(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008947
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/593 20210101AFI20250109BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/588
H01M50/211
H01M50/293
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111597
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】奥田 隼輔
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA36
5H040AS06
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040JJ02
5H040JJ03
5H040LL10
5H040NN01
5H043AA07
5H043BA19
5H043CA08
5H043GA23
5H043GA26
5H043HA12
5H043JA06
5H043KA45
5H043LA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外装フィルムの腐食を抑制できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置は、第一方向で積層された第一蓄電素子21a及び第二蓄電素子21bを備える蓄電装置であって、第一蓄電素子及び第二蓄電素子のそれぞれは、電極体と、電極体を覆う外装フィルムとを備え、外装フィルムは、電極体に対向する本体フィルム212と、本体フィルムの端縁であって、第一方向Xに交差する第二方向Zの端縁から突出した突出片241とを備え、第一蓄電素子の突出片及び第二蓄電素子の突出片の間には、絶縁体が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向で積層された第一蓄電素子及び第二蓄電素子を備える蓄電装置であって、
前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子のそれぞれは、
電極体と、
前記電極体を覆う外装フィルムとを備え、
前記外装フィルムは、
前記電極体に対向する本体フィルムと、
前記本体フィルムの端縁であって、前記第一方向に交差する第二方向の端縁から突出した突出片とを備え、
前記第一蓄電素子の前記突出片及び前記第二蓄電素子の前記突出片の間には、絶縁体が設けられている、
蓄電装置。
【請求項2】
前記第一蓄電素子の前記突出片は、前記第一蓄電素子の前記本体フィルムとともに空間を形成する姿勢で、前記絶縁体に向けて折り曲げられており、
前記第二蓄電素子の前記突出片は、前記第二蓄電素子の前記本体フィルムとともに空間を形成する姿勢で、前記絶縁体に向けて折り曲げられている、
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第一蓄電素子の前記突出片及び前記第二蓄電素子の前記突出片の少なくとも一方は前記絶縁体に接着されている、
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第一蓄電素子の前記突出片は、一部が露出された状態で前記絶縁体に接着されている、
請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第二蓄電素子の前記突出片は前記絶縁体から離れている、
請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記本体フィルムは、前記第二方向の端部に傾斜部を有し、
前記第一蓄電素子の前記突出片の端部と、前記絶縁体の端部とは、前記第一方向から見て重なる領域を有し、
前記重なる領域は、前記第一方向から見て、前記傾斜部と重なっている、
請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記重なる領域は、前記第一方向において、前記第一蓄電素子における前記第一方向の端部と、前記端縁との間に配置されている、
請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記絶縁体は、前記第一蓄電素子の前記本体フィルム及び前記第二蓄電素子の前記本体フィルムの間にあるスペーサの少なくとも一部である、
