(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008625
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/323 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
E06B9/323
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110941
(22)【出願日】2023-07-05
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390028299
【氏名又は名称】立川機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山岸 万人
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA04
2E043BA02
2E043BB15
2E043BC06
2E043DA01
(57)【要約】
【課題】操作部側の位置ずれを抑制する遮蔽装置を提供する。
【解決手段】開口1に突っ張った状態で配置されるロールスクリーン10であって、巻取パイプ13の長手方向の一端に設けられる操作ユニット14であって、巻取パイプ13を回転するプーリ16と、プーリ16から垂下する操作コード17と、を備える操作ユニット14と、巻取パイプ13の他端に設けられる固定ユニット15と、を備え、操作ユニット14は、巻取パイプ13を開口1の間に突っ張る突っ張り機構の一部であって、第1縦壁2を押圧する操作側押圧部材を備え、固定ユニット15は、突っ張り機構の一部であって、第2縦壁3を押圧する固定側押圧部材を備え、更に、第1縦壁2に配置され、操作コード17の引張方向に操作側押圧部材が移動した際にプーリ16と係合可能な係合片を備えた操作側補助プレート21と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を構成する相対する第1縦壁及び第2縦壁の間に突っ張った状態で配置される、前記開口を遮蔽材で開閉する遮蔽装置であって、
前記開口を開閉するために前記遮蔽材を移動する移動部と、
前記移動部の長手方向の一端に設けられる操作ユニットであって、前記遮蔽材を移動させる部材を回転するプーリと、前記プーリから垂下し、前記プーリを回転する操作コードと、を備える前記操作ユニットと、
前記移動部の長手方向の他端に設けられる固定ユニットと、を備え、
前記操作ユニットは、前記移動部を前記第1縦壁及び前記第2縦壁の間に突っ張る突っ張り機構の一部であって、前記第1縦壁を押圧する操作側押圧部材を備え、
前記固定ユニットは、前記突っ張り機構の一部であって、前記第2縦壁を押圧する固定側押圧部材を備え、
更に、前記第1縦壁に配置される補助プレートを備え、
前記補助プレートは、前記操作コードの引張方向に前記操作側押圧部材が移動した際に前記プーリと係合可能な係合片を備える
遮蔽装置。
【請求項2】
前記補助プレートは、前記引張方向において、前記操作側押圧部材が前記プーリと離間している状態から前記引張方向に移動することで、前記係合片が前記プーリと係合する
請求項1記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記補助プレートは、前記第1縦壁を押圧した状態の前記操作側押圧部材を逃げる、前記引張方向とは反対側の上側を開口端としたプレート開口を備え、
前記第1縦壁に配置された状態において、前記プレート開口の底部と、前記操作側押圧部材の下縁とは離間している
請求項1又は2記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記第1縦壁及び前記第2縦壁の間には、前記開口を構成する上壁を備え、
前記補助プレートは、前記第1縦壁に配置された状態において、プレート上端が前記上壁に突き当てられる
請求項3に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
開口を構成する相対する第1縦壁及び第2縦壁の間に突っ張った状態で配置される、前記開口を遮蔽材で開閉する遮蔽装置であって、
前記開口を開閉するために前記遮蔽材を移動する移動部と、
前記移動部の長手方向の一端に設けられる操作ユニットであって、前記遮蔽材を移動させる部材を回転するプーリと、前記プーリから垂下し、前記プーリを回転する操作コードと、を備える前記操作ユニットと、
前記移動部の長手方向の他端に設けられる固定ユニットと、を備え、
前記操作ユニットは、前記移動部を前記第1縦壁及び前記第2縦壁の間に突っ張る突っ張り機構の一部であって、前記第1縦壁を押圧する操作側押圧部材を備え、
