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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008894
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】電源装置及び電源装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20250109BHJP
   H02M 3/145 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/145 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111501
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 友哉
(72)【発明者】
【氏名】松田 善秋
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB27
5H730BB57
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE03
5H730EE07
5H730EE08
5H730EE12
5H730FG00
(57)【要約】
【課題】スイッチング素子のストレスを抑制する。
【解決手段】一端が第1端子に接続された第1スイッチング素子と、第1スイッチング素子の他端と第2端子との間に接続された第2スイッチング素子と、一端が第1端子に接続された第3スイッチング素子と、第3スイッチング素子の他端と第2端子との間に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、第1スイッチング素子の他端と第3スイッチング素子の他端との間に接続された第1巻線と、第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、第1巻線に直列接続された第1インダクタと、第2巻線の中間タップと第3端子との間に接続された第2インダクタと、第2巻線の一端と第4端子との間に接続された第5スイッチング素子と、第2巻線の他端と第4端子との間に接続された第6スイッチング素子と、中間タップと第4端子との間に接続された、コンデンサとスイッチとの直列回路と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と第2端子との間に入力される第1電圧を降圧して第3端子と第4端子との間から出力し、前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する電源装置であって、
一端が前記第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、
一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、
前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、
一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が前記第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、
一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、
一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、
一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサとスイッチとの直列回路と、
を含む、
ことを特徴とする、電源装置。
【請求項2】
前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子まで、並びに、前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、
前記第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記スイッチをオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記スイッチをオンし、前記第3スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記スイッチをオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記スイッチをオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記スイッチをオンし、前記第4スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記スイッチをオンする、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記直列回路は、前記コンデンサに逆並列接続されたダイオードを更に含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチは、半導体素子又は機械スイッチである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
前記スイッチは、逆方向に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第1スイッチング素子から前記第8スイッチング素子までを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、
前記第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記第3スイッチング素子、前記第5スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記第4スイッチング素子、前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンする、
ことを特徴とする、請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
一端が第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサとスイッチとの直列回路と、を含む電源装置の制御方法であって、
前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記スイッチをオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記スイッチをオンし、前記第3スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記スイッチをオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記スイッチをオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記スイッチをオンし、前記第4スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記スイッチをオンする、
