(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008517
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】保護フィルム及び積層体
(51)【国際特許分類】
C09J 7/35 20180101AFI20250109BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20250109BHJP
C09J 7/24 20180101ALI20250109BHJP
B32B 27/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
C09J7/35
C09J7/38
C09J7/24
B32B27/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110752
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 真生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆
(72)【発明者】
【氏名】坂井 謙太
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AK04A
4F100AK07A
4F100AK15A
4F100AK16A
4F100AK25B
4F100AK25G
4F100AK42A
4F100AT00
4F100BA02
4F100CB05B
4F100CB05G
4F100DD05B
4F100DD05G
4F100DD07B
4F100GB41
4F100JD01B
4J004AA10
4J004AB01
4J004BA06
4J004CA05
4J004CA06
4J004CB03
4J004DB05
4J004FA04
(57)【要約】
【課題】本開示は、新たな保護フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態の一態様の保護フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを備え、前記粘着剤層は、前記フィルム基材に背向する面に溝部を有し、前記溝部の幅が30μm以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、前記フィルム基材に背向する面に溝部を有し、
前記溝部の幅が30μm以上である、保護フィルム。
【請求項2】
前記フィルム基材の、温度0℃、圧力101.325kPaにおける、水蒸気透過係数が、4500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以下である、請求項1に記載の保護フィルム。
【請求項3】
前記フィルム基材が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の重合体を含む、請求項1に記載の保護フィルム。
【請求項4】
請求項1に記載の保護フィルムと、ポリカーボネート基材とを含む積層体であり、
保護フィルムが、保護フィルムが有する粘着剤層を介してポリカーボネート基材に貼付された積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保護フィルム及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネートは、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安定性等に優れる熱可塑性プラスチックであり、輸送機器、雑貨等、様々な分野で使用されている。しかしながら、ポリカーボネートを単体で使用すると、割れ、飛散の可能性があるため、飛散防止の観点から、保護フィルムを表面に貼り付けることが行われていた。
【0003】
ポリカーボネートにPETフィルムを貼り付けた場合には、ポリカーボネート由来のアウトガスによりフィルムの浮きが発生することがあった。
【0004】
ところで、特許文献1には、膜厚が150μm以上5000μm以下である粘着剤層を備え、前記粘着剤層は、ビニル重合体(A)とアクリル系粘着性ポリマー(B)とを含み、前記ビニル重合体(A)は、脂環式ビニル単量体に由来する構造単位を含み、ガラス転移温度が90℃以上200℃以下であり、かつ数平均分子量が1,000以上10,000以下であり、前記粘着剤層のX線光電子分光分析により得られるその表層部分から計算されるガラス転移温度である第2のTgが、前記粘着剤層全体のガラス転移温度である第1のTgよりも80℃以上高く、前記粘着剤層は、前記アクリル系粘着性ポリマー(B)に基づくゲル分率が80%以上である、粘着シートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された粘着シートは、被着体から生じたアウトガスの膜厚方向における成長を抑えて、発泡を抑制することができることが記載されている。本発明者らの検討によると、アウトガスによるフィルムの浮きを防止することが可能な保護フィルムとして、使用可能な粘着剤や、フィルム基材は限られており、改良が求められていた。本開示は、新たな保護フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、粘着剤層に特定の幅を有する溝部を設けることにより、アウトガスによるフィルムの浮きを抑制することが可能であることを見出し、本開示に至った。
