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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008924
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
D06F39/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111557
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】新村 光則
(72)【発明者】
【氏名】田中 正昭
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA05
3B166AB22
3B166AB23
3B166AB30
3B166AB32
3B166AE01
3B166BA43
3B166BA75
3B166BA78
3B166CA01
3B166CA04
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CC02
3B166DB03
3B166DB18
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166EA03
3B166EA12
3B166EC12
3B166EC24
3B166GA02
3B166GA12
3B166GA22
(57)【要約】
【課題】温風によって排水フィルタを効率的に乾燥させることができる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機1は、外槽6と、外槽内に配置されたドラム7と、外槽6内の洗濯水を排出する排水管16と、排水管16に接続され、洗濯水に含まれる異物を捕集する排水フィルタ20と、温風を発生させる温風発生ユニット30と、外槽6の外部に配置され、下流端62が排水フィルタ20に接続されたフィルタ乾燥用ダクト60と、を備える。温風発生ユニット30で発生した温風がフィルタ乾燥用ダクト60を通じて排水フィルタ20へと供給される。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、
前記外槽に接続され、前記外槽内の洗濯水を排出する排水管と、
前記排水管に接続され、前記洗濯水に含まれる異物を捕集する排水フィルタと、
前記筐体内に設けられ、温風を発生させる温風発生ユニットと、
前記温風発生ユニットと前記排水フィルタの間に設けられると共に前記外槽の外部に配置され、下流端が前記排水フィルタ又は前記排水フィルタに繋がる配管に接続されたフィルタ乾燥用ダクトと、を備え、
前記温風発生ユニットで発生した温風が前記フィルタ乾燥用ダクトを通じて前記排水フィルタへと供給される、洗濯機。
【請求項2】
前記外槽と前記温風発生ユニットとに接続された吸入ダクトと、
前記温風発生ユニットからの送風路に取り付けられた風路切替えダンパと、を更に備え、
前記風路切替えダンパには、温風を前記洗濯槽へと供給する洗濯物乾燥用ダクトと、前記フィルタ乾燥用ダクトとが接続されており、前記風路切替えダンパは、前記洗濯物乾燥用ダクトと前記フィルタ乾燥用ダクトとに温風の風路を切替え可能である、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記排水フィルタの排水口には排水排出管が接続され、前記排水排出管にはバルブが設けられており、
前記フィルタ乾燥用ダクトの前記下流端は、前記バルブより上流側の位置に接続されている、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記フィルタ乾燥用ダクトを通じて供給された温風は、前記排水フィルタのケース内を通り、前記排水管を通じて前記外槽へと排出される、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記排水フィルタは、
前記排水管に接続されたケースと、
前記ケース内に収容され、底板部と前記底板部に交差する方向に延びる複数の櫛歯と、を含むフィルタ部と、
前記フィルタ部に着脱可能に取り付けられ、装着時には前記フィルタ部の前記底板部に嵌合し、メンテナンス時には前記櫛歯に沿って前記方向に引き上げられるストリッパと、を有する、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯機において通常洗浄運転と排水フィルタ乾燥運転を行う制御部を更に備え、
