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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008918
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】アンモニア燃焼設備
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/50 20060101AFI20250109BHJP
   F23G 7/06 20060101ALI20250109BHJP
   F23G 5/16 20060101ALI20250109BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20250109BHJP
   F23C 1/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
F23G5/50 G
F23G7/06 101A
F23G7/06 Z
F23G5/50 N
F23G5/16 B
F23N5/00 J
F23G5/50 Q
F23C1/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111545
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】仲井 和成
【テーマコード(参考)】
3K003
3K062
3K078
3K091
【Fターム(参考)】
3K003EA07
3K003FA03
3K003GA03
3K062AB01
3K062AC19
3K062BA02
3K062CB10
3K062DA21
3K062DB01
3K062DB13
3K078AA02
3K078AA03
3K078BA02
3K078BA25
3K078CA02
3K078CA07
3K078CA12
3K091AA03
3K091BB02
3K091BB05
3K091BB26
3K091CC06
3K091CC07
3K091DD02
(57)【要約】
【課題】 アンモニアを燃焼炉で燃焼させた後の排ガス中に含まれる未燃焼アンモニアを十分に除去できるようにする。
【解決手段】 第1燃焼炉10にアンモニアNHを燃焼させる第1燃焼バーナー11を設け、第1燃焼炉から排出される未燃焼アンモニアを含む第1排ガスGa1が導かれる第2燃焼炉20に燃料Gと空気Airとを混合させて燃焼させる第2燃焼バーナー21を設け、第1燃焼炉から排出される未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、第2燃焼炉内に案内する第1案内路15と、第2燃焼炉に設けた第2燃焼バーナーに導く第2案内路16とを設け、制御手段30により、第1案内路と第2案内路とに導く未燃焼アンモニアを含む第1排ガスの量を制御するようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアを燃焼させる第1燃焼バーナーを備えた第1燃焼炉と、前記の第1燃焼炉から排出される未燃焼アンモニアを含む第1排ガスが導かれる第2燃焼炉とを有し、前記の第2燃焼炉に燃料と空気とを混合させて燃焼させる第2燃焼バーナーを設け、前記の第1燃焼炉から排出される前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、前記の第2燃焼炉内に案内する第1案内路と、前記の第2燃焼炉に設けた前記の第2燃焼バーナーに導く第2案内路とを設け、前記の第1案内路と前記の第2案内路とに導く前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスの量を制御する制御手段を設け、前記の第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が少ない状態では、前記の制御手段により、前記の第1案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉内に導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを第2燃焼炉内に導いて燃焼させる一方、前記の第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い状態では、前記の制御手段により、前記の第2案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼バーナーに導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させる量を増加させることを特徴とするアンモニア燃焼設備。
【請求項2】
請求項1に記載のアンモニア燃焼設備において、前記の第2案内路の径を大きくして、第2案内路を通して第2燃焼バーナーに導かれる第1排ガスの流速を低下させることを特徴とするアンモニア燃焼設備。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアンモニア燃焼設備において、前記の第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの濃度を検知するアンモニア濃度検知装置を設け、前記のアンモニア濃度検知装置によって検知された未燃焼アンモニアの濃度に基づいて、前記の制御手段により、前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、前記の第1案内路と前記の第2案内路とに導く量を制御することを特徴とするアンモニア燃焼設備。