(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008580
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置、及びユーザ装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20250109BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110853
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】前原 篤史
(72)【発明者】
【氏名】日野 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】竹山 文崇
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザに行動変容を促し、実際に行動したか否か記憶及び確認する。
【解決手段】情報処理装置(10)は、ユーザ(20)の目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、所定のタイミングでアドバイスをユーザに通知し、アドバイスを通知した後にユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録し、実施状況をユーザ端末(30)に出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の健康のためのサービスを提供する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能なユーザ装置と、を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、
所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、
前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録し、
前記実施状況を前記ユーザ装置に出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記所定のタイミングとは異なるタイミングで目の休憩を促す旨を前記ユーザに通知する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記ユーザによる前記サービスの利用履歴に応じて前記ユーザに所定の特典を付与する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報は、少なくとも、前記ユーザの生活に関する情報、目の休憩に関する情報、前記ユーザが前記ユーザ装置の画面を見ている時間、及び前記アドバイスの実施状況の記録のうち、いずれか1つを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記所定のタイミングは、前記ユーザが起床してから就寝するまでの間において一定の間隔で設定される、又は、少なくとも前記ユーザが起床してから業務の開始時刻までの時間帯、休憩時間の開始時刻から前記休憩時間の終了時刻までの時間帯、及び、前記業務の終了時刻から前記ユーザが就寝する時刻までの時間帯のうち、いずれかの時間帯で設定される、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記ユーザによる前記ユーザ装置への入力に基づき前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録する、又は、前記ユーザ装置から取得したデータに基づいて前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザ装置には、第1ユーザ装置と第2ユーザ装置とが含まれ、
前記目の休憩に関する情報には、少なくとも前記第1ユーザ装置によって取得される前記ユーザの歩数データ、及び前記第2ユーザ装置によって取得されるデータのうち、いずれか1つが含まれ、
前記情報処理装置は、前記歩数データ、又は前記第2ユーザ装置によって取得されるデータ、もしくはこれらのデータの組み合わせに基づいて前記ユーザが目の休憩を取ったか否かを判定し、
判定結果を含めた前記アドバイスを生成する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項8】
目の健康のためのサービスを提供する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得するステップと、
前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成するステップと、
所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知するステップと、
前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録するステップと、
前記実施状況を出力するステップと、を含む、
情報処理方法。
【請求項9】
ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得する処理と、
前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成する処理と、
所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知する処理と、
前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録する処理と、
前記実施状況を出力する処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項10】
ユーザ装置と通信可能な情報処理装置であって、
1又は複数のプロセッサと、
記憶装置と、を備え、
前記プロセッサは、
ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、
所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、
前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を前記記憶装置に記録し、
前記実施状況を前記ユーザ装置に出力する、
情報処理装置。
【請求項11】
1又は複数のプロセッサと、
記憶装置と、を備え、
前記プロセッサは、
ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、
所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、
前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を前記記憶装置に記録し、
前記実施状況を出力する、
ユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理装置、及びユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの睡眠状態と住環境データを計測し、計測したデータから快眠のためのアドバイスを作成し、作成したアドバイスをユーザに提供する発明が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザの健康に関しては、睡眠の他に様々なものが存在する。例えば、目の健康について取り上げると、VDT作業(VDT:Visual Display Terminals)によって目の健康に影響が出る場合がある。具体的な一例として、VDT作業者は、ディスプレイを見続けて作業する結果、ドライアイや眼精疲労などの症状が心配される。
【0005】
ドライアイや眼精疲労などの症状の予防のためには、継続的に目の健康を維持したり向上させたりする行動を取ることが求められるところ、特許文献1に記載された発明では、単にアドバイスを送るだけに留まるため、ユーザに行動変容を促し、実際に行動したか否か記憶及び確認することはできない。このように、ユーザ(例えばVDT作業者)の目の健康状態を中長期的に管理する発明はなされていなかった。
【0006】
本開示の一態様は、ユーザに行動変容を促し、実際に行動したか否か記憶及び確認することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理システムは、目の健康のためのサービスを提供する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能なユーザ装置と、を備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録し、前記実施状況を前記ユーザ装置に出力する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理方法は、目の健康のためのサービスを提供する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得するステップと、前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成するステップと、所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知するステップと、前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録するステップと、前記実施状況を出力するステップと、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理プログラムは、ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得する処理と、前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成する処理と、所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知する処理と、前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録する処理と、前記実施状況を出力する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0010】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る情報処理装置は、ユーザ装置と通信可能な情報処理装置であって、1又は複数のプロセッサと、記憶装置と、を備え、前記プロセッサは、ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を前記記憶装置に記録し、前記実施状況を前記ユーザ装置に出力する。
【0011】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るユーザ装置は、1又は複数のプロセッサと、記憶装置と、を備え、前記プロセッサは、ユーザの目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記ユーザの目の健康のためのアドバイスを生成し、所定のタイミングで前記アドバイスを前記ユーザに通知し、前記アドバイスを通知した後に前記ユーザが目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を前記記憶装置に記録し、前記実施状況を出力する。
【0012】
本開示の各態様に係る情報処理装置及びユーザ装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置及び前記ユーザ装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置及び前記ユーザ装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様によれば、ユーザに行動変容を促し、実際に行動したか否か記憶及び確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置のプロセッサの機能ブロック図である。
【
図6】情報処理装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【
図7】情報処理装置によって生成されるアドバイスの一例を示す図である。
【
図8】情報処理装置の一動作例を説明するフローチャートである。
【
図9】ユーザ端末に通知されるプッシュ通知の一例を示す図である。
【
図10】ユーザ端末に通知されるアドバイスの一例を示す図である。
【
図11】ユーザ端末に通知されるアドバイスの他の例を示す図である。
【
図12】アドバイスの実施状況を入力する方法の一例を示す図である。
【
図13】アドバイスの実施状況を確認する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態に係る情報処理システム100について図面を参照しながら詳細に説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0016】
図1に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置10と、複数のユーザ20,20A,20Bがそれぞれ所持するユーザ端末30,30A,30Bと、を備える。
図1において、3人のユーザが示されているが、3人に限定されず、多数のユーザが存在していてもよい。
【0017】
情報処理装置10は、例えば、サーバであり、ユーザ20,20A,20Bに所定の情報を提供するサービスに用いられる。所定の情報を提供するサービスとは、例えば、目の健康のためのアドバイスを提供するサービスである。情報処理装置10とユーザ端末30,30A,30Bとの通信は、通信ネットワーク40を介して行われ、この通信によって情報処理装置10はユーザ20,20A,20Bに所定の情報を提供することができる。情報処理装置10の設置場所は特に限定されないが、例えば情報処理装置10は情報提供サービスを運用する事業者の管理センタに設置される。
