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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008757
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ブース
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20250109BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20250109BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
F24F7/06 C
A61L9/16 F
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111213
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】591023479
【氏名又は名称】ダイダン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 恵倫子
(72)【発明者】
【氏名】児玉 星子
(72)【発明者】
【氏名】多田 光輝
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雅一
(72)【発明者】
【氏名】岸本 亮
【テーマコード(参考)】
3L058
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
3L058BF03
3L058BF06
3L058BG01
3L058BG03
4C180AA07
4C180DD09
4C180HH05
4C180LL11
4D058JA12
4D058LA01
4D058QA01
4D058QA21
4D058SA04
(57)【要約】
【課題】建造物の室の室内空気がブースの出入口からブースの内部に逆流することはなく、内部の空気質の状態を保持することができるブースを提供する。
【解決手段】ブース10は、第1ブース13と、第1ブース13に給気された空気Aが流出する第1出入口14と、第1給気口から第1出入口14に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第1給気システムと、第1ブース13から流出した空気Aが流入する第2ブース19と、第2ブース19に流入した空気Aが流出する第2出入口20と、第1出入口14の両側に位置する第1左右パネル17,18と、第2出入口20の両側に位置する第2左右パネル25,26とを備え、第1給気システムによって第1ブース13の内部に給気された空気Aが第1ブース13から第1出入口14に向かって一方向へ流動しつつ、第1出入口14から第2ブース19に向かって一方向へ流動した後、第2出入口20から第2ブース19の外側に流出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の室の所定の箇所に施設されて天面と床面と壁パネルとによって前記室と区画され、その内部に作業設備を収容可能なブースであって、
前記ブースが、所定の作業スペースを有する第1ブースと、前記第1ブースに作業者が出入するために施設されて該第1ブースの内部に給気された空気Aが流出する第1出入口と、前記第1ブースに設置された第1給気口から該第1出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第1給気手段と、前記第1ブースに隣接して前記第1出入口に繋がり、該第1ブースから流出した空気Aが流入する第2ブースと、前記第2ブースに作業者が出入するために施設されて該第2ブースの内部に流入した空気Aが流出する第2出入口と、前記第1出入口の両側に位置して前記床面から前記天面に向かって延びていて前記第2ブースの内部に向かって所定長さ延在する第1パネルと、前記第2出入口の両側に位置して前記床面から前記天面に向かって延びていて前記第2ブースの外側に向かって所定長さ延在する第2パネルとを備え、
前記ブースでは、前記第1給気手段によって第1給気口から前記第1ブースの内部に給気された空気Aが該第1ブースから前記第1出入口に向かって一方向へ流動しつつ、前記第1出入口から前記第2ブースに向かって一方向へ流動した後、前記第2出入口から前記第2ブースの外側に流出することを特徴とするブース。
【請求項2】
前記ブースが、前記第2出入口を含むその近傍に設置されて前記第2ブースの外側に流出した空気Aを吸気する吸気口と、前記第2ブースの内部に給気された空気Aによって該第2ブースから前記第2出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第2給気手段とを含み、前記ブースでは、前記第2給気手段によって前記第2ブースの内部に給気された空気Aが該第2ブースから前記第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、前記第2出入口から前記第2ブースの外側に流出する請求項1に記載のブース。
【請求項3】
前記ブースが、前記第2ブースに設置されて前記第2給気手段によって給気された空気Aを該第2ブースに給気する第2給気口と、前記吸気口と前記第2給気口とを繋ぐ空気流路とを含み、前記ブースでは、前記第2給気手段が前記吸気口から吸気された空気Aを前記第2ブースの内部に給気し、前記第2給気手段によって第2給気口から前記第2ブースの内部に給気された空気Aが前記第2ブースから前記第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、前記第2出入口から前記第2ブースの外側に流出する請求項2に記載のブース。
【請求項4】
前記空気Aが清浄空気であり、前記清浄空気の清浄度が、前記建造物の室の室内空気のそれよりも高い請求項3に記載のブース。
【請求項5】
前記空気流路が、前記床面の側から前記天面の側に向かって上下方向へ延びるダクトであり、前記吸気口が、前記床面の側に延びる前記ダクトの下方に設置され、前記ダクトに繋がる第2給気口が、前記第2ブースの上方に設置されている請求項4に記載のブース。
【請求項6】
前記第1パネルが、前記第1出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第1右パネル及び第1左パネルから形成され、前記第2パネルが、前記第2出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第2右パネル及び第2左パネルから形成され、前記第2右パネルと前記第2左パネルとの横方向の離間寸法が、前記第1右パネルと前記第1左パネルとの横方向のそれよりも小さい請求項5に記載のブース。
【請求項7】
前記第1右パネル及び前記第1左パネルが、前記床面と前記天面との間に位置し、前記第1右パネル及び前記第1左パネルの上下方向の長さ寸法が、前記床面から前記天面までの前記ブースの上下方向の高さ寸法と同一であり、前記第2右パネル及び前記第2左パネルが、前記床面と前記天面との間に位置し、前記第2右パネル及び前記第2左パネルの上下方向の長さ寸法が、前記床面から前記天面までの前記ブースの上下方向の高さ寸法と同一である請求項6に記載のブース。
【請求項8】
前記第1給気手段が、空調機及びHEPAフィルターを備えて前記第1ブースの上方に設置された前記第1給気口から該第1ブースの内部に前記空気Aを給気する給気システム、又は、前記第1ブースの上方に設置されて前記第1給気口から該第1ブースの内部に前記空気Aを給気する第1ファンフィルターユニットである請求項7に記載のブース。
【請求項9】
前記第2給気手段が、送風機及びHEPAフィルターを備えて前記第2ブースの上方に設置された前記第2給気口から該第2ブースの内部に前記空気Aを送気する送気システム、又は、前記第2ブースの上方に設置されて前記第2給気口から該第2ブースの内部に前記空気Aを給気する第2ファンフィルターユニットである請求項8に記載のブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の室の所定の箇所に施設されるブースに関する。
【背景技術】
【0002】
安全キャビネット本体および排気還流ユニットから形成され、排気を利用する循環利用型の安全キャビネットが開示されている(特許文献1参照)。安全キャビネット本体は、キャビネット送風機の吐出プレナムの下部に位置する給気用HEPAフィルターを利用してその内部の作業空間へ清浄給気を供給し、作業空間の空気を再びキャビネット送風機によって吸引・循環させ、作業空間から循環した空気の一部を吐出プレナムの上部に位置する排気用HEPAフィルターを介して外部に排出することで、作業空間を負圧に維持し、前面のシャッター開口部から外部導入給気を取り入れてバリア空気とする。
【0003】
排気還流ユニットは、安全キャビネット本体の直上に配置され、安全キャビネット本体から排気用HEPAフィルターを介して排出された空気を取り込む排気取込口を下面後部に備え、排気取込口から取り込まれた空気を安全キャビネット本体の前面のシャッターに沿って下方に吹き出す排気吹出口を下面前部に備えている。この安全キャビネットは、安全キャビネット本体の前面のシャッターに沿って下降する空気がシャッターの下端の開口部から負圧に維持された作業空間内に吸引されることによって、作業空間の空気が開口部から漏出するのを防止するバリア空気の全部または一部として循環利用される。
【0004】
