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  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図3A
  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図3B
  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理装置、および、情報処理方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025089025
(43)【公開日】2025-06-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20250605BHJP
   G06Q 10/063 20230101ALI20250605BHJP
【FI】
H04M3/523
G06Q10/063
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203950
(22)【出願日】2023-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201BC06
5K201BC19
5K201CC02
5K201CC10
5K201DC02
5K201DC05
5K201DC07
5K201EC01
5K201ED10
5K201EF04
5K201FA01
5K201FB06
(57)【要約】
【課題】コールセンターを利用する顧客の満足度を向上させること。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、複数のコールセンターに対して、各コールセンターのオペレータと顧客との通話内容に基づいて、各コールセンターに割り振る回線数を設定する制御部を備える。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコールセンターに対して、各コールセンターのオペレータと顧客との通話内容に基づいて、各コールセンターに割り振る回線数を設定する制御部
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通話内容から顧客の感情を推定し、推定した感情に基づいて、前記回線数を設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記推定した感情に対してスコアを設定し、各コールセンターのスコアに基づいて、前記回線数を設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定期間における各コールセンターのスコアに基づいて、前記回線数を設定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オペレータは、人を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記オペレータは、AIエージェントを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記AIエージェントは、コールセンター毎に異なる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のコールセンターに対して、各コールセンターのオペレータと顧客との通話内容に基づいて、各コールセンターに割り振る回線数を設定する工程
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報処理装置、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの電話を、コールセンターのオペレータに中継する中継装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-006986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のコールセンターがある場合、接続されるコールセンターによっては、対応が変わることがあり、顧客の満足度を向上させる点について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コールセンターを利用する顧客の満足度を向上させる情報処理装置、および、情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る情報処理装置は、複数のコールセンターに対して、各コールセンターのオペレータと顧客との通話内容に基づいて、各コールセンターに割り振る回線数を設定する制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、コールセンターを利用する顧客の満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る制御システムの一例を概略的に示す図である。
図2図2は、ロボットの機能構成を概略的に示す図である。
図3A図3Aは、各コールセンターの回線数を示す図である。
図3B図3Bは、各コールセンターの回線数を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る回線数設定処理を説明するフローチャートである。
