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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025088441
(43)【公開日】2025-06-11
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20250604BHJP
【FI】
F04D29/42 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203146
(22)【出願日】2023-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤也
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC14
3H130BA95A
3H130BA95J
3H130BA97A
3H130BA97J
3H130CA07
3H130CA21
3H130DD01Z
3H130DG03X
3H130EA01A
3H130EA01J
3H130EA04A
3H130EA04J
3H130EA07A
3H130EA07J
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制しつつも、生産性の向上を図ることができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】接続路70は、第1インペラハウジング10b、モータハウジング10a、及び第2インペラハウジング10cにより構成されている。このため、例えば、ハウジング10とは別部材である配管をハウジング10に取り付けることにより、第1吐出口39と第2吸入口40とを接続する構成のように、遠心圧縮機100において、ハウジング10と配管との間に隙間が形成されることが無い。第1インペラハウジング10b、モータハウジング10a、及び第2インペラハウジング10cを回転軸50の軸方向に順次積層するだけで接続路70が構成される。よって、配管をハウジング10に取り付ける際にハウジング10と配管との間に生じる寸法公差を吸収する構造を、例えば、配管に設ける等の工夫が必要無くなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
流体を圧縮するために前記回転軸と一体的に回転する第1インペラと、
前記回転軸に対して前記モータを間に挟んで前記第1インペラとは反対側に設けられ、前記回転軸と一体的に回転する第2インペラと、
前記第1インペラを収容する第1インペラ室を画定し、前記第1インペラ室に流体を吸入する第1吸入口、及び前記第1インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する第1吐出口を有する第1インペラハウジング、前記モータを収容するモータ室を画定するモータハウジング、及び前記第2インペラを収容する第2インペラ室を画定し、前記第2インペラ室に流体を吸入する第2吸入口、及び前記第2インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する第2吐出口を有する第2インペラハウジングを有するハウジングと、
前記第1吐出口と前記第2吸入口とを、前記第1吐出口から前記第2吸入口に向けて流体が流れるように接続する接続路と、を備える遠心圧縮機であって、
前記接続路は、前記第1インペラハウジングに設けられ、前記第1吐出口に接続される第1インペラハウジング接続路と、前記第2インペラハウジングに設けられ、前記第2吸入口に接続される第2インペラハウジング接続路と、前記モータハウジングに貫通形成され、前記第1インペラハウジング接続路と前記第2インペラハウジング接続路とを接続するモータハウジング接続路と、を有し、
前記接続路は、前記第1インペラハウジング、前記モータハウジング、及び前記第2インペラハウジングが前記回転軸の軸方向に順次積層されて構成されていることを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記モータハウジングは、前記モータを冷却する冷却媒体が流れる冷却媒体路を備え、
前記冷却媒体路は、前記回転軸の径方向において前記モータと前記モータハウジング接続路との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記モータは、円筒状のステータと、前記回転軸に設けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、
前記モータハウジングは、内周面に前記ステータが固定された第1モータハウジングと、
前記モータハウジング接続路が貫通形成された第2モータハウジングと、を有し、
前記冷却媒体路は、前記第1モータハウジングと前記第2モータハウジングとの間に冷却媒体が流れるように画定されていることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記第2インペラハウジングは、前記モータハウジング接続路と対向して前記軸方向に流体を吸入する第3吸入口、及び前記第3吸入口から前記軸方向に吸入された流体を前記第2吸入口に近づくように前記回転軸の径方向にガイドし、前記径方向に流れる流体を前記第2吸入口に向けてさらに前記軸方向にガイドするガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記第2インペラハウジングは、前記第3吸入口、前記第2吸入口、及び前記第2吐出口が開口し、且つ前記第3吸入口から吸入した流体を前記ガイド部に向けて吐出するように開口する第3吐出口が開口する第2インペラハウジング基部と、
前記第3吐出口と前記第2吸入口とを接続し、流体を前記第3吐出口から前記第2吸入口に向けて流すように開口する溝状の前記ガイド部が形成された第2インペラハウジング蓋部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、モータと、ハウジングと、を備えている。モータは、回転軸を回転させる。また、遠心圧縮機は、第1インペラと、第2インペラと、を備えている場合がある。第1インペラは、流体を圧縮するために回転軸と一体的に回転する。第2インペラは、回転軸に対してモータを間に挟んで第1インペラとは反対側に設けられている場合がある。
【0003】
ハウジングには、第1インペラ室、第2インペラ室、第1吸入口、第1吐出口、第2吸入口、及び第2吐出口を有している。第1インペラ室は、第1インペラを収容する。第2インペラ室は、第2インペラを収容する。第1吸入口は、第1インペラ室に流体を吸入する。第1吐出口は、第1インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する。第2吸入口は、第2インペラ室に流体を吸入する。遠心圧縮機は、接続路を備えている。第2吐出口は、第2インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する。接続路は、第1吐出口と第2吸入口とを、第1吐出口から第2吸入口に向けて流体が流れるように接続する。接続路は、例えば特許文献1のように、ハウジングとは別部材である配管により形成されている。そして、配管をハウジングに取り付けることにより、第1吐出口と第2吸入口とが接続路によって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-209845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のように、ハウジングとは別部材である配管をハウジングに取り付けることにより第1吐出口と第2吸入口とを接続路によって接続する構成では、遠心圧縮機において、ハウジングと配管との間に隙間が形成される。このハウジングと配管との間に形成される隙間は、遠心圧縮機においてデッドスペースになっている。したがって、遠心圧縮機は、ハウジングと配管との間に形成される隙間の分だけ無駄に大型化してしまっている。
【0006】
