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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008846
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】盤用熱交換ユニット
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/00 20060101AFI20250109BHJP
   F28F 1/04 20060101ALI20250109BHJP
   H02B 1/56 20060101ALN20250109BHJP
   H05K 7/20 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
F28D7/00 A
F28F1/04
H02B1/56 B
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111407
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 陵二
(72)【発明者】
【氏名】澤井 浩司
【テーマコード(参考)】
3L103
5E322
5G016
【Fターム(参考)】
3L103AA31
3L103BB19
3L103CC22
3L103DD15
3L103DD52
5E322AB04
5E322AB06
5E322AB11
5E322BA01
5E322BA05
5E322BB03
5G016CG18
(57)【要約】
【課題】盤用熱交換ユニットの管理の手間などを抑制できるようにすること。
【解決手段】第一通風路と第二通風路を備える直方体状の熱交換部材2を複数備える盤用熱交換ユニット1であって、前記熱交換部材のうちの二つ以上が、第一の面に第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部を備え、第一の面の反対側に位置する第二の面12に第一通風路に繋がる開口部12aを備え、第一の面に対して垂直をなすように広がる第三の面13に第二通風路に繋がる開口部13bを備え、第三の面の反対側に位置する第四の面に第二通風路に繋がる開口部を備え、第一の面に備えられた第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部が、第五の面15と第六の面が並ぶ方向に向けて交互に配置された熱交換部材であり、前記熱交換部材どうしの連結態様を変えることで、通気経路を変更可能な構成とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一通風路と第二通風路を備える直方体状の熱交換部材を複数備える盤用熱交換ユニットであって、
前記熱交換部材のうちの二つ以上が、
第一の面に第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部を備え、
第一の面の反対側に位置する第二の面に第一通風路に繋がる開口部を備え、
第一の面に対して垂直をなすように広がる第三の面に第二通風路に繋がる開口部を備え、
第三の面の反対側に位置する第四の面に第二通風路に繋がる開口部を備え、
第一の面に備えられた第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部が、第五の面と第六の面が並ぶ方向に向けて交互に配置された熱交換部材であり、
前記熱交換部材どうしの連結態様を変えることで、通気経路を変更可能な盤用熱交換ユニット。
【請求項2】
複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、
一方の熱交換部材の第一通風路と他方の熱交換部材の第二通風路とを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材の第二通風路と他方の熱交換部材の第一通風路とを組み合わせた連結態様で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能であり、
かつ、
一方の熱交換部材の第一通風路と他方の熱交換部材の第一通風路とを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材の第二通風路と他方の熱交換部材の第二通風路とを組み合わせた連結態様でも熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能である請求項1に記載の盤用熱交換ユニット。
【請求項3】
複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、
一方の熱交換部材の第一の面と、他方の熱交換部材の第一の面と、が対向するように連結された状態で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能である請求項1に記載の盤用熱交換ユニット。
【請求項4】
熱交換部材に、他の熱交換部材と連結する場合に係合させる連結係合部を備えた請求項2又は3に記載の盤用熱交換ユニット。
【請求項5】
複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、
連結係合部となる爪部と、弾性変形可能な弾性部材と、を備え、
一方の熱交換部材の爪部と他方の熱交換部材の爪部の係合がされた連結態様において弾性変形した弾性部材が復元しようとする復元力により、一方の熱交換部材の爪部と他方の熱交換部材の爪部の係合が解除されることを抑制可能である
請求項4に記載の盤用熱交換ユニット。
【請求項6】
複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、
複数の連結係合部を備え、
連結された状態において、一方の熱交換部材の連結係合部の一つが他方の熱交換部材の連結係合部と対向する向きと、一方の熱交換部材の他の連結係合部の少なくとも一つが他方の熱交換部材の連結係合部と対向する向きが、逆となるように構成された
請求項4に記載の盤用熱交換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤用熱交換ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