前記制御部は、使用者によって前記排水フィルタ乾燥運転を行う旨のモードが選ばれた場合にのみ、前記排水フィルタ乾燥運転を行う、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体内に設けられた水槽と、水槽内に回転可能に設けられた内槽とを備えた洗濯機において、水槽の底部に排水配管が接続され、排水配管に設けられた排水フィルタに洗濯水を流入させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。排水フィルタは、リントや糸屑等の異物を捕集する。特許文献1に記載された洗濯機では、排水配管から分岐した送風経路にファンと加熱部等が設けられており、送風経路は、水槽の上部へと接続されている。この構成により、乾燥用空気は水槽内へ送られ、排水配管へと流入する。乾燥用空気が排水フィルタを通ることで、排水フィルタを乾いた状態にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-16228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の構成では、乾燥用空気(温風)は、常に水槽を経由して排水配管へと流入する。乾燥用空気はいったん水槽に送られるため、乾燥用空気を効率的に排水配管へと導くことが難しい。例えば、乾燥用空気は水槽内又は内槽内の別の箇所に送られたり、内槽内の洗濯物等と接触したりする可能性がある。乾燥用空気の熱や湿度(乾燥のための低い湿度)が、排水フィルタの乾燥のために十分に利用されないおそれがある。
【0005】
本開示は、温風によって排水フィルタを効率的に乾燥させることができる洗濯機を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本開示の一態様に係る洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、外槽内に配置され、洗濯物が収容される洗濯槽と、外槽に接続され、外槽内の洗濯水を排出する排水管と、排水管に接続され、洗濯水に含まれる異物を捕集する排水フィルタと、筐体内に設けられ、温風を発生させる温風発生ユニットと、温風発生ユニットと排水フィルタの間に設けられると共に外槽の外部に配置され、下流端が排水フィルタ又は排水フィルタに繋がる配管に接続されたフィルタ乾燥用ダクトと、を備え、温風発生ユニットで発生した温風がフィルタ乾燥用ダクトを通じて排水フィルタへと供給される。
【0007】
[1]の洗濯機によれば、排水フィルタは、洗濯水に含まれる異物を捕集する。排水フィルタ又は排水フィルタに繋がる配管には、フィルタ乾燥用ダクトが接続されている。このフィルタ乾燥用ダクトを通じて温風が排水フィルタへと供給されることで、排水フィルタに捕集された異物の水分率が低下する。これにより、排水フィルタにおけるヌメリ又は黒カビ等を低減でき、メンテナンス時における不快感が低減される。このように、専用のフィルタ乾燥用ダクトが外槽の外部に配置されているので、温風は排水フィルタへと直接供給され、排水フィルタを効率的に乾燥させることができる。
【0008】
[2]上記[1]の洗濯機が、外槽と温風発生ユニットとに接続された吸入ダクトと、温風発生ユニットからの送風路に取り付けられた風路切替えダンパと、を更に備えてもよい。風路切替えダンパには、温風を洗濯槽へと供給する洗濯物乾燥用ダクトと、フィルタ乾燥用ダクトとが接続されており、風路切替えダンパは、洗濯物乾燥用ダクトとフィルタ乾燥用ダクトとに温風の風路を切替え可能であってもよい。この構成によれば、風路切替えダンパにおける風路の切替えにより、温風発生ユニットを共用しつつ、洗濯物及び排水フィルタの乾燥をそれぞれ短時間で行うことができる。
【0009】
[3]上記[1]又は[2]に記載の洗濯機において、排水フィルタの排水口には排水排出管が接続され、排水排出管にはバルブが設けられており、フィルタ乾燥用ダクトの下流端は、バルブより上流側の位置に接続されていてもよい。この構成によれば、温風をより効率的に排水フィルタへと供給することができる。
【0010】
[4]上記[1]~[3]の何れか一つに記載の洗濯機において、フィルタ乾燥用ダクトを通じて供給された温風は、排水フィルタのケース内を通り、排水管を通じて外槽へと排出されてもよい。この構成によれば、(吸入ダクト等を介して)温風を温風発生ユニットへと戻すことができ、乾燥用空気を循環利用できる。
【0011】
[5]上記[1]~[4]の何れか一つに記載の洗濯機において、排水フィルタは、排水管に接続されたケースと、ケース内に収容され、底板部と底板部に交差する方向に延びる複数の櫛歯と、を含むフィルタ部と、フィルタ部に着脱可能に取り付けられ、装着時にはフィルタ部の底板部に嵌合し、メンテナンス時には櫛歯に沿って上記の方向に引き上げられるストリッパと、を有してもよい。この構成によれば、メンテナンス時にストリッパが引き上げられることで、フィルタ部に捕集され水分率の低下した(すなわちある程度乾燥した)異物を、フィルタ部から容易に分離することができる。
【0012】
