(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008930
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】マイクロLEDの製造方法と発光素子および表示装置
(51)【国際特許分類】
H10H 20/813 20250101AFI20250109BHJP
H10H 20/824 20250101ALI20250109BHJP
H10H 20/825 20250101ALI20250109BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250109BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/30
H01L33/32
G09F9/00 338
G09F9/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111573
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】508081064
【氏名又は名称】株式会社ナノマテリアル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】518251033
【氏名又は名称】エーオーイーティー コーポレーション
【住所又は居所原語表記】603, Yonsei Sarang Bldg., 93 Sogong Ro Jung-gu, Seoul 04531 Korea AOET Corporation
(71)【出願人】
【識別番号】518251044
【氏名又は名称】イ ヤン‐ジュ
【氏名又は名称原語表記】Young-ju, Lee
【住所又は居所原語表記】202 Green House 25, Daeyang-ro 285beon-gil, Deogyang-gu, Goyang-si, Gyeonggi-do, 10273, KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】505384793
【氏名又は名称】塩谷 喜美
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 喜美
(72)【発明者】
【氏名】オー,サング‐ムク
【テーマコード(参考)】
5C094
5F241
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA05
5C094BA25
5C094DA13
5C094EB05
5C094GB10
5F241AA03
5F241AA04
5F241CA05
5F241CA37
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA67
5F241CA74
5F241CB29
5F241FF06
5G435BB04
5G435HH13
5G435KK05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】Si基板上に3色のマイクロLEDを形成する際に、青色、赤色、および緑色マイクロLEDの面積比を小さくし、3色のマイクロLEDからなる発光素子の密度を向上させる。
【解決手段】本発明では、3色のマイクロLEDとして全てInGaN量子井戸層を使用した青色、赤色、および緑色マイクロLEDではなく、InGaN量子井戸を使用した青色マイクロLED21と、AlInGaP、またはInGaPN量子井戸層を使用した赤色マイクロLED22,およびInGaN、またはAlInP量子井戸層を使用した緑色マイクロLED23を形成することによって、またそれぞれの多重量子井戸数の量子井戸層数を調整することによって、赤色、および緑色マイクロLEDの発光量を青色マイクロLEDと同一にするために必要な、青色マイクロLEDに対するそれらの面積比を小さくする。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si(111)面上に3C-SiC層を形成し、その上にGaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に、赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaN層上に前記GaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項2】
Si(111)面上に3C-SiC層を形成し、その上にGaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に、赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaN層上に前記GaN障壁層およびAlInP量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項3】
前記記載の赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaPNの量子井戸層からなる前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程を備えた、請求項1~2に記載の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項4】
前記記載の前記障壁層をGaNからAlGaNとした請求項1~3に記載の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項5】
Si(100)面上に3C-SiC層を形成し、その上に前記GaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)の量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項6】
前記記載の赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaPN量子井戸層からなる前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程を備えた、請求項5に記載の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項7】
前記記載の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLED領域において、前記n型GaNバッファ層上に前記3C-SiC層を形成する工程を備えた、請求項1~6に記載のいずれか一項の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項8】
前記記載の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLED領域において、前記青色マイクロLED用多重井戸層の量子井戸層数を前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層の量子井戸層数、および前記緑色マイクロLED用多重量子井戸数の量子井戸層数より、少なくする工程を備えた、請求項1~7に記載のいずれか一項の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法。
【請求項9】
請求項1~4に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子。
【請求項10】
請求項5~6に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子。
【請求項11】
請求項7に記載の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子。
【請求項12】
請求項8に記載の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子。
【請求項13】
請求項1~8に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を備えた表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Si基板上に青色、緑色、および赤色マイクロLEDを一組として多数形成する表示用マイクロLEDの製造方法と、発光素子、および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、表示装置として液晶や有機発光ダイオードが使用されている。
【0003】
そして発光ダイオード(LED)は、現在照明分野に広く使用されているが、近年、マイクロLEDが開発され、消費電力の少ない表示装置としてとして、利用され始めている(特許文献1,2,3,4)。
【0004】
この表示装置には、個別の3色のマイクロLEDを1組とした発光素子が使用されている。ここで、自然色を表示するためには3色のLED、つまり青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDが必要であり、現在まで、六方晶系のサファイヤ基板上で六方晶系のInGaN多重量子井戸を使用した青色マイクロLED、緑色マイクロLED、そして立方晶系のGaAs基板上で混晶系のAlInGaPを使用した赤色マイクロLEDが使用されている(非特許文献1,2)。
【0005】
しかしながら、現在Si基板上に六方晶系のInGaN多重量子井戸層を使用して、3色のマイクロLEDを形成する方法も提案されている(特許文献5,6,7,8)。これら3色を得るためには量子井戸層をInGaNとし、青色から緑色、そして赤色を発光させるためには、緑色量子井戸層は青色量子井戸層に比べIn濃度を多くし、また赤色を発光させるためには緑色量子井戸層のIn濃度をさらに多くしなければならない。
その際、青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDの電力効率、内部量子効率、および外部量子効率からなるパワー効率、さらに視感度を考慮してマイクロLEDの面積を調整する必要がある。個別のマイクロLEDを使用した場合の面積比は、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層):緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層):赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)=1:7:3といわれている。ここでInGaN多重量子井戸層を使用する緑色マイクロLEDのパワー効率は、多重井戸層数を同一とした場合、青色マイクロLEDに比べ15~40%と小さくなり、赤色マイクロLEDのパワー効率は4%程度と非常に小さく、青色マイクロLEDと同一の発光量を得るためは、青色マイクロLEDに比べ、それぞれ面積比が、2.5~7倍および25倍必要となる(特許文献7、9および非特許文献3)。
したがって、この場合の視感度(非特許文献1)を考慮した同一の効率を得るための面積比は、青色マイクロLED:緑色マイクロLED:赤色マイクロLED=1:7:54程度となり、青色マイクロLEDに比べ非常に大きな面積の赤色マイクロLEDが必要になる。ここでは、視感度を考慮に入れた緑色マイクロLEDの面積比は、パワー効率から算出した2.5~7倍の中間値4.7を採用し、この値について、視感度を考慮し、実際の値7に合わせてある。
なお、LEDの発光量は、多重量子井戸層の量子井戸層数にも依存することが知られている(非特許文献4)。このため、青色マイクロLEDと緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDの面積比を設計する際は、多重量子井戸層の結晶系を選択するだけでなく、量子井戸層数も考慮しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-10309号公報
【特許文献2】特開2019-204842号公報
【特許文献3】特開2022-155471号公報
【特許文献4】特開2022-525851号公報
【特許文献5】特開2020-13809号公報
【特許文献6】特開2020-13811号公報
【特許文献7】特開2023-009202号公報
【特許文献8】特開2023-009203号公報
【特許文献9】特開2021-118360号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】応用物理 68巻,2号,p.139-145(1999).
