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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008946
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】ロータリバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 5/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
F16K5/04 E
F16K5/04 Z
F16K5/04 J
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111595
(22)【出願日】2023-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】591012200
【氏名又は名称】株式会社東海理機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐賀 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】黒川 昌久
【テーマコード(参考)】
3H054
【Fターム(参考)】
3H054AA02
3H054BB17
3H054CB09
3H054CC03
(57)【要約】
【課題】弁体の組み付け性の向上を図る。
【解決手段】流体FLの流入口及び流出口22は、ハウジング12の収容壁部14に設けられる。収容壁部14内には、弁体31の弁本体部32が収容される。収容壁部14の内周面15における流入口及び流出口22の各周縁部と、弁本体部32の外周面33との間にはパッキン73が配置される。弁体31をハウジング12に回転可能に支持する支持機構M1は、弁本体部32においてハウジング12の第2軸線AL2に沿う方向へ延びる軸受穴51と、ハウジング12から同方向へ突出し、かつ軸受穴51に挿入される軸部61とを備える。軸受穴51のうち、第2軸線AL2に沿う方向における中間部から開口部54までの領域は、内底面55から遠ざかるに従い拡径するように第2軸線AL2に対し傾斜するテーパ穴部52により構成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、
前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、
前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、
前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、
前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、
前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、
前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、
前記軸受穴のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から前記開口部までの領域は、前記内底面から遠ざかるに従い拡径するように前記第2軸線に対し傾斜するテーパ穴部により構成されているロータリバルブ。
【請求項2】
前記テーパ穴部が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている請求項1に記載のロータリバルブ。
【請求項3】
第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、
前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、
前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、
前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、
前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、
前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、
前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、
前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から先端側の領域はテーパ軸部により構成され、前記テーパ軸部の先端面の外周部分は、前記軸部の基端部から遠ざかるに従い縮径するように前記第2軸線に対し傾斜する環状面により構成されているロータリバルブ。
【請求項4】
前記環状面が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている請求項3に記載のロータリバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
弁体を回転させることにより、流路での流体の流れ態様を切り替えるロータリバルブが知られている(例えば、特許文献1参照)。図22図25に示すように、ロータリバルブ100は、第1軸線AL1を有する弁体105と、第2軸線AL2を有するハウジング101と、弁体105をハウジング101に回転可能に支持する支持機構M1とを備える。
【0003】
ハウジング101は、第2軸線AL2に沿って延びる環状の収容壁部102を有する。ハウジング101は、流体FLの流入口103及び流出口104を有する。弁体105は、第1軸線AL1を第2軸線AL2に合致させた状態で収容壁部102に収容される弁本体部106を有する。
【0004】
支持機構M1は、弁本体部106に設けられた軸受穴107と、ハウジング101に設けられた軸部111とを備える。軸受穴107は、弁本体部106において第2軸線AL2に沿う方向へ延びる。軸受穴107は、第2軸線AL2に沿う方向における一端に開口部108を有し、かつ他端に内底面109を有する。軸部111は、ハウジング101から第2軸線AL2に沿う方向へ突出し、かつ軸受穴107に挿入される。
【0005】
流入口103及び流出口104の少なくとも1つは、収容壁部102に設けられる。流入口103及び流出口104のうち収容壁部102に設けられたものの周縁部と、弁本体部106の外周面との間にはパッキン112が配置される。
【0006】
上記の構成を有するロータリバルブ100では、第1軸線AL1を中心として弁体105が回転されると、弁体105による流入口103及び流出口104の連通状態が変更される。
【0007】
また、弁本体部106によって、パッキン112が収容壁部102の径方向に弾性変形される。流入口103及び流出口104のうち収容壁部102に設けられたものの周縁部と、弁本体部106の外周面との間が、上記のように弾性変形されたパッキン112によってシールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-152801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来のロータリバルブ100では、弁体105の組み付けに際し、最初に収容壁部102内にパッキン112が装着される。そして、この状態で、弁本体部106が収容壁部102内に挿入される。
【0010】
