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特開2025-8824空間集合、表示媒体の集合、サーバ、映像提供方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008824
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】空間集合、表示媒体の集合、サーバ、映像提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/454 20110101AFI20250109BHJP
H04N 21/41 20110101ALI20250109BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20250109BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20250109BHJP
H04N 5/268 20060101ALI20250109BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20250109BHJP
【ＦＩ】
H04N21/454
H04N21/41
H04N7/18 U
G09G5/00 510V
G09G5/00 555D
H04N5/268
H04L67/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023111364
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】509281519
【氏名又は名称】アイキューブド研究所株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲二郎
【テーマコード（参考）】
5C023
5C054
5C164
5C182
【Ｆターム（参考）】
5C023AA21
5C023AA23
5C023CA01
5C054CA04
5C054CC02
5C054GB02
5C054HA17
5C164MA02S
5C164MB01S
5C164SB08S
5C164SC11S
5C164SC21S
5C164TB22S
5C164UA31P
5C164UC12P
5C164YA07
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB01
5C182AB04
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BB01
5C182BB02
5C182BB03
5C182BB11
5C182BB27
5C182BC01
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB44
5C182CB47
5C182CB52
5C182CC21
5C182DA44
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】従来、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できなかった。
【解決手段】少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部とを具備するサーバにより、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【選択図】図２
【解決手段】少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部とを具備するサーバにより、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる場所に存在する第一空間および第二空間を含む少なくとも２つの空間である空間集合であり、
前記２つの各空間は、映像を表示する１または２以上の表示媒体を具備し、
前記２つの空間は有機的に結合される、空間集合。
前記２つの各空間は、映像を表示する１または２以上の表示媒体を具備し、
前記２つの空間は有機的に結合される、空間集合。
【請求項2】
前記有機的に結合される前記第一空間と前記第二空間において、
前記第二空間の第二表示媒体に表示される第二映像は、前記第一空間の第一表示媒体に表示される第一映像に関連する映像であり、前記第二映像は、前記第二空間に存在するユーザに関するユーザ情報を用いて選択された映像である、請求項１記載の空間集合。
前記第二空間の第二表示媒体に表示される第二映像は、前記第一空間の第一表示媒体に表示される第一映像に関連する映像であり、前記第二映像は、前記第二空間に存在するユーザに関するユーザ情報を用いて選択された映像である、請求項１記載の空間集合。
【請求項3】
２以上の各映像は、映像が選択される条件である選択条件に対応付いており、
前記ユーザ情報は、当該ユーザが視聴した前記第一映像を識別する第一映像識別子または前記第一空間を識別する第一空間識別子を含み、
前記第二映像は、前記ユーザ情報が有する前記第一映像識別子または前記ユーザ情報が有する前記第一空間識別子が満たす選択条件に対応付く映像である、請求項２記載の空間集合。
前記ユーザ情報は、当該ユーザが視聴した前記第一映像を識別する第一映像識別子または前記第一空間を識別する第一空間識別子を含み、
前記第二映像は、前記ユーザ情報が有する前記第一映像識別子または前記ユーザ情報が有する前記第一空間識別子が満たす選択条件に対応付く映像である、請求項２記載の空間集合。
【請求項4】
前記選択条件は、当該映像または他の映像が視聴された時を特定する視聴時情報に関する条件である視聴時条件を含み、
前記ユーザ情報は、当該ユーザが前記第一映像を視聴した時を特定する視聴時情報を含み、
前記第二映像は、当該第二映像が選択される時と比較して、前記ユーザ情報が有する前記視聴時情報が所定期間以内の時を示す情報であるという前記視聴時条件を満たす場合に、前記第一映像識別子または前記第一空間識別子を用いて選択された映像である、請求項３記載の空間集合。
前記ユーザ情報は、当該ユーザが前記第一映像を視聴した時を特定する視聴時情報を含み、
前記第二映像は、当該第二映像が選択される時と比較して、前記ユーザ情報が有する前記視聴時情報が所定期間以内の時を示す情報であるという前記視聴時条件を満たす場合に、前記第一映像識別子または前記第一空間識別子を用いて選択された映像である、請求項３記載の空間集合。
【請求項5】
前記選択条件は、映像を視聴するユーザの１以上のユーザ属性値に関する条件であるユーザ属性値条件を含み、
前記ユーザ情報は、１以上のユーザ属性値を含み、
前記第二映像は、前記ユーザ情報が有する前記１以上のユーザ属性値が満たすユーザ属性値条件に対応付く映像である、請求項３記載の空間集合。
前記ユーザ情報は、１以上のユーザ属性値を含み、
前記第二映像は、前記ユーザ情報が有する前記１以上のユーザ属性値が満たすユーザ属性値条件に対応付く映像である、請求項３記載の空間集合。
【請求項6】
前記２つの各空間の表示媒体に表示される映像は同じ映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項7】
２以上の映像のうちの少なくとも２つの映像は対応付いており、
前記２つの各空間の表示媒体に表示される映像は異なる映像であり、対応付く２つの映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
前記２つの各空間の表示媒体に表示される映像は異なる映像であり、対応付く２つの映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項8】
前記第一空間と前記第二空間において、第一空間に存在する第一ユーザが、前記第一空間が具備する第一表示媒体で視聴する第一映像と、前記第二空間から前記第一空間に移動する第二ユーザが、前記第二空間が具備する第二表示媒体で視聴する第二映像とは、同一または対応付く映像であり、
前記第一映像と前記第二映像とは、前記第二ユーザが前記第一ユーザの存在する前記第一空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
前記第一映像と前記第二映像とは、前記第二ユーザが前記第一ユーザの存在する前記第一空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項9】
前記空間集合は、第一空間、第二空間、および第三空間の少なくとも３つの空間を含み、
前記第一空間から前記第三空間に移動する第一ユーザが、前記第一空間が具備する第一表示媒体で視聴する第一映像と、前記第二空間から前記第三空間に移動する第二ユーザが、前記第二空間が具備する第二表示媒体で視聴する第二映像とは、同一または対応付く映像であり、
前記第一映像と前記第二映像とは、前記第一ユーザと前記第二ユーザとが異なる空間から前記第三空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
前記第一空間から前記第三空間に移動する第一ユーザが、前記第一空間が具備する第一表示媒体で視聴する第一映像と、前記第二空間から前記第三空間に移動する第二ユーザが、前記第二空間が具備する第二表示媒体で視聴する第二映像とは、同一または対応付く映像であり、
前記第一映像と前記第二映像とは、前記第一ユーザと前記第二ユーザとが異なる空間から前記第三空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項10】
前記少なくとも２つの各空間は、相互に通信を行う予定の少なくとも２人の各ユーザが存在する異なる空間であり、
前記第一空間が具備する第一表示媒体が表示する第一映像および前記第二空間が具備する第二表示媒体が表示する第二映像は、当該２人のユーザが通信を行うことを示す予約情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
前記第一空間が具備する第一表示媒体が表示する第一映像および前記第二空間が具備する第二表示媒体が表示する第二映像は、当該２人のユーザが通信を行うことを示す予約情報を用いて選択された映像である、請求項１から請求項５いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項11】
特定の処理を行うための条件である処理条件が格納されており、
前記第二空間に存在するユーザが過去に視聴した映像の映像識別子、または当該ユーザが存在した空間の空間識別子が前記処理条件を満たす場合に、前記特定の処理が行われる、請求項１から請求項１０いずれか一項に記載の空間集合。
前記第二空間に存在するユーザが過去に視聴した映像の映像識別子、または当該ユーザが存在した空間の空間識別子が前記処理条件を満たす場合に、前記特定の処理が行われる、請求項１から請求項１０いずれか一項に記載の空間集合。
【請求項12】
請求項１から請求項１１いずれか一項に記載の空間集合が有する前記少なくとも２つの前記各空間が具備する表示媒体の集合。
【請求項13】
少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、
選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、
前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部とを具備するサーバ。
選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、
前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部とを具備するサーバ。
【請求項14】
サーバ受信部と、サーバ処理部と、サーバ送信部とにより実現される映像提供方法であって、
前記サーバ受信部が、少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信ステップと、
前記サーバ処理部が、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理ステップと、
前記サーバ送信部が、前記サーバ処理ステップで選択された前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信ステップとを具備する映像提供方法。
前記サーバ受信部が、少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信ステップと、
前記サーバ処理部が、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理ステップと、
前記サーバ送信部が、前記サーバ処理ステップで選択された前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信ステップとを具備する映像提供方法。
【請求項15】
コンピュータを、
少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、
選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、
前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部として機能させるためのプログラム。
少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、
選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、
前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋等において、絵画を飾ることにより、複数の人がリラックスして話ができる空間を提供していた（非特許文献１参照）。また、人が移動する複数の空間の各々に絵画が存在することにより、各々の空間において、その人は、リラックスできた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“一枚の絵画で心が豊かに☆アートな空間作りのヒント”、［令和５年５月２０日検索］、インターネット［URL：https://roomclip.jp/mag/archives/52852］
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の空間集合は、異なる場所に存在する第一空間および第二空間を含む少なくとも２つの空間である空間集合であり、２つの各空間は、映像を表示する１または２以上の表示媒体を具備し、２つの空間は有機的に結合される、空間集合である。
【0006】
かかる構成により、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【0007】
また、本第二の発明の空間集合は、第一の発明に対して、有機的に結合される第一空間と第二空間において、第二空間の第二表示媒体に表示される第二映像は、第一空間の第一表示媒体に表示される第一映像に関連する映像であり、第二映像は、第二空間に存在するユーザに関するユーザ情報を用いて選択された映像である、空間集合である。
【0008】
かかる構成により、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【0009】
また、本第三の発明の空間集合は、第二の発明に対して、２以上の各映像は、映像が選択される条件である選択条件に対応付いており、ユーザ情報は、ユーザが視聴した第一映像を識別する第一映像識別子または第一空間を識別する第一空間識別子を含み、第二映像は、ユーザ情報が有する第一映像識別子またはユーザ情報が有する第一空間識別子が満たす選択条件に対応付く映像である、空間集合である。
【0010】
かかる構成により、少なくとも２つの空間を移動するユーザに対して、映像により有機的に結合される少なくとも２つの空間を提供できる。
【0011】
また、本第四の発明の空間集合は、第三の発明に対して、選択条件は、映像または他の映像が視聴された時を特定する視聴時情報に関する条件である視聴時条件を含み、ユーザ情報は、ユーザが第一映像を視聴した時を特定する視聴時情報を含み、第二映像は、第二映像が選択される時と比較して、ユーザ情報が有する視聴時情報が所定期間以内の時を示す情報であるという視聴時条件を満たす場合に、第一映像識別子または第一空間識別子を用いて選択された映像である、空間集合である。
【0012】
かかる構成により、少なくとも２つの空間を移動するユーザに対して、映像により有機的に結合される少なくとも２つの空間をより適切に提供できる。
【0013】
また、本第五の発明の空間集合は、第三の発明に対して、選択条件は、映像を視聴するユーザの１以上のユーザ属性値に関する条件であるユーザ属性値条件を含み、ユーザ情報は、１以上のユーザ属性値を含み、第二映像は、ユーザ情報が有する１以上のユーザ属性値が満たすユーザ属性値条件に対応付く映像である、空間集合である。
【0014】
かかる構成により、少なくとも２つの空間を移動するユーザに対して、映像により有機的に結合される少なくとも２つの空間をより適切に提供できる。
【0015】
また、本第六の発明の空間集合は、第一から第五いずれか１つの発明に対して、２つの各空間の表示媒体に表示される映像は同じ映像である、空間集合である。
【0016】
かかる構成により、２つの各空間で同じ映像を表示することにより、有機的に結合される２つの空間である空間集合を提供できる。
【0017】
また、本第七の発明の空間集合は、第一から第五いずれか１つの発明に対して、２以上の映像のうちの少なくとも２つの映像は対応付いており、２つの各空間の表示媒体に表示される映像は異なる映像であり、対応付く２つの映像である、空間集合である。
【0018】
かかる構成により、２つの各空間において異なる映像であるが関連する映像を表示することにより、有機的に結合される２つの空間である空間集合を提供できる。
【0019】
また、本第八の発明の空間集合は、第一から第五いずれか１つの発明に対して、第一空間と第二空間において、第一空間に存在する第一ユーザが、第一空間が具備する第一表示媒体で視聴する第一映像と、第二空間から第一空間に移動する第二ユーザが、第二空間が具備する第二表示媒体で視聴する第二映像とは、同一または対応付く映像であり、第一映像と第二映像とは、第二ユーザが第一ユーザの存在する第一空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、空間集合である。
【0020】
かかる構成により、一の空間に居る第一ユーザに、他の空間に居る他の第二ユーザが合流する場合に、合流の前に、第一ユーザが一の空間で視聴する映像と第二ユーザが他の空間で視聴する映像を制御することにより、一の空間に合流後の２以上のユーザの協調作業を支援できる。
【0021】
また、本第九の発明の空間集合は、第一から第五いずれか１つの発明に対して、空間集合は、第一空間、第二空間、および第三空間の少なくとも３つの空間を含み、第一空間から第三空間に移動する第一ユーザが、第一空間が具備する第一表示媒体で視聴する第一映像と、第二空間から第三空間に移動する第二ユーザが、第二空間が具備する第二表示媒体で視聴する第二映像とは、同一または対応付く映像であり、第一映像と第二映像とは、第一ユーザと第二ユーザとが異なる空間から第三空間に合流することを特定する予定情報を用いて選択された映像である、空間集合である。
【0022】
かかる構成により、別の空間から一の空間に合流する２以上の各ユーザが存在する異なる空間で表示される映像を制御することにより、一の空間に合流後の２以上のユーザの協調作業を支援できる。
【0023】
また、本第十の発明の空間集合は、第一から第五いずれか１つの発明に対して、少なくとも２つの各空間は、相互に通信を行う予定の少なくとも２人の各ユーザが存在する異なる空間であり、第一空間が具備する第一表示媒体が表示する第一映像および第二空間が具備する第二表示媒体が表示する第二映像は、２人のユーザが通信を行うことを示す予約情報を用いて選択された映像である、空間集合である。
【0024】
かかる構成により、通信を行う予定の２以上の各ユーザが存在する異なる空間で表示される映像を制御することにより、通信時の２以上のユーザの協調作業を支援できる。
【0025】
また、本第十一の発明の空間集合は、第一から第十いずれか１つの発明に対して、特定の処理を行うための条件である処理条件が格納されており、第二空間に存在するユーザが過去に視聴した映像の映像識別子、またはユーザが存在した空間の空間識別子が処理条件を満たす場合に、特定の処理が行われる、空間集合である。
【0026】
かかる構成により、ユーザが過去に視聴した映像またはユーザが過去に存在した空間に応じた処理を行える。
【0027】
また、本第十二の発明の表示媒体の集合は、第一から第十一いずれかの発明の空間集合が有する少なくとも２つの各空間が具備する表示媒体の集合である。
【0028】
かかる構成により、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を構成するための表示媒体の集合を提供できる。
【0029】