【非特許文献2】シャープ技報 84号,p.63-66(2002).
【非特許文献3】COMPOUND SEMICONDUCTOR vol.26,issue7,p.42(2020)
【非特許文献4】Journal of Optics vol. 50(1),p.83-89(2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため、六方晶系のGaNを使用したマイクロLEDでは、青色マイクロLEDを除いて、In濃度の多い、緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDは発光強度が弱く、必要な発光量を得るためには青色マイクロLEDに比べ大きな面積が必要であり、その改善が求められている。特に、同一のSi基板上に青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを形成する場合には、赤色マイクロLED、または緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの発光効率を青色マイクロLEDに比べ高めることが必要不可欠である。
【0009】
従って、高密度の微細な発光素子を得るためには、同一Si基板上の緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの発光効率を青色マイクロLEDに比べ相対的に向上させ、緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの面積を少なくする必要がある。
【0010】
本発明は、上記技術に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、同一Si基板上に六方晶系のGaN多重量子井戸を有する青色マイクロLEDと緑色マイクロLED、および他の結晶系多重量子井戸層を有する赤色マイクロLED、または立方晶系のGaN多重井戸層を有する青色マイクロLEDと緑色マイクロLED、ならびに他の立方晶系の多重量子井戸層を有する緑色マイクロLEDと赤色マイクロLEDを実現し、発光効率の向上を図ること、または青色マイクロLEDの多重井戸層の量子井戸層数を、緑色マイクロLEDの多重井戸層の量子井戸層数、および赤色マイクロLEDの多重井戸層の量子井戸層数より少なくし、発光強度を減少させ、相対的に緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの発光強度を増加させることにより、赤色マイクロLED、または緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの面積を減少させることである。そして高密度の発光素子を実現し、その発光素子を使用した表示装置を完成させることである。
【0011】
ここで、本願中で、マイクロLEDとは、n型、およびp型クラッド層と、それらの間に積層した多重井戸層を組み合わせた構造を指すものとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願請求項1に記載の製造方法は、Si(111)面上に3C-SiC層を形成し、その上にGaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に、赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaN層上に前記GaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0013】
本願請求項1に記載の製造方法は、Si(111)面上に3C-SiC層を形成することで、n型GaNクラッド層、GaN障壁層、青色InGaN量子井戸層、緑色InGaN量子井戸層、およびn型クラッド層を六方晶系とし、さらに赤色マイクロLED領域において、混晶系赤色AlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層を形成し、赤色発光強度を高め、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比とすることができる。
【0014】
本願請求項2に記載の製造方法は、Si(111)面上に3C-SiC層を形成し、その上にGaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に、赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaN層上に前記GaN障壁層およびAlInP量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0015】
本願請求項2に記載の製造方法は、Si(111)面上に3C-SiC層を形成することで、n型GaNクラッド層、六方晶系GaN障壁層、六方晶系青色InGaN量子井戸層を形成し、次に、赤色マイクロLED領域において、六方晶系GaN障壁層、および混晶系AlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、n型GaN層上に六方晶系GaN障壁層、およびAlInP量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、AlInP多重量子井戸層を有する緑色発光強度をInGaN量子井戸層と同程度以上とし、赤色発光強度を高め、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比を7以下とし、また赤色マイクロLEDの面積比を3とすることができる。
【0016】
本願請求項3に記載の製造方法は、前記記載の赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaPN量子井戸層からなる前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程を備えた、請求項1~2に記載の前記青色マイクロLED、前記緑色マイクロLED、および前記赤色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0017】
本願請求項3に記載の製造方法は、赤色マイクロLED領域において、n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層および混晶系InGaPNの量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成することで、赤色発光強度を高め、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比を7以下とし、赤色マイクロLEDの面積比を3とすることができる。
【0018】
本願請求項4に記載の製造方法は、前記記載の前記障壁層をGaNからAlGaNとした請求項1~3に記載の前記青色マイクロLED、前記緑色マイクロLED、および前記赤色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0019】
本願請求項4に記載の製造方法は、請求項1~3において、六方晶系GaN障壁層をバンドギャップのより大きい六方晶系AlGaNとすることによって請求項1~3に記載の青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3と同等の面積比を得ることができる。
【0020】
本願請求項5に記載の製造方法は、Si(100)面上に3C-SiC層を形成し、その上に前記GaNバッファ層を形成し、さらにn型GaNクラッド層を形成し、青色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上にGaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、次に赤色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)の量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、その後、緑色マイクロLED領域において、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、そして前記青色マイクロLED領域、前記赤色マイクロLED領域、および前記緑色マイクロLED領域にp型GaNクラッド層を形成する工程を備えた、前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0021】
本願請求項5に記載の製造方法は、Si(100)面上に前記3C-SiC層を形成することで、n型GaNクラッド層、GaN障壁層、青色InGaN量子井戸層、緑色InGaN量子井戸層、およびp型クラッド層を立方晶系、またはそれに近い結晶系とし、さらに赤色マイクロLED量子井戸層をInGaN量子井戸層とは別の材料である、混晶系AlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層とすることで、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層):赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比を7以下とし、また赤色マイクロLEDの面積比を3とすることができる。
【0022】
本願請求項6に記載の製造方法は、前記n型GaNクラッド層上に前記GaN障壁層およびInGaPN量子井戸層からなる前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程を備えた、請求項5に記載の前記青色マイクロLED、前記緑色マイクロLED、および前記赤色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0023】
本願請求項6に記載の製造方法は、赤色マイクロLED領域の量子井戸層を請求項5の赤色マイクロLED量子井戸層から混晶系InGaPN量子井戸層に変えることで、請求項5の赤色マイクロLEDと同等の発光強度を得ることができ、結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比を7以下とし、また赤色マイクロLEDの面積比を3とすることができる。
