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特開2025-8597銅担持触媒、塗料、空気浄化システム、空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法
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  • 特開-銅担持触媒、塗料、空気浄化システム、空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008597
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】銅担持触媒、塗料、空気浄化システム、空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/72 20060101AFI20250109BHJP
   B01J 35/45 20240101ALI20250109BHJP
   B01J 35/39 20240101ALI20250109BHJP
   B01J 37/34 20060101ALI20250109BHJP
   A61L 9/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
B01J23/72 A
B01J35/02 H
B01J35/02 J
B01J37/34
A61L9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110879
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510123460
【氏名又は名称】株式会社アクト・ノンパレル
(74)【代理人】
【識別番号】110004152
【氏名又は名称】弁理士法人お茶の水内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 真希
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 祐二
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲史
(72)【発明者】
【氏名】清野 智史
【テーマコード(参考)】
4C180
4G169
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA16
4C180BB06
4C180BB08
4C180BB09
4C180BB11
4C180CC03
4C180EA34X
4C180EA39X
4G169AA03
4G169AA08
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BA48A
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169CA10
4G169DA05
4G169EB18X
4G169EB18Y
4G169EB19
4G169EC22X
4G169FB18
4G169FB58
4G169FC08
4G169HA01
4G169HB01
4G169HB02
4G169HC02
4G169HC29
4G169HE01
4G169HE12
4G169HF02
(57)【要約】
【課題】触媒活性に優れた銅担持触媒、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いた空気浄化システムと空気浄化方法、およびこの銅担持触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されている銅担持触媒、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いる空気浄化システムと空気浄化方法、および、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射する銅担持触媒の製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されていることを特徴とする銅担持触媒。
【請求項2】
銅の担持量が、0.01重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅担持触媒。
【請求項3】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を含むことを特徴とする塗料。
【請求項4】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を備え、空気中の化学物質を他の化学物質に変換する浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の銅担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
【請求項6】
粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射することを特徴とする銅担持触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅担持触媒と、この銅担持触媒を含む塗料、この銅担持触媒を用いる空気浄化システムと空気浄化方法、および銅担持触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、ディスプレイ、マイクロマシン、薄膜塗工フィルムなどは、製造時や検査時に気体中の微粒子数や温度、湿度等が制御されており、クリーンルーム内で製造されている。これらの製品は、ナノレベルオーダーで制御されて加工されており、加工時の悪影響を防ぐために、雰囲気中の化学物質濃度を低くすることが求められる場合がある。
例えば、半導体製造工程においては、ウェハが化学物質に汚染されると、レジストの塗工性に影響を及ぼし、レジストの膜厚やレジストとウェハとの密着性が変化し、所望の加工精度が達成できなくなり、歩留まりが低下する場合がある。
雰囲気中の化学物質濃度を制御することが求められる場合、通常、活性炭をベースとしたケミカルフィルターが用いられている。ケミカルフィルターは、化学物質を吸着するものであるため、破過(吸着量が飽和)する前に交換が必要であり、維持するのに手間とコストがかかり、交換の際に、粉塵等が発生してしまうおそれもある。
【0003】
本発明者らは、二酸化チタンペレットに含浸法でプラチナを担持したハイブリッド触媒により、紫外線を照射することなくイソプロピルアルコールが酸化されて二次生成物としてアセトンが生成することを報告している(非特許文献1、2)。また、多孔質担体の表面に白金ナノ粒子が均一に担持されている白金担持触媒と、多孔質担体として二酸化チタンを利用した効率的な光触媒を提案している(特許文献1)。
これら白金担持触媒は、白金をナノ粒子として担持しているため白金の使用量は少ない。しかし、高価な白金を用いない、より安価な触媒が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-019588号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】市原真希、洞田浩文、若山恵英、瀧寛則、斎藤祐二、「ハイブリッド触媒によるVOC分解の可能性検討」、大成建設技術センター報、第52号(2019)
【非特許文献2】市原真希、洞田浩文、若山恵英、瀧寛則、斎藤祐二、「ハイブリッド触媒による無光環境下でのVOC分解の可能性検討」、日本建築学会大学学術講演梗概集、2019、p919-920
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、触媒活性に優れた銅担持触媒と、この銅担持触媒を含む塗料、銅担持触媒を用いた空気浄化システム、空気浄化方法、銅担持触媒の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1]:粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されていることを特徴とする銅担持触媒。
[2]:銅の担持量が、0.01重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とする[1]に記載の銅担持触媒。
[3]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を含むことを特徴とする塗料。
[4]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を備え、空気中の化学物質を他の化学物質に変換する浄化装置を有することを特徴とする空気浄化システム。
[5]:[1]または[2]に記載の銅担持触媒を用いて、空気中の化学物質を他の化学物質に変換するステップを有することを特徴とする空気浄化方法。
[6]:粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射することを特徴とする銅担持触媒の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の銅担持触媒は、白金担持触媒と同等以上の分解性能を有している。銅は、白金のおよそ4千分の1の価格であり、本発明の銅担持触媒は、従来の白金担持触媒と比較して、非常に安価である。
本発明の塗料は、触媒能(分解能)を有する塗膜を形成することができるため、シックハウスやシックカー対策用の塗料、セルフクリーニング塗料として用いることができる。本発明の塗料を塗布する被対象物の形状は限定されないため、本発明の塗料を塗布した塗膜を備える排気用の空気浄化システム等を設計する際に、圧力損失と分解性とを最適化するための内部構成の設計にかかる手間を大幅に削減することができる。
放射線法である本発明の銅担持触媒の製造方法は、途中で乾燥状態を経ることなく銅担持触媒を製造することができる。本発明の製造方法は、銅担持触媒の凝集が起こりにくいため、特に得られた触媒を塗料用途に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例におけるイソプロピルアルコール分解試験後の、イソプロピルアルコール(IPA)と、IPAの分解により生じるアセトン(ACT)と二酸化炭素(CO)との比率を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
・銅担持触媒
