IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンレー電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両用灯具 図1
  • 特開-車両用灯具 図2
  • 特開-車両用灯具 図3
  • 特開-車両用灯具 図4
  • 特開-車両用灯具 図5
  • 特開-車両用灯具 図6
  • 特開-車両用灯具 図7
  • 特開-車両用灯具 図8
  • 特開-車両用灯具 図9
  • 特開-車両用灯具 図10
  • 特開-車両用灯具 図11
  • 特開-車両用灯具 図12
  • 特開-車両用灯具 図13
  • 特開-車両用灯具 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008490
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/675 20180101AFI20250109BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/16 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/162 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/17 20180101ALI20250109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20250109BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20250109BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20250109BHJP
【FI】
F21S41/675
F21S41/141
F21S41/16
F21S41/162
F21S41/17
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21W102:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110709
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】八田 貞治
(57)【要約】
【課題】灯体を安定的に支持できる光軸調整機構を備えた車両用灯具を提供する。
【解決手段】前方に光を照射する灯体と、灯体を支持するブラケットと、光軸調整機構と、光軸調整機構を介してブラケットを後方から支持するハウジングと、を備え、前後方向と交差する方向を第1方向とし、前後方向および第1方向の両方と交差する方向を第2方向とし、光軸調整機構は、ハウジングに対してブラケットを支持する支点部と、支点部の第1方向一方側でハウジングに対するブラケットの前後位置を調整可能な第1調整部と、支点部の第2方向一方側でハウジングに対するブラケットの前後位置を調整可能な第2調整部と、を有し、ブラケットおよびハウジングの何れか一方は凸部を有し、他方は凸部が収容され内側面で凸部の外側面と対向する収容部を有する、車両用灯具。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に光を照射する灯体と、
前記灯体を支持するブラケットと、
光軸調整機構と、
前記光軸調整機構を介して前記ブラケットを後方から支持するハウジングと、を備え、
前後方向と交差する方向を第1方向とし、
前後方向および前記第1方向の両方と交差する方向を第2方向とし、
前記光軸調整機構は、
前記ハウジングに対して前記ブラケットを支持する支点部と、
前記支点部の前記第1方向一方側で前記ハウジングに対する前記ブラケットの前後位置を調整可能な第1調整部と、
前記支点部の前記第2方向一方側で前記ハウジングに対する前記ブラケットの前後位置を調整可能な第2調整部と、を有し、
前記ブラケットおよび前記ハウジングの何れか一方は凸部を有し、他方は前記凸部が収容され内側面で前記凸部の外側面と対向する収容部を有する、
車両用灯具。
【請求項2】
前記収容部の前記内側面は、
前方を向き前記凸部に対向する底壁面と、
前記第1方向一方側を向き前記凸部に対向する第1側壁面と、
前記第1方向他方側を向き前記凸部に対向する第2側壁面と、を有する、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1側壁面と前記第2側壁面との前記第1方向における距離寸法は、前方に向かうに従い大きくなる、
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1側壁面は、前記第1側壁面の後端と前端とを繋ぐ第1仮想面に対し前記第1方向一方側に突出する、
請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第2側壁面は、前記第2側壁面の後端と前端とを繋ぐ第2仮想面に対し前記第1方向他方側に突出する、
請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第2調整部は、
前後方向に沿って延びるエイミングボルトと、
前記エイミングボルトが挿入されるネジ孔が設けられるエイミングナットと、を有し、
前記エイミングボルトおよび前記エイミングナットのうち、一方が前記ハウジングに保持され、他方が前記ブラケットに保持され、