【0024】
本願請求項7に記載の製造方法は、前記記載の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLED領域において、前記n型GaNバッファ層上に前記3C-SiC層を形成する工程を備えた、請求項1~6に記載のいずれか一項の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0025】
本願請求項7に記載の製造方法は、n型GaNバッファ層上に3C-SiC層を形成することで、六方晶系、および立方晶系のn型GaNクラッド層、GaN障壁層、六方晶系AlGaN障壁層、p型GaNクラッド層、および混晶系赤色マイクロLEDAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)量子井戸層、ならびにInGaPN量子井戸層の結晶性を高め、また六方晶系緑色マイクロLEDAlInP量子井戸層の結晶性を高め、赤色、および緑色発光強度を高めることができる。結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べと緑色マイクロLEDの面積比を7以下、赤色マイクロLEDの面積比を3以下の面積比を得ることができる。
【0026】
本願請求項8に記載の製造方法は、前記記載の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLED領域において、前記青色マイクロLED用多重井戸層の量子井戸層数を前記赤色マイクロLED用多重量子井戸層の量子井戸層数、および前記緑色マイクロLED用多重量子井戸数の量子井戸層数より、少なくする工程を備えた、請求項1~7に記載のいずれか一項の前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記発光素子を多数形成するための製造方法を提供することで、上記課題を解決している。
【0027】
本願請求項8に記載の製造方法は、青色マイクロLED用多重量子井戸層の量子井戸層数を赤色マイクロLED用多重量子井戸層の量子井戸層数、および緑色マイクロLED用多重井戸数の量子井戸層数より少なくすることで、青色マイクロLEDの発光強度を赤色マイクロLED,および緑色マイクロLEDの発光強度より、相対的に減少させることにより、発光強度を均一にするために必要な青色マイクロLEDの面積に対する赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDの面積比を低減させ、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子密度を向上させるものである。結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べと緑色マイクロLEDの面積比を7未満、赤色マイクロLEDの面積比を3未満の面積比を得ることができる。
【0028】
本願請求項9に記載の発光素子は、請求項1~4に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を提供することで、上記課題を解決している。
【0029】
本願請求項9に記載の発光素子は、六方晶系n型GaNクラッド層上に六方晶系のGaN障壁層、AlGaN障壁層、六方晶系青色マイクロLEDInGaN量子井戸層、六方晶系緑色マイクロLEDAlInP量子井戸層、および混晶系赤色マイクロLEDAlInGaPN量子井戸層を形成することで、発光強度が向上した赤色マイクロLEDを実現し、結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層):緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層):赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比が7以下、赤色マイクロLEDの面積比が3の緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを得ることができる。
【0030】
本願請求項10に記載の発光素子は、請求項5~6に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を提供することで、上記課題を解決している。
【0031】
本願請求項10に記載の発光素子は、立方晶系n型GaNクラッド層上に立方晶系青色マイクロLEDInGaN量子井戸層、立方晶系緑色マイクロLEDInGaN量子井戸層、混晶系赤色マイクロLEDAlInGaP層、InGaPN量子井戸層を形成することで、発光強度が向上した緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを実現し、結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比が7以下、赤色マイクロLEDの面積比が3の緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを得ることができる。
【0032】
本願請求項11に記載の発光素子は、請求項7に記載の前記製造方法により製造した前記青色発光マイクロLED、前記赤色発光マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を提供することで、上記課題を解決している。
【0033】
本願請求項11に記載の発光素子は、GaNバッファ層上に3C-SiC層を形成することで、Si(111)上では、3C-SiC(111)面を形成することで、六方晶系を形成しやすくし、六方晶系n型GaNクラッド層、青色マイクロLEDInGaN量子井戸層、緑色マイクロLEDInGaN量子井戸層、AlInP量子井戸層、および混晶系赤色マイクロLEDAlInGaP層、InGaPN量子井戸層、ならびに六方晶系p型GaNクラッド層の結晶性を高め、またSi(100)上では、3C-SiC(100)面を形成し、格子定数の近い立方晶系を形成しやすくし、立方晶系n型GaNクラッド層、青色マイクロLEDInGaN量子井戸層、緑色マイクロLEDInGaN量子井戸層、混晶系赤色マイクロLEDAlxInGa(1-x)P(0≦x≦0.7)層、InGaPN量子井戸層、および立方晶系p型GaNクラッド層の結晶性を高めることで、結果として、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比が7以下、赤色マイクロLEDの面積比が3の緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを得ることができる。また3C-SiC層は、GaNバッファ層をエッチングする際に、エッチングストッパー層として働き、下部のn型GaNクラッド層を保護することができる。
【0034】
本願請求項12に記載の発光素子は、請求項8に記載の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記赤色マイクロLED、および前記緑色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を提供することで、上記課題を解決している。
【0035】
本願請求項12に記載の発光素子は、請求項8に記載の製造方法により、青色マイクロLEDの発光強度を赤色マイクロLED,および緑色マイクロLEDの発光強度より、相対的に減少させることにより、発光強度を均一にするために必要な青色マイクロLEDの面積に対する赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDの面積比を低減させ、青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする発光素子の高密度化を実現するものである。
【0036】
本願請求項13に記載の表示装置は、請求項1~7に記載のいずれか一項の前記製造方法により製造した前記青色マイクロLED、前記緑色マイクロLED、および前記赤色マイクロLEDを一組とする前記多数の発光素子を備えることで、上記課題を解決している。
【0037】
本願請求項13に記載の表示装置は、現状の個別の3色のマイクロLEDを一組とした発光素子と同等以上の発光強度を有する発光素子を実現でき、高密度な画像の表示素子を実現できる。
【発明の効果】
【0038】
従来のSiウェハ上の青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを一組とする発光素子の構造において、視感度を考慮して同一の発光量を得るためには、INGaN多重量子井戸層を有する青色マイクロLED,緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDの面積比は1:7:54程度となる。
【0039】
本発明では、赤色マイクロLEDの量子井戸層、または緑色マイクロLEDおよび赤色マイクロLEDの量子井戸層をInGaN以外の他の組成の層に変えることで、またInGaN多重量子井戸を有する青色マイクロLED,および緑色マイクロLEDの多重量子井戸を六方晶系から立方晶系に変えることで、緑色の発光強度を六方晶INGaN量子井戸層と同等以上とし、また赤色マイクロLEDの発光強度を大幅に高め、その結果、青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDの面積比を約1:7:3以下にすることができる。
【0040】
Siウェハ上に形成した青色、緑色、および赤色マイクロLEDを一組とする発光素子において、青色マイクロLEDに対する緑色マイクロLEDの面積比を低減し、さらに赤色マイクロLED面積比を大幅に低減することによって、微細な発光素子を有する発光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図2a】青色、緑色、および青色マイクロLEDからなる発光素子を形成するために、Si基板の両面に3C-SiC層とGaNバッファ層を形成する工程後の状態を示す。
【
図2b】青色、緑色、および青色マイクロLEDからなる発光素子を形成するために、Si基板の両面に3C-SiC層とGaNバッファ層、および3C-SiC層を形成する工程後の状態を示す。
