22図20のXIV-XIV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図23図22のXV-XV'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図24は本発明の第2実施形態による積層型電子部品の第1内部電極層を概略的に示した平面図であり、図25は本発明の第2実施形態による積層型電子部品の第2内部電極層を概略的に示した平面図である。
【0095】
以下、図20から図25を参照して、本発明の第2実施形態による積層型電子部品200aについて説明する。図1から図6で説明した積層型電子部品100aの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0096】
本発明の第2実施形態による積層型電子部品200aは、本体210と、外部電極231、232と、ビア電極241、242、243、244と、を含むことができる。
【0097】
本体210は、第1方向に互いに向かい合う第1面1及び第2面2と、第1面1及び第2面2と連結されて第2方向に互いに向かい合う第3面3及び第4面4と、第1面1、第2面2、第3面3及び第4面4と連結されて第3方向に互いに向かい合う第5面5及び第6面6と、を有することができる。
【0098】
本体210は、第1方向に交互に配置された第1内部電極層220aと第2内部電極層220bを含むことができる。
【0099】
第1内部電極層220aは、第1誘電体層211a、及び第1誘電体層211a上に第2方向に互いに離隔して配置された第1内部電極221と第1補助電極223を含むことができる。
【0100】
第2内部電極層220bは、第2誘電体層211b、及び第2誘電体層211b上に第2方向に互いに離隔して配置された第2内部電極222と第2補助電極224を含むことができる。
【0101】
第1内部電極221は、第3面3で第1外部電極231と連結されることができ、第2内部電極222は、第4面4で第2外部電極232と連結されることができる。第1内部電極221の一部は第2内部電極222と第1方向に重なることで、積層型電子部品200aの容量を形成することができる。
【0102】
第1補助電極223は、第4面4で第2外部電極232と連結されることができ、第2補助電極224は、第3面3で第1外部電極231と連結されることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、第1補助電極223は、第2外部電極232から離隔して配置されてもよく、第2補助電極224は、第1外部電極231から離隔して配置されてもよい。
【0103】
一方、第1内部電極221の上記第2方向における寸法は第1補助電極223の第2方向における寸法より大きく、第2内部電極222の第2方向における寸法は第2補助電極224の第2方向における寸法より大きいことができる。
【0104】
本体210は、本体210の内部に配置され、第1誘電体層211aまたは第2誘電体層211bを挟んで第1内部電極221及び第2内部電極222が交互に配置され、容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向に向かい合う両面上に配置されるカバー部212、213と、を含むことができる。また、本体210は、容量形成部Acの第3方向に向かい合う両面上に配置されるマージン部214、215を含むことができる。
【0105】
第1外部電極231及び第2外部電極232は本体210上に配置され、第1内部電極221及び第2内部電極222とそれぞれ連結されることができる。第1外部電極231は第3面3に配置され、第1面1及び第2面2の一部上に延びることができ、第2外部電極232は第4面4に配置され、第1面1及び第2面2の一部上に延びることができる。第1外部電極231及び第2外部電極232は、それぞれ第5面5及び第6面6の一部上にも延びることができる。
【0106】
外部電極231、232は、例えば、内部電極221、222と接触する基礎電極層と、上記基礎電極層上に配置されるめっき層と、を含むことができる。上記基礎電極層は、例えば、焼成電極層、導電性樹脂層、及び薄膜電極層のうち一つ以上の層を含むことができる。
【0107】
本発明の第2実施形態による積層型電子部品200aは、第1誘電体層211aを貫通し、第1内部電極221と第2補助電極224を連結する第1ビア電極241と、第1誘電体層211aを貫通し、第1補助電極223と第2内部電極222を連結する第2ビア電極242と、第2誘電体層211bを貫通し、第2補助電極224と第1内部電極221を連結する第3ビア電極243と、第2誘電体層211bを貫通し、第2内部電極222と第1補助電極223を連結する第4ビア電極244と、を含むことができる。
【0108】
第1ビア電極241は、例えば、第1誘電体層211aのうち第3面3と隣接した領域を貫通することができ、第2ビア電極242は、例えば、第1誘電体層211aのうち第4面4と隣接した領域を貫通することができる。第1誘電体層211aのうち第3面3と隣接した領域は、第1誘電体層211aのうち第3面3と容量形成部Acとの間の領域(以下、第1マージン領域という)を意味し、第1誘電体層211aのうち第4面4と隣接した領域は、第1誘電体層211aのうち第4面4と容量形成部Acとの間の領域(以下、第2マージン領域という)を意味することができる。