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池パックにおいては、複数のパウチ型セルが積層された状態で電池パックハウジング内に収容されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、積層された複数のパウチ型セルにおいて、隣り合う2つのパウチ型セルの端縁同士が接触してしまうと短絡が生じうる。この短絡を起因としてパウチ型セルの外装フィルムが腐食するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、外装フィルムの腐食を抑制できる蓄電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向で積層された第一蓄電素子及び第二蓄電素子を備える蓄電装置であって、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子のそれぞれは、電極体と、前記電極体を覆う外装フィルムとを備え、前記外装フィルムは、前記電極体に対向する本体フィルムと、前記本体フィルムの端縁であって、前記第一方向に交差する第二方向の端縁から突出した突出片とを備え、前記第一蓄電素子の前記突出片及び前記第二蓄電素子の前記突出片の間には、絶縁体が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外装フィルムの腐食を抑制できる蓄電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る蓄電装置を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る複数の蓄電素子及び複数のスペーサのそれぞれを分離して示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る複数の蓄電素子及び複数のスペーサが一体化された状態を示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る第一蓄電素子の第一突出片及び第二蓄電素子の第二突出片と、スペーサとを拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明の一態様に係る蓄電装置は、第一方向で積層された第一蓄電素子及び第二蓄電素子を備える蓄電装置であって、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子のそれぞれは、電極体と、前記電極体を覆う外装フィルムとを備え、前記外装フィルムは、前記電極体に対向する本体フィルムと、前記本体フィルムの端縁であって、前記第一方向に交差する第二方向の端縁から突出した突出片とを備え、前記第一蓄電素子の前記突出片及び前記第二蓄電素子の前記突出片の間には、絶縁体が設けられている。
【0010】
本発明の一態様に係る蓄電装置によれば、第一蓄電素子の突出片及び第二蓄電素子の突出片の間には絶縁体が設けられているので、この絶縁体により、各突出片同士の接触(短絡)が抑制される。したがって、各突出片の短絡を起因とした外装フィルムの腐食を抑制できる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の蓄電装置において、前記第一蓄電素子の前記突出片は、前記第一蓄電素子の前記本体フィルムとともに空間を形成する姿勢で、前記絶縁体に向けて折り曲げられており、前記第二蓄電素子の前記突出片は、前記第二蓄電素子の前記本体フィルムとともに空間を形成する姿勢で、前記絶縁体に向けて折り曲げられている、としてもよい。
【0012】
上記(2)に記載の蓄電装置によれば、各突出片が、各本体フィルムとともに空間を形成する姿勢で、絶縁体に向けて折り曲げられているので、突出片が衝撃を受けたとしても当該空間により衝撃を緩和できる。これにより、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の耐衝撃性を高めることができる。
【0013】
(3)上記(1)または(2)に記載の蓄電装置において、前記第一蓄電素子の前記突出片及び前記第二蓄電素子の前記突出片の少なくとも一方は前記絶縁体に接着されている、としてもよい。
【0014】
上記(3)に記載の蓄電装置によれば、第一蓄電素子の突出片及び第二蓄電素子の突出片の少なくとも一方が絶縁体に接着されているので、突出片が広がってしまうことを抑制できる。つまり、各突出片同士の接触(短絡)が確実に抑制される。
【0015】
(4)上記(3)に記載の蓄電装置において、前記第一蓄電素子の前記突出片は、一部が露出された状態で前記絶縁体に接着されている、としてもよい。
【0016】
上記(4)に記載の蓄電装置によれば、絶縁体は、第一蓄電素子の突出片の一部を露出させた状態で当該突出片に接着しているので、突出片の全体を覆って接着する場合よりも絶縁体の使用量を抑制できる。