本発明の銅担持触媒(以下、触媒ともいう)は、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に、銅ナノ粒子が担持されている。
本発明の触媒は、担体として、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンを使用する。担体の粒径は、4nmがより好ましく、5nm以上がさらに好ましく、また、13nm以下がより好ましく、11nm以下がさらに好ましく、9nm以下がよりさらに好ましい。なお、本明細書において、担体の粒径とは結晶子径(結晶子サイズともいう)であり、粉末X線回折で得られるピークの半価幅より下記のシェラーの式を用いて算出される値である。
Lc=0.9λ/(w・cosθ)
(Lc:結晶子径(nm)、λ:X線の波長(nm)、w:ピークの半価幅(rad)、θ:ピーク位置の角度。)
【0011】
本発明の触媒において、銅ナノ粒子の粒径(面積円相当径)は、試料を撮像して得た電子顕微鏡画像を画像処理して面積円相当径を算出することにより求めることができる。本発明の触媒は、電子顕微鏡画像を画像処理して得られた100個以上の銅ナノ粒子のうち、粒径(面積円相当径)2nm以下のものが90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
【0012】
本発明の触媒は、担体としてアナターゼ型酸化チタンを用いた光触媒である。本発明の触媒は、本発明の範囲外の粒径、および本発明の範囲外である種類の担体(例えば、ルチル型酸化チタン)を用いた銅担持触媒と比較して、そのメカニズムは不明であるが、高い触媒活性を有している。
本発明の銅担持触媒は、様々な化学物質の分解反応に用いることができ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、トルエン、アンモニア等を、中間生成物または最終生成物(水、二酸化炭素等)である他の化学物質に変換する分解反応に好適に用いることができる。
【0013】
・製造方法
本発明の銅担持触媒は、例えば、放射線法により製造することができる。放射線法とは、担体を分散させた金属イオン水溶液(本発明の場合は銅イオン水溶液)に、放射線を照射し、水の放射線分解により生成した還元種により、金属イオンを還元してナノ粒子を析出させ、析出したナノ粒子を担体に担持させる方法である。放射線法により均一にナノ粒子が析出し、析出したナノ粒子は担体表面に均一に担持される。放射線法は、乾燥状態を経ずに銅担持触媒を製造することができるため、銅担持触媒が凝集しにくく、分散状態を維持しやすい。
【0014】
放射線法により製造する場合、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンが分散し、銅イオンが溶解した水系の液体に、電離放射線を照射することにより、本発明の触媒を製造することができる。
使用する電離放射線は特に制限されないが、透過性と安全性とから、γ線、X線、または電子線を用いることが好ましい。電離放射線としてγ線を利用する場合、γ線は、線量1kGy以上100kGy以下の条件で照射するのが好ましく、10kGy以上40kGy以下がより好ましい。γ線照射の好ましい具体例としては、放射線源としてコバルト60γ線源(γ線光量子のエネルギー:1.25MeV)を用いて、線量率約3kGy/h、照射時間1-18時間の条件で実施する例を挙げることができる。電離放射線として電子線を利用する場合、電子線の加速エネルギーは、0.1MeV以上10MeV以下が好ましく、1MeV以上がより好ましい。また、電子線の照射における吸収線量は、1kGy以上100kGy以下が好ましく、10kGy以上40kGy以下がより好ましい。
【0015】
本発明の触媒における銅の担持量は、銅イオン濃度、放射線強度、放射線照射時間、担体濃度等により調整することができる。本発明の銅担持触媒における銅の担持量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、0.01重量%以上1.0重量%以下が好ましい。銅の担持量は、0.05重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらに好ましく、また、0.8重量%以下がより好ましく、0.6重量%以下がさらに好ましい。
【0016】
・塗料
本発明の塗料は、上記した銅担持触媒を含む。
本発明の触媒を放射線法により製造した場合、銅担持触媒が水系媒体に分散した水分散液が得られるが、この水分散液をそのまま塗料として用いることもできる。放射線法で製造された銅担持触媒は、分散性に優れているため、塗料用途に適している。また、この水分散液に、分散剤、加水分解性アルコキシシラン等の無機系バインダー、エタノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶媒等を添加することもでき、希釈、濃縮、溶媒置換等を行うこともできる。本発明の触媒は、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンを担体とするナノ粒子である。ナノ粒子である触媒の凝集を防ぐために、塗料の溶媒は水を含む水系媒体であることが好ましい。
本発明の塗料により、触媒能(分解能)を有する塗膜を形成することができる。そのため、本発明の塗料は、シックハウスやシックカー対策の塗料、セルフクリーニング塗料等として好適である。