【0109】
第3ビア電極243は、例えば、第2誘電体層211bのうち第3面3と隣接した領域を貫通することができ、第4ビア電極244は、例えば、第2誘電体層211bのうち第4面4と隣接した領域を貫通することができる。第2誘電体層211bのうち第3面3と隣接した領域は、第2誘電体層211bのうち第3面3と容量形成部Acとの間の領域(以下、第3マージン領域という)を意味し、第2誘電体層211bのうち第4面4と隣接した領域は、第2誘電体層211bのうち第4面4と容量形成部Acとの間の領域(以下、第4マージン領域という)を意味することができる。
【0110】
本発明の第2実施形態によると、一部の内部電極221、222が焼成工程により収縮し、第3面3または第4面4で外部電極231、232との接触が切れても、該当内部電極221、222は、ビア電極241、242、243、244と他の層の内部電極221、222または補助電極224、223を介して外部電極231、232と電気的に連結されることができる。これにより、積層型電子部品200aの容量が低下することを防止することができる。
【0111】
本発明の第2実施形態によると、第1ビア電極241は、第1方向に隣接した第3ビア電極243と互いにずれて配置され、第2ビア電極242は、第1方向に隣接した第4ビア電極244と互いにずれて配置されることができる。
【0112】
第1方向に隣接した第1ビア電極241と第3ビア電極243が互いにずれて配置されるとは、本体210の第1方向及び第2方向の断面(例えば、図22)または本体210の第1方向及び第3方向の断面(例えば、図23)において、第1ビア電極241の、第1内部電極221及び第2補助電極224とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線が、第3ビア電極243の、第2補助電極224及び第1内部電極221とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線と互いに一致しないことを意味することができる。
【0113】
同様に、第1方向に隣接した第2ビア電極242と第4ビア電極244が互いにずれて配置されるとは、本体210の第1方向及び第2方向の断面または本体210の第1方向及び第3方向の断面において、第2ビア電極242の、第1補助電極223及び第2内部電極222とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線が、第4ビア電極244の、第2内部電極222及び第1補助電極223とそれぞれ接触する上面及び下面の1/2地点を結ぶ仮想線と互いに一致しないことを意味することができる。
【0114】
第1方向に隣接した第1ビア電極241と第3ビア電極243が互いにずれて配置されることで、上記第1マージン領域及び第3マージン領域内で第1ビア電極241及び第3ビア電極243が分散配置されることができる。これにより、第1ビア電極241及び第3ビア電極243は、上記第1マージン領域及び第3マージン領域を効果的に支持することができる。すなわち、上記第1マージン領域及び第3マージン領域内で第1ビア電極241及び第3ビア電極243が配置された領域と第1ビア電極241及び第3ビア電極243が配置されていない領域との密度差や外部応力により、上記第1マージン領域及び第3マージン領域が凹陥する現象を抑えることができる。
【0115】
同様に、第1方向に隣接した第2ビア電極242と第4ビア電極244が互いにずれて配置されることで、上記第2マージン領域及び第4マージン領域内で第2ビア電極242及び第4ビア電極244が分散配置されることができる。これにより、第2ビア電極242及び第4ビア電極244は、上記第2マージン領域及び第4マージン領域を効果的に支持することができる。すなわち、上記第2マージン領域及び第4マージン領域内で第2ビア電極242及び第4ビア電極244が配置された領域と第2ビア電極242及び第4ビア電極244が配置されていない領域との密度差や外部応力により、上記第2マージン領域及び第4マージン領域が凹陥する現象を抑えることができる。
【0116】
一実施態様において、第1ビア電極241は、第1方向に隣接した第3ビア電極243と第1方向に重ならず、第2ビア電極242は、第1方向に隣接した第4ビア電極244と第1方向に重ならないことができる。
【0117】
第1方向に隣接した第1ビア電極241と第3ビア電極243が第1方向に互いにずれて配置され、第1方向に隣接した第2ビア電極242と第4ビア電極244が第1方向に互いにずれて配置される場合、本発明で意図する積層型電子部品200aの機械的強度の改善効果を発揮することができるが、第1ビア電極241が第1方向に隣接した第3ビア電極243と第1方向に重ならず、第2ビア電極242が第1方向に隣接した第4ビア電極244と第1方向に重ならない場合、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0118】