前記支点部と前記ネジ孔とを結ぶ仮想軸線を想定し、
前記凸部は、前記仮想軸線上に配置される、
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記収容部は、前記第2方向一方側を向き前記凸部に対向する第3側壁面を有する、
請求項2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯(ヘッドランプ)などの車両用灯具において、車両前方に向けて照射される光の光軸を調整する光軸調整(エイミング)機構を備えたものがある(例えば、下記特許文献1)。このような光軸調整機構を備えた車両用灯具では、灯体の左右方向の傾きと鉛直方向の傾きとを調整する操作を行うことで、灯体から車両前方に向けて照射される光軸の方向を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-107923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、灯体の多機能化に伴い、灯体の重量が増加している。光軸調整機構を備えた車両用灯具では、光軸調整機構を介して重量が増加した灯体を支持する必要があり、灯体の支持が不安定となることが懸念される。
【0005】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、灯体を安定的に支持できる光軸調整機構を備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1] 前方に光を照射する灯体と、
前記灯体を支持するブラケットと、
光軸調整機構と、
前記光軸調整機構を介して前記ブラケットを後方から支持するハウジングと、を備え、
前後方向と交差する方向を第1方向とし、
前後方向および前記第1方向の両方と交差する方向を第2方向とし、
前記光軸調整機構は、
前記ハウジングに対して前記ブラケットを支持する支点部と、
前記支点部の前記第1方向一方側で前記ハウジングに対する前記ブラケットの前後位置を調整可能な第1調整部と、
前記支点部の前記第2方向一方側で前記ハウジングに対する前記ブラケットの前後位置を調整可能な第2調整部と、を有し、
前記ブラケットおよび前記ハウジングの何れか一方は凸部を有し、他方は前記凸部が収容され内側面で前記凸部の外側面と対向する収容部を有する、
車両用灯具。
[2] 前記収容部の前記内側面は、
前方を向き前記凸部に対向する底壁面と、
前記第1方向一方側を向き前記凸部に対向する第1側壁面と、
前記第1方向他方側を向き前記凸部に対向する第2側壁面と、を有する、
[1]に記載の車両用灯具。
[3] 前記第1側壁面と前記第2側壁面との前記第1方向における距離寸法は、前方に向かうに従い大きくなる、
[2]に記載の車両用灯具。
[4] 前記第1側壁面は、前記第1側壁面の後端と前端とを繋ぐ第1仮想面に対し前記第1方向一方側に突出する、
[3]に記載の車両用灯具。
[5] 前記第2側壁面は、前記第2側壁面の後端と前端とを繋ぐ第2仮想面に対し前記第1方向他方側に突出する、
[4]に記載の車両用灯具。
[6] 前記第2調整部は、
前後方向に沿って延びるエイミングボルトと、
前記エイミングボルトが挿入されるネジ孔が設けられるエイミングナットと、を有し、
前記エイミングボルトおよび前記エイミングナットのうち、一方が前記ハウジングに保持され、他方が前記ブラケットに保持され、
前記支点部と前記ネジ孔とを結ぶ仮想軸線を想定し、
前記凸部は、前記仮想軸線上に配置される、
[2]に記載の車両用灯具。
[7] 前記収容部は、前記第2方向一方側を向き前記凸部に対向する第3側壁面を有する、
[2]に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、灯体を安定的に支持できる光軸調整機構を備えた車両用灯具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の車両用灯具1の正面図である。
図2図2は、一実施形態のブラケットおよび光軸調整機構の斜視図である。
図3図3は、図1のIII-III線に沿う一実施形態の車両用灯具の部分断面図である。
図4図4は、図1のIV-IV線に沿う一実施形態の車両用灯具の部分断面図である。
図5図5は、一実施形態のリブおよび収容部の断面斜視図である。
図6図6は、図5のVI-VI線に沿う車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図7図7は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図8図8は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図9図9は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図10図10は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図11図11は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図12図12は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図13図13は、図6に対応する車両用灯具の部分断面図であり、リブの一姿勢を示す図である。