前記固定ユニットは、前記突っ張り機構の一部であって、前記第2縦壁を押圧する固定側押圧部材を備え、
更に、前記第1縦壁に配置される補助プレートを備え、
前記補助プレートは、荷重支持部を備え、前記荷重支持部は、前記操作側押圧部材が引張方向に移動して、前記操作ユニットの何れかの位置と接触することで、前記操作ユニットを通じての荷重を支持する
遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作コードでプーリを回転して遮蔽材を開閉移動する遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示すように、遮蔽装置としてのロールスクリーン、ブラインド等の遮蔽装置の中には、窓等の開口を構成する相対する一対の縦壁の間に突っ張り棒の機能を使って取り付けるものがある。また、遮蔽装置の中には、長手方向の一端部に設けられた操作部から垂下された操作コードを引っ張ることで、ブラインドやスクリーン等の遮蔽材を昇降するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相対する一対の縦壁の間に突っ張り棒の機能を使って取り付けられた遮蔽装置は、操作コードが垂下された操作部側に引張方向の荷重が加わる。そして、繰り返し操作コードの通常の引張操作が行われる中で、又は、誤って操作コードを強く引っ張ってしまった場合には、操作部側が定位置からずれてしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遮蔽装置は、開口を構成する相対する第1縦壁及び第2縦壁の間に突っ張った状態で配置される、前記開口を遮蔽材で開閉する遮蔽装置であって、前記開口を開閉するために前記遮蔽材を移動する移動部と、前記移動部の長手方向の一端に設けられる操作ユニットであって、前記遮蔽材を移動させる部材を回転するプーリと、前記プーリから垂下し、前記プーリを回転する操作コードと、を備える前記操作ユニットと、前記移動部の長手方向の他端に設けられる固定ユニットと、を備え、前記操作ユニットは、前記移動部を前記第1縦壁及び前記第2縦壁の間に突っ張る突っ張り機構の一部であって、前記第1縦壁を押圧する操作側押圧部材を備え、前記固定ユニットは、前記突っ張り機構の一部であって、前記第2縦壁を押圧する固定側押圧部材を備え、更に、前記第1縦壁に配置される補助プレートを備え、前記補助プレートは、前記操作コードの引張方向に前記操作側押圧部材が移動した際に前記プーリと係合可能な係合片を備える。
【0006】
上記課題を解決する遮蔽装置は、開口を構成する相対する第1縦壁及び第2縦壁の間に突っ張った状態で配置される、前記開口を遮蔽材で開閉する遮蔽装置であって、前記開口を開閉するために前記遮蔽材を移動する移動部と、前記移動部の長手方向の一端に設けられる操作ユニットであって、前記遮蔽材を移動させる部材を回転するプーリと、前記プーリから垂下し、前記プーリを回転する操作コードと、を備える前記操作ユニットと、前記移動部の長手方向の他端に設けられる固定ユニットと、を備え、前記操作ユニットは、前記移動部を前記第1縦壁及び前記第2縦壁の間に突っ張る突っ張り機構の一部であって、前記第1縦壁を押圧する操作側押圧部材を備え、前記固定ユニットは、前記突っ張り機構の一部であって、前記第2縦壁を押圧する固定側押圧部材を備え、更に、前記第1縦壁に配置される補助プレートを備え、前記補助プレートは、荷重支持部を備え、前記荷重支持部は、前記操作側押圧部材が引張方向に移動して、前記操作ユニットの何れかの位置と接触することで、前記操作ユニットを通じての荷重を支持する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作部側の位置ずれを抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態における、ロールスクリーンの設置状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態における、ロールスクリーンの操作ユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態における、ロールスクリーンの固定ユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態における、操作側補助プレートの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態における、固定側補助プレートの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態における、ロールスクリーンの固定ユニット側を取り付ける状態を示す要部斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態における、操作側補助プレートを操作ユニット側に取り付ける状態を示す要部斜視図である。
