(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008776
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111259
(22)【出願日】2023-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】520164091
【氏名又は名称】JPYC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 典孝
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB11
5L049BB11
(57)【要約】
【課題】インボイスの発行及び保存に要する売り手のコスト負担を軽減する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置300は、売り手Sに係る所定情報を入力する情報入力部310と、売り手Sから買い手Bに対して、インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部320と、買い手BによるインボイスNFTの二次流通を可能とする利用部340とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理装置であって、
前記売り手に係る所定情報を入力する情報入力部と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記発行部は、前記買い手に係る所定情報が入力され、スマートコントラクトがブロックチェーン上で動作することによって前記インボイスNFTを発行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用部は、前記二次流通として、前記インボイスNFTの売買、交換、質入れを含む機能を処理する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用部は、前記インボイスNFTからダウンロードされる前記インボイスを前記買い手に提供する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記インボイスに前記NFTを対応させることに先立って、当該NFTを前記売り手と前記買い手の間で取引する取引部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引部は、
前記売り手が前記NFTを市場に出品し、前記買い手が注文し、前記売り手が承諾の意思表示を行う機能、
前記売り手が前記NFTをオークションに出品し、前記買い手が落札する機能、及び、
前記買い手が前記NFTをオークションに出品し、前記売り手が落札する機能、
のうち少なくともいずれか1つの機能を処理することによって前記NFTの取引を成立させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理方法であって、
前記売り手に係る所定情報を入力する情報入力ステップと、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行ステップと、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用ステップと、を備える、情報処理方法。
【請求項8】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理するプログラムであって、
前記売り手に係る所定情報を入力する情報入力機能と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行機能と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用機能と、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、消費税の軽減税率制度・適格請求書等保存方式の導入が予定されている。後者の適格請求書等保存方式は、いわゆるインボイス制度とも呼ばれており、その概要は、次のようなものである。すなわち、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるため、「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータを適格請求書(インボイス)を作成する。売り手である適格請求書発行事業者(登録事業者)は、買い手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付し、その写しを保存しておく必要がある。他方、買い手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売り手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となる。
【0003】
インボイス制度の導入に関しては、いくつかの技術が開示されているが、例えば、特許文献1では、発行済みの請求書(インボイスに対応)に係る証憑データが所定の条件を満たさない不適格なものであると判定されると、控除の適用を受けることができなくなることを防止するため、所定の条件を満たす帳票(インボイスに対応)を発行することを提案する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、売り手にとって、インボイスを発行し、保存するには、相応のコストがかかり、特にインボイスの発行・保存件数が多くなるにつれて、その負担が大きくなるという課題がある。この観点から、電子化されたインボイス(デジタルインボイス)に関する技術が開示されているものの、コスト負担の軽減に着目した技術は、まだ、提案されていないのが実情である。