ここで、ロータリバルブ100では、上述したようにパッキン112を、収容壁部102の径方向に弾性変形させることにより、シールが行なわれる。そのため、図25に示すように、弁本体部106の収容壁部102への挿入時には、パッキン112から弁本体部106に対し、収容壁部102の径方向における内方へ向かう荷重が作用する。
【0011】
そのため、収容壁部102の周方向におけるパッキン112の配置の態様によっては、弁本体部106がパッキン112から偏荷重を受けることが起り得る。例えば、パッキン112が収容壁部102の周方向に等角度毎に配置されていない場合である。ここでの偏荷重とは、パッキン112毎の荷重を合成した荷重が、弁本体部106に対して、ある特定の方向にだけ発生する荷重である。
【0012】
この場合には、次の問題が起り得る。それは、弁本体部106に作用する上記偏荷重により、弁本体部106が収容壁部102に挿入される途中には、弁体105の第1軸線AL1がハウジング101の第2軸線AL2に対し、収容壁部102の径方向へずれた状態になる。この状態で弁本体部106を挿入し続けると、弁本体部106のうち、軸受穴107における開口部108の周辺部分と軸部111とが干渉するため、軸受穴107に軸部111が挿入されない。
【0013】
軸受穴107に軸部111を挿入させるには、その挿入前に、上記偏荷重に対向する力を弁体105に加えることで、第1軸線AL1を第2軸線AL2に合致させる必要がある。その分、弁体105の組み付け作業が煩雑なものとなる。従って、従来のロータリバルブ100には、弁体105の組み付け性の点で改善の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するためのロータリバルブの各態様を記載する。
[態様1]第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、前記軸受穴のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から前記開口部までの領域は、前記内底面から遠ざかるに従い拡径するように前記第2軸線に対し傾斜するテーパ穴部により構成されているロータリバルブ。
【0015】
上記の構成によれば、弁体の組み付けに際しては、軸受穴と軸部とが、ハウジングの第2軸線に沿う方向に接近するように、弁体と、収容壁部にパッキンが装着されたハウジングとが、同方向に相対移動させられる。この接近のための相対移動により、収容壁部内に弁体の弁本体部が、第2軸線に沿う方向へ挿入される。この挿入時には、パッキンから弁本体部に対し、収容壁部の径方向における内方へ向かう荷重が作用する。この荷重により、上記挿入の途中に、弁体の第1軸線がハウジングの第2軸線に対し、径方向へずれる場合がある。
【0016】
この点、上記の構成によれば、上記挿入の過程で、軸部が軸受穴のテーパ穴部に入り込む。ここで、軸部の先端面と外周面との境界部分を角部とする。すると、弁本体部がさらに挿入されると、テーパ穴部が角部に当たる。
【0017】
テーパ穴部は、内底面から遠ざかるに従い拡径するように第2軸線に対し傾斜している。そのため、上記接近のための相対移動が続けられると、弁本体部からパッキンに対し、上記荷重に対向する力が加わる。この力により、弁本体部は各パッキンを、収容壁部の径方向における外方へ押し込みながら、収容壁部内にさらに挿入される。弁体は、テーパ穴部に沿ってスライドする(滑る)ことで、収容壁部の径方向へ移動しながら第2軸線に沿う方向へ移動する。第1軸線が第2軸線に近づく。
【0018】
弁本体部がさらに収容壁部内に挿入されて、軸受穴において上記角部に接触する箇所がテーパ穴部を通過すると、第1軸線が第2軸線に対し合致、又は略合致する。従って、上記接近のための相対移動が続けられると、弁本体部が、パッキンを収容壁部の径方向における外方へ押し込みながら、軸部が軸受穴内に挿入される。
【0019】
このように、弁本体部を収容壁部に対し、第2軸線に沿う方向へ挿入することで、テーパ穴部の作用により、軸部が軸受穴に導かれて挿入される。そのため、軸部が軸受穴に挿入される前に、第1軸線が第2軸線に合致するように、パッキンの荷重に対向する力を弁体に加えなくてすむ。弁本体部を収容壁部に挿入するだけで、軸部を軸受穴に挿入させることが可能となる。
【0020】
[態様2]前記テーパ穴部が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている[態様1]に記載のロータリバルブ。
軸部の軸受穴への挿入時には、テーパ穴部が第2軸線に対しなす角度と、角部のテーパ穴部に対する滑りやすさとの間に、相関関係が見られる。角度が小さくなるに従い滑りやすくなり、角度が大きくなるに従い滑りにくくなる。
【0021】
上記の構成によるように、角度が45°以下に設定されると、軸部の軸受穴への挿入時に、角部をテーパ穴部に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能となる。
[態様3]第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から先端側の領域はテーパ軸部により構成され、前記テーパ軸部の先端面の外周部分は、前記軸部の基端部から遠ざかるに従い縮径するように前記第2軸線に対し傾斜する環状面により構成されているロータリバルブ。
【0022】
上記の構成によれば、弁体の組み付けに際しては、軸受穴と軸部とが、ハウジングの第2軸線に沿う方向に接近するように、弁体と、収容壁部にパッキンが装着されたハウジングとが、同方向に相対移動させられる。この接近のための相対移動により、収容壁部内に弁体の弁本体部が、第2軸線に沿う方向へ挿入される。この挿入時には、パッキンから弁本体部に対し、収容壁部の径方向における内方へ向かう荷重が作用する。この荷重により、上記挿入の途中に、弁体の第1軸線が第2軸線に対し、収容壁部の径方向へずれる場合がある。
【0023】
ここで、軸受穴の内周面と、ハウジング及び弁本体部の一方において、軸受穴の開口された面との境界部分を角部とする。すると、上記挿入の過程で、上記角部がテーパ軸部の環状面に当たる。
【0024】
環状面は、軸部の基端部から遠ざかるに従い縮径するように第2軸線に対し傾斜している。従って、上記接近のための相対移動が続けられると、弁本体部からパッキンに対し、上記荷重に対向する力が加わる。この力により、弁本体部は各パッキンを、収容壁部の径方向における外方へ押し込みながら、収容壁部内にさらに挿入される。弁本体部は、環状面に沿ってスライドする(滑る)ことで、上記径方向へ移動しながら第2軸線に沿う方向へ移動する。環状面のうち、軸受穴の上記角部が接触される箇所が、軸部の外周面に近づく。これに伴い、第1軸線が第2軸線に近づく。
【0025】
弁本体部がさらに収容壁部内に挿入されて、上記角部の軸部に対する接触箇所が環状面を通過すると、第1軸線が第2軸線に対し合致、又は略合致する。従って、上記接近のための相対移動が続けられると、弁本体部がパッキンを、収容壁部の径方向における外方へ押し込みながら、軸部が軸受穴内に挿入される。
【0026】
このように、弁本体部を収容壁部に対し、第2軸線に沿う方向へ挿入することで、テーパ軸部の環状面の作用により、軸部が軸受穴に導かれて挿入される。そのため、軸部が軸受穴に挿入される前に、第1軸線が第2軸線に合致するように、パッキンの荷重に対向する力を弁体に加えなくてすむ。弁本体部を収容壁部に挿入するだけで、軸部を軸受穴に挿入させることが可能となる。
【0027】
[態様4]前記環状面が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている[態様3]に記載のロータリバルブ。