【
図8】
図8は、実施形態における、操作側補助プレートの取付状態を示す正面図である。
【
図9】
図9は、実施形態における、操作側補助プレートの取付状態を示す側面図である。
【
図10】
図10は、実施形態における、固定側補助プレートの取付状態を示す側面図である。
【
図11】
図11は、実施形態における、操作側補助プレートと操作側押圧部材とが離間した状態を示す側面図である。
【
図12】
図12は、実施形態における、操作側補助プレートが操作側押圧部材の荷重を受けている状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明が適用された間仕切りについて図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
〔全体構成〕
図1に示すように、ロールスクリーン10は、窓、階段の入口等の開口1に配置される遮蔽装置である。開口1は、相対する一対の第1縦壁2及び第2縦壁3と、第1縦壁2と第2縦壁3とを上部で繋ぐ上壁4とを備える。ロールスクリーン10は、第1縦壁2及び第2縦壁3間であって、上壁4に近接する位置に突っ張り棒の機能によって設置される。
【0010】
ロールスクリーン10は、移動部11を備えている。移動部11は、開口1を開閉するスクリーン12を移動させるために巻回する軸としての巻取パイプ13を備えている。巻取パイプ13は、スクリーン12を昇降する部分である。巻取パイプ13は、スクリーン12の上端部が固定されて、スクリーン12が巻回される。スクリーン12の下端は、ボトムバー12aが配置されている。巻取パイプ13は、ロールスクリーン10の幅方向に延在しており、長手方向の一方の端部は、操作ユニット14を備え、長手方向の他方の端部は、固定ユニット15を備えている。
【0011】
〔操作ユニット〕
図2に示すように、操作ユニット14は、巻取パイプ13の一端に嵌合される操作側連結軸部14aを備えている。操作側連結軸部14aは、巻取パイプ13の一端に嵌合されて、巻取パイプ13と一体的に回転する。操作側連結軸部14aは、プーリ16が取り付けられている。プーリ16は、操作側連結軸部14aを回転する。プーリ16は、外周部に、操作コード17が掛け合わされる。操作コード17は、一例としてボールチェーンである。プーリ16は、外周部に、ボールチェーンの各ボールが係合する凹部16aが複数設けられている。プーリ16に掛け合わされた操作コード17は、下方に垂下され、第1部分17aと第2部分17bとが下側で繋がっている。第1部分17aが
図1中矢印X方向に引っ張られると、プーリ16及び巻取パイプ13は、一方向に回転し、スクリーン12を巻取パイプ13に巻き取り、ボトムバー12aを上昇する。また、第2部分17bが矢印X方向に引っ張られると、プーリ16及び巻取パイプ13は、他方向に回転し、スクリーン12を巻取パイプ13から巻き出し、ボトムバー12aを降下する。
【0012】
プーリ16の外周部分には、操作コード17のプーリ16からの脱落を防ぐべく、プーリカバー16bが配置されている。プーリカバー16bは、プーリ16の上側及び側方を覆い、下方は、操作コード17の第1部分17a及び第2部分17bを垂下させるため開放されている。プーリカバー16bは、プーリ16に対しても周回方向に回転する程度のがたつきを有するように遊嵌されている。第1部分17a及び第2部分17bは、真下に引っ張られることもあれば、前方から斜めに引っ張られることもある。プーリカバー16bは、前方から斜めに引っ張られるとき、それに合わせて、若干周回方向に回転する。
【0013】
更に、操作ユニット14は、操作側押圧部材18を備えている。操作側押圧部材18は、第1縦壁2に圧接される操作側押圧板18aを備えている。また、操作側押圧部材18は、巻取パイプ13の一端に嵌合される操作側連結軸部14a及びプーリ16を回転可能に支持する。したがって、操作側押圧部材18は、第1縦壁2を押圧している状態で回転しない。そして、プーリ16の回転方向に応じて、操作側連結軸部14a及び巻取パイプ13は、操作側押圧部材18に対して回転する。
【0014】
操作側押圧板18aは、第1縦壁2を圧接する。操作側押圧板18aは、矩形形状を基本形状としつつ下縁が円弧形状をなしている。すなわち、操作側押圧板18aは、上縁が操作側直線部18bであり、下縁が操作側円弧部18cである。操作側押圧板18aは、第1縦壁2と接触する面に操作側滑り止め部材18dが配置されている。
【0015】
〔固定ユニット〕