【0006】
そこで、本開示は、インボイスの発行及び保存に要する売り手のコスト負担を軽減する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一観点によれば、売り手に係る所定情報を入力する情報入力部と、前記売り手から買い手に対して、インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部と、前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用部とを備える情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、インボイスの発行及び保存に要する売り手のコスト負担を軽減する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る全体システムを示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の基本構成例を示す図である。
【
図3】インボイス(適格請求書等)の例を示す図である。
【
図4】ブロックチェーンネットワークを構築するノード端末の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、添付図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
【0011】
(全体システム)
本実施形態に係る情報処理装置10を含む全体システムは、インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させ、NFT化されたインボイスすなわちインボイスNFTを発行し、このインボイスNFTを、二次流通として、売買、交換、質入等をできるようにすることで、インボイスの発行、保存に係るコストを賄おうとするものである。
【0012】
なお、以下では、本実施形態に係るインボイスNFTとは別に、NFT全般に該当する点の説明にあたっては、単にNFTということがある。
【0013】
ここで、インボイスは、前述したインボイス制度における仕入税額控除を受けるために必要な適格請求書等を指しており、本実施形態では、インボイスをシステム上で取り扱うことから、特に断らない限り、適格請求書等を電子データ化した電子インボイス(デジタルインボイス)を意味する。電子インボイスは、適格請求書等の内容を電子データで作成、保存、管理できるため、売り手S及び買い手Bの双方にとって、業務効率や生産性の向上が期待される。
【0014】
本実施形態では、インボイスをNFT化することにより、インボイスは、インボイスNFTとして二次流通させることが可能となる。インボイスNFTの性格について、別の既存例に例えて説明すると、インボイスNFTは、使用済み切手や、多くの人々に認知されているキャラクタがデザインされた発行済みのキャラクタ領収書のような価値を発揮するようなものである。もちろん、この既存例は、インボイスNFTの性格を理解するための例であって、インボイスNFTの態様がそれらと同様であることを意味するものではないことに留意されたい。
【0015】
注目する点は、使用済み切手や発行済みキャラクタ領収書の価値が需給により変動するように、インボイスNFTを発行する売り手Sには、自社のインボイスNFTの価値を高めるように行動する動機づけが生じるとともに、インボイスNFTの価格は企業ブランド価値に連動することとなる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る全体システムを示す。全体システムは、ブロックチェーンネットワーク100、NFT処理部200、情報処理装置300、ユーザ端末400、配信手段A500A、配信手段B500B、配信手段C500C、…、を備えている。情報処理装置300は、ブロックチェーンネットワーク100上で機能する要素として構成される。
【0017】
ブロックチェーンネットワーク100は、イーサリアムに係るP2P(Peer-to-Peer)分散ネットワークであり、P2P方式によって多数のコンピュータがサーバを介さずにお互いに接続されたネットワークである。この際に接続されている各コンピュータをノードと呼ぶ。各ノードは、外部からブロックチェーンネットワーク100に通知された処理依頼を記録すると共に、ユーザ(インボイスNFTの取引を行う者。局面に応じて、売り手S、買い手B、二次流通の取引者を指す)からの処理依頼に応じた処理を実行する。そして、処理依頼に応じた処理の結果は、各ノードが管理しているストレージに記録可能とされる。
【0018】
1つの処理依頼は、分散的に各ノードに伝達可能なブロックチェーン技術により、その処理依頼に対して各ノードが同じ処理を実行してブロックチェーン(分散台帳)の記録が可能とされる。ここから、分散環境下においても各ノードにおいて改竄検出のできる同一性情報を保持する処理(第三者を介さずに信用が担保されるトランザクション)を実現可能とする。このブロックチェーン上での実行に関する処理のことをスマートコントラクトと言う。
【0019】
ここで、スマートコントラクトとは、ブロックチェーンネットワーク100に登録されたプログラムユニット(プログラムモジュールや付随するデータ/情報の集合/コンピュータプログラム)に関するものであって、各ノードで実行可能とされるものになる。本実施形態におけるNFT処理部200は、スマートコントラクトの処理に関する機能を備えており、ユーザからの要求(リクエスト)に応じてインボイスNFTの発行に関する制御をする。
【0020】
