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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025084219
(43)【公開日】2025-06-03
(54)【発明の名称】通信装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20250527BHJP
   H04W 72/04 20230101ALI20250527BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20250527BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20250527BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W72/04
H04W8/22
H04W84/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197950
(22)【出願日】2023-11-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】示沢 寿之
(72)【発明者】
【氏名】市川 遊
(72)【発明者】
【氏名】内山 博允
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067LL11
(57)【要約】
【課題】センシング技術と通信技術の効果的な融合を実現可能な通信装置、及び通信方法を提案する。
【解決手段】通信装置は、無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行うシグナリング部と、前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行うセンシング部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行うシグナリング部と、
前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行うセンシング部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記センシング信号は、複数の通信主体から送信される、或いは、複数の通信主体へ送信される、マルチスタティックセンシングのための信号であり、
前記複数の通信主体には、前記一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つが含まれる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の通信主体は、前記複数の他の通信装置のうちの複数の装置であり、
前記シグナリング部は、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングを前記複数の通信主体の少なくとも1つと行い、
前記センシング部は、前記シグナリングの後に、前記複数の通信主体への前記センシング信号の送信、又は前記複数の通信主体からの前記センシング信号の受信、を行う、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記シグナリング部は、前記複数の他の通信装置それぞれの前記マルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を前記シグナリングにより取得し、
前記センシング部は、前記ケイパビリティ情報に基づき前記複数の他の通信装置の中から選択された前記複数の装置に対し前記センシング信号を送信する、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記シグナリング部は、前記通信装置の前記マルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を、前記シグナリングにより、前記複数の装置の少なくとも1つに送信する、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置のうちの前記複数の通信主体以外の装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記複数の通信主体には、前記他の端末装置が含まれ、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記端末装置又は前記他の端末装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記端末装置又は前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行い、前記通信装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行わない、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項8】
前記複数の他の通信装置の少なくとも1つとのシグナリングの結果に基づいて、前記複数の他の通信装置のうちから複数の装置を前記複数の通信主体として動的に選択する選択部、を備える、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、基地局又は端末装置であり、
前記複数の他の通信装置には、基地局及び端末装置の少なくとも一方が含まれる、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項10】
前記センシング信号は、前記通信装置が送受信する、モノスタティックセンシングのための信号である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記センシング信号の送信及び受信を行い、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記センシング信号の送信及び受信を行わない、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項13】
前記センシング信号は、前記通信装置から一の通信主体へ送信される、或いは、一の通信主体から前記通信装置へ送信される、バイスタティックセンシングのための信号である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項14】
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置のうちの前記一の通信主体以外の装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は、基地局又は端末装置であり、
前記一の通信主体は、他の基地局又は他の端末装置である、
請求項13に記載の通信装置。
【請求項16】
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記一の通信主体は、前記他の端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記端末装置又は前記他の端末装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記端末装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行い、前記通信装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行わない、
請求項15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つに対して、前記センシング信号の受信の結果をフィードバックするフィードバック部、を備える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項18】
前記フィードバック部は、前記センシング信号、及び該センシング信号を送信するための無線通信リソース、の少なくとも一方に基づき決まるリソースを使って前記センシング信号の受信の結果をフィードバックする、
請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記フィードバック部は、前記基地局に対して、前記他の端末装置からの前記センシング信号の受信の結果をフィードバックする、
請求項17に記載の通信装置。
【請求項20】
無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行い、
前記一又は複数の他の通信装置との前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル技術の急速な進化によって、センシング技術と通信技術の融合が重要となっている。この融合に関する動向の一例として、ISAC(Integrated Sensing and Communication)が知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TR 22.837 V19.1.0 (2023-09), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group TSG SA; Feasibility Study on Integrated Sensing and Communication (Release 19)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の通信技術に、単純にセンシング技術を適用しただけでは、センシング技術と通信技術の効果的な融合は達成できない。一例として、センシング技術とセルラー通信技術との融合を考える。セルラー通信では、複数の通信装置の連携により無線通信ネットワークを実現する。しかし、従来のセルラー通信技術のままでは、適用するセンシング技術によって、複数の通信装置間の連携がうまくいかなくなる可能性がある。
【0005】
そこで、本開示では、センシング技術と通信技術の効果的な融合を実現可能な通信装置、及び通信方法を提案する。
【0006】
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信装置は、無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行うシグナリング部と、前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行うセンシング部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】モノスタティックセンシングを説明するための図である。
図2】バイスタティックセンシングを説明するための図である。
図3】マルチスタティックセンシングを説明するための図である。
図4】マルチスタティックセンシングを説明するための図である。
図5】マルチスタティックセンシングを説明するための図である。
図6】本実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図7】本開示の実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
図8】本実施形態に係る管理装置の構成を示す図である。
図9】本実施形態に係る基地局の構成を示す図である。
図10】本実施形態に係る端末装置の構成を示す図である。
図11】第1のセンシングシナリオを説明するための図である。
図12】第2のセンシングシナリオを説明するための図である。
図13】第3のセンシングシナリオを説明するための図である。
図14】第4のセンシングシナリオを説明するための図である。
図15】第5のセンシングシナリオを説明するための図である。
図16】第6のセンシングシナリオを説明するための図である。
図17】センシング結果のフィードバックを説明するための図である。
図18】モノスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。
図19】バイスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。
図20】マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオを説明するための図である。
図21】マルチスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。
図22】第1の動作例に係るセンシング動作を説明するための図である。
図23】TCIを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
また、本明細書(description/specification)及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて端末装置40、40、及び40のように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置40、40、及び40を特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置40と称する。
【0011】
また、本明細書(description/specification)において、要素の列挙を伴う「の少なくとも1つ(at least one of)」の表現は、列挙された要素を選択肢とする表現と理解される。例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C)」は、「A」、「B」、「C」、「AとB」、「AとC」、「BとC」、又は「AとBとC」を表す。「A、B、又はCの少なくとも1つ(at least one of A, B, or C)」、及び「A、B、及び/又はCの少なくとも1つ(at least one of A, B, and/or C)」も、「A、B、及びCの少なくとも1つ」と同様である。ここで、A、B、及びCは、いずれも任意の表現(例えば、単語(word)、語句(phrase)、用語(term)、又は項目(item))である。
【0012】
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例を含む。)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0013】
<<1.概要>>
まず、本実施形態の概要を説明する。
【0014】
<1-1.課題>
近年のデジタル技術の急速な進化によって、センシング技術と通信技術の融合が重要となっている。この融合に関する動向の一例として、ISAC(Integrated Sensing and Communication)が知られている。ISACでは、例えば、通信装置は、異なる種類のセンシングデータをリアルタイムに収集し、処理し、通信技術を通じて他の装置と情報を共有する。センシング技術と通信技術の融合により、多岐にわたる分野で革命的な変化がもたらされる可能性がある。
【0015】
しかしながら、従来の通信技術に、単純にセンシング技術を適用しただけでは、センシング技術と通信技術の効果的な融合は達成できない。
【0016】
一例として、センシング技術とセルラー通信技術との融合を考える。セルラー通信では、複数の通信装置の連携により無線通信ネットワークを実現する。しかし、従来のセルラー通信技術のままでは、適用するセンシング技術によって、複数の通信装置間の連携がうまくいかなくなる可能性がある。
【0017】
例えば、ある通信装置が、セルラー通信のための無線通信リソース(以下、無線リソース、又は単にリソースともいう。)を使って、周囲の物体を検出するためのセンシング信号を送信したとする。センシング信号は、センシングに用いられる信号である。この場合、センシング信号の送信に関する情報を、他の通信装置(例えば、同一セル内の他の通信装置)が事前に得ていないと、例えばセンシング信号が他の通信装置のセルラー通信及び/又はセンシングに干渉することにより、セルラー通信及び/又はセンシングが混乱する可能性がある。
【0018】
そこで、本実施形態では、以下の通り上記課題を解決する。
【0019】
<1-2.ISAC、TCI、及びQCL>
解決手段の概要を説明する前に、ISAC(Integrated Sensing and Communication)、TCI(Transmission Configuration Indicator)、及びQCL(Quasi-co-location)について説明する。
【0020】
<1-2-1.ISACについて>
まず、ISAC(Integrated Sensing and Communication)について説明する。
【0021】
ISACの主な役割として、まず、センシングデータの収集が挙げられる。通信装置は、異なる種類のセンサを用いて、例えば環境の変化及び/又は物体の挙動など、さまざまな現象を監視する。これにより、通信装置は、リアルタイムにデータを収集し、物理世界の状況を正確に捉えることが可能になる。
【0022】
次に、ISACの役割として、データの処理と変換が挙げられる。通信装置は、収集されたデータを、解析及び/又はパターン認識などの処理を通じて、有益な情報に変換する。例えば、環境モニタリングでは、通信装置は、センシングデータから気温や湿度の傾向を把握し、将来の気象予測に活用する。
【0023】
さらに、ISACの役割として、通信技術を通じたデータの共有が挙げられる。通信装置は、通信技術を通じて、センシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)を適切な場所及び/又はデバイスに送信する。リアルタイムでの情報共有により、遠隔地でのモニタリングや制御が可能となる。結果として、各種問題への迅速な対応が可能となる。
【0024】
ISACは、スマートシティのインフラ管理、産業の自動化、医療のモニタリングなど、多くの分野で重要となると想定される。データの統合と共有により、より効率的な運用、及び/又は、より効率的なデータ駆動型の意思決定、が実現しうる。
【0025】
(センシング技術について)
本実施形態において、センシング技術には、物理的な現象の検出/測定のための技術が含まれる。ISACにおいて、センシング技術は、環境及び/又は物体の変化を検知し、それをデジタルデータとして収集するための重要な要素となる。
【0026】
以下の説明では、通信装置が備える一又は複数のセンシング機能が検出するデータのことを、センシングデータということがある。前述又は後述において、センシングデータは3GPPセンシングデータ又はnon-3GPPセンシングデータであってもよい。3GPPセンシングデータは、センシングを目的として、対象物や環境によって影響を受けた(反射、屈折、回折など)3GPP無線信号から得られるデータを意味する。non-3GPPセンシングデータは、3GPP以外のセンサ(例えば、ビデオ、LiDAR、ソナーなど)がセンシングのために対象物や環境について提供するデータを意味する。センシング機能は、通信装置が備える一又は複数のセンサにより実現されてもよい。センシング機能を備える通信装置は、センシング送信機(Sensing Transmitter)若しくはセンシング受信機(Sensing Receiver)又はその両方であってもよい。センシング送信機は、センシングサービスがその動作で使用するセンシング信号を送信するエンティティである。センシング送信機はRANノード(e.g., 前述又は後述の基地局30)またはUE(e.g., 前述又は後述の端末装置40)の一部である。センシング送信機は、センシング受信機と同じエンティティに配置されることもあれば、異なるエンティティに配置されることもある。センシング受信機は、センシングサービスがその動作で使用するセンシング信号を受信するエンティティである。センシング受信機はRANノード(e.g., 前述又は後述の基地局30)またはUE(e.g., 前述又は後述の端末装置40)の一部である。センシング受信機は、センシング送信機と同じまたは異なるエンティティに配置される。以下の説明で登場するセンシングデータは、センシング情報、検出データ、又は検出情報と言い換えることができる。
【0027】
なお、本実施形態において、センシングには、以下の(1)~(5)の少なくとも1つが含まれていてもよい。以下の説明で登場する「検出」のワードは「測定」に置き換え可能である。また、以下の説明で登場する「通信装置」のワードは「情報処理装置」に置き換え可能である。
【0028】
(1)温度検出
通信装置は、温度センサが検出した環境の温度データをセンシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)として収集してもよい。通信装置は、この収集したデータを、例えば、気象予報及び/又はエネルギー管理などに活用してもよい。
【0029】
(2)湿度検出
通信装置は、湿度センサが検出した空気中の湿度データをセンシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)として収集してもよい。通信装置は、この収集したデータを、例えば、室内の快適性制御及び/又は農業の管理などに活用してもよい。
【0030】
(3)光検出
通信装置は、光センサが検出した光の強度及び/又は明るさのデータをセンシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)として収集してもよい。通信装置は、この収集したデータを、例えば、照明制御及び/又は環境モニタリングなどに活用してもよい。
【0031】
(4)加速度検出
通信装置は、加速度センサが検出した物体の加速度及び/又は振動のデータをセンシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)として収集してもよい。通信装置は、この収集したデータを、例えば、運動センシング及び/又は機器の健全性診断などに活用してもよい。
【0032】
(5)位置検出
通信装置は、位置センサ(例えば、GPSセンサなどのGNSSセンサ)が検出した物体の位置データをセンシングデータ(又は、センシングデータに基づくデータ)として収集してもよい。通信装置は、この収集したデータを、例えば、物体の移動の追跡などに活用してもよい。
【0033】
なお、本実施形態のセンシングは、上述の(1)~(5)の例に限定されない。本実施形態のセンシングは、例えば、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つの検出に係るセンシングであってもよい。勿論、本実施形態のセンシングは、これら以外のセンシングであってもよい。
【0034】
(セルラー通信システムにおけるISAC)
セルラー通信技術は、例えば、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置することで端末装置の移動通信を可能にする無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)である。セルラー通信システムは、セルラー通信技術を使って端末装置の移動通信を可能にする通信システムである。
【0035】
セルラー通信システムには、第3世代移動通信システム(いわゆる3G)、及び第4世代移動通信システム(いわゆる4G)のみならず、第5世代移動通信システム(いわゆる5G)も含まれる。5Gは、2018年にRel-15として最初の規格が策定された。5Gは、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、mMTC(Massive Machine Type Communications)、及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を含む様々なユースケースに対応できる無線アクセス技術である。
【0036】
セルラー通信システムには、第6世代移動通信システム(いわゆる6G)が含まれていてもよい。6Gは、5Gの次の世代システムである。6Gは、5Gのさらなる進化を追求する無線通信システムとして検討されている。なお、セルラー通信システムには、6Gのみならず、B5G(Beyond 5G)が含まれていてもよい。
【0037】
5G、B5G、および6Gにおける高速通信、低遅延、及び多接続性は、ISACに関するユースケースが要求する条件を満たす。そのため、セルラー通信システム(例えば、5G、B5G、および6G)とISACとの親和性は高い。特に、セルラー通信システムにおいて、ISACによるセンシング技術は、無線通信の制御に重要な要素となりうる。
【0038】
例えば、5Gにおけるセンシングは、5Gワイヤレスセンシングと呼ばれてもよい。5Gワイヤレスセンシングは、環境および/または環境内の物体の特性に関する情報を取得するための技術として、無線周波数を使用して物体の距離(範囲)、角度、瞬間線速度(instantaneous linear velocity)などが決定されてもよい。無線周波数を使用センシング機能(無線周波数センシング機能)は、ネットワーク内のデバイス(e.g., 基地局30、端末装置40)を介してオブジェクトを接続する必要がないため、デバイスフリーのオブジェクト位置特定のためのサービスを提供できる。信号強度、遅延、ドップラー、角度スペクトル情報などのパラメータの推定は、センシング信号(e.g., NR無線周波数信号)を使用して、RANノード(e.g., 前述又は後述の基地局30)またはUE(e.g., 前述又は後述の端末装置40)によって送受信される散乱および反射された無線周波数信号から取得されてもよい。これらの無線周波数信号を処理することにより、物体の位置、速度、幾何学的情報などの特徴を抽出し、コンテキスト情報とともにさまざまなアプリケーションにさらに公開(expose)され得る。無線周波数信号から距離、速度、角度の情報を取得する機能により、さまざまな物体検出、物体認識(車両、人間、動物、UAVなど)、高精度の位置特定、追跡などの幅広い新機能が提供され得る。
【0039】
ISACによるセンシング技術の導入により、セルラー通信システムは、通信装置の周囲の状況、及び/又は、通信装置の通信環境、を高度に監視し、データをリアルタイムに収集することができる。これにより、セルラー通信システムは、通信環境の変動及び/又は障害の存在を迅速に検出し、適切な対応をとることが可能となる。例えば、セルラー通信システムは、センシングデータによって電波の干渉及び/又は障害物の影響を検知し、通信チャネル及び/又は周波数帯域を最適化することができる。
【0040】
また、セルラー通信システムは、センシング技術によって収集されたデータを、通信ネットワークの最適化及び/又は質の向上に活用できる。例えば、セルラー通信システムは、センシングデータに基づきリアルタイムにネットワークの監視を行うことにより、通信の帯域幅の調整、及び/又は、デバイスの接続制御の最適化、を行うことができる。これにより、ユーザエクスペリエンスの向上が実現する。
【0041】
さらに、セルラー通信システムは、センシング技術によって収集されたデータを、ネットワークスライシングに役立てることができる。例えば、セルラー通信システムは、センシングデータに基づきカスタマイズされたネットワーク環境を構築することにより、異なるアプリケーション/サービスに対して、最適な通信環境を提供できる。
【0042】
また、セルラー通信システムは、センシング技術によって収集されたデータを、セキュリティ強化に役立てることができる。セルラー通信システムは、異常な動作及び/又は攻撃の兆候をセンシング技術によって検出して早期に警告を発することで、ネットワークの保護、及び/又は、セキュリティ対策の強化、を実現できる。
【0043】
すなわち、セルラー通信システムにおいて、ISACは、通信ネットワークの品質向上、運用の最適化、又はセキュリティの強化などに役立つ。セルラー通信システムにおいて、ISACは、より信頼性の高い通信環境の構築に重要な要素となりうる。
【0044】
<1-2-2.TCI及びQCL>
次に、TCI(Transmission Configuration Indicator)及びQCL(Quasi-co-location)について説明する。
【0045】
5Gでは、TCI(Transmission Configuration Indication)に基づいて、信号及び/又はチャネルの受信処理を制御することが検討されている。ここで、受信処理は、例えば、受信、デマッピング、復調、及び復号の少なくとも1つであってもよい。ここで、TCIとは、信号及び/又はチャネルのQCL(Quasi-Co-Location)に関する情報である。TCIとは、空間受信パラメータ、又は空間関係情報(spatial relation info)などと称呼されてもよい。TCIは、チャネルごと又は信号ごとに通信装置に設定されてもよい。
【0046】
QCLは、信号及び/又はチャネルの統計的性質を示す。例えば、QCLは、アンテナポート間の関係性を示す。例えば、特定のチャネル特性に基づいて異なるアンテナポート間での信号の伝達を推測することができる場合、その関係は準同置(QCL:Quasi-Co-Location)であるとみなすことができる。換言すると、1つのアンテナポート上での信号の特性から他のアンテナポート上での信号の特性を推測できる場合、その関係はQCLであるとみなすことできる。例えば、ある信号及び/又はチャネルと他の信号及び/又はチャネルがQCLである場合、これら異なる複数の信号及び/又はチャネル間において、ドップラーシフト(doppler shift)、ドップラー拡散(doppler spread)、平均遅延(average delay)、遅延拡散(delay spread)、空間パラメータ(Spatial parameter)の少なくとも1つが同一であると仮定できる。
【0047】
例えば、基準信号XとYが、同じアンテナアレイから送信され、さらに、それらの信号に同じ空間フィルタが適用されたとする。この場合、基準信号Xと基準信号Yは、類似のチャネル特性を持つ。そのため、受信側の通信装置(以下、受信装置ともいう。)は、基準信号Xのチャネル特性を用いて基準信号Yを検出することができる。このような場合、基準信号Xと基準信号YはQCLであるとみなすことができる。
【0048】
ここで、基準信号Xは、CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)又はSSB(SS(Synchronization Signal)/PBCH(Physical Broadcast Channel) Block)などの信号とすることができる。また信号Yは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、又はPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)などのチャネルとすることができる。例えば、所定のCSI-RSと所定のPDCCHがQCLである場合、受信装置は、そのPDCCHを受信するための所定のチャネル特性が、CSI-RSの所定のチャネル特性と同じであるものとして、PDCCHの受信処理を実行することができる。
【0049】
QCLに関するチャネル特性は、以下の(1)~(5)に示す複数のチャネル特性の一部または全部であってもよい。
【0050】
(1)ドップラーシフト(doppler shift)
ドップラーシフトは、通信装置の移動による波長の変化を指す。ドップラーシフトは、速度に応じて、送信信号の周波数が変化する現象である。
【0051】
(2)ドップラース拡散(doppler spread)
ドップラースプレッドは、例えば、送信信号と受信信号の周波数の差を時間的に表現したものである。ドップラースプレッドは、受信信号の広がりを示す。
【0052】
(3)平均遅延(average delay)
平均遅延は、例えば、マルチパス伝播による信号の到達時間の平均値を示す。
【0053】
(4)遅延拡散(delay spread)
遅延拡散(遅延分散)は、例えば、初めのマルチパス成分と最後の成分との到達時間差を示す。
【0054】
(5)空間パラメータ(Spatial parameter)
空間パラメータは、ビームフォーミングに関連する情報である。空間パラメータは、空間受信パラメータ(Spatial Rx Parameter)であってもよい。このとき、空間受信パラメータは、受信装置の受信ビーム(例えば、受信アナログビーム)に対応してもよい。この場合、受信装置は、空間パラメータに基づいてビームを特定してもよい。
【0055】
QCLタイプとして、複数のタイプが規定されてもよい。例えば、QCLタイプとして、パラメータセットが異なる以下の4つのQCLタイプが規定されてもよい。
【0056】
(1)QCLタイプA
パラメータセット:ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、及び遅延拡散
【0057】
(2)QCLタイプB
パラメータセット:ドップラーシフト、及びドップラー拡散
【0058】
(3)QCLタイプC
パラメータセット:ドップラーシフト、及び平均遅延
【0059】
(4)QCLタイプD
パラメータセット:空間パラメータ
【0060】
TCI(Transmission Configuration Indicator)は、上記のQCLについて通知するための情報である。TCIは、例えば、DCI(Downlink Control Information)のメッセージ内で動的に送信される。TCIには、DL(Downlink)のRS(Reference Signal)セット内のRS間のQCL関係などの情報が含まれていてもよい。
【0061】
<1-4.解決手段の概要>
以上を前提に、本実施形態の解決手段の概要を説明する。
【0062】
本実施形態の通信システムは、複数の通信装置(例えば、端末装置、及び/又は、基地局)を備えるセルラー通信システムである。複数の通信装置は、それぞれ、セルラー通信のための無線通信部(例えば、3GPPのトランシーバ)を備える。なお、本実施形態の通信装置は、端末装置および基地局とは異なる装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信装置は、端末装置が備える少なくとも一部の機能、及び/又は、基地局が備える少なくとも一部の機能、を少なくとも備える装置であってもよい。例えば、本実施形態の通信装置は、所定の信号をリピートまたはリレーする、リピーターまたはリレー装置、であてもよい。