前記特許文献2に開示の安全キャビネットの排気還流ユニットには、排気還流ユニットを安全キャビネット本体の天井板上に配置して支持する4本の支持脚と、左側前後の支持脚間および右側前後の支持脚間に両支持脚に沿った間仕切りとが設置されている(特許文献1の図5参照)。排気還流ユニットでは、その排気吹出口から吹き出される空気がクリーンルーム内に漏れ出すのを両間仕切りによって防いでいる。この安全キャビネットでは、安全キャビネット本体の作業空間に安全キャビネット本体の前面から吸引・導入されるバリア空気の量が排気用HEPAフィルターを通過する風量であり、その風量が排気吹出口から安全キャビネット本体の前面を下降する気流となって、着座作業エリアに給気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-166646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示の排気還流ユニット(安全キャビネット本体)を施設したクリーンルーム内には空調装置(エアー・コンディショナー)が設置され、クリーンルームの壁に出入用のドア(扉)が設置される。作業者はハンズフリーで安全キャビネットにアクセスすることができる反面、その空調装置が稼働し、又は、ドアが開閉されることで、クリーンルームの内部の気流が乱れ、気流の乱れが排気還流ユニットの開口域(出入口)に作用した場合、クリーンルームの内部の空気が排気還流ユニットの開口域から排気還流ユニットの内部に流入(逆流)する。クリーンルームの内部の空気が排気還流ユニットの内部に流入すると、クリーンルームの内部の空気が排気還流ユニットの内部の清浄空気に混入するコンタミネーションを起こし、排気還流ユニットの内部(安全キャビネット本体)の清浄状態を保持することができない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、作業設備を収容したブースに空気Aを給気することで、ブースにおける給気空気の設計風量不足を防ぐことができ、建造物の室の室内空気がブースの出入口からブースの内部に逆流することはなく、内部の清浄状態を保持することができるブースを提供することにある。本発明の他の目的は、所定の要因によって建造物の室の内部に気流の乱れが発生し、建造物の室の内部に発生した気流の乱れが作用したとしても、建造物の室の室内空気のブース内部への流入を防ぐことができ、建造物の室の室内空気がブースの内部に混入するコンタミネーションを起こすことはなく、ブースの内部の清浄状態を保持することができるブースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、建造物の室の所定の箇所に施設されて天面と床面と壁パネルとによって室と区画され、その内部に作業設備を収容可能なブースである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴としては、ブースが、所定の作業スペースを有する第1ブースと、第1ブースに作業者が出入するために施設されて第1ブースの内部に給気された空気Aが流出する第1出入口と、第1ブースに設置された第1給気口から第1出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第1給気手段と、第1ブースに隣接して第1出入口に繋がり、第1ブースから流出した空気Aが流入する第2ブースと、第2ブースに作業者が出入するために施設されて第2ブースの内部に流入した空気Aが流出する第2出入口と、第1出入口の両側に位置して床面から天面に向かって延びていて第2ブースの内部に向かって所定長さ延在する第1パネルと、第2出入口の両側に位置して床面から天面に向かって延びていて第2ブースの外側に向かって所定長さ延在する第2パネルとを備え、ブースでは、第1給気手段によって第1給気口から第1ブースの内部に給気された空気Aが第1ブースから第1出入口に向かって一方向へ流動しつつ、第1出入口から第2ブースに向かって一方向へ流動した後、第2出入口から第2ブースの外側に流出することにある。
【0010】
本発明の一例としては、ブースが、第2出入口を含むその近傍に設置されて第2ブースの外側に流出した空気Aを吸気する吸気口と、第2ブースの内部に給気された空気Aによって第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第2給気手段とを含み、ブースでは、第2給気手段によって第2ブースの内部に給気された空気Aが第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、第2出入口から第2ブースの外側に流出する。
【0011】
本発明の他の一例としては、ブースが、第2ブースに設置されて第2給気手段によって給気された空気Aを第2ブースに給気する第2給気口と、吸気口と第2給気口とを繋ぐ空気流路とを含み、ブースでは、第2給気手段が吸気口から吸気された空気Aを第2ブースの内部に給気し、第2給気手段によって第2給気口から第2ブースの内部に給気された空気Aが第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、第2出入口から第2ブースの外側に流出する。
【0012】
本発明の他の一例としては、空気Aが清浄空気であり、清浄空気の清浄度が、建造物の室の室内空気のそれよりも高い。
【0013】
本発明の他の一例としては、空気流路が、床面の側から天面の側に向かって上下方向へ延びるダクトであり、吸気口が、床面の側に延びるダクトの下方に設置され、ダクトに繋がる第2給気口が、第2ブースの上方に設置されている。
【0014】
本発明の他の一例としては、第1パネルが、第1出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第1右パネル及び第1左パネルから形成され、第2パネルが、第2出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第2右パネル及び第2左パネルから形成され、第2右パネルと第2左パネルとの横方向の離間寸法が、第1右パネルと第1左パネルとの横方向のそれよりも小さい。
【0015】
本発明の他の一例としては、第1右パネル及び第1左パネルが、床面と天面との間に位置し、第1右パネル及び第1左パネルの上下方向の長さ寸法が、床面から天面までのブースの上下方向の高さ寸法と同一であり、第2右パネル及び第2左パネルが、床面と天面との間に位置し、第2右パネル及び第2左パネルの上下方向の長さ寸法が、床面から天面までのブースの上下方向の高さ寸法と同一である。
【0016】
本発明の他の一例としては、第1給気手段が、空調機及びHEPAフィルターを備えて第1ブースの上方に設置された第1給気口から第1ブースの内部に空気Aを給気する給気システム、又は、第1ブースの上方に設置されて第1給気口から第1ブースの内部に空気Aを給気する第1ファンフィルターユニットである。
【0017】
本発明の他の一例としては、第2給気手段が、送風機及びHEPAフィルターを備えて第2ブースの上方に設置された第2給気口から第2ブースの内部に空気Aを送気する送気システム、又は、第2ブースの上方に設置されて第2給気口から第2ブースの内部に空気Aを給気する第2ファンフィルターユニットである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るブースによれば、各種の作業設備を収容可能であって所定の作業スペースを有する第1ブースと、第1ブースに出入するために施設されてブースの内部に給気された空気Aが流出する第1出入口と、第1ブースに設置された第1給気口から第1出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第1給気手段と、第1ブースに隣接して第1出入口に繋がり、第1ブースから流出した空気Aが流入する第2ブースと、第2ブースに作業者が出入するために施設されて第2ブースの内部に流入した空気Aが流出する第2出入口とを備え、第1給気手段によって第1給気口から第1ブースの内部に給気された空気Aが第1ブースから第1出入口に向かって一方向へ流動しつつ第1出入口から第2ブースに向かって一方向へ流動した後、第2出入口から第2ブースの外側に流出するから、第1及び第2ブースにおける給気空気の設計風量不足や第1及び第2出入口における風速低下を防ぐことができるとともに、第1出入口から第1ブースの内部への建造物の室の室内空気の逆流を防ぐことができ、第2出入口から第2ブースの内部への建造物の室の室内空気の逆流を防ぐことができる。ブースは、第1出入口から第1ブースの内部へ建造物の室の室内空気が逆流することはなく、第2出入口から第2ブースの内部へ建造物の室の室内空気が逆流することはないから、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができる。ブースは、それが施設された建造物の室の内部に所定の要因によって気流の乱れが発生し、室の内部に発生した気流の乱れがブースに作用したとしても、建造物の室の室内空気の第2ブースの内部への流入を防ぐことができるとともに、室の室内空気の第1ブースの内部への流入を防ぐことができ、室の室内空気が第1及び第2ブースの内部の空気Aに混入するコンタミネーションを起こすことはなく、第1及び第2ブースの内部の清浄状態を保持することができる。ブースは、第1出入口の両側に位置して床面から天面に向かって延びていて第2ブースの内部に向かって所定長さ延在する第1パネルと、第2出入口の両側に位置して床面から天面に向かって延びていて第2ブースの外側に向かって所定長さ延在する第2パネルとを備え、第1及び第2パネルが気流の乱れを防ぐ整流板として作用するから、第1パネルによって第1出入口を含むその近傍の気流が乱れることはなく、第2パネルによって第2出入口を含むその近傍の気流が乱れることはなく、第1給気口から第1ブースの内部に給気された空気Aを第1ブースから第1出入口に向かって一方向へスムースに流動させることができ、その空気Aを第1出入口から第2ブースに向かって一方向へスムースに流動させることができるとともに、その空気Aを第2出入口から第2ブースの外側へスムースに流出させることができる。
【0019】
第2出入口を含むその近傍に設置されて第2ブースの外側に流出した空気Aを吸気する吸気口と、第2ブースの内部に給気された空気Aによって第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流れる気流を発生させる第2給気手段とを含み、第2給気手段によって第2ブースの内部に給気された空気Aが第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、第2出入口から第2ブースの外側に流出するブースは、例えば、吸気口から吸気された空気Aを第2給気手段によって第2ブースの内部に給気する場合、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに流入しようとしたとしても、その空気Aを第2出入口を含むその近傍に設置された吸気口から吸気し、吸気口から吸気された空気Aが第2給気手段によって第2ブースに給気されることで、第2ブースから第2出入口に向かうとともに第2出入口から第2ブースの外側に向かって一方向へ流れる空気Aの気流を発生させることができ、建造物の室の室内空気の第1及び第2ブースの内部への流入を確実に防ぐことができるとともに、室の室内空気が第1及び第2ブースの内部の空気Aに混入するコンタミネーションを起こすことはなく、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができる。又、例えば、吸気口から吸気された空気Aを室の室内に排気する場合、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに流入しようとしたとしても、その空気Aを室内に排気することで、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに逆流することはなく、更に、第2給気手段によって第2ブースから第2出入口に向かうとともに第2出入口から第2ブースの外側に向かって一方向へ流れる空気Aの気流を発生させることができるから、建造物の室の室内空気の第1及び第2ブースの内部への流入を確実に防ぐことができるとともに、室の室内空気が第1及び第2ブースの内部の空気Aに混入するコンタミネーションを起こすことはなく、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができる。