【0018】
通信ネットワーク40は、例えばインターネットであるが、これに限定されずその他の無線通信方式が採用されてもよい。
【0019】
以下では、説明の便宜上、ユーザ20,20A,20B及びユーザ端末30,30A,30Bのうち、ユーザ20及びユーザ端末30を取り上げて説明することとし、ユーザ20及びユーザ端末30と同様の構成要素であるユーザ20A,20B及びユーザ端末30A,30Bについては説明を省略する。
【0020】
(ユーザ20の一例)
次に、
図2を参照してユーザ20の一例について説明する。
図2に示すように、ユーザ20は、例えば、業務で長時間、業務用端末50を使用する者を想定する。「業務用端末50」とは、業務で使用されるデスクトップPC、ラップトップPC、スマートフォン、タブレット端末などのデジタルデバイスを意味する。以下では、業務用端末50をラップトップPCとして説明する。
【0021】
ここで、ユーザ20が業務で長時間、業務用端末50を使用してVDT作業を行う場面を考える。ユーザ20が業務で長時間、業務用端末50を使用してVDT作業を行うと、必然的にユーザ20の目の近くにある業務用端末50の画面を見ている時間も長くなる。このため、まばたきの回数が減少し、目の乾燥が進むことでドライアイや眼精疲労などの症状が現れるリスクがある。しかしながら、ドライアイや眼精疲労などの症状は、初期段階でユーザ20が実感することが少なく、眼科医に検査してもらって、初めてユーザ20が実感することが多いといわれている。すなわち、ドライアイや眼精疲労などの症状は、ユーザ20本人では気付きにくく、また、気付いた時には、その症状は中期段階、あるいは、末期段階にまで進行している可能性がある。このような場合、例えば視力の低下にともない業務効率が低下するなどユーザ20の業務に支障が出ることも考えられ、これは会社にとっては損失に繋がり得る。したがって、ドライアイや眼精疲労などの症状が悪化しないように予防することは、会社にとって利益となり、さらには医療費削減などにも繋がるから社会全体の利益にも貢献する。
【0022】
ドライアイや眼精疲労などの症状の予防のためには、継続的に目の健康を維持したり向上させたりする行動を取ることが求められる。そこで、本実施形態では、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報に基づいて、ユーザ20に適した目の健康のためのアドバイスを行い、継続的に目の健康に良い行動を取るような行動変容をユーザ20に促す構成とした。
【0023】
なお、以下では、ユーザ20が勤務する会社の勤務時間を9:00~18:00とし、昼の休憩時間を12:00~13:00として説明する。
【0024】
(情報処理装置10のハードウェア構成)
次に、
図3を参照して情報処理装置10のハードウェア構成の一例について説明する。
図3は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14、及び通信I/F15を備える。各構成は、バス16を介して相互に通信可能に接続されている。
【0026】
プロセッサ11は、各種プログラムを実行する演算ユニットであり、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ11は、ROM12又は記憶装置14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域として各種プログラムを実行する。なお、
図3では、1つのプロセッサ11が示されているが、これに限定されず、プロセッサ11は複数設けられてもよい。
【0027】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを記憶する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。なお、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ROM12及びRAM13に限定されず、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable ROM)などが含まれてもよい。
【0028】
記憶装置14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリなどにより構成され、各種プログラム及び各種データを記憶する。
図3では記憶装置14には、情報データベース141と行動データベース142が記憶されている例を示す。
【0029】
情報データベース141とは、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報が記憶されるデータベースである。「ユーザ20の目の健康に影響する行動」としては、例えば、「睡眠をとる」、「目の休憩を取る」、「長時間VDT作業を行う」、「目の健康のためにアドバイスされたことを実施する」などが挙げられる。
【0030】
「ユーザ20の目の健康に影響する行動」が「睡眠をとる」である場合、「ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報」は、ユーザ20の睡眠時間となる。
【0031】
また、「ユーザ20の目の健康に影響する行動」が「目の休憩を取る」である場合、「ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報」には、目の休憩時間、目の休憩の間隔、目の休憩の回数などが含まれる。
【0032】
また、「ユーザ20の目の健康に影響する行動」が「長時間VDT作業を行う」である場合、「ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報」は、ユーザ20が業務中に業務用端末50の画面を見ていた時間となる。
【0033】
また、「ユーザ20の目の健康に影響する行動」が「目の健康のためにアドバイスされたことを実施する」である場合、「ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報」は、ユーザ20がアドバイスにしたがって行動したこと、又はその行動回数となる。
【0034】
「ユーザ20の目の健康に影響する行動」は、上述のものに限定されず、「目のマッサージを行う」、「目を上下左右に動かす」、「目の健康に良い食事を摂る」、「まばたきの回数を増やす」、「蒸しタオルなどで目を温める」、「目薬をさす」、「ブルーライトをカットする眼鏡をかける」、「運動やストレッチを行う」などが含まれてもよい。「目の健康に良い食事を摂る」とは、例えば、目の健康に良いとされるビタミンA、ビタミンB群、DHAなどの成分を多く含む食事を摂ることを意味する。なお、これらの行動に関する情報については、上述の説明と同様に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
行動データベース142とは、ユーザ20がアドバイスにしたがって目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況が記録されるデータベースである。アドバイスの実施状況は、例えば、3段階に分類されて記録される。3段階の分類の詳細については後述する。