【0063】
複数の通信装置の少なくとも1つは、一又は複数のセンシング機能を備える。通信装置が備える一又は複数のセンシング機能には、RF(Radio Frequency)ベースのセンシング機能(例えば、3GPPのトランシーバがサポートするRFベースのセンシング機能)が含まれる。RFベースのセンシング機能は、例えば、セルラー通信を行うための無線通信リソースを使って周囲の物体を検出する機能である。
【0064】
なお、本実施形態において、通信装置が必ずしもセンシング機能を備える必要はない。センシング機能を備えるセンシング装置は、通信装置とは別の装置であってもよい。その場合、センシング装置は、少なくとも1つの通信装置と有線接続(例えば、USB接続、及び有線LAN接続、の少なくとも1つ)、または無線接続(例えば、Bluetooth接続、無線LAN接続、及び、本実施形態の通信システムとは異なる通信方式による接続、の少なくとも1つ)により通信できることが好ましい。
【0065】
通信システムが備える一又は複数の通信装置は、RFベースのセンシング機能を使って、周囲の物体を検出する。例えば、通信システムが備える通信装置(送信装置、Sensing transmitter)は、セルラー通信を行うための無線通信リソースを使って、センシング信号を送信する。
【0066】
センシング信号は、センシングに用いられる信号である。センシング信号は、センシング目的で使用され得る3GPP無線インタフェース上での送信、を意味していてもよい。センシング信号は、例えば、CSI-RS又はSSBなどの信号であってもよいし、PDCCH、PDSCH、PUCCH、PUSCH、PSCCH、又はPSSCHなどのチャネルで送信および/又は受信される信号であってもよい。センシング信号は、センシングRS(Reference Signal)と称呼されてもよい。
【0067】
通信システムが備える通信装置(受信装置、Sensing Receiver)は、送信装置が送信したセンシング信号の受信を行う。前述又は後述において、センシング信号の受信は、センシングデータの収集(collecting sensing data)を含んでいてもよい。センシングデータの収集プロセスは、Sensing測定プロセスと称されてもよい。すなわち、センシング信号の受信はセンシング信号の測定であってもよい。センシング信号の受信には、センシング信号と準同置(QCL:Quasi-Co-Location)である他の信号及び/又はチャネルの受信が含まれてもよい。センシング信号と準同置(QCL:Quasi-Co-Location)である他の信号及び/又はチャネルもセンシング信号とみなすことができる。
【0068】
通信システムが備える一又は複数の通信装置が行うセンシングは、モノスタティックセンシングであってもよいし、バイスタティックセンシングであってもよいし、マルチスタティックセンシングであってもよい。
【0069】
以下、図1図5を参照しながら、モノスタティックセンシング、バイスタティックセンシング、及びマルチスタティックセンシングを説明する。
【0070】
なお、図1図5には、センシングの対象となる物体(object)として自動車が示されているが、センシングの対象となる物体は自動車に限定されない。例えば、センシングの対象となる物体は、自動車以外の移動体であってもよいし、構造物(Structure)であってもよい。ここで、移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上、地中、水上、又は水中を移動する移動体であってもよい。また、移動体は、大気圏内を移動する移動体であってもよいし、大気圏外を移動する移動体であってもよい。また、構造物は、建物であってもよいし、構築物(Non-building structure)であってもよい。構造物は、基地局であってもよいし、陸上、地中、水上、又は水中にある構造物であってもよい。また、構造物は、大気圏内にある構造物であってもよいし、大気圏外にある構造物であってもよい。また、センシングの対象となる物体は、人間などの生物であってもよい。
【0071】
(モノスタティックセンシング)
図1は、モノスタティックセンシングを説明するための図である。モノスタティックセンシングは、一の通信装置がセンシング信号の送信と受信の両方を行う、モノスタティック方式のセンシングである。図1の例では、一の通信装置が、周囲へセンシング信号を送信し、当該通信装置が、物体で反射したセンシング信号を受信している。これにより、通信装置は、周囲の物体を検出できる。
【0072】
(バイスタティックセンシング)
図2は、バイスタティックセンシングを説明するための図である。バイスタティックセンシングは、一の通信装置(送信装置)が、センシング信号の送信を行い、他の一の通信装置(受信装置)がそのセンシング信号を受信する、バイスタティック方式のセンシングである。図2の例では、一の通信装置(送信装置)が、周囲へセンシング信号を送信し、他の一の通信装置(受信装置)が、物体で反射したセンシング信号を受信している。これにより、通信装置は、送信装置及び/又は受信装置の周囲の物体を検出できる。
【0073】
(マルチスタティックセンシング)
図3図5は、マルチスタティックセンシングを説明するための図である。マルチスタティックセンシングは、複数の通信装置が、センシング信号の送信又は受信に関与する、マルチスタティック方式のセンシングである。マルチスタティックセンシングは、マルチセンシング等、他の表現で称呼されてもよい。図3の例では、一の通信装置(送信装置)が、周囲へセンシング信号を送信し、複数の他の通信装置(受信装置)がそのセンシング信号を受信している。図4の例では、複数の通信装置(送信装置)が、周囲へセンシング信号を送信し、他の通信装置(受信装置)がそれらのセンシング信号を受信している。図5の例では、複数の通信装置(送信装置)が、周囲へセンシング信号を送信し、複数の他の通信装置(受信装置)がそれらのセンシング信号を受信している。これにより、通信装置は、送信装置及び/又は受信装置の周囲の物体を検出できる。
【0074】
なお、マルチスタティックセンシングには、少なくとも1つのモノスタティックセンシングと少なくとも1つのバイスタティックセンシングとを組み合わせたセンシングが含まれてもよい。例えば、一の通信装置が、周囲へセンシング信号を送信し、当該通信装置が、物体で反射したセンシング信号を受信すると共に、他の一の通信装置(受信装置)が、物体で反射したセンシング信号を受信してもよい。これにより、通信装置は、送信装置及び/又は受信装置の周囲の物体を検出できる。
【0075】
上述したように、送信装置がセンシング信号を周囲に送信する場合、センシング信号の送信に関する情報を、他の通信装置が事前に得ていないと、セルラー通信及び/又はセンシングが混乱する可能性がある。
【0076】
そこで、本実施形態の通信装置は、センシング信号の送信及び/又は受信に先立ち、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを、通信システムが備える一又は複数の他の通信装置と行う。なお、前述又は後述において、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングは、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関する情報の送信(又は受信)と言い換えられてもよい。センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関する情報は、センシングアシスタンス情報と称されてもよい。センシングアシスタンス情報は、信頼できるサードパーティから 5G システムに提供され、センシング結果の導出をサポートするために使用できる情報という定義であってもよい。 センシングアシスタンス情報には 3GPP センシングデータそのものを含んでいてもよい。又はこれに代えて、センシングアシスタンス情報には、3GPP センシングデータそのものは含まれなくてもよい。
【0077】
例えば、図1に示すモノスタティックセンシングの例であれば、通信装置は、一又は複数の他の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用する無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。言い換えると、通信装置は、一又は複数の他の通信装置に対して、センシング信号の送信に使用する無線通信リソースを使用しないことを示す(又は指示する)情報を通知してもよい。
【0078】
また、図2に示すバイスタティックセンシングの例であれば、送信装置は、受信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースの情報を通知してもよい。送信装置は、受信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号のQCLに関する情報を通知してもよい。
【0079】
また、図3に示すマルチスタティックセンシングの例であれば、送信装置は、通信システムが備える複数の他の通信装置から、シグナリングにより、当該通信装置それぞれのマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を取得してもよい。このとき、送信装置は、ケイパビリティ情報に基づいて、複数の他の通信装置の中から、を選択してもよい。
【0080】
また、図4に示すマルチスタティックセンシングの例であれば、受信装置は、通信システムが備える複数の他の通信装置から、シグナリングにより、当該通信装置それぞれのマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を取得してもよい。このとき、受信装置は、ケイパビリティ情報に基づいて、複数の他の通信装置の中から、センシング信号を送信させる通信装置(送信装置)を選択してもよい。
【0081】
また、図5に示すマルチスタティックセンシングの例であれば、送信装置又は受信装置は、通信システムが備える複数の他の通信装置から、シグナリングにより、当該通信装置それぞれのマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を取得してもよい。このとき、受信装置又は受信装置は、ケイパビリティ情報に基づいて、複数の他の通信装置の中から、センシング信号の送信対象となる通信装置(受信装置)、又は、センシング信号を送信させる通信装置(送信装置)を選択してもよい。図1から図5に示されるセンシング信号の送信に使用する無線通信リソースを使用しないことを示す(又は指示する)情報、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースの情報、又は通信装置それぞれのマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報のうち少なくとも1つは、上述のセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関する情報(e.g., センシングアシスタンス情報)に含まれてもよい。
【0082】
そして、送信装置及び/又は受信装置は、当該シグナリングの後に、センシング信号の送信及び/又は受信を行う。
【0083】
これにより、通信システムが備える一又は複数の通信装置は、スムーズにセルラー通信及び/又はセンシングを行うことができる。特に、マルチスタティックセンシングは、多くの通信装置がセンシングに関与する。シグナリングで事前に調整が行われることで、例え多くの通信装置がセンシングのために無線通信リソースを使用したとしても、通信へあまり影響を与えることが無い。反対に、シグナリングで事前に調整が行われることで、例え多くの通信装置が通信のために無線通信リソースを使用したとしても、センシング(例えば、マルチスタティックセンシング)へあまり影響を与えることが無い。結果として、センシング技術と通信技術の効果的な融合が実現する。
【0084】
以上、本実施形態の概要を述べたが、以下、本実施形態の通信システム1について詳細に説明する。
【0085】
<<2.通信システムの構成>>
まず、通信システム1の構成を説明する。
【0086】
図6は、本実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、サーバ10と、管理装置20と、基地局30と、端末装置40と、を備える。通信システム1は、通信システム1を構成する各無線通信装置が連携して動作することにより、ユーザに対して移動通信が可能な無線ネットワーク(モバイルネットワーク)を提供する。
【0087】
本実施形態の無線ネットワークは、例えば、無線アクセスネットワークRANとコアネットワークCNとから構成されているセルラーネットワークであってもよい。本実施形態において、無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、図6の例では、基地局30、および端末装置40が該当する。
【0088】
通信システム1は、サーバ10、管理装置20、基地局30、および端末装置40をそれぞれ複数備えてもよい。図6の例では、通信システム1は、サーバ10としてサーバ10およびサーバ10を備えており、管理装置20として管理装置20および管理装置20を備えている。また、通信システム1は、基地局30として基地局30、基地局30、および基地局30を備えており、端末装置40として端末装置40、端末装置40、および端末装置40を備えている。なお、以下の説明では、通信システム1が備える装置のことをネットワーク装置ということがある。
【0089】
端末装置40は、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)、B5G(Beyond 5G)、6G、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、等の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を使ってネットワークに接続するよう構成されていてもよい。このとき、端末装置40は、異なる無線アクセス技術(無線通信方式)を使用可能に構成されていてもよい。例えば、端末装置40は、NRとWi-Fiを使用可能に構成されていてもよい。また、端末装置40は、異なるセルラー通信技術(例えば、LTE、NR、B5G、又は6G)を使用可能に構成されていてもよい。
【0090】
LTE及びNRは、セルラー通信技術の一種であり、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置することで端末装置の移動通信を可能にする。また、6Gもセルラー通信技術の一種であることが想定されており、基地局がカバーするエリアをセル状に複数配置することで端末装置の移動通信が可能となることが想定される。
【0091】
なお、以下の説明では、「LTE」には、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)、及びEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が含まれるものとする。また、NRには、NRAT(New Radio Access Technology)、及びFEUTRA(Further EUTRA)が含まれるものとする。さらにNRには、5G-Advancedが含まれてもよい。なお、単一の基地局30は複数のセルを管理してもよい。以下の説明において、LTEに対応するセルはLTEセルと称され、NRに対応するセルはNRセルと称されうる。
【0092】
NRは、LTE(LTE-Advanced、LTE-Advanced Proを含む第4世代通信)の次の世代(第5世代)の無線アクセス技術である。NRは、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、mMTC(Massive Machine Type Communications)及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)を含む様々なユースケースに対応できる無線アクセス技術である。NRは、これらのユースケースにおける利用シナリオ、要求条件、及び配置シナリオなどに対応する技術フレームワークとして3GPP(登録商標)のRel-15で規格策定された。さらに、B5Gおよび6Gでは、高速大容量、低遅延・高信頼、多数同時接続の複数軸を同時に実現することが要求されている。
【0093】
6Gは、第5世代移動体通信であるNRや5GS(5G system)の次の世代の移動体通信技術となる可能性がある。6Gも5G(NR)と同様にセルラー通信技術となり得る。6Gには、無線アクセス技術及び基地局、コアネットワークおよびデータネットワーク間のネットワーク技術が含まれる。また、6Gには、NRにおいて主要ユースケース又は要求条件とされていたeMBB、mMTC及びURLLCのそれぞれの高度化(Extreme connectivity)のための技術が含まれる得る。また、6Gには、新たな側面における新技術が含まれる得る。例えば、6Gには、AI(Cognitive network、AI native Air Interface)、センシング(Rader sensing、network as a sensor、ISACを含む。)、テラヘルツ通信、に関する技術が含まれ得る。
【0094】
なお、上述又は後述の無線ネットワークは、LTE、NR、B5G、6G等の無線アクセス技術(RAT)のうちの少なくとも1つに対応してもよい。なお、通信システム1が使用する無線アクセス方式は、LTE、NR、6Gに限定されず、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、cdma2000(Code Division Multiple Access 2000)等の他の無線アクセス方式であってもよい。
【0095】
また、基地局30は、地上局であってもよいし、非地上局であってもよい。つまり、図6に示す通信システムは、非地上波ネットワーク(Non-terrestrial Network)であってもよい。非地上局は、衛星局であってもよいし、航空機局であってもよい。非地上局が衛星局であれば、無線ネットワークは、Bent-pipe(Transparent)型の移動衛星通信システムであってもよい。
【0096】
なお、本実施形態において、地上局および地上基地局とは、地上に設置される基地局および中継局のことである。ここで、「地上」は、陸上のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。なお、以下の説明において、「地上局」の記載は、「ゲートウェイ」に置き換えてもよい。
【0097】
なお、LTEの基地局は、eNodeB(Evolved Node B)又はeNBと称されることがある。また、NRの基地局は、gNodeB又はgNBと称されることがある。また、6Gの基地局は、6G NodeB(6GNB)と称されることがある。LTEのRANはEUTRANと称されることがある。NRのRANはNGRANと称されることがある。6GのRANは6GRANと称されることがある。また、LTE、NR、B5G、及び6Gでは、端末装置(移動局、又は端末ともいう。)はUE(User Equipment)と称されることがある。なお、端末装置は、通信装置の一種であり、移動局、又は端末とも称される。
【0098】
なお、端末装置40は、LTE、NR、B5G、6G、Wi-Fi、Bluetooth以外の無線アクセス技術(無線通信方式)を使ってネットワークに接続可能であってもよい。例えば、端末装置40は、LPWA(Low Power Wide Area)通信を使ってネットワークに接続可能であってもよい。また、端末装置40は、独自規格の無線通信を使ってネットワークに接続可能であってもよい。
【0099】
ここで、LPWA通信とは、小電力の広範囲通信を可能とする無線通信のことである。例えば、LPWA無線とは、特定小電力無線(例えば、920MHz帯)又はISM(Industry-Science-Medical)バンドを使用したIoT(Internet of Things)無線通信のことである。また、LPWA無線には、セルラーの周波数帯で動作するLTE-M、及び/又は、NB-IoTに代表されるC-IoT(Cellular IoT)、が含まれてもよい。なお、端末装置40が使用するLPWA通信はLPWA規格に準拠したものであってもよい。LPWA規格は、例えば、ELTRES、ZETA、SIGFOX、LoRaWAN、LTE-M、及びNB-IoTの少なくとも1つであってもよい。勿論、LPWA規格はこれらに限定されず、他のLPWA規格であってもよい。
【0100】
図6に示す各無線通信装置は、論理的な意味での装置と考えてもよい。すなわち、各無線通信装置の一部が仮想マシン(VM:Virtual Machine)、ドッカー(Docker)などのコンテナ(Container)等によって実現され、それらが物理的に同一のハードウェア上で実装されてもよい。
【0101】
本実施形態において、無線通信装置という概念には、携帯端末等の持ち運び可能な移動体装置(端末装置)のみならず、構造物または移動体に設置される装置も含まれる。構造物または移動体そのものを無線通信装置とみなしてもよい。また、無線通信装置という概念には、端末装置40のみならず、基地局30も含まれる。無線通信装置は、処理装置または情報処理装置の一種である。無線通信装置は、送信装置または受信装置と言い換えることも可能である。
【0102】
なお、本実施形態において、リソースは、例えば、Frequency、Time、Resource Element(REG、CCE、CORESETを含む)、Resource Block、Bandwidth Part、Component Carrier、Symbol、Sub-Symbol、Slot、Mini-Slot、Subslot、Subframe、Frame、PRACH occasion、Occasion、Code、Multi-access physical resource、及びMulti-access signature、Subcarrier Spacing(Numerology)の少なくとも1つを示してもよい。すなわち、前述又は後述の「リソース」、「無線リソース」、又は「無線通信リソース」は上記例示の少なくとも1つに読み替えられてもよい。
【0103】
以下、通信システム1を構成する各無線通信装置の構成を具体的に説明する。なお、以下に示す各無線通信装置の構成はあくまで一例である。各無線通信装置の構成は、以下に示す構成とは異なってもよい。
【0104】
<2-1.サーバの構成>
最初に、サーバ10の構成を説明する。
【0105】
サーバ10は、端末装置40に対して各種サービスを提供する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、サーバ10は、センシングサービスに関する処理を実行する情報処理装置である。
【0106】
センシングサービスは、例えば、一又は複数の通信装置(例えば、基地局30及び/又は端末装置40)が備える一又は複数のセンシング機能が検出したデータ(以下、センシングデータという。)を使用して行われるサービスである。なお、センシングサービスは、センシングデータを直接的に使用して行われるサービスに限定されない。センシングサービスは、センシングデータを間接的に使用して行われるサービスであってもよい。例えば、センシングサービスは、センシングデータに基づく処理結果を使用して行われるサービスであってもよい。
【0107】
センシングサービスは、典型的には、センシングデータの提供サービスである。例えば、センシングサービスは、所定のユースケース(例えば、移動体の自動運転に関する処理、装置/システムの自動操業に関する処理、又はXRコンテンツに関する処理)で使用されるセンシングデータの提供サービスである。しかしながら、センシングサービスは、センシングデータの提供サービスに限られない。センシングサービスは、センシングデータを使って実行される処理の提供サービスであってもよいし、一又は複数のセンシングサービスを使って生成される情報の提供サービスであってもよい。センシングサービスについては後述する。
【0108】
通信装置が備える一又は複数のセンシング機能には、RF(Radio Frequency)ベースのセンシング機能(例えば、3GPPのトランシーバがサポートするRFベースのセンシング機能)が含まれていてもよい。勿論、通信装置が備える一又は複数のセンシング機能には、通信装置が備える一又は複数のセンサ(物理センサ及び/又は論理センサ)を使った各種検出機能(例えば、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つを検出する機能)が含まれていてもよい。
【0109】
一又は複数の通信装置が備える一又は複数のセンサは、例えば、基地局30及び/又は端末装置40が備える一又は複数のセンサ(例えば、後述のセンサ部34及び/又はセンサ部46が備える一又は複数のセンサ)であってもよい。例えば、一又は複数のセンサには、カメラ及び/又はLiDAR等の、画像、及び/又は、物体の形状、を検出するセンサが含まれていてもよい。また、一又は複数のセンサには、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つを検出するセンサが含まれてもよい。この場合、センシングサービスは、当該センサが検出した画像データ又は形状データに基づくサービス(例えば、移動体の自動運転に関するサービス)であってもよい。また、センシングサービスは、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つを検出するセンサのセンシングデータに基づくサービスであってもよい。
【0110】
なお、センシングサービスに直接的又は間接的に使用される一又は複数のセンサは、基地局30及び/又は端末装置40が備える一又は複数のセンサに限定されない。センシングサービスに直接的又は間接的に使用される一又は複数のセンサは、基地局30及び端末装置40以外の通信装置が備える一又は複数のセンサであってもよい。例えば、センシングサービスに直接的又は間接的に使用される一又は複数のセンサは、サーバ10及び/又は管理装置20が備える一又は複数のセンサであってもよい。
【0111】
サーバ10は、アプリケーションサーバであってもよいし、Webサーバであってもよい。サーバ10は、クラウドサーバであってもよいしエッジサーバであってもよい。また、サーバ10は、PCサーバであってもよいし、ミッドレンジサーバであってもよいし、メインフレームサーバであってもよい。また、サーバ10は、ユーザや端末の近くでデータ処理(エッジ処理)を行う情報処理装置であってもよい。例えば、サーバ10は、基地局に併設又は内蔵された情報処理装置(コンピュータ)であってもよい。また、サーバ10は、コアネットワークとしての機能を有していてもよい。例えば、サーバ10は、管理装置20として機能する装置であってもよい。勿論、サーバ10は、クラウドコンピューティングを行う情報処理装置であってもよい。本実施形態のサーバ10は、アプリケーションファンクションとして機能し得る。
【0112】
サーバ10は、他の通信装置(例えば、管理装置20)と、ネットワークNを介して接続される。図6の例では、ネットワークNが1つしか示されていないが、ネットワークNは複数存在してもよい。ここで、ネットワークNは、例えば、インターネット等のパブリックネットワークである。なお、ネットワークNは、インターネットに限られず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、セルラーネットワーク、固定電話網、又は地域IP(Internet Protocol)網であってもよい。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0113】
図7は、本開示の実施形態に係るサーバ10の構成例を示す図である。サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。図7に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、サーバ10の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されていてもよい。例えば、サーバ10は、複数の情報処理装置により構成されていてもよい。
【0114】
なお、サーバ10は、上述の又は後述の構成を必ずしも全て備える必要はない。また、サーバ10は、上述の又は後述の構成以外の構成を備えていてもよい。例えば、管理装置20は、基地局30又は端末装置40が備えるセンサ部(センサ部34、又はセンサ部46)と同様の構成のセンサ部を備えていてもよい。
【0115】
通信部11は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、通信部11は、ネットワークインタフェースである。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。なお、通信部11は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部11は、制御部13の制御に従って管理装置20、基地局30、端末装置40、及び他のサーバ10と通信する。
【0116】
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。
【0117】
制御部13は、サーバ10の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部13は、管理装置20の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。また、制御部13は、GPU(Graphics Processing Unit)により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、FPGA、及びGPUは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部13は、複数の物理的に分離された物体により構成されていてもよい。例えば、制御部13は、複数の半導体チップにより構成されていてもよい。
【0118】
<2-2.管理装置の構成>
次に、管理装置20の構成を説明する。
【0119】
管理装置20は、無線ネットワークを管理する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、管理装置20は基地局30の通信を管理する情報処理装置である。
【0120】
管理装置20は、コアネットワークCNを構成する装置であってもよい。例えば、管理装置20は、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置であってもよい。また、管理装置20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及び/又はSMF(Session Management Function)としての機能を有する装置であってもよい。MME、AMF、及びSMFは、コアネットワークCNにおけるコントロールプレーンネットワークファンクション(Control Plane Network Function)ノードである。管理装置20は、6Gにおけるコントロールプレーンネットワークファンクション(6G CPNF)として機能を有する装置であってもよい。6G CPNFは1または複数の論理ノードから構成されていてもよい。
【0121】
勿論、管理装置20が有する機能は、MME、AMF、SMF、6G CPNFに限られない。管理装置20は、NSSF(Network Slice Selection Function)、AUSF(Authentication Server Function)、PCF(Policy Control Function)、UDM(Unified Data Management)としての機能を有する装置であってもよい。また、管理装置20は、HSS(Home Subscriber Server)としての機能を有する装置であってもよい。
【0122】
なお、管理装置20はゲートウェイの機能を有してもよい。例えば、管理装置20は、S-GW(Serving Gateway)やP-GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有してもよい。また、管理装置20は、UPF(User Plane Function)の機能を有してもよい。このとき、管理装置20は、複数のUPFを有してもよい。また、管理装置20は、6Gにおけるユーザプレーンネットワークファンクション(6G UPNF)を有する装置であってもよい。
【0123】
また、管理装置20は、センシングサービスに関する処理を実行する機能を備えていてもよい。例えば、管理装置20は、他の通信装置(例えば、サーバ10、基地局30、端末装置40、及び他の管理装置20の少なくとも1つ)からの要求に基づいて、センシングサービスに関する処理を実行するアプリケーションファンクションを有していてもよい。
【0124】
コアネットワークCNは、複数のネットワーク機能(Network Function)から構成され、各ネットワーク機能は、1つの物理的な装置に集約されてもよいし、複数の物理的な装置に分散されてもよい。つまり、管理装置20は、複数の装置に分散配置され得る。さらに、この分散配置は動的に実行されるように制御されてもよい。また、コアネットワークCNは、一の管理装置20で構成されてもよいし、複数の管理装置で構成されてもよい。基地局30、及び管理装置20は、1つネットワークを構成し、端末装置40に無線通信サービスを提供する。管理装置20はインターネットと接続され、端末装置40は、基地局30を介して、インターネット介して提供される各種サービスを利用することができる。
【0125】
なお、管理装置20は必ずしもコアネットワークCNを構成する装置でなくてもよい。例えば、コアネットワークCNがW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)やcdma2000(Code Division Multiple Access 2000)のコアネットワークであるとする。このとき、管理装置20はRNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
