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特開2025-8673再生品管理装置、再生品管理方法、および、再生品管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008673
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】再生品管理装置、再生品管理方法、および、再生品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/30 20230101AFI20250109BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/30
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111037
(22)【出願日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻上 脩平
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】製品製造に用いる再生原料の規格の管理、および、端材等の検査実績に基づいて、規格内に納まる再生品をリストアップすることができる再生品管理装置、再生品管理方法、および、再生品管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】製品の再利用により製造された製造原料の各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得し、検査パターンマスタに基づいて、仮検査実績データに設定された製造原料の各成分の配合率が検査パターンの規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置であって、
前記記憶部は、
再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、
を備え、
前記制御部は、
製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得手段と、
前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得手段と、
を備えたことを特徴とする再生品管理装置。
【請求項2】
前記リスト取得手段は、
更に、前記再生原料候補リストデータに設定された前記再生原料に適合する前記製造原料を選択可能に表示させ、
前記制御部は、
前記再生原料候補リストデータに設定された前記再生原料に適合する製造原料が選択された場合、前記再生原料に適合する製造原料の製造実績数量、および、当該製造原料の製造に用いられた再利用品の投入数量を設定した製造実績データを取得する製造実績取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の再生品管理装置。
【請求項3】
前記製造実績取得手段は、
更に、前記製造実績データに基づいて、前記再生原料に適合する製造原料の在庫データを登録することを特徴とする請求項2に記載の再生品管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記仮検査実績データ、および、前記在庫データに基づいて、前記再生原料に適合する製造原料の前記各成分の前記配合率、および、前記検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得する検査実績取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の再生品管理装置。
【請求項5】
前記リスト取得手段は、
更に、前記再生原料候補リストデータを出力させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の再生品管理装置。
【請求項6】
前記再生原料候補リストデータは、
更に、ロット番号、および、検査実施日が紐付けて設定され、
前記リスト取得手段は、
再生原料候補リスト画面にて前記ロット番号および前記検査実施日が設定された場合、当該検査実施日に検査された当該ロット番号の前記製造原料、および、前記検査パターンを紐付けて設定した前記再生原料候補リストデータを出力させることを特徴とする請求項5に記載の再生品管理装置。
【請求項7】
前記成分は、
金属元素、非金属元素、無機化合物、または、有機化合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の再生品管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置に実行させるための再生品管理方法であって、
前記記憶部は、
再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、
を備え、
前記制御部において実行される、
製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得ステップと、
前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得ステップと、
を含むことを特徴とする再生品管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置に実行させるための再生品管理プログラムであって、
前記記憶部は、
再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、
を備え、
前記制御部において、
製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得ステップと、
前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得ステップと、
を実行させるための再生品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生品管理装置、再生品管理方法、および、再生品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、再生原料を使用しても、好ましい粒子サイズを維持しながら、好ましい粒子間間隔を維持するアルミニウム合金の合金組成を制御することで、成形性を備えたアルミニウム合金製品を作製する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2023-522806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、製品製造に用いる再生原料が規格を満たすかを判別し、規格を満たす再生原料をリストアップして提供することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製品製造に用いる再生原料の規格の管理、および、端材等の検査実績に基づいて、規格内に納まる再生品をリストアップすることができる再生品管理装置、再生品管理方法、および、再生品管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る再生品管理装置は、記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置であって、前記記憶部は、再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、を備え、前記制御部は、製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得手段と、前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記リスト取得手段は、更に、前記再生原料候補リストデータに設定された前記再生原料に適合する前記製造原料を選択可能に表示させ、前記制御部は、前記再生原料候補リストデータに設定された前記再生原料に適合する製造原料が選択された場合、前記再生原料に適合する製造原料の製造実績数量、および、当該製造原料の製造に用いられた再利用品の投入数量を設定した製造実績データを取得する製造実績取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記製造実績取得手段は、更に、前記製造実績データに基づいて、前記再生原料に適合する製造原料の在庫データを登録することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記制御部は、前記仮検査実績データ、および、前記在庫データに基づいて、前記再生原料に適合する製造原料の前記各成分の前記配合率、および、前記検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得する検査実績取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記リスト取得手段は、更に、前記再生原料候補リストデータを出力させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記再生原料候補リストデータは、更に、ロット番号、および、検査実施日が紐付けて設定され、前記リスト取得手段は、再生原料候補リスト画面にて前記ロット番号および前記検