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のアンモニア燃焼設備において、前記の第1燃焼バーナーにおける燃焼が失火して、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が大きく増加した場合に、前記の制御手段により、前記の第1排ガスを前記の第1案内路を通して第2燃焼炉内に導くのを停止させ、前記の第1排ガスを前記の第2案内路を通して前記の第2燃焼バーナーに導いて、未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させることを特徴とするアンモニア燃焼設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアを燃焼させるアンモニア燃焼設備に関するものである。特に、アンモニアを燃焼炉で燃焼させた後の排ガス中に含まれる未燃焼アンモニアを十分に除去できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる燃焼設備においては、一般に、燃料として炭化水素系燃料を用いたものが使用されている。
【0003】
しかし、このように炭化水素系燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる燃焼装置においては、二酸化炭素などの温室効果ガスが多く発生するという問題があった。
【0004】
このため、近年においては、燃料に炭化水素系燃料以外のものを用いることが検討されている。
【0005】
また、燃料としてアンモニアを用いることが行われているが、アンモニアは、炭化水素系燃料に比べて燃焼性が悪く、完全燃焼させることが困難であり、燃焼後における排ガス中に未燃焼アンモニアが含まれるという問題あった。
【0006】
そして、燃焼性が悪いアンモニアを燃焼させるにあたり、特許文献1においては、アンモニアを燃焼するバーナーを有し、前記アンモニアを微粉炭と混焼させるボイラと、前記ボイラから排出される排ガスを脱硝する脱硝装置とを備える燃焼設備において、前記ボイラにおける前記アンモニアの燃焼状態を判定する燃焼状態判定システムを設けたものが示されている。
【0007】
しかし、特許文献1においては、ボイラから排出される排ガスを脱硝する脱硝装置を設け、ボイラにおけるアンモニアの燃焼状態を燃焼状態判定システムによって判定することが示されているだけであり、アンモニアを燃焼させた後の排ガス中に含まれる未燃焼アンモニアをどのように処理するかについては一切示されていない。
【0008】
また、特許文献2においては、化石燃料を燃焼させるバーナーにアンモニアを加えて、化石燃料と一緒にアンモニアを燃焼させ、未燃焼アンモニアが発生するのを抑制するようにしたものが提案されている。
【0009】
しかし、特許文献2においては、化石燃料と一緒にアンモニアを燃焼させて、未燃焼アンモニアが発生するのを抑制することが示されているだけであり、アンモニアを燃焼させた場合に、燃焼されずに残った未燃焼アンモニアをどのように処理するかについては一切示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2019/092858号公報
【特許文献2】特開2018-76985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、アンモニアを燃焼させるアンモニア燃焼設備における問題を解決することを課題とするものであり、特に、アンモニアを燃焼炉で燃焼させた後の排ガス中に含まれる未燃焼アンモニアを十分に除去できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るアンモニア燃焼設備においては、前記のような課題を解決するため、アンモニアを燃焼させる第1燃焼バーナーを備えた第1燃焼炉と、前記の第1燃焼炉から排出される未燃焼アンモニアを含む第1排ガスが導かれる第2燃焼炉とを有し、前記の第2燃焼炉に燃料と空気とを混合させて燃焼させる第2燃焼バーナーを設け、第1燃焼炉から排出される前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、前記の第2燃焼炉内に案内する第1案内路と、前記の第2燃焼炉に設けた前記の第2燃焼バーナーに導く第2案内路とを設け、前記の第1案内路と前記の第2案内路とに導く前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスの量を制御する制御手段を設け、前記の第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が少ない状態では、前記の制御手段により、前記の第1案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉内に導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを第2燃焼炉内に導いて燃焼させる一方、前記の第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い状態では、前記の制御手段により、前記の第2案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼バーナーに導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させる量を増加させるようにした。
【0013】
そして、本発明に係るアンモニア燃焼設備のように、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が少ない状態では、前記の第1案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉内に導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを第2燃焼炉内に導いて燃焼させるだけで、第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアが第2燃焼炉内で十分に燃焼されて除去されるようになる。また、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い状態では、前記の第2案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉に設けた第2燃焼バーナーに導き、第2燃焼バーナーにおいて未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させるようにしたため、第1排ガスに未燃焼アンモニアが多く含まれていても、前記の燃料と一緒に燃焼されて十分に除去されるようになる。