また、ハウジングと配管との間には寸法公差が生じる。このため、配管をハウジングに取り付ける際にハウジングと配管との間に生じる寸法公差を吸収できる構造を、例えば、配管に設ける等の工夫が必要であるため、遠心圧縮機の生産性を低下させる要因となっている。したがって、遠心圧縮機の大型化を抑制しつつも、生産性の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸を回転させるモータと、流体を圧縮するために前記回転軸と一体的に回転する第1インペラと、前記回転軸に対して前記モータを間に挟んで前記第1インペラとは反対側に設けられ、前記回転軸と一体的に回転する第2インペラと、前記第1インペラを収容する第1インペラ室を画定し、前記第1インペラ室に流体を吸入する第1吸入口、及び前記第1インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する第1吐出口を有する第1インペラハウジング、前記モータを収容するモータ室を画定するモータハウジング、及び前記第2インペラを収容する第2インペラ室を画定し、前記第2インペラ室に流体を吸入する第2吸入口、及び前記第2インペラの回転によって圧縮された流体を吐出する第2吐出口を有する第2インペラハウジングを有するハウジングと、前記第1吐出口と前記第2吸入口とを、前記第1吐出口から前記第2吸入口に向けて流体が流れるように接続する接続路と、を備える遠心圧縮機であって、前記接続路は、前記第1インペラハウジングに設けられ、前記第1吐出口に接続される第1インペラハウジング接続路と、前記第2インペラハウジングに設けられ、前記第2吸入口に接続される第2インペラハウジング接続路と、前記モータハウジングに貫通形成され、前記第1インペラハウジング接続路と前記第2インペラハウジング接続路とを接続するモータハウジング接続路と、を有し、前記接続路は、前記第1インペラハウジング、前記モータハウジング、及び前記第2インペラハウジングが前記回転軸の軸方向に順次積層されて構成されていることを要旨とする。
【0008】
これによれば、接続路は、ハウジングが有する第1インペラハウジング、モータハウジング、及び第2インペラハウジングにより構成されている。つまり、接続路は、ハウジングの内部に形成されている。このため、例えば、ハウジングとは別部材である配管をハウジングに取り付けることにより、第1吐出口と第2吸入口とを接続路によって接続する構成のように、遠心圧縮機において、ハウジングと配管との間に隙間が形成されることが無い。したがって、遠心圧縮機が、ハウジングと配管との間に形成される隙間の分だけ無駄に大型化してしまうことが無い。その結果、遠心圧縮機の大型化を抑制することができる。また、第1インペラハウジング、モータハウジング、及び第2インペラハウジングを回転軸の軸方向に順次積層するだけで接続路を構成することができる。よって、配管をハウジングに取り付ける際にハウジングと配管との間に生じる寸法公差を吸収できる構造を、例えば、配管に設ける等の工夫が必要無くなる。このため、遠心圧縮機の生産性の向上を図ることができる。以上より、遠心圧縮機の大型化を抑制しつつも、生産性の向上を図ることができる。
【0009】
上記遠心圧縮機において、前記モータハウジングは、前記モータを冷却する冷却媒体が流れる冷却媒体路を備え、前記冷却媒体路は、前記回転軸の径方向において前記モータと前記モータハウジング接続路との間に設けられていてもよい。
【0010】
これによれば、冷却媒体路を流れる冷却媒体によって、モータに加えて、モータハウジング接続路を流れる流体も冷却することができる。したがって、冷却媒体によって冷却された流体を、モータハウジング接続路、第2インペラハウジング接続路、及び第2吸入口を介して第2インペラ室に吸入することができる。その結果、第2インペラの回転に伴う流体の圧縮効率を向上させることができる。
【0011】
上記遠心圧縮機において、前記モータは、円筒状のステータと、前記回転軸に設けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、前記モータハウジングは、内周面に前記ステータが固定された第1モータハウジングと、前記モータハウジング接続路が貫通形成された第2モータハウジングと、を有し、前記冷却媒体路は、前記第1モータハウジングと前記第2モータハウジングとの間に冷却媒体が流れるように画定されていてもよい。
【0012】
例えば、冷却媒体路を一つのハウジング部材で構成する場合、このようなハウジング部材を製造するためには、中子を使用する鋳造方式で製造する必要がある。中子を使用する製造方法は、中子を使用しない製造方法に比べて、製造コストが嵩む。そこで、冷却媒体路は、第1モータハウジングと第2モータハウジングとの間に冷却媒体が流れるように画定されている。冷却媒体路を画定する第1モータハウジング及び第2モータハウジングの各々は、中子を使用する鋳造方式で製造する必要がない。つまり、第1モータハウジング及び第2モータハウジングを有するモータハウジングにおいては、中子を使用しない製造方法により、冷却媒体路を形成することが可能である。この結果、上記の構成は、製造コストを抑えつつ、モータハウジングに冷却媒体路を形成できる。
【0013】
上記遠心圧縮機において、前記第2インペラハウジングは、前記モータハウジング接続路と対向して前記軸方向に流体を吸入する第3吸入口、及び前記第3吸入口から前記軸方向に吸入された流体を前記第2吸入口に近づくように前記回転軸の径方向にガイドし、前記径方向に流れる流体を前記第2吸入口に向けてさらに前記軸方向にガイドするガイド部を有していてもよい。
【0014】
これによれば、第3吸入口は、モータハウジング接続路を流れた流体を回転軸の軸方向に吸入する。ガイド部は、第3吸入口から回転軸の軸方向に吸入された流体を第2吸入口に近づくように回転軸の径方向にガイドする。さらに、ガイド部は、回転軸の径方向に流れる流体を第2吸入口に向けてさらに回転軸の軸方向にガイドする。この結果、ガイド部による流体のガイドは、流体が流向を変化させる際に渦を巻くことを抑制できる。したがって、第2インペラハウジングがガイド部を有することにより、第3吸入口から第2吸入口に向かって流れる流体の圧力損失を低減できるため、第2インペラの回転に伴う流体の圧縮効率を向上させることができる。
【0015】
上記遠心圧縮機において、前記第2インペラハウジングは、前記第3吸入口、前記第2吸入口、及び前記第2吐出口が開口し、且つ前記第3吸入口から吸入した流体を前記ガイド部に向けて吐出するように開口する第3吐出口が開口する第2インペラハウジング基部と、前記第3吐出口と前記第2吸入口とを接続し、流体を前記第3吐出口から前記第2吸入口に向けて流すように開口する溝状の前記ガイド部が形成された第2インペラハウジング蓋部と、を有していてもよい。
【0016】
例えば、一つのハウジング部材により、第3吸入口から第2吸入口まで流体が流れる流路を形成する場合、ハウジング部材を製造するためには、中子を使用する鋳造方式で製造しないといけなくなる場合があるため、製造コストが嵩む虞がある。そこで、第2インペラハウジングは、第2インペラハウジング基部と、第2インペラハウジング蓋部と、を有している。これによれば、一つのハウジング部材により、第3吸入口から第2吸入口まで流体が流れる流路を形成する場合のように、中子を使用する鋳造方式で製造しないといけなくならずに済むため、製造コストが嵩むことを回避することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遠心圧縮機の大型化を抑制しつつも、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、遠心圧縮機の断面図である。
図2図2は、第1インペラハウジングの断面図である。
図3図3は、第2インペラハウジングの断面図である。
図4図4は、第2インペラハウジング基部を示す背面図である。
図5図5は、第2インペラハウジング基部と第2インペラハウジング蓋部とを示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を図1図5にしたがって説明する。本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車に搭載されている。遠心圧縮機は、流体としての空気を圧縮する。
【0020】
<遠心圧縮機の基本構造>