【0036】
ここで、ユーザ20は、アドバイスとは無関係に自発的に目の健康に良い行動をするケースもある。これは、例えば、アドバイスを継続的に受けることにより行動変容が促され、ユーザ20は自発的に目の健康のための情報をインターネットなどから収集し、収集した情報に基づいて自発的に目の健康に良い行動をするといったケースである。本実施形態では、ユーザ20がアドバイスにしたがって行った目の健康に良い行動も、ユーザ20がアドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動も、記録の対象とする。
【0037】
本実施形態において、「目の健康に良い行動」としては、例えば、「睡眠をとる」、「目の休憩を取る」、「目の健康のためにアドバイスされたことを実施する」、「目のマッサージを行う」、「目を上下左右に動かす」、「目の健康に良い食事を摂る」、「まばたきの回数を増やす」、「蒸しタオルなどで目を温める」、「目薬をさす」、「ブルーライトをカットする眼鏡をかける」、「運動やストレッチを行う」などが挙げられる。
【0038】
通信I/F15は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク40を介してユーザ端末30と通信を行う。
【0039】
(ユーザ端末30のハードウェア構成)
次に、
図4を参照してユーザ端末30のハードウェア構成の一例について説明する。
図4は、ユーザ端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末30は、ユーザ20が持ち運び可能な携帯端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル型の装置などである。以下では、ユーザ端末30をスマートフォンとして説明する。
【0040】
図4に示すように、ユーザ端末30は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶装置34、通信I/F35、及びディスプレイ36を備える。各構成は、バス37を介して相互に通信可能に接続されている。
【0041】
プロセッサ31、ROM32、RAM33、記憶装置34、及び通信I/F35の構成については、上述した情報処理装置10のプロセッサ11、ROM12、RAM13、記憶装置14、及び通信I/F15の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
記憶装置34には、目の健康のためのアドバイスを提供するサービスに用いられるアプリケーション341がインストールされている。以下では、アプリケーション341を単に「アプリ341」と称する。アプリ341は、プロセッサ31が記憶装置34から専用のアプリケーションプログラムを読み出して実行することで機能する。
【0043】
ディスプレイ36は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどで構成され、各種情報を表示する。また、ディスプレイ36は、静電容量式のタッチセンサを備えており、ユーザ20のタッチ操作を入力操作として受け付ける入力装置としても機能する。
【0044】
(情報処理装置10のプロセッサ11の機能)
次に、
図5を参照して、情報処理装置10のプロセッサ11の機能の一例について説明する。
図5は、情報処理装置10のプロセッサ11の機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の情報処理装置10では、プロセッサ11が、特定のプログラムを実行することにより、情報取得部111、アドバイス生成部112、通知部113、実施状況提示部114、及び特典付与部115として機能する。
【0045】
情報取得部111は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を取得する。この情報の取得方法の一例について説明する。例えば、上述した「ユーザ20の睡眠時間」については、アプリ341の入力項目にてユーザ20に入力してもらうようにすればよい。あるいは、ユーザ端末30がスマートウォッチであれば、光学式心拍計を用いてユーザ20の睡眠時間を取得できるため、情報処理装置10はスマートウォッチからユーザ20の睡眠時間を取得するといった構成であってもよい。この方法であれば、ユーザ20による睡眠時間の入力の手間がなくなる。
【0046】
また、上述した「目の休憩時間」、「目の休憩の間隔」、「目の休憩の回数」については、例えば、業務用端末50に設けられたカメラを利用すればよい。カメラの画像データを用いた周知の顔検出やモーション検出などにより、ユーザ20が離席中か否かを判定することができる。また、離席中か否かの判定だけでなく、離席時間、離席間隔、及び離席回数といった離席に関するデータも取得可能である。
【0047】
ユーザ20が離席しているということは、ユーザ20は席を離れて歩いていると想定される。ここで、「目の休憩」に関して説明すると、遠くを見て目のピント調節をする毛様体筋の緊張状態を緩めることが目の休憩となる。一般に、歩いている状態では、遠くを見ていると考えられる。そこで、本実施形態では、ユーザ20が離席していることを条件として、「ユーザ20が目の休憩を取っている」と定義する。
【0048】
したがって、本実施形態では、「離席時間」を「目の休憩時間」として扱い、「離席間隔」を「目の休憩の間隔」として扱い、「離席回数」を「目の休憩の回数」として扱う。情報処理装置10と業務用端末50とが、通信ネットワーク40を介して通信可能に接続されていれば、情報処理装置10は、業務用端末50から離席時間、離席間隔、及び離席回数に関する情報を取得することできる。
【0049】
なお、ユーザ20は、自席から離れることなく、毛様体筋の緊張状態を緩めることも可能である。例えば、ユーザ20は、業務用端末50の画面から目を離し、天井などの遠くを見ることによって毛様体筋の緊張状態を緩めることができる。したがって、ユーザ20が業務用端末50の画面から目を離していることを条件として、「ユーザ20が目の休憩をとっている」と定義されてもよい。ユーザ20が業務用端末50の画面から目を離しているか否かの判定については、業務用端末50に設けられたカメラを利用すればよい。
【0050】
なお、ユーザ20が離席中か否かの判定方法は、上述の方法に限定されない。例えば、スマートフォンやスマートウォッチによってユーザ20の歩数を取得し、取得した歩数データに基づいてユーザ20が離席中か否か判定してもよい。歩数データが増えている期間は、ユーザ20が席を離れて歩いている期間といえるため、歩数データが増えている期間はユーザ20が離席中であると判定することができる。
【0051】
上述した「ユーザ20が業務中に業務用端末50の画面を見ていた時間」については、例えば、業務用端末50に設けられたカメラを利用すればよい。カメラの画像データを用いた周知の目の検出や注視点の追跡などにより、ユーザ20が業務中に業務用端末50の画面を見ていた時間を取得することができる。情報処理装置10と業務用端末50とが、通信ネットワーク40を介して通信可能に接続されていれば、情報処理装置10は、業務用端末50からユーザ20が業務中に業務用端末50の画面を見ていた時間を取得することができる。
