(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008666
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】視力回復装置、電気装置、及び視力回復方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20250109BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111019
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】511266070
【氏名又は名称】株式会社エルシス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【弁理士】
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】日向野 真一
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB23
4C053BB36
4C053JJ04
4C053JJ06
4C053JJ13
4C053JJ24
(57)【要約】
【課題】より効率的に電気信号による視力回復が可能な視力回復装置、電気装置、及び視力回復方法を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る視力回復装置は、直流の電気信号を生成する生成部と、複数の電極を配置した第1電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、第1電極部における複数の電極のそれぞれが電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した第1電極部と異なる第2電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部と、第1電極部の複数の電極、および第1電極部の複数の電極に対応する第2電極部の複数の電極に対して電気信号を伝導させる制御を行う制御部と、第1電極部を眼部周辺の眼部の一端側に配置し、第2電極部を眼部周辺の第1電極部に対向する他端側に配置する配置する配置部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体における眼部の周辺から外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに直流の電気信号を伝導する視力回復装置であって、
前記電気信号を生成する生成部と、
複数の電極を配置した第1電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
前記第1電極部における複数の電極のそれぞれが前記電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した前記第1電極部と異なる第2電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部と、
前記第1電極部の複数の電極、および前記第1電極部の前記複数の電極に対応する前記第2電極部の前記複数の電極に対して前記電気信号を伝導させる制御を行う制御部と、
前記第1電極部を前記眼部周辺の前記眼部の一端側に配置し、前記第2電極部を前記眼部周辺の前記第1電極部に対向する他端側に配置する配置部と、
を備える視力回復装置。
【請求項2】
前記配置部は、アイマスクであり、遮光性を有する、請求項1に記載の視力回復装置。
【請求項3】
前記第1電極部の前記複数の電極は正極と負極とが配置されており、
前記第2電極部の前記複数の電極は、前記第1電極部の正極と対になる負極、前記第1電極部の負極と対になる正極が配置されており、
前記制御部は、前記第1電極部の前記複数の電極、および前記第1電極部の前記複数の電極に対応する前記第2電極部の前記複数の電極に対して所定順に前記電気信号を伝導させる制御を行う、請求項1に記載の視力回復装置。
【請求項4】
前記電気信号は、周波数が異なる複数の信号を加算することにより構成されており、前記複数の信号は、8へルツ、10ヘルツ、及び13ヘルツの信号の組み合わせ、13へルツ、16ヘルツ、及び18ヘルツの信号の組み合わせ、の少なくともいずれかである、請求項3に記載の視力回復装置。
【請求項5】
前記第1電極部、及び前記第2電極部のそれぞれが有する電極は、
絶縁材にて形成された基材と、前記基材内に形成された電極取付孔と、前記電極取付孔内に収容された電極部とを有し、
前記電極部は、前記基材の一端側から突出して配置される接触電極部と、前記接触電極部と一体的に形成され前記接触電極部を軸方向に付勢する弾性部とを有し、前記接触電極部が、前記電極取付孔内に出没可能に設けられている、請求項4に記載の視力回復装置。
【請求項6】
更に、複数の電極を配置した第3電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第3電極部と、
前記第3電極部における複数の前記電極のそれぞれが前記電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した前記第3電極部と異なる第4電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第4電極部と、を備え、
前記配置部は、前記第3電極部を前記眼部周辺の前記第1電極部と異なる前記眼部の一端側に配置し、前記第4電極部を前記眼部周辺の前記第3電極部に対向する他端側に配置し、
前記制御部は、前記第3電極部の複数の前記電極、および前記第3電極部の前記複数の前記電極に対応する前記第4電極部の複数の前記電極に対して前記電気信号を所定順に伝導させる、
請求項5に記載の視力回復装置。
【請求項7】
前記第1電極部及び前記第2電極部は、前記眼部の外直筋、内直筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかを電気刺激する位置に配置され、前記第3電極部及び前記第4電極部は、前記眼部の上直筋、下直筋、上斜筋、下斜筋、及び毛様体の少なくともいずれかを電気刺激する位置に配置される、請求項6に記載の視力回復装置。
【請求項8】
前記第1乃至第4電極部は、それぞれ左右眼に配置され、
前記第1乃至第4電極部は、前記配置部の所定線に対して線対称に配置される、請求項6又は7に記載の視力回復装置。
【請求項9】
被検体における眼部の周辺から外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに直流の電気信号を伝導する電気装置であって、
前記電気信号を生成する生成部と、
複数の電極を配置した第1電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
前記第1電極部における前記複数の電極のそれぞれが前記電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した前記第1電極部と異なる第2電極部であって、前記被検体の皮膚表面に配置され、前記被検体に前記電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部と、
前記眼部を加熱するヒータ部と、
前記第1電極部の前記複数の電極、および前記第1電極部の前記複数の電極に対応する前記第2電極部の複数の電極に対して前記電気信号を伝導させる制御を行う制御部と、
前記第1電極部を前記眼部周辺の前記眼部の一端側に配置し、前記第2電極部を前記眼部周辺の前記第1電極部に対向する他端側に配置し、前記ヒータ部を更に配置するアイマスク形状の配置部と、
を備える電気装置。
【請求項10】