【0126】
図8は、本実施形態に係る管理装置20の構成を示す図である。管理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。図8に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なってもよい。また、管理装置20の機能は、複数の物理的に分離された構成に静的、あるいは、動的に分散して実装されてもよい。管理装置20は、複数のサーバ装置によって構成されていてもよい。
【0127】
なお、管理装置20は、上述の又は後述の構成を必ずしも全て備える必要はない。また、管理装置20は、上述の又は後述の構成以外の構成を備えていてもよい。例えば、管理装置20は、基地局30又は端末装置40が備えるセンサ部(センサ部34、又はセンサ部46)と同様の構成のセンサ部を備えていてもよい。
【0128】
通信部21は、無線通信装置(例えば、基地局30)と通信するための通信インタフェースである。通信部21は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。通信部21は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、またはUSBポート等によって構成されるUSBインタフェースであってもよい。通信部21は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部21は、制御部23によって制御される。
【0129】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、例えば、端末装置40の接続状態を記憶する。記憶部22は、端末装置40のRRC(Radio Resource Control)の状態およびECM(EPS Connection Management)、あるいは、5G System CM(Connection Management)の状態を記憶する。記憶部22は、端末装置40の位置情報を記憶するホームメモリとして機能してもよい。
【0130】
制御部23は、管理装置20の各部を制御するコントローラである。制御部23は、例えば、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部23は、管理装置20の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部23は、ASIC、またはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。また、制御部23は、GPUにより実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、FPGA、及びGPUは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部23は、複数の物理的に分離された物体により構成されていてもよい。例えば、制御部23は、複数の半導体チップにより構成されていてもよい。
【0131】
<2-3.基地局の構成>
次に、基地局30の構成を説明する。
【0132】
基地局30は、他の無線通信装置(例えば、端末装置40、または他の基地局30)と無線通信を行う無線通信装置である。基地局30は、中継局を介して端末装置40と無線通信してもよいし、端末装置40と直接無線通信してもよい。
【0133】
基地局30は、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、gNB、又は6GNB等)、あるいは、無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。以下の説明では、基地局30のことをBS(Base Station)、Node B、eNB、gNB、6GNB、又はBS30と称呼することがある。
【0134】
基地局30は、無線リレー局であってもよい。基地局30は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。基地局30は、FPU(Field Pickup Unit)等の受信局であってもよい。基地局30は、無線アクセス回線および無線バックホール回線を時分割多重、周波数分割多重、または空間分割多重で提供する、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナーノード、あるいは、IABリレーノードであってもよい。
【0135】
基地局30が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよい。基地局30が使用する無線アクセス技術は、無線LAN技術であってもよい。基地局30が使用する無線アクセス技術は、LPWA(Low Power Wide Area)通信技術であってもよい。ただし、基地局30が使用する無線アクセス技術は、これらに限定されるものではなく、他の無線アクセス技術であってもよい。基地局30が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよし、テラ波(テラヘルツ波)を使った無線通信であってもよい。基地局30が使用する無線通信は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線または可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。また、基地局30は、端末装置40とNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。ここで、NOMA通信は、非直交リソースを使った通信(送信、受信、或いはその双方)のことである。なお、基地局30は、他の基地局30とNOMA通信可能であってもよい。
【0136】
なお、基地局30は、基地局-コアネットワーク間インタフェース(例えば、NG Interface 、S1 Interface等)を介してコアネットワークとお互いに通信可能であってもよい。このインタフェースは、有線及び無線のいずれであってもよい。また、基地局は、基地局間インタフェース(例えば、Xn Interface、X2 Interface、F1 Interface等)を介して他の基地局と互いに通信可能であってもよい。このインタフェースは、有線及び無線のいずれであってもよい。
【0137】
基地局(「基地局装置」ともいう。)という概念には、ドナー基地局のみならず、リレー基地局(「中継局」ともいう。)も含まれる。リレー基地局は、RF Repeater、Smart Repeater、Intelligent Surfaceのうち、いずれか1つであってもよい。また、基地局という概念には、路側機(RSU:Road-Side Unit)が含まれていてもよい。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置が含まれていてもよい。
【0138】
構造物は、例えば、高層ビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、オフィスビル、校舎、病院、工場、商業施設、スタジアム等の建物である。構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、および鉄柱等の構築物(Non-building structure)、並びに、クレーン、門、および風車等の設備も含まれる。構造物という概念には、陸上(狭義の地上)または地中の構造物のみならず、桟橋またはメガフロート等の水上の構造物、および、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。基地局は、情報処理装置と言い換えることもできる。
【0139】
基地局30は、ドナー局であってもよいし、リレー局(中継局)であってもよい。また、基地局30は、固定局であってもよいし、移動局であってもよい。移動局は、移動可能に構成された無線通信装置(例えば、基地局)である。このとき、基地局30は、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。例えば、移動能力(Mobility)をもつリレー局は、移動局としての基地局30とみなすことができる。また、車両、ドローンに代表されるUAV(Unmanned Aerial Vehicle)、スマートフォンなど、もともと移動能力がある装置であって、基地局の機能(少なくとも基地局の機能の一部)を搭載した装置も、移動局としての基地局30に該当する。
【0140】
ここで、移動体は、スマートフォンまたは携帯電話等のモバイル端末であってもよい。また、移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、自転車、バス、トラック、自動二輪車、列車、またはリニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、またはホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、または無人潜水機等の潜水船)であってもよい。また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、またはドローン等の航空機)であってもよい。
【0141】
基地局30は、地上に設置される地上基地局(地上局)であってもよい。基地局30は、地上の構造物に配置される基地局であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局であってもよい。基地局30は、ビル等の構造物に設置されたアンテナおよびそのアンテナに接続された信号処理装置であってもよい。基地局30は、構造物または移動体そのものであってもよい。「地上」とは、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、および水中も含む広義の地上である。基地局30は、地上基地局に限定されない。通信システム1が衛星通信システムである場合には、基地局30は、航空機局であってもよい。衛星局から見れば、地球に位置する航空機局は地上局である。
【0142】
基地局30は、地上局に限定されない。基地局30は、空中または宇宙を浮遊可能な非地上基地局(非地上局)であってもよい。基地局30は、航空機局または衛星局であってもよい。
【0143】
衛星局は、大気圏外を浮遊可能な衛星局である。衛星局は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。宇宙移動体は、大気圏外を移動する移動体である。宇宙移動体は、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、及び探査機の少なくとも1つであってもよい。勿論、宇宙移動体はこれら以外の人工天体であってもよい。なお、衛星局となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、または高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星のいずれであってもよい。衛星局は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、または高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
【0144】
航空機局は、航空機等の大気圏内を浮遊可能な無線通信装置である。航空機局は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。航空機という概念には、飛行機またはグライダー等の重航空機のみならず、気球または飛行船等の軽航空機も含まれる。航空機という概念には、重航空機または軽航空機のみならず、ヘリコプターまたはオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。航空機局、または航空機局が搭載された航空機は、ドローン等の無人航空機であってもよい。
【0145】
無人航空機という概念には、無人航空システム(UAS:Unmanned Aircraft Systems)、および、つなぎ無人航空システム(tethered UAS)も含まれる。無人航空機という概念には、軽無人航空システム(LTA:Lighter than Air UAS)、および、重無人航空システム(HTA:Heavier than Air UAS)が含まれる。無人航空機という概念には、高高度無人航空システムプラットフォーム(HAPs:High Altitude UAS Platforms)も含まれる。
【0146】
基地局30のカバレッジの大きさは、マクロセルのような比較的大きなものであってもよいし、ピコセルのような比較的小さなものであってもよい。基地局30のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。基地局30は、ビームフォーミング機能を有してもよい。基地局30は、ビームごとにセルまたはサービスエリアが形成されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局30は、ビームに指向性を持たせるビームフォーミングに加えて、基地局30のアンテナからの距離情報をさらに考慮することで希望波を所定地点にピンポイントに届ける機能を有してもよい。この機能はBeam focusing又はPoint formingと呼ばれてもよい。また、ビームを用いてセンシングを行うことで、センシングデータを取得するように構成されてもよい。
【0147】
図9は、本実施形態に係る基地局30の構成を示す図である。基地局30は、無線通信部31と、記憶部32と、制御部33と、センサ部34と、を備える。ただし、図9に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なってもよい。また、基地局30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0148】
なお、基地局30は、上述の又は後述の構成を必ずしも全て備える必要はない。例えば、基地局30は、センサ部34を備えていていなくてもよい。また、基地局30は、上述の又は後述の構成以外の構成を備えていてもよい。
【0149】
無線通信部31は、他の無線通信装置(例えば、端末装置40、及び他の基地局30の少なくとも1つ)との間で無線通信するための信号処理部である。無線通信部31は、無線トランシーバ或いは単にトランシーバと称されてもよい。このとき、無線通信部31は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の技術仕様書(TS:Technical Specification)で定める仕様のトランシーバ(以下、3GPPのトランシーバという。)であってもよい。3GPPのトランシーバは、3Gのトランシーバであってもよいし、4G(LTE)のトランシーバであってもよいし、5G(NR)のトランシーバであってもよいし、5G以降の世代(例えば、6G)のトランシーバであってもよい。無線通信部31は、制御部33によって制御される。無線通信部31は、1つまたは複数の無線アクセス方式に対応する。無線通信部31は、NR、LTE、B5G(Beyond 5G)、及び6Gの少なくとも1つに対応してもよい。無線通信部31は、NR、LTE、B5G、及び6Gに加えて、W-CDMAおよびcdma2000等に対応してもよい。無線通信部31は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術に対応してもよい。無線通信部31が実行する処理の一部または全部は、制御部33が実行してもよい。
【0150】
無線通信部31は、送信処理部311と、受信処理部312と、アンテナ313とを備える。或いは、無線通信部31は、送信処理部311、受信処理部312、及びアンテナ313の少なくとも1つを無線通信部31とみなしてもよい。無線通信部31は、送信処理部311、受信処理部312、およびアンテナ313をそれぞれ複数含んでもよい。無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合には、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されていてもよい。送信処理部311および受信処理部312は、LTEとNRとB5Gと6Gとで個別に構成されていてもよい。アンテナ313は、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されもよい。無線通信部31は、ビームフォーミング機能を有してもよい。例えば、無線通信部31は、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)を用いる偏波ビームフォーミング機能(又は垂直方向から45度、及び-45度の偏波方向でのDual偏波を用いる偏波ビームフォーミング機能)を有してもよい。なお、無線通信部31は、上述又は後述のセンシング信号を送出してもよい。
【0151】
送信処理部311は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。例えば、送信処理部311は、制御部33から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。ここで、符号化は、ポーラ符号(Polar Code)による符号化、LDPC符号(Low Density Parity Check Code)による符号化を行ってもよい。そして、送信処理部311は、符号化ビットを所定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、又はより高次の多値変調方式)で変調する。この場合、コンステレーション上の信号点は必ずしも等距離である必要はない。また、コンステレーションは、不均一コンステレーション(NUC:Non Uniform Constellation)であってもよい。そして、送信処理部311は、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。そして、送信処理部311は、多重化した信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、送信処理部311は、高速フーリエ変換による周波数領域への変換、ガードインターバル(サイクリックプレフィックス)の付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部311で生成された信号は、アンテナ313から送信される。
【0152】
受信処理部312は、アンテナ313を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。例えば、受信処理部312は、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバル(サイクリックプレフィックス)の除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。そして、受信処理部312は、これらの処理が行われた信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。また、受信処理部312は、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調に使用される変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAMであってもよい。この場合、コンステレーション上の信号点は必ずしも等距離である必要はない。コンステレーションは、不均一コンステレーション(NUC)であってもよい。そして、受信処理部312は、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部33へ出力される。
【0153】
アンテナ313は、電流と電波を相互に変換するアンテナ装置である。アンテナ313は、1つのアンテナ素子、例えば1つのパッチアンテナによって構成されていてもよい。アンテナ313は、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されていてもよい。アンテナ313が複数のアンテナ素子によって構成される場合には、無線通信部31は、ビームフォーミング機能を有してもよい。無線通信部31は、複数のアンテナ素子を用いて無線信号の指向性を制御することによって、指向性ビームを生成するように構成されていてもよい。アンテナ313は、デュアル偏波アンテナであってもよい。アンテナ313がデュアル偏波アンテナである場合、無線通信部31は、無線信号を送信する際に、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)(又は垂直方向から45度、及び-45度の偏波方向でのDual偏波)を用いてもよい。無線通信部31は、垂直偏波および水平偏波(又は垂直方向から45度、及び-45度の偏波方向でのDual偏波)を用いて送信される無線信号の指向性を制御してもよい。また、無線通信部31は、複数のアンテナ素子で構成される複数のレイヤを介して空間多重された信号を送受信してもよい。
【0154】
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。
【0155】
制御部33は、基地局30の各部を制御するコントローラである。制御部33は、他の無線通信装置(例えば、端末装置40、または他の基地局30)との間で無線通信を実施するように無線通信部を制御する。制御部33は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。具体的には、制御部33は、基地局30の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部33は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。また、制御部33は、GPUにより実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、FPGA、及びGPUは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部33は、複数の物理的に分離された物体により構成されていてもよい。例えば、制御部33は、複数の半導体チップにより構成されていてもよい。
【0156】
制御部33は、シグナリング部331、センシング部332、フィードバック部333、及び選択部334の少なくとも1つのブロックを備える。制御部33は、これらのブロックを、それぞれ複数備えていてもよいし、それぞれ1つだけ備えていてもよい。
【0157】
制御部33を構成する各ブロック(シグナリング部331~選択部334)はそれぞれ制御部33の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。制御部33は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部33の動作は、サーバ10、管理装置20、又は端末装置40の制御部(制御部13、制御部23、又は制御部43)の動作と同じであってもよい。
【0158】
センサ部34は、基地局30に関する各種データを検出する一又は複数のセンサで構成される。例えば、センサ部34は、同一または他の通信装置(送信装置、Sensing Transmitter)が送信したセンシング信号を受信、検知、又は測定するよう構成されてもよい。この場合、センサ部34は、無線通信部31と同一の機能部であってもよい。さらに又はこれに代えて、無線通信部31を第1の無線通信部とした場合に、センサ部34は第2の無線通信部と解されてもよい。さらにセンサ部34が備える一又は複数のセンサには、基地局30の周囲に関する検出を行うセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、地磁気センサ、照度センサ、測距センサ(例えば、ToF(Time of Flight)センサ)、気圧センサ、温度センサ、光センサ、音センサ、及びイメージセンサ、の少なくとも1つが含まれていてもよい。また、センサ部34(又は、センサ部34が備える一又は複数のセンサ)は、上述したビームフォーミング機能を用いてセンシングを行い、センシングデータを取得するように構成されてもよい。
【0159】
なお、センサ部34が備えるセンサは、基地局30の周囲に関する検出を行うセンサに限定されない。センサ部34が備える一又は複数のセンサには、基地局30の位置又は姿勢に関する検出を行うセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、加速度センサ、及び/又はジャイロセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、6DoF(Six degrees of freedom)センサが含まれていてもよいし、3DoF(Three degrees of freedom)センサが含まれていてもよい。また、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ等の測位センサが含まれていてもよい。GNSSセンサは、GPS(Global Positioning System)センサであってもよいし、GLONASSセンサであってもよいし、Galileoセンサであってもよいし、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)センサであってもよい。
【0160】
センサ部34が備える一又は複数のセンサには、複数のセンサを組み合わせて構成されるセンサユニットが含まれていてもよい。例えば、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、測位センサ(例えば、GNSSセンサ)、加速度センサ、及びジャイロセンサのうちの複数のセンサを組み合わせて構成される慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)が含まれていてもよい。センサユニットもセンサの一種とみなすことができる。
【0161】
また、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、センサを使って構成されるデバイス/部品が含まれていてもよい。例えば、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、カメラ(例えば、可視光カメラ、赤外線カメラ、又はライトフィールドカメラ等)、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダー(例えば、マイクロ波レーダー、又はミリ波レーダー等)、マイクロフォン、及びイメージデバイスの少なくとも1つが含まれていてもよい。イメージデバイスは、一又は複数のセンサで構成されるデバイスである。センサを使って構成されるデバイス/部品もセンサの一種とみなすことができる。
【0162】
また、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つを検出するセンサが含まれていてもよい。
【0163】
また、センサ部34が備える一又は複数のセンサには、上述の複数のセンサのうちから選択される二以上のセンサを組み合わせて構成されるセンサ/センサユニット/デバイス/部品が含まれていてもよい。
【0164】
なお、本実施形態では、基地局30が備えるデバイス/部品により実現される一又は複数のセンシング機能を基地局30が備える一又は複数のセンサとみなしてもよい。例えば、無線通信部31が有する一又は複数のセンシング機能を、基地局30が備える一又は複数のセンサとみなしてもよい。このとき、無線通信部31が有する一又は複数のセンシング機能には、RF(Radio Frequency)ベースのセンシング機能(例えば、3GPPのトランシーバがサポートするRFベースのセンシング機能)が含まれていてもよい。この場合、無線通信部31(例えば、3GPPのトランシーバ)をセンサ部34(或いはセンサ部34が備えるセンサ)とみなしてもよい。
【0165】
前述又は後述において、センサに関する記載は、物理センサと論理センサとに区別されてもよい。すなわち、前述または後述のセンサは、物理センサを示していてもよいし、論理センサを示していてもよい。
【0166】
例えば、物理センサは、前述又は後述のセンサの例のうち、少なくとも1つであってもよい。例えば、物理センサは、地磁気センサ、照度センサ、測距センサ(例えば、ToF(Time of Flight)センサ)、気圧センサ、温度センサ、光センサ、音センサ、イメージセンサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、6DoF(Six degrees of freedom)センサ、3DoF(Three degrees of freedom)センサ、測位センサ(例えば、GPS(Global Positioning System)センサ、GLONASSセンサ、Galileoセンサ、又はQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)センサ等のGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ)、慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)、カメラ(例えば、可視光カメラ、赤外線カメラ、又はライトフィールドカメラ等)、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダー(例えば、マイクロ波レーダー、又はミリ波レーダー等)、マイクロフォン、イメージデバイス、及びセンシング機能(例えば、無線通信部31又は無線通信部41が有する一又は複数のセンシング機能)、のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0167】
例えば、論理センサは、標準規格(例えば、3GPP Technical Standard)で定義されるセンサに関するエンティティであってもよい。1つの論理センサは、1または複数の物理センサ(同一種類の複数のセンサ、及び異なる種類の複数のセンサを含む。)に関連付けられていてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の論理センサが複数の物理センサに関連付けられていてもよい。
【0168】
なお、幾つかの実施の形態において、基地局30は、複数の物理的または論理的な装置の集合によって構成されていてもよい。一例として、本実施形態の基地局30は、BBU(Baseband Unit)およびRU(Radio Unit)等の複数の装置に区別されてもよい。基地局30は、これら複数の装置の集合として解釈されてもよい。また、基地局は、BBUまたはRUのうちいずれかであってもよいし、両方であってもよい。BBUおよびRUは、例えばeCPRI(enhanced Common Public Radio Interface)等の所定のインタフェースによって接続されてもよい。
【0169】
RUは、RRU(Remote Radio Unit)またはRD(Radio DoT)と言い換えてもよい。RUは、後述するgNB-DU(gNB Distributed Unit)に対応してもよい。BBUは、後述するgNB-CU(gNB Central Unit)に対応してもよい。RUは、アンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局30のアンテナ、例えばRUと一体的に形成されたアンテナは、Advanced Antenna Systemを採用し、例えばFD-MIMO等のMIMOまたはビームフォーミングをサポートしてもよい。基地局30のアンテナは、例えば、64個の送信用アンテナポートおよび64個の受信用アンテナポートを備えてもよい。
【0170】
RUに搭載されるアンテナは、1つ以上のアンテナ素子から構成されるアンテナパネルであってもよく、RUは1つ以上のアンテナパネルを搭載してもよい。RUは、水平偏波のアンテナパネルおよび垂直偏波のアンテナパネルの2種類のアンテナパネルを搭載してもよい。RUは、右旋円偏波のアンテナパネルおよび左旋円偏波のアンテナパネルの2種類のアンテナパネル、或いは、又は垂直方向から45度の偏波方向のアンテナパネルと-45度の偏波方向でのアンテナパネルを搭載してもよい。これら複数の偏波方向を持つ複数のアンテナが1つのアンテナパネルに実装されてもよい。RUは、アンテナパネル毎に独立したビームを形成して制御してもよい。
【0171】
基地局30は、複数が互いに接続されてもよい。1つまたは複数の基地局30は、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)に含まれていてもよい。このとき、基地局30は、単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、またはANノード等と称されることがある。LTEにおけるRANは、EUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれることがある。NRにおけるRANは、NGRANと呼ばれることがある。また、6GにおけるRANは6GRANと呼ばれることがある。W-CDMA(UMTS)におけるRANは、UTRANと呼ばれることがある。
【0172】
LTEの基地局30は、eNodeB(Evolved Node B)またはeNBと称されることがある。このとき、EUTRANは、1つまたは複数のeNodeB(eNB)を含む。NRの基地局30は、gNodeBまたはgNBと称されることがある。このとき、NGRANは、1つまたは複数のgNBを含む。6Gの基地局は、6GNodeB、6gNodeB、6GNB、又は6gNBと称されることがある。このとき、6GRANは1または複数の6GNBを含む。EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでもよい。NGRANは、5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでもよい。