【0052】
上述した「ユーザ20がアドバイスにしたがって行動したこと」については、例えば、アプリ341の入力項目にてユーザ20に入力してもらうようにすればよい。
【0053】
情報取得部111は、このようにして取得した情報をアドバイス生成部112に出力する。
【0054】
アドバイス生成部112は、情報取得部111から取得した情報に基づいて、ユーザ20に適した目の健康のためのアドバイスを生成する。以下では、「目の健康のためのアドバイス」を単にアドバイスと称する場合がある。具体的なアドバイスの一例については後述する。アドバイス生成部112は、生成したアドバイスを通知部113に出力する。
【0055】
通知部113は、アドバイス生成部112によって生成されたアドバイスをユーザ20に通知する。
【0056】
実施状況提示部114は、自動的に、又はユーザ20の要求に応じて、アドバイスの実施状況を確認するための画面をユーザ端末30のディスプレイ36に表示する。
【0057】
特典付与部115は、ユーザ20がアプリ341に連続してログインした日数やアドバイスの実施状況に応じてユーザ20に特典を付与する。特典の詳細について後述する。
【0058】
(アドバイス例)
次に、
図6のフローチャート及び
図7を参照して、情報処理装置10によって生成されるアドバイスの一例について説明する。
【0059】
ステップS101において、情報処理装置10のプロセッサ11は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を取得する。上述したように、情報処理装置10のプロセッサ11は、ユーザ20にデータを入力してもらったり、業務用端末50からデータを送信してもらったりなどしてユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を取得する。
【0060】
ステップS102において、情報処理装置10のプロセッサ11は、ステップS101にて取得された情報に基づいて、ユーザ20に適したアドバイスを生成する。
【0061】
図7は、情報処理装置10のプロセッサ11が生成するアドバイスの一例である。
図7では、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報のうち、睡眠時間の長さや休憩間隔の長さに応じて生成されるアドバイスの例を示す。「休憩間隔」は、「休憩と休憩の間隔」と定義されてもよいし、「業務開始時刻と最初の休憩との間隔」と定義されてもよい。
【0062】
図7に示すように、ユーザ20の前日の睡眠時間が420分以上であった場合、情報処理装置10のプロセッサ11は、「十分な睡眠時間がとれてます!」というアドバイスを生成する。一方で、ユーザ20の前日の睡眠時間が420分未満であった場合、情報処理装置10のプロセッサ11は、「睡眠時間が少ないですね。今日は特に目が疲れやすいかも。」というアドバイスを生成する。
【0063】
また、ユーザ20の午前中の休憩間隔が120分以上であった場合、情報処理装置10のプロセッサ11は、「今のところ、目の休憩が不十分です。」といったアドバイスや、「午前は少し、忙しかったのではないでしょうか。午後は気分転換も兼ねて、飲み物を用意したり、背伸びストレッチなどを行ってみてはどうでしょうか。」といったアドバイスを生成する。ここでいう「午前中の休憩間隔」とは、業務の開始時刻である9:00から昼の休憩時間の開始時刻である12:00までの間に取った休憩の間隔を意味する。
【0064】
また、ユーザ20の午前中の休憩間隔が60分以上、且つ120分未満であった場合、情報処理装置10のプロセッサ11は、「今日は目の休憩が少なめです。少しだけ目の休憩を意識してみませんか。」といったアドバイスや、「飲み物を飲んでホッと一息ついてみるのも良いですよ。」といったアドバイスを生成する。
【0065】
また、ユーザ20の午前中の休憩間隔が60分未満であった場合、情報処理装置10のプロセッサ11は、「目をよく休めています!引き続きこのペースで。」といったアドバイスを生成する。
【0066】
(アドバイスの通知方法)
次に、
図8のフローチャートを参照して、ユーザ20にアドバイスを通知する方法の一例について説明する。
【0067】
ステップS201及びステップS202に示すように、情報処理装置10のプロセッサ11は、第1設定時間になったらユーザ20に対してプッシュ通知を行う。ステップS201に示す「第1設定時間」とは、予めユーザ20によって設定された時間であり、例えば、業務開始時刻の9:00である。なお、「第1設定時間」は、ユーザ20によって設定される時間に限定されず、アプリ341側で自動的に設定される時間であってもよい。
【0068】
処理はステップS203に進み、ユーザ20が、プッシュ通知をタップすると、情報処理装置10からユーザ端末30にアドバイスに関するデータが送信され、ユーザ端末30のディスプレイ36にアドバイスが表示される。
【0069】
ここで、
図9~10を参照して、プッシュ通知の一例及びアドバイスの表示例について説明する。
【0070】
まず、
図9を参照してプッシュ通知の一例を説明する。
図9は、ユーザ端末30のディスプレイ36に表示されるプッシュ通知の一例である。
図9に示すように、情報処理装置10のプロセッサ11は、予めユーザ20によって設定された時間である9:00に、ユーザ20に対してプッシュ通知60を行う。なお、プッシュ通知60は、情報処理装置10で生成されるリモートプッシュに限定されず、ユーザ端末30で生成されるローカルプッシュでもよい。
【0071】
続いて、
図10を参照して、
図9のプッシュ通知60をタップした場合に表示されるアドバイスの表示例について説明する。ユーザ20が、
図9のプッシュ通知60をタップすると
図10に示す画面に遷移する。
図10の画面について説明する。現在の時刻は、朝の9:00であるため、「おはようございます!」という文字列がディスプレイ36に表示される。符号70,71は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を示す。
図10に示す例では、ユーザ20の前日の睡眠時間が6時間であったことが表示される。
【0072】
ユーザ20の前日の睡眠時間が6時間であるため、
図7で説明したように、「睡眠時間が少ないですね。今日は特に目が疲れやすいかも。」というアドバイスが領域73に表示される。
【0073】
スライダー72は、ユーザ20がアプリ341に連続でログインした日数やアドバイスの実施状況に応じて蓄積されていくスコアの様子を示す。このスコアについては後述する。
【0074】
図8に戻り、ステップS204及びステップS205に示すように、情報処理装置10のプロセッサ11は、第2設定時間になったらユーザ20に対して、今日としては2回目のプッシュ通知を行う。ステップS204に示す「第2設定時間」とは、第1設定時間と同様に予めユーザ20によって設定された時間であり、例えば、昼の休憩開始時刻の12:00である。
【0075】