複数の電極を配置した第1電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体の眼部の外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
第1電極部における複数の電極のそれぞれが電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した第1電極部と異なる第2電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体の眼部の外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部とに電気信号を伝導し、被検体の視力を回復する視力回復方法であって、
生成部が、電気信号を生成する工程と、
制御部が、第1電極部の複数の電極、および第1電極部の複数の電極に対応する第2電極部の複数の電極に対して所定順に電気信号を伝導させる制御を行う工程と、
を備える視力回復方法。
【請求項11】
前記眼部を加熱するヒータ部により前記眼部を温める工程を更に備え、
前記電気信号を伝導させる制御を行う工程と前記眼部を温める工程とを同時に実行する、請求項10に記載の視力回復方法。
【請求項12】
前記眼部を加熱するヒータ部により前記眼部を温める工程を更に備え、
前記電気信号を伝導させる制御を行う工程と前記眼部を温める工程とを時系列に実行する、請求項10に記載の視力回復方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、視力回復装置、電気装置、及び視力回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人体局所の疼痛発生部に対し電気刺激を与え、人体の慢性化した軟部組織損傷や運動器の疲労性炎症によって起こる疼痛の消退、軽減を図る機器として電気治療器が知られている(特許文献1-4参照)。このような電気治療器では、人体表面(一般に皮膚)に正極・負極の電極を貼付し、それらの間にコントローラから低周波電流を供給することにより、人体に対し経皮的に電気刺激を付与し治療を行う。電極間には微弱な低周波電流が流れ、電気刺激を受けた体内には、電気的な緊張によって電気麻酔作用が生じ、これにより、電極間の筋肉が弛緩して血行が改善され、新陳代謝が活発化し、患部のコリや痛みが緩和される。
【0003】
一方で、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機等の近見作業の増加により、目の疲労、視力低下が社会問題となっている。長時間の近見作業は眼の筋肉を緊張させ疲労さる。一般に、眼の筋肉に疲労が蓄積すると凝りが発生し近視化が進むと言われている。そこで、眼の筋肉を弛緩して血行を良くするため、蒸しタオルなどで眼を暖め、眼精疲労を取るとともに、ストレスの解消のためにアイマスクなどを着用し、リラックス効果を得ることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4908163号公報
【特許文献2】特許第6525245号公報
【特許文献3】特許第6495516号公報
【特許文献4】特許第7236731号公報
【特許文献5】特開2002-253631号公報
【特許文献6】特許第6820046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の視力回復装置は、眼部を瞼の上から振動等でマッサージをしたり、眼部の周辺に圧を加えたりして、物理的な力作用を用いたマッサージが主となっている。このため、眼部の上直筋、下直筋、外直筋、上斜筋、内直筋、上斜筋を懸垂する滑車、毛様体筋などをより効率的に弛緩させることは困難となる恐れがある。また、これらの視力回復装置は、使用者が自身の手で持つことが必要となってしまい、睡眠状態にはいるなどのリラックス効果を得ることは困難となってしまう。
【0006】
本発明の目的は、より効率的に電気信号による視力回復が可能な視力回復装置、電気装置、及び視力回復方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る視力回復装置は、
被検体における眼部の周辺から外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに直流の電気信号を伝導する視力回復装置であって、
直流の電気信号を生成する生成部と、
複数の電極を配置した第1電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
第1電極部における複数の電極のそれぞれが電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した第1電極部と異なる第2電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部と、
第1電極部の複数の電極、および第1電極部の複数の電極に対応する第2電極部の複数の電極に対して電気信号を伝導させる制御を行う制御部と、
第1電極部を眼部周辺の眼部の一端側に配置し、第2電極部を眼部周辺の第1電極部に対向する他端側に配置する配置部と、
を備える。
【0008】
本実施形態に係る電気装置は、
被検体における眼部の周辺から外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに直流の電気信号を伝導する電気装置であって、
直流の電気信号を生成する生成部と、
複数の電極を配置した第1電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
第1電極部における複数の電極のそれぞれが電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した第1電極部と異なる第2電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部と、
眼部を加熱するヒータシートと、
第1電極部の複数の電極、および第1電極部の複数の電極に対応する第2電極部の複数の電極に対して電気信号を伝導させる制御を行う制御部と、
第1電極部を眼部周辺の眼部の一端側に配置し、第2電極部を眼部周辺の第1電極部に対向する他端側に配置し、ヒータシートを更に配置するアイマスク形状の配置部と、
を備える。
【0009】
本実施形態に係る視力回復方法は、
複数の電極を配置した第1電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体の眼部の外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を非侵襲に伝導する第1電極部と、
第1電極部における複数の電極のそれぞれが電気信号を伝導させる対象となる複数の電極を配置した第1電極部と異なる第2電極部であって、被検体の皮膚表面に配置され、被検体の眼部の外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を非侵襲に伝導する第2電極部とに電気信号を伝導し、被検体の視力を回復する視力回復方法であって、
生成部が、電気信号を生成する工程と、
制御部が、第1電極部の複数の電極、および第1電極部の複数の電極に対応する第2電極部の複数の電極に対して所定順に電気信号を伝導させる制御を行う工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態によれば、より効率的に電気信号による視力回復が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る電気装置の全体構成を示す図。
【
図3】第1~第n変調回路が生成する信号波形の一例を示す図。
【