NFTは、ブロックチェーン上のデジタル台帳上に記録される一意で代替不可能なデータ単位であり、また、デジタル台帳上に記録されている売買可能なデータ単位でもある。そして、画像・動画・音声、及びその他の種類のデジタルファイル(インボイスに係るデジタルファイルが含まれる)など、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることを可能にする。
【0021】
なお、本実施形態では、一例として、ブロックチェーンネットワーク100をイーサリアムに係るネットワークとしている。しかし、これはあくまで例示であり、他のタイプのネットワークであってもよい。またNFTが準拠する規格の例示として、ERC721(Ethereum Request for Comment721)があげられるが、これに限られるものではない。
【0022】
情報処理装置300は、ブロックチェーンネットワーク100とのやり取りを実施するサーバであり、情報処理装置300は、スマートフォンやPCなどのユーザ端末(ユーザが利用する情報処理装置)400からの要求を受けてNFT処理部200に依頼をし、その応答をユーザ端末400に返す。
【0023】
配信手段A500A~配信手段C500Cは、ユーザに対してNFTに関する情報(例えば、後述するNFT制御情報の一部又は全部)を提供するものである。具体的には、URL(Uniform Resource Locator)、二次元コード、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、音声、画像、ビーコン情報、位置情報、外部サーバの挙動(例えば、SNS(Social Networking Service)のAPI(Application Programming Interface)情報)などユーザ端末400と連携して各種データを提供するものである。具体的には、二次元コード、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、音声、画像などユーザ端末400と連携して、各種データを提供するものである。
【0024】
なお、NFTに関する一般的な処理においては、ユーザがブロックチェーンネットワーク100と直接やり取りすることがあり、その場合、ユーザの端末にはウォレットと呼ばれるブロックチェーンで利用するNFTを管理するソフトウェアやハードウェアが利用される。このような場合では、ユーザ端末400において、ウォレットがインストール済みであれば、情報処理装置300を介さずに直接ユーザ端末400からNFT処理部200に処理依頼を行うことができる。しかし、本実施形態においては、特定の商取引に係るインボイスをNFT化させることから、インボイスNFTを生成したり、生成済みのインボイスNFTを二次流通させるため、情報処理装置300は必須となる。
【0025】
(情報処理装置の基本構成例)
情報処理装置300について、説明する。
図2は、情報処理装置300の基本構成例を示す。情報処理装置300は、売り手Sと買い手Bの間におけるインボイスを処理するものであって、売り手Sに係る所定情報を入力する情報入力部310と、売り手Sから買い手Bに対して、インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部330と、買い手BによるインボイスNFTの二次流通を可能とする利用部340と、を備える。
【0026】
情報入力部310は、売り手S、買い手B、二次流通の取引者などのユーザがユーザ端末400に入力した所定情報を情報処理装置300に取り込む。所定情報としては、インボイスすなわち適格請求書等を構成する項目としての、売り手S(適格請求書発行事業者)の氏名又は名称及び登録番号、取引年月日、取引内容(対象品目等)、税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率、税率ごとに区分した消費税額等、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称のほか、システム運営に必要な項目が含まれる。
【0027】
所定情報の例として、
図3を示す。
図3は、インボイス(適格請求書等)の例を示しており、ここでは、売り手SであるX商事株式会社が買い手BであるY株式会社に発行した請求書の例を示している。所定情報は、この請求書に記載されている情報を指す。
【0028】
発行部330は、買い手Bに係る所定情報が入力され、スマートコントラクトがブロックチェーンネットワーク100上で動作することによって、インボイスNFTを発行する。インボイスNFTの発行については、後述する。
【0029】
利用部340は、インボイスNFTを入手した買い手Bのユーザ端末400からの要求に対して、インボイスNFTからダウンロードされるインボイスを、例えばPDF(Portable Document Format)形式で、買い手Bに提供することが可能である。また、利用部340は、二次流通として、インボイスNFTの売買、交換、質入れを含む機能を処理する。インボイスNFTの売買、交換、質入れは、一般のNFTと同様の処理によって実現されてよい。
【0030】
情報処理装置300は、情報入力部310、発行部330、利用部340に加え、取引部320を更に備えてもよい。取引部320は、発行部330がインボイスにNFTを対応させることに先立って、当該NFTを売り手Sと買い手Bの間で取引する機能を処理するものである。取引部320は、情報処理装置300を、当該NFTを売り手Sと買い手Bの間で事前に取引をしない態様に限定して設計する場合には、予め設けなくてもよいし、取引をする態様と取引をしない態様の双方に対応できるように設計する場合には、取引をしない態様では取引部320を経由しないように設定すればよい。
【0031】
取引部320は、
