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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008546
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】配線ダクトシステム及び什器
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/14 20060101AFI20250109BHJP
   H01R 41/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
H01R25/14 C
H01R41/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110793
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 紳一郎
(57)【要約】
【課題】配線ダクトが基部に埋め込まれていても、配線ダクトに対してアダプタを容易に着脱することができる配線ダクトシステムを提供する。
【解決手段】配線ダクトシステム3は、コネクタ8が接続されるアダプタ2が取り付けられ、アダプタ2を介してコネクタ8に電力を供給する。配線ダクトシステム3は、一方向に延びる開口部32と、開口部32と一方向において繋がり、開口部32の幅よりも広い幅を有し、一方向及び開口部32の幅方向に対して垂直な方向に沿って、アダプタ2の一部を挿入可能なアダプタ挿入口33と、を含む配線ダクト31と、アダプタ挿入口33を閉塞するカバー7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが接続されるアダプタが取り付けられ、前記アダプタを介して前記コネクタに電力を供給する配線ダクトシステムであって、
一方向に延びる開口部と、前記開口部と前記一方向において繋がり、前記開口部の幅よりも広い幅を有し、前記一方向及び前記開口部の幅方向に対して垂直な方向に沿って、前記アダプタの一部を挿入可能なアダプタ挿入口と、を含む配線ダクトと、
前記アダプタ挿入口を閉塞するカバーと、を備える、
配線ダクトシステム。
【請求項2】
前記カバーが、前記アダプタ挿入口を閉塞するカバー部と、前記カバー部において前記配線ダクトに対向する面から突出し、前記アダプタ挿入口に挿入され、前記開口部側にスライド可能な挿入部と、を含む、
請求項1に記載の配線ダクトシステム。
【請求項3】
前記カバーが専用工具を用いて前記配線ダクトに取り付けられる、
請求項1に記載の配線ダクトシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の配線ダクトシステムと、前記アダプタと、を備える、
什器。
【請求項5】
前記配線ダクトが埋め込まれた基部を更に備え、
前記配線ダクトの前記開口部及び前記アダプタ挿入口を含む面が、前記基部から突出せずに露出している、
請求項4に記載の什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に配線ダクトシステム及び什器に関し、より詳細にはアダプタが取り付けられる配線ダクトシステム及び什器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、DCダクトシステムが開示されている。このDCダクトシステムは、コネクタが接続されるアダプタが着脱可能なDCダクトを有し、かつアダプタを介してコネクタにDC電力を供給する。
【0003】
ここで、DCダクトは、導電バーと、導電バーが収納される凹部を含むダクトレールと、を有する。アダプタは、その固定リブを凹部へ挿入し、及びその挿入方向に沿った回転軸を中心に所定の角度回転させることで、導電バーとの電気的な接続が達成され、かつ凹部からの引き抜きが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-086852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、DCダクトが第1固定部の収納溝に収納されていても、DCダクトに対してアダプタを着脱することができる。
【0006】
しかしながら、もしアダプタが、DCダクトの端からしか取り付けたり取り外したりできないような構造を有している場合には、アダプタの着脱の際には、DCダクトを第1固定部の収納溝から取り外さなければならないという問題があった。
【0007】
本開示の目的は、配線ダクトが基部に埋め込まれていても、配線ダクトに対してアダプタを容易に着脱することができる配線ダクトシステム及び什器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る配線ダクトシステムは、コネクタが接続されるアダプタが取り付けられ、前記アダプタを介して前記コネクタに電力を供給する。前記配線ダクトシステムは、一方向に延びる開口部と、前記開口部と前記一方向において繋がり、前記開口部の幅よりも広い幅を有し、前記一方向及び前記開口部の幅方向に対して垂直な方向に沿って、前記アダプタの一部を挿入可能なアダプタ挿入口と、を含む配線ダクトと、前記アダプタ挿入口を閉塞するカバーと、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る什器は、前記配線ダクトシステムと、前記アダプタと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、配線ダクトが基部に埋め込まれていても、配線ダクトに対してアダプタを容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係るアダプタ及び配線ダクトシステムの要部(一部断面を含む)の電力供給状態における斜視図である。
図2図2は、同上のアダプタ及び配線ダクトシステムの要部(一部断面を含む)の電力非供給状態における斜視図である。
図3図3は、同上のアダプタ及び配線ダクトシステムの要部(一部断面を含む)の電力供給状態における側面図である。
図4図4は、同上のアダプタ及び配線ダクトシステムの要部(一部断面を含む)の電力非供給状態における側面図である。
図5図5は、同上のアダプタの要部の電力供給状態における背面図である。
図6図6は、同上のアダプタの要部の電力非供給状態における背面図である。
図7図7は、変形例に係るアダプタの要部(配線ダクトシステムは省略)の電力供給状態における側面図である。
図8図8は、同上のアダプタの要部(配線ダクトシステムは省略)の電力非供給状態における側面図である。
図9図9は、同上のアダプタの要部の電力供給状態における背面図である。