図10】毛様体筋、及び眼の動きに関する筋肉例を模式的に示す図。
【
図12】タッチパネルに表示される選択ボタン例を示す図。
【
図13】スイッチング素子に供給されるパルス信号の例を示す図。
【
図14】タッチパネルに表示される操作部の構成例を模式的に示す図。
【
図16】制御回路の制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図17】第2実施形態に係る電気装置の構成例を示すブロック図。
【
図20】配置部に、電気信号生成部と蓄電部と操作部が配置された例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る視力回復装置、電気装置、及び視力回復方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、
図1に基づき、本実施形態に係る電気装置10の全体構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電気装置10の全体構成を示す図である。この
図1に示すように、電気装置10は、例えば視力回復装置であり、電極により非侵襲に電気信号を被検体に伝導する視力回復用の治療器である。すなわち、電気装置(視力回復装置)10は、電気信号生成回路20と、配置部30とを備える。
【0014】
電気信号生成回路20は、配置部30に配置される電極に供給される電気信号を生成する回路である、すなわち、電気信号生成回路20は、生成回路100と、切替回路150と、第1電極部200aと、第2電極部200bと、ON/OFF回路300と、タイマー400と、記憶回路500と、入力回路600と、タッチパネル650と、制御回路700と、配置部30とを、備えて構成されている。また、各回路100、150、400、500、600、650、700はバス1aを介して制御信号を入出力している。
【0015】
配置部30は、電極部200a、200bを配置し、被検体の表面に接触させる。例えば、配置部30は、アイマスクである。すなわち、アイマスクは、目の部分を覆うことが可能である。配置部30は、例えば被検者に接する肌側は、不織布で構成され、材質はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどである。また、配置部30は、例えば遮光布を有し、光を遮断して目を休ませることも可能に構成される。これにより、配置部30は、電極部200a、200bへの通電を停止した際にも、リラックス効果を得ることが可能である。なお、本実施形態に係る配置部30は、アイマスクであるが、これに限定されない。例えば、配置部30は、目の部分を開口部として構成し、電極部200a、200bなどを配置してもよい。
【0016】
配置部30は、被検体が座位などの場合には、耳への耳掛け紐により被検体に取り付け可能である。耳掛け紐は、例えば平ゴムである。また、仰向け位などの場合には、配置部30で被検体の眼部を覆い、更に押し圧用の布で押さえて、被検体に取り付け可能である。
【0017】
生成回路100は、周波数の異なる複数の信号により構成される電気信号を生成する回路である。生成回路100の詳細は後述する。なお、本実施形態に係る生成回路100が生成部に対応する。
【0018】
切替回路150は、正極側の複数のスイッチング素子150aと、負極側の複数のスイッチング素子150bと、を有している。スイッチング素子150a、150bは例えば半導体スイッチング素子であり、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)を使用したIGBT、MOSFETなどである。切替回路150の正極側の複数のスイッチング素子150aは、増幅変調回路106の正極の端子108に接続され、負極側の複数のスイッチング素子150bは、増幅変調回路106の負極の端子110に接続されている。切替回路150は、制御回路700から入力された切替信号に従い、複数のスイッチング素子150a、150bの中から導電状態にするスイッチング素子150a、150bの組み合わせを切り換える。なお、本実施形態に係る切替回路150が切替部に対応する。なお、電極の配置によれば、電極間の電気信号の干渉が生じない場合があり、このような場合には、スイッチング素子150a、150bの組み合わせを切り換えなくともよい。
【0019】
制御回路700は、例えば、切替信号がハイレベルのときに、複数のスイッチング素子150a、及び複数のスイッチング素子150bのなかの目的とするスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bを導通状態とし、切替信号がロウレベルのときに、非導通状態とする。これにより、制御回路700は、複数のスイッチング素子150a、及び複数のスイッチング素子150bのなかの目的とするスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bを周期的に導通状態、及び非導通状態を繰り返さすことができる。
【0020】
また、制御回路700は、複数のスイッチング素子150a、及び複数のスイッチング素子150bのなかの目的とするA群のスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bと、A群と異なるB群のスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bとのハイレベル信号の期間とロウレベルの期間を反転させることも可能である。つまり、A群のスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bを導通状態としている期間に、B群のスイッチング素子150a、及びスイッチング素子150bを非導通状態とする制御を実行可能である。
【0021】
第1電極部200aは、例えば先端部が突出した複数の正極の電極202aと、先端部が突出した複数の負極の電極204aとを例えば2次元状に配置した電極部である。第1電極部200aは、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する。複数の電極202a、204aは正極の電極202aと負極の電極204aとが例えば交互に配置されている。なお、本実施形態に係る正極の電極202aと負極の電極204aとは交互に配置されているが、これに限定されず、例えば正極の電極202aを3個連続させ、その後負極の電極204aを3個連続させるような配置でもよい。或いは、正極の電極202aを5個連続させ、その後負極の電極204aを2個連続させるような配置でもよい。なお、本実施形態に係る電極202a、b、204a、bは、先端部を突出させているが、これに限定されない。電極202a、b、204a、bは、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する形態であればよい。
【0022】
第2電極部200bは、第1電極部200aと同等の構成であり、例えば先端部が突出した複数の負極の電極202bと、先端部が突出した複数の正極の電極204bとを2次元状に配置した電極部である。第2電極部200bは、被検体の皮膚表面に配置され、被検体に電気信号を非侵襲に伝導する。第2電極部200bの複数の電極は、第1電極部200aの正極の電極202aと対になる負極の電極202b、第1電極部200aの負極の電極204aと対になる正極の電極204b、が交互に配置されている。電極202a、202b、204a、204bの詳細な構成は後述する。
【0023】
なお、
図1では、説明を簡単にするために、第1電極部200aと、第2電極部200bとを2つとしているがこれに限定されない。例えば後述するように、電極部は、4つでもよく、或いは6以上であってよい。すなわち、目的とする電気治療に応じて電極部の数は構成される。同様に、目的とする電気治療に応じて電極部の数及び構成される電極202a、202bの数を変更可能である。