【0173】
基地局30が、eNB、gNB、6GNB等である場合、基地局30は、3GPPアクセス(3GPP Access)と称されることがある。基地局30が無線アクセスポイント(Access Point)である場合には、基地局30は、非3GPPアクセス(Non-3GPP Access)と称されることがある。基地局30は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。基地局30がgNBである場合には、基地局30は、前述したgNB-CUおよびgNB-DUを組み合わせたものであってもよいし、gNB-CUまたはgNB-DUのいずれかであってもよい。
【0174】
ここで、gNB-CUは、UEとの通信のために、アクセス層(Access Stratum)のうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC(Radio Resource Control)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)をホストする。一方、gNB-DUは、アクセス層(Access Stratum)のうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer))をホストする。すなわち、後述されるメッセージ/情報のうち、RRCシグナリング(準静的な通知)はgNB-CUで生成され、一方でMAC CEやDCI(動的な通知)はgNB-DUで生成されてもよい。又は、RRCコンフィギュレーション(準静的な通知)のうち、例えばIE:cellGroupConfigなどの一部のコンフィギュレーション(configuration)についてはgNB-DUで生成され、残りのコンフィギュレーションはgNB-CUで生成されてもよい。これらのコンフィギュレーションは、後述されるF1インタフェースで送受信されてもよい。
【0175】
基地局30は、他の基地局との間で通信可能に構成されていてもよい。複数の基地局30がeNB同士またはeNBとen-gNBの組み合わせである場合には、これらの基地局30の間は、X2インタフェースによって接続されてもよい。複数の基地局30がgNB同士またはgn-eNBとgNBの組み合わせである場合には、これらの基地局30の間は、Xnインタフェースによって接続されてもよい。複数の基地局30がgNB-CUとgNB-DUの組み合わせである場合には、これらの基地局30の間は、前述したF1インタフェースによって接続されてもよい。後述するメッセージ/情報(例えば、RRCシグナリング、MAC CE(MAC Control Element)、またはDCI(Downlink Control Information)等)は、複数の基地局30間で、これら基地局間インタフェース(例えば、X2インタフェース、Xnインタフェース、またはF1インタフェース等)を介して、送信されてもよい。
【0176】
基地局30によって提供されるセルは、サービングセル(Serving Cell)と呼ばれることがある。サービングセルという概念には、PCell(Primary Cell)およびSCell(Secondary Cell)が含まれる。デュアルコネクティビティが端末装置40に提供される場合には、MN(Master Node)によって提供されるPCellと、ゼロまたは1以上のSCellとは、マスターセルグループ(Master Cell Group)と呼ばれることがある。デュアルコネクティビティは、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、NR-NR Dual Connectivity、NR-6G Dual Connectivity、及び6G-NR Dual Connectivityの少なくとも1つであってもよい。勿論、デュアルコネクティビティはこれらに限定されない。
【0177】
サービングセルは、PSCell(Primary Secondary Cell、または、Primary SCG Cell)を含んでもよい。デュアルコネクティビティが端末装置40に提供される場合には、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCellと、ゼロまたは1以上のSCellとは、SCG(Secondary Cell Group)と呼ばれることがある。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、PCellおよびPSCellによっては送信されるが、SCellによっては送信されない。無線リンク障害(Radio Link Failure)は、PCellおよびPSCellによっては検出されるが、SCellによっては検出されない(検出しなくてよい)。このように、PCellおよびPSCellは、サービングセルの中で特別な役割を担うため、SpCell(Special Cell)とも呼ばれる。
【0178】
1つのセルには、1つのダウンリンクコンポーネントキャリアと、1つの上りリンクコンポーネントキャリアとが対応付けられてもよい。1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数のBWP(Bandwidth Part)に分割されてもよい。このとき、1つまたは複数のBWPが端末装置40に設定され、1つのBWP分がアクティブBWP(Active BWP)として、端末装置40に使用されてもよい。端末装置40が使用できる無線資源、例えば周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、またはスロットフォーマット(Slot configuration)は、セル毎、コンポーネントキャリア毎、またはBWP毎に、異なってもよい。
【0179】
<2-4.端末装置の構成>
次に、端末装置40の構成を説明する。
【0180】
端末装置40は、他の無線通信装置(例えば、基地局30、または他の端末装置40)との間で無線通信を行う無線通信装置である。以下の説明では、端末装置40のことをUE(User Equipment)、又はUE40と称呼することがある。
【0181】
端末装置40には、あらゆる形態の情報処理装置(コンピュータ)を採用可能である。例えば、端末装置40は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC等のモバイル端末であってもよい。また、端末装置40は、情報処理装置(例えば、無線通信機能を有さない撮像装置)に接続され、当該情報処理装置に無線通信機能を提供する通信モジュールであってもよい。また、端末装置40は、無線通信機能を具備した撮像装置(例えば、カムコーダ)であってもよい。
【0182】
また、端末装置40は、FPU(Field Pickup Unit)等の通信機器が搭載されたバイクや移動中継車等であってもよい。また、端末装置40は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置40は、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスであってもよい。
【0183】
また、端末装置40は、AR(Augmented Reality)デバイス、VR(Virtual Reality)デバイス、又はMR(Mixed Reality)デバイス等のXR(Extended Reality)デバイスであってもよい。このとき、XRデバイスは、ARグラス、MRグラス等のメガネ型デバイスであってもよいし、VRヘッドマウントディスプレイ等のヘッドマウント型デバイスであってもよい。端末装置40をXRデバイスとする場合、端末装置40は、ユーザ装着部分(例えば、メガネ部分)のみで構成されるスタンドアローン型のデバイスであってもよい。また、端末装置40は、ユーザ装着部分(例えば、メガネ部分)と、当該部分と連動する端末部分(例えば、スマートデバイス)と、で構成される端末連動型デバイスであってもよい。
【0184】
端末装置40は、基地局30との間でNOMA通信が可能であってもよい。端末装置40は、基地局30と通信する際、HARQ等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置40は、他の端末装置40との間でサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置40は、サイドリンク通信を行う際、HARQ等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置40は、他の端末装置40との間でサイドリンク通信を行う際、NOMA通信が可能であってもよい。端末装置40は、基地局30等の他の無線通信装置との間でLPWA通信が可能であってもよい。端末装置40が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。端末装置40が使用する無線通信は、サイドリンク通信を含めて、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線または可視光を使った無線通信、すなわち光無線であってもよい。
【0185】
端末装置40は、移動可能な無線通信装置、すなわち移動体装置であってもよい。端末装置40は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。端末装置40は、自動車、バス、トラック、または自動二輪車等の道路上を移動する車両(Vehicle)、又は軌道上を走行する列車の車両であってもよいし、当該車両に搭載された無線通信装置であってもよい。移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上(狭義の地上)、地中、水上、または水中を移動する移動体であってもよい。また、移動体は、航空機、飛行船、気球、ヘリコプター等の大気圏内を移動する移動体であってもよいし、人工衛星等の大気圏外を移動する移動体であってもよい。移動体は、ドローン等のUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。また、端末装置40は、移動体に搭載された無線通信装置であってもよい。
【0186】
端末装置40は、同時に複数の基地局30または複数のセルと接続して通信が可能であってもよい。1つの基地局30が複数のセル(例えば、pCellまたはsCell)を介して通信エリアをサポートしている場合には、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術、デュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、またはマルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術等によって、それら複数のセルを束ねて基地局30と端末装置40との間で通信することができる。あるいは、異なる基地局30のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置40とそれら複数の基地局30との間で通信することもできる。
【0187】
端末装置40は、複数の基地局30または複数のセルと接続して通信が可能であってもよい。また、端末装置40は、それら複数の基地局30のそれぞれとの間でセンシング信号を送信および/又は受信してもよい。端末装置40は、複数の基地局30の少なくとも1つからセンシング信号に関する情報(例えばリソースに関する情報)を受信するように構成されてもよいし、複数の基地局30のそれぞれからセンシング信号に関する情報(例えばリソースに関する情報)を受信するように構成されてもよい。また、端末装置40は、それら複数のセルのそれぞれでセンシング信号を送信および/又は受信してもよい。端末装置40は、複数のセルの少なくとも1つからセンシング信号に関する情報(例えばリソースに関する情報)を受信するように構成されてもよいし、複数のセルのそれぞれにおいてセンシング信号に関する情報(例えばリソースに関する情報)を受信するように構成されてもよい。
【0188】
端末装置40はリモート端末への通信をリレーするリレー端末であってもよい。
【0189】
基地局30とリモート端末とリレー端末において、マルチスタティックセンシングが実施されてもよい。具体的には、基地局30とリレー端末のそれぞれからセンシング信号が送信されてもよい。リモート端末は、基地局30とリレー端末のそれぞれから送信されたセンシング信号を受信してもよい。
【0190】
基地局30および/またはリレー端末は、リレー端末および/又はリモート端末で送信および/または受信されるセンシング信号に関する情報を、リレー端末および/またはリモート端末に送信してもよい。換言すると、リレー端末および/又はリモート端末で送信および/または受信されるセンシング信号に関する情報を、基地局30および/またはリレー端末から、リレー端末および/またはリモート端末は受信してもよい。
【0191】
図10は、本実施形態に係る端末装置40の構成を示す図である。端末装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、制御部43と、入力部44と、出力部45と、センサ部46と、を備える。図10に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なってもよい。また、端末装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0192】
なお、端末装置40は、上述の又は後述の構成を必ずしも全て備える必要はない。例えば、端末装置40は、入力部44、出力部45、及びセンサ部46の少なくとも1つを備えていていなくてもよい。また、基地局30は、上述の又は後述の構成以外の構成を備えていてもよい。端末装置40は、ビームフォーミング機能を有してもよい。また、端末装置40は、ビームを用いてセンシングを行うことで、センシングデータを取得するように構成されてもよい。
【0193】
無線通信部41は、他の無線通信装置(例えば、基地局30、または他の端末装置40)との間で無線通信するための信号処理部である。無線通信部41は、無線トランシーバ或いは単にトランシーバと称されてもよい。このとき、無線通信部41は、3GPPの技術仕様書(TS:Technical Specification)で定める規格のトランシーバ(以下、3GPPのトランシーバという。)であってもよい。3GPPのトランシーバは、3Gのトランシーバであってもよいし、4G(LTE)のトランシーバであってもよいし、5G(NR)のトランシーバであってもよいし、5G以降の世代のトランシーバであってもよい。無線通信部41は、例えば、制御部43によって制御される。無線通信部41は、1つまたは複数の無線アクセス方式に対応する。無線通信部41は、NR、LTE、B5G(Beyond 5G)、及び6Gの少なくとも1つに対応してもよい。無線通信部41は、NR、LTE、B5G、及び6Gに加えて、W-CDMAおよびcdma2000等に対応してもよい。無線通信部41は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術に対応してもよい。無線通信部41が実行する処理の一部または全部は、制御部43が実行してもよい。
【0194】
無線通信部41は、送信処理部411と、受信処理部412と、アンテナ413とを備える。送信処理部411、受信処理部412、及びアンテナ413の少なくとも1つを無線通信部41とみなしてもよい。無線通信部41は、送信処理部411、受信処理部412、およびアンテナ413をそれぞれ複数含んでもよい。無線通信部41が複数の無線アクセス方式に対応する場合には、無線通信部41の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されていてもよい。送信処理部411および受信処理部412は、LTEとNRとB5Gと6Gとで個別に構成されていてもよい。アンテナ413は、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されもよい。無線通信部41は、ビームフォーミング機能を有してもよい。例えば、無線通信部41は、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)を用いる偏波ビームフォーミング機能(又は垂直方向から45度、及び-45度の偏波方向でのDual偏波を用いる偏波ビームフォーミング機能)を有してもよい。なお、無線通信部41は、上述又は後述のセンシング信号を送出してもよい。
【0195】
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。
【0196】
制御部43は、端末装置40の各部を制御するコントローラである。制御部43は、他の無線通信装置(例えば、基地局30、または他の端末装置40)との間で無線通信を実施するように無線通信部を制御する。制御部43は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部23は、端末装置40の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部43は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、いずれもコントローラとみなすことができる。制御部43は、GPUにより実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、FPGA、及びGPUは何れもコントローラとみなすことができる。なお、制御部43は、複数の物理的に分離された物体により構成されていてもよい。例えば、制御部43は、複数の半導体チップにより構成されていてもよい。
【0197】
制御部43は、シグナリング部431、センシング部432、フィードバック部433、及び選択部434の少なくとも1つのブロックを備える。制御部43は、これらのブロックを、それぞれ複数備えていてもよいし、それぞれ1つだけ備えていてもよい。
【0198】
制御部43を構成する各ブロック(シグナリング部431~選択部434)はそれぞれ制御部43の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。制御部43は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。なお、制御部43の動作は、サーバ10、管理装置20、又は基地局30の制御部(制御部13、制御部23、又は制御部33)の動作と同じであってもよい。
【0199】
入力部44は、外部から各種入力を受け付ける入力装置である。例えば、入力部44は、キーボードやマウスや操作キーや音声入力等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。なお、端末装置40にタッチパネルが採用される場合には、タッチパネルも入力部44に含まれる。この場合、ユーザは、指やスタイラスで画面をタッチすることにより各種操作を行う。
【0200】
出力部45は、音、光、振動、画像等、外部に各種出力を行う装置である。出力部45は、各種情報を表示する表示部を備える。表示部は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。なお、端末装置40にタッチパネルが採用される場合には、表示部は入力部44と一体の構成であってもよい。また、端末装置40がXRデバイスの場合、端末装置40は、グラス上に画像を投影する透過型デバイスであってもよいし、ユーザの網膜に直接画像を投影する網膜投影型デバイスであってもよい。出力部45は、制御部43の制御に従って、ユーザに各種出力を行う。
【0201】
センサ部46は、端末装置40に関する各種データを検出する一又は複数のセンサで構成される。例えば、センサ部46は、同一または他の通信装置(送信装置、Sensing Transmitter)が送信したセンシング信号を受信、検知、又は測定するよう構成されてもよい。この場合、センサ部46は、無線通信部41と同一の機能部であってもよい。さらに又はこれに代えて、無線通信部41を第1の無線通信部とした場合に、センサ部46は第2の無線通信部と解されてもよい。さらにセンサ部46が備える一又は複数のセンサには、端末装置40の位置又は姿勢に関する検出を行うセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、加速度センサ、及び/又はジャイロセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、6DoFセンサが含まれていてもよいし、3DoFセンサが含まれていてもよい。また、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、測位センサ(例えば、GNSSセンサ)が含まれていてもよい。GNSSセンサは、GPSセンサであってもよいし、GLONASSセンサであってもよいし、Galileoセンサであってもよいし、QZSSセンサであってもよい。また、センサ部46(又は、センサ部46が備える一又は複数のセンサ)は、上述したビームフォーミング機能を用いてセンシングを行い、センシングデータを取得するように構成されてもよい。
【0202】
なお、センサ部46が備えるセンサは、端末装置40の位置又は姿勢に関する検出を行うセンサに限定されない。センサ部46が備える一又は複数のセンサには、端末装置40の周囲に関する検出を行うセンサが含まれていてもよい。例えば、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、地磁気センサ、照度センサ、測距センサ(例えば、ToFセンサ)、気圧センサ、温度センサ、光センサ、音センサ、及びイメージセンサの少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0203】
センサ部46が備える一又は複数のセンサには、複数のセンサを組み合わせて構成されるセンサユニットが含まれていてもよい。例えば、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、測位センサ(例えば、GNSSセンサ)、加速度センサ、及びジャイロセンサのうちの複数のセンサを組み合わせて構成される慣性計測ユニットが含まれていてもよい。センサユニットもセンサの一種とみなすことができる。
【0204】
また、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、センサを使って構成されるデバイス/部品が含まれていてもよい。例えば、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、カメラ(例えば、可視光カメラ、赤外線カメラ、又はライトフィールドカメラ等)、LiDAR、レーダー(例えば、マイクロ波レーダー、又はミリ波レーダー等)、マイクロフォン、及びイメージデバイスの少なくとも1つが含まれていてもよい。イメージデバイスは、一又は複数のセンサで構成されるデバイスである。センサを使って構成されるデバイス/部品もセンサの一種とみなすことができる。
【0205】
また、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、物体の色、物体の速度、物体の加速度、物体の反射率、物体の透過率、物体との距離、物体/環境の温度、地磁気、照度、気圧、光、及び音の少なくとも1つを検出するセンサが含まれていてもよい。
【0206】
また、センサ部46が備える一又は複数のセンサには、上述の複数のセンサのうちから選択される二以上のセンサを組み合わせて構成されるセンサ/センサユニット/デバイス/部品が含まれていてもよい。
【0207】
なお、本実施形態では、端末装置40が備えるデバイス/部品により実現される一又は複数のセンシング機能を、端末装置40が備える一又は複数のセンサとみなしてもよい。例えば、無線通信部41が有する一又は複数のセンシング機能を、端末装置40が備える一又は複数のセンサとみなしてもよい。このとき、無線通信部41が有する一又は複数のセンシング機能には、RFベースのセンシング機能(例えば、3GPPのトランシーバがサポートするRFベースのセンシング機能)が含まれていてもよい。この場合、無線通信部41(例えば、3GPPのトランシーバ)をセンサ部46(或いは、センサ部46が備えるセンサ)とみなしてもよい。
【0208】
上述したように、センサに関する記載は、物理センサと論理センサとに区別されてもよい。すなわち、前述または後述のセンサは、物理センサを示していてもよいし、論理センサを示していてもよい。
【0209】
<<3.センシングシナリオ>>
以上、通信システム1の構成について説明したが、次に、本実施形態におけるセンシングシナリオについて説明する。本実施形態では、少なくとも、センシング信号を送信するノード、及び/又は、センシング信号を受信するノードの種類に基づいて、センシングシナリオを定義する。
【0210】
以下の説明では、センシング信号を送信する通信ノードのことを送信ノード、センシング信号を受信するノードのことを受信ノードということがある。通信ノードは、通信システム1が備える通信装置(例えば、基地局30、又は端末装置40)である。通信ノードは、ノード、主体(Entity)、又は通信主体と言い換えることができる。また、送信ノードは、送信主体と言い換えることができる。また、受信ノードは、受信主体と言い換えることができる。
【0211】
以下、モノスタティックセンシングとバイスタティックセンシングのシナリオとして、6つのセンシングシナリオ(第1~第6のセンシングシナリオ)を説明する。マルチスタティックセンシングについては、後述する。
【0212】
<3-1.第1のセンシングシナリオ>
図11は、第1のセンシングシナリオを説明するための図である。第1のセンシングシナリオは、基地局30によるモノスタティックセンシングのシナリオである。第1のセンシングシナリオでは、基地局30がセンシング信号の送信と受信の両方を行う。すなわち、第1のセンシングシナリオでは、基地局30がセンシング信号を送信し、その基地局30が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0213】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、そのセンシング信号を送信した基地局30で用いられてもよい。なお、基地局30は、そのセンシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。
【0214】
<3-2.第2のセンシングシナリオ>
図12は、第2のセンシングシナリオを説明するための図である。第2のセンシングシナリオは、端末装置40によるモノスタティックセンシングのシナリオである。第2のセンシングシナリオでは、端末装置40がセンシング信号の送信と受信の両方を行う。すなわち、第2のセンシングシナリオでは、端末装置40がセンシング信号を送信し、その端末装置40が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0215】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、そのセンシング信号を送信した端末装置40で用いられてもよい。なお、端末装置40は、そのセンシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。
【0216】
<3-3.第3のセンシングシナリオ>
図13は、第3のセンシングシナリオを説明するための図である。第3のセンシングシナリオは、基地局30から端末装置40へのバイスタティックセンシングのシナリオである。第3のセンシングシナリオでは、センシング信号は、基地局30から送信され、端末装置40で受信される。すなわち、第3のセンシングシナリオでは、基地局30がセンシング信号を送信し、端末装置40が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0217】
例えば、第3のセンシングシナリオでは、センシング信号は、例えば、基地局30から下りリンクリソースを用いて送信される下りリンクの信号である。或いは、センシング信号は、例えば、基地局30から下りリンクリソースを用いて送信される所定のセンシング信号である。この場合、端末装置40は、基地局30から下りリンクリソースを用いて送信される下りリンクの信号をセンシング信号として受信してもよい。
【0218】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、センシング信号を受信する端末装置40で用いられてもよい。なお、端末装置40は、センシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。例えば、端末装置40は、センシング結果を、後述する方法により、センシング信号を送信した基地局30にフィードバックしてもよい。なお、前述又は後述において、センシング結果とセンシングデータとは区別されてもよい。センシングデータは、受信装置(Sensing Receiver)によりセンシングされたデータを意味していてもよく、一方でセンシング結果は、センシングデータに対して所定の処理を実行した後の出力結果を示していてもよい。
【0219】
<3-4.第4のセンシングシナリオ>
図14は、第4のセンシングシナリオを説明するための図である。第4のセンシングシナリオは、端末装置40から基地局30へのバイスタティックセンシングのシナリオである。第4のセンシングシナリオでは、センシング信号は、端末装置40から送信され、基地局30で受信される。すなわち、第4のセンシングシナリオでは、端末装置40がセンシング信号を送信し、基地局30が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0220】
例えば、第4のセンシングシナリオでは、センシング信号は、例えば、端末装置40から上りリンクリソースを用いて送信される上りリンクの信号である。或いは、センシング信号は、例えば、端末装置40から上りリンクリソースを用いて送信される所定のセンシング信号である。この場合、基地局30は、端末装置40から上りリンクリソースを用いて送信される信号をセンシング信号として受信してもよい。
【0221】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、センシング信号を受信する基地局30で用いられてもよい。なお、基地局30は、センシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。例えば、基地局30は、センシング結果を、後述する方法により、センシング信号を送信した端末装置40にフィードバックしてもよい。
【0222】
<3-5.第5のセンシングシナリオ>
図15は、第5のセンシングシナリオを説明するための図である。第5のセンシングシナリオは、ある端末装置40(図15の例では、端末装置40)から他の端末装置40(図15の例では、端末装置40)へのバイスタティックセンシングのシナリオである。第5のセンシングシナリオでは、センシング信号は、ある端末装置40から送信され、他の端末装置40で受信される。すなわち、第5のセンシングシナリオでは、例えば図15に示すように、端末装置40がセンシング信号を送信し、端末装置40が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0223】
例えば、第5のセンシングシナリオでは、センシング信号は、例えば、端末装置40からサイドリンクリソースを用いて送信されるサイドリンクの信号である。或いは、センシング信号は、例えば、端末装置40からサイドリンクリソースを用いて送信される所定のセンシング信号である。この場合、端末装置40は、端末装置40からサイドリンクリソースを用いて送信される信号をセンシング信号として受信してもよい。
【0224】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、センシング信号を受信する端末装置40で用いられてもよい。なお、端末装置40は、センシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。例えば、端末装置40は、センシング結果を、後述する方法により、センシング信号を送信した端末装置40にフィードバックしてもよい。
【0225】
<3-6.第6のセンシングシナリオ>
図16は、第6のセンシングシナリオを説明するための図である。第6のセンシングシナリオは、ある基地局30(図16の例では、基地局30)から他の基地局30(図16の例では、基地局30)へのバイスタティックセンシングのシナリオである。第6のセンシングシナリオでは、センシング信号は、ある基地局30から送信され、他の基地局30で受信される。すなわち、第6のセンシングシナリオでは、例えば図16に示すように、基地局30がセンシング信号を送信し、基地局30が、物体で反射したセンシング信号を受信する。
【0226】
例えば、第6のセンシングシナリオでは、センシング信号は、例えば、基地局30から上りリンクリソース/下りリンクリソースを用いて送信される上りリンク/下りリンクの信号である。或いは、センシング信号は、例えば、基地局30から上りリンクリソース/下りリンクリソースを用いて送信される所定のセンシング信号である。この場合、基地局30は、基地局30から上りリンクリソース/下りリンクリソースを用いて送信される信号をセンシング信号として受信してもよい。
【0227】
センシング信号に基づいて得られるセンシング結果は、センシング信号を受信する基地局30で用いられてもよい。なお、基地局30は、センシング結果を他の通信ノードに送信してもよい。例えば、基地局30は、センシング結果を、後述する方法により、センシング信号を送信した基地局30にフィードバックしてもよい。例えば、基地局30は、センシング結果を、X2インタフェースまたはコアネットワークを経由して、センシング信号を送信した基地局30にフィードバックしてもよい。
【0228】
また、上述のセンシングシナリオでは、反射したセンシング信号を受信する例を記載した。しかしながら、本実施形態の実施例はこれに限定されない。例えば、通信装置は、透過したセンシング信号を受信してもよい。センシング信号の送信または受信に使用される無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよいし、テラ波(テラヘルツ波)を使った無線通信であってもよい。
