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特開2025-85320内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置
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  • 特開-内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025085320
(43)【公開日】2025-06-05
(54)【発明の名称】内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/023 20060101AFI20250529BHJP
   F01N 11/00 20060101ALI20250529BHJP
【FI】
F01N3/023 K
F01N11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199117
(22)【出願日】2023-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 学
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
【Fターム(参考)】
3G091AB13
3G091BA26
3G091DB10
3G091EA32
3G190BA31
3G190DD01
3G190EA14
(57)【要約】
【課題】差圧検出部の凍結状態をより正確に診断できるようにする。
【解決手段】内燃機関(1)からの排気ガスが通る排気路(3)に設置されるフィルタ(7)と、前記排気路(3)に接続し、前記フィルタ(7)をバイパスする差圧検出用通路(8)、及び前記差圧検出用通路(8)に設置され、前記フィルタ(7)の上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサ(9)により構成される差圧検出部(10)とを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記差圧検出部(10)の凍結診断を行う凍結診断装置(100)であって、前記差圧センサ(9)で検出される差圧が、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかに該当する場合、前記差圧検出部(10)が凍結していると判定する判定手段(102)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関からの排気ガスが通る排気路に設置されるフィルタと、前記排気路に接続し、前記フィルタをバイパスする差圧検出用通路、及び前記差圧検出用通路に設置され、前記フィルタの上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサにより構成される差圧検出部とを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記差圧検出部の凍結診断を行う凍結診断装置であって、
前記差圧センサで検出される差圧が、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかに該当する場合、前記差圧検出部が凍結していると判定する判定手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記極大状態、前記極小状態、及び前記差圧が発生していない状態のうちのいずれかが所定の時間だけ継続する場合、前記差圧検出部が凍結していると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置。
【請求項3】
前記極大状態は、前記差圧センサで検出される差圧が、前記フィルタの詰まり判定のための閾値と、前記差圧センサの出力範囲上限との間に設定された第1の閾値以上になる状態であり、
前記極小状態は、前記差圧センサで検出される差圧が、前記フィルタの抜け判定のための閾値と、前記差圧センサの出力範囲下限との間に設定された第2の閾値以下になる状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置。
【請求項4】
前記差圧が発生していない状態は、前記差圧センサで検出される差圧が、0を含む所定の範囲にある状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関を駆動源とする自動車において、内燃機関からの排気ガスが通る排気路にGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)が設置される。この場合に、GPFの詰まり等の状態を診断できるように、排気路に、GPFをバイパスする差圧検出用通路を接続して、差圧検出用通路に、GPFの上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサを設置することがある。
ここで、排気ガスには水蒸気が含まれているため、外気温が低いときに、差圧検出用通路を構成する配管や差圧センサに排気ガス接触すると、排気ガスに含まれる水蒸気が冷却されて結露、凍結し、配管や差圧センサを閉塞することがある。この状態では、差圧センサで差圧を正しく計測できず、GPFの状態を正確に診断することができない。
