(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008903
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】包装袋の厚さ測定装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111513
(22)【出願日】2023-07-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和 5年 2月 7日 公開場所 カルビー株式会社 湖南工場 公開者 株式会社川島製作所 公開内容 株式会社川島製作所は、カルビー株式会社 湖南工場にて、山本博久が発明した包装袋の厚さ測定装置を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
(57)【要約】
【課題】包装袋に押圧力を加えることなく包装袋の厚さを測定する。
【解決手段】縦型製袋充填包装機20により製造され複数の食品16が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋10を厚さ測定用搬送路30Aによって搬送する際に、厚さ検出部32によって厚さ測定用搬送路30A上で搬送される包装袋10の上面11に対して検出光L1を照射すると共に包装袋10の上面11で反射された反射光L2に基づいて包装袋10の厚さに対応する厚さ検出信号を生成し、サンプリング部34Aによって得られた包装袋10毎に複数個のサンプリングデータに基づいて厚さ算出部34Bによって包装袋10の厚さ測定値を包装袋10毎に算出するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型製袋充填包装機により製造された複数の食品が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋の厚さ測定装置であって、
ほぼ水平方向に延在し前記包装袋を搬送する厚さ測定用搬送路と、
前記厚さ測定用搬送路上で搬送される前記包装袋の上面に対して検出光を照射すると共に前記包装袋の上面で反射された反射光に基づいて前記包装袋の厚さに対応する厚さ検出信号を生成する厚さ検出部と、
前記厚さ検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより前記包装袋毎に複数個のサンプリングデータを得るサンプリング部と、
前記複数個のサンプリングデータに基づいて前記包装袋の厚さ測定値を前記包装袋毎に算出する厚さ算出部と、
を備えることを特徴とする包装袋の厚さ測定装置。
【請求項2】
前記厚さ測定用搬送路の上流端に接続する均し用搬送路が設けられ、
前記均し用搬送路に、前記包装袋に積み重ねられて収容された前記複数の食品に対して振動を与え前記包装袋の上面をほぼ平坦に均す振動部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項3】
前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータのうちの最大値を特定することによりなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項4】
前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)の算術平均値を算出することによりなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項5】
前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)のサンプリングデータから前記包装袋の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することによりなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【請求項6】
前記複数の包装袋の前記厚さ測定値に基づいて統計データを算出する統計データ算出部をさらに備え、
前記統計データは、前記厚さ測定値の最大値と最小値の差分値と、前記厚さ測定値の算術平均値と、前記厚さ測定値の標準偏差値と、前記差分値、前記算術平均値、前記標準偏差値の少なくとも1つの時間経過に伴う変化傾向を示すトレンドグラフとの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の包装袋の厚さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の厚さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機によって、例えばスナック菓子などの複数の食品が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋を製造する場合、縦型製袋充填包装機から搬送路上に排出された包装袋は、搬送路上に配置された厚さ測定装置によってその厚さが検出される。
そして、厚さが合格範囲を満たすものを合格品とし、満たさないものを不良品として排除する。
