(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008639
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/1021 20220101AFI20250109BHJP
【FI】
H04L67/1021
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110971
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 孝彦
(57)【要約】
【課題】複数の稼働サーバが設けられたシステムにおいて、稼働サーバに対するアクセスを容易にすることができる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、判別手段、第1アクセス手段、第2アクセス手段を有する。判別手段は、サーバに対するアクセス要求があった場合に、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在するかを判別する。第1アクセス手段は、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在すると判別された場合、前記サーバIPリストファイルから自装置の配置場所に対応するサーバを特定してアクセスする。第2アクセス手段は、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在しないと判別された場合、前記サーバIPリストファイルにIPアドレスが設定された複数のサーバから選択されたサーバにアクセスする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーバのIP(internet protocol)アドレスが設定されたサーバIPリストファイルと、前記サーバにアクセスする情報処理装置が配置される配置場所の情報が設定された配置場所リストとを記憶する記憶手段と、
サーバに対するアクセス要求があった場合に、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在するかを判別する判別手段と、
自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在すると判別された場合、前記サーバIPリストファイルから自装置の配置場所に対応するサーバを特定してアクセスする第1アクセス手段と、
自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在しないと判別された場合、前記サーバIPリストファイルにIPアドレスが設定された複数のサーバから選択されたサーバにアクセスする第2アクセス手段と、を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2アクセス手段は、
前記配置場所リストをもとに配置場所一覧を表示させ、前記配置場所一覧から選択された配置場所に対応するサーバを特定してアクセスする、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配置場所リストには、配置場所毎に、場所情報、配置場所毎に割り当てられたIPアドレス、配置場所に対応するサーバを示すサーバ情報とが設定され、
前記サーバIPリストファイルには、サーバ毎に、前記サーバ情報、サーバ毎のIPアドレスとが設定される、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記配置場所リストには、配置場所毎に、配置場所毎に割り当てられたIPアドレスの使用範囲を示す範囲情報を含み、
前記判別手段は、前記範囲情報が示す範囲の配置場所のIPアドレスと自装置のIPアドレスとの比較により、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在するかを判別する、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
複数のサーバのIPアドレスが設定されたサーバIPリストファイルと、前記サーバにアクセスする情報処理装置が配置される配置場所の情報が設定された配置場所リストとを記憶する記憶手段と、
サーバに対するアクセス要求があった場合に、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在するかを判別する判別手段と、
自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在すると判別された場合、前記サーバIPリストファイルから自装置の配置場所に対応するサーバを特定してアクセスする第1アクセス手段と、