【0017】
(5)上記(4)に記載の蓄電装置において、前記第二蓄電素子の前記突出片は前記絶縁体から離れている、としてもよい。
【0018】
上記(5)に記載の蓄電装置によれば、第二蓄電素子の突出片が絶縁体から離れているので、当該突出片と絶縁体との絶縁距離を確保できる。これにより、各突出片同士の接触(短絡)がより確実に抑制される。
【0019】
(6)上記(4)または(5)に記載の蓄電装置において、前記本体フィルムは、前記第二方向の端部に傾斜部を有し、前記第一蓄電素子の前記突出片の端部と、前記絶縁体の端部とは、前記第一方向から見て重なる領域を有し、前記重なる領域は、前記第一方向から見て、前記傾斜部と重なっている、としてもよい。
【0020】
上記(6)に記載の蓄電装置によれば、第一蓄電素子の突出片の端部と、絶縁体の端部とが第一方向から見て重なる領域は、第一方向から見て傾斜部に重なっているので、蓄電装置の第二方向の寸法が大きくなることを抑制できる。
【0021】
(7)上記(6)に記載の蓄電装置において、前記重なる領域は、前記第一方向において、前記第一蓄電素子における前記第一方向の端部と、前記端縁との間に配置されている、としてもよい。
【0022】
上記(7)に記載の蓄電装置によれば、第一蓄電素子の第一方向の端部と、本体フィルムの端縁との間に前記重なる領域が配置されているので、突出片及び絶縁体が第一方向における第一蓄電素子の外方に突出しない。これにより、第二蓄電素子の突出片が第一蓄電素子の突出片及び絶縁体に接触してしまうことを抑制できる。
【0023】
(8)上記(1)~(7)のいずれかひとつに記載の蓄電装置において、前記絶縁体は、前記第一蓄電素子の前記本体フィルム及び前記第二蓄電素子の前記本体フィルムの間にあるスペーサの少なくとも一部である、としてもよい。
【0024】
上記(8)に記載の蓄電装置によれば、絶縁体がスペーサの少なくとも一部であるので、絶縁体専用の部材を別途設けなくともよい。つまり、部品点数を削減できる。
【0025】
(実施の形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。本実施の形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施の形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0026】
以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外装体における本体部と外蓋との並び方向、または、蓄電装置に備わる複数の蓄電素子の並び方向をX軸方向と定義する。蓄電素子の各リード端子の突出方向をY軸方向と定義する。蓄電素子に備わる一対のリード端子の並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。X軸方向は第一方向の一例であり、Z軸方向は第二方向の一例である。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態では、直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
【0027】
[蓄電装置の全般的な説明]
まず、
図1及び
図2を用いて、実施の形態に係る蓄電装置1の全般的な説明を行う。
図1は、実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0028】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0029】
図1及び
図2に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット20と、蓄電ユニット20を収容する外装体10とを備えている。外装体10は、蓄電ユニット20を収容する本体部11と、本体部11を塞ぐ外蓋12とを有する。
【0030】
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット20等を所定の位置に固定し、これら要素を衝撃などから保護する部材である。
【0031】
本体部11は、X軸プラス方向が開放された有底矩形筒状の部材であり、その開放部分が開口部111である。開口部111は、平面視(X軸方向視)において略四角形状である。本体部11の開口部111内には、蓄電ユニット20に加えて、蓄電ユニット20に保持された複数のバスバー(図示省略)及びヒューズ(図示省略)が収容されている。
【0032】