また、本発明の第2実施形態による積層型電子部品200aは、補助電極223、224を含むことで、第1ビア電極241と第3ビア電極243が第1方向に互いに重ならないか、第2ビア電極242と第4ビア電極244が第1方向に互いに重ならなくても、隣接した同一極性の内部電極221、222間の電気的連結を確保することができる。
【0119】
一実施態様において、同一の第1誘電体層211aを貫通する第1ビア電極241及び第2ビア電極242は、それぞれ複数個配置されることができ、同一の第2誘電体層211bを貫通する第3ビア電極243及び第4ビア電極244は、それぞれ複数個配置されることができる。同一の第1誘電体層211aを貫通する複数の第1ビア電極241及び第2ビア電極242は、例えば、それぞれ第2方向及び第3方向に配列されることができ、同一の第2誘電体層211bを貫通する複数の第3ビア電極243及び第4ビア電極244は、それぞれ第2方向及び第3方向に配列されることができる。
【0120】
図24及び図25を参照すると、同一の第1誘電体層211aを貫通する複数の第1ビア電極241は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第1格子パターンLP1を成すことができ、同一の第1誘電体層211aを貫通する複数の第2ビア電極242は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第2格子パターンLP2を成すことができる。
【0121】
同一の第2誘電体層211bを貫通する複数の第3ビア電極243は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第3格子パターンLP3を成すことができ、同一の第2誘電体層211bを貫通する複数の第4ビア電極244は、第2方向及び第3方向を基準として互いにずれて配列されることで、第4格子パターンLP4を成すことができる。
【0122】
第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3は、本体210内で、第1内部電極221または第2補助電極224を挟んで互いに交互に配置されることができる。第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3は、第1方向に互いに重ならないことができる。すなわち、千鳥状に配列された複数の第1ビア電極241及び第3ビア電極243をそれぞれ含む第1格子パターンLP1及び第3格子パターンLP3が第1方向に互いに重ならないことで、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0123】
第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4は、本体210内で、第2内部電極222または第1補助電極223を挟んで互いに交互に配置されることができる。第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4は、第1方向に互いに重ならないことができる。すなわち、千鳥状に配列された複数の第2ビア電極242及び第4ビア電極244をそれぞれ含む第2格子パターンLP2及び第4格子パターンLP4が第1方向に互いに重ならないことで、本発明の機械的強度の改善効果がより顕著になることができる。
【0124】
例えば、第1誘電体層211aは、複数の第1ビア電極241のうち第2方向または第3方向に互いに隣接した2つの第1ビア電極241の間に配置される第1領域R1と、複数の第2ビア電極242のうち第2方向または第3方向に互いに隣接した2つの第2ビア電極242の間に配置される第2領域R2と、を含むことができる。複数の第3ビア電極243は第1領域R1と第1方向に重なり、複数の第4ビア電極244は第2領域R2と第1方向に重なることができる。
【0125】
図22及び図23を参照すると、一実施態様において、第1ビア電極241の上面の幅は第1ビア電極241の下面の幅より広く、第2ビア電極242の上面の幅は第2ビア電極242の下面の幅より広く、第3ビア電極243の上面の幅は第3ビア電極243の下面の幅より広く、第4ビア電極244の上面の幅は第4ビア電極244の下面の幅より広いことができる。
【0126】
誘電体シートに形成されるビアは、例えば、誘電体シートにレーザーを照射することで形成されることができる。この時、レーザー光のエネルギー量は、上記レーザーが照射される誘電体シートの一面から反対の他面に向かって低くなることができる。これにより、第1ビア電極241の幅は、第1内部電極221から第2補助電極224に隣接するにつれて次第に細くなり、第2ビア電極242の幅は、第1補助電極223から第2内部電極222に隣接するにつれて次第に細くなり、第3ビア電極243の幅は、第2補助電極224から第1内部電極221に隣接するにつれて次第に細くなり、第4ビア電極244の幅は、第2内部電極222から第1補助電極223に隣接するにつれて次第に細くなることができる。