自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在しないと判別された場合、前記サーバIPリストファイルにIPアドレスが設定された複数のサーバから選択されたサーバにアクスする第2アクセス手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントサーバシステムとして、例えばPOS(Point of Sales)システムを管理するための構成がある。POSシステムでは、サーバは、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、販売された商品の販売データを集計して、店舗全体の売上、在庫等を管理する。クライアントPC(Personal Computer)は、サーバにログインし、サーバにおいて管理されるPOSに関する各種データに対する処理を実行する。
【0003】
複数の稼働サーバによって複数の店舗を管理するシステムの場合、稼働サーバ毎に管理対象とする店舗が決められる。従って、ある店舗のPOSに関する各種データに対して処理する場合には、クライアントPCでは、アクセスが許可されている稼働サーバや、処理の対象とする店舗が何れの稼働サーバにより管理されているかを把握し、処理対象とする店舗に対応する稼働サーバ毎にログイン用のアイコンを作成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の稼働サーバが設けられたシステムにおいて、稼働サーバに対するアクセスを容易にすることができる情報処理装置、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、判別手段、第1アクセス手段、第2アクセス手段を有する。判別手段は、サーバに対するアクセス要求があった場合に、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在するかを判別する。第1アクセス手段は、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在すると判別された場合、前記サーバIPリストファイルから自装置の配置場所に対応するサーバを特定してアクセスする。第2アクセス手段は、自装置の配置場所が前記配置場所リストに存在しないと判別された場合、前記サーバIPリストファイルにIPアドレスが設定された複数のサーバから選択されたサーバにアクセスする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態のクライアントサーバシステムの構成の一例を示す図。
【
図2】本実施形態における稼働サーバ、集約サーバ、クライアントPCの関係を示す図。
【
図3】本実施形態におけるクライアントPCの要部回路構成を示すブロック図。
【
図4】本実施形態における関連ファイルの一例を示す図。
【
図5】本実施形態における店舗リストファイルに設定される情報(項目名)の一例を示す図。
【
図6】本実施形態における店舗リストファイルに設定される情報の具体例を示す図。
【
図7】本実施形態におけるサーバIPリストファイルに設定される情報(項目名)の一例を示す図。
【
図8】本実施形態におけるサーバIPリストファイルに設定される情報の具体例を示す図。
【
図9】本実施形態におけるログイン制御プログラムによるログイン制御処理の動作を説明するためのフローチャート。
【
図10】本実施形態におけるエラーメッセージの表示例を示す図。
【
図11】本実施形態におけるPOSアイコンの一例を示す図。
【
図12】本実施形態におけるログイン画面の一例を示す図。
【
図13】本実施形態における店舗一覧の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のクライアントサーバシステムの構成の一例を示す図である。
図1に示すクライアントサーバシステムは、POSシステムを管理するための構成例を示している。
【0009】
図1に示すシステムは、複数の稼働サーバ10,11,…,1M、集約サーバ20、複数の店舗30,31,…3N、本部40とが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク5を通じて通信可能に接続される。
【0010】
複数の稼働サーバ10は、それぞれ、少なくとも1つの店舗に設けられるPOSシステムを管理する。集約サーバ20は、本部40に設けられる本部POS402を管理する。稼働サーバ10及び集約サーバ20は、店舗で販売される各商品の商品名、単価等の商品データを記憶した商品マスタを備え、販売された商品の販売データを集計して、店舗全体の売上、在庫等を管理する。
【0011】
複数の店舗30は、それぞれ、例えばLAN(Local Area Network)によって接続されたクライアントPC301(情報処理装置)及びPOSシステム302が設けられる。
【0012】
クライアントPC301は、例えば、店舗の管理者(オペレータ)によって操作されるもので、店舗30を管理する稼働サーバ10にアクセスして、POSに関する各種データに対する処理をするために使用される。
【0013】
POSシステム302は、店舗内で商品を販売するために接地される各種装置を含み、例えば顧客による購入対象とする商品を登録する登録機、登録機において登録された商品について会計処理をする会計機、商品登録及び会計を実行するPOS装置、商品販売の売り上げ等を記録するジャーナルサーバなどを含む。POSシステム302で販売された商品の販売データは、稼働サーバ10において管理される。