図1に示すように、遠心圧縮機100は、ハウジング10を備えている。ハウジング10は、金属材料製である。ハウジング10は、例えば、アルミニウム製である。ハウジング10は、モータハウジング10aと、第1インペラハウジング10bと、第2インペラハウジング10cと、を有している。モータハウジング10aは、第1モータハウジング14と、接続路形成ハウジング13と、を有している。第1インペラハウジング10bは、第1コンプレッサハウジング11と、第2プレート17と、を有している。第2インペラハウジング10cは、第2コンプレッサハウジング12と、第3プレート18と、を有している。第2コンプレッサハウジング12は、第2インペラハウジング基部12aと、第2インペラハウジング蓋部19と、から構成されている。つまり、第2インペラハウジング10cは、第2インペラハウジング基部12aと、第2インペラハウジング蓋部19と、を有している。
【0021】
第1モータハウジング14は、端壁14aと、周壁14bと、を有している。第1モータハウジング14は、円筒状である。端壁14aは、板状である。周壁14bは、端壁14aの外周部から筒状に延びている。第1モータハウジング14は、ダイカスト成形によって製造されている。
【0022】
接続路形成ハウジング13は、第2モータハウジング15、及び第1プレート16により形成されている。つまり、モータハウジング10aは、第1モータハウジング14と、第2モータハウジング15と、を有している。第2モータハウジング15、及び第1プレート16は、ダイカスト成形によって製造されている。
【0023】
第2モータハウジング15は、筒状である。第2モータハウジング15は、モータハウジング収容孔15cを有している。第2モータハウジング15は、収容孔画定面15aを有している。収容孔画定面15aは、モータハウジング収容孔15cを画定している。モータハウジング収容孔15cは、第2モータハウジング15の軸方向に延びるとともに、第2モータハウジング15の軸方向における両端面で開口している。モータハウジング収容孔15cは、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面が収容孔画定面15aに対して第2モータハウジング15の径方向で対面するように、第1モータハウジング14を収容する。第2モータハウジング15の軸線は、第1モータハウジング14の周壁14bの軸線に一致している。
【0024】
遠心圧縮機100は、冷却媒体路13aを備えている。冷却媒体路13aは、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面と収容孔画定面15aとにより画定されている。冷却媒体路13aは、第1モータハウジング14と第2モータハウジング15との間に冷却水が流れるように画定されている。つまり、冷却媒体路13aは、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15により画定されている。冷却媒体路13aは、第1モータハウジング14の周壁14bに沿って延びるとともに周壁14bを囲む環状である。第2モータハウジング15は、供給口13e及び排出口13fを有している。供給口13eは、冷却媒体路13aへ冷却水を供給する。排出口13fは、冷却媒体路13aを流れた冷却水をハウジング10の外部へ排出する。冷却媒体路13aを流れる冷却水は、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15を冷却している。
【0025】
第1モータハウジング14の周壁14bの外周面には、複数のフィン14dが設けられている。複数のフィン14dは、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面から冷却媒体路13a内に突出している。各フィン14dは、周壁14bの外周面に沿って延びる環状の薄板である。複数のフィン14dは、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面において、第1モータハウジング14の軸方向に間隔を空けて配置されている。複数のフィン14dは、第1モータハウジング14に一体形成されている。冷却水は、冷却媒体路13aの内部を、各フィン14dに沿って、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15の周方向に流れている。
【0026】
第1プレート16は、第1モータハウジング14の周壁14bにおける端壁14aとは反対側の端部、及び第2モータハウジング15の第1端に連結されている。第1プレート16は、第1プレート16の厚み方向が第1モータハウジング14の周壁14bの軸方向及び第2モータハウジング15の軸方向に一致した状態で、第1モータハウジング14の周壁14b及び第2モータハウジング15に連結されている。第1プレート16は、第1モータハウジング14の周壁14bの開口を閉塞している。そして、第1モータハウジング14及び第1プレート16によってモータ室14cが区画されている。したがって、モータハウジング10aは、モータ室14cを画定している。
【0027】
第1プレート16は、第1軸受保持部21を有している。第1軸受保持部21は、円筒状である。第1軸受保持部21は、モータ室14c内に突出している。第1軸受保持部21の軸線は、第1モータハウジング14の周壁14bの軸線に一致している。
【0028】
第1モータハウジング14の端壁14aは、第2軸受保持部25を有している。第2軸受保持部25は、円筒状である。第2軸受保持部25は、モータ室14c内に突出している。第2軸受保持部25の軸線は、第1軸受保持部21の軸線に一致している。
【0029】
第2プレート17は、ダイカスト成形によって製造されている。第2プレート17は、第1プレート16における第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15とは反対側の端面に連結されている。第2プレート17は、第2プレート17の厚み方向が第1プレート16の厚み方向に一致した状態で、第1プレート16に連結されている。第2プレート17は、第1挿通孔23を有している。第1挿通孔23の軸線は、第1軸受保持部21の軸線と一致している。第1挿通孔23は、第1軸受保持部21の内側に連通している。
【0030】
第3プレート18は、ダイカスト成形によって製造されている。第3プレート18は、第1モータハウジング14の端壁14aの外面、及び第2モータハウジング15の第2端に連結されている。第3プレート18は、第3プレート18の厚み方向が第1モータハウジング14の端壁14aの厚み方向に一致した状態で、第1モータハウジング14の端壁14a及び第2モータハウジング15に連結されている。
【0031】
第3プレート18には、第2挿通孔26が形成されている。第2挿通孔26は、第3プレート18を、第3プレート18の厚み方向に貫通している。第2挿通孔26は、第2軸受保持部25の内側に連通している。第2挿通孔26の軸線は、第2軸受保持部25の軸線に一致している。
【0032】
遠心圧縮機100は、モータ20を備えている。モータ20は、モータ室14cに収容されている。したがって、モータ室14cは、モータ20を収容している。第1モータハウジング14は、モータ20を取り囲んでいる。なお、モータ20から発生する熱は、第1モータハウジング14に放熱される。第1モータハウジング14は、冷却媒体路13aを流れている冷却水により冷却されているため、モータ20から発生する熱は、第1モータハウジング14に効率良く放熱される。これにより、モータ20が冷却されている。つまり、モータハウジング10aは、モータ20を冷却する冷却媒体としての冷却水が流れる冷却媒体路13aを備えている。
【0033】
第1コンプレッサハウジング11は、ダイカスト成形によって製造されている。第1コンプレッサハウジング11は、空気が吸入される円孔状の第1吸入口35を有している。したがって、第1インペラハウジング10bは、第1吸入口35を有する。第1コンプレッサハウジング11は、第1吸入口35の軸線が、第1挿通孔23の軸線と一致した状態で第2プレート17における第1プレート16とは反対側の端面に連結されている。第1吸入口35は、第1コンプレッサハウジング11における第2プレート17とは反対側の端面に開口している。第1吸入口35には、図示しないエアクリーナによって清浄化された空気が流れる。