また、本第十三の発明のサーバは、少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、サーバ処理部が選択した映像を、ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部とを具備するサーバである。
【0030】
かかる構成により、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供するためのプラットフォームを提供できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による空間集合によれば、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態１における空間システムＡの概念図
【図2】同空間システムＡのブロック図
【図3】同空間１の例を示す図
【図4】同空間１の例を示す図
【図5】同空間１の例を示す図
【図6】実施の形態２における空間システムＢのブロック図
【図7】同空間３の例を示す図
【図8】実施の形態４における動画出力装置５のブロック図
【図9】同動画出力装置５の動作例について説明するフローチャート
【図10】同変換処理の例について説明するフローチャート
【図11】同制御情報変更処理の例について説明するフローチャート
【図12】同ＬＵＴを説明する図
【図13】同ＬＵＴの構造の例を示す図
【図14】同制御情報管理表を示す図
【図15】同動画出力装置５の動作例を説明する図
【図16】同画面例を示す図
【図17】同制御情報管理表を示す図
【図18】同動画出力装置５の動作例を説明する図
【図19】同画面例を示す図
【図20】同制御情報管理表を示す図
【図21】同動画出力装置５の動作例を説明する図
【図22】実施の形態５におけるシステムＣのブロック図
【図23】実施の形態７における空間システムＦの概念図
【図24】同空間システムＦのブロック図
【図25】同サーバ９の動作例について説明するフローチャート
【図26】同映像選択処理の例について説明するフローチャート
【図27】同付加処理の例について説明するフローチャート
【図28】同空間システムＦのイメージ図
【図29】同映像管理表を示す図
【図30】同選択条件管理表を示す図
【図31】同処理条件管理表を示す図
【図32】同ユーザ登録管理表を示す図
【図33】同視聴情報管理表を示す図
【図34】同予定情報管理表を示す図
【図35】同ウェブ会議情報管理表を示す図
【図36】同空間システムＦにおける具体的な動作例を示す図
【図37】同空間システムＦにおける具体的な動作例を示す図
【図38】同空間システムＦにおける具体的な動作例を示す図
【図39】同空間システムＦにおける具体的な動作例を示す図
【図40】同表示媒体１０のブロック図
【図41】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
【図42】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、空間集合等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0034】
（実施の形態１）
本実施の形態において、自然環境を再現することにより、異なる脳を有する人が協調することを可能にした空間について説明する。なお、人が育ってきた環境や今までの人の経験等により、人の脳は異なっており、その結果、従来は、複数の人が協調することは容易ではなかった。ここで、協調することは、例えば、各自が異なる価値を持ち寄り、新しい価値を創出することである。また、協調することとは、例えば、各自が協力して共同作業を行うこと、各自が話し合いにおいて意思の疎通がスムーズにできること、である。
本実施の形態において、自然環境を再現することにより、異なる脳を有する人が協調することを可能にした空間について説明する。なお、人が育ってきた環境や今までの人の経験等により、人の脳は異なっており、その結果、従来は、複数の人が協調することは容易ではなかった。ここで、協調することは、例えば、各自が異なる価値を持ち寄り、新しい価値を創出することである。また、協調することとは、例えば、各自が協力して共同作業を行うこと、各自が話し合いにおいて意思の疎通がスムーズにできること、である。
【0035】
また、本実施の形態において、２以上の表示媒体を有する空間であって、当該２以上の各表示媒体には、同一の場所の映像もしくは同一の場所に関連した映像が表示される空間について説明する。なお、２以上の各表示媒体が表示する映像は、表示媒体の位置に応じた、異なる映像であることは好適である。
【0036】
また、本実施の形態において、３以上の側壁面を有する空間であり、少なくとも２以上の各側壁面に、少なくとも１以上の表示媒体を有する空間について説明する。なお、空間は、４つの側壁面を有することは好適である。
【0037】
また、本実施の形態において、表示媒体が表示する映像を変更することにより、役割が変化する空間について説明する。なお、映像の変更は、自動的な変更であることは好適である。
【0038】
なお、本明細書において、情報Ｘが情報Ｙに対応付いていることは、情報Ｘから情報Ｙを取得できること、または情報Ｙから情報Ｘを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Ｘと情報Ｙとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Ｘが情報Ｙに含まれていても良いし、情報Ｙが情報Ｘに含まれている等でも良い。
【0039】
図１は、本実施の形態における空間システムＡの概念図である。空間システムＡは、１または２以上の空間１、およびサーバ２を備える。
【0040】
空間１には、１以上の表示媒体１１が存在する。空間１には、通常、２以上の表示媒体１１が存在する。
【0041】
空間１は、３または４以上の側壁面１２を備えることは好適である。空間１は、閉空間であることは好適である。空間１は、天井を有することは好適である。空間１は、一部に開放されている空間でも良い。一部に開放されている空間は、例えば、ドアが開いている空間、天井が無い空間である。空間１は、例えば、建造物、または輸送体である。建造物とは、人工的に作られた空間である。建造物は、例えば、家屋、部屋、テントである。輸送体とは、人を輸送する物である。輸送体は、例えば、列車、自動車、飛行機であるが、その種類は問わない。
【0042】
空間１の側壁面１２には、通常、１または２以上の表示媒体１１が配置されている。空間１における２以上の各側壁面１２に、１または２以上の表示媒体１１が配置されていることは好適である。なお、空間１における３以上の側壁面１２のうち、表示媒体１１が配置されていない側壁面１２があっても良い。
【0043】
表示媒体１１とは、映像を表示する媒体である。表示媒体１１は、映像を表示する装置である。表示媒体１１は、通常、ディスプレイであるが、プロジェクタまたはプロジェクタが映像を投影する領域でも良い。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ＥＬのディスプレイであるが、その種類は問わない。また、表示媒体には意匠登録第１６４８６５８号のようなフレームを有することは好適である。
【0044】
ここでの映像は、通常、自然映像である。自然映像とは、自然環境に基づいて取得された映像である。自然映像とは、自然環境を再現した映像である。自然映像は、例えば、自然を撮影した動画である。自然映像に、人工物が映っていても良い。自然映像は、実施の形態４、または５のような処理を施した映像であることは好適である。自然は、例えば、山、森、湖、池、川、海である。
【0045】
表示媒体１１は、サーバ２から送信された映像を表示することは好適であるが、元々、表示媒体１１が格納している映像を表示しても良い。表示媒体１１は、表示装置と言っても良い。表示媒体１１は、例えば、サーバ２から映像を受信する。表示媒体１１は、例えば、受信した映像を格納部１１１に、少なくとも一時蓄積する。表示媒体１１は、サーバ２に映像の送信指示を送信して、当該送信指示の送信に応じて、サーバ２から映像を受信しても良い。
【0046】
サーバ２は、１または２以上の各表示媒体１１に映像を供給する装置である。サーバ２は、例えば、クラウドサーバまたはＡＳＰサーバであるが、その種類は問わない。
【0047】
サーバ２と１または２以上の各表示媒体１１とは、インターネット等のネットワークにより通信可能であることは好適である。
【0048】
図２は、本実施の形態における空間システムＡのブロック図である。空間システムＡは、１または２以上の空間１、およびサーバ２を備える。空間１は、３以上の側壁面１２を備える。３以上の各側壁面１２のうちの１または２以上の側壁面１２には、１または２以上の表示媒体１１が配置される。表示媒体１１は、例えば、格納部１１１、表示部１１２、および切替部１１３を備える。
【0049】
サーバ２は、サーバ格納部２１、サーバ受信部２２、サーバ処理部２３、およびサーバ送信部２４を備える。
【0050】
格納部１１１には、１または２以上の映像が格納される。格納部１１１の映像は、サーバ２から受信された映像であることは好適である。格納部１１１には、２以上の各場所の映像が格納されることは好適である。
【0051】
空間１の１または２以上の側壁面１２には、２以上の表示媒体１１が配置されることは好適である。また、２以上の各表示媒体１１は、異なる位置に配置されていることは好適である。また、２以上の各表示媒体１１は、同じサイズであることは好適であるが、異なるサイズでも良い。つまり、映像が表示される領域は同じサイズであることは好適であるが、異なるサイズでも良い。さらに、２以上の各表示媒体１１が配置される高さは、同じ高さであることは好適である。同じ高さに２以上の各表示媒体１１が配置されることにより、人の脳は、２以上の各表示媒体１１が表示する映像を繋げて、一の自然映像を認識し易くなる。
【0052】
空間１の２以上の各表示媒体１１が表示する映像は、同一の場所の映像であることは好適である。空間１の２以上の表示媒体１１が表示する映像は、例えば、同一の場所に関連した映像である。同一の場所の映像は、同じ自然を撮影した映像である。同一の場所に関連した映像は、例えば、自然を撮影した映像および撮影した場所の名物の映像である。名物とは、例えばその場所の特産品、その場所で食べることのできる料理、その場所で行われるイベント、その場所で体験できるアクティビティ、その場所に存在する建築物などである。
【0053】
空間１における異なる位置に配置される２以上の各表示媒体１１が表示する映像は、２以上の表示媒体１１の異なる位置に応じた異なる映像であることは好適である。２以上の表示媒体１１の異なる位置に応じた異なる各映像は、一の場所の映像のうちの一部の領域の映像であり、表示媒体１１の異なる位置に応じた領域の映像であることは好適である。２以上の表示媒体１１の異なる位置に応じた異なる各映像は、例えば、一の場所の広角の映像から、表示媒体１１の異なる位置に応じた領域を切り取った一部の映像であることは好適である。また、一の場所から、実際に表示媒体１１の異なる位置に応じた方向を撮影した映像であることは好適である。かかることにより、２以上の各表示媒体１１が表示する映像を見る人の脳は、映像が表示されている領域（例えば、ディスプレイ）を、空間（例えば、部屋）の向こう側に広がる光景であると錯覚し、当該人は、空間の向こう側には、映像の場所の自然が広がっている、と考える。つまり、２以上の各表示媒体１１が表示する映像を見る人が居る空間１が、映像の場所に存在する空間であると、人の脳が錯覚する。言い換えれば、当該空間１に居る人の脳が、２以上の各表示媒体１１に表示された映像を繋げて、２以上の表示媒体１１の間の壁の向こうに自然が広がっていると錯覚し、自分がその自然の中に身を置いているように感じる。
【0054】
表示媒体１１の位置は、空間１において、通常、窓が設置される位置であることは好適である。窓が設置される位置であり、表示媒体１１の位置は、例えば、表示媒体１１の下辺が、床面から略６００ｍｍ以上略１２００ｍｍ未満の位置である。窓が設置される位置であり、表示媒体１１の位置は、例えば、平均的な座高の人がソファーに座った場合に、当該人の目の高さが表示媒体１１の領域のうちのいずれかの点と同じ高さとなる位置である。
【0055】
また、２以上の各表示媒体１１は、ある場所の自然映像のうち、各表示媒体１１の異なる位置に応じた異なる一部の領域の自然映像を表示することは好適である。
【0056】
例えば、一の側壁面１２の左側に配置された表示媒体１１には、ある場所の自然映像のうちの、左側の一部の領域の自然映像を表示し、一の側壁面１２の中央に配置された表示媒体１１には、ある場所の自然映像のうちの、中央の一部の領域の自然映像を表示し、一の側壁面１２の右側に配置された表示媒体１１には、ある場所の自然映像のうちの、右側の一部の領域の自然映像を表示する。かかることにより、その空間１に居る人の脳は、左側の表示媒体１１の自然映像と中央の表示媒体１１の自然映像と右側の表示媒体１１の自然映像とを、脳の中で繋ぎ、当該人は、あたかもその場所に居るように錯覚する。
【0057】
例えば、一の側壁面１２（１）に配置された表示媒体１１（１）と当該一の側壁面１２（１）と直角に接する他の側壁面１２（２）に配置された表示媒体１１（２）とは、例えば、空間１の中の代表点（例えば、中心位置の点）から当該場所の自然を見た場合の一部の領域の映像であり、方向が異なる映像を、各々、表示する。
【0058】
表示部１１２は、格納部１１１の映像を表示する。表示部１１２は、例えば、ディスプレイである。表示部１１２は、格納部１１１の映像を側壁面１２に投影しても良い。かかる投影も、表示である。かかる場合、表示媒体１１は、プロジェクタでも良いし、側壁面１２の映像が投影されている領域でも良い。なお、側壁面１２の色とディスプレイの枠の色とは同色であることは好適である。
【0059】
切替部１１３は、表示部１１２が表示する映像を切り替える。切替部１１３は、一の場所の映像を他の場所の映像に切り替える。切替部１１３は、２以上のすべての表示媒体１１において、一斉に、一の場所の映像を他の場所の映像に切り替えることは好適である。
【0060】
切替部１１３は、切替条件が満たされた場合に、表示部１１２が表示している映像を他の映像に切り替えることは好適である。切替条件は、例えば、一定時間以上、同じ映像が表示されたことである。切替条件は、例えば、ユーザからの指示が受け付けられた場合である。
【0061】
切替部１１３により、２以上のすべての表示媒体１１は、同じタイミングで、一の場所の自然映像から他の場所の自然映像に表示する自然映像を切り替えることは好適である。つまり、２以上のすべての表示媒体１１は、同期をとって、表示する自然映像を変更することは好適である。かかることにより、その空間１に居る人の脳は、一の場所から他の場所に移動した、と錯覚する。
【0062】
サーバ２を構成するサーバ格納部２１には、１または２以上の映像が格納される。１または２以上の各映像は、表示媒体１１を識別する媒体識別子に対応付いていることは好適である。媒体識別子は、例えば、表示媒体１１のＩＰアドレスであるが、問わない。サーバ格納部２１には、例えば、場所識別子と媒体識別子に対応付いている、２以上の映像が格納される。場所識別子は、映像の場所を識別する情報である。場所識別子は、例えば、場所名、場所のＩＤである。
【0063】
サーバ受信部２２は、例えば、映像の送信指示を表示媒体１１から受信する。
【0064】
サーバ処理部２３は、表示媒体１１に送信する映像をサーバ格納部２１から取得する。サーバ処理部２３は、例えば、映像の送信指示の受信に応じて、映像をサーバ格納部２１から取得する。
【0065】
サーバ送信部２４は、サーバ処理部２３が取得した映像を、当該映像と対になる媒体識別子で識別される表示媒体１１に送信する。
【0066】
格納部１１１、およびサーバ格納部２１は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0067】
格納部１１１等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部１１１等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部１１１等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部１１１等で記憶されるようになってもよい。
【0068】
切替部１１３、およびサーバ処理部２３は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。切替部１１３等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。なお、プロセッサは、ＣＰＵ、ＭＰＵ、ＧＰＵ等であり、その種類は問わない。
【0069】
サーバ受信部２２は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0070】
サーバ送信部２４は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0071】
【0072】
空間１の第一の側壁面１２（１）には、３つの表示媒体１１が配置されている。３つの表示媒体１１は、１１（１）、１１（２）、１１（３）である、とする（図３参照）。また、空間１の第一の側壁面１２（１）と直角に接しており、右側の側壁面である第二の側壁面１２（２）には、１つの表示媒体１１が配置されている。当該１つの表示媒体１１は、１１（４）である、とする（図４参照）。さらに、空間１の第一の側壁面１２（１）と直角に接しており、左側の側壁面である第三の側壁面１２（３）には、１つの表示媒体１１が配置されている。当該１つの表示媒体１１は、１１（５）である、とする（図５参照）。
【0073】
なお、表示媒体１１（１）～（５）は、側壁面１２の、通常、窓がある高さの位置に配置されている。また、表示媒体１１（１）～（５）は、床からの高さが同じ高さの位置に配置されている。また、表示媒体１１（１）～（５）のサイズは、ここでは、同じサイズである。なお、表示媒体１１は、側壁面１２に接している必要はなく、側壁面１２に近い位置に配置されていても良い。かかる場合も、側壁面１２は表示媒体１１を有する、と考えても良い。
【0074】
そして、表示媒体１１（１）～（５）は、一の自然映像を表示している。ここでの一の自然映像は、川の両側の川辺に桜並木が存在する場所を撮影した映像である。表示媒体１１（１）～（５）は、空間１における各々の位置に応じた領域の映像であり、前記一の自然映像の一部の領域の映像（適宜、部分映像と言う。）を出力する。なお、表示媒体１１（１）～（５）の各格納部１１１には、前記一の自然映像の中の異なる領域の部分映像が格納されており、表示媒体１１（１）～（５）の各表示部１１２は、当該一の自然映像の中の異なる領域の部分映像を各格納部１１１から取得し、表示する。なお、表示媒体１１（１）～（５）の各表示部１１２は、時間的な同期がとれた部分映像を表示することは好適である。
【0075】
さらに、本実施の形態において、空間１は、２以上の各表示媒体１１が表示する映像を変えることによって、その役割を切り替えることが可能である。
【0076】
なお、役割を切り替える際も、２以上の各表示媒体１１が表示する映像は、同一の場所の映像または同一の場所に関連した映像であることは好適である。
以下に、空間１における役割の例を説明する。ここで、同一の場所とは例えば函館とする。
以下に、空間１における役割の例を説明する。ここで、同一の場所とは例えば函館とする。
【0077】
空間１の２以上の表示媒体１１は、例えば、函館山の麓にある立待岬から海を一望する映像を表示する。そして、空間１では、２以上の人に一面に広がる大海原の映像を見せながら、函館の特産品の料理（例えば、うに、いくら、イカ等が入った海鮮丼）が提供されている。その結果、空間１に居る複数の人は、異なる脳を有するが、協調することを可能にする状況となる。例えば、表示媒体１１に映像が表示されていない時と比べて、同じ景色を楽しみながら一緒に食事をしているという感覚を得ることができ、会話が弾み食事を味わうことが可能になる。
【0078】
また、２以上の表示媒体の１つで、函館に関連した映像、例えば提供されている料理を調理している映像や、料理の素材を得ている映像（例えば素材である魚介を釣っている映像）を表示してもよい。それにより、さらに食事を楽しむことが可能になる。
【0079】
このような空間１を「食事空間」とする。
【0080】
空間１の２以上の表示媒体１１は、例えば、函館近郊の景勝地である大沼の湖畔の映像を表示する。そして、空間１では、２以上の人が湖畔の映像を見ながら、ディスカッションする、とする。その結果、例えば空間１に居る人の脳は、大自然の中で湖畔を散策しながらリラックスした気分で議論しているように感じる。このような空間では、閉塞的な会議室に比べ、人は他人の意見を素直に聞き、受け入れたり、さらにアイディアを得たりすることができるようになる。それにより、２以上の各人が異なる価値を持ち寄り、新しい価値を創出することができる。
【0081】
このような空間１を「仕事空間」とする。
【0082】