【
図3】Si基板の両面にn型GaNエピタキシャル層(n型クラッド層)を形成する工程後の状態を示す。
【
図4】Si基板の両面に絶縁層を生成する工程後の状態を示す。
【
図5】Si基板の両面に絶縁層を堆積し、青色マイクロLEDの形成領域の絶縁膜をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図6】Si基板の両面に青色マイクロLED用多重量子井戸層を堆積し、エッチング領域に青色マイクロLED用多重量子井戸層を形成し、絶縁層上の多重量子井戸層を除去する工程後の状態を示す。
【
図7】Si基板の両面に絶縁層を堆積する工程後の状態を示す。
【
図8】緑色マイクロLEDの形成領域の絶縁層をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図9】Si基板の両面に赤色マイクロLED用多重量子井戸層を堆積し、エッチング領域に赤色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程後の状態を示す。
【
図10】Si基板の両面に絶縁層を堆積する工程後の状態を示す。
【
図11】赤色マイクロLEDの形成領域の絶縁膜をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図12】Si基板の両面に緑色マイクロLED用多重量子井戸層を堆積し、エッチング領域に緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成する工程後の状態を示す。
【
図13】青色、および赤色マイクロLEDの形成領域の絶縁層をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図14】青色、赤色、および緑色マイクロLEDの形成領域にp型GaNエピタキシャル層(p型クラッド層)を形成する工程後の状態を示す。
【
図15】半導体基板表面のp型GaNエピタキシャル層(p型クラッド層)上に電極層を形成し、それらを分離する工程後の状態を示す。点線は発光素子を形成する領域を示す。
【
図16】半導体基板表面の青色、赤色、および緑色マイクロLED間に絶縁層(SOG)を形成する工程後の状態を示す。
【
図17】裏面のp型GaNエピタキシャル層、多重量子井戸層、n型GaNエピタキシャル層、GaNバッファ層、3-SiC層、およびSi基板を研削する工程を示す。点線で囲んだ領域が研削する領域である。
【
図18】裏面のp型GaNエピタキシャル層、多重量子井戸層、n型GaNエピタキシャル層、GaNバッファ層、3-SiC層、およびSiを研削する工程後の状態を示す。
【
図19】Siウェハから発光素子ブロックを切り出す工程後の状態を示す。ここでは、矩形の発光素子ブロックを一つ切り出す様子を示すが、大きさ、および数は任意とする。
【
図20】発光素子ブロックを切り出し後、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する発光素子ブロックの端および側面に、配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマークを付ける工程後の状態を示す。
【
図21】発光素子を形成した発光素子ブロックを配線用基板に転写するために反転させる工程を示す。
【
図22a】発光素子ブロックを転写するための配線用基板の平面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向および横方向に形成する。
【
図22b】配線用基板の横断面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、横方向に形成する。
【
図22c】配線用基板の縦断面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向に形成する。
【
図23a】発光素子ブロックを転写するためのスルービアホールを備えた配線用基板の平面図を示す。基板裏面に、表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向および横方向に形成する。
【
図23b】スルービアホールを備えた配線用基板の横断面図を示す。基板裏面に、表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、横方向に形成する。
【
図23c】スルービアホールを備えた配線用基板の縦断面図を示す。基板裏面に上部配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向に形成する。
【
図24】発光素子ブロックと、これを転写するための配線用基板との転写部分の位置関係を示す。
【
図25】発光素子ブロックと配線用基板とを転写する工程後の状態を示す。
【
図26】発光素子ブロックの裏面以外にレジスト膜等を形成する工程後の状態を示す。
【
図27】発光素子ブロックと配線用基板を転写した後に、半導体基板をエッチングし、さらにSiC層とGaNバッファ層をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図28a】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の横断面図を示す。
【
図28b】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の縦断面図を示す。
【
図29】表示用基板を示す。配線間隔は異なっている。下部配線の上部には絶縁層を挟んで、上部配線との接続を行う縦方向のアライメント兼コンタクト配線がある。
【
図30】表示用基板に複数の発光素子搭載配線用基板を転写する工程後の状態を示す。配線間隔は異なっており、下部配線が点線で、上部配線が実線で示してある。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図は、図の構造を実現するための具体的な製造工程を示す。各図において同一部分には、同一の符号を付している。
(実施形態1)
【0043】
本実施形態は、請求項1の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0044】
本実施形態は、
図1に示すようにSiウェハ(111)面1を準備し、
図2aに示すように、半導体基板1の両面に有機金属気相成長法(MOCVD法)(図示せず)により、SiH4、CH4、およびH2ガスを使用し、900℃、40Paで50~100nmのSiCバッファ層(2aに含まれる)を形成した後、1000℃、40PaでSiウェハ(111)面1の両面に50~300nmの3C-SiC層2aを形成し、次にSiウェハ(111)面1の両面にMOCVD法、またはリモートプラズマを使用したMOCVD法により、600~800℃、40PaでGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用し、3~30μmのGaNバファ層3を形成し、そして
図3に示すように、Siウェハ(111)面1の両面にMOCVD法(27Pa)により、1000℃でGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、H2ガス、およびSiH4を使用し、0.3~2μmのn型GaNクラッド層4を形成し、
図4に示すように、Siウェハ(111)面1の両面に低圧CVD法(図示せず)により、625℃、30PaでSiH4、およびO2ガスを使用し、絶縁層5を50nm形成する。
【0045】
次に、
図5に示すように青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6の絶縁層5をエッチングし、
図6に示すように、エッチングした領域6に、MOCVD法(27Pa)により、1000℃でそれぞれGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用して、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層7を2~6層、10~100nm形成する。
【0046】
次に、
図7に示すようにSiウェハ(111)面1の両面に、前述の方法で絶縁層8を50nm形成する。そして
図8に示すように、赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9の絶縁膜8、5をエッチングし、
図9に示すようにエッチングした領域に、MOCVD法(27Pa)により、1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびH2ガスを使用し、GaN障壁層、およびAlxInGa(1-x)P量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。
【0047】
次に、
図10に示すようにSiウェハ(111)面1の両面に、前述の方法で絶縁層11を50nm形成する。そして
図11に示すように、緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12の絶縁膜11、8、5をエッチングし、
図12に示すようにエッチングした領域に、MOCVD法(27Pa)により、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用し、1000℃でGaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。
【0048】
次に、
図13に示すように青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6、および赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9の絶縁層11、8をエッチングする。それらの領域をそれぞれ14a、および14bとする。緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域は12である。
【0049】
次に、