査実施日が設定された場合、当該検査実施日に検査された当該ロット番号の前記製造原料、および、前記検査パターンを紐付けて設定した前記再生原料候補リストデータを出力させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る再生品管理装置において、前記成分は、金属元素、非金属元素、無機化合物、または、有機化合物であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る再生品管理方法は、記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置に実行させるための再生品管理方法であって、前記記憶部は、再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、を備え、前記制御部において実行される、製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得ステップと、前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る再生品管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた再生品管理装置に実行させるための再生品管理プログラムであって、前記記憶部は、再生原料を構成する成分、および、前記成分の規格範囲を紐付けた検査パターンを設定した検査パターンマスタ、を備え、前記制御部において、製品の再利用により製造された製造原料の前記各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する仮検査実績取得ステップと、前記検査パターンマスタに基づいて、前記仮検査実績データに設定された前記製造原料の前記各成分の前記配合率が前記検査パターンの前記規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、前記製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得するリスト取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、俗人化している業務を、システム化することで、標準化・効率化を実現するとともに、品番振替のミス防止につなげることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、正しい品番で在庫管理、検査実績管理が可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、再生品の検査結果から振替先となる品番コードをリストアップすることで、品番の振替のミス防止に繋がり、業務の標準化も図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、成形過程で原料へ戻す予定の端材重量を把握し、正確な原料重量と原価把握とを可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、成分の比率により性能、用途、価格等が決まるはんだ製品において、製造前に利用可能な原料を確認することで、良品率の向上と生産効率向上とを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態における再生品管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における再生品管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における再生原料候補リスト画面の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における再生原料候補リストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
従来から、各工程で発生する端材や不良品を溶解し、再生原料(再生品)として、新たな製造工程に投入を行う業務がある。ここで、従来は、溶解した再生原料に対して成分検査を行い、規格に沿った再生原料のどの品番に振替を行うのか、人の判断で行っており、俗人化していた。また、従来は、再生品の金属成分の配合率によって、在庫評価が異なるため、正しい再生原料の品番に振替を行う必要があった。また、従来は、振り替える品番の間違いや処理ミスも多く発生していた。また、従来は、再度溶解した品番の検査結果に基づいて、振り替える再生品の品番を、人が判断していたため、俗人化や振替先の間違いが多く発生していた。
【0020】
そこで、本実施形態においては、再生原料の品番の規格をマスタ管理することで振り替える品番を絞ること、および、リストアップによる俗人化やミスの防止を図ることに着目し、再生原料の品番の規格のマスタ管理を行い、溶解した再生原料の検査実績に基づいて、規格内に収まる再生原料の品番をリストアップする仕組みを提供している。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る再生品管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における再生品管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、再生品管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、再生品管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
再生品管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。再生品管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、再生品管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、再生品管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、品番マスタ106aと検査パターンマスタ106bと原料データベース106cとを備えている。
【0027】
品番マスタ106aは、品番を設定したマスタである。ここで、品番マスタ106aは、再生原料または製品の品番、および、検査パターンが設定されていてもよい。
【0028】
検査パターンマスタ106bは、再生原料の検査パターンを設定したマスタである。ここで、検査パターンマスタ106bは、再生原料を構成する成分、および、成分の規格範囲を紐付けた検査パターンが設定されていてもよい。また、成分は、金属元素、非金属元素、無機化合物、または、有機化合物であってもよい。
【0029】
原料データベース106cは、製品の原料データを記憶する。ここで、原料データベース106cは、仮検査実績データ、再生原料候補リストデータ、製造実績データ、原料または製品の在庫データ、検査実績データ、および、製品データを記憶していてもよい。
【0030】
制御部102は、再生品管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、マスタ設定部102aと仮検査実績取得部102bとリスト取得部102cと製造実績取得部102dと検査実績取得部102eとを備えている。
【0031】
マスタ設定部102aは、マスタを設定する。ここで、マスタ設定部102aは、品番マスタ106a、または、検査パターンマスタ106bを設定してもよい。また、マスタ設定部102aは、マスタメンテにて設定された設定項目を品番マスタ106a、または、検査パターンマスタ106bに設定してもよい。
【0032】
仮検査実績取得部102bは、製品の再利用により製造された製造原料の仮検査実績データを取得する。ここで、仮検査実績取得部102bは、製品の再利用により製造された製造原料の各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得してもよい。
【0033】
リスト取得部102cは、製造原料を設定した再生原料候補リストデータを取得する。ここで、リスト取得部102cは、製造原料、および、規格範囲を満たす検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得してもよい。また、リスト取得部102cは、検査パターンマスタ106bに基づいて、仮検査実績データに設定された製造原料の各成分の配合率が検査パターンの規格範囲を満たすと判定した場合、当該仮検査実績データに基づいて、製造原料、および、当該検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得してもよい。また、リスト取得部102cは、再生原料候補リストデータに設定された再生原料に適合する製造原料を選択可能に表示させてもよい。また、リスト取得部102cは、再生原料候補リストデータを出力させてもよい。また、再生原料候補リストデータは、ロット番号、および、検査実施日が紐付けて設定されていてもよい。また、リスト取得部102cは、再生原料候補リスト画面にてロット番号および検査実施日が設定された場合、当該検査実施日に検査された当該ロット番号の製造原料、および、検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを出力(表示、または、印刷出力)させてもよい。
