(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008556
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】服薬支援装置および服薬支援システム
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20250109BHJP
B65B 69/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61J7/00 L
B65B69/00 101
A61J7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110810
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】520196829
【氏名又は名称】生田 渉
(71)【出願人】
【識別番号】506241514
【氏名又は名称】株式会社多田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100138955
【弁理士】
【氏名又は名称】末次 渉
(72)【発明者】
【氏名】生田 渉
(72)【発明者】
【氏名】多田 健太郎
【テーマコード(参考)】
3E058
4C047
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA08
3E058CA01
3E058CB03
3E058EA10
3E058FA09
3E058GA02
3E058GA10
4C047AA17
4C047CC13
4C047EE01
4C047NN07
(57)【要約】
【課題】片麻痺患者であっても使用しやすく、且つ、患者が薬を服用したことを検出可能な服薬支援装置および服薬支援システムを提供する。
【解決手段】服薬支援装置1は、連なった分包薬が収容される本体ケース10と、分包薬を狭持して送り出す一対のローラーと、ローラーを回転させるハンドル60と、ハンドル60の回転を検出する回転検出装置と、分包薬を切断する切断部材50と、分包薬の切断を検出する切断検出装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連なった分包薬が収容される本体ケースと、
前記分包薬を狭持して送り出す一対のローラーと、
前記ローラーを回転させるハンドルと、
前記ハンドルの回転を検出する回転検出装置と、
前記分包薬を切断する切断部材と、
前記分包薬の切断を検出する切断検出装置と、を備える、
ことを特徴とする服薬支援装置。
【請求項2】
前記回転検出装置が磁気センサである、
ことを特徴とする請求項1に記載の服薬支援装置。
【請求項3】
前記切断検出装置が感圧センサである、
ことを特徴とする請求項1に記載の服薬支援装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の服薬支援装置と、
前記ハンドルが所定方向に所定角度回転したことを前記回転検出装置が検出した後、所定の時間内に前記分包薬が切断されたことを前記切断検出装置が検出した場合に、前記分包薬が服用されたものとして判別する演算部と、を備える、
ことを特徴とする服薬支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服薬支援装置および服薬支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、高齢化などに伴い、定期的な通院、服薬を行う患者が増えている。患者には複数種の薬剤が処方されることが多々ある。複数種の薬剤が処方される場合、服用するタイミングが同じ薬剤については、分包紙にて一つの包装にまとめる一包化が行われている。患者には複数の連なった分包薬が渡され、服用するタイミングでその都度適切な分包薬を切り取り、開封して服薬を行うことになる。朝食後用、昼食後用、夕食後用の一日3回分の分包薬を一週間分渡されると計21包となり、朝食後に間違って夕食後用の薬剤を服用するなど誤飲のおそれがある。
【0003】
一包化された薬剤を患者が間違わずに服薬できるよう、種々の服薬を支援する装置が提案されている。例えば、特許文献1では、一方の手が不自由な片麻痺患者であっても、使用可能な服薬支援装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