ことを特徴とする、電源装置の制御方法。
【請求項8】
一端が第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサと逆方向に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子との直列回路と、を含む電源装置の制御方法であって、
前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記第3スイッチング素子、前記第5スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記第4スイッチング素子、前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンする、
ことを特徴とする、電源装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置及び電源装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電動車において、1次側(高圧側、例えば走行用バッテリ)から2次側(低圧側、例えば補機バッテリ)へ降圧して出力し、2次側から1次側へ昇圧して出力するDC-DCコンバータが用いられている。このDC-DCコンバータは、位相シフトフルブリッジ回路が主流である。
【0003】
特許文献1には、スイッチング素子の誤動作が起きても変換器の故障に至らないDC-DCコンバータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-36511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位相シフトフルブリッジ回路で2次側から1次側へ電力伝送する場合、チョークインプット方式となる。また、トランスの巻数比を1次側巻数:2次側巻数=N:1とすると、((2次側バッテリ電圧)×N)より高い電圧を1次側へ出力する場合、トランスでの昇圧に加えて、出力インダクタによっても昇圧する必要がある。これにより、出力インダクタでサージ電圧が生じ、このサージ電圧が2次側のスイッチング素子に印加される。従って、2次側のスイッチング素子がストレスを受ける可能性がある。
【0006】
1次側のプリチャージ対象コンデンサの電圧が0V近傍のとき、出力インダクタの蓄積エネルギをリセットできず飽和に至る可能性がある。
【0007】
一方で、出力インダクタの蓄積エネルギをリセットするために、2次側のスイッチング素子(後述するトランジスタQ5及びトランジスタQ6)の同時休止期間を設けると、サージ電圧が発生する。
【0008】
本開示は、2次側のスイッチング素子のストレスを抑制し、1次側へ電力伝送可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様の電源装置は、
第1端子と第2端子との間に入力される第1電圧を降圧して第3端子と第4端子との間から出力し、前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する電源装置であって、
一端が前記第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、
一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、
前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、
一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が前記第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、
一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、
一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、
一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサとスイッチとの直列回路と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
前記電源装置において、
前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子まで、並びに、前記スイッチを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、
前記第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記スイッチをオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記スイッチをオンし、前記第3スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記スイッチをオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記スイッチをオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記スイッチをオンし、前記第4スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記スイッチをオンする、
ことを特徴とする。
【0011】
前記電源装置において、
前記直列回路は、前記コンデンサに逆並列接続されたダイオードを更に含む、
ことを特徴とする。
【0012】
前記電源装置において、
前記スイッチは、半導体素子又は機械スイッチである、
ことを特徴とする。
【0013】
前記電源装置において、
前記スイッチは、逆方向に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子を含む、
ことを特徴とする。
【0014】
前記電源装置において、
前記第1スイッチング素子から前記第8スイッチング素子までを制御する制御部を更に含み、
前記制御部は、
前記第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記第3スイッチング素子、前記第5スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記第4スイッチング素子、前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンする、
ことを特徴とする。
【0015】
本開示の一態様の電源装置の制御方法は、
一端が第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサとスイッチとの直列回路と、を含む電源装置の制御方法であって、