【0020】
第2ブースに設置されて第2給気手段によって給気された空気Aを第2ブースに給気する第2給気口と、吸気口と第2給気口とを繋ぐ空気流路とを含み、第2給気手段が吸気口から吸気された空気Aを第2ブースの内部に給気し、第2給気手段によって第2給気口から第2ブースの内部に給気された空気Aが第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ、第2出入口から第2ブースの外側に流出するブースは、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに流入しようとしたとしても、その空気Aを第2出入口を含むその近傍に設置された吸気口から吸気し、吸気口から吸気された空気Aが第2給気手段によって第2給気口から第2ブースに給気されることで、第2ブースから第2出入口に向かうとともに第2出入口から第2ブースの外側に向かって一方向へ流れる空気Aの気流を発生させることができ、建造物の室の室内空気の第1及び第2ブースの内部への流入を確実に防ぐことができるとともに、室の室内空気が第1及び第2ブースの内部の空気Aに混入するコンタミネーションを起こすことはなく、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができる。
【0021】
空気Aが清浄空気であり、清浄空気の清浄度が、建造物の室の室内空気のそれよりも高いブースは、室の室内空気よりも清浄度が高い空気Aが第1及び第2給気手段によって第1及び第2ブースに給気され、その空気Aによって第1ブースから第1出入口に向かうとともに第1出入口から第2ブースに向かい、第2ブースから第2出入口に向かう気流を発生させることで、第1及び第2ブースの内部の清浄状態を確実に保持することができる。
【0022】
空気流路が床面の側から天面の側に向かって上下方向へ延びるダクトであり、吸気口が床面の側に延びるダクトの下方に設置され、ダクトに繋がる第2給気口が第2ブースの上方に設置されているブースは、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに流入しようとしたとしても、その空気Aをダクトの下方に設置された吸気口から吸気し、吸気口から吸気された空気Aが第2給気手段によって第2給気口から第2ブースの上方に給気されることで、第2ブースから第2出入口に向かうとともに第2出入口から第2ブースの外側に向かって一方向へ流れる空気Aの気流を発生させることができ、建造物の室の室内空気の第1及び第2ブースの内部への流入を防ぐことができるとともに、室の室内空気が第1及び第2ブースの内部の空気Aに混入するコンタミネーションを起こすことはなく、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に確実に保持することができる。
【0023】
第1パネルが第1出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第1右パネル及び第1左パネルから形成され、第2パネルが第2出入口において横方向へ所定寸法離間対向する一対の第2右パネル及び第2左パネルから形成され、第2右パネルと第2左パネルとの横方向の離間寸法が第1右パネルと第1左パネルとの横方向のそれよりも小さいブースは、第1右パネル及び第1左パネルが第1出入口を含むその近傍における気流の乱れを防ぐ整流板として作用し、第2右パネル及び第2左パネルが第2出入口を含むその近傍における気流の乱れを防ぐ整流板として作用するから、第1右パネル及び第1左パネルによって第1出入口を含むその近傍の気流が乱れることはなく、第2右パネル及び第2左パネルによって第2出入口を含むその近傍の気流が乱れることはなく、第1給気口から第1ブースの内部に給気された空気Aを第1ブースから第1出入口に向かって一方向へスムースに流動させることができ、その空気Aを第1出入口から第2ブースに向かって一方向へスムースに流動させることができるとともに、その空気Aや第2給気口から第2ブースの内部に給気された空気Aを第2出入口から第2ブースの外側へスムースに流出させることができ、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができる。ブースは、第2右パネルと第2左パネルとの横方向の離間寸法が第1右パネルと第1左パネルとの横方向の離間寸法よりも小さいから、第2右パネルと第2左パネルとの間を通って第2ブースの外側に流出する空気Aの流速を速くすることができ、空気Aを第2出入口から第2ブースの外側へ確実に流出させることができる。
【0024】
第1右パネル及び第1左パネルが床面と天面との間に位置し、第1右パネル及び第1左パネルの上下方向の長さ寸法が床面から天面までのブースの上下方向の高さ寸法と同一であり、第2右パネル及び第2左パネルが床面と天面との間に位置し、第2右パネル及び第2左パネルの上下方向の長さ寸法が床面から天面までのブースの上下方向の高さ寸法と同一であるブースは、床面から天面までのクリーンブースの上下方向の高さ寸法と同一の長さ寸法を有する第1右パネル及び第1左パネルが第1出入口を含むその近傍における床面から天面までの気流の乱れを防ぐ整流板として作用し、第2右パネル及び第2左パネルが第2出入口を含むその近傍における床面から天面までの気流の乱れを防ぐ整流板として作用するから、第1右パネル及び第1左パネルによって第1出入口を含むその近傍の床面から天面までにおいて気流が乱れることはなく、第2右パネル及び第2左パネルによって第2出入口を含むその近傍の床面から天面までにおいて気流が乱れることはなく、第1給気口から第1ブースの内部に給気された空気Aを第1ブースから第1出入口に向かって一方向へスムースに流動させることができ、その空気Aを第1出入口から第2ブースに向かって一方向へスムースに流動させることができるとともに、その空気Aや第2給気口から第2ブースの内部に給気された空気Aを第2出入口から第2ブースの外側へスムースに流出させることができ、第1及び第2ブースの内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に確実に保持することができる。
【0025】
第1給気手段が空調機及びHEPAフィルターを備えて第1ブースの上方に設置された第1給気口から第1ブースの内部に空気Aを給気する給気システム、又は、第1ブースの上方に設置されて第1給気口から第1ブースの内部に空気Aを給気する第1ファンフィルターユニットであるブースは、給気システム又は第1ファンフィルターユニットによって空気Aが清浄されるとともにその空気Aが第1ブースの内部に給気され、その空気Aが第1ブースから第1出入口に向かって一方向へ流動しつつ第1出入口から第2ブースに向かって一方向へ流動した後、第2出入口から第2ブースの外側に流出するから、第1出入口から第1ブースの内部への室の室内空気の逆流を防ぐことができ、第2出入口から第2ブースの内部への室内空気の逆流を防ぐことができるとともに、第1及び第2ブースの内部の清浄状態を確実に保持することができる。
【0026】
第2給気手段が送風機及びHEPAフィルターを備えて第2ブースの上方に設置された第2給気口から第2ブースの内部に空気Aを送気する送気システム、又は、第2ブースの上方に設置されて第2給気口から第2ブースの内部に空気Aを給気する第2ファンフィルターユニットであるブースは、第2ブースの外側に流出した空気Aが第2出入口から第2ブースに流入しようとしたとしても、その空気Aを吸気し、吸気された空気Aが送気システム又は第2ファンフィルターユニットによって清浄されるとともにその空気Aが第2ブースの内部に給気され、その空気Aが第2ブースから第2出入口に向かって一方向へ流動しつつ第2出入口から第2ブースの外側に流出するから、第2出入口から第2ブースの内部への室の室内空気の逆流を防ぐことができ、第1及び第2ブースの内部の清浄状態を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一例として示すクリーンブースの前方斜視図。
図2】建造物の室を含むクリーンブースの上面図。
図3図2のA-A線矢視断面図。
図4図2のB-B線矢視断面図。
図5図2のC-C線矢視断面図。
図6】クリーンブースにおける室内空気及び空気Aの流れを示す上面図。
図7】クリーンブースにおける室内空気及び空気Aの流れを示す図3と同様の側面図。
図8】クリーンブースにおける室内空気及び空気Aの流れを示す図4と同様の正面図。
図9】クリーンブースにおける室内空気及び空気Aの流れを示す図5と同様の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照し、本発明に係るブースの詳細をクリーンブース10を例として説明すると、以下のとおりである。尚、図1は、一例として示すクリーンブース10の前方斜視図であり、図2は、建造物11の室12を含むクリーンブース10の上面図である。図3は、図2のA-A線矢視断面図であり、図4は、図2のB-B線矢視断面図である。図5は、図2のC-C線矢視断面図である。図1図5では、給気システム16(第1給気手段)、右送気システム23(第2給気手段)、左送気システム24(第2給気手段)、安全キャビネット49、第1給気口15、第2右給気口21(第2給気口)、第2左給気口22(第2給気口)、空調設備の空調空気給気口31(エアーコンディショナーの空調空気給気口31)を模式的に示す。図1では、上下方向を矢印X、前後方向を矢印Yで示し、横方向を矢印Zで示す。
【0029】
クリーンブース10(ブース)は、研究棟や実験棟、医療棟、製造工場等の建造物11の室12の所定の箇所に施設されて室12と区画され、その内部(室内)に各種の実験設備(作業設備)を収容可能であり、各種の実験や研究、開発、培養等に利用される。クリーンブース10は、その内部(第1及び第2ブース)が微陽圧に保持されている。クリーンブース10は、第1ブース13(主作業ブース)、第1出入口14、第1給気口15、給気システム16(第1給気手段)、第1右パネル17(第1パネル)及び第1左パネル18(第1パネル)、第2ブース19(補助作業ブース)、第2出入口20、第2右給気口21(第2給気口)及び第2左給気口22(第2給気口)、右送気システム23(第2給気手段)及び左送気システム24(第2給気手段)、第2右パネル25(第2パネル)及び第2左パネル26(第2パネル)、右ダクト27(空気流路)及び左ダクト28(空気流路)、右吸気口29(吸気口)及び左吸気口30(吸気口)、コントローラ(図示せず)を有する。
