(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008905
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ナビゲーションシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20250109BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111515
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰貴
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA04
2F129BB03
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD34
2F129EE02
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2F129EE52
2F129EE65
2F129EE79
2F129FF02
2F129FF15
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2F129FF63
2F129FF73
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA14
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181MA16
(57)【要約】
【課題】利用者が所望する目的地の情報を簡単な操作で登録可能とする。
【解決手段】第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づけると、乗客用アプリ(C)のインストール情報が第2携帯端末500に送信され、インストールすることが確認されると乗客用アプリ(C)のインストールが行なわれる。その後、第2携帯端末500において目的地を指定する操作が行なわれると、目的地設定アプリ(B)から乗客用アプリ(C)に対して目的地情報が転送され、第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づけるように案内される。第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づけると、第2携帯端末500から第1携帯端末400を経由してナビゲーション装置300に目的地情報が送信され、ナビゲーション装置300において目的地が設定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1携帯端末と、
前記第1携帯端末との距離が所定値以下になると、近距離無線通信を用いて、前記第1携帯端末の通信が確立する第2携帯端末と、
前記第1携帯端末と通信可能な車載のナビゲーション装置とを備え、
前記第1携帯端末と前記第2携帯端末との前記通信が確立すると、前記第1携帯端末は、前記第2携帯端末において選択された目的地を含む目的地情報を受信し、前記ナビゲーション装置に対して前記目的地情報を送信し、
前記ナビゲーション装置は、前記第1携帯端末から前記目的地情報を受信すると、受信した前記目的地情報を用いて経路案内の目的地を設定する、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記第1携帯端末は、前記第2携帯端末との前記通信が確立すると、予め定められたソフトウェアを前記第2携帯端末に送信し、
前記予め定められたソフトウェアは、前記目的地情報を前記近距離無線通信によって前記第1携帯端末に送信可能とするソフトウェアを含む、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記第2携帯端末は、前記予め定められたソフトウェアを用いて、前記第2携帯端末の既存のソフトウェアを用いて選択された前記目的地を含む情報を前記近距離無線通信によって前記第1携帯端末に送信可能とする前記目的地情報に変換する、請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記第1携帯端末と前記第2携帯端末との各々は、NFC(Near Field Communication)通信が可能に構成される、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タクシーなどの運送事業に用いられる車両においては、利用者が希望する目的地を車載のナビゲーション装置に登録することが求められる。