図14図14は、変形例のリブおよび収容部の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0010】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の鉛直方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。また、+Z側を上方とし、-Z側を下方とし、+X側を前方とし、-X側を後方とし、+Y側を左方とし、-Y側を右方として、車両用灯具1の各部を説明する。
【0011】
さらに、以下の説明において、Z軸方向を第1方向とし、下方(-Z)を第1方向一方側、上方(+Z)を第1方向他方側と呼ぶ場合がある。さらに、X軸方向を第2方向とし、右方(-Y)を第2方向一方側とし、左方(+Y)を第2方向他方側と呼ぶ場合がある。なお、第1方向は、前後方向と交差する方向であればよく、第2方向は、前後方向および第1方向の両方と交差する方向であればよい。
【0012】
<車両用灯具>
図1は、一実施形態の車両用灯具1の正面図である。
本実施形態の車両用灯具1は、例えば、自動二輪車(図示略)の車両の前方を照射する車両用前照灯(ヘッドランプ)として採用したものである。なお、本実施形態の車両用灯具1は、自動二輪車以外の車両に搭載されるものであってもよい。
【0013】
車両用灯具1は、ハウジング40と、一対の第1灯体11と、一対の第2灯体12と、一対の第3灯体13と、一対のブラケット20と、一対の光軸調整機構30と、を備える。車両用灯具1は、そのほかにエクステンション、およびリフレクタなどを備えていてもよい。
【0014】
<ハウジング>
ハウジング40は、一対の第1灯体11、一対の第2灯体12、一対の第3灯体13、一対のブラケット20、および一対の光軸調整機構30の後方に配置される。ハウジング40は、光軸調整機構30を介してブラケット20を支持する。また、ハウジング40は、図示略の車両に固定される。また、ハウジング40の前面40aには、後述するブラケット20のリブ24を収容する収容部45が設けられる。収容部45の構成については、後段で詳細に説明する。
【0015】
ハウジング40は、前方から見て左右対称形状を有する。また、一対の第1灯体11同士、一対の第2灯体12同士、一対の第3灯体13同士、一対のブラケット20同士、および一対の光軸調整機構30同士は、互いに左右対称な構成を有する。一対の第1灯体11、一対の第2灯体12、一対の第3灯体13、一対のブラケット20、一対の光軸調整機構30は、ハウジング40に対して左右対称に配置される。これにより、車両用灯具1は、全体として、左右対称に構成される。以下の説明において、車両用灯具1の左方(+Y)の構成に着目して説明を行、右方(-Y)の構成の説明を省略する。
【0016】
<灯体>
第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13は、それぞれ前方(+X)に光を照射する。第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13は、鉛直方向に並んで配置される。第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13は、上方から下方に向かってこの順で配置される。第1灯体11と第2灯体12と第3灯体13とは、互いに配光パターンなどの機能が異なる灯体である。第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13は、例えば、ハイビーム、ロービーム、昼間点灯(DRL)用ビーム、配光可変型ビーム(ADB:Adaptive Driving Beam)などのうち何れかのビームを照射可能な灯体である。
【0017】
詳細な図示を省略するが、第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13は、それぞれ光源と、光源の前方に配置される光学系と、を有する。第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13の光源としては、例えば、ハロゲンランプや高輝度放電(HID)ランプ、発光ダイオード(LED)ランプ、レーザーダイオード(LD)ランプなどが採用可能である。
【0018】
以下の説明において、第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13を区別しない場合、これらまとめて灯体11、12、13と呼ぶ場合がある。なお、本実施形態では、車両用灯具1にそれぞれ機能が異なる3種類の灯体11、12、13が設けられる場合について説明した。しかしながら、車両用灯具1は、これら3種類の灯体11、12、13のうち何れか1種の灯体11を有していればよい。
【0019】
<ブラケット>
図2は、本実施形態のブラケット20および光軸調整機構30の斜視図である。図2には、車両用灯具1に設けられる一対のブラケット20および一対の光軸調整機構30のうち、左方(+Y)の一方のみを示す。また、図2において、第2灯体12、および第3灯体13の図示を省略する。
【0020】
ブラケット20は、前方(+X)を向く前面20aと、後方(-X)を向く後面20bと、を有する。前面20aには、第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13が固定される。すなわち、ブラケット20は、前面20aにおいて、第1灯体11、第2灯体12、および第3灯体13を後方から支持する。
【0021】