分電盤や配電盤などの盤の熱交換に利用される熱交換器の構成要素として盤用熱交換ユニットが知られている。盤用熱交換ユニットは、特許文献1に開示されているようなパイプ式(一方の通風路が筒状に構成されるもの)と、特許文献2に開示されているようなプレート式がある。盤用熱交換ユニットは、求められる冷却能力にあわせて、パイプ式とプレート式のいずれを採用するのかが選択されていた
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-310924号公報
【特許文献2】特開昭61-175781号公報
【0004】
ところで、盤用熱交換ユニットの熱交換部材は、パイプ式専用のものとプレート式専用のものが作られており、パイプ式にもプレート式にも利用可能な熱交換部材は開発されていなかった。このようなこともあり、盤用熱交換ユニットは種類が多く存在することになり、管理などが手間であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、盤用熱交換ユニットの管理の手間などを抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第一通風路と第二通風路を備える直方体状の熱交換部材を複数備える盤用熱交換ユニットであって、前記熱交換部材のうちの二つ以上が、第一の面に第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部を備え、第一の面の反対側に位置する第二の面に第一通風路に繋がる開口部を備え、第一の面に対して垂直をなすように広がる第三の面に第二通風路に繋がる開口部を備え、第三の面の反対側に位置する第四の面に第二通風路に繋がる開口部を備え、第一の面に備えられた第一通風路に繋がる開口部と第二通風路に繋がる開口部が、第五の面と第六の面が並ぶ方向に向けて交互に配置された熱交換部材であり、前記熱交換部材どうしの連結態様を変えることで、通気経路を変更可能な盤用熱交換ユニットとする。
【0007】
また、複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、一方の熱交換部材の第一通風路と他方の熱交換部材の第二通風路とを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材の第二通風路と他方の熱交換部材の第一通風路とを組み合わせた連結態様で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能であり、かつ、一方の熱交換部材の第一通風路と他方の熱交換部材の第一通風路とを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材の第二通風路と他方の熱交換部材の第二通風路とを組み合わせた連結態様でも熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能であるようにするのが好ましい。
【0008】
また、複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、一方の熱交換部材の第一の面と、他方の熱交換部材の第一の面と、が対向するように連結された状態で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能であるようにするのが好ましい。
【0009】
また、熱交換部材に、他の熱交換部材と連結する場合に係合させる連結係合部を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、連結係合部となる爪部と、弾性変形可能な弾性部材と、を備え、一方の熱交換部材の爪部と他方の熱交換部材の爪部の係合がされた連結態様において弾性変形した弾性部材が復元しようとする復元力により、一方の熱交換部材の爪部と他方の熱交換部材の爪部の係合が解除されることを抑制可能である構成とすることが好ましい。
【0011】
また、複数の熱交換部材のうちの何れか二つは、複数の連結係合部を備え、連結された状態において、一方の熱交換部材の連結係合部の一つが他方の熱交換部材の連結係合部と対向する向きと、一方の熱交換部材の他の連結係合部の少なくとも一つが他方の熱交換部材の連結係合部と対向する向きが、逆となるように構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、盤用熱交換ユニットの管理の手間などを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の盤用熱交換ユニットに用いる熱交換部材の斜視図である。
図2図1に示す熱交換部材を図1と異なる方向から見た斜視図である。
図3図1に示す熱交換部材を図1及び図2と異なる方向から見た斜視図である。
図4図1のA-A断面図である。
図5図1に示す熱交換部材を組み合わせて盤用熱交換ユニットを構成した例を示す図である。ただし、第一通風路と第二通風路がつながるように組み合わされている。
図6図5に示す盤用熱交換ユニットの分解斜視図である。
図7図1に示す熱交換部材を組み合わせて盤用熱交換ユニットを構成した例を示す図である。ただし、第一通風路どうし及び第二通風路どうしがつながるように組み合わされている。
図8図1に示す熱交換部材二つの間に別の形態の熱交換部材が介在するように組み合わせて盤用熱交換ユニットを構成した例を示す図である。
図9図8に示す盤用熱交換ユニットの分解斜視図である。
図10図1に示す熱交換部材を四つ組み合わせて盤用熱交換ユニットを構成した例を示す図である。
図11】盤の筐体にパイプ式の盤用熱交換ユニットを取り付けた例を示す図である。ただし、盤の筐体内部に配置された盤用熱交換ユニットで温度調整される空気の流れと、前記空気を温度調整するために盤の筐体外から導入される空気の流れを矢印で表している。
図12図10に示す盤用熱交換ユニットの正面図である。
図13図12のB-B断面図である。
図14図12に示す盤用熱交換ユニットを利用する場合における、盤の外部から盤用熱交換ユニットに導入される空気の流れを示す図である。ただし破線で空気の流れを表している。
図15図12のC-C断面図である。
図16図12に示す盤用熱交換ユニットを利用する場合における、盤の内部から盤用熱交換ユニットに導入される空気の流れを示す図である。ただし破線で空気の流れを表している。