図14に示すように青色マイクロLED領域14a、赤色マイクロLED領域14b、および緑色マイクロLED領域12にMOCVD法(27Pa)により、Ga(CH3)3、NH3、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム)(Cp2Mg)およびH2ガスを使用し、1000℃で0.3~2μmのMgドープGaNエピタキシャル層を形成し、MgをO2含有N2中で活性化し、p型GaNクラッド層15を形成する。
【0050】
次に、
図15に示すように青色マイクロLED領域14a、赤色マイクロLED領域14b、および緑色マイクロLED領域12のp型GaNクラッド層15上に電極層16を形成し、その後各マイクロLED間をエッチングにより分離する。
【0051】
次に、
図16に示すように各マイクロLED間のエッチングした領域に絶縁層17を埋め込む。以上に示す製造方法により、Siウェハ(111)面1上に青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
【0052】
なお、Siウェハ(111)面1の両面にCVD膜を形成するのは、マイクロLEDの結晶欠陥の原因となるSiウェハの反りを防止するためである。ただし、n型GaNクラッド層4、青色、赤色、および緑色多重井戸層7、10、および13、ならびにp型GaNクラッド層15は、3C-SiC層2、GaNバファ層3に比べ、ストレスの影響が小さいためSiウェハ(111)面1の表面のみに形成してもよい。なほ、ここでは、n型GaNクラッド層より上にp型GaNクラッド層を配置しているが、逆にp型GaNクラッド層より上にn型GaNクラッド層を配置してもよい。
(実施形態2)
【0053】
本実施形態は、請求項1の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0054】
本実施形態は、実施形態1とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、MOCVD法(27Pa)の代わりに、ALD法を使用して、650~750℃で、実施形態1と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態3)
【0055】
本実施形態は、請求項1の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するための実施形態である。
【0056】
本実施形態は、実施形態1とは異なり、青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重井戸層を、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、形成するものである。
【0057】
本実施形態は、実施形態1に記載の方法と同様に、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成し、また800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにAl(CH3)3、Ga(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびHeガスを使用し、GaN障壁層、およびAlxInGa(1-x)P量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成し、さらにまた800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態4)
【0058】
本実施形態は、請求項1の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するための実施形態である。
【0059】
本実施形態は、実施形態3とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)の代わりに、リモートプラズマを使用したALD法を使用して、500~750℃で、実施形態3と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態5)
【0060】
本実施形態は、請求項2の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0061】
本実施形態は、実施形態1に記載の方法と同様に、Si(111)面1上に、青色マイクロLED21を形成し、次に、赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9にMOCVD法(27Pa)により、1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、H2ガスを使用し、GaN障壁層、およびAl(CH3)3、Ga(CH3)3、In(CH3)3、PH3,およびH2ガスを使用し、AlxInGa(1-x)P量子井戸層を形成し、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10とし、これらを2~6層、10~100nm形成し、その後、緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12にMOCVD法(27Pa)により、Ga(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにAl(CH3)3、In(CH3)3、PH3,およびH2ガスを使用し、1000℃でGaN障壁層、およびAlInP量子井戸層を形成し、緑色マイクロLED用AlInP多重量子井戸層13とし、これを2~6層積層し、その上部にMOCVD法(27Pa)により、1000℃でGa(CH3)3、NH3、Cp2MgおよびH2ガスを使用し、1000℃で0.3~2μmのMgドープGaNエピタキシャル層を形成し、MgをO2含有N2中で活性化し、p型GaNクラッド層15を形成する。
その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態6)
【0062】
本実施形態は、請求項2の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0063】
本実施形態は、実施形態5とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、MOCVD法(27Pa)の代わりに、ALD法を使用して、650~750℃で、実施形態5と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態7)
【0064】
本実施形態は、請求項2の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0065】
本実施形態は、実施形態5とは異なり、青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重井戸層を、リモートプラズマを使用したMOCVDによって形成するものである。
【0066】
本実施形態は、実施形態5に記載の方法による、多重量子井戸層を形成する際に、青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびGaInN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層7を2~6層、10~100nm形成し、また赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9に、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにAl(CH3)3、Ga(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびHeガスを使用し、800~1000℃でGaN障壁層、およびAlxInGa(1-x)P量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層10を2~6層、10~100nm形成し、さらにまた緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12に、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、およびAl(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびHeガスを使用し、GaN障壁層、およびAlInP量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態8)
【0067】
本実施形態は、請求項2の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0068】
本実施形態は、実施形態7とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)の代わりに、リモートプラズマを使用したALD法を使用して、500~750℃で、実施形態7と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態9)
【0069】
本実施形態は、請求項3の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0070】
本実施形態は、実施形態1および5に記載の方法と同様に、Si(111)面1上に、青色マイクロLED21、および緑色マイクロLED23(GaN障壁層、AlInP、およびInGaN量子井戸層)を形成するが、赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9において、赤色多重量子井戸層10としてGaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層を使用するものである。GaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層の形成は、MOCVD法(27Pa)により、1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、およびIn(CH3)3、Ga(CH3)3、PH3,NH3、およびH2ガスを使用して形成する。その他の製造方法は実施形態1と同一とし、Siウェハ(111)面1上に青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子を多数形成する。