ブラケット20の後面20bには、第1ナット保持部21と、第2ナット保持部22と、支点固定部23と、リブ(凸部)24と、が設けられる。第1ナット保持部21および第2ナット保持部22は、後面20bから後方(-X)に突出する。支点固定部23には、光軸調整機構30の支点保持部37が固定される。
【0022】
リブ24は、第2ナット保持部22の右方(-Y)を向く側面22aに設けられる。リブ24は、後面20bに繋がる。リブ24は、後面20bに対し後方(-X)に突出し、側面22aに対し右方(-Y)に突出する。リブ24は、前後方向に沿って延びる。リブ24は、ハウジング40の収容部45に収容される。リブ24および収容部45の構成については、後段で詳細に説明する。
【0023】
<光軸調整機構>
光軸調整機構30は、ハウジング40とブラケット20とを連結する。光軸調整機構30は、ハウジング40に対するブラケット20の姿勢を調整するために設けられる。光軸調整機構30によってブラケット20の姿勢を調整することで、ブラケット20に固定される灯体11、12、13から車両前方に向けて投影される光の光軸の方向が調整される。すなわち、本実施形態の光軸調整機構30は、ブラケット20の左右方向の傾きと鉛直方向の傾きとをそれぞれ調整するエイミング操作によって、灯体11、12、13の光軸の方向を調整することが可能である。なお、本実施形態の車両用灯具1では、一対のブラケット20が、それぞれ別の光軸調整機構30に支持される。したがって、一対のブラケット20は、それぞれ個別に姿勢が調整される。さらに、3種類の灯体11、12、13は、1つのブラケット20に固定されるため、これらが同時に光軸の方向が調整される。
【0024】
本実施形態の光軸調整機構30は、第1エイミングボルト31と、第2エイミングボルト32と、第1エイミングナット33と、第2エイミングナット34と、支点軸36と、支点保持部37と、を有する。第1エイミングボルト31は、第1軸線J1に沿って延びる。第2エイミングボルト32は、第2軸線J2に沿って延びる。支点軸36は、第3軸線J3に沿って延びる。第1エイミングナット33は、第1軸線J1上に配置される。第2エイミングナット34は、第2軸線J2上に配置される。支点保持部37は、第3軸線J3上に配置される。
【0025】
第1軸線J1、第2軸線J2、および第3軸線J3は、前後方向に延びる互いに平行な仮想線である。本実施形態において、第1軸線J1は、第2軸線J2および第3軸線J3の下方に位置する。したがって、第1エイミングボルト31は、第2エイミングボルト32および支点軸36の下方に位置する。本実施形態において、第2軸線J2は、第1軸線J1および第3軸線J3の右方(-Y)に位置する。したがって、第2エイミングボルト32は、第1エイミングボルト31および支点軸36の右方に位置する。
【0026】
第1エイミングボルト31および第2エイミングボルト32は、前後方向(X軸方向)に延びる軸部31j、32jと、軸部31j、32jの後端に位置する頭部31h、32hと、をそれぞれ有する。軸部31j、32jの前方の端部の外周面には、オネジが形成される。
【0027】
図3は、図1のIII-III線に沿う車両用灯具1の部分断面図である。図3に示すように、第1エイミングボルト31の軸部31jの後方の端部は、ハウジング40に設けられる第1保持孔41に挿入され、第1軸線J1を中心としてハウジング40に回転可能に保持される。
【0028】
図4は、図1のIV-IV線に沿う車両用灯具1の部分断面図である。図4に示すように、第2エイミングボルト32の軸部32jの後端部は、ハウジング40に設けられる第2保持孔42に挿入されハウジング40に第2軸線J2を中心として回転可能に保持される。
【0029】
図2に示すように、第1エイミングナット33は、第1ナット保持部21に保持される。同様に、第2エイミングナット34は、第2ナット保持部22に保持される。すなわち、第1エイミングナット33、および第2エイミングナット34は、それぞれブラケット20に支持される。なお、第1ナット保持部21および第2ナット保持部22における第1エイミングナット33および第2エイミングナット34の保持は、ブラケット20に対する第1エイミングナット33および第2エイミングナット34の若干の傾きを許容する。第1エイミングナット33、および第2エイミングナット34には、それぞれネジ孔33h、34hが設けられる。ネジ孔33h、34hは、前後方向に沿って延びる。
【0030】
図3に示すように、第1エイミングナット33のネジ孔33hには、第1エイミングボルト31が挿入される。第1エイミングボルト31と第1エイミングナット33とは、第1調整部38を構成する。第1エイミングボルト31が、第1軸線J1周りに回転操作されると、ブラケット20は、第1軸線J1に沿って前後方向にスライド移動する。
【0031】
第2エイミングナット34のネジ孔34hには、第2エイミングボルト32が挿入される。第2エイミングボルト32と第2エイミングナット34とは、第2調整部39を構成する。第2エイミングボルト32が、第2軸線J2周りに回転操作されると、ブラケット20は、第2軸線J2に沿って前後方向にスライド移動する。
【0032】
図3、および図4に示すように、支点軸36は、前後方向(X軸方向)に延びる固定軸部36jと、固定軸部36jの前端に位置する支点部36bと、を有する。固定軸部36jは、ハウジング40の軸固定部43に固定される。支点部36bは、支点Pを中心とする略球状である。支点部36bは、支点保持部37に保持される。
【0033】