前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記スイッチをオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記スイッチをオンし、前記第3スイッチング素子及び前記第5スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記スイッチをオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記スイッチをオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記スイッチをオンし、前記第4スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記スイッチをオンする、
ことを特徴とする。
【0016】
本開示の一態様の電源装置の制御方法は、
一端が第1端子に電気的に接続された第1スイッチング素子と、一端が前記第1スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が第2端子に電気的に接続された第2スイッチング素子と、一端が前記第1端子に電気的に接続された第3スイッチング素子と、一端が前記第3スイッチング素子の他端に電気的に接続され、他端が前記第2端子に電気的に接続された第4スイッチング素子と、を含むブリッジ回路と、一端が前記第1スイッチング素子の他端及び前記第2スイッチング素子の一端に電気的に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端及び前記第4スイッチング素子の一端に電気的に接続された第1巻線と、前記第1巻線と磁気結合する第2巻線と、を含むトランスと、前記第1巻線に電気的に直列接続された第1インダクタと、一端が前記第2巻線の中間タップに電気的に接続され、他端が第3端子に電気的に接続された第2インダクタと、一端が前記第2巻線の一端に電気的に接続され、他端が第4端子に電気的に接続された第5スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の他端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された第6スイッチング素子と、一端が前記第2巻線の中間タップ及び前記第2インダクタの一端に電気的に接続され、他端が前記第4端子に電気的に接続された、コンデンサと逆方向に直列接続された第7スイッチング素子及び第8スイッチング素子との直列回路と、を含む電源装置の制御方法であって、
前記第3端子と前記第4端子との間に入力される第2電圧を昇圧して前記第1端子と前記第2端子との間から出力する場合に、
第1期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第1期間の次の第2期間では、前記第3スイッチング素子、前記第5スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第2期間の次の第3期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第3期間の次の第4期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第4期間の次の第5期間では、前記第4スイッチング素子、前記第6スイッチング素子、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンし、
前記第5期間の次の第6期間では、前記第7スイッチング素子及び前記第8スイッチング素子をオンする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、2次側のスイッチング素子のストレスを抑制し、1次側へ電力伝送可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、電動車の電力系統の構成例を示す図である。
図2図2は、従来例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図3図3は、従来例のDC-DCコンバータの昇圧動作の第1のタイミング図である。
図4図4は、従来例のDC-DCコンバータの昇圧動作の第2のタイミング図である。
図5図5は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの昇圧動作のタイミング図である。
図7図7は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの昇圧動作のタイミング図である。
図13図13は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図14図14は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図16図16は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
図17図17は、第1変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図18図18は、第2変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図19図19は、第3変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図20図20は、第4変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
図21図21は、第5変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0020】
<第1の実施形態>
(電動車の電力系統の構成例)
図1は、電動車の電力系統の構成例を示す図である。
【0021】
電力系統1は、高圧バッテリ2と、抵抗3と、コンタクタ4、5及び6と、インバータ7と、モータ9と、DC-DCコンバータ10と、低圧バッテリ11と、を含む。インバータ7は、平滑用のコンデンサ8を入力側に含む。
【0022】
DC-DCコンバータ10が、本開示の「電源装置」の一例に相当する。
【0023】
高圧バッテリ2は、走行用バッテリが例示されるが、本発明はこれに限定されない。高圧バッテリ2の電圧は、任意である。低圧バッテリ11は、補機バッテリが例示されるが、本開示はこれに限定されない。低圧バッテリ11の電圧は、任意である。
【0024】
初期時(例えば、電動車の起動時)に、コンデンサ8の充電電圧が0Vの可能性があるので、コンデンサ8をプリチャージする必要がある。そこで、コンタクタ5及び6がオン状態にされ、高圧バッテリ2から抵抗3を介して、コンデンサ8がプリチャージ(予備充電)される。プリチャージ終了後、コンタクタ5がオフ状態にされ、コンタクタ4がオン状態にされる。
【0025】
低圧バッテリ11を充電する場合、DC-DCコンバータ10は、コンデンサ8の直流電圧を降圧して、低圧バッテリ11に出力する。低圧バッテリ11は、DC-DCコンバータ10から出力される直流電圧によって充電される。
【0026】