空間１の２以上の表示媒体１１は、例えば、函館山の頂上からの景色の映像を表示する。そして、空間１では、２以上の人が函館山からの眺望を楽しみながら会話をする、とする。この時、表示媒体１１の１つまたは複数で、函館に関連した映像、例えば函館の観光名所の映像を表示してもよい。その結果、例えば、空間１に居る２以上の人の脳は、実際に一緒に函館を観光しているような感覚になり、函館に関する会話も弾む。その結果、空間１に居る２以上の人は、異なる脳を有するが、協調することを可能にする状況となる。例えば、お互いに函館に関する知識を披露したり、体験談を共有したりすることで、お互いの成長に繋げることが可能となる。また、実際に函館に行ってみて実物を体験してみたい、という思いを共有することが可能になる。
【0083】
このような空間１を「成長空間」とする。
【0084】
空間１の２以上の表示媒体１１は、例えば、函館の桜の名所である五稜郭の一面に咲き誇る桜の映像を表示する。そして、空間１にはソファーが置かれている。当該ソファーに座っている２以上の人は、一面の満開の桜を見ながら休息しつつ談笑する。その結果、異なる脳を有する人が協調することを可能にする。例えば、お花見をしている華やかな気分を共有してお互いに会話することで、お互いに心身ともにリフレッシュすることが可能となる。
【0085】
このような空間１を「休息空間」とする。
【0086】
空間１の２以上の表示媒体１１は、例えば、函館山から見る夕暮れの映像を表示する。そして、時間経過とともに日が沈み夜景となる。そして、空間１には、２以上のベッドが置かれている。当該ベッドに寝そべっている２以上の人は、夕暮れから日が沈んで夜景になっていく様を見ながら就寝する。その結果、異なる脳を有する人が協調することを可能にする。すなわち、本来生活リズムの異なる２以上の人であっても、表示される映像を見て、日が沈んだからそろそろ寝ようという気持ちになり、自然と生活リズムが揃って、お互いに安眠することが可能になる。また、起床時には同様に夜明けの映像を提示してもよい。
【0087】
このような空間１を「睡眠空間」とする。
【0088】
また、各役割において表示媒体１１に表示される映像は、それぞれ異なることが好適であるが、同じであってもよい。
【0089】
以上、本実施の形態によれば、部屋等の空間１において、自然環境を再現できる。その結果、例えば、部屋等の空間において、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、部屋等の空間１において、自然環境を再現できる。その結果、部屋等の空間１において、異なる脳を有する複数の人が異なる価値を持ち寄り、新しい価値を創出することを支援できる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、部屋等の空間１において、自然環境を再現する表示媒体１１を提供できる。
【0092】
さらに、本実施の形態によれば、表示媒体１１に動画を提供するサーバ２を実現できる。
【0093】
なお、本実施の形態における表示媒体１１およびサーバ２の処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをＣＤ－ＲＯＭなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
【0094】
（実施の形態２）
本実施の形態と実施の形態１との差異は、本実施の形態においては、空間が２以上のサブ空間を有する点である。本実施の形態において、２以上の各サブ空間は、１以上の表示媒体を有する。ここでの２以上の各表示媒体も、同一の場所の映像もしくは同一の場所に関連した映像を表示することは好適である。なお、サブ空間も空間である。
本実施の形態と実施の形態１との差異は、本実施の形態においては、空間が２以上のサブ空間を有する点である。本実施の形態において、２以上の各サブ空間は、１以上の表示媒体を有する。ここでの２以上の各表示媒体も、同一の場所の映像もしくは同一の場所に関連した映像を表示することは好適である。なお、サブ空間も空間である。
【0095】
また、本実施の形態においても、自然環境を再現することにより、異なる脳を有する人が協調することを可能にした空間について説明する。
【0096】
さらに、本実施の形態において、輸送体を構成する空間であり、当該空間が有する２以上の各サブ空間は、各々、独立して役割を切り替えることが可能な、２以上のサブ空間である、空間について説明する。
【0097】
図６は、本実施の形態における空間システムＢのブロック図である。空間システムＢは、空間３、サーバ２を備える。空間３は、２以上のサブ空間３１を備える。サブ空間３１は、１または２以上の表示媒体１１を具備する。
【0098】
サブ空間３１は、例えば、輸送体の中に設けられた空間である。サブ空間３１は、例えば、輸送体の中の部屋である。サブ空間３１における表示媒体１１も、通常、サブ空間３１の中の側壁面に配置されている。
【0099】
空間３は、２以上のサブ空間３１を繋ぐ通路３２（図７参照）を有する。
【0100】
空間３は、個々のサブ空間３１に対して換気・空調を行う空気制御部３３（図７参照）を有する。空気制御部３３は、通常サブ空間３１および通路３２の上下に配置される。
【0101】
以下、本実施の形態における空間システムＢの具体的な動作例について説明する。ここでの空間３は、輸送体の中の空間である。輸送体の空間３は、移動空間である、と言える。輸送体は、ここでは、列車である。当該列車は、一の目的地に向かって走行している、とする。当該列車は、例えば、東京から函館に向かっている、とする。
【0102】
空間３は、ここでは、サブ空間３１（１）～（５）等を有する（図７参照）。サブ空間３１（１）～（５）は、各々、実施の形態１で説明したような役割を切り替えることが可能である。サブ空間３１（１）～（５）では、各々の表示媒体１１が映像を表示する。その映像は、函館の自然映像、または函館に関連した自然映像である。また、サブ空間３１（１）～（５）の各表示媒体１１が表示する映像は、サブ空間３１の役割に応じて異なっていることは好適であるが、同じでも良い。
【0103】
なお、一のサブ空間３１において、表示媒体１１が表示する映像次第で、サブ空間３１が食事空間にも、仕事空間にも、成長空間にも、休息空間にも、睡眠空間にもなり得る。
【0104】
この時、個々のサブ空間３１（１）～（５）において、個別に空気制御３３により換気・空調されることは好適である。また、個々のサブ空間３１（１）～（５）において、それぞれの役割に応じて換気・空調の状態が制御されることは好適である。
【0105】
以上、本実施の形態によれば、輸送体や部屋等の空間３が有するサブ空間３１において、自然環境を再現できる。その結果、例えば、輸送体等のサブ空間３１において、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。なお、空間３は、一つのサブ空間３１のみを有しても良い。
【0106】
また、本実施の形態によれば、輸送体等の空間３が有するサブ空間３１において、異なる脳を有する２以上の人が異なる価値を持ち寄り、新しい価値を創出することを支援できる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、輸送体等の空間３において、輸送体が向かっている目的地の自然映像を見ながら、移動できる。その結果、輸送体に乗った後は、人の脳は、当該目的地に居るように錯覚する。そのため、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0108】
（実施の形態３）
２以上の人が存在する空間４に、１または２以上の表示媒体１１を有する実施例について説明する。
２以上の人が存在する空間４に、１または２以上の表示媒体１１を有する実施例について説明する。
【0109】
ここで、２以上の人は対面して会話をする。対面している人の一方は客であり、もう一方は店員である。例えば、空間４が観光案内所である場合、観光客と案内員になる。
【0110】
表示媒体１１は、店員が客に対して説明し、提供しようとしている商品または役務に関する映像を表示する。例えば、空間４が観光案内所である場合、案内員が観光客に対して説明しようとしている観光地の映像を表示する。
【0111】
このようにすることで、店員と客が同じ自然環境が再現された空間に身を置くことで、会話が弾み商談をスムーズに行うことが出来る。例えば、空間が観光案内所である場合、案内員は、自然環境が再現されることで、実際に自分がそこに行ったときの体験談を説明することができる。また、観光客は、自然環境が再現されることで、その自然環境に身を置いた気持ちになり、より強く実際にそこに行ってみたいという気持ちになる。
【0112】
このようにして、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0113】
なお、段落［００４０］から［００４２］で説明したように、空間１には、表示媒体１１が複数あることは好適である。その際、段落［００５５］から［００５７］で説明したように、各表示媒体１１の異なる位置に応じた異なる一部の領域の自然映像を表示することは好適である。
【0114】
また、空間４に表示媒体１１が１つであってもよい。
【0115】
この時、本来、表示媒体１１が複数ある空間用に作られた複数の自然映像を、一定時間で切り替えて表示することは好適である。
【0116】
このようにしても、異なる脳を有する２以上の人の脳内にそれぞれの映像が蓄積され、表示媒体が複数ある時に近い効果を発揮することが可能となる。
【0117】
（実施の形態４）
本実施の形態において、動画を超自然光景に変換する処理を行い、出力する動画出力装置について説明する。なお、本明細書で述べる動画出力装置は、例えば、テレビ、動画再生装置、であり、その種類は問わない。また、映像が表示される面の周囲に意匠登録第１６４８６５８号のようなフレームを有することは好適である。また、動画出力装置は、実施の形態１から実施の形態３の表示媒体１１の例である。
本実施の形態において、動画を超自然光景に変換する処理を行い、出力する動画出力装置について説明する。なお、本明細書で述べる動画出力装置は、例えば、テレビ、動画再生装置、であり、その種類は問わない。また、映像が表示される面の周囲に意匠登録第１６４８６５８号のようなフレームを有することは好適である。また、動画出力装置は、実施の形態１から実施の形態３の表示媒体１１の例である。
【0118】
なお、「超自然光景に変換する処理」とは、受け付けた動画を構成する１以上の各画像ごとに、画像を構成する１または２以上の各対象画像から２以上の特徴量を取得し、当該２以上の特徴量を用いて、各対象画像のクラスを決定し、ＬＵＴ制御表から当該クラスに対応する１または２以上のルックアップテーブル（以下、適宜「ＬＵＴ」と言う）を決定し、各対象画像に対して１以上のＬＵＴを用いて変換し、統合した変換画像を取得する処理である。
【0119】
図８は、本実施の形態における動画出力装置５のブロック図である。動画出力装置５は、格納部５１、受付部５２、処理部５３、および出力部５４を備える。格納部５１は、ＬＵＴ格納部５１１、および制御情報格納部５１２を備える。受付部５２は、動画取得部５２１、および入力受付部５２２を備える。処理部５３は、変換部５３１、および制御変更部５３２を備える。変換部５３１は、分割手段５３１１、分類手段５３１２、変換手段５３１３、および統合手段５３１４を備える。出力部５４は、画像出力部５４１を備える。
【0120】
格納部５１には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、ＬＵＴ、制御情報、クラス管理表、１または２以上の動画である。格納部５１には、予め超自然光景に変換する処理を行った動画が格納されていても良い。
【0121】
クラス管理表は、クラスを管理する表である。クラス管理表は、例えば、クラス識別子と特徴量ベクトルとを有する２以上のレコードを有する。クラス識別子は、対象画像のクラスを識別する情報である。対象画像は、変換対象の画像である。対象画像は、変換対象の画像または変換対象の部分画像である。対象画像は、通常、部分画像であるが、動画を構成する画像（フィールドやフレームと言っても良い）の全体でも良い。部分画像は、動画を構成する画像の一部の領域の画像である。なお、領域の形状やサイズは問わない。特徴量ベクトルは、対象画像から抽出した２以上の各特徴量を要素とするベクトルである。
【0122】
特徴量は、例えば、近傍特徴量、または全体特徴量である。近傍特徴量とは、画像の一部分の特徴量である。近傍特徴量は、例えば、輝度、画素値、画素の座標、アクティビティ、時空間相関、動きベクトル、周波数分布などがある。また、アクティビティとは、例えば、複数の画素の最大値および最小値、ダイナミックレンジ（ＤＲ）、複数の画素の間の差分値などである。複数の画素の間の差分値は、空間内の複数画素間の差分値でも良いし、時間方向の複数画素間の差分値でも良いし、空間内および時間方向の複数画素間の差分値でも良い。また、全体特徴量とは、画像全体の特徴量である。全体特徴量は、例えば、画像全体の画素値分布、画像全体の動きベクトル分布、１または２以上の画像全体の時空間相関、画像全体のノイズ量、画像フォーマット、１以上の画像であるコンテンツに関するコンテンツ情報、パターン検出結果（顔など）などである。ここで、コンテンツ情報とは、例えば、コンテンツの撮影場所、撮影日時、撮影時の気象、被写体の名称や種類、カメラパラメータ（レンズ絞りやシャッター速度など）等である。
【0123】
特徴量は、例えば、フレーム差分の大きさ、空間における平坦度合い、空間における中から高周波成分の多さ、空間における低周波成分の多さ、空間におけるボケ具合である。ボケ具合は、画素値の変化の滑らかさに関する特徴量である。なお、かかる特徴量の取得方法は公知技術であるので、かかる特徴量の取得方法の説明は省略する。なお、特徴量は上述した特徴量に限らないことは言うまでもない。
【0124】
格納部５１の動画は、通常、動画識別子に対応付いている。動画識別子は、動画を識別する情報であり、例えば、動画のタイトル、ＩＤ、撮影場所、撮影日時、撮影時の気象、被写体の名称や種類、カメラパラメータ（レンズ絞りやシャッター速度など）である。
【0125】
ＬＵＴ格納部５１１には、２以上のルックアップテーブルが格納される。通常、ＬＵＴは、ＬＵＴを識別するＬＵＴ識別子に対応付いている。ＬＵＴ識別子は、例えば、ＩＤ、ルックアップテーブルの名称である。
【0126】
ＬＵＴは、１または２以上の対応情報を有する。対応情報は、第一画像または第一部分画像と、第二画像または第二部分画像との対応を取るための情報である。第一画像は、変換前の画像である。第二画像は、第一画像とは異なる画像であり、変換後の画像である。第一部分画像は、第一画像の一部分である。第二部分画像は、第二画像の一部分である。
【0127】
対応情報は、例えば、画像を変換する演算式、画像を変換する演算式に与える１以上のパラメータ群、画像を変換するための変換フィルタの１以上のパラメータ群、第一画像または第一部分画像に対応する第二画像または第二部分画像そのものである。対応情報は、例えば、時空間ブロックの画素値の中央値を算出する演算式でも良い。
【0128】
ＬＵＴが有する２以上の各対応情報は、例えば、２以上の特徴量に対応付いている。２以上の特徴量は、各特徴量を要素とする特徴量ベクトルと言っても良い。
【0129】
また、１以上の第一画像の全部または第一部分画像および１以上の第二画像の全部または第二部分画像は、出力される一画面の画像でも良いし、一画面の一部のブロックの画像でも良いし、一画素でも良いし、時間的に連続する複数画面でも良いし、時間的に連続する複数画面の空間上の一部分（後述する時空間ブロック）でも良いし、時間的に連続する複数画面の連続する一画素の集合などでも良い。つまり、第一画像および第二画像の情報量の単位は問わない。なお、時空間ブロックとは、通常、動画（映像と言っても良い）を、空間的、または時間的、または空間的かつ時間的に分割した一部分をいう。ただし、時空間ブロックは、画素の集合であれば良い。つまり、時空間ブロックは、矩形の連続領域とは限らない。時空間ブロックは、非矩形かつ不連続な画像の領域でも良い。また、画像を分割されて取得された複数の時空間ブロックは、一部に重複した画素を有するものでも良い。
【0130】
ここで、第一画像と第二画像とは、同一の対象についての異なる画像である。例えば、第一画像は歪の多い画像（例えば、カメラ撮影時に映像に混在するノイズの影響が大きい画像）であり、第二画像は第一画像より歪の少ない画像（例えば、カメラ撮影時に映像に混在するノイズの影響が少ない画像）である。かかる場合、ルックアップテーブルは、例えば、歪量の異なる二つの画像信号のブロック毎に符号化したものの相関を示すものである。また、第一画像は通常の自然環境を撮影した画像であり、第二画像は１０００年に一度といった稀にしか発生しない自然環境を撮影した画像である。なお、かかる変換処理については後述する。
【0131】
２以上の各ＬＵＴは、達成できることが異なるＬＵＴであることは好適である。２以上の各ＬＵＴは、例えば、動きの滑らかさを向上できるＬＵＴ、透明感を向上できるＬＵＴ、質感を向上できるＬＵＴ、壮大さを向上できるＬＵＴ、異物の除去ができるＬＵＴなどである。
【0132】
制御情報格納部５１２には、２以上の制御情報が格納される。制御情報は、対象画像を変換する際に使用するＬＵＴに関する情報である。制御情報は、１または２以上のＬＵＴの使用を特定する情報である。制御情報は、クラス識別子に対応付けられた情報である。クラス識別子に対応付けられた情報は、特徴量ベクトルに対応付けられた情報と同意義であっても良い。クラス識別子は、対象画像のクラスを識別する情報である。制御情報が２以上のＬＵＴの使用を特定する情報である場合、２以上のＬＵＴの使用順序をも特定する情報であることは好適である。制御情報は、例えば、「ＬＵＴ１，ＬＵＴ２」である。かかる場合、制御情報は、例えば、対象画像に対して、「ＬＵＴ１」で識別されるルックアップテーブルを用いて第一変換処理を行い、次に、当該第一変換処理の結果の画像に対して、「ＬＵＴ２」で識別されるルックアップテーブルを用いて第二変換処理を行い、出力する画像である変換画像を取得することを示す情報である。
【0133】
受付部５２は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示は、例えば、動画、ユーザからの入力である。各種の情報や指示の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部５２は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0134】
動画取得部５２１は、２以上の画像を有する動画を取得する。動画取得部５２１は、例えば、図示しない放送装置から動画を受信する。動画取得部５２１は、例えば、図示しない動画管理装置（サーバ）から動画を取得する。動画取得部５２１は、例えば、格納部５１に格納されている動画を読み出す。
【0135】
入力受付部５２２は、ユーザからの入力を受け付ける。入力は、例えば、出力指示、動画切替指示、動画識別子、特性識別子、領域識別子、ＬＵＴ、ＬＵＴの変更指示、制御情報、制御情報の変更指示である。
【0136】
出力指示は、動画を出力する指示であり、動画を特定する情報（例えば、動画識別子）が含まれることは好適である。動画切替指示は、出力中の動画を切り替える指示であり、切り替える動画を特定する情報（例えば、動画識別子）が含まれることは好適である。特性識別子は、動画の特性を識別する情報であり、例えば、「動きの滑らかさ」「透明感」「質感」「壮大さ」「異物除去」等である。領域識別子は、領域を特定する情報である。領域は、例えば、ユーザが指示する矩形の領域であるが、非矩形の領域であったりオブジェクトであったりしてもよい。
【0137】
ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0138】
処理部５３は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、変換部５３１、制御変更部５３２が行う処理である。
【0139】
入力受付部５２２がＬＵＴを受け付けた場合、処理部５３は、当該ＬＵＴをＬＵＴ格納部５１１に蓄積する。また、入力受付部５２２がＬＵＴの変更指示を受け付けた場合、処理部５３は、当該変更指示に従って、ＬＵＴを変更する。
【0140】
入力受付部５２２が制御情報を受け付けた場合、処理部５３は、当該制御情報を制御情報格納部５１２に蓄積する。また、入力受付部５２２が制御情報の変更指示を受け付けた場合、処理部５３は、当該変更指示に従って、制御情報を変更する。
【0141】
変換部５３１は、動画を構成する１以上の各画像に対して、超自然光景に変換する処理を行い、変換画像を取得する。かかる処理を変換処理と言う。
【0142】
分割手段５３１１は、動画を構成する１以上の各画像を分割し、２以上の部分画像を取得する。分割手段５３１１は、通常、動画を構成する全ての画像（静止画）に対して、分割する処理を行うが、一部の画像に対してのみ、分割する処理を行っても良い。
【0143】
分割手段５３１１は、例えば、動画を構成する各画像を同じサイズの部分画像に分割する。分割手段５３１１は、例えば、動画を構成する画像を、縦Ｘ、横Ｙのサイズの部分画像に分割する。分割手段５３１１は、動画を構成する各画像を異なるサイズの同じ形状（例えば、矩形）の部分画像に分割しても良い。
【0144】