外蓋12は、本体部11の開口部111を閉塞する部材であり、本体部11の開口部111をX軸プラス方向から塞いだ状態で本体部11に接合されている。開口部111外における外蓋12に対応する位置には回路基板35が配置されている。つまり、本体部11と外蓋12との間には回路基板35が収容されている。外蓋12は、一対(正極及び負極)の外部端子81を有している。外部端子81は、各バスバー、ヒューズ及び回路基板35を介して、蓄電ユニット20に含まれる複数の蓄電素子21と電気的に接続されている。蓄電装置1は、この外部端子81を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子81は、例えば、真鍮などの銅合金、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0033】
ここで、各バスバーは、外部端子81と蓄電素子21とを電気的に接続する板状部材である。各バスバーは、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0034】
ヒューズは、定格以上の大電流から回路基板35及び複数の蓄電素子21等を保護する部材である。ヒューズは、定格以上の電流が流れると溶断することで電流の流れを遮断する。
【0035】
回路基板35は、複数の電気部品(図示省略)を有し、これら複数の電気部品により、各蓄電素子21の状態(温度、電圧、電流など)を検出する検出回路、及び、充電及び放電を制御する制御回路等が形成されている。回路基板35は、検出回路及び制御回路の少なくとも一方を有していればよい。
【0036】
外装体10の本体部11及び外蓋12は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。外装体10は、これにより、蓄電素子21等が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、蓄電素子21等の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、外装体10は、金属等の導電部材で形成されてもよい。本体部11及び外蓋12は、同じ材質で形成されてもよいし、異なる材質で形成されてもよい。
【0037】
[蓄電ユニット]
蓄電ユニット20は、複数の蓄電素子21と、保持部22と、複数のスペーサ30(
図3参照)とを備えている。
【0038】
蓄電素子21は、二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。本実施の形態では、蓄電素子21は、扁平な形状を有するパウチタイプの蓄電素子であり、複数(本実施の形態では、4個)のパウチタイプの蓄電素子21がX軸方向に並んで配列されている。蓄電素子21は、パウチタイプの蓄電素子ではなく、扁平な直方体形状(角形)、円柱形状、長円柱形状または楕円柱形状等の蓄電素子でもよく、その大きさ及び形状は限定されない。配列される蓄電素子21の個数についても、特に限定されない。蓄電素子21は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子21は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。複数の蓄電素子21は、X軸方向に配列されており、隣り合う蓄電素子21同士が接着剤または両面テープにより接合されてもよいし、接合されなくてもよい。蓄電素子21の詳細については後述する。
【0039】
保持部22は、複数の蓄電素子21を保持する部位である。保持部22は、第一保持部材23と、第一保持部材23とともに複数の蓄電素子21を保持する第二保持部材24とを有している。具体的には、第一保持部材23は、複数の蓄電素子21のX軸マイナス方向に配置されており、複数の蓄電素子21のうち、X軸マイナス方向の端部に配置された蓄電素子21に接着剤または両面テープにより接合されている。第二保持部材24は、複数の蓄電素子21のX軸プラス方向に配置されており、複数の蓄電素子21のうち、X軸プラス方向の端部に配置された蓄電素子21に接着剤または両面テープにより接合されている。これにより、第一保持部材23及び第二保持部材24は、複数の蓄電素子21をX軸方向で挟んで保持している。なお、第一保持部材23及び第二保持部材24の少なくとも一方が、蓄電素子21に接合されていればよい。
【0040】
第一保持部材23及び第二保持部材24は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ABS樹脂、または、それらの複合材料等の絶縁部材により形成されている。これにより、第一保持部材23及び第二保持部材24は、複数の蓄電素子21が外部の金属部材等の導電部材と導通することを抑制するが、そのような必要がない場合等には、第一保持部材23及び第二保持部材24は、金属等の導電部材で形成されてもよい。