(従来例の構成)
図2は、従来例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。DC-DCコンバータ100は、位相シフトフルブリッジ回路である。現在、高圧バッテリ2から低圧バッテリ11への電力変換に用いられる回路は、位相シフトフルブリッジ回路が主流である。
【0027】
DC-DCコンバータ100は、第1端子21と、第2端子22と、第3端子23と、第4端子24と、を有する。
【0028】
第1端子21は、コンデンサ8の一端(高電位側端)に電気的に接続されている。第2端子22は、コンデンサ8の他端(低電位側端)に電気的に接続されている。第3端子23は、低圧バッテリ11の一端(高電位側端)に電気的に接続されている。第4端子24は、低圧バッテリ11の他端(低電位側端)に電気的に接続されている。
【0029】
DC-DCコンバータ100は、第1端子21と第2端子22との間に入力される第1電圧V1を降圧して、第2電圧V2を第3端子23と第4端子24との間から出力する。またはDC-DCコンバータ100は、第3端子23と第4端子24との間に入力される第2電圧V2を昇圧して、第1電圧V1を第1端子21と第2端子22との間から出力する。
【0030】
DC-DCコンバータ100は、ブリッジ回路31と、インダクタLrと、トランスTと、チョークLoと、トランジスタQ5と、トランジスタQ6と、コンデンサ51と、制御部61と、を含む。
【0031】
ブリッジ回路31は、トランジスタQ1からトランジスタQ4までを含む。
【0032】
トランジスタQ1が、本開示の「第1スイッチング素子」の一例に相当する。トランジスタQ2が、本開示の「第2スイッチング素子」の一例に相当する。トランジスタQ3が、本開示の「第3スイッチング素子」の一例に相当する。トランジスタQ4が、本開示の「第4スイッチング素子」の一例に相当する。
【0033】
実施形態では、各トランジスタがMOSFETであることとしたが、本開示はこれに限定されない。各トランジスタは、シリコンパワーデバイス、GaNパワーデバイス、SiCパワーデバイス(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))などでも良い。
【0034】
各トランジスタは、積極的に電流を流すことができる寄生ダイオード(ボディダイオード)を有する、又は、逆並列にダイオードが接続されている。寄生ダイオードとは、MOSFETのバックゲートとソース及びドレインとの間のpn接合である。
【0035】
トランジスタQ1のソースは、トランジスタQ2のドレインに電気的に接続されている。トランジスタQ1のドレインは、トランジスタQ3のドレインに電気的に接続されている。トランジスタQ3のソースは、トランジスタQ4のドレインに電気的に接続されている。トランジスタQ2のソースは、トランジスタQ4のソースに電気的に接続されている。
【0036】
トランジスタQ1のドレイン及びトランジスタQ3のドレインは、第1端子21に電気的に接続されている。トランジスタQ2のソース及びトランジスタQ4のソースは、第2端子22に電気的に接続されている。
【0037】
トランスTは、第1巻線41と、第2巻線42と、コア43と、を含む。第1巻線41及び第2巻線42は、コア43に巻回されている。
【0038】
トランジスタQ1のソース及びトランジスタQ2のドレインは、インダクタLrの一端に電気的に接続されている。インダクタLrの他端は、第1巻線41の一端に電気的に接続されている。第1巻線41の他端は、トランジスタQ3のソース及びトランジスタQ4のドレインに電気的に接続されている。
【0039】
インダクタLrは、巻線部品であっても良いし、第1巻線41の漏れインダクタンスであっても良い。
【0040】
第2巻線42は、中間タップ42cで、第1部分42aと第2部分42bとに分かれている。
【0041】
第1巻線41と第2巻線42の第1部分42aとの巻数比を、N:1とする。同様に、第1巻線41と第2巻線42の第2部分42bとの巻数比を、N:1とする。Nは、12から13程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0042】
中間タップ42cは、チョークLoの一端に電気的に接続されている。チョークLoの他端は、コンデンサ51の一端(高電位側端)及び第3端子23に電気的に接続されている。
【0043】
第1部分42aの一端は、中間タップ42cに電気的に接続されている。第1部分42aの他端は、トランジスタQ5のドレインに電気的に接続されている。
【0044】
第2部分42bの一端は、中間タップ42cに電気的に接続されている。第2部分42bの他端は、トランジスタQ6のドレインに電気的に接続されている。
【0045】
トランジスタQ5のソース及びトランジスタQ6のソースは、コンデンサ51の他端(低電位側端)及び第4端子24に電気的に接続されている。
【0046】
制御部61は、ブリッジ回路31に駆動制御信号P1を出力し、トランジスタQ5に駆動制御信号P2を出力し、トランジスタQ6に駆動制御信号P3を出力する。
【0047】
DC-DCコンバータ100が第1側(コンデンサ8側)から第2側(低圧バッテリ11側)へ降圧出力する場合(低圧バッテリ11を充電する場合)、DC-DCコンバータ100は、コンデンサ8が高圧バッテリ2に並列接続されているので、コンデンサインプット方式となる。
【0048】
DC-DCコンバータ100が第2側(低圧バッテリ11側)から第1側(コンデンサ8側)へ昇圧出力する場合(コンデンサ8をプリチャージする場合)、DC-DCコンバータ100は、チョークLoが低圧バッテリ11に直列接続されているので、チョークインプット方式となる。
【0049】
DC-DCコンバータ100が第2側(低圧バッテリ11側)から第1側(コンデンサ8側)へ昇圧出力する場合(コンデンサ8をプリチャージする場合)、目標とする第1電圧V1が第2電圧V2のN倍以下であれば、トランスTの巻線比による昇圧だけで足りる。しかし、目標とする第1電圧V1が第2電圧V2のN倍より高い場合、トランスTに加えて、チョークLoによる昇圧が必要である。その場合、チョークLoがエネルギを放電するときに、チョークLoによりサージ電圧が発生し、トランジスタQ5及びトランジスタQ6に大きなサージ電圧が印加され、トランジスタQ5及びトランジスタQ6がストレスを受ける可能性がある。
【0050】
(従来例の動作)
図3は、従来例のDC-DCコンバータの昇圧動作の第1のタイミング図である。
【0051】
図3に示すように、昇圧動作の1周期は、第1期間Mode1と、第2期間Mode2と、第3期間Mode3と、第4期間Mode4と、を含む。第1期間Mode1は、チョークLoの充電期間である。第2期間Mode2は、チョークLoの放電期間である。第3期間Mode3は、チョークLoの充電期間である。第4期間Mode4は、チョークLoの放電期間である。
【0052】
制御部61は、第1期間Mode1から第4期間Mode4までの全期間において、トランジスタQ1からトランジスタQ4までをオフ状態に制御する。
【0053】
タイミングtにおいて、第1期間Mode1がスタートする。制御部61は、トランジスタQ5及びトランジスタQ6をオン状態に制御する。