分割手段５３１１は、例えば、動画を構成する各画像から１または２以上のオブジェクトを抽出し、１以上の各オブジェクトと背景とを、部分画像として取得する。分割手段５３１１は、例えば、動画を構成する各画像から２以上のオブジェクトを抽出し、２以上の各オブジェクトを、部分画像として取得する。なお、画像に対してオブジェクトを抽出する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0145】
分類手段５３１２は、例えば、まず、対象画像から２以上の特徴量を取得する。対象画像は、例えば、分割手段５３１１が取得した部分画像である。対象画像は、例えば、動画取得部５２１が取得した画像である。動画取得部５２１が取得した画像は、第一画像と言っても良い。動画取得部５２１が取得した画像は、変換前の画像である。
【0146】
次に、分類手段５３１２は、２以上の特徴量を用いて、当該対象画像のクラス識別子を取得する。分類手段５３１２は、例えば、対象画像から２以上の特徴量を取得し、当該２以上の特徴量を用いて特徴量ベクトルを構成し、当該特徴量ベクトルに最も近似する特徴量ベクトルと対になるクラス識別子を決定する。なお、クラス識別子を決定することは、通常、格納部５１のクラス管理表から取得することである。クラス識別子を決定することは、クラス識別子を取得することでも良い。
【0147】
変換手段５３１３は、対象画像ごとに、分類手段５３１２が決定したクラス識別子に対応する制御情報を制御情報格納部５１２から取得する。次に、変換手段５３１３は、対象画像ごとに、取得した制御情報が特定する１以上のルックアップテーブルを用いて、対象画像を変換し、変換対象画像を取得する。
【0148】
変換手段５３１３は、例えば、対象画像ごとに、制御情報が特定する１以上の各ルックアップテーブルごとに、分類手段５３１２が取得した２以上の特徴量（特徴量ベクトル）に対応する対応情報を決定し、当該対応情報を用いて、対象画像を変換し、変換対象画像を取得する。
【0149】
なお、分類手段５３１２が取得した特徴量ベクトルに対応する対応情報を決定する処理は、例えば、分類手段５３１２が取得した特徴量ベクトルに最も近似する特徴量ベクトルに対応する対応情報を決定する処理である。
【0150】
統合手段５３１４は、変換手段５３１３が取得した２以上の変換対象画像を統合し、変換画像を取得する。２以上の変換対象画像を統合することは合成することである、と考えても良い。２以上の変換対象画像を統合することは、２以上の変換対象画像を含む画像を構成することである。
【0151】
統合手段５３１４は、通常、２以上の変換対象画像の元になった２以上の対象画像の位置関係を変更しないように、２以上の変換対象画像を合成し、変換後の動画を構成する変換画像を構成する。
【0152】
制御変更部５３２は、入力受付部５２２が受け付けた入力に基づいて、２以上のクラス識別子のうちのいずれか１以上のクラス識別子に対応する制御情報を変更する。
【0153】
制御変更部５３２は、例えば、まず、変更する１以上の制御情報を決定する。次に、制御変更部５３２は、変更対象の制御情報を変更する。制御変更部５３２は、すべての制御情報を変更しても良い。
【0154】
変更する制御情報を決定することは、例えば、変更する対象のクラスのクラス識別子を取得することである。例えば、入力受付部５２２が受け付けた入力が不足する特性を特定する特性識別子である場合、制御変更部５３２は、当該特性識別子に対応するＬＵＴのＬＵＴ識別子を有さない１以上の制御情報を、変更する対象の制御情報であるとして決定する。制御変更部５３２は、例えば、入力受付部５２２が受け付けた入力に対応する動画であり、出力された１以上の画像において、分類手段５３１２が、頻度条件を満たすほど高い頻度で決定した１以上のクラス識別子に対応する制御情報を、変更する対象の制御情報であるとして決定する。なお、特性識別子は、ＬＵＴの特性を特定する情報であり、例えば、ＬＵＴが向上できる効果を識別する情報であり、例えば、「動きの滑らかさ」「透明感」「質感」「壮大さ」「異物除去」等である。また、頻度条件は、決定した回数が閾値以上または閾値より多いクラス識別子であること、決定された回数が最大のクラス識別子であること、決定された回数が上位Ｎ（Ｎは２以上の自然数）までのクラス識別子であることである。
【0155】
入力受付部５２２が受け付けた入力が不足する特性を特定する特性識別子である場合、制御変更部５３２は、当該特性識別子に対応するＬＵＴのＬＵＴ識別子を制御情報に加える。当該ＬＵＴ識別子を加える対象の制御情報は、制御変更部５３２が変更する制御情報として決定した制御情報であることは好適である。ただし、制御変更部５３２は、全ての制御情報に当該ＬＵＴ識別子を加えても良い。
【0156】
例えば、入力受付部５２２が受け付けた入力が不足する特性を特定する特性識別子と領域を示す情報である場合、制御変更部５３２は、当該領域を示す情報に対応する１または２以上の部分画像を決定し、当該１以上の各部分画像から２以上の特徴量を取得し、当該２以上の特徴量に対応するクラス識別子を取得する。そして、制御変更部５３２は、取得した１以上の各クラス識別子に対応する１以上の制御情報を、変更する対象の制御情報であるとして決定する。次に、制御変更部５３２は、変更する対象の制御情報に、入力受付部５２２が受け付けた特性識別子に対応するＬＵＴのＬＵＴ識別子を制御情報に加える。
【0157】
出力部５４は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、変換画像である。
【0158】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影であるが、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、出力を図示しない蓄積部に記録し、再生指示に従って出力してもよい。
【0159】
画像出力部５４１は、変換部５３１が取得した１以上の各変換画像を、順次、出力する。画像出力部５４１は、変換された動画を出力する。
【0160】
格納部５１、ＬＵＴ格納部５１１、および制御情報格納部５１２は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0161】
格納部５１等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部５１等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部５１等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部５１等で記憶されるようになってもよい。
【0162】
受付部５２、動画取得部５２１、および入力受付部５２２は、例えば、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0163】
処理部５３、変換部５３１、制御変更部５３２、分割手段５３１１、分類手段５３１２、変換手段５３１３、および統合手段５３１４は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部５３等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。なお、プロセッサは、ＣＰＵ、ＭＰＵ、ＧＰＵ等であり、その種類は問わない。
【0164】
出力部５４、および画像出力部５４１は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部５４等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0165】
次に、動画出力装置５の動作例について、図９のフローチャートを用いて説明する。
【0166】
（ステップＳ９０１）受付部５２は、動画の出力指示を受け付けたか否かを判断する。出力指示を受け付けた場合はステップＳ９０２に行き、出力指示を受け付けなかった場合はステップＳ９０１に戻る。
【0167】
（ステップＳ９０２）動画取得部５２１は、出力指示に対応する動画から、順次、画像を取得する。そして、動画取得部５２１は、画像を取得した否かを判断する。画像を取得した場合はステップＳ９０３に行き、画像を取得しなかった場合はステップＳ９０５に行く。
【0168】
（ステップＳ９０３）変換部５３１は、ステップＳ９０２で取得された画像に対して、変換処理を行い、変換画像を取得する。変換処理の例について、図１０のフローチャートを用いて説明する。
【0169】
（ステップＳ９０４）画像出力部５４１は、ステップＳ９０３で取得された変換画像を出力する。ステップＳ９０２に戻る。
【0170】
（ステップＳ９０５）入力受付部５２２は、入力を受け付けたか否かを判断する。入力を受け付けた場合はステップＳ９０６に行き、入力を受け付けなかった場合はステップＳ９０７に行く。
【0171】
（ステップＳ９０６）制御変更部５３２は、制御情報変更処理を行う。ステップＳ９０２に戻る。制御情報変更処理の例について、図１１のフローチャートを用いて説明する。
【0172】
（ステップＳ９０７）処理部５３は、処理を終了するか否かを判断する。処理を終了する場合はステップＳ９０１に戻り、処理を終了しない場合はステップＳ９０２に戻る。なお、処理を終了する場合は、例えば、動画の最後の画像に対応する変換画像が出力された場合、終了指示が受け付けられた場合である。ただし、処理の終了のトリガーは問わない。
【0173】
なお、図９のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0174】
次に、ステップＳ９０３の変換処理の例について、図１０のフローチャートを用いて説明する。
【0175】
（ステップＳ１００１）分割手段５３１１は、画像を分割し、１以上の部分画像を取得する。部分画像は、変換対象の対象画像である。
【0176】
（ステップＳ１００２）分類手段５３１２は、カウンタｉに１を代入する。
【0177】
（ステップＳ１００３）分類手段５３１２は、ｉ番目の対象画像が存在するか否かを判断する。
【0178】
（ステップＳ１００４）分類手段５３１２は、分割手段５３１１により分割され、取得されたｉ番目の対象画像を取得する。
【0179】
（ステップＳ１００５）統合手段５３１４は、対象画像の位置情報を取得する。なお、位置情報は、ｉ番目の対象画像の画像における相対的な位置を示す情報であり、通常、１以上の（ｘ，ｙ）である。対象画像が矩形の場合、例えば、位置情報は、当該矩形の左上座標と右下座標である。対象画像がオブジェクトである場合、例えば、位置情報は、当該オブジェクトの重心座標、または当該オブジェクトの輪郭を示す３以上の座標の集合である。
【0180】
（ステップＳ１００６）分類手段５３１２は、ｉ番目の対象画像の２以上の特徴量（特徴量ベクトル）を取得する。
【0181】
（ステップＳ１００７）分類手段５３１２は、ステップＳ１００６で取得した特徴量ベクトルに最も近似する特徴量ベクトルを、格納部５１のクラス管理表が有する特徴量ベクトルから決定する。次に、分類手段５３１２は、当該決定した特徴量ベクトルと対になるクラス識別子をクラス管理表から取得する。
【0182】
（ステップＳ１００８）変換手段５３１３は、ステップＳ１００７で取得されたクラス識別子と対になる制御情報を制御情報格納部５１２から取得する。
【0183】
（ステップＳ１００９）カウンタｊに１を代入する。
【0184】
（ステップＳ１０１０）変換手段５３１３は、ステップＳ１００８で取得した制御情報の中に、ｊ番目に使用するべきＬＵＴ識別子が存在するか否かを判断する。ｊ番目のＬＵＴ識別子が存在する場合はステップＳ１０１１に行き、存在しない場合はステップＳ１０１４に行く。
【0185】
（ステップＳ１０１１）変換手段５３１３は、ｊ番目のＬＵＴ識別子で識別されるＬＵＴが有する対応情報の中から、ステップＳ１００６で取得された特徴量ベクトルに最も近似する特徴量ベクトルを決定し、当該特徴量ベクトルに対応する対応情報を決定する。
【0186】
（ステップＳ１０１２）変換手段５３１３は、ステップＳ１０１１で決定した対応情報を用いて、変換対象の画像を変換する。なお、変換対象の画像は、ｉ番目の対象画像または、直前のループ処理においてステップＳ１０１２で変換して、取得した画像である。なお、対応情報を用いて画像を変換する処理は、例えば、公開特許公報（特開２０１２－２５２６８７、特開２０１４－１５４０４６）に開示されている。
【0187】
（ステップＳ１０１３）カウンタｊを１、インクリメントする。ステップＳ１０１０に戻る。
【0188】
（ステップＳ１０１４）統合手段５３１４は、最終的にステップＳ１０１２で取得された画像である変換対象画像を、ステップＳ１００５で取得した位置情報が示す位置に配置する。
【0189】
（ステップＳ１０１５）分類手段５３１２は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１００３に戻る。
【0190】
次に、ステップＳ９０６の制御情報変更処理の例について、図１１のフローチャートを用いて説明する。
【0191】
（ステップＳ１１０１）制御変更部５３２は、変更する１以上の制御情報を決定する。
【0192】
（ステップＳ１１０２）制御変更部５３２は、カウンタｉに１を代入する。
【0193】
（ステップＳ１１０３）制御変更部５３２は、ｉ番目の変更対象の制御情報が存在するか否かを判断する。ｉ番目の変更対象の制御情報が存在する場合はステップＳ１１０４に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0194】
（ステップＳ１１０４）制御変更部５３２は、ｉ番目の変更対象の制御情報を取得する。
【0195】
（ステップＳ１１０５）制御変更部５３２は、変更後の制御情報を取得する。
【0196】
（ステップＳ１１０６）制御変更部５３２は、ｉ番目の変更対象の制御情報を、ステップＳ１１０５で取得した変更後の制御情報に書き換える。
【0197】
（ステップＳ１１０７）制御変更部５３２は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１１０３に戻る。
【0198】
以下、本実施の形態における動画出力装置５の具体的な動作例について説明する。以下、２つの具体例を説明する。具体例１は、動画に対して超自然光景に変換する処理を行うことにより、部屋等の空間において、自然環境を再現する動画を出力する場合である。具体例２は、制御情報が変更される場合である。
【0199】
ここでの具体例において、動画出力装置５のＬＵＴ格納部５１１には、図１２に示す５つのＬＵＴを含む多数のＬＵＴが格納されている、とする。また、ＬＵＴの構造の例は、図１３である。図１３のＬＵＴは、多数の対応情報を有する。また、対応情報は、ここでは、特徴量ベクトルとフィルタ係数とを有する。図１３において「特徴量ベクトル」は、１以上の全体特徴量（例えば、「A1=(V1,V2,V3,V4)」）と１以上の近傍特徴量（例えば、「α0１=(p0１-1,p0１-2,p0１-3,p0１-4)」とを有するベクトルである。なお、画像からかかる全体特徴量と近傍特徴量とを取得する処理は、公知技術であり、例えば、公開特許公報（特開２０１２－２５２６８７）に開示されている。また、フィルタ係数は、画像の変換フィルタが使用する係数である。対応情報が有する「フィルタ係数」（例えば、「F01」）は、フィルタ係数の集合である。なお、ＬＵＴの構造は種々考えられ、問わないことは、上述した通りである。
【0200】
また、制御情報格納部５１２には、図１４に示す制御情報管理表が格納されている。制御情報管理表は、制御情報を管理する表である。制御情報管理表は、「クラス識別子」「特徴量ベクトル」「制御情報」を有する２以上のレコードを有する。制御情報管理表の「特徴量ベクトル」は、１以上の全体特徴量（例えば、「a1=(v1,v2,v3,v4)」）と１以上の近傍特徴量（例えば、「β0１=(P0１-1,P0１-2,P0１-3,P0１-4)」とを有するベクトルである。
【0201】
（具体例１）
かかる状況において、出力指示が動画出力装置５に与えられた、とする。次に、動画出力装置５の受付部５２は、動画の出力指示を受け付ける。
かかる状況において、出力指示が動画出力装置５に与えられた、とする。次に、動画出力装置５の受付部５２は、動画の出力指示を受け付ける。
【0202】
次に、動画取得部５２１は、出力指示に対応する動画から、順次、画像を取得する。例えば、動画取得部５２１は、図１５の１５０１の画像（富士山の画像）を取得する。
【0203】
変換部５３１は、画像１５０１に対して、以下のような変換処理を行い、変換画像を取得する。つまり、変換部５３１を構成する分割手段５３１１は、画像１５０１を時空間ブロックに分割して部分画像を取得する。次に、分類手段５３１２は、各部分画像の特徴量ベクトル（例えば、「鳥の位置の部分画像に対する特徴量ベクトル：（８，０，・・・，３，０，０）」）を取得する。また、統合手段５３１４は、各時空間ブロック（対象画像）の位置情報を取得する。なお、分割手段５３１１は、画像１５０１を時空間ブロックに分割することに代えて、画像１５０１に対してオブジェクト認識処理を行い、鳥、空、山、虫の各々の部分画像を取得しても良い。
【0204】
次に、分類手段５３１２は、対象画像ごとに、取得した特徴量ベクトルに最も近似する特徴量ベクトルを、図１４の制御情報管理表の特徴量ベクトルから決定する。そして、分類手段５３１２は、対象画像「鳥」に対してクラス識別子「Ｃ１」、対象画像「空」に対してクラス識別子「Ｃ２」、対象画像「山」に対してクラス識別子「Ｃ３」、対象画像「虫」に対してクラス識別子「Ｃ４」を取得した、とする。
【0205】
次に、変換手段５３１３は、各対象画像に対して、クラス識別子と対になる制御情報を取得する。つまり、例えば、変換手段５３１３は、対象画像「鳥」に対して制御情報「ＬＵＴ１，ＬＵＴ３」を取得する。また、変換手段５３１３は、対象画像「空」に対して制御情報「ＬＵＴ２」を取得する。また、変換手段５３１３は、対象画像「山」に対して制御情報「ＬＵＴ４」を取得する。さらに、変換手段５３１３は、対象画像「虫」に対して制御情報「ＬＵＴ５」を取得する。
【0206】
次に、変換手段５３１３は、各対象画像に対して、１または２以上の各ＬＵＴを順番に適用し、変換画像を取得する。つまり、変換手段５３１３は、対象画像「鳥」に対して、ＬＵＴ１を用いて画像変換を行い、動きの滑らかさが向上した画像を取得する。次に、変換手段５３１３は、当該変換結果の画像に対して、ＬＵＴ３を用いて画像変換を行い、質感が向上した変換対象画像を取得する。次に、統合手段５３１４は、当該変換対象画像を、対象画像「鳥」に対して取得した位置情報が示す位置に配置する。
【0207】
また、変換手段５３１３は、対象画像「空」に対して、ＬＵＴ２を用いて画像変換を行い、透明感が向上した変換対象画像を取得する。次に、統合手段５３１４は、当該変換対象画像を、対象画像「空」に対して取得した位置情報が示す位置に配置する。
【0208】
また、変換手段５３１３は、対象画像「山」に対して、ＬＵＴ４を用いて画像変換を行い、壮大さが向上した変換対象画像を取得する。次に、統合手段５３１４は、当該変換対象画像を、対象画像「山」に対して取得した位置情報が示す位置に配置する。
【0209】
さらに、変換手段５３１３は、対象画像「虫」に対して、ＬＵＴ５を用いて画像変換を行い、異物（虫）が除去された変換対象画像を取得する。次に、統合手段５３１４は、当該変換対象画像を、対象画像「虫」に対して取得した位置情報が示す位置に配置する。以上の処理により、変換画像が取得された。
【0210】
次に、画像出力部５４１は、当該変換画像（１５０２）を出力する。以上の処理を、出力指示が特定する動画を構成する各画像に対して行うことにより、変換処理が行われた２以上の変換画像が順次出力される。その結果、動画の視聴者は、超自然光景に変換する処理が行われることにより、部屋等の空間において、自然環境を再現できる。その結果、例えば、部屋等の空間において、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0211】
（具体例２）
視聴者が、具体例１において出力された富士山の動画（１５０２参照）を見ながら、図１６の出力に対して、視聴者は、特性「質感」が不足していると思い、「質感」ボタン１６０１と質感が不足している「領域」１６０２とを指示した、とする。
視聴者が、具体例１において出力された富士山の動画（１５０２参照）を見ながら、図１６の出力に対して、視聴者は、特性「質感」が不足していると思い、「質感」ボタン１６０１と質感が不足している「領域」１６０２とを指示した、とする。
【0212】
次に、入力受付部５２２は、「質感」ボタン１６０１に対応するＬＵＴ識別子「ＬＵＴ３」を、格納部５１から取得する。なお、格納部５１には、図１６の各ボタンに対応する１以上のＬＵＴ識別子が格納されている、とする。
【0213】
次に、分類手段５３１２は指示された領域に含まれる部分画像の２以上の特徴量を取得し、当該２以上の特徴量を有する特徴量ベクトルと対になるクラス識別子を決定する。ここでは、例えばクラス識別子「Ｃ３」が該当したとする。
【0214】
なお、領域内に複数の部分画像が含まれる場合は、それら全てに対してクラス識別子を決定してもよい（すなわちクラス識別子は複数になる）し、それらの特徴量ベクトルの重心に対して１つのクラス識別子を決定してもよい。
【0215】