在宅介護などの患者においては、介護者等の支援者が全ての薬の服用を支援することが困難であるため、患者自身が所定の薬を正しく服用することが求められる。そして、患者が正しく薬を服用したことを支援者は確認できることが望ましい。
【0006】
特許文献1の服薬支援装置は、片麻痺患者であっても使用可能であるものの、支援者が患者の服薬状況を確認することはできない。
【0007】
本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は片麻痺患者であっても使用しやすく、且つ、患者が薬を服用したことを検出可能な服薬支援装置および服薬支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る服薬支援装置は、
連なった分包薬が収容される本体ケースと、
前記分包薬を狭持して送り出す一対のローラーと、
前記ローラーを回転させるハンドルと、
前記ハンドルの回転を検出する回転検出装置と、
前記分包薬を切断する切断部材と、
前記分包薬の切断を検出する切断検出装置と、を備える、
ことを特徴とする。
【0009】
また、前記回転検出装置が磁気センサであってもよい。
【0010】
また、前記切断検出装置が感圧センサであってもよい。
【0011】
本発明の第2の観点に係る服薬支援システムは、
本発明の第1の観点に係る服薬支援装置と、
前記ハンドルが所定方向に所定角度回転したことを前記回転検出装置が検出した後、所定の時間内に前記分包薬が切断されたことを前記切断検出装置が検出した場合に、前記分包薬が服用されたものとして判別する演算部と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、片麻痺患者であっても使用しやすく、且つ、患者が薬を服用したことを検出可能な服薬支援装置および服薬支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図6】
図1のA-A’断面図であって、カバーおよび分包薬押し付け部材の開状態を説明する図である。
【
図8】主動ローラー及び従動ローラーを示す断面図である。
【
図9】
図9(A)、(B)は、伝達部材による主動ローラー及び従動ローラーの動作を説明する図である。
【
図10】
図10(A)、(B)は、回転検出装置の検出動作を示す図である。
【
図11】
図11(A)は切断部材の平面図、
図11(B)は切断部材の本体への脱着を説明する側面図である。
【
図17】服薬支援システムの処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図を参照しつつ、本実施の形態に係る服薬支援装置および服薬支援システムについて説明する。服薬支援装置1は、
図1~
図6に示すように、本体ケース10、カバー20、分包薬押し付け部30、開閉操作部40、切断部材50、ハンドル60、回転検出装置、切断検出装置80、制御装置90を備える。
【0015】
服薬支援装置1は、
図7に示す複数の連なった分包薬PMを収容し、一包ずつ順々に取り出して服薬を支援する装置である。なお、本明細書中、分包薬PMとは、複数の薬剤Meが分包紙WPで閉じられて一包化されている状態を指す。
【0016】
図1~6に戻り、本体ケース10は、分包薬PMを内部に収容する箱体である。本体ケース10の上面から背面にかけて開口しており、この開口部分には、カバー20が配置されている。カバー20は、回転可能に取り付けられており、回転することにより、本体ケースの10の開口部分を開閉する。本体ケース10が開口した状態にて、本体ケース10の内部に複数の連なった分包薬PMを折り畳んだ状態で収容することができる。
【0017】
本体ケース10の分包薬PMが収容される箇所の内幅(
図2に示すD1)は、分包薬PMの幅に合わせて設定されている。一般的に分包薬PMの幅(
図7に示すD2)は69mmであり、長さ(
図7に示すL1)は60mm、70mm又は80mmである。服薬支援装置1の使用中、分包薬PMが本体ケース10内でねじれたり斜めになったりしないよう、本体ケース10の分包薬PMが収容される箇所の内幅は69mm~75mmであることが好ましく、より好ましくは70mm~72mmである。
【0018】
本体ケース10およびカバー20は、収容される分包薬PMが紫外線で劣化しないよう、有色の素材等、紫外線の透過を抑える素材から構成される。
【0019】
本体ケース10の底部には、