このような厚さ測定装置として、搬送路の上方に、サーボモータの回転駆動力によって昇降される押圧部材を設け、押圧部材を下降させて包装袋の上面を押圧させた状態で検出されたサーボモータの回転量に基づいて包装袋の厚さを検出するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、包装袋の容積が大きく、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品に対して包装袋の収容空間に余裕が確保されている場合、押圧部材から包装袋の上面に押圧力が加わった場合に複数の食品は収容空間内で移動しやすい。
そのため、押圧部材が包装袋の上面を押圧した際に、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品は押圧力を受けるものの収容空間内で移動することができるため、押圧部材と複数の食品の突起部、角部や縁部との間で包装袋の上面の部分が局所的に挟みこまれることが少ない。
一方、包装袋の容積が比較的小さく、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品に対して包装袋の収容空間に余裕がそれほど確保されていない場合、押圧部材から包装袋の上面に押圧力が加わった場合に複数の食品はその移動が制限される。
そのため、押圧部材が包装袋の上面を押圧した際に、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品の突起部、角部や縁部が包装袋の上面に対して内側から当接しやすくなり、押圧部材と複数の食品の突起部、角部や縁部との間で包装袋の上面の部分が挟みこまれて包装袋の上面の部分に局所的に大きな押圧力が加わりやすくなる。
その結果、包装袋の上面の部分に局所的に加わる押圧力の大きさによっては、包装袋の上面にピンホールが生じることが懸念され、何らかの改善が求められている。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、包装袋に押圧力を加えることなく包装袋の厚さを測定する上で有利な包装袋の厚さ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、縦型製袋充填包装機により製造された複数の食品が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋の厚さ測定装置であって、ほぼ水平方向に延在し前記包装袋を搬送する厚さ測定用搬送路と、前記厚さ測定用搬送路上で搬送される前記包装袋の上面に対して検出光を照射すると共に前記包装袋の上面で反射された前記検出光に基づいて前記包装袋の厚さに対応する厚さ検出信号を生成する厚さ検出部と、前記厚さ検出信号を所定周期でサンプリングすることにより前記包装袋毎に複数個のサンプリングデータを得るサンプリング部と、前記複数個のサンプリングデータに基づいて前記包装袋の厚さ測定値を前記包装袋毎に算出する厚さ算出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記厚さ測定用搬送路の上流端に接続する均し用搬送路が設けられ、前記均し用搬送路に、前記包装袋に積み重ねられて収容された前記複数の食品に対して振動を与え前記包装袋の上面をほぼ平坦に均す振動部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータのうちの最大値を特定することによりなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)の算術平均値を算出することによりなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記厚さ算出部による前記厚さ測定値の算出は、前記包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)のサンプリングデータから前記包装袋の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することによりなされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記複数の包装袋の前記厚さ測定値に基づいて統計データを算出する統計データ算出部をさらに備え、前記統計データは、前記厚さ測定値の最大値と最小値の差分値と、前記厚さ測定値の算術平均値と、前記厚さ測定値の標準偏差値と、前記差分値、前記算術平均値、前記標準偏差値の少なくとも1つの時間経過に伴う変化傾向を示すトレンドグラフとの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、包装袋の上面に対して押圧力を与えること無く包装袋の厚さ測定値を得ることができるため、従来のように押圧部材が包装袋の上面を押圧することで押圧部材と上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品の突起部、角部や縁部との間で包装袋の上面の部分が挟みこまれて包装袋の上面の部分に局所的に大きな押圧力が加わることがなく、包装袋の上面にピンホールが生じることを確実に防止しつつ、包装袋の厚さを測定する上で有利となる。
また、均し用搬送路に設けた振動部によって、包装袋に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品に対して振動を与え包装袋の上面をほぼ平坦に均すようにすると、厚さ検出部によって生成される包装袋の上面に対応する厚さ検出信号の変動を抑制できるため、厚さ算出部によって算出される包装袋の厚さ測定値のばらつきや誤差を低減する上で有利となり、厚さ測定値の精度の向上を図る上で有利となる。