【0041】
第一保持部材23は、X軸マイナス方向の端部の蓄電素子21に重なる平板部25と、平板部25からX軸プラス方向に延びるバスバー支持部26とを有している。バスバー支持部26は、平板部25のY軸マイナス方向、Z軸マイナス方向の角部からX軸プラス方向に延びており、図示しないバスバーを支持している。
【0042】
第二保持部材24は、X軸プラス方向の端部の蓄電素子21に重なる基板支持部27と、基板支持部27からX軸マイナス方向に延びる検出線支持部28とを有している。基板支持部27は、回路基板35を支持しており、当該回路基板35を囲む囲壁29を有している。また、基板支持部27は、図示しないバスバー及びヒューズを支持している。
【0043】
検出線支持部28は、各蓄電素子21の状態(温度、電圧、電流など)を検出するために、回路基板35に接続された複数の検出線36を支持する部位である。検出線支持部28は、基板支持部27のY軸マイナス方向の端部からX軸マイナス方向に延びている。
【0044】
[蓄電素子]
次に蓄電素子21の詳細について説明する。
図3は、実施の形態に係る複数の蓄電素子21及び複数のスペーサ30のそれぞれを分離して示す斜視図である。
図4は、実施の形態に係る複数の蓄電素子21及び複数のスペーサ30が一体化された状態を示す側面図である。
【0045】
複数の蓄電素子21は、基本的な構造は同様であるものの、外形形状が部分的に異なる。具体的には、X軸マイナス方向から順に奇数番目の蓄電素子21と、X軸マイナス方向から順に偶数番目の蓄電素子21とで、外形形状が部分的に異なっている。つまり、奇数番目の蓄電素子21同士は外形形状が同等であり、偶数番目の蓄電素子21同士は外形形状が同等である。
図3では、隣り合う2つの蓄電素子21の間に配置される各スペーサ30も分離して図示されている。
【0046】
まずは、蓄電素子21の基本的な構造について説明する。蓄電素子21は、外装フィルム210と、一対(正極及び負極)のリード端子220とを有し、外装フィルム210の内方には、電極体211、及び、電解液(非水電解質:図示せず)等が収容されている。当該電解液としては、蓄電素子21の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、適宜公知の材料を用いることができる。
【0047】
外装フィルム210は、ラミネートフィルムで形成されたシート状の外装体であり、内部に電極体211及び電解液等を減圧状態で密閉して収容している。外装フィルム210は、矩形状の2枚のラミネートフィルムが、X軸方向に重ねられて構成されている。当該2枚のラミネートフィルムは、一対のリード端子220を挟んで熱溶着等により接合(シール)されている。2枚のラミネートフィルムにおいて、一対のリード端子220に対応しない箇所では、当該2枚のラミネートフィルム同士が熱溶着等により接合(シール)されている。ラミネートフィルムは、アルミニウム等の金属層と、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)等の樹脂層とを含む複数層からなるフレキシブルなフィルムであり、溶着箇所(シール部)には、樹脂層が配置されている。なお、外装フィルム210は、1枚のラミネートフィルムを袋状に形成して、当該ラミネートフィルムの端部同士を熱溶着により接合することで構成されてもよい。
【0048】
リード端子220は、電極体211に電気的に接続された導電性の板状部材(リード板)である。リード端子220は、外装フィルム210を貫通した状態で外装フィルム210から露出して配置されている。リード端子220は、蓄電素子21の一端から突出したタブ部である。本実施の形態では、Z軸方向に並ぶ一対のリード端子220が、外装フィルム210のY軸マイナス方向の端部からY軸マイナス方向に突出して配置されている。具体的には、正極のリード端子220は、電極体211の正極板に電気的に接続されたリード端子であり、負極のリード端子220は、電極体211の負極板に電気的に接続されたリード端子である。つまり、リード端子220は、電極体211に蓄えられている電気を蓄電素子21の外部空間に導出し、また、電極体211に電気を蓄えるために蓄電素子21の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。リード端子220は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で形成されている。
【0049】