図10図10は、同上のアダプタの要部の電力非供給状態における背面図である。
図11図11は、参考例に係るアダプタの要部の電力供給状態における背面図である。
図12図12は、同上のアダプタの要部の電力非供給状態における背面図である。
図13図13は、本実施形態に係る什器を示す斜視図である。
図14図14は、本実施形態に係るアダプタ及び配線ダクトシステムを用いて電気機器に給電するシステムの構成例を示すブロック図である。
図15図15は、本実施形態に係る配線ダクトシステムの要部を示す斜視図である。
図16図16は、同上の配線ダクトシステムの要部(基部は省略)を示す斜視図である。
図17図17は、同上の配線ダクトシステム(基部は省略)からカバー及びエンドキャップを分離した状態を示す斜視図である。
図18図18は、同上の配線ダクトシステムの要部(基部及びエンドキャップは省略)を示す正面図である。
図19図19は、同上の配線ダクトシステム(基部は省略)からカバー及びエンドキャップを分離した状態を示す正面図である。
図20図20は、同上の配線ダクトシステムの要部(基部及びエンドキャップは省略)を示す側面図である。
図21図21は、同上の配線ダクトシステム(基部及びエンドキャップは省略)からカバーを分離した状態を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.概要
以下、本実施形態に係る配線ダクトシステム3及び什器1について、図面を参照して説明する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。以下の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下の実施形態において参照する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さの比は必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。以下の実施形態、変形例及び参考例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0013】
以下の各図において、上下方向、左右方向及び前後方向を示す矢印は、説明を理解しやすくするために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。なお、以下において特に断らない限り、「幅方向」は上下方向と一致し、「長手方向」及び「一方向」は左右方向と一致し、「奥行方向」は前後方向と一致する。
【0014】
図14に示すように、本実施形態に係る配線ダクトシステム3にはアダプタ2が取り付けられる。具体的には、アダプタ2は、配線ダクトシステム3の配線ダクト31に取り付けられる。さらにアダプタ2には、コネクタ8が接続される。そして、配線ダクトシステム3は、アダプタ2を介してコネクタ8に電力を供給する。
【0015】
図15図21に示す本実施形態に係る配線ダクトシステム3の利点の1つは、配線ダクト31が基部4に埋め込まれていても、配線ダクト31に対してアダプタ2を容易に着脱することができる点である。
【0016】
ここで、配線ダクト31に対する着脱の観点から、アダプタ2は、2種類に大別することができる。第1のアダプタ2は、配線ダクト31の正面(開口部32が形成された面)から配線ダクト31に取り付けることが困難な構造を有しているものである。一方、第2のアダプタ2は、配線ダクト31の正面から配線ダクト31に取り付けることが容易な構造を有しているものである。以下において、第1のアダプタ2を「本実施形態に係るアダプタ2」といい、第2のアダプタ2を「参考例に係るアダプタ2」という場合がある。本実施形態に係る配線ダクトシステム3は、これら2種類のアダプタ2に対応可能である。
【0017】
本実施形態に係る配線ダクトシステム3の概要を説明する前に、本実施形態に係るアダプタ2について説明する。なお、参考例に係るアダプタ2については、「3.変形例」の項において説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るアダプタ2は、電力を供給する配線ダクトシステム3の配線ダクト31に取り付けられる。さらにアダプタ2には、図14に示すように、コネクタ8が接続される。そして、配線ダクトシステム3は、配線ダクト31からアダプタ2を介してコネクタ8に電力を送る。これにより、コネクタ8に接続された電気機器9が電力を受電することができる。
【0019】
図1図6に示すアダプタ2の特徴の1つは、前後方向に沿って、配線ダクト31から取り外すことが難しい点である。そのため逆に、前後方向に沿って、アダプタ2を配線ダクト31に取り付けることも難しい。
【0020】
図1図3及び図5は、電力供給状態を示す。電力供給状態は、配線ダクト31からアダプタ2に電力が供給されている状態である。すなわち、図3に示すように、配線ダクト31の電極34と、アダプタ2の受電端子22とが電気的に接続されている。この電力供給状態においては、アダプタ2の固定リブ23が、配線ダクト31の嵌合部37に嵌合している。換言すれば、図5に示すように、アダプタ2の固定リブ23の両端間の長さL23が、配線ダクト31の開口部32の幅W32よりも長い。したがって、配線ダクト31に対してアダプタ2を前方に引き抜くことが難しい。
【0021】
一方、図2図4及び図6は、電力非供給状態を示す。電力非供給状態は、配線ダクト31からアダプタ2に電力が供給されていない状態である。すなわち、図4に示すように、配線ダクト31の電極34と、アダプタ2の受電端子22とは電気的に接続されていない。この電力非供給状態においても、アダプタ2の固定リブ23が、配線ダクト31の嵌合部37に嵌合している。換言すれば、図6に示すように、アダプタ2の固定リブ23の両端間の長さL23が、配線ダクト31の開口部32の幅W32よりも長い。したがって、配線ダクト31に対してアダプタ2を前方に引き抜くことが難しい。
【0022】
このように、本実施形態に係るアダプタ2は、電力供給状態及び電力非供給状態のいずれにおいても、配線ダクト31に対してアダプタ2を前方に引き抜くことが難しい。
【0023】
本実施形態に係る配線ダクトシステム3の特徴の1つは、上述の利点を得るために、アダプタ挿入口33を採用した点である(図15図21参照)。アダプタ挿入口33は、アダプタ2の着脱作業の際に利用される開口である。アダプタ2の着脱作業の前後においては、アダプタ挿入口33は、カバー7によって閉塞されている。
【0024】
アダプタ2の着脱作業を行う場合には、カバー7を取り外す(図17参照)。これにより、アダプタ挿入口33が現れる。なお、図17では、エンドキャップ5も取り外されているが、アダプタ2の着脱作業において、エンドキャップ5の着脱は不要である。