支点保持部37は、ブラケット20の支点固定部23に固定される。支点保持部37と支点部36bとは、ボールジョイントを構成する。支点保持部37は、支点Pに対する固定軸部36jの姿勢の変化を許容しつつ支点Pの変位抑制した状態で支点部36bを保持する。
【0034】
図1図3図4には、第1仮想軸線VL1と、第2仮想軸線VL2と、を図示する。図3に示すように、第1仮想軸線VL1は、支点部36bの中心(すなわち、支点P)と第1調整部38のネジ孔33hの中心とを結ぶ仮想的な軸線である。本実施形態の支点部36bと第1調整部38とは、鉛直方向(Z軸方向)に並んで配置される。したがって、第1仮想軸線VL1は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って延びる。なお、本実施形態の第1仮想軸線VL1は、鉛直方向に対して若干左右方向(Y軸方向)に傾いて延びる。図4に示すように、第2仮想軸線VL2は、支点部36bの中心(すなわち、支点P)と第2調整部39のネジ孔34hの中心とを結ぶ仮想的な軸線である。本実施形態の支点部36bと第2調整部39とは、左右方向(Y軸方向)に並んで配置される。したがって、第2仮想軸線VL2は、左右方向(Y軸方向)に沿って延びる。なお、本実施形態の第2仮想軸線VL2は、左右方向に対して若干前後方向(X軸方向)に傾いて延びる。
【0035】
図1をもとに光軸調整機構30の操作について説明する。光軸調整機構30において、第1調整部38の第1エイミングボルト31を回転操作することで、ブラケット20は、第1軸線J1に沿って前後方向に移動する。このとき、支点Pおよび第2調整部39は、傾きを許容した状態で支持されるが移動することはない。このため、第1調整部38の操作により、ブラケット20は、第2仮想軸線VL2を回転軸として第1回転方向θ1に揺動する。第2仮想軸線VL2は、左右方向に沿って延びる。このため、この操作でブラケット20の鉛直方向の傾きを変化させることができ、灯体11、12、13の光軸の方向を鉛直方向に調整できる。
【0036】
光軸調整機構30において、第2調整部39の第2エイミングボルト32を回転操作することで、ブラケット20は、第2軸線J2に沿って前後方向に移動する。このとき、支点Pおよび第1調整部38は、傾きを許容した状態で支持されるが移動することはない。このため、第2調整部39の操作により、ブラケット20は、第1仮想軸線VL1を回転軸として第2回転方向θ2に揺動する。第1仮想軸線VL1は、鉛直方向に沿って延びる。このため、この操作で、ブラケット20の左右方向の傾きを変化させることができ、灯体11、12、13の光軸の方向を左右方向に調整できる。
【0037】
<リブ(凸部)および収容部>
図5は、本実施形態のリブ24およびリブ24を収容する収容部45の断面斜視図である。収容部45は、上側凸部47と下側壁部48と、を有する。上側凸部47および下側壁部48は、それぞれハウジング40の前面40aから前方に延びる。上側凸部47と下側壁部48とは、鉛直方向に並んで配置される。上側凸部47は、下側壁部48の上方に配置される。収容部45は、上側凸部47と下側壁部48との間にリブ24を収容する。
【0038】
図6は、図5のVI-VI線に沿う車両用灯具1の部分断面図である。図6は、ハウジング40の収容部45およびブラケット20のリブ24を示す断面図である。図6では、光軸調整機構30を操作する前(初期状態)の収容部45に対するリブ24の姿勢を表す。また、図7図13は、図6に対応する車両用灯具1の部分断面図である。図7図13では、光軸調整機構30を操作した後の収容部45に対するリブ24の姿勢を表す。
【0039】
図6に示す状態において、光軸調整機構30は、操作されておらず初期状態である図7に示す状態において、光軸調整機構30は、上方に向けて5°操作されている。図8に示す状態において、光軸調整機構30は、下方に向けて5°操作されている。図9に示す状態において、光軸調整機構30は、上方に向けて5°操作された後に、右方に向けて3.5°操作されている。図10に示す状態において、光軸調整機構30は、下方に向けて5°操作された後に、右方に向けて3.5°操作されている。図11に示す状態において、光軸調整機構30は、下方に向けて5°操作された後に、左方に向けて3.5°操作されている。図12に示す状態において、光軸調整機構30は、右方に向けて3.5°操作された後に、上方に向けて5°操作されている。図13に示す状態において、光軸調整機構30は、右方に向けて3.5°操作された後に、下方に向けて5°操作されている。
【0040】
なお、本実施形態において、光軸調整機構30の第1調整部38および第2調整部39の操作に対するリブ24の姿勢には、ヒステリシス特性がある。すなわち、第1調整部38を操作した後に第2調整部39を操作した場合と、第2調整部39を操作した後に第1調整部38を操作した場合とでは、操作量が同等であっても、リブ24の姿勢は同じとならない。これは、第1調整部38および第2調整部39の一方の操作をすると、他方の回転軸が傾斜するためである。
【0041】
図6に示すように、収容部45は、前方(+X)に開口する。収容部45は、リブ24の外側面と対向する内側面46を有する。内側面46は、第1側壁面46aと第2側壁面の46bと底壁面46cとを有する。
【0042】
底壁面46cは、前方を向く。したがって、底壁面46cは、収容部45の開口方向を向く。底壁面46cは、前後方向において収容部45に収容されるリブ24と対向する。底壁面46cは、ハウジング40の前面40aの一部である。
【0043】