軸部の軸受穴への挿入時には、環状面が第2軸線に対しなす角度と、角部の環状面に対する滑りやすさとの間に、相関関係が見られる。角度が小さくなるに従い滑りやすくなり、角度が大きくなるに従い滑りにくくなる。
【0028】
上記の構成によるように、角度が45°以下に設定されると、軸部の軸受穴への挿入時に、角部を環状面に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、弁体の組み付け性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態におけるロータリバルブの斜視図である。
図2】第1実施形態におけるロータリバルブの平断面図である。
図3】第1実施形態におけるロータリバルブの分解斜視図である。
図4】第1実施形態における弁体の軸受穴と、ハウジングの軸部との対応関係を、ハウジングの一部を破断した状態で示す分解斜視図である。
図5図2の5-5線断面図である。
図6図5のA部の拡大図である。
図7】第1実施形態において、パッキンの装着された収容壁部内に弁本体部が挿入される前の状態を示す断面図である。
図8】第1実施形態において、パッキンの装着された収容壁部内に弁本体部が挿入される途中の状態を示す部分断面図である。
図9図8のB部の拡大図である。
図10図8及び図9の状態から弁本体部がさらに挿入された状態を示す部分断面図である。
図11図10の状態から弁本体部がさらに挿入されて、弁体の第1軸線がハウジングの第2軸線に合致した状態を示す部分断面図である。
図12】第2実施形態における弁体の軸受穴と、ハウジングの軸部との対応関係を、ハウジングの一部を破断した状態で示す分解斜視図である。
図13】第2実施形態において、パッキンの装着された収容壁部内に弁本体部が挿入された状態を示す部分断面図である。
図14図13のC部の拡大図である。
図15】第2実施形態を示す図であり、図8に対応して、パッキンの装着された収容壁部内に弁本体部が挿入される途中の状態を示す部分断面図である。
図16図15のD部の拡大図である。
図17】弁本体部における可動流路の変更例を示す断面図である。
図18】弁本体部における可動流路の別の変更例を示す断面図である。
図19】パッキンの配置態様の変更例を示す模式図である。
図20】パッキンの配置態様の別の変更例を示す模式図である。
図21】パッキンの配置態様の別の変更例を示す模式図である。
図22】従来のロータリバルブの平断面図である。
図23図22の23-23線断面図である。
図24図23のE部の拡大図である。
図25】従来のロータリバルブにおいて、パッキンの装着された収容壁部内に弁本体部が挿入される途中の状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1図11を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、ロータリバルブ10は、図示しないポンプ等の流体供給源から供給される水等の流体FLの流路11の途中に設けられている。
【0032】
図1図2及び図5に示すように、ロータリバルブ10は、ハウジング12、弁体31、支持機構M1、アクチュエータ71及びパッキン73を備えている。次に、各部材について説明する。
【0033】
ここで、ロータリバルブ10における各部の位置関係を特定するために、弁体31の第1軸線AL1と、ハウジング12の第2軸線AL2とを基準とする。弁体31がハウジング12に組み付けられた状態では、第1軸線AL1及び第2軸線AL2が合致する。合致した第1軸線AL1及び第2軸線AL2に沿う方向を「軸方向」という。合致した第1軸線AL1及び第2軸線AL2を中心とする放射方向を「径方向」という。合致した第1軸線AL1及び第2軸線AL2を中心とする弁体31の回転方向を「周方向」というものとする。
【0034】
<ハウジング12>
ハウジング12は、ボディ13及びカバー27を備えている。
図1図3及び図5に示すように、ボディ13は、軸方向へ延びる筒状の収容壁部14を有している。収容壁部14の内周面15は、第2軸線AL2を中心とする円筒面によって構成されている。軸方向における収容壁部14のカバー27とは反対側(図5の下側)の端部には、同端部を塞いだ状態で閉塞部16が形成されている。軸方向における収容壁部14の閉塞部16とは反対側の端部は、開放された開放端17となっている。開放端17は、ボディ13に取り付けられた上記カバー27によって塞がれている。
【0035】
図2及び図5に示すように、収容壁部14には、流体FLの流入口18が形成されている。また、収容壁部14において、流入口18から周方向へ離間した箇所には、流体FLの流出口22が形成されている。第1実施形態では、流入口18及び流出口22が、それぞれ円形状をなしているが、楕円形、多角形等の他の形状をなしていてもよい。
【0036】
流出口22は、第2軸線AL2を挟んで流入口18に対し反対側となる箇所、表現を変えると第2軸線AL2を挟んで対向する箇所から、周方向へ離間した箇所に形成されている。第1実施形態では、流入口18の中心軸線に対し、流出口22の中心軸線がなす角度が90°程度に設定されている。従って、流入口18と流出口22とは、周方向に等角度毎に形成されていない。
【0037】
図1図2及び図5に示すように、収容壁部14の外壁面における流入口18の周縁部には、接続管部19が設けられている。接続管部19は、収容壁部14から径方向における外方へ突出している。接続管部19と流体供給源とは、流体FLの流路11の一部を有する配管21によって連結されている。流体供給源から供給された流体FLは、配管21によってロータリバルブ10に導かれる。
【0038】
収容壁部14の外壁面における流出口22の周縁部には、接続管部23が設けられている。接続管部23は、収容壁部14から、径方向における外方であり、かつ接続管部19の突出方向とは異なる方向へ突出している。接続管部23には、流体FLの流路11の一部を有する配管24が接続されている。流出口22から流出された流体FLは、配管24を通って、流体FLの使用先に送られる。
【0039】
図2図3及び図5に示すように、径方向における収容壁部14の内側部分であって、流入口18の周囲と、流出口22の周囲とには、それぞれパッキン装着部25が形成されている。
【0040】
<弁体31>
弁体31は、軸方向に延びる円柱状の弁本体部32を備えている。弁本体部32は、第1軸線AL1を第2軸線AL2に合致させた状態で収容壁部14内に収容されている。弁本体部32は、収容壁部14の内周面15に対向する外周面33を有している。外周面33は、第1軸線AL1を中心とする円筒面によって構成されている。
【0041】
弁本体部32は、流体FLが流れる可動流路34を1つ有している。第1実施形態では、可動流路34は、直線状の第1流路部34aと、直線状の第2流路部34bとを備えている。第1流路部34a及び第2流路部34bは、第1軸線AL1上、又は第1軸線AL1の近傍で繋がっている。第1流路部34aと第2流路部34bとがなす角度αは、90°又は90°に近い値に設定されている。可動流路34は、屈曲した形状をなしている。
【0042】
可動流路34における第1流路部34aのうち、流体FLの流れ方向における上流端35は、弁本体部32の外周面33において開口している。可動流路34における第2流路部34bのうち、上記流れ方向における下流端36は、上記外周面33のうち、上流端35が流入口18に対向したときに、下流端36が流出口22に対向する箇所において開口している。第1実施形態では、下流端36は、上記外周面33のうち、上記上流端35から周方向へ離間した箇所において開口している。
【0043】
弁本体部32の外径は、後述するパッキン73を、径方向に弾性変形させることで、流入口18及び流出口22の周りで、収容壁部14及び弁本体部32の間をシールすることのできる値に設定されている。