【0025】
アダプタ挿入口33を利用して、本実施形態に係るアダプタ2を配線ダクト31の正面から取り付けたり取り外したりすることができる。着脱作業の際には、配線ダクト31(エンドキャップ5も含む)を基部4から取り外さなくてもよい。上述のように、アダプタ挿入口33は、アダプタ2の着脱作業の前後においては、カバー7によって閉塞されているので、美観が損なわれることもない。参考例に係るアダプタ2の着脱作業であれば、そもそもカバー7の取外し及び取付けは不要である。
【0026】
したがって、本実施形態によれば、配線ダクト31が基部4に埋め込まれていても、配線ダクト31に対してアダプタ2を容易に着脱することができる。
【0027】
2.詳細
(1)アダプタ
まず本実施形態に係るアダプタ2について、図1図6を参照して説明する。
【0028】
アダプタ2は、筐体24と、操作部25と、取付突起26と、2つの受電端子22と、筐体24に収納されたばねと、蓋部27と、を備える。アダプタ2は、筐体24に収納された、一対の接続コネクタ(USBソケット)及び回路基板等を更に備える。ここでは、アダプタ2における筐体24、取付突起26、2つの受電端子22、一対の接続コネクタ、回路基板、及び蓋部27等が、アダプタ本体部20を構成する。
【0029】
筐体24は、例えば樹脂製である。筐体24は、一面(後面)が開放された中空の箱状である。筐体24の開放された一面が蓋部27によって塞がれるように、蓋部27がねじ止め等により筐体24に組み付けられる(図5及び図6参照)。筐体24の外形状は、直方体状である。筐体24は、第1差込口241と、第2差込口242と、を有する。第1差込口241は、コネクタ8(図14参照)としてのUSB Type-Aプラグの差込口である。第2差込口242は、コネクタ8としてのUSB Type-Cプラグの差込口である。すなわち、第1差込口241は、第2差込口242とは規格が異なる。第1差込口241は、第2差込口242とは大きさが異なる。筐体24内では、一対の接続コネクタは、第1差込口241及び第2差込口242と、それぞれ一対一で対応するように回路基板に実装されている。第1差込口241又は第2差込口242に差し込まれたコネクタ8は、一対の接続コネクタの対応する一方に接続され、回路基板を介して受電端子22と電気的に接続される。
【0030】
第1差込口241及び第2差込口242は、アダプタ2が配線ダクト31に取り付けられているとき、配線ダクト31と反対側を向く面(コネクタ装着面201:図1等では前面)に設けられている。第1差込口241及び第2差込口242は、アダプタ2が配線ダクト31に取り付けられているとき、図1等に示すように、上下に並ぶ。
【0031】
蓋部27は、例えば樹脂製である。蓋部27の後面には、取付突起26が設けられている(図3図6参照)。蓋部27と取付突起26とは連続一体となって形成されている。取付突起26は、軸部21と、固定リブ23と、を含む。
【0032】
軸部21は、筐体24からコネクタ装着面201側とは反対側に突出している。軸部21は、配線ダクト31の開口部32に挿入される(図3及び図4参照)。軸部21の中心軸は、回転軸B1と概ね一致する。回転軸B1を中心にアダプタ2を配線ダクト31に対して所定の角度(例えば90度)回転させることができる。なお、回転軸B1は、仮想的な軸である。
【0033】
固定リブ23は、軸部21の側面から突出している。具体的には、図3図6に示すように、固定リブ23は、軸部21を中心として軸部21から突出している。換言すれば、固定リブ23は、回転軸B1を中心とした仮想円の径方向外側に突出している。
【0034】
本実施形態では、固定リブ23は、軸部21の全周から突出している。固定リブ23は、厚肉部234と、薄肉部235と、を有する(図3図6参照)。薄肉部235の厚さは、厚肉部234の厚さよりも薄い。薄肉部235は、固定リブ23の外周の一部に存在する。薄肉部235は、第1縁部231と、第2縁部232と、第3縁部233と、を含む。第1縁部231は、一定の幅で一方向に延びる部分である。第2縁部232は、第1縁部231と同じ幅で、第1縁部231と直交する方向に延びる部分である。第3縁部233は、第1縁部231及び第2縁部232と同じ幅で、第1縁部231及び第2縁部232を滑らかにつなぐ円弧状をなす部分である。
【0035】
さらに本実施形態では、電力の供給を受けない場合(つまり図4及び図6に示す電力非供給状態の場合)において、長手方向及び幅方向の双方に直交する奥行方向(前後方向)から見て、幅方向における固定リブ23の両端間の長さL23は、開口部32の幅W32よりも長い(図6参照)。
【0036】
より詳細には本実施形態では、軸部21を中心とする任意の径方向における固定リブ23の両端間の長さL23が、開口部32の幅W32よりも長い。換言すれば、前後方向に沿って見た場合、回転軸B1に交差する任意の直線と、固定リブ23の外周との2つの交点間の距離が、開口部32の幅W32よりも長い。
【0037】
2つの受電端子22は、軸部21から互いに逆向きに突出している。具体的には、前後方向に対して垂直な平面内において、2つの受電端子22は互いに逆向きに突出している(図5及び図6参照)。2つの受電端子22が突出する方向(図5では上下方向)における固定リブ23の両端間の長さL23が、開口部32の幅W32よりも長い。2つの受電端子22は、回路基板と電気的に接続されている。2つの受電端子22を通じて、アダプタ2は、配線ダクト31から電力の供給を受ける(図3参照)。
【0038】
アダプタ2は、規制凹部28(図5及び図6参照)を有する。規制凹部28は、筐体24の後ろ側の端面と蓋部27の表面とに形成された凹部により構成される。具体的には、規制凹部28は、第1凹部281と第2凹部282とを含む。
【0039】
第1凹部281は、筐体24の後ろ側の端面の一部の領域が、コネクタ装着面201に近づく方向に一段下がって形成されている。図5及び図6では、理解し易いように、濃いドットハッチングにより第1凹部281の領域を示す。
【0040】
第2凹部282は、蓋部27の表面の一部の領域がコネクタ装着面201に近づく方向に一段下がって形成されている。図5及び図6では、理解し易いように、薄いドットハッチング及び薄いドットハッチングで囲まれた部分により第2凹部282の領域を示す。第1凹部281の底面と、第2凹部282の底面とは略面一となっている。
【0041】