図5、6に示すように錘12が配置されている。錘12により、ユーザーが服薬支援装置1を使用する際に、服薬支援装置1が動いてしまうことを抑制する。また、本体ケース10の底面には、ネオジム磁石等の磁性体13が配置されている。磁性体13により、金属製の壁面に服薬支援装置1を貼り付けて設置し、使用することも可能である。また、本体ケース10の内部には、平板状のガイド11が両側面に掛け渡されている。ガイド11は、後述する主動ローラー61、従動ローラー64の狭持部62、65へと分包薬PMを導入する役割を果たす。
【0020】
分包薬押し付け部材30は、分包薬PMを切断する際に、分包薬PMを受け部材53に押し付けて固定し、分包薬PMが動いてしまうことを抑制する。
【0021】
開閉操作部40は、分包薬押し付け部材30の開閉に寄与する。開閉操作部40は、本体ケース10の両側面に回転可能に軸支されている。分包薬押し付け部材30もまた、本体ケース10の両側面に回転可能に軸支されている。分包薬押し付け部材30の係止部32と開閉操作部40の係止部41とで係止されており、この係止状態が保たれるよう、分包薬押し付け部材30および開閉操作部40はそれぞれ不図示のスプリング等の付勢部材により付勢されている。
【0022】
そして、開閉操作部40をユーザーが押すと、分包薬押し付け部材30の係止部32と開閉操作部40の係止部41との係止状態が解除され、分包薬押し付け部材30が開くことになる。逆に、分包薬押し付け部材30が開いている状態で、ユーザーが分包薬押し付け部材30を押していくと、分包薬押し付け部材30の係止部32と開閉操作部40の係止部41とで係止され、分包薬押し付け部材30が閉じた状態、即ち、分包薬押し付け部材30が分包薬PMを受け部材53に押し付け、分包薬PMが動かない状態を維持する。
【0023】
図8に示すように、主動ローラー61の両端部は、それぞれハンドル60と連結し、固定され、本体ケース10の側面の穴を介して軸支されている。ユーザーがハンドル60を回転させることにより、主動ローラー61が回転する。
【0024】
また、従動ローラー64は、主動ローラー61に対して平行に配置されている。従動ローラー64の両端部は、本体ケース10の側面に回転可能に軸支されている。
【0025】
主動ローラー61は、両側に全周に渡って径方向に突出する一対の挟持部62を有する。また、従動ローラー64も両側に全周に渡って径方向に突出する一対の挟持部65を有する。挟持部62、65は、分包薬PMの側部を挟んで回転し、搬送する。挟持部62、65は、分包薬PMを挟んで搬送できるよう、天然ゴムやシリコンゴムなどの樹脂素材等、摩擦係数が大きい素材から構成される。
【0026】
挟持部62、65はそれぞれ主動ローラー61、従動ローラー64から径方向に突出しているので、挟持部62、65が接触した状態で主動ローラー61と従動ローラー64との間隔(
図8に示すD3)が空いており、この間隔は5mm以上、好ましくは5mm~10mmである。後述するように、分包薬PMの薬剤Meは、主動ローラー61、従動ローラー64、及び、挟持部62、65で形成される空間を通過する。
【0027】
従動ローラー64が軸支される穴は、
図8、
図9(A)、(B)に示すように、長穴15になっている。この長穴15は、主動ローラー61の軸方向に対して垂直な方向に延びるよう形成されている。これにより、従動ローラー64は、主動ローラー61の軸方向に対して垂直方向に移動可能になっている。この長穴15は、従動ローラー64が5mm~10mm程度移動可能な大きさであればよい。
【0028】
そして、主動ローラー61と従動ローラー64とは、伝達部材67により接続されている。ここでは、伝達部材67は、環状の弾性体、具体的には、天然ゴムやシリコンゴム等の軟弾性を有するOリングである。
図8に示すように、主動ローラー61及び従動ローラー64の挟持部62、65の外側に溝63、66が形成されており、伝達部材67が溝63、66に8の字に掛け回されている。
【0029】
そして、
図9(A)、(B)に示すように、主動ローラー61が回転すると、伝達部材67も回転し、従動ローラー64も付随して回転する仕組みである。伝達部材67が8の字状に掛け回されているので、紙面上、主動ローラー61が反時計回りに回転すると、従動ローラー64は時計回りに回転する。また、主動ローラー61が時計回りに回転すると、従動ローラー64は反時計回りに回転する。また、伝達部材67は環状の弾性体であるので、その張力によって、伝達部材67は、常時、従動ローラー64が主動ローラー61に近接するよう引きつけている。