(実施形態10)
【0071】
本実施形態は、請求項3の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0072】
本実施形態は、実施形態9とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、MOCVD法(27Pa)の代わりに、ALD法を使用して、650~750℃で、実施形態9と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態11)
【0073】
本実施形態は、請求項3の青色マイクロLED用多重井戸層7、赤色マイクロLED用多重井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成するためのものである。
【0074】
本実施形態は、実施形態9と異なり、多重量子井戸層を形成する際に、青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層7を2~6層、10~100nm形成し、また赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9に、Ga(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、PH3、HN3、およびH2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層10を2~6層、10~100nm形成し、さらにまた緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12に、Ga(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにAl(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびHeガス、またはGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびAlInP量子井戸層、またはInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子を多数形成する。
(実施形態12)
【0075】
本実施形態は、請求項3の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0076】
本実施形態は、実施形態11とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)の代わりに、リモートプラズマを使用したALD法を使用して、500~750℃で、実施形態11と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態1と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態13)
【0077】
本実施形態は、請求項4の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0078】
本実施形態は、実施形態1~12に記載の方法と同様に、Si(111)面1上に、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を形成するが、青色、赤色、および緑色マイクロLED用多重井戸層7、10、および13に使用される障壁層をGaN層からAlGaN層に変更するものである。AlGaN障壁層は、MOCVD法(27Pa)により、1000℃でAl(CH3)3、Ga(CH3)3、NH3およびH2ガスを使用して形成する。以上に示す製造方法により、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態14)
【0079】
本実施形態は、請求項4の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0080】
本実施形態は、実施形態1~12に記載の方法と同様に、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を形成するが、青色、赤色、および緑色マイクロLED用多重井戸層7、10、および13に使用される障壁層をGaN層からAlGaN層に変更するものである。AlGaN障壁層は、ALD法により、650~750℃でAl(CH3)3、Ga(CH3)3、NH3およびH2ガスを使用して形成する。以上に示す製造方法により、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態15)
【0081】
本実施形態は、請求項4の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0082】
本実施形態は、実施形態1~12に記載の方法と同様に、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を形成するが、青色、赤色、および緑色マイクロLED用多重井戸層7、10、および13に使用される障壁層をGaN層からAlGaN層に変更するものである。AlGaN障壁層は、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、800~1000℃でAl(CH3)3、Ga(CH3)3、NH3およびN2ガスを使用して形成する。以上に示す製造方法により、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態16)
【0083】
本実施形態は、請求項4の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0084】
本実施形態は、実施形態15とは異なり、AlGaN障壁層は、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)に代わりに、リモートプラズマを使用したALD法を使用し、500~750℃でAl(CH3)3、Ga(CH3)3、NH3およびN2ガスを使用して形成する。以上に示す製造方法により、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成す
(実施形態17)
【0085】
本実施形態は、請求項5の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0086】
本実施形態は、
図1に示すようにSiウェハ(100)面1を準備し、
図2aに示すように、半導体基板1の両面にMOCVD法(図示せず)により、SiH4、CH4、およびH2ガスを使用し、900℃、40Paで50~100nmのSiCバッファ層(2aに含まれる)を形成した後、1000℃、40Paで半導体基板1の両面に50~300nmの3C-SiC層2aを形成し、次にSiウェハ(100)面1の両面にMOCVD法、またはリモートプラズマを使用したMOCVD法により、600~800℃、40PaでGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用し、3~30μmのGaNバファ層3を形成し、そして
図3に示すように、Siウェハ(100)面1の両面にALD法(図示せず)、またはMOCVD法(27Pa)により、Ga(CH3)3、In(CH3)3、NH3、H2ガス、およびSiH4を使用し、1000℃で0.3~2μmのn型GaNクラッド層4を堆積し、
図4に示すように、Siウェハ(100)面1の両面に低圧CVD法(図示せず)により、SiH4、およびO2ガスを使用し、625℃、30Paで絶縁層5を50nm形成する。
【0087】
次に、
図5に示すように青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6の絶縁層5をエッチングし、
図6に示すように、エッチングした領域6に、ALD法、またはMOCVD法(27Pa)により、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用し、1000℃でGaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる多重量子井戸層7を2~6層、10~100nm形成する。
【0088】
次に、
図7に示すようにSiウェハ(100)面1の両面に、前述の方法で絶縁層8を50nm形成する。そして
図8に示すように、赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9の絶縁膜8、5をエッチングし、
図9に示すようにエッチングした領域に、ALD法、またはMOCVD法(27Pa)により、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにAl(CH3)3、In(CH3)3、Ga(CH3)3、PH3、およびH2ガスを使用し、1000℃でGaN障壁層、AlxInGa(1-x)P量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。
【0089】
次に、
図10に示すようにSiウェハ(100)面1の両面に、前述の方法で絶縁層11を50nm形成する。その後、
図11に示すように、緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12の絶縁膜11、8、5をエッチングし、
図12に示すようにエッチングした領域に、リモートプラズマを使用した、ALD法、またはMOCVD法(27Pa)により、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、700℃でGaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。
【0090】
次に、