【0014】
本部40は、例えば複数の店舗30を運営する会社に設けられ、例えばLANによって接続されたクライアントPC401(情報処理装置)及び本部POSシステム302が設けられる。
【0015】
クライアントPC401は、例えば、本部40の管理者によって操作されるもので、複数の店舗30を管理する複数の稼働サーバ10及び集約サーバ20にアクセスして、POSに関する各種データに対する処理をするために使用される。
【0016】
図2は、本実施形態における稼働サーバ10、集約サーバ20、クライアントPC301,401の関係を示す図である。
図2では、例えば3台の稼働サーバ10によって複数の店舗A~Zが管理されている例を示す。本部POS402は、集約サーバ20によって管理されている。
【0017】
図2に示す例では、稼働サーバ101は、複数の店舗A~Gを管理していることを示す、同様には、稼働サーバ102は、店舗H~Qを管理し、稼働サーバ103は、店舗R~Zを管理している。
【0018】
この場合、例えば、店舗Aの管理者は、自店舗のPOSに関する各種データに対するアクセス権限(店舗権限)が与えられ、他の店舗のデータに対してアクセス権限が与えられないものとする。従って、店舗Aの管理者が使用するクライアントPC301からは、店舗Aを管理する稼働サーバ101にのみログインされるように制御する必要がある。
【0019】
一方、本部40の管理者は、全ての店舗のPOSに関する各種データに対するアクセス権限(本部権限)が与えられるものとする。従って、本部40の管理者が使用するクライアントPC401からは、全ての店舗A~Zを管理する複数の稼働サーバ101,102,103にログインされるように制御する必要がある。なお、集約サーバ20には、本部40のクライアントPC401からのみログイン可能として、各店舗のクライアントPC301からはログインされないものとする。
【0020】
図3は、本実施形態におけるクライアントPC301の要部回路構成を示すブロック図である。クライアントPC301は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54、通信インターフェース55、タッチパネル56、キーボード57、プリンタ58及びシステム伝送路59等を備える。システム伝送路59は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路59は、プロセッサ51と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0021】
なお、本部40のクライアントPC401については、クライアントPC301と同様の構成を有するものとして説明を省略する。
【0022】
クライアントPC301は、プロセッサ51と、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、時計54及び通信インターフェース55とをシステム伝送路59で接続することにより、コンピュータを構成する。そしてクライアントPC301は、そのコンピュータに、システム伝送路59を介して、タッチパネル56、キーボード57、プリンタ58等のデバイスを接続する。なお、表示装置として、タッチパネル56に代えて、あるいはタッチパネル56と共にさらにディスプレイを設けた構成としても良い。
【0023】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、クライアントPC301としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、複数の処理を並行して実行可能なマルチコア又はマルチスレッドタイプであることが好ましい。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0024】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0025】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
補助記憶デバイス53に記憶されるアプリケーションプログラムには、ログイン制御プログラム531、ブラウザプログラムなどが含まれる。ログイン制御プログラム531は、複数の稼働サーバが設けられたクライアントサーバシステムにおいて、クライアントPC301から稼働サーバに対するアクセスを容易にするためのログイン制御機能を実現するプログラムである。ログイン制御プログラム531は、ログイン対象とする(POSに関する各種データの処理対象とする)店舗の一覧(店舗一覧)を表示させるログイン制御ツールの機能を有する。ブラウザプログラムは、ログイン制御プログラム531によって実行される処理内容を表す画面を表示(閲覧)するために使用されるプログラムである。また、補助記憶デバイス53には、ログイン制御プログラム531の実行に伴って使用される関連ファイル532が記憶される。
【0027】