次に、制御変更部５３２は該当したクラス識別子（ここでは例えばクラス識別子「Ｃ３」）に対応する制御情報に、入力受付部５２２が取得したＬＵＴ識別子「ＬＵＴ３」を付加する（図１７参照）。なお、ここでは図示しない手段でＬＵＴの順序を指示してもよい。
【0216】
以後、変換部５３１は、更新された制御情報管理表を用いて、画像を変換し、変換画像を取得する（図１８参照）。また、画像出力部５４１は、かかる変換画像を出力する。
【0217】
さらに、視聴者が、画像出力部５４１から出力された変換画像を見て、空の部分の「透明感」が不足していると思い、透明感が不足している「領域」１９０１（空の一部分）を指定し、「透明感」ボタン１９０２を指示したとする（図１９参照）。
【0218】
次に、入力受付部５２２は、「透明感」ボタンに対応するＬＵＴ識別子「ＬＵＴ２」を、格納部５１から取得する。
【0219】
次に、分類手段５３１２は指示された領域に含まれる部分画像の特徴量を求め、当該特徴量ベクトルと対になるクラス識別子を決定する。ここでは、例えばクラス識別子「Ｃ２」が該当したとする。
【0220】
次に、制御変更部５３２は該当したクラス識別子（ここでは例えばクラス識別子「Ｃ２」）に対応する制御情報に、入力受付部５２２が取得したＬＵＴ識別子「ＬＵＴ２」を付加する（図２０参照）。ここで、同一のＬＵＴが２回選択されてもよい。
【0221】
以後、変換部５３１は、更新された制御情報管理表を用いて、画像を変換し、変換画像を取得する（図２１参照）。また、画像出力部５４１は、かかる変換画像を出力する。
【0222】
以上の処理により、動画の視聴中にでも、富士山の質感が向上し、なおかつ空の透明感がさらに向上した画像への変換を行える。これを繰り返すことで、従来の処理では得られない、視聴者がより価値を感じる映像を容易に出力することが可能となる。
【0223】
以上、本実施の形態によれば、視聴者は、超自然光景に変換する処理が行われることにより、部屋等の空間において、自然環境を再現できる。その結果、例えば、部屋等の空間において、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0224】
また、本実施の形態によれば、視聴者からの入力に基づいて、視聴者がより価値を感じる動画への変換を行える。
【0225】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをＣＤ－ＲＯＭなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、２以上の画像を有する動画を取得する動画取得部と、前記動画を構成する１以上の各画像に対して、超自然光景に変換する処理を行い、変換画像を取得する変換部と、前記変換部が取得した１以上の各変換画像を、順次、出力する画像出力部として機能させるためのプログラムである。
【0226】
（実施の形態５）
本実施の形態において、部屋等の空間において、自然環境を再現するシステムＣについて説明する。図２２は、システムＣのブロック図である。かかるシステムＣは、１または２以上の動画出力装置６を具備する。システムＣは、動画出力システムと言っても良い。なお、システムＣは、２以上の動画出力装置６を有することは好適である。
本実施の形態において、部屋等の空間において、自然環境を再現するシステムＣについて説明する。図２２は、システムＣのブロック図である。かかるシステムＣは、１または２以上の動画出力装置６を具備する。システムＣは、動画出力システムと言っても良い。なお、システムＣは、２以上の動画出力装置６を有することは好適である。
【0227】
動画出力装置６は、動画出力装置５と同じ装置であることは好適であるが、他の動画出力装置でも良い。動画出力装置６は、動画取得部６２１が取得した動画を、変換せずに、出力しても良い。
【0228】
動画出力装置６は、例えば、格納部６１、受付部６２、処理部６３、出力部６４を具備する。受付部６２は、動画取得部６２１を具備する。
【0229】
格納部６１には、例えば、１または２以上の動画が格納されている。格納部６１には、予め超自然光景に変換する処理を行った動画が格納されていても良い。
【0230】
処理部６３は、例えば、動画取得部６２１が取得した動画を出力部６４に渡す。なお、出力される動画は、格納部６１から取得されても良いし、図示しない放送装置やサーバ等から受信されても良い。
【0231】
出力部６４は、処理部６３から渡された動画を出力する。出力部６４は、画像出力部４１と同じでも良い。
【0232】
格納部６１は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0233】
格納部６１に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部６１で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部６１で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部６１で記憶されるようになってもよい。
【0234】
処理部６３は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部６３の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。なお、プロセッサは、ＣＰＵ、ＭＰＵ、ＧＰＵ等であり、その種類は問わない。
【0235】
出力部６４は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部４等は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0236】
システムＣを構成する２以上の動画出力装置６は、予め決められた位置関係に配置されていることは好適である。システムＣを構成する２以上の動画出力装置６は、横に並んでいることは好適である。２以上の動画出力装置６は、水平な床に対して、同じ高さの位置に横に並んでいることは好適である。２以上の動画出力装置６は、同じ画面サイズであることは好適である。なお、システムＣを構成する２以上の動画出力装置６は、縦に並んでいても良い。
【0237】
システムＣにおいて、２以上の各動画出力装置６は、同じ環境（一の環境）に設置されていることは好適である。ここでの環境とは、空間、部屋、地点等である。一の環境とは、例えば、同じ部屋、同じ空間である。また、２以上の動画出力装置６の動画取得部６２１が取得する動画は、他の環境を撮影した動画であることは好適である。他の環境は、動画出力装置６が設置される一の環境とは異なる環境である。
【0238】
２以上の各動画出力装置６で出力される動画は、同期が取れた動画であることは好適である。２以上の各動画出力装置６で出力される動画は、２以上の各動画出力装置６が一の環境に設置される際の位置関係と同じ位置関係にある２以上のカメラで、他の環境を撮影した動画であることは好適である。
【0239】
なお、２以上の各動画出力装置６において、動画を出力する際の同期の取り方は問わない。同期が取れた各画像を、２以上の各動画出力装置６が同時に出力を開始するようにしても良い。一の動画出力装置６が他の動画出力装置６に指示を送信し、同じタイミング情報に対応する画像を出力するようにしても良い。また、図示しないサーバから２以上の各動画出力装置６にタイミング情報を送信し、同じタイミングで、各動画出力装置６において、同期が取れた画像を出力するようにしても良い。
【0240】
以上、本実施の形態によれば、２以上の動画出力装置６を用いて、部屋等の空間において、自然環境を再現できる。その結果、例えば、部屋等の空間において、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0241】
なお、本実施の形態によれば、システムＣは、２以上の動画出力装置６が設置された部屋、２以上の動画出力装置６が設置された家屋、２以上の動画出力装置６が設置されたマンション等でも良い。
【0242】
（実施の形態６）
本実施の形態において、ユーザからの入力によって、複数の環境を撮影した動画を切り替えて出力するシステムＥについて説明する。なお、システムＥは、動画出力システムと言っても良い。
本実施の形態において、ユーザからの入力によって、複数の環境を撮影した動画を切り替えて出力するシステムＥについて説明する。なお、システムＥは、動画出力システムと言っても良い。
【0243】
システムＥは、１または２以上の動画出力装置６を具備する。１以上の各動画出力装置６は、ユーザの指示に基づいて、異なる２以上の動画のうちのいずれかの動画を出力する。なお、動画出力装置６は、動画出力装置５でも良い。
【0244】
また、２以上の各動画は、動画出力装置６が設置されている一の環境とは異なる他の環境である景勝地を撮影した動画であることは好適である。異なる２以上の動画は、各々、異なる景勝地を撮影した動画であることは好適である。
【0245】
また、各動画はそれぞれの自然環境が最もよい条件で撮影されたもの（例えば、雲１つない晴天、空気の透明度が高い時、夕焼けの瞬間、雲海が発生している状況など）であることは好適である。
【0246】
以上、本実施の形態によれば、部屋等の空間において、自然環境を再現するシステムを提供できる。
【0247】
さらに具体的には、散在する複数の景勝地の、それぞれ最高の瞬間を一か所にいながらに見ることが可能になることで、日常の生活では得られないような感動を覚え、自身の社会環境の中での行動規範へとフィードバックすることができる（例えば、自身を顧みて生活信条を改める、その景勝地に行ってみようと決心するなど）。
【0248】
また、空間に存在する２以上の人が、そのような感動を同時に感じることによって、異なる脳を有する２以上の人の協調が容易になる。
【0249】
（実施の形態７）
本実施の形態において、各々、物理的に異なる場所に存在する２以上の空間の集合であり、当該２以上の空間に存在し得る１または２以上の各ユーザに対して、２以上の空間のうちの１以上の各空間の表示媒体に、選択された映像を表示する、２以上の空間の集合である空間集合について説明する。
本実施の形態において、各々、物理的に異なる場所に存在する２以上の空間の集合であり、当該２以上の空間に存在し得る１または２以上の各ユーザに対して、２以上の空間のうちの１以上の各空間の表示媒体に、選択された映像を表示する、２以上の空間の集合である空間集合について説明する。
【0250】
また、本実施の形態において、各々、物理的に異なる場所に存在する２以上の空間の集合であり、有機的に結合した２以上の空間の集合である空間集合について説明する。なお、２以上の空間を有機的に結合することは、例えば、２以上の各空間に存在する１または２以上のユーザに関するユーザ情報を用いて選択された映像を、ユーザが存在する空間の表示媒体に出力することである。
【0251】
なお、空間は、３または４以上の側壁面を備えることは好適である。空間は、閉空間であることは好適である。空間は、天井を有することは好適である。空間は、一部に開放されている空間でも良い。一部に開放されている空間は、例えば、ドアが開いている空間、天井が無い空間である。空間は、例えば、建造物、または輸送体である。建造物とは、人工的に作られた空間である。建造物は、例えば、家屋、部屋、テントである。建造物は、例えば、ホテル、駅、空港、観光施設、ショッピングセンター、オフィス、住居である。空間は、例えば、ホテルの宴会場、ホテルのレストラン、ホテルの客室、ホテルのロビー、駅や空港等のラウンジ、駅や空港等の待合室、オフィスの会議室、オフィスの応接室である。輸送体とは、人を輸送する物である。輸送体は、例えば、列車、自動車、飛行機である。ただし、空間の種類は問わない。また、建造物や輸送体の種類は問わない。
【0252】
また、ユーザ情報は、例えば、ユーザが過去に視聴した映像の映像識別子、過去に映像を視聴した空間の空間識別子を含む。ユーザ情報は、例えば、映像を視聴した時を特定する視聴時情報を含む。ユーザ情報は、例えば、１以上のユーザ属性値を含む。
【0253】
また、２以上の各空間の表示媒体に出力される映像は同じ映像であることは好適である。ただし、２以上の各空間の表示媒体に出力される映像は異なる映像でも良い。また、２以上の各空間の表示媒体に出力される映像は異なる映像であるが、内容が関連している映像であることは好適である。内容が関連している映像は、例えば、同じ場所で撮影された映像、同じ環境（例えば、山）を撮影した映像である。内容が関連している映像は、例えば、対応付けられた映像である。
【0254】
また、本実施の形態において、別の空間から後に一の空間に合流する２以上の各ユーザが存在する異なる各空間の表示媒体に、予め決められた条件を満たす映像を出力させることにより、当該２以上のユーザが合流後の一の空間において、協調作業を行いやすくする空間集合について説明する。なお、予め決められた条件を満たす映像は、例えば、同じ映像、対応付けられた映像である。
【0255】
また、本実施の形態において、今後、ウェブ会議や電話会議等の通信を行う２以上の各ユーザが存在する異なる空間の表示媒体に、予め決められた条件を満たす映像を出力させることにより、通信を行う際に、スムーズなディスカッションを行いやすくするための空間集合について説明する。
【0256】
また、本実施の形態において、ユーザが視聴した映像またはユーザが居た空間に応じた特定の処理を行う装置について説明する。なお、特定の処理は、例えば、チケット予約、レストラン予約、出前の依頼である。
【0257】
また、本実施の形態において、上記の２以上の各空間に設置されている表示媒体の集合について説明する。
【0258】
さらに、本実施の形態において、上記の２以上の各空間における映像の選択を行うサーバについて説明する。
【0259】
図２３は、本実施の形態における空間システムＦの概念図である。空間システムＦは、２または３以上の空間、およびサーバ９を備える。２以上の空間は、例えば、第一空間５、第二空間６、・・・、第Ｎ空間（Ｎは２以上の自然数）を備える。
【0260】
また、２以上の各空間は、１または２以上の表示媒体を有する。図２３において、各空間は３つの表示媒体を有するが、各空間は１つまたは２つの表示媒体を有するだけでも良いし、４以上の表示媒体を有しても良い。
【0261】
表示媒体とは、映像を表示する媒体である。表示媒体は、映像を表示する装置である。表示媒体は、通常、ディスプレイであるが、プロジェクタまたはプロジェクタが映像を投影する領域でも良い。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ＥＬのディスプレイであるが、その種類は問わない。また、表示媒体は意匠登録第１６４８６５８号のようなフレームを有することは好適である。
【0262】
２以上の各空間の表示媒体は、サーバ９から送信された映像を表示することは好適であるが、元々、表示媒体が格納している映像を表示しても良い。表示媒体は、表示装置と言っても良い。表示媒体は、例えば、サーバ９から映像を受信する。表示媒体は、例えば、受信した映像を格納部に、少なくとも一時蓄積する。表示媒体は、サーバ９に映像の送信指示を送信して、当該送信指示の送信に応じて、サーバ９から映像を受信しても良い。
【0263】
ここでの映像は、通常、自然映像である。自然映像とは、自然環境に基づいて取得された映像である。自然映像とは、自然環境を再現した映像である。自然映像は、例えば、自然を撮影した動画である。自然映像に、人工物が映っていても良い。自然映像は、実施の形態４、または５のような処理を施した映像であることは好適である。自然は、例えば、山、森、湖、池、川、海である。
【0264】
サーバ９は、１または２以上の各空間の１または２以上の各表示媒体に映像を供給する装置である。サーバ９は、例えば、クラウドサーバまたはＡＳＰサーバであるが、その種類は問わない。
【0265】
例えば、２以上の各空間が具備する各表示媒体とサーバ９とは、インターネット等のネットワークにより通信可能である。例えば、サーバ９から送信された映像が直接または間接的に表示媒体に送信され、当該表示媒体が映像を表示する。なお、表示媒体は、表示する可能性のある１以上の映像を、予め保持していても良いし、図示しない映像サーバ等から映像を受信しても良い。
【0266】
図２４は、本実施の形態における空間システムＦのブロック図である。２以上の各空間は、１または２以上の表示媒体、および１または２以上の側壁面を備える。第一空間７は、少なくとも第一表示媒体７１を備える。第二空間８は、少なくとも第二表示媒体８１を備える。第Ｎ空間は、少なくとも第Ｎ表示媒体を備える。各表示媒体は、例えば、格納部、表示部、および切替部を有する。格納部、表示部、および切替部については上述した。
【0267】
例えば、第一表示媒体７１は、第一格納部７１１、第一表示部７１２、および第一切替部７１３を有する。例えば、第二表示媒体８１は、第二格納部８１１、第二表示部８１２、および第二切替部８１３を有する。
【0268】
サーバ９は、サーバ格納部９１、サーバ受信部９２、サーバ処理部９３、およびサーバ送信部９４を備える。サーバ格納部９１は、映像格納部９１１、および条件格納部９１２を備える。
【0269】
１または２以上の各空間が具備する各表示媒体の格納部（例えば、第一格納部７１１、第二格納部８１１）には、１または２以上の映像が格納される。格納部の映像は、サーバ９から受信された映像であることは好適である。格納部の映像は、予め格納されていても良い。格納部には、２以上の各場所の映像が格納されることは好適である。
【0270】
２以上の各空間の１または２以上の側壁面（例えば側壁面７２、側壁面８２）には、１または２以上の表示媒体が配置されることは好適である。また、一の空間が２以上の表示媒体を具備する場合、当該２以上の各表示媒体は、異なる位置に配置されていることは好適である。また、一の空間の２以上の各表示媒体は、同じサイズであることは好適であるが、異なるサイズでも良い。つまり、映像が表示される領域は同じサイズであることは好適であるが、異なるサイズでも良い。さらに、２以上の各表示媒体が配置される高さは、同じ高さであることは好適である。同じ高さに２以上の各表示媒体が配置されることにより、人の脳は、２以上の各表示媒体が表示する映像を繋げて、一の自然映像を認識し易くなる。
【0271】
一の空間における異なる位置に配置される２以上の各表示媒体が表示する映像は、２以上の表示媒体の異なる位置に応じた異なる映像であることは好適である。２以上の表示媒体の異なる位置に応じた異なる各映像は、一の場所の映像のうちの一部の領域の映像であり、表示媒体の異なる位置に応じた領域の映像であることは好適である。２以上の表示媒体の異なる位置に応じた異なる各映像は、例えば、一の場所の広角の映像から、表示媒体の異なる位置に応じた領域を切り取った一部の映像であることは好適である。また、一の場所から、実際に表示媒体の異なる位置に応じた方向を撮影した映像であることは好適である。かかることにより、２以上の各表示媒体が表示する映像を見る人の脳は、映像が表示されている領域（例えば、ディスプレイ）を、空間（例えば、部屋）の向こう側に広がる光景であると錯覚し、当該人は、空間の向こう側には、映像の場所の自然が広がっている、と考える。つまり、２以上の各表示媒体が表示する映像を見る人が居る空間が、映像の場所に存在する空間であると、人の脳が錯覚する。言い換えれば、当該空間に居る人の脳が、２以上の各表示媒体に表示された映像を繋げて、２以上の表示媒体の間の壁の向こうに自然が広がっていると錯覚し、自分がその自然の中に身を置いているように感じる。
【0272】
一の空間に存在する１以上の各表示媒体の位置は、当該一の空間において、通常、窓が設置される位置であることは好適である。窓が設置される位置であり、表示媒体の位置は、例えば、表示媒体の下辺が、床面から略６００ｍｍ以上略１２００ｍｍ未満の位置である。窓が設置される位置であり、表示媒体の位置は、例えば、平均的な座高の人がソファーに座った場合に、当該人の目の高さが表示媒体の領域のうちのいずれかの点と同じ高さとなる位置である。
【0273】
また、一の空間が具備する２以上の各表示媒体は、ある場所の自然映像のうち、各表示媒体の異なる位置に応じた異なる一部の領域の自然映像を表示することは好適である。
【0274】
２以上の各空間は、物理的に異なる場所に存在することは好適である。物理的に異なる場所は、例えば、函館と東京、または駅とオフィス等であり、位置（緯度、経度）が異なるところである。２以上の各空間は、有機的に結合される空間集合を構成することは好適である。
【0275】
例えば、有機的に結合される第一空間と第二空間において、第二空間の表示媒体に表示される第二映像は、第一空間の表示媒体に表示される第一映像に関連する映像であり、当該第二映像は、第二空間に存在するユーザに関するユーザ情報を用いて選択された映像であることは好適である。関連する映像は、例えば、同一の映像、類似する映像、同じ場所で撮影された映像である。
【0276】
かかる第二映像は、例えば、ユーザ情報が有する第一映像識別子またはユーザ情報が有する第一空間識別子が満たす選択条件に対応付く映像である。ここで、２以上の各映像は、映像が選択される条件である選択条件に対応付いている。そして、受け付けられたユーザ情報は、当該ユーザが視聴した第一映像を識別する第一映像識別子または当該ユーザが第一映像を視聴した空間である第一空間を識別する第一空間識別子を含む。