【0030】
建造物11には、その室12の室内(内部)に空気A(例えば、所定の温度、所定の湿度、所定の清浄度、所定種類のガスを含有する空気質)空調空気を給気する空調設備(図示せず)が施設されている。建造物11の室12の室内におけるクリーンブース10の外側(共用部分)の天井(天井面66)には、空調設備(例えば、エアーコンディショナー)によって生成された空調空気を建造物11の内部(室内)に給気する空調空気給気口31(吹き出し口)が設置されている。空調空気給気口31からは、建造物11の室12の内部に向かって所定風量の空調空気が給気され、建造物11の室12の内部が設定温度及び設定湿度に保持される。尚、建造物11の室12の内部の清浄度は、クリーンブース10の内部のそれよりも低い。
【0031】
クリーンブース10は、建造物11の室12の内部に設置された複数枚の天井パネル32と、建造物11の床面33と天井パネル32との間に設置された複数枚の側壁パネル34と、床面33と天井パネル32との間に設置された複数枚の第1右正面壁パネル35及び複数枚の第1左正面壁パネル36と、床面33と天井パネル32との間に設置された複数枚の第2右正面壁パネル37及び複数枚の第2左正面壁パネル38とから作られている。天井パネル32には、平面形状が四角形のアルミパネルまたは鋼材パネルが利用されている。天井パネル32は、複数枚の側面パネル39と複数枚の天面パネル40とから形成されている。
【0032】
天井パネル32では、それら側面パネル39を横方向と前後方向とへ気密に連結することで天井囲いが作られ、それら天面パネル40を横方向と前後方向とへ気密に連結することで天井部分が作られている。天井パネル32では、側面パネル39の上端縁が建造物11の天井面66に気密に連結され、天面パネル40から作られた天井部分の外周縁が側面パネル39の下端縁に気密に連結されている。建造物11の天井面66と天面パネル40(天井)との間には、側面パネル39に囲繞された天井空間41が形成されている。
【0033】
天面パネル40には、天井用照明器具(LED)が設置されている。天井パネル32(側面パネル39および天面パネル40)は、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚のパネル39,40に容易に分解することができる。
【0034】
それら側壁パネル34、それら第1右正面壁パネル35、それら第1左正面壁パネル36、それら第2右正面壁パネル37、それら第2左正面壁パネル38は、アルミフレーム又は鋼材フレームと、アルミフレームや鋼材フレームに嵌め込まれた透明なプラスチック板(アクリルボードやポリカーボネートボード、塩ビボード等)又は透明なガラス板とから作られ、その平面形状が四角形に成形されている。側壁パネル34は、横方向へ気密に連結されてクリーンブース10の背面壁42を形成し、前後方向へ気密に連結されて横方向へ離間対向するクリーンブース10の両側面壁43を形成している。
【0035】
それら側壁パネル34は、その上端縁が天井部分(天面パネル40)の外周縁に気密に連結され、その下端縁が建造物11の床面33に気密に連結されている。側壁パネル34は、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚の側壁パネル34に容易に分解することができる。
【0036】
第1右正面壁パネル35は、背面壁42から前後方向前方へ離間配置され、側壁パネル39の内側から横方向内方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第1右正面壁パネル35の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。
【0037】
第1右正面壁パネル35は、上下方向へ延びる一方の側縁が側壁パネル39に気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。第1右正面壁パネル35は、側壁パネル39に対して直交した状態で連結されることで第1右正面壁44を形成している。
【0038】
第1左正面壁パネル36は、背面壁42から前後方向前方へ離間配置され、側壁パネル39の内側から横方向内方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第1左正面壁パネル36の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。
【0039】
第1左正面壁パネル36は、上下方向へ延びる他方の側縁が側壁パネル39に気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。第1左正面壁パネル36は、側壁パネル39に対して直交した状態で連結されることで第1左正面壁45を形成している。第1右正面壁パネル35の他方の側縁(第1右正面壁44の他方の側縁)と第1左正面壁パネル36の一方の側縁(第1左正面壁45の一方の側縁)とが横方向へ離間対向し、第1右正面壁パネル35の他方の側縁と第1左正面壁パネル36の一方の側縁との間に所定面積の第1出入口14が開口している。
【0040】
第1右正面壁パネル35と第1左正面壁パネル36とは、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚の第1右正面壁パネル35及び第1左正面壁パネル36に容易に分解することができる。
【0041】
第2右正面壁パネル37は、第1右正面壁44(第1右正面壁パネル35)から前後方向前方へ離間配置され、側壁パネル39の内側から横方向内方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第2右正面壁パネル37の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。
【0042】
第2右正面壁パネル37は、上下方向へ延びる一方の側縁が側壁パネル39に気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。第2右正面壁パネル37は、側壁パネル39に対して直交した状態で連結されることで第2右正面壁46を形成している。
【0043】
第2左正面壁パネル38は、第1左正面壁45(第1左正面壁パネル36)から前後方向前方へ離間配置され、側壁パネル39の内側から横方向内方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第2左正面壁パネル38の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。
【0044】
第2左正面壁パネル38は、上下方向へ延びる他方の側縁が側壁パネル39に気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。第2左正面壁パネル38は、側壁パネル39に対して直交した状態で連結されることで第2左正面壁47を形成している。第2右正面壁パネル37の他方の側縁(第2右正面壁46の他方の側縁)と第2左正面壁パネル38の一方の側縁(第2左正面壁47の一方の側縁)とが横方向へ離間対向し、第2右正面壁パネル37の他方の側縁と第2左正面壁パネル38の一方の側縁との間に所定面積の第2出入口20が開口している。
【0045】
第2右正面壁パネル37と第2左正面壁パネル38とは、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚の第2右正面壁パネル37及び第2左正面壁パネル38に容易に分解することができる。
【0046】
クリーンブース10には、天井パネル40と側壁パネル39(両側面壁43、背面壁42)と第1右正面壁パネル35(第1右正面壁44)と第1左正面壁パネル36(第1左正面壁45)とに囲繞された所定容積及び所定の床面積の第1ブース13(主作業ブース)が作られている。クリーンブース10には、天井パネル40と側壁パネル39(両側面壁43)と第1右正面壁パネル35(第1右正面壁44)と第1左正面壁パネル36(第1左正面壁45)と第2右正面壁パネル37(第2右正面壁46)と第2左正面壁パネル38(第2左正面47壁)とに囲繞された所定容積及び所定の床面積の第2ブース19(補助作業作業ブース)が作られている。
【0047】
第1ブース13(主作業ブース)は、所定容積の作業スペース48を有し、その作業スペース48に各種の実験設備(作業設備)を収容可能であり、作業者が各種の実験や研究、開発、培養等を行う。図示の第1ブース13の作業スペース48には、安全キャビネット49が収容されている。第1ブース13には、安全キャビネット49の他に、クリーンベンチ、グローブボックス、アイソレータ、ドラフトチャンバを収容することができ、細胞培養装置や遠心分離器、冷凍機等の各種の実験装置、机や棚、コンピュータ(サーバ)等を収容することができる。
【0048】
安全キャビネット49は、作業用チャンバと作業用チャンバを載せた架台とを備えている。安全キャビネット49には、空気流入開口及び空気流路が形成され、送風機(給気および排気用ファン)とHEPAフィルターとが設置されている。空気流入開口は、作業用チャンバの下方に開口している。空気流路は、空気流入開口に繋がり、空気流入開口から流入した空気が通流する。作業用チャンバの直上に延びる空気流路には、排気用ダクト64が連結されている。クリーンブース10では、送風機と排気用ダクト64とが排気手段を形成している。
【0049】
排気用ダクト64は、安全キャビネット49から天井部分から延びていて第1ブース13の内部に延出している。排気用ダクト64の第1ブース13の内部に延出する先端部には、排気口65が連結されている。安全キャビネット49を通流した空気は、排気口65から第1ブース13の内部に排気される。
【0050】
安全キャビネット49の送風機は、作業用チャンバの直上に延びる空気流路に設置され、空気流路に流入した空気を作業用チャンバの上方から下方に向かって流動させる。安全キャビネット49のHEPAフィルターは、作業用チャンバの直上(頂面板)に設置されているとともに、作業用チャンバの直上に延びる空気流路の上方に設置されている。安全キャビネット49では、送風機が起動すると、図7に矢印L3で示すように、第1ブース13の内部の空気を取り込み、その空気の一部をHEPAフィルターで濾過しつつ、清浄な空気を作業用チャンバに給気し、作業用チャンバに清浄なエアー空間を作る。更に、排気空気をHEPAフィルターで濾過しつつ、清浄な排気空気(清浄空気)を第1ブース13の内部に排気する。