図4は、本実施形態における関連ファイル532の一例を示す図である。関連ファイル532には、例えば起動ファイル61、店舗リストファイル62、サーバIP(internet protocol)リストファイル63が含まれる。
【0028】
起動ファイル61は、ログイン制御プログラム531の実行に伴って使用する(起動させる)ブラウザプログラムが設定され、またエラー発生時に表示させるエラーメッセージ等のデータが設定されている。
【0029】
店舗リストファイル62(配置場所リスト)は、稼働サーバ10にアクセスするクライアントPC301,401(情報処理装置)が配置される店舗(配置場所)の情報が設定されている。店舗リストファイル62には、全ての稼働サーバ10によって管理される全ての店舗についての情報が設定される。従って、店舗リストファイル62は、店舗の廃止あるいは追加、店舗を管理する稼働サーバ(配置サーバ)の変更などがあった場合には更新される。
【0030】
図5は、本実施形態における店舗リストファイル62に設定される情報(項目名)の一例を示す図である。
図5に示す店舗リストファイル62には、複数の店舗毎に、例えば、店番621、店名622、使用オクテット数623、IPアドレス624、配置サーバ番号625が含まれる。
図6は、本実施形態における店舗リストファイル62に設定される情報の具体例を示す図である。
【0031】
店番621と店名622は、店舗毎に決められた固有の場所情報である。例えば、
図6に示す1行目の情報では、店番621「3130」、店名622「店舗3130」であることを表している。
【0032】
使用オクテット数623は、店舗(配置場所)毎に割り当てられたIPアドレス624の使用範囲を示す範囲情報である。すなわち、使用オクテット数623は、稼働サーバに対するアクセス要求があった場合に、クライアントPCの配置場所が店舗リストファイル62に存在するかを判別する際に、店舗のIPアドレスとクライアントPCのIPアドレスとの比較をする対象とする範囲を示す。
【0033】
IPアドレス624は、店舗(配置場所)毎に割り当てられたIPアドレスである。例えば、
図6に示す1行目の情報では、店番621「3130」、店名622「店舗3130」の店舗に対してはIPアドレス624「100.4.1.0」が割り当てられていることを示す。
【0034】
例えば、
図6に示す1行目の情報では、使用オクテット数623は「3」であるので、IPアドレス624「100.4.1.0」のうち「100.4.1」がクライアントPCのIPアドレスとの比較対象とする。クライアントPCのIPアドレスと使用オクテット数623が示す範囲の店舗のIPアドレスが一致する場合には、クライアントPCが一致したIPアドレスが割り当てられた店舗内に設置されていることを示す。また、IPアドレスが一致しない場合には、店舗内に設置されたクライアントPCではない、すなわち本部40に設置されたクライアントPC401であることを示す。
【0035】
店舗リストファイル62に使用オクテット数623を設定可能とすることで、稼働サーバ10にログイン可能とする店舗に設置されるクライアントPCの台数に対応させることができる。例えば、使用オクテット数623「4」とすれば、1台のクライアントPCを特定することができ、使用オクテット数623「2」とすれば、使用オクテット数623「3」とした場合よりも多くの台数のクライアントPCによって稼働サーバ10にログイン可能とすることができる。
【0036】
配置サーバ番号625は、店舗(配置場所)に対応する稼働サーバを示す情報である。すなわち、店舗を管理する稼働サーバを示すもので、
図6に示す1行目の情報では「1」となる。配置サーバ番号625は、サーバIPリストファイル63において稼働サーバ毎に設定された配置サーバ番号631(
図7、
図8に示す)と対応づけられる。
【0037】
図7は、本実施形態におけるサーバIPリストファイル63に設定される情報(項目名)の一例を示す図である。
図7に示すサーバIPリストファイル63には、複数の稼働サーバ毎に、例えば、配置サーバ番号631、IPアドレス632が含まれる。
図8は、本実施形態におけるサーバIPリストファイル63に設定される情報の具体例を示す図である。
【0038】
配置サーバ番号631は、稼働サーバ毎に決められた固有の情報である。配置サーバ番号631は、店舗リストファイル62において店舗毎に設定された配置サーバ番号625(
図5、
図6に示す)と対応づけられる。
【0039】
IPアドレス632は、稼働サーバ10及び集約サーバ20に割り当てられたIPアドレスである。
【0040】
例えば、
図8に示す1行目の情報では、稼働サーバ101に対応する配置サーバ番号631「1」、IPアドレス632「172.29.69.138」が設定されていることを示す。
【0041】