図5図5は、中継装置として機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
実施形態に係る通話システム1について図1を参照し説明する。図1は、実施形態に係る通話システム1を示す概略図である。
【0011】
通話システム1は、ユーザ端末2と、通話端末3と、通話装置4と、中継装置5と、を備える。ユーザ端末2と、通話端末3、および、通話装置4とは、中継装置5を介して、通信網によって通信可能に接続される。通信網は、データ通信網、および、電話通信網を含む。
【0012】
ユーザ端末2は、顧客であるユーザがコールセンター20のオペレータ21と会話な可能な装置である。ユーザ端末2は、中継装置5を介してユーザとオペレータ21との会話を可能とする。ユーザ端末2は、たとえば、電話、スマートフォン、タブレット端末、および、PC(Personal Computer)などである。
【0013】
オペレータ21は、人を含む。また、オペレータ21は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)エージェントを含む。
【0014】
AIエージェントは、文章生成モデルを用いて、ユーザの発話に対する回答となる文章内容を自動で生成する。文章生成モデルは、文字による自動対話処理のためのアルゴリズム及び演算と解釈してよい。文章生成モデルは、例えば特開2018-081444号公報やchatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)に開示される通り公知であるため、その詳細な説明を省略する。このような、文章生成モデルは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)により構成されている。
【0015】
AIエージェントは、たとえば、擬人化されたエージェントである。AIエージェントは、擬人化されなくてもよい。AIエージェントは、ユーザとの会話を可能とする文章内容を自動で生成可能であればよい。すなわち、AIエージェントは、ユーザの発話に対する回答となる文章内容を自動で生成する生成AIであってもよい。
【0016】
通話端末3は、コールセンター20に複数設けられる。通話端末3は、人がオペレータ21として、ユーザの対応を行う際に用いられる端末である。通話端末3は、オペレータ21がユーザと会話できるように構成される。通話端末3は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、および、PCなどである。
【0017】
なお、以下において、人であるオペレータ21を「オペレータ21A」と称し、オペレータ21Aを有するコールセンター20を「コールセンター20A」と称することがある。
【0018】
たとえば、通話端末3は、モニタ、マイク、および、スピーカなどを有する。通話端末3は、ユーザ端末2のカメラからユーザを映した画像が送信された場合、送信された画像をモニタに表示する。また、通話端末3は、ユーザとオペレータ21Aとの会話内容である音声データを、会話ログとして記録する。会話ログは、ユーザ端末2のカメラからユーザを映した画像を含んでもよい。
【0019】
通話装置4は、コールセンター20に設けられる。通話装置4は、通話端末3が設けられるコールセンター20Aとは異なるコールセンター20に設けられる。
【0020】
以下では、コールセンター20Aとは異なるコールセンター20を「コールセンター20B」、および、「コールセンター20C」と称することがある。また、コールセンター20Bに設けられた通話装置4を「通話装置4B」と称し、コールセンター20Cに設けられた通話装置4を「通話装置4C」と称することがある。
【0021】
通話装置4は、コンピュータなどの情報処理装置である。通話装置4は、たとえば、サーバ装置である。通話装置4は、オペレータ21として複数のAIエージェントを有する。通話装置4は、たとえば、ROM(Read Only Memory)などの記憶部に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)によって読み出すことで、AIエージェントを機能させる。
【0022】
通話装置4は、AIエージェントによって、ユーザの対応を行う。通話装置4は、AIエージェントがユーザと会話できるように構成される。通話装置4は、複数のユーザに対し、個別に会話できるように複数のAIエージェントを有する。通話装置4は、コールセンター20に複数設けられてもよい。
【0023】
通話装置4は、ユーザの発話に対応する文章を、AIエージェントによって生成し、生成した文章を、音声データに変換し、ユーザ端末2に送信する。これにより、ユーザ端末2では、音声データに基づいた発話が出力される。このように、通話装置4は、AIエージェントによるユーザとの会話を実現する。
【0024】
なお、コールセンター20Bの通話装置4B、および、コールセンター20Cの通話装置4Cは、それぞれ異なる種類のAIエージェントであるオペレータ21を有する。以下では、通話装置4Bのオペレータ21を「オペレータ21B」と称し、通話装置4Cのオペレータ21を「オペレータ21C」と称することがある。
【0025】