【0127】
一方、ビア電極241、242、243、244の最大幅は、積層型電子部品200aのサイズや誘電体層211a、211bの厚さなどによって変わり得る。ビア電極241、242、243、244の最大幅は、特に制限されないが、例えば、0.03μm~3.0μmであることができる。
【0128】
図26は本発明の第2実施形態の第1変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図27図26のXVI-XVI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図28図27のXVII-XVII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0129】
以下、図26から図28を参照して、本発明の第2実施形態の第1変形例による積層型電子部品200bについて説明する。図20から図25で説明した積層型電子部品200aの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0130】
積層型電子部品200bは、第1連結構造物251及び第2連結構造物252を含むことができる。第1連結構造物251及び第2連結構造物252は、第1カバー部212及び第2カバー部213にそれぞれ配置されることができる。
【0131】
第1連結構造物251は、カバー部212、213を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極221または第2補助電極224と第1外部電極231とを連結することができる。
【0132】
第2連結構造物252は、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極222または第1補助電極223と第2外部電極232とを連結することができる。
【0133】
第1連結構造物251は、第1方向に交互に配置された第1連結電極251aと第1ダミー電極251bを含むことができる。第2連結構造物252は、第1方向に交互に配置された第2連結電極252aと第2ダミー電極252bを含むことができる。第1ダミー電極251bは、第3面3で第1外部電極231と連結されることができ、第2ダミー電極252bは、第4面4で第2外部電極232と連結されることができる。
【0134】
連結構造物251、252は、補助電極223、224及びビア電極241、242、243、244と類似の方式により形成されることができる。例えば、連結構造物251、252は、ビアが形成されたカバー部形成用シート上にダミー電極パターンを形成し、上記ダミー電極パターンが形成されたカバー部形成用シートを2層以上積層することで形成されることができる。
【0135】
連結構造物251、252は、補助電極223、224及びビア電極241、242、243、244と類似の構造を有することができる。
【0136】
例えば、第1方向に隣接した2つの第1連結電極251aは互いにずれて配置されることができ、第1方向に隣接した2つの第2連結電極252aは互いにずれて配置されることができる。
【0137】
例えば、第1連結電極251a及び第2連結電極252aはそれぞれ複数個配置されることができる。同一のレベルに配置された複数の第1連結電極251a及び第2連結電極252aは、それぞれ第2方向及び第3方向に配列されることができる。第1連結電極251aは、前述の第1格子パターンまたは第3格子パターンを有することができ、第2連結電極252aは、前述の第2格子パターンまたは第4格子パターンを有することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0138】
第1連結構造物251は、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極221または第2補助電極224と、第1外部電極231のうち第1面1または第2面2上に延びた領域とを連結することができる。また、第2連結構造物252は、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極222または第1補助電極223と、第2外部電極232のうち第1面1または第2面2上に延びた領域とを連結することができる。これにより、積層型電子部品200bの電流経路を増加させることができ、結果として、積層型電子部品200bのESRを低減させることができる。また、連結構造物251、252は、積層型電子部品200bの機械的強度をさらに効果的に改善することができる。
【0139】
図29は本発明の第2実施形態の第2変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図30図29のXVIII-XVIII'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図31図30のXIX-XIX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0140】