プロセッサ51は、ログイン制御プログラム531を実行することにより、関連ファイル532を利用して、稼働サーバへのログイン制御を実行するための機能を実現する。プロセッサ51により実現される機能には、稼働サーバに対するアクセス要求があった場合に、自装置(クライアントPC)のIPアドレス(配置場所)が店舗リストファイル62(配置場所リスト)に存在するかを判別する判別機能、自装置(クライアントPC)のIPアドレス(配置場所)が店舗リストファイル62に存在すると判別された場合、サーバIPリストファイル63から自装置(クライアントPC)の配置場所(店舗)に対応する稼働サーバを特定してアクセスする第1アクセス機能と、自装置(クライアントPC)の配置場所が店舗リストファイル62に存在しないと判別された場合、サーバIPリストファイル63にIPアドレスが設定された複数の稼働サーバから選択された稼働サーバにアクセスする第2アクセス機能を実現する。
【0042】
第2アクセス機能は、ログイン制御ツールによって、店舗リストファイル62をもとに配置場所一覧(店舗一覧)を表示させ、配置場所一覧から選択された配置場所(店舗)に対応する(店舗を管理する)稼働サーバを特定してアクセスする。
【0043】
時計54は、日付と時刻を計時する。プロセッサ51は、時計54によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0044】
通信インターフェース55は、ネットワーク5を介して接続された他の機器との間でデータ通信を行う。
【0045】
タッチパネル56は、ディスプレイに文字、記号、画像(ボタンを含む)等からなる表示要素を表示可能な表示デバイスである。またタッチパネル56は、ディスプレイに対するタッチ操作位置をセンサで検知し、その位置の表示要素が入力されたものとして処理する入力デバイスでもある。タッチパネル56は、クライアントPC301のオペレータに対して情報を表示し、そのオペレータによる操作入力を受け付ける。
【0046】
キーボード57は、オペレータ等により操作される入力デバイスである。プリンタ58は、クライアントPC301に記憶された各種データを印刷する出力デバイスである。
【0047】
このようなクライアントPC301のハードウェアとしては、例えば既存のパーソナルコンピュータを利用することが可能である。なお、クライアントPC301に接続されるデバイスは、
図4に示すタッチパネル56、キーボード57、及びプリンタ58に限定されるものではない。クライアントPC301の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0048】
次に、本実施形態におけるクライアントPC301,401における、ログイン制御プログラム531に基づく動作について説明する。
図9は、本実施形態におけるログイン制御プログラム531によるログイン制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
各店舗に配置されたクライアントPC301と本部40に配置されたクライアントPC401には、同じ、ログイン制御プログラム531と関連ファイル532が記憶される。すなわち、店舗用と本部用のそれぞれに応じたログイン制御プログラム531と関連ファイル532を用意することなく、店舗に与えられたアクセス権限(店舗権限)と本部に与えられたアクセス権限(本部権限)に応じたログイン制御が実行される。
【0050】
これにより、複数の稼働サーバを設けたシステムにおいて、稼働サーバに対するアクセスを制御するために店舗用と本部用のそれぞれに応じたログイン制御プログラム531と関連ファイル532を作成する必要がないので、稼働サーバに対するアクセスを容易にすることができる。
【0051】
まず、店舗Aに配置されたクライアントPC301による動作例について説明する。
【0052】
クライアントPC301のプロセッサ51は、ログイン制御プログラム531の実行が指示されると、まず関連ファイル532の存在チェックの処理を実行する(Act1)。プロセッサ51は、関連ファイル532に含まれる全部の設定ファイル、すなわち起動ファイル61、店舗リストファイル62、サーバIPリストファイル63が補助記憶デバイス53に存在しているかをチェックする。
【0053】
ここで、全部の設定ファイルが存在していない場合には(Act2、No)、プロセッサ51は、起動ファイル61からエラーメッセージのデータを取得して、タッチパネル56に表示させる(Act4)。
【0054】
図10は、本実施形態におけるエラーメッセージの表示例を示す図である。なお、エラーメッセージは、関連ファイル532の存在チェックの処理において、存在していないと判別されたファイルの種類を通知するエラーメッセージとしても良い。
【0055】
一方、関連ファイル532の存在チェックの処理において、全部の設定ファイルが存在していると判別された場合には(Act2、Yes)、プロセッサ51は、起動ファイル61において設定されたブラウザプログラムを通じて、ログイン制御用の画面として稼働サーバに対するアクセス要求を受け付けるためのアイコン(POSアイコン)を表示させる(Act3)。
【0056】
図11は、本実施形態におけるPOSアイコンの一例を示す図である。ログイン制御用の画面には、
図11に示すような、稼働サーバへの接続用アイコンを1つのみ表示させる。
【0057】