図17】盤の筐体にプレート式の盤用熱交換ユニットを取り付けた例を示す図である。ただし、盤の筐体外部に配置された盤用熱交換ユニットで温度調整される空気の流れと、前記空気を温度調整するために盤の筐体外から導入される空気の流れを矢印で表している。
図18図5に示す盤用熱交換ユニットの正面図である。
図19図18のD-D断面図である。
図20図18に示す盤用熱交換ユニットを利用する場合における、盤の外部から盤用熱交換ユニットに導入される空気の流れを示す図である。ただし破線で空気の流れを表している。
図21図18のE-E断面図である。
図22図18に示す盤用熱交換ユニットを利用する場合における、盤の内部から盤用熱交換ユニットに導入される空気の流れを示す図である。ただし破線で空気の流れを表している。
図23】ベースを備えた盤用熱交換ユニットの例を示す斜視図である。
図24図23に示す盤用熱交換ユニットを図23とは異なる方向から見た斜視図である。
図25図23に示す盤用熱交換ユニットの分解斜視図である。
図26】実施形態におけるベースの斜視図である。
図27】パイプを規制部に当接した状態において構成された溜め部に接着剤を溜める例を表すイメージ図である。
図28】実施形態におけるベースの部分拡大図である。
図29図28に示す例とは異なるベースの部分拡大図である。
図30】二つの盤用熱交換ユニットを連結した例を示す図である。
図31図30に示す例とは異なる態様で二つの盤用熱交換ユニットを連結した例を示す図である。
図32図30に示す状態におけるF-F断面の係合部周りの拡大図である。
図33図30に示す状態におけるG-G断面の係合部周りの拡大図である。
図34図23とは異なる盤用熱交換ユニットの例を示す斜視図である。
図35図34に示す盤用熱交換ユニットを図34とは異なる方向から見た斜視図である。
図36図34に示す盤用熱交換ユニットを連結する前の係合部の状態と連結した後の係合部の状態を表した図である。ただし、(a)が連結する前の係合部の状態をH-H矢視図で表しており、(b)が連結した後の状態をH-H矢視図で表している。
図37図34に示す盤用熱交換ユニットを連結する前の係合部の状態と連結した後の係合部の状態を表した図である。ただし、(a)が連結する前の係合部の状態をJ-J矢視図で表しており、(b)が連結した後の状態をJ-J矢視図で表している。
図38図35に「係合部の一つが他方のベースの係合部と貫通方向に対向する向き」を矢印で付した図である。
図39】ベースにパイプを固定して構成した組立体どうしを、組み合わせて盤用熱交換ユニットを構成する例を表す図である。ただし、一方の組立体のパイプとパイプの間に別の組立体のパイプが挟み込まれるようにして盤用熱交換ユニットを構成している。
図40図39に示す状態から、連結部材を取り外した分解斜視図である。
図41図39に示す盤用熱交換ユニットの連結部材周りをK-K矢視図で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。実施形態の盤用熱交換ユニット1は、第一通風路10aと第二通風路10bを備える直方体状の熱交換部材2を複数備えている。この盤用熱交換ユニット1は、前記熱交換部材2のうちの二つ以上が、第一の面11に第一通風路10aに繋がる開口部11aと第二通風路10bに繋がる開口部11bを備え、第一の面11の反対側に位置する第二の面12に第一通風路10aに繋がる開口部12aを備え、第一の面11に対して垂直をなすように広がる第三の面13に第二通風路10bに繋がる開口部13bを備え、第三の面13の反対側に位置する第四の面14に第二通風路10bに繋がる開口部14bを備え、第一の面11に備えられた第一通風路10aに繋がる開口部11aと第二通風路10bに繋がる開口部11bが、第五の面15と第六の面16が並ぶ方向に向けて交互に配置された熱交換部材2である。また、前記熱交換部材2どうしの連結態様を変えることで、通気経路を変更可能である。このため、盤用熱交換ユニット1の管理の手間などを抑制することが可能となる。
【0015】
ここで盤用熱交換ユニット1の構成要素となる熱交換部材2について説明をする。熱交換部材2は第一通風路10aと第二通風路10bを備えている。盤用熱交換ユニット1は、第一通風路10aを通る空気と第二通風路10bを通る空気の温度差を利用して、目的とする空気の温度調整がなされる構成となっている。より詳しくは、盤用熱交換ユニット1は、第一通風路10aと第二通風路10bを分ける伝熱部材を介して熱が伝達されることを利用して、目的とする空気の温度調整がなされる構成となっている。
【0016】
図1から図3に示すことから理解されるように、実施形態の熱交換部材2は、直方体状であり、六つの面のうちの四つの面が第一通風路10a又は第二通風路10bへの空気の出入りに利用されるが、二つの面は第一通風路10a又は第二通風路10bへの空気の出入りに利用されない。また、第一通風路10aは第一の面11と、第一の面11の反対側に位置する第二の面12を介して空気の出入りがなされるように構成されている(図4参照)。この例では、第一通風路10aは第一の面11から第二の面12にまっすぐ延びるものであるが、第一の面11と第二の面12の間を蛇行するように構成してもよい。いずれにせよ、第一通風路10aへの空気の出入りは、第一の面11と第二の面12でのみ行われ、第三の面13から第六の面16まででは行われない。より具体的には、第一通風路10aへの空気の出入りは、第一の面11に設けられた開口部11aと第二の面12に設けられた開口部12aでのみ行われる。
【0017】
一方、第二通風路10bへの空気の出入りは、第一の面11と、第一の面11に対して垂直をなすように広がる第三の面13と、第三の面13の反対側に位置する第四の面14の何れか二つ以上の面でなされる。このため、第一の面11に第二通風路10bに繋がる開口部11b備え、かつ、第三の面13に第二通風路10bに繋がる開口部13b備え、かつ、第四の面14に、第二通風路10bに繋がる開口部14bを備えている。
【0018】
したがって、第一の面11には第一通風路10aに繋がる開口部11aと第二の面12に繋がる開口部11bの双方を備えている。また、図3及び図4に示す熱交換部材2の第一の面11では、第一通風路10aに繋がる開口部11aと第二の面12に繋がる開口部11bが交互に位置するように並んでいる。より詳しくは、図3及び図4に示す熱交換部材2の第一の面11では、第一通風路10aに繋がる開口部11aと第二通風路10bに繋がる開口部11bが、第五の面15と第六の面16が並ぶ方向に向けて交互に配置されている。なお、同じ面に第一通風路10aに繋がる開口部と第二の面12に繋がる開口部の双方を備えているのは第一の面11だけである。