特許文献1には、内燃機関の排気温度に関連するパラメータ及び大気温度に関連するパラメータの少なくとも一方に基づいて、差圧検出用通路の非凍結状態を判定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-2694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、内燃機関の排気温度や大気温度に基づいて、差圧検出用通路の非凍結状態を推定するが、これらの温度の情報は差圧検出用通路の凍結を直接的に表す情報とはいえず、差圧検出用通路の凍結状態を正確に診断できない可能性がある。
【0005】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、差圧検出部の凍結状態をより正確に診断できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置は、内燃機関からの排気ガスが通る排気路に設置されるフィルタと、前記排気路に接続し、前記フィルタをバイパスする差圧検出用通路、及び前記差圧検出用通路に設置され、前記フィルタの上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサにより構成される差圧検出部とを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記差圧検出部の凍結診断を行う凍結診断装置であって、前記差圧センサで検出される差圧が、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかに該当する場合、前記差圧検出部が凍結していると判定する判定手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、差圧検出部の凍結状態をより正確に診断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る内燃機関の排気浄化システムの構成例を示す模式図である。
図2】差圧検出部の凍結について説明するための図である。
図3】差圧センサで検出される差圧DPの時系列変化の例を示す特性図である。
図4】実施例においてECUが実行する差圧検出部の凍結診断の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化システムの凍結診断装置(100)は、内燃機関(1)からの排気ガスが通る排気路(3)に設置されるフィルタ(7)と、前記排気路(3)に接続し、前記フィルタ(7)をバイパスする差圧検出用通路(8)、及び前記差圧検出用通路(8)に設置され、前記フィルタ(7)の上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサ(9)により構成される差圧検出部(10)とを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記差圧検出部(10)の凍結診断を行う凍結診断装置(100)であって、前記差圧センサ(9)で検出される差圧が、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかに該当する場合、前記差圧検出部(10)が凍結していると判定する判定手段(102)を備える。
これにより、差圧検出部(10)の凍結状態をより正確に診断できるようになる。
【実施例0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
図1に、実施例に係る内燃機関の排気浄化システムの構成例を示す。
自動車には、複数の気筒を有する内燃機関であるエンジン1と、ECU(Electronic Control Unit)100とが搭載される。
エンジン1には、吸気路2と、排気路3とが接続する。エンジン1の燃焼室には、吸気路2及び不図示の吸気バルブを介して、吸入空気とインジェクタ4から供給される燃料との混合気が投入される。燃焼室では、点火プラグ5で点火して、不図示のピストンで圧縮した混合気を燃焼させる。燃焼した混合気は膨張し、不図示のピストンを押し下げて、不図示のクランクシャフトを回転させる。エンジン1から不図示の排気バルブを介して排気される排気ガスは、排気路3を介して排気される。
【0011】
排気路3には、上流側から順に、TWC(三元触媒)6、GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)7が設置される。TWC6は、排気ガス中の有害成分を酸化、還元によって浄化する。GPF7は、排気ガスに含まれるPM(Particulate Matter)を捕集する。
また、排気路3には、GPF7をバイパスする差圧検出用通路8が接続する。差圧検出用通路8には、ダイアフラム式の差圧センサ9が設置され、GPF7の上流側圧力と下流側圧力との差圧DPを検出する。このように差圧検出用通路8、及び差圧検出用通路8に設置される差圧センサ9により差圧検出部10が構成される。
【0012】
ECU100は、インジェクタ4による燃料噴射、吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミング、点火プラグ5による点火時期等のエンジン制御を司る。なお、エンジン制御については公知の技術を適用すればよく、ここではその詳細な説明を省略する。
【0013】