そのため、たとえば、特開2019-184336号公報(特許文献1)には、車載の通信部と利用者の携帯端末等とで近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)を行なうことで利用者の携帯端末に保持される目的地の情報を用いて車載のナビゲーション装置の目的地を設定する技術が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車載のナビゲーション装置と任意の携帯端末との間において通信可能な状態にするためには、ペアリング時に複雑な操作を求められたり、あるいは、簡単な操作で通信可能とするための専用の機器をナビゲーション装置に備えておくことが求められたりする。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、利用者が所望する目的地の情報を簡単な操作で登録可能とするナビゲーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に係るナビゲーションシステムは、第1携帯端末と、第1携帯端末との距離が所定値以下になると、近距離無線通信を用いて、第1携帯端末の通信が確立する第2携帯端末と、第1携帯端末と通信可能な車載のナビゲーション装置とを備える。第1携帯端末と第2携帯端末との通信が確立すると、第1携帯端末は、第2携帯端末において選択された目的地を含む目的地情報を受信し、ナビゲーション装置に対して目的地情報を送信する。ナビゲーション装置は、第1携帯端末から目的地情報を受信すると、受信した目的地情報を用いて経路案内の目的地を設定する。
【0007】
このようにすると、第1携帯端末と第2携帯端末との近距離通信での通信が確立すると、第1携帯端末とナビゲーション装置とは通信可能であるため、ナビゲーション装置に第2携帯端末と直接的に通信可能とする専用の機器を設けることなく、第1携帯端末を経由して第2携帯端末とナビゲーション装置との通信が可能となる。そのため、第2携帯端末において選択された目的地をナビゲーション装置における経路案内の目的地として設定することができる。
【0008】
ある実施の形態においては、第1携帯端末は、第2携帯端末との通信が確立すると、予め定められたソフトウェアを第2携帯端末に送信する。予め定められたソフトウェアは、目的地情報を近距離無線通信によって第1携帯端末に送信可能とするソフトウェアを含む。
【0009】
このようにすると、第2携帯端末は、第1携帯端末との通信が確立すると近距離無線通信によって予め定められたソフトウェアを取得することができるため、目的地情報を第1携帯端末に送信することが可能となる。
【0010】
さらにある実施の形態においては、第2携帯端末は、予め定められたソフトウェアを用いて、第2携帯端末の既存のソフトウェアを用いて選択された目的地を含む情報を近距離無線通信によって第1携帯端末に送信可能とする目的地情報に変換する。
【0011】
このようにすると、第2携帯端末の既存のソフトウェアを用いて目的地を選択することができるため、ユーザにとって使い慣れたソフトウェアを用いて容易に目的地を選択することが可能となる。
【0012】
さらにある実施の形態においては、第1携帯端末と第2携帯端末との各々は、NFC通信が可能に構成される。
【0013】
このようにすると、NFC通信によって第1携帯端末と第2携帯端末との間で通信を確立することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によると、利用者が所望する目的地の情報を簡単な操作で登録可能とするナビゲーションステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施の形態に係るナビゲーションシステムを搭載した車両の構成の一例を示す図である。
【
図2】第1携帯端末と第2携帯端末との各々において実行される、乗客用アプリのインストール処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】第2携帯端末において実行される、目的地情報を生成する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】ナビゲーション装置と第1携帯端末と第2携帯端末との各々において実行される、目的地情報を転送する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】ナビゲーション装置と第1携帯端末と第2携帯端末との各々による一連の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
図1は、本実施の形態に係るナビゲーションシステム1を搭載した車両100の構成の一例を示す図である。本実施の形態における車両100は、たとえば、タクシーとして用いられる車両を含む。
図1に示すように、車両100は、ナビゲーションシステム1を搭載する。ナビゲーションシステム1は、ECU200と、ナビゲーション装置300と、第1携帯端末400と、第2携帯端末500とを含む。
【0018】