【0277】
選択条件は、例えば、当該映像または他の映像が視聴された時を特定する視聴時情報に関する条件である視聴時条件を含む。また、ユーザ情報は、例えば、当該ユーザが第一映像を視聴した時を特定する視聴時情報を含む。そして、第二映像は、当該第二映像が選択される時と比較して、ユーザ情報が有する視聴時情報が所定期間以内の時を示す情報であるという視聴時条件を満たす場合に、第一映像識別子または第一空間識別子を用いて選択された映像である。
【0278】
選択条件は、例えば、視聴するユーザの１以上のユーザ属性値に関する条件であるユーザ属性値条件を含む。また、ユーザ情報は、例えば、１以上のユーザ属性値を含む。そして、第二映像は、ユーザ情報が有する１以上のユーザ属性値が満たすユーザ属性値条件に対応付く映像である。
【0279】
空間集合は、例えば、第一空間７および第二空間８の少なくとも２つの空間を含む。そして、第一空間７存在する第一ユーザが、第一空間７が具備する第一表示媒体７１で視聴する第一映像と、第二空間８から第一空間７に移動する第二ユーザが、第二空間８が具備する第二表示媒体８１で視聴する第二映像とは、予め決められた条件を満たす映像である。かかる第一映像と第二映像とは、予定情報を用いて選択された映像である。
【0280】
空間集合は、例えば、第一空間７、第二空間８、および第三空間１１の少なくとも３つの空間を含む。そして、第一空間７から第三空間１１に移動する第一ユーザが、第一空間７が具備する第一表示媒体７１で視聴する第一映像と、第二空間８から第三空間１１に移動する第二ユーザが、第二空間８が具備する第二表示媒体８１で視聴する第二映像とは、予め決められた条件を満たす映像である。かかる第一映像と第二映像とは、予定情報を用いて選択された映像である。
【0281】
予め決められた条件は、別の空間から一の空間に合流する複数のユーザが、合流後に協調作業を行う際（例えば、ディスカッションする際）に、上手く協調して作業（例えば、ディスカッション）を進めることができるための条件であり、複数の各ユーザが視聴する映像を決定するための条件である。予め決められた条件は、例えば、同じ映像であること、または対応付いている映像であることである。対応付いている映像は、通常、関連した内容の映像である。
【0282】
予定情報とは、ユーザの予定に関する情報である。予定情報は、通常、複数のユーザが一の空間に合流することを特定する情報である。予定情報は、例えば、合流する２以上の各ユーザのユーザ識別子、および合流先の空間を特定する空間識別子を有する。
【0283】
サーバ９を構成するサーバ格納部９１には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、ユーザ登録情報、ユーザ情報、映像、各種の条件である。なお、各種の条件は、プログラム中に埋め込まれていても良いことは言うまでもない。
【0284】
ユーザ登録情報とは、登録されたユーザの情報である。ユーザ登録情報は、通常、ユーザ識別子に対応付く。ユーザ登録情報は、１以上のユーザ属性値を有する。
【0285】
ユーザ識別子とは、ユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、ユーザＩＤ、氏名、電話番号、メールアドレスである。ユーザ属性値とは、ユーザの属性値である。ユーザ属性値は、例えば、性別、年齢、役職、出身地であるが、問わない。
【0286】
ユーザ情報とは、ユーザに関する情報である。ユーザ情報は、通常、ユーザ識別子に対応付いている。ユーザ情報は、例えば、１以上のユーザ属性値、１以上の視聴情報、１以上の予定情報、または１以上の予約情報を有する。予約情報は、例えば、ウェブ会議情報、または電話会議情報である。
【0287】
視聴情報とは、ユーザが視聴した映像に関する情報である。視聴情報は、映像を視聴したユーザのユーザ識別子に対応付く。視聴情報は、例えば、視聴時情報、視聴した空間の空間識別子、視聴した映像の映像識別子を有する。視聴時情報とは、映像を視聴した時を特定する情報である。視聴時情報は、例えば、視聴の開始日時、視聴の終了日時のうちの１つまたは２つの情報である。
【0288】
予定情報とは、ユーザの予定を特定する情報である。予定情報は、カレンダー情報である、と言っても良い。予定情報は、通常、ユーザ識別子に対応付く。予定情報は、例えば、予定の開始日時、予定の終了日時、予定が行われる場所の場所識別子を有する。場所識別子は、例えば、場所の名称、場所のＩＤである。
【0289】
予約情報とは、複数人の間での通信に関する予約の情報である。通信は、例えば、ウェブ会議、電話会議である。ウェブ会議は、広くテレビ会議、ビデオ会議を含む、と考えても良い。
【0290】
ウェブ会議情報とは、行われる予定のウェブ会議の情報である。ウェブ会議情報は、例えば、ウェブ会議に参加する２以上のユーザのユーザ識別子、ウェブ会議の開始日時、ウェブ会議の終了日時を有する。
【0291】
電話会議情報とは、行われる予定の電話会議の情報である。電話会議情報は、例えば、電話会議に参加する２以上のユーザのユーザ識別子、電話会議の開始日時、電話会議の終了日時を有する。
【0292】
映像格納部９１１には、空間の表示媒体が出力し得る１または２以上の映像が格納される。１以上の各映像には、映像条件が対応付いていても良い。映像条件は、映像が選択される条件であり、場所に関する条件、または／および表示される空間に関する条件を含む。映像条件は、選択条件を構成する条件であっても良い。なお、映像は、動画出力装置５が取得した映像であることは好適である。映像は、音を含んでも良い。
【0293】
条件格納部９１２には、各種の条件が格納される。各種の条件は、例えば、１または２以上の選択条件、１または２以上の処理条件である。
【0294】
選択条件とは、表示される映像を選択するための条件である。選択条件は、例えば、視聴時条件、ユーザ属性値条件を含む。
【0295】
視聴時条件とは、映像を視聴した時に関する条件である。ユーザ属性値条件とは、映像を視聴するユーザの１または２以上のユーザ属性値に関する情報である。
【0296】
処理条件とは、行う処理を決定するための条件である。処理条件は、例えば、映像を視聴する空間に関する条件、または視聴した映像に関する条件を含む。
【0297】
サーバ受信部９２は、各種の指示や情報を受信する。各種の指示は、例えば、出力指示、ユーザ登録指示である。
【0298】
出力指示とは、映像の出力の指示である。出力指示は、例えば、空間識別子を有する。出力指示は、例えば、ユーザ識別子を有する。
【0299】
ユーザ登録指示とは、ユーザ登録情報の登録の指示である。ユーザ登録指示は、１以上のユーザ属性値を有する。
【0300】
サーバ受信部９２は、例えば、ユーザ情報を受信する。サーバ受信部９２は、例えば、表示媒体からユーザ情報を受信する。サーバ受信部９２は、例えば、図示しないユーザ端末からユーザ情報を受信する。サーバ受信部９２は、例えば、図示しない装置であり、空間に存在する装置（例えば、ＩＣカードリーダ）からユーザ情報を受信する。サーバ受信部９２は、例えば、予定管理サーバ（例えば、グーグルカレンダーのサーバ）から予定情報を受信する。サーバ受信部９２は、例えば、予約管理サーバ（例えば、Zoom（登録商標）のサーバ）から予約情報を受信する。
【0301】
ここで受信されるユーザ情報は、例えば、視聴情報、予定情報、または予約情報である。視聴情報とは、ユーザが映像を視聴した履歴の情報である。視聴情報は、例えば、少なくとも２つの空間のうちの第一空間７が具備する第一表示媒体７１が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含む情報である。視聴情報は、例えば、視聴時情報を含む。視聴時情報は、通常、開始日時または終了日時のうちの１以上の情報を含む。
【0302】
サーバ処理部９３は、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部９１１から、ユーザ情報が満たす選択条件と対になる１または２以上の映像を選択する。映像の選択とは、例えば、映像識別子の取得、映像の取得、映像へのリンクの取得である。サーバ処理部９３は、出力指示の受信に応じて、映像を選択することは好適である。
【0303】
選択条件は、例えば、映像または他の映像が視聴された時を特定する視聴時情報に関する条件である視聴時条件を含む。選択条件は、例えば、視聴するユーザの１以上のユーザ属性値に関する条件であるユーザ属性値条件を含む。
【0304】
サーバ処理部９３は、ユーザ登録指示の受信に応じて、ユーザ登録処理を行う。ユーザ登録処理とは、受信されたユーザ登録指示が有する１以上のユーザ属性値を含むユーザ登録情報を構成し、サーバ格納部９１に蓄積する処理である。
【0305】
サーバ処理部９３は、サーバ受信部９２が受信したユーザ情報をサーバ格納部９１に蓄積する。かかるユーザ情報は、例えば、視聴情報、予定情報、または予約情報である。
【0306】
サーバ送信部９４は、サーバ処理部９３が選択した１または２以上の映像を、ユーザが存在する空間が具備する表示媒体１に送信する。サーバ送信部９４は、例えば、サーバ処理部９３が選択した１以上の映像を、ユーザが存在する第二空間８が具備する第二表示媒体８１に送信する。
【0307】
サーバ格納部９１、映像格納部９１１、および条件格納部９１２は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0308】
サーバ格納部９１等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報がサーバ格納部９１等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報がサーバ格納部９１等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報がサーバ格納部９１等で記憶されるようになってもよい。
【0309】
サーバ受信部９２は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0310】
サーバ処理部９３は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。サーバ処理部９３の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。なお、プロセッサは、ＣＰＵ、ＭＰＵ、ＧＰＵ等であり、その種類は問わない。
【0311】
サーバ送信部９４は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0312】
次に、空間システムＦを構成するサーバ９の動作例について、図２５のフローチャートを用いて説明する。
【0313】
（ステップＳ２５０１）サーバ受信部９２は、表示媒体または図示しないユーザ端末から、ユーザ識別子に対応付くユーザ情報を受信したか否かを判断する。ユーザ情報を受信した場合はステップＳ２５０２に行き、ユーザ情報を受信しなかった場合はステップＳ２５０４に行く。なお、ここでのユーザ情報は、例えば、視聴情報、予定情報、または予約情報である。
【0314】
（ステップＳ２５０２）サーバ処理部９３は、ユーザ情報に対応付くユーザ識別子を取得する。
【0315】
（ステップＳ２５０３）サーバ処理部９３は、ステップＳ２５０２で取得したユーザ識別子に対応付けて、ステップＳ２５０１で受信されたユーザ情報をサーバ格納部９１に蓄積する。ステップＳ２５０１に戻る。
【0316】
（ステップＳ２５０４）サーバ受信部９２は、表示媒体または図示しないユーザ端末または図示しない装置から、ユーザ識別子および空間識別子に対応付く出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信した場合はステップＳ２５０５に行き、出力指示を受信しなかった場合はステップＳ２５１１に行く。
【0317】
なお、図示しない装置は、例えば、空間に存在する装置であり、例えば、ユーザが保持するカード（例えば、ＩＣカード）またはユーザ端末からユーザ識別子を取得し、当該ユーザ識別子と格納している空間識別子とに対応付く出力指示を送信する装置である。図示しない装置は、例えば、ＩＣカードリーダの機能を含む。
【0318】
また、例えば、ユーザが意図的に、ユーザ端末から出力指示を送信する。また、例えば、ユーザが表示媒体のリモコンを使用して、出力指示を表示媒体に入力し、当該表示媒体から出力指示を送信する。また、例えば、ユーザが空間に入る際に、図示しない装置は、ユーザ端末（例えば、スマートフォン、ＩＣカード）からユーザ識別子を取得し、出力指示を構成し、送信する。つまり、サーバ受信部９２が出力指示を受信するまでの経路は問わない。また、出力指示が送信されるトリガーやタイミングは問わない。
【0319】
（ステップＳ２５０５）サーバ処理部９３は、出力指示に対応付くユーザ識別子を取得する。
【0320】
（ステップＳ２５０６）サーバ処理部９３は、出力指示に対応付く空間識別子を取得する。
【0321】
（ステップＳ２５０７）サーバ処理部９３は、ステップＳ２５０５で取得したユーザ識別子に対応付く１または２以上のユーザ情報をサーバ格納部９１から取得する。
【0322】
なお、ここでのユーザ情報は、例えば、１以上のユーザ属性値、視聴情報、予定情報、予約情報のうちの１種類以上の情報である。
【0323】
（ステップＳ２５０８）サーバ処理部９３は、ステップＳ２５０７で取得した１以上のユーザ情報を用いて、ユーザに視聴させる１または２以上の映像を選択する。なお、かかる映像選択処理の例について、図２６のフローチャートを用いて説明する。
【0324】
（ステップＳ２５０９）サーバ送信部９４は、ステップＳ２５０８で選択された１以上の映像を取得する。次に、サーバ送信部９４は、ステップＳ２５０６で取得された空間識別子で識別される空間の１または２以上の表示媒体に、取得した１以上の映像が表示され得るように、当該１以上の映像を送信する。
【0325】
なお、空間と当該空間に存在する１以上の表示媒体とを対応付ける情報はサーバ格納部９１に格納されている。かかる対応付ける情報は、例えば、空間識別子と１以上の表示媒体識別子（例えば、ＩＰアドレス）である。そして、サーバ送信部９４は、例えば、ステップＳ２５０６で取得された空間識別子と対になる１以上の表示媒体識別子（例えば、ＩＰアドレス）を取得し、当該１以上の表示媒体識別子を用いて、空間識別子で識別される空間の１以上の表示媒体に、取得した１以上の映像を送信する。また、サーバ送信部９４は、例えば、ステップＳ２５０６で取得された空間識別子と対になる装置識別子（例えば、ＩＰアドレス）を取得し、当該装置識別子で識別される装置（図示しない）に取得した１以上の映像を送信する。なお、かかる図示しない装置は、当該空間識別子で識別される空間の１以上の表示媒体に映像を表示させるためのサーバである。つまり、サーバ送信部９４は、ステップＳ２５０６で取得された空間識別子で識別される空間の１または２以上の表示媒体に、取得した１以上の映像が表示され得るようにすれば良い。
【0326】
また、サーバ送信部９４は、通常、映像格納部９１１から、ステップＳ２５０８で選択された１以上の映像を取得するが、図示しない装置（例えば、映像サーバ）から１以上の映像を取得しても良い。つまり、１以上の映像が格納されている装置は問わない。
【0327】
（ステップＳ２５１０）サーバ処理部９３は、付加処理を行う。ステップＳ２５０１に戻る。なお、付加処理の例について、図２７のフローチャートを用いて説明する。
【0328】
付加処理とは、映像の表示またはユーザの空間へ入ったことに基づく付加的な処理である。付加的な処理は、例えば、チケット予約、レストランの予約、食事の注文であるが、問わない。
【0329】
（ステップＳ２５１１）サーバ受信部９２は、図示しないユーザ端末からユーザ登録指示を受信したか否かを判断する。ユーザ登録指示を受信した場合はステップＳ２５１２に行き、ユーザ登録指示を受信しなかった場合はステップＳ２５０１に戻る。
【0330】
（ステップＳ２５１２）サーバ処理部９３は、ステップＳ２５１で受信されたユーザ登録指示を用いてユーザ登録処理を行う。ステップＳ２５０１に戻る。
【0331】
サーバ処理部９３は、例えば、ユニークなユーザ識別子を生成する。次に、サーバ処理部９３は、例えば、当該ユーザ識別子と、受信されたユーザ登録指示が有する１以上のユーザ属性値とを対応付けて、サーバ格納部９１に蓄積する。
【0332】
なお、図２５のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0333】
次に、ステップＳ２５１１の映像選択処理の例について、図２６のフローチャートを用いて説明する。
【0334】
（ステップＳ２６０１）サーバ処理部９３は、カウンタｉに１を代入する。
【0335】
（ステップＳ２６０２）サーバ処理部９３は、条件格納部９１２にｉ番目の選択条件が存在するか否かを判断する。ｉ番目の選択条件が存在する場合はステップＳ２６０３に行き、ｉ番目の選択条件が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0336】
（ステップＳ２６０３）サーバ処理部９３は、ｉ番目の選択条件の判断のために使用する１以上の情報を取得する。かかる１以上の情報は、例えば、ステップＳ２５０７で取得されたユーザ情報の中の１以上の情報である。
【0337】
なお、例えば、選択条件に対応付けて、当該選択条件の判断のために使用する情報を特定する情報が格納されている。また、例えば、選択条件の中に、当該選択条件の判断のために使用する情報を特定する情報が含まれる。また、例えば、選択条件に対応付けて、当該選択条件の判断のためのモジュールの識別子（例えば、モジュール名）が格納されている。
【0338】
（ステップＳ２６０４）サーバ処理部９３は、ステップＳ２６０３で取得した１以上の情報がｉ番目の選択条件を満たすか否かを判断する。ｉ番目の選択条件を満たす場合はステップＳ２６０５に行き、ｉ番目の選択条件を満たさない場合はステップＳ２６０６に行く。
【0339】
（ステップＳ２６０５）サーバ処理部９３は、ｉ番目の選択条件に対応する１以上の映像識別子を映像格納部９１１から取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。なお、図示しないバッファに一時蓄積された映像識別子が、選択された映像の映像識別子である。
【0340】
（ステップＳ２６０６）サーバ処理部９３は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ２６０２に戻る。
【0341】
なお、図２６のフローチャートにおいて、サーバ処理部９３は、ステップＳ２６０５で２以上の映像識別子を取得した場合に、ランダムに一の映像識別子を選択したり、何らかの条件に基づいて一の映像識別子を選択したりしても良い。また、サーバ処理部９３は、ステップＳ２６０５で２以上の映像識別子を取得した場合でも、当該２以上の映像識別子の中の一部の映像識別子を選択しなくても良い。
【0342】
次に、ステップＳ２５１０の付加処理の例について、図２７のフローチャートを用いて説明する。
【0343】
（ステップＳ２７０１）サーバ処理部９３は、カウンタｉに１を代入する。
【0344】
（ステップＳ２７０２）サーバ処理部９３は、条件格納部９１２にｉ番目の処理条件が存在するか否かを判断する。ｉ番目の処理条件が存在する場合はステップＳ２７０３に行き、ｉ番目の処理条件が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0345】
（ステップＳ２７０３）サーバ処理部９３は、ｉ番目の処理条件の判断のために使用する１以上の情報を取得する。かかる１以上の情報は、例えば、ステップＳ２５０７で取得されたユーザ情報の中の１以上の情報である。
【0346】
なお、例えば、処理条件に対応付けて、当該処理条件の判断のために使用する情報を特定する情報が格納されている。また、例えば、処理条件の中に、当該処理条件の判断のために使用する情報を特定する情報が含まれる。また、例えば、処理条件に対応付けて、当該処理条件の判断のためのモジュールの識別子（例えば、モジュール名）が格納されている。
【0347】
（ステップＳ２７０４）サーバ処理部９３は、ステップＳ２７０３で取得した１以上の情報がｉ番目の処理条件を満たすか否かを判断する。ｉ番目の処理条件を満たす場合はステップＳ２７０５に行き、ｉ番目の処理条件を満たさない場合はステップＳ２７０６に行く。
【0348】
（ステップＳ２７０５）サーバ処理部９３は、ｉ番目の処理条件に対応する処理識別子を条件格納部９１２から取得する。
【0349】
（ステップＳ２７０６）サーバ処理部９３は、ステップＳ２７０５で取得した処理識別子で識別されるモジュールに与える１以上のパラメータを取得する。なお、ここで、ステップＳ２７０５で取得した処理識別子で識別されるモジュールがパラメータを必要としない場合は、本ステップは省略される。
【0350】
（ステップＳ２７０７）サーバ処理部９３は、ステップＳ２７０５で取得した処理識別子で識別されるモジュールを実行する。なお、サーバ処理部９３は、例えば、ステップＳ２７０６で取得した１以上のパラメータを、ステップＳ２７０５で取得した処理識別子で識別されるモジュールに与え、当該モジュールを実行する。
【0351】