操作部25は、開口部32に抜き差し操作可能に構成されて、開口部32に差し込むことでアダプタ2の回転を制限するように構成される。操作部25は、筐体24に保持されている。操作部25は、例えば樹脂製である。操作部25は、板状である。操作部25は、その表面に滑り止め部251を有しており、滑り止め部251のある表面が、筐体24の一側面から露出する態様で、筐体24に保持される。操作部25は、滑り止め部251に対して人の指先等で力が加えられることで、所定方向(図1では前後方向)にスライド移動可能である。操作部25は、筐体24内に収納されたばねの復帰力がコネクタ装着面201から離れる方向(後方)に作用した状態で、筐体24に保持されている。そのため、操作部25に対して力が加えられていないとき、操作部25の先端部(爪部250)は、筐体24からコネクタ装着面201側とは反対側へ突出した状態となる。滑り止め部251に対して、人の指先等でばねの力に抗して前方に力を加えることで、操作部25が前方にスライド移動する。
【0042】
アダプタ2は、電力変換器を更に備える。電力変換器を構成する複数の電子部品は、筐体24内の回路基板に実装されている。電力変換器は、2つの受電端子22で受電された電力を、所望の電圧の電力に変換する。一対の接続コネクタ(USBソケット)からは、電力変換器で変換された電力が出力される。電気機器9(図14参照)は、第1差込口241又は第2差込口242に差し込まれ接続コネクタに接続されたコネクタ8(図14参照)を含むケーブルを介して、電力を受電することができる。
【0043】
(2)配線ダクトシステム
次に本実施形態に係る配線ダクトシステム3について、図15図20を参照して説明する。
【0044】
配線ダクトシステム3は、例えば、什器1(後述)を構成する一部として使用される。配線ダクトシステム3は、配線ダクト31と、カバー7と、を備える。配線ダクトシステム3は、エンドキャップ5を更に備えてもよい。なお、図15においては、基部4が図示されているが、基部4については後述する。
【0045】
配線ダクト31は、一方向に延びている部材である。このように、配線ダクト31は、長手方向(本実施形態では左右方向)に延びている。配線ダクト31は、ダクトレール35と、一対の電極34と、を有する。ダクトレール35は、第1レール351と、2つの第2レール352と、を含む。
【0046】
第1レール351の形状は、角筒状である。第1レール351は、例えば金属製である。第1レール351は、長手方向(左右方向)に延びている。
【0047】
第1レール351は、開口部32を含む。開口部32は、一方向に延びている。すなわち、開口部32は、ダクトレール35の長手方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、開口部32は、ダクトレール35の長手方向の両端に亘って形成されている。このように、開口部32は、配線ダクト31に形成され、配線ダクト31の長手方向(左右方向)に延びている。
【0048】
本実施形態では、開口部32は、前方に向かって開口している。開口部32の幅W32は、配線ダクト31の幅W31よりも狭い(図5及び図6参照)。配線ダクト31の幅W31は、ダクトレール35の幅及び第1レール351の幅に等しい。
【0049】
第1レール351は、アダプタ挿入口33を更に含む。アダプタ挿入口33は、アダプタ2が挿入される開口である。アダプタ挿入口33は、配線ダクト31に対するアダプタ2の着脱作業の際に利用される。なお、アダプタ2の着脱作業の前後においては、アダプタ挿入口33は、カバー7によって閉塞されている(図15参照)。
【0050】
アダプタ挿入口33は、開口部32と一方向(左右方向)において繋がっている。本実施形態では、アダプタ挿入口33は、左右両側の開口部32と連続して繋がっている。なお、アダプタ挿入口33は、開口部32の一端(右端又は左端)に存在してもよい。例えば、アダプタ挿入口33が開口部32の右端に存在する場合には、アダプタ挿入口33よりも右側には開口部32が存在しないので、アダプタ挿入口33は、左側の開口部32のみと連続して繋がることになる。逆にアダプタ挿入口33が開口部32の左端に存在する場合には、アダプタ挿入口33よりも左側には開口部32が存在しないので、アダプタ挿入口33は、右側の開口部32のみと連続して繋がることになる。
【0051】
アダプタ挿入口33は、前方に向かって開口している(図17参照)。アダプタ挿入口33の幅W33は、開口部32の幅W32よりも広い(図19参照)。このように、アダプタ挿入口33は、開口部32の幅W32よりも広い幅を有する。図20は、開口部32が存在する箇所を図示しているが、アダプタ挿入口33が存在する箇所では、ドットハッチングを付した部分が存在しない。すなわち、アダプタ挿入口33の幅W33は、上下方向に対向する嵌合部37の底面373同士の距離に等しい。
【0052】
第1レール351は、規制突起39を更に有する。規制突起39は、突起である。規制突起39は、第1レール351の下部に設けられている。規制突起39は、アダプタ2の規制凹部28に挿入される。
【0053】
配線ダクト31は、長手方向(左右方向)の両端に端面開口部36を有する(図17参照)。一方の端面開口部36は右側に開口し、他方の端面開口部36は左側に開口している。2つの端面開口部36と開口部32とは繋がっている。
【0054】
図3及び図4に示すように、第1レール351は、2つの嵌合部37と、2つの取付溝38と、を更に含む。
【0055】
2つの嵌合部37の各々は溝である。2つの嵌合部37は、ダクトレール35(第1レール351)の内面に設けられている。2つの嵌合部37は、上下方向に対向している。2つの嵌合部37は、ダクトレール35の長手方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、2つの嵌合部37は、ダクトレール35の長手方向の両端に亘って形成されている。
【0056】
図3及び図4に示すように、2つの嵌合部37の幅(溝幅)は異なっている。一方(上側)の嵌合部37の幅は、固定リブ23の厚肉部234の厚さとほぼ等しい。他方(下側)の嵌合部37は、幅広部371と、幅狭部372と、を有する。幅狭部372の幅は、幅広部371の幅よりも狭い。幅狭部372は、上下方向において幅広部371と繋がっている。幅広部371の幅は、固定リブ23の厚肉部234の厚さとほぼ等しい。幅狭部372の幅は、固定リブ23の薄肉部235の厚さとほぼ等しい。
【0057】
2つの嵌合部37は、アダプタ2の固定リブ23に嵌合する。これにより、アダプタ2が配線ダクト31に取り付けられる。すなわち、ダクトレール35(第1レール351)は、アダプタ2を取り付けるためのアダプタ取付部(2つの嵌合部37)を含む。アダプタ2を配線ダクト31に取り付ける手順については後述する。
【0058】