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)などのプログラムを実行するプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、入出力インタフェースとを有するコンピュータである。ECU200は、車両100に搭載される各種電気機器を制御するための各種制御プログラムを含む。各種制御プログラムは、たとえば、車両100の挙動を制御する制御プログラムに加えて、ナビゲーション装置300の動作を制御する制御プログラムをさらに含む。なお、ナビゲーション装置300の動作を制御する制御主体は、制御部としてナビゲーション装置300に内蔵されていてもよい。
【0019】
ナビゲーション装置300は、ユーザや第1携帯端末400から受け付けた目的地についての情報を用いて目的地までの走行ルートを設定する。ナビゲーション装置300は、GPS(Global Positioning System)等の位置検出装置(図示せず)を用いて車両100の位置を取得して、設定された走行ルートに従って経路案内についての情報を報知装置(表示装置やスピーカ等)を用いて報知する。
【0020】
ナビゲーション装置300は、通信装置302を含む。通信装置302は、たとえば、通信対象の機器と事前のペアリング等の処理が必要となる第1通信方式(たとえば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fiなど)で利用可能に構成される。本実施の形態においては、通信対象の機器として、第1携帯端末400が含まれる。すなわち、ナビゲーション装置300と第1携帯端末400とは、ペアリング等の認証処理を経て通信可能な状態にされているものとする。
【0021】
第1携帯端末400は、スマートフォン、タブレット端末あるいはウェアラブルデバイスなどの携帯可能な携帯端末であって、たとえば、車両100の運転者により携帯される。
【0022】
第1携帯端末400は、制御装置402と、通信装置404と、記憶装置406と、位置検出装置408と、ユーザインターフェース(以下、UIと記載する)410とを含む。制御装置402と通信装置404と記憶装置406と位置検出装置408とUI410とは、通信バス(図示せず)によって互いに通信可能に接続される。
【0023】
制御装置402は、CPUなどのプログラムを実行するプロセッサ402aとメモリ402bとを含む。メモリに格納されたプログラム(たとえば、アプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリと記載する))がプロセッサにより読み出されてソフトウェア処理が実行される。ソフトウェア処理が実行されることでアプリが起動する。制御装置402による各種制御は、ソフトウェア処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理してもよい。
【0024】
通信装置404は、第1通信形式での通信を可能とする第1通信部404aと、第2通信形式(たとえば、NFC通信等の近距離無線通信)での通信を可能とする第2通信部404bとを含む。通信装置404は、第2通信部404bと他のNFC通信が可能な機器との距離が所定値以下になると通信装置404と当該機器との間でNFC通信を可能とする。
【0025】
記憶装置406は、アプリについての情報を含む各種情報を記憶する。記憶装置406には、たとえば、後述する第2携帯端末500と近距離無線通信で通信が行なわれる際に第2携帯端末500に送信されるアプリについての情報が記憶される。
【0026】
位置検出装置408は、たとえば、第1携帯端末400の位置情報を検出する。位置検出装置408は、たとえば、たとえば、GPS衛星やワイヤレスLAN(Local Area Network)等を用いて第1携帯端末400の位置を検出する。
【0027】
UI410は、たとえば、各種情報を表示する表示装置と、ユーザの操作を受け付ける入力装置(いずれも図示せず)とを含む。UI410は、たとえば、タッチパネルディスプレイによって構成されてもよい。
【0028】
第2携帯端末500は、スマートフォン、タブレット端末あるいはウェアラブルデバイスなどの携帯可能な携帯端末であって、たとえば、タクシーである車両100の利用者(以下、乗客と記載する)により携帯される。
【0029】
第2携帯端末500は、制御装置502と、通信装置504と、記憶装置506と、位置検出装置508と、UI510とを含む。制御装置502と通信装置504と記憶装置506と位置検出装置508とUI510とは、通信バス(図示せず)によって互いに通信可能に接続される。制御装置502は、プロセッサ502aとメモリ502bとを含む。通信装置504は、第1通信部504aと第2通信部504bとを含む。
【0030】
制御装置502と通信装置504と記憶装置506と位置検出装置508とUI510とは、第1携帯端末400の制御装置402と通信装置404と記憶装置406と位置検出装置408とUI410とそれぞれ同様の構成を有する。さらに、プロセッサ502aとメモリ502bと第1通信部504aと第2通信部504bとは、プロセッサ402aとメモリ402bと第1通信部404aと第2通信部404bとそれぞれ同様の構成を有する。そのため、それらの詳細な説明は繰り返さない。
【0031】