以下、図29から図31を参照して、本発明の第2実施形態の第2変形例による積層型電子部品200cについて説明する。図20から図28で説明した積層型電子部品200a、200bの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0141】
積層型電子部品200cの外部電極231c、232cは、下面電極構造を有することができる。例えば、第1外部電極231c及び第2外部電極232cは、それぞれ第2面2に配置され、第1面1には配置されないことができる。第1外部電極231c及び第2外部電極232cは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6上に配置されないことができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、第1外部電極231c及び第2外部電極232cは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6のうち少なくとも一つの面上に延びてもよい。
【0142】
積層型電子部品200cは、カバー部213を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極221cまたは第2補助電極224cと第1外部電極231cとを連結する第1連結構造物251と、カバー部213を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極222cまたは第1補助電極223cと第2外部電極232cとを連結する第2連結構造物252と、を含むことができる。第1連結構造物251及び第2連結構造物252は、第2カバー部213に配置され、第1カバー部212には配置されないことができる。
【0143】
内部電極221c、222c及び補助電極223c、224cは、それぞれ第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6から離隔して配置されることができる。内部電極221c、222c及び補助電極223c、224cはそれぞれ本体210の外表面に露出せず、これにより、積層型電子部品200cの耐湿信頼性が低下することを防止することができる。
【0144】
外部電極231c、232cが第2面2のみに配置されることで、積層型電子部品200cの小型化を実現することができ、積層型電子部品200cの歪み強度を改善することができる。
【0145】
図32は本発明の第2実施形態の第3変形例による積層型電子部品を概略的に示した斜視図であり、図33図32のXX-XX'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図であり、図34図33のXXI-XXI'に沿って切断した断面を概略的に示した断面図である。
【0146】
以下、図32から図34を参照して、本発明の第2実施形態の第3変形例による積層型電子部品200dについて説明する。図20から図31で説明した積層型電子部品200a、200b、200cの構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0147】
積層型電子部品200dの第1外部電極231dは第1面1及び第2面2にそれぞれ配置されることができ、第2外部電極232dは第1面1及び第2面2にそれぞれ配置されることができる。第1面1に配置された第1外部電極231d及び第2外部電極232dは、第2面2に配置された第1外部電極231d及び第2外部電極232dから離隔して配置されることができる。第1外部電極231d及び第2外部電極232dは第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6上に配置されないことができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、第1外部電極231d及び第2外部電極232dは、第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6のうち少なくとも一つの面上に延びてよい。
【0148】
積層型電子部品200dは、カバー部212、213を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第1内部電極221dまたは第2補助電極224dと第1外部電極231dとを連結する第1連結構造物251と、カバー部212、213を貫通し、第1方向を基準として最外側に配置された第2内部電極222dまたは第1補助電極223dと第2外部電極232dとを連結する第2連結構造物252と、を含むことができる。第1連結構造物251及び第2連結構造物252は、第1カバー部212及び第2カバー部213にそれぞれ配置されることができる。
【0149】
内部電極221d、222d及び補助電極223d、224dは、それぞれ第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6から離隔して配置されることができる。
【0150】