【0051】
第1ブース13の容積や床面積に特に制限はなく、第1ブース13において行われる作業内容や収容する実験設備の大きさ、実験設備の数等によってその容積や床面積が決定される。第1出入口14は、第2ブース19から第1ブース13に出入するために施設され、第1右正面壁パネル35及び第1左正面壁パネル36によって形成された第1右正面壁44と第1左正面壁45との間(第1ブース13の中央)に開口している。第1出入口14は、その平面形状が縦方向へ長い四角形を呈し、作業者が通行(出入)可能な開口面積を有する。第1出入口14からは、第1ブース13の内部の空気Aが第2ブース19に向かって流出する。
【0052】
第1給気口15は、第1ブース13の略中央部における天井パネル32(天面パネル40)に設置されている。第1給気口15は、その平面形状が四角形を呈し、格子状の複数の開口を有して空気A(例えば、清浄空気)をそれら開口から第1ブース13の内部に給気(放出)する。給気システム16(第1給気手段)は、空調機50及びHEPAフィルター51を備え、第1給気口15から所定風量の空気A(清浄空気)を第1ブース13に給気する。
【0053】
空調機50は、クリーンブース10(第1ブース13)の外側であって建造物11の室12の内部に設置されている。空調機50は、ダクト52を介して第1ブース13に連結されている。空調機50は、その制御部が信号線(有線又は無線)を介してコントローラに接続され、その発停や出力がコントローラによって制御される。HEPAフィルター51は、第1給気口15の直上にであってダクト52に繋がるフィルター収容ボックス53の内部に着脱可能に設置されている。ダクト52は、建造物11の室12の内部から天井部分の天井空間41に進入し、フィルター収容ボックス53(第1給気口15)に繋がっている。
【0054】
空調機50は、建造物11の室12の室内(外部)空気を取り入れ、その室内空気を空調空気に変え、所定の給気風量の空調された空気Aを第1ブース13に向かって給気する。空調機50によって作られた空気Aは、ダクト52を通ってHEPAフィルター51に達し、HEPAフィルター51を通流することで、それに含まれる不純物(塵埃や雑菌、ウイルス等)がHEPAフィルター51によって除去(濾過)され、清浄な空気A(清浄空気)になる。
【0055】
空調空気から不純物が除去された空気A(清浄空気)は、ダクト52から第1給気口14を通って天井部分から第1ブース13の内部の床面33に向かって給気される。給気システム16(第1給気手段)は、空調機50から空気Aを給気することで、第1ブース13の内部気圧を微陽圧に保持しつつ、第1ブース13から第1出入口14に向かって一方向(前後方向)へ流れる空気Aから作られた気流を発生させる。
【0056】
尚、給気システム16に替えてファンフィルターユニット(第1給気手段)を使用することができる。ファンフィルターユニットは、第1ブース13の天井部分の天井空間41に設置される。ファンフィルターユニットは、給気ファン及びHEPAフィルターと、天井空間41に位置する空気取り入れ口とを有する。ファンフィルターユニットは、その制御部が信号線を介してコントローラに接続され、その発停や出力がコントローラによって制御される。ファンフィルターユニットは、その空気取り入れ口から建造物11の室12の室内(外部)空気を取り入れ、HEPAフィルターによって室内空気に含まれる不純物(塵埃や雑菌、ウイルス等)を除去して清浄空気に変え、清浄された空気A(清浄空気)を第1給気口15から第1ブース13の内部の床面に向かって給気する。ファンフィルターユニットは、所定の給気風量の空気Aを給気することで、第1ブース13の内部気圧を微陽圧に保持しつつ、第1ブース13から第1出入口14に向かって一方向(前後方向)へ流れる空気Aから作られた気流を発生させる。
【0057】
第1右パネル17(第1パネル)は、第1出入口14の一方の側に位置し、第1ブース13の第1出入口14を作る第1右正面壁パネル35の他方の側縁に繋がり、第1右正面壁パネル35の他方の側縁から前後方向前方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第1右パネル17は、第1出入口14から第2ブース19の内部に向かって所定長さ延在している。第1右パネル17の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。第1右パネル17は、前後方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結され、前後方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されているとともに、上下方向へ延びる後端縁が第1右正面壁パネル35の他方の側縁に気密に連結されている。
【0058】
第1左パネル18(第1パネル)は、第1出入口14の他方の側に位置し、第1ブース13の第1出入口14を作る第1左正面壁パネル36の一方の側縁に繋がり、第1左正面壁パネル36の一方の側縁から前後方向前方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第1左パネル18は、第1出入口14から第2ブース19の内部に向かって所定長さ延在している。第1左パネル18の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。第1左パネル18は、前後方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結され、前後方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されているとともに、上下方向へ延びる後端縁が第1左正面壁パネル36の他方の側縁に気密に連結されている。
【0059】
第1右パネル17及び第1左パネル18は、気流の乱れを防ぐ整流板として機能し、第1出入口14を含むその近傍の気流の乱れを整流する。第1右パネル17及び第1左パネル18は、アルミフレーム又は鋼材フレームと、アルミフレームや鋼材フレームに嵌め込まれた透明なプラスチック板(アクリルボードやポリカーボネートボード、塩ビボード等)又は透明なガラス板とから作られ、その平面形状が四角形に成形されている。
【0060】
第1右パネル17及び第1左パネル18は、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚の第1右パネル17及び第1左パネル18に容易に分解することができる。
【0061】
第2ブース19(補助作業ブース)は、所定容積の補助作業スペースを有し、各種の補助作業を行うことができる。補助作業には、作業衣への着替えや実験試料の仕分け、成果物の確認、作業手順の確認等の各種作業が含まれる。第2ブース19の内部には、机や棚、キーボード、マウス等を収容することができる。第2ブース19の容積や床面積に特に制限はなく、第2ブース19で行われる作業内容、収容人数等によってその容積や床面積が決定される。
【0062】
第2出入口20は、第2ブース19の外側(室12の室内)から第2ブース19に出入するために施設され、第2右正面壁パネル37及び第2左正面壁パネル38によって形成された第2右正面壁46と第2左正面壁47との間(第2ブース19の中央)に開口している。第2出入口20は、その平面形状が縦方向へ長い四角形を呈し、作業者が通行(出入)可能な開口面積を有する。第2出入口20からは、第2ブース19の内部の空気Aが第2ブース19の外側(室12の室内)に向かって流出する。
【0063】
第2右給気口21(第2給気口)は、第2ブース19の右方における天井パネル32(天面パネル40)に設置されている。第2右給気口21は、その平面形状が四角形を呈し、格子状の複数の開口を有して空気A(清浄空気)又は後記する第2ブース19の外側近傍の空気と空気Aとの混合空気(清浄空気)をそれら開口から第2ブース19の内部に送気(給気)する。第2左給気口22(第2給気口)は、第2ブース19の左方における天井パネル32(天面パネル40)に設置されている。第2左給気口22は、その平面形状が四角形を呈し、格子状の複数の開口を有して空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)をそれら開口から第2ブース19の内部に送気(給気)する。
【0064】
右送気システム23(第2給気手段)は、送風機54、HEPAフィルター55、右連結ダクト56を備え、第2右給気口21から所定風量の空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)を第2ブース19に給気する。右連結ダクト56は、天井部分の天井空間41に位置し、右ダクト27に繋がるとともに、第2右給気口21の直上に設置されたフィルター収容ボックス57(第2左給気口21)に繋がっている。送風機54(給気ポンプ)は、右連結ダクト56に設置され、その制御部が信号線を介してコントローラに接続されている。送風機54は、その発停や出力がコントローラによって制御される。HEPAフィルター55は、右連結ダクト56に繋がるフィルター収容ボックス57の内部に着脱可能に設置されている。
【0065】
右送気システム23(第2給気手段)は、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A又は混合空気をHEPAフィルター55に通流させることで、空気A又は混合空気に含まれる不純物(塵埃や雑菌、ウイルス等)をHEPAフィルター55によって除去(濾過)し、空気A又は混合空気を清浄な空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)に変える。右送気システム23は、所定の給気風量の清浄された空気A又は混合空気を送風機54によって第2右給気口21から第2ブース19に向かって給気する。
【0066】
HEPAフィルター55によって不純物が除去された空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)は、第2右給気口21を通って天井部分から第2ブース19の内部の床面33に向かって給気される。右送気システム23(第2給気手段)は、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)を第2ブース19の上方から床面33に向かって給気することで、第2ブース19の内部気圧を微陽圧に保持しつつ、第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる空気A又は混合空気から作られた気流を発生させる。
【0067】