2つの取付溝38は、ダクトレール35(第1レール351)の内面に設けられている。2つの取付溝38は、上下方向に対向している。2つの嵌合部37及び2つの取付溝38のうち、2つの嵌合部37の方が、開口部32の近くに設けられている。2つの取付溝38は、ダクトレール35の長手方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、2つの取付溝38は、ダクトレール35の長手方向の両端に亘って形成されている。
【0059】
2つの取付溝38は、2つの第2レール352と一対一で対応する。各取付溝38には、対応する第2レール352が嵌め込まれている。これにより、第1レール351に2つの第2レール352が取り付けられている。
【0060】
2つの第2レール352の各々は、長手方向(左右方向)に延びている。2つの第2レール352は、上下方向に対向している。左右方向と直交する断面における第2レール352の形状は、U字状である。第2レール352は、電気絶縁性を有する。第2レール352は、例えばPVC(polyvinyl chloride)等の合成樹脂材料により形成されている。第2レール352は、その内側に電極34を保持している。
【0061】
一対の電極34は、配線ダクト31の幅方向(本実施形態では上下方向)の両端に設けられている。このように、一対の電極34は、上下方向に対向している。一対の電極34の各々は、長手方向(左右方向)に延びている。一対の電極34の各々は、ダクトレール35の右端から左端までに亘って設けられている。一対の電極34は、フィードイン91を介して、対応する配線W1(図14参照)に電気的に接続される。配線ダクト31の一対の電極34のうち一方は、正極側の配線W1に電気的に接続され、他方は、負極側の配線W1に電気的に接続される。これにより、一対の電極34には、直流電力が供給される。アダプタ2の2つの受電端子22は、一対の電極34と接続されることで電力の供給を受ける。
【0062】
カバー7は、アダプタ挿入口33を閉塞する部材である。特にアダプタ2の着脱作業の前後において、カバー7は、アダプタ挿入口33を閉塞している。カバー7は、カバー部71と、挿入部72と、を含む。カバー部71と挿入部72とは連続一体となって形成されている。
【0063】
カバー部71は、アダプタ挿入口33を閉塞する部分である。カバー部71は、矩形板状をなす。カバー部71の幅はカバー7の幅W7であり、カバー7の幅W7は配線ダクト31の幅W31に等しい(図18参照)。左右方向において、カバー部71の長さL71は、アダプタ挿入口33の長さL33よりも長い。
【0064】
挿入部72は、アダプタ挿入口33に挿入される部分である。挿入部72は、カバー部71において配線ダクト31に対向する面(本実施形態では後面)から突出している。本実施形態では、挿入部72は、カバー部71の後面において右寄りに形成されている。
【0065】
挿入部72の幅W72は、開口部32の幅W32にほぼ等しい。そのため、挿入部72は、開口部32側にスライド可能である。本実施形態では、アダプタ挿入口33に挿入された挿入部72は、物理的には左右両側の開口部32にスライド可能である。しかし、本実施形態では、挿入部72は、カバー部71の後面において右寄りに形成されている。そのため、アダプタ挿入口33に挿入された挿入部72を、左側の開口部32にスライドさせると、アダプタ挿入口33をカバー部71で閉塞できなくなるおそれがある。そのため、本実施形態では、アダプタ挿入口33に挿入された挿入部72を、右側の開口部32にスライドさせる。なお、カバー部71における挿入部72の位置によって、挿入部72をスライドさせる方向は適宜設定される。
【0066】
左右方向において、挿入部72の長さL72は、アダプタ挿入口33の長さL33よりも短い(図21参照)。挿入部72の長さL72は、アダプタ挿入口33の長さL33と等しくてもよい。左右方向において、挿入部72の長さL2は、カバー部71の長さL71よりも短い(図21参照)。
【0067】
カバー7には、固定用孔74が形成されている。固定用孔74は、カバー7を配線ダクト31に固定するために用いられる孔である。固定用孔74は、カバー部71の前面において開口し、カバー部71及び挿入部72を貫通するように、前後方向にあいている。固定用孔74には、特殊ねじが専用工具を用いてねじ込まれる。特殊ねじとは、通常のドライバー(例えばプラスドライバー、マイナスドライバー等)のような汎用工具では回すことのできない形状のねじを意味する。特殊ねじの一例として、ヘクサロビュラ穴付きねじ等が挙げられる。専用工具とは、特殊ねじを回すことのできる工具である。このように、カバー7は、専用工具を用いて配線ダクト31に取り付けられる。
【0068】
挿入部72には、2つの挿入片73が形成されている。2つの挿入片73は、それぞれ挿入部72の上側及び下側に形成されている。2つの挿入片73は、左右方向に延びている。2つの挿入片73は、第1レール351の2つの嵌合部37と一対一で対応する。上側の挿入片73は、上側の嵌合部37に嵌合し、下側の挿入片73は、下側の嵌合部37に嵌合する。
【0069】
エンドキャップ5は、配線ダクト31の一端(本実施形態では右端)に取り付けられる。これにより、エンドキャップ5は、配線ダクト31の一端の端面開口部36を閉塞する。エンドキャップ5は、閉塞部51と、挿入部54と、2つの挿入片55と、を含む。なお、配線ダクト31の他端にはフィードイン91が取り付けられる(図14参照)。
【0070】
閉塞部51の外周形状は、左右方向に沿って見た場合、配線ダクト31の外周形状とほぼ同じである。本実施形態では、閉塞部51は、矩形板状をなす。閉塞部51の幅は、エンドキャップ5の幅に等しい。エンドキャップ5は、配線ダクト31の幅W31と同じ幅を有する。
【0071】
挿入部54は、配線ダクト31の端面開口部36から配線ダクト31の内部に挿入される部分である。挿入部54は、閉塞部51の左側を向く面に形成されている。
【0072】
挿入部54には、固定用孔56が形成されている。固定用孔56は、エンドキャップ5を配線ダクト31に固定するために用いられる孔である。固定用孔56は、前後方向にあいている。固定用孔56には、好ましくは特殊ねじが専用工具を用いてねじ込まれる。固定用孔56には、特殊ねじ以外の通常のねじが汎用工具を用いてねじ込まれていてもよい。
【0073】
2つの挿入片55は、それぞれ挿入部54の上側及び下側に形成されている。2つの挿入片55は、左右方向に延びている。2つの挿入片55は、第1レール351の2つの嵌合部37と一対一で対応する。上側の挿入片55は、上側の嵌合部37に嵌合し、下側の挿入片55は、下側の嵌合部37に嵌合する。
【0074】
(3)什器
次に本実施形態に係る什器1について、図13及び図14を参照して説明する。
【0075】
什器1は、配線ダクトシステム3と、アダプタ2と、を備える。なお、図13は、配線ダクトシステム3からアダプタ2を取り外した状態の什器1を図示している。