オペレータ21B、および、オペレータ21Cは、それぞれ異なる文章生成モデルを用いて、ユーザの発話に対する回答となる文章内容を自動で生成する。
【0026】
そのため、たとえば、ユーザが同じ会話をした場合であっても、ユーザ端末2が接続されるコールセンター20が異なる場合には、異なる回答(会話)がユーザ端末2に送信されることがある。
【0027】
たとえば、コールセンター20Bの通話装置4Bのオペレータ21Bは、「abc社」が作成した文章生成モデルを用いて、ユーザの発話に対する回答となる文章内容を自動で生成する。また、コールセンター20Cの通話装置4Cのオペレータ21C、「abc社」とは異なる「efg社」が生成した文章生成モデルを用いて、ユーザの発話に対する回答となる文章内容を自動で生成する。
【0028】
図1では、3つのコールセンター20を示したが、コールセンター20の数は、一例であり、これに限られることはない。コールセンター20は、2つでもよく、4つ以上であってもよい。また、人であるオペレータ21Aが配置されるコールセンター20が複数あってもよい。人であるオペレータ21Aが配置されるコールセンター20がなくてもよい。
【0029】
通話装置4は、ユーザとオペレータ21(AIエージェント)との会話内容である音声データを、会話ログとして記録する。会話ログは、ユーザ端末2のカメラからユーザを映した画像を含んでもよい。
【0030】
中継装置5は、ユーザ端末2と、コールセンター20の通話端末3、または、コールセンター20の通話装置4とを通信可能に接続する装置である。中継装置5は、設定する回線数に基づいて、各コールセンター20の回線数を割り振る。中継装置5は、割り振った回線数に応じて、ユーザ端末2と、各コールセンター20の通話端末3、または、通話装置4とを接続可能とする。中継装置5は、各コールセンター20に割り振る回線数を設定する情報処理装置である。
【0031】
次に、中継装置5について図2を参照し説明する。図2は、実施形態に係る中継装置5の一例を概略的に説明する図である。なお、ここでは、中継装置5の機能のうち、回線数を設定する機能について説明する。
【0032】
中継装置5は、通信部10と、記憶部11と、制御部12とを備える。通信部10は、ユーザ端末2と、通話端末3、および、通話装置4との間で通信網を介して通話内容などを含む情報の送受信を行う。
【0033】
記憶部11は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、各コールセンター20のスコア(第2スコア)を記憶する。記憶部11は、各コールセンター20に対する回線数を記憶する。記憶部11は、制御部12によって実行される各種のプログラムを記憶する。
【0034】
制御部12は、コントローラである。制御部12は、通信部10を介して、各コールセンター20の通話端末3、および、通話装置4から、会話ログを取得する。制御部12は、所定のタイミングで会話ログを取得する。所定のタイミングは、たとえば、ユーザとオペレータ21との会話が終了したタイミングである。所定のタイミングは、予め設定された時間であってもよい。
【0035】
なお、会話ログは、コールセンター20毎に識別されて取得される。たとえば、会話ログは、コールセンター20毎に決められたIDが付されて取得される。
【0036】
制御部12は、取得した会話ログを解析する。具体的には、制御部12は、会話ログに含まれるユーザの音声、および、オペレータ21の音声から、会話内容、会話の声質、および、会話の声調などを解析する。制御部12は、会話ログを解析する。
【0037】
たとえば、制御部12は、音声の周波数成分等の特徴量を抽出する。また、制御部12は、ユーザの音声を解析して、ユーザの発話内容を表す文字情報を認識する。そして、制御部12は、抽出した特徴量、および、認識した文字情報に基づいて、ユーザの感情を推定する。
【0038】
制御部12は、解析結果から、ユーザの満足度を判定する。具体的には、制御部12は、ユーザの通話内容から推定されるユーザの感情に基づいてユーザの満足度を判定する。そして、制御部12は、ユーザの満足度に対するスコアを設定する。すなわち、制御部12は、会話ログに基づいて、オペレータ21の対応に対するスコア(以下、「第1スコア」と称することがある。)を設定する。制御部12は、ユーザの満足度が高いほど、第1スコアを大きくする。
【0039】
制御部12は、たとえば、ユーザの感情を「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「快」、「不快」、「安心」、「不安」、「悲しみ」、「興奮」、「心配」、「安堵」、「充実感」、「虚無感」、および、「普通」の中から推定する。
【0040】
たとえば、ユーザが「わかりやすかったよ。」と発話した場合、制御部12は、ユーザの感情を「喜」、「安心」、または、「充実感」などといった正の感情であると推定し、ユーザの満足度が高いと推定する。そして、制御部12は、大きい値の第1スコアを設定する。制御部12は、ユーザの満足度が高い場合、第1スコアを正の値に設定する。
【0041】
また、たとえば、ユーザが「何言っているの。」、「意味がわからない。」などと発話した場合、制御部12は、ユーザの感情を「怒」、または、「不快」などといった負の感情であると推定し、ユーザの満足度が低いと推定する。そして、制御部12は、小さい値の第1スコアを設定する。制御部12は、ユーザの満足度が低い場合、第1スコアを負の値に設定する。