また、厚さ算出部が包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータのうちの最大値を特定することにより厚さ測定値を算出するようにすると、複数個のサンプリングデータから最大値を特定するといった簡単な処理で足りるため、厚さ算出部による厚さ測定値の算出を高速に行なう上で有利となる。そのため、厚さ測定用搬送路の搬送速度を高速化する上で有利となり、厚さ測定装置による包装袋の厚さ測定の効率化を図る上で有利となる。
また、厚さ算出部が包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)の算術平均値を算出することにより厚さ測定値を算出するようにすると、厚さ測定値のばらつきを抑制する上で有利となることから厚さ測定値の精度の向上を図る上で有利となる。
また、厚さ算出部が包装袋毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)のサンプリングデータから包装袋の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することにより厚さ測定値を算出するようにすると、厚さ測定値の精度を確保する上でより有利となる。
また、統計データ算出部が複数の包装袋の厚さ測定値に基づいて、厚さ測定値の最大値と最小値の差分値と、前記厚さ測定値の算術平均値と、前記厚さ測定値の標準偏差値と、前記差分値、前記算術平均値、前記標準偏差値の少なくとも1つの時間経過に伴う変化傾向を示すトレンドグラフとの少なくとも1つを含む統計データを算出するようにすると、それら統計データに基づいて縦型製袋充填包装機の機能や動作が正常であるか否かを的確に判断することができるため、縦型製袋充填包装機の調整作業や保守作業を的確に実施する上で有利となり、製造される包装袋の歩留まりや品質の向上を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の構成を示す側面図である。
【
図2】実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図3】厚さ測定用搬送路上の包装袋と厚さ検出部との位置関係を示す側面図である。
【
図4】(A)は時間経過に伴う厚さ検出信号の変化を示す線図、(B)は時間経過に伴うサンプリングデータの変化を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、包装袋について説明する。
図1、
図3に示すように、本実施の形態において、包装袋10は単包袋10Aであり、複数の食品16が収容されるものである。
図3に示すように、単包袋10Aからなる包装袋10は、複数の食品16が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された単一の袋体12からなるものであり、長さと、長さと直交する幅と、長さおよび幅と直交する厚さとを有しており、長さ方向の両端がシール部14によってシールされている。
なお、本明細書において、複数の食品16とは、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて包装袋10に収容されるものであればよく、食品16の形状や大きさは特に限定されるものではない。
このような食品16として、例えば、1つ1つの食品16の大きさや形状が不揃いなポテトチップスやポップコーン、あるいは、1つ1つの食品16の大きさや形状が同一またはほぼ同一に形成されたクッキーやキャンディーなどが挙げられる。
包装袋10は、例えば、不透明な包装フィルムで形成されており、このような包装フィルムとして、スナック菓子などの食品16の酸化を防止するため遮光性のあるアルミ蒸着フィルムが用いられている。
【0009】
図1、
図3に示すように、包装袋10の袋体12に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容される複数の食品16は、例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子であるが、収容される食品16の種類は限定されるものではない。また、縦型製袋充填包装機20によって食品16と共に空気が袋体12に収容されることによって袋体12をある程度膨らませた状態としている。これは、空気によって袋体12の厚さを確保することで輸送時の衝撃を緩和し、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された食品16の保護を図るためである。
【0010】
図1に示すように、包装袋10は、縦型製袋充填包装機20によって複数の食品16が袋体12に空気と共に収容されて製造される。
図1において、符号20Aは縦型製袋充填包装機20の横シール部を示し、横シール部20Aによって包装袋10のシール部14が形成される。
そして、製造された包装袋10は、縦型製袋充填包装機20からその下方に位置しほぼ鉛直方向に延在する排出シュート22に向かって落下されたのち、排出シュート22から搬送方向の下流に至るほど高さが高くなるゆるやかな傾斜で延在する排出コンベヤ24上に包装袋10の自重により排出される。
ここで、包装袋10は、搬送方向の上流側に、包装袋10の長さ方向の一端のシール部14が位置し、搬送方向の下流側に包装袋10の長さ方向の他端のシール部14が位置するように排出コンベヤ24上に排出される。
また、包装袋10は縦型製袋充填包装機20から排出シュート22に間欠的に落下されるため、各包装袋10は排出コンベヤ24および後述する均し用コンベヤ28、第1搬送コンベヤ30、第2搬送コンベヤ40上では搬送方向において間隔をおいた状態で搬送される。