【0034】
遠心圧縮機100は、第1インペラ室36、第1吐出室37、及び第1ディフューザ流路38を備えている。第1インペラ室36、第1吐出室37、及び第1ディフューザ流路38は、第1コンプレッサハウジング11と第2プレート17との間に形成されている。したがって、第1インペラハウジング10bは、第1インペラ室36を画定している。第1インペラ室36は、第1吸入口35に連通している。第1吸入口35は、第1インペラ室36に空気を吸入する。第1吐出室37は、第1インペラ室36の周囲で第1吸入口35の軸心周りに延びている。第1ディフューザ流路38は、第1インペラ室36と第1吐出室37とを連通している。第1インペラ室36は、第1挿通孔23に連通している。
【0035】
図2に示すように、第1コンプレッサハウジング11には、第1吐出口39が形成されている。したがって、第1インペラハウジング10bは、第1吐出口39を有する。第1吐出口39の第1端は、第1吐出室37に連通している。
【0036】
図1に示すように、第2インペラハウジング基部12aは、ダイカスト成形によって製造されている。第2インペラハウジング基部12aは、円孔状の第2吸入口40を有している。第2インペラハウジング基部12aには、第2吸入口40が開口している。よって、第2インペラハウジング10cは、第2吸入口40を有している。第2インペラハウジング基部12aは、第2吸入口40の軸線が、第2挿通孔26の軸線と一致した状態で、第3プレート18における第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15とは反対側の端面に連結されている。
【0037】
遠心圧縮機100は、第2インペラ室41、第2吐出室42、及び第2ディフューザ流路43を備えている。第2インペラ室41、第2吐出室42、及び第2ディフューザ流路43は、第2インペラハウジング基部12aと第3プレート18との間に形成されている。したがって、第2インペラハウジング10cは、第2インペラ室41を画定している。第2インペラ室41は、第2吸入口40に連通している。第2吸入口40は、第2インペラ室41に空気を吸入する。第2吐出室42は、第2インペラ室41の周囲で第2吸入口40の軸心周りに延びている。第2ディフューザ流路43は、第2インペラ室41と第2吐出室42とを連通している。第2インペラ室41は、第2挿通孔26に連通している。
【0038】
第2インペラハウジング基部12aには、第2吐出口44が形成されている。第2インペラハウジング基部12aには、第2吐出口44が開口している。言い換えると、第2インペラハウジング10cは、第2吐出口44を有する。第2吐出口44の第1端は、第2吐出室42に連通している。第2吐出口44の第2端は、第2インペラハウジング基部12aの外周面に開口している。
【0039】
第2吐出口44には、供給配管45が接続されている。供給配管45は、燃料電池スタック46に接続されている。供給配管45の第1端は、第2吐出口44に接続されている。供給配管45の第2端は、燃料電池スタック46に接続されている。
【0040】
遠心圧縮機100は、回転軸50を備えている。回転軸50は、回転軸50の軸線と第1モータハウジング14の周壁14bの軸線とが一致した状態で、モータ室14c内を横切っている。回転軸50の軸方向の一端である第1端は、モータ室14c内から第1軸受保持部21の内側、第1挿通孔23を通過して第1インペラ室36内へ突出している。回転軸50の軸方向の他端である第2端は、モータ室14c内から第2軸受保持部25の内側、第2挿通孔26を通過して第2インペラ室41内へ突出している。
【0041】
モータ20は、円筒状のステータ52と、ロータ51と、を備えている。ロータ51は、回転軸50に固定されている。ロータ51は、回転軸50に固定された円筒状のロータコア53と、ロータコア53に設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ロータ51は、回転軸50に設けられ、回転軸50と一体的に回転する。
【0042】
ステータ52は、第1モータハウジング14に固定されている。ステータ52は、ロータ51の外側に配置されている。ステータ52は、円筒状のステータコア54と、コイル55と、を有している。ステータコア54は、第1モータハウジング14の周壁14bの内周面に固定されている。つまり、モータハウジング10aは、内周面にステータ52が固定された第1モータハウジング14を有する。コイル55は、ステータコア54に巻回されている。そして、図示しないバッテリからコイル55に電流が流れることによって、回転軸50がロータ51と一体に回転する。したがって、モータ20は、回転軸50を回転させる。
【0043】
遠心圧縮機100は、第1動圧滑り軸受56及び第2動圧滑り軸受57を備えている。第1動圧滑り軸受56は円筒状である。第1動圧滑り軸受56は、第1軸受保持部21に保持されている。第1動圧滑り軸受56は、回転軸50を第1プレート16に対して回転可能に支持する。
【0044】
第2動圧滑り軸受57は円筒状である。第2動圧滑り軸受57は、第2軸受保持部25に保持されている。第2動圧滑り軸受57は、回転軸50を第1モータハウジング14の端壁14aに対して回転可能に支持する。したがって、第1動圧滑り軸受56及び第2動圧滑り軸受57は、回転軸50をハウジング10に対して回転可能に支持する軸受である。第1動圧滑り軸受56及び第2動圧滑り軸受57は、回転軸50をハウジング10に対してラジアル方向で回転可能に支持する。
【0045】
なお、遠心圧縮機100は、回転軸50をハウジング10に対してスラスト方向で回転可能に支持する軸受である公知のスラスト軸受を備えていてもよい。
遠心圧縮機100は、第1インペラ61と、第2インペラ62と、を備えている。第1インペラ61は、回転軸50の第1端に連結されている。第1インペラ61は、第1インペラ室36に収容されている。したがって、第1インペラ室36は、第1インペラ61を収容する。第1インペラ61は、空気を圧縮するために回転軸50と一体的に回転する。
【0046】
第2インペラ62は、回転軸50の第2端に連結されている。言い換えると、第2インペラ62は、回転軸50に対してモータ20を間に挟んで第1インペラ61とは反対側に設けられている。第2インペラ62は、第2インペラ室41に収容されている。したがって、第2インペラ室41は、第2インペラ62を収容する。第2インペラ62は、第1インペラ61の回転によって圧縮された後の空気を圧縮するために回転軸50と一体的に回転する。第1インペラ61及び第2インペラ62は、燃料電池スタック46に供給される空気を圧縮するために回転する。
【0047】
第1インペラ61及び第2インペラ62は、モータ20の駆動によって回転軸50と一体的に回転する。したがって、モータ20は、第1インペラ61及び第2インペラ62を回転させる。
【0048】
<インバータ>
遠心圧縮機100は、インバータ65を備えている。インバータ65は、モータ20に電気的に接続されている。インバータ65は、コイル55に供給される電力を制御することにより、モータ20の駆動を制御する。
【0049】
遠心圧縮機100は、インバータハウジング66を備えている。インバータハウジング66は、インバータ65を収容する。インバータハウジング66は、第2モータハウジング15の外面に設けられている。言い換えると、インバータ65は、ハウジング10の外面であるハウジング外面10eに設けられている。インバータ65から発生する熱は、インバータハウジング66を介して第2モータハウジング15に放熱される。第2モータハウジング15は、冷却媒体路13aを流れている冷却水により冷却されているため、インバータ65から発生する熱は、第2モータハウジング15に効率良く放熱される。これにより、インバータ65が冷却されている。
【0050】
遠心圧縮機100は、シール部材63を備えている。シール部材63は、第1挿通孔23と回転軸50との間に設けられている。シール部材63は、第1インペラ室36から第1挿通孔23及び第1軸受保持部21の内側を介してモータ室14c内に向かう空気の洩れを抑制する。シール部材63は、例えば、シールリングである。