本実施形態におけるログイン制御プログラム531では、複数の稼働サーバによって複数の店舗を管理するシステムを対象としていても、処理対象とする店舗に対応する稼働サーバ毎に複数のログイン用のアイコンを作成する必要がない。従って、クライアントPC301を使用する管理者は、処理の対象とする店舗が何れの稼働サーバで動作しているかを把握している必要がない。また、複数の稼働サーバ毎に用意されたログイン用のアイコンから所望する稼働サーバに対応するアイコンを識別して選択操作をする必要もない。よって、管理者に対する負担を軽減して、稼働サーバに対するアクセスを容易にすることができる。
【0058】
プロセッサ51は、タッチパネル56に表示されたPOSアイコンを選択する操作(クリック操作、あるいはタッチ操作)がある場合(Act5)、すなわち稼働サーバに対するアクセス要求があった場合に、店舗リストファイル62を参照して、各店舗のIPアドレスと自クライアントPCに割り当てられたIPアドレスとを比較する(Act6)。すなわち、プロセッサ51は、自クライアントPCに割り当てられたIPアドレスが店舗リストファイル62に設定された各店舗に割り当てられたIPアドレスとが、使用オクテット数623が示す範囲で一致するかを判別する。
【0059】
例えば、店舗AのクライアントPC301に割り当てられたIPアドレスが「100.4.1.100」である場合、
図6に示す店舗リストファイル62に設定された店番621「3130」、店名622「店舗3130」のIPアドレス「100.4.1.100」の使用オクテット数623「3」が示す範囲「100.4.1」が一致する。
【0060】
プロセッサ51は、店舗リストファイル62に設定されたIPアドレスにクライアントPC301に割り当てられたIPアドレスが存在していると判別された場合(Act7、Yes)、自クライアントPC301が店舗Aに配置されていると判別する。この場合、店舗AのクライアントPC301には、自店舗のPOSに関する各種データに対するアクセス権限(店舗権限)が与えられる。
【0061】
プロセッサ51は、自クライアントPCのIPアドレスと一致すると判別された店舗リストファイル62の情報をもとに、サーバIPリストファイル63から自クライアントPCが配置された店舗に対応する稼働サーバを特定してアクセスする(Act8)。
【0062】
例えば、前述のように、店舗AのクライアントPC301に割り当てられたIPアドレスが、
図6に示す店舗リストファイル62に設定された店番621「3130」のIPアドレスと一致すると判別された場合、店舗リストファイル62に設定された店番621「3130」の配置サーバ番号625「1」をもとに、サーバIPリストファイル63の配置サーバ番号631を検索する。この場合、
図8に示すサーバIPリストファイル63の1行目の情報では、稼働サーバ101に対応する配置サーバ番号631「1」が検索される。
【0063】
配置サーバ番号631に同じ配置サーバ番号がある場合(Act9、Yes)、プロセッサ51は、店舗リストファイル62の配置サーバ番号と一致した配置サーバ番号631に対応するIPアドレス632、すなわち稼働サーバ10のIPアドレスを取得し、該当する稼働サーバ10にアクセスしてログイン画面を表示させる(Act10)。
【0064】
例えば、サーバIPリストファイル63の配置サーバ番号631「1」に対応するIPアドレス632「172.29.69.138」を取得して、店舗Aを管理する稼働サーバ101にアクセスする。
【0065】
クライアントPC301のプロセッサ51は、ログイン画面を表示させた後、ログイン制御プログラム531による処理を終了する。
【0066】
図12は、本実施形態におけるログイン画面の一例を示す図である。ログイン画面では、稼働サーバ10にログインするために必要な、例えば「ユーザID」「パスワード」などを入力するための項目が設けられている。「ユーザID」「パスワード」に対して予め登録済みのデータを入力して「OK」ボタンを選択する操作をすることで、稼働サーバ10において認証されログインすることができる。
【0067】
このように、店舗AのクライアントPC301では、店舗Aの管理者は、POSアイコンを選択する操作をするだけで、店舗に与えられたアクセス権限(店舗権限)のある稼働サーバ101に対してログインすることができる。従って、複数の稼働サーバが設けられたシステムであっても、アクセスが許可されている稼働サーバや、店舗Aが何れの稼働サーバにより管理されているかを把握している必要は無く、稼働サーバに対するアクセスが容易となる。
【0068】
次に、本部40に配置されたクライアントPC401による動作例について説明する。
【0069】
クライアントPC401は、
図9に示すAct1~6については、前述したクライアントPC301と同様の処理を実行するので説明を省略する。
【0070】
本部40に配置されたクライアントPC401の場合、クライアントPC401が店舗に配置されていないので、クライアントPC401のIPアドレスが店舗リストファイル62に存在しないと判別される(Act7、No)。この場合、本部40のクライアントPC401には、全ての店舗のPOSに関する各種データに対するアクセス権限(本部権限)が与えられる。
【0071】
この場合、プロセッサ51は、ログイン制御ツールを起動して、店舗リストファイル62をもとに、タッチパネル56にログイン対象とする(POSに関する各種データの処理対象とする)店舗の一覧を表示させる(Act11)。