図3に示すように、固定ユニット15は、巻取パイプ13の他端に嵌合される固定側連結軸部15aを備えている。固定側連結軸部15aは、巻取パイプ13の他端に嵌合されて巻取パイプ13と一体的に回転する。固定ユニット15は、更に、固定側押圧部材19と、調整ダイヤル20と、を備えている。固定側押圧部材19は、固定側押圧板19aを備えている。固定側押圧板19aは、第2縦壁3に圧接される。固定側押圧板19aは、矩形形状を基本形状としつつ下縁が円弧形状をなしている。すなわち、固定側押圧板19aは、上縁が固定側直線部19bであり、下縁が固定側円弧部19cである。固定側押圧板19aは、第2縦壁3と接触する面に固定側滑り止め部材19dが配置されている。
【0016】
固定側押圧部材19は、調整ダイヤル20が回転可能に支持されている。調整ダイヤル20は、固定側押圧板19aのスクリーン12の縦縁との間に位置する。更に、調整ダイヤル20は、固定側連結軸部15aを回転可能に支持している。したがって、固定側押圧部材19は、第2縦壁3に圧接されている状態で回転せず、固定側連結軸部15a及び巻取パイプ13は、固定側押圧部材19に対して回転する。
【0017】
固定側連結軸部15aの内部には、コイルバネなどの弾性体が配置されており、弾性体は、固定側押圧板19aを固定側連結軸部15aから離れる方向に付勢する。調整ダイヤル20は、一方向に回転すると、固定側押圧板19aが第2縦壁3の方向に移動する。移動部11は、弾性体が収縮した際の反発力、すなわち突っ張り力によって第1縦壁2及び第2縦壁3の間において突っ張り固定される。調整ダイヤル20は、突っ張り力を調整する部材である。突っ張り機構は、操作側押圧部材18、固定側押圧部材19、調整ダイヤル20、弾性体等で構成される。
【0018】
操作側押圧部材18及び固定側押圧部材19の各々において、操作側直線部18b及び固定側直線部19bは、高さが揃っており、上壁4に突き当てられる突き当て縁部である。操作側直線部18b及び固定側直線部19bの各々は、上壁4に突き当てられることで、上壁4からの移動部11の高さ位置が決まる。
【0019】
〔補助プレート〕
ロールスクリーン10において、操作ユニット14側には、第1補助プレートとしての操作側補助プレート21が配置される。固定ユニット15側には、第2補助プレートとしての固定側補助プレート31が配置される。操作側補助プレート21も、固定側補助プレート31も、共に、第1縦壁2及び第2縦壁3の間において、移動部11が下方にずれてしまうことを抑制するためのプレートである。
【0020】
・操作側補助プレート
図4に示すように、操作側補助プレート21は、矩形板形状を基本形状とし、操作側プレート上端23から下方に向って、操作側押圧板18aを逃げる操作側プレート開口22が設けられている。操作側プレート上端23は、上壁4に突き当てられる突き当て部である。操作側プレート開口22は、操作側プレート上端23を開口端としてから下方に延びる一対の操作側開口直線部22aと、下方において一対の操作側開口直線部22aを繋ぐ底部となる操作側開口円弧部22bと、を備えている。一対の操作側開口直線部22aの間の幅及び操作側開口円弧部22bは、操作側押圧部材18の形状に対応したものとなっている。
【0021】
操作側補助プレート21は、操作側プレート開口22の下側に、操作側平板部24を備えている。操作側平板部24の内で、第1縦壁2に対して反対側となる面、すなわちプーリ16側の面には、係合片25を備えている。係合片25は、操作側開口円弧部22bの頂部の下側に位置している。係合片25は、L字形状を備えている。具体的に、係合片25は、操作側平板部24に対して垂直に立設された基部25aと、操作側プレート開口22の方向に突出した突部25bと、を備えている。突部25bは、プーリ16の外周に設けられた凹部16aに係合可能である。
【0022】
操作側平板部24において、係合片25が設けられた面には、ボス形状の突起26が立設されている。本実施形態において、突起26は、一対設けられている。一対の突起26は、操作側開口直線部22aと、操作側平板部24の縦側縁との間に配置されている。また、上下方向は、操作側開口円弧部22bの底点と突部25bとの間に位置している。操作側プレート開口22内において、プーリ16が位置したとき、プーリカバー16bは、一対の突起26の間に位置し、プーリ16の回転に従って周回方向にがたつくことがある。このような場合であっても、プーリカバー16bは、一対の突起26に当接することで、がたつきが制御される。これにより、プーリカバー16bは、がたつきによって、垂下している操作コード17の第1部分17a及び第2部分17bが係合片25に接触することが抑えられる。そして、引っ張られて移動している第1部分17a及び第2部分17b係合片25との接触に伴う異音発生を防ぐことができる。
【0023】