【0229】
<<4.リソース割り当て>>
以上、本実施形態のセンシングシナリオについて説明したが、通信システム1の動作を説明する前に、センシング信号の送信のためのリソースの割り当てについて説明する。
【0230】
上述したように、通信システム1が備える通信装置(基地局30及び/又は端末装置40)は、セルラー通信を行うための無線通信リソース(以下、単にリソースともいう。)を使って、センシング信号を送信する。以下、センシング信号が、下りリンクのリソースを用いて送信される場合、上りリンクのリソースを用いて送信される場合、及びサイドリンクのリソースを用いて送信される場合、それぞれの場合のリソース割り当てについて説明する。
【0231】
<4-1.下りリンクのリソースを用いて送信される場合>
まず、センシング信号が下りリンクの無線通信リソースを用いて送信される場合のリソース割り当てについて説明する。以下の説明では、下りリンクのリソースを用いて送信されるセンシング信号のことを下りリンクのセンシング信号ということがある。
【0232】
<4-1-1.下りリンクのセンシング信号>
下りリンクのセンシング信号は、例えば基地局30から下りリンクのリソースを用いて送信される、下りリンクの信号または所定のセンシング信号である。下りリンクのセンシング信号は、例えば、以下の(D1)~(D9)に示す信号の少なくとも1つであってもよい。
【0233】
(D1)PRS(Positioning Reference Signal)
(D2)CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)
(D3)SSB(SS/PBCH Block)
(D4)PSS(Primary synchronization signal)
(D5)SSS(Secondary synchronization signal)
(D6)DMRS(Demodulation reference signal)
(D7)PT-RS(Phase-tracking reference signal)
(D8)RIM RS(Remote interference management reference signal)
(D9)DRS(Detection reference signal)
【0234】
また、下りリンクのセンシング信号は、上記(D1)~(D9)の少なくとも1つの信号の一部(例えば、リソースエレメントへのマッピング、信号系列、シーケンス、スクランブル符号、及び信号生成に用いられるパラメータの少なくとも1つ)を変更したものであってもよい。
【0235】
また、下りリンクのセンシング信号は、上記(D1)~(D9)の少なくとも1つの信号と準同置(QCL:Quasi-Co-Location)である信号及び/又はチャネルであってもよい。
【0236】
また、下りリンクのセンシング信号は、例えば、チャープ信号のような信号であってもよい。その他、下りリンクのセンシング信号は、任意の信号、任意の系列、及び/又は任意の波形であってもよい。なお、DRSは、物体の検出のための新たに定義(規格化)された信号である。
【0237】
これらの場合であっても、通信装置(例えば、基地局30)は、後述のリソース割り当て方法を用いて割り当てられたリソースを用いて、下りリンクのセンシング信号を送信できる。
【0238】
通信装置は、センシング信号を、PDCCH及び/又はPDSCH内の信号/情報(例えば、下りリンク制御情報、及び/又は下りリンクトランスポートブロック)と多重して送信してもよい。また、通信装置は、センシング信号を、上記下りリンクチャネル(例えば、PDCCH及び/又はPDSCH)とは異なる下りリンクチャネル(例えば、センシング信号のためのチャネル)で送信してもよい。
【0239】
<4-1-2.下りリンクリソースの割り当て方法>
通信装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースを他の通信装置から割り当てられてもよいし、自身で割り当ててもよい。例えば、センシング信号を送信する通信装置が基地局30の場合、基地局30自身がリソースを割り当ててもよい。通信装置(又は、他の通信装置)は、無線通信リソースを周期的または非周期的に割り当ててもよい。下りリンクのリソースは、例えば、PDCCH及び/又はPDSCHのリソースであってもよい。また、下りリンクのリソースは、上記下りリンクチャネル(例えば、PDCCH及び/又はPDSCH)とは異なる下りリンクチャネル(例えば、センシング信号の送信のための専用チャネル)のリソースであってもよい。
【0240】
センシング信号を送信する通信装置(例えば、基地局30)は、下りリンクのリソースを、他の通信ノード(例えば、管理装置20、及び/又は、他の基地局30)からの情報、及び/又は、制御局からの制御情報、に基づいて決定してもよい。
【0241】
<4-1-3.センシングシナリオとの対応>
上述の<4-1-1.下りリンクのセンシング信号>と<4-1-2.下りリンクリソースの割り当て方法>は、例えば、第1のセンシングシナリオ、第3のセンシングシナリオ、及び第6のセンシングシナリオに適用できる。
【0242】
センシングに関与しない通信装置(例えば、基地局30及び/又は他の基地局30の周辺に位置する通信装置)は、センシング信号を認識しなくてもよい。例えば、センシングに関与しない通信装置(例えば、端末装置40)は、下りリンクのセンシング信号の送信するためのリソースを使用しないよう設定してもよい。例えば、センシングに関与しない通信装置(例えば、端末装置40)は、下りリンクのセンシング信号を送信するためのリソースを使って送信される信号を、受信しない、またはスキップするように設定しもよい。
【0243】
周囲の通信装置(例えば、同一セル内の端末装置40)がセンシング信号送信用のリソースを使用しないようするため、基地局30は、一又は複数の通信装置(例えば、基地局30の制御下にある一又は複数の端末装置40)に対して、当該リソースを使用しないよう通知を行ってもよい。以下の説明では、一又は複数の通信装置が、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないようにするための通知(センシング信号の送信に使用する無線通信リソースを使用しないことを示す(又は指示する)情報の通知)を、非使用通知ということがある。
【0244】
基地局30は、複数の端末装置40に対して、例えば、以下の少なくとも1つを使って、この非使用通知を行ってもよい。
【0245】
・全て又は一部の端末装置40に対して報知されうる情報(例えば、PBCH、SIB(System information block))
・共通PDCCH(Common PDCCH)で送信されるDCI
・共通PDCCH(Common PDCCH)でスケジュールされるPDSCH
【0246】
なお、基地局30は、一又は複数の端末装置40に個別に非使用通知を行ってもよい。例えば、基地局30は、PDCCH及び/又はPDSCHを使って、一又は複数の端末装置40に個別に非使用通知を行ってもよい。
【0247】
基地局30から非使用通知を受けた通信装置(例えば、基地局30の制御下にある端末装置40)は、非使用通知に係るリソースを使用しない。例えば、非使用通知を受けた通信装置は、非使用通知に係るリソースを使って送信される信号の受信処理を行わないようにしてもよい。また、非使用通知を受けた通信装置は、例えば、少なくとも非使用通知に係るリソースを除いて受信処理を行うようにしてもよい。また、非使用通知を受けた通信装置は、例えば、非使用通知に係るリソースがスケジュールされないものとして動作を行うようにしてもよい。
【0248】
<4-2.上りリンクのリソースを用いて送信される場合>
次に、センシング信号が上りリンクの無線通信リソースを用いて送信される場合のリソース割り当てについて説明する。以下の説明では、上りリンクのリソースを用いて送信されるセンシング信号のことを上りリンクのセンシング信号ということがある。
【0249】
<4-2-1.上りリンクのセンシング信号>
上りリンクのセンシング信号は、例えば端末装置40から上りリンクのリソースを用いて送信される、上りリンクの信号または所定のセンシング信号である。
【0250】
例えば、上りリンクのセンシング信号は、端末装置40からの上りリンクのリソースを用いて送信される、上りリンクの信号または所定のセンシング信号である。上りリンクのセンシング信号は、例えば、以下の(U1)~(U6)に示す信号の少なくとも1つであってもよい。
【0251】
(U1)PRS(Positioning reference signal)
(U2)DMRS(Demodulation reference signal)
(U3)PT-RS(Phase-tracking reference signal)
(U4)SRS(Sounding reference signal)
(U5)PRACH(Physical random access channel)又はランダムアクセルプリアンブル
(U6)DRS(Detection reference signal)
【0252】
また、上りリンクのセンシング信号は、上記(U1)~(U6)の少なくとも1つの信号の一部(例えば、リソースエレメントへのマッピング、信号系列、シーケンス、スクランブル符号、及び信号生成に用いられるパラメータの少なくとも1つ)を変更したものであってもよい。
【0253】
また、上りリンクのセンシング信号は、上記(U1)~(U6)の少なくとも1つの信号と準同置(QCL:Quasi-Co-Location)である信号/チャネルであってもよい。
【0254】
また、上りリンクのセンシング信号は、例えば、チャープ信号のような信号であってもよい。その他、上りリンクのセンシング信号は、任意の信号、任意の系列、及び/又は任意の波形であってもよい。なお、DRSは、物体の検出のための新たに定義(規格化)された信号である。
【0255】
これらの場合であっても、通信装置(例えば、端末装置40)は、後述のリソース割り当て方法を用いて割り当てられたリソースを用いて、上りリンクのセンシング信号を送信できる。
【0256】
通信装置は、センシング信号を、PUCCH及び/又はPUSCH内の信号/情報(例えば、上りリンク制御情報、及び/又は、上りリンクトランスポートブロック)と多重して送信してもよい。また、通信装置は、センシング信号を、上記上りリンクチャネル(例えば、PUCCH及び/又はPUSCH)とは異なる上りリンクチャネル(例えば、センシング信号の送信のための専用チャネル)で送信してもよい。
【0257】
上りリンクのセンシング信号を使用したセンシングは、通信装置(例えば、端末装置40)が基地局30の受信エリア内にいる場合(In-coverageである場合)のみ利用可能であってもよい。すなわち、通信装置(例えば、端末装置40)が基地局30の受信エリア外にいる場合(Out-of-coverageである場合)には、通信装置は、上りリンクのリソースを使ってセンシング信号を送信しないようにしてもよい。
【0258】
<4-2-2.上りリンクリソースの割り当て方法>
通信装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースを他の通信装置から割り当てられてもよい。例えば、センシング信号を送信する通信装置が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40は、センシング信号を送信するための一又は複数のリソースを、基地局30から割り当てられてもよい。なお、他の通信装置(例えば、基地局30)は、通信装置のセンシングに先立って、シグナリングにより、上りリンクのリソースを割り当ててもよい。このとき、他の通信装置は、無線通信リソースを周期的または非周期的に割り当ててもよい。上りリンクのリソースは、例えば、PUCCH及び/又はPUSCHのリソースであってもよい。また、上りリンクのリソースは、上記上りリンクチャネル(例えば、PUCCH及び/又はPUSCH)とは異なる上りリンクチャネル(例えば、センシング信号の送信のための専用チャネル)のリソースであってもよい。
【0259】
<センシングシナリオとの対応>
上述の<4-2-1.上りリンクのセンシング信号>と<4-2-2.上りリンクリソースの割り当て方法>は、例えば、第2のセンシングシナリオ、第4のセンシングシナリオ、及び第5のセンシングシナリオに適用できる。
【0260】
<4-3.サイドリンクのリソースを用いて送信される場合>
次に、センシング信号がサイドリンクの無線通信リソースを用いて送信される場合のリソース割り当てについて説明する。以下の説明では、サイドリンクのリソースを用いて送信されるセンシング信号のことをサイドリンクのセンシング信号ということがある。
【0261】
<4-3-1.サイドリンクのセンシング信号>
例えば、サイドリンクのセンシング信号は、例えば端末装置40からサイドリンクのリソースを用いて送信される、サイドリンクの信号または所定のセンシング信号である。上りリンクのセンシング信号は、例えば、以下の(S1)~(S8)に示す信号の少なくとも1つであってもよい。
【0262】
(S1)S-PRS(Sidelink Positioning Reference Signal)
(S2)CSI-RS(Channel State Information Reference Signal)
(S3)S-SSB (Sidelink SS/PBCH Block)
(S4)S-PSS(Sidelink Primary Synchronization Signal)
(S5)S-SSS(Sidelink Secondary Synchronization Signal)
(S6)DMRS(Demodulation Reference signal)
(S7)PT-RS(Phase Tracking Reference Signal)
(S8)DRS(Detection reference signal)
【0263】
また、サイドリンクのセンシング信号は、上記(S1)~(S8)の少なくとも1つの信号の一部(例えば、リソースエレメントへのマッピング、信号系列、シーケンス、スクランブル符号、及び信号生成に用いられるパラメータの少なくとも1つ)を変更したものであってもよい。
【0264】
また、サイドリンクのセンシング信号は、上記(S1)~(S8)の少なくとも1つの信号と準同置(QCL:Quasi-Co-Location)である信号/チャネルであってもよい。
【0265】
また、サイドリンクのセンシング信号は、例えば、チャープ信号のような信号であってもよい。その他、サイドリンクのセンシング信号は、任意の信号、任意の系列、及び/又は任意の波形であってもよい。なお、DRSは、物体の検出のための新たに定義(規格化)された信号である。
【0266】
これらの場合であっても、通信装置(例えば、端末装置40)は、後述のリソース割り当て方法を用いて割り当てられたリソースを用いて、サイドリンクのセンシング信号を送信できる。
【0267】
通信装置は、センシング信号を、PSCCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Control Channel)、及びPSFCH(Physical Sidelink Feedback Channel)の少なくとも1つのチャネル内の信号/情報(例えば、サイドリンク制御情報、サイドリンクトランスポートブロック、及びサイドリンクフィードバック情報の少なくとも1つ)と多重して送信してもよい。また、通信装置は、センシング信号を、上記サイドリンクチャネル(例えば、PSCCH、PSSCH、及びPSFCHの少なくとも1つ)とは異なるサイドリンクチャネル(例えば、センシング信号の送信ための専用チャネル)で送信してもよい。
【0268】
サイドリンクのセンシング信号を使用したセンシングは、通信装置(例えば、端末装置40)が基地局30の受信エリア外にいる場合(Out-of-coverageである場合)のみ利用可能であってもよい。その場合、センシング信号及びそのリソースに関する設定は、事前に(例えば、通信装置が基地局30の受信エリア内にいるときに)なされてもよい。
【0269】
なお、サイドリンクのセンシング信号を使用したセンシングは、通信装置(例えば、端末装置40)が基地局30の受信エリア内にいる場合(In-coverageである場合)にも利用可能である。例えば、通信装置は、センシング信号を受信する通信ノードが端末装置40であるか否かによって、サイドリンクのセンシング信号を使用したセンシングを使用する否かを決定してもよい。例えば、センシング信号を送信する端末装置40は、センシング信号を受信する通信ノードが端末装置40である場合、センシング信号をサイドリンクのリソースを使って送信すると決定し、センシング信号を受信する通信ノードが基地局30である場合、センシング信号を上りリンクのリソースを使って送信すると決定してもよい。この決定は、センシング信号を送信する通信装置以外の装置(例えば、管理装置20及び/又は基地局30)が行ってもよい。
【0270】
<4-3-2.サイドリンクリソースの割り当て方法>
通信装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースを他の通信装置から割り当てられてもよい。例えば、センシング信号を送信する通信装置が端末装置40の場合、端末装置40は、センシング信号を送信するための一又は複数のリソースを、基地局30から割り当てられてもよい。なお、他の通信装置(例えば、基地局30又は他の端末装置40)は、通信装置のセンシングに先立って、シグナリングにより、サイドリンクのリソースを通信装置に割り当ててもよい。このとき、他の通信装置は、サイドリンクのリソースを例えばPDCCHにより動的に割り当ててもよいし、例えばRRCシグナリングにより準静的に割り当ててもよい。他の通信装置は、サイドリンクのリソースを周期的に割り当ててもよいし、非周期的に割り当ててもよい。
【0271】
このサイドリンクのリソースは、通信装置(例えば、送信側及び/又は受信側の端末装置40)が、サイドリンクのリソースの空き状況を所定の方法によりモニタリング(サイドリンクセンシング)することにより発見した空きリソース(所定の条件を満たすリソース)であってもよい。
【0272】
また、サイドリンクのリソースは、例えば、PSCCH、PSSCH、及びPSFCHの少なくとも1つのリソースであってもよい。また、サイドリンクのリソースは、上記サイドリンクチャネル(例えば、PSCCH、PSSCH、及びPSFCH)とは異なるサイドリンクチャネル(例えば、センシング信号の送信のための専用チャネル)のリソースであってもよい。
【0273】
<4-3-3.センシングシナリオとの対応>
上述の<4-3-1.サイドリンクのセンシング信号>と<4-3-2.サイドリンクリソースの割り当て方法>は、第2のセンシングシナリオ、第4のセンシングシナリオ、及び第5のセンシングシナリオに適用できる。
【0274】
<<5.フィードバック>>
以上、本実施形態のセンシングシナリオについて説明したが、通信システム1の動作を説明する前に、センシング結果のフィードバックについて説明する。
【0275】
図17は、センシング結果のフィードバックを説明するための図である。上述したように、センシング信号を受信した通信装置(以下、受信装置という。)は、センシング信号を送信した送信装置(以下、送信装置という。)に対し、センシング結果をフィードバックしてもよい。センシング結果は、センシング信号の受信結果そのものであってもよいし、センシング信号の受信結果に基づく処理結果(例えば、物体の検出結果)であってもよい。以下の説明では、センシング結果としてフィードバックされる情報のことを、単にフィードバック情報ということがある。
【0276】
センシング信号の送信装置は、センシング信号の受信装置からのフィードバック情報に基づいて各種処理を行ってもよい。例えば、センシング信号の送信装置は、センシング信号の受信装置からフィードバックされたセンシング信号の受信結果に基づいて物体の検出を行ってもよい。また、センシング信号の送信装置は、センシング信号の受信装置からフィードバックされた受信結果/検出結果に基づいて、自身の無線通信に関する通信設定を行ってもよい。また、センシング信号の送信装置は、センシング信号の受信装置からフィードバックされた受信結果/検出結果に基づいて、他の通信装置の通信制御を行ってもよい。
【0277】
以下、センシング結果が上りリンクのリソース(又は、上りリンクチャネル)を用いて送信される場合、サイドリンクのリソース(又は、サイドリンクチャネル)を用いて送信される場合、及び下りリンクのリソース(又は、下りリンクチャネル)を用いて送信される場合、それぞれの場合のセンシング結果のフィードバックについて説明する。
【0278】
<5-1.上りリンクのリソースを用いて送信される場合>
センシング信号の受信装置は、上りリンクのリソース又はチャネルを用いて、センシング信号の送信装置にセンシング結果をフィードバックしてもよい。ここで、センシング信号の送信装置は、例えば、基地局30であり、センシング信号の受信装置は、例えば、端末装置40である。
【0279】
<5-1-1.フィードバック方法>
センシング信号の受信装置は、センシング結果を、物理レイヤの情報(上りリンク制御情報)として、PUCCH及び/又はPUSCHによりフィードバックしてもよい。また、センシング信号の受信装置は、センシング結果を、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及び/又はMAC(Medium Access Control)レイヤの情報として、PUSCHによりフィードバックしてもよい。さらに又はこれに代えて、センシング信号の受信装置が端末装置40の場合、センシング結果のフィードバックはNASシグナリングでおこなわれてもよい。すなわち、センシング信号の受信装置としての端末装置40は、コアネットワークノード(e.g., AMF又はセンシングサービスを提供するコアネットワークエンティティ)に対して、NASシグナリングでセンシング結果をフィードバックしてもよい。
【0280】
<5-1-2.リソース割り当て方法>
基地局30は、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置に対し、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報を通知してもよい。このとき、基地局30は、センシング信号の送信装置であってもよい。例えば、センシング信号の送信装置となる基地局30は、センシング信号の受信装置となる端末装置40に対し、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報を通知してもよい。
【0281】
このとき、基地局30は、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報をPDCCHおよび/またはRRCシグナリングにより明示的に通知してもよい。基地局30は、リソースの情報を、センシング信号をスケジュールする制御情報に含めて送信してもよい。また、基地局30は、リソースの情報を、センシング信号に多重して送信してもよい。
【0282】
また、センシング信号の受信装置は、フィードバック情報(センシング結果)に対応するセンシング信号、及び/又は、センシング信号の送信に使用されたリソースの情報、に基づいて、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。このとき、センシング信号の受信装置は、上記のPDCCH及び/又はRRCシグナリングにより通知される制御情報をさらに用いて(又は組み合わせて)、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。
【0283】
例えば、センシング信号の受信装置は、フィードバック情報を送信するためのリソースを、以下のパラメータのうち、少なくとも1つに基づいて決定してもよい。
・センシング信号を識別するためのID
・センシング信号の系列(シーケンス、及び/又は符号)
・センシング信号を送信するリソースブロック番号、スロット番号、サブキャリア番号、及びシンボル番号の少なくとも1つ
・センシング信号の、TCI(Transmission configuration indicator)、QCL(Quasi-co-location)、及びビームに関する情報、の少なくとも1つ
【0284】
<5-2.サイドリンクのリソースを用いて送信される場合>
センシング信号の受信装置は、サイドリンクのリソース又はチャネルを用いて、センシング信号の送信装置にセンシング結果をフィードバックしてもよい。ここで、センシング信号の送信装置は、例えば、端末装置40であり、センシング信号の受信装置は、例えば、他の端末装置40である。
【0285】
<5-2-1.フィードバック方法>
センシング信号の受信装置は、センシング結果を、物理レイヤの情報(サイドリンク制御情報)として、PSCCH及び/又はPSSCHによりフィードバックしてもよい。また、センシング信号の受信装置は、センシング結果を、RRCレイヤ及び/又はMACレイヤの情報として、PSSCHによりフィードバックしてもよい。
【0286】
<5-2-2.リソース割り当て方法>
基地局30は、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置に対し、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報を通知してもよい。このとき、基地局30は、センシング信号の送信装置及び受信装置以外の装置であってもよい。
【0287】
このとき、基地局30は、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報をPDCCHおよび/またはRRCシグナリングにより明示的に通知してもよい。基地局30は、リソースの情報を、センシング信号をスケジュールする制御情報に含めて送信してもよい。基地局30は、リソースの情報を、センシング信号に多重して送信してもよい。
【0288】
また、センシング信号の送信装置が、センシング信号の受信装置に対して、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報をPDCCHおよび/またはRRCシグナリングにより明示的に通知してもよい。センシング信号の送信装置は、リソースの情報を、センシング信号をスケジュールする制御情報に含めて送信してもよい。センシング信号の送信装置は、リソースの情報を、センシング信号に多重して送信してもよい。
【0289】
また、センシング信号の受信装置は、フィードバック情報(センシング結果)に対応するセンシング信号、及び/又は、センシング信号の送信に使用されたリソースの情報、に基づいて、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。このとき、センシング信号の受信装置は、上記のPDCCH、PSCCH、及びRRCシグナリングの少なくとも1つにより通知される制御情報をさらに用いて(又は組み合わせて)、フィードドバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。
【0290】
例えば、センシング信号の受信装置は、フィードバック情報を送信するためのリソースを、以下のパラメータのうち、少なくとも1つに基づいて決定してもよい。
・センシング信号を識別するためのID
・センシング信号の系列(シーケンス、及び/又は符号)
・センシング信号を送信するリソースブロック番号、スロット番号、サブキャリア番号、及びシンボル番号の少なくとも1つ、又は
・センシング信号の、TCI(Transmission configuration indicator)、QCL(Quasi-co-location)、及びビームに関する情報、の少なくとも1つ
【0291】
このフィードバック情報を送信するためのリソースは、通信装置(例えば、送信側及び/又は受信側の端末装置40)が、サイドリンクのリソースの空き状況を所定の方法によりモニタリング(サイドリンクセンシング)することにより発見した空きリソース(所定の条件を満たすリソース)であってもよい。
【0292】
<5-3.下りリンクのリソースを用いて送信される場合>
センシング信号の受信装置は、下りリンクのリソース又はチャネルを用いて、センシング信号の送信装置にセンシング結果をフィードバックしてもよい。ここで、センシング信号の送信装置は、例えば、端末装置40であり、センシング信号の受信装置は、例えば、基地局30である。
【0293】
<5-3-1.フィードバック方法>
センシング信号の受信装置は、センシング結果を、物理レイヤの情報(下りリンク制御情報)として、PDCCH及び/又はPDSCHによりフィードバックしてもよい。また、センシング信号の受信装置は、センシング結果を、RRCレイヤ及び/又はMACレイヤの情報として、PDSCHによりフィードバックしてもよい。
【0294】
<5-3-2.リソース割り当て方法>
基地局30がセンシング信号の受信装置となる場合、基地局30は、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報を自身で決定してもよい。この場合、フィードバック情報を受信する通信ノード(例えば、端末装置40)は、そのフィードバック情報を送信するためのリソースがスケジュールされてもよい。すなわち、基地局30は、フィードバック情報を受信する通信ノードに対し、そのリソースの情報(スケジューリング情報)を通知してもよい。
【0295】
このとき、基地局30は、フィードバック情報を送信するためのリソースの情報をPDCCHおよび/またはRRCシグナリングにより明示的に通知してもよい。
【0296】
また、センシング信号の受信装置が、フィードバック情報(センシング結果)に対応するセンシング信号、及び/又は、センシング信号の送信に使用されたリソースの情報、に基づいて、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。このとき、センシング信号の送信装置は、そのセンシング信号に対応するフィードバック情報を受信するためのリソースが、そのセンシング信号、及び/又は、そのセンシング信号の送信に使用されたリソースの情報、に基づいて決まるリソースであるとして受信処理を行ってもよい。
【0297】
センシング信号の受信装置は、フィードバック情報(センシング結果)に対応するセンシング信号、及び/又は、センシング信号の送信に使用されたリソースの情報、に基づいて、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。このとき、センシング信号の受信装置は、上記のPDCCH及び/又はRRCシグナリングにより通知される制御情報をさらに用いて(又は組み合わせて)、フィードバック情報を送信するためのリソースを決定してもよい。
【0298】
例えば、センシング信号の受信装置は、フィードバック情報を送信するためのリソースを、以下のパラメータのうち少なくとも1つに基づいて決定してもよい。
・センシング信号を識別するためのID
・センシング信号の系列(シーケンス、及び/又は符号)
・センシング信号を送信するリソースブロック番号、スロット番号、サブキャリア番号、及びシンボル番号の少なくとも1つ、又は
・センシング信号の、TCI(Transmission configuration indicator)、QCL(Quasi-co-location)、及びビームに関する情報、の少なくとも1つ
【0299】
<<6.通信システム1の動作>>
以上を前提に、通信システム1の動作を説明する。
【0300】
<6-1.第1の実施例(モノスタティックセンシング)>
まず、第1の実施例に係る通信システム1の動作を説明する。第1の実施例では、モノスタティックセンシング(例えば、第1のセンシングシナリオ、又は第2のセンシングシナリオ)に係る通信システム1の動作を説明する。
【0301】
図18は、モノスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。図18に示すそれぞれの処理は、必ずしもすべての処理が発明の実施のために必要な構成とは限らない。換言すると、図18におけるそれぞれの処理は各々が独立に実施されうる。
【0302】
モノスタティックセンシングでは、センシング信号は、一の通信装置(以下、センシング装置ともいう。)が送受信する、モノスタティックセンシングのための信号である。センシング装置は、センシング信号を送受信する装置であり、例えば、基地局30又は端末装置40である。以下、図18のシーケンス図を参照しながら、モノスタティックセンシングに係るセンシング処理を説明する。
【0303】
まず、センシング装置は、一又は複数の他の通信装置との間で、センシングに関するシグナリングを行う(ステップS101)。ここで、シグナリングは、センシングに関する情報(例えば、センシングのための制御情報)の送信及び/又は受信である。例えば、センシング装置が基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、端末装置40及び/又は他の基地局30との間で、センシングに関するシグナリングを行う。また、例えば、センシング装置が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、基地局30及び/又は他の端末装置40との間で、センシングに関するシグナリングを行う。
【0304】
ここで、センシング装置(例えば、基地局30、又は端末装置40)は、一又は複数の他の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。シグナリングは、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングであってもよい。
【0305】
例えば、センシング装置が基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、端末装置40及び/又は他の基地局30に対して、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。また、例えば、センシング装置が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、基地局30及び/又は他の端末装置40に対して、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。これにより、センシング及び/又はセルラー通信の混乱を防ぐことができる。