【0019】
また、第二の面12には第一通風路10aに繋がる開口部12aを備えているが、第二通風路10bに繋がる開口部は備えていない。また、第三の面13には第二通風路10bに繋がる開口部13bを備えているが、第一通風路10aに繋がる開口部は備えていない。第四の面14についても、第三の面13と同様、第二通風路10bに繋がる開口部14bを備えているが、第一通風路10aに繋がる開口部は備えていない。
【0020】
盤用熱交換ユニット1は、熱交換部材を複数備えているが、上記した構成の熱交換部材2どうしを組み合わせて利用することできるし、上記した構成の熱交換部材2に他の構成の熱交換部材を組み合わせて利用することもできる。いずれにせよ、適切に組み合わせることができるようにするためにも、熱交換部材に、他の熱交換部材と連結する場合に係合させる連結係合部28を備えた構成とするのが好ましい。
【0021】
ここで、上記した構成の熱交換部材2を二つ組み合わせて利用する例について説明をする。図5に示す例では、一方の熱交換部材2の第一の面11と、他方の熱交換部材2の第一の面11と、が対向するように連結されているが(図6参照)、一方の熱交換部材2の第一通風路10aと他方の熱交換部材2の第二通風路10bがつながるように組み合わされている。また、一方の熱交換部材2の第二通風路10bと他方の熱交換部材2の第一通風路10aについてもつながるように組み合わされている。この場合、プレート式の盤用熱交換ユニット1として利用することができる。なお、このような組み合わせを適切に行うことができるように熱交換部材2には連結係合部28となる凹部や凸部を備えている。
【0022】
一方の熱交換部材2の第一の面11と、他方の熱交換部材2の第一の面11と、が対向するように連結する場合でも、図5に示す例のように組み合わせることに限らない。図7に示す例では、一方の熱交換部材2の第一の面11と、他方の熱交換部材2の第一の面11と、が対向するように連結されているが、一方の熱交換部材2の第一通風路10aと他方の熱交換部材2の第一通風路10aがつながるように組み合わされている。また、一方の熱交換部材2の第二通風路10bと他方の熱交換部材2の第二通風路10bについてもつながるように組み合わされている。この場合、パイプ式の盤用熱交換ユニット1として利用することができる。このような組み合わせについても適切に行うことができるように、熱交換部材2には連結係合部28を備えている。
【0023】
これらの記載から理解されるように、盤用熱交換ユニット1の複数の熱交換部材2のうちの何れか二つは、一方の熱交換部材2の第一の面11と、他方の熱交換部材2の第一の面11と、が対向するように連結された状態で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能であるのが好ましい。
【0024】
また、盤用熱交換ユニット1の複数の熱交換部材2のうちの何れか二つは、「一方の熱交換部材2の第一通風路10aと他方の熱交換部材2の第二通風路10bとを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材2の第二通風路10bと他方の熱交換部材2の第一通風路10aとを組み合わせた連結態様で熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能」であり、かつ、「一方の熱交換部材2の第一通風路10aと他方の熱交換部材2の第一通風路10aとを組み合わせるとともに、一方の熱交換部材2の第二通風路10bと他方の熱交換部材2の第二通風路10bとを組み合わせた連結態様でも熱交換機能を発揮可能な通気経路を構成可能」であるのが好ましい。
【0025】
また、上記した構成の熱交換部材2と他の構成の熱交換部材を組み合わせた例についても説明をする。図8に示す例では、上下に三つ熱交換部材が並んでいるが(図9参照)、両端に位置する熱交換部材2は上記した構成の熱交換部材2であるが、中間に位置する熱交換部材2Aは上記した構成の熱交換部材2とは異なる構成となっている。中間に位置する熱交換部材2Aは上下に位置する熱交換部材2を繋ぐ役割を担うように構成されており、その上部に位置する面は、上方に位置する熱交換部材2の第一の面11の第一通風路10aに繋がる開口部を備えるとともに、第二通風路10bに繋がる開口部を備えている。また、その下部に位置する面については、下方に位置する熱交換部材2の第一の面11の第一通風路10aに繋がる開口部を備えるとともに、第二通風路10bに繋がる開口部を備えている。この場合、プレート式の盤用熱交換ユニット1として利用することができる。
【0026】
これまでの例では、第一の面11と第二の面12が向かい合う方向に熱交換部材2を組み合わせているが、第一の面11と第二の面12が向かい合う方向と直交するように熱交換部材2を組み合わせてもよい。図10に示す例では上記した構成の熱交換部材2だけを四つ用意し、各々の熱交換部材2の第一の面11と第二の面12が向かい合う方向と、第一の面11と第二の面12が向かい合う方向と直交する方向の各々に別の熱交換部材2が隣り合うように組み合わせている。この場合、パイプ式の盤用熱交換ユニット1として利用することができる。
【0027】
ここで、図10に示す構成の盤用熱交換ユニット1の利用形態について説明をする。例えば、図11に示すように、盤8の筐体の内部に盤用熱交換ユニット1を配置する。盤8の筐体の内部空気の温度調整をするために盤8の筐体の外側から空気を導入し、熱交換を行う。盤8の筐体の外側から導入された空気は熱交換が終わったら、盤8の筐体の外部に排出される。盤用熱交換ユニット1は主に、盤8の内部の空気を冷却するために利用される。
【0028】
図11に示す例では、盤8の内部の空気を盤用熱交換ユニット1の熱交換部材2に通し、盤8の外から熱交換部材2の周りに空気を送ることで、熱交換部材2の内部を通過する空気を冷却する。空気を熱交換部材2の内部に通過させるための送風機71と外部の空気を盤用熱交換ユニット1に向けて送る送風機72は必要にあわせて動かしてもよいし、常時動いているようにしてもよい。なお、盤用熱交換ユニット1に向けて送風機72から送られた空気は、熱交換部材2の周りを通過した後、盤8の外に送り出される。