積層型電子部品200dは、第1面1及び第2面2にそれぞれ配置された外部電極231d、232dを含むことで、積層型電子部品200cと比べて実装便宜性を確保することができる。
【0151】
(積層型電子部品の製造方法)
図35は本発明の第1または第2実施形態による積層型電子部品を製造するための充填及び印刷段階を概略的に示した断面図である。
【0152】
以下、図35を参照して、本発明の第1実施形態または第2実施形態による積層型電子部品100a、200aを製造する方法の一例について説明する。
【0153】
一方、積層型電子部品の製造方法を第1実施形態または第2実施形態による積層型電子部品100a、200aを基準として説明するが、これは、第1実施形態の第1~第4変形例による積層型電子部品100b、100c、100d、100eと第2実施形態の第1~第3変形例による積層型電子部品200b、200c、300dにも、矛盾しない限り、そのまま適用可能である。
【0154】
以下、積層型電子部品の製造方法を各段階別に説明する。
【0155】
(誘電体シート準備段階)
先ず、誘電体シート10を形成するための誘電体粉末を準備する。上記誘電体粉末の例示として、BaTiO、(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)、Ba(Ti1-yZr)O(0<y<1)、CaZrO、または(Ca1-xSr)(Zr1-yTi)O(0<x≦0.5、0<y≦0.5)などが挙げられる。BaTiO粉末は、例えば、二酸化チタンなどのチタン原料と、炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させることで合成されることができる。上記誘電体粉末の合成方法としては、例えば、固相法、ゾルゲル法、水熱合成法などが挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0156】
次に、準備された誘電体粉末を乾燥及び粉砕した後、エタノールなどの有機溶剤及びポリビニルブチラールなどのバインダーを混合して誘電体スラリーを製造した後、上記誘電体スラリーをキャリアーフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥することで、誘電体シート10を製造することができる。
【0157】
誘電体シート10は、後述の単位積層体の焼成により、誘電体層を形成することができる。
【0158】
(ビア形成段階)
製造された誘電体シート10は、例えば、誘電体シート10が巻き取られている供給ローラー(不図示)から、誘電体シート10を巻き戻す回収ローラー(不図示)に移動することで、連続的に供給されることができる。
【0159】
この時、連続的に供給される誘電体シート10にビア20を形成することができる。ビア20を形成する段階は、例えば、誘電体シート10にレーザーを照射することで行われることができる。上記レーザーは、誘電体シート10上に配置されたレーザー装置50から照射されたものであることができる。
【0160】
レーザー装置50の種類は特に制限されず、例えば、COレーザー、YAGレーザー、フェムト秒レーザー、またはピコ秒UVレーザーなどを用いることができる。ビア20は、レーザー加工により形成されることで、レーザーが照射される誘電体シート10の一面から反対の他面に向かって幅が次第に減少するテーパ状を有することができる。
【0161】
(充填段階)
次に、ビア20に電極ペーストEPを充填する充填段階を行うことができる。電極ペーストEPは、例えば、金属粉末、バインダー、有機溶剤などを含むことができる。
【0162】
ビア20に電極ペーストEPを充填する方法は特に限定されない。例えば、図35に示したように、誘電体シート10は、塗布ローラー61とシリンダー71との間を通過することができる。 塗布ローラー61は電極ペーストEPと接触することができ、塗布ローラー61の回転駆動により、塗布ローラー61の外周面に形成されている凹部(不図示)に電極ペーストEPが充填されることができる。
【0163】
一方、塗布ローラー61とシリンダー71は互いに反対方向に回転することで、誘電体シート10に圧力を加えることができる。上記圧力により、塗布ローラー61の外周面に塗布された電極ペーストEPが、移動する誘電体シート10に形成されているビア20の内部に充填されることができる。ビア20内に充填された電極ペーストEPは、後述の単位積層体の焼成によりビア電極を形成することができる。
【0164】
塗布ローラー61の外表面に塗布された余分の電極ペーストEPは、ドクターブレードDBを用いて除去することができる。
【0165】
(印刷段階)
誘電体シート10上に、ビア20と連結される内部電極パターン30を印刷する印刷段階を行うことができる。内部電極パターン30を形成する方法は特に制限されない。例えば、内部電極パターン30は、塗布ローラー61とシリンダー71を用いて形成することができる。すなわち、上記印刷段階は、塗布ローラー61の外周面に電極ペーストEPを供給する段階と、誘電体シート10を塗布ローラー61と当接させて誘電体シート10上に電極ペーストEPを塗布する段階と、を含むことができる。
【0166】