【0044】
<支持機構M1>
図3及び図5に示すように、支持機構M1は、弁体31をハウジング12に対し回転可能に支持するための機構である。支持機構M1は、第1支持機構部40及び第2支持機構部50を備えている。
【0045】
第1支持機構部40は、弁本体部32及びカバー27に設けられている。より詳しくは、カバー27の中心部には、同カバー27を軸方向に貫通する軸受孔41が形成されている。カバー27において、ボディ13側の面であって、軸受孔41の周りには筒状の押さえ部42が形成されている。弁体31は、弁本体部32のうち、カバー27側の端面の中心部から軸方向へ突出する軸部43を備えている。軸部43は、軸受孔41に対し回転可能に挿通されている。押さえ部42は、軸部43の周りに位置し、弁本体部32のカバー27側の端面に接触している。これらの軸受孔41、押さえ部42及び軸部43により、第1支持機構部40が構成されている。
【0046】
図4図6に示すように、第2支持機構部50は、弁本体部32において軸方向へ延びる有底の軸受穴51と、閉塞部16に設けられた軸部61とを備えている。軸受穴51は、軸方向における一端に開口部54を有するとともに、他端に内底面55を有している。
【0047】
図4及び図6に示すように、第1実施形態では、軸受穴51は、テーパ穴部52及び本体穴部53を備えている。テーパ穴部52は、軸受穴51のうち、軸方向における中間部から開口部54までの領域に形成されている。テーパ穴部52は、内底面55から遠ざかるに従い拡径するように、第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し傾斜している。
【0048】
テーパ穴部52が第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対しなす角度を角度γ1とする。この角度γ1の大きさについては、特に制約はない。ただし、軸部61の軸受穴51への挿入時には、角度γ1と、後述する角部66のテーパ穴部52に対する滑りやすさとの間に、相関関係が見られる。角度γ1が小さくなるに従い滑りやすくなり、角度γ1が大きくなるに従い滑りにくくなる。そこで、角度γ1の設定に際しては、角部66のテーパ穴部52に対する滑りやすさを考慮することが望ましい。角度γ1が45°以下に設定されれば、角部66をテーパ穴部52に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能であると考えられる。そのため、第1実施形態では、角度γ1が45°以下に設定されている。
【0049】
また、テーパ穴部52は、弁体31の収容壁部14への挿入時に、弁本体部32の外周面33が収容壁部14の内周面15に接触した状態で、軸部61(本体軸部63)が挿入することのできる大きさ、形状等に形成されている(図8参照)。
【0050】
本体穴部53は、軸部61の本体軸部63に対し回転可能に支持される箇所である。本体穴部53は、軸受穴51のうち、上記中間部から内底面55までの領域に形成されている。本体穴部53は、軸方向のどの箇所でも円形をなし、かつ穴径が、軸方向に均一となるように形成されている。本体穴部53の軸方向の長さは、支持機構M1の構成部品の形状ばらつき等により、弁体31が軸方向のうち、軸部61から遠ざかる側へ最も大きく変位した場合でも、本体軸部63が本体穴部53内に位置するのに必要な長さに設定されている。この場合でも、本体穴部53を軸部61の本体軸部63に支持させるためである。
【0051】
軸部61は、閉塞部16の中心部分から、軸方向における軸受穴51の内底面55側へ突出している。軸部61は、テーパ部62及び本体軸部63を備えている。テーパ部62は、軸部61のうち、軸方向における中間部から基端側(閉塞部16側)の領域に形成されている。テーパ部62は、軸部61の先端面64が軸受穴51の内底面55に接触した状態で、テーパ穴部52と干渉しない箇所に形成されている。テーパ部62は、軸部61の先端面64から遠ざかるに従い拡径するように、第2軸線AL2に対し傾斜している。テーパ部62が第2軸線AL2に対し傾斜する角度は、テーパ穴部52と干渉しない値に設定されている。第1実施形態では、テーパ部62が第2軸線AL2に対し傾斜する角度は、テーパ穴部52が第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し傾斜する角度γ1と同程度に設定されているが、これに限らない。
【0052】
本体軸部63は、軸部61のうち、軸方向における上記中間部から先端側の領域を構成している。本体軸部63は、上記本体穴部53の穴径よりも若干小径であり、かつ軸方向のどの箇所でも直径が均一となる円柱状に形成されている。本体軸部63の先端面64は、上記内底面55に対向している。
【0053】
そして、先端面64が内底面55に接触された状態で、本体軸部63の多くの部分が本体穴部53内に挿入され、かつテーパ部62の多くの部分がテーパ穴部52内に挿入されている。
【0054】
第1実施形態では、軸受穴51の内底面55が、第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し直交する平面56によって構成されている。また、軸部61の先端面64のうち、少なくとも第2軸線AL2を含む領域が、内底面55側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面65によって構成されている。第1実施形態では、先端面64の全体が湾曲面65によって構成されている。そして、先端面64は、第2軸線AL2が通る箇所(中心部)において、内底面55に接触している。
【0055】
<アクチュエータ71>
図1及び図3に示すように、アクチュエータ71は、第1軸線AL1を中心として弁体31を回転させて、回転位相を変更するためのものである。アクチュエータ71は、例えば、電動モータによって構成されている。アクチュエータ71の図示しない出力軸は、軸部43に対し一体回転可能に連結されている。
【0056】
<パッキン73>
パッキン73は、パッキン装着部25と同数用いられている。パッキン73は、いずれもゴム等の弾性材料によって形成されている。なお、パッキン73は、パッキン装着部25の数よりも少ない数用いられてもよい。
【0057】
図2図3及び図5に示すように、各パッキン73は、上記パッキン装着部25に装着されている。各パッキン73は、収容壁部14の内周面15における流入口18の周縁部、又は流出口22の周縁部と、弁本体部32の外周面33との間に位置している。各パッキン73は、流入口18及び流出口22に対応する形状、第1実施形態では円形の貫通孔74を有している。
【0058】
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。
<弁体31の組み付けについて>
弁体31の組み付けに際しては、図7に示すように、各パッキン73が、対応するパッキン装着部25に装着される。
【0059】
次に、軸受穴51と軸部61とが軸方向に接近するように、ボディ13及び弁体31が軸方向に相対移動させられる。例えば、弁体31がボディ13に近付けられる。これとは逆に、ボディ13が弁体31に近付けられてもよい。また、弁体31及びボディ13の両者が互いに近付く方向へ移動させられてもよい。上記相対移動により、図8に示すように、弁本体部32が収容壁部14内に挿入される。
【0060】
ここで、ロータリバルブ10では、上述したように各パッキン73を、収容壁部14の径方向に弾性変形させることによりシールが行なわれる。そのため、弁本体部32の上記挿入時には、パッキン73から弁本体部32に対し、径方向における内方へ向かう荷重が作用する。複数(一対)のパッキン73が用いられた第1実施形態では、パッキン73毎に荷重の向かう方向が異なる。