【0029】
盤8の筐体の外側から導入された空気は第二通風路10bに導入されるが、図12及び図13に示すことから理解されるように、上下方向に並ぶ熱交換部材2の第二通風路10bどうしがつながるように組み合わされているし、水平方向に並ぶ熱交換部材2の第二通風路10bどうしがつながるように組み合わされている。ただし、このままでは、外部からもたらされた熱交換用の空気が盤8の筐体の内部空気と混じりあってしまうため、一部を閉塞部材88で覆うなどして、盤用熱交換ユニット1における第二通風路10bを用いた通気経路の入口と出口を限定する(図14参照)。
【0030】
一方、図12及び図15に示すことから理解されるように、第一通風路10aは上下方向に並ぶ熱交換部材2の第一通風路10aどうしがつながるように組み合わされているが、水平方向に並ぶ熱交換部材2の第一通風路10aどうしがつながらないように組み合わされている。このため、盤8の筐体の内側の空気は、上下方向に延びる通気経路を移動する(図16参照)。図11に示す例では、盤8の筐体の内側の空気が第一通風路10aを下から上に移動しているが、この逆に移動させてもよい。ただし、この場合、第二通風路10bを移動する方向も図11に示す例とは逆にするのが好ましい。その方が、熱交換が効率的に行われやすいからである。
【0031】
図10に示すような例に限らず、図7に示す例やその他の場合であっても、パイプ式を採用する場合は、同様に構成すればよい。ただし、プレート式を採用する場合は、パイプ式とは同じ構成とはならないため、次にプレート式を採用する例について説明をする。
【0032】
例えば、図17に示すように、盤8の筐体の外側に盤用熱交換ユニット1を配置する。盤8の筐体の内部空気の温度調整をするために、送風機71を用いて、盤8の筐体の内部の空気を盤8の筐体の外側に導出し、盤用熱交換ユニット1で熱交換を行う。盤8の筐体の内側から盤用熱交換ユニット1に導入された空気は熱交換が終わったら、盤8の筐体の内部に戻される。一方、盤8の筐体の内部空気の温度調整をするために、送風機72を用いて、盤8の筐体の外側から盤用熱交換ユニット1に空気を導入し、熱交換を行う。盤8の筐体の外側から盤用熱交換ユニット1に導入された空気は熱交換が終わったら、盤用熱交換ユニット1から盤8の筐体の外部に排出される。
【0033】
例えば図5に示す例の盤用熱交換ユニット1を採用するとする。次の例では、盤8の筐体の外側から導入された空気は盤用熱交換ユニット1の下方から導入され、上部側から排出されるとする。この例では、盤8の筐体の外側から導入された空気は下部側の熱交換部材2の第一通風路10aに導入されるが、この第一通風路10aは上部側に位置する熱交換部材2の第二通風路10bに繋がるため(図18及び図19参照)、熱交換に利用した空気の排出は、上部側に位置する熱交換部材2の第二通風路10bからなされることになる。ただし、このままでは、外部からもたらされた熱交換用の空気が盤8の筐体の内部空気と混じりあってしまうため、一部を閉塞部材88で覆うなどして、盤用熱交換ユニット1における第二通風路10bを用いた通気経路の入口と出口を限定する(図20参照)。
【0034】
一方、盤8の筐体の内部の空気は盤用熱交換ユニット1の上部側から導入され、下部側から排出されるとする。この例では、盤8の筐体の内部の空気は上部側の熱交換部材2の第一通風路10aに導入されるが、この第一通風路10aは下部側に位置する熱交換部材2の第二通風路10bに繋がるため(図18及び図21参照)、熱交換された空気は、下部側に位置する熱交換部材2の第二通風路10bからなされることになる(図22参照)。この例においても、通気方向は逆にしても構わない。
【0035】
ところで、ここまでは熱交換部材2は密着するように組み合わせる例について説明をしたが、異なる態様とすることも可能である。例えば、熱交換部材2を間隔をあけて取り付けることができるベース3を備えた盤用熱交換ユニット1とする。図23及び図24においては、一つの熱交換部材2の両端に各々別のベース3が接続されるように構成されている。図23及び図24に示す例においては、熱交換部材2の第一の面11と第二の面12にベース3が接続されている。
【0036】
ここで、ベース3を備えた盤用熱交換ユニット1の概略構成を説明する。実施形態の盤用熱交換ユニット1は、複数の熱交換部材2の一端側にベース3が接続されているとともに、熱交換部材2の他端側に別のベース3が接続されている。図23から図25に示す例では、直方体状の熱交換部材2が一列に並んだ状態で、二つのベース3に挟まれている。なお、この例においては熱交換部材2の両端に位置するベース3の形状は同一であるが、必ずしも同一である必要はない。
【0037】
各々のベース3には貫通穴31が備えられており、盤用熱交換ユニット1は、一方のベース3に設けられた貫通穴31を通った空気が熱交換部材2に流れ込み、熱交換部材2から出た空気は他方のベース3に備えられた貫通穴31を通して盤用熱交換ユニット1の外に流されることになる。
【0038】
熱交換部材2とベース3はしっかりと固定されていることが好ましいが、熱交換部材2とベース3の固定の容易性の確保も重要である。実施形態においては、熱交換部材2をベース3に適切な長さ分挿入することができるようにするため、熱交換部材2の貫通穴31は、熱交換部材2がベース3を貫通しないように構成している。このような構成とするために、貫通穴31について、貫通方向に対して垂直に切った断面が、一律とならないように構成している(図26参照)。
【0039】
図26に示す貫通穴31は、熱交換部材2が差し込まれると熱交換部材2の端面22がベース3と当接することにより、それ以上深く熱交換部材2を差し込めないように規制している(図26及び図27参照))。つまり、貫通穴31に熱交換部材2の挿入深さを規制する規制部32を備える構成としている。
【0040】
図26に示す規制部32は貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に延びる面を構成することで構成されているが、貫通方向に対して斜めに延びる面で規制部32を構成するなど、規制部32に他の構成を採用してもよい。ただし、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に延びる面が規制部32となるように構成すれば、規制部32が熱交換部材2の端面22に当接することで熱交換部材2の挿入深さを規制することができるため、熱交換部材2の太さに影響されることなく、熱交換部材2の挿入深さを定めることができる。