【0030】
服薬支援装置1は、
図10(A)、(B)に示すように、ハンドル60の回転を検出する回転検出装置70を備えている。回転検出装置70は、機械式、光学式、磁気式、磁気誘導式など、ハンドル60が回転したことを検出可能な回転センサであればよく、ここでは磁気センサ70が設置されている。そして、ハンドル60の背面には、複数(ここでは6個)のネオジム磁石等の磁性体71が等間隔に同心円上に設置されている。磁気センサ70はハンドル60に設置された磁性体71が近接した際に検出可能な位置に設置されている。ハンドル60の回転により、各々の磁性体71が磁気センサ70を通過する度に磁気センサ70が検出し、ハンドル60の回転方向および回転量が検出される。ここでは、磁性体71が6個等間隔に配置されているので磁性体71の通過を検出する度にハンドル60が60°回転したことが検出される。なお、磁性体71は、それぞれ個別に識別されるようID登録されていることで、ハンドル60の回転方向が検出可能である。
【0031】
切断部材50は、本体ケース10の排出口の下部に設置されており、分包薬PMを切断し、開封する。
図11(A)、(B)に示すように、切断部材50は刃51を有する。刃51は、排出口から排出された分包薬PMが押し付けられることで分包薬PMを切断できればよく、ここではギザ刃が用いられている。刃51は、ユーザーが指を切ったりしないようプラスチック製で形成されている。
【0032】
また、切断部材50は、刃51が摩耗した場合に交換できるよう取り外し可能に構成されている。具体的には、切断部材50の両側に突起54が形成されており、本体ケース10の両側壁には、切断部材50が設置される箇所に切り欠き14が形成されている。この切り欠き14に切断部材50の両側の突起54が嵌まるように挿入することで、本体ケース10に切断部材50を取り付けることができる。また、切断部材50には、受け部材53が設置されている。受け部材53は、平板状で分包薬PMを傷つけないゴム等の素材から構成される。受け部材53は、分包薬押し付け部材30の押し付け部31と協働して分包薬PMを狭持し、固定する。
【0033】
また、切断部材50には、両側に切り込み52が形成されている。切り込み52が形成されていることで、両方の切り込み52で挟まれる箇所では、切断部材50のしなりが生じるので、切断部材50による分包薬PMの切断を安定させるとともに、後述の切断検出装置80による分包薬PMの切断の検出を容易にする。
【0034】
切断部材50の下方に、分包薬PMの切断を検出する切断検出装置80が配置されている。切断検出装置80は、分包薬PMの切断を検出可能であればよく、ここでは感圧センサ80が用いられている。分包薬PMを切断部材50で切断する際、切断部材50が押し下げられるので、その応力を感圧センサ80が検出することで、分包薬PMが切断されたことを検出する。
【0035】
制御装置90と回転検出装置70、切断検出装置80とは電気的に接続されている。制御装置90、回転検出装置70、切断検出装置80は、電源アダプターを介して外部電源から電源供給を受けて駆動する形態であっても、本体ケース10内にバッテリーが内蔵されてバッテリーによって駆動する形態であってもよい。制御装置90の詳細については後述する。
【0036】
続いて、服薬支援装置1から分包薬PMを取り出す手順について説明する。まず、ユーザーは開閉操作部40を押し、
図12に示すように、分包薬押し付け部材30を開く。分包薬押し付け部材30の押し付け部31から分包薬が解放されるので、分包薬の搬送が可能になる。
【0037】
分包薬押し付け部材30を開いた状態で、ユーザーはハンドル60を回転させる。
図13に示すように、主動ローラー61、従動ローラー64が回転し、これらに固定されている狭持部62、65も同様に回転するので、狭持部62、65に狭持された分包薬PMが搬送される。ユーザーは、分包薬PMが所定の位置に移動するまで、ハンドル60を回した後、操作を止める。
【0038】
図14に示すように、分包薬が切断箇所まで搬送された後、ユーザーは、分包薬押し付け部材30を押し下げる。分包薬押し付け部材30の係止部32と開閉操作部40の係止部41とで係止され、押し付け部31と受け部材53とで分包薬PMが挟まれ固定される。そして、ユーザーは排出された分包薬PMを下方に引く。
【0039】
これにより、
図15に示すように、切断部材50によって分包薬PMが切断される。分包薬PMが開口した状態で切断されることで、ユーザーはそのまま中の薬剤Meを服用することができる。