【0061】
一方で、第1実施形態では、複数(一対)のパッキン73が周方向に等角度毎に配置されていない。表現を変えると、一対のパッキン73は、第2軸線AL2を挟んで対向する箇所に配置されていない。そのため、弁本体部32がパッキン73から偏荷重を受ける。偏荷重とは、パッキン73毎の荷重を合成した荷重が、弁本体部32に対して、ある特定の方向にだけ発生する荷重である。第1実施形態では、図2において矢印Xで示すように、同図2の右斜め上方へ向かう偏荷重が弁本体部32に作用する。
【0062】
そして、弁本体部32に作用する上記偏荷重により、弁本体部32が収容壁部14に挿入される途中には、弁体31の第1軸線AL1がハウジング12の第2軸線AL2に対し、径方向へずれた状態になる。
【0063】
この点、第1実施形態では、弁本体部32を収容壁部14に挿入する過程で、図8及び図9に示すように、軸部61の本体軸部63が、軸受穴51のテーパ穴部52に入り込む。これは、テーパ穴部52の開口部54の径が、本体軸部63の直径よりも大きいからである。
【0064】
ここで、軸部61の先端面64と、本体軸部63の外周面との境界部分を、角部66とする。すると、弁本体部32が収容壁部14にさらに挿入されると、テーパ穴部52が角部66に当たる。
【0065】
テーパ穴部52は、内底面55から遠ざかるに従い拡径するように第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し傾斜している。そのため、接近のための上記相対移動が続けられると、弁本体部32からパッキン73に対し、上記偏荷重に対向する力が加わる。この力により、弁本体部32は各パッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、収容壁部14内にさらに挿入される。図10に示すように、弁本体部32は、テーパ穴部52に沿ってスライドする(滑る)ことで、径方向へ移動しながら軸方向へ移動する。テーパ穴部52のうち、上記角部66に接触する箇所が、本体穴部53に近づく。第1軸線AL1が第2軸線AL2に近づく。
【0066】
弁本体部32がさらに収容壁部14内に挿入されて、軸受穴51において上記角部66に接触する箇所がテーパ穴部52を通過すると、図11に示すように、第1軸線AL1が第2軸線AL2に対し合致、又は略合致する。
【0067】
そのため、上記接近のための上記相対移動が続けられると、図5及び図6に示すように、弁本体部32が各パッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、本体軸部63が本体穴部53内に挿入されるとともに、テーパ部62がテーパ穴部52内に挿入される。このように、弁本体部32を収容壁部14に対し軸方向へ挿入することで、テーパ穴部52の作用により、軸部61が軸受穴51に導かれて挿入される。
【0068】
そして、軸受穴51の内底面55が軸部61の先端面64に接触したところで、上記接近のための上記相対移動が停止される。本体軸部63の多くの部分が本体穴部53内に挿入され、かつテーパ部62の多くの部分がテーパ穴部52内に挿入された状態となる。
【0069】
上記のように、弁本体部32が収容壁部14内に挿入された後には、図5に示すように、カバー27がボディ13に装着される。この装着の過程で、軸部43が軸受孔41に挿入される。弁体31が、第1支持機構部40及び第2支持機構部50によって、ハウジング12に回転可能に支持される。
【0070】
<ロータリバルブ10の作動について>
ロータリバルブ10の作動時には、図5に示すように、弁体31がアクチュエータ71によって、第1軸線AL1を中心として回転される。
【0071】
図2は、上記回転により、可動流路34の上流端35の全体が流入口18の全体に対向し、かつ同可動流路34の下流端36の全体が流出口22の全体に対向したときのロータリバルブ10の状態を示している。この状態では、上流端35の全体と流入口18の全体とが周方向に重なり合い、かつ下流端36の全体と流出口22の全体とが周方向に重なり合っている。流入口18及び流出口22が可動流路34によって連通された状態(連通状態)となっている。そのため、流路11のうち、ロータリバルブ10よりも上流側の部分を流れる流体FLは、流入口18を通って収容壁部14内に流入する。この流体FLは、可動流路34を流れた後に流出口22を通り、流路11のうち、ロータリバルブ10よりも下流側の部分へ流出される。このように、流体FLがロータリバルブ10を通過する。ロータリバルブ10を流れる流体FLの量は、採り得る最大となる。
【0072】
上記の状態から、弁体31の上記回転により、上流端35の一部と流入口18の一部とが周方向に重複するとともに、下流端36の一部と流出口22の一部とが周方向に重複すると、ロータリバルブ10を流れる流体FLの量が上記の最大量よりも少なくなる。このときにも、流入口18及び流出口22は、可動流路34を介して連通状態となっている。従って、ロータリバルブ10を通過する流体FLの量は、弁体31の回転量(回転位相)を調整して、流入口18及び流出口22のそれぞれの開度(開き具合)を調整することで、変更可能である。
【0073】
なお、図示はしないが、弁体31の上記回転により、上流端35が流入口18に対向しなくなると、下流端36が流出口22に対向しなくなる。すると、流入口18及び流出口22は、可動流路34による連通が遮断された状態となる。流体FLの流れがロータリバルブ10によって遮断される。
【0074】
このときには、流入口18の周り及び流出口22の周りで、収容壁部14の内周面15と、弁本体部32の外周面33との間がパッキン73によってシールされる。パッキン73の外側の領域と、内側の領域との間で流体FLが行き来することを規制される。
【0075】
ここで、図6に示すように、軸部61の先端面64は、内底面55側へ膨らむように球面状に湾曲している。湾曲面65のうち、第2軸線AL2が通る箇所は、先端面64のうち最も内底面55に近い箇所に位置する。
【0076】
一方、内底面55のうち第1軸線AL1及び第2軸線AL2が通る箇所を含め、同内底面55の全体は、それらの第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し直交する平面56によって構成されている。
【0077】
そして、先端面64は、第2軸線AL2の通る上記箇所において、内底面55において第1軸線AL1及び第2軸線AL2の通る箇所に対し接触する。従って、先端面64は、内底面55に対し点接触する。内底面55と先端面64との接触面積は、それぞれ平面からなる内底面と先端面とが互いに面接触する場合の接触面積よりも小さくなる。内底面55と先端面64との間に生ずる摩擦力についても同様である。従って、弁体31を回転させるのに必要な回転トルクは、内底面と先端面とが互いに面接触する場合に比べ、小さくなる。
【0078】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)図6に示すように、第1実施形態では、軸受穴51のうち、軸方向における中間部から開口部54までの領域を、内底面55から遠ざかるに従い拡径するように第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し傾斜するテーパ穴部52により構成している。
【0079】