以上のような構成を有する車両100がタクシーとして用いられる場合、乗客が希望する目的地に適切に到着するために、乗客によって指定された目的地がナビゲーション装置300に登録されることが望ましい。そのため、乗客が車両100に搭乗する場合に速やかにナビゲーション装置300と通信して目的地についての情報を送信することが求められる。
【0032】
しかしながら、ナビゲーション装置300と任意の携帯端末との間において通信可能な状態にするためには、ペアリング時にパスワードを入力するなどの複雑な操作が求められたり、簡単な操作で通信可能とするための専用の機器をナビゲーション装置300に備えておくことが求められたりする。
【0033】
そこで、本実施の形態においては、第1携帯端末400とナビゲーション装置300が以下のように動作するものとする。すなわち、第1携帯端末400と第2携帯端末500との距離が所定値以下になることにより近距離無線通信による通信が確立するときに第1携帯端末400は、第2携帯端末500において選択された目的地を含む目的地情報を受信すると、ナビゲーション装置300に対して目的地情報を送信する。ナビゲーション装置300は、第1携帯端末400から目的地情報を受信すると、受信した目的地情報を用いて経路案内の目的地を設定する。
【0034】
このようにすると、第1携帯端末400と第2携帯端末500とは近距離通信で通信が確立され、第1携帯端末400とナビゲーション装置300とは通信が可能であるため、ナビゲーション装置300に第2携帯端末500と直接的に通信可能とする専用の機器を設けることなく、第1携帯端末400を経由して第2携帯端末500とナビゲーション装置300との通信が可能となる。そのため、第2携帯端末500において選択された目的地をナビゲーション装置300における経路案内の目的地として設定することができる。
【0035】
以下に、第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々において実行される、乗客用のアプリをインストールする処理の一例について
図2を参照しつつ説明する。
図2は、第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々において実行される、乗客用アプリのインストール処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0036】
図2に示すように、第1携帯端末400には、旅客車両用アプリ(D)が含まれる。旅客車両用アプリ(D)についての情報は、第1携帯端末400の記憶装置406に記憶される。制御装置402は、旅客車両用アプリ(D)の起動指示を受け付けると記憶装置406から旅客車両用アプリ(D)についての情報を読み込んで、旅客車両用アプリ(D)を起動する処理を実行する。上述のようにアプリを起動する処理は制御装置402によって実行される。その他のアプリについても同様であるため、その詳細は繰り返さない。
【0037】
旅客車両用アプリ(D)は、たとえば、近距離無線通信による通信が可能な状態になった通信対象に対して乗客用アプリ(C)のインストール情報を送信する機能を有する。第2携帯端末500には、近距離無線通信により通信対象との間で情報を授受するアプリを有する。近距離無線通信により情報を授受するアプリとしては、たとえば、携帯端末のOS(Operating System)の標準アプリとして搭載されるNFC通信を可能とするアプリ(以下、NFCアプリ(A)と記載する)が用いられる。乗客用アプリ(C)の機能については後述する。
【0038】
図2の(a-1)に示すように、乗客が携帯する第2携帯端末500を車両100の第1携帯端末400に所定値以下の距離になるまで近づけると、
図2の(a-2)に示すように、近距離無線通信による通信が確立し、所定の要求信号が第1携帯端末400に送信される。第1携帯端末400が所定の要求信号を受信すると、
図2の(a-3)に示すように、記憶装置406に記憶された乗客用アプリ(C)のインストール情報が第2携帯端末500に送信される。
【0039】
図2の(a-4)に示すように、第2携帯端末500において乗客用アプリ(C)のインストールの確認が行なわれる。たとえば、第2携帯端末500のUI510において乗客用アプリ(C)をインストールしてもよいかどうかを確認する旨の表示が行なわれる。
図2の(a-5)に示すように、乗客がインストールを許可する操作(たとえば、所定の領域へのタッチ操作)をUI510に対して行なうと、第2携帯端末500の制御装置502は、乗客用アプリ(C)のインストール処理を実行する。その結果、
図2の(a-6)に示すように、第2携帯端末500の記憶装置506には、乗客用アプリ(C)についての情報が記憶され、乗客用アプリ(C)が実行可能な状態になる。
【0040】
以下、第2携帯端末500において実行される、目的地情報を生成する処理の一例について
図3を参照しつつ説明する。
図3は、第2携帯端末500において実行される、目的地情報を生成する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0041】