排出コンベヤ24は、不図示のモータによって回転駆動される駆動ローラ2402と、従動ローラ2404と、それらローラ2402、2404にわたって掛け回されその上面で包装袋10を搬送するコンベヤベルト2406とを含んで構成され、排出コンベヤ24の搬送速度は所定速度となるように制御されている。
【0011】
ところで、
図1に示すように、縦型製袋充填包装機20から排出される包装袋10はその長さ方向が鉛直方向を向いた状態で排出シュート22に向かって排出される。
そのため、包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16は自重により下部に位置するシール部14寄りに移動して偏在した状態で排出シュート22から排出コンベヤ24上に移送されるので、排出コンベヤ24上においては、包装袋10に収容された複数の食品16の大部分は搬送方向の下流側に位置するシール部14寄りの箇所に偏在した状態となる。
その結果、排出コンベヤ24上においては、搬送方向および上下方向と直交する方向から見て、包装袋10のうち、搬送方向の下流側に位置するシール部14寄りの箇所は複数の食品16の大部分が偏在して上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられていることから包装袋10の厚さが大きくなる。
一方、包装袋10のうち、搬送方向の上流側に位置するシール部14寄りの箇所は複数の食品16がほとんど存在しないことから包装袋10の厚さが小さくなる。
したがって、搬送方向および上下方向と直交する方向から見て、包装袋10は、搬送方向の下流側から上流側に至るにつれて次第に厚さが小さくなる形状、言い換えると、包装袋10は雫型の形状を呈し、包装袋10の上面11のうち両端のシール部14を除く部分は上方に凸状の湾曲形状を呈している。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態に係る包装袋の厚さ測定装置26(以下単に厚さ測定装置26という)は、搬送方向において排出コンベヤ24の下流側に配置されている。
図1、
図2に示すように、厚さ測定装置26は、均し用搬送路28Aと、厚さ測定用搬送路30Aと、厚さ検出部32と、制御装置34とを含んで構成されている。
【0013】
均し用搬送路28Aは、その上流端が排出コンベヤ24の下流端に接続された均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806の上面によって構成されている。
均し用コンベヤ28は、排出コンベヤ24と同様に搬送方向の下流に至るほど高さが高くなるゆるやかな傾斜で延在している。
均し用コンベヤ28は、不図示のモータによって回転駆動される駆動ローラ2802と、従動ローラ2804と、それらローラ2802、2804にわたって掛け回されその上面で包装袋10を搬送する上側のコンベヤベルト2806とを含んで構成され、均し用コンベヤ28の搬送速度は所定速度となるように制御されている。
また、均し用コンベヤ28には振動部36が設けられている。
振動部36は、上側のコンベヤベルト2806を振動させることによって包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16に対して振動を与え、これにより、包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容されている複数の食品16の偏在を均し、これにより雫型となっていた包装袋10の形状を均し、包装袋10の上面11をほぼ平坦に均すものである。
本実施の形態では、振動部36は、上側のコンベヤベルト2806の下面にコンベヤベルト2806の搬送方向に間隔をおいて回転可能に設けられた一対の角柱状の振動用ローラ3602、3604と、それら振動用ローラ3602、3604毎に設けられそれらローラ3602、3604を回転駆動させる不図示のモータとで構成されている。
一対の振動用ローラ3602、3604は、4つの角部と、隣り合う角部を接続する4つの平坦面とを備え、上記モータによってそれぞれ回転駆動されることによりそれら角部と平坦面とが上側のコンベヤベルト2806の下面に交互に当接することで上側のコンベヤベルト2806に振動が与えられる。
なお、本実施の形態では、振動部36として一対の振動用ローラ3602、3604および上記モータを用いた場合について説明したが、振動部36は、包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16に対して振動を与えることができればよく、振動部36の構成は限定されない。例えば、市販の振動発生機を用いて上側のコンベヤベルト2806を振動させるようにしてもよいが、本実施の形態のようにすると、振動部36の簡素化、低コスト化、省電力化を図る上で有利となる。
【0014】
均し用コンベヤ28の上方には、均し用コンベヤ28に間隔をおいて対向する上抑え用コンベヤ38が設けられている。
上抑え用コンベヤ38は、不図示のモータによって回転駆動される駆動ローラ3802と、従動ローラ3804と、それらローラ3802、3804にわたって掛け回されたコンベヤベルト3806とを含んで構成され、上抑え用コンベヤ38は、均し用コンベヤ28と同一の搬送速度となるように制御されている。