更に、操作側平板部24には、操作側補助プレート21をビス等で固定するための操作側固定孔27が設けられている。本実施形態において、操作側固定孔27は、一対設けられており、操作側平板部24の下方であって、係合片25と突起26の間に位置している。更に、操作側平板部24において、第1縦壁2側となる面に、両面テープを貼り付ける領域を画定する矩形状の操作側プレートリブ28が設けられている。
【0024】
・固定側補助プレート
図5に示すように、固定側補助プレート31も、矩形板形状を基本形状とし、上端から下方に向って、固定側押圧板19aを逃げる固定側プレート開口32が設けられている。固定側プレート上端33は、上壁4に突き当てられる突き当て部である。固定側プレート開口32は、固定側プレート上端33を開口端として下方に延びる一対の固定側開口直線部32aと、下方において一対の固定側開口直線部32aを繋ぐ底部となる固定側開口円弧部32bと、を備えている。一対の固定側開口直線部32aの間の幅及び固定側開口円弧部32bは、固定側押圧部材19の形状に対応したものとなっている。
【0025】
固定側補助プレート31は、固定側プレート開口32の下側に、固定側平板部34を備えている。固定側平板部34には、固定側補助プレート31をビス等で固定するための固定側固定孔37が設けられている。本実施形態において、固定側固定孔37は、一対設けられており、固定側平板部34の下方に位置している。固定側平板部34において、第2縦壁3側となる面に、両面テープを貼り付ける領域を画定する矩形状の固定側プレートリブ38が設けられている。
【0026】
〔ロールスクリーンの取付方法〕
図6に示すように、ロールスクリーン10を両手で持って、固定ユニット15を上壁4に当てるように押し込む。この際、固定側押圧部材19は、固定側直線部19bが上壁4に突き当てられる。次いで、操作ユニット14を上壁4に当てて押し込む。操作側押圧部材18は、操作側直線部18bが上壁4に突き当てられる。これにより、ロールスクリーン10は、第1縦壁2及び第2縦壁3の間に仮固定される。そして、ロールスクリーン10は、その取付位置が上下方向や前後方向に微調整される。そして、固定ユニット15側には、固定側補助プレート31が取り付けられる。具体的に、固定側補助プレート31は、固定側プレート上端33が上壁4に突き当てられるまで移動される。
【0027】
この後、
図6中矢印D1に示すように、調整ダイヤル20を一方向に固くなるまで回転する。これにより、固定側押圧部材19は、第2縦壁3の方向に移動する。そして、操作側押圧板18aは、第1縦壁2を押圧すると共に、固定側押圧板19aは、第2縦壁3を押圧する。かくして、ロールスクリーン10は、第1縦壁2と第2縦壁3との間に突っ張った状態で、かつ上壁4に平行な状態で取り付けられる。
【0028】
次いで、操作ユニット14側には、操作側補助プレート21が取り付けられる。
具体的に、
図7に示すように、操作側補助プレート21は、操作側プレート上端23を上側にして、第1縦壁2に沿わすように
図7中矢印D2方向に移動させて、操作側押圧部材18を操作側プレート開口22に位置させる。ここで、操作側補助プレート21は、操作側プレート上端23が上壁4に突き当てられるまで移動される。この位置で、操作側補助プレート21は、操作側固定孔27を通じてビス固定される。及び/又は、操作側プレートリブ28で区画された領域に配置された両面テープで固定される。
【0029】
図8、
図9及び
図11に示すように、この際、操作側開口円弧部22bと操作側円弧部18cとの間には、隙間41が形成される。そして、係合片25の突部25bは、プーリカバー16bの開口から臨むプーリ16から離間している。すなわち、突部25bは、プーリ16の凹部16aの下方に位置しているものの、凹部16aと離間しており、凹部16aとは係合していない。換言すると、操作側補助プレート21には、操作側押圧部材18から荷重が加わっていない。すなわち、プーリ16は、操作コード17が通常操作で引っ張られた際に回転可能である。また、操作コード17の第1部分17a及び第2部分17bは、係合片25の両側に延在する。
【0030】
図10に示すように、固定側補助プレート31も、固定側プレート上端33を上側にして、第2縦壁3に沿わすように移動させて、固定側押圧部材19を固定側プレート開口32に位置させる。ここで、固定側補助プレート31は、固定側プレート上端33が上壁4に突き当てられるまで移動される。この位置で、固定側補助プレート31は、固定側固定孔37を通じてビス固定される。及び/又は、固定側プレートリブ38で区画された領域に配置された両面テープで固定される。この際、固定側開口円弧部32bと固定側円弧部19cとは、隙間なく嵌り合う。固定側補助プレート31は、第2縦壁3と調整ダイヤル20との間に配置される。
【0031】
〔使用方法〕