[6]上記[1]~[5]の何れか一つに記載の洗濯機が、当該洗濯機において通常洗浄運転と排水フィルタ乾燥運転を行う制御部を更に備え、制御部は、使用者によって排水フィルタ乾燥運転を行う旨のモードが選ばれた場合にのみ、排水フィルタ乾燥運転を行ってもよい。この場合、使用者が必要と判断したときにのみ(洗濯する毎にではなく適時に)排水フィルタ乾燥運転を行うことができる。排水フィルタにおける糸屑等の異物の堆積の度合いに応じて、より適切な排水フィルタの乾燥が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、温風によって排水フィルタを効率的に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る洗濯機の正面図であり、ドアと前面パネルを外した状態を示す図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、図1の洗濯機の側面図であり、側面パネルを外した状態を示す図である。
図4図4は、図3中の排水フィルタの縦断面図である。
図5図5は、図4の排水フィルタのフィルタ部及びストリッパを示す平断面図である。
図6図6(a)~図6(c)はそれぞれ風路切替えダンパの正面図及び左右の側面図であり、図6(d)は図6(a)のVID-VID線に沿った断面図である。
図7図7(a)は図6(a)のVIIA-VIIA線に沿った断面図、図7(b)は図6(a)のVIIB-VIIB線に沿った断面図である。
図8図8(a)は図4のVIIIA-VIIIA線に沿った断面図、図8(b)はメンテナンス時にストリッパが引き上げられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。いくつかの図には、上下、左右、及び前後の互いに直交する方向線が示される。本明細書において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、洗濯機1の設置状態を基準とする用語である。
【0016】
まず図1及び図2を参照して、一実施形態に係る洗濯機1の全体構成について説明する。洗濯機1は、例えば、ドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯機1は、例えば直方体状の筐体2を備える。筐体2の形状は適宜に変更可能である。筐体2の一部(何れかの面等)が丸みを帯びていてもよいし、筐体2の前面等が、鉛直方向に対して角度をなし、傾斜していてもよい。筐体2の前面パネル2a(図2参照)には、開閉自在な円形のドア3が取り付けられている。筐体2の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口4が形成されている。投入口4は、ドア3によって閉鎖され、又は開放される。なお、図1では、ドア3と前面パネル2aを外した状態(筐体2の内部を露出させた状態)が図示されている。
【0017】
筐体2内には、外槽6及びドラム(洗濯槽)7が配置されている。外槽6及びドラム7は、何れも有底円筒状を呈する。外槽6は、筐体2内において図示しないダンパとスプリング等により弾性的に支持されている。外槽6内には、ドラム7が回転自在に配置されている。外槽6及びドラム7は、例えば、前後方向に延びる中心軸線に関して同心状に(同軸に)配置されている。外槽6は、ドラム7の開口部7aのやや前方に位置する円形の開口部6aを有する。
【0018】
外槽6の開口部6aの周縁部と筐体2の投入口4の周縁部が、弾性材料からなる円環状のパッキン8により連結されている。パッキン8の断面形状は、適宜に設定されてよい。閉じられたドア3の周面がパッキン8に接触し、投入口4とドア3との間が水封される。
【0019】
ドラム7内には、洗濯物が収容される。ドラム7の内周面には、多数の脱水孔7bが形成されている。ドラム7の内周面には、周方向に等しい間隔で複数の(例えば3つの)バッフル7dが設けられている。なお、ドラム7の前部の内周面に、図示しないバランサが設けられてもよい。
【0020】
筐体2内であって外槽6の後方には、ドラム7を回転させるための駆動モータ9が設置されている。駆動モータ9の回転軸9aが前後方向に延び、ドラム7の一部に連結されている。回転軸9aとドラム7は、プーリや減速機構等を介して連結されてもよく、直接連結されてもよい。駆動モータ9は、洗い工程及びすすぎ工程時には、ドラム7内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく洗濯物がタンブリングするような比較的低い回転数で、ドラム7を回転させる。駆動モータ9は、脱水工程時には、ドラム7内の洗濯物に加わる遠心力が重力より大きく洗濯物がドラム7の内周面に張り付くような比較的高い回転数で、ドラム7を回転させる。
【0021】
筐体2の後部には、給水管13及び給水バルブ14が配置されている。給水管13は、可撓性を有するホースであってもよいし、ホース以外の配管材料から構成されてもよい。給水バルブ14が開かれることにより、水道栓からの水道水が給水管13を通じて外槽6内に供給される。外槽6は、洗濯水を貯留可能である。本明細書において、「洗濯水」は、洗濯物の洗い工程及びすすぎ工程等の各工程に応じた液体と、洗い行程の前に行われる乾燥用フィルタ37の洗浄工程に応じた液体(洗浄水)と、を含む意である。洗い工程では、洗濯水は洗剤などを含む水(液体)でよいし、乾燥用フィルタ37の洗浄工程及びすすぎ工程では、洗濯液は水でよい。またすすぎ工程において、洗濯水に柔軟剤が含まれてもよい。
【0022】