【0041】
図26から図28に示す例では熱交換部材2の端面22に当接する規制部32を備えている。また、この例では、規制部32は、熱交換部材2の全周にわたって端面22と接することができるように構成されている。なお、規制部32は熱交換部材2の端面22の全周にわたって接することができるように構成されていなくてもよい。図29に示す例では、規制部32は熱交換部材2の端面22に対して断続的に接するように構成されている。
【0042】
熱交換部材2の挿入深さを規制する方法は、熱交換部材2側にベース3に引っ掛かる突部などを設けるようにしてもよいのだが、安全面などを考慮すると、熱交換部材2に突部などを設けるよりも、貫通穴31に規制部32を設ける方が好ましい。
【0043】
また、貫通穴31の一部の断面を熱交換部材2の断面と同様にすれば、熱交換部材2を貫通穴31に差し込んだだけで、熱交換部材2とベース3が固定されるようにすることもできる。また、上記した構成にしなくても、ベース3を複数個所で熱交換部材2と当接可能な構成とすることで、熱交換部材2を貫通穴31に差し込んだだけで、熱交換部材2とベース3が固定されるように構成することはできる。ただし、熱交換部材2とベース3の寸法が全て想定通りに製作できるとは限らないため、熱交換部材2とベース3は接着剤91などを用いて結合できるようにすることが好ましい(図27参照)。
【0044】
実施形態では、貫通穴31に熱交換部材2を差し込んだ状態において、熱交換部材2の外周側に凹み部51が設けられることになるように構成している。この凹み部51は熱交換部材2とベース3の双方に接した状態で接着剤91を溜めることができる溜め部として利用することができるため、熱交換部材2とベース3の接着において、接着剤91が拡散してしまうことを抑制できる。したがって、接着作業がしやすくなる。また、接着強度が確保しやすくなる。
【0045】
なお、熱交換部材2とベース3を接着させる接着剤91を溜めることが可能な溜め部はどのようなものであってもよい。ただし、接着剤91を溜める溜め部を複数設けるようにすれば、接着剤91を溜める範囲を抑制することができる。したがって、接着剤91の使用量の抑制も期待できる。なお、熱交換部材2を挿入した貫通穴31の数だけ、溜め部を備える構成とするのがより好ましい。
【0046】
これらの記載から理解されるように、熱交換部材2とベース3を接着させる接着剤91を溜めることが可能な溜め部を複数備えた構成とするのが好ましい。
【0047】
また、熱交換部材2とベース3の間に生じ得る隙間から空気や液体などが流れ込むことなどを抑制するため、熱交換部材2の全周分、接着剤91が設けられていることが好ましい。このためにも凹み部51などの溜め部が熱交換部材2の外周に沿って全周分設けられている構成とすることが好ましい。熱交換部材2の全周分、接着剤91が設けられるようにする場合、接着剤91は環状になる。
【0048】
これらの記載から理解されるように、熱交換部材2の外周に沿って設けられた環状の溜め部に溜められた接着剤91が熱交換部材2の全周に位置する構成とするのが好ましい。
【0049】
ところで、盤用熱交換ユニット1は連結することができるように構成されるのが好ましい。複数の盤用熱交換ユニット1が組み合わされるようにすれば、能力の調整をすることができる。例えば、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に盤用熱交換ユニット1が連結されれば、空気の導入口を増やすことができる(図30及び図31参照)。
【0050】
盤用熱交換ユニット1どうしを、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に連結することができるように、実施形態ではベース3にベース係合部34を備えている。図23及び図24に示す例では、ベース係合部34は、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に延びるように構成されている。また、図23及び図24に示す例では、概略直方体状に構成されたベース3の四面にベース係合部34が設けられており、盤用熱交換ユニット1の四方に、他の盤用熱交換ユニット1を連結することができる。
【0051】
貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に連結することができるようにする場合であっても、盤用熱交換ユニット1の四方から、他の盤用熱交換ユニット1を連結することができるようにしなくてもよい。このため、盤用熱交換ユニット1の四方にベース係合部34を備える構成としなくてもよい。例えば、盤用熱交換ユニット1の一方にのみベース係合部34を備える構成としてもよいし、盤用熱交換ユニット1の二方にのみ若しくは三方にのみベース係合部34を備える構成としてもよい。いずれにせよ、一方のベース3の外周側に備えたベース係合部34と他方のベース3の外周側に備えたベース係合部34が係合した状態で連結できるように構成するのが好ましい。
【0052】
これらの記載から理解されるように、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向にベース3どうしが接続することを可能とするベース係合部34をベース3の外周側に備えた構成とするのが好ましい。
【0053】
図23図30から図33に示す例では、隣り合わせに配置した盤用熱交換ユニット1は、一方の盤用熱交換ユニット1から延びる二つのベース係合部34と、他方の盤用熱交換ユニット1から延びる二つのベース係合部34と、が各々係合している。また、一方の盤用熱交換ユニット1から延びる二つのベース係合部34は、各々他方の盤用熱交換ユニット1から延びるベース係合部34に対して、逆方向に当接するように構成されている。したがって、盤用熱交換ユニット1どうしが分離してしまうことを抑制することが可能となる。
【0054】
また、図23図30から図33に示す例では、二つのベース3が連結された状態において、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が、逆となるように構成されている。
【0055】