【0076】
ここで、什器1とは、住宅又は非住宅で使用される家具及び備品等の器具の総称である。什器1の一例は、物を載せる台として使用される机、テーブル及び作業台等である。什器1の別の一例は、棚、箱、ドレッサー、ベッド、ホワイトボード、スクリーン、間仕切り及び長椅子等である。
【0077】
以下においては、什器1が机10である場合について説明するが、什器1を机10に限定する趣旨ではない。
【0078】
什器1は、机10と、ダクト固定具11と、パーティション12と、を更に備える。
【0079】
机10は、平面視長方形状の天板13と、2つの脚部14と、2つの支持台15と、を有する。2つの脚部14のうち一方は、天板13の右端付近から下に突出しており、他方は、天板13の左端付近から下に突出している。2つの支持台15は、2つの脚部14と一対一で対応する。各支持台15は、対応する脚部14の下端につながっており、脚部14を支持する。
【0080】
ダクト固定具11は、配線ダクトシステム3を机10に固定するための部材である。ダクト固定具11は、第1固定部111と、第2固定部112と、を有する。
【0081】
第1固定部111は、配線ダクトシステム3を保持するための部材である。第1固定部111は、左右方向に延びており、机10の前後を仕切るように配置されている。
【0082】
第2固定部112は、第1固定部111を机10に固定するための部材である。第2固定部112は、第1固定部111の左右両端に接続されている。第2固定部112は、クランプ機構を含み、このクランプ機構により机10を上下方向に挟むことで机10に固定される。
【0083】
パーティション12は、矩形板状をなし、ダクト固定具11に保持されている。パーティション12は、机10の前後を仕切っている。本実施形態では、パーティション12は、透光性を有する。パーティション12の材質は、例えばアクリル樹脂である。
【0084】
次に什器1における電力供給システムの一例について、図14を参照して説明する。電力供給システムは、アダプタ2及び配線ダクトシステム3を用いて電気機器9に給電するシステムである。
【0085】
電気機器9の種類は、特に限定されない。電気機器9の一例としては、コンピュータ端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末等)、コンピュータ端末の付属機器(モニタ、スピーカ及びマイクロフォン等)、照明機器(デスクライト等)、ネットワークカメラ、センサ(温度センサ、湿度センサ及び照度センサ等)、ゲーム機及び空調機器(卓上扇風機等)が挙げられる。
【0086】
図14に示すように、電気機器9の使用場所の施設には、スイッチングハブ93と、スプリッタ94と、が設けられている。スイッチングハブ93は、電源92に電気的に接続されている。電源92は、スイッチングハブ93に交流電力を供給する。電源92は、例えば、商用電源又は分散型電源である。
【0087】
スイッチングハブ93は、PoE(Power over Ethernet)に対応したPoEスイッチングハブである。スイッチングハブ93は、LAN(Local Area Network)ケーブルを介して、スプリッタ94に電気的に接続される。スイッチングハブ93は、PoEに対応した機器にも電気的に接続され得る。PoEに対応した機器は、例えば、コンピュータ端末、ネットワークカメラ、IP(Internet Protocol)電話及び、無線アクセスポイント等である。スイッチングハブ93は、スイッチングハブ93に電気的に接続された機器との間で、データと電力(直流電力)とを備えたPoE信号の授受を行うことができる。
【0088】
スプリッタ94は、PoEに対応したPoEスプリッタである。スプリッタ94は、スイッチングハブ93から受け取ったPoE信号を、データと電力(直流電力)とに分離する。スプリッタ94は、PoE信号から分離された電力を、PoEに非対応の機器へ供給する。一例として、スプリッタ94は、PoE信号から分離された電力を、配線ダクトシステム3を介して、PoEに非対応の1又は複数の電気機器9へ供給する。
【0089】
スプリッタ94は、PoE信号から分離されたデータを含むデータ信号を、PoEに非対応の機器へ送信する。
【0090】
スプリッタ94の直流電力の出力端子は、2つの配線W1の各々の第1端に電気的に接続される。2つの配線W1は、正極側の配線及び負極側の配線である。2つの配線W1は、配線ダクト31の2つの電極34と一対一で対応する。2つの配線W1の各々の第2端は、フィードイン91を介して、対応する電極34に電気的に接続される。アダプタ2は、配線ダクト31に接続可能であり、各電極34には、アダプタ2を介して電気機器9が電気的に接続可能である。
【0091】
以上より、電気機器9は、配線W1から供給される電力を、電極34及びアダプタ2を介して受電することができる。ユーザは、机10(図13参照)の上、又は机10の周囲で電気機器9を使用することができる。
【0092】
(4)配線ダクトに対するアダプタの着脱
次に配線ダクト31に対するアダプタ2の着脱について、図15図20を参照して説明する。なお、図15図20に示す基部4は、図13に示す什器1の第1固定部111に相当する。説明の都合上、基部4は、直方体状に図示されているが、この形状に限定されるものではない。
【0093】
基部4の表面(本実施形態では前面)には、収納溝41が形成されている。収納溝41は、後方に窪んでいる。
【0094】
収納溝41は、配線ダクト31が収納される溝である。収納溝41に収納された配線ダクト31は基部4から露出している。具体的には、配線ダクト31の正面(開口部32及びアダプタ挿入口33が形成された面)が基部4から露出している。より詳細には、配線ダクト31の開口部32及びアダプタ挿入口33を含む面が、基部4から突出せずに露出している。配線ダクト31に取り付けられたエンドキャップ5(前方部分)も基部4から露出している。
【0095】
収納溝41は、左右方向に延びている。収納溝41の幅は、配線ダクト31の幅W31にほぼ等しい。収納溝41の深さは、配線ダクト31の前後方向の長さにほぼ等しい。このように、配線ダクト31は、規制突起39を除き、基部4から突出していない。配線ダクト31は、ねじ止め等により収納溝41に固定される。配線ダクト31に取り付けられたエンドキャップ5も基部4から突出していない。
【0096】
以下、アダプタ2を配線ダクト31に取り付ける手順について説明する。
【0097】
図15に示すように、アダプタ2の取付作業の開始時においては、基部4に配線ダクト31、及びエンドキャップ5が埋め込まれている。カバー7は、配線ダクト31に取り付けられている。カバー7は、基部4からわずかに突出しているが、カバー部71の前面と、基部4の前面とは平行である。