図1図3に示されるように、外槽6の底部には、下方に窪んだ窪み部6bが形成されている。窪み部6bには排水管16が接続されている。排水管16は、可撓性を有するホースであってもよいし、ホース以外の配管材料から構成されてもよい。排水管16は、外槽6内の洗濯水を排出する。洗濯水は、排水管16が下方に向けて配設されることにより、排水管16を通じて自然流下にて排出される。
【0023】
洗濯機1は、排水管16に接続され、洗濯水に含まれる異物を捕集する排水フィルタ20を備えている。排水管16の下流端が、排水フィルタ20の導入口21a(図4図5参照)に接続されている。排水フィルタ20は、筐体2内の例えば右下付近に設置されている。
【0024】
図4及び図5に示されるように、排水フィルタ20は、排水管16に接続された略円筒状のケース21と、ケース21内に収容されたフィルタ部22とを有する。ケース21は、例えば、前後方向に対してやや傾斜する姿勢で筐体内に設置されている(図3参照)。ケース21の前部側方には洗濯水を導入するための導入口21aが形成されており、ケース21の後部にはろ過後の洗濯水を排出するための排水口21bが形成されている。ケース21は、後部が前部よりもやや低くなるように設置されている。
【0025】
図3及び図4に示されるように、ケース21の排水口21bには、排水排出管18が接続されている。より詳細には、排水フィルタ20の排水口21bには、テーパ形状の管径を有する接続部18a(排水排出管18の上流端)が接続されている。排水排出管18には、排水管16及び排水フィルタ20を通じての洗濯水の排水(通流)を許容・閉止可能な排水バルブ17が設けられている。排水バルブ17は、接続部18aの下流側に設けられている。排水バルブ17を開くことで、洗濯水が外槽6から排出され、排水管16を通って排水フィルタ20においてろ過される。排水バルブ17が閉じられている間は、洗濯水は排水バルブ17の上流側(排水管16、排水フィルタ20及び接続部18a)の管路内において滞留する。
【0026】
排水排出管18は、例えば洗濯機1の機外へ(下方へ)延びている。排水排出管18を通じて洗濯機1から排出された洗濯水は、防水パン等に設けられた排水口を通じて排水される。排水管16、排水フィルタ20及び排水排出管18は、自然流下による排水路を構成している。なお、排水管16、排水フィルタ20及び排水排出管18のレイアウトは適宜に変更されてもよい。排水管16、排水フィルタ20及び排水排出管18は、外槽6の下方の空間に設置される。
【0027】
図4及び図5を参照して、排水フィルタ20に関して、フィルタ部22及びその他の構成についてより詳細に説明する。フィルタ部22は、上方に開放された直方体形状を有する。フィルタ部22は、長方形状の底板部23と、底板部23から立ち上がる複数の櫛歯24とを有する。フィルタ部22がケース21に装着された状態で、その後端部はケース21の排水口21bから露出している。ケース21に対するフィルタ部22の装着構造は特に限定されないが、後端部が排水口21bより後方に突出してもよい。
【0028】
複数の櫛歯24は、底板部23の一対の側辺部と、後端の短辺部とに沿ってフィルタ部22の一対の側壁及び後壁を形成するように配列されている。すべての櫛歯24は、平行であり、底板部23に直交する方向(交差する方向)に延びている。一定の間隔をあけて立設された櫛歯24は、フィルタ部22のフィルタ面Fを構成する。排水フィルタ20内に導入された洗濯水はフィルタ部22の内部へと流入する。洗濯水は多数の櫛歯24からなるフィルタ面Fを通過する。これにより、糸屑等の異物が櫛歯24に引っ掛かり、捕獲(捕集)される。ろ過後の洗濯水は、櫛歯24間の間隙(間隔)を通り抜けて排水口21bから排出される。
【0029】
排水フィルタ20は、更に、フィルタ部22に着脱可能に取り付けられたストリッパ70を有する。ストリッパ70は、格子状の底部71と、底部71の一対の側辺部に形成されて櫛歯24間の間隙内に配置される複数の掻取り部72と、掻取り部72から立ち上がるように形成された一対の取っ手部73とを含む。図8(a)にも示されるように、フィルタ部22の底板部23には、例えば格子状の溝部23aが形成されており、この溝部23aに、ストリッパ70の底部71が凹凸嵌合している。ストリッパ70がフィルタ部22に装着されているとき、ストリッパ70の底部71がフィルタ部22の底板部23に嵌合する。なお、ストリッパ70の底部71がフィルタ部22の底板部23に凹凸嵌合する形態に限られず、底部71が、底板部23に重なり合うようにして嵌合していてもよい。
【0030】
図1図3及び図4に示されるように、排水フィルタ20は、ケース21の前方に突出する位置に設けられた操作レバー29を有する。操作レバー29は、フィルタ部22に連結され、一体化されている。使用者は、洗濯機1の外側から操作レバー29を操作可能である。カバーB(図3参照)を開ければ、使用者は片手又は両手で操作レバー29を持つことができる。使用者によって操作レバー29が反時計回りに約90度回転させられると、操作レバー29とケース21の嵌合状態が解除され、フィルタ部22及びストリッパ70をケース21から取り外すことができる。フィルタ部22の装着時も、上記とは逆の手順で、ケース21に装着される。