均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806上に包装袋10が存在しない状態では、均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806に対向する上抑え用コンベヤ38のコンベヤベルト3806の下側の部分は自重により下方に垂れ下がった状態となっている。
ここで、均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806によって包装袋10が搬送されてくると、上抑え用コンベヤ38の垂れ下がったコンベヤベルト3806の下側部分と均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806との間に包装袋10が挟まれる。
そして、包装袋10は、上下方向からコンベヤベルト3806、2806で挟まれた状態で搬送されつつ振動部36により振動が与えられる。
したがって、包装袋10は、振動部36から振動が与えられても、コンベヤベルト3806、2806で挟まれているので、均し用コンベヤ28の上側のコンベヤベルト2806から脱落しないように図られている。
この際、均し用コンベヤ28のコンベヤベルト2806の下側の部分は自重により下方に弛んだ状態となっているため、コンベヤベルト2806から包装袋10の上面11に加わる押圧力は、包装袋10が均し用コンベヤ28のコンベヤベルト2806から脱落しないために必要な最小限のものとなっている。
【0015】
厚さ測定用搬送路30Aは、その上流端が均し用コンベヤ28の下流端に接続された第1搬送コンベヤ30のコンベヤベルト3006の上面で構成されている。
本実施の形態では、第1搬送コンベヤ30は、ほぼ水平方向に延在している。
第1搬送コンベヤ30は、不図示のモータによって回転駆動される駆動ローラ3002と、従動ローラ3004と、それらローラ3002、3004にわたって掛け回されその上面で包装袋10を搬送するコンベヤベルト3006とを含んで構成され、第1搬送コンベヤ30の搬送速度は所定速度となるように制御されている。
また、第1搬送コンベヤ30の下流端には、その上流端が接続された第2搬送コンベヤ40が設けられている。
本実施の形態では、第2搬送コンベヤ40は、ほぼ水平方向に延在している。
第2搬送コンベヤ40は、不図示のモータによって回転駆動される不図示の駆動ローラと、従動ローラ4004と、それらローラにわたって掛け回されその上面で包装袋10を搬送するコンベヤベルト4006とを含んで構成され、第2搬送コンベヤ40の搬送速度は所定速度となるように制御されている。
第2搬送コンベヤ40の側方には、厚さ測定装置26によって検出された厚さが不良と判定された包装袋10に圧縮空気を噴射して第2搬送コンベヤ40上から排除する噴射ノズル42が配置されている。
なお、本実施の形態では、第1搬送コンベヤ30、第2搬送コンベヤ40がほぼ水平方向に延在する場合について説明したが、それらコンベヤ30、40の一方あるいは双方が均し用コンベヤ28と同様に搬送方向の下流に至るほど高さが高くなるゆるやかな傾斜で延在するなど任意である。
すなわち、第1搬送コンベヤ30、第2搬送コンベヤ40の傾斜の有無や傾斜角度は、厚さ測定装置26の前後に設けられたコンベヤを含む設備のレイアウトなどに応じて適宜設定されることはいうまでもない。
【0016】
厚さ検出部32は、
図3に示すように、厚さ測定用搬送路30Aの上方に配置され、厚さ測定用搬送路30A上で搬送される包装袋10の上面11に対して検出光L1を照射すると共に包装袋10の上面11で反射された反射光L2に基づいて包装袋10の厚さに対応する厚さ検出信号を生成し、後述する制御装置34に供給するものである。
このような厚さ検出部32として、例えば、受光素子としてPSD(一次元位置受光素子)、あるいは、CCDやCMOSを用いる三角測距方式の光学式変位センサなど、従来公知の様々な方式の変位センサが使用可能である。
本実施の形態では、厚さ検出部32は、厚さ測定用搬送路30Aを構成するコンベヤベルト3006の上面の位置から包装袋10の上面11の位置までの距離に基づいて厚さ検出信号を生成する。
また、本実施の形態では、厚さ検出信号がアナログ信号であり、その電圧が包装袋10の厚さに比例する場合について説明するが、厚さ検出信号は包装袋10の厚さに対応して厚さを特定することができればよく、厚さ検出信号はアナログ信号に限定されずデジタル信号であってもよく、厚さ検出信号の種類は限定されない。
図4(A)に厚さ検出信号の時間経過による変化を示しており、横軸は時間t(sec)、縦軸は厚さ検出信号の電圧S(V)を示している。
本実施の形態では、厚さ検出部32は常時動作しているため、検出光L1の光軸上に包装袋10が存在しない期間では、厚さ検出信号はコンベヤベルト3006の上面の位置に対応する基準値(例えば0V)となり、検出光L1の光軸上を包装袋10が通過する期間では、厚さ検出信号は包装袋10の上面11の位置に比例した(対応した)大きさの電圧S(V)となる。
【0017】
図2に示すように、制御装置34は、コンピュータによって構成され、コンピュータが制御プログラムを実行することによって、サンプリング部34A、厚さ算出部34B、判定部34C、記憶部34D、統計データ算出部34Eが実現されている。
【0018】
サンプリング部34Aは、厚さ検出部32から供給される厚さ検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより包装袋10毎に複数個のサンプリングデータを得るものである。