【0098】
まずカバー7の挿入部72がアダプタ挿入口33に至るまで、カバー7を左側にスライドさせて移動させる。その後、アダプタ挿入口33からカバー7を前方に引き出す(図17中のカバー7の移動方向を示す矢印参照)。アダプタ挿入口33の長さL33は、カバー7の挿入部72の長さL72よりも長いので(図21参照)、カバー7をアダプタ挿入口33から容易に引き出すことができる。
【0099】
次にアダプタ挿入口33にアダプタ2の一部を挿入する。すなわち、一方向及び開口部32の幅方向に対して垂直な方向(前後方向)に沿って、アダプタ挿入口33にアダプタ2の一部を挿入する。アダプタ2の一部とは、上述のとおり、蓋部27の後面よりも後方に存在する部分(取付突起26)である。ここで、配線ダクト31の嵌合部37は、アダプタ挿入口33において開口している(図19参照)。そのため、アダプタ2の固定リブ23と配線ダクト31の開口部32の縁とが干渉することなく、アダプタ2の固定リブ23を配線ダクト31の嵌合部37に配置することができる。そして、配線ダクト31の所定の位置(ユーザが望む位置)までアダプタ2を左右方向に移動させる。図17では、アダプタ2の左側に移動させているが、右側に移動させてもよい。アダプタ2をアダプタ挿入口33から左側又は右側の開口部32に移動させることで、アダプタ2の固定リブ23を配線ダクト31の嵌合部37に挿入して嵌合させることができる。
【0100】
アダプタ2を左右方向に移動させるとき、2つの受電端子22の摩耗を回避するため、2つの受電端子22が長手方向(左右方向)に沿って位置した状態でアダプタ2を移動させることが好ましい。すなわち、この状態は電力非供給状態であるため(図4参照)、2つの受電端子22は、電極34に接触しておらず、電力の供給を受けない。
【0101】
アダプタ2の一部を配線ダクト31のアダプタ挿入口33から挿入する際に、固定リブ23の厚肉部234は嵌合部37の幅広部371に配置され、固定リブ23の薄肉部235は嵌合部37の幅狭部372に配置される(図4参照)。アダプタ2の向きが誤った向きであると、固定リブ23の厚肉部234が嵌合部37の幅狭部372と干渉するので、アダプタ2をアダプタ挿入口33から左側又は右側の開口部32に移動させることができない。
【0102】
上記と同様の趣旨で、アダプタ2の一部を配線ダクト31のアダプタ挿入口33から挿入する際に、規制凹部28には、配線ダクト31の規制突起39が挿入される(図4参照)。アダプタ2の向きが誤った向きであると、規制突起39がアダプタ2の後面における規制凹部28よりも一段出っ張った領域と干渉するので、アダプタ2をアダプタ挿入口33から左側又は右側の開口部32に移動させることができない。すなわち、規制凹部28及び規制突起39は、アダプタ2の向きを規制する。
【0103】
次に図2(基部4及びアダプタ挿入口33は図示省略)に示すように、アダプタ2を配線ダクト31の所定の位置まで移動させた後、回転軸B1を中心にアダプタ2を90度回転させる(図1参照)。これにより、図4に示す電力非供給状態から図3に示す電力供給状態に移行する。すなわち、2つの受電端子22は、電極34に接触し、電力の供給を受ける。さらに図1及び図3に示すように、操作部25の爪部250が配線ダクト31の開口部32に挿入されることにより、アダプタ2(筐体24)の回転が規制される。
【0104】
次にカバー7を図17の矢印と逆向きに移動させる。すなわち、カバー7をアダプタ挿入口33に入れた後、カバー7の挿入片73を配線ダクト31の嵌合部37に挿入してそのまま右側にスライドさせる。さらに専用工具を用いてカバー7の固定用孔74に特殊ねじをねじ込んで、カバー7を配線ダクト31に固定する。これにより、配線ダクト31のアダプタ挿入口33をカバー7で閉塞する。なお、エンドキャップ5は、配線ダクト31と共に基部4に埋め込まれているので、アダプタ2の着脱に際して、エンドキャップ5の着脱は不要である。
【0105】
以上の手順により、アダプタ2を配線ダクト31に取り付けることができる。なお、上記の手順を逆に辿れば、アダプタ2を配線ダクト31から取り外すことができる。
【0106】
3.変形例
(1)アダプタの変形例
アダプタ2の変形例について、図7図10を参照して説明する。この変形例では、上記実施形態と同様の構成要素には上記実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
【0107】
変形例に係るアダプタ2は、固定リブ23の形状が上記実施形態に係るアダプタ2と相違する。具体的には、変形例に係るアダプタ2の固定リブ23は、前後方向に沿って見た場合、回転軸B1を中心とする円形をなしている。厚肉部234の外周及び薄肉部235の外周は、同心円である。厚肉部234の外周と、薄肉部235の外周との間に、円環状をなす外周縁部236が存在する。
【0108】
(2)アダプタの参考例
アダプタ2の参考例について、図11及び図12を参照して説明する。この参考例では、上記実施形態と同様の構成要素には上記実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
【0109】
参考例に係るアダプタ2は、固定リブ23の形状が上記実施形態に係るアダプタ2と相違する。具体的には、2つの受電端子22が突出する方向(図11では上下方向)における固定リブ23の両端間の長さL23が、開口部32の幅W32よりも長い。しかし、2つの受電端子22が突出する方向と直交する方向(図12では上下方向)における固定リブ23の両端間の長さL23は、開口部32の幅W32以下である。
【0110】
(3)その他
本実施形態では、配線ダクトシステム3を、DC(直流)電力を供給するDCダクトシステムとして説明しているが、配線ダクトシステム3は、AC(交流)電力を供給するACダクトシステムでもよい。
【0111】
本実施形態では、電気機器9の使用場所の施設にスイッチングハブ93及びスプリッタ94が設けられている場合について説明したが(図14参照)、この場合には限定されない。例えば、スイッチングハブ93及びスプリッタ94の代わりに、ACアダプタが設けられていてもよい。ACアダプタは、電源92から供給された交流電力を直流電力に変換する。例えば、ACアダプタは、100Vの交流電力を24Vの直流電力に変換するように構成されていてもよい。
【0112】
本実施形態では、エンドキャップ5は、配線ダクト31の右端に取り付けられているが、配線ダクト31の左端に取り付けられてもよい。
【0113】
4.利点
以下、本実施形態に係るアダプタ2、配線ダクトシステム3及び什器1の利点について説明する。
【0114】