【0031】
図4に示されるように、排水フィルタ20には円環状のパッキン28が設けられており、上記の嵌合状態では、ケース21が閉鎖されケース21の水封がなされる。フィルタ部22は、例えば洗濯機1における運転が完了した際、使用者によってケース21から取り外され、洗濯機1の外部に取り出される。これにより、フィルタ部22のメンテナンスが可能となる。
【0032】
フィルタ部22のメンテナンス時には、使用者は、一対の取っ手部73を指で持ち、ストリッパ70を櫛歯24に沿って上方に(上記した底板部23に直交する方向に)引き上げる。この時、図8(b)に示されるように、各掻取り部72は、櫛歯24間の間隙を通って上昇する。掻取り部72及び底部71の上昇に伴い、フィルタ部22に捕獲された糸屑や髪の毛等の異物がストリッパ70と共に持ち上がり、フィルタ部22から除去される。
【0033】
続いて、本実施形態の洗濯機1に備わる、洗濯物の乾燥及び排水フィルタ20の乾燥に関わる構成について説明する。図1及び図2に示されるように、洗濯機1は、筐体2内に設けられ、温風を発生させる温風発生ユニット30と、外槽6と温風発生ユニット30とに接続された吸入ダクト15とを備えている。温風発生ユニット30は、除湿された温風を発生させる。吸入ダクト15は、外槽6の背面下部に形成された空気取込み口6cとユニットケース31とに接続されている。
【0034】
図2に示されるように、温風発生ユニット30は、空気を加熱するヒータ34(加熱器)と、ヒータ34に空気を送り出すファン36とを有する。例えば、加熱・昇温機構として、ヒータ34とヒートポンプが組み合わせられた形式が適用される。ヒータ34は、立ち上がり時の加熱(昇温)のために補助的に機能してもよい。温風発生ユニット30は、例えば空気を除湿する除湿ユニット(例えばデシカント式の除湿ユニット等)を有してもよい。温風発生ユニット30における空気の経路には、空気中の異物を除去する乾燥用フィルタ37が設けられている。乾燥用フィルタ37は、例えばファン36の吸込み部(管路内)に設けられるが、乾燥用フィルタ37はそれ以外の位置に設置されてもよい。ヒータ34、ファン36及び乾燥用フィルタ37等の温風の発生に関わる各機器は、例えば、筐体2内の上部に設けられたユニットケース31内に収納されている。なお、ヒートポンプが省略されてヒータ34のみが設けられてもよいし、ヒータ34が省略されてヒートポンプのみが設けられてもよい。温風発生ユニット30の構成は、洗濯乾燥機に設けられる公知の構成に基づき、適宜に変更されてもよい。
【0035】
温風発生ユニット30は、洗濯物の乾燥と、排水フィルタ20の乾燥の両方を行うために設けられている。図2に示されるように、洗濯機1は、温風発生ユニット30からの送風路に取り付けられた風路切替えダンパ40を備える。風路切替えダンパ40とドラム7の間には、温風をドラム7へと供給する洗濯物乾燥用ダクト50が設けられる。風路切替えダンパ40と排水フィルタ20の間には、温風を排水フィルタ20へと供給するフィルタ乾燥用ダクト60が設けられる。
【0036】
図1図2及び図6を参照してより詳細に説明すると、温風発生ユニット30の送風口32には、正面視で三角形状のダンパ接続部材33が設けられており、このダンパ接続部材33(送風路)に、風路切替えダンパ40が取り付けられている。風路切替えダンパ40は、概ね、上下方向(高さ方向)において温風発生ユニット30とドラム7(又は投入口4)の上端との間に設けられている。図6(a)~図6(d)に示されるように、風路切替えダンパ40は、直方体形状のダンパケース41と、ダンパケース41内に収容されて一対の軸支部43を中心に回動可能な切替板42と、切替板42を回動させるステッピングモータ44と、切替板42の回動位置を検出するためのリミットスイッチ47とを含む。ステッピングモータ44はモータケース46内に収容される。
【0037】
ダンパケース41は、左右方向に長く延在しており、その下端に、長方形状の第1出口部48を有する。第1出口部48には、矩形筒状の洗濯物乾燥用ダクト50が接続される。洗濯物乾燥用ダクト50には、さらに、投入口4の周囲において円形の空間を画成する包囲ダクト51(図2参照)が接続されている。包囲ダクト51は外槽6の開口部6aに接続される。上記したパッキン8が、例えば、包囲ダクト51を兼ねている。温風発生ユニット30において発生した温風は、開口部7aの上部に形成された吹出し口52を介してドラム7内に供給可能となっている。
【0038】
風路切替えダンパ40は、後述する制御部90によって制御される。制御部90によって洗濯物乾燥用ダクト50へと風路が切り替えられることで、洗濯物の乾燥運転が行われる。ドラム7へと供給された温風(洗濯物を乾燥させたことにより湿度が上昇した温風)は、ドラム7内を通って空気取込み口6c及び吸入ダクト15を通じて温風発生ユニット30へと戻る。洗濯物の乾燥運転は、通常洗浄運転の一部として、最後に行われる。洗濯物の乾燥運転の長さは、例えば1~2時間程度であるが、使用者による設定操作により適宜に変更可能である。