図4(B)にサンプリングデータの時間経過による変化を示しており、横軸が時間t(sec)、縦軸がサンプリングデータDを示している。
【0019】
厚さ算出部34Bは、サンプリング部34Aで得られた複数のサンプリングデータに基づいて包装袋10の厚さ測定値を包装袋10毎に算出するものである。
厚さ算出部34Bによる厚さ測定値の算出方法は、以下に示すようなものが挙げられる。
【0020】
(1)厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータのうちの最大値を特定することにより厚さ測定値を算出する。
図4(B)で説明すると、サンプリングデータの最大値をDmaxとすると、このサンプリングデータの最大値Dmaxを包装袋10の厚さ測定値として算出する。
ここで、包装袋10の両端のシール部14の位置は、両端のシール部14を除く包装袋10の上面11の位置に対して低位にあるため、サンプリングデータの最大値Dmaxは、包装袋10の両端のシール部14を除く包装袋10の上面11の位置、言い換えると、袋体12の上面11の位置に対応していることは言うまでもない。
【0021】
(2)厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)の算術平均値を算出することにより厚さ測定値を算出する。
ここで、上位N個のサンプリングデータには、両端のシール部14を除く包装袋10の上面11の位置のサンプリングデータのみが含まれ、包装袋10の両端のシール部14の位置のサンプリングデータが含まれないように、Nの数値の上限を考慮して設定する必要がある。
図4(B)で説明すると、例えば、N=5とした場合、上位5個のサンプリングデータD1-D5の算術平均値を算出することにより厚さ測定値を算出する。
【0022】
(3)厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)のサンプリングデータから包装袋10の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することにより厚さ測定値を算出する。
ここで、Nの数値の設定は上記(2)の場合と同様に上限を考慮してなされる。
図4(B)で説明すると、例えば、N=5とした場合、上位5個のサンプリングデータD1-D5から包装袋10の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することにより厚さ測定値を算出する。
なお、上述した(2)、(3)の場合、Nの数値は、上述した上限に加えて、サンプリング周期、得ようとする厚さ測定値の精度、第1搬送コンベヤ30の搬送速度、シール部14を除く包装袋10の長さ(袋体12の長さ)などを考慮して適宜設定される。
【0023】
判定部34Cは、厚さ算出部34Bによって算出された包装袋10の厚さ測定値が所定の上限値および下限値で規定される合格範囲内にあるか否かを判定し、包装袋10の厚さが合格範囲内であれば包装袋10を良品と判定し、包装袋10の厚さが合格範囲内になければ包装袋10を不良品と判定する。
そして、判定部34Cは、包装袋10を不良品と判定した場合には、噴射ノズル42に動作信号を与えることにより噴射ノズル42から圧縮空気を噴射させ、第2搬送コンベヤ40上を搬送される不良品とされた包装袋10を第2搬送コンベヤ40上から排除する。
【0024】
記憶部34Dは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値を、時間経過と共に順次記憶するものであり、例えば、厚さ測定値と、不図示の計時部から供給される時刻データ(年月日および時刻)とを関連付けて記憶している。
【0025】
統計データ算出部34Eは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて以下のように統計データを算出するものである。
統計データ算出部34Eによる統計データの算出は、記憶部34Dから読み出した複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて行ってもよく、あるいは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて行っても良い。
統計データは、複数の包装袋10の厚さ測定値の最大値と最小値の差分値であっても、複数の包装袋10の厚さ測定値の算術平均値であっても、複数の包装袋10の厚さ測定値の標準偏差値であってもよい。
【0026】
また、統計データは、上述した差分値、算術平均値、標準偏差値の少なくとも1つの時間経過に伴う変化傾向を示すトレンドグラフであってもよい。
なお、算出された統計データは、例えば、不図示のモニタ装置の画面に表示出力してもよく、あるいは、不図示のプリンタ装置によって印刷出力してもよく、あるいは、他の端末装置や記憶媒体に転送して利用するなど任意である。
【0027】
次に厚さ測定装置26の動作について説明する。
図1に示すように、縦型製袋充填包装機20によって、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられた食品16が収容された包装袋10が製造される。
包装袋10はその長さ方向が鉛直方向を向いた状態で縦型製袋充填包装機20から排出シュート22に向かって排出され、排出シュート22から排出コンベヤ24上に移送される。
この際、包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16は、その自重によって包装袋10の下流側に位置するシール部14寄りに偏在するため、排出コンベヤ24上において包装袋10は雫型の形状を呈している。