電極体211は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートまたは不織布等を用いることができる。本実施の形態では、電極体211は、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に積層されて形成されている。なお、電極体211は、極板(正極板及び負極板)が巻回されて形成された巻回型の電極体、複数の平板状の極板が積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。
【0050】
次に、奇数番目の蓄電素子21と、偶数番目の蓄電素子21との違いについて説明する。奇数番目の蓄電素子21と、偶数番目の蓄電素子21との共通な構成として、外装フィルム210は、電極体211に重なる本体フィルム212と、本体フィルム212の全周縁から外方に向けて突出した枠部213とを有している。本体フィルム212は、電極体211の各側面に重なっている。本体フィルム212のZ軸方向の両端部は、先細りするように傾斜した傾斜部250となっている(
図4参照)。換言すると、本体フィルム212のZ軸方向の両端部は、X軸方向の幅が枠部213に向かって小さくなるように傾斜した傾斜部250となっている。本体フィルム212のY軸方向の両端部も、先細りするように傾斜した傾斜部となっていてもよい。換言すると、本体フィルム212のY軸方向の両端部は、X軸方向の幅が枠部213に向かって小さくなるように傾斜した傾斜部となっている。
【0051】
枠部213は、2枚のラミネートフィルムが重なり合ったシート状の部位であり、X軸方向から見た場合に矩形枠状に形成されている。枠部213のうち、Y軸マイナス方向の端縁である第一辺214からは、一対のリード端子220がY軸マイナス方向に突出し、互いに逆方向となるようにX軸方向に折り曲げられている。各リード端子220は、外装フィルム210の第一辺214の近傍で折り曲げられている各リード端子220において、折り曲げ位置を基準に本体フィルム212よりも遠い部分を先端部230と称す。
【0052】
ここで、奇数番目の蓄電素子21では、Z軸プラス方向のリード端子221の先端部231がX軸マイナス方向に折り曲げられていて、Z軸マイナス方向のリード端子222の先端部232がX軸プラス方向に折り曲げられている。これに対し、偶数番目の蓄電素子21では、Z軸プラス方向のリード端子221の先端部231がX軸プラス方向に折り曲げられていて、Z軸マイナス方向のリード端子222の先端部232がX軸マイナス方向に折り曲げられている。
【0053】
奇数番目の蓄電素子21と、偶数番目の蓄電素子21との共通な構成として、枠部213のうち、本体フィルム212をY軸方向で挟む部位は、平坦状に形成されているのに対し、Z軸方向で挟む部位は折り曲げられている。具体的には、枠部213のうち、本体フィルム212をZ軸方向で挟む部位は、本体フィルム212のZ軸方向の端縁から突出した一対の突出片240である。
【0054】
図4に示すように、一対の突出片240は、Z軸方向に突出し、互いに逆方向となるようにX軸方向に折り曲げられている。ここで、奇数番目の蓄電素子21では、Z軸プラス方向の突出片241がX軸プラス方向に折り曲げられていて、Z軸マイナス方向の突出片242がX軸マイナス方向に折り曲げられている。これに対し、偶数番目の蓄電素子21では、Z軸プラス方向の突出片241がX軸マイナス方向に折り曲げられていて、Z軸マイナス方向の突出片242がX軸プラス方向に折り曲げられている。
【0055】
各蓄電素子21のリード端子220は、他の蓄電素子21のリード端子220またはバスバーに接合される。具体的には、一番目の蓄電素子21のリード端子221は、先端部231が図示しないバスバーに溶接される。一番目の蓄電素子21のリード端子222と、二番目の蓄電素子21のリード端子222とは、先端部232同士が溶接される。二番目の蓄電素子21のリード端子221と、三番目の蓄電素子21のリード端子221とは、先端部231同士が溶接される。三番目の蓄電素子21のリード端子222と、四番目の蓄電素子21のリード端子222とは、先端部232同士が溶接される。四番目の蓄電素子21のリード端子221は、先端部231が、図示しない他のバスバーに溶接される。
【0056】
図3に示すように、隣り合う一対の蓄電素子21の間には、スペーサ30が配置されている。スペーサ30は、隣り合う一対の蓄電素子21を接合するための絶縁性を有した両面テープである。スペーサ30の絶縁性は、スペーサ30の体積抵抗率と言い換えることができる。スペーサの体積抵抗率は、JIS K6911:2006に準拠して測定できる。スペーサ30の体積抵抗率は、1×10
6Ω・m以上であれば好ましく、1×10
7Ω・m以上であればより好ましく、1×10