【0008】
本実施形態の態様例は、以下の通りに記載される。
【0009】
(1) フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、前記フィルム基材に背向する面に溝部を有し、
前記溝部の幅が30μm以上である、保護フィルム。
(2) 前記フィルム基材の、温度0℃、圧力101.325kPaにおける、水蒸気透過係数が、4500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以下である、(1)に記載の保護フィルム。
(3) 前記フィルム基材が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の重合体を含む、(1)又は(2)に記載の保護フィルム。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の保護フィルムと、ポリカーボネート基材とを含む積層体であり、
保護フィルムが、保護フィルムが有する粘着剤層を介してポリカーボネート基材に貼付された積層体。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、アウトガスによるフィルムの浮きを抑制することが可能な、保護フィルム、及び保護フィルムとポリカーボネート基材とを含む積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】保護フィルム100及びポリカーボネート基材9から積層体200を得る工程の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施形態の保護フィルム及び積層体について詳細に説明する。本実施形態の一態様は、フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを備え、前記粘着剤層は、前記フィルム基材に背向する面に溝部を有し、前記溝部の幅が30μm以上である、保護フィルムである。本実施形態の別の一態様は、前記保護フィルムと、ポリカーボネート基材とを含む積層体であり、保護フィルムが、保護フィルムが有する粘着剤層を介してポリカーボネート基材に貼付された積層体である。
【0013】
(フィルム基材)
フィルム基材は、ポリカーボネート基材等を保護するために用いられるフィルムであればよく、特に制限はない。
【0014】
従来の保護フィルムは、ガス透過性の低いフィルムを用いるとアウトガスによるフィルムの浮きが発生するため、使用可能なフィルムの種類や厚さが限られていた。一方で、本発明の保護フィルムは、粘着剤層に溝部を設けることにより、フィルム基材の種類を問わず、アウトガスによるフィルムの浮きを抑制することができる。従って、フィルム基材は、従来使用することが難しかったガス透過性が小さい材質のフィルムであってもよい。
【0015】
フィルム基材の、温度0℃、圧力101.325kPaにおける、水蒸気透過係数が、140000×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以下であることが好ましい態様の一つである。本開示の保護フィルムは、フィルム基材として水蒸気透過係数が小さい材質のフィルムを使用することが可能であり、水蒸気透過係数が、6500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以下であってもよく、4500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以下であってもよい。水蒸気透過係数の下限としては、特に制限はないが、例えば14×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以上であり、120×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg以上であってもよい。水蒸気透過係数は、温度0℃、圧力101.325kPa、ガスの種類を水蒸気として、JIS K 7129に従って測定することができる。なお、水蒸気透過係数は、透湿係数とも呼ばれる。
【0016】
フィルム基材としては、その材質としては特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコール(例えば、84500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリウレタン(例えば、64300×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、酢酸セルロース(例えば、60500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリスチレン(例えば、10000×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリカーボネート(例えば、7000×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリ塩化ビニル(例えば、4500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリエチレンテレフタレート(例えば、1800×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリエチレン(例えば、1100×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリ塩化ビニリデン(例えば、500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)、ポリプロピレン(例えば、700×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)等が挙げられる。フィルム基材としては、水蒸気透過係数が低い、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンから選択される少なくとも1種の重合体を含んでいてもよい。