【0054】
第2側の電流は、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLo→中間タップ42cの経路に流れる。この電流は、中間タップ42cで2つに分かれ、第2巻線42の第1部分42aと、第2巻線42の第2部分42bと、に流れる。分かれた一方の電流は、第2巻線42の第1部分42a→トランジスタQ5の経路に流れる。分かれた他方の電流は、第2巻線42の第2部分42b→トランジスタQ6の経路に流れる。トランジスタQ5のソース及びトランジスタQ6のソースで合流した電流は、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0055】
第1期間Mode1では、チョークLoの電流ILoは、直線状に増加する。また、チョークLoの電圧VLoは、V2となる。
【0056】
タイミングtにおいて、第2期間Mode2がスタートする。制御部61は、トランジスタQ6をオフ状態に制御する。
【0057】
第2側の電流は、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLo→中間タップ42c→第2巻線42の第1部分42a→トランジスタQ5→低圧バッテリ11の低電位側端の経路に流れる。
【0058】
このとき、トランジスタQ6がオフ状態になっており、第2巻線42の第2部分42bに流れていたエネルギ(電流)が行き先を失うので、サージ電圧が発生する。サージ電圧は、トランジスタQ6に印加される。
【0059】
第1巻線41に発生する誘起電圧による第1側の電流は、第1巻線41の一端→インダクタLr→トランジスタQ1の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ4の寄生ダイオード→第1巻線41の他端の経路に流れる。
【0060】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0061】
第2期間Mode2では、チョークLoの電流ILoは、ほぼ一定になる。また、チョークLoの電圧VLoは、(V2-NV1)となる。
【0062】
タイミングtにおいて、第3期間Mode3がスタートする。制御部61は、トランジスタQ6をオン状態に制御する。
【0063】
第2側の電流は、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLo→中間タップ42cの経路に流れる。この電流は、中間タップ42cで2つに分かれ、第2巻線42の第1部分42aと、第2巻線42の第2部分42bと、に流れる。分かれた一方の電流は、第2巻線42の第1部分42a→トランジスタQ5の経路に流れる。分かれた他方の電流は、第2巻線42の第2部分42b→トランジスタQ6の経路に流れる。トランジスタQ5のソース及びトランジスタQ6のソースで合流した電流は、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0064】
第3期間Mode3では、チョークLoの電流ILoは、直線状に増加する。また、チョークLoの電圧VLoは、V2となる。
【0065】
タイミングtにおいて、第4期間Mode4がスタートする。制御部61は、トランジスタQ5をオフ状態に制御する。
【0066】
第2側の電流は、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLo→中間タップ42c→第2巻線42の第2部分42b→トランジスタQ6→低圧バッテリ11の低電位側端の経路に流れる。
【0067】
このとき、トランジスタQ5がオフ状態になっており、第2巻線42の第1部分42aに流れていたエネルギ(電流)が行き先を失うので、サージ電圧が発生する。サージ電圧は、トランジスタQ5に印加される。
【0068】
第1巻線41に発生する誘起電圧による第1側の電流は、第1巻線41の他端→トランジスタQ3の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ2の寄生ダイオード→インダクタLr→第1巻線41の一端の経路に流れる。
【0069】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0070】
第4期間Mode4では、チョークLoの電流ILoは、ほぼ一定になる。また、チョークLoの電圧VLoは、(V2-NV1)となる。
【0071】
このように、DC-DCコンバータ100では、トランジスタQ5又はトランジスタQ6がオフしたタイミングでサージ電圧が発生し、トランジスタQ5又はトランジスタQ6に印加される。これにより、トランジスタQ5又はトランジスタQ6がストレスを受ける可能性がある。
【0072】
また、コンデンサ8のプリチャージの開始時は、コンデンサ8の電圧が非常に低い(例えば、0V)ことがあり得る。その場合、放電期間(第2期間Mode2及び第4期間Mode4)でチョークLoがリセットされない(エネルギを放出しきれない)ので、チョークLoの電流ILoが大きくなり、チョークLoが飽和する可能性がある。
【0073】
チョークLoの飽和を抑制するために、第2期間Mode2と第3期間Mode3との間に、休止期間を設けることが考えられる。
【0074】
図4は、従来例のDC-DCコンバータの昇圧動作の第2のタイミング図である。
【0075】
図4では、チョークLoの蓄積エネルギをリセットするために、図3と比較して、第2期間Mode2と第3期間Mode3との間に、休止期間が設けられている。
【0076】
図4のタイミングtからタイミングtまで、及び、タイミングt以降は、図3のタイミングtからタイミングtまで、及び、タイミングt以降と同様であるので、説明を省略する。
【0077】
タイミングtにおいて、休止期間がスタートする。制御部61は、トランジスタQ5及びトランジスタQ6をオフ状態に制御する。
【0078】
トランジスタQ5及びトランジスタQ6がオフ状態になると、チョークLoの電流が流れる経路がなくなるので、チョークLoの電流ILoは、ゼロになる。しかし、このとき、チョークLoには、サージ電圧VX(<0)が発生する。
【0079】
(第1の実施形態の構成)
図5は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0080】
DC-DCコンバータ10は、従来例のDC-DCコンバータ100(図2参照)と比較して、直列回路71を更に含む。直列回路71は、直列接続されたコンデンサCと、トランジスタQ7と、を含む。
【0081】
トランジスタQ7が、本開示の「第7スイッチング素子」の一例に相当する。
【0082】
コンデンサCの一端は、第2巻線42の中間タップ42cと、チョークLoの一端と、に電気的に接続されている。コンデンサCの他端は、トランジスタQ7のドレインに電気的に接続されている。トランジスタQ7のソースは、トランジスタQ5及びQ6のソースと、コンデンサ51の低電位側端と、第4端子24と、に電気的に接続されている。
【0083】
制御部61は、トランジスタQ7のゲートに駆動制御信号P4を出力する。
【0084】