8Ω・m以上であればさらに好ましい。具体的には、スペーサ30は、上述した絶縁部材からなるシート体と、そのシート体の両面に形成された一対の粘着層とを有している。スペーサ30は、各粘着層が絶縁性を有していなくてもシート体によって一定の絶縁性を確保できるが、各粘着層が絶縁性を有している方が好適である。スペーサ30は、平面視矩形状であり、隣り合う一対の蓄電素子21の本体フィルム212に重なって貼り付けられる。スペーサ30は、Z軸方向の一端部が本体フィルム212から突出している。具体的には、一番目の蓄電素子21と二番目の蓄電素子21との間に配置されるスペーサ30では、Z軸プラス方向の端部が各蓄電素子21の本体フィルム212から突出している。二番目の蓄電素子21と三番目の蓄電素子21との間に配置されるスペーサ30では、Z軸マイナス方向の端部が各蓄電素子21の本体フィルム212から突出している。三番目の蓄電素子21と四番目の蓄電素子21との間に配置されるスペーサ30では、Z軸プラス方向の端部が各蓄電素子21の本体フィルム212から突出している。
【0057】
[突出片とスペーサとの位置関係]
次に、一番目の蓄電素子21及び二番目の蓄電素子21と、その間のスペーサ30とを例示して、各突出片241と、スペーサ30との位置関係について詳細に説明する。ここでは、一番目の蓄電素子21を第一蓄電素子21aと称し、一番目の蓄電素子21の突出片241を第一突出片241aと称す。同様に、二番目の蓄電素子21を第二蓄電素子21bと称し、二番目の蓄電素子21の突出片241を第二突出片241bと称す。
【0058】
図5は、実施の形態に係る第一蓄電素子21aの第一突出片241a及び第二蓄電素子21bの第二突出片241bと、スペーサ30とを拡大して示す側面図である。
図5に示すように、スペーサ30のZ軸プラス方向の端部301は、第一蓄電素子21aの本体フィルム212と、第二蓄電素子21bの本体フィルム212の間からZ軸プラス方向に突出して、第一突出片241aと第二突出片241bとの間に配置されている。
【0059】
第一突出片241aは、全体としてX軸プラス方向に折り曲げられている。具体的には、第一突出片241aは、第一蓄電素子21aの本体フィルム212とともに空間s1を形成する姿勢で、スペーサ30に向けて折り曲げられている。このため、第一突出片241aの端部243aは、Z軸マイナス方向を向いている。第一突出片241aは、端部243aがスペーサ30の端部301に接着されているものの、基部はスペーサ30の端部301に接着されておらず露出されている。スペーサ30の端部301は、第一突出片241aの端部243aに接着されることで、X軸マイナス方向に傾斜している。
【0060】
第二突出片241bは、全体としてX軸マイナス方向に折り曲げられている。具体的には、第二突出片241bは、第二蓄電素子21bの本体フィルム212とともに空間s2を形成する姿勢で、スペーサ30に向けて折り曲げられている。このため、第二突出片241bの端部243bは、Z軸マイナス方向を向いている。第二突出片241bの端部243bはスペーサ30の端部301に接着されておらず、スペーサ30から離れている。
【0061】
ここで、第一突出片241aの端部243aと、スペーサ30の端部301とは、X軸方向から見て重なる領域R1を有している。領域R1は、X軸方向から見て本体フィルム212の傾斜部250と重なっている。このように領域R1が、X軸方向から見て本体フィルム212の傾斜部250と重なっているので、当該領域R1がZ軸方向に突出することを抑制できる。つまり、蓄電装置1のZ軸方向の寸法が大きくなることを抑制できる。
【0062】
さらに領域R1は、X軸方向において、第一蓄電素子21aのX軸プラス方向の端部と、本体フィルム212のZ軸プラス方向の端縁との間(
図5に示す間隔i内)に配置されている。これにより、第一突出片241a及びスペーサ30がX軸方向における第一蓄電素子21aの外方に突出しないので、第二蓄電素子21bの第二突出片241bが第一突出片241a及びスペーサ30に接触することを抑制できる。
【0063】
[効果など]
以上のように、本実施の形態によれば、第一蓄電素子21aの第一突出片241a及び第二蓄電素子21bの第二突出片241bの間には、絶縁性のスペーサ30が設けられているので、このスペーサ30により、第一突出片241a及び第二突出片241b同士の接触(短絡)が抑制される。したがって、第一突出片241a及び第二突出片241bの短絡を起因とした外装フィルム210の腐食を抑制できる。
【0064】
第一突出片241a及び第二突出片241bが、本体フィルム212とともに空間s1、s2を形成する姿勢で、スペーサ30に向けて折り曲げられているので、第一突出片241a及び第二突出片241bが衝撃を受けたとしても当該空間s1、s2により衝撃を緩和できる。これにより、第一蓄電素子21a及び第二蓄電素子21bの耐衝撃性を高めることができる。