第1側壁面46aは、下方(-Z)を向く。第1側壁面46aは、鉛直方向において収容部45に収容されるリブ24と対向する。第1側壁面46aは、上側凸部47の下面である。第2側壁面46bは、上方(+Z)を向く。第2側壁面46bは、鉛直方向において収容部45に収容されるリブ24と対向する。第2側壁面46bは、下側壁部48の上面である。
【0044】
第1側壁面46aおよび第2側壁面46bは、それぞれ底壁面46cから前方(+X)に延びる。第1側壁面46aと第2側壁面46bとは、鉛直方向(Z軸方向)に対向する。第1側壁面46aと第2側壁面46bとの鉛直方向における距離寸法は、前方(+X)に向かうに従い大きくなる。したがって、収容部45の鉛直方向の開口幅は、収容部45の底壁面46cから開口側に向かうに従い大きくなる。
【0045】
第1側壁面46aの後端46aaは、底壁面46cの上端に位置する。また、第1側壁面46aの前端46abは、収容部45の開口部に位置する。図6に示すように、第1側壁面46aの後端46aaと前端を繋ぐ第1仮想面VP1を想定する。第1側壁面46aは、第1仮想面VP1に対し下方(-Z)に突出する。
【0046】
第2側壁面46bの後端46baは、底壁面46cの下端に位置する。また、第2側壁面46bの前端46bbは、収容部45の開口部に位置する。図6に示すように、第2側壁面46bの後端46baと前端を繋ぐ第2仮想面VP2を想定する。第2側壁面46bは、第2仮想面VP2に対し上方(+Z)に突出する。
【0047】
本実施形態のリブ24は、図6図13の何れの姿勢においても、接触点CPにおい収容部45の内側面46のうち、第1側壁面46a、第2側壁面46bおよび底壁面46cの何れかに接触する。このため、図6図13に示す状態のブラケット20は、光軸調整機構30の第1調整部38、第2調整部39、および支点部36bに加えて、接触点CPにおいて、ハウジング40に支持される。本実施形態によれば、光軸調整機構30を介したハウジング40によるブラケット20の支持を安定させることができる。したがって、ブラケット20に搭載される灯体11、12、13の重量が大きくても、ブラケット20を安定的に支持できる。結果的に、走行時の灯体11、12、13の光軸の振れを抑制することができる。さらに、ブラケット20が大きな振幅で振動することに起因するブラケット20の損傷を抑制できる。
【0048】
なお、本実施形態の車両用灯具1は、光軸調整機構30の調整状態によっては、リブ24が収容部45の内側面46と、若干の隙間を介して対向する状態となることもあり得る。本実施形態によれば、リブ24が内側面46から離間する場合であっても、ブラケット20の振幅をリブ24と内側面46との隙間の範囲内に抑制することができ、ブラケット20が大きく振動することを抑制できる。すなわち、リブ24と内側面46とが、接触する場合であっても、隙間を介して対向する場合であっても、ブラケット20の振動を抑制するという効果を一定以上得ることができる。なお、本実施形態の車両用灯具1では、リブ24と内側面46との間の最小隙間が、0.5mm以下となるように設計される。
【0049】
図7などに示すように、ブラケット20を上方に向けて傾けると、リブ24は、収容部45の内部で前方(+X)に向かうに従い上方に傾斜して配置される。一方で、図8などに示すように、ブラケット20を下方に向けて傾けると、リブ24は、収容部45の内部で前方(+X)に向かうに従い下方に傾斜して配置される。すなわち、リブ24は、光軸調整機構30の操作に伴い、前方側の根元部分24rを上方又は下方に移動させる方向に姿勢を変化させる。
【0050】
本実施形態の収容部45は、鉛直方向の開口幅を収容部45の底壁面46cから開口側に向けて大きくする。すなわち、内側面46の形状は、図6図13に示すように、リブ24の前方側の根元部分24rを鉛直方向に傾けるような姿勢の変化に応じた形状となっている。本実施形態によれば、リブ24の姿勢に関わらずリブ24を内側面46の各部に接触させやすい。
【0051】
さらに、本実施形態では、第1側壁面46aおよび第2側壁面46bがそれぞれの仮想面VP1、VP2に対して突出した形状となっている。これにより、内側面46は、光軸調整機構30の操作に伴うリブ24の動作に倣った形状となっている。これにより、内側面46とリブ24とが接触させやすくなっている。なお、本実施形態では、第1側壁面46aおよび第2側壁面46bの両方が、それぞれの仮想面VP1、VP2に対して突出する形状を有する。これにより、第1側壁面46aおよび第2側壁面46bの何れもが、リブ24に接触しやすい。しかしながら、第1側壁面46aおよび第2側壁面46bのうち何れか一方がそれぞれの仮想面に対して突出する形状を有していれば、その面について上述したようなリブ24の動作に倣った形状となり、リブ24と接触させやすくなるという効果を得やすくなる。
【0052】
図3に示ように、本実施形態の第1エイミングナット33は、支点Pに対して後方(-X)に位置する。このため、第1仮想軸線VL1は、前後方向(X軸方向)と直交する平面(Y-Z平面)に対して傾斜する。本実施形態によれば、第1調整部38の調整によってブラケットを前後に移動させる際の第1エイミングナット33の鉛直方向(Z軸方向)の移動量が、第1仮想軸線が前後方向と直交する場合と比較して大きくなる。すなわち、本実施形態の車両用灯具1では、灯体11、12、13の光軸の方向を鉛直方向に傾けるための第1調整部38の操作に伴い、ブラケット20は鉛直方向に移動しやすい。
【0053】