【0051】
遠心圧縮機100は、シール部材64を備えている。シール部材64は、第2挿通孔26と回転軸50との間に設けられている。シール部材64は、第2インペラ室41から第2挿通孔26及び第2軸受保持部25の内側を介してモータ室14c内に向かう空気の洩れを抑制する。シール部材64は、例えば、シールリングである。
【0052】
<接続路>
図1及び図2に示すように、遠心圧縮機100は、接続路70を備えている。接続路70は、第1吐出口39と第2吸入口40とを、第1吐出口39から第2吸入口40に向けて空気が流れるように接続する。接続路70は、第1インペラハウジング接続路101と、第2インペラハウジング接続路102と、モータハウジング接続路13bと、を有している。したがって、本実施形態では、第1インペラハウジング接続路101、第2インペラハウジング接続路102、及びモータハウジング接続路13bにより接続路70が形成されている。
【0053】
第1コンプレッサハウジング11は、第1通路11aを有している。第1コンプレッサハウジング11は、第1通路画定面11bを有している。第1通路画定面11bは、第1通路11aを画定している。第1通路11aの第1端は、第1吐出口39に接続されている。第1通路11aの第2端は、第1コンプレッサハウジング11における第2プレート17側の端面であって、且つ、第1吐出室37よりも回転軸50の径方向の外側に位置する部分に開口している。第1通路画定面11bは、第1通路11aの第2端の開口縁から延びる湾曲面である。
【0054】
第2プレート17は、第2プレート孔17aを有している。第2プレート17は、第2プレート孔画定面17bを有している。第2プレート孔画定面17bは、第2プレート孔17aを画定している。第2プレート孔画定面17bは、第1通路画定面11bと連続している。つまり、第2プレート孔17aは、第1通路11aと連通している。第2プレート孔17aは、第2プレート17の厚み方向における両端面において開口している。第2プレート孔17aは、第1通路11aの第2端に接続されている。
【0055】
第1インペラハウジング接続路101は、第1通路11aと第2プレート孔17aとにより形成されている。つまり、第1インペラハウジング接続路101は、第1インペラハウジング10bに形成されている。したがって、第1インペラハウジング接続路101は、ハウジング10の内部に形成されている。第1インペラハウジング接続路101の第1端は、第1吐出口39に接続されている。そして、第1インペラハウジング接続路101には、第1吐出口39から空気が流れる。したがって、第1インペラハウジング接続路101は、第1インペラハウジング10bに設けられ、第1吐出口39に接続される。第1インペラハウジング接続路101の第2端は、第2プレート17における第1プレート16側の端面であって、且つ、第1吐出室37よりも回転軸50の径方向の外側に位置する部分に開口している。
【0056】
ここで、第1インペラハウジング接続路101の第1端と第1吐出口39との境界L1を図2において二点鎖線で示している。第1インペラハウジング10bにおける第1インペラハウジング接続路101の第1端と第1吐出口39との境界L1に相当する部分は、第1吐出口39と第2吸入口40とを接続するために従来から採用されていた配管の第1端が接続される箇所に相当する。本実施形態の第1インペラハウジング接続路101は、従来の配管の第1端が接続される箇所に相当する部分から延在している。
【0057】
第2コンプレッサハウジング12は、第2通路12bを有している。図1図3及び図4に示すように、第2通路12bは、第1軸路401と、第2軸路402と、径路403と、を有している。第1軸路401は、第2インペラハウジング基部12aに形成されている。つまり、第2インペラハウジング基部12aには、第2通路12bの一部を構成する軸路である第1軸路401が形成されている。第2インペラハウジング基部12aは、第1軸路401を画定する第1軸路画定面401aを有している。第1軸路401は、第2吸入口40よりも回転軸50の径方向の外側に位置するとともに、回転軸50の軸方向に延びている。第1軸路401は、第2インペラハウジング基部12aを回転軸50の軸方向に貫通している。第1軸路401の第1端は、第2インペラハウジング基部12aにおける第3プレート18側の端面に開口している。第1軸路401の第2端は、第2インペラハウジング基部12aにおける第3プレート18とは反対側の端面に開口している。第2インペラハウジング基部12aにおける第3プレート18とは反対側の端面は、第2インペラハウジング基部12aにおける回転軸50の軸方向に位置する端面である軸方向端面12dである。したがって、第1軸路401は、軸方向端面12dに開口している。
【0058】
第1軸路401は、第1端の開口である第3吸入口401bと、第2端の開口である第3吐出口401cと、を備える。つまり、第2インペラハウジング10cは、第3吸入口401bと、第3吐出口401cと、を備えている。第2インペラハウジング基部12aには、第3吸入口401b及び第3吐出口401cが開口している。
【0059】
第2軸路402は、第2インペラハウジング基部12aに形成されている。第2軸路402の第1端は、第2吸入口40に接続されている。つまり、第2通路12bは、第2コンプレッサハウジング12に設けられ、第2吸入口40に接続される。第2軸路402の第2端は、軸方向端面12dに開口している。したがって、第2吸入口40は、第2インペラ室41から回転軸50の軸方向に延びるとともに第2軸路402を介して軸方向端面12dに開口している。第2吸入口40の軸線と第2軸路402の軸線とは一致している。第2インペラハウジング基部12aは、第2軸路402を画定する第2軸路画定面402aを有している。
【0060】
図1及び図5に示すように、第2インペラハウジング蓋部19は、ダイカスト成形によって製造されている。第2インペラハウジング蓋部19は、第2インペラハウジング基部12aの軸方向端面12dに連結されている。第2インペラハウジング蓋部19は、第2吸入口40における軸方向端面12d側の開口、及び第1軸路401における軸方向端面12d側の開口を閉塞している。
【0061】
図1に示すように、第2インペラハウジング蓋部19は、第2インペラハウジング基部12aの軸方向端面12dと対向する対向面19bを有している。つまり、第2インペラハウジング蓋部19は、回転軸50の軸方向で第2インペラハウジング基部12aに対向する対向面19bを有している。対向面19bは、平坦面である。
【0062】
第2インペラハウジング蓋部19の対向面19bには、ガイド部19dが形成されている。ガイド部19dは、溝状である。このように、第2インペラハウジング10cは、溝状のガイド部19dが形成された第2インペラハウジング蓋部19を有する。第2インペラハウジング蓋部19が第2インペラハウジング基部12aの軸方向端面12dに連結されている状態において、ガイド部19dの内側は、第1軸路401の第2端と第2軸路402の第2端とを接続している。言い換えると、ガイド部19dは、第3吐出口401cを介して、第1軸路401と接続している。ガイド部19dの内面19cと第2インペラハウジング基部12aの軸方向端面12dとの間は、径路403になっている。したがって、第2インペラハウジング蓋部19と第2インペラハウジング基部12aとの間には、第2インペラハウジング接続路102の一部を形成するとともに回転軸50の径方向に延びて第1軸路401からの空気を第2吸入口40に向けて流す径路403が形成されている。このように、ガイド部19dは、径路403を画定している。
【0063】
ガイド部19dの内面19cは、第1蓋接続面191と、第2蓋接続面192と、底面193と、を有している。底面193は、回転軸50の径方向に延びる平坦面状である。第1蓋接続面191は、ガイド部19dの開口縁19eから延びるとともに底面193に接続されている。第1蓋接続面191は、ガイド部19dの開口縁19eにおける第1軸路401側に位置する部分から延びている。第1蓋接続面191は、ガイド部19dの開口縁19eから底面193に向けて延びる方向が、第1軸路401の軸方向から第1軸路401の軸方向に対して直交する方向に向くように湾曲している。第1蓋接続面191は、第1軸路401を通過した空気の流れる方向が第1軸路401の延びる方向から径路403の延びる方向となるように湾曲している。第1蓋接続面191は、第1軸路画定面401aと底面193とを滑らかに接続している。