なお、この構成を図23に示す上下前後左右の関係を用いた表現で表すとすると、「貫通方向」は上下方向であるが、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」は、上方向と下方向となる。つまり、二つのベース係合部34のうち、一方は組み合わされる盤用熱交換ユニット1の下側に位置するように係合し、他方は組み合わされる盤用熱交換ユニット1の上側に位置するように係合する。したがって、盤用熱交換ユニット1どうしが分離してしまうことを抑制することが可能となる。このような態様を採用する場合であっても、隣の盤用熱交換ユニット1と接するベース係合部34は、二つに限る必要はなく、三つ以上でもよい。
【0056】
これらの記載から理解されるように、ベース3の各々に複数のベース係合部34を備え、二つのベース3が連結された状態において、一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向きと、一方のベース3の他のベース係合部34の少なくとも一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向きが、逆となるように構成されるのが好ましい。
【0057】
なお、図23に示す盤用熱交換ユニット1をベース係合部34を用いて左右方向若しくは前後方向に連結すると、いずれの場合も「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」は上下が逆になる。
【0058】
また、ベース3には弾性部材41が備えられており、盤用熱交換ユニット1どうしが連結した状態において、ベース係合部34どうしが離れることを抑制可能としている。弾性変形した弾性部材41が復元しようとする復元力により、一方のベース3のベース係合部34と他方のベース3のベース係合部34の係合が解除されることを抑制しているからである。
【0059】
図32及び図33に示す例では、各々、一方のベース3に備えられたベース係合部34と他方のベース3に備えられたベース係合部34は、上下逆方向に突出する突出部34aを備えており、各々の突出部34aが噛み合うように係合している。つまり、それらは互いに掛かりあうことができる爪部となる。突出部34aが噛み合う状態を維持するために弾性部材41がベース係合部34に対して水平方向に力をかけるように構成されている。
【0060】
これらの記載から理解されるように、弾性変形可能な弾性部材41を備え、一方のベース3のベース係合部34と他方のベース3のベース係合部34の係合がされた連結態様において弾性変形した弾性部材41が復元しようとする復元力により、一方のベース3のベース係合部34と他方のベース3のベース係合部34の係合が解除されることを抑制可能である構成とするのが好ましい。なお、弾性部材41はパッキンを採用するのが好ましい。
【0061】
ベース係合部34は、このような構成である必要はない。例えば、側方に突出するベース係合部34と、凹みにより構成されたベース係合部34を備えるようにしてもよい(図34及び図35参照)。この例では、側方に延びるベース係合部34を凹状のベース係合部34に収めることができるため(図36及び図37参照)、盤用熱交換ユニット1どうしを連結した場合に、全体の大きさを抑制することができる。なお、図34及び図35に示す例では、二方側にのみベース係合部34が設けられており、ベース係合部34を用いて、貫通穴31の貫通方向と垂直となる方向に連結することは、二方からのみ可能となる。
【0062】
なお、図36に示す例のベース係合部34は連結した状態で前後方向に突起34bが引っかかるため前後方向への移動が抑制され、側方に延びるベース係合部34を凹状のベース係合部34に収めることで、左右方向への移動が抑制される。
【0063】
この例では、図34に示す上側のベース3と下側のベース3はともに、前側において、ベース係合部34が左右方向に並んでいるが、このベース係合部34を他の盤用熱交換ユニット1との連結に用いる場合、上側のベース3の左側のベース係合部34は係合する他の盤用熱交換ユニット1のベース係合部34の下側に位置することになる部分であり、下側のベース3の左側のベース係合部34も係合する他の盤用熱交換ユニット1のベース係合部34の下側に位置することになる部分である。また、上側のベース3の右側のベース係合部34は係合する他の盤用熱交換ユニット1のベース係合部34の上側に位置することになる部分であり、下側のベース3の右側のベース係合部34は係合する他の盤用熱交換ユニット1のベース係合部34の上側に位置することになる部分である。このため、連結された盤用熱交換ユニット1どうしを上下方向に移動して分離することは困難となる。
【0064】
ただし、盤用熱交換ユニット1を回転させるように動かせば、比較的簡単に、盤用熱交換ユニット1どうしを分離することができる。つまり、図34に示す構成は盤用熱交換ユニット1どうしが連結されている状態の解除は、盤用熱交換ユニット1を直線的に動かしてもなすことはできず、盤用熱交換ユニット1を回転させるように動かすことによりなすことができる。
【0065】
なお、図23に示す例においても、ベース3の一面に設けられた二つのベース係合部34が貫通方向と垂直となる方向に並んでおり、「熱交換部材2の一端側に接続されるベース3(例えば下側に位置するベース3)に備えられたベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34に連結された状態における、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」の並び」が、「熱交換部材2の他端側に接続されるベース3(例えば上側に位置するベース3)に備えられたベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34に連結された状態における、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」の並び」と、同様となるように構成されている。したがって、回転させるようにすれば、簡単に、盤用熱交換ユニット1どうしを分離することができる。
【0066】