【0039】
ダンパケース41は、その前方に、例えば矩形の第2出口部49aを有する。第2出口部49aの開口面積は、第1出口部48の開口面積よりも小さい。ダンパケース41の前部には、第2出口部49aを通じて温風を(洗濯物乾燥用ダクト50とは異なる)別ルートで送り出すためのフィルタ乾燥用送風部49が取り付けられている。円筒状のフィルタ乾燥用送風部49には、フィルタ乾燥用ダクト60の上流端61が接続される(図1参照)。
【0040】
図1及び図3に示されるように、フィルタ乾燥用ダクト60は、筐体2内であり且つ外槽6の外部の空間に配置されている。例えば断面円形のフィルタ乾燥用ダクト60は、風路切替えダンパ40のフィルタ乾燥用送風部49から、右方へと延び(水平に延び)、その後下方へと延び(上下に延び)、筐体2内の右下付近において、数回折れ曲がった後に排水フィルタ20に接続される。フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62は、例えば、ケース21の後部上方に形成された温風流入口21c(図4参照)に接続されている。すなわち、フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62は、上述した排水バルブ17よりも、(洗濯水の排水方向を基準として)上流側の位置に接続されている。排水フィルタ20において、温風流入口21cは、フィルタ部22のフィルタ面Fの内側の空間(異物が捕集される空間)に対面している。
【0041】
制御部90によってフィルタ乾燥用ダクト60へと風路が切り替えられることで、温風発生ユニット30で発生した温風がフィルタ乾燥用ダクト60を通じて排水フィルタ20へと供給される。これにより、排水フィルタ20の乾燥運転が行われる。排水フィルタ20の乾燥運転は、洗濯物の乾燥運転(通常洗浄運転)に続いて行われる。排水フィルタ20の乾燥運転の長さは、例えば5~20分程度であるが、使用者による設定操作により適宜に変更可能である。
【0042】
また、図4に示されるように、温風流入口21cはケース21の後部に形成されている。排水フィルタ20の乾燥運転が行われる間、排水バルブ17は開いている。フィルタ乾燥用ダクト60を通じて供給された温風は、排水フィルタ20のケース21内を通り、導入口21a及び排水管16を通じて外槽6へと排出される。なお、排水排出管18は排水トラップに接続されているため、このとき温風が排水排出管18に流れることはない。排水バルブ17が開いていることにより、排水フィルタ20の乾燥に伴って生じた(除湿による)水分が結露し、排水排出管18を流下する。実際には、乾燥・昇温による槽内空気の膨張を逃がすため、外槽6には空気逃がし機構が設けられている。したがって、排水バルブ17を閉めた場合でも排水フィルタ20における糸屑(異物)の乾燥は可能である。
【0043】
ケース21の導入口21aから外槽6へと排出された温風(排水フィルタ20を乾燥させたことにより湿度が上昇した温風)は、主として、ドラム7と外槽6の間の空隙(すなわちドラム7外)を通って空気取込み口6c及び吸入ダクト15を通じて温風発生ユニット30へと戻る。このため、排水経路の臭いが洗濯物に付く(臭い移りする)リスクを低減することができる。
【0044】
洗濯機1では、洗濯物の乾燥運転においても、排水フィルタ20の乾燥運転においても、空気が循環利用される。これらの乾燥運転において、温風の風量は同じである。この風量は排水トラップにおける水封状態を破壊する程には強くないので、同じ風量で排水フィルタ20の乾燥運転が行われても特に問題にはならない。
【0045】
洗濯機1は、使用者によって操作される図示しない操作ボタン、及び、上述した駆動モータ9の駆動、給水バルブ14の開閉、排水バルブ17の開閉、及びステッピングモータ44の駆動等を制御する制御部90(図1参照)を備える。制御部90は、筐体2内における適宜の位置に設けられたコントローラである。制御部90は、例えば、プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(RandomAccess Memory)等の記憶媒体、及びCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等を有するコンピュータである。制御部90では、例えばROMに格納されているプログラムをCPUが読み込みながら実行する。制御部90は、使用者による操作に応じて、予め記憶されたプログラムに従って洗濯機1における種々の運転を行う。
【0046】