なお、第1の実施形態では、コンデンサCを高電位側に配置し、トランジスタQ7を低電位側に配置したが、本開示はこれに限定されない。コンデンサCを低電位側に配置し、トランジスタQ7を高電位側に配置しても良い。つまり、トランジスタQ7のドレインを第2巻線42の中間タップ42c及びチョークLoの一端に電気的に接続し、トランジスタQ7のソースをコンデンサCの一端に電気的に接続し、コンデンサCの他端をトランジスタQ5のソース、トランジスタQ6のソース、コンデンサ51の他端及び第4端子24に電気的に接続しても良い。但し、トランジスタQ7を低電位側に配置すると、駆動制御信号P4の電位レベルを低くすることができるので、好ましい。
【0085】
DC-DCコンバータ10が第1側(コンデンサ8側)から第2側(低圧バッテリ11側)へ降圧出力する場合(低圧バッテリ11を充電する場合)、制御部61は、トランジスタQ7をオフ状態に制御する。この場合、DC-DCコンバータ10は、DC-DCコンバータ100の等価回路になる。このとき、DC-DCコンバータ10は、コンデンサ8が高圧バッテリ2に並列接続されているので、コンデンサインプット方式となる。
【0086】
DC-DCコンバータ10が第2側(低圧バッテリ11側)から第1側(コンデンサ8側)へ昇圧出力する場合(コンデンサ8をプリチャージする場合)、制御部61は、トランジスタQ7をオン状態に制御する。この場合、コンデンサCが低圧バッテリ11によってチャージされ、チョークLoにエネルギが蓄えられない。従って、DC-DCコンバータ10は、コンデンサインプット方式となる。なお、このとき、コンデンサ51と、チョークLoと、直列回路71とは、π型C-L-Cフィルタと考えることもできる。
【0087】
(第1の実施形態の昇圧動作)
従来例のDC-DCコンバータ100は、チョークLoとトランスTとによって、第2電圧V2を第1電圧V1に昇圧する。一方、第1の実施形態のDC-DCコンバータ10は、トランスTとインダクタLrとによって、第2電圧V2を第1電圧V1に昇圧する。
【0088】
図6は、第1の実施形態のDC-DCコンバータの昇圧動作のタイミング図である。図7から図10までは、第1の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
【0089】
図6を参照すると、昇圧動作の1周期は、第1期間Mode1と、第2期間Mode2と、第3期間Mode3と、第4期間Mode4と、第5期間Mode5と、第6期間Mode6と、を含む。
【0090】
制御部61は、第1期間Mode1から第6期間Mode6までの全期間において、トランジスタQ7をオン状態に制御する。
【0091】
第1期間Mode1では、制御部61は、トランジスタQ1からトランジスタQ6までをオフ状態に制御する。
【0092】
タイミングt10において、第2期間Mode2がスタートする。制御部61は、トランジスタQ3及びQ5をオン状態に制御する。
【0093】
第2期間Mode2では、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0094】
図7を参照すると、線311で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線313で示すように、第2巻線42の第1部分42aの一端→第2巻線42の第1部分42aの他端→トランジスタQ5の経路に電流が流れる。トランジスタQ5のソース及びトランジスタQ7のソースで合流した電流は、線314で示すように、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0095】
第1巻線41に発生する誘起電圧による第1側の電流は、線315で示すように、第1巻線41の一端→インダクタLr→トランジスタQ1の寄生ダイオード→トランジスタQ3→第1巻線41の他端の経路に流れる。
【0096】
この第1側の電流により、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0097】
タイミングt11において、第3期間Mode3がスタートする。制御部61は、トランジスタQ3及びQ5をオフ状態に制御する。
【0098】
第3期間Mode3では、インダクタLrに蓄えられたエネルギが放出され、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0099】
図8を参照すると、インダクタLrに蓄えられたエネルギによる第1側の電流は、線323で示すように、インダクタLrの一端→トランジスタQ1の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ4の寄生ダイオード→第1巻線41の他端→第1巻線41の一端→インダクタLrの他端の経路に流れる。
【0100】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0101】
このとき、第2側では、線321で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線322で示すように、第2巻線42の第2部分42bの一端→コンデンサC→トランジスタQ7→トランジスタQ6の寄生ダイオード→第2巻線42の第2部分42bの他端の経路に電流が流れる。
【0102】
なお、第2巻線42の第1部分42aは、トランジスタQ5の寄生ダイオードが逆方向になるので、電流は流れない。
【0103】
タイミングt12において、第4期間Mode4がスタートする。制御部61は、トランジスタQ1からトランジスタQ7までの状態を維持する。
【0104】
タイミングt13において、第5期間Mode5がスタートする。制御部61は、トランジスタQ4及びQ6をオン状態に制御する。
【0105】
第5期間Mode5では、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0106】
図9を参照すると、線341で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線343で示すように、第2巻線42の第2部分42bの一端→第2巻線42の第2部分42bの他端→トランジスタQ6の経路に電流が流れる。トランジスタQ6のソース及びトランジスタQ7のソースで合流した電流は、線344で示すように、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0107】
第1巻線41に発生する誘起電圧による第1側の電流は、線345で示すように、第1巻線41の他端→トランジスタQ4→トランジスタQ2の寄生ダイオード→インダクタLr→第1巻線41の一端の経路に流れる。
【0108】
この第1側の電流により、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0109】
タイミングt14において、第6期間Mode6がスタートする。制御部61は、トランジスタQ4及びQ6をオフ状態に制御する。
【0110】
第6期間Mode6では、インダクタLrに蓄えられたエネルギが放出され、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0111】