(1)売り手がNFTを市場に出品し、買い手が注文し、売り手が承諾の意思表示を行う機能、
(2)売り手がNFTをオークションに出品し、買い手が落札する機能、及び、
(3)買い手がNFTをオークションに出品し、売り手が落札する機能、
のうち少なくともいずれか1つの機能を処理することによってNFTの取引を成立させる。
【0032】
(ノード端末)
次に、ブロックチェーンネットワーク100を構築するノード端末110について、説明する。
図4は、ノード端末110に関する構成図である。ノード端末110は、通常のコンピュータであってよく、CPU120、メモリ130、ストレージ140、ストレージを接続するためのインタフェースであるストレージI/F150、外部のキーボードやマウス、ディスプレイと接続するための入出力I/F160、外部のコンピュータと接続してネットワークを構築するためのネットワークI/F170で構成されてよい。
【0033】
また、図示していないが、その他の演算処理部としてGPU(Graphics Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの半導体チップをノード端末110に搭載可能としており、これらの機能部において、例えば、不正チェックをできるようにするためとして、新しいNFT情報に関するブロックを生成する際における承認作業を行うマイニングなど、ブロックチェーン運用に必要な処理をオフロードできるようにしている。
【0034】
また、ノード端末110のストレージ140には、ブロックチェーンネットワークの情報が格納される。例えば、ストレージ140からスマートコントラクトに関する情報がメモリ130に読みだされてCPU120(場合によっては、GPUやFPGA)で実行されるようになる。なお、本実施形態における情報処理装置300及びユーザ端末400は、ノード端末110と同様の構成(通常のコンピュータに相当)となる。
【0035】
(インボイスNFTの発行)
図5は、ユーザ(買い手B)が新規にNFTを受け取るまでの処理手順であり、ユーザ(買い手B)に対してNFTを配信する際の準備部分(事前にNFTを作成する、又はリクエストに応じてNFTを作成する仕組み)の処理を含んで示すものとしている。なお、
図5では、ユーザ(売り手S)と情報処理装置300とを区分(一点鎖線による)して図示しているが、ユーザ(売り手S)の欄は、ユーザ端末400を操作することにより、情報処理装置300(発行部330)を機能させてインボイスNFTを設定することを意味している。
【0036】
まず、ユーザ(売り手S)によって、NFTを配布するにあたり必要となる、NFTを管理・運用するためのコンピュータプロトコルに関するスマートコントラクトの作成が行われる(ステップS1000)。作成したものにバグなどがないことが確認できたら、ブロックチェーンネットワーク100に対して、作成したスマートコントラクトに係るNFT処理部200の登録を行う(ステップS1010。ブロックチェーンネットワーク100、スマートコントラクトはこのフローに図示していない)。
【0037】
また、並行的にNFTの情報参照に関するインボイスを作成し、スマートコントラクトに係るNFT処理部200に登録できるようにする(ステップS1020)。そして、インボイスの作成ができることに基づいてNFT処理部200にインボイス設定を行う(ステップS1030)。
【0038】
なお、本実施形態では、スマートコントラクトに係るNFT処理部200をブロックチェーンネットワーク100に登録した後でインボイス設定をする形で説明したが、NFT処理部200の登録後にインボイス設定をするのではなく、スマートコントラクトの作成時においてインボイスに関する情報も確定した上で登録する、という手順で進める場合もありうる。
【0039】
本実施形態においては、スマートコントラクトやインボイスの開発・作成と並行して配信手段の準備が可能とされる。これを実現するのが設定情報生成処理(ステップS1100)である。ここでは、設定情報として十分な範囲を持った乱数を利用する。例えば、2の256乗の範囲の数値を乱数で割り振る、などである。設定できる空間が広ければ広いほど生成した乱数が一致する可能性は低くなる。配信手段によっては、印刷や専用デバイスにデータ書き込みなどの作業が必要になる。
【0040】
二次元コードなどの配信手段で提供する情報と、NFTで管理するID情報とを1対1に対応させようとすると、NFT側の開発完了を待つ必要があるが、アクセスすべきサイトのURLなど一定の準備やルールが確定できていれば、その後は乱数を使って自由に配信手段を生成することができる。こうして開発と独立で作業を進めることができるとともに、配信手段側の作業も機械的に実施することができる。又は、乱数ではなく各配信手段に対して利用する数値範囲を割り当てて通番を振るというルールを定義してもよい。
【0041】
例えば、二次元コードは1から10000、NFCは10001から20000、という形で全て一意となるように番号を割り当てる。こうして生成した情報を配信手段に設定し(ステップS1110)、ユーザに配布する(ステップS1120)。開発と配布を分離できることにより、事前販売も実現することができ、他の製品とのコラボレーションなどもやりやすくなる。
【0042】
NFT制御情報は、配信手段からユーザ端末400に提供される情報構成となる。ここでは、制御情報としてNFTの発行又は配布で利用する乱数、又は事前定義した通番が設定され、付加情報としてNFT取得用のアクセス先URLなどが格納されることを想定している。なお付加情報は、アクセス先URL以外のものが含まれてもよい。例えば、配信手段の種類や管理番号、販売開始日時、提供会社のURLなどである。
【0043】