【0064】
第2蓋接続面192は、ガイド部19dの開口縁19eから延びるとともに底面193に接続されている。第2蓋接続面192は、ガイド部19dの開口縁19eにおける第2吸入口40側に位置する部分から延びている。第2蓋接続面192は、ガイド部19dの開口縁19eから底面193に向けて延びる方向が、第2軸路402の軸方向から第2軸路402の軸方向に対して直交する方向に向くように湾曲している。第2蓋接続面192は、径路403を通過した空気の流れる方向が第2吸入口40に流入する方向となるように湾曲している。第2蓋接続面192は、第2軸路画定面402aと底面193とを滑らかに接続している。
【0065】
第3プレート孔18aは、第3プレート18に形成されている。第3プレート18は、第3プレート孔画定面18bを有している。第3プレート孔画定面18bは、第3プレート孔18aを画定している。第3プレート孔18aの孔径は、第1軸路401の孔径と同じである。第3プレート孔18aの軸線は、第1軸路401の軸線と一致している。第3プレート孔画定面18bは、第1軸路画定面401aと連続している。第3プレート孔18aは、第3プレート18の厚み方向の両端面において開口している。第3プレート孔18aは、第1軸路401の第1端に接続されるとともに、第3吸入口401bに連通している。
【0066】
第2インペラハウジング接続路102は、第2通路12bと、第3プレート孔18aと、により形成されている。つまり、第2インペラハウジング10cは、第2吸入口40へ空気を流す第2インペラハウジング接続路102を画定している。
【0067】
ここで、第2インペラハウジング接続路102と第2吸入口40との境界L2を図1において二点鎖線で示している。第2インペラハウジング10cにおける第2インペラハウジング接続路102と第1吸入口35との境界L2に相当する部分は、第1吐出口39と第2吸入口40とを接続するために従来から採用されていた配管の第2端が接続される箇所に相当する。本実施形態の第2インペラハウジング接続路102は、従来の配管の第2端が接続される箇所に相当する部分から延在している。
【0068】
第2モータハウジング15は、接続孔15dを有している。第2モータハウジング15は、接続孔画定面15bを有している。接続孔画定面15bは、接続孔15dを画定している。接続孔15dは、第2モータハウジング15の軸方向に延びるとともに、第2モータハウジング15の軸方向における両端面で開口している。接続孔15dは、モータハウジング収容孔15cよりも回転軸50の径方向の外側に位置している。接続孔15dが延びる方向は、回転軸50の軸方向に一致している。接続孔15dの軸線は、第3プレート孔18aの軸線と一致している。接続孔15dの孔径は、第3プレート孔18aの孔径と同じである。接続孔画定面15bは、第3プレート孔画定面18bと連続している。接続孔15dは、第3プレート孔18aに接続されている。
【0069】
第1プレート16は、第1プレート孔16aを有している。第1プレート16は、第1プレート孔画定面16bを有している。第1プレート孔画定面16bは、第1プレート孔16aを画定している。第1プレート孔16aの孔径は、接続孔15d及び第2プレート孔17aの孔径と同じである。第1プレート孔16aの軸線は、接続孔15d及び第2プレート孔17aの軸線と一致している。第1プレート孔画定面16bは、接続孔画定面15b及び第2プレート孔画定面17bと連続している。第1プレート孔16aは、第1プレート16の厚み方向における両端面において開口している。第1プレート孔16aの第1端は、第2プレート孔17aの軸方向における端部のうち、第1通路11aに接続されていない端部に接続されている。第1プレート孔16aの第2端は、接続孔15dの第1端に接続されている。
【0070】
接続孔15d及び第1プレート孔16aは、モータハウジング接続路13bを形成している。接続孔画定面15b、第1プレート孔画定面16bは、モータハウジング接続路13bを画定する第3通路画定面13cを形成している。このように、接続路形成ハウジング13は、モータハウジング接続路13bを画定している。モータハウジング接続路13bは、モータハウジング10aに貫通形成され、第1インペラハウジング接続路101と第2インペラハウジング接続路102とを接続している。第2モータハウジング15には、モータハウジング接続路13bが貫通形成されている。第3プレート孔18aは、第1端がモータハウジング接続路13bに接続されている。第3吸入口401bは、モータハウジング接続路13bと対向して回転軸50の軸方向に空気を吸入する。冷却媒体路13aは、回転軸50の径方向においてモータ20とモータハウジング接続路13bとの間に設けられている。
【0071】
このように、接続路70は、第1インペラハウジング接続路101、第2インペラハウジング接続路102、及びモータハウジング接続路13bによって形成されている。接続路70は、第1インペラハウジング10bと、第2インペラハウジング10cと、接続路形成ハウジング13と、により形成されている。つまり、接続路70は、第1インペラハウジング10b、モータハウジング10a、及び第2インペラハウジング10cが回転軸50の軸方向に順次積層されて構成されている。
【0072】
遠心圧縮機100は、第3シール部材83を備えている。第3シール部材83は、第2プレート17と第1プレート16との間に介在されている。第3シール部材83は、例えば、Oリングである。第3シール部材83は、第2プレート17と第1プレート16との間をシールしている。遠心圧縮機100において、第1インペラハウジング10bとモータハウジング10aとは、第3シール部材83を介在させた状態で連結される。これにより、第1インペラハウジング接続路101とモータハウジング接続路13bとは、連通している。
【0073】
遠心圧縮機100は、第5シール部材85と第8シール部材88とを有している。第5シール部材85と第8シール部材88とは、モータハウジング10aと第3プレート18との間に介在されている。第5シール部材85は、第2モータハウジング15と、第3プレート18との間に介在されている。第8シール部材88は、第1モータハウジング14と、第3プレート18との間に介在されている。第5シール部材85と第8シール部材88とは、例えば、Oリングである。第5シール部材85は、第2モータハウジング15と、第3プレート18との間をシールしている。第8シール部材88は、第1モータハウジング14と、第3プレート18との間をシールしている。つまり、第5シール部材85と第8シール部材88とは、モータハウジング10aと第3プレート18との間をシールしている。遠心圧縮機100において、モータハウジング10aと第2インペラハウジング10cとは、第5シール部材85と第8シール部材88とを介在させた状態で連結される。これにより、第2インペラハウジング接続路102とモータハウジング接続路13bとは、連通している。
【0074】
なお、遠心圧縮機100は、第1シール部材81、第2シール部材82、第4シール部材84、第6シール部材86、第7シール部材87を備えている。第1シール部材81は、第1コンプレッサハウジング11と第2プレート17との間をシールしている。第2シール部材82は、第3プレート18と第2コンプレッサハウジング12との間をシールしている。第4シール部材84は、第2モータハウジング15と第1プレート16との間をシールしている。第6シール部材86は、第2インペラハウジング基部12aと第2インペラハウジング蓋部19との間をシールしている。第7シール部材87は、第1プレート16と第1モータハウジング14との間をシールしている。第1シール部材81、第2シール部材82、第4シール部材84、第6シール部材86、及び第7シール部材87は、例えば、Oリングである。
【0075】
[本実施形態の作用]