左送気システム24(第2給気手段)は、送風機58、HEPAフィルター59、左連結ダクト60を備え、第2左給気口22から所定風量の空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)を第2ブース19に給気する。左連結ダクト60は、天井部分の天井空間41に位置し、左ダクト28に繋がるとともに、第2左給気口22の直上に設置されたフィルター収容ボックス61(第2左給気口22)に繋がっている。送風機58(給気ポンプ)は、左連結ダクト60に設置され、その制御部が信号線を介してコントローラに接続されている。送風機58は、その発停や出力がコントローラによって制御される。HEPAフィルター59は、左連結ダクト60に繋がるフィルター収容ボックス61の内部に着脱可能に設置されている。
【0068】
左送気システム24(第2給気手段)は、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A又は混合空気をHEPAフィルター59に通流させることで、その空気A又は混合空気に含まれる不純物(塵埃や雑菌、ウイルス等)をHEPAフィルター59によって除去(濾過)し、空気A又は混合空気を清浄な空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)に変える。左送気システム24は、所定の給気風量の清浄された空気A又は混合空気を送風機58によって第2左給気口22から第2ブース19に向かって給気する。
【0069】
HEPAフィルター59によって不純物が除去された空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)は、第2左給気口22を通って天井部分から第2ブース19の内部の床面33に向かって給気される。左送気システム24(第2給気手段)は、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)を第2ブース19の上方から床面33に向かって給気することで、第2ブース19の内部気圧を微陽圧に保持しつつ、第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる空気A又は混合空気から作られた気流を発生させる。
【0070】
尚、右送気システム23(第2給気手段)に替えて右ファンフィルターユニット(第2給気手段)を使用することができ、左送気システム24(第2給気手段)に替えて左ファンフィルターユニット(第2給気手段)を使用することができる。右ファンフィルターユニットは、第2ブース19の右方における天井部分の天井空間41に設置され、左ファンフィルターユニットは、第2ブース19の左方における天井部分の天井空間41に設置される。
【0071】
右ファンフィルターユニット及び左ファンフィルターユニットは、給気ファン及びHEPAフィルターと、天井空間41に位置する連結ダクトとを有する。右ファンフィルターユニット及び左ファンフィルターユニットは、その制御部が信号線を介してコントローラに接続され、その発停や出力がコントローラによって制御される。右ファンフィルターユニット及び左ファンフィルターユニットは、左右ダクト27,28を通流した第2出入口20近傍の空気A又は混合空気を連結ダクトから取り入れ、HEPAフィルターによって空気A又は混合空気に含まれる不純物(塵埃や雑菌、ウイルス等)を除去して清浄された空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)に変え、その空気A(清浄空気)又は混合空気(清浄空気)を第2右給気口21及び第2左給気口22から第2ブース19の内部の床面33に向かって給気する。右ファンフィルターユニット及び左ファンフィルターユニットは、所定の給気風量の空気A又は混合空気を第2ブース19に給気することで、第2ブース19の内部気圧を微陽圧に保持しつつ、第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる空気A又は混合空気から作られた気流を発生させる。
【0072】
第2右パネル25(第2パネル)は、第2出入口20の一方の側に位置し、第2ブース19の第2出入口20を作る第2右正面壁パネル37の他方の側縁に繋がり、第2右正面壁パネル37の他方の側縁から前後方向前方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第2右パネル25は、第2出入口20から第2ブース19の外側に向かって所定長さ延在している。第2右パネル25の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。第2右パネル25は、前後方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結され、前後方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されているとともに、上下方向へ延びる後端縁が第2右正面壁パネル37の他方の側縁に気密に連結されている。
【0073】
第2左パネル26(第2パネル)は、第2出入口20の他方の側に位置し、第2ブース19の第2出入口20を作る第2左正面壁パネル38の一方の側縁に繋がり、第2左正面壁パネル38の一方の側縁から前後方向前方へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。第2左パネル26は、第2出入口20から第2ブース19の外側に向かって所定長さ延在している。第2左パネル26の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。第2左パネル26は、前後方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結され、前後方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されているとともに、上下方向へ延びる後端縁が第2左正面壁パネル38の他方の側縁に気密に連結されている。
【0074】
第2右パネル25及び第2左パネル26は、気流の乱れを防ぐ整流板として機能し、第2出入口20を含むその近傍の気流の乱れを整流する。第2右パネル25及び第2左パネル26は、アルミフレーム又は鋼材フレームと、アルミフレームや鋼材フレームに嵌め込まれた透明なプラスチック板(アクリルボードやポリカーボネートボード、塩ビボード等)又は透明なガラス板とから作られ、その平面形状が四角形に成形されている。
【0075】
第2右パネル25及び第2左パネル26は、建造物11の室12の内部において着脱可能であり、複数枚のそれらを所定のマニュアル(手順)にしたがって建造物11の内部に容易かつ迅速に取り付けることができ、建造物11の内部から容易かつ迅速に取り外すことができるとともに、複数枚の第2右パネル25及び第2左パネル26に容易に分解することができる。
【0076】
第2右パネル25の一方の側縁と第2左パネル26の他方の側縁との横方向の離間寸法(第2出入口20の横方向の開口寸法)は、第1右パネル17の一方の側縁と第1左パネル18の他方の側縁との横方向のそれ(第1出入口14の横方向の開口寸法)よりも小さい。従って、第2出入口20の開口面積が第1出入口14の開口面積よりも小さく、第2出入口20を通流する空気A又は混合空気の流速が第1出入口14を通流する空気A又は混合空気の流速よりも速い。
【0077】
右ダクト27(空気流路)は、第2ブース19から前後方向前方へ延びる右側壁パネル34、横方向へ延びる第2右正面壁パネル37、前後方向へ延びる第2右パネル25、横方向へ延びる右ダクトパネル62から作られている。右ダクト27は、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。右ダクト27は、その断面形状が四角形を呈し、それらパネル25,34,3762に囲繞された上下方向へ延びる通流スペースを有する。右ダクト27の上部は、天井部分の天井空間41に位置し、右連結ダクト56に気密に連結されている。右ダクト27には、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A又は混合空気が通流スペースの下方から上方に向かって通流する。
【0078】
右ダクトパネル62は、第2右正面壁パネル37から前後方向前方へ離間配置され、右側壁パネル34と第2右パネル25との間において横方向へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。右ダクトパネル62の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。右ダクトパネル62は、その両側縁が右側壁パネル34の前端縁と第2右パネル25の前端縁とに気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。
【0079】
左ダクト28(空気流路)は、第2ブース19から前後方向前方へ延びる左側壁パネル34、横方向へ延びる第2左正面壁パネル38、前後方向へ延びる第2左パネル26、横方向へ延びる左ダクトパネル63から作られている。左ダクト28は、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。左ダクト28は、その断面形状が四角形を呈し、それらパネル26,34,38,63に囲繞された上下方向へ延びる通流スペースを有する。左ダクト28の上部は、天井部分の天井空間41に位置し、左連結ダクト60に気密に連結されている。左ダクト28には、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20近傍の空気A又は混合空気が通流スペースの下方から上方に向かって通流する。
【0080】
左ダクトパネル63は、第2左正面壁パネル38から前後方向前方へ離間配置され、左側壁パネル34と第2左パネル26との間において横方向へ延びているとともに、室12の床面33から天面パネル40(室12の天面)に向かって上下方向へ延びている。左ダクトパネル63の上下方向の長さ寸法は、床面33から天面パネル40(室12の天面)までのクリーンブース10の上下方向の高さ寸法と同一である。左ダクトパネル63は、その両側縁が左側壁パネル34の前端縁と第2左パネル26の前端縁とに気密に連結され、横方向へ延びる上端縁が天面パネル40に気密に連結されているとともに、横方向へ延びる下端縁が床面33に気密に連結されている。右ダクト27(空気流路)と左ダクト28(空気流路)との間には、第2出入口20と同一の面積の作業者が通行(出入)可能な開口が形成されている。
【0081】