【0014】
ここで、本発明に係るアンモニア燃焼設備においては、前記の第2案内路の径を大きくして、第2案内路を通して第2燃焼バーナーに導かれる第1排ガスの流速を低下させることが好ましい。このようにすると、未燃焼アンモニアが多く含まれる第1排ガスが前記の第2燃焼バーナーに供給される燃料とより均一に混合されて燃焼されるようになり、より確実に未燃焼アンモニアを燃焼させることができる。
【0015】
また、本発明に係るアンモニア燃焼設備においては、前記の第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの濃度を検知するアンモニア濃度検知装置を設け、前記のアンモニア濃度検知装置によって検知された未燃焼アンモニアの濃度に基づいて、前記の制御手段により、前記の未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、前記の第1案内路と前記の第2案内路とに導く量を制御することができる。このようにすると、前記のように第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が少ない状態では、前記の第1案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉内に導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを第2燃焼炉内に導いて燃焼させるようにする一方、第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い状態では、前記の第2案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉に設けた第2燃焼バーナーに導き、第2燃焼バーナーにおいて未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させるようにすることが簡単に制御できるようになる。
【0016】
ここで、本発明に係るアンモニア燃焼設備においては、前記の第1燃焼バーナーにおける燃焼が失火して、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が大きく増加した場合に、前記の制御手段により、前記の第1排ガスを前記の第1案内路を通して第2燃焼炉内に導くのを停止させ、前記の第1排ガスを前記の第2案内路を通して前記の第2燃焼バーナーに導いて、未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させるようにすることができる。このようにすると、第1燃焼バーナーにおけるアンモニアの燃焼が失火して、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が大きく増加した場合においても、未燃焼アンモニアが多く含まれる第1排ガスが前記の第2燃焼バーナーに導かれ、第2燃焼バーナーにおいて、未燃焼アンモニアが前記の燃料と一緒に燃焼されて十分に除去されるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるアンモニア燃焼設備においては、前記のように第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が少ない状態では、前記の第1案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉内に導く量を増加させて、未燃焼アンモニアを第2燃焼炉内に導いて燃焼させるようにする一方、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い状態では、前記の第2案内路を通して前記の第1排ガスを第2燃焼炉に設けた第2燃焼バーナーに導き、第2燃焼バーナーにおいて未燃焼アンモニアを前記の燃料と一緒に燃焼させるようにした。
【0018】
この結果、本発明に係るアンモニア燃焼設備においては、第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアが少ない場合には、第1排ガスが第2燃焼炉内に導かれて、未燃焼アンモニアが第2燃焼炉内で燃焼され、未燃焼アンモニアが十分に除去されるようになる一方、第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量が多い場合には、第1排ガスが第2燃焼炉に設けられた第2燃焼バーナーに導かれ、未燃焼アンモニアが、第2燃焼バーナーにおいて前記の燃料と一緒に燃焼されて、十分に除去されるようになり、未燃焼アンモニアが第2燃焼炉から外部に排出されるのを確実に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るアンモニア燃焼設備において、第1燃焼炉における第1燃焼バーナーによりアンモニアを燃焼させ、燃焼後の第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの量に応じて、制御手段により、第1案内路と第2案内路とを通して第2燃焼炉に導く第1排ガスの量を制御する状態を示した概略説明図である。