本実施形態に係るアダプタ2は、参考例に係るアダプタ2に比べて、配線ダクト31からの持ち出しが抑制されている。
【0115】
参考例に係るアダプタ2では、特に電力非供給状態において、固定リブ23の両端間の長さL23が配線ダクト31の開口部32の幅W32よりも短い(図12参照)。そのため、参考例に係るアダプタ2では、回転軸B1を中心に回転させて電力供給状態から電力非供給状態にすれば、基本的に誰でも配線ダクト31からアダプタ2を持ち出すことができる。
【0116】
これに対して、本実施形態に係るアダプタ2では、特に電力非供給状態において、固定リブ23の両端間の長さL23を配線ダクト31の開口部32の幅W32よりも長くしている(図6参照)。そのため、電力非供給状態において、アダプタ2を手前(前方)に引き抜こうとしても、固定リブ23が開口部32の縁に干渉するので、アダプタ2を配線ダクト31から引き抜くことは難しい。したがって、配線ダクト31からのアダプタ2の持ち出しを抑制することができる。ただし、電力非供給状態におけるアダプタ2は、前後方向への移動が難しいだけで、左右方向への移動は可能である。すなわち、本実施形態に係るアダプタ2は、配線ダクト31から分離させなくても、配線ダクト31の長手方向(左右方向)に沿って自由に移動させることができる。
【0117】
本実施形態に係るアダプタ2では、電力供給状態においても、固定リブ23の両端間の長さL23が配線ダクト31の開口部32の幅W32よりも長い(図5参照)。そのため、電力供給状態においても、配線ダクト31の正面(開口部32が形成された面)からのアダプタ2の取り外しを抑制することができる。なお、変形例に係るアダプタ2も同様である。
【0118】
さらに本実施形態に係るアダプタ2では、軸部21(特に回転軸B1)を中心とする任意の径方向における固定リブ23の両端間の長さL23が、開口部32の幅W32よりも長い。そのため、アダプタ2を回転軸B1の回りに任意の角度で回転させても、アダプタ2を配線ダクト31から引き抜くことは難しい。そのため、アダプタ2を配線ダクト31から手前に引き抜くことは難しい。したがって、配線ダクト31の正面からのアダプタ2の取り外しを更に抑制することができる。なお、変形例に係るアダプタ2も同様である。
【0119】
また本実施形態に係る配線ダクトシステム3は、配線ダクト31と、カバー7と、を備える。配線ダクト31は、開口部32と、アダプタ挿入口33と、を含む。アダプタ挿入口33は、カバー7で閉塞される。アダプタ挿入口33は、アダプタ2が挿入される開口であり、開口部32とつながっている。したがって、配線ダクト31が基部4に埋め込まれていても、配線ダクト31に対してアダプタ2を容易に着脱することができる。
【0120】
カバー7は、カバー部71と、挿入部72と、を含む。挿入部72は、アダプタ挿入口33から挿入されて、開口部32側にスライド可能であるので、カバー部71によって、アダプタ挿入口33を容易に閉塞することができる。
【0121】
またカバー7は、専用工具を用いて配線ダクト31に取り付けられている。そのため、配線ダクト31からのアダプタ2の持ち出しを抑制することができる。
【0122】
また本実施形態に係る什器1は、本実施形態に係るアダプタ2と、本実施形態に係る配線ダクトシステム3と、を備えているので、配線ダクト31が基部4に埋め込まれていても、配線ダクト31に対してアダプタ2を容易に着脱することができる。
【0123】
また本実施形態に係る什器1においては、基部4に配線ダクト31が埋め込まれている。カバー7を取り外すことで、アダプタ挿入口33が現れる。したがって、配線ダクト31を基部4から取り外さなくても、配線ダクト31に対してアダプタ2を容易に着脱することができる。
【0124】
5.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0125】
第1の態様は、配線ダクトシステム(3)であって、コネクタ(8)が接続されるアダプタ(2)が取り付けられ、前記アダプタ(2)を介して前記コネクタ(8)に電力を供給する。前記配線ダクトシステム(3)は、一方向に延びる開口部(32)と、前記開口部(32)と前記一方向において繋がり、前記開口部(32)の幅よりも広い幅を有し、前記一方向及び前記開口部(32)の幅方向に対して垂直な方向に沿って、前記アダプタ(2)の一部を挿入可能なアダプタ挿入口(33)と、を含む配線ダクト(31)と、前記アダプタ挿入口(33)を閉塞するカバー(7)と、を備える。
【0126】
この態様によれば、配線ダクト(31)が基部(4)に埋め込まれていても、配線ダクト(31)に対してアダプタ(2)を容易に着脱することができる。
【0127】
第2の態様は、第1の態様に基づく配線ダクトシステム(3)である。第2の態様では、前記カバー(7)が、前記アダプタ挿入口(33)を閉塞するカバー部(71)と、前記カバー部(71)において前記配線ダクト(31)に対向する面から突出し、前記アダプタ挿入口(33)に挿入され、前記開口部(32)側にスライド可能な挿入部(72)と、を含む。
【0128】
この態様によれば、アダプタ挿入口(33)を容易に閉塞することができる。
【0129】
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく配線ダクトシステム(3)である。第3の態様では、前記カバー(7)が専用工具を用いて前記配線ダクト(31)に取り付けられる。
【0130】
この態様によれば、配線ダクト(31)からのアダプタ(2)の持ち出しを抑制することができる。
【0131】
第4の態様は、什器(1)であって、第1~第3の態様のいずれか一つに基づく配線ダクトシステム(3)と、前記アダプタ(2)と、を備える。
【0132】
この態様によれば、配線ダクト(31)が基部(4)に埋め込まれていても、配線ダクト(31)に対してアダプタ(2)を容易に着脱することができる。
【0133】
第5の態様は、第4の態様に基づく什器(1)である。第5の態様では、前記配線ダクト(31)が埋め込まれた基部(4)を更に備える。前記配線ダクト(31)の前記開口部(32)及び前記アダプタ挿入口(33)を含む面が、前記基部(4)から突出せずに露出している。
【0134】
この態様によれば、配線ダクト(31)を基部(4)から取り外さなくても、配線ダクト(31)に対してアダプタ(2)を容易に着脱することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 什器
2 アダプタ
3 配線ダクトシステム
31 配線ダクト
32 開口部
33 アダプタ挿入口
4 基部
7 カバー
71 カバー部
72 挿入部
8 コネクタ
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