【0017】
・空気浄化システム
本発明の空気浄化システムは、粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタン担体の表面に銅ナノ粒子が担持された銅担持触媒を備え、空気中の化学物質を他の化学物質に変換する浄化装置を有する。
本発明の触媒を含む塗料を用いることにより、任意の物品表面に触媒能を有する塗膜を形成することができる。例えば、既設の排気用の配管内部等に塗膜を形成し、塗膜に対して紫外線を照射する光源を設置するだけで、浄化装置とすることができる。気体の流れを妨げるように設置される従来のフィルター状の触媒と比較して、塗膜と光源は気体の流れを妨げないため、圧力損失が大きくならず、空気浄化装置、空気浄化システムの内部設計を簡略化することができる。
【0018】
本発明の空気浄化システムで処理する化学物質は、用いる銅担持触媒が分解可能な有機化合物であれば制限されない。本発明の空気浄化システムは、銅担持触媒を備える浄化装置により生成する他の化学物質が中間生成物である場合に、この浄化装置の下流に中間生成物を二酸化炭素と水を含む最終生成物に分解する光触媒等を備える第二の浄化装置を有することができる。
【実施例0019】
「実施例1」
アナターゼ型酸化チタンの水分散液(石原産業株式会社、STS-01、酸化チタン濃度30重量%、X線粒径7nm)3.33g(酸化チタン1g相当)を分取し、硝酸銅を0.2mmol、イソプロピルアルコールを2mL添加したものに、超純水を加えて総液量が200mLとなるよう調整したものを出発原料水溶液とした。この溶液中で、二酸化チタン重量に対して銅が0.13重量%となっている。ガラス製容器に入れた出発原料水溶液をアルゴンガスで15分バブリングして溶存酸素を除去した後、容器を密封した。その後、コバルト60ガンマ線源を用いて、γ線を40kGy照射し、水に分散した銅担持触媒を得た。
【0020】
「比較例1」
白金イオン含有の水溶液(HPtCl:1mM、イソプロピルアルコール:1vol%)を用いた以外は、実施例1と同様にして水に分散した白金担持触媒を得た。二酸化チタン重量に対する白金量は0.2重量%である。
「比較例2」
ルチル型酸化チタンの水分散液(堺化学工業株式会社、SRD-W、X線粒径5nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして水に分散した銅担持触媒を得た。二酸化チタン重量に対する銅量は0.13重量%である。
【0021】
「比較例3」
アナターゼ型酸化チタン(石原産業株式会社、ST-21、X線粒径20nm)の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして水に分散した銅担持触媒を得た。二酸化チタン重量に対する銅量は0.13重量%である。
「比較例4」
ルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社、STR-100N、X線粒径16nm)の水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして水に分散した銅担持触媒を得た。二酸化チタン重量に対する銅量は0.13重量%である。
【0022】
・塗膜形成
板ガラス(100mm×20mm×2mm)に、親水性下地材(株式会社カーメイト エクスクリア ミラー用 超親水コート)を塗工し下地を形成した。下地上に、実施例1と比較例1~4で得られた銅担持触媒と白金担持触媒の水分散液をそのまま塗料として、それぞれ200μl塗工し、24時間自然乾燥させ、銅担持触媒または白金担持触媒を含む塗膜を形成した。また、参考例として、硝酸銅を加えていない以外は実施例1で用いた出発原料水溶液と同じ二酸化チタンの分散液を塗料として塗膜を形成した。
【0023】
・IPA分解
122ml容の石英製のバイアル瓶に、上記で得られた塗膜を形成した板ガラスを入れ、イソプロピルアルコール(IPA)を0.5μL(バイアル瓶中のIPA濃度1276μmol/L)注入して密栓した。板ガラスの塗工面に向けて、UV(253.7nm)を15分照射した。15分後にUV照射を止め、バイアル瓶中の気体をシリンジで抜き出し、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC-2014、検出器FID)によりイソプロピルアルコール(IPA)濃度、アセトン(ACT)濃度、二酸化炭素濃度を測定した。また、当初二酸化炭素濃度を400ppmとして24時間後の二酸化炭素濃度を算出した。また、各物質の濃度から各物質の比率を算出した。なお、イソプロピルアルコール1分子から、1分子のアセトン、3分子の二酸化炭素が生じるため、二酸化炭素の比率は、二酸化炭素濃度を1/3にして算出した。
結果を表1、図1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
本発明である銅担持触媒を用いた実施例1における二酸化炭素比率は50.8%であり、白金担持触媒を用いた比較例1における二酸化炭素比率30.0%よりも高かった。本発明の銅担持触媒は、白金担持触媒よりも分解活性に優れていた。
実施例1、比較例2~4より、担体として粒径3nm以上15nm以下のアナターゼ型酸化チタンを用いると、分解活性に優れた銅担持触媒が得られることが確かめられた。
図1