図6及び図7を参照して、風路切替えダンパ40における切替板42の回動制御について説明する。洗濯物の乾燥運転時には、図7(a)に示されるように、切替板42は左方から見て時計回りに回動させられる。切替板42は、第1出口部48の形状及び大きさに対応した大きな長方形板状の第1閉止部42aと、第2出口部49aの形状及び大きさに対応した矩形枠状(筒状)の第2閉止部42bとを含む(図6(d)参照)。第2閉止部42bは、第1閉止部42a上に立設されている。図7(a)に示された第1閉止位置P1に切替板42が位置すると、第2閉止部42bが第2出口部49aを閉止し、風路が第1出口部48(洗濯物乾燥用ダクト50)へと切り替わる。なお、この時、一方の軸支部43に取り付けられた作動片47a(図6(b)参照)が切替板42と一緒に回転する。切替板42が第1閉止位置P1に到達した時点で、作動片47aはリミットスイッチ47をオンする(図中における破線で示された作動片47a参照)。これにより、制御部90が切替板42を停止させる。なお、図6(b)は左側面図であるが、図6(b)では、ステッピングモータ44及びモータケース46の図示が省略されている。
【0047】
排水フィルタ20の乾燥運転時には、図7(b)に示されるように、切替板42は左方から見て反時計回りに約90度回動させられる。図7(b)に示された第2閉止位置P2に切替板42が位置すると、第1閉止部42aが矩形枠状の段部41cに当接することで第1出口部48を閉止し、風路が第2出口部49a(フィルタ乾燥用ダクト60)へと切り替わる。この時にはリミットスイッチ47は用いられず、制御部90が、ステッピングモータ44の回転量に基づいて切替板42を停止させる。なお、本実施形態では、洗濯物の乾燥運転時のみにおいてリミットスイッチ47を用いた制御を行っているが、両方の運転においてリミットスイッチ47を用いてもよい。また、リミットスイッチ47は、(ステッピングモータ44の動作中における停電時等において)切替板42の初期位置の検知を可能とする。
【0048】
続いて、本実施形態の洗濯機1における温風発生ユニット30の動作(運転方法)について説明する。予め、使用者により、操作ボタンを用いて排水フィルタ20の乾燥運転(乾燥工程)が設定される。例えば、「排水フィルタ乾燥追加ボタン」が押されることにより、排水フィルタ20の乾燥運転が設定される。通常の洗浄運転後に、排水フィルタ20へ温風が送られる。すなわち、使用者によって排水フィルタ乾燥運転を行う旨のモードが選ばれた場合にのみ、制御部90は、排水フィルタ乾燥運転を行う。なお、操作ボタンによる操作は上記に限られず、例えば、洗浄コース(乾燥コース)のボタンが1回押されることで洗浄運転(乾燥運転)が行われるが、洗浄コース(乾燥コース)のボタンが2回押されることで、通常の洗浄運転後に、排水フィルタ20へ温風が送られてもよい。排水フィルタ20の乾燥運転は、専用コースとして設定されて、洗浄運転とは独立して単独で運転されてもよい。
【0049】
まず、洗い行程に先立って、乾燥用フィルタ37の洗浄工程が行われる。図示しない洗浄水ラインから洗浄水が乾燥用フィルタ37に供給され、乾燥用フィルタ37に捕集された糸屑等の異物が洗い流される。このとき、排水バルブ17は開けられており、洗浄水は、排水管16を通じて流下し、排水フィルタ20に導入される。
【0050】
続いて、洗濯機1の通常運転中、排水バルブ17は閉じられており、外槽6内の洗濯水は排水管16及び排水フィルタ20内に満たされている。洗い工程及びすすぎ工程の終了時には、排水バルブ17が開けられ、外槽6内の洗濯水が排水管16を通じて流下し、排水フィルタ20に導入される。洗濯水はフィルタ部22の櫛歯24の間を通過する。このとき、糸屑等の異物がフィルタ部22によって捕集される。洗濯機1における運転モード等に応じて、排水フィルタ20における上記のろ過工程は1回のみ行われてもよいし、複数回行われてもよい。
【0051】
洗い工程及びすすぎ工程が完了すると、続いて、脱水工程及び乾燥工程が行われる。排水バルブ17は開いている。温風発生ユニット30によって温風が発生させられ、風路切替えダンパ40の切替板42は第1閉止位置P1に位置し(図7(a)参照)、洗濯物乾燥用ダクト50を通じてドラム7内へと温風が供給される。温風の温度は、例えば60度程度、又はそれ以上である。所定の運転時間が経過した後、温風発生ユニット30からの温風の供給は停止する。その後、排水フィルタ乾燥工程が行われる。風路切替えダンパ40の切替板42は第2閉止位置P2へと移動し(図7(b)参照)、フィルタ乾燥用ダクト60を通じて排水フィルタ20内へと温風が供給される。この場合も、温風の温度は、例えば60度程度、又はそれ以上である。温風は、ケース21内(フィルタ部22内)を後部から前部へ向けて流れる。所定の運転時間が経過した後、温風発生ユニット30からの温風の供給は停止する。なお、フィルタ部22に捕集された糸屑等の異物の乾燥は、その表面が乾燥している程度でよく、全体を完全に乾燥させる必要はない。乾燥時間は、適切な長さに設定される。
【0052】
排水フィルタ乾燥工程の完了後、使用者によってカバーBが開けられ、操作レバー29が反時計回りに回転操作される。使用者は、操作レバー29を持ち、フィルタ部22及びストリッパ70をケース21から引き上げる。そして、使用者は、ストリッパ70を引き上げることで異物をフィルタ部22から分離させ、廃棄する。
【0053】