【0306】
また、センシング装置が、端末装置40であり、一又は複数の他の通信装置に基地局30が含まれるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、センシング信号を送信してもよいか否かを決定するため、シグナリングにより、自身(端末装置40)が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。
【0307】
続いて、センシング装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースの設定を行う(ステップS102)。このとき、センシング装置は、上述の<4.リソース割り当て>で示した方法により割り当てられたリソースを、センシング信号を送信するための無線通信リソースとして設定してもよい。
【0308】
続いて、センシング装置は、ステップS102で設定した無線通信リソースを使って、センシング信号の送信及び受信を行う(ステップS103)。例えば、センシング装置が基地局30であるとする。このとき、基地局30のセンシング部332が、センシング信号の送信及び受信を行ってもよい。また、例えば、センシング装置が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のセンシング部332が、センシング信号の送信及び受信を行ってもよい。
【0309】
なお、センシング装置が、端末装置40であり、一又は複数の他の通信装置に基地局30が含まれるとする。上述したように、端末装置40のシグナリング部431は、シグナリングにより、自身(端末装置40)が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。このとき、端末装置40のセンシング部332は、自身(端末装置40)が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、センシング信号の送信及び受信を行い、自身(端末装置40)が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、センシング信号の送信及び受信を行わないようにしてもよい。これにより、不規則な無線通信リソースの使用を防ぐことができる。
【0310】
続いて、センシング装置は、センシング信号の受信結果に基づいて、物体の検出処理を行う(ステップS104)。例えば、センシング装置が基地局30であるとする。このとき、基地局30のセンシング部332が、物体の検出処理を行ってもよい。また、例えば、センシング装置が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のセンシング部332が、物体の検出処理を行ってもよい。
【0311】
センシング装置は、物体の検出結果に基づいて自身の通信パラメータの設定を変更してもよい。また、センシング装置は、他の通信装置(例えば、サーバ10、及び/又は管理装置20)に物体の検出結果を送信してもよい。
【0312】
<6-2.第2の実施例(バイスタティックセンシング)>
まず、第2の実施例に係る通信システム1の動作を説明する。第2の実施例では、バイスタティックセンシング(例えば、第3のセンシングシナリオ、第4のセンシングシナリオ、第5のセンシングシナリオ、又は第6のセンシングシナリオ)に係る通信システム1の動作を説明する。
【0313】
図19は、バイスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。図19に示すそれぞれの処理は、必ずしもすべての処理が発明の実施のために必要な構成とは限らない。換言すると、図19におけるそれぞれの処理は各々が独立に実施されうる。
【0314】
バイスタティックセンシングでは、センシング信号は、一の通信主体(以下、送信装置という。)から一の他の通信主体(以下、受信装置という。)へ送信される、バイスタティックセンシングのための信号である。ここで、送信装置は、センシング信号を送信する通信装置であり、例えば、基地局30又は端末装置40である。また、受信装置は、センシング信号を受信する通信装置であり、例えば、他の基地局30又は他の端末装置40である。以下、図19のシーケンス図を参照しながら、バイスタティックセンシングに係るセンシング処理を説明する。
【0315】
まず、送信装置と受信装置は、センシングに関するシグナリングを行う(ステップS201)。ここで、シグナリングは、センシングに関する情報(例えば、センシングのための制御情報)の送信及び/又は受信である。シグナリングは、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングであってもよい。
【0316】
例えば、送信装置及び受信装置の一方が基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、端末装置40及び/又は他の基地局30との間で、センシングに関するシグナリング(例えば、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するケイパビリティ情報の送信及び/又は受信)を行ってもよい。また、例えば、送信装置及び受信装置の一方が端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、基地局30及び/又は他の端末装置40との間で、センシングに関するシグナリング(例えば、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するケイパビリティ情報の送信及び/又は受信)を行ってもよい。
【0317】
なお、送信装置及び/又は受信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置とシグナリングを行ってもよい。例えば、送信装置及び/又は受信装置は、同一セル内の一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置とシグナリングを行ってもよい。このとき、送信装置及び/又は受信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。これにより、センシング及び/又はセルラー通信の混乱を防ぐことができる。
【0318】
また、送信装置及び受信装置の一方が他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置であり、送信装置及び受信装置の他方が他の端末装置40であるとする。そして、一又は複数の他の通信装置にこのサイドリンク通信を制御する基地局30が含まれるとする。このとき、端末装置40及び/又は他の端末装置40は、センシング信号を送信してもよいか否かを決定するため、シグナリングにより、自身が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。
【0319】
続いて、送信装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースの設定を行う(ステップS202a)。また、受信装置は、センシング信号を受信するための無線通信リソースの設定を行う(ステップS202b)。このとき、送信装置及び受信装置は、上述の<4.リソース割り当て>で示した方法により割り当てられたリソースを、センシング信号を送信又は受信するための無線通信リソースとして設定してもよい。
【0320】
続いて、送信装置は、ステップS202aで設定した無線通信リソースを使って、センシング信号の送信を行う(ステップS203)。受信装置は、その無線通信リソースを使って送信されたセンシング信号を受信する。
【0321】
なお、送信装置及び受信装置の一方が他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置であり、送信装置及び受信装置の他方が他の端末装置40であるとする。そして、一又は複数の他の通信装置にこのサイドリンク通信を制御する基地局30が含まれるとする。上述したように、端末装置40及び/又は他の端末装置40は、他の通信装置(例えば、基地局30)とのシグナリングにより、端末装置40及び/又は他の端末装置40が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。シグナリングの相手となる他の通信装置は、基地局30に限られず、例えば、サイドリンク通信相手となる端末装置40であってもよい。端末装置40及び/又は他の端末装置40は、端末装置40及び他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、センシング信号の送信を行い、端末装置40及び他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、センシング信号の送信を行わないようにしてもよい。これにより、不規則な無線通信リソースの使用を防ぐことができる。
【0322】
続いて、受信装置は、センシング信号の受信結果に基づいて、物体の検出処理を行う(ステップS204)。受信装置は、物体の検出結果に基づいて自身の通信パラメータの設定を変更してもよい。また、センシング装置は、他の通信装置(例えば、サーバ10、及び/又は管理装置20)に物体の検出結果を送信してもよい。
【0323】
なお、受信装置(例えば、他の端末装置40のフィードバック部433)は、一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つに対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい(ステップS205)。例えば、受信装置は、送信装置に対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。このとき、受信装置は、センシング信号、及び当該センシング信号を送信するための無線通信リソース、の少なくとも一方に基づき決まるリソースを使ってセンシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。その他、受信装置は、上述の<5.フィードバック>で示した方法により割り当てられたリソースを使って、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。
【0324】
なお、受信装置は、他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置40であってもよい。そして、一又は複数の他の通信装置には、サイドリンク通信を制御する基地局30が含まれていてもよい。このとき、受信装置は、基地局30に対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。
【0325】
<6-3.第3の実施例(マルチスタティックセンシング)>
まず、第3の実施例に係る通信システム1の動作を説明する。第3の実施例では、マルチスタティックセンシングに係る通信システム1の動作を説明する。
【0326】
<6-3-1.マルチスタティックセンシングについて>
マルチスタティックセンシングは、複数の通信装置が、センシング信号の送信又は受信に関与する、マルチスタティック方式のセンシングである。本実施形態のマルチスタティックセンシングは、以下の(P1)~(P3)のいずれのパターンであってもよい。
【0327】
(P1)パターン1(一対多)
本実施形態のマルチスタティックセンシングは、一の通信装置(一の送信装置)がセンシング信号を送信し、複数の通信装置(複数の受信装置)がセンシング信号を受信するパターンであってもよい。複数の受信装置には、送信装置が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0328】
(P2)パターン2(多対一)
本実施形態のマルチスタティックセンシングは、複数の通信装置(複数の送信装置)がセンシング信号を送信し、一の通信装置(一の受信装置)がセンシング信号を受信するパターンであってもよい。複数の送信装置には、受信装置が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0329】
(P3)パターン3(多対多)
本実施形態のマルチスタティックセンシングは、複数の通信装置(複数の送信装置)がセンシング信号を送信し、複数の通信装置(複数の受信装置)がセンシング信号を受信するケースであってもよい。複数の受信装置には、複数の送信装置の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。複数の送信装置には、複数の受信装置の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0330】
<6-3-2.センシング信号の送信及び/又は受信>
前述の又は後述のマルチスタティックセンシングにおいて、センシング信号は、複数の通信主体から通信装置(例えば、基地局30又は端末装置40)を含む一又は複数の通信装置へ送信される、或いは、通信装置(例えば、基地局30又は端末装置40)を含む一又は複数の通信装置から複数の通信主体へ送信される信号である。複数の通信主体には、一又は複数の他の通信装置(例えば、他の基地局30又は他の端末装置40)の少なくとも1つが含まれる。
【0331】
前述の又は後述のマルチスタティックセンシングにおいて、一又は複数の通信装置(例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40)は、それぞれ、1つのセンシング信号を送信及び/又は受信してもよいし、複数のセンシング信号を送信及び/又は受信してもよい。
【0332】
また、センシングに複数のセンシング信号が用いられる場合、一又は複数の通信装置は、それらのセンシング信号を、同じリソースを用いて送信及び/又は受信してもよいし、異なるリソースを用いて送信及び/又は受信してもよい。ここで、リソースは、時間リソース、周波数リソース、及び空間リソース、の少なくとも1つであってもよい。
【0333】
また、センシング信号の送信が複数行われる場合、一又は複数の通信装置は、複数の送信(又は、複数の受信)を異なるタイミングで行ってもよい。
【0334】
<6-3-3.マルチスタティックセンシングを行う通信主体>
マルチスタティックセンシングを行う複数の通信主体(一又は複数の送信装置、及び/又は、一又は複数の受信装置)は、グループとして定義されうる。複数の送信装置がグループとして定義されてもよいし、複数の受信装置がグループとして定義されてもよいし、一又は複数の送信装置と一又は複数の受信装置とを含む複数の通信装置がグループとして定義されてもよい。さらに、当該グループは、センシングデータを同期して収集できる一又は複数の送信装置、及び/又は、一又は複数の受信装置のセットとして定義されてもよい。
【0335】
このとき、通信装置は、グループ化する複数の通信主体を複数の通信装置の中から選択してもよい。すなわち、通信装置(例えば、基地局30の選択部334及び/又は端末装置40の選択部434)は、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を複数の通信装置の中から選択してもよい。
【0336】
このとき、選択を行う通信装置は、センシング信号の送信装置となる通信装置(例えば、基地局30及び/又は端末装置40)であってもよいし、センシング信号の受信装置となる通信装置(例えば、他の基地局30及び/又は他の端末装置40)であってもよい。また、選択を行う通信装置は、送信装置及び受信装置以外の装置(例えば、サーバ10及び/又は管理装置20)であってもよい。送信装置及び受信装置以外の装置には、センシングに関与しない無線通信装置(例えば、基地局30及び/又は端末装置40)が含まれていてもよい。
【0337】
通信装置は、グループを、静的、準静的、又は動的に構成してもよい。すなわち、通信装置は、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を、複数の通信装置の中から、静的、準静的、又は動的に選択してもよい。
【0338】
例えば、通信装置は、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を、他の複数の通信装置の少なくとも1つとのシグナリングの結果(例えば、通信装置の位置、姿勢、及びケイパビリティの少なくとも1つの情報)に基づいて、複数の通信装置の中から、動的に選択してもよい。
【0339】
例えば、グループが、動的に構成されるとする。このとき、通信装置は、まず、時刻tにおけるグループを構成する。例えば、通信装置は、複数の通信装置の中から、時刻tにおける複数の通信主体(一又は複数の送信装置及び/又は一又は複数の受信装置)を選択する。このとき、通信装置は、他の複数の通信装置とのシグナリングの結果に基づいて、他の複数の通信装置の中から、時刻tにおける複数の通信主体と選択してもよい。
【0340】
次に、通信装置は、時刻t+1におけるグループを構成する。このとき、通信装置は、時刻tにおける複数の通信主体の中から、時刻t+1における複数の通信主体(一又は複数の送信装置及び/又は一又は複数の受信装置)を選択してもよい。このとき、通信装置は、時刻tにおける複数の通信主体のうちの一又は複数の通信装置とのシグナリングの結果に基づいて、時刻tにおける複数の通信主体の中から、時刻t+1における複数の通信主体と選択してもよい。
【0341】
なお、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を静的、準静的、又は動的選択するにあたり、通信装置は、センシングの精度に関する基準に基づいて複数の通信主体を選択してもよい。例えば、通信装置は、シグナリングの結果(例えば、通信装置の位置、姿勢、及びケイパビリティの少なくとも1つの情報)に基づいて、他の複数の通信装置の中から、物体の検出精度が所定の精度以上となると想定される複数の通信装置(例えば、物体の近くにいると想定される複数の通信装置)を動的に選択してもよい。
【0342】
また、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を静的、準静的、又は動的選択するにあたり、通信装置は、通信への干渉に関する基準に基づいて複数の通信主体を選択してもよい。例えば、通信装置は、シグナリングの結果(例えば、通信装置の位置、姿勢、及びケイパビリティの少なくとも1つの情報)に基づいて、他の複数の通信装置の中から、他の通信装置の通信への干渉が所定の基準以下となると想定される複数の通信装置を動的に選択してもよい。
【0343】
また、マルチスタティックセンシングに行う複数の通信主体を静的、準静的、又は動的選択するにあたり、通信装置は、センシングへの干渉に関する基準に基づいて複数の通信主体を選択してもよい。例えば、通信装置は、シグナリングの結果(例えば、通信装置の位置、姿勢、及びケイパビリティの少なくとも1つの情報)に基づいて、他の複数の通信装置の中から、通信装置のセンシングへの干渉が所定の基準以下となると想定される複数の通信装置を動的に選択してもよい。
【0344】
その他、通信装置は、センシングの精度に関する基準、通信への干渉に関する基準、及びセンシングへの干渉に関する基準のうちの複数の基準に基づいて、複数の通信主体を選択してもよい。
【0345】
<6-3-4.マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオ>
マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオは、上記<3.センシングシナリオ>に示した第1から第6のセンシングシナリオの組み合わせで定義されうる。このとき、第1から第6のセンシングシナリオのうちの二以上の異なるセンシングシナリオが組み合わせられてもよいし、同じセンシングシナリオが組み合わせられてもよい。
【0346】
図20は、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオを説明するための図である。図20には、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオとして、第1から第6のセンシングシナリオのうちの二つのセンシングシナリオの組み合わせの一覧が示されている。図中、BSは、基地局30であり、UEは、端末装置40である。
【0347】
具体的には、本実施形態のマルチスタティックセンシングのセンシングシナリオは、以下の(M1)~(M21)に示すセンシングシナリオの少なくとも1つであってもよい。
【0348】
なお、図20の例では、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオとして、モノスタティックセンシング及びバイスタティックセンシングのセンシングシナリオのうちの2つのセンシングシナリオの組み合わせが示されている。しかしながら、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオは、3つ以上のセンシングシナリオの組み合わせあってもよい。また、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオは、モノスタティックセンシング、バイスタティックセンシング、及びマルチスタティックセンシングのセンシングシナリオのうちの2つ以上のセンシングシナリオの組み合わせであってもよい。
【0349】
なお、以下の説明では、第Nのセンシングシナリオと第Nのセンシングシナリオを組み合わせたセンシングシナリオのことをセンシングシナリオN-Nと表現することがある。例えば、第1のセンシングシナリオと第3のセンシングシナリオを組み合わせたセンシングシナリオは、センシングシナリオ1-3である。
【0350】
以下、図20に示す、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオをそれぞれ説明する。
【0351】
(M1)センシングシナリオ1-1
センシングシナリオ1-1は、第1のセンシングシナリオと第1のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-1では、複数の基地局30がセンシング信号を送信し、その複数の基地局30のうちの一の基地局30がセンシング信号を受信する。或いは、センシングシナリオ1-1では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30を含む複数の基地局30がセンシング信号を受信する。
【0352】
(M2)センシングシナリオ1-2
センシングシナリオ1-2は、第1のセンシングシナリオと第2のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-2では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30が、自身が送信したセンシング信号を受信する。加えて、センシングシナリオ1-2では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40が、自身が送信したセンシング信号を受信する。
【0353】
(M3)センシングシナリオ1-3
センシングシナリオ1-3は、第1のセンシングシナリオと第3のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-3では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30と一の端末装置40がセンシング信号を受信する。
【0354】
(M4)センシングシナリオ1-4
センシングシナリオ1-4は、第1のセンシングシナリオと第4のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-4では、一の端末装置40と一の基地局30がそれぞれセンシング信号を送信し、その一の基地局30が両方のセンシング信号を受信する。
【0355】
(M5)センシングシナリオ1-5
センシングシナリオ1-5は、第1のセンシングシナリオと第5のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-5では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、複数の基地局30が、センシング信号を受信する。このとき、センシング信号を受信する複数の基地局30には、センシング信号を送信する一の基地局30が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。或いは、センシングシナリオ1-5では、複数の基地局30がセンシング信号を送信し、一の基地局30が、センシング信号を受信する。このとき、センシング信号を送信する複数の基地局30には、センシング信号を受信する一の基地局30が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0356】
(M6)センシングシナリオ1-6
センシングシナリオ1-6は、第1のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ1-6では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30が、自身が送信したセンシング信号を受信する。加えて、センシングシナリオ1-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40とは異なる一の他の端末装置40が、センシング信号を受信する。
【0357】
(M7)センシングシナリオ2-2
センシングシナリオ2-2は、第2のセンシングシナリオと第2のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ2-2では、複数の端末装置40がセンシング信号を送信し、その複数の端末装置40のうちの一の端末装置40がセンシング信号を受信する。或いは、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40を含む複数の端末装置40がセンシング信号を受信する。
【0358】
(M8)センシングシナリオ2-3
センシングシナリオ2-3は、第2のセンシングシナリオと第3のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ2-3では、一の基地局30と一の端末装置40がそれぞれセンシング信号を送信し、その一の端末装置40が両方のセンシング信号を受信する。
【0359】
(M9)センシングシナリオ2-4
センシングシナリオ2-4は、第2のセンシングシナリオと第4のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ2-4では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40と一の基地局30がセンシング信号を受信する。
【0360】
(M10)センシングシナリオ2-5
センシングシナリオ2-5は、第2のセンシングシナリオと第5のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ2-5では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30とは異なる一の他の基地局30が、センシング信号を受信する。加えて、センシングシナリオ1-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40が、自身が送信したセンシング信号を受信する。
【0361】
(M11)センシングシナリオ2-6
センシングシナリオ2-6は、第2のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ2-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、複数の端末装置40が、センシング信号を受信する。このとき、センシング信号を受信する複数の端末装置40には、センシング信号を送信する一の端末装置40が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。或いは、センシングシナリオ2-6では、複数の端末装置40がセンシング信号を送信し、一の端末装置40が、センシング信号を受信する。このとき、センシング信号を送信する複数の端末装置40には、センシング信号を受信する一の端末装置40が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0362】
(M12)センシングシナリオ3-3
センシングシナリオ3-3は、第3のセンシングシナリオと第3のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ3-3では、複数の基地局30がセンシング信号を送信し、一の端末装置40が、センシング信号を受信する。或いは、センシングシナリオ3-3では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、複数の端末装置40が、センシング信号を受信する。
【0363】
(M13)センシングシナリオ3-4
センシングシナリオ3-4は、第3のセンシングシナリオと第4のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ3-4では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、一の端末装置40が、一の基地局30が送信したセンシング信号を受信する。加えて、センシングシナリオ3-4では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、一の基地局30が、一の端末装置40が送信したセンシング信号を受信する。センシング信号を送信する一の基地局30と、センシング信号を受信する一の基地局30は、同じ基地局30であってもよいし、異なる基地局30であってもよい。また、センシング信号を送信する一の端末装置40と、センシング信号を受信する一の端末装置40は、同じ端末装置40であってもよいし、異なる端末装置40であってもよい。
【0364】
(M14)センシングシナリオ3-5
センシングシナリオ3-5は、第3のセンシングシナリオと第5のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ3-5では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30とは異なる一の他の基地局30と、一の端末装置40と、がセンシング信号を受信する。
【0365】
(M15)センシングシナリオ3-6
センシングシナリオ3-6は、第3のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ3-6では、一の基地局30と一の端末装置40がそれぞれセンシング信号を送信し、その一の端末装置40とは異なる一の他の端末装置40が両方のセンシング信号を受信する。
【0366】
(M16)センシングシナリオ4-4
センシングシナリオ4-4は、第4のセンシングシナリオと第4のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ4-4では、複数の端末装置40がセンシング信号を送信し、一の基地局30が、センシング信号を受信する。或いは、センシングシナリオ3-3では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、複数の基地局30が、センシング信号を受信する。
【0367】
(M17)センシングシナリオ4-5
センシングシナリオ4-5は、第4のセンシングシナリオと第5のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ4-5では、一の端末装置40と一の基地局30がそれぞれセンシング信号を送信し、その一の基地局30とは異なる一の他の基地局30が両方のセンシング信号を受信する。
【0368】
(M18)センシングシナリオ4-6
センシングシナリオ4-6は、第4のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ4-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40とは異なる一の他の端末装置40と、一の基地局30と、がセンシング信号を受信する。
【0369】
(M19)センシングシナリオ5-5
センシングシナリオ5-5は、第5のセンシングシナリオと第5のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ5-5では、複数の基地局30がセンシング信号を送信し、複数の基地局30がセンシング信号を受信する。このとき、センシング信号を送信する複数の基地局30には、センシング信号を受信する複数の基地局30の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。また、センシング信号を受信する複数の基地局30には、センシング信号を送信する複数の基地局30の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。或いは、センシングシナリオ5-5では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、他の一の基地局30がセンシング信号を受信する。
【0370】
(M20)センシングシナリオ5-6
センシングシナリオ5-6は、第5のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ5-6では、一の基地局30がセンシング信号を送信し、その一の基地局30とは異なる一の他の基地局30が、センシング信号を受信する。加えて、センシングシナリオ5-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、その一の端末装置40とは異なる一の他の端末装置40が、センシング信号を受信する。
【0371】
(M21)センシングシナリオ6-6