処理はステップS206に進み、ユーザ20がプッシュ通知をタップすると、ステップS203で説明した処理と同様に、ユーザ端末30のディスプレイ36にアドバイスが表示される。
【0076】
ここで、
図11を参照して、12:00に通知されるアドバイスについて説明する。現在の時刻は、昼の12:00であるため、「こんにちは!」という文字列がディスプレイ36に表示される。符号70,71は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を示す。
図11に示す例では、ユーザ20の午前中の休憩間隔が120分以上であったことが表示される。
【0077】
ユーザ20の午前中の休憩間隔が120分以上であるため、
図7で説明したように、「午前は少し、忙しかったのではないでしょうか。午後は気分転換も兼ねて、飲み物を用意したり、背伸びストレッチなどを行ってみてはどうでしょうか。」というアドバイスが領域73に表示される。
【0078】
図8に戻り、ステップS207及びステップS208に示すように、情報処理装置10のプロセッサ11は、第3設定時間になったらユーザ20に対してアドバイスの実施状況の入力を求める。ステップS207に示す「第3設定時間」とは、第1設定時間及び第2設定時間と同様に予めユーザ20によって設定された時間であり、例えば、夜の23:00である。本実施形態において、23:00は、ユーザ20の就寝時間として説明する。つまり、情報処理装置10のプロセッサ11は、就寝前にユーザ20に対してアドバイスの実施状況の入力を求める。
【0079】
ここで、
図12を参照して、就寝前にユーザ20に要求される入力の一例について説明する。ユーザ20が、23:00に通知されるプッシュ通知をタップすると
図12に示す画面に遷移する。現在の時刻は、23:00であり、1日の終わりでもあるから、「今日もお疲れ様でした」という文字列がディスプレイ36に表示される。
【0080】
入力フォーム80~82は、今日に通知されたアドバイスの実施状況を入力するためのフォームである。
図12では、今日に通知されたアドバイスの数は3つである例を示しているが、これに限定されず、アドバイスの数は1つでもよいし、2つでもよいし、あるいは、4つ以上でもよい。また、日によってアドバイスの数が異なっていてもよい。
【0081】
実施状況の入力については、例えば、「できた」、「まあまあ」、「できなかった」の3段階で入力する形式を採用するが、これに限定されない。「できた」、「まあまあ」、「できなかった」の一例について説明すると、例えばアドバイスが「今日は目の休憩が少なめです。少しだけ目の休憩を意識してみませんか。」であったと仮定する。このアドバイスを受けたユーザ20が業務中に目の休憩を普段より多く取った場合、ユーザ20は「できた」の項目を選択することができる。また、ユーザ20が業務中に目の休憩を普段より少し多目に取った場合、ユーザ20は「まあまあ」の項目を選択することができる。また、ユーザ20が業務中に取った目の休憩が普段より少なかった場合、ユーザ20は「できなかった」の項目を選択することができる。なお、ディスプレイ36に表示される「アドバイス1」や「アドバイス2」をタップすると、そのアドバイスの内容がポップアップされて表示されてもよい。
【0082】
実施状況の入力は、「アドバイスの実施状況」に限定されない。上述したように、ユーザ20は、アドバイスとは無関係に自発的に目の健康に良い行動をするケースもある。したがって、ユーザ20がアドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動の実施状況を入力することができるようにしてもよい。例えば、
図12に示す画面において、ユーザ20が自由にカスタマイズ可能な入力フォームが設けられてもよい。ユーザ20が目の健康に良い食事を摂った場合、ユーザ20は「目の健康に良い食事を摂る」という入力フォームを作成することができ、作成した入力フォームにおいて「できた」を選択することができる。このような構成であれば、ユーザ20は、アドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動の実施状況を入力することができる。
【0083】
実施状況を入力した後、ユーザ20が送信ボタン83をタップすると、入力データは情報処理装置10に送信され、行動データベース142に記憶される(
図8のステップS209)。
図8に示す処理は、例えば毎日繰り返し実行され、日々の実施状況の入力データは継続的に記憶され蓄積されていく構成であってもよい。
【0084】
なお、アドバイスの実施状況の入力について、ユーザ端末30側で取得可能なデータに基づいてアプリ341がアドバイスの実施状況を判定できる場合は、アプリ341が自動的にアドバイスの実施状況を入力してもよい。例えば、上述した歩数データを用いれば、アプリ341はユーザ20が離席中であるか否か、ひいては、目の休憩の間隔や目の休憩の回数なども把握することができるため、アプリ341は自動的にアドバイスの実施状況を入力することができる。このようにアプリ341が自動的にアドバイスの実施状況を入力する構成であれば、ユーザ20の入力の手間をなくすことが可能となる。この場合、
図8のステップS207~S208の処理は、省略されてもよい。
【0085】
また、ユーザ20が、意識せずに、アドバイスとは無関係に目の健康に良い行動をするケースもある。例えば、ユーザ20は、意識せずに、業務中にまばたきの回数を増やすことがある。このような無意識の行動の実施状況については、当然ながらユーザ20が入力することはできない。ここで、業務中にまばたきの回数については、業務用端末50に設けられたカメラの画像データから取得可能である。したがって、情報処理装置10は、業務用端末50から取得した画像データに基づいてユーザ20が目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を行動データベース142に記録してもよい。
【0086】
なお、実施状況の入力対象となるアドバイスは、今日に通知されたアドバイスに限定されない。実施状況の入力対象となるアドバイスは、過去に通知されたアドバイスでもよいし、特定のアドバイスを登録可能な機能があれば、登録されたアドバイスでもよい。
【0087】
図8では、予めユーザ20によって設定された時間になったときにユーザ20にアドバイスを通知する例を説明したが、情報処理装置10のプロセッサ11は、アドバイスを通知するタイミングとは異なるタイミングで目の休憩を促す旨をユーザ20に通知してもよい。例えば、情報処理装置10のプロセッサ11は、アドバイスを通知するタイミングとは異なるタイミングで、所定時間ごとに定期的に目の休憩を促す旨をユーザ20に通知してもよい。「目の休憩を促す通知」の一例としては、「目の休憩を取ってください」といった通知が挙げられる。
【0088】
なお、アドバイスを通知するタイミングと目の休憩を促す旨を通知するタイミングは、同じであってもよい。
【0089】
(アドバイスの実施状況の確認方法)
次に、
図13を参照して、アドバイスの実施状況を確認する方法の一例について説明する。
図13は、アドバイスの実施状況を確認するための画面例を示す。