（ステップＳ２７０８）サーバ処理部９３は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ２７０２に戻る。
【0352】
以下、本実施の形態における空間システムＦの具体的な動作例について説明する。空間システムＦが実現することは、異なる２以上の各場所における空間を有機的に統合した空間集合を構築することである。かかる空間集合は、統合社会を構築することになる。かかるイメージ図は、図２８である。図２８において、例えば、オフィスの会議室２８０１、ホテル２８０２のレストラン２８０３、ホテルの宴会場、ホテルのラウンジ、駅の待合室２８０４、列車２８０５の中の列車室、ショッピングモール２８０６等の２以上の異なる空間において、選択された映像を空間内の表示媒体が表示し、１または２以上のユーザに視聴させることにより、２以上の異なる空間である空間集合が、当該１以上のユーザにとって有機的に統合された空間となる、というイメージを示す。また、空間を有機的に統合するにあたって、ホテルや駅等にいるコンシェルジュ２８０７によって映像空間（表示する映像）の選択および付加的な処理（列車２８０５の切符の手配、レストラン２８０３の予約、荷物の配送２８０８、観光地の紹介など）を行うことは好適である。
【0353】
ここで、空間システムＦのサーバ９の映像格納部９１１には、図２９に示す映像管理表が格納されている。映像管理表とは、表示媒体が表示する候補の映像を管理する表である。映像管理表は、「ＩＤ」「映像識別子」「映像条件」「対応映像」を有する２以上のレコードを有する。「映像条件」は、「場所識別子」「空間識別子」を有する。なお、「ＩＤ」はレコードを識別する情報である。「映像識別子」は、ここでは映像のファイル名である。「対応映像」は、「映像識別子」で識別される１以上の映像に対応付く１以上の各映像の映像識別子である。「映像条件」は、選択条件に含まれる、と考えても良い。「場所識別子」は場所に関する条件である。「空間識別子」は空間に関する条件である。属性値の「－」は「ＮＵＬＬ」であることを示す。
【0354】
条件格納部９１２には、図３０に示す選択条件管理表が格納されている。選択条件管理表とは、１または２以上の選択条件を管理する表である。選択条件管理表は、「ＩＤ」「選択条件識別子」「優先順位」「選択条件」「対象映像」を有する。「選択条件識別子」は選択条件を識別する情報であり、ここでＩＤである。「優先順位」は選択条件を適用する優先順位である。つまり、サーバ処理部９３は、ここでは、優先順位に順に、選択条件を満たすかを検査し、選択条件を満たした場合に当該選択条件に対応する１または２以上の映像を決定する。「選択条件」は、ここでは、予定情報に関する条件、ウェブ会議情報に関する条件、視聴情報に関する条件、１以上のユーザ属性値に関する条件、視聴するユーザの数（空間の存在するユーザの数）に関する条件、またはこれらの条件の２以上の組み合わせの条件である。「対象映像」は、選択する映像を決定するための情報である。「対象映像」は、例えば、映像を選択するためのモジュールのモジュール識別子、または視聴映像が有する映像識別子であることを示す情報、変数である。
【0355】
図３０の「ＩＤ＝１」の「選択条件」の「ｎｕｍ（予定情報・ユーザ識別子）」は、予定情報が特定する予定の参加者であるユーザのユーザ識別子の数が２以上であることを示す。「予定情報．開始日＝＄今日」は、予定情報の中の開始日が本日であることを示す。図３０の「ＩＤ＝１」の「対象映像」の「ｓｅｌｅｃｔ（予定情報・場所）」は、選択条件を満たした予定情報が有する情報「場所」と対になる映像識別子を取得するモジュールであることを示す。
【0356】
「ＩＤ＝２」の「選択条件」は、ウェブ会議情報の中の日時が現在時刻以降であり、現在時刻の３時間以内である場合に真となることを示す。「ＩＤ＝２」の「対象映像」は、映像識別子「Ｍ０１」で識別される映像が選択されることを示す。
【0357】
「ＩＤ＝３」の「選択条件」は、先に映像を視聴した時刻が、現在時刻の２時間以内の前である場合に真となることを示す。「ＩＤ＝３」の「対象映像」は、選択条件を満たした視聴情報（２時間以内に視聴されたことを特定する視聴情報）に含まれる映像識別子で識別される映像が選択されることを示す。
【0358】
「ＩＤ＝４」の「選択条件」は、先に映像を視聴した時刻が、現在時刻の６時間以内の前であり、出力指示に含まれるユーザ識別子が２以上であり（２以上の人が合流した）、出力指示に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの性別が異なる場合（「ｄｉｆｆ（）＝１」である場合）に真となることを示す。「ＩＤ＝４」の「対象映像」である「対応映像（視聴情報．映像識別子）」は、先に視聴した映像に対応する映像の映像識別子を取得することを示す。先に視聴した映像に対応する映像は、先に視聴した映像と関連のある映像である。
【0359】
「ＩＤ＝５」の「選択条件」は、先に映像を視聴した時刻が、現在時刻の６時間以内の前の時刻であり、出力指示に含まれるユーザ識別子が２以上であり（２以上の人が合流した）、出力指示に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの性別が同じ場合（「ｄｉｆｆ（）＝０」である場合）に真となることを示す。「ＩＤ＝５」の「対象映像」は、選択条件を満たした視聴情報に含まれる映像識別子を取得することを示す。つまり、「ＩＤ＝５」の「対象映像」は、先に視聴された映像と同じ映像を選択されることを示す。
【0360】
「ＩＤ＝ＸＸ」の「選択条件」は、いずれの選択条件に合致しなかった場合に、対象映像「Ｓｅｌｅｃｔ（出力指示．空間識別子）」に従って、ユーザが居る空間に応じた映像が選択されることを示す。
【0361】
また、条件格納部９１２には、図３１に示す処理条件管理表が格納されている。処理条件管理表とは、１または２以上の処理条件を管理する表である。処理条件管理表は「ＩＤ」「処理条件」「処理情報」を有する１以上のレコードが管理されている。「処理条件」は、ユーザが存在する空間の空間識別子に関する条件である「空間条件」、ユーザが視聴するまたは視聴した映像の映像識別子に関する条件である「映像条件」を有する。「処理情報」は、処理を特定する情報である。「処理情報」は、ここではモジュール名ともモジュールに与える１以上のパラメータを特定する情報を含む。
【0362】
図３１の「ＩＤ＝１」は、空間識別子「ＳＰ０５」で識別される空間（ここでは、ホテルの客室）にユーザが入った際に、食事注文のための処理が行われることを示す。 「ＩＤ＝２」は、空間識別子「ＳＰ０２」で識別される空間において、映像識別子「Ｍ０２」で識別される映像が表示された場合（通常、表示が開始された場合）、空間識別子「ＳＰ０２」が特定する駅（〇〇駅）から、映像識別子「Ｍ０２」で識別される映像の場所である「函館」までのチケット予約の処理が行われることを示す。
【0363】
「ＩＤ＝３」は、映像識別子「Ｍ０８」で識別される映像が表示された場合（通常、表示が開始された場合）、空間識別子で識別される空間が存在する場所の最寄のレストランに対して、１時間後に、映像を視聴するユーザの数の席の予約の処理が行われることを示す。なお、「ｎｕｍ（ユーザ識別子）」はユーザの数を返すモジュールである。
【0364】
また、サーバ格納部９１には、図３２に示すユーザ登録管理表が格納されている、とする。ユーザ登録管理表とは、ユーザ登録情報を管理する表である。ユーザ登録管理表は、「ＩＤ」「ユーザ識別子」「ユーザ属性値」を有する１以上のレコードを管理する表である。「ユーザ属性値」は、ここでは「性別」「年齢」を有する。ユーザ登録管理表は、ユーザ登録処理により構成された表である。
【0365】
また、サーバ格納部９１には、図３３に示す視聴情報管理表が格納されている、とする。視聴情報管理表とは、映像の視聴履歴を示す視聴情報を管理する表である。視聴情報管理表は「ＩＤ」「ユーザ識別子」「視聴情報」を有する１以上のレコードを管理する。「視聴情報」は、「開始日時」「終了日時」「空間識別子」「映像識別子」を有する。「開始日時」「終了日時」は、日付と時刻とを有する。視聴情報管理表のレコードは、１または２以上のユーザが視聴した映像と、映像を視聴した空間と、視聴時情報とを有する。視聴時情報は、映像を視聴した時を特定する情報であり、ここでは「開始日時」と「終了日時」である。
【0366】
また、サーバ格納部９１には、図３４に示す予定情報管理表が格納されている、とする。予定情報管理表とは、１または２以上の予定情報を管理する表である。予定情報管理表は、「ＩＤ」「予定情報」を有する１以上のレコードを管理する。「予定情報」は、「ユーザ識別子」「開始日時」「終了日時」「場所」を有する。「ユーザ識別子」は、予定に参加する１以上のユーザのユーザ識別子である。「場所」は、予定が行われる場所の識別子である。「場所」は、ここでは、場所のＩＤ、または場所名である。また、図３４に示す予定情報管理表は、例えば、図示しない予定管理サーバ（例えば、グーグルカレンダーのサーバ）に存在している。
【0367】
また、サーバ格納部９１には、図３５に示すウェブ会議情報管理表が格納されている、とする。ウェブ会議情報管理表とは、１または２以上のウェブ会議情報を管理する表である。ウェブ会議情報管理表は、「ＩＤ」「ウェブ会議情報」を有する１以上のレコードを管理する。「ウェブ会議情報」は、「ユーザ識別子」「開始日時」「終了日時」を有する。「ユーザ識別子」は、ウェブ会議に参加する予定の２以上の各ユーザの識別子である。「開始日時」はウェブ会議の開始予定の日時、「終了日時」はウェブ会議の終了予定の日時である。また、図３５に示す予定情報管理表は、例えば、図示しないウェブ会議サーバ（例えば、Ｚｏｏｍ（登録商標）のサーバ）に存在している。
【0368】
以上の状況において、以下、空間システムＦにおける具体的な動作例を４つ示す。
【0369】
具体例１は、一人のユーザが２以上の空間を、順次、移動する場合に、各空間において同じ映像を視聴することにより、２以上の空間が有機的に統合された統合社会を構築していると、当該ユーザに認識されるための空間システムである。
【0370】
具体例２は、一人のユーザが２以上の空間を、順次、移動する場合に、複数の空間において関連する異なる映像を視聴することにより、２以上の空間が有機的に統合された統合社会を構築していると、当該ユーザに認識されるための空間システムである。
【0371】
具体例３は、２以上の各ユーザが、各々、異なる空間に居る場合であり、一の空間に合流する場合に、合流前に、２以上の各ユーザが当該異なる各空間において、同じ映像または関連する映像を視聴させる結果、２以上の各ユーザが当該一の空間に合流後に適切な協調作業を進めることができる例である。適切な協調作業は、例えば、スムーズなコミュニケーションである。
【0372】
具体例４は、２以上の各ユーザが、各々、異なる空間に居る場合であり、その後にウェブ会議を行う場合に、ウェブ会議の前に、２以上の各ユーザが当該異なる各空間において、同じ映像または関連する映像を視聴させる結果、２以上の各ユーザがウェブ会議においてスムーズに会議を進めることができる例である。
【0373】
（具体例１）
具体例１における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３６を用いて説明する。ユーザＡの図示しないユーザ端末（例えば、スマートフォン、またはＩＣカード）には、ユーザ識別子「Ｕ０１」が格納されている、とする。そして、ユーザＡは、ユーザ端末を保持し、オフィス（３６０１）に入ってきた、とする。次に、オフィス（３６０１）の中の図示しない装置（例えば、サーバ、ＩＣカードリーダ）は、ユーザ端末からユーザ識別子「Ｕ０１」を受信し、図示しない装置に格納されている空間識別子「ＳＰ０１」とユーザ識別子「Ｕ０１」とを有する出力指示（例えば、「出力指示（ＳＰ０１，Ｕ０１）」）をサーバ９に送信した。とする。
具体例１における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３６を用いて説明する。ユーザＡの図示しないユーザ端末（例えば、スマートフォン、またはＩＣカード）には、ユーザ識別子「Ｕ０１」が格納されている、とする。そして、ユーザＡは、ユーザ端末を保持し、オフィス（３６０１）に入ってきた、とする。次に、オフィス（３６０１）の中の図示しない装置（例えば、サーバ、ＩＣカードリーダ）は、ユーザ端末からユーザ識別子「Ｕ０１」を受信し、図示しない装置に格納されている空間識別子「ＳＰ０１」とユーザ識別子「Ｕ０１」とを有する出力指示（例えば、「出力指示（ＳＰ０１，Ｕ０１）」）をサーバ９に送信した。とする。
【0374】
次に、サーバ９は、当該出力指示を受信し、上述した処理により、図３０の選択条件管理表の「ＩＤ＝１」「ＩＤ＝２」「ＩＤ＝４」「ＩＤ＝３」「ＩＤ＝５」等の選択条件を満たさない、と判断した、とする。次に、サーバ９は、「ＩＤ＝ＸＸ」のレコードの対象映像「ｓｅｌｅｃｔ（出力指示．空間識別子）」を用いて、「ｓｅｌｅｃｔ（ＳＰ０１）」を実行し、図２９の映像管理表から映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」を取得する。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」で識別される映像を取得し、空間識別子「ＳＰ０１」で識別される空間に設置された表示媒体に、映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」で識別される映像を送信する。なお、映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」で識別される映像は、仕事をする上で、リフレッシュできるような自然の映像である。ここでの自然の映像は、動画出力装置５により超自然光景に変換された映像であることは好適である。
【0375】
次に、オフィス（３６０１）の表示媒体は、２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。
【0376】
そして、ユーザＡは、オフィス（３６０１）でしばらく仕事を遂行した後、オフィス（３６０１）を出て移動し、駅の待合室（３６０２）に向かった、とする。そして、オフィス（３６０１）の中の図示しない装置は、ユーザＡがオフィス（３６０１）を出たことを検知し、表示媒体の映像の表示を停止する。また、当該図示しない装置は、映像の表示の停止の情報（例えば、「出力停止（Ｕ０１，ＳＰ０１）」）をサーバに送信する。
【0377】
次に、サーバ９は、当該映像の表示の停止の情報を受信し、視聴情報「＜ユーザ識別子＞Ｕ０１ ＜開始日時＞Ｔ１１ ＜終了日時＞Ｔ１２ ＜空間識別子＞ＳＰ０１ ＜映像識別子＞Ｍ０５，Ｍ０６」を構成し、当該視聴情報を視聴情報管理表（図３３）に蓄積する。なお、かかる視聴情報は、図３３の「ＩＤ＝１」のレコードである。
【0378】
次に、ユーザＡは、オフィス（３６０１）を出てから１時間後に、駅の待合室（３６０２）に入った、とする。そして、ユーザ端末は、駅の待合室（３６０２）の図示しない装置から空間識別子「ＳＰ０４」を受信し、格納しているユーザ識別子「Ｕ０１」とともに、出力指示（例えば、「出力指示（ＳＰ０４，Ｕ０１）」）を構成し、当該出力指示をサーバ９に送信した。とする。
【0379】
次に、サーバ９は、上述した処理により、視聴情報管理表（図３３）の「ＩＤ＝１」のレコードを用いて、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝３」の選択条件に合致する、と判断した、とする。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝３」の対象映像「視聴情報．映像識別子」に基づいて、映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」を視聴情報管理表（図３３）の「ＩＤ＝１」のレコードから取得する。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」で識別される映像をサーバ格納部９１から取得し、当該２つの映像を駅の待合室（３６０２）で識別される空間に設置された表示媒体に送信する。
【0380】
次に、駅の待合室（３６０２）の表示媒体は、２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。以上により、ユーザＡは、オフィス（３６０１）で視聴していた映像と同じ映像を、駅の待合室（３６０２）で見ることができる。
【0381】
そして、ユーザＡは、駅の待合室（３６０２）で映像を見た後、予約している列車の出発時間の少し前になったので、駅の待合室（３６０２）を出て、列車のコンパートメント（３６０３）に向かった、とする。
【0382】
そして、駅の待合室（３６０２）の中の図示しない装置は、ユーザＡが駅の待合室（３６０２）を出たことを検知し、ユーザＡに対する映像の表示の停止の情報（例えば、「出力停止（Ｕ０１，ＳＰ０４）」）をサーバに送信する。
【0383】
次に、サーバ９は、当該映像の表示の停止の情報を受信し、視聴情報「＜ユーザ識別子＞Ｕ０１ ＜開始日時＞Ｔ５１ ＜終了日時＞Ｔ５２ ＜空間識別子＞ＳＰ０４ ＜映像識別子＞Ｍ０５，Ｍ０６」を構成し、当該視聴情報を視聴情報管理表（図３３）に蓄積する。
【0384】
次に、ユーザＡは、駅の待合室（３６０２）を出てから５分後に、列車のコンパートメント（３６０３）に入った、とする。そして、ユーザ端末は、列車のコンパートメント（３６０３）の図示しない装置から空間識別子「ＳＰ０３」を受信し、格納しているユーザ識別子「Ｕ０１」とともに、出力指示（例えば、「出力指示（ＳＰ０３，Ｕ０１）」）を構成し、当該出力指示をサーバ９に送信した。とする。
【0385】
次に、サーバ９は、上述した処理により、視聴情報管理表のユーザ識別子「Ｕ０１」と対になる視聴情報を用いて、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝３」の選択条件に合致する、と判断した、とする。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝３」の対象映像「視聴情報．映像識別子」に基づいて、映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」を視聴情報管理表（図３３）から取得する。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」で識別される映像を、列車のコンパートメント（３６０３）で識別される空間に設置された表示媒体に送信する。
【0386】
次に、列車のコンパートメント（３６０３）の表示媒体は、２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。以上により、ユーザＡは、オフィス（３６０１）および駅の待合室（３６０２）で視聴していた映像と同じ映像を、列車のコンパートメント（３６０３）で見ることができる。
【0387】
以上、本具体例において、ユーザが複数の空間を移動した場合でも、各々の空間において同じ映像を視聴できる結果、当該ユーザにとって、当該複数の空間が有機的に結合された一の空間集合である、と認識できる。
【0388】
結果として、ユーザは複数の空間を移動した場合でも、継続して活動を行いやすくなる。
【0389】
（具体例２）
具体例２における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３７を用いて説明する。具体例１と同様、ユーザＡは、ユーザ端末を保持し、オフィス（３７０１）に入ってきた、とする。そして、具体例１で説明した処理が行われ、オフィス（３７０１）の表示媒体は、２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。
具体例２における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３７を用いて説明する。具体例１と同様、ユーザＡは、ユーザ端末を保持し、オフィス（３７０１）に入ってきた、とする。そして、具体例１で説明した処理が行われ、オフィス（３７０１）の表示媒体は、２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。
【0390】
そして、ユーザＡは、オフィス（３７０１）でしばらく仕事を遂行した後、妻と旅行に出かけるために、オフィス（３７０１）を出て移動し、駅の待合室（３７０２）に向かった、とする。ユーザＡは、駅の待合室（３７０２）で、妻と待ち合わせる、とする。
【0391】
次に、ユーザＡは、妻（ユーザ識別子＝Ｕ０２）と、ユーザＡがオフィス（３７０１）を出てから１時間後に、駅の待合室（３７０２）に入った、とする。そして、ユーザＡのユーザ端末は、駅の待合室（３７０２）の図示しない装置から空間識別子「ＳＰ０４」を受信し、格納しているユーザ識別子「Ｕ０１」と妻のユーザ識別子「Ｕ０２」ともに、出力指示（例えば、「＜空間識別子＞ＳＰ０４ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０１，Ｕ０２」）を構成し、当該出力指示をサーバ９に送信した。とする。
【0392】