図10を参照すると、インダクタLrに蓄えられたエネルギによる第1側の電流は、線353で示すように、インダクタLrの他端→第1巻線41の一端→第1巻線41の他端→トランジスタQ3の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ2の寄生ダイオード→インダクタLrの一端の経路に流れる。
【0112】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0113】
このとき、第2側では、線351で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線352で示すように、第2巻線42の第1部分42aの一端→コンデンサC→トランジスタQ7→トランジスタQ5の寄生ダイオード→第2巻線42の第1部分42aの他端の経路に電流が流れる。
【0114】
(まとめ)
以上説明したように、DC-DCコンバータ10が第2側(低圧バッテリ11側)から第1側(コンデンサ8側)へ昇圧出力する場合(コンデンサ8をプリチャージする場合)、制御部61は、トランジスタQ7をオン状態に制御する。この場合、DC-DCコンバータ10は、コンデンサインプット方式となる。
【0115】
これにより、DC-DCコンバータ10は、チョークLoによるサージ電圧の発生を抑制することができるので、トランジスタQ5又はトランジスタQ6がストレスを受けることを抑制することができる。
【0116】
また、DC-DCコンバータ10は、コンデンサ8をプリチャージできるので、電力系統1の抵抗3及びコンタクタ5(図1参照)を不要になる。
【0117】
また、DC-DCコンバータ10は、チョークLoのエネルギをリセットすることができるので、チョークLoの飽和を抑制できる。また、DC-DCコンバータ10は、インダクタLrに蓄えられるエネルギの向きが1周期の中で反転するので、インダクタLrが飽和することを抑制できる。
【0118】
<第2の実施形態>
(構成)
図11は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0119】
DC-DCコンバータ10Aは、DC-DCコンバータ10(図5参照)と比較して、直列回路71に代えて、直列回路71Aを含む。直列回路71Aは、直列接続されたコンデンサCと、トランジスタQ7と、トランジスタQ8と、を含む。
【0120】
トランジスタQ8が、本開示の「第8スイッチング素子」の一例に相当する。
【0121】
トランジスタQ7のドレインは、コンデンサCの他端に電気的に接続されている。トランジスタQ7のソースは、トランジスタQ8のソースに電気的に接続されている。つまり、トランジスタQ7とトランジスタQ8とは、逆方向に直列接続されている。トランジスタQ8のドレインは、トランジスタQ5及びQ6のソースと、コンデンサ51の低電位側端と、第4端子24と、に電気的に接続されている。
【0122】
制御部61は、トランジスタQ7及びトランジスタQ8のゲートに駆動制御信号P4を出力する。
【0123】
なお、第2の実施形態では、コンデンサCを高電位側に配置し、トランジスタQ7及びトランジスタQ8を低電位側に配置したが、本開示はこれに限定されない。トランジスタQ7及びトランジスタQ8を高電位側に配置し、コンデンサCを低電位側に配置しても良い。つまり、トランジスタQ7のドレインが第2巻線42の中間タップ42c及びチョークLoの一端に電気的に接続され、トランジスタQ7のソースがトランジスタQ8のソースに電気的に接続され、トランジスタQ8のドレインがコンデンサCの一端に電気的に接続され、コンデンサCの他端がトランジスタQ5のソース、トランジスタQ6のソース、コンデンサ51の低電位側端及び第4端子24に電気的に接続されても良い。但し、トランジスタQ7及びトランジスタQ8を低電位側に配置すると、駆動制御信号P4及び駆動制御信号P5の電位レベルを低くすることができるので、好ましい。
【0124】
(動作)
図12は、第2の実施形態のDC-DCコンバータの昇圧動作のタイミング図である。図13から図16までは、第2の実施形態のDC-DCコンバータの電流の流れる経路を示す図である。
【0125】
図12を参照すると、昇圧動作の1周期は、第1期間Mode1と、第2期間Mode2と、第3期間Mode3と、第4期間Mode4と、第5期間Mode5と、第6期間Mode6と、を含む。
【0126】
制御部61は、第1期間Mode1から第6期間Mode6までの全期間において、トランジスタQ7及びトランジスタQ8をオン状態に制御する。
【0127】
タイミングt20において、第1期間Mode1がスタートする。制御部61は、トランジスタQ1からトランジスタQ6までをオフ状態に制御する。
【0128】
タイミングt21において、第2期間Mode2がスタートする。制御部61は、トランジスタQ3及びトランジスタQ5をオン状態に制御する。
【0129】
第2期間Mode2では、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0130】
図13を参照すると、線411で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線413で示すように、第2巻線42の第1部分42aの一端→第2巻線42の第1部分42aの他端→トランジスタQ5の経路に電流が流れる。トランジスタQ5のソース及びトランジスタQ8のソースで合流した電流は、線414で示すように、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0131】
第1側の電流は、線415で示すように、第1巻線41の一端→インダクタLr→トランジスタQ1の寄生ダイオード→トランジスタQ3→第1巻線41の他端の経路に流れる。
【0132】
この第1側の電流により、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0133】
図12を参照すると、タイミングt22において、第3期間Mode3がスタートする。制御部61は、トランジスタQ3及びQ5をオフ状態に制御する。
【0134】
第3期間Mode3では、インダクタLrに蓄えられたエネルギが放出され、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0135】
図14を参照すると、インダクタLrに蓄えられたエネルギによる第1側の電流は、線423で示すように、インダクタLrの一端→トランジスタQ1の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ4の寄生ダイオード→第1巻線41の他端→第1巻線41の一端→インダクタLrの他端の経路に流れる。
【0136】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0137】
このとき、第2側では、線421で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、第2巻線42の第2部分42bには、第1巻線41からの誘起電圧が発生する。線422で示すように、第2巻線42の第2部分42bの一端→コンデンサC→トランジスタQ7→トランジスタQ8→トランジスタQ6の寄生ダイオード→第2巻線42の第2部分42bの他端の経路に電流が流れる。