また、ECU100は、GPF7の状態を診断する。GPF7でPMの堆積により詰まりが生じると、圧力損失により、差圧センサ9で検出される差圧DPが大きくなる。そこで、ECU100は、差圧センサ9で検出される差圧DPが、予め設定された詰まり判定閾値以上になると、詰まりが生じたとして、警告灯を点灯させる等してドライバに通知する。なお、GPFでは、捕集したPMは排気ガス温度で燃焼、消滅する。差圧センサ9で検出される差圧DPが、詰まり判定閾値を下回ると、詰まりが解消されたとして、警告灯を消灯させる。また、GPF7でフィルタ素材の溶損等により所謂抜けが生じると、差圧センサ9で検出される差圧DPが小さくなる。そこで、ECU100は、差圧センサ9で検出される差圧DPが、予め設定された抜け判定閾値以下になると、GPF7の抜けが生じたとして、警告灯を点灯させる等してドライバに通知する。
【0014】
図3には、差圧センサ9で検出される差圧DPの時系列変化の例を示す。図3に示すように、詰まり判定閾値及び抜け判定閾値が設定されており、その間が、詰まりも抜けも生じていない範囲、換言すればGPF7の正常範囲となる。本実施例で、差圧センサ9で検出される差圧DPは、GPF7の上流側圧力が下流側圧力よりも大きいときに正の値(+の値)となり、GPF7の上流側圧力が下流側圧力よりも小さいときに負の値(-の値)となる。詰まり判定閾値及び抜け判定閾値はいずれも正の範囲(+の範囲)で設定されており、GPF7の正常範囲は正の範囲に存在する。
【0015】
また、ECU100は、差圧検出用通路8及び差圧センサ9により構成される差圧検出部10の凍結診断を行う。本実形例では、ECU100が本発明を適用した凍結診断装置として機能する。図1には、ECU100の機能構成を示す。上述したように、ECU100は、本発明を適用した凍結診断装置以外の機能も有するが、図1には、凍結診断装置としての機能構成だけを示す。
【0016】
ここで、図2を参照して、差圧検出部10の凍結について説明する。図2は、差圧検出部10の凍結について説明するための図である。
図2(a)に示すように、GPF7の下流側で差圧検出用通路8に凍結部201が発生すると、矢印202で表すように、GPF7の上流側圧力だけが差圧センサ9に作用する。そのため、差圧センサ9で検出される差圧DPが極大状態になる。極大状態とは、差圧センサ9で検出される差圧DPがきわめて大きくなり、正常範囲を超えて、差圧センサ9の出力範囲上限の近傍値になることをいう。なお、差圧センサ9内のGPF7の下流側が凍結する状態でも同様である。このように差圧センサ9で検出される差圧DPが極大状態にある場合、GPF7の下流側で差圧検出部10が凍結していると判定することができる。
【0017】
また、図2(b)に示すように、GPF7の上流側で差圧検出用通路8に凍結部201が発生すると、矢印203で表すように、GPF7の下流側圧力だけが差圧センサ9に作用する。そのため、差圧センサ9で検出される差圧DPが極小状態になる。極小状態とは、差圧センサ9で検出される差圧DPがきわめて小さく、絶対値が大きい負の値になり、正常範囲を超えて、差圧センサ9の出力範囲下限の近傍値になることをいう。なお、差圧センサ9内のGPF7の上流側が凍結する状態でも同様である。このように差圧センサ9で検出される差圧DPが極小状態である場合、GPF7の上流側で差圧検出部10が凍結していると判定することができる。
【0018】
また、図2(c)に示すように、GPF7の上流側及び下流側で差圧検出用通路8に凍結部201が発生すると、差圧センサ9には圧力が作用せず、差圧センサ9の出力は0となる。なお、差圧センサ9内のGPF7の上流側及び下流側が凍結する状態でも同様である。このように差圧センサ9で検出される差圧DPが、差圧が発生していない状態である場合、GPF7の上流側及び下流側で差圧検出部10が凍結していると判定することができる。
【0019】
図1に説明を戻して、ECU100は、入力部101と、凍結判定部102と、通知部103とを備える。
入力部101は、差圧センサ9から、GPF7の上流側圧力と下流側圧力との差圧DPを入力する。
【0020】
凍結判定部102は、入力部101で入力した差圧DPが、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかに該当するか否かを判定し、いずれかに該当する場合、差圧検出部10が凍結していると判定する。具体的には、図3の特性線301のように、差圧DPが、詰まり判定閾値と、差圧センサ9の出力範囲上限との間に設定された第1の閾値(閾値1)以上になる状態で、極大状態にあるとする。また、図3の特性線302のように、差圧DPが、抜け判定閾値と、差圧センサ9の出力範囲下限との間に設定された第2の閾値(閾値2)以下になる状態で、極小状態にあるとする。また、図3の特性線303のように、差圧DPが、0を含む所定の範囲(±第3の閾値(閾値3)の内側の範囲)にある状態で、差圧が発生していない状態にあるとする。
【0021】
通知部103は、凍結判定部102で差圧検出部10が凍結していると判定した場合、ドライバに通知する。例えば、GPF7の詰まりや抜けを通知する警告灯を点滅させる等する。なお、通知部103による通知の仕方はこれに限定されるものではなく、表示部や音声出力部を用いたものでもよい。
また、ECU100は、凍結判定部102で差圧検出部10が凍結していると判定した場合、その凍結判定が解除されるまで、GPF7の状態(詰まり、抜け)の診断を停止する。差圧検出部10が凍結している状態では、差圧センサ9で差圧DPを正しく計測できず、GPF7の状態を正確に診断することができないからである。