センシングシナリオ6-6は、第6のセンシングシナリオと第6のセンシングシナリオの組み合わせである。センシングシナリオ6-6では、複数の端末装置40がセンシング信号を送信し、複数の端末装置40がセンシング信号を受信する。このとき、センシング信号を送信する複数の端末装置40には、センシング信号を受信する複数の端末装置40の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。また、センシング信号を受信する複数の端末装置40には、センシング信号を送信する複数の端末装置40の一部又は全部が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。或いは、センシングシナリオ6-6では、一の端末装置40がセンシング信号を送信し、他の一の端末装置40がセンシング信号を受信する。
【0372】
<6-3-5.マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオの詳細>
次に、マルチスタティックセンシングのセンシングシナリオの詳細を説明する。
【0373】
(1)同じセンシングシナリオの組み合わせたセンシングシナリオ
まず、同じセンシングシナリオの組み合わせたセンシングシナリオ(例えば、センシングシナリオ1-1、2-2、3-3、4-4、又は5-5)について説明する。
【0374】
このセンシングシナリオでは、複数の送信装置が一の受信装置にセンシング信号を送信する。或いは、一の送信装置が複数の受信装置にセンシング信号を送信する。
【0375】
例えば、センシングシナリオ3-3では、複数の基地局30がそれぞれ所定のリソースを用いてセンシング信号を送信し、一の端末装置40がそれらのセンシング信号を受信する。或いは、一の基地局30が所定のリソースを用いてセンシング信号を送信し、複数の端末装置40がそのセンシング信号を受信する。
【0376】
このセンシングシナリオにおいて、複数の送信装置がセンシング信号を送信する場合、通信装置は、複数の送信装置それぞれに、センシング信号の送信のためのリソースを、個別に割り当ててもよい。ここで、リソースを割り当てる通信装置は、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置となる通信装置(例えば、基地局30)であってもよいし、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置とならない通信装置(例えば、基地局30)であってもよい。
【0377】
このセンシングシナリオにおいて、複数の受信装置がセンシング結果をフィードバックする場合、通信装置は、複数の受信装置それぞれに、フィードバックのためのリソースを個別に割り当ててもよい。ここで、リソースを割り当てる通信装置は、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置となる通信装置(例えば、基地局30)であってもよいし、センシング信号の送信装置及び/又は受信装置とならない通信装置(例えば、基地局30)であってもよい。
【0378】
(2)複数の送信装置がセンシング信号を送信するセンシングシナリオ
次に、複数の送信装置がセンシング信号を一又は複数の受信装置に送信するセンシングシナリオについて説明する。
【0379】
このセンシングシナリオでは、複数のセンシング信号が、受信装置(基地局30及び/又は端末装置40)により独立の信号(例えば、直交した信号)として認識されるように送信される。すなわち、送信装置(基地局30及び/又は端末装置40)は、自身が送信したセンシング信号が、他の送信装置が送信した他のセンシング信号から独立した信号(例えば、直行した信号)として認識されるように、センシング信号を送信する。独立した信号として認識されるようにするため、それらのセンシング信号は、それぞれ個別のリソースで送信されてもよい。すなわち、送信装置は、他の送信装置がセンシング信号の送信に使用するリソースとは異なるリソースを使ってセンシング信号を送信してもよい。
【0380】
受信装置が、それらのセンシング信号を用いて取得した一又は複数のセンシング結果をフィードバックする場合、受信装置は、一又は複数のセンシング結果を複数の送信装置それぞれに個別にフィードバックしてもよい。このとき、受信装置は、送信装置に対し、その送信装置が送信したセンシング信号に基づくセンシング結果のみをフィードバックしてもよいし、他の送信装置が送信したセンシング信号に基づくセンシング結果を合わせてフィードバックしてもよい。或いは、受信装置は、一又は複数のセンシング結果を1つのフィードバック情報に合成及び/又は結合して、1又は複数の送信装置にフィードバックしてもよい。
【0381】
受信装置は、他の通信装置からの明示の通知に基づきそのフィードバックのためのリソースを決定してもよい。例えば、受信装置は、他の通信装置(例えば、基地局30)がRRCシグナリング及び/又はPDCCHなどを使って行った明示の通知に基づきリソースを決定してもよい。また、受信装置は、黙示の通知に基づきフィードバックのためのリソースを決定してもよい。例えば、受信装置は、センシング信号に関する情報(例えば、センシング信号の一部又は全部の情報、及び/又はセンシング信号の送信リソースの情報)に基づき、黙示にリソースを決定してもよい。
【0382】
(2)複数の送信装置がセンシング信号を送信するセンシングシナリオ
次に、複数の受信装置が一又は複数の送信装置からのセンシング信号を受信するセンシングシナリオについて説明する。
【0383】
複数の受信装置が、センシング結果をフィードバックする場合、そのフィードバックのためのリソースは、それらの受信装置間で個別に設定されうる。例えば、受信装置は、受信装置毎にRRCシグナリングを通じて所定のオフセット値が設定されてもよい。そして、受信装置は、そのオフセット値と、受信したセンシング信号に関する情報(例えば、センシング信号に関する制御情報)と、に基づいて、フィードバックのためのリソースを決定してもよい。
【0384】
(3)送信装置と受信装置のペア又はグループが複数存在するセンシングシナリオ
次に、送信装置と受信装置のペア又はグループが複数存在するセンシングシナリオ(例えば、センシングシナリオ1-2、1-6、2-5、3-4、又は5-6)について説明する。
【0385】
このセンシングシナリオでは、異なるペア又はグループの送信装置が、それぞれ異なるセンシング信号を送信する。そして、異なるペア又はグループの受信装置が、それぞれ、自身が属するペア又はグループが送信したセンシング信号を受信する。
【0386】
このセンシングシナリオでは、例えば、それぞれのセンシング信号が同じタイミングで送信されてもよい。送信装置は、例えば、他のペア又はグループの送信装置の送信タイミングと同じタイミングでセンシング信号を送信してもよい。このとき、異なるペア又はグループの送信装置は、それぞれのセンシング信号が同じタイミングで送信されるように、センシング信号のリソースが設定されてもよい。例えば、通信装置(例えば、基地局30)は、それぞれのセンシング信号が同じタイミングで送信されるように、異なるペア又はグループの送信装置に、同じ時間のリソースを割り当ててもよい。
【0387】
これにより、同じ物体の検出が複数のセンシング信号により行うことができるので、センシングの精度が向上する。
【0388】
<6-3-6.マルチスタティックセンシングに係るシーケンス例>
次に、マルチスタティックセンシングに係るシーケンス例を説明する。
【0389】
図21は、マルチスタティックセンシングに係るセンシング処理の一例を示すシーケンス図である。図21に示すそれぞれの処理は、必ずしもすべての処理が発明の実施のために必要な構成とは限らない。換言すると、図21におけるそれぞれの処理は各々が独立に実施されうる。
【0390】
マルチスタティックセンシングでは、センシング信号は、複数の通信主体(以下、複数の送信装置という。)から送信される、或いは、複数の通信主体(以下、複数の受信装置という。)へ送信される、マルチスタティックセンシングのための信号である。
【0391】
ここで、送信装置は、センシング信号を送信する通信装置である。複数の送信装置には、例えば、基地局30及び端末装置40の少なくとも一方が含まれる。また、受信装置は、センシング信号を受信する通信装置である。複数の受信装置には、例えば、基地局30及び端末装置40の少なくとも一方が含まれる。複数の送信装置には、受信装置が含まれていてもよい。また、複数の受信装置には、送信装置が含まれていてもよい。
【0392】
なお、図21では、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体として、複数の送信装置と複数の受信装置とが示されているが、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体は、必ずしもこの例に限定されない。マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体は、一の送信装置と複数の受信装置であってもよい。このとき、複数の受信装置には、一の送信装置が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。また、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体は、複数の送信装置と一の受信装置であってもよい。このとき、複数の送信装置には、一の受信装置が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
【0393】
以下、図21のシーケンス図を参照しながら、マルチスタティックセンシングに係るセンシング処理を説明する。
【0394】
まず、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体(一又は複数の送信装置、及び、一又は複数の受信装置)の少なくとも1つは、一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つとセンシングに関するシグナリングを行う(ステップS301a、ステップS301b、又はステップS301c)。ここで、シグナリングは、センシングに関する情報(例えば、センシングのための制御情報)の送信及び/又は受信である。シグナリングは、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングであってもよい。
【0395】
なお、シグナリングは、一又は複数の送信装置と一又は複数の受信装置との間で行われてもよい(ステップS301a)。
【0396】
例えば、一又は複数の送信装置の一つが基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、一又は複数の受信装置(例えば、端末装置40及び/又は他の基地局30)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0397】
また、例えば、マルチスタティックセンシングに係る複数の送信装置の一つが端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、一又は複数の受信装置(基地局30及び/又は他の端末装置40)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0398】
また、例えば、一又は複数の受信装置の一つが基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、一又は複数の送信装置(例えば、端末装置40及び/又は他の基地局30)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0399】
また、例えば、マルチスタティックセンシングに係る複数の受信装置の一つが端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、一又は複数の送信装置(基地局30及び/又は他の端末装置40)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0400】
また、シグナリングは、複数の送信装置の間で行われてもよい(ステップS301b)。
【0401】
例えば、複数の送信装置の一つが基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、一又は複数の他の送信装置(例えば、端末装置40及び/又は他の基地局30)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0402】
また、例えば、マルチスタティックセンシングに係る複数の送信装置の一つが端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、一又は複数の他の送信装置(基地局30及び/又は他の端末装置40)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0403】
また、シグナリングは、複数の受信装置の間で行われてもよい(ステップS301c)。
【0404】
例えば、複数の受信装置の一つが基地局30であるとする。このとき、基地局30のシグナリング部331は、一又は複数の他の受信装置(例えば、端末装置40及び/又は他の基地局30)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0405】
また、例えば、マルチスタティックセンシングに係る複数の受信装置の一つが端末装置40であるとする。このとき、端末装置40のシグナリング部431は、一又は複数の他の受信装置(基地局30及び/又は他の端末装置40)との間で、センシングに関するシグナリングを行ってもよい。
【0406】
ステップS301a~ステップS301cで示したシグナリングには様々な実施例が考えられる。例えば、一又は複数の送信装置の1つが他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置であり、一又は複数の受信装置の1つが他の端末装置40であるとする。そして、一又は複数の他の通信装置にこのサイドリンク通信を制御する基地局30が含まれるとする。端末装置40及び/又は他の端末装置40は、他の通信装置(例えば、基地局30)とのシグナリングにより、端末装置40及び/又は他の端末装置40が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。シグナリングの相手となる他の通信装置は、基地局30に限られず、例えば、サイドリンク通信の相手となる端末装置40であってもよい。
【0407】
なお、シグナリングにより取得する情報は上記に限定されない。例えば、シグナリングにより取得する情報は、一又は複数の通信装置のマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報であってもよい。例えば、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体(一又は複数の送信装置、及び、一又は複数の受信装置)の少なくとも1つは、一又は複数の他の通信装置のマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を、シグナリングにより取得してもよい。このとき、複数の通信主体の少なくとも1つは、このケイパビリティ情報を、センシング信号の通信主体となり得る通信装置(例えば、基地局30及び/又は端末装置40)から取得してもよいし、センシング信号の通信主体とならない通信装置(例えば、サーバ10及び/又は管理装置20)から取得してもよい。また、マルチスタティックセンシングに係る複数の通信主体の少なくとも1つは、一又は複数の他の通信装置に対して、自身のマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報をシグナリングにより送信してもよい。
【0408】
なお、送信装置及び/又は受信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置とシグナリングを行ってもよい。例えば、送信装置及び/又は受信装置は、同一セル内の一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置とシグナリングを行ってもよい。このとき、送信装置及び/又は受信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの送信装置及び受信装置以外の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。これにより、センシング及び/又はセルラー通信の混乱を防ぐことができる。
【0409】
続いて、一又は複数の送信装置は、センシング信号を送信するための無線通信リソースの設定を行う(ステップS302a及び/又はステップS302b)。また、一又は複数の受信装置は、センシング信号を受信するための無線通信リソースの設定を行う(ステップS302c及び/又はステップS302d)。このとき、一又は複数の送信装置、及び、一又は複数の受信装置は、上述の<4.リソース割り当て>で示した方法により割り当てられたリソースを、センシング信号を送信又は受信するための無線通信リソースとして設定してもよい。
【0410】
続いて、一又は複数の送信装置は、ステップS302a及び/又はステップS302bで設定した無線通信リソースを使って、センシング信号の送信を行う(ステップS303)。一又は複数の受信装置は、その無線通信リソースを使って送信されたセンシング信号を受信する。
【0411】
なお、一又は複数の送信装置の1つが他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置であり、一又は複数の受信装置の1つが他の端末装置40であるとする。そして、一又は複数の他の通信装置にこのサイドリンク通信を制御する基地局30が含まれるとする。上述したように、端末装置40及び/又は他の端末装置40は、シグナリングにより、端末装置40及び/又は他の端末装置40が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。このとき、端末装置40及び/又は他の端末装置40は、端末装置40及び他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、センシング信号の送信を行い、端末装置40及び他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、センシング信号の送信を行わないようにしてもよい。これにより、不規則な無線通信リソースの使用を防ぐことができる。
【0412】
また、一又は複数の送信装置の少なくとも1つは、複数の他の通信装置のマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を、シグナリングにより取得してもよい。そして、一又は複数の送信装置は、ケイパビリティ情報に基づき複数の他の通信装置の中から受信装置となる通信装置を選択してもよい。そして、一又は複数の送信装置の少なくとも1つは、選択された一又は複数の装置に対してセンシング信号を送信してもよい。
【0413】
また、一又は複数の送信装置の少なくとも1つは、複数の他の通信装置のうちから受信装置となる一又は複数の装置を動的に選択してもよい。そして、一又は複数の送信装置の少なくとも1つは、選択された一又は複数の装置に対してセンシング信号を送信してもよい。
【0414】
続いて、一又は複数の受信装置は、センシング信号の受信結果に基づいて、物体の検出処理を行う(ステップS304a及び/又はステップS304b)。一又は複数の受信装置は、物体の検出結果に基づいて自身の通信パラメータの設定を変更してもよい。また、センシング装置は、他の通信装置(例えば、サーバ10、及び/又は管理装置20)に物体の検出結果を送信してもよい。
【0415】
なお、一又は複数の受信装置の少なくとも1つは、一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つに対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい(ステップS305)。例えば、一又は複数の受信装置は、一又は複数の送信装置に対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。このとき、一又は複数の受信装置は、センシング信号、及び当該センシング信号を送信するための無線通信リソース、の少なくとも一方に基づき決まるリソースを使ってセンシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。その他、一又は複数の受信装置は、上述の<5.フィードバック>で示した方法により割り当てられたリソースを使って、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。
【0416】
なお、一又は複数の受信装置は、他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置40であってもよい。そして、一又は複数の他の通信装置には、サイドリンク通信を制御する基地局30が含まれていてもよい。このとき、一又は複数の受信装置は、基地局30に対して、センシング信号の受信の結果をフィードバックしてもよい。
【0417】
<<7.センシング動作の具体例>>
以上、通信システム1のセンシング動作に関する各実施例を説明したが、次に、通信システム1が備える一又は複数の通信装置が実行するセンシング動作の具体例を説明する。センシングを行う通信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。以下、第1の動作例と第2の動作例の2つの動作例を説明するが、通信装置が実行するセンシング動作は、以下の2つの動作例に限定されない。
【0418】
<7-1.第1の動作例>
まず、第1の動作例に係るセンシング動作を説明する。
【0419】
<7-1-1.第1の動作例の概要>
第1の動作例では、通信装置は、角度(方角、方向、及びベクトルの少なくとも1つ)に基づき物体を検出する。通信装置は、送信装置から送信されるセンシング信号の送信角度の情報、及び/又は、受信装置で受信されるセンシング信号の受信角度の情報に基づいて、物体を検出する。つまり、第1の例では、通信装置は、センシング信号の送信角度及び/又は受信角度の検出結果(測定結果)に基づいて、物体を検出(認識)する。
【0420】
第1の動作例では、物体の検出を行う通信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。また、第1の動作例では、センシング信号を送信する送信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。また、第1の動作例では、センシング信号を受信する受信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。物体の検出を行う通信装置は、一又は複数の送信装置であってもよいし、一又は複数の受信装置であってもよいし、送信装置及び受信装置以外の通信装置であってもよい。
【0421】
<7-1-2.具体的動作例>
図22は、第1の動作例に係るセンシング動作を説明するための図である。以下、第3のセンシングシナリオを例に、第1の動作例に係るセンシング動作を説明する。
【0422】
なお、第1の動作例に係るセンシング動作は、第3のセンシングシナリオ以外のセンシングシナリオにも適用可能である。例えば、第1の動作例に係るセンシング動作は、第1のセンシングシナリオから第6のセンシングシナリオの全てに適用可能である。また、第1の動作例に係るセンシング動作は、モノスタティックセンシング及びバイスタティックセンシングに係るセンシングシナリオのみならず、マルチスタティックセンシングに係るセンシングシナリオにも適用可能である。
【0423】
以下、図22を参照しながら、第1の動作例に係るセンシング動作を説明する。
【0424】
図22の例では、基地局30が送信装置であり、端末装置40が受信装置である。上述したように、第1の動作例に係るセンシング動作は、第3のセンシングシナリオ以外のセンシングシナリオにも適用可能である。そのため、本動作例で示す基地局30の記載は、基地局30以外の通信装置を示す記載(例えば、「端末装置40」又は「送信装置」)に置き換え可能である。本動作例で示す端末装置40の記載は、端末装置40以外の通信装置を示す記載(例えば、「基地局30」又は「受信装置」)に置き換え可能である。
【0425】
図22の例では、受信装置である端末装置40がセンシング結果を生成する。端末装置40は、少なくとも基地局30からのセンシング信号の受信角度θrを認識可能である。すなわち、端末装置40は、自身からみて、どの角度に物体があるかを認識できる。
【0426】
ここで、端末装置40(受信装置)は、そのセンシング信号の送信角度θt、及び/又は、そのセンシング信号を送信する基地局30の位置情報(例えば、緯度、経度、及び高度)、が分かれば、送信ビームと受信ビームの交点に対象物があると認識できる。そのため、端末装置40は、センシング信号の送信に関する情報を取得することが好ましい。センシング信号の送信に関する情報は、例えば、センシング信号の送信装置の位置情報、及び/又は、センシング信号の送信角度の情報であってもよい。
【0427】
端末装置40(受信装置)は、様々な方法を用いて、センシング信号の送信に関する情報を取得可能である。
【0428】
例えば、センシング信号が、センシング信号の一部又は全部から、センシング信号の送信に関する情報を特定可能に構成されていているとする。この場合、端末装置40は、受信したセンシング信号の一部又は全部から、そのセンシング信号の送信に関する情報を特定してもよい。
【0429】
また、端末装置40は、他の通信装置(例えば、基地局30(受信装置))とのシグナリングによりセンシング信号の送信に関する情報を取得してもよい。他の通信装置は、基地局30(送信装置)であってもよいし、送信装置以外の通信装置であってもよい。例えば、端末装置40は、上述した、センシング信号の送信のためのリソース、及び/又は、フィードバック情報の送信のためのリソース、を通知する方法を用いて、他の通信装置からセンシング信号の送信に関する情報を取得してもよい。すなわち、上述のリソースの通知方法は、センシング信号の送信に関する情報の通知方法として読み替えることができる。
【0430】
<7-1-3.送信角度及び受信角度について>
本実施形態(第1の動作例以外の実施形態を含む。)において、角度は、絶対的な値で示される角度であってもよいし、相対的な値で示される角度であってもよい。ここで、角度(以下、本実施形態の角度という。)は、例えば、センシング信号の送信角度、及び/又は、センシング信号の受信角度である。
【0431】
例えば、本実施形態の角度は、北方向を基準とした絶対的な角度であってもよい。また、例えば、本実施形態の角度は、送信装置、受信装置、又はその他の通信装置(例えば、サーバ10、管理装置20、基地局30、及び端末装置40の少なくとも1つ)が決定する方向を基準とした、相対的な角度であってもよい。
【0432】
また、本実施形態の角度は、センシング信号に対するTCI(Transmission Configuration Indicator)に基づいて決まる角度であってもよい。図23は、TCIを説明するための図である。図23には、センシング信号として、ビーム幅の広いセンシング信号(図23の例では、SSB)と、ビーム幅の狭いセンシング信号(図23の例では、CSI-RS)と、が用いられる例が示されている。それぞれのセンシング信号は、個別のTCIが付与又は定義されている。これらのTCI及び/又はセンシング信号と、ビームの角度が対応付けられていれば、受信装置はこれらのTCI及び/又はセンシング信号を認識することにより、送信ビームの角度を認識することができる。
【0433】
例えば、受信装置は、受信するセンシング信号に対するTCIをシグナリング(例えば、送信装置からの制御情報など)により取得してもよい。これにより、受信装置は、センシング信号に対する送信角度を認識することができる。
【0434】
また、送信装置は、予め規定又は設定されたセンシング信号の角度に対して、オフセット角を示す情報をさらに受信装置に通知してもよい。送信装置及び/又は受信装置は、オフセット角を示す情報を用いて、実際の送信角度を補正してもよい。
【0435】
送信装置は、センシング信号の送信角度の確度(accuracy)に関する情報をシグナリングによりさらに受信装置に通知してもよい。なお、センシング信号の送信角度の確度はビーム幅に応じて決まる。そのため、送信装置は、センシング信号の送信角度の確度に関する情報として、センシング信号のビーム幅に関する情報を受信装置に通知してもよい。
【0436】
なお、センシング信号に関する情報(例えば、センシング信号の種類の情報)に応じてその送信角度の確度(又は、ビーム幅等の、送信角度の確度に関する情報)を認識できるよう、規定又は設定がなされてもよい。この場合、受信装置は、センシング信号に関する情報(例えば、センシング信号の種類の情報)に基づいて、センシング信号の送信角度の確度(又は、ビーム幅等の、送信角度の確度に関する情報)を認識してもよい。
【0437】
<7-2.第2の動作例>
まず、第2の動作例に係るセンシング動作を説明する。
【0438】
第2の動作例では、通信装置は、送信装置がセンシング信号を送信したタイミングから、受信装置がそのセンシング信号を受信したタイミングまでの時間に基づいて、物体の検出を行う。
【0439】
第2の動作例では、物体の検出を行う通信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。また、第2の動作例では、センシング信号を送信する送信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。また、第2の動作例では、センシング信号を受信する受信装置は、例えば、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40である。物体の検出を行う通信装置は、一又は複数の送信装置であってもよいし、一又は複数の受信装置であってもよいし、送信装置及び受信装置以外の通信装置であってもよい。
【0440】
受信装置は、少なくとも受信角度を認識できる。受信装置が送信装置の位置情報を認識できれば、受信装置は、送信から受信までの時間に基づいて物体を検出できる。そのため、受信装置は、センシング信号の送信タイミングに関する情報(例えば、送信装置がセンシング信号を送信した時刻)を認識することが好ましい。
【0441】
受信装置は、様々な方法を用いて、センシング信号の送信タイミングに関する情報を取得可能である。
【0442】
例えば、センシング信号が、センシング信号の一部又は全部から、センシング信号の送信タイミングに関する情報を特定可能に構成されていているとする。この場合、端末装置40は、受信したセンシング信号の一部又は全部から、そのセンシング信号の送信タイミングに関する情報を特定してもよい。
【0443】
また、端末装置40は、他の通信装置(例えば、受信装置)とのシグナリングによりセンシング信号の送信に関する情報を取得してもよい。他の通信装置は、送信装置であってもよいし、送信装置以外の通信装置であってもよい。例えば、端末装置40は、上述した、センシング信号の送信のためのリソース、及び/又は、フィードバック情報の送信のためのリソース、を通知する方法を用いて、他の通信装置からセンシング信号の送信タイミングに関する情報を取得してもよい。すなわち、上述のリソースの通知方法は、センシング信号の送信タイミングに関する情報の通知方法として読み替えることができる。
【0444】
送信装置は、センシング信号の送信タイミングの確度(accuracy)に関する情報をシグナリングによりさらに受信装置に通知してもよい。この場合、受信装置は、センシング信号の送信タイミングの確度に関する情報に基づいて、センシング信号の送信タイミングの確度を認識してもよい。
【0445】
なお、センシング信号の送信タイミングの確度は、送信装置と受信装置の同期レベルに依存する。そのため、受信装置は、送信装置と受信装置の同期レベルに関する情報に基づいて、センシング信号の送信タイミングの確度を認識してもよい。ここで、送信装置と受信装置の同期レベルに関する情報は、例えば、送信装置と受信装置の同期方法が、いずれの技術を使用した方法かを示す情報(例えば、GNSS(例えば、GPS)、TSN(Time sensitive network)、及びTA(Timing advance)のいずれを使用した方法かを示す情報)であってもよい。
【0446】
なお、第2の動作例に係るセンシング動作は、第1のセンシングシナリオから第6のセンシングシナリオの全てに適用可能である。また、第2の動作例に係るセンシング動作は、モノスタティックセンシング及びバイスタティックセンシングに係るセンシングシナリオのみならず、マルチスタティックセンシングに係るセンシングシナリオにも適用可能である。
【0447】
<<8.変形例>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0448】
<8-1.センシング装置に関する変形例>
上述の実施形態では、センシング装置となる一又は複数の通信装置(送信装置及び/又は受信装置)は、一又は複数の基地局30、及び/又は、一又は複数の端末装置40であるものとした。しかしながら、センシング装置となる一又は複数の通信装置には、基地局30及び端末装置40以外の通信装置が含まれていてもよい。例えば、センシング装置となる一又は複数の通信装置には、例えば、サーバ10及び/又は管理装置20が含まれていてもよい。その他、センシング動作を行う一又は複数の通信装置には、路側機、中継装置、RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)、センサデバイスが含まれていてもよい。
【0449】
<8-2.センシングに関する変形例>
また、上述の実施形態では、通信装置が実行するセンシングとして、RFベースのセンシング機能(例えば、3GPPのトランシーバがサポートするRFベースのセンシング機能)を使ったセンシングを例示した。例えば、上述の実施形態では、通信装置が実行するセンシングは、3GPPのトランシーバ(例えば、基地局30の無線通信部31、及び/又は、端末装置40の無線通信部41)がサポートするRFベースのセンシング機能を使ったセンシングを例示した。しかし、通信装置が実行するセンシングは、上記の例に限定されない。