図4に示すように、本実施形態の第2エイミングナット34は、支点Pに対して後方(-X)に位置する。このため、第2仮想軸線VL2は、前後方向(X軸方向)と直交する平面(Y-Z平面)に対して傾斜する。本実施形態によれば、第2調整部39の調整によってブラケットを前後に移動させる際の第1エイミングナット33の鉛直方向(Z軸方向)の移動量が、第2仮想軸線が前後方向と直交する場合と比較して大きくなる。すなわち、本実施形態の車両用灯具1では、灯体11、12、13の光軸の方向を左右方向に傾けるための第2調整部39の操作に伴い、ブラケット20は左右方向に移動しやすい。
【0054】
すなわち、本実施形態のブラケット20は、第1エイミングナット33および第2エイミングナット34が対して支点Pを前後方向にずらされて配置されるため、光軸調整機構30の操作にともなってブラケット20が鉛直方向又は左右方向に移動しやすい。本実施形態では、上述したように収容部45の内側面46が、リブ24の移動に倣った形状を有するため、光軸調整の操作に伴いブラケット20が鉛直方向又は左右方向に移動する場合であっても、内側面46にリブ24を接触させやすく、ブラケット20を安定的に支持しやすい。
【0055】
また、本実施形態によれば、第1エイミングナット33および第2エイミングナット34に対して支点Pを前後方向にずらして配置することで、支点軸36を第1エイミングボルト31および第2エイミングボルト32と比較して短くしやすい。このため、支点軸36の前方又は後方にスペースS1、S2を形成しやすく、スペースS1、S2を有効に利用することで車両用灯具1の小型化を図ることができる。
【0056】
図1に示すように、本実施形態のリブ24は、第2仮想軸線VL2上に配置される。本実施形態のブラケット20は、第1調整部38の操作に伴い第2仮想軸線VL2を回転軸として揺動する。このため、リブ24も、第1調整部38の操作に伴って第2仮想軸線VL2周りに揺動する。本実施形態によれば、リブ24を第2仮想軸線VL2上に配置することで、第1調整部38の操作に伴うリブ24の変位量を小さくすることができる。これにより、リブ24を収容する収容部45を小さくすることができ、結果的に車両用灯具1の小型化を図ることができる。
(実施形態のまとめ)
図1に示すように、本実施形態の車両用灯具1は、前方(+X)に光を照射する灯体11、12、13と、灯体11、12、13を支持するブラケット20と、光軸調整機構30と、光軸調整機構30を介してブラケット20を後方から支持するハウジング40と、を備える。前後方向(X軸方向)と交差する方向を第1方向(Z軸方向)とし、前後方向および第1方向の両方と交差する方向を第2方向(Y軸方向)とする。図2に示すように、光軸調整機構30は、支点部36bと、第1調整部38と、第2調整部39と、を有する。支点部36bは、ハウジング40に対してブラケット20を支持する。第1調整部38は、支点部36bの第1方向一方側(-Z)でハウジング40に対するブラケット20の前後位置を調整可能である。第2調整部39は、支点部36bの第2方向一方側(-Y)でハウジング40に対するブラケット20の前後位置を調整可能である。図6に示すように、ブラケット20およびハウジング40の何れか一方はリブ(凸部)24を有し、他方はリブ24が収容され内側面46でリブ24の外側面と対向する収容部45を有する。
【0057】
上述の構成によれば、リブ24を収容部45の内側面46と接触させるか、又は隙間を介して対向させることができる。リブ24と内側面46とが接触する場合、光軸調整機構30を介したハウジング40によるブラケット20の支持点の数を増加させて、ブラケット20の支持を安定させることができる。また、リブ24と内側面46とが隙間を介して対向する場合、ブラケット20の振幅をリブ24と内側面46との隙間の範囲内に抑制することができ、ブラケット20が大きく振動することを抑制できる。結果的に、上述の構成によれば、ブラケット20の振動を抑制することで、走行時の灯体11、12、13の光軸の振れを抑制するとともに、振動によってブラケット20が損傷することを抑制できる。
【0058】
なお、上述の実施形態では、ブラケット20がリブ24を有し、ハウジング40が収容部45を有する場合について説明した。しかしながら、ブラケット20が収容部を有し、ハウジング40がリブを有していてもよい。また、上述の実施形態では、収容部45に収容される凸部(リブ24)が前後方向に延びるリブ状である場合について説明した。しかしながら、凸部の形状は、本実施形態に限定されない。同様に、収容部45は、凸部(リブ24)を囲む内側面46を有していれば、本実施形態の構成に限定されない。
【0059】
本実施形態の車両用灯具1において、収容部45の内側面46は、底壁面46cと、第1側壁面46aと、第2側壁面46bと、を有する。底壁面46cは、前方(+X)を向きリブ24に対向する。第2側壁面46bは、第1方向一方側(-Z)を向きリブ24に対向する。第2側壁面46bは、第1方向他方側(+Z)を向きリブ24に対向する。
【0060】
上述の構成によれば、収容部45の内側面46が、第1方向の両側および後方(-X)からリブ24を囲み、第1方向および前後方向のブラケット20の振れを効果的に抑制できる。なお、上述の実施形態では、第1方向が鉛直方向であるため、収容部45の内側面46は、ブラケット20の鉛直方向の振れを効果的に抑制できる。例えば、第1方向が左右方向である場合に、収容部の内側面は、ブラケットの左右方向の振れを効果的に抑制する。
【0061】