【0024】
ON/OFF回路300は、生成回路100の電源回路102をON/OFFする。例えば、電源回路102のON/OFFは、押しボタン形式のON/OFFスイッチ(後述する
図14参照)で行われ、ボタンが押し下げられる(押し圧が加えられる)と電源回路102はONになる。一方で、再度ボタンを押し(押し圧が加えられ)、ボタンが押し上げられると電源回路102はOFFになる。
【0025】
タイマー400は、電気信号の通電時間を設定する。タイマー400は、タイマー用ボタン(後述する
図14参照)を有しており、タイマー400の通電時間の設定は、タイマー用ボタンにより行われる。タイマー用ボタンで設定された時間に従い、制御回路700により電気信号の通電時間が制御される。例えば、タイマー用ボタンにより30分が設定されている場合、制御回路700は、通電時間が30分に達した時点で電気信号を遮断する。
【0026】
記憶回路500は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、読み取り可能な記録媒体を含んで構成される。この記憶回路500は、識別情報に対応させて電気信号を生成するための信号パラメータ、第1電極部200a、及び第2電極部200bが伝導する電気信号のパラメータ、及び電極の種類を示す電極タイプパラメータを記憶している。また、記憶回路500は、制御回路700にて行われる各処理機能をコンピュータによって実行可能なプログラム形態で、記憶している。記憶回路500に記憶される情報の詳細も後述する。
【0027】
入力回路600は、電気装置10を操作するための情報を入力する回路である。入力回路600は、信号選択回路602と、調整回路604と、位置選択回路606と、開始回路608とを、有している。
【0028】
信号選択回路602は、予め用意されている複数種類の信号パラメータの中から使用する信号パラメータを選択する。すなわち、この信号選択回路602は、電気信号の特性を選択する。後述するように、信号パラメータを識別する識別情報が、複数の治療方法(視力回復(1)、視力回復(2)など)、それぞれに関連付けられている。このように、治療方法の中から対象となる治療方法を選択することで、複数種類の電気信号の中から治療に用いる電気信号の設定が選択されるので、操作者にとっては操作が簡便になる。
【0029】
調整回路604は、操作者の操作に従い、増幅変調回路106が生成する周波数が異なる複数の信号のそれぞれの振幅を調整する回路である。これにより、操作者は、調整回路604により、増幅変調回路106が生成する電気信号の特性を調整できる。位置選択回路606は、予め用意されている複数種類の信号パラメータに応じて、使用する電極部を選択する。開始回路608は、電気信号の通電を開始する。開始回路608は、開始用ボタン(後述する
図14参照)を有しており、第1電極部200a、及び第2電極部200bへの通電の開始は、開始用ボタンを押し下げることにより行われる。
【0030】
タッチパネル650は、位置選択回路606で選択された電極部を示す画像を表示する。また、操作者によるタッチ操作が可能であり、タッチ操作に応じた制御情報を制御回路700に出力する。なお、本実施形態における治療方法は、眼部の血行を改善し、筋肉疲労、筋肉の凝りを低減させる治療方法であるが、これに限定されない。例えば、治療器としては、電極部の配置及び構成を変えることにより、対象部位は、特に限定されないが、心臓、腎臓、膵臓、気管支、脚部、頭部、一般部位などの治療にも対応可能である。
【0031】
制御回路700は、プロセッサを含んで構成され、電気装置10内の各回路を制御する。より具体的には、制御回路700には、選択された治療方法に対応する識別情報番号(後述の
図11)に示す信号パラメータが信号選択回路602により記憶回路500から選択され、制御回路700に出力される。同様に、制御回路700には、選択された治療方法(後述の
図11)に対応する識別情報番号に示す電極パラメータ、強度パラメータ及び、信号周波数パラメータが位置選択回路606により記憶回路500から選択され、制御回路700に出力される。次に、制御回路700は、これらのパラメータに基づく電気信号を増幅変調回路106に生成させる制御と、第1電極部200a及び第2電極部200bの電極202a、202b、204a、204bを順に導通状態にする制御を行う。すなわち、この制御回路700は、切替回路150を制御することで、電気信号を導通させる電極202a、202b、204a、204bを変更する。また、制御回路700は、調整回路604から入力される信号に応じて、増幅変調回路106の制御を行う。
【0032】
ここで、生成回路100の詳細な構成を説明する。生成回路100は、電源回路102と、発振回路104と、増幅変調回路106とを、備えて構成されている。なお、本実施形態に係る生成回路100が生成部に対応する。
【0033】
電源回路102は、外部電源から入力された電力を発振回路104、増幅変調回路106、切替回路150、タイマー400、記憶回路500、入力回路600、及び制御回路700、などに供給する回路である。電源回路102は、例えばAC―DC変換器であり、商用の交流電力を直流電力に変換する。
【0034】
発振回路104は、例えば正弦波の搬送波を発生する回路である。この発振回路104は、増幅変調回路106に接続され、発生させた搬送波を増幅変調回路106に供給する。
【0035】
増幅変調回路106は、制御回路700から入力された強度値を示す信号に従い、発振回路104から入力された搬送波を変調し、周波数が異なる複数の信号を生成して、複数の信号を増幅するとともに、加算する回路である。本実施形態において、増幅変調回路106が生成する信号は、例えば、信号の値がプラスの範囲で周期的に変動する台形状のパルス波である。なお、増幅変調回路106が生成する信号は、台形状のパルス波に限定されず、信号の値がプラスの範囲で周期的に変動する信号であればよい。増幅変調回路106が生成する信号は、例えば、所定の周期で振幅が変動する三角波、鋸波、矩形波、円形波、サイン波などでもよい。この増幅変調回路106が生成した電気信号は、端子108、110に供給される。
【0036】
本実施形態で用いる強度値は、増幅変調回路106で生成される信号の振幅の二乗を意味し、電気信号を生成するためのパラメータとして用いられる。このパラメータの値は、上述のように、制御回路700から増幅変調回路106に強度値を示す信号として入力される。例えば、周波数が13Hzの信号に対するパラメータの値が1.5であり、周波数が16Hzの信号に対するパラメータの値が2.5であり、周波数が18Hzの信号に対するパラメータの値が1.5であり、他の周波数の信号に対するパラメータの値が0である場合、増幅変調回路106は、周波数が13Hzであり振幅がSQURT(1.5)の信号と、周波数が16Hzであり振幅がSQURT(2.5)の信号と、周波数が18Hzであり振幅がSQURT(1.5)の信号とを生成し、生成したこれらの信号を加算する。
【0037】
この様に、増幅変調回路106は、制御回路700から入力されたパラメータの値に従い、電気信号を生成する。これから分かるように、制御回路700は、増幅変調回路106に入力するパラメータの値を変更することで、増幅変調回路106が生成する電気信号の特性を変更する。なお、本実施形態では、離散的に周波数が異なる複数の信号により構成される電気信号を説明するが、連続的に周波数が異なる複数の信号により構成される電気信号を用いてもよい。
【0038】
次に、
図2に基づき、本実施形態における増幅変調回路106の構成例をより詳細に説明する。
図2は、増幅変調回路106の構成の一例を示す図であり、この