右吸気口29は、床面33の側に延びる右ダクト27の下方に設置されている。具体的には、右ダクトパネル62の下部に設置されている。右吸気口28は、その平面形状が四角形を呈し、格子状の複数の開口を有して第2ブース19の外側に流出した第2出入口20を含むその近傍の空気A又は第2ブース19の外側近傍の空気と空気Aとの混合空気を吸気する。尚、右吸気口29は、第2出入口20を含むその近傍に設置されていればよく、例えば、右吸気口29が右側壁パネル34の下方や第2右正面壁パネル37の下方、第2右パネル25の下方に設置されていてもよい。
【0082】
左吸気口30は、床面33の側に延びる左ダクト28の下方に設置されている。具体的には、左ダクトパネル63の下部に設置されている。左吸気口30は、その平面形状が四角形を呈し、格子状の複数の開口を有して第2ブース19の外側に流出した第2出入口20を含むその近傍の空気A又は第2ブース19の外側近傍の空気と空気Aとの混合空気を吸気する。尚、左吸気口30は、第2出入口20を含むその近傍に設置されていればよく、例えば、左吸気口30が左側壁パネル34の下方や第2左正面壁パネル38の下方、第2左パネル26の下方に設置されていてもよい。
【0083】
コントローラは、中央処理部(CPU又はMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作する物理的なコンピュータ(マイコン)であり、記憶領域を実装している。コントローラには、タッチパネルがインターフェイスを介して接続されている。コントローラの中央処理部は、オペレーティングシステム(OS)による制御に基づいて、メモリに記憶されたアプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って給排気操作を実施する。
【0084】
図6は、クリーンブース10における室内空気及び空気Aの流れを示す上面図であり、図7は、クリーンブース10における室内空気及び空気Aの流れを示す図3と同様の側面図ある。図8は、クリーンブース10における室内空気及び空気Aの流れを示す図4と同様の正面図あり、図9は、クリーンブース10における室内空気及び空気Aの流れを示す図5と同様の正面図ある。
【0085】
第1ブース13(主作業ブース)に設置された安全キャビネット49を利用して各種の作業を行う場合、作業者は無塵衣を着用した状態で第2出入口20を通って第2ブース19(補助作業ブース)に入り、第2ブース19に設置されたブースのON/OFFスイッチ(図示せず)及び安全キャビネット49のON/OFFスイッチ(図示せず)をONにする。それらON/OFFスイッチをONにすると、コントローラは、給気システム16(第1給気手段)の空調機50の制御部、右送気システム23(第2給気手段)の送風機54の制御部、左送気システム24(第2給気手段)の送風機58の制御部、安全キャビネット49の送風機の制御部に起動信号を送信する。
【0086】
起動信号を受信した空調機50の制御部や送風機54,58の制御部は、設定出力で空調機50及び送風機54,58を起動させる。尚、建造物11の空調設備が稼働しており、矢印L2で示すように、所定風量の空調空気が室12の天井に設置された空調空気給気口31から建造物11の内部(室内)に給気されている。作業者は、第2ブース19から第1出入口14を通り、第1ブース13に移動した後、安全キャビネット49を利用して各種の作業を行う。
【0087】
尚、クリーンブース10における給気システム16(第1給気手段)の給気風量、右送気システム23(第2給気手段)の送気風量、左送気システム24(第2給気手段)の送気風量(ファンフィルターユニットを使用する場合は、その給気風量)は、クリーンブース10の施設時の設計風量によってクリーンブース10の内部の気圧が微陽圧に保持される条件下、空調機50や送風機54,58の起動後にコントローラ(コンピュータ)及び室圧センサ等を利用して自動調節(フィードバック制御等)によって調節される。又、給気風量や送気風量がクリーンブース10の施設時の設計風量によってクリーンブース10の内部の気圧が微陽圧に保持される条件下、空調機50や送風機54,58の運転開始時に作業者がクリーンブース10の外側のリモコンで調節する場合もある。
【0088】
給気システム16(第1給気手段)の空調機50が起動すると、図7に矢印L1で示すように、建造物11の内部の室内空気が空調機50の空気取り入れ用ガラリから空調機50に流入し、室内空気が空調機50によって空調されて空調空気になり、その空調空気がダクト52を通ってフィルター収容ボックス53のHEPAフィルター51を通流する。HEPAフィルター51を通流した空気A(清浄な空調空気)は、第1給気口15から第1ブース13の天井から床面33に向かって給気される。
【0089】
第1ブース13では、図6に矢印L1で示すように、第1給気口15から第1ブース13に給気された空気Aが第1ブース13から第1出入口14に向かって流動するとともに、第1出入口14から第2ブース19に流入する。第1ブース13を通って第2ブース19に流入した空気Aは、第2ブース19から第2出入口20に向かって流動するとともに、第2出入口20から第2ブース19の外側(室内)に流出する。クリーンブース10では、第1ブース13に給気された空気Aによって第1ブース13から第1出入口14に向かうとともに第1出入口14から第2ブース19に向かう気流が発生するとともに、第2ブース19から第2出入口20に向かうとともに第2出入口20から第2ブース19の外側(室内)に向かう気流が発生する。
【0090】
第1ブース13の内部に給気された空気A(清浄空気)の一部は、安全キャビネット49の空気流入開口から空気流路に流入し、空気流路を通ってHEPAフィルターを通流して不純物が除去された後、作業用チャンバに流入する。作業用チャンバに流入した空気Aの一部は、HEPAフィルターを通流して不純物が除去された後、排気用ダクト64を通って排気口65から作業ブース13の外部に排気される(図7参照)。
【0091】
従って、給気システム16(第1給気手段)の空調機50から給気された空気Aは、その一部が安全キャビネット49から第1ブース13(クリーンブース10)の内部に還気される(戻される)。尚、安全キャビネット49を通流した空気を第1ブース13の内部に還気することなく、室12の室内に排気し、又は、建造物11の外部(外気)に排気してもよい。
【0092】
右送気システム23(第2給気手段)の送風機54及び左送気システム24(第2給気手段)の送風機58が起動すると、図9に矢印L1で示すように、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20を含むその外側近傍の空気Aが右ダクトパネル62の下部に設置された右吸気口29に吸気され、第2ブース19の外側に流出した第2出入口20を含むその外側近傍の空気Aが左ダクトパネル63の下部に設置された左吸気口30に吸気される。
【0093】
右吸気口29から吸気された空気A又は第2ブース19の外側近傍において吸気された空気と空気Aとの混合空気は、図8,9に矢印L1で示すように、右ダクト27の下方から上方に向かって流動し、右ダクト27から天井部分の天井空間41に配置された右連結ダクト56に流入し、右連結ダクト56からフィルター収容ボックス57に向かって流動する。空気A又は混合空気は、フィルター収容ボックス57に収容されたHEPAフィルター55を通流して不純物が除去された後、第2右給気口21(第2給気口)から第2ブース19の天井から床面33に向かって給気される。
【0094】
左吸気口30から吸気された空気A又は第2ブース19の外側近傍において吸気された空気と空気Aとの混合空気は、図8,9に矢印L1で示すように、左ダクト28の下方から上方に向かって流動し、左ダクト28から天井部分の天井空間41に配置された左連結ダクト60に流入し、左連結ダクト60からフィルター収容ボックス61に向かって流動する。空気A又は混合空気は、フィルター収容ボックス61に収容されたHEPAフィルター59を通流して不純物が除去された後、第2左給気口22(第2給気口)から第2ブース19の天井から床面33に向かって給気される。
【0095】
第2ブース19では、図6に矢印L1で示すように、第2右給気口21及び第2左給気口22から第2ブース19に給気された空気A又は混合空気が第2ブース19から第2出入口20に向かって流動し、第2出入口20から第2ブース19の外側(室内)に流出する。クリーンブース10では、第2ブース19に給気された空気A又は混合空気によって第2ブース19から第2出入口20に向かうとともに第2出入口20から第2ブース19の外側(室内)に向かう気流が発生する。
【0096】
クリーンブース10では、第1及び第2ブース13,19の容積や安全キャビネット49から第1ブース13に還気される空気の還気風量に対応しつつ、第1及び第2ブース13,19の内部気圧を微陽圧に保持し得るとともに、給気する空気A又は混合空気によって第1ブース13から第1出入口14に向かうとともに第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる気流が第1及び第2ブース13,19の内部に発生するように、給気システム16(第1給気手段)の空調機50の給気風量及び給気方向が調節されているとともに、右送気システム23(第2給気手段)の送風機54や左送気システム24(第2給気手段)の送風機58の送気風量及び送気方向が調節されている。
【0097】
尚、図示はしていないが、第2右給気口21(第2給気口)及び第2左給気口22(第2給気口)が第2ブース19に設置されておらず、右連結ダクト56及び左連結ダクト60がクリーンブース10の外側(室内)に延出し、右吸気口29から吸気された空気A又は混合空気が右ダクト27及び右連結ダクト56を通って室12の内部に排気されてもよく、左吸気口30から吸気された空気A又は混合空気が左ダクト28及び左連結ダクト60を通って室12の室内に排気されてもよい。
【0098】
クリーンブース10では、第1及び第2ブース13,19に給気された空気A又は混合空気の清浄度が建造物11の室12の室内空気のそれよりも高い。第1ブース13を流動する空気Aの清浄度が1番高く、第2ブース19を流動する空気A又は混合空気の清浄度が2番目に高く、第2ブース19の空気A又は混合空気の清浄度が第1ブース13のそれよりも低い。更に、建造物11の室12の室内空気の清浄度が第1及び第2ブース13,19を流動する空気A又は混合空気のそれよりも低い。
【0099】
クリーンブース10では、空調設備の空調空気給気口31から所定風量の空調空気が建造物11の室12の内部(室内)に給気されることで、建造物11の内部に気流の乱れが生じ、その外乱が第2右正面壁46と第2右正面壁47との間に開口する第2出入口20に作用する場合がある。更に、安全キャビネット49の空気吸い込み量の分だけ第1ブース13の内部(クリーンブース10の内部)の空気Aの設計風量が不足し、第1出入口14及び第2出入口20を通流する空気A又は混合空気の風速が低下する場合がある。