そのため、軸部61が軸受穴51に挿入される前に、弁体31の第1軸線AL1がハウジング12の第2軸線AL2に合致するように、パッキン73の偏荷重に対向する力を弁体31に加えなくてもすむ。弁本体部32を収容壁部14に挿入するだけで、パッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、軸部61を軸受穴51に挿入させることができる。その分、弁体31の組み付け性を向上できる。
【0080】
(1-2)第1実施形態では、テーパ穴部52が第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対しなす角度γ1を45°以下に設定している。そのため、軸部61の軸受穴51への挿入時に、角部66をテーパ穴部52に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能となる。
【0081】
(1-3)図5及び図6に示すように、第1実施形態では、軸部61のうち、軸方向における中間部から基端部までの領域に、基端部に近づくに従い拡径するように第2軸線AL2に対し傾斜するテーパ部62を形成している。そのため、テーパ部62が設けられない場合に比べ、軸部61の強度を高めることができる。
【0082】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図12図16を参照して説明する。
第2実施形態では、軸部61にテーパ軸部67が設けられている。より詳しくは、図12図14に示すように、軸部61のうち、軸方向における中間部から先端側の領域は、テーパ軸部67によって構成されている。テーパ軸部67の先端面64の外周部分は、第2軸線AL2を中心とする円環状の環状面68によって構成されている。環状面68は、軸部61の基端部から軸方向へ遠ざかるに従い縮径するように、第2軸線AL2に対し傾斜するテーパ面によって構成されている。
【0083】
環状面68が第2軸線AL2に対しなす角度を角度γ2とする。この角度γ2の大きさについては、特に制約はない。ここで、軸受穴51の内周面と、弁本体部32において軸受穴51が開口された面、すなわち、弁本体部32の閉塞部16側の面との境界部分を角部57とする。すると、軸部61の軸受穴51への挿入時には、角度γ2と、環状面68に対する角部57の滑りやすさとの間に、相関関係が見られる。角度γ2が小さくなるに従い滑りやすくなり、角度γ2が大きくなるに従い滑りにくくなる。そこで、角度γ2の設定に際しては、角部57の環状面68に対する滑りやすさを考慮することが望ましい。角度γ2が45°以下に設定されれば、角部57を環状面68に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能であると考えられる。そのため、第2実施形態では、角度γ2が45°以下に設定されている。
【0084】
先端面64のうち、環状面68によって囲まれた領域は、上記内底面55側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面65となっている。軸部61における湾曲面65の面積は、上記環状面68の分、第1実施形態よりも小さくなっている。
【0085】
上記テーパ軸部67の形成に伴い、軸受穴51におけるテーパ穴部52が省略されている。また、軸部61におけるテーパ部62が省略されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、第1実施形態と同様の構成には、軸受穴51の内底面55が、第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し直交する平面56によって構成されていることが含まれている。
【0086】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
<弁体31の組み付けについて>
弁体31の組み付けに際しては、第1実施形態と同様に、各パッキン73がパッキン装着部25に装着される。
【0087】
次に、軸受穴51と軸部61とが軸方向に接近するように、ボディ13及び弁体31が軸方向に相対移動させられる。
上記相対移動により、図15に示すように、弁本体部32が収容壁部14内に挿入される。この挿入時には、各パッキン73から弁本体部32に対し、収容壁部14の径方向における内方へ向かう荷重が作用する。第2実施形態でも、第1実施形態と同様、パッキン73毎の荷重を合成した偏荷重が弁本体部32に作用する。この偏荷重により、上記挿入の途中には、第1軸線AL1が第2軸線AL2に対し径方向へずれた状態になる。
【0088】
この点、第2実施形態では、図15及び図16に示すように、上記挿入の過程で、上記角部57がテーパ軸部67の環状面68に当たる。
環状面68は、軸部61の基端部から遠ざかるに従い縮径するように第2軸線AL2に対し傾斜している。そのため、上記接近のための上記相対移動が続けられると、弁本体部32からパッキン73に対し、上記偏荷重に対向する力が加わる。この力により、弁本体部32は各パッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、収容壁部14内にさらに挿入される。弁本体部32は、環状面68に沿ってスライドする(滑る)ことで、径方向へ移動しながら軸方向へ移動する。環状面68のうち、上記角部57が接触される箇所が、軸部61の外周面に近づく。これに伴い、第1軸線AL1が第2軸線AL2に近づく。
【0089】
弁本体部32がさらに収容壁部14内に挿入されて、上記角部57の軸部61に対する接触箇所が環状面68を通過すると、第1軸線AL1が第2軸線AL2に対し合致、又は略合致した状態になる。
【0090】
上記接近のための上記相対移動が続けられると、弁本体部32がパッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、軸部61の多くの部分が軸受穴51内に挿入される。そして、図13及び図14に示すように、軸受穴51の内底面55が軸部61の先端面64に接触したところで、上記接近のための上記相対移動が停止される。このように、弁本体部32を収容壁部14に対し軸方向へ挿入することで、テーパ軸部67の環状面68の作用により、軸部61が軸受穴51に導かれて挿入される。
【0091】
上記のように、弁本体部32が収容壁部14内に挿入された後には、第1実施形態と同様、カバー27がボディ13に装着される。この装着の過程で、軸部43が軸受孔41に挿入される。弁体31が、第1支持機構部40及び第2支持機構部50により、ハウジング12に回転可能に支持される。
【0092】
なお、上記のように弁体31が組み付けられたロータリバルブ10は、第1実施形態と同様に作動する。
第2実施形態において第1実施形態と共通する作用として、次の事項が含まれる。図14に示すように、軸受穴51に挿入された軸部61の先端面64は、第2軸線AL2が通る上記箇所において、内底面55において第1軸線AL1及び第2軸線AL2が通る箇所に対し接触する。従って、先端面64は、内底面55に対し点接触する。内底面55と先端面64との接触面積は、それぞれ平面からなる内底面と先端面とが互いに面接触する場合の接触面積よりも小さくなる。内底面と先端面との間に生ずる摩擦力についても同様である。従って、弁体31を回転させるのに必要な回転トルクが小さくなる。
【0093】
上記第2実施形態によると、次の効果が得られる。
(2-1)図14に示すように、第2実施形態では、軸方向における軸部61の中間部から先端側(内底面55側)の領域をテーパ軸部67により構成している。テーパ軸部67の先端面64の外周部分を、軸部61の基端部から遠ざかるに従い縮径するように第2軸線AL2に対し傾斜する環状面68により構成している。
【0094】