【0028】
包装袋10は、排出コンベヤ24から均し用コンベヤ28に移送されて搬送される過程で振動部36により上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16に対して振動が与えられることで、包装袋10に収容されている複数の食品16の偏在が均され、これにより雫型となっていた包装袋10の形状が均され、包装袋10の上面11がほぼ平坦となるように均される。
包装袋10の上面11がほぼ平坦となるように均された包装袋10は均し用コンベヤ28から第1搬送コンベヤ30(厚さ測定用搬送路30A)上に移送され、第1搬送コンベヤ30によって搬送方向に搬送される。
図3に示すように、厚さ検出装置の検出光L1の光軸上を包装袋10の上面11が通過することにより、厚さ検出装置から包装袋10の上面11の位置に対応した厚さ検出信号が生成され、サンプリング部34Aに供給される。
サンプリング部34Aは、厚さ検出信号を所定周期でサンプリングすることにより包装袋10毎に複数個のサンプリングデータを生成する。
厚さ算出部34Bは、複数個のサンプリングデータに基づいて包装袋10の厚さ測定値を包装袋10毎に算出する。
【0029】
判定部34Cは、厚さ算出部34Bによって算出された包装袋10の厚さ測定値が所定の上限値および下限値で規定される合格範囲内にあるか否かを判定する。
やがて、包装袋10は、第1搬送コンベヤ30から第2搬送コンベヤ40に移送され第2搬送コンベヤ40によって搬送方向に搬送される。
判定部34Cで、良品と判定された包装袋10は第2搬送コンベヤ40によって、例えば、包装袋10の箱詰めを行なうなどの後工程に搬送される。
判定部34Cで、不良品と判定された包装袋10は、判定部34Cによって噴射ノズル42から圧縮空気が噴射させることで第2搬送コンベヤ40上から排除される。
また、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値は記憶部34Dに記憶され、統計データ算出部34Eは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて統計データを算出する。
【0030】
本実施の形態によれば、縦型製袋充填包装機20により製造され複数の食品16が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋10を厚さ測定用搬送路30Aによって搬送する際に、厚さ検出部32によって厚さ測定用搬送路30A上で搬送される包装袋10の上面11に対して検出光L1を照射すると共に包装袋10の上面11で反射された反射光L2に基づいて包装袋10の厚さに対応する厚さ検出信号を生成し、サンプリング部34Aによって得られた包装袋10毎に複数個のサンプリングデータに基づいて厚さ算出部34Bによって包装袋10の厚さ測定値を包装袋10毎に算出するようにした。
したがって、包装袋10の上面11に対して押圧力を与えること無く包装袋10の厚さ測定値を得ることができるため、従来のように押圧部材が包装袋10の上面11を押圧することで押圧部材と上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16の突起部、角部や縁部との間で包装袋10の上面11の部分が挟みこまれて包装袋10の上面11の部分に局所的に大きな押圧力が加わることがない。
特に、包装袋10の容積が比較的小さく、上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16に対して包装袋10の収容空間に余裕がそれほど確保されておらず、押圧部材から包装袋10の上面11に押圧力が加わった場合に複数の食品16の移動が制限される場合であっても、押圧部材と複数の食品16の突起部、角部や縁部との間で包装袋10の上面11の部分が挟みこまれて包装袋10の上面11の部分に局所的に大きな押圧力が加わることがない。
そのため、複数の食品16が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された包装袋10の上面11にピンホールが生じることを確実に防止しつつ、包装袋10の厚さを測定する上で有利となる。
また、従来のように押圧部材で包装袋10の上面11に押圧力を与える場合には、押圧部材を包装袋10の上面11に対して離間接近する方向に往復移動させるための移動機構が必要となることは無論のこと、各包装袋10の厚さを測定する毎に、押圧部材を移動させるための動作時間が余分にかかり、多数の包装袋10の厚さを測定する場合に多大な時間ロスが発生する。
これに対して本実施の形態では、押圧部材の移動機構が不要であるため、厚さ測定装置26の構成の簡素化、低コスト化を図る上で有利となり、また、各包装袋10の厚さを検出する毎に、押圧部材を移動させるための動作時間がかからないため、多数の包装袋10の厚さを短時間で効率よく測定する上で有利となる。
【0031】
また、本実施の形態では、均し用搬送路28Aに設けた振動部36によって、包装袋10に上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の食品16に対して振動を与え包装袋10の上面11をほぼ平坦に均すようにしたが、均し用搬送路28Aおよび振動部36を省略してもよい。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、厚さ検出部32によって生成される包装袋10の上面11に対応する厚さ検出信号の変動を抑制できるため、厚さ算出部34Bによって算出される包装袋10の厚さ測定値のばらつきや誤差を低減する上で有利となり、厚さ測定値の精度の向上を図る上で有利となる。