第1吸入口35を介して第1インペラ室36に吸入された空気は、第1インペラ61の回転によって加速されながら、第1ディフューザ流路38に送り込まれて、第1ディフューザ流路38を通過することにより昇圧される。そして、第1ディフューザ流路38を通過した空気は、第1吐出室37に吐出される。第1吐出室37に吐出された空気は、第1吐出口39に吐出される。したがって、第1吐出口39は、第1インペラ61に回転によって圧縮された空気を吐出する。
【0076】
第1吐出口39に吐出された空気は、第1吐出口39から第1インペラハウジング接続路101に流れる。第1インペラハウジング接続路101を流れた空気は、モータハウジング接続路13bに導入される。モータハウジング接続路13bに導入された空気は、モータハウジング接続路13bのうち接続孔15dを通過する際に、冷却媒体路13aを流れている冷却水により冷却される。つまり、冷却媒体路13aを流れている冷却水によって、モータ20が冷却されるとともに、接続路70を流れている空気も冷却される。
【0077】
モータハウジング接続路13bを通過した空気は、第3吸入口401bを介して第1軸路401に導入される。言い換えると、第3吸入口401bは、モータハウジング接続路13bと対向して回転軸50の軸方向に空気を吸入する。第1軸路401を通過した空気は、第3吐出口401cを介して、径路403に導入される。言い換えると、第3吐出口401cは、第3吸入口401bから吸入した空気をガイド部19dに向けて吐出するように開口している。
【0078】
径路403に導入された空気は、第1蓋接続面191に沿ってスムーズに流れる。言い換えると、ガイド部19dは、第3吸入口401bから回転軸50の軸方向に吸入された空気を第2吸入口40に近づくように回転軸50の径方向にガイドする。具体的には、第1軸路401から径路403に空気が流入する際に、空気が第1蓋接続面191に沿って流れることにより、空気の流向が第1軸路401の軸方向から径路403が延びる方向に変化する。したがって、第1蓋接続面191は、空気の流向を、第1軸路画定面401aに沿う方向から、底面193に沿う方向に変化させる。第2インペラハウジング蓋部19は、第1軸路401から径路403に流入する空気を第1蓋接続面191により案内することにより、空気の流れにおける急激な流向の変化を抑制する。これにより、第2インペラハウジング蓋部19は、第1軸路401の軸方向から径路403が延びる方向に空気が流向を変化する際に渦を巻くことを抑制する。このようにして、第1軸路401から径路403に流れ込む空気が渦を巻くことが抑制されている。
【0079】
径路403に導入された空気は、径路403を通過した後、第2軸路402に導入される。径路403を流れる空気は、第2蓋接続面192に沿ってスムーズに流れる。言い換えると、ガイド部19dは、回転軸50の径方向に流れる空気を第2吸入口40に向けてさらに回転軸50の軸方向にガイドする。具体的には、径路403から第2軸路402に空気が流入する際に、空気が第2蓋接続面192に沿って流れることにより、空気の流向は、径路403が延びる方向から第2軸路402の軸方向に変化する。したがって、第2蓋接続面192は、空気の流向を、底面193に沿う方向から、第2軸路402に沿う方向に変化させる。第2インペラハウジング蓋部19は、径路403から第2軸路402に流入する空気を第2蓋接続面192により案内することにより、空気の流れにおける急激な流向の変化を抑制する。これにより、第2インペラハウジング蓋部19は、径路403が延びる方向から第2軸路402の軸方向に空気が流向を変化する際に渦を巻くことを抑制する。このようにして、径路403から第2吸入口40に向かって流れる空気が渦を巻くことが抑制されている。
【0080】
以上のように、第3吐出口401cと、第2吸入口40とは、ガイド部19dによって接続されている。言い換えると、第2インペラハウジング蓋部19には、空気を第3吐出口401cから第2吸入口40に向けて流すように開口する溝状のガイド部19dが形成されている。
【0081】
第2軸路402を通過した空気は、第2吸入口40を介して、第2インペラ室41に吸入される。第2インペラ室41に吸入された空気は、第2インペラ62の回転によって加速されながら、第2ディフューザ流路43に送り込まれて、第2ディフューザ流路43を通過することにより昇圧される。そして、第2ディフューザ流路43を通過した空気は、第2吐出室42に吐出される。第2吐出室42に吐出された空気は、第2吐出口44に吐出される。したがって、第2吐出口44は、第2インペラ62の回転によって圧縮された空気を吐出する。第2吐出口44に吐出された空気は、供給配管45を介して燃料電池スタック46に供給される。燃料電池スタック46に供給された空気に含まれる酸素は、燃料電池スタック46の発電に寄与する。
【0082】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)接続路70は、ハウジング10が有する第1インペラハウジング10b、モータハウジング10a、及び第2インペラハウジング10cにより構成されている。つまり、接続路70は、ハウジング10の内部に形成されている。このため、例えば、ハウジング10とは別部材である配管をハウジング10に取り付けることにより、第1吐出口39と第2吸入口40とを接続する構成のように、遠心圧縮機100において、ハウジング10と配管との間に隙間が形成されることが無い。したがって、遠心圧縮機100が、ハウジング10と配管との間に形成される隙間の分だけ無駄に大型化してしまうことが無い。その結果、遠心圧縮機100の大型化を抑制することができる。また、第1インペラハウジング10b、モータハウジング10a、及び第2インペラハウジング10cを回転軸50の軸方向に順次積層するだけで接続路70を構成することができる。よって、配管をハウジング10に取り付ける際にハウジング10と配管との間に生じる寸法公差を吸収できる構造を、例えば、配管に設ける等の工夫が必要無くなる。このため、遠心圧縮機100の生産性の向上を図ることができる。以上より、遠心圧縮機100の大型化を抑制しつつも、生産性の向上を図ることができる。
【0083】
(2)冷却媒体路13aは、回転軸50の径方向においてモータ20とモータハウジング接続路13bとの間に設けられている。これによれば、冷却媒体路13aを流れる冷却水によって、モータ20に加えて、モータハウジング接続路13bを流れる空気も冷却することができる。したがって、冷却水によって冷却された空気を、モータハウジング接続路13b、第2インペラハウジング接続路102、及び第2吸入口40を介して第2インペラ室41に吸入することができる。冷却水により冷却された空気は、冷却されていない空気と比較して、密度が小さい。つまり、第2インペラ室41に吸入される前に空気が冷却されると、第2インペラ室41に吸入される空気の質量が増大する。したがって、第2インペラ62は、冷却されていない空気を圧縮する場合と比較して、より大きな質量の空気を圧縮できる。その結果、第2インペラ62の回転に伴う空気の圧縮効率を向上させることができる。
【0084】
(3)例えば、冷却媒体路13aを一つのハウジング部材で構成する場合、このようなハウジング部材を製造するためには、中子を使用する鋳造方式で製造する必要がある。中子を使用する製造方法は、中子を使用しない製造方法に比べて、製造コストが嵩む。そこで、冷却媒体路13aは、第1モータハウジング14と第2モータハウジング15との間に冷却水が流れるように画定されている。冷却媒体路13aを画定する第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15の各々は、中子を使用する鋳造方式で製造する必要がない。つまり、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15を有するモータハウジング10aにおいては、中子を使用しない製造方法により、冷却媒体路13aを形成することが可能である。この結果、上記の構成は、製造コストを抑えつつ、モータハウジング10aに冷却媒体路13aを形成できる。
【0085】