そのため、上記(1-1)と同様に、弁本体部32を収容壁部14に挿入するだけで、パッキン73を径方向における外方へ押し込みながら、軸部61を軸受穴51に挿入させることができる。その分、弁体31の組み付け性を向上できる。
【0095】
(2-2)第2実施形態では、環状面68が第2軸線AL2に対しなす角度γ2を45°以下に設定している。そのため、軸部61の軸受穴51への挿入時に、角部57を環状面68に対し、好適な滑りやすさで滑らせることが可能となる。
【0096】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0097】
<ハウジング12に関する事項>
・ハウジング12に対し、流入口18が1つ設けられ、かつ流出口22が複数設けられてもよい。この場合、弁体31の回転により、流入口18に連通される流出口22が切り替えられてもよい。
【0098】
また、流入口18が複数設けられ、かつ流出口22が1つ設けられてもよい。この場合、弁体31の回転により、流出口22に連通される流入口18が切り替えられてもよい。
さらに、ハウジング12に対し、流入口18及び流出口22が複数ずつ設けられてもよい。この場合、弁体31の回転により、各流入口18に連通される流出口22が切り替えられてもよい。
【0099】
<弁体31に関する事項>
・弁体31は、モータとは異なる種類のアクチュエータ71によって回転されてもよい。また、弁体31は、アクチュエータ71に代えて手動操作によって回転されてもよい。
【0100】
・弁体31における可動流路34の形状が、第1及び第2の各実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。図17は、変更例の1つを示している。この変更例では、第1流路部34aと第2流路部34bとがなす角度αが、90°よりも大きな値に設定されている。図示はしないが、角度αは90°以下の値に設定されてもよい。図17中の一点鎖線は、可動流路34の中心軸線を示している。
【0101】
また、図示はしないが、可動流路34は、屈曲せず、直線状をなす1つの流路によって構成されてもよい。
・弁体31における可動流路の数が、2以上に変更されてもよい。図18は、可動流路が弁体31に2つ設けられた変更例を示している。この変更例では、可動流路は、上記実施形態と同様に屈曲した可動流路34と、その可動流路34から離間した箇所に形成された可動流路37とを備えている。可動流路37には、可動流路34を流れる流体FLと同じ流体が流れてもよいし、異なる流体が流れてもよい。上記変更例では、可動流路37は、直線状の第1流路部37aと、直線状の第2流路部37bとを備えている。第1流路部37a及び第2流路部37bは繋がっている。図18では、第1流路部37aと第2流路部37bとがなす角度βが、90°よりも小さな値に設定されているが、90°以上の値に設定されてもよい。図18中の一点鎖線は、可動流路34,37の中心軸線を示している。
【0102】
第1流路部37aのうち、流体の流れ方向における上流端は、弁本体部32の外周面33において開口している。第2流路部37bのうち、上記流れ方向における下流端は、上記外周面33のうち、上記上流端に対し、収容壁部14の周方向に離間した箇所で開口している。
【0103】
なお、可動流路37は、屈曲せず、直線状をなす1本の流路によって構成されてもよい。
<軸受穴51の内底面55、及び軸部61の先端面64に関する事項>
・上記第1及び第2の各実施形態では、軸部61の先端面64を軸受穴51の内底面55に対し点接触させることで、両者の間に生ずる摩擦力を小さくしている。こうした構成により、弁体31を回転させるのに必要な回転トルクを小さくする効果を得ている。
【0104】
同様の効果を得るために、第1実施形態では、軸受穴51の内底面55が、上記平面56に代えて、開口部54側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面によって構成されてもよい。
【0105】
この場合、軸部61の先端面64の全体は、第1実施形態と同様に、内底面55側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面65によって構成されてもよい。この変更例では、内底面55及び先端面64の両方が、互いに反対方向へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面によって構成されることになる。また、先端面64の全体は、第2軸線AL2に対し直交する平面によって構成されてもよい。
【0106】
第2実施形態でも同様の変更が可能である。すなわち、第2実施形態では、軸受穴51の内底面55が、開口部54側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面によって構成されてもよい。
【0107】
この場合、軸部61の先端面64のうち、環状面68によって囲まれた領域は、第2実施形態と同様に、上記内底面55側へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面65によって構成されてもよい。この変更例では、内底面55及び先端面64の両方が、互いに反対方向へ膨らむように球面状に湾曲する湾曲面によって構成されることになる。また、先端面64のうち、環状面68によって囲まれた領域は、第2軸線AL2に対し直交する円形状の平面によって構成されてもよい。
【0108】
・第1実施形態において、軸受穴51の内底面55、及び軸部61の先端面64がともに、第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し直交する平面によって構成されてもよい。
また、第2実施形態において、内底面55と、先端面64のうち、環状面68によって囲まれた領域とが、ともに第1軸線AL1及び第2軸線AL2に対し直交する平面によって構成されてもよい。
【0109】
<テーパ部62に関する事項>
・第1実施形態において、軸部61からテーパ部62が適宜省略されてもよい。
<パッキン73の配置に関する事項>
・弁本体部32がパッキン73から偏荷重を受ける場合としては、第1及び第2の各実施形態のように、複数のパッキン73が周方向に等角度毎に配置されていない場合が挙げられる。
【0110】
図19は、3つのパッキン73a,73b,73cが等角度毎に配置されていない変更例の一例を示している。ここで、パッキン73aの貫通孔の中心軸線をCL1とし、パッキン73bの貫通孔の中心軸線をCL2とし、パッキン73cの貫通孔の中心軸線をCL3とする。なお、図19では、弁体31の弁本体部32が二点鎖線で図示されている。この点は、後述する図20及び図21についても同様である。
【0111】
図19の変更例では、2つのパッキン73a,73cが、第1軸線AL1及び第2軸線AL2を挟んで互いに反対側となる箇所に配置されている。中心軸線CL3と中心軸線CL1とがなす角度θ31は180°に設定されている。残りのパッキン73bは、周方向について、上記2つのパッキン73a,73cの中間となる箇所に配置されている。中心軸線CL1と中心軸線CL2とがなす角度θ12は90°に設定されている。中心軸線CL2と中心軸線CL3とがなす角度θ23は90°に設定されている。
【0112】
この変更例でも、弁本体部32が偏荷重を受ける。
・本発明は、弁本体部32がパッキン73から偏荷重を受けない場合にも適用可能である。
【0113】
偏荷重を受けない場合としては、例えば、パッキンに対し、第1軸線AL1及び第2軸線AL2を挟んで反対側となる箇所に別のパッキンが配置された場合が挙げられる。表現を変えると、一対のパッキンが、第1軸線AL1及び第2軸線AL2を挟んで対向配置された場合が挙げられる。この場合、対向配置の関係にある2つのパッキンは1組であってもよいし、複数組であってもよい。