図13に示すように青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6、および赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9の絶縁層11、8をエッチングする。それらの領域をそれぞれ14a、および14bとする。緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域は12である。
【0091】
次に、
図14に示すように青色マイクロLED領域14a、赤色マイクロLED領域14b、および緑色マイクロLED領域12にMOCVD法(27Pa)により、Ga(CH3)3、NH3、およびH2ガスを使用し、1000℃でGa(CH3)3、NH3、Cp2MgおよびH2ガスを使用し、1000℃で0.3~2μmのMgドープGaNエピタキシャル層を形成し、MgをO2含有N2中で活性化し、p型GaNクラッド層15を形成する。
【0092】
次に、
図15に示すように青色マイクロLED領域14a、赤色マイクロLED領域14b、および緑色マイクロLED領域12のp型GaNクラッド層15上に電極層16を形成し、その後各マイクロLED間をエッチングにより分離する。
【0093】
次に、
図16に示すように各マイクロLED間のエッチングした領域に絶縁層17を埋め込む。以上に示す製造方法により、Siウェハ(100)面1上に青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
【0094】
なお、Siウェハ(100)面の両面にCVD膜を形成するのは、マイクロLEDの結晶欠陥の原因となるSiウェハの反りを防止するためである。ただし、n型GaN層、多重井戸層、およびp型GaN層は、3C-SiC層、GaNバファ層に比べ、ストレスの影響が小さいためSiウェハの表面のみに形成してもよい。
(実施形態18)
【0095】
本実施形態は、請求項5の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0096】
本実施形態は、実施形態17とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、MOCVD法(27Pa)の代わりに、ALD法を使用して、650~750℃で、実施形態17と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態19)
【0097】
本実施形態は、請求項5の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0098】
本実施形態は、実施形態17とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)により、800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる青色マイクロLED用多重量子井戸層7を2~6層、10~100nm形成し、また800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにAl(CH3)3、Ga(CH3)3、In(CH3)3、PH3、およびHeガスを使用し、GaN障壁層、およびAlxInGa(1-x)P量子井戸層からなる赤色マイクロLED用多重量子井戸層10を2~6層、10~100nm形成し、さらにまた800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層からなる緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態20)
【0099】
本実施形態は、請求項5の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0100】
本実施形態は、実施形態19とは異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを使用したMOCVD法(27Pa)の代わりに、リモートプラズマを使用したALD法により、500~750℃で、実施形態19と同一のガスを使用して、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態21)
【0101】
本実施形態は、請求項6の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0102】
本実施形態は、Siウェハ(100)面1上に、実施形態17に記載の方法と同様に、青色マイクロLED用多重量子井戸層7を形成し、赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9に、MOCVD法により、1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびH2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、PH3、NH3、およびH2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層を形成し、これらを2~6層、10~100nm積層し、赤色マイクロLED用多重井戸層10とし、その後、実施形態17に記載の方法と同様に緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成し、その上部にMOCVD法を使用して、1000℃でGa(CH3)3、NH3、Cp2MgおよびH2ガスを使用し、1000℃で0.3~2μmのMgドープGaNエピタキシャル層を形成し、MgをO2含有N2中で活性化し、p型GaNクラッド層15を形成する。以上に示す製造方法により、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態22)
【0103】
本実施形態は、請求項6の青色マイクロLED用多重井戸層7、赤色マイクロLED用多重井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成するためのものである。
【0104】
本実施形態は、実施形態21と異なり、多重量子井戸層を形成する際に、ALD法により、650~750℃で実施形態21と同一のガスを使用して、その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成するものである。
(実施形態23)
【0105】
本実施形態は、請求項6の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0106】
本実施形態は、実施形態21と異なり、多重量子井戸層を形成する際に、青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域6に、リモートプラズマを使用したMOCVD法により、800~1000℃でそれぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層を形成し、これらを2~6層、10~100nm積層し、青色マイクロLED用多重井戸層7とし、また赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域9に、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、PH3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaPN量子井戸層を形成し、これらを2~6層、10~100nm積層し、赤色マイクロLED用多重井戸層10とし、さらにまた緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域12に、それぞれGa(CH3)3、NH3、およびN2ガス、ならびにGa(CH3)3、In(CH3)3、NH3、およびN2ガスを使用し、GaN障壁層、およびInGaN量子井戸層を形成し、これらを2~6層、10~100nm積層し、緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成する。その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態24)
【0107】
本実施形態は、請求項6の青色マイクロLED用多重井戸層7、赤色マイクロLED用多重井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を形成するためのものである。
【0108】
本実施形態は、実施形態23と異なり、多重量子井戸層を形成する際に、リモートプラズマを利用したMOCVD法に代わり、リモートプラズマを使用したALD法により、500~750℃で実施形態23と同様のガスを使用して、その他の製造方法は実施形態17と同一とし、青色マイクロLED用多重量子井戸層7、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層13を2~6層、10~100nm形成する。
(実施形態25)
【0109】
本実施形態は、請求項7の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0110】
本実施形態は、実施形態1~24に記載の方法と同様に、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を形成するが、
図2bに示すように、GaNバッファ層3上にALD法、またはMOCVD法(27Pa)により、1000℃で3C-SiC層2bを1~10層、0.5~5nm形成する。これは六方晶系、および立方晶系GaN障壁層の結晶性を高めるためと、GaNバッファ層3をエッチングする際のストッパーの役目を果たし、下層のn型GaN層4を保護するためである。以上に示す製造方法により、Siウェハ(111)、および(100)面上に青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27を多数形成する。
(実施形態26)
【0111】
本実施形態は、請求項8の青色マイクロLED用多重井戸層、赤色マイクロLED用多重井戸層、および緑色マイクロLED用多重量子井戸層を形成するためのものである。
【0112】