図2に示すように、増幅変調回路106は、第1~第n増幅変調回路1061~106nと、加算回路107とを備えて構成されている。第1~第n増幅変調回路1061~106nは、発振回路104に、それぞれが並列に接続されており、入力された搬送波をそれぞれ変調し、パルス波を生成する。ここでは、例えばn=11であり、第1~第n増幅変調回路1061~106nのそれぞれは1、3、5、8、10、11、12、13、16、18、19Hzに対応している。これにより、例えば第1増幅変調回路1061は、制御回路700から入力された1Hzに対応する強度値に応じて、1Hzの信号を生成する。同様に、例えば第2増幅変調回路1062は、制御回路700から入力された3Hzに対応する強度値に応じて、3Hzの信号を生成する。同様に、例えば第3増幅変調回路1063は、制御回路700から入力された5Hzに対応する強度値に応じて、5Hzの信号を生成する。同様に、例えば第11増幅変調回路10611は、制御回路700から入力された19Hzに対応する強度値に応じて、19Hzの信号を生成する。
【0039】
加算回路107は、第1~第n増幅変調回路1061~106nが生成した信号を加算する。この加算回路107は、加算した信号を端子108、110(
図1)に供給する。
【0040】
図3は、第1~第n増幅変調回路1061~106nが生成する信号波形の一例を示す図である。この
図3に示すように、第1~第n増幅変調回路1061~106nが生成する信号の一例は、台形状のパルス波である。ここでのパルス波は、OFF時間が例えば50~70マイクロ秒(μSEC)と短く、OFF時間がON時間に対し1/10~1/7程度となっている。振幅は、例えば0~70Vの範囲であり、制御回路700から入力される強度値に応じて変更される。上述のように振幅の二乗が強度値である。なお、ON/OFFの比率は周波数によって変化するが、OFF時間は極力短く概ね上記範囲に設定される。また、第1~第n増幅変調回路1061~106nが生成する信号にオフセット電圧を加えてもよい。
【0041】
ここで、
図4乃至
図6に基づき第1電極部200a、第2電極部200b、第3電極部200c、及び第4電極部200dの詳細な構成例を説明する。なお、第3電極部200cは、第1電極部200aと同等の構成であり、第4電極部200dは、第2電極部200bと同等の構成である。このため、第1電極部200a、及び第2電極部200bの説明をし、第3電極部200c、及び第4電極部200dの説明を省略する場合がある。例えば、切替回路150には、第3電極部200c、及び第4電極部200d用のスイッチング素子150a、150b(
図1参照)も構成される。同様に、右眼用の電極部200a、b、c、dを有する場合には、切替回路150には、右眼用の電極部200a、b、c、dが接続されるスイッチング素子150a、150b(
図1参照)も構成される。同様に左眼用の電極部200a、b、c、dを有する場合には、切替回路150には、左眼用の電極部200a、b、c、dが接続されるスイッチング素子150a、150b(
図1参照)も構成される。
【0042】
図4は、電極部の構成例を模式的に示す図である。配置部30は、電極配置シート800を有する。電極配置シート800には、左右眼を治療する場合には、例えば8つの電極部200a、b、c、dが配置される。右眼用の4つの電極部200a、b、c、dと、左眼用の4つの電極部200a、b、c、dとは、配置部30の中心線L100に対して、例えば線対称となるように配置される。
【0043】
電極配置シート800の例えば肌側は、不織布で構成され、材質はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどである。第1電極部200a及び第2電極部200bは、それぞれが複数の電極を有し、電気信号を授受する。第1電極部200aは、顔f100の中心側、すなわち、目頭側に配置される。一方で、第2電極部200bは、顔f100の外側、すなわち、目尻側に配置される。なお、本実施形態では、電極部200a、電極部200b、電極部200c、電極部200dは、複数の電極を有する例であるが、これに限定されない。例えば、電極部200a、電極部200b、電極部200c、電極部200dは、単一の電極を有するように、構成してもよい。
【0044】
第3電極部200c及び第4電極部200dは、第1電極部200a及び第2電極部200bと、同等の構成である。右目側に配置される第3電極部200c及び第4電極部200dは、例えば、第1電極部200a及び第2電極部200bの中心点を軸に右側に90度回転させた配置となる。すなわち、第3電極部200cが第1電極部200aに対応し、第4電極部200dが第2電極部200bに対応する。左目側に配置される第3電極部200c及び第4電極部200dは、例えば、第1電極部200a及び第2電極部200bの中心点を軸に左側に90度回転させた配置となる。すなわち、第3電極部200cが第1電極部200aに対応し、第4電極部200dが第2電極部200bに対応する。なお、これらの配置例は一例であり、これらの配置に限定されない。例えば、電極部は、片眼だけに配置してもよい。
【0045】
図5は、電極部の電極の極性を模式的に示す図である。信号線SLは、電気信号が流れる電極の組を模式的に示している。第1電極部200a及び第2電極部200bの対応するプラス(+)側の電極と、マイナス(―)側の電極と、の間で電気信号が授受される。電気信号は干渉しないように、所定順に出力される。例えば、第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と、第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間での電気信号の授受を実行する場合には、第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と、第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間での電気信号の授受を停止する。逆に、第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と、第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間での電気信号の授受を実行する場合には、第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と、第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間での電気信号の授受を停止する。このように、各電極の電気信号は干渉しないように、電気信号の授受を行うタイミングが周期的に繰り返されるように制御される。
【0046】
また、
図4及び
図5に示すように、配置部30の中心線L100で、左右眼用の電極部200a、b、c、dを線対称に配置することにより、左右眼の電気信号の干渉が抑制される。例えば右眼における第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間、及び、左眼における第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と、第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間での電気信号の授受は、同時に行っても電気信号の干渉が抑制される。このとき、右眼における第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間、及び、左眼における第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と、第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間での電気信号の授受は、停止される。