この場合、塗布ローラー61の外表面に形成されている凹部(不図示)の形態を調節することで、ビア20の内部を電極ペーストEPで充填すると同時に、内部電極パターン30を形成することができる。すなわち、一実施態様において、上記充填段階と印刷段階は同時に行われることができる。印刷された内部電極パターン30は、乾燥装置などを用いて乾燥することができる。
【0167】
内部電極パターン30は、後述の単位積層体の焼成により内部電極を形成することができる。また、図示していないが、単位積層体の焼成により、補助電極を形成する補助電極パターンも内部電極パターン30と同様の方法により形成することができる。
【0168】
(積層段階)
図39は本発明の第1実施形態による積層型電子部品を製造するための積層体を形成する段階を概略的に示した断面図である。
【0169】
先ず、第1実施形態による積層型電子部品を製造するための積層段階について説明する。
【0170】
図39に示したように、内部電極パターン30が印刷された誘電体シート10をキャリアーフィルムから剥離した後、所定の枚数だけ積層することで、積層体を形成することができる。
【0171】
第1実施形態による積層型電子部品100aを形成するための積層体は、互いに異なる誘電体シート10に形成されたビア20が第1方向に積層されて互いに接触することができる。第1方向に積層されたビア20は、焼成によりビア電極141、142を形成するようになる。
【0172】
この場合、ビア電極141、142を形成するために、積層段階で、互いに異なる誘電体シート10に形成されているビア20同士のアラインを一致させる必要があるが、ビア20がテーパ状を有することで、より容易にアラインを一致させることができる。
【0173】
一方、本発明の第1実施形態の第4変形例による積層型電子部品100dを形成するために、誘電体シート10上には補助電極パターンが形成されることができる。この場合、互いに異なる誘電体シート10に形成されているビア20同士のアラインを一致させる必要がないため、工程便宜性を確保することができる。
【0174】
図40は本発明の第2実施形態による積層型電子部品を製造するための積層体を形成する段階を概略的に示した断面図である。
【0175】
以下、図40を参照して、第2実施形態による積層型電子部品を製造するための積層段階について説明する。
【0176】
図40に示したように、内部電極パターン30及び補助電極パターン40が印刷された誘電体シート10をキャリアーフィルムから剥離した後、所定の枚数だけ積層することで、積層体を形成することができる。補助電極パターン40は、第2方向に隣接した2つの内部電極パターン30の間に形成されることができる。
【0177】
第2実施形態による積層型電子部品200aを形成するための積層体は、補助電極パターン40を含むことから、互いに異なる誘電体シート10に形成されているビア20同士のアラインを一致させる必要がないため、工程便宜性を確保することができる。
【0178】
上記積層体の第1方向の上下部には、焼成後にカバー部を形成するために、内部電極パターン及び補助電極パターンが形成されていないカバー部形成用シートを所定の層数だけ積層することができる。
【0179】
一方、本発明の第1実施形態の第1~第3変形例による積層型電子部品100b、100c、100dを形成するために、上記積層体の第1方向の上下部には、ビアが形成されたカバー部形成用シートを所定の層数だけ積層することもできる。
【0180】
また、本発明の第2実施形態の第1~第3変形例による積層型電子部品200b、200c、200dを製造するために、上記積層体の第1方向の上下部には、ビア及びダミー電極パターンが形成されたカバー部形成用シートを所定の層数だけ積層することもできる。
【0181】
(切断及び焼成段階)
その後、上記積層体を圧着した後、図39及び図40に示したように、複数の切断ラインCLに沿って切断することで、単位積層体を得ることができる。
【0182】
また、上記単位積層体を焼成して本体を得ることができる。上記焼成は、例えば、1000℃以上1400℃以下の温度で行われることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0183】
(外部電極形成段階)
その後、上記本体上に外部電極を形成することができる。外部電極を形成する方法は特に制限されない。
【0184】
外部電極が焼成電極層を含む場合、外部電極形成段階は、本体を金属粉末及びガラスフリット、バインダー、及び有機溶剤などを含む焼成ペーストにディッピングした後、上記焼成ペーストを500℃~900℃の温度で焼成する工程を含むことができる。
【0185】
但し、本発明がこれに限定されるものではなく、下面電極構造を有する本発明の第1及び第2実施形態の第2及び第3変形例による積層型電子部品100c、100d、200c、200dを製造するために、外部電極形成段階は、金属を含むシートを本体に転写する工程を含んでもよい。
【0186】
外部電極が導電性樹脂層を含む場合、外部電極形成段階は、本体を金属粉末、樹脂、バインダー、及び有機溶剤などを含む導電性樹脂組成物にディッピングした後、250℃~550℃の温度で硬化熱処理する工程を含むことができる。