【0450】
例えば、通信装置が実行するセンシングは、セルラー通信以外の通信機能(例えば、Wi-Fi、Bluetooth)を使ったセンシングであってもよい。このとき、通信装置は、Wi-Fi通信、及び/又はBluetooth通信のための無線通信リソースを使ってセンシング信号を送信してもよい。また、通信装置は、LPWA通信のための無線通信リソースを使ってセンシング信号を送信してもよい。
【0451】
その他、通信装置が実行するセンシングは、上記以外の通信に使用される電波(無線通信リソース)を使用したセンシングであってもよい。また、通信装置が実行するセンシングは、通信に使用される電波以外の電波を使用したセンシングであってもよい。通信装置が実行するセンシングは、レーダー用の電波を使用したセンシング(例えば、レーダーによる物体検出)であってもよい。当該センシングにより取得されたデータは、Non-3GPPセンシングデータであってもよい。
【0452】
また、例えば、通信装置が実行するセンシングは、通信装置が備える一又は複数のセンサを使ったセンシングであってもよい。このとき、一又は複数のセンサは、基地局30のセンサ部34が備える一又は複数のセンサであってもよいし、端末装置40のセンサ部46が備える一又は複数のセンサであってもよい。この場合にも、通信装置は、センシングの前に他の通信装置とシグナリングを行ってもよい。例えば、通信装置は、シグナリングにより、一又は複数のセンサを使ってセンシングを行うことを他の通信装置に通知してもよい。他の通信装置からのセンシングへの干渉が少なくなる。また、他の通信装置の通信又はセンシングが、通信装置のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0453】
<8-3.情報/信号の送信に関する変形例>
また、本実施形態の情報(例えば、フィードバック情報)/信号(例えば、センシング信号)の送信方法は、上記に限定されない。
【0454】
例えば、上述の実施形態では、サイドリンクにおける情報/信号の送信方法(例えば、物理レイヤの制御情報の送信方法)として、PSCCHを用いる方法を示した。しかし、情報の通知の方法はこれに限定されない。例えば、通信装置が2段階でサイドリンク制御情報(SCI:Sidelink control information)を通知する場合、通信装置は、1番目のSCIについてはPSCCHを用いて送信し、2番目のSCIについてはPSSCHを用いて送信してもよい。例えば、通信装置は、2番目のSCIを、サイドリンクトランスポートブロックに多重して送信してもよいし、SCI単独で送信してもよい。すなわち、本実施形態において、PSCCHでのSCIの送信には、PSSCHを用いた送信が含まれてもよい。
【0455】
同様に、下りリンクにおける情報/信号の送信方法もPDCCHを用いる方法に限定されない。例えば、通信装置は、PDSCHを用いて情報/信号を送信してもよい。上りリンクにおける情報/信号の送信方法もPUCCHを用いる方法に限定されない。例えば、通信装置は、PUSCHを用いて情報/信号を送信してもよい。
【0456】
これらの送信方法は、シグナリング(例えば、制御情報の送信)にも適用可能である。例えば、これらの送信方法は、センシング信号の送信及び/又は受信に先立って行われるシグナリングにも適用可能である。また、これらの送信方法は、センシング結果の送信にも適用可能である。
【0457】
なお、センシング結果は、センシング装置(送信装置及び/又は受信装置)以外の通信装置に送信されてもよい。
【0458】
<8-4.センシング結果の利用に関する変形例>
上述の実施形態では、センシング結果(物体の検出結果)はセンシング装置(例えば、送信装置及び/又は受信装置)で利用されるものとした。例えば、センシング結果(物体の検出結果)は、センシング装置の通信パラメータの設定に利用されるものとした。しかしながら、センシング結果は、センシング装置以外の通信装置に利用されてもよい。
【0459】
ここで、センシング装置以外の通信装置は、端末装置40であってもよいし、基地局30であってもよい。このとき、端末装置40は、他の通信装置が行ったセンシングの結果に基づいて、自身の通信パラメータを設定してもよい。また、基地局30は、他の通信装置が行ったセンシングの結果に基づいて、自身の通信パラメータを設定してもよいし、配下の端末装置40の通信制御(例えば、通信パラメータの設定等)を行ってもよい。
【0460】
また、センシング装置以外の通信装置は、管理装置20であってもよい。このとき、管理装置20は、他の通信装置が行ったセンシングの結果に基づいて、基地局30及び/又は端末装置40の通信制御を行ってもよい。
【0461】
また、センシング装置以外の通信装置は、サーバ10であってもよい。このとき、サーバ10は、他の通信装置が行ったセンシングの結果に基づいて、センシングサービスを行ってもよい。センシングサービスは、例えば、一又は複数の通信装置の一又は複数のセンサが検出したデータに基づき行われるサービスである。
【0462】
センシングサービスは、典型的には、一又は複数のセンサのセンシングデータ(例えば、センシング装置のセンシング結果)の提供サービスである。しかしながら、センシングサービスは、センシングデータの提供サービスに限定されない。センシングサービスは、センシングデータを使って実行される処理の提供サービスであってもよいし、センシングデータを使って生成される情報の提供サービスであってもよい。例えば、センシングサービスは、カメラ又はLiDAR等が検出した画像データ又は形状データに基づく処理の提供サービス(例えば、車両の自動運転サービス)であってもよいし、測位センサが検出した位置情報に基づき生成される情報の提供サービス(例えば、センシングデータで特定されるエリア/施設に関する情報の提供サービス)であってもよい。勿論、センシングサービスは、これらのサービスに限定されない。センシングサービスは、対象物の色、対象物の速度、対象物の加速度、対象物の温度、対象物の反射率、対象物の透過率を検出するセンサに基づいて提供されるサービスであってもよい。
【0463】
なお、センシングサービスは、センシングデータを直接的に使用して行われるサービスに限定されない。センシングサービスは、センシングデータを間接的に使用して行われるサービスであってもよい。例えば、センシングサービスは、センシングデータを処理したデータ(例えば、センシングデータに基づく解析結果、又は複数のセンシングデータを合成したデータ)を使って行われるサービスであってもよい。
【0464】
本実施形態のセンシングサービスは、例えば、以下の(1)~(4)の少なくとも1つであってもよい。
【0465】
(1)自動運転に関するサービス
センシングサービスは、自動運転に関するサービスであってもよい。ここで、自動運転に関するサービスには、例えば、移動体(例えば、自動車等の車両又はドローン等の飛行体等)の自動運転を実現するうえで必要となる処理又は情報(データ)の提供サービスが含まれていてもよい。このとき、サーバ10は、自動運転に関するサービスとして、自動運転の処理に関する所定の基準で選択される一又は複数のセンシングデータを提供してもよい。或いは、サーバ10は、自動運転に関するサービスとして、自動運転の処理に関する所定の基準で選択された複数のセンシングデータを融合することにより生成される情報を提供してもよい。ここで、複数のセンシングデータを融合することにより生成される情報には、例えば、移動体の自動運転に必要な経路に係る情報、ステアリングに係る制御情報、加速に係る制御情報、制動に係る制御情報、及び高精度3次元地図情報の少なくとも1つが含まれていてもよい。経路に係る情報には、例えば、現在の位置に対する次の地点の位置に係る情報又は速度の情報が含まれていてもよい。
【0466】
(2)自動操業に関するサービス
本実施形態のセンシングサービスは、一又は複数の装置/システム(例えば、工場内、病院内、又は手術室内の装置/システム)の自動操業に関するサービスであってもよい。ここで、一又は複数の装置/システムの自動操業に関するサービスには、例えば、所定の設備に係る一又は複数の装置/システムの自動操業を実現するうえで必要となる処理又は情報(データ)の提供サービスが含まれていてもよい。所定の設備は、工場に設置された生産設備であってもよいし、病院/手術室に設置された設備であってもよい。このとき、サーバ10は、自動操業に関するサービスとして、自動操業の処理に関する所定の基準で選択される一又は複数のセンシングデータを提供してもよい。或いは、サーバ10は、自動操業に関するサービスとして、自動操業の処理に関する所定の基準で選択された複数のセンシングデータを融合することにより生成される情報を提供してもよい。例えば、サーバ10は、工場内、又は、病院/手術室内の一又は複数の装置が備える複数のセンサが検出するデータを融合することにより生成される情報(例えば、自動操業に必要な制御情報)を提供してもよい。
【0467】
(3)XRコンテンツに関するサービス
本実施形態のセンシングサービスは、XRコンテンツ(例えば、XRのゲーム又はXRの動画等のXRの表示コンテンツ)に関するサービスであってもよい。ここで、XRコンテンツに関するサービスには、例えば、XRコンテンツの処理を実現するうえで必要となる処理又は情報(データ)の提供サービスが含まれていてもよい。このとき、サーバ10は、XRコンテンツに関するサービスとして、XRコンテンツの処理に関する所定の基準で選択される一又は複数のセンシングデータを提供してもよい。また、サーバ10は、例えば、XR向けの端末装置40(例えば、スマートグラス等のXRデバイス)に搭載された複数のセンシングデータを融合することにより生成される情報(例えば、XRコンテンツの時空間情報)を提供してもよい。
【0468】
(4)センシングデータの提供に関するサービス
本実施形態のセンシングサービスは、センシングデータの提供に関するサービスであってもよい。例えば、本実施形態のセンシングサービスは、所定のユースケース(例えば、移動体の自動運転に関する処理、装置/システムの自動操業に関する処理、又はXRコンテンツに関する処理)で使用されるセンシングデータの提供サービスであってもよい。例えば、本実施形態のセンシングサービスは、コアネットワークCN(例えば、管理装置20)が、端末装置40又はサーバ10のアプリケーションに対して検出データを提供するサービスであってもよい。
【0469】
なお、ここで例示したサービスは、それぞれ一例を示したものである。センシングサービスは、上記(1)~(4)に示すサービスに限定されない。例えば、センシングサービスには、ロケーションサービスが含まれていてもよい。ロケーションサービスは、通信装置(例えば、端末装置40)の位置情報を使用して行われるサービスである。
【0470】
また、上述又は後述では、”位置”に関する本発明の適応例として、信号の送信または受信タイミングに関する位置についての例を記載した。しかしながら、本発明の適応例はこれに限定されない。位置に関する情報には、センシング情報に基づき未来時点の位置を推定したものも含まれてもよい。また、位置に関する情報には、複数の位置情報に基づいて推定および/または算出された速度情報が含まれてもよい。
【0471】
<8-5.その他の変形例>
本実施形態のサーバ10、管理装置20、基地局30、又は端末装置40を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムで実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムで実現してもよい。
【0472】
例えば、上述の動作を実行するためのプログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、サーバ10、管理装置20、基地局30、又は端末装置40の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、サーバ10、管理装置20、基地局30、又は端末装置40の内部の装置(例えば、制御部13、制御部23、制御部33、又は制御部43)であってもよい。
【0473】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0474】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0475】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。なお、この分散又は統合による構成は動的に行われてもよい。
【0476】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のフローチャート及びシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0477】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を 実現するようにプログラムされた、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。ここで、circuitry又はprocessing circuitryは、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、CPU(a Central Processing Unit)、従来型の回路、および/又はそれらの組合せであってもよい。プロセッサは、トランジスタ及びその他の回路を含む。プロセッサは、circuitry又はprocessing circuitryとみなされてもよい。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0478】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアであってもよい。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた若しくは実行するものとして知られているあらゆるハードウェア、であってもよい。当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び/又はプロセッサを構成する為に用いられるソフトウェアと、の組合せであってもよい。
【0479】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成として実施することができる。例えば、本実施形態は、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、又は、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット、として実施することができる。すなわち、本実施形態は、装置の一部の構成として実施することもできる。
【0480】
システムLSIは、SOC(System on Chip)と呼ばれてもよい。言い換えると、上述の又は後述の装置(例えば、サーバ10、管理装置20、基地局30、及び端末装置40)それぞれは、システムLSI(例えば、SoC)としてのプロセッサ(例えば、CPU)、又は当該プロセッサを用いる若しくは構成するモジュールと解釈されてもよい。さらに、又はこれに代えて、本実施形態は、装置又はシステムを構成するあらゆる構成(例えば、モデムチップ(ベースバンドチップ)若しくはRF(Radio Frequency)部、又はそれらの組合せ)によって実施されてもよい。RF部には、RF回路、及びRFフロントエンド(RF Front-end)のうち少なくとも一つが含まれていてもよい。言い換えると、上述の又は後述の装置のそれぞれは、モデムチップ(ベースバンドチップ)若しくはRF部、又はそれらの組合せ、と解釈されてもよい。さらに又はこれに代えて、上述の又は後述の装置のそれぞれは、モデムチップ又はRF部を用いる又は構成するモジュールと解釈されてもよい。
【0481】
モデムチップは、装置(上述又は後述の装置を含む。)内の通信に関する信号処理を行う。モデムチップは、少なくともモジュレータ(Modulator)又はデモジュレータ(Demodulator)の機能を有していてもよい。RF部は、RFトランシーバ(RF Upconverter、RF Downconverter)、パワーアンプ(Power amplifier)、及び低ノイズアンプ(Low noise amplifier)のうちの少なくとも1つの機能を有していてもよい。RFトランシーバは、ベースバンド信号とRF周波数とを変換する。パワーアンプは、アンテナから信号を送信するための増幅を行う。低ノイズアンプは、アンテナから受信された微弱な信号を増幅する。さらに又はこれに代えて、RF部(特に、RFフロントエンド)は、上述のパワーアンプ、低ノイズアンプ、エンベロップトラッカー(Envelope tracker)、フィルタ、デュプレクサ、マルチプレクサ、アンテナスイッチ、及びアンテナチューナの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0482】
モデムチップ及びRF部の組合せは、モデム―RFシステムと称されてもよい。モデムチップ若しくはRF部、又はそれらの組合せ、のうち少なくとも一部がシステムLSI(例えば、SoC)に含まれていてもよい。例えば、モデムチップ若しくはRF部、又はそれらの組合せ、の少なくとも一部が担う処理(例えば、MACレイヤ処理/PHYレイヤ処理、の少なくとも一部の処理)がシステムLSIによって実現されてもよい。ここで、MACレイヤ処理又はPHYレイヤ処理は、上述の又は後述の実施形態における装置(例えば、サーバ10、管理装置20、基地局30、及び端末装置40)が実行する処理の少なくとも一部の処理であってもよい。
【0483】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。例えば、別個の筐体に収納され、ネットワーク等を介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0484】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0485】
センシング信号の送信のための専用チャネルはPUSECH(Physical Uplink Sensing Channel)、PDSECH(Physical Downlink Sensing Channel)、PSSECH(Physical Sidelink Sensing Channel)と呼称されてもよい。
【0486】
<<9.むすび>>
以上説明したように、本実施形態の通信システム1は、複数の通信装置を備えるセルラー通信システムである。通信装置(例えば、基地局30又は端末装置40)は、無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを、通信システム1が備える一又は複数の他の通信装置と行う。そして、通信装置は、シグナリングの後に、センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。センシング信号の送信及び/又は受信に先立って、通信装置が一又は複数の他の通信装置とシグナリングを行うので、通信システム1は、スムーズにセルラー通信及び/又はセンシングを行うことができる。
【0487】
例えば、通信装置が行うセンシングが、モノスタティックセンシングであるとする。この場合、通信装置は、一又は複数の他の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。事前に通知が行われるので、他の通信装置からのセンシングへの干渉が少なくなる。また、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、通信装置のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0488】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、モノスタティックセンシングであるとする。そして、通信装置が、端末装置40であるとする。このとき、端末装置40は、シグナリングにより、自身が基地局30のカバレッジ内にいるか否か確認してもよい。そして、端末装置40は、自身が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、センシング信号の送信及び受信を行い、自身が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、センシング信号の送信及び受信を行わないようにしてもよい。これにより、端末装置40による不規則な電波利用(基地局30の制御外での電波送信)が抑制される。結果として、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、端末装置40のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0489】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、バイスタティックセンシングであるとする。この場合、通信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの、送信装置及び受信装置以外の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。事前に通知が行われるので、他の通信装置からのセンシングへの干渉が少なくなる。また、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、通信装置のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0490】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、バイスタティックセンシングであるとする。そして、通信装置が、他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置40であるとする。この場合、端末装置40は、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいるか、シグナリングを行ってもよい。そして、端末装置40は、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、他の端末装置40へのセンシング信号の送信を行い、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、他の端末装置40へのセンシング信号の送信を行わないようにしてもよい。これにより、端末装置40による不規則な電波利用(基地局30の制御外での電波送信)が抑制される。結果として、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、端末装置40のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0491】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、マルチスタティックセンシングであるとする。この場合、通信装置は、一又は複数の他の通信装置のうちの、送信装置及び受信装置以外の通信装置に対して、シグナリングにより、センシング信号の送信に使用される無線通信リソースを使用しないよう通知してもよい。事前に通知が行われるので、他の通信装置からのセンシングへの干渉が少なくなる。また、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、通信装置のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0492】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、マルチスタティックセンシングであるとする。この場合、通信装置は、複数の他の通信装置それぞれのマルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報をシグナリングにより取得する。そして、通信装置は、ケイパビリティ情報に基づき複数の他の通信装置の中から選択された複数の装置に対しセンシング信号を送信する。事前にマルチスタティックセンシングが可能な通信装置の選択が行われるので、マルチスタティックセンシングがスムーズに行われる。
【0493】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、マルチタティックセンシングであるとする。そして、通信装置が、他の端末装置40とサイドリンク通信する端末装置40であるとする。この場合、端末装置40は、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいるか、シグナリングを行ってもよい。そして、端末装置40は、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいる場合には、他の端末装置40へのセンシング信号の送信を行い、自身と他の端末装置40の少なくとも一方が基地局30のカバレッジ内にいない場合には、他の端末装置40へのセンシング信号の送信を行わないようにしてもよい。これにより、端末装置40による不規則な電波利用(基地局30の制御外での電波送信)が抑制される。結果として、他の通信装置のセルラー通信又はセンシングが、端末装置40のセンシングにより干渉されることが少なくなる。
【0494】
また、例えば、通信装置が行うセンシングが、マルチタティックセンシングであるとする。このとき、通信装置は、複数の他の通信装置の少なくとも1つとのシグナリングの結果に基づいて、複数の他の通信装置のうちからマルチスタティックセンシングを行う複数の通信装置を動的に選択してもよい。これにより、精度の高いセンシングが可能になる。
【0495】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0496】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0497】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方の関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行うシグナリング部と、
前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行うセンシング部と、
を備える通信装置。
(2)
前記センシング信号は、複数の通信主体から送信される、或いは、複数の通信主体へ送信される、マルチスタティックセンシングのための信号であり、
前記複数の通信主体には、前記一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つが含まれる、
前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記複数の通信主体は、前記複数の他の通信装置のうちの複数の装置であり、
前記シグナリング部は、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングを前記複数の通信主体の少なくとも1つと行い、
前記センシング部は、前記シグナリングの後に、前記複数の通信主体への前記センシング信号の送信、又は前記複数の通信主体からの前記センシング信号の受信、を行う、
前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記シグナリング部は、前記複数の他の通信装置それぞれの前記マルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を前記シグナリングにより取得し、
前記センシング部は、前記ケイパビリティ情報に基づき前記複数の他の通信装置の中から選択された前記複数の装置に対し前記センシング信号を送信する、
前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記シグナリング部は、前記通信装置の前記マルチスタティックセンシングに関するケイパビリティ情報を、前記シグナリングにより、前記複数の装置の少なくとも1つに送信する、
前記(3)に記載の通信装置。
(6)
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置のうちの前記複数の通信主体以外の装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
前記(3)~(5)のいずれかに記載の通信装置。
(7)
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記複数の通信主体には、前記他の端末装置が含まれ、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記端末装置又は前記他の端末装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記端末装置又は前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行い、前記通信装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行わない、
前記(3)~(6)のいずれかに記載の通信装置。
(8)
前記複数の他の通信装置の少なくとも1つとのシグナリングの結果に基づいて、前記複数の他の通信装置のうちから複数の装置を前記複数の通信主体として動的に選択する選択部、を備える、
前記(3)~(7)のいずれかに記載の通信装置。
(9)
前記通信装置は、基地局又は端末装置であり、
前記複数の他の通信装置には、基地局及び端末装置の少なくとも一方が含まれる、
前記(3)~(8)のいずれかに記載の通信装置。
(10)
前記センシング信号は、前記通信装置が送受信する、モノスタティックセンシングのための信号である、
前記(1)に記載の通信装置。
(11)
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
前記(10)に記載の通信装置。
(12)
前記通信装置は、端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記センシング信号の送信及び受信を行い、前記通信装置が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記センシング信号の送信及び受信を行わない、
前記(10)又は(11)に記載の通信装置。
(13)
前記センシング信号は、前記通信装置から一の通信主体へ送信される、或いは、一の通信主体から前記通信装置へ送信される、バイスタティックセンシングのための信号である、
前記(1)に記載の通信装置。
(14)
前記シグナリング部は、前記一又は複数の他の通信装置のうちの前記一の通信主体以外の装置に対して、前記シグナリングにより、前記センシング信号の送信に使用される前記無線通信リソースを使用しないよう通知する、
前記(13)に記載の通信装置。
(15)
前記通信装置は、基地局又は端末装置であり、
前記一の通信主体は、他の基地局又は他の端末装置である、
前記(13)又は(14)に記載の通信装置。
(16)
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記一の通信主体は、前記他の端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記シグナリング部は、前記シグナリングにより、前記端末装置又は前記他の端末装置が前記基地局のカバレッジ内にいるか否か確認し、
前記センシング部は、前記端末装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいる場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行い、前記通信装置及び前記他の端末装置の少なくとも一方が前記基地局のカバレッジ内にいない場合には、前記他の端末装置への前記センシング信号の送信を行わない、
前記(15)に記載の通信装置。
(17)
前記一又は複数の他の通信装置の少なくとも1つに対して、前記センシング信号の受信の結果をフィードバックするフィードバック部、を備える、
前記(1)に記載の通信装置。
(18)
前記フィードバック部は、前記センシング信号、及び該センシング信号を送信するための無線通信リソース、の少なくとも一方に基づき決まるリソースを使って前記センシング信号の受信の結果をフィードバックする、
前記(17)に記載の通信装置。
(19)
前記通信装置は、他の端末装置とサイドリンク通信する端末装置であり、
前記一又は複数の他の通信装置には、前記サイドリンク通信を制御する基地局が含まれ、
前記フィードバック部は、前記基地局に対して、前記他の端末装置からの前記センシング信号の受信の結果をフィードバックする、
前記(17)又は(18)に記載の通信装置。
(20)
無線通信リソースを使って送信されるセンシング信号の送信及び受信の少なくとも一方に関するシグナリングを一又は複数の他の通信装置と行い、
前記一又は複数の他の通信装置との前記シグナリングの後に、前記センシング信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う、
通信方法。
【符号の説明】
【0498】
1 通信システム
10 サーバ
20 管理装置
30 基地局
40 端末装置
11、21 通信部
31、41 無線通信部
12、22、32、42 記憶部
13、23、33、43 制御部
34、46 センサ部
44 入力部
45 出力部
311、411 送信処理部
312、412 受信処理部
313、413 アンテナ
331、431 シグナリング部
332、432 センシング部
333、433 フィードバック部
334、434 選択部
CN コアネットワーク
RAN 無線アクセスネットワーク
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