【0047】
一方で、例えば右眼における第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間、及び、左眼における第1電極部200aの中央内側のマイナス(-)で示した電極と、第2電極部200bの外側のプラス(+)で示した電極との間での電気信号の授受は、同時に行っても電気信号の干渉が抑制される。このとき、右眼における第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間、及び、左眼における第1電極部200aの中央内側のプラス(+)で示した電極と、第2電極部200bの外側のマイナス(-)で示した電極との間での電気信号の授受は、停止される。
【0048】
図6は、電極の具体的な配置例を示す図である。
図6(a)は、第1電極部200aを示し、
図6(b)は、第2電極部200bを示す図である。第1電極部200aは、2次元状のシートとして構成される。2次元状のシートは、例えば縦10ミリメートル、横20ミリメートルの四角形状の形状である。例えばシート材は、低硬度のシリコンゴムなどで構成される。
【0049】
このシート材の第1電極部200aには、眼から遠い側に、3つのプラス側(+)の電極204a(
図1参照)が列状に5ミリメートル間隔で配置され、眼から近い側に、2つのマイナス側(-)の電極202a(
図1参照)が列状に5ミリメートル間隔で配置される。
【0050】
一方で、第2電極部200bには、眼から遠い側に、2つのプラス側(+)の電極202b(
図1参照)が列状に5ミリメートル間隔で配置され、眼から近い側に、3つのマイナス側(-)の電極204b(
図1参照)が列状に5ミリメートル間隔で配置される。このような配置により、対応する電極間の距離を均等化することが可能となる。
【0051】
また、シート材には、人間が装着時に異物感を感じない材質を用いることが可能である。例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの材質の不織布を基材表面に構成することも可能である。電極202、204の構成も、以下に説明するように、人間が違和感を感ないように、感圧を抑制するように構成される。これにより、配置部30を付けた被検者が、異物感を感じないようにすることができる。
【0052】
図7は、電極202、204の構成例を示す図である。
図7に示すように電極202、204は、同等形状であり、合成樹脂等の絶縁材にて形成された絶縁基材2内に、ステンレス製の点電極部3を配置した構成となっている。絶縁基材2は、底面部19の直径が5mm程度の略半球状に形成されており、高さは約4mm程度となっている。絶縁基材2の中央部には、電極取付孔4が
図2において上下方向に貫通形成されている。電極取付孔4は、直径約1mm程度に形成されており、その中には、点電極部3が収容される。なお、
図4においては、電極202、204の構成を明確に示すため、線材の太さやコイル径等を実際よりも大きく誇張して示している。
【0053】
電極202、204では、点電極部3として、人体と接触する接触電極部11と、コイル状のバネ部(弾性部)12とから構成された弾性電極が使用されている。点電極部3には直径0.08mmのステンレス鋼線材が使用されており、接触電極部11とバネ部12は一体に連続形成されている。接触電極部11は直径0.8mmの半円状に形成され、バネ部12の上端部の上に立設されている。バネ部12は、直径0.8mmに形成されたコイルばねとなっており、電極取付孔4内に収容配置される。
【0054】
接触電極部11は、半径0.4mmの半円部14と、半円部14の一端側(バネ部12とは反対側の端部)を接線方向に延伸させた延伸係合部15を備えている。半円部14は、引張ばねのフック状となっており、線材をコイル上端部から上方に立ち上げた形となっている。延伸係合部15は、半円部14の一端から、コイル上端部の内側まで延在しており、バネ部12の内周部と接触し係合している。接触電極部11は、半円部14の部分が絶縁基材2の頂部17から0.9mm突出し、延伸係合部15がコイル内周部16に接触しつつ電極取付孔4内まで延伸した状態で配置される。このように、電極202、204では、人体と接触する半円部14の接触電極部11と、コイル状のバネ部(弾性部)12とから構成された弾性電極が使用されるので、被検者との接触部での不快感が生じることが抑制される。
【0055】
なお、電極202、204の構成、及び配置例はこれらに限定されない。例えば、以下の
図8、
図9のような配置でも視力回復効果があることが臨床試験で分かっている。
【0056】
図8は、第2形態での電極部の構成例を示す図である。
図8に示すように、電極部200a、b、c、dを例えば4ミリメートル間隔の3つの電極202、204で構成してもよい。すなわち、
図6の第1電極部200aの202aを除き、第2電極部200bの202bを除き、204aを3個連続させ、204bを3個連続させ、第1電極部200a、第2電極部200bの電極間は、電極中心から4ミリメートルの間隔で配置されている電極部の構成を有する。
【0057】
図9は、第3形態での電極部の構成例を示す図である。
図9に示すように、電極部200a、b、c、dを例えば4ミリメートル間隔の5つの電極202、204で構成してもよい。
【0058】
図10は、毛様体筋、及び眼の動きに関する筋肉例を模式的に示す図である。眼には、イラストのように眼球1個につき、上斜筋と下斜筋、上直筋と下直筋、外直筋と内直筋の3対、計6つの外眼筋がついている。また、眼球は、前面に角膜を有し、その後方に水晶体、ガラス体、網膜等を有した構造となっている。眼球運動は、外眼筋と、水晶体の厚みを調節する毛様体筋によりコントロールされている。一般に外眼筋、及び毛様体筋が疲労すると、視力の低下につながることが知られている。
【0059】
つまり、これらの毛様体筋、外眼筋の疲れが眼精疲労に主として関係している。また上斜筋や上斜筋を懸垂する滑車に対して外部から適度な刺激を与えることで、緊張した状態の筋肉が緩和し、楕円形となった眼球を真円に近い状態に戻すことができ、その結果、軸性近視であっても視力の回復効果があると言われている(特許文献6参照)。同様に、疲労した毛様体筋を弛緩することで水晶体の厚みの調整がスムーズになり、視力の回復効果が得られる。
【0060】
このように、電極部200a、b、c、dは、被検体における眼部の周辺から外眼筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を伝導する。より詳細には、第1電極部200a及び第2電極部200bは、眼部の外直筋、内直筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかを電気刺激する位置に配置され、第3電極部200c及び第4電極部200dは、眼部の上直筋、下直筋、上斜筋、下斜筋、及び毛様体筋の少なくともいずれかを電気刺激する位置に配置される。
【0061】
図11は、本実施形態で用いる強度値の例を示す図である。例えば、眼の視力回復には、例えば視力回復(1)として、周波数が8Hz、10Hz、13Hzの信号が用いられる。また、視力回復(2)として、周波数が13Hz、16Hz、18Hzの信号が用いられる。これらの信号は、発明者の数十年にわたる治療経験をベースに、後述する臨床試験により定められている。これらの信号の組み合わせ情報は、それぞれ視力回復(1)を示す情報、視力回復(2)を示す情報に関連づけられて、記憶回路500に記憶される。視力回復(1)で示す周波数の組み合わせの電気信号の印加は、毛様体筋に分布する血管や外眼筋に分布する血管を弛緩(血行改善)するため、視力の回復には、治験上、最も適した組合せと考えられている。一方で、視力回復(2)で示す周波数の組み合わせの電気信号の印加は、眼精疲労で瞳孔散大筋の収縮がスムーズでなく、光の調整がうまくいかないため視力が低下した場合に有効であると考えられている。すなわち、瞳孔散大筋を収縮させることで、瞳孔散大筋の働きがスムーズになり、光の調整が良くなり視力が改善すると考えられる。