【0090】
図13に示す画面について、例えば、ユーザ20が
図12に示す送信ボタン83をタップすると、自動的に
図13に示す画面に遷移する構成であってもよい。また、アプリ341上において、アドバイスの実施状況を確認するためのアイコンが設けられている場合、ユーザ20がそのアイコンをタップすると
図13に示す画面に遷移する構成であってもよい。
【0091】
図13に示すように、アドバイスの実施状況の確認画面には、木の画像を示すアイコン90、ユーザ20がアプリ341に連続してログインした日数やアドバイスの実施状況に応じて加算されて蓄積するスコアを示す情報91、情報91を視覚的に示すスライダー72、現在のユーザ20のレベルを示す情報92、ユーザ20に通知されたアドバイスの内容が示される領域93,95,97、及び、アドバイスの実施状況に応じて顔が変化するアイコン94,96,98が表示される。
【0092】
スコアの値について、情報処理装置10のプロセッサ11は、例えばユーザ20がアプリ341に連続してログインした日数が増えるほど大きな値を加算したり、
図12で説明した「できた」を選択した回数が多くなるほど大きな値を加算したりすることができる。
【0093】
スコアが累積していき所定値に到達すると、レベルがアップする仕組みである。
図13に示す例では現在のスコアが55であり、スコアが110に到達すると、レベルが5から6にアップする。レベルがアップするにしたがい、様々な特典がユーザ20に付与される。特典の一例として、(1)アプリ341で使用できるデジタルアイテムの獲得、(2)デジタルアイテムの成長、(3)デジタルアイテムのモーションの追加、(4)アプリ341で使用できる称号の獲得、(5)インターネット上の各種サービスで利用可能なデジタルトークンの獲得、(6)所定の景品の獲得、(7)所定の景品を対象とした懸賞に応募できる権利の獲得、(8)所定の店舗で利用可能な割引券の獲得、(9)所定の店舗で利用可能な割引券を対象とした懸賞に応募できる権利の獲得、などが挙げられる。なお、「アプリ341で使用できるデジタルアイテム」の一例は、木の画像を示すアイコン90である。
【0094】
このように、ユーザ20がアプリ341に連続してログインした日数やアドバイスの実施状況に応じて特典を付与することにより、継続してユーザ20にアプリ341を利用してもらうモチベーションの向上に繋がる。
【0095】
顔を示すアイコン94,96,98について、情報処理装置10のプロセッサ11は、
図12で説明した「できた」を選択した回数が多いほど笑顔になるように変化させてもよい。また、情報処理装置10のプロセッサ11は、
図12で説明した「できなかった」を選択した回数が多いほど悲しい顔になるように変化させてもよい。
【0096】
このようにアドバイスの実施状況に応じて顔を変化させることにより、ユーザ20は、一目でアドバイスの実施状況を確認することができる。ユーザ20がアドバイスの実施状況を確認して、笑顔でないアイコンを笑顔にすべく、アドバイスにしたがって目の健康に良い行動を取ることが期待される。したがって、アドバイスの実施状況をユーザ20に確認してもらうことは、ユーザ20に行動変容を促すことに繋がる。
【0097】
図13に示す画面において、実施状況の表示は、「アドバイスの実施状況」に限定されない。上述したように、「目の健康に良い食事を摂る」といったアドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動の実施状況が入力されている場合、「目の健康に良い食事を摂る」という項目とともに、この項目の実施状況を示す顔のアイコンがさらに表示されてもよい。このような構成であれば、ユーザ20がアドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動の実施状況も表示されるため、ユーザ20が今後も継続してアドバイスとは無関係に自発的に目の健康に良い行動を取るモチベーションの向上に繋がる。
【0098】
また、ユーザ端末30のディスプレイ36に表示(出力)される実施状況の他の例として、月日をまたぐ継続的な実施状況が表示されてもよい。「月日をまたぐ継続的な実施状況」は、例えば、日々繰り返し継続的に記憶される実施状況を所定期間蓄積したものであってもよい。ここでいう「所定期間」の一例は、一日単位、10日単位、週単位、又は月単位などである。また、「月日をまたぐ継続的な実施状況」は、月日をまたぐ経時変化を示す情報であってもよい。月日をまたぐ経時変化を示す情報とは、例えば、当月と前月の実施状況の比較を示す情報である。
【0099】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、以下の作用効果が得られる。
【0100】
情報処理システム100は、目の健康のためのサービスを提供する情報処理装置10と、情報処理装置10と通信可能なユーザ装置と、を備える。情報処理装置10は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてユーザ20の目の健康のためのアドバイスを生成する。情報処理装置10は、所定のタイミングでアドバイスをユーザ20に通知し、アドバイスを通知した後にユーザ20が目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録し、実施状況をユーザ装置に出力する。
【0101】
上記構成によれば、情報処理装置10は、所定のタイミングで目の健康のためのアドバイスをユーザ20に通知し、ユーザ20が目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録する。ユーザ20は、記憶された結果に基づいて自身の実施状況を確認したり振り返ったりすることにより、目の健康を維持する行動又は目の健康を向上させる行動を取るようになることが期待される。このように、ユーザ20に適した目の健康のためのアドバイスを行い、ユーザ20に行動変容を促すことにより、例えば、ユーザ20が長時間VDT作業を行うことによって生じうるドライアイや眼精疲労などの症状を予防することが可能となる。すなわち、上記構成によれば、ユーザ20の目の健康状態の中長期的な管理が可能となる。
【0102】
ここでいう「目の健康に良い行動」には、ユーザ20がアドバイスにしたがって行った目の健康に良い行動、ユーザ20がアドバイスとは無関係に自発的に行った目の健康に良い行動、及びユーザ20が、意識せずに、アドバイスとは無関係に行った目の健康に良い行動が含まれる。いずれの行動も行動データベース142に記憶されてもよい。最終的に記憶の対象になる行動には、ユーザ20にアドバイスを通知した後にユーザ20が行った行動が、少なくとも含まれてもよい。なお、ユーザ20が自席を離れている間にアドバイスが通知され、その後ユーザ20が自席に戻った場合において、アドバイスが通知されてからユーザ20が自席に戻るまでの間にユーザ20が行った行動については、記憶の対象にしてもよいし、記憶の対象にしなくてもよい。
【0103】
また、ここでいう「ユーザ装置」の一例は、ユーザ端末30であるが、これに限定されず、業務用端末50であってもよい。「ユーザ装置」が業務用端末50である場合、アプリ341は、業務用端末50のブラウザで動作するWEBアプリであれば足りる。