次に、サーバ９は、当該出力指示を受信する。そして、サーバ９は、上述した処理により、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝４」の選択条件に合致する、と判断した、とする。なお、サーバ９は、ユーザ登録管理表（図３２）からユーザＡと妻の性別を取得し、選択条件の判断のために使用する。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝４」の対象映像「対応映像（視聴情報．映像識別子）」に基づいて、映像識別子「Ｍ０５，Ｍ０６」と対になる対応映像の映像識別子「Ｍ２５，Ｍ２６」を映像管理表（図２９）から取得する。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ２５，Ｍ２６」で識別される映像をサーバ格納部９１から取得し、当該２つの映像を駅の待合室（３７０２）に設置された表示媒体に送信する。
【0393】
次に、駅の待合室（３７０２）の表示媒体は、映像識別子「Ｍ２５，Ｍ２６」で識別される２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。以上により、ユーザＡは、オフィス（３７０１）で視聴していた映像に関連する映像であり、次の行動目的に即した映像（例えば観光に関する映像）を、駅の待合室（３７０２）で視聴できる。
【0394】
そして、ユーザＡと妻とは、駅の待合室（３７０２）で映像を見た後、予約している列車の出発時間の少し前になったので、駅の待合室（３７０２）を出て、列車のコンパートメント（３７０３）に向かった、とする。
【0395】
そして、駅の待合室（３７０２）の中の図示しない装置は、ユーザＡが駅の待合室（３６０３）を出たことを検知し、ユーザＡに対する映像の表示の停止の情報（例えば、「出力停止（Ｕ０１，ＳＰ０４）」）をサーバに送信する。
【0396】
次に、サーバ９は、当該映像の表示の停止の情報を受信し、視聴情報「＜ユーザ識別子＞Ｕ０１，Ｕ０２ ＜開始日時＞Ｔ６１ ＜終了日時＞Ｔ６２ ＜空間識別子＞ＳＰ０４ ＜映像識別子＞Ｍ２５，Ｍ２６」を構成し、当該視聴情報を視聴情報管理表（図３３）に蓄積する。
【0397】
次に、ユーザＡと妻とは、駅の待合室（３７０２）を出てから５分後に、列車のコンパートメント（３７０３）に入った、とする。そして、ユーザ端末は、列車のコンパートメント（３７０３）の図示しない装置から空間識別子「ＳＰ０３」を受信し、格納しているユーザ識別子「Ｕ０１，Ｕ０２」とともに、出力指示（例えば、「＜空間識別子＞ＳＰ０３ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０１，Ｕ０２」）を構成し、当該出力指示をサーバ９に送信した。とする。
【0398】
次に、サーバ９は、当該出力指示を受信する。そして、サーバ９は、上述した処理により、「ＩＤ＝４」の選択条件に合致する、と判断した、とする。なお、サーバ９は、ユーザ登録管理表（図３２）からユーザＡと妻の性別を取得し、選択条件の判断のために使用する。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝４」の対象映像「対応映像（視聴情報．映像識別子）」に基づいて、映像識別子「Ｍ２５，Ｍ２６」と対になる対応映像の映像識別子「Ｍ３５，Ｍ３６」を映像管理表（図２９）から取得した、とする。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ３５，Ｍ３６」で識別される映像取得し、当該２つの映像を列車のコンパートメント（３７０３）に設置された表示媒体に送信する。
【0399】
次に、列車のコンパートメント（３７０３）の表示媒体は、映像識別子「Ｍ３５，Ｍ３６」で識別される２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。以上により、ユーザＡと妻とは、オフィス（３７０１）および駅の待合室（３７０２）で視聴していた映像と関連する映像を、列車のコンパートメント（３７０３）で見ることができる。
【0400】
次に、列車が目的地の到着し、ユーザＡと妻とは、列車のコンパートメント（３７０３）を出て移動し、１０分後に、ホテルの客室（３７０４）に入った、とする。そして、ユーザ端末は、ホテルの客室（３７０４）の図示しない装置から空間識別子「ＳＰ０５」を受信し、格納しているユーザ識別子「Ｕ０１，Ｕ０２」とともに、出力指示（例えば、「＜空間識別子＞ＳＰ０５ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０１，Ｕ０２」）を構成し、当該出力指示をサーバ９に送信した。とする。
【0401】
次に、サーバ９は、当該出力指示を受信する。そして、サーバ９は、上述した処理により、「ＩＤ＝４」の選択条件に合致する、と判断した、とする。なお、サーバ９は、ユーザ登録管理表（図３２）からユーザＡと妻の性別を取得し、選択条件の判断のために使用する。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝５」の対象映像「対応映像（視聴情報．映像識別子）」に基づいて、映像識別子「Ｍ３５，Ｍ３６」と対になる対応映像の映像識別子「Ｍ４５，Ｍ４６」を映像管理表（図２９）から取得した、とする。次に、サーバ９は、当該映像識別子「Ｍ４５，Ｍ４６」で識別される映像を取得し、当該２つの映像を当該ホテルの客室（３７０４）に設置された表示媒体に送信する。
【0402】
次に、ホテルの客室（３７０４）の表示媒体は、映像識別子「Ｍ４５，Ｍ４６」で識別される２つの映像を受信し、当該２つの映像を、順次、かつ繰り返し、表示する。以上により、ユーザＡと妻とは、オフィス（３７０１）、駅の待合室（３７０２）、および列車のコンパートメント（３７０３）で視聴していた映像と関連する映像を、ホテルの客室（３７０４）で見ることができる。
【0403】
また、サーバ９は、空間識別子「ＳＰ０５」が、処理条件管理表（図３１）の「ＩＤ＝１」のレコードに合致することを検知し、処理情報「食事注文（ＳＰ０５）」を実行する。その結果、ユーザＡと妻とが入ったホテルの客室に、ルームサービスにより、２人分の食事が運ばれることとなる。
【0404】
以上、本具体例において、１または２以上のユーザが複数の空間を移動した場合でも、各々の空間において関連する映像を視聴できる結果、当該ユーザにとって、当該複数の空間が有機的に結合された一の空間集合である、と認識できる。
【0405】
また、本具体例において、ユーザが移動した空間に応じた処理（ここでは、食事注文）が、自動的に行われる。
【0406】
結果として、ユーザは移動に伴い変化していく映像空間を体験するとともに、旅行や食事を楽しむことが出来る。
【0407】
（具体例３）
具体例３における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３８を用いて説明する。ユーザ識別子「Ｕ０１」で識別されるユーザＡと、ユーザ識別子「Ｕ０４」で識別されるユーザＢとが、場所「Ｐ０１」で会議を行う予定である。ここで、「Ｐ０１」とは例えばユーザＡのオフィス（３８０１）である。
具体例３における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３８を用いて説明する。ユーザ識別子「Ｕ０１」で識別されるユーザＡと、ユーザ識別子「Ｕ０４」で識別されるユーザＢとが、場所「Ｐ０１」で会議を行う予定である。ここで、「Ｐ０１」とは例えばユーザＡのオフィス（３８０１）である。
【0408】
そして、会議の開始日時「Ｄ１１Ｔ１１」の日付「Ｄ１１」が示す日（会議の当日）であり、会議の前の時刻に、ユーザＡはオフィス（３８０１）に入り、ユーザＢはユーザＡのオフィスに向かうために列車に乗車し、列車のコンパートメント（３８０２）に入った、とする。
【0409】
そして、サーバ９は、ユーザＡのユーザ端末から出力指示「＜空間識別子＞ＳＰ０１ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０１」を受信する。また、ユーザＢのユーザ端末から出力指示「＜空間識別子＞ＳＰ０３ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０４」を受信する。
【0410】
次に、サーバ９は、予定情報管理表（図３４）の「ＩＤ＝１」のレコードを参照し、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝１」の選択条件に合致する、と判断した、とする。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝１」の対象映像「ｓｅｌｅｃｔ（予定情報・場所）」と、予定情報管理表（図３４）の「ＩＤ＝１」のレコードの場所「Ｐ０１」とから「ｓｅｌｅｃｔ（Ｐ０１）」を構成し、当該「ｓｅｌｅｃｔ（Ｐ０１）」に基づいて、「Ｐ０１」と対になる映像識別子「Ｍ０４」を、映像管理表（図２９）から取得する。次に、サーバ９は、映像識別子「Ｍ０４」で識別される映像を取得し、オフィス（３８０１）の表示媒体に当該映像を送信する。また、サーバ９は、同様に、列車のコンパートメント（３８０２）の表示媒体に当該映像を送信する。
【0411】
次に、オフィス（３８０１）の表示媒体に当該映像を受信し、表示する。また、列車のコンパートメント（３８０２）の表示媒体に当該映像を受信し、表示する。
【0412】
そして、映像の視聴後、ユーザＡとユーザＢとは開始日時「Ｄ１１Ｔ１１」に、会議場所「Ｐ０１」であるオフィス（３８０１）に合流し、会議を行う。
【0413】
以上、本具体例において、合流する２以上のユーザが、各々、別の空間から、一の空間に移動する場合に、当該２以上のユーザが、異なる空間において、同じ映像を視聴することを支援できる。その結果、２以上のユーザが合流した後に、協調作業を容易に進めることができる。言い換えれば、本具体例において、合流する２以上の各ユーザが居る異なる空間を有機的に結合された一の空間集合とすることにより、２以上のユーザが合流した後に、適切に協調作業を容易に進めることができる。
【0414】
なお、合流する場所「Ｐ０１」はユーザＡが存在する場所あるいはユーザＢが存在する場所ではなく、第三の場所であってもよいことは言うまでもない。
【0415】
（具体例４）
具体例４における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３９を用いて説明する。ユーザ識別子「Ｕ０１」で識別されるユーザＡと、ユーザ識別子「Ｕ０７」で識別されるユーザＣとを含む２名がウェブ会議を行う予定である、とする。かかるウェブ会議情報は、ウェブ会議情報管理表（図３５）の「ＩＤ＝２」のレコードである、とする。
具体例４における空間システムＦにおける具体的な動作例を、図３９を用いて説明する。ユーザ識別子「Ｕ０１」で識別されるユーザＡと、ユーザ識別子「Ｕ０７」で識別されるユーザＣとを含む２名がウェブ会議を行う予定である、とする。かかるウェブ会議情報は、ウェブ会議情報管理表（図３５）の「ＩＤ＝２」のレコードである、とする。
【0416】
そして、ウェブ会議の１時間前に、ユーザＡは、オフィス（３９０１）に入った、とする。また、ウェブ会議の１時間前に、ユーザＣは、駅の待合室（３９０２）に入った、とする。
【0417】
そして、サーバ９は、ユーザＡのユーザ端末から出力指示「＜空間識別子＞ＳＰ０１ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０１」を受信する。また、ユーザＣのユーザ端末から出力指示「＜空間識別子＞ＳＰ０４ ＜ユーザ識別子＞Ｕ０７」を受信する。
【0418】
次に、サーバ９は、ユーザＡのユーザ端末から送信された出力指示に応じて、ウェブ会議情報管理表（図３５）の「ＩＤ＝２」のレコードを参照し、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝２」の選択条件に合致する、と判断した、とする。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝２」の対象映像「Ｍ０１」を取得する。次に、サーバ９は、映像識別子「Ｍ０１」で識別される映像を取得し、当該映像を空間識別子「ＳＰ０１」で識別されるオフィス（３９０１）の表示媒体に送信する。
【0419】
次に、オフィス（３９０１）の表示媒体は、当該「Ｍ０１」の映像を受信し、表示する。
【0420】
また、サーバ９は、ユーザＣのユーザ端末から送信された出力指示に応じて、ウェブ会議情報管理表（図３５）の「ＩＤ＝２」のレコードを参照し、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝２」の選択条件に合致する、と判断した、とする。次に、サーバ９は、選択条件管理表（図３０）の「ＩＤ＝２」の対象映像「Ｍ０１」を取得する。次に、サーバ９は、映像識別子「Ｍ０１」で識別される映像を取得し、当該映像を空間識別子「ＳＰ０４」で識別される駅の待合室（３９０２）の表示媒体に送信する。
【0421】
次に、駅の待合室（３９０２）の表示媒体は、当該「Ｍ０１」の映像を受信し、表示する。
【0422】
以上により、ウェブ会議の複数の参加者がウェブ会議前およびウェブ会議中に、異なる場所に居ながら同じ映像を見て同じ空間に居るかのように感じることができる。そのことにより、ウェブ会議においてスムーズな議論を行うことができる。言い換えれば、本具体例において、ウェブ会議の前の２以上の各ユーザが居る異なる空間を有機的に結合された一の空間集合とすることにより、２以上のユーザによるウェブ会議の際に、適切な協調作業を容易に進めることができる。なお、適切な協調作業は、例えば、スムーズなコミュニケーションである。
【0423】
以上、本実施の形態によれば、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できる。
【0424】
また、本実施の形態によれば、少なくとも２つの空間の間で通信するユーザに対して、映像により有機的に結合される少なくとも２つの空間を提供できる。つまり、例えば、本実施の形態によれば、２つの各空間で同じ映像を表示することにより、有機的に結合される２つの空間である空間集合を提供できる。また、例えば、本実施の形態によれば、２つの各空間において異なる映像であるが関連する映像を表示することにより、有機的に結合される２つの空間である空間集合を提供できる。
【0425】
また、本実施の形態によれば、２以上の各ユーザが別の空間で通信をする前および最中に、当該２以上の各ユーザが存在する異なる空間で表示される映像を制御することにより、一の空間に合流後の２以上のユーザの協調作業を支援できる。
【0426】
また、本実施の形態によれば、例えば、２以上の各ユーザがウェブ会議や電話会議等により通信を行う前および最中に、当該２以上の各ユーザが存在する異なる空間で表示される映像を制御することにより、通信時の２以上のユーザの協調作業を支援できる。
【0427】
なお、本実施の形態において、サーバ９が行った処理は、表示媒体や空間に設置された装置等の他の装置が行っても良い。かかる場合の表示媒体１０のブロック図は、図４０である。かかる表示媒体１０は、格納部１０１、受信部１０２、処理部１０３、表示部１０４を具備する。格納部１０１は、映像格納部９１１、条件格納部９１２を具備する。つまり、格納部１０１は、サーバ格納部９１と同じ構成でも良い。処理部１０３は、サーバ処理部９３と同じ処理を行っても良い。
【0428】
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをＣＤ－ＲＯＭなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるサーバ９を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、少なくとも２つの空間のうちの第一空間が具備する第一表示媒体が表示した第一映像を識別する第一映像識別子と当該第一映像を視聴したユーザのユーザ識別子とを含むユーザ情報を受信するサーバ受信部と、選択条件と対になる２以上の映像が格納される映像格納部から、前記ユーザ情報が満たす選択条件と対になる映像を選択するサーバ処理部と、前記サーバ処理部が選択した前記映像を、前記ユーザが存在する第二空間が具備する第二表示媒体に送信するサーバ送信部として機能させるためのプログラムである。
【0429】
また、図４１は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態のサーバ９等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図４１は、このコンピュータシステム３００の概観図であり、図４２は、システム３００のブロック図である。
【0430】
図４１において、コンピュータシステム３００は、ＣＤ－ＲＯＭドライブを含むコンピュータ３０１と、キーボード３０２と、マウス３０３と、モニタ３０４とを含む。
【0431】
図４２において、コンピュータ３０１は、ＣＤ－ＲＯＭドライブ３０１２に加えて、ＭＰＵ３０１３と、ＣＤ－ＲＯＭドライブ３０１２等に接続されたバス３０１４と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのＲＯＭ３０１５と、ＭＰＵ３０１３に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのＲＡＭ３０１６と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク３０１７とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ３０１は、さらに、ＬＡＮへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0432】
コンピュータシステム３００に、上述した実施の形態のサーバ９等の機能を実行させるプログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ３１０１に記憶されて、ＣＤ－ＲＯＭドライブ３０１２に挿入され、さらにハードディスク３０１７に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ３０１に送信され、ハードディスク３０１７に記憶されても良い。プログラムは実行の際にＲＡＭ３０１６にロードされる。プログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ３１０１またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0433】
プログラムは、コンピュータ３０１に、上述した実施の形態のサーバ９等の機能を実行させるオペレーティングシステム（ＯＳ）、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能（モジュール）を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム３００がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0434】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理（ハードウェアでしか行われない処理）は含まれない。
【0435】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0436】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する２以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0437】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0438】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0439】
以上のように、本発明において、映像により有機的に結合される２以上の空間である空間集合を提供できるという効果を有し、空間集合を提供する空間システム等として有用である。
【符号の説明】
【0440】
Ｆ 空間システム
７ 第一空間
８ 第二空間
９ サーバ
１０ 表示媒体
７１ 第一表示媒体
８１ 第二表示媒体
７２、８２ 側壁面
９１ サーバ格納部
９２ サーバ受信部
９３ サーバ処理部
９４ サーバ送信部
１０１ 格納部
１０２ 受信部
１０３ 処理部
１０４ 表示部
７１１ 第一格納部
７１２ 第一表示部
７１３ 第一切替部
８１１ 第二格納部
８１２ 第二表示部
８１３ 第二切替部
９１１ 映像格納部
９１２ 条件格納部
１０３１ 切替部
７ 第一空間
８ 第二空間
９ サーバ
１０ 表示媒体
７１ 第一表示媒体
８１ 第二表示媒体
７２、８２ 側壁面
９１ サーバ格納部
９２ サーバ受信部
９３ サーバ処理部
９４ サーバ送信部
１０１ 格納部
１０２ 受信部
１０３ 処理部
１０４ 表示部
７１１ 第一格納部
７１２ 第一表示部
７１３ 第一切替部
８１１ 第二格納部
８１２ 第二表示部
８１３ 第二切替部
９１１ 映像格納部
９１２ 条件格納部
１０３１ 切替部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】