【0072】
図13は、本実施形態における店舗一覧の表示例を示す図である。
図13に示す店舗一覧では、店舗リストファイル62に設定された各店舗の店番と店名とを、個別に選択可能に一覧表示する一覧エリア71、アクセス実行を指示するための「接続」ボタン72、処理の終了を指示するための「キャンセル」ボタン73が設けられている。
【0073】
一覧エリア71は、スクロールバーあるいは上下ボタンに対する操作に応じて、店舗一覧の内容をスクロールさせて、店舗リストファイル62に設定された店舗のうち表示対象とする店舗の範囲を変更させることができる。
【0074】
ここで、「キャンセル」ボタン73に対する操作(クリック操作、あるいはタッチ操作)があると(Act12、Yes)、プロセッサ51は、ログイン制御プログラム531による処理を終了する。
【0075】
一方、一覧エリア71において何れかの店舗を選択する操作がされ(選択された店舗を反転表示)、「接続」ボタン72に対する操作(クリック操作、あるいはタッチ操作)があると(Act12、No)、プロセッサ51は、店舗リストファイル62の情報をもとに、一覧エリア71において選択された店舗に対応する稼働サーバを、サーバIPリストファイル63からを特定してアクセスする(Act13)。
【0076】
例えば、一覧エリア71において店番「3160」、店名「店舗3160」の店舗が選択されている場合、プロセッサ51は、
図6に示す店舗リストファイル62に設定された店番621「3160」、店名622「店舗3160」の配置サーバ番号625「2」をもとに、サーバIPリストファイル63の配置サーバ番号631を検索する。この場合、
図8に示すサーバIPリストファイル63の3行目の情報から、稼働サーバ103に対応する配置サーバ番号631「2」が検索される。
【0077】
配置サーバ番号631に同じ配置サーバ番号がある場合(Act9、Yes)、プロセッサ51は、店舗リストファイル62の配置サーバ番号と一致した配置サーバ番号631に対応するIPアドレス632、すなわち稼働サーバ10のIPアドレスを取得し、該当する稼働サーバ10にアクセスしてログイン画面を表示させる(Act10)。
【0078】
例えば、サーバIPリストファイル63の配置サーバ番号631「2」に対応するIPアドレス632「172.29.69.139」を取得して、稼働サーバ102にアクセスする。
【0079】
以下、前述と同様にして、クライアントPC401のプロセッサ51は、ログイン画面を表示させた後、ログイン制御プログラム531による処理を終了する。
【0080】
このように、本部40のクライアントPC401では、本部40の管理者は、POSアイコンを選択する操作をするだけで、本部40に与えられたアクセス権限(本部権限)によって複数の稼働サーバ101に対してログインすることができる。本部権限では、ログイン制御ツールによって表示される店舗の一覧(一覧エリア71)から処理対象とする店舗を選択するだけで、その店舗を管理する稼働サーバ10のログイン画面が表示され。従って、複数の稼働サーバが設けられたシステムであっても、各店舗が何れの稼働サーバにより管理されているかを把握している必要は無く、稼働サーバに対するアクセスが容易となる。
【0081】
なお、本実施形態におけるログイン制御プログラム531は、POSシステムにおいて、店舗の廃止あるいは追加、店舗を管理する稼働サーバ(配置サーバ)の変更などがあった場合であっても、関連ファイル532を更新することで、プログラム自体を変更することなく対応できる。すなわち、POSシステムの構成の変更に応じて、店舗リストファイル62、サーバIPリストファイル63に設定された情報を修正して、店舗及び本部40に配置されたクライアントPCに配布する。
【0082】
配布の方法としては、クライアントPCの管理者がクライアントPCに対して、修正された関連ファイル532を保存するようにしても良いし、ログイン制御プログラム531にファイル更新機能を設けて自動更新するようにしても良い。
【0083】
自動更新する場合には、例えばファイル更新機能によって、本部40にファイル更新を問い合わせ、修正された新規の関連ファイル532がある場合にはダウンロードして、補助記憶デバイス53の所定の保存場所(例えば、ログイン制御プログラム531と同じフォルダ)に記憶させる。
【0084】
なお、前述したクライアントサーバシステムは、POSシステムを管理するための構成例を示しているが、POSシステム以外の複数のサーバを含む他のシステムを対象とすることも可能である。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0087】
5…ネットワーク、10,11,1M…稼働サーバ、20…集約サーバ、30,31,3N…店舗、40…本部、301,401…クライアントPC、302…POSシステム、402…本部POSシステム、51…プロセッサ、52…メインメモリ、53…補助記憶デバイス、54…時計、55…通信インターフェース、56…タッチパネル、57…キーボード、58…プリンタ、59…システム伝送路。