図3に示すように、第2携帯端末500は、上述したNFCアプリ(A)と乗客用アプリ(C)とに加えて乗客に指定された目的地を設定するためのアプリ(以下、目的地設定アプリ(B)と記載する)をさらに含む。
【0042】
目的地設定アプリ(B)は、UI410の表示画面に地図情報を表示する機能と、表示された地図画像において特定の位置を指定する操作を受け付ける機能とを有する。
【0043】
図3の(b-1)に示すように、たとえば、乗客が目的地設定アプリ(B)を起動させ、表示画面に表示される地図画像における特定の位置を指定する操作(タッチ操作)を行なう場合を想定する。このとき、
図3の(b-2)に示すように、目的地設定アプリ(B)は、タッチ操作によって指定された位置を目的地として位置情報を含む目的地情報を生成する。なお、位置情報は、目的地の位置が特定可能な情報であって、たとえば、目的地の緯度や経度についての情報を含むようにしてもよいし、目的地を所在地とする施設名についての情報を含むようにしてもよいし、あるいは、目的地の住所についての情報を含むようにしてもよい。
【0044】
目的地設定アプリ(B)は、
図3の(b-3)に示すように、生成された目的地情報を乗客用アプリに転送する。なお、目的地設定アプリ(B)は、目的地情報を乗客用アプリ(C)に転送するための乗客の所定操作を受け付けたときに目的地情報を乗客用アプリ(C)に転送してもよい。
【0045】
以下、ナビゲーション装置300と第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々において実行される、目的地情報を転送する処理の一例について
図4を参照しつつ説明する。
図4は、ナビゲーション装置300と第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々において実行される、目的地情報を転送する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0046】
図4に示すように、第1携帯端末400は、上述した旅客車両用アプリ(D)に加えてナビゲーション装置300に送信するための目的地を設定するためのアプリ(以下、目的地設定アプリ(E)と記載する)をさらに含む。
【0047】
図4の(c-1)に示すように、乗客用アプリ(C)は、目的地情報を取得すると、第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づけることを案内する情報をUI510の表示画面に表示させる。
【0048】
図4の(c-2)に示すように、乗客が第2携帯端末500を第1携帯端末400に所定値以下の距離になるまで近づけると、近距離無線通信により通信が確立するため、
図4の(c-3)に示すように、乗客用アプリ(C)は、目的地情報を第1携帯端末400に送信する。
【0049】
図4の(c-4)に示すように、旅客車両用アプリ(D)は、受信した目的地情報が後述する目的地設定アプリ(E)において読み込み可能な形式に変換して、目的地設定アプリ(E)に転送する。
【0050】
図4の(c-5)に示すように、目的地設定アプリ(E)は、通信が可能となったナビゲーション装置300に送信可能な形式に目的地情報のデータを変換してナビゲーション装置300に送信する。ナビゲーション装置300においては、受信した目的地情報を用いて目的地が設定される。
【0051】
以上のようなナビゲーションシステム1の構成およびシーケンス図に基づくナビゲーション装置300と第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々による一連の動作の一例について
図5を参照しつつ説明する。
図5は、ナビゲーション装置300と第1携帯端末400と第2携帯端末500との各々による一連の動作の一例を説明するための図である。
【0052】
また、車両100が、たとえば、タクシーであり、第1携帯端末400が車内の所定位置(たとえば、後部座席に着座する乗客が第2携帯端末500を近づけることが可能な位置)に設置されるものとする。第1携帯端末400は、車両100の運転者による事前の操作によってナビゲーション装置300との通信が可能な状態になっているものとし、乗客にとって当該ナビゲーションシステム1を搭載した車両100の初回乗車時であるものとする。
【0053】
たとえば、乗客がタクシーの後部座席に着座したときに、運転者に促されたり、あるいは、着座した座席周辺の案内板や音声案内等に促されたりすることにより、乗客は第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づける。第1携帯端末400と第2携帯端末500との距離が近距離無線通信が可能な所定値以下になるときに第2携帯端末500のNFCアプリ(A)は、第1携帯端末400に要求信号を送信する。第1携帯端末400の旅客車両用アプリ(D)は、要求信号を受信すると乗客用アプリ(C)のインストール情報を第2携帯端末500に送信する。第2携帯端末500においては、インストールするか否かを確認するための確認画面がUI510に表示される。利用者によりインストールを許可する旨の操作を受け付けると第2携帯端末500に乗客用アプリ(C)がインストールされる。このようにして初回乗車時の処理が実行される。