本実施形態は、実施形態1~25において、青色マイクロLED用多重量子井戸層7の量子井戸層数を3とし、赤色マイクロLED用多重量子井戸層10の量子井戸層数を6とし、また緑色マイクロLED用多重量子井戸層13の量子井戸層数を6とし、青色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:緑色マイクロLED(六方晶系InGaN多重量子井戸層)面積:赤色マイクロLED(混晶系AlInGaP多重量子井戸層)面積=1:7:3の面積比に比べ、緑色マイクロLEDの面積比を4以下、赤色マイクロLEDの面積比を2以下の面積比とするためのものである。
(実施形態27)
【0113】
本実施形態は、請求項9の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする多数の発光素子を形成するためのものである。
【0114】
本実施形態は、実施形態1~16に記載の方法で製造した青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23を一組とする多数の発光素子27を表示用に使用する発光素子とする。
(実施形態28)
【0115】
本実施形態は、請求項10の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする多数の発光素子を形成するためのものである。
【0116】
本実施形態は、実施形態17~24に記載の方法で製造した青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする多数の発光素子27を表示用に使用する発光素子27とする。
(実施形態29)
【0117】
本実施形態は、請求項11の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする多数の発光素子を形成するためのものである。
【0118】
本実施形態は、実施形態25に記載の方法で製造した青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする多数の発光素子27を表示用に使用する発光素子とする。
(実施形態30)
【0119】
本実施形態は、請求項12の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする多数の発光素子を形成するためのものである。
【0120】
本実施形態は、実施形態26に記載の方法で製造した青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする多数の発光素子27を表示用に使用する発光素子とする。
(実施形態31)
【0121】
本実施形態は、請求項13の青色マイクロLED、赤色マイクロLED、および緑色マイクロLEDを一組とする多数の発光素子を備えた表示装置を形成するためのものである。
【0122】
本実施形態は、実施形態1~25に記載の方法で製造した青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を一組とする多数の発光素子27を使用し、表示装置100を完成させる。
【0123】
図16に示す青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23を一組とする発光素子27が多数形成されたSiウェハ(111)面、または(100)面1を準備する。
【0124】
次に、Siウェハ(111)面、または(100)面1の裏面を研削する。
図17には検索する部分を点線で示す。
図18は研削後の状態を示す。
【0125】
次に、
図19に示すようにSiウェハ(111)面、または(100)面1から発光素子ブロック30を切り出す。そして
図20に示すように発光素子ブロック30を配線用基板40に転写する際に使用するアライメントマーク18を発光素子ブロック30の側面につける。
【0126】
次に、
図21に示すように発光素子ブロック30を反転させ、
図22a、b、およびcに示す配線用基板40に転写する。
図23a、b、およびcにはスルービアホールを使用した別の配線用基板40を示すが、以下の工程は
図22a、b、およびcに示す配線用基板40と同様である。
図24は、発光素子ブロック30と配線用基板40のアライメント状況を示す。
図25は、発光素子ブロックを配線用基板40に転写する工程後の状態を示す。
【0127】
次に、
図26に示すようにSiウェハ1を除去するために、Siウェハ(111)面またはSiウェハ(100)面1以外をレジスト60で覆い、ウェットエッチング液でエッチングする。Siウェハ(111)面またはSiウェハ(100)面1を除去する工程後の状態を
図27に示す。
【0128】
次に、発光素子ブロック30の端の絶縁層61の一部をエッチングし、青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22、および緑色マイクロLED23上に上部透明電極40a、40b、および40cを形成する。この工程後の状態を
図28a、bに示す。発光素子ブロック30の上部透明配線40a、b、およびcは、それぞれ配線用基板40の50a、b、およびcに接続される。
【0129】
次に、発光素子搭載配線用基板40を表示用基板80に転写する。
図29は表示用基板80を示す。表示用基板80には下部配線90A、B、Cおよび駆動用アライメント兼上部配線90a、b、およびcがある。発光素子搭載配線用基板40を表示用基板80に複数転写する工程後の状態を
図30に示す。以上の製造方法により発光素子を完成させる。そして下部配線90A、B、Cおよび駆動用アライメント兼上部配線90a、b、およびcに電圧をかけ、各発光素子27内の青色マイクロLED21、赤色マイクロLED22,および緑色マイクロLED23を発光させ、表示装置100を機能させる。
【符号の説明】
【0130】
1 Siウェハ((111)面または(100)面等)
2a 3C-SiC層
2b 3C-SiC層
3 GaNバッファ層(ノンドープまたはn型GaN)
4 n型GaNクラッド層
5 絶縁層
6 青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
7 青色マイクロLED用多重量子井戸層
8 絶縁層
9 赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
10 赤色マイクロLED用多重量子井戸層
11 絶縁層
12 緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
13 緑色マイクロLED用多重量子井戸層
14a 青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
14b 赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
15 p型GaNクラッド層
16 電極層
17 絶縁層(SOG層)
18 配線用基板とのアライメントマーク
21 青色マイクロLED
22 赤色マイクロLED
23 緑色マイクロLED
27 発光素子
30 発光素子ブロック
40 配線用基板(Siウェハ、または石英ガラス、ガラス、サファイヤ、およびプラスチック等を矩形に切り出した基板)
40A 下部配線
(横方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
40B 下部配線
(横方向;赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
40C 下部配線
(横方向;緑色マイクロLED用で金属配線、また透明導電性配線)
40a 上部配線
(縦方向;青色マイクロLED用透明導電性配線)
40b 上部配線
(縦方向;赤色マイクロLED用透明導電性配線)
40c 上部配線
(縦方向;緑色マイクロLED用透明導電性配線)
41 スルービアホール(導体充填)
50A 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50B 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50C 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50a 縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50b 縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50c 縦方向駆動配線へのコンタクト用配線
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
51 下部配線コンタクト領域
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
52 下部配線コンタクト領域
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
53 下部配線コンタクト領域
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
60 レジスト(または有機物、または絶縁層)
61 絶縁層(SOG)
70 発光素子搭載配線用基板(発光素子ブロック搭載済み配線用基板)
80 表示用基板
(石英ガラス、ガラス、プラスチック基板、Si、およびサファイヤ等)
81 横方向駆動回路構成領域
82 縦方向駆動回路構成領域
90A 駆動用下部配線
(横方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90B 駆動用下部配線
(横方向;赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90C 駆動用下部配線
(横方向;緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90a 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90b 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90c 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
100 表示装置