こうして、例えば、配信手段として印刷された二次元コードをユーザが受け取り、これをユーザ端末(スマートフォンなど)400のカメラアプリを起動させてで読み込んで、アクセス先の情報、及び、NFTの引き換え用として設定された乱数の取得をする(ステップS1200)。
【0044】
次にユーザは、取得したアクセス先に対して取得した乱数の通知をすることで、NFTの出力を要求するリクエストを行う(ステップS1210)。本実施形態では、アクセス先として情報処理装置300が設定される。そのため、情報処理装置300がユーザからの要求を受け付けることとなる(ステップS1300)。
【0045】
なお、ユーザからの要求を行う際において、本要求を行うユーザ端末400を識別させてNFTを受け取れるようにするための個別情報(パブリックブロックチェーンの場合、ユーザのアドレスが相当する。以降、この情報をアドレスとして説明する。)なども送信可能としている。
【0046】
情報処理装置300が受信した情報は、受信データ格納部(図示せず)に格納される。なお、送信者の欄(記憶領域)には、ブロックチェーンネットワーク100でユーザのアドレスが格納されるが、必要であればユーザのIPアドレスなどを格納して確実に個人、又は個人のユーザ端末400を特定する情報(例えば、端末識別子)を格納してもよい。また、NFT制御情報の付加情報の全体又は一部が不要であれば、これらを削除した上で受信データ格納部のNFT制御情報の欄(記憶領域)に格納してもよい。
【0047】
情報処理装置300は、受信データの格納時に同じNFT制御情報を持つものがないかを確認し、既に登録済みであった場合はその配信手段の内容が利用済みであったことをユーザに伝え、処理を終了する。あるいは、「一人3個まで」というように同じユーザが複数個持つことを許容する場合は、その数を超えていないかどうかをチェックして超えていれば処理を終了する。
【0048】
利用可能とさせるユーザ数に関する上限のチェックは、情報処理装置300でなく、スマートコントラクトに係るNFT処理部200においてチェックをしても構わない。チェックを実施して問題がなければそのまま受け取った情報を格納し、受信した情報を使ってNFTの発行又は設定をNFT処理部200に依頼することとなる(ステップS1310)(スマートコントラクトはこのフローに図示していない)。
【0049】
NFT処理部200からNFTの発行又は設定の情報を受け取った情報処理装置300は、ユーザからの要求に係る通知の情報に不備がないことを確認した上で対象のNFTの保有者をユーザに変更する。又は新規にNFTを発行して保有者をユーザに設定する。
【0050】
なお、NFTを管理・運用するスマートコントラクトに係るNFT処理部200は、NFT管理情報として、NFTのIDと保有者の情報を保持している。一番シンプルなやり方は、通知された乱数や通番をそのままIDとして設定し、そのIDに通知されたユーザのアドレスを関連付けてNFT管理情報に格納する方法である。スマートコントラクトの実装上の制約からとりうるIDの上限値はあるが、乱数や通番を割り当てる際にそのことを考慮して送信情報に設定する情報を定義すれば、この制約は回避できる。
【0051】
また、NFTは100個、10000個などの上限を設ける場合は、このことに対応する一例として、受け取った乱数の剰余を求めて対応する方法がある。例えば配布するNFTが100個なのであれば、受け取った乱数を100で割って、その余りをIDとして利用する。剰余を使うことで、どのような値が通知されても、一定範囲に収めることができる。しかし、この場合は後から通知された乱数の剰余を算出すると、利用済みのIDと同じ値になることが考えられる。この場合、算出した値の次の値をIDにするクローズドハッシュ法を使うなどの工夫で対応することができる。通番を割り振る際に個数上限を想定済みであれば、そのままその値をIDとして使えばよい。
【0052】
さらに、NFTの発行数に制約をつけて流通数を少なくして希少性を出すという取り組みを行うようにしてもよい。本実施形態であれば、配信手段で提供する個数を制限することで実現できる。
【0053】
別の実現方法として、IDの範囲により希少性を表現する場合も考えられる。例えば100個のNFTがあるが、1から10までのNFTの価値が高い(特別なインボイスと関連付けるなど)という場合である。これも剰余で実現できるが、クローズドハッシュ法を使ったときに「剰余は10なのにずれて11になり価値の高いNFTがもらえない」ということが発生しうる。このような場合は単純にクローズドハッシュ法を使うのではなく、剰余が1から10になったものはこの範囲でクローズドハッシュ法を使う、とすれば対応できる。
【0054】
ただ、本実施形態では複数の配信手段の利用を想定しているため、ある配信手段で価値の高いNFTを大量に配布してしまう可能性がある。配信手段によっては受信できるユーザが限られる場合もありえるため、配布の公平性も担保する必要がある。それを管理するのが、NFT配布数管理であってよい。これは利用を想定している配信手段において、どのIDをどのくらい割り当てるかを管理する情報であり、最大割り当て数と配布開始後は実際に割り当てた数を管理するために利用する。スマートコントラクトでユーザを割り当てる際に、この情報も参照して、IDを割り当てる。ある配信手段で最大数を割り当てた後に通知された送信情報の剰余がその範囲となった場合にどのIDを割り当てるかは、開発者がそのNFTのコンセプトや運用ルールなどからスマートコントラクトに実装するものとする。ここでは単純にID範囲だけを定義したが、販売を開始してから1ヶ月以内、3ヶ月以内などの時間的な制約や、総受信数に対する統計値などを使ってもよいし、これらを組み合わせたルールを作成してもよい。
【0055】