【0062】
図12は、タッチパネル650に表示される選択ボタン例を示す図である。タッチパネル650の画像生成部は、タッチパネル650に表示する画像を生成する。より具体的には、タッチパネル650の画像生成部は、ボタン650a、bの画像を生成する。ボタン650aは、視力回復(1)を示す情報である。ボタン650bは、視力回復(2)を示す情報である。
【0063】
すなわち、制御回路700(
図1参照)は、ボタン650a(視力回復(1))、ボタン650b(視力回復(2))は、押し圧を加えられると選択される。ボタン650a(視力回復(1))、ボタン650b(視力回復(2))のいずれかが選択される。制御回路700は、ボタン650aが選択されると、視力回復(1)の識別情報報に基づき、記憶回路700に記憶される周波数の情報を用いて、増幅変調回路106(
図1参照)に信号生成の制御を実行する。同様に、制御回路700は、ボタン650bが選択されると、視力回復(2)の識別情報報に基づき、記憶回路700に記憶される周波数の情報を用いて、増幅変調回路106(
図1参照)に信号生成の制御を実行する。
【0064】
より具体的には、画像650a(視力回復(1))が選択されると、増幅変調回路106(
図1参照)は、制御回路700の制御下で、周波数が8Hzであり振幅が1の信号と、周波数が10Hzであり振幅が1の信号と、周波数が13Hzであり振幅が1の信号を生成し、生成したこれらの信号を加算する。また、画像650b(視力回復(2))が選択されると、増幅変調回路106(
図1参照)は、上述したように、生成したこれらの信号を加算する。これらの信号は、電極部200a~dを介して、被治療者に供給される。
【0065】
電気装置10は、左右眼のいずれか一方のみに増幅変調回路106が生成した電気信号を流してもよいし、左右眼同時に流してもよい。また、
図13に示すように、制御回路700(
図1参照)は、パルス信号を切替回路150のスイッチング素子150a、150bに供給してもよい。
【0066】
図13は、切替回路150のスイッチング素子150a、150bに供給されるパルス信号の例を示す図である。横軸は時間であり、縦軸は信号レベルである。パルス信号がハイレベルのときに、スイッチング素子150a、150bは導通状態になり、ロウレベル信号のときに非導通状態になる。つまり、左右眼で電気信号を流すタイミングを異ならすことが可能となる。例えば、パルス信号の周期を例えば5分などの分単位とすることが可能である。或いは、パルス信号の周期を例えば5秒などの秒単位とすることが可能である。
【0067】
図14は、タッチパネル650に表示される操作部50の構成例を模式的に示す図である。操作部50には、ON/OFF回路300(
図1)にON/OFF信号を入力するON/OFFスイッチ300aが配置されている。
【0068】
さらにまた、操作板上には、タイマー400(
図1)の通電時間の設定に用いるタイマー用ボタン400aが配置されている。タイマー用ボタン400aは、例えばスライド式のボタンであり、タイマー用ボタン400aの位置に応じた通電時間がタイマー400に設定される。
【0069】
また、操作板上には、開始回路608(
図1)にON信号を入力する開始ボタン500aが配置されている。これらのボタンは、例えばタッチパネル650に加えられる押し圧により、動作する。
【0070】
再び
図5及び
図10を参照すると、第1電極部200aと、第2電極部200bとは、主として、外直筋と内直筋、毛様体筋に作用する。また、第3電極部200cと、第4電極部200dとは、主として、上斜筋と下斜筋、上直筋と下直筋、毛様体筋に作用する。
【0071】
図15は、視力回復治療の結果例を示す表である。本実施形態では、右眼に周波数が8Hz、10Hz、13Hz(視力回復(1))の信号を用いて、
図8で示す電極部の配置で実際に治療した結果である。信号の伝達時間は30分である。45歳から85歳までの19名に対して、実際に治療が行われた。
【0072】
治療は、45歳から85歳までの19名に対して、治療が行われた。治験は、治験前に国際標準環状視力票を用いて視力検査、遠見視力検査が行われた。次に、治療後(30分後)に、再び治験前に国際標準環状視力票を用いて視力検査、遠見視力検査が行われた。
【0073】
治験前の視力検査では、視力表のある段階全て見えた場合に、その段階の視力とした。治験後の視力検査では、視力表のある段階全て見えた場合に、その段階の視力とした。
【0074】
治験前の遠見視力検査では、視力表のある段階全て見えた場合に、その段階の視力とした。治験後の遠見視力検査では、視力表のある段階全て見えた場合に、または4つ見えた場合に、その段階の視力とした。
【0075】
図15に示すように、視力検査では、2例を除き全ての被検者に0.1以上の視力の改善が見られる。最高回復例では0.3の視力の改善が見られる。また、遠見視力検査では、半数以上に改善が見られた。なお、改善が見られなかった一例は、静脈中心閉鎖症との診断を受け、大学病院で治療改善の見込みがないとされた例である。もう一例は、後日、眼科で右目の視力検査を行い、+0.1改善が見られていた。また、治験者の中には、網膜剥離、白内障手術を受けた者も含まれており、これらの症例者に対しても改善結果が得られている。
【0076】
以下が、治験者の実際のコメントである。ほぼ全ての治験者から、「目の疲れが改善した。」とのコメントが寄せられている。また、個別には、「明るく見えるようになった。」、「以前より焦点が合わせやすくなった。」、「目を使いすぎてもつかれにくくなった。」、「目が疲れると痛みが出ていたが、治療後は痛みが、でなくなった。」、「目を動かした際にゴミが入ったようにゴロゴロしていたが、治験後は消えた。」、「治験前は涙が通常より多めに出るように感じていたが、治験後は通常にもどった。」、「眼圧が高くなり浮腫が出るため半年に1回、目に注射を行うため、治療4ヶ月後に眼科に行き検査を行ったが、眼圧も高くなく浮腫みもないため注射を行わなかった。」とのコメントが寄せられている。
【0077】
このように、本施形態に係る電気装置10によれば、客観的に視力検査、遠見視力検査での改善結果が得られている。さらに、治験者の主観的なコメントでも、良好な結果が得られており、更に治験後に副作用や障害の出現は本出願時までなんら見られていない。このような結果から、ほとんどの治験者は、左眼の治療を希望している。また、継続した治療を希望している。
【0078】
図16は、制御回路700の制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、視力回復(1)、及び視力回復(2)(
図11参照)の一方が、操作者に選択され、タイマー400(
図1参照)の設定により電気信号の出力が開始される場合の処理について説明する。また、電気信号の通電は右眼のみに対して行われる。
【0079】
まず、ボタン650a(視力回復(1))、及びボタン650b(視力回復(2))の中から症例に適した電気信号の組み合わせが操作者に選択される(ステップS100)。
【0080】
続けて、ボタン650aが選択された場合には、視力回復(1)に関連付けられた信号パラメータが信号選択回路602により記憶回路500から選択され、制御回路700に出力される。一方で、ボタン650bが選択された場合には、視力回復(2)に関連付けられた信号パラメータが信号選択回路602により記憶回路500から選択され、制御回路700に出力される(ステップS102)。
【0081】
次に、制御回路700は、読み込んだ信号パラメータの値に基づき、周波数が異なる信号毎の強度値を増幅変調回路106に出力する(ステップS104)。