以上のように開口1に取り付けられたロールスクリーン10は、操作コード17の第1部分17aを下方に引っ張ると、プーリ16が一方向に回転されることでスクリーン12を巻取パイプ13に巻き取り、ボトムバー12aを上昇させる。また、第2部分17bが引っ張られると、プーリ16及び巻取パイプ13が他方向に回転し、スクリーン12を巻取パイプ13から巻き出し、ボトムバー12aを降下させる。
【0032】
このような操作の際、第1部分17a及び第2部分17bが引っ張られることで回転するプーリ16の回転方向に従って、プーリカバー16bが揺動する。このような場合であっても、プーリカバー16bは、一対の突起26に当接することで、がたつきが規制される。これにより、プーリカバー16bから垂下されている操作コード17の第1部分17a及び第2部分17bは、プーリカバー16bのがたつきによって係合片25に接触することが抑えられる。そして、第1部分17a及び第2部分17bと係合片25との接触に伴う異音発生を抑えることができる。
【0033】
このように、ロールスクリーン10は、通常使用においても、操作ユニット14側に操作コード17を通じて引張方向である下方への引張力が加わる。したがって、長期に使用している間に、操作ユニット14側が少しずつ下方にずれていくおそれがある。また、操作コード17に足が引っ掛かる等して、通常の使用での引張力を超える、すなわち耐荷重を超える大きな引張力が加わることがある。このような場合も、操作ユニット14側が下方にずれるおそれがある。
【0034】
操作側押圧部材18が引張力によって下方にずれると、操作側開口円弧部22bと操作側円弧部18cとの間における隙間41は、小さくなる。このような状態が進行し、隙間41が無くなると、係合片25の突部25bは、プーリ16の凹部16aと係合し、プーリ16の回転を阻止する。移動部11の一端がずれた状態は、開口1から脱落し易い状態である。ロールスクリーン10は、プーリ16の回転が阻止されることで、ロールスクリーン10の異常を認知できる。そして、ユーザは、ロールスクリーン10を点検することで、ロールスクリーン10の傾きを直すことができる。
【0035】
図12に示すように、この状態から更にロールスクリーン10の下方へずれようとする力は、操作ユニット14側では、係合片25の突部25bがプーリ16の凹部16aと係合するとともに、操作側開口円弧部22bに操作側円弧部18cが接触する。これにより、固定側円弧部19cからの荷重を固定側開口円弧部32bが受けるとともに、係合片25がプーリ16からの荷重を受ける。この点で、操作側開口円弧部22b及び係合片25は、操作ユニット14を通じての荷重を受ける荷重支持部として機能する。固定ユニット15側でも、固定側開口円弧部32bに固定側円弧部19cが接触していることで、第2縦壁3に固定された固定側補助プレート31がその荷重を受けることになる。この点で、固定側円弧部19cは、固定ユニット15を通じての荷重を受ける荷重支持部として機能する。これにより、ロールスクリーン10は、開口1からの脱落が抑制される。
【0036】
〔第1実施形態の効果〕
以上のような実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)ロールスクリーン10の操作側押圧部材18が引張力によって下方にずれると、操作側開口円弧部22bと操作側円弧部18cとの間における隙間41は、小さくなる。そうすると、係合片25の突部25bは、プーリ16の凹部16aと係合し、プーリ16の回転を阻止する。これにより、ユーザは、ロールスクリーン10の異常に気付き、点検することで、ロールスクリーン10の傾きを直すことができる。
【0037】
(2)操作側補助プレート21は、操作側押圧板18aを逃げる操作側プレート開口22が設けられている。すなわち、操作側プレート開口22内に操作側押圧板18aが位置する。したがって、第1縦壁2とスクリーン12の縦縁との間の間隔を狭めることができる。
【0038】
(3)固定側押圧部材19は、上縁である固定側直線部19bが上壁4に突き当てられる。操作側押圧部材18も、上縁である操作側直線部18bが上壁4に突き当てられる。これにより、移動部11は、上壁4からの距離を左右で揃えることができる。
【0039】
その上で、操作側補助プレート21は、操作側プレート上端23が上壁4に突き当てられるまで移動される。これにより、操作側補助プレート21は、操作側開口円弧部22bと操作側円弧部18cとの間に隙間41が形成されるように第1縦壁2に固定することができる。また、固定側補助プレート31は、固定側開口円弧部32bに固定側円弧部19cとを隙間なく嵌合することができる。
【0040】