本実施形態では、「いずれかの配信手段から入手した情報を使ってNFTを取得する」場合についての説明であった。実際には同じ場所でNFT配布情報が二次元コードと放送音声で提供されるなど複数の配信手段が利用される場合がある。この時、複数の配信手段によるNFT配布情報を送信した場合のみNFTを配布する、複数の配信手段を利用すると特別なNFTを配布するといった応用も考えることができる。このように複数の配信手段を組み合わせることで、送信情報や付加情報に追加情報を加えることなく、場所や時間に応じたNFT配布を実現できる。また、「二次元コードを持っているだけでは配布しない」といった、ある程度のセキュリティ対策にもなりうる。
【0056】
また、本例は「NFTの発行」処理を想定して説明したが、発行だけでなくNFTを含めたブロックチェーンネットワーク100上のNFTに対する処理の実施をこの仕組みで実現することができる。例えば、ゲームに利用されるNFTが「ある特定の日時にある場所に行けばパラメータが向上する」など、現実世界とNFT情報とを連携させるサービスを構築する際にも活用できる。
【0057】
本実施形態では、ユーザが情報処理装置300経由でNFT処理部200に処理を依頼する構成を例として説明しているが、ユーザ端末400にウォレットが搭載されるのが当たり前になった場合、ユーザは直接NFT処理部200にNFT制御情報を通知して処理を依頼する形になることが多いと考えられる。この場合、情報処理装置300にて管理している受信データ格納部はスマートコントラクトであるNFT処理部200で管理することで本実施形態を実現できる。
【0058】
上記したブロックチェーンネットワーク100及びユーザ端末400について、補足する。ブロックチェーンネットワーク100のネットワーク自体は、例えば、携帯電話の無線通信網、インターネット、VPN(Virtual Private Network)、WAN(Wide Area Network)、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0059】
また、ユーザ端末400は、例えば携帯型端末のスマートフォンやタブレットであるが、ウェアラブル端末(例えばスマートウォッチ、リング等)、リモコン等であってもよい。また、ユーザ端末400は、携帯型端末である必要はなく、デスクトップタイプやノートタイプのパーソナルコンピュータ等のような固定型端末であってもよい。
【0060】
ユーザ端末400は、通信部と、処理部と、入力部と、表示部とを備える。通信部は、ブロックチェーンネットワーク100を介して各種通信を行う。処理部は、ユーザ端末400で実現可能な各種機能を実現するものであり、本実施形態の情報処理装置10に係るプログラムを実行することで、各種機能(ユーザ端末400側の機能)を実現する。入力部は、ユーザによる入力を受け付ける。表示部は、処理された各種の情報が出力されるものである。入力部と表示部は、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってよく、共用のものとして構成してもよい。
【0061】
ユーザ端末400は、本実施形態に係るプログラム(アプリケーション)をインストールしている。以下で説明するユーザ端末400は、当該プログラムが実行されることで実現される。当該プログラムは、利用条件として、ユーザ情報(ユーザID)等の登録を必要とされてもよい。以下では、ユーザに対応付けられたユーザ端末400とは、同ユーザに係るユーザIDでログインされた窓口業務アプリが動作するユーザ端末400を意味する。
【0062】
(情報処理装置の動作例)
次に、
図5を参照して、情報処理装置10の動作例について説明する。
【0063】
図5は、情報処理装置10の動作例を示すフローチャートである。この動作例は、以下で説明する各ステップによって処理する情報処理方法、及び、各ステップをコンピュータに実行させる情報処理プログラムとして、実現される。
【0064】
情報処理装置10の動作、すなわち、売り手Sと買い手Bの間におけるインボイスを処理する情報処理方法は、情報入力ステップS100、取引ステップS200、発行ステップS300、利用ステップS400の4つのステップに区分される。
【0065】
まず、情報入力ステップS100では、売り手Sに係る必要な所定情報が入力される。所定情報としては、インボイスすなわち適格請求書を構成する項目としての、売り手S(適格請求書発行事業者)の氏名又は名称及び登録番号、取引年月日、取引内容(対象品目等)、税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率、税率ごとに区分した消費税額等、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称のほか、システム運営に必要な項目が含まれる。
【0066】
次に、取引ステップS200では、NFTを売り手Sと買い手Bの間で取引する処理が行われる。なお、取引ステップS200は、NFTを売り手Sと買い手Bの間で取引を行わない場合には、動作に含めなくてもよいが、含める場合には、インボイスにNFTを対応させる次の発行ステップS300に先立って、実行する。
【0067】
取引ステップS200では、NFTの取引について、次の3つの機能のうち少なくともいずれか1つが実行されることによって、NFTの取引を成立させる(マッチング)。
・売り手SがNFTをネットワーク上のマーケットプレイスに出品し、買い手Bが注文し、売り手Sが承諾の意思表示を行う機能
・売り手SがNFTをネットワーク上のオークションに出品し、買い手Bが落札する機能
・買い手BがNFTをネットワーク上のオークションに出品し、売り手Sが落札する機能
【0068】
次に、発行ステップS300では、売り手Sから買い手Bに対して、インボイスにNFTを対応させたインボイスNFTを発行する。インボイスに対応させるNFTは、取引ステップS200が動作する場合には、売り手Sと買い手Bによって取引が成立したNFTが用いられる。一方、取引ステップS200が動作しない場合には、売り手Sと買い手Bによって取引が成立したNFTが用いられる。