【0104】
また、情報処理装置10は、所定のタイミングとは異なるタイミングで目の休憩を促す旨をユーザ20に通知してもよい。
【0105】
上記構成によれば、所定のタイミングでユーザ20にアドバイスを通知しつつ、例えば、ユーザ20が長時間VDT作業を行っていると想定されるタイミングで目の休憩を促すことにより、適切なタイミングで目の休憩を取らせることができる。
【0106】
ここでいう「目の休憩を促す通知」は、情報処理装置10によって生成されるアドバイスとは区別されるものである。例えば、
図7で説明した「今日は目の休憩が少なめです。少しだけ目の休憩を意識してみませんか。」というアドバイスは、定期的にユーザ20に通知される提案であって、「目の休憩を促す通知」とは区別されるものである。
【0107】
また、情報処理装置10は、ユーザ20によるサービスの利用履歴に応じてユーザ20に所定の特典を付与してもよい。
【0108】
上記構成によれば、目の健康のためのアドバイスを提供するサービス、すなわちアプリ341の利用履歴に応じて様々な特典が付与されるため、ユーザ20がアプリ341を利用するモチベーションを高めることができ、ユーザ20にアプリ341を継続的に利用してもらうことが可能になる。なお、サービスの利用履歴とは、例えばアプリ341に連続してログインした日数やアドバイスの実施状況などである。
【0109】
また、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報は、少なくとも、ユーザ20の生活に関する情報、目の休憩に関する情報、ユーザ20がユーザ装置の画面を見ている時間、及びアドバイスの実施状況の記録のうち、いずれか1つを含んでいれば足りる。
【0110】
情報処理装置10は、ユーザ20の目の健康に影響する行動に関する情報を用いることによって、ユーザ20の目の健康状態を推定することが可能となり、ユーザ20に適したアドバイスを生成することができる。
【0111】
なお、「ユーザ20の生活に関する情報」には、少なくともユーザ20の睡眠時間、又はユーザ20が摂った食事に関する情報のいずれか1つが含まれる。「目の休憩に関する情報」には、少なくとも目の休憩時間、目の休憩の間隔、及び目の休憩の回数のうち、いずれか1つが含まれる。「ユーザ20がユーザ装置の画面を見ている時間」の一例は、ユーザ20が業務中に業務用端末50の画面を見ていた時間である。
【0112】
所定のタイミングの一例は、
図8で説明した業務開始時刻の9:00や昼の休憩開始時刻の12:00である。ただし、これに限定されず、所定のタイミングは、ユーザ20が起床してから就寝するまでの間において一定の間隔で設定されてもよい。また、所定のタイミングは、少なくともユーザ20が起床してから業務の開始時刻までの時間帯、休憩時間の開始時刻から休憩時間の終了時刻までの時間帯、及び、業務の終了時刻からユーザ20が就寝する時刻までの時間帯のうち、いずれかの時間帯で設定されてもよい。
【0113】
上記構成によれば、ユーザ20の業務時間などを考慮した適切なタイミングでアドバイスをユーザ20に通知することができる。
【0114】
また、情報処理装置10は、ユーザ20によるユーザ装置への入力に基づきユーザ20が目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録してもよい。また、情報処理装置10は、ユーザ装置から取得したデータに基づいてユーザ20が目の健康に良い行動をしたか否かの実施状況を記録してもよい。
【0115】
上記構成によれば、情報処理装置10は、ユーザ20がアドバイスにしたがって行った行動や自発的に行った行動を記憶することができるとともに、さらに、ユーザ20が意識せずに行った行動も記録することができる。
【0116】
また、ユーザ装置には、第1ユーザ装置と第2ユーザ装置とが含まれてもよい。「第1ユーザ装置」の一例は、ユーザ端末30である。「第2ユーザ装置」の一例は、業務用端末50である。目の休憩に関する情報には、少なくとも第1ユーザ装置によって取得されるユーザ20の歩数データ、及び第2ユーザ装置によって取得されるデータのうち、いずれか1つが含まれる。
【0117】
情報処理装置10は、歩数データ、又は第2ユーザ装置によって取得されるデータ、もしくはこれらのデータの組み合わせに基づいてユーザ20が目の休憩を取ったか否かを判定し、判定結果を含めたアドバイスを生成してもよい。
【0118】
上述したように、スマートフォン、スマートウォッチなどによって取得される歩数データや業務用端末50に設けられたカメラによって取得される画像データを用いることによって、ユーザ20が離席中か否かを判定することできる。本実施形態では、ユーザ20が離席していることを条件として、ユーザ20が目の休憩を取っていると判定する。したがって、ユーザ20が離席中か否かを判定することは、ユーザ20が目の休憩を取ったか否かを判定することと同義である。上記構成によれば、情報処理装置10は、ユーザ20が目の休憩を取ったか否かを判定することができる。そして、情報処理装置10は、判定結果を用いてユーザ20に適したアドバイスを生成することができる。
【0119】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置10としての機能は、情報処理装置10としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、情報処理装置10の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0120】
この場合、情報処理装置10は、プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。コンピュータがプログラムを実行することにより、上述した実施形態で説明した各機能が実現される。
【0121】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータが読み取り可能な、1又は複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、情報処理装置10が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して情報処理装置10に供給されてもよい。
【0122】
また、各制御ブロックの機能の一部又は全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0123】
また、上述した実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは情報処理装置10で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータ又はクラウドサーバなど)で動作するものであってもよい。
【0124】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0125】
100 情報処理システム
10 情報処理装置
30,30A,30B ユーザ端末
50 業務用端末