(4)操作の際、第1部分17a及び第2部分17bが引っ張られることで回転するプーリ16の回転方向に従って、プーリカバー16bが揺動する。このような場合であっても、プーリカバー16bは、一対の突起26に当接することで、がたつきが規制される。これにより、操作コード17の第1部分17a及び第2部分17bは、引っ張られることで移動している最中に係合片25に接触することが抑えられる。そして、移動している最中の第1部分17a及び第2部分17bと係合片25との接触に伴う異音発生を抑えることができる。
【0041】
(5)固定側補助プレート31は固定側プレート開口32内に固定側押圧板19aが位置する。すなわち、固定側補助プレート31は、第2縦壁3と調整ダイヤル20との間に配置される。したがって、第2縦壁3とスクリーン12の縦縁との間の間隔を狭めることができる。また、固定側補助プレート31が第2縦壁3に固定された状態であっても、調整ダイヤル20を回転操作可能である。したがって、ロールスクリーン10を開口1から取り外すこともできる。
【0042】
〔変形例〕
なお、以上のような実施形態は、更に、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0043】
・本実施形態において、固定側補助プレート31は省略するようにしてもよい。固定ユニット15側は、操作コード17の引張力が加わりにくく、下方にずれにくいからである。
【0044】
・操作側押圧部材18は、上縁の操作側直線部18bを上壁4に突き当てないように取り付けてもよい。
また、操作側押圧部材18は、上縁の操作側直線部18bを上壁4に突き当てるように取り付け、その上で、操作側補助プレート21の縦寸法を小さくして、操作側プレート上端23が上壁4に突き当たらない構成としてもよい。この場合、操作側補助プレート21は、操作側開口円弧部22bと操作側円弧部18cとの間に隙間41が形成されるように位置を調整して第1縦壁2に取り付けられることになる。
【0045】
・操作側補助プレート21は、操作側プレート開口22を省略し、係合片25を設けた操作側平板部24だけで構成してもよい。係合片25を備えていれば、操作ユニット14が下方にずれたとき、係合片25がプーリ16の凹部16aに係合し、プーリ16の回転を制限できるからである。この場合、操作側平板部24の上縁が操作側円弧部18cと離間するように配置すればよい。
【0046】
・固定側補助プレート31も、固定側プレート開口32を省略してもよい。この場合、固定側平板部34の上縁が固定側円弧部19cと接触するように配置すればよい。
・操作側押圧板18aは、全体を矩形板としてもよい。この場合、操作側プレート開口22の形状も矩形形状となる。固定側押圧板19aも、全体を矩形板としてもよい。この場合、固定側プレート開口32の形状も矩形形状となる。
【0047】
・操作コード17は、ボールチェーンではなく、編み紐等でコードであってもよい。この場合、係合片25の突部25bは、プーリ16に圧接されることで、プーリ16の回転を阻止するものであればよい。
【0048】
・移動部11が備える突っ張り機構は、ばね式ではなく、ジャッキ式であってもよい。
・操作ユニットは、移動部の両端に設けるようにしてもよい。また、突っ張り機構を構成するばね等の弾性体は、操作ユニット14に設けられていてもよいし、操作ユニット14及び固定ユニット15の両方に設けられていてもよい。
【0049】
・遮蔽装置としては、ロールスクリーン10ではなく、横型ブラインドであってもよい。この場合、遮蔽材は、スラットとなり、スラットは、移動部となる巻取軸に巻き取られる昇降コードによって昇降される。昇降コードは、プーリ16に回転される軸と一体に回転する巻取コーンに巻き取られる。
【0050】
また、遮蔽装置としては、縦型ブラインドであってもよい。この場合、遮蔽材は、縦型スラットとなり、縦型スラットは、レール内を走行するランナに吊下げられている。ランナは、プーリ16によって走行するベルトに取り付けられている。
【0051】
更に、遮蔽装置としては、たくし上げカーテンであってもよい。この場合、遮蔽材は、カーテンとなり、カーテンは、移動部となる巻取軸に巻き取られる昇降コードによって昇降される。昇降コードは、プーリ16に回転される軸と一体に回転する巻取コーンに巻き取られる。
【0052】
このように、本発明は、プーリ16を使って遮蔽材を昇降する遮蔽装置であって、ヘッド部が開口1に突っ張り機構を用いて取り付けられる遮蔽装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10…ロールスクリーン
11…移動部
12…スクリーン
13…巻取パイプ
14…操作ユニット
15…固定ユニット
16…プーリ
16a…凹部
17…操作コード
18…操作側押圧部材
19…固定側押圧部材
21…操作側補助プレート
22…操作側プレート開口
25…係合片
31…固定側補助プレート
41…隙間