なお、上記した「並び」について理解しにくい点があるかもしれないため、図面を利用して更に説明をする。図38においては「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」を太矢印で付している。図38において、熱交換部材2の下側に位置するベース3における左前側に位置するベース係合部34は他方のベース3のベース係合部34が上側に位置するように係合し、熱交換部材2の下側に位置するベース3における右前側に位置するベース係合部34は他方のベース3のベース係合部34が下側に位置するように係合する。つまり、下側のベース3においては「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が左から右に向けて「上、下」の順に並ぶ。
【0067】
これに対して、図38において、熱交換部材2の上側に位置するベース3における左前側に位置するベース係合部34は他方のベース3のベース係合部34が上側に位置するように係合し、熱交換部材2の上側に位置するベース3における右前側に位置するベース係合部34は他方のベース3のベース係合部34が下側に位置するように係合する。つまり、上側のベース3においては「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が左から右に向けて「上、下」の順に並ぶ。したがって、上側のベース3のベース係合部34と下側のベース3のベース係合部34は、いずれも「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が左から右に向けて「上、下」の順に並ぶ。
【0068】
一方、回転動作をさせても、外れにくいようにするには、この並びと逆にすればよい。つまり、ベース3の一面に設けられた二つのベース係合部34が貫通方向と垂直となる方向に並んでおり、「熱交換部材2の一端側に接続されるベース3に備えられたベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34に連結された状態における、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」の並び」が、「熱交換部材2の他端側に接続されるベース3に備えられたベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34に連結された状態における、「一方のベース3のベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」と、「一方のベース3の他のベース係合部34が他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」の並び」と、逆となるように構成すればよい。この場合でも、盤用熱交換ユニット1の変形をある程度許容するように構成すれば、盤用熱交換ユニット1どうしの取り付けや取り外しをすることができる。例えば、熱交換部材2やベース3を樹脂を用いて構成すれば、ある程度の変形が許容される構成とすることが可能である。
【0069】
なお、例えば、上側のベース3のベース係合部34について、「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が左から右に向けて「上、下」の順に並べば、下側のベース3のベース係合部34については、「ベース係合部34の一つが他方のベース3のベース係合部34と貫通方向に対向する向き」が左から右に向けて「下、上」の順に並ぶというように構成すればよい。
【0070】
なお、ベース係合部34のような構成は、連結係合部28にも利用することができる。例えば、複数の熱交換部材2のうちの何れか二つは、連結係合部28となる爪部と、弾性変形可能な弾性部材41と、を備え、一方の熱交換部材2の爪部と他方の熱交換部材2の爪部の係合がされた連結態様において弾性変形した弾性部材41が復元しようとする復元力により、一方の熱交換部材2の爪部と他方の熱交換部材2の爪部の係合が解除されることを抑制可能である構成とすることが可能である。この場合、熱交換部材2どうしの連結が外れにくいようにすることが可能となる。
【0071】
また、複数の熱交換部材2のうちの何れか二つは、複数の連結係合部28を備え、連結された状態において、一方の熱交換部材2の連結係合部28の一つが他方の熱交換部材2の連結係合部28と対向する向きと、一方の熱交換部材2の他の連結係合部28の少なくとも一つが他方の熱交換部材2の連結係合部28と対向する向きが、逆となるように構成されてもよい。
【0072】
ここまでに説明したベース3を備える盤用熱交換ユニット1は、一つの熱交換部材2の両端にベース3が当接されている構成であったが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、図39及び図40に示すことから理解される盤用熱交換ユニット1は、一つの熱交換部材2の一端側にだけベース3が当接している。また、熱交換部材2どうしは、端面22が向かい合うように配置されていない。一方のベース3に当接した熱交換部材2と他方のベース3に当接した熱交換部材2が交互に並ぶように配置されて、ひとまとまりとなっている。なお、適切に盤用熱交換ユニット1を利用できるようにするためには、周りを板材で覆うなどして、盤8の内部で循環させる空気と、熱交換のために大量に盤8の外から送られる空気が混じらないようにすればよい。
【0073】
また、この例では熱交換部材2どうしと当接するように連結部材61が取り付けられ、一方のベース3に当接した熱交換部材2と他方のベース3に当接した熱交換部材2が適切に配置されるようにしている。図41に示す例では、連結部材61は、一方のベース3に当接した熱交換部材2どうしの間に差し込まれる第一の嵌合部62を複数備えるとともに、他方のベース3に当接した熱交換部材2どうしの間に差し込まれる第二の嵌合部63を複数備えている。また、第一の嵌合部62と第二の嵌合部63は各々、熱交換部材2の端面22と当接可能に構成されているため、ベース3の間隔を適切に確保することが可能となる。
【0074】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 盤用熱交換ユニット
2 熱交換部材
10a 第一通風路
10b 第二通風路
11 第一の面
11a 開口部
11b 開口部
12 第二の面
12a 開口部
13 第三の面
13b 開口部
14 第四の面
14b 開口部
15 第五の面
16 第六の面
28 連結結合部
41 弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41