【0065】
例えば、第一突出片241aが本体フィルム212の傾斜部250に密着するように折り曲げられていると、それだけ第一突出片241aの折り曲げ部が急峻に折り曲げられて過剰なストレスが生じうる。しかしながら、上記したように第一突出片241aが空間s1を形成する姿勢で折り曲げられているのであれば、折り曲げ部も緩やかとなり、ストレスを緩和できる。これは第二突出片241bにおいても同様である。
【0066】
第一蓄電素子21aの第一突出片241aがスペーサ30に接着されているので、第一突出片241aが広がってしまうことを抑制できる。つまり、第一突出片241a及び第二突出片241b同士の接触(短絡)が確実に抑制される。
【0067】
スペーサ30は、第一蓄電素子21aの第一突出片241aの一部を露出させた状態で第一突出片241aに接着しているので、第一突出片241aの全体を覆って接着する場合よりもスペーサ30の使用量を抑制できる。
【0068】
第二蓄電素子21bの第二突出片241bがスペーサ30から離れているので、当該第二突出片241bとスペーサ30との絶縁距離を確保できる。これにより、、第一突出片241a及び第二突出片241b同士の接触(短絡)がより確実に抑制される。
【0069】
第一蓄電素子21aの第一突出片241aの端部243aと、スペーサ30の端部301とがX軸方向(第一方向)から見て重なる領域R1は、X軸方向から見て傾斜部250に重なっているので、蓄電装置1のZ軸方向の寸法が大きくなることを抑制できる。
【0070】
第一蓄電素子21aのX軸方向の端部と、本体フィルム212の端縁との間に領域R1が配置されているので、第一突出片241a及びスペーサ30がX軸方向における第一蓄電素子21aの外方に突出しない。これにより、第二蓄電素子21bの第二突出片241bが第一蓄電素子21aの第一突出片241a及びスペーサ30に接触してしまうことを抑制できる。
【0071】
スペーサ30の少なくとも一部が、第一突出片241a及び第二突出片241bの間に配置される絶縁体であるので、絶縁体専用の部材を別途設けなくともよい。つまり、部品点数を削減できる。
【0072】
(その他)
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0073】
例えば、上記実施の形態では、X軸方向から見た場合に矩形状の外装フィルム210を例示したが、外装フィルムの外形は如何様でもよい。外装フィルムのその他の外形としては、矩形以外の多角形状、長円状、楕円状、円形状などが挙げられる。
【0074】
上記実施の形態では、第一突出片241aが本体フィルム212とともに空間s1を形成する姿勢で折り曲げられている場合を例示したが、第一突出片は空間を形成しない姿勢で折り曲げられていてもよい。これは第二突出片においても同様である。
【0075】
上記実施の形態では、第二突出片241bがスペーサ30から離れている場合を例示したが、第二突出片はスペーサに接着されてもよい。この場合、第二突出片が広がってしまうことを抑制できる。さらに、第一突出片及び第二突出片の双方がスペーサに接着されていなくてもよい。つまり、第一突出片及び第二突出片の双方は、スペーサに接触しているだけでもよいし、スペーサから離れていてもよい。
【0076】
上記実施の形態では、第一突出片241aの一部が露出された状態でスペーサ30に接着された場合を例示したが、第一突出片の全体がスペーサに覆われて接着されていてもよい。
【0077】
上記実施の形態では、第一突出片241a及び第二突出片241bの間に配置される絶縁体の一例としてスペーサ30を例示したが、当該絶縁体はスペーサとは別体の絶縁部材であってもよい。
【0078】
実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 蓄電装置
10 外装体
11 本体部
12 外蓋
20 蓄電ユニット
21 蓄電素子
21a 第一蓄電素子
21b 第二蓄電素子
22 保持部
23 第一保持部材
24 第二保持部材
25 平板部
26 バスバー支持部
27 基板支持部
28 検出線支持部
29 囲壁
30 スペーサ(絶縁体)
35 回路基板
36 検出線
81 外部端子
111 開口部
210 外装フィルム
211 電極体
212 本体フィルム
213 枠部
214 第一辺
220、221、222 リード端子
230、231、232 先端部
240、241、242 突出片
241a 第一突出片
241b 第二突出片
243a、243b、301 端部
250 傾斜部
i 間隔
R1 領域
s1、s2 空間