(4)第3吸入口401bは、モータハウジング接続路13bを流れた空気を回転軸50の軸方向に吸入する。ガイド部19dは、第3吸入口401bから回転軸50の軸方向に吸入された空気を第2吸入口40に近づくように回転軸50の径方向にガイドする。さらに、ガイド部19dは、回転軸50の径方向に流れる空気を第2吸入口40に向けてさらに回転軸50の軸方向にガイドする。この結果、ガイド部19dによる空気のガイドは、空気が流向を変化させる際に渦を巻くことを抑制できる。したがって、第2インペラハウジング10cがガイド部19dを有することにより、第3吸入口401bから第2吸入口40に向かって流れる空気の圧力損失を低減できるため、第2インペラ62の回転に伴う空気の圧縮効率を向上させることができる。
【0086】
(5)例えば、一つのハウジング部材により、第3吸入口401bから第2吸入口40まで空気が流れる流路を形成する場合を考える。ここで、第2吸入口40は、第2インペラ室41から回転軸50の軸方向に延びている。第3吸入口401bから第3吐出口401cまでの流路は、第2吸入口40よりも回転軸50の径方向の外側で、モータハウジング接続路13bから回転軸50の軸方向に延びている。つまり、空気が第3吐出口401cから第2吸入口40へと流れる流路は、回転軸50の径方向に延びている。このような、第3吸入口401bから第3吐出口401cへの流路、及び、第3吐出口401cから第2吸入口40への流路が形成されているハウジング部材を製造するためには、中子を使用する鋳造方式で製造しないといけなくなる場合があるため、製造コストが嵩む虞がある。
【0087】
そこで、第2インペラハウジング10cは、第2インペラハウジング基部12aと、第2インペラハウジング蓋部19と、を有している。第2インペラハウジング基部12aには、第2吸入口40及び、第3吸入口401bと第3吐出口401cとを接続する流路が形成されている。第2インペラハウジング蓋部19は、第2インペラハウジング基部12aが有する面のうち、第3吐出口401cが開口している面に連結されている。これにより、第2インペラハウジング蓋部19は、第2吸入口40の一端側における開口、及び第3吐出口401cによる開口を閉塞する。そして、第2インペラハウジング蓋部19と第2インペラハウジング基部12aとの間に、ガイド部19d及び第2インペラハウジング基部12aにより画定される、第3吐出口401cと第2吸入口40とを接続する流路が形成されている。これによれば、一つのハウジング部材により、第3吸入口401bから第2吸入口40まで空気が流れる流路を形成する場合のように、中子を使用する鋳造方式で製造しないといけなくならずに済むため、製造コストが嵩むことを回避することができる。
【0088】
(6)インバータ65は、ハウジング外面10eに設けられている。つまり、冷却媒体路13aを流れている冷却水は、モータ20、接続路70を流れている空気、及びインバータ65を冷却できる。つまり、接続路70をハウジング10の内部に形成するとともに、インバータ65をハウジング10の外面に設けている構成は、遠心圧縮機100を小型化しつつ、単一の冷却媒体路13aによりモータ20、接続路70を流れている空気、及びインバータ65を同時に冷却できる。この結果、遠心圧縮機100は、大型化を抑制しつつも、第2インペラ62による圧縮効率を向上できることに加え、遠心圧縮機100の動作の際に発生する熱を効率良く放熱できる。
【0089】
(7)第1モータハウジング14の外周面には、周壁14bの外周面に沿って延びる環状のフィン14dが複数形成されている。このため、冷却媒体路13aを流れている冷却水は、各フィン14dに沿って、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15の周方向に流れる。このため、第1モータハウジング14、第2モータハウジング15、及びインバータハウジング66と効率良く熱交換できる。つまり、冷却水は、各フィン14dに沿って流れることにより、モータ20、冷却媒体路13aを流れている空気、及びインバータ65を効率よく冷却できる。ここで、例えば、冷却媒体路13a内に第1モータハウジング14の周壁14bの外周面に沿って延びる環状のフィン14dを突出させ、且つ、ハウジング10の内部に接続路70が形成されている構成を一つのハウジング部材で構成することを考える。このようなハウジング部材を製造するためには、中子を使用する鋳造方式で製造する必要があるため、製造コストが嵩む。そこで、本実施形態では、第1モータハウジング14は、第2モータハウジング15とは別部材として形成されている。これによれば、第1モータハウジング14及び第2モータハウジング15のそれぞれを、中子を使用する鋳造方式で製造する必要が無い。したがって、製造コストを抑えつつ、冷却媒体路13a内に第1モータハウジング14の周壁14bの外周面に沿って延びる環状のフィン14dを突出させ、且つ、ハウジング10の内部に接続路70が形成されている構成を達成することができる。
【0090】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0091】
○ 第2インペラハウジング蓋部19の対向面19bには、ガイド部19dが形成されていなくてもよい。この場合、例えば、第2インペラハウジング基部12aの軸方向端面12dに、回転軸50の径方向に延びる凹部が形成されており、当該凹部がガイド部19dとして機能していてもよい。つまり、第2インペラハウジング基部12aがガイド部19dを有していてもよい。
【0092】
○ 第2インペラハウジング10cは、第2インペラハウジング蓋部19を備えていなくてもよい。この場合、第2インペラハウジング10cは、第2インペラハウジング基部12aと第3プレート18とにより形成されている。また、この場合、第1軸路401と第2吸入口40とは、軸方向端面12dにおいて開口せずに、第2インペラハウジング基部12aの内部を通って接続している。つまり、この場合、第2インペラハウジング10cは、第3吐出口401cを備えなくてもよい。
【0093】
○ 第2インペラハウジング基部12aには、第2軸路402が形成されていなくてもよい。この場合、第2吸入口40は、径路403と直接接続している。
○ モータハウジング10aは、第1モータハウジング14と第2モータハウジング15とを備えなくてもよい。つまり、モータハウジング10aは、一つのハウジング部材からなっていてもよい。この場合、冷却媒体路13aは、ハウジング10の内部に形成される。
【0094】
○ 冷却媒体路13aは、回転軸50の径方向において、モータ20と、モータハウジング接続路13bとの間に設けられていなくてもよい。
○ 遠心圧縮機100は、冷却媒体路13aを備えていなくてもよい。
【0095】
○ 遠心圧縮機100は、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面に螺旋状に延びる薄板のフィンが1つ設けられている構成であってもよい。
○ 第1モータハウジング14の周壁14bの外周面にフィンが設けられていなくてもよい。この場合は、冷却媒体路13aを流れる冷却水は、第1モータハウジング14の周壁14bの外周面に沿って周壁14bの軸方向に流れてもよい。
【0096】
○ 冷却媒体路13aを流れる冷却媒体は、冷却水以外であってよく、例えば、冷媒であってもよいし、空気であってもよい。
○ インバータ65は、ハウジング外面10eに設けられていなくてもよい。
【0097】
○ 遠心圧縮機100が圧縮する流体としては、空気に限らない。したがって、遠心圧縮機100の適用対象及び圧縮対象の流体は任意である。例えば、遠心圧縮機100は空調装置に用いられていてもよく、圧縮対象の流体は冷媒であってもよい。また、遠心圧縮機100の搭載対象は、車両に限られず任意である。
【符号の説明】
【0098】
10…ハウジング、10a…モータハウジング、10b…第1インペラハウジング、10c…第2インペラハウジング、12a…第2インペラハウジング基部、13a…冷却媒体路、13b…モータハウジング接続路、14…第1モータハウジング、14c…モータ室、15…第2モータハウジング、19…第2インペラハウジング蓋部、19d…ガイド部、20…モータ、35…第1吸入口、36…第1インペラ室、39…第1吐出口、40…第2吸入口、41…第2インペラ室、44…第2吐出口、50…回転軸、51…ロータ、52…ステータ、61…第1インペラ、62…第2インペラ、70…接続路、100…遠心圧縮機、101…第1インペラハウジング接続路、102…第2インペラハウジング接続路、401b…第3吸入口、401c…第3吐出口。
図1
図2
図3
図4
図5