【0032】
また、本実施の形態では、厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータのうちの最大値を特定することにより厚さ測定値を算出するようにした。
したがって、複数個のサンプリングデータから最大値Dmaxを特定するといった簡単な処理で厚さ測定値を算出できるため、厚さ算出部34Bによる厚さ測定値の算出を高速に行なう上で有利となる。そのため、第1搬送コンベヤ30の搬送速度を高速化する上で有利となり、厚さ測定装置26による包装袋10の厚さ測定の効率化を図る上で有利となる。
【0033】
また、本実施の形態では、厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)の算術平均値を算出することにより厚さ測定値を算出するようにした。
したがって、複数個のサンプリングデータの上位N個の算術平均値を算出するので、複数個のサンプリングデータから最大値Dmaxを特定する場合に比較して厚さ測定値のばらつきを抑制する上で有利となることから厚さ測定値の精度の向上を図る上で有利となる。
【0034】
また、本実施の形態では、厚さ算出部34Bは、包装袋10毎に得られた複数個のサンプリングデータの上位N個(Nは2以上の自然数)のサンプリングデータから包装袋10の搬送方向に沿った長さで重み付けされた加重平均値を算出することにより厚さ測定値を算出するようにした。
したがって、複数個のサンプリングデータの上位N個の加重平均値を算出するので、複数個のサンプリングデータの上位N個の算術平均値を算出する場合に比較して厚さ測定値の精度を確保する上でより有利となる。
【0035】
また、本実施の形態では、統計データ算出部34Eは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて、厚さ測定値の最大値と最小値の差分値、複数の包装袋10の厚さ測定値の算術平均値、複数の包装袋10の厚さ測定値の標準偏差値といった統計データを算出するようにした。
したがって、このような差分値、算術平均値、標準偏差値などの統計データを、一定数の包装袋10が製造される毎に、あるいは、所定時間が経過する毎に算出することによって、それら統計データの大小や変化に基づいて縦型製袋充填包装機20の機能や動作が正常であるか否かを的確に判断することができるため、縦型製袋充填包装機20の調整作業や保守作業を的確に実施する上で有利となり、製造される包装袋10の歩留まりや品質の向上を図る上で有利となる。
【0036】
また、本実施の形態では、統計データ算出部34Eは、厚さ算出部34Bによって算出された複数の包装袋10の厚さ測定値に基づいて、上述した差分値、算術平均値、標準偏差値の少なくとも1つの時間経過に伴う変化傾向を示すトレンドグラフからなる統計データを算出するようにした。
したがって、このようなトレンドグラフの変化を監視することで縦型製袋充填包装機20の動作や機能が正常であるか否かをリアルタイムにかつ早期に判断することができるため、縦型製袋充填包装機20の調整作業や保守作業を的確に実施する上でより有利となり、製造される包装袋10の歩留まりや品質の向上を図る上でより有利となる。
【0037】
なお、本実施の形態では、包装袋10が単包袋10Aである場合について説明したが、包装袋10が連包袋であっても本発明は無論適用可能である。
連包袋は、複数の食品が上下方向、水平方向にランダムに積み重ねられて収容された複数の袋体がシール部を介して接続されたものである。
連包袋も単包袋10Aと同様に、不透明な包装フィルム、例えば、遮光性のあるアルミ蒸着フィルムで形成されている。
連包袋は、複数の袋体が連接された方向の長さを有し、袋体とシール部は連包袋の長さ方向に沿った長さを有し、袋体の長さ方向の両端にシール部が位置している。
シール部の長さ方向の中間部に袋体の破断を可能としたミシン目が設けられ、ミシン目はシール部の長さ方向と直交する方向に延在している。
このような連包袋の場合には、連包袋を構成する複数の袋体毎に厚さ測定値を得るようにすればよく、実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
【符号の説明】
【0038】
10 包装袋
10A 単包袋
11 上面
12 袋体
14 シール部
16 食品
20 縦型製袋充填包装機
20A 横シール部
22 排出シュート
24 排出コンベヤ
2402 駆動ローラ
2404 従動ローラ
2406 コンベヤベルト
26 包装袋の厚さ測定装置
28 均し用コンベヤ
28A 均し用搬送路
2802 駆動ローラ
2804 従動ローラ
2806 コンベヤベルト
30 第1搬送コンベヤ
30A 厚さ検出用搬送路
3002 駆動ローラ
3004 従動ローラ
3006 コンベヤベルト
32 厚さ検出部
L1 検出光
L2 反射光
34 制御装置
34A サンプリング部
34B 厚さ算出部
34C 判定部
34D 記憶部
34E 統計データ算出部
36 振動部
3602 振動用ローラ
3604 振動用ローラ
38 上抑え用コンベヤ
3802 駆動ローラ
3804 従動ローラ
3806 コンベヤベルト
40 第2搬送コンベヤ
4002 駆動ローラ
4004 従動ローラ
4006 コンベヤベルト
42 噴射ノズル