【0100】
第1出入口14及び第2出入口20を通流する空気A又は混合空気の風速が低下し、空調設備の空調空気の給気を要因とする気流の乱れが第2出入口20に作用すると、建造物11の室12の内部(室内)の室内空気の一部が第2出入口20から第2ブース19の内部に流入(逆流)し、第1及び第2ブース13,19の内部を流動する空気A又は混合空気と建造物11の室12の内部(室内)の室内空気とがコンタミネーションを起こすおそれがある。
【0101】
しかし、クリーンブース10では、安全キャビネット49(作業設備)を通流した空気を第1ブース13に還気することで、第1ブース13における空気の設計風量不足が補完され、第1及び第2出入口14,20における風速低下が防止される、更に、空調空気給気口31からの空調空気の給気を要因とする気流の乱れ(建造物11の内部の外乱)が第2出入口20に作用し、室12の室内空気が第2出入口20から第2ブース19に進入しようとしたとしても、給気システム16(第1給気手段)、右送気システム23(第2給気手段)、左送気システム24(第2給気手段)によって第1及び第2ブース13,19に給気された空気A又は混合空気により、第1ブース13から第1出入口14に向かい、第1出入口14から第2ブース19に向かうとともに、第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる気流が発生するから、室12の室内空気の第2出入口20から第2ブース19への進入や第1出入口14から第1ブース13への進入が阻止される。
【0102】
又、空調空気給気口31からの空調空気の給気を要因とする気流の乱れ(建造物11の内部の外乱)が第2右正面壁46と第2右正面壁47との間に開口する第2出入口20に作用したとしても、所定容積の第2ブース19の空気層(右送気システム23(第2給気手段)及び左送気システム24(第2給気手段)によって第2ブース19に給気された空気A又は混合空気)が第2出入口20から第2ブース19に進入しようとする室の室内空気の抵抗となり、第2ブース19の空気A又は混合空気によってその外乱による影響が緩和・消滅し、第1ブース13の内部の空気Aの第1出入口14から流出する流れ(気流)が維持される。
【0103】
尚、第2出入口20を通流する空気A又は混合空気の流速が第1出入口14を通流する空気Aの流速よりも速いから、第2ブース19において空気A又は混合空気の流速が低下することはなく、空気A又は混合空気が所定の流速で第2ブース19から第2出入口20に向かって流動し、第2出入口20から第2ブース19の外側に向かって流出する。
【0104】
クリーンブース10(ブース)は、給気システム16(第1給気手段)や右送気システム23(第2給気手段)、左送気システム24(第2給気手段)から第1及び第2ブース13,19に給気される空気A又は混合空気によって第1ブース13から第1出入口14に向かい、第1出入口14から第2ブース19に向かうとともに、第2ブース19から第2出入口20に向かって一方向(前後方向)へ流れる気流が発生し、その気流を維持し得るように、給気システム16や右送気システム23、左送気システム24から第1及び第2ブース13,19に給気される空気A又は混合空気の給気風量や送気風量が調節され、更に、安全キャビネット49を通流した空気を第1ブース13の外側に排気することで、第1及び第2ブース13,19における給気空気の設計風量不足や第1及び第2出入口14,20における風速低下を防ぐことができ、第1ブース13の内部の空気Aを第1出入口14から第2ブース19に流入させることができるとともに、第2ブース19の内部の空気A又は混合空気を第2出入口20から第2ブース19の外側(室内)に流出させることができる。
【0105】
クリーンブース10(ブース)は、各種の実験設備(作業設備)を収容可能であって所定の作業スペース48を有する第1ブース13と、第1ブース13に出入するために施設されて第1ブース13の内部に給気された空気Aが流出する第1出入口14と、第1ブース13に設置された第1給気口15から第1出入口14に向かって一方向へ流れる気流を発生させる給気システム16(第1給気手段)と、第1ブース13から流出した空気Aが流入する第2ブース19と、第2ブース19の内部に流入した空気A又は混合空気が流出する第2出入口20とを備え、安全キャビネット49を通流した空気を第1ブース13に還気しつつ、給気システム16(第1給気手段)によって第1給気口15から第1ブース13の内部に給気された空気Aが第1ブース13から第1出入口14に向かって一方向へ流動しつつ第1出入口14から第2ブース19に向かって一方向へ流動した後、第2出入口20から第2ブース19の外側に流出するから、第1出入口14から第1ブース13の内部への建造物11の室12の室内空気の逆流を防ぐことができ、第2出入口20から第2ブース19の内部への建造物11の室12の室内空気の逆流を防ぐことができる。
【0106】
クリーンブース10(ブース)は、第2出入口20から第2ブース19の内部へ建造物11の室12の室内空気が逆流することはなく、第1出入口14から第1ブース13の内部へ建造物11の室12の室内空気が逆流することはないから、第1及び第2ブース13,19の内部の清浄状態を保持することができる。クリーンブース10(ブース)は、それが施設された建造物11の室12の内部に所定の要因によって気流の乱れが発生し、室12の内部に発生した気流の乱れがクリーンブース10に作用したとしても、建造物11の室12の室内空気の第2ブース19の内部への流入を防ぐことができるとともに、室12の室内空気の第1ブース13の内部への流入を防ぐことができるから、室12の室内空気が第1及び第2ブース13,19の内部の空気A又は混合空気に混入するコンタミネーションを防ぐことができ、第1及び第2ブース13,19の内部の空気質を第1給気口から取り入れたときの空気Aの状態に保持することができるとともに、第1及び第2ブース13,19の内部の清浄状態を確実に保持することができる。
【0107】
クリーンブース10(ブース)は、第2出入口20を含むその近傍に設置された右吸気口29や左吸気口30(吸気口)から吸気された空気A又は混合空気を右送気システム23(第2給気手段)及び左送気システム24(第2給気手段)によって第2ブース19の内部に給気するから、第2ブース19の外側に流出した空気Aが第2出入口20から第2ブース19に流入しようとしたとしても、右送気システム23(第2給気手段)及び左送気システム24(第2給気手段)によって第2ブース19から第2出入口20に向かうとともに第2出入口20から第2ブース19の外側に向かって一方向へ流れる空気A又は混合空気の気流を発生させることで、建造物11の室12の室内空気の第2ブース19の内部への流入を確実に防ぐことができ、室12の室内空気が第2ブース19の内部の空気Aに混入するコンタミネーションを防ぐことができ、第2ブース19の内部の清浄状態を確実に保持することができる。
【0108】
クリーンブース10(ブース)は、第2右パネル25と第2左パネル26との横方向の離間寸法が第1右パネル17と第1左パネル18との横方向の離間寸法よりも小さいから、第2右パネル25と第2左パネル26との間を通って第2ブース19の外側に流出する空気A又は混合空気の流速を速くすることができ、空気A又は混合空気を第2出入口20から第2ブース19の外側へ確実に流出させることができる。
【0109】
クリーンブース10(ブース)は、第1出入口14の両側に位置して床面33から天面パネル40(天面)に向かって延びていて第2ブース19の内部に向かって所定長さ延在する第1右パネル17(第1パネル)及び第1左パネル18(第1パネル)が整流板として作用するから、それらパネル17,18によって第1出入口14を含むその近傍の気流が乱れることはなく、給気システム16(第1給気手段)によって第1給気口15から第1ブース13の内部に給気された空気Aを第1ブース13から第1出入口14に向かって一方向へスムースに流動させることができ、その空気Aを第1出入口14から第2ブース19に向かって一方向へスムースに流動させることができる。
【0110】
クリーンブース10(ブース)は、第2出入口20の両側に位置して床面33から天面パネル40(天面)に向かって延びていて第2ブース19の外側に向かって所定長さ延在する第2右パネル25(第2パネル)及び第2左パネル26(第2パネル)が気流の乱れを防ぐ整流板として作用するから、それらパネル25,26によって第2出入口20を含むその近傍の気流が乱れることはなく、給気システム16(第1給気手段)によって第1給気口15から第1ブース13の内部に給気された空気Aを第2出入口20から第2ブース19の外側へスムースに流出させることができ、右送気システム23(第2給気手段)及び左送気システム24(第2給気手段)によって第2右給気口21(第2給気口)及び第2左給気口22(第2給気口)から第2ブース19の内部に給気された空気A又は混合空気を第2出入口20から第2ブース19の外側へスムースに流出させることができる。
【符号の説明】
【0111】
10 クリーンブース(ブース)
11 建造物
12 室
13 第1ブース(主作業ブース)
14 第1出入口
15 第1給気口
16 給気システム(第1給気手段)
17 第1右パネル(第1パネル)
18 第1左パネル(第1パネル)
19 第2ブース(補助作業ブース)
20 第2出入口
21 第2右給気口(第2給気口)
22 第2左給気口(第2給気口)
23 右送気システム(第2給気手段)
24 左送気システム(第2給気手段)
25 第2右パネル(第2パネル)
26 第2左パネル(第2パネル)
27 右ダクト(空気流路)
28 左ダクト(空気流路)
29 右吸気口(吸気口)
30 左吸気口(吸気口)
31 空調空気給気口
32 天井パネル
33 床面
34 側壁パネル
35 第1右正面壁パネル
36 第1左正面壁パネル
37 第2右正面壁パネル
38 第2左正面壁パネル
39 側面パネル
40 天面パネル
41 天井空間
42 背面壁
43 両側面壁
44 第1右正面壁
45 第1左正面壁
46 第2右正面壁
47 第2左正面壁
48 作業スペース
49 安全キャビネット
50 空調機
51 HEPAフィルター
52 ダクト
53 フィルター収容ボックス
54 送風機
55 HEPAフィルター
56 右連結ダクト
57 フィルター収容ボックス
58 送風機
59 HEPAフィルター
60 左連結ダクト
61 フィルター収容ボックス
62 右ダクトパネル
63 左ダクトパネル
64 排気用ダクト
65 排気口
66 天井面
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9