【0082】
次に、制御回路700は、タッチパネル650に表示される操作部50のタイマー用ボタン400aからの入力信号に従い設定されたタイマー400からの入力信号に従い通電時間を設定する(ステップS106)。続いて、制御回路700は、開始ボタン500aを介して開始信号が入力されると(ステップS108)、制御回路700は、生成回路100に電気信号の生成制御と切替回路150の切替制御とを行う(ステップS110)。
【0083】
次に、制御回路700は、タイマー用のボタン400aで設定された時間が経過したか否かを判断し(ステップS112)、経過していない場合(ステップS112:No)、ステップS110からの制御を繰り返す。一方で、経過した場合(ステップS112:Yes)、全体処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、眼部の周辺から外眼筋、毛様体筋の少なくともいずれかに電気信号を伝導する電極部200a、b、c、dを眼部の周辺に配置することとした。これにより、物理的な力作用によることなく、外眼筋、毛様体筋の少なくともいずれかの、眼精疲労、凝りなどを軽減可能となり、視力の回復効果を得ることができる。
【0085】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電気装置10は、蓄電部とヒータ部を更に有する点で第1実施形態に係る電気装置10と相違する。以下では、第1実施形態に係る電気装置10と相違する点を説明する。
【0086】
図17は、第2実施形態に係る電気装置10の構成例を示すブロック図である。第2実施形態に係る電気装置10は、蓄電部40と操作部50aを更に有する。蓄電部40は、例えばバッテリーであり、商用の交流電力を直流電力に変換し、蓄電することが可能である。蓄電部40には、ヒータ部900への通電をON/OFFするON/OFF回路40aと、タイマー40bが更に配置されている。タイマー40bは、設定した時間が経過するとON/OFF回路40aにOFF信号を出力する。これにより、ヒータ部900への通電が停止される。
【0087】
第2実施形態に係る電気信号生成回路20は、更にDC―DC変換器102aを有する。DC―DC変換器102aは、蓄電部40から入力された電力を発振回路104、増幅変調回路106、切替回路150、タイマー400、記憶回路500、入力回路600、及び制御回路700、などに供給する回路である。
【0088】
図18は、配置部30の構成例を模式的に示す図である。配置部30は、電極配置シート800と、ヒータシート802とを有する。ヒータシート802は、ヒータ部900を有する。
【0089】
ヒータ部900は、蓄電部40から供給される電力により加熱可能な電気抵抗体(例えば、カーボン皮膜よりなる)を有する。ヒータ部900は、眼部の周囲及びその周辺に位置するように配設されており、配置部30を顔に装着時に、眼の周囲及び周辺を加熱し、心地良さと血行の促進を与えることができるように構成されている。
【0090】
図19は、操作部50aの構成例を模式的に示す図である。本実施形態に係る操作部50aは、例えばプラッチックなどの基板上に構成される。ON/OFF回路300(
図1)にON/OFF信号を入力するON/OFFスイッチ300aが配置されている。ON/OFFスイッチ300aは、押し下げ可能なボタンである。ON/OFFスイッチ300aは、押し下げされている場合にON/OFF回路300(
図1)にON信号を入力し、押し下げされていない場合にON/OFF回路300(
図1)にOFF信号を入力する。
【0091】
さらにまた、操作板上には、タイマー400(
図1)の通電時間の設定に用いるタイマー用ボタン400aが配置されている。タイマー用ボタン400aは、例えば回転式のボタンであり、ボタンの回転に応じた通電時間がタイマー400に設定される。
【0092】
また、操作板上には、開始回路608(
図1)にON信号を入力する押し下げ可能な開始ボタン500aが配置されている。開始ボタン500aは、押し下げされている場合に開始回路608(
図1)にON信号を入力する。
【0093】
また、操作板上には、タイマー40b(
図17)の通電時間の設定に用いるタイマー用ボタン600aが配置されている。タイマー用ボタン600aは、例えば回転式のボタンであり、ボタンの回転に応じた通電時間がタイマー400に設定される。
【0094】
また、操作板上には、ON/OFF回路40aにON/OFF信号を入力するON/OFFスイッチ700aが配置されている。ON/OFFスイッチ700aは、押し下げ可能なボタンである。ON/OFFスイッチ700aは、押し下げされている場合にON/OFF回路40a(
図17)にON信号を入力し、押し下げされていない場合にON/OFF回路40a(
図17)にOFF信号を入力する。
【0095】
操作者は、ON/OFFスイッチ300aにより電気信号生成回路20を動作させ、開始ボタン500aにより、電気信号の供給を開始させることが可能である。また、操作者は、開始ボタン700aにより、ヒータ部900の動作を開始させることが可能である。この際に、タイマー用ボタン400aにより、電気信号生成回路20の動作時間を設定でき、タイマー用ボタン600aにより、ヒータ部900の動作時間を設定できる。
【0096】
このように、使用者の目的に応じて、電気信号生成回路20、及びヒータ部900を同時にも動作でき、片方ずつ動作させることもできる。使用者が睡眠しても、タイマーにより電源は切れるので、安全性が維持される。また、電気信号生成回路20、及びヒータ部900を同時に動作させる場合には、電気信号による治療効果と、ヒータ部900による血行の促進効果を得ることができる。電気信号生成回路20、及びヒータ部900を順に使用する場合には、一方の効果が持続している状態で、次の効果を得ることが可能となり、相乗効果を得ることができる。
【0097】
図20は、配置部30に、電気信号生成回路20と蓄電部40と操作部50が配置された例を示す図である。このような一体型に構成することにより、使用者は、自由に動くことが可能となり、よりリラックス効果を得ることが可能である。
【0098】
以上のように、本実施形態によれば、ヒータ部900により眼部を温めることとした。これにより、電気信号による眼部の治療効果と、ヒータ部900による血行の促進効果を得ることができる。
【0099】
上記の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えばCPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD))、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路500に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路500にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0100】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本明細書で説明した新規な装置、方法およびプログラムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置、方法およびプログラムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0101】
10:電気装置(視力回復装置)、20:電気信号生成回路、30:配置部、生成回路、150:切替回路、200a:第1電極部、200b:第2電極部、200c:第3電極部、200d:第4電極部、202a:電極、202b:電極、204a:電極、204b:電極、700:制御回路。