【0069】
発行ステップS300は、買い手Bに係る所定情報が入力され、スマートコントラクトがブロックチェーンネットワーク100上で動作することによってインボイスNFTを発行する。
【0070】
利用ステップS400では、インボイスNFTからダウンロードされるインボイスを、例えばPDF(Portable Document Format)形式で、買い手Bに提供する。また、麗容ステップS400では、買い手BによるインボイスNFTの二次流通を可能であり、二次流通として、インボイスNFTの売買、交換、質入れを含む機能が処理される。
【0071】
(インボイスNFTの有利性)
例えば、インボイスNFTの発行により、以下のような有用性を指摘することが可能となる。
・Discord(登録商標)のプラグイン等の活用により、インボイスNFTを有する者だけが入れる顧客コミュニティを容易に形成することが可能となる。
・インボイスNFTを担保にステーブルコインを貸す取引を行うことが可能なる(取引履歴詐欺防止機能)。
・インボイスNFTを持っていれば、インボイスが偽物ではない可能性を高めることができる(偽造防止機能)。
・インボイスNFT保有者は、Twitter(登録商標)のアイコンを当該インボイスNFTに変更することが可能となる。
【0072】
・領収書の売買は一般にダークなイメージがあるが、インボイスNFTは、譲渡履歴が明確であり、購入したインボイスNFTをもって税務申告をすると不正がすぐ露見するため、売買を停止する必要がない。
・インボイスNFTがキャラクタに係る権利を含む領収書の場合、そのものが可視化されることから、納入個数等の契約違反などがあった場合、当該違反を可視化することができる。
・将来、売り手企業の業績が進展した場合、インボイスNFTの価値上昇が見込める。
・インボイスの再発行、修正が、行いやすくなる。
【0073】
このような有利性により、例えば、次のようなビジネスモデルを構築することが可能となる。
・インボイスのNFT化により、API(Application Programming Interface)手数料を徴収する。
・NFTを取引する際のインボイスとして、自動的にインボイスNFTを付与する仕組みをNFTマーケットプレイス等に提供する。
・インボイスNFTを解析してマーケティングを行う。例えば、取引が伸びているところに営業に行く、割引券NFTを送ること等によりインボイスNFT自体のデータが集まることに価値がある。また、NFT購入時にあるステーブルコインを使うことにより、当該ステーブルコインを発行する業者にインボイスNFTが送られてくる(ステーブルコイン発行業者の利用機会増加)。
【0074】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0075】
例えば、情報処理装置300を、次のような機能を付与してもよい。
(1)買い手BがスマートコントラクトにインボイスNFTの発行を依頼し、スマートコントラクトからインボイスNFTが発行される。
(2)売り手Sはスマートコントラクトを通じて発行したインボイスNFTを追跡する。
(3)同じアドレスのユーザ端末400からの発行依頼であれば、その特定に必要な情報の入力を不要とし、インボイスNFTを発行可能とする。
(4)売り手Sの特定が可能であれば、省略した名称でもインボイスNFTの発行を可能とする。
(5)取引先コード、例えば、Ethereum(登録商標)アドレスから登録番号が確認可能であれば、データベースで紐付け、インボイスNFTの発行を可能とする。
【符号の説明】
【0076】
10…情報処理装置
100…ブロックチェーンネットワーク
110…ノード端末
200…NFT処理部
300…情報処理装置
310…情報入力部
320…取引部
330…発行部
340…利用部
400…ユーザ端末
500A,500B,500C…配信手段A,配信手段B,配信手段C
【手続補正書】
【提出日】2023-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理装置であって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力部と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用部と、を備え、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度におけるインボイスであり、前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、情報処理装置。
【請求項2】
前記発行部は、前記買い手に係る所定情報が入力され、スマートコントラクトがブロックチェーン上で動作することによって前記インボイスNFTを発行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用部は、前記二次流通として、前記インボイスNFTの売買、交換、質入れを含む機能を処理する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用部は、前記インボイスNFTからダウンロードされる前記インボイスを前記買い手に提供する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記インボイスに前記NFTを対応させることに先立って、当該NFTを前記売り手と前記買い手の間で取引する取引部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引部は、
前記売り手が前記NFTを市場に出品し、前記買い手が注文し、前記売り手が承諾の意思表示を行う機能、