【0114】
図20は、対向配置の関係にある2つのパッキンの組が、2組である変更例を示している。パッキン73aとパッキン73cとが、第1軸線AL1及び第2軸線AL2を挟んで対向配置されている。パッキン73bとパッキン73dとが、第1軸線AL1及び第2軸線AL2を挟んで対向配置されている。
【0115】
ここで、パッキン73a,73b,73cの各貫通孔の中心軸線を、上記図19の変更例と同様に、CL1,CL2,CL3とする。さらに、パッキン73dの貫通孔の中心軸線をCL4とする。
【0116】
この変更例では、中心軸線CL1と中心軸線CL2とがなす角度θ12は60°に設定されている。中心軸線CL2と中心軸線CL3とがなす角度θ23は120°に設定されている。中心軸線CL3と中心軸線CL4とがなす角度θ34は60°に設定されている。中心軸線CL4と中心軸線CL1とがなす角度θ41は120°に設定されている。
【0117】
中心軸線CL1と中心軸線CL3とがなす角度は180°に設定されている。中心軸線CL2と中心軸線CL4とがなす角度は180°に設定されている。
また、偏荷重を受けない場合として、複数のパッキン73が周方向に等角度毎に配置された場合が挙げられる。
【0118】
図21は、3つのパッキン73a,73b,73cが、等角度毎に配置された変更例を示している。
ここで、パッキン73a,73b,73cの各貫通孔の中心軸線を、上記図19の変更例と同様に、CL1,CL2,CL3とする。中心軸線CL1と中心軸線CL2とがなす角度θ12、中心軸線CL2と中心軸線CL3とがなす角度θ23、中心軸線CL3と中心軸線CL1とがなす角度θ31のいずれも120°に設定されている。
【0119】
<その他の事項>
・第1実施形態において、テーパ穴部52に対し角部66を滑りやすくするためのコーティングが、テーパ穴部52の壁面に施されてもよい。また、同様の目的のために、テーパ穴部52が切削加工されてもよい。さらには、テーパ穴部52の周辺部分が、弁本体部32の他の箇所よりも滑りやすい材料によって形成されてもよい。
【0120】
・第2実施形態において、テーパ軸部67に対し角部57を滑りやすくするためのコーティングが、環状面68に施されてもよい。また、同様の目的のために、環状面68が切削加工されてもよい。さらには、軸部61のうち、環状面68の周辺部分が、同軸部61の他の箇所よりも滑りやすい材料によって形成されてもよい。
【0121】
・第1実施形態、第2実施形態、及び上記各変更例とは逆に、ハウジング12(閉塞部16)に軸受穴51が設けられ、弁本体部32に軸部61が設けられてもよい。このようにすると、軸受穴51及び軸部61が形成される対象が異なるものの、第1実施形態、第2実施形態、及び上記各変更例と同様の作用及び効果が得られる。
【0122】
・上記ロータリバルブ10は、流体FLとして、水とは異なる種類の液体が流される流路に設けられるロータリバルブや、流体FLとして液体に代えて気体が流される流路に設けられるロータリバルブにも適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
10…ロータリバルブ
12…ハウジング
14…収容壁部
18…流入口
22…流出口
31…弁体
32…弁本体部
33…外周面
51…軸受穴
52…テーパ穴部
54…開口部
55…内底面
61…軸部
64…先端面
67…テーパ軸部
68…環状面
73,73a,73b,73c,73d…パッキン
AL1…第1軸線
AL2…第2軸線
FL…流体
M1…支持機構
γ1,γ2…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、
前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、
前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、
前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、
前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、
前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、
前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、
前記軸受穴のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から前記開口部までの領域は、前記内底面から遠ざかるに従い拡径するように前記第2軸線に対し傾斜するテーパ穴部により構成され
前記テーパ穴部は、前記第2軸線を中心とする前記領域の全周にわたって形成されているロータリバルブ。
【請求項2】
前記軸部は、テーパ部及び本体軸部を備え、
前記テーパ部は、前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から基端側の領域に形成され、かつ前記軸部の先端面から遠ざかるに従い拡径するように、前記第2軸線に対し傾斜し、
前記本体軸部は、前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における前記中間部から先端側の領域を構成している請求項1に記載のロータリバルブ。
【請求項3】
前記テーパ穴部が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている請求項1又は請求項2に記載のロータリバルブ。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸線を有する弁体と、第2軸線を有するハウジングと、前記弁体を前記ハウジングに回転可能に支持する支持機構と、を備え、
前記ハウジングは、前記第2軸線に沿って延びる環状の収容壁部を有するとともに、流体の流入口及び流出口を有し、
前記弁体は、前記第1軸線を前記第2軸線に合致させた状態で前記収容壁部に収容される弁本体部を有し、
前記第1軸線を中心とした前記弁体の回転により、前記流入口及び前記流出口の連通状態が変更されるロータリバルブであって、
前記流入口及び前記流出口の少なくとも1つが前記収容壁部に設けられ、
前記流入口及び前記流出口のうち前記収容壁部に設けられたものの周縁部と、前記弁本体部の外周面との間にはパッキンが配置され、
前記支持機構は、前記ハウジング及び前記弁本体部の一方において前記第2軸線に沿う方向へ延び、かつ一端に開口部を有するとともに他端に内底面を有する軸受穴と、他方から前記第2軸線に沿う方向へ突出し、かつ前記軸受穴に挿入される軸部とを備え、
前記軸受穴のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から前記開口部までの領域は、前記内底面から遠ざかるに従い拡径するように前記第2軸線に対し傾斜するテーパ穴部により構成され、
前記テーパ穴部は、前記第2軸線を中心とする前記領域の全周にわたって形成され
前記軸部は、テーパ部及び本体軸部を備え、
前記テーパ部は、前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における中間部から基端側の領域に形成され、かつ前記軸部の先端面から遠ざかるに従い拡径するように、前記第2軸線に対し傾斜し、
前記本体軸部は、前記軸部のうち、前記第2軸線に沿う方向における前記中間部から先端側の領域を構成しているロータリバルブ。
【請求項2】
前記テーパ穴部が前記第2軸線に対しなす角度が45°以下に設定されている請求項1に記載のロータリバルブ。