【0042】
なお、制御部12は、ユーザの発話毎に、ユーザの感情を推定してもよい。制御部12は、ユーザの発話毎のスコアを合計して、第1スコアを算出してもよい。
【0043】
制御部12は、会話ログに、ユーザ端末2のカメラからユーザを映した画像が含まれる場合、ユーザの表情を解析してもよい。ユーザの表情が、たとえば、笑顔である場合、制御部12は、ユーザの満足度が高いと推定する。
【0044】
制御部12は、コールセンター20毎に、スコアを算出する。制御部12は、所定期間におけるコールセンター20毎のスコアの平均値を、各コールセンター20のスコア(以下、「第2スコア」と称することがある。)として算出する。所定期間は、予め設定された期間である。たとえば、所定期間は、1週間、1ヵ月などである。
【0045】
具体的には、制御部12は、コールセンター20毎に、オペレータ21の第1スコアの平均値を算出する。そして、制御部12は、算出した第1スコアの平均値を各コールセンター20の第2スコアとする。制御部12は、コールセンター20A、20B、20C毎に第2スコアを算出する。
【0046】
制御部12は、所定期間における各コールセンター20の第2スコアに基づいて、各コールセンター20に振り分ける回線数を設定する。制御部12は、コールセンター20の第2スコアが大きいほど、振り分ける回線数を多くする。
【0047】
たとえば、総回線数が「300」であり、コールセンター20Aの第2スコアが「50」、コールセンター20Bの第2スコアが「50」、コールセンター20Cの第2スコアが「50」である場合、制御部12は、図3Aに示すように、各コールセンター20の回線数をそれぞれ「100」に設定する。図3Aは、各コールセンター20の回線数を示す図である。なお、図3A、および、図3Bでは、線の太さが太いほど、回線数が多いことを示す。
【0048】
その後、コールセンター20Aの第2スコアが「40」、コールセンター20Bの第2スコアが「50」、コールセンター20Cの第2スコアが「60」となった場合、制御部12は、図3Bに示すように、コールセンター20Aの回線数を「90」、コールセンター20Bの回線数を「100」、コールセンター20Cの回線数を「110」に設定する。図3Bは、各コールセンター20の回線数を示す図である。
【0049】
これにより、コールセンター20Cは、多くの回線数が割り振られ、より多くのユーザに対し対応することができる。また、ユーザは、ユーザの満足度が高いオペレータ21Cと会話することができる。そのため、たとえば、ユーザは、オペレータ21Cからわかりやすい説明を受けることできる。
【0050】
制御部12は、所定期間が経過して、各コールセンター20に対する回線数の割り振りを行った場合、各コールセンター20の第2スコアをリセットする。このように、制御部12は、所定期間が経過する毎に、所定期間における各コールセンター20の第2スコアに基づいて、各コールセンター20の回線数を更新する。すなわち、制御部12は、所定期間毎に、各コールセンター20の回線数の割り振りを実行する。
【0051】
たとえば、第2スコアが小さいコールセンター20において、オペレータ21が更新されて第2スコアが大きくなった場合、回線数が多くなることがある。すなわち、回線数が少ないコールセンター20であっても、回線数を増加させる、または、回転数を取り戻すことができる。
【0052】
次に、実施形態に係る回線数設定処理について図4を参照し説明する。図4は、実施形態に係る回線数設定処理を説明するフローチャートである。
【0053】
制御部12は、各コールセンター20の通話端末3、および、通話装置4から、会話ログを取得する(S100)。制御部12は、所定のタイミングで会話ログを取得する。
【0054】
次に、制御部12は、取得した会話ログを解析する(S101)。次に、制御部12は、解析結果から、ユーザの満足度を判定し(S102)、オペレータ21の対応に対する第1スコアを設定する(S103)。
【0055】
次に、制御部12は、各コールセンター20の第2スコアを算出する(S104)。制御部12は、コールセンター20毎のオペレータ21の対応に対する第1スコアの平均値を、各コールセンター20の第2スコアとして算出する。
【0056】
次に、制御部12は、所定期間が経過したか否かを判定する(S105)。所定期間が経過していない場合(S105:No)、制御部12は、ステップS100に戻り、上記処理を繰り返す。すなわち、制御部12は、所定期間が経過するまで、各コールセンター20の第2スコアを算出し、各コールセンター20の第2スコアを更新する。
【0057】
所定期間が経過した場合(S105:Yes)、制御部12は、各コールセンター20の回線数を設定する(S106)。制御部12は、各コールセンター20の第2スコアに基づいて、各コールセンター20の回線数を設定する。
【0058】
次に、制御部12は、各コールセンター20の第2スコアをリセットする(S107)。これにより、各コールセンター20の第2スコアが所定期間毎に更新される。
【0059】
中継装置5は、制御部12を備える。制御部12は、複数のコールセンター20に対して、各コールセンター20のオペレータ21とユーザとの通話内容に基づいて、各コールセンター20に割り振る回線数を設定する。
【0060】