【0022】
図4は、ECU100が実行する差圧検出部10の凍結診断の処理を示すフローチャートである。
図4(a)は、差圧検出部10の凍結を判定する処理を示す。図4(a)のフローチャートは、例えばエンジン1の始動後の所定の期間に実行される。
ステップS1で、入力部101は、差圧センサ9から、GPF7の上流側圧力と下流側圧力との差圧DPを入力する。
【0023】
ステップS2で、凍結判定部102は、ステップS1で入力した差圧DPが極大状態にあるか否か、すなわち、詰まり判定閾値と、差圧センサ9の出力範囲上限との間に設定された閾値1以上であるか否かを判定する。閾値1以上である場合(図3の特性線301を参照)、ステップS5に進み、閾値1を下回る場合、ステップS3に進む。
ステップS3で、凍結判定部102は、ステップS1で入力した差圧DPが極小状態にあるか否か、すなわち、抜け判定閾値と、差圧センサ9の出力範囲下限との間に設定された閾値2以下であるか否かを判定する。閾値2以下である場合(図3の特性線302を参照)、ステップS5に進み、閾値2を上回る場合、ステップS4に進む。
ステップS4で、凍結判定部102は、ステップS1で入力した差圧DPが、差圧が発生していない状態であるか否か、すなわち、0を含む所定の範囲(±閾値3の内側の範囲)にあるか否かを判定する。所定の範囲にある場合(図3の特性線303を参照)、ステップS5に進み、所定の範囲にない場合、ステップS1に戻る。
【0024】
ステップS5で、凍結判定部102は、差圧DPが閾値1以上であること、差圧DPが閾値2以下であること、又は差圧DPが所定の範囲にあることが、所定の時間だけ継続しているか否かを判定する。所定の時間だけ継続した場合、ステップS6に進み、所定の時間だけ継続しなかった場合、ステップS1に戻る。
ステップS6で、通知部103は、差圧検出部10が凍結していると判定して、ドライバに通知する。例えば、GPF7の詰まりや抜けを通知する警告灯を点滅させる等する。また、ECU100は、GPF7の状態(詰まり、抜け)の診断を停止する。
なお、図4(a)のフローチャートは、エンジン1の始動後の所定の期間に実行されるとしたが、エンジン1の稼働中に適宜実行されるようにしてもよい。走行中に、走行風によって差圧検出用通路8や差圧センサ9が凍結することもありえるからである。
【0025】
図4(b)は、差圧検出部10の凍結判定を解除する処理を示す。図4(b)のフローチャートは、図4(a)のフローチャートで差圧検出部10が凍結していると判定された後に実行される。
ステップS7で、入力部101は、差圧センサ9から、GPF7の上流側圧力と下流側圧力との差圧DPを入力する。
ステップS8で、凍結判定部102は、ステップS7で入力した差圧DPが正常範囲に復帰したか否かを判定する。正常範囲に復帰した場合、ステップS9に進み、正常範囲に復帰していない場合、ステップS7に戻る。図3の特性線301の例でいえば、タイミングt1で差圧DPが正常範囲に復帰している。
ステップS9で、通知部103は、差圧検出部10の凍結がなくなったと判定して、凍結判定を解除し、ドライバに通知する。例えば、ステップS6で点滅させた警告灯を消灯させる。また、ECU100は、ステップS6で停止したGPF7の状態(詰まり、抜け)の診断を再開する。
【0026】
以上述べたように、特許文献1のように内燃機関の排気温度や大気温度に基づいて、非凍結状態を推定するのではなく、差圧検出部10が凍結したときに差圧センサ9で検出される差圧DPの変化を捉えるようにしたので、差圧検出部10の凍結状態をより正確に診断できるようになる。
また、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態のうちのいずれかが所定の時間だけ継続する場合、差圧検出部10が凍結していると判定することにより、差圧検出部10の凍結の誤判定を防ぐことができる。状況によっては、差圧DPが瞬間的に変動し、極大状態、極小状態、及び差圧が発生していない状態を検出する可能性もあるが、所定の時間だけ継続することを要件とすることにより、このような瞬間的な差圧DPの変動を排除することができる。
【0027】
以上、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明したが、各実施例は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、各実施例に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施形態では、本発明でいうフィルタとしてGPF7を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)を対象としてもよい。
本発明を適用した凍結診断装置は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により構成され、CPUが例えばROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、各手段の機能が実現される。
【符号の説明】
【0028】
1:エンジン、2:吸気路、3:排気路、7:GPF、8:差圧検出用通路、9:差圧センサ、10:差圧検出部、100:ECU、101:入力部、102:凍結判定部、103:通知部
図1
図2
図3
図4