【0187】
外部電極が薄膜電極層を含む場合、外部電極形成段階は、電解めっき法、無電解めっき法、原子層蒸着(ALD)工法、化学気相蒸着(CVD)工法、及び/またはスパッタリング(Sputtering)工法などを行う工程を含むことができる。
【0188】
また、電解めっき法及び/または無電解めっき法をさらに行うことで、めっき層を形成することができる。
【0189】
図36から図38図35の変形例を示した断面図である。
【0190】
以下、図36から図38を参照して、本発明の第1実施形態または第2実施形態による積層型電子部品を製造する方法の変形例について説明する。
【0191】
図35で説明した構成と同一/類似の構成には同一/類似の参照符号を用い、重複説明は省略する。
【0192】
図36を参照すると、ビア20を形成する段階は、誘電体シート10を、外周面に凸部81が配置されたインプリントローラー80と当接させることで行われることができる。
【0193】
具体的に、誘電体シート10は、インプリントローラー80とシリンダー72との間を通過することができる。この時、インプリントローラー80とシリンダー72は互いに反対方向に回転することで、誘電体シート10に圧力を加えることができる。上記圧力と凸部81により、誘電体シート10にビア20が形成されることができる。
【0194】
インプリントローラー80の外周面に形成された凸部81は、ビア電極の格子パターンと対応するパターンを有することができる。
【0195】
図37を参照すると、誘電体シート10にレーザーを照射してビア20を形成した後、塗布ローラー61とシリンダー71を用いて、ビア20に電極ペーストEPを充填することができる。
【0196】
その後、塗布ローラー62とシリンダー73を用いて誘電体シート10上に電極ペーストEPを塗布することで、内部電極パターン30を別途形成することができる。すなわち、上記充填段階と印刷段階が順に行われることができる。
【0197】
図38を参照すると、誘電体シート10に、外周面に凸部81が配置されたインプリントローラー80とシリンダー72を用いてビア20を形成した後、塗布ローラー61とシリンダー71を用いてビア20に電極ペーストEPを充填することができる。
【0198】
具体的に、誘電体シート10は、インプリントローラー80とシリンダー72との間を通過することができる。この時、インプリントローラー80とシリンダー72は互いに反対方向に回転することで、誘電体シート10に圧力を加えることができ、これにより、誘電体シート10にビア20を形成することができる。
【0199】
次に、塗布ローラー62とシリンダー73を用いて誘電体シート10上に電極ペーストEPを塗布することで、内部電極パターン30を別途形成することができる。すなわち、上記充填段階と印刷段階が順に行われることができる。
【0200】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0201】
一方、本発明で用いられた一実施例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一実施例は、他の実施例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の実施例で説明されていなくても、他の実施例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の実施例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0202】
本開示において、連結されるという意味は、直接的に連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結される場合と連結されない場合の両方を含む概念である。
【0203】
また、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分させるために用いられ、該当構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から外れることなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して、第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【符号の説明】
【0204】
100a、100b、100c、100d、100e、200a、200b、200c、200d 積層型電子部品
110、210 本体
111、211a、211b 誘電体層
112、113、212、213 カバー部
114、115、214、215 マージン部
121、122、221、222 内部電極
123、124、223、224 補助電極
131、132、231、232 外部電極
141、142、241、242、243、244 ビア電極
151、152 連結電極
251、252 連結構造物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40