【0040】
上記の服薬支援装置1におけるユーザーによる操作は、全て片手で行うことが可能である。したがって、服薬支援装置1は、一方の手に麻痺がある片麻痺患者のユーザーでも使用できる簡便さを有している。更に、服薬支援装置1は、簡易な構成であるため、製造コストを低減でき、導入しやすい利点がある。
【0041】
続いて、服薬支援システムについて説明する。服薬支援システム100は、
図16に示すように、服薬支援装置1、支援者端末110がインターネット等の通信ネットワーク120を介して接続されている。
【0042】
服薬支援システム1の制御装置90は、演算部、記憶部、入力部、通信部を有している。演算部は、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部に格納されたプログラムを実行することで、服薬支援システム100の機能を発揮する。記憶部はROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。記憶部には、演算部の動作を制御する服薬支援プログラムが格納されている。入力部には、回転検出装置70および切断検出装置80からの検出情報が入力される。通信部は、通信ネットワーク120との情報の送受信を行う。
【0043】
支援者端末110は、演算部、記憶部、出力部、通信部を有する制御装置を備える。演算部、記憶部、通信部の構成は、上述した制御装置90と同様の構成である。出力部は、支援者端末110の表示装置等へユーザーの服薬状況を表示させたり、スピーカー等の音響装置へ音声出力させたりする。
【0044】
服薬支援システム100の処理動作について
図17を参照しつつ説明する。服薬支援プログラム(ステップS100)が起動され、服薬支援装置1のハンドル60が所定角度(例えば、720°)、分包薬PMが排出される方向に回転したか否かを判別する(ステップS101)。
【0045】
回転検出装置70がハンドル60の上記の回転を検出した場合(ステップS101;Yes)、分包薬PMが切断されたか否かを判別する。ハンドル60の回転検出後、所定時間内(例えば、20秒以内)に切断検出装置80が分包薬PMの切断を検出した場合(ステップS102;Yes)、ユーザーが正しく薬を服用したものと判別する。
【0046】
そして、通信部から通信ネットワーク120を介してその情報が支援者端末110に通知される(ステップS103)。支援者端末110では、受信した情報が記憶部に記憶され、表示装置にその情報が表示され、支援者がユーザーの服薬状況を確認することができる。なお、ステップS101およびステップS102でNoの場合、ステップS101にループして繰り返す。
【0047】
以上のように、服薬支援システム100では、ハンドル60の所定角度および分包薬PMが排出される方向への回転、分包薬PMの切断が順に行われること、並びに、分包薬PMの切断がハンドル60の回転から所定時間内に行われることを条件に、ユーザーが正しく薬を服用したものとして判別している。そして、ハンドル60の操作および分包薬PMの切断はユーザーが自ら行う操作であるため、ユーザーの服薬状況を管理した介護者等は、ユーザーが正しく薬を服用したことに関する服薬状況を正確に確認することが可能である。
【0048】
なお、服薬支援装置1の制御装置90の演算装置によって服薬を判別する形態について説明したが、支援者端末110の記憶部に服薬支援プログラムが記憶され、支援者端末110の演算装置で判別する形態であってもよい。また、不図示のサーバが通信ネットワーク120に接続され、サーバの演算装置において判別する形態であってもよい。また、タイマー
【0049】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0050】
1 服薬支援装置
10 本体ケース
11 ガイド
12 錘
13 磁性体
14 切り欠き
15 長穴
20 カバー
30 分包薬押し付け部材
31 押し付け部
32 係止部
40 開閉操作部
41 係止部
50 切断部材
51 刃
52 切り込み
53 受け部材
54 突起
60 ハンドル
61 主動ローラー
62 狭持部
63 溝
64 従動ローラー
65 狭持部
66 溝
67 伝達部材
70 回転検出装置(磁気センサ)
71 磁性体
80 切断検出装置(感圧センサ)
90 制御装置
100 服薬支援システム
110 支援者端末
120 通信ネットワーク
PM 分包薬
Me 薬剤
WP 分包紙