【0138】
なお、第2巻線42の第1部分42aは、トランジスタQ5の寄生ダイオードが逆方向になるので、電流は流れない。
【0139】
図12を参照すると、タイミングt23において、第4期間Mode4がスタートする。制御部61は、トランジスタQ1からトランジスタQ7までの状態を維持する。
【0140】
図12を参照すると、タイミングt24において、第5期間Mode5がスタートする。制御部61は、トランジスタQ4及びQ6をオン状態に制御する。
【0141】
第5期間Mode5では、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0142】
図15を参照すると、線441で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、線443で示すように、第2巻線42の第2部分42bの一端→第2巻線42の第2部分42bの他端→トランジスタQ6の経路に電流が流れる。トランジスタQ6のソース及びトランジスタQ8のソースで合流した電流は、線444で示すように、低圧バッテリ11の低電位側端に流れる。
【0143】
第1側の電流は、線445で示すように、第1巻線41の他端→トランジスタQ4→トランジスタQ2の寄生ダイオード→インダクタLr→第1巻線41の一端の経路に流れる。
【0144】
この第1側の電流により、インダクタLrにエネルギが蓄えられる。
【0145】
図12を参照すると、タイミングt25において、第6期間Mode6がスタートする。制御部61は、トランジスタQ4及びQ6をオフ状態に制御する。
【0146】
第6期間Mode6では、インダクタLrに蓄えられたエネルギが放出され、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0147】
図16を参照すると、インダクタLrに蓄えられたエネルギによる第1側の電流453は、インダクタLrの他端→第1巻線41の一端→第1巻線41の他端→トランジスタQ3の寄生ダイオード→コンデンサ8の高電位側端→コンデンサ8の低電位側端→トランジスタQ2の寄生ダイオード→インダクタLrの一端の経路に流れる。
【0148】
この第1側の電流により、コンデンサ8がプリチャージされる。
【0149】
このとき、第2側では、線451で示すように、低圧バッテリ11の高電位側端→チョークLoへ電流が流れる。また、第2巻線42の第1部分42aには、第1巻線41からの誘起電圧が発生する。線452で示すように、第2巻線42の第1部分42aの一端→コンデンサC→トランジスタQ7→トランジスタQ8→トランジスタQ5の寄生ダイオード→第2巻線42の第1部分42aの他端の経路に電流が流れる。
【0150】
なお、第2巻線42の第2部分42bは、トランジスタQ6の寄生ダイオードが逆方向になるので、電流は流れない。
【0151】
(まとめ)
以上説明したように、DC-DCコンバータ10Aが第2側(低圧バッテリ11側)から第1側(コンデンサ8側)へ昇圧出力する場合(コンデンサ8をプリチャージする場合)、制御部61は、トランジスタQ7及びトランジスタQ8をオン状態に制御する。この場合、DC-DCコンバータ10Aは、コンデンサインプット方式となる。
【0152】
これにより、DC-DCコンバータ10Aは、チョークLoによるサージ電圧の発生を抑制することができるので、トランジスタQ5又はトランジスタQ6がストレスを受けることを抑制することができる。
【0153】
また、DC-DCコンバータ10Aは、コンデンサ8をプリチャージすることができるので、電力系統1の抵抗3及びコンタクタ5(図1参照)を不要とすることができる。
【0154】
また、DC-DCコンバータ10Aは、チョークLoのエネルギをリセットすることができるので、チョークLoの飽和を抑制できる。また、DC-DCコンバータ10Aは、インダクタLrに蓄えられるエネルギの向きが1周期の中で反転するので、インダクタLrが飽和することを抑制できる。
【0155】
<第1変形例>
図17は、第1変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0156】
DC-DCコンバータ10Bは、DC-DCコンバータ10(図5参照)と比較して、直列回路71に代えて、直列回路71Bを含む。
【0157】
直列回路71Bは、直列回路71と比較して、コンデンサCに逆並列接続されたダイオードD1を含む。
【0158】
<第2変形例>
図18は、第2変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0159】
DC-DCコンバータ10Cは、DC-DCコンバータ10B(図17参照)と比較して、直列回路71Bに代えて、直列回路71Cを含む。
【0160】
直列回路71Cは、直列回路71Bと比較して、コンデンサC及びダイオードD1が低電位側に配置され、トランジスタQ7が高電位側に配置されている。
【0161】
<第3変形例>
図19は、第3変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0162】
DC-DCコンバータ10Eは、DC-DCコンバータ10A(図11参照)と比較して、直列回路71Aに代えて、直列回路71Eを含む。
【0163】
直列回路71Eは、直列回路71Aと比較して、トランジスタQ7及びトランジスタQ8が高電位側に配置され、コンデンサCが低電位側に配置されている。
【0164】
<第4変形例>
図20は、第4変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0165】
DC-DCコンバータ10Fは、DC-DCコンバータ10(図5参照)と比較して、直列回路71に代えて、直列回路71Fを含む。
【0166】
直列回路71Fは、直列回路71と比較して、トランジスタQ7に代えて、機械スイッチSWを含む。
【0167】
<第5変形例>
図21は、第5変形例のDC-DCコンバータの構成を示す図である。
【0168】
DC-DCコンバータ10Gは、DC-DCコンバータ10F(図20参照)と比較して、直列回路71Fに代えて、直列回路71Gを含む。
【0169】
直列回路71Gは、直列回路71Fと比較して、機械スイッチSWが高電位側に配置され、コンデンサCが低電位側に配置されている。
【0170】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0171】
1 電力系統
2 高圧バッテリ
3 抵抗
4、5、6 コンタクタ
7 インバータ
8 コンデンサ
9 モータ
10、10A、10B、10C、10E、10F、10G、100 DC-DCコンバータ
11 低圧バッテリ
31 ブリッジ回路
51 コンデンサ
61 制御部
71、71A、71B、71C、71E、71F、71G 直列回路
D1 ダイオード
Lo チョーク
Lr インダクタ
SW 機械スイッチ
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、Q7、Q8 トランジスタ
T トランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21