図2】前記の実施形態に係るアンモニア燃焼設備において、第1燃焼炉における第1燃焼バーナーによるアンモニアの燃焼が失火した場合に、未燃焼アンモニアが多く含まれる第1排ガスを、第2案内路を通して第2燃焼炉における第2燃焼バーナーに導いて、未燃焼アンモニアを燃料と一緒に第2燃焼バーナーにおいて燃焼させる状態を示した概略説明図である。
図3】前記の実施形態に係るアンモニア燃焼設備の変更例1において、第1燃焼炉における第1燃焼バーナーによるアンモニアの燃焼が失火した場合に、未燃焼アンモニアが多く含まれる第1排ガスを第2燃焼炉における第2燃焼バーナーに導く第2案内路の径を大きくした状態を示した概略説明図である。
図4】前記の実施形態に係るアンモニア燃焼設備の変更例2において、第1燃焼炉から排出される第1排ガスに含まれる未燃焼アンモニアの濃度を検知するアンモニア濃度検知装置を設け、アンモニア濃度検知装置によって検知された未燃焼アンモニアの濃度に基づいて、制御手段により、未燃焼アンモニアを含む第1排ガスを、前記の第1案内路と前記の第2案内路とに導く量を制御する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るアンモニア燃焼設備を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るアンモニア燃焼設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態に係るアンモニア燃焼設備においては、図1に示すように、被加熱物(図示せず)を加熱する第1燃焼炉10に設けた第1燃焼バーナー11に供給するアンモニアNHの量を、燃料供給管12に設けた流量制御弁12aにより制御すると共に、第1燃焼バーナー11に供給する空気Airの量を空気供給管13に設けた流量制御弁13aにより制御し、前記のアンモニアNHを空気Airと混合させて、第1燃焼バーナー11により第1燃焼炉10内で燃焼させ、燃焼後の第1排ガスGa1を、第1排ガス路14を通して第2燃焼炉20に導いて、未燃焼アンモニアNHを燃焼させるようにしている。
【0022】
そして、この実施形態に係るアンモニア燃焼設備においては、前記の第1燃焼炉10内における燃焼状態を火炎センサー17によって検知し、火炎センサー17による検知結果を制御手段30に出力するようにしている。
【0023】
ここで、前記のようにアンモニアNHを空気Airと混合させて、第1燃焼バーナー11により第1燃焼炉10内で燃焼させた場合、アンモニアNHが完全には燃焼されず、前記の第1排ガスGa1には未燃焼アンモニアNHが残った状態になる。
【0024】
そして、このように未燃焼アンモニアNHが残った第1排ガスGa1を前記のように第1排ガス路14を通して第2燃焼炉20に導くにあたって、第1排ガスGa1をそのまま第2燃焼炉20内に案内する第1案内路15と、第1排ガスGa1を第2燃焼炉20に設けた第2燃焼バーナー21に導く第2案内路16とを設け、前記の制御手段30により、第1案内路15に設けた流量制御弁15aと第2案内路16に設けた流量制御弁16aとを制御して、前記の第1案内路15を通して第2燃焼炉20に導く第1排ガスGa1の量と、前記の第2案内路16を通して第2燃焼炉20に設けた第2燃焼バーナー21に導く第1排ガスGa1の量を制御するようにしている。
【0025】
ここで、前記の第2燃焼炉20に設けた第2燃焼バーナー21においては、燃料供給管22に設けた流量制御弁22aによって供給する燃料Gの量を制御すると共に、空気供給管23に設けた流量制御弁23aにより供給する空気Airの量を制御し、燃料Gを空気Airと混合させて燃焼させるようにし、さらに前記の流量制御弁16aにより調整されて第2案内路16を通して導かれる第1排ガスGa1を、前記の空気供給管23に供給させるようにしている。なお、流量制御弁16aにより調整されて第2案内路16を通して導かれる第1排ガスGa1を、前記の燃料供給管22に供給させることも可能である。
【0026】
そして、前記の第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの量が少ない状態では、前記の制御手段30により、前記の第2案内路16を通して第2燃焼バーナー21に導く第1排ガスGa1の量を少なくし、前記の第1案内路15を通して第2燃焼炉20内に導く第1排ガスGa1の量を多くしても、前記の第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHが第2燃焼炉20内で十分に燃焼され、未燃焼アンモニアNHが含まれないようにして第2排ガスGa2が、第2燃焼炉20における第2排ガス路24を通して排出されるようになる。このとき、前記の流量制御弁16aを閉じて、前記の第2案内路16に第1排ガスGa1を導かないようにしてもよい。
【0027】
一方、前記の第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの量が多い状態では、前記の制御手段30により、前記の第2案内路16を通して前記の第2燃焼バーナー21における空気供給管23に供給させる第1排ガスGa1の量を多くし、この第1排ガスGa1を、空気供給管23を通して空気Airと一緒にして、前記の燃料供給管22を通して供給される燃料Gと混合させて、前記の第2燃焼バーナー21により第2燃焼炉20内で燃焼させるようにする。
【0028】
このようにすると、第1排ガスGa1に未燃焼アンモニアNHが多く含まれる場合においても、未燃焼アンモニアNHが空気Airと一緒に燃料Gと混合されて第2燃焼炉20内で十分に燃焼され、未燃焼アンモニアNHが含まれないようにして第2排ガスGa2が、第2燃焼炉20における第2排ガス路24を通して排出されるようになる。
【0029】