【0017】
フィルム基材の厚さとしては、特に制限はないが、例えば15~500μmであり、50~300μmであってもよい。フィルム基材の形状としては、保護フィルムで保護する材料の形状に応じて適宜設定すればよく、特に制限はない。
【0018】
(粘着剤層)
粘着剤層は、ポリカーボネート基材等の保護対象及びフィルム基材と粘着又は接着することが可能であればよく、特に制限はない。なお、粘着剤層は、フィルム基材に背向する面、言い換えると表面に溝部を有し、溝部の幅が30μm以上であればよい。
【0019】
溝部の幅は、好ましくは40μm以上である。溝部の幅の上限としては、特に制限はないが、通常は60μm以下であり、好ましくは50μm以下である。粘着剤層中の溝部の割合としては特に制限はないが、単位面積当たりの溝部の面積が15~45%であってもよく、25~35%であってもよい。
【0020】
溝部の形状としては特に制限はなく、直線状、曲線状、格子状及びこれらの組み合わせであってもよい。本実施形態の保護フィルムはアウトガスが溝部を通じて外部に排出されるため、アウトガスによるフィルムの浮きを抑制することが可能であると考えられる。このため、溝はフィルムの端部まで繋がっていることが好ましい。また、溝部の配置としては特に制限はないが、溝部で囲まれた粘着剤部分又は、溝部及び端部で囲まれた粘着剤部分の面積は、例えば50~1000000μm2であり、より好ましくは500~850000μm2である。
【0021】
粘着剤層は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エポキシ系粘着剤等であってもよく、それ以外の樹脂系粘着剤であってもよい。
【0022】
粘着剤層の厚さとしては特に制限はないが、溝部ではない部分の厚さが、例えば40~100μmであり、好ましくは40~60μmである。また、溝部の深さは、例えば20~40μmであり、好ましくは25~30μmである。
【0023】
(保護フィルム)
本実施形態の保護フィルムは、前記フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された前記粘着剤層とを備える。フィルム基材と粘着剤層とは、直接接していてもよく、間に他の層を有していてもよい。また、粘着剤層は、ある態様においては、フィルム基材の片方の面に形成される。
【0024】
保護フィルムの製造方法としては特に制限はない。例えば、樹脂組成物等のフィルム基材の原料を、押出成形、キャスティング成形、カレンダー成形等の成形方法により成形することにより、フィルム基材を得ることができる。また、フィルム基材の上に粘着剤を、ロールコート、グラビアコート、ダイコート、カレンダー塗工等の塗工方法により塗工することにより、フィルム基材及び粘着剤層を有する積層フィルムを得ることができる。次いで粘着剤層に溝部を設けることにより、本実施形態の保護フィルムを得ることができる。なお、粘着剤層は、粘着剤を直接フィルム基材に塗工する方法以外にも、粘着剤を離型フィルムに塗工し、粘着剤層を形成し、粘着剤層をフィルム基材にラミネートすることにより、フィルム基材及び粘着剤層を有する積層フィルムを得てもよい。粘着剤層に溝部を設ける方法としては特に制限はないが、例えば、溝部に対応する畝部を有する離型フィルムを用意し、溝部が設けられる前の粘着剤層に離型フィルムを押し当て、粘着剤層に溝部を設けてもよい。また、粘着剤を、溝部に対応する畝部を有する離型フィルムに塗工し、溝部を有する粘着剤層を得てもよい。粘着剤層に溝部を設ける別の方法としては、粘着剤層を、例えば従来公知の方法を用いて、エッチングすることで、溝部を設けてもよい。
【0025】
(ポリカーボネート基材)
本実施形態の保護フィルムの保護対象としては、特に制限はないが、例えばポリカーボネート基材が挙げられる。ポリカーボネート基材はアウトガスが発生することが知られており、前記保護フィルムを用いることにより、他の保護フィルムを使用した場合と比べて、顕著にアウトガスによる浮きを抑制することが可能である。ポリカーボネート基材の形状や厚さとしては特に制限はなく、ポリカーボネート基材が使用される用途等によって適宜選択される。
【0026】
(積層体)
本実施形態の積層体は、前記保護フィルムと、前記ポリカーボネート基材とを含み、前記保護フィルムが、前記保護フィルムが有する粘着剤層を介してポリカーボネート基材に貼付された積層体である。保護フィルム100及びポリカーボネート基材9から積層体200を得る工程の概略図を
図1に示す。
【0027】