【0054】
初回乗車時の処理が実行された後においては、乗客が第2携帯端末500の目的地設定アプリ(B)を起動し、所望の目的地を指定する操作を行なうと、目的地設定アプリ(B)から乗客用アプリ(C)に対して目的地情報が転送される。
【0055】
乗客用アプリ(C)は、目的地設定アプリ(B)から目的地情報が転送されると、第1携帯端末400に近づけるように案内するための画像あるいは文字情報が第2携帯端末500のUI510の画面に表示される。なお、乗客用アプリ(C)は、第2携帯端末500を第1携帯端末400に近づけるように音声案内してもよい。
【0056】
第2携帯端末500が第1携帯端末400に近づけられると、乗客用アプリ(C)が第1携帯端末400に対して目的地情報を送信し、第1携帯端末400の旅客車両用アプリ(D)が目的地情報を受信すると、目的地設定アプリ(E)に転送される。
【0057】
目的地設定アプリ(E)において目的地情報がナビゲーション装置300において目的地の設定が可能な形式に変換されてナビゲーション装置300に送信される。ナビゲーション装置300において受信した目的地情報を用いて目的地が設定される。
【0058】
以上のようにして、本実施の形態に係るナビゲーションシステム1によると、第1携帯端末400と第2携帯端末500とは近距離通信による通信が確立され、第1携帯端末400とナビゲーション装置300との通信が可能であるため、ナビゲーション装置300に第2携帯端末500と直接的に通信可能とする専用の機器を設けることなく、第1携帯端末400を経由して第2携帯端末500とナビゲーション装置300との通信が可能となる。そのため、第2携帯端末500において選択された目的地をナビゲーション装置300における経路案内の目的地として設定することができる。したがって、利用者が所望する目的地の情報を簡単な操作で登録可能とするナビゲーションシステムを提供することができる。
【0059】
さらに、第2携帯端末500において目的地設定アプリ(B)と乗客用アプリ(C)とを分けて構成されることにより、目的地設定アプリ(B)として、OSに標準の地図アプリあるいは一般的に広く利用されている地図アプリなどの既存の地図アプリを利用することができるため、乗客にとっての利便性が向上するとともに、アプリの開発等へのコスト上昇を抑制することができる。
【0060】
さらに、第1携帯端末400において旅客車両用アプリ(D)と目的地設定アプリ(E)とを分けて構成されることにより、目的地設定アプリ(E)として、ナビゲーション装置300に目的地情報を送信するための既存のアプリを利用することができるため、アプリの開発等へのコスト上昇を抑制することができる。
【0061】
以下、変形例について記載する。
【0062】
上述の実施の形態では、第2携帯端末500において指定された目的地についての情報を含む目的地情報を、第1携帯端末400を経由してナビゲーション装置300に送信し、ナビゲーション装置300において目的地が設定される場合を一例として説明したが、目的地情報は、目的地についての情報に加えて走行経路についての情報を含むようにし、ナビゲーション装置300において目的地に加えて走行経路が設定されるようにしてもよいし、あるいは、目的地に加えて経由地についての情報を含むようにし、ナビゲーション装置300において目的地に加えて経由地が設定されるようにしてもよい。このようにすると、乗客が所望する走行経路で目的地まで車両100を移動させることができる。
【0063】
さらに上述の実施の形態では、第1携帯端末400の旅客車両用アプリ(D)と目的地設定アプリ(E)とを分けて構成されるものとして説明したが、旅客車両用アプリ(D)と目的地設定アプリ(E)とは、一つのアプリによって構成されるようにしてもよい。一つのアプリとして構成されることによって運転者にとっての利便性を向上させることができる。
【0064】
さらに上述の実施の形態では、第2携帯端末500は、第1携帯端末400から乗客用アプリ(C)を取得する場合を一例として説明したが、第1携帯端末400から取得することに特に限定されるものではない。第2携帯端末500は、たとえば、所定のサーバからインターネット等の通信回線を経由して乗客用アプリ(C)を取得してもよい。
【0065】
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1 ナビゲーションシステム、100 車両、200 ECU、300 ナビゲーション装置、302,404,504 通信装置、400 第1携帯端末、402,502 制御装置、402a,502a プロセッサ、402b,502b メモリ、404a,504a 第1通信部、404b,504b 第2通信部、406,506 記憶装置、408,508 位置検出装置、410,510 UI、500 第2携帯端末。