本実施形態の洗濯機1によれば、排水フィルタ20には、フィルタ乾燥用ダクト60が接続されている。フィルタ乾燥用ダクト60を通じて温風が排水フィルタ20へと供給されることで、排水フィルタ20に捕集された異物の水分率が低下する。これにより、排水フィルタ20におけるヌメリ又は黒カビ等を低減でき、メンテナンス時における不快感が低減される。このように、専用のフィルタ乾燥用ダクト60が外槽6の外部に配置されているので、温風は排水フィルタ20へと直接供給され、排水フィルタ20を効率的に乾燥させることができる。
【0054】
また、糸屑の乾燥により、排水フィルタ20を取り出してメンテナンスをする際に、糸屑から水分が落下することを防止できる。よって、床を濡らさずにお手入れが可能である。糸屑をゴミ箱に捨てる際、衛生的な処理が可能である。また排水フィルタ20の定期的な乾燥により、排水管16等の排水経路特有の臭い(黒カビ臭など)が洗濯物につくことを抑止できる。
【0055】
風路切替えダンパ40は、洗濯物乾燥用ダクト50とフィルタ乾燥用ダクト60とに温風の風路を切替え可能である。これにより、温風発生ユニット30を共用しつつ、洗濯物及び排水フィルタ20の乾燥をそれぞれ短時間で行うことができる。温風発生ユニット30の構成部品が共用されており、コンパクト化、及び、追加コストの低減が図られている。
【0056】
フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62は、排水バルブ17より上流側の位置に接続されている。これにより、温風をより効率的に排水フィルタ20へと供給することができる。
【0057】
フィルタ乾燥用ダクト60を通じて供給された温風は、排水フィルタ20のケース21内を通り、排水管16を通じて外槽6へと排出される。これにより、吸入ダクト15を介して温風を温風発生ユニット30へと戻すことができ、乾燥用空気を循環利用できる。
【0058】
排水フィルタ20がストリッパ70を備えた構成によれば、メンテナンス時にストリッパ70が引き上げられることで、フィルタ部22に捕集され水分率の低下した(すなわちある程度乾燥した)異物を、フィルタ部22から容易に分離することができる。使用者は、手をぬらさずに、また糸屑に触れることなく、フィルタ部22のメンテナンスを行うことができる。
【0059】
また、使用者が必要と判断したときにのみ(洗濯する毎にではなく適時に)排水フィルタ乾燥運転が行われる。使用者は、洗濯機1の使用を通じて、排水フィルタ20における糸屑等の異物の堆積の度合いを把握することができる。異物の堆積の度合いに応じて、より適切な排水フィルタの乾燥が可能となる。
【0060】
温風の温度が60度又はそれ以上であるため、フィルタ部22の表面温度も60度又はそれ以上となる。これにより、ヌメリ及び黒カビ等の発生を抑止できる。
【0061】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62が、排水フィルタ20に繋がる配管に接続されてもよい。例えば、フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62が、排水排出管18に接続されてもよい。この場合、排水排出管18の下流側に設けられた排水トラップにおける水封状態を保持する(破壊しない)よう、風量を低減する等の設定変更が必要である。
【0062】
フィルタ乾燥用ダクト60の下流端62が、排水フィルタ20又は排水排出管18に接続される場合、排水フィルタ乾燥運転時、排水バルブ17が開けられてもよい。
【0063】
フィルタ乾燥用ダクト60を通じて供給された温風が、ケース21を後方に向けて通ってもよい。温風が循環されなくてもよい。なお、その場合には、排水排出管18の下流側に設けられた排水トラップにおける水封状態を保持する(破壊しない)ような構成が必要である。
【0064】
複数の櫛歯24は、底板部23に対して90度以外の角度をなす方向(交差する方向)に延びていてもよい。
【0065】
使用者による設定によらず、通常の洗浄運転を行う毎に排水フィルタ乾燥運転が行われてもよい。
【0066】
フィルタ乾燥用のダクト、ヒータ(ヒートポンプ)、ファン、及び温風フィルタ等が、洗濯物乾燥用の温風発生ユニットとは別個に設けられてもよい。或いは、洗濯物乾燥用の温風発生ユニットを備えない、単なる洗濯機(ドラム式洗濯機又は縦型洗濯機)に、本発明が適用されてもよい。その場合、フィルタ乾燥用のダクト、ヒータ(ヒートポンプ)、ファン、及び温風フィルタ等からなる専用の温風発生ユニットのみが設けられる。
【0067】
本発明がドラム洗濯機以外の洗濯乾燥機、例えば縦型洗濯乾燥機に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…洗濯機、2…筐体、6…外槽、7…ドラム(洗濯槽)、15…吸入ダクト、16…排水管、17…排水バルブ(バルブ)、18…排水排出管、20…排水フィルタ、21…ケース、21a…導入口、21b…排水口、22…フィルタ部、23…底板部、24…櫛歯、30…温風発生ユニット、40…風路切替えダンパ、50…洗濯物乾燥用ダクト、60…フィルタ乾燥用ダクト、61…上流端、62…下流端、90…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8