図1では、フィルム基材1及び粘着剤層3を有する保護フィルム100が、ポリカーボネート基材9に貼付されることにより、積層体200が得られている。保護フィルム100が有する粘着剤層3には、溝部5が複数設けられており、溝部の幅7は30μm以上である。ポリカーボネート基材9には通常アウトガス11が含まれており、徐々にポリカーボネート基材9から外部に放出される。積層体200は、粘着剤層3が溝部5を有するため、アウトガス11を外部に放出することが可能であり、フィルムの浮きが抑制されている。
【0028】
積層体の製造方法としては、特に制限はなく、粘着剤層の材質等に応じて、適宜貼付の条件を選択することができる。なお、通常は、粘着剤層の溝部が積層体においても維持される条件で貼付される。貼付の条件としては特に制限はないが、例えば貼り付け荷重0.5kgf~8kgf、貼り付け温度5℃~40℃にて貼り付けを行うことができる。また、必要に応じて、後加熱工程を設けることができる。後加熱工程は、例えば加温機の設定温度を90℃~100℃として行い、フィルム表面温度が設定温度に達したのち0秒~2分間加温を続けることにより実施することができる。
【実施例0029】
以下、実施例を挙げて本実施形態を説明するが、本開示はこれらの例によって限定されるものではない。
【0030】
[参考例1]
ポリウレタン(水蒸気透過係数:64300×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)を、キャスティング成形により成形し、1524mm×15.2m×150μmのフィルム基材を得た。
【0031】
アクリル系粘着剤を、フィルム基材に、ロールコートにより塗工し、フィルム基材及び粘着剤層を有する保護フィルムを得た。
【0032】
保護フィルムの粘着剤層側と、ポリカーボネート基材とが接触するように重ね合わせ、貼り付け荷重4kgf、貼り付け温度23℃で貼り付け、積層体を得た。
【0033】
[実施例1]
ポリ塩化ビニル(水蒸気透過係数:4500×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)を、押出成形により成形し、1372mm×50m×50μmのフィルム基材を得た。
【0034】
アクリル系粘着剤を、ランダムに配置された畝部を有する離型フィルムに、ロールコートにより塗工し、離型フィルム上に粘着剤層を形成した。
【0035】
フィルム基材上に、粘着剤層を重ね合わせ、ラミネート機により、ラミネートすることによりフィルム基材と粘着剤層とを有し、粘着剤層に溝部(幅40μm、単位面積当たりの溝部の割合30%、溝部で囲まれた粘着剤部分の面積が500~850000μm2)を有する保護フィルムを得た。
【0036】
保護フィルムの粘着剤層側と、ポリカーボネート基材とが接触するように重ね合わせ、貼り付け荷重4kgf、貼り付け温度23℃で貼り付け、積層体を得た。積層体において、粘着剤層の溝部が残っていることを、保護フィルムの粘着剤層側と透明なガラス基材とが接触するように重ね合わせ、貼り付け荷重4kgf、貼り付け温度23℃で貼り付け、ガラス基材の裏側から顕微鏡で観察することで確認した。
【0037】
[比較例1]
ポリ塩化ビニルを、押出成形により成形し、1372mm×50m×50μmのフィルム基材を得た。
【0038】
アクリル系粘着剤を、格子状に配置された畝部を有する離型フィルムに、ロールコートにより塗工し、離型フィルム上に粘着剤層を形成した。
【0039】
フィルム基材上に、粘着剤層を重ね合わせ、ラミネート機により、ラミネートすることによりフィルム基材と粘着剤層とを有し、粘着剤層に溝部(幅15μm、単位面積当たりの溝部の割合6%、溝部で囲まれた粘着剤部分の面積が140000μm2)を有する保護フィルムを得た。
【0040】
保護フィルムの粘着剤層側と、ポリカーボネート基材とが接触するように重ね合わせ、貼り付け荷重4kgf、貼り付け温度23℃で貼り付け、積層体を得た。
【0041】
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレート(水蒸気透過係数:1800×10-10cm3・mm/cm2・s・cmHg)を、押出成形により成形し、914mm×30m×100μmのフィルム基材を得た。
【0042】
アクリル系粘着剤を、フィルム基材に、ロールコートにより塗工し、フィルム基材及び粘着剤層を有する保護フィルムを得た。
【0043】
保護フィルムの粘着剤層側と、ポリカーボネート基材とが接触するように重ね合わせ、貼り付け荷重4kgf、貼り付け温度23℃で貼り付け、積層体を得た。
【0044】
[フィルムの浮き評価]
参考例、実施例、比較例で得た積層体を、80℃で24時間保持することにより、老化処理を行い、保護フィルムの浮きが発生するか目視により観察した。参考例1、実施例1の積層体では、浮きは発生せず、比較例1、比較例2の積層体では浮きが観察された。
【0045】
本明細書中に記載した数値範囲の上限値及び/又は下限値は、それぞれ任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。例えば、数値範囲の上限値及び下限値を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、数値範囲の上限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができ、また、数値範囲の下限値同士を任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
【0046】
以上、本実施形態を詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示に含まれるものである。