これにより、中継装置5は、オペレータ21の対応に応じて各コールセンター20の回線数を設定することができる。そのため、中継装置5は、たとえば、ユーザの満足度が高いコールセンター20に多くの回線数を設定することで、ユーザの満足度が高いオペレータ21によって、多くのユーザの対応を実現させることができる。従って、中継装置5は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0061】
制御部12は、通話内容からユーザの感情を推定し、推定した感情に基づいて、回線数を設定する。
【0062】
これにより、中継装置5は、ユーザの感情に基づいて、オペレータ21の対応に対するユーザの満足度を正確に判定することができる。たとえば、ユーザにアンケートを行うことで、オペレータ21の対応を判定することも可能であるが、アンケートはユーザの主観的な感想が大きく反映されるため、実際のオペレータ21の対応に対するユーザの満足度を正確に判定することが難しい。これに対して、中継装置5は、通話内容からユーザの感情を客観的に推定することで、ユーザの満足度を正確に判定することができる。したがって、中継装置5は、ユーザの満足度に応じた各コールセンター20の回線数を好適に設定することができる。
【0063】
制御部12は、推定したユーザの感情に対してスコアを設定し、各コールセンター20の第2スコアに基づいて、回線数を設定する。
【0064】
これにより、中継装置5は、各コールセンター20のオペレータ21の対応に応じて、各コールセンター20の回線数を好適に設定することができる。たとえば、中継装置5は、第2スコアが大きいコールセンター20の回線数を、第2スコアが小さいコールセンター20の回線数よりも少なくすることで、各コールセンター20のオペレータ21の対応に応じて、各コールセンター20の回線数を好適に設定することができる。
【0065】
制御部12は、所定期間における各コールセンター20の第2スコアに基づいて、回線数を設定する。
【0066】
これにより、中継装置5は、各コールセンター20のオペレータ21の対応を反映した回線数を設定することができる。そのため、第2スコアが低く、回線数が少なかったコールセンター20であっても、たとえば、AIエージェントを更新することで第2スコアが大きくなった場合には、多くの回線数を取得することができる。
【0067】
オペレータ21は、人を含む。これにより、コールセンター20は、様々なユーザに応じた対応を取ることができる。
【0068】
オペレータ21は、AIエージェントを含む。これにより、コールセンター20は、費用を抑制することができる。
【0069】
AIエージェントは、コールセンター20毎に異なる。これにより、優れたAIエージェントを配置したコールセンター20は、多くの回線数を得ることができる。
【0070】
なお、中継装置5の機能は、1以上のコンピュータによって実装されてよい。中継装置5の少なくとも一部の機能は、仮想マシンによって実装されてよい。また、中継装置5の機能の少なくとも一部は、クラウドで実装されてよい。
【0071】
図5は、中継装置5として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0072】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0073】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0074】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0075】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0076】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0077】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0078】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0079】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0080】
上記したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0081】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0083】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0084】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0085】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0086】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0087】
1 通話システム
2 ユーザ端末
3 通話端末
4 通話装置
5 中継装置
12 制御部
20 コールセンター
21 オペレータ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5