本実施形態の車両用灯具1において、第1側壁面46aと第2側壁面46bとの第1方向(Z軸方向)における距離寸法は、前方に向かうに従い大きくなる。
【0062】
上述の構成によれば、リブ24の根元部分24rを鉛直方向に傾けるような姿勢の変化に応じて、リブ24を内側面46の各部に接触させやすい。結果的に、ハウジング40によるブラケット20の支持点を増加させて支持を安定させやすくなる。
【0063】
本実施形態の車両用灯具1において、第1側壁面46aは、第1側壁面46aの後端46aaと前端46abとを繋ぐ第1仮想面VP1に対し第1方向一方側(-Z)に突出する。
【0064】
上述の構成によれば、第1側壁面46aを、光軸調整機構30の操作に伴うリブ24の動作に倣った形状とすることができ、リブ24を内側面46にさらに接触させやすくできる。
【0065】
さらに、本実施形態の車両用灯具1において、第2側壁面46bは、第2側壁面46bの後端46baと前端46bbとを繋ぐ第2仮想面VP2に対し第1方向他方側(+Z)に突出する。
【0066】
上述の構成によれば、第2側壁面46bを、光軸調整機構30の操作に伴うリブ24の動作に倣った形状とすることができ、リブ24を内側面46にさらに接触させやすくできる。
【0067】
本実施形態の車両用灯具1において、第2調整部39は、前後方向(X軸方向)に沿って延びる第2エイミングボルト32と、第2エイミングボルト32が挿入されるネジ孔34hが設けられる第2エイミングナット34と、を有する。第2エイミングボルト32および第2エイミングナット34のうち、一方がハウジング40に保持され、他方がブラケット20に保持される。支点部36bとネジ孔34hとを結ぶ第2仮想軸線VL2を想定する。リブ24は、第2仮想軸線VL2上に配置される。
【0068】
上述の構成によれば、リブ24を第2仮想軸線VL2上に配置することで、第1調整部38の操作に伴うリブ24の変位量を小さくすることができ、リブ24および収容部45を小型化できる。結果的に車両用灯具1の小型化を図ることができる。
【0069】
(変形例)
図14は、上述の実施形態に採用可能な変形例の収容部145および当該収容部145に収容されるリブ24の断面斜視図である。本変形の収容部145は、上述の実施形態と比較して第3側壁面146dを有する点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
本変形例のハウジング140は、上述の実施形態と同様に、リブ24を収容する収容部145を有する。収容部145は、リブ24の外側面と対向する内側面146を有する。本変形例の内側面146は、上述の実施形態と同様の第1側壁面46a、第2側壁面の46b、および底壁面46cに加えて、第3側壁面146dを有する。
【0071】
第3側壁面146dは、底壁面46cから前方(+X)に延びる。第3側壁面146dは、左方(+Y)を向く。第3側壁面146dは、左右方向において収容部145に収容されるリブ24と対向する。したがって、本変形例の内側面146は、第1側壁面46aにおいて上方から、第2側壁面46bにおいて下方から、底壁面46cにおいて後方から、第3側壁面146dにおいて右方(-Y)からリブ24を囲む。
【0072】
本変形例の収容部145は、第1側壁面46a、第2側壁面46bおよび底壁面46cに加えて第3側壁面146dにおいてもリブ24と接触することができる。これにより、リブ24と内側面146との接触点CPの数を増加させやすく、光軸調整機構30を介したハウジング140によるブラケット20の支持を安定させることができる。
【0073】
特に、本実施形態の第3側壁面146dは、リブ24に対して左右方向(Y軸方向)において接触、又は対向するため、ブラケット20の左右方向の振れを抑制する。すなわち、本変形例によれば、第1側壁面46aおよび第2側壁面46bにおいて鉛直方向のブラケット20の振れを抑制し、第3側壁面146dにおいて左右方向のブラケット20の振れを抑制できる。本実施例によれば、走行時の灯体11、12、13の光軸の鉛直方向および左右方向の振れを抑制することができる。なお、本変形例の収容部145においても、上述の実施形態と同様に、リブ24と内側面146との間の最小隙間が、0.5mm以下となることが好ましい。
【0074】
以上に、本発明の実施形態およびその変形例を説明したが、実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0075】
例えば、上述の実施形態では、ブラケット20とハウジング40との間に、一組のリブ24および収容部45のみが設けられる場合について説明したが、複数組のリブ24および収容部45が設けられていてもよい。この場合、支持点をさらに増加せることができ、ブラケット20の振れを効果的に抑制できる。
【符号の説明】
【0076】
1…車両用灯具、11、12、13…灯体、20…ブラケット、24…リブ(凸部)、30…光軸調整機構、32…第2エイミングボルト(エイミングボルト)、33h,34h…ネジ孔、34…第2エイミングナット(エイミングナット)、36b…支点部、38…第1調整部、39…第2調整部、40,140…ハウジング、45,145…収容部、46,146…内側面、46a…第1側壁面、46aa,46ba…後端、46ab,46bb…前端、46b…第2側壁面、46c…底壁面、146d…第3側壁面、P…支点、VL2…第2仮想軸線(仮想軸線)、VP1…仮想面、VP1…第1仮想面、VP2…第2仮想面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2