【0034】
製造実績取得部102dは、再生原料に適合する製造原料の製造実績数量を設定した製造実績データを取得する。ここで、製造実績取得部102dは、再生原料に適合する製造原料の製造実績数量、および、当該製造原料の製造に用いられた再利用品(再利用した製品)の投入数量を設定した製造実績データを取得してもよい。また、製造実績取得部102dは、再生原料候補リストデータに設定された再生原料に適合する製造原料が選択された場合、再生原料に適合する製造原料の製造実績数量、および、当該製造原料の製造に用いられた再利用品の投入数量を設定した製造実績データを取得してもよい。また、製造実績取得部102dは、製造実績データに基づいて、再生原料に適合する製造原料の在庫データを登録してもよい。
【0035】
検査実績取得部102eは、製造原料の検査実績データを取得する。ここで、検査実績取得部102eは、製造原料の検査結果、および、検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得してもよい。また、検査実績取得部102eは、再生原料に適合する製造原料の各成分の配合率、および、検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得してもよい。また、検査実績取得部102eは、仮検査実績データ、および、在庫データに基づいて、再生原料に適合する製造原料の各成分の配合率、および、検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得してもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図12を参照して説明する。
【0037】
[再生品管理処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における再生品管理処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における再生品管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、仮検査実績取得部102bは、製品の再利用により製造された製造原料の各成分の配合率を設定した仮検査実績データを取得する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、リスト取得部102cは、検査パターンマスタ106bに基づいて、仮検査実績データに設定された製造原料の各成分の配合率が検査パターンの規格範囲を満たすか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、リスト取得部102cは、仮検査実績データに設定された製造原料の各成分の配合率が検査パターンの規格範囲を満たさないと判定した場合(ステップSA-2:No)、処理を終了する。
【0041】
一方、リスト取得部102cは、仮検査実績データに設定された製造原料の各成分の配合率が検査パターンの規格範囲を満たすと判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0042】
そして、リスト取得部102cは、仮検査実績データに基づいて、製造原料、および、規格範囲を満たす検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを取得する(ステップSA-3)。
【0043】
そして、リスト取得部102cは、製造原料、および、検査パターンを紐付けて設定した再生原料候補リストデータを出力装置114を介して印刷出力させる(ステップSA-4)。
【0044】
そして、製造実績取得部102dは、ユーザにより入力装置112を介して再生原料候補リストデータに設定された再生原料に適合する製造原料が選択された場合、再生原料に適合する製造原料の製造実績数量、および、当該製造原料の製造に用いられた再利用品の投入数量を設定した製造実績データを取得し、当該製造実績データに基づいて、再生原料に適合する製造原料の在庫データを原料データベース106cに登録する(ステップSA-5)。
【0045】
そして、検査実績取得部102eは、仮検査実績データ、および、原料データベース106cに記憶された在庫データに基づいて、再生原料に適合する製造原料の各成分の配合率、および、検査パターンを紐付けて設定した検査実績データを取得し(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0046】
ここで、図3から図10を参照して、本実施形態における再生品管理処理の一例について説明する。図3から図10は、本実施形態における再生品管理処理の一例を示す図である。
【0047】
本実施形態においては、図3に示すように、品番データ(再生原料)に規格データ(検査パターン)を紐付けた品番マスタ106aが設定され、且つ、図4に示すように、検査パターン毎に規格を管理する検査パターンマスタ106bが設定されている際に、図5に示すように、システム上、端材や不良品に対する品番・ロット単位の在庫管理がされ、端材や不良品が溶解されて再生原料が製造され、分析装置にて当該再生原料の金属成分の配合率が検査された場合、図6に示すように、分析装置から金属成分の配合率がデータ連携される。
【0048】
そして、本実施形態においては、図7に示すように、各検査項目に対して、規格内に収まるかチェックされ(一例として、仮検査実績番号=K0001に対して、各検査パターンがチェックされ)、全て規格内に収まる検査パターンが取得され、図8に示すように、仮検査実績に対して、規格に収まる再生原料がリストアップされる。
【0049】
そして、図9に示すように、本実施形態においては、候補リストから選択された再生原料が指定され、受入れられる。ここで、図9に示すように、ロット番号:M0001の再生原料においては、再生品が複数該当するが、再生品S002が指定されている。
【0050】
そして、図10に示すように、本実施形態においては、製造実績入力が行われることで、在庫の計上が実施され、当該在庫に対して、検査実績入力が行われることで、再生原料(ロット単位)の検査実績管理を可能としている。
【0051】
また、図11および図12を参照して、本実施形態におけるリスト出力処理の一例について説明する。図11は、本実施形態における再生原料候補リスト画面の一例を示す図である。図12は、本実施形態における再生原料候補リストの一例を示す図である。
【0052】
本実施形態においては、図11に示すように、ユーザにより再生原料候補リスト画面にてロット番号、および/または、分析実施日が設定された場合、図12に示すように、再生原料候補リストデータが出力される。
【0053】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0056】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0057】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0058】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
また、再生品管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0060】
例えば、再生品管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて再生品管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0061】
また、このコンピュータプログラムは、再生品管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0062】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0063】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0064】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0065】
また、再生品管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、再生品管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0066】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、はんだ業界を含む金属加工業界、および、再投入が多い化学業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0068】
100 再生品管理装置
102 制御部
102a マスタ設定部
102b 仮検査実績取得部
102c リスト取得部
102d 製造実績取得部
102e 検査実績取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 品番マスタ
106b 検査パターンマスタ
106c 原料データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
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