前記売り手が前記NFTをオークションに出品し、前記買い手が落札する機能、及び、
前記買い手が前記NFTをオークションに出品し、前記売り手が落札する機能、
のうち少なくともいずれか1つの機能を処理することによって前記NFTの取引を成立させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理方法であって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力ステップと、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行ステップと、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度におけるインボイスであり、前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、情報処理方法。
【請求項8】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理するプログラムであって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力機能と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行機能と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用機能と、をコンピュータに実行させ、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度におけるインボイスであり、前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理装置であって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力部と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行部と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用部と、を備え、
前記所定情報は、取引の完了を示す取引年月日を含み、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度において前記所定情報を構成項目として発行されるインボイスであり、二次流通される前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、情報処理装置。
【請求項2】
前記発行部は、前記買い手に係る所定情報が入力され、スマートコントラクトがブロックチェーン上で動作することによって前記インボイスNFTを発行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記利用部は、前記二次流通として、前記インボイスNFTの売買、交換、質入れを含む機能を処理する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記利用部は、前記インボイスNFTからダウンロードされる前記インボイスを前記買い手に提供する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記インボイスに前記NFTを対応させることに先立って、当該NFTを前記売り手と前記買い手の間で取引する取引部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取引部は、
前記売り手が前記NFTを市場に出品し、前記買い手が注文し、前記売り手が承諾の意思表示を行う機能、
前記売り手が前記NFTをオークションに出品し、前記買い手が落札する機能、及び、
前記買い手が前記NFTをオークションに出品し、前記売り手が落札する機能、
のうち少なくともいずれか1つの機能を処理することによって前記NFTの取引を成立させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理する情報処理方法であって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力ステップと、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行ステップと、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記所定情報は、取引の完了を示す取引年月日を含み、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度において前記所定情報を構成項目として発行されるインボイスであり、二次流通される前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、情報処理方法。
【請求項8】
売り手と買い手の間におけるインボイスを処理するプログラムであって、
前記売り手に係る所定情報の入力を取り込む情報入力機能と、
前記売り手から前記買い手に対して、前記インボイスにNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を対応させたインボイスNFTを発行する発行機能と、
前記買い手による前記インボイスNFTの二次流通を可能とする利用機能と、をコンピュータに実行させ、
前記所定情報は、取引の完了を示す取引年月日を含み、
前記インボイスは、適格請求書を含むインボイス制度において前記所定情報を構成項目として発行されるインボイスであり、二次流通される前記インボイスNFTは、かかるインボイスをNFT化したものである、プログラム。