また、前記の第1燃焼バーナー11におけるアンモニアNHの燃焼が失火した場合、アンモニアNHが燃焼されずにそのまま第1排ガスGa1として第1排ガス路14に導かれるようになり、第1排ガスGa1における未燃焼アンモニアNHの量が非常に多くなるため、図2に示すように、アンモニアNHの燃焼が失火したことが前記の火炎センサー17によって検知されて、前記の制御手段30に出力された場合、前記の制御手段30により、前記の燃料供給管12に設けられた流量制御弁12aを閉じて、第1燃焼炉10にアンモニアNHが供給されるのを防止すると共に、前記の第1案内路15に設けられた流量制御弁15aを閉じて、未燃焼アンモニアNHが非常に多くなった第1排ガスGa1を全て前記の第2案内路16を通して前記の第2燃焼バーナー21における空気供給管23に供給させるようにする。
【0030】
このようにすると、第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの量が非常に多くなった場合においても、前記の第1排ガスGa1が空気供給管23を通して空気Airと一緒になって、前記の燃料供給管22を通して供給される燃料Gと混合されて、前記の第2燃焼バーナー21により第2燃焼炉20内で燃焼されるようになり、未燃焼アンモニアNHが第2燃焼炉20内で十分に燃焼されて、未燃焼アンモニアNHが含まれないようにして第2排ガスGa2が第2燃焼炉20における第2排ガス路24を通して排出されるようになる。なお、このように第1燃焼バーナー11におけるアンモニアNHの燃焼が失火した場合においても、前記の第1案内路15に設けた流量制御弁15aを僅かに開け、第1排ガスGa1の一部を、前記の第1案内路15を通して第2燃焼炉20内に導くようにすることも可能である。なお、前記の各流量制御弁12a,13a,15a,16a,22a,23aについては、開を白抜きで、閉を黒塗りで示した。
【0031】
また、前記のように第1燃焼バーナー11におけるアンモニアNHの燃焼が失火した場合に、未燃焼アンモニアNHの量が非常に多くなった第1排ガスGa1を、全て第2案内路16を通して前記の第2燃焼バーナー21における空気供給管23に供給し、前記の燃料供給管22を通して供給される燃料Gと混合させて燃焼させるにあたっては、図3に示すように、前記の第2案内路16の径を大きくして、第2案内路16を通して第2燃焼バーナー21に導かれる第1排ガスGa1の流速を低下させるようにすることができる。このように、第2案内路16の径を大きくして、第2案内路16を通して第2燃焼バーナー21に導かれる第1排ガスGa1の流速を低下させると、未燃焼アンモニアNHが多く含まれる第1排ガスGa1が第2燃焼バーナー21に供給される燃料Gとより均一に混合されて燃焼されるようになり、より確実に未燃焼アンモニアNHが第2燃焼炉20内で十分に燃焼されて、未燃焼アンモニアNHが含まれない第2排ガスGa2が、第2燃焼炉20における第2排ガス路24を通して排出されるようになる。
【0032】
また、前記のようにアンモニアNHを空気Airと混合させて、第1燃焼バーナー11により第1燃焼炉10内で燃焼させ、未燃焼アンモニアNHが残った第1排ガスGa1を前記のように第1排ガス路14を通して第2燃焼炉20に導くにあたって、前記の制御手段30により、第1案内路15に設けた流量制御弁15aと第2案内路16に設けた流量制御弁16aとを制御して、第1案内路15を通して第2燃焼炉20に導く第1排ガスGa1の量と、前記の第2案内路16を通して第2燃焼炉20に設けた第2燃焼バーナー21に導く第1排ガスGa1の量を制御する場合、図4に示すように、前記の第1排ガス路14に導かれた第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの濃度を検知するアンモニア濃度検知装置18を設け、アンモニア濃度検知装置18によって検知された結果を前記の制御手段30に出力させるようにすることができる。
【0033】
そして、このアンモニア濃度検知装置18によって検知された第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの濃度が低い場合には、前記の制御手段30により、前記の第2案内路16を通して第2燃焼バーナー21に導く第1排ガスGa1の量を少なくして、前記の第1案内路15を通して第2燃焼炉20内に導く第1排ガスGa1の量を多くし、前記の第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHが第2燃焼炉20内で燃焼させるようにする一方、アンモニア濃度検知装置18によって検知された第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの濃度が高い場合には、前記の第2案内路16を通して前記の第2燃焼バーナー21における空気供給管23に供給させる第1排ガスGa1の量を多くし、この第1排ガスGa1を、空気供給管23を通して空気Airと一緒にして、前記の燃料供給管22を通して供給される燃料Gと混合させて、前記の第2燃焼バーナー21により第2燃焼炉20内で燃焼させるようにする。
【0034】
このようにすると、第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの濃度が低い場合であっても、第1排ガスGa1に含まれる未燃焼アンモニアNHの濃度が高い場合であっても、前記の場合と同様に、未燃焼アンモニアNHが含まれないようにして第2排ガスGa2を、第2燃焼炉20における第2排ガス路24を通して排出させることができるようになる。
【符号の説明】
【0035】
10 :第1燃焼炉
11 :第1燃焼バーナー
12 :燃料供給管
12a :流量制御弁
13 :空気供給管
13a :流量制御弁
14 :第1排ガス路
15 :第1案内路
15a :流量制御弁
16 :第2案内路
16a :流量制御弁
17 :火炎センサー
18 :アンモニア濃度検知装置
20 :第2燃焼炉
21 :第2燃焼バーナー
22 :燃料供給管
22a :流量制御弁
23 :空気供給管
23a :流量制御弁
24 :第2排ガス路
30 :制御手段
Air :空気
G :燃料
Ga1 :第1排ガス
Ga2 